JP2011178152A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011178152A
JP2011178152A JP2010109243A JP2010109243A JP2011178152A JP 2011178152 A JP2011178152 A JP 2011178152A JP 2010109243 A JP2010109243 A JP 2010109243A JP 2010109243 A JP2010109243 A JP 2010109243A JP 2011178152 A JP2011178152 A JP 2011178152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
detection
head
nozzle
abnormality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010109243A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoaki Nakano
智昭 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2010109243A priority Critical patent/JP2011178152A/ja
Publication of JP2011178152A publication Critical patent/JP2011178152A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】異常検知の構成を組み立て後の製品に効率よく適用することができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】異常検知部200において、異常検知を行なう場合は、検知パルス発生器210から発生したパルス(Max5V)が充放電回路220に入力され、この入力パルスに応じて充放電回路220は、抵抗R1を介してヘッド側の容量成分(PZT)を充放電させる。出力波形検知器240は、上記充放電による電圧値を一定時間後に検知し、その結果を主制御部101の検知結果読み取り器250へ入力する。検知結果読み取り器250は予め定められた電圧値と不良ノズル数との組み合わせを格納した対応テーブルを参照し、検知された電圧値を比較して、不良ノズル数を算出する。
【選択図】図9

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関し、詳しくはインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドの動作不良を検出するためのヘッド異常検出装置を備えたインクジェット記録装置に関する。
一般に、インクジェットプリンタ等に用いられる液滴吐出装置では、液体を吐出するヘッド部の動作不良の原因は、主に以下の3種に分類される。
すなわち、第1の原因は、ゴミまたは液体によりノズルが詰まることによるノズルの不良であり、第2の原因は、接着不良または圧電素子の不良であり、第3の原因は、液付着等によるリーク電流の増加による電気的な不良である。なお、以下の説明において、上記のような原因によって動作不良が生じたノズルを不良ノズルと呼び、この不良ノズルを含むヘッドを広く異常ヘッドまたはその状態を単に異常というものとする。
いずれの不良も、ヘッド製造過程で検査され不良品は排除されるので、製品自体に不良品が使用されることはないが、このようなヘッド部の異常はインクジェットプリンタの使用中に後発的にも発生することもあるので、使用中の不具合にも対処する必要がある。そこで、このようなインクジェットプリンタのヘッド部の異常を検出する技術として、従来は以下のようなものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
まず、特許文献1の従来技術は、電気信号の印加により前記加圧室内に圧力変動を発生させる圧電素子と、前記加圧室の壁面の少なくとも一部を形成して圧電素子と弾性材料で連結されている振動板と、前記加圧室にインクを供給する流路となるリストリクタと、該リストリクタにインクを供給する共通インク供給路と、インク液滴を加圧室から噴射するための噴射口となるオリフィス等によって構成された複数のノズルを有するインクジェットヘッドにおいて、インピーダンスアナライザを用いてノズル毎の圧電素子の共振周波数の基本波と高調波を測定し、その比を求めることにより、圧電素子自体の不良や圧電素子と圧電素子固定板との間の接着の不良を検知するものである。
また、他の従来技術(たとえば、特許文献2参照)として、圧電素子の駆動による振動板の変位特性を比較的正確に識別することのできるアクチュエータ装置の検査方法及びインクジェット式記録ヘッドの検査方法を提供するため、圧電素子が駆動可能な条件で、所定電圧を圧電素子に印加して圧電体層の静電容量を測定する駆動測定工程を少なくとも実行することにより、その特性を識別する技術が既に知られている。
しかしながら、上記特許文献1のインピーダンスアナライザを用いた測定方法や圧電素子が駆動可能な条件で所定電圧を圧電素子に印加し、すなわち、圧電素子を若干駆動させた状態でアクチュエータ装置の特性を識別する方法は、製造工程や検査工程では不良を検出することができるが、専用の測定器が必要であるので、製品に検出装置を実装することができず、組み立てた後に不良を検出できないという問題があった。
また、上記特許文献2の圧電素子に印加して圧電体層の静電容量を測定する方法は、原理的には簡易であるものの、単に圧電体の特性測定を行うためものであり、インクジェットヘッドの不良ノイズ検知には容易に適用できず、上述のようなインクジェット記録装置の問題解決に適用することは困難であり、まして組立て後の製品の異常検知に用いることは極めて困難である。
