WO2003099571A1

WO2003099571A1 - Dispositif de mesure de quantite d'encre restante, imprimante a jet d'encre comprenant ledit dispositif, procede de mesure de quantite d'encre restante et cartouche d'encre

Info

Publication number: WO2003099571A1
Application number: PCT/JP2003/006794
Authority: WO
Inventors: Yuichi Nishihara
Original assignee: Seiko Epson Corporation
Priority date: 2002-05-29
Filing date: 2003-05-29
Publication date: 2003-12-04
Also published as: CN1655940A; JP2004050824A; US20050212836A1; EP1508450A1; CN1326703C; EP1508450A4; US7325892B2

Description

明細書インク残量検出装置、それを用いたインクジエツト記録装置及びインク残量検出方法、並びにインクカートリッジ

― 技術分野

本発明は、インクジエツト記録装置のインク残量検出装置及び検出方法に関し、特に、音響インピーダンスの変化を検出してインクジェット記録装置のインクタンクにおけるインク残量を検出するための技術に関する。背景技術

一般に、インクジェット記録装置は、圧力発生室を加圧する圧力発生手段と、加圧されたインクをインク滴として吐出するノズル開口とを備えたインクジエツト式記録へッドが搭載されたキヤリッジと、流路を介して記録へッドに供給されるインクを収容するインクタンクとを備えており、連続印刷が可能なように構成されている。

ここで、インクタンクは、インクが消費された時点で、ユーザが簡単に交換できるように、記録装置に対して着脱可能なカートリッジとして構成されているものが一般的である。

ところで、従来インクカートリッジのインク消費の管理方法としては、記録へッドによって吐出されるインク滴のカウント数と、印字へッドのメンテナンス行程で吸引されたインク量とをソフトウェアにより積算し、計算上でインク消費を管理する方法や、インクカートリッジに直接液面検出用の電極を二本取り付けることによって、実際にインクが所定量消費された時点を検知することにより、ィンク消費を管理する方法等が知られている。

しかしながら、ソフトウエアによりインク滴の吐出数や吸引されたインク量を積算してインク消費を計算上で管理する方法は、使用環境により、例えば使用室内の温度や湿度の高低，インクカートリッジの開封後の経過時間，ユーザサイドでの使用頻度の違い等によって、インク力一トリッジ内の圧力やインクの粘度が変化してしまい、計算上のィンク消費量と実際の消費量との間に無視できない誤差が生じてしまうという問題があった。また、インクジェットヘッドの個体差により、 1 ドット当たりのインク量がばらつくことによっても、計算上のインク消費量と実際の消費量との間に誤差が生じてしまうという問題があった。さらに、同一カートリッジを一旦外し、再度装着した場合には、積算されたカウント値が一旦リセットされてしまうので、実際のインク残量が分からなくなってしまうという問題もあった。

一方、電極によりインクが消費された時点を管理する方法は、インク消費のある一点の実量を検出できるため、ィンク残量を高い信頼性で管理することができる。しかしながら、インクの液面を検出するためには、インクが導電性である必要があるので、使用できるインクの種類が限定されてしまう。また、電極とインクカートリッジとの間の液密構造が複雑ィヒするという問題がある。さらに、電極の材料としては、通常は導電性が良好で耐腐蝕性も高い貴金属を使用するので、インクカートリッジの製造コストが高くなつてしまうという問題もあった。さらに、二本の電極をそれぞれインクカートリッジの別な場所に装着する必要があるため、製造工程が複雑化し、結果として製造コストが高くなつてしまうという問題もあった。

これに対して、例えば圧電素子等の振動素子の残留振動周波数に基づいて、ィンクの有無を検出するようにしたインク残量検出装置も提案されている。即ち、圧電素子等の振動素子と、かかる振動素子に接する媒体（インク、空気等）とが共振状態である時の、圧電素子等の振動素子の残留振動周波数とは、圧電素子等の振動素子とこれに接する媒体との共振周波数のことであり、上記のィンク残量検出装置は、この共振周波数の変化によって媒体であるインクの状態を検知するものである。

ところで、広く各種電子機器等においては、省電力の観点から、駆動電圧を低く設定する傾向が広まってきており、インクジェット式プリンタにおいても、駆動電圧の低電圧化の要求が高まってきている。

上述したインク残量検出装置においては、従来例えば 5 Vの駆動電圧により圧電素子をパルス駆動することにより、上述した残留振動周波数を求めるようにしている。

しかしながら、駆動電圧の低電圧化に伴って、上記圧電素子の駆動電圧を例えば 3 . 3 Vに設定すると、低電圧化により、圧電素子に付与される振動が小さくなるので、上述した残留振動の振幅も小さくなり、この残留振動による検出信号のレベルが低下することになる。

従って、この残留振動の検出信号に基づいて、インクタンク内のインクの有無を検出する場合に、検出信号のレベルが低下することから、例えばインクジエツト記録装置のモータ類によるノィズ或いはへッド駆動波形の誘導によるノィズ等の影響を受け易い。このように、振動素子の残留振動周波数に基づきインクの有無を検出するインク残量検出装置では、ノイズに敏感であり、ノイズの大きい環境下では検出精度が低下すると共に、場合によっては検出が困難になってしまうという問題がある。

また、かかるインク残量検出装置では、インク等の液面の位置がセンシング素子として機能する圧電素子等の振動素子と略等しい位置（インク有無の境界領域 ) にある時に、キャリッジ等の移動に伴うインク等の液面の泡立ちや波打ちが生じると、インクの有無につき誤検出を行う虞れがある。

そこで、本発明の課題は、圧電素子等の振動素子に励振を付与して、振動素子に接するインク等の媒体との共振による残留振動を、ノイズ等の影響を受けずに確実に検出して、ィンク検出精度及び信頼性を高めるようにしたィンクジェット記録装置のィンク残量検出技術を提供することにある。

また、本発明の他の課題は、圧電素子等の振動素子に励振を付与して、振動素子に接するインク等の媒体との共振による残留振動を、キヤリッジ等の移動によりィンク等の液面の泡立ちや波打ちを生じた場合でも、誤検出を防止可能なィンクジエツト記録装置のインク残量検出技術を提供することにある。発明の開示

上記課題を解決するため、本発明では、振動素子からの逆起電力波形に対し、予めインク有り又は無しに合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させる少なくとも 1つのフィルタ手段を設け、このフィルタ手段を通過した逆起電力波形の周波数を検出することで、ノィズ等の影響を受けずに確実にィンクの有無を判定するようにした。

即ち、本発明のインク残量検出装置では、インクタンクに設けられた振動素子と、この振動素子に対して励振パルスを印加する励振パルス生成部と、インクタンク内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出する検出部と、検出部で検出された周波数に基づいてインクの有無を判定する判定部とを備えたィンクタンクのィンク残量検出装置であって、前記検出部が、予めインク有り又は無しに合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させる少なくとも 1つのフィルタ手段と、振動素子からの逆起電力波形を二値化してカウントし、所定番目から所定数のパルスの間の時間を計測し、この時間に基づいて逆起電力波形の周波数を検出する周波数検出手段とを有することを特徴とする。

この構成によれば、少なくとも 1つのフィルタ手段により、ノイズを透過させることなく、インクタンク内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出できるので、確実にインクの有無を判定することができる。

また、本発明のインク残量検出装置においては、前記フィルタ手段が、予めィンク有り又は無しにそれぞれ合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させるインク有り用の帯域通過フィルタとインク無し用の帯域通過フィルタとから成り、前記周波数検出手段は前記インク有り用の帯域通過フィルタ又はィンク無し用の帯域通過フィルタを通過した逆起電力波形の周波数を検出することを特徴とする。

この構成によれば、予めインク有り又は無しにそれぞれ合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させるィンク有り用の帯域通過フィルタ又はィンク無し用の帯域通過フィルタを通過した逆起電力波形だけにつき、その周波数を検出できるので、ノィズ等の影響を受けずに確実にィンクの有無を判定することができる。