本発明は、以上の従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、異常検知の構成を組み立て後の製品に効率よく適用することができ、製品組み立て後に発生するインクジェットプリンタのヘッド部の異常を容易かつ正確に検出することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1に記載のインクジェット記録装置は、複数のノズルと、各ノズルに連通する複数の液室と、各液室を加圧するための複数の加圧手段とを備えた複数のインクジェットヘッドを搭載したキャリッジと、インクジェットヘッドのノズルを選択するノズル選択手段と、ノズル選択手段によって選択されたノズルの加圧手段を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動手段と、インクジェットヘッドの異常を検出する異常検出手段とを有するインクジェット記録装置であって、異常検出手段は、所定波形の異常検出パルスを生成するパルス生成手段と、パルス生成手段からの異常検出パルスを用いてノズル選択手段によって検知対象となるインクジェットヘッドの所定数のノズル群に充電を行なう充放電手段と、充放電手段による充電開始から所定時間後の放電電圧を検知する波形検知手段と、波形検知手段による検知に基づいて、インクジェットヘッドの不良ノズル数を判定する判定手段と、を有するものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、異常検出手段によって異常検出を行う場合に、駆動手段と選択手段との間を分離するスイッチ手段を有するものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、波形検知手段は、パルス生成手段からのパルス出力後、所定時間後に検知された放電電圧をデジタルデータに変換して判定手段に出力し、判定手段は、波形検知手段によって検知された電圧値データに基づいて、電圧値と不良ノズル数との対応テーブルを参照し、インクジェットヘッドの不良ノズル数を判定するものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、波形検知手段は、パルス生成手段からのパルス出力後、所定時間後に検知された放電電圧と所定の閾値とを比較する比較手段と、放電電圧が閾値を越える時間について、比較手段からの出力を用いてカウントするカウンタとを有し、カウンタによるカウント結果を判定手段に出力し、判定手段は、カウント結果に基づいて、カウント数と不良ノズル数との対応テーブルを参照し、インクジェットヘッドの不良ノズル数を判定するものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録装置において、カウンタは、パルス生成手段からのパルスの立ち上がりエッジから、放電電圧が閾値を越えていることを示す比較手段からの検知パルスの立ち上がりエッジまでの時間、または、放電電圧が閾値を越えていることを示す比較手段からの検知パルスの立ち上がりエッジから立下りエッジまでの時間、をカウントするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、異なる閾値が設定された複数の比較手段を有し、カウンタは、複数の比較手段からの出力に基づいてカウントするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6までのいずれかに記載のインクジェット記録装置において、パルス生成手段によって生成するパルス幅を設定するパルス幅設定手段を有し、パルス幅設定手段によって設定するパルス幅および波形検知手段によるパルス出力後からに放電電圧を検知するまでの所定時間は、異常検知の対象となる加圧手段の充電に要する時間に比べて小さい時間であるものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録装置において、パルス生成手段は、複数の異なるパルス幅を有する異常検出パルスを生成し、カウンタは、複数の異常検出パルスに応じた比較手段からの検知パルスの立ち上がりエッジ数をカウントするものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のインクジェット記録装置において、パルス生成手段は、パルス生成手段は、パルス幅の狭い順に複数の異常検出パルスを生成するものである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1から9までのいずれかに記載のインクジェット記録装置において、異常検出手段によって異常が検出された場合に、印刷を停止するか異常のないインクジェットヘッドまたはノズルのみで印刷を実行するかを選択する印刷動作選択手段を有するものである。
本発明は、インクジェットヘッドの構造的な特性として、不良ノイズが少ないほど容量値が大きくなることに着目し、検知対象となるインクジェットヘッドの所定数のノズル群に充電を行ない、一定の充電時間に対する電圧値を検出し、その検出値によって対応テーブルを参照し、そのノズル群における不良ノズル数を判定するようにした。
したがって、簡易な構成と処理により、不良ノズルを含むヘッドを確実に検知できるる、実用性の高い異常検知の構成を組み立て後の製品に容易に適用することができ製品組み立て後に発生するインクジェットプリンタのヘッド部の不良を容易かつ正確に検出することができる。
本発明の実施の形態によるこのインクジェット記録装置の機構部の全体構成例を説明する概略構成側面図である。 インクジェット記録装置の要部平面説明図である。 インクジェット記録装置の制御部の全体構成を示すブロック図である。 インクジェット記録装置のヘッドの液室長手方向に沿う断面図である。 インクジェット記録装置のヘッドの液室短手方向に沿う断面図である。 インクジェット記録装置のヘッドの要部平面図である。 インクジェット記録装置のヘッド駆動制御装置を示すブロック図である。 インクジェット記録装置のヘッド駆動制御装置における駆動波形の一例を示す説明図である。 インクジェット記録装置における異常検知部(異常検知手段)の構成を示すブロック図である。 インクジェット記録装置の異常検知部における充放電回路220の入力波形V(in)と出力波形V(out)の関係を示す説明図である。 インクジェット記録装置の異常検知部のより具体的な構成を示すブロック図である。 インクジェット記録装置における異常検知部の他の構成例を示すブロック図である。 インクジェット記録装置の異常検知部における充放電回路220の入力波形V(in)と出力波形V(out)の関係の他の例を示す説明図である。 インクジェット記録装置のヘッドの第1の例を示す平面図である。 インクジェット記録装置のヘッドの第2の例を示す平面図である。 インクジェット記録装置のヘッドの第3の例を示す平面図である。 インクジェット記録装置における異常検知部の他の構成例を示すブロック図である。 検知パルス発生器と比較回路からの出力とカウント値との関係を示す説明図の一例である。 検知パルス発生器と比較回路からの出力とカウント値との関係を示す説明図の他の例である。 インクジェット記録装置における異常検知部の他の構成例を示すブロック図である。 入力波形V(in)および出力波形V(out)と比較回路の出力との関係を示す説明図である。 インクジェット記録装置における異常検知部の他の構成例を示すブロック図である。 入力パルス幅が異なる場合の入力波形V(in)と出力波形V(out)を示す説明図である。 インクジェット記録装置において不良ノズル検知した場合にユーザーが選択できる動作を示すフローチャートである。