また、本発明のインク残量検出装置においては、前記周波数検出手段が、前記インク有り用の帯域通過フィルタを通過した波形の周波数を検出するィンク有り用の周波数カウンタと、前記インク無し用の帯域通過フィルタを通過した波形の周波数を検出するィンク無し用の周波数カウンタとから成ることを特徴とする。この構成によれば、インク有り用の帯域通過フィルタ及びインク有り用の周波数カウンタ、並びにインク無し用の帯域通過フィルタ及びインク無し用の周波数カウンタという並列に設けられた 2つの測定回路で同時に残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出できる。

また、本発明のインク残量検出装置においては、前記インク有り用の帯域通過フィルタと前記インク無し用の帯域通過フィルタは、各中心周波数がインク有り又は無しそれぞれの場合における前記振動素子の共振周波数に合わせてあり、各通過帯域が前記振動素子の個体バラツキを許容できる大きさに設定されていることを特徴とする。

この構成によれば、センサの個体バラツキを許容しつつ本発明をィンクジェット記録装置に適用し得る。

また、本発明のインク残量検出装置においては、前記インク有り用の帯域通過フィルタと前記インク無し用の帯域通過フィルタ双方の通過帯域の間に不感帯域が設けられていることを特徴とする。

この構成によれば、インク等の液面の位置が振動素子と略等しい位置（インク有無の境界領域）にある時でも、キャリッジ等の移動に伴うインク等の液面の泡立ちや波打ちに基因するインクの有無の誤検出を防止可能である。

また、本発明のインクカートリッジにおいては、印刷に用いるインクを収容し、インクジェット記録装置に搭載されるインクカートリッジであって、該インクカートリッジに設けられた振動素子と、この振動素子に対して励振パルスを印加する励振パルス生成部と、インクカートリッジ内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出する検出部と、検出部で検出された周波数に基づいてィンクの有無を判定する判定部とを備え、

前記検出部が、予めインク有り又は無しに合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させる少なくとも 1つのフィルタ手段と、振動素子からの逆起電力波形を二値化して力ゥントし、所定番目から所定数のパルスの間の時間を計測し、この時間に基づいて逆起電力波形の周波数を検出する周波数検出手段とを有することを特徴とする。

この構成によれば、少なくとも 1つのフィルタ手段により、ノイズを透過させることなく、インクカートリッジ内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出できるので、確実にインクの有無を判定することができる。

また、本発明のインクジェット記録装置のインク残量検出方法では、インクタンクに設けられた振動素子に対して励振パルスを印加して、インクタンク内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出し、検出された周波数に基づいてインクの有無を判定する、インクジェット記録装置で使用されるインクタンクのインク残量検出方法であって、前記振動素子からの逆起電力波形に対し、フィルタ手段により予めインク有り又は無しに合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させ、該通過させた波形を二値ィ匕してカウントし、所定番目から所定数のパルスの間の時間を計測し、この時間に基づいて前記逆起電力波形の周波数を検出することを特徴とする。

この構成によれば、フィルタ手段により、ノイズを透過させることなく、インクタンク内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出できるので、確実にィンクの有無を判定することができる。更に、本発明のインクジェット記録装置のインク残量検出方法では、インクジエツト記録装置における印字へッドから吐出されるインクのドット数を計数することによりィンク残量を検出する方法と上記ィンク残量検出方法を併用することを特徴とする。

この構成によれば、インクのドット数を計数することによりインク残量を検出する方法だけによる場合よりも、より正確なインクェンドの検出が可能となる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1の実施形態に係るインク残量検出装置の構成を示すプロック図である。

図 2は、図 1のィンク残量検出装置における検出部の増幅部の具体的構成例を示す配線図である。図 3は、図 1のィンク残量検出装置におけるインク残量検出の動作を示すフ口一チヤ一トである。

図 4は、図 1の残留振動の周波数測定における各部の信号を示すタイムチヤ一トである。

図 5は、図 1のインク残量検出装置における残留振動周波数測定（第 3図に示したフローチャートにおけるステップ A 3、 A 7 ) の動作の詳細を示すフローチヤートである。

図 6は、本発明の第 2の実施形態に係るインク残量検出装置の構成を示すプロック図である。

図 7は、図 6のインク残量検出装置におけるインク残量検出の動作を示すフロ一チャートである。

図 8は、本発明の第 3の実施形態に係るインク残量検出方法を説明するための図である。

図 9は、本発明の第 3の実施形態におけるインク残量検出の動作を示すフローチャートである。

図 1 0は、本発明の第 4の実施形態に係るインクカートリッジの外観斜視図である。

図 1 1は、図 1 0に示したインクカートリッジの側部に装備されたセンサ部の断面図である。

図 1 2は、本発明の第 4の実施形態に係るインクカートリッジのインク残量検出回路等の機能プロック図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を通じて本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない本発明の実施の形態に係るィンク残量検出装置について、以下に図面を用いて説明する。図 1は、本発明によるインク残量検出装置の第 1の実施形態の構成を示している。図 1において、インク残量検出装置 1 0は、インクジェット記録装置（インクジェット式プリンタ）に対して着脱可能なカートリッジ形式のインクタンク 1 1に設けられた振動素子としての圧電素子 1 2と、この圧電素子 1 2に対して励振パルスを印加するための励振パルス生成部 1 3と、この圧電素子 1 2に発生するインクとの共振による残留振動に基づく逆起電力波形の周波数を検出する検出部 1 4と、インクの有無を判定する判定部 1 5と、これらの励振パルス生成部 1 3、検出部 1 4及び判定部 1 5を制御する制御部 2 0 0とから構成されている。ここで、図 1における圧電素子 1 2は、実際には、インクジェット式プリンタの印字ヘッドュニッ卜において、各色毎のインクタンク 1 1に対してそれぞれ設けられている。

上記圧電素子 1 2は、例えば、ピエゾ素子であって、印加される電圧により変位して、媒体、即ち、インクタンク 1 1内のインク或いは空気と共振し、この共振による残留振動を生じるように構成されている。尚、この残留振動によって、圧電素子 1 2には逆起電力波形が発生する。

励振パルス生成部 1 3は、二種類の励振パルスを前もって登録してあり、これらの励振パルスを選択して出力するように構成されている。

ここで、二種類の励振パルスのうち、第一の種類の励振パルスは、インクタンク 1 1内にインクが有るときのインクとの共振による残留振動に対応したパルス幅及び周期を有する励振パルスであり、第二の励振パルスは、インクタンク 1 1 内にインクが無いときの空気との共振による残留振動に対応したパルス幅及び周期を有する励振パルスである。

上記検出部 1 4は、図示の場合、増幅部 1 6、インク有り用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 A、インク無し用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 B、周波数測定部 1 5 0から構成されている。周波数測定部 1 5 0は、更に、パルス数計数部 1 7 0及びパルス幅測定部 1 8 0を有している。

上記増幅部 1 6は、例えば、図 2に示すように、圧電素子 1 2からの逆起電力波形をオペアンプ 1 6 aにより増幅し、基準電圧 V r e f を振動の中心とした波形とするように構成されている。上記インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22A、インク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22Bは、それぞれその中心周波数をインクが有る場合、無い場合に、本実施形態のインク残量検出装置により得られる出力波形の周波数に合わせたバンドパスフィルタ（帯域通過フィルタ）である。即ち、インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Aは、その中心周波数をインクが有る場合の出力波形の周波数である 100 kHzに合わせてある。一方、インク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Bは、その中心周波数をインクが無い場合の出力波形の周波数である 160 kHzに合わせてある。

そして、上記インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22A、インク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Bは、それぞれ中心周波数の ± 10 k H z の通過帯域幅を有している。これは、センサとしての圧電素子 12の個体バラッキを考慮したものである。即ち、インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 2 2 Aは、 90 kHz〜 1 10 k H zの通過帯域幅を有している。一方、インク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22Bは、 150 kHz〜l 70 kHzの通過帯域幅を有している。従って、両フィルタの通過帯域幅の中間の周波数領域である 1 10 kHz〜 150 kHzは、センサとしての一種の不感帯域になるよう B 疋^ し飞レヽ。

本実施形態の第 1の特徴点は、このように、それぞれ中心周波数をインクが有る場合、無い場合の出力波形の周波数に合わせた 2つのバンドパスフィルタ（帯域通過フィルタ）を用いた点にある。

また、第 2の特徴点は、両フィルタの通過帯域幅を、センサとしての個体バラツキを考慮すると共に、両フィルタの通過帯域幅の中間の周波数領域が上述した不感帯域になるように設定した点にある。

上記周波数測定部 150は、インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Aとインク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Bの 2つのフィルタに対し、 1個だけ設けられた周波数カウンタであり、制御部 200からの制御信号によりインク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Aとインク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Bのいずれかに接続を切り替えられるようになつているこの周波数測定部 1 5 0におけるパルス数計数部 1 7 0は、増幅部 1 6からィンク有り用バンドバスフィルタ（B P F ) 2 2 A又はインク無し用バンドバスフィルタ（B P F ) 2 2 Bを介して入力された逆起電力波形を、コンパレータにより基準電圧 V r e f と比較して、逆起電力波形が基準電圧 V r e f より高い場合に信号を出力することにより二値化し、この二値化された逆起電力波形のパルスをカウントして、所定番目から所定数のパルス（例えば 5番目から 8番目のパルス）の間の時間だけ Hレベルとなる時間計測パルスを発生する。また、パルス幅測定部 1 8 0は、パルス数計数部 1 7 0からの時間計測パルスのパルス幅を測定して、単位時間当たりのパルス数を計算して、逆起電力波形のパルスの周波数を検出する。

上記判定部 1 5は、検出部 1 4で検出された逆起電力波形のパルスの周波数に基づいて、インクタンク 1 1内の圧電素子 1 2が設けられた高さ位置におけるィンクの有無を判定し、判定結果を、例えば、インクジェット式プリンタのプリンタ本体に設けられた制御部 2 0 0に出力する。

上記制御部 2 0 0は、例えば、マイコン、 C P U等から構成されており、本発明によるインク残量検出方法に従って、励振パルス生成部 1 3、検出部 1 4及び判定部 1 5を制御して、後述するようにインク残量の検出を行なう.ようになっている。

尚、制御部 2 0 0は、プリンタ本体の主制御部がその機能を備えるように構成されていてもよレヽ。

本発明の第 1の実施形態によるインク残量検出装置 1 0は、以上のように構成されており、本発明の第 1の実施形態によるインク残量検出方法に基づいて、図 3のフローチャートに従って、以下のように動作する。

先ず、ステップ A 1にて、制御部 2 0 0が再測定フラグをクリアした後、ステップ A 2にて、制御部 2 0 0が制御信号を送出して周波数測定部 1 5 0の接続をインク有り用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 Aに切り替える。ステップ A 3 にて、励振パルス生成部 1 3により、ターゲット周波数即ち励振パルスとしてィンクが有るときの励振パルスを選択して、この励振パルスを発生させると、これにより、圧電素子 1 2は、図 4 (A) に示す励振パルスが印加されることにより振動する。インクタンク 1 1内のインクは、圧電素子 12の振動により共振する結果、圧電素子 12には、この共振による残留振動を発生する。そして、制御部 200は、検出部 14を制御して、以下のようにして圧電素子 1 2の残留振動の周波数を測定する。

即ち、圧電素子 1 2は、インクタンク 1 1内のインクとの共振による残留振動により、図 4 (B) に示すように、逆起電力波形を発生する。

この逆起電力波形は、図 4 (C) に示すように、増幅部 16のオペアンプ 16 aで基準電圧 V r e f を中心として増幅される。インクタンク 1 1内のセンサ位置、即ち、圧電素子 12がある位置よりもインク液面が高い場合（インク有りの場合）には、この逆起電力波形は、センサの固体バラツキにより 9 OKHz〜 1 1 OKH zの間の周波数を有している。従って、その周波数がインク有り用バンドバスフィルタ（BPF) 22 Aの通過帯域幅内なので、インク有り用バンドバスフィルタ（BPF) 22Aを通過し、周波数測定部 150のパルス数計測部 1 70に入力される。そして、パルス数計数部 1 70が、この逆起電力波形を、図 4 (D) に示すように、コンパレータにより基準電圧 V r e f と比較して二値化し、この二値化信号をカウントして、図 4 (E) に示すように、所定番目から所定数のパルス（図示の場合、 5番目から 8番目のパルス）の間の時間だけ Hレべルとなる時間計測パルスを発生する。

これにより、パルス幅測定部 180が、この時間計測パルスのパルス幅を測定して、このパルス幅から残留振動周波数を求める。尚、この時、インクジェット式プリンタのモータやへッド駆動波形の誘導による高周波ノイズ等が圧電素子 1 2からのセンサ系に印加されたとしても、かかる高周波ノイズ等は、その周波数がインク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Aの通過帯域幅内にはないので、インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Aを通過することはできず、従って、周波数測定部 150のパルス数計数部 1 70に入力されることはない続いて、ステップ A 4にて、制御部 200は、例えば所定時間内に上記時間計測パルスの生成を確認する等により、インクとの共振による圧電素子 1 2の残留振動の周波数測定が成功したか否かを判定し、成功した場合には、ステップ A5 にて、その周波数を出力して、判定部 1 5により、インクの有無を判定して、ィンク残量検出の動作を終了する。

ここで、判定部 1 5は、残留振動周波数がインク有りの場合の周波数範囲内かを判別することにより、インクの有無を判定する。

尚、残留振動周波数がインク有りの場合に該当しない場合には、ステップ A 4 における測定失敗の場合と同様に処理されてもよい。

これに対して、上記ステップ A 4にて、残留振動の周波数測定が失敗した場合には、ステップ A 6にて、制御部 2 0 0が制御信号を送出して周波数測定部 1 5 0の接続をインク無し用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 Bに切り替える。そして、ステップ A 7にて、ターゲット周波数即ち圧電素子 1 2の励振パルスとしてインクが無いときの第二の励振パルスを選択して、この第二の励振パルスを発生させると、これにより、圧電素子 1 2が振動して、インクタンク 1 1内のインク或いは空気と共振する。圧電素子 1 2は、インク或いは空気との共振により残留振動を発生する。そして、制御部 2 0 0は、後述するように検出部 1 4を制御して、圧電素子 1 2の残留振動の周波数を測定する。

続いて、ステップ A 8にて、制御部 2 0 0は、残留振動の周波数測定が成功したか否かを判定し、成功した場合には、同様にステップ A 5にて、その周波数を出力して、判定部 1 5により、インク無しを判定して、インク残量検出の動作を終了する。

尚、残留振動周波数がインク無しの場合の周波数範囲内に該当しない場合には、ステップ A 8における測定失敗の場合と同様に処理されてもよい。

また、上記ステップ A 9にて、再測定フラグが立っていない場合には、制御部 2 0 0は、ステップ A 1 0にて、再測定フラグを立てた後、ステップ A 1 1にて、ィンクジエツト式プリンタのプリンタへッドを移動させるためのキヤリッジモータ及び紙送りモータが停止し、さらにインク吐出が停止するまで待って、ステップ A 2に戻る。これにより、上記キャリッジモータ及び紙送りモータによるノィズゃィンク吐出の際の駆動波形信号によるノィズ等の影響を排除して、再度ィンク残量検出を行なう。