(インクジェット記録装置)
以下に、本発明に係るインクジェット記録装置の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、以下はこの発明の最良の形態の例であって、いわゆる当業者が特許請求の範囲内で、変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、このインクジェット記録装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図、図2は、同要部平面説明図である。図1において、フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって同じく図示しないタイミングベルトを介して図2で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。この各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニットが設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び該給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、ETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
そして、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド34側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによって搬送ローラ52が回転駆動されることによって搬送ベルト51が図2に示すベルト搬送方向(副走査方向)に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、図2に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
そして、この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナで除去されたインク、空吐出受け84に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。
また、図2に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
さらに、装置本体1の内部後方側にはホストとの間でデータを送受するためのUSBなどの通信回路部(インタフェース)が設けられるとともに、この画像形成装置全体の制御を司る制御部を構成する制御回路基板が設けられている。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
図3は、インクジェット記録装置の制御部110の全体ブロック図である。この制御部110は、プリンタコントローラ111と主走査モータM1および副走査モータM2を駆動するためのモータドライバ112と給紙ローラに副走査の回転を伝達するための給紙クラッチ113を駆動するためのドライバ114と、記録ヘッド(インクジェットヘッド)115を駆動するためのヘッドドライバ(ヘッド駆動回路、ドライバICで構成される)116等を備えている。
プリンタコントローラ111はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどによる撮像装置などのホスト120側からの印刷データ等をケーブルあるいはネットを介して受信するインターフェース(以下、I/Fという)121と、CPU等からなる主制御部101と、各種データの記録等を行うRAM122と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM123と、記録ヘッド115への駆動波形を発生させる駆動信号発生回路(印字制御部)127と、ドットパターンデータ(ビットマップデータ)に展開された印字データ及び駆動波形等をヘッドドライバ116に送信するためのI/F124と、モータ駆動データをモータドライバに送信し、クラッチオン信号をドライバ112に送信するためのI/F126等を備えている。
RAM122は各種バッファ及びワークメモリ等として用いる。ROM123は主制御部101によって実行する各種制御ルーチンとフォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
主制御部101は用紙検出センサ133からの検出信号に基づいて給紙制御を行う。また、主制御部101はエンコーダ131の出力信号に基づいてキャリッジの主走査方向の位置を検出してキャリッジの停止位置制御を行い、用紙センサ132の検知信号に基づいて用紙の先端位置検知及び搬送ベルト上での用紙の有無の検出を行う。
この主制御部101はI/F121に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、この解析結果(中間コードデータ)をRAM122の所定のエリアに記憶し、記憶した解析結果からROM123に格納したフォントデータを用いて画像出力するためのドットパターンデータを生成し、RAM122の異なる所定のエリアに再び記憶する。なお、ホスト120側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの記録装置に転送する場合には、単にRAM122に受信したビットマップの画像データを格納することになる。
そして、主制御部101は、記録ヘッド115の1行分に相当するドットパターンデータが得られると、この1行分のドットパターンデータを、発信回路からのクロック信号に同期してI/F124を介してヘッドドライバ116にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ116に送出する。
本例では全インク吐出口を同時に駆動させる以外に、時間的に分割して駆動させることができるようになっている。これは全インク吐出口を同時に駆動させると、各全インク吐出口間のクロストークの影響による記録品位の低下や、一時的に大電流が必要になることにより電源の大容量化などの不利益が生じる場合があるが、時分割駆動することでこれらの不利益を避けることができる。なお、図2に示す記録ヘッド34にはドライバICが搭載され、図3に示す制御部110との間で中継基板310およびハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続されている。