これに対して、上記ステップ A 9にて、再測定フラグが立っている場合には、上記ステップ A 1 0からステップ A 1 1を経て、ステップ A 2からステップ A 8 にてインク残量の再測定を行なっているので、制御部 2 0 0は、ステップ A 1 2 にて、インク残量検出失敗として、例えばインクジェット式プリンタの印刷動作を停止させる等の適宜の処理を行なって、インク残量検出の動作を終了する。上述した実施形態においては、励振パルス生成部 1 3は、インク有りの場合及びィンク無しの場合の圧電素子 1 2の残留振動に対応した二種類の励振パルスが前もって登録されており、先ず、インク有りの場合の第一の励振パルスにより、残留振動の周波数を測定して、測定失敗したときには、インク無しの場合の第二の励振パルスにより残留振動の周波数を測定するようにしている。

この場合、インク残量検出装置 1 0による残留振動周波数の測定（図 3のステップ A 3、 A 7の内容）は、図 5に示したフローチャートに従って、以下のようになされる。

即ち、上述した図 3のフローチャートのステップ A 2にてターゲット周波数をインクありに設定したら、図 5のフ口一チャートにおいて、先ず、ステップ B 1 にて、制御部 2 0 0が励振パルス生成部 1 3により、ターゲットパルスとしての第一の励振パルスのパルス数（P n ) を 1個（P n = l ) に設定する。ステップ B 2にて、励振パルス生成部 1 3は、この第一の励振パルス（インクありに合わせたパルス）を 1個発生させ、この励振パルスを圧電素子 1 2に印加する。そして、ステップ B 3にて、制御部 2 0 0は、検出部 1 4を制御して、圧電素子 1 2に発生するインクとの共振による残留振動に基づく逆起電力パルスを増幅部 1 6のオペアンプ 1 6 aにより増幅し、ステップ B 4にて、コンパレータ 1 6 bにより基準電圧 V r e f と比較して二値化する。

続いて、制御部 2 0 0は、ステップ B 5にて、パルス数計数部 1 7 0により、上記二値化信号をカウントして、所定番目から所定数のパルス（例えば 5番目から 8番目のパルス）の間の時間だけ Hレベルとなる時間計測パルスを発生させ、パルス幅測定部 1 8 0により、上記時間計測パルスのパルス幅を計測し、圧電素子 1 2の残留振動の周波数を測定する。

そして、制御部 2 0 0は、ステップ B 6にて、所定時間内にパルス幅の計測ができたか否か、即ち時間計測がタイムアウトしたか否かを判定し、タイムアウトした場合（ステップ B 6で Y e s ) には、ステップ B 7にて、 nが最大値に達したか否か判定し、 nが最大値に達してない場合には、ステップ B 8にて、パルス数を 1個増やして（n = n + l ) 2個として、ステップ B 2に戻り、再測定する。これを繰り返し、ステップ B 7にて、 nが最大値に達するまで（P n = P n m a x ) パルス数を増やしても検出できなかった場合は（ステップ B 7で Y e s ) 、ステップ B 9にて、インク残量検出（測定）失敗として、上述した図 3のフロ一チャートのステップ A 4から A 6に進む。即ち、ターゲットパルスとして第二の励振パルス（インク無しに合わせたパルス）を設定する。

これに対して、ステップ B 6にて、タイムアウトしなかった場合には、制御部 2 0 0は、ステップ B 1 0にて、残留振動の周波数がインク有りの場合の周波数範囲内か否かを判定し、残留振動の周波数がインク有りの周波数内である場合には、ステップ B l 1にて、インク有りと判定し、インク残量検出（測定）成功となり、上述した図 3のフローチャートのステップ A 4から A 5に進む。

また、ステップ B 1 0にて、残留振動の周波数がインク有りの周波数内でない場合には、ステップ B 1 2にて、残留振動の周波数がインク無しの場合の周波数範囲内か否かを判定し、残留振動の周波数がィンク無しの周波数内である場合には、ステップ B 1 3にて、インク無しと判定し、同様に、インク残量検出（測定 ) 成功となり、上述した図 3のフローチャートのステップ A 4から A 5に進む。これに対して、ステップ B 1 2にて、残留振動の周波数がインク無しの周波数内でない場合には、インクの有無の判定ができないので、ステップ B 7に進んで、タイムアウトと同様の処理を行う。即ち、 P n m a Xまでパルス数を増やしていきながら、測定を繰り返す。尚、図 3のステップ A 7の動作（A 7力、ら A 8に進む場合）も、以上と同様に、図 5のフローチャートに従う。

このようにして、複数個の励振パルスを使用して、インクタンク 1 1内のインクとの共振による圧電素子 1 2の残留振動周波数を測定することにより、より一層正確なィンクの有無の判定を行なうことができる。

さて、本実施形態と同様に振動素子の残留振動周波数を利用するィンク残量検出装置であっても、従来のものでは、前述したように、インク等の液面の位置が

"素子として機能する圧電素子等の振動素子と略等しい位置（インク有無の境界領域）に.ある時に、キャリッジ等の移動に伴うインク等の液面の泡立ちや波打ちが生じると、インクの有無につき誤検出を行う虞れがあった。

しかしながら、本実施形態のインク残量検出装置では、インク有り用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 Aの通過帯域幅とインク無し用バンドパスフィルタ（ B P F ) 2 2 Bの通過帯域幅との間の周波数領域である 1 1 0 k H z〜 1 5 0 k H zは、センサとしての一種の不感帯域になるように設定されているので、インクタンク 1 1内のインクの液面の位置が圧電素子 1 2と略等しい位置（インク有無の境界領域）にある時に、キャリッジ等の移動に伴い生じるインク液面の泡立ちゃ波打ちによる出力のバサつきは、この不感帯域により遮断されるので、上述した誤検出が行われることが無い。即ち、この場合には、図 3のフローチャートにおけるステップ A 3、 A 7のいずれの残留振動周波数測定においても、測定失敗となり、結局、ステップ A 1 1に至り、インクジエツト式プリンタのプリンタへッドを移動させるためのキヤリッジモータ及び紙送りモータが停止し、さらにインク吐出が停止するまで待って、ステップ A 2に戻り、上記キャリッジモータ及び紙送りモータによるノィズゃィンク吐出の際の駆動波形信号によるノイズ等の影響を完全に排除して、再度インク残量検出を行なうことになる。

このように、本実施形態のインク残量検出装置では、キャリッジ等の移動によりィンク液面の泡立ちや波打ちを生じた場合でも、誤検出を防止可能である。また、図 3のフローチャートにおけるステップ A 3、 A 7のいずれの残留振動周波数測定において、上述したように、インクジェット式プリンタのモータやへッド駆動波形の誘導による高周波ノイズ等が圧電素子 1 2からのセンサ系に印加されたとしても、かかる高周波ノイズ等は、その周波数がインク有り用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 A及びインク無し用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 Bの通過帯域幅内にはないので、インク有り用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 A又はインク無し用バンドパスフィルタ（B P F ) 2 2 Bを通過することはできず、従って、周波数測定部 1 5 0のパルス数計数部 1 7 0に入力されることはない。従って、かかるノイズの影響を排除した正確なインクの有無等の検出が可能である。

尚、本実施形態のインク残量検出装置では、キャリッジモータ等のモータ類やィンク吐出用の駆動波形信号によるノィズの影響を排除できるので、インクジェット式プリンタの印刷動作を停止しないでも、即ち、キャリッジモータ及び紙送りモータを停止し、更に、駆動波形信号によるインク吐出を停止しないでも、比較的正確なインクの有無等の検出が可能であるという効果がある。このため、キャリッジの移動（主走査）中にも検出が可能であるが、検出のタイミングとしては、停止位置から加速して定速状態で印字し、減速して停止に至る一連のキヤリッジの移動動作のうち、定速状態で印字中に検出を行うのが好適である。上述したキヤリッジの移動に伴うインク等の液面の泡立ちや波打ちが比較的少ないからである。

図 6は、本発明によるインク残量検出装置の第 2の実施形態の構成を示している。本実施形態のインク残量検出装置の基本的構成は、上述した第 1の実施形態のものと略同様であり、以下、同様の部分には同様の参照符号を付して、その説明を省略する。図 6において、検出部 14 'は、増幅部 16、インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22A、インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Aに接続された周波数測定部 15 OA、インク無し用バンドパスフィルタ（ BPF) 22 B、インク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22Bに接続された周波数測定部 1 5 OBから構成されている。周波数測定部 15 OAは、更に、パルス数計数部 1 70 A及びパルス幅測定部 180 Aを有しており、周波数測定部 150 Bは、更に、パルス数計数部 1 70 B及びパルス幅測定部 180 Bを有している。このように、本実施形態では、インク有り用バンドパスフィルタ（B PF) 22 A及びそれに接続された周波数測定部 1 5 OA、インク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22 B及びそれに接続された周波数測定部 150 Bという 2つの周波数測定回路を持ち、インク有りの場合のパルスの周波数とインク無しの場合のパルスの周波数をそれぞれの回路で測定することを特徴としている。本発明の第 2の実施形態によるインク残量検出装置 10 'は、以上のように構成されており、本発明の第 2の実施形態によるインク残量検出方法に基づいて、図 7のフローチャートに従って、以下のように動作する。

先ず、ステップ C 1にて、制御部 200が再測定フラグをクリアした後、ステップ C 2 A及び C 2 Bにて、インク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 22 A と周波数測定部 15 OAから成るインク有り用 BP F回路、インク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Bと周波数測定部 150 Bから成るインク無し用 B PF回路のそれぞれで圧電素子 1 2の残留振動の周波数を同時に測定する。即ち、ステップ C2Aでは、励振パルス生成部 1 3により、ターゲット周波数即ち励振パルスとしてインクが有るときの励振パルスを選択して、この励振パルスを発生させる。これにより、図 4 (A) 〜（E) に示すように圧電素子 12の残留振動の周波数が測定される。また、ステップ C 2 Bでは、励振パルス生成部 13により、ターゲット周波数即ち励振パルスとしてインクが無いときの励振パルスを選択して、この励振パルスを発生させる。これにより、図 4 (A) 〜（E) に示すように圧電素子 12の残留振動の周波数が測定される。

尚、この時、インクジェット式プリンタのモータやヘッド駆動波形の誘導による高周波ノイズ等が圧電素子 1 2からのセンサ系に印加されたとしても、かかる高周波ノイズ等は、その周波数がインク有り用バンドパスフィルタ（BPF) 2 2 Aの通過帯域幅内にはなく、また、インク無し用バンドパスフィルタ（BPF ) 22 Bの通過帯域幅内にもないので、インク有り用バンドパスフィルタ（BP F) 22 A又はインク無し用バンドパスフィルタ（BPF) 22 Bを通過することはできず、従って、力かるノイズが残留振動の周波数測定に影響を及ぼすことが無い。

続いて、ステップ C 3にて、制御部 200は、例えば所定時間内に上記時間計測パルスの生成を確認する等により、インク有り用 B PF回路で圧電素子 1 2の残留振動の周波数測定が成功したか否かを判定し、成功した場合には、ステップ C4にて、その周波数を出力して、判定部 1 5により、インク有りを判定して、インク残量検出の動作を終了する。ここで、判定部 1 5は、残留振動周波数がィンク有りの場合の周波数範囲内かを判別することにより、インクの有無を判定する。 '

これに対して、上記ステップ C 3にて、残留振動の周波数測定が失敗した場合には、ステップ C 5にて、制御部 200は、同様に所定時間内に上記時間計測パルスの生成を確認する等により、インク無し用 BP F回路で圧電素子 1 2の残留振動の周波数測定が成功したか否かを判定し、成功した場合には、ステップ C4 にて、その周波数を出力して、判定部 15により、インク無しを判定して、インク残量検出の動作を終了する。ここで、判定部 1 5は、残留振動周波数がインク無しの場合の周波数範囲内かを判別することにより、インク無しを判定する。これに対して、上記ステップ C 5にて、残留振動の周波数測定が失敗した場合には、ステップ C 6にて、再測定フラグが立っているか否かを判定して、再測定フラグが立っていない場合には、制御部 200は、ステップ C 7にて、再測定フラグを立てた後、ステップ C 8にて、インクジェット式プリンタのプリンタへッドを移動させるためのキヤリッジモータ及び紙送りモータが停止し、さらにインク吐出が停止するまで待って、ステップ C 2 A及び C 2 Bに戻る。これにより、上記キヤリッジモータ及び紙送りモータによるノイズやインク吐出の際の駆動波形信号によるノィズ等の影響を排除して、再度ィンク残量検出を行なう。

これに対して、上記ステップ C 6にて、再測定フラグが立っている場合には、上記ステップ C 7からステップ C 8を経て、ステップ C 2 A及び C 2 B力らステップ C 5にてインク残量の再測定を行っているので、制御部 200は、ステップ C9にて、インク残量検出失敗として、例えばインクジェット式プリンタの印刷動作を停止させる等の適：！:の処理を行って、ィンク残量検出の動作を終了する。 ^ 本実施形態のインク残量検出装置 10 'は、以上のように動作することにより、上述した第 1の実施形態と同様の作用効果が得られる。

図 8は、本発明の第 3の実施形態に係るプリンタ 300の全体構成を示すプロック図である。図示のプリンタ 300は、プリンタコントローラ 310とプリントエンジン 320とから構成されている。プリンタコントローラ 310は、ホストコンピュータ 400からの印刷データ等を受信するインターフェース（以下「ホスト I/F」という） 3 1 1と、プリンタ 300に入力された印刷データを一時的に蓄えておくための入力バッファ 31 2 A、入力バッファ 312 Aに蓄えられた印刷データが解釈され印刷用イメージデータとして展開される出力（ィメ一ジ）ノくッファ 3 1 2B、各種データ処理のためのルーチン等を記憶した ROM3 13と、 CPU3 14と、プリンタ（印字)ヘッド 322側へヘッドデータ等を送り出すための印字制御回路や各種のモータドライバ等を含む特定用途向半導体集不貢回路 (A p p 1 i e d S em i c o n d u c t o r I n t e g r a t e d C i r c u i t, 以下、「AS I C」とレ、う）から成る印字制御 AS I C 3 1 5と、イメージデータ及び駆動信号等をプリントエンジン 320に送信するためのインターフェース（以下「メカ I/F」とレ、う） 316とを備えている。ホスト I /F 3 1 1、入力バッファ 3 1 2 A、出力（イメージ）バッファ 3 1 2 B、 ROM 31 3、 CPU314、印字制御 AS I C 315、メカ I/F 3 16等は、バス 31 7により相互に接続されている。

ホスト I ZF 31 1は、ホストコンピュータ 400との間の送受信のためにデータを一時的に蓄える F I FOバッファ等を備え、ホストコンピュータ 400力らの印刷コマンド乃至データを受信する。入力バッファ 31 2Aは、ホスト 1 F 3 1 1内の F I FOバッファが受信した印刷データ等が一時的に記憶される。出力（イメージ）バッファ 312Bには、印刷コマンド乃至データを解析した後の、例えば、ラスタグラフィックス形式のイメージデータが展開される。 ROM 31 3は、 CPU314等によって実行される各種制御プログラム等を記憶している。また、 ROM31 3は、図示しないフォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等も記憶している。 CPU 3 14は、本実施形態のプリンタにおける各種制御の中心的役割を担うものである。

プリントエンジン 320は、印字ヘッド 322と、キャリッジ機構 324と、紙送り機構 326とを備えている。紙送り機構 326は、紙送りモータ及び紙送りローラ等からなり、記録紙等の印刷記憶媒体を順次送りだして副走查を行うものである。キャリッジ機構 324は、印字ヘッド 322を搭載するキャリッジと、該キヤリッジをタイミングベルト等を介して走行させるキヤリッジモータ等からなり、印字ヘッド 322を主走査させるものである。尚、本実施形態のインクタンク 1 1 'を構成するインクカートリッジは、キヤリッジの筐体内に嵌め込まれてセッ卜されている。印字へッド 322は、副走査方向に、例えば 96個の多数のノズルから成る各色毎のインクジェットノズル列を有し、所定のタイミングで各ノズルからインク滴を吐出させる。

図示しないイメージスキャナ等を介してホストコンピュータ 400に取り込まれたグラフィックスデータは、ホストコンピュータ 400上のプリンタドライバによりプリンタ 300が解釈可能なデータ（制御コマンド及び印刷データ）に変換される。この変換されたデータは、ホストコンピュータ 4 0 0上のオペレーテイングシステム（O S ) が管理しながらホストコンピュータ 4 0 0のインタフエース部（I / F部）力ら接続ケーブル 4 1 5を介してプリンタ 3 0 0に送られるプリンタ 3 0 0では、まず、そのホスト I / F 3 1 1が受信し、その制御コマンド及び印刷データが C P U 3 1 4により解釈されて、出力（イメージ）バッファ 3 1 2 Bにて印刷用イメージデータに展開され、プリントエンジン 3 2 0により印刷が実行される。尚、インク残量を含むプリンタステータス等のプリンタの状態は、プリンタ 3 0 0側の図示しない状態確認部によりリアルタイムに管理されており、ホスト I Z F 3 1 1内の図示しないデータ送信部を介してホストコンピュータ 4 0 0に伝達され、ホストコンピュータ 4 0 0上のプリンタドライバにより、例えば、インク残量が図示しないモニタ画面上に表示される。

本実施形態の特徴は、上述した第 1又は第 2の実施形態に係るィンク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0又は 1 0 によるインク残量検出方法をソフトウェアによるインク残量計算方法（ソフトカウント）と併用する点にある。尚、このインク残量計算方法に係るソフトウエアプログラムは、 C P U 3 1 4によつて実行される R OM 3 1 3内に格納された制御プログラム等から構成される。本実施形態によるでは、ソフトウェアによるインク残量計算方法として、プリンタ（印字)へッド 3 2 2より吐出されたインクドット数を計数し、これに 1 ドット当たりのインク量を乗算して消費したインク量を求め、未使用時のインク総量からこの消費インク量を減算し、更に、インク吸引（ボンビング）等のへッドクリ一ニングのメンテナンス用に使用したィンク量も减算することによりインク残量を計算する方法を用いる。

このソフトカウントによるインク残量計算式は、以下の数式（1 ) で表される

I (remain) = I (full) - (Count * dl) - I (maintain) · · '数式（1 ) Ϊ 、

I (r amain) ：インクの残量

I (full) ：インクカートリッジ未使用時のインク量 Count ：ドットカウント数

dl ： 1ドット当たりのインク量

I (maintain) ：ヘッドクリーニング等のメンテナンス用に使用したインク量である。

ここで、 dlはヘッドの個体差及びインクの状態によってばらつきがあるが、ィンク切れによる空打ちを防止するため、想定し得る最大の dlで計算する。

従って、このソフトウェアによるインク残量計算方法では、インク消費に伴い、計算上のインク残量と実際のインク残量との間に、徐々に誤差が蓄積される。このため、図 8に示すように、例えば、インクタンク（インクカートリッジ）、 1 1 ' の底からある高さの（インク液面）位置 8 1までしかインクを消費していないのに、上記ドットカウント上はインクエンドとされる場合も考えられる。換言すれば、図 8に示すインクタンク 1 1 ' の底からインク液面位置 8 1までの部分（矢印 8 2で示す）は、ソフトウェアによるインク残量計算方法において、ィンクカートリッジ 1本分に含まれる計算誤差であり、インク切れによる空打ちを防止するためのマージンとして許容しなければならない。

そこで、本実施形態では、上記ソフトウェアによるインク残量計算方法に上述した第 1又は第 2の実施形態に係るィンク残量検出方法を併用することにより、インクを最後まで使い切ること、換言すれば、より正確なインクエンドの検出を可能とする。

即ち、本実施形態では、上述した第 1又は第 2の実施形態に係わるインク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0又は 1 0 ' におけるセンシング素子としての圧電素子 1 2を、図 8に示すように、インクタンク 1 1 ' の側面、ソフトカウントによる限界であるインク液面位置 8 1よりも高い位置に設ける。より正確なインクエンド検出のためには、インク液面 8 1よりも高く、かつインクタンク 1 1 ' の底に近い位置に設けることが望ましい。インクタンク（インクカートリツジ）、 1 1 ' に十分な量インクが入っている場合には、圧電素子 1 2を含むインク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0又は 1 0 ' によりインク有りと判定される。そこで、インク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0又は 1 0 ' によるインク残量の検出を続け、そのインク有無の境界領域（初めてインク無しとされた時点）では（矢印 8 3で示す）、圧電素子 1 2が固定された位置から残りのインク量は正確に分かるので、この時点でソフトウエアによるインク残量計算において蓄積された計算誤差を解消し、ここから改めてドットカウントを行い、インクエンドまでインクを消費する。図 8における矢印 8 3の領域でも、ソフトウェアによるインク残量計算には誤差が含まれるが、インク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0又は 1 0 ' がインク無しを検出するまでの領域で蓄積された誤差は補正されているため、インク液面位置 8 4までインクを使用することができ、インクエンド時にインクカートリッジ（インクタンク 1 1 ' ) に残るインク残量を減らすことが出来る。

図 8に示すように、圧電素子 1 2は、ソフトカウントによる限界であるインク液面位置 8 1よりも高い位置に設ける。従ってインク残量検出装置（インクレべルセンサ） 1 0又は 1 0 ' によりインク有りと判断されているにもかかわらず、ソフトウエアによるインク残量計算によりインクエンドとなった場合には、インク残量検出装置（インクレベルセンサ）に何らかの不具合が生じたと考えられるので、インク切れによる空打ちを防ぐために、その時点でインクエンドとする。以下、本実施形態のインク残量検出方法を図 9のフローチャートを用いて説明する。

先ず、ステップ D 1にて、インクカートリッジ（インクタンダ 1 1 一）が使用開始され、ステップ D 2にて、印刷動作が実行されるにつれ、インクが消費されて、インクカートリッジ（インクタンク 1 1 ' ) 内のインクが減っていく。ステップ D 3にて、上述したソフトカウントによりインク残量を計算する。ステップ D 4にて所定のタイミングで、インク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0 又は 1 0 'によるインク残量検出を行う。そして、インク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0又は 1 0 'がインク無しを検知したか否かを判定し（ステツプ D 5 ) 、インク無しを検知した場合には（ステップ D 5で Y e s ) 、上述したソフトカウントによるインク残量計算式を補正する（ステップ D 6 ) 。

即ち、インク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0又は 1 0 'の圧電素子 1 2の位置からインクタンク 1 1 'の底までのインク量（矢印 8 3 ) を I (few)とすると、センサがインク無しを検出した時点で、 I (remain) = I (few)

I (ful l) = I (few)

Count = 0

I (maintain) = 0

と設定することにより、それまでの累積計算誤差をゼロにすることができ、そこから改めてソフトカウントによるインク残量計算を行レ、ながら印刷することで、インクェンドと判断された時にカートリッジに残るインク残量を減らすことがでさる。

更に、インク残量検出装置（インクレベルセンサ） 1 0又は 1 0 'がインク無しを検出した時点で、計算上のインク残量と実インク残量の差から、上記 dlを補正することができる。この補正後の dlを使ってインク残量検出装置（インクレべルセンサ） 1 0又は 1 0 'の圧電素子 1 2より下の部分のインク残量計算を行うことにより、より正確なインクエンド判定が可能となり、インク残量をより一層減らすことができる。尚、印刷モードによって 1ドット当たりのインク量が異なる場合には、吐出モードごとにそれぞれのドットをカウントしておき、各モードのインク量の比率を用いて、インク残量計算、及び計算式の補正を行えば良い以上のように、インク残量計算式を補正（ステップ D 6 ) したら、ステップ D 7にて、印刷動作を続行する。これにより、更に、インクが消費されて、インクカートリッジ（インクタンク 1 1 ' ) 内のインクが減っていく。ステップ D 8にて、上述したソフトカウントによりインク残量を計算する。そして、ソフトカウントによるインク残量が 0になったか否かを判定し（ステップ D 9 ) 、インク残量が 0になった場合には（ステップ D 9で Y e s ) 、インクエンドと判断し（ステツプ D 1 0 ) 、上述したように、図 8に示したホストコンピュータ 4 0 0上のプリンタドライバにより、図示しないモニタ画面上にインクエンドを表示する等して、ユーザに通知して（ステップ D l 1 ) 、インク残量検出の動作を終了する一方、ステップ D 5においてインク無しを検知しなかった場合には（ステップ D 5で N o ) 、ソフトカウントによるインク残量が 0である力否かを判定し（ステツプ D l 2 ) 、 0である場合は（ステップ D 1 2で Y e s ) 、インクカートリッジ（インクタンク 1 1 ' ) 異常と判断し（ステップ D 1 3 ) 、モニタ画面上にインクカートリッジ異常等を表示する等して、ユーザに通知して（ステップ D 1 4 ) 、インク残量検出の動作を終了する。一方、 0でない場合は（ステップ D 1 2で N o ) 、ステップ D 2に戻り印刷動作を続行する。

以上のように、本実施形態のインク残量検出方法によれば、ソフトウェアによるインク残量計算方法と上述した第 1又は第 2の実施形態に係るインク残量検出方法を併用することにより、インクを最後まで使い切ること、換言すれば、より正確なインクェンドの検出が可能になる。

上述した実施形態においては、振動素子として、例えばピエゾ素子等の圧電素子が使用されているが、これに限らず、例えば電歪素子，磁歪素子等の他の圧電素子、あるいは他の振動素子を使用してもよい。

また、上述した実施形態においては、インクタンク 1 1は一つのみ図示されているが、これに限らず、所謂 4色乃至 7色等のカラー印刷を行なうインクジエツト式プリンタにおいては、各色毎のインクタンク毎に振動素子を備えて、各振動素子毎に、インク等の媒体との共振による残留振動に基づく逆起電力波形の周波数を検出して、ィンク残量の検出を行なうようにしてもよいことは明らかである一方、上述した実施形態においては、インクタンク 1 1内にインク残量検出装置 1 0を 1個のみ設ける例について説明したが、インクタンク 1 1の内壁面に高さ（深さ）位置を異ならせて複数のインク残量検出装置を設置しておき、それぞれのィンク残量検出装置に印加する励振パルスをインク有り用 Z無し用と切替えながら測定してもよい。このようにすれば、インクの有無だけでなく、インクの残量レベルを測定することも可能となる。

また、上述した実施形態においては、インク有り用の励振パルスとインク無し用の励振パルスの 2種類の励振パルスを予め登録しておくようにしたが、物性、例えば、粘度の異なるインクを使用する場合を想定して、複数種類の励振パルスを予め登録しておくようにすることも可能である。

次に、図 1 0乃至図 1 2を参照して、本発明の第 4の実施形態について説明する。本発明のインク残量検出装置は、インクジェット式プリンタに着脱可能に装着されるインクカートリッジに設けることも可能であり、本実施形態はこのような例を示している。

図 1 0は、本実施形態のインク残量検出装置が設けられるインクカートリッジ 1 0 0の外観斜視図である。インクカートリッジ 1 0 0は、消耗品として内部に

1種類のインクを収容する筐体 1 4 0を備えている。筐体 1 4 0の下部には、後述するプリンタにインクを供給するためのインク供給口 1 1 0が設けられている

。筐体 1 4 0の上部には、プリンタと電波により通信するためのループアンテナ

1 2 0や専用 I Cチップにより構成されるロジック回路 1 3 0が備えられている。筐体 1 4 0の側部には、インク残量の計測に利用されるセンサ S Sが装備されている。センサ S Sは、ロジック回路 1 3 0に電気的に接続されている。

図 1 1は、インクカートリッジ 1 0 0の筐体 1 4 0の側部に装備されたセンサ

S Sの断面を示す断面図である。センサ S Sは、上述した圧電素子 1 2と、圧電素子 1 2に電圧を印可する 2つの電極 1 1 0、 1 1 1と、センサアタッチメント 1 1 2とを備える。電極 1 1 0、 1 1 1は、ロジック回路 1 3 0に接続されている。センサアタッチメント 1 1 2は、圧電素子 1 2からインクと筐体 1 4 0とに振動を伝える薄膜を有するセンサ S Sの構造部である。

図 1 1 ( a ) は、インクが所定量以上残存していて、インクの液面がセンサ S Sの位置（図 1 0 ) より高い場合を示している。図 1 1 ( b ) は、インクが所定量以上残存しておらず、インクの液面がセンサ S Sの位置より低い場合を示している。これらの図から分かるように、インクの液面がセンサ S Sの位置より高い場合には、センサ S Sとインクと筐体 1 4 0とが振動体となるが、インクの液面がセンサ S Sの位置より低い場合には、センサ S Sと筐体 1 4 0とセンサ S Sに付着した少量のインクのみが振動体となる。この結果、圧電素子 1 2周辺の振動特性がインクの残量に応じて変化することになる。本実施形態でも、このような振動特性の変化を利用して、インクの残量の計測が行われる。なお、計測の方法の詳細については前述した第 1及び第 2の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。

図 1 2は、インクカートリッジ 1 0 0に備えられた専用 I Cチップにより構成されるロジック回路 1 3 0を中心としたブロック図である。ロジック回路 1 3 0 は、前述した第 1及び第 2の実施形態と同様に、圧電素子 1 2に対して励振パルスを印加するための励振パルス生成部 1 3と、この圧電素子 1 2に発生するインクとの共振による残留振動に基づく逆起電力波形の周波数を検出する検出部 1 4 と、インクの有無を判定する判定部 1 5と、これらの励振パルス生成部 1 3、検出部 1 4及び判定部 1 5を制御する制御部 2 0 0に加え、 R F変換部 2 0 2を備えている。

R F変換部 2 0 2は、ループアンテナ 1 2 0を介してプリンタ 3 0 2から受信した電波を復調する復調部（図示せず）と、制御部 2 0 0から受信した信号を変調してプリンタ 3 0 2に送信するための変調部（図示せず）とを備えている。プリンタ 3 0 2は、ループアンテナ 1 2 0を用いて所定の周波数の搬送波でベースバンド信号をインクカートリッジ 1 0 0に送信している。一方、インクカートリッジ 1 0 0は、搬送波を用いずにループアンテナ 1 2 0の負荷を変動させることによりループアンテナ 1 2 0のインピーダンスを変動させることができる。インクカートリッジ 1 0 0は、このインピーダンスの変動を利用して信号をプリンタ 3 0 2に送信する。このようにして、インクカートリッジ 1 0 0とプリンタ 3 0 2とは、双方向通信を行うことができる。

尚、ロジック回路 1 3 0は、以上の構成に加え、 R F変換部 2 0 2が受信した搬送波を整流して所定の電圧（たとえば 5 V) で電力を生成する電力発生部（図示せず）を備えている。この電力発生部は、 R F変換部 2 0 2と、制御部 2 0 0 等に電力を供給する。尚、電力発生部が生成した所定の電圧をセンサ S Sが要求する所定の電圧に昇圧して検出部 1 4に電力を供給するためのチャージポンプ回路を備えていても良い。

以上のように、本実施形態では、振動素子のみならず、励振パルス生成部、検出部、判定部、フィルタ手段、及び周波数検出手段をインクカートリッジに設けたので、インクカートリッジ内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数をインクカートリッジ自体で検出できるので、確実にィンクの有無を判定することができる。

また、インクカートリッジごとの個体差に影響を受けることなく、例えば、ィンクカートリッジが交換された場合等でも、正確な検出が可能である。

また、本実施形態では、インクカートリッジ 1 0 0とプリンタ 3 0 2側とは、無線通信により情報のやり取りを行っており、プリンタ本体は、印刷のためにキャリッジと共に移動するインクカートリッジ 1 0 0と、接点の接触不良等の虞れがなく、安定的に情報のやり取りを行うことが可能である。

以上述べたように、本発明によれば、圧電素子等の振動素子に励振を付与して、振動素子に接するインク等の媒体との共振による残留振動を、ノイズ等の影響を受けずに確実に検出して、ィンク検出精度及び信頼性を高めることができる。また、キヤリッジ等の移動によりィンク等の液面の泡立ちや波打ちを生じた場合でも、誤検出を防止し得る。

更に、ソフトウェアによるインク残量計算方法と併用することにより、より正確なィンクェンドの検出が可能となる。

尚、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、上述した実施形態で述べたインク残量検出装置及び検出方法、インクジェットプリンタ、そのプリンタに用いられるインクカートリッジゃプリンタへッドの他、それらの方法又は装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等により実現することもできる。

また、本願発明はインクジェット記録装置として、同様のインクジェット方式による機構を備えたファクシミリ、複写機、プロッタ等にも同様に用いることができる。産業上の利用分野

本発明は、インクジヱット記録装置に用いられるインク容器の内部のインクの消費状態（インク残量）を検出するために利用することができる。

Claims

請求の範囲

1 . インクを収容したインクタンクに設けられた振動素子と、この振動素子に対して励振パルスを印加する励振パルス生成部と、インクタンク内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出する検出部と、検出部で検出された周波数に基づいてインクの有無を判定する判定部とを備えたィンクタンクのィンク残量検出装置であって、

前記検出部が、予めィンク有り又は無しに合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させる少なくとも 1つのフィルタ手段と、振動素子からの逆起電力波形を二値化してカウントし、所定番目から所定数のパルスの間の時間を計測し、この時間に基づいて逆起電力波形の周波数を検出する周波数検出手段とを有するィンク残量検出装置。

2 . 前記フィルタ手段が、予めインク有り又は無しにそれぞれ合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させるインク有り用の帯域通過フィルタとインク無し用の帯域通過フィルタとから成り、前記周波数検出手段は前記ィンク有り用の帯域通過フィルタ又はインク無し用の帯域通過フィルタを通過した逆起電力波形の周波数を検出する、特許請求の範囲第 1項に記載のインク残量検出

3 . 前記周波数検出手段が、前記インク有り用の帯域通過フィルタを通過した逆起電力波形の周波数を検出するインク有り用の周波数カウンタと、前記インク無し用の帯域通過フィルタを通過した逆起電力波形の周波数を検出するィンク無し用の周波数カウンタとから成る、特許請求の範囲第 2項に記載のインク残量検

4 . 前記ィンク有り用の帯域通過フィルタと前記ィンク無し用の帯域通過フィルタは、各中心周波数がィンク有り又は無しそれぞれの場合における前記振動素子の共振周波数に合わせてあり、各通過帯域が前記振動素子の個体バラツキを許容できる大きさに設定されている、特許請求の範囲第 2項又は第 3項に記載のィンク残量検出装置。

5 . 前記ィンク有り用の帯域通過フィルタと前記ィンク無し用の帯域通過フィルタ双方の通過帯域の間に不感帯域が設けられている、特許請求の範囲第 2項乃至 4項のいずれか一項に記載のインク残量検出装置。

6 . 特許請求の範囲第 1項乃至第 5項のいずれか一項に記載のィンク残量検出装置を有することを特徴とする、インクジェット記録装置。

7 . 印刷に用いるインクを収容し、インクジヱット記録装置に着脱可能に搭載されるインク力一トリッジであって、該インクカートリッジに設けられた振動素子と、この振動素子に対して励振パルスを印加する励振パルス生成部と、インクカートリッジ内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出する検出部と、検出部で検出された周波数に基づいてインクの有無を判定する判定部とを備え、

前記検出部が、予めインク有り又は無しに合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させる少なくとも 1つのフィルタ手段と、振動素子からの逆起電力波形を二値化してカウントし、所定番目から所定数のパルスの間の時間を計測し、この時間に基づいて逆起電力波形の周波数を検出する周波数検出手段とを有するインクカートリッジ。

8 . 前記フィルタ手段が、予めインク有り又は無しにそれぞれ合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させるインク有り用の帯域通過フィルタとインク無し用の帯域通過フィルタとから成り、前記周波数検出手段は前記ィンク有り用の帯域通過フィルタ又はインク無し用の帯域通過フィルタを通過した逆起電力波形の周波数を検出する、特許請求の範囲第 7項に記載のインクカートリッジ。

9 . 前記周波数検出手段が、前記インク有り用の帯域通過フィルタを通過した逆起電力波形の周波数を検出するインク有り用の周波数カウンタと、前記ィンク無し用の帯域通過フィルタを通過した逆起電力波形の周波数を検出するインク無し用の周波数カウンタとから成る、特許請求の範囲第 8項に記載のインクカートリッジ。

1 0 . 前記インク有り用の帯域通過フィルタと前記インク無し用の帯域通過フィルタは、各中心周波数がインク有り/無しそれぞれの場合における前記振動素子の共振周波数に合わせてあり、各通過帯域が前記振動素子の個体バラツキを許容できる大きさに設定されている、特許請求の範囲第 8項又は第 9項に記載のィンクカートリッジ。

1 1 . 前記インク有り用の帯域通過フィルタと前記インク無し用の帯域通過フィルタ双方の通過帯域の間に不感帯域が設けられている、特許請求の範囲第 8項乃至第 1 0項のいずれか一項に記載のインクカートリッジ。

1 2 . 更に、インクジェット記録装置との間で電波を送受信するアンテナと、該ァンテナを介して前記ィンクジュット記録装置から受信した信号を復調して制御部に入力すると共に、前記制御部から受信した信号を変調して前記アンテナを介して前記インクジエツト記録装置に送信する R F変換部とを有する、特許請求の範囲第 8項乃至第 1 1項のいずれか一項に記載のインク力一トリッジ。

1 3 . 前記励振パルス生成部、検出部、判定部、フィルタ手段、周波数検出手段、及び R F変換部が専用の I Cチップとしてカートリッジに設けられていることを特徴とする、特許請求の範囲第 8項乃至第 1 2項のいずれか一項に記載のィンクカートリッジ。

1 4 . インクタンクに設けられた振動素子に対して励振パルスを印加して、ィンクタンク内の媒体との共振による残留振動に基づく振動素子からの逆起電力波形の周波数を検出し、検出された周波数に基づいてインクの有無を判定する、ィンクジェット記録装置で使用されるインクタンクのインク残量検出方法であって前記振動素子からの逆起電力波形に対し、フィルタ手段により予めインク有り又は無しに合わせて想定された所定の周波数帯域の波形のみを通過させ、該通過させた波形を二値化してカウントし、所定番目から所定数のパルスの間の時間を計測し、この時間に基づいて前記逆起電力波形の周波数を検出するインク残量検出方法。

1 5 . インクジェット記録装置における印字ヘッドから吐出されるインクのドット数を計数することによりィンク残量を検出する方法を併用する特許請求の範囲第 1 4項記載のインク残量検出方法