次に、このインクジェット記録装置の記録ヘッドを構成するインクジェットヘッドについて図4〜図6を参照して説明する。なお、図4は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図、図6は同ヘッドの要部平面説明図である。
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路板41と、この流路板41の下面に接合した振動板42と、流路板41の上面に接合したノズル板43とを有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出するノズル45がノズル連通路45aを介して連通するインク流路である加圧室46、加圧室46にインクを供給するための共通液室48にインク供給口49を介して連通する流体抵抗部となるインク供給路47を形成している。
そして、振動板42の外面側(液室と反対面側)に各加圧室46に対応して加圧室46内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての積層型圧電素子52を接合し、この圧電素子52をベース基板53に接合している。
また、圧電素子52の間には加圧室46、46間の隔壁部41aに対応して支柱部54を設けている。ここでは、圧電素子部材にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施すことで櫛歯状に分割して、1つ毎に圧電素子52と支柱部54して形成している。支柱部54も構成は圧電素子51と同じであるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
さらに、振動板42の外周部はフレーム部材44にギャップ材を含む接着剤50にて接合している。このフレーム部材44には、共通液室48となる凹部、この共通液室48に外部からインクを供給するための図示しないインク供給穴を形成している。このフレーム部材44は、例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板41は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路45a、加圧室46、インク供給路47となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板42は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他の金属板や樹脂板或いは金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板42は加圧室46に対応する部分に変形を容易にするための薄肉部(ダイアフラム部)55及び圧電素子52と接合するための厚肉部(島状凸部)56を形成するとともに、支柱部54に対応する部分及びフレーム部材44との接合部にも厚肉部57を形成し、平坦面側を流路板41に接着剤接合し、島状凸部56を圧電素子52に接着剤接合し、更に厚肉部57を支柱部54及びフレーム部材44に接着剤50で接合している。なお、ここでは、振動板42を2層構造のニッケル電鋳で形成している。この場合、ダイアフラム部55の厚みは3μm、幅は35μm(片側)としている。
ノズル板43は各加圧室46に対応して直径10〜35μmのノズル45を形成し、流路板41に接着剤接合している。このノズル板43としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。ここでは、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成している。また、ノズル43の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル45の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。
また、ノズル板43のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
圧電素子52は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層61と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層62とを交互に積層したものであり、内部電極62を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極63、共通電極64に電気的に接続したものである。この圧電常数がd33である圧電素子52の伸縮により加圧室46を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子52に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子52に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
なお、圧電素子部材の一端面の端面電極はハーフカットによるダイシング加工で分割されて個別電極63となり、他端面の端面電極は切り欠き等の加工による制限で分割されずにすべての圧電素子52で導通した共通電極64となる。
そして、圧電素子52の個別電極63には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル65を接続し、このFPCケーブル65には各圧電素子52に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)を接続している。また、共通電極64は、圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPCケーブル65のグラウンド(GND)電極に接続している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば、記録信号に応じて圧電素子52に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、圧電素子52に積層方向の変位が生起し、振動板42を介して加圧室46内のインクが加圧されて圧 力が上昇し、ノズル45からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧室46内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧室46内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、図示しないインクタンクから供給されたインクは共通液室48に流入し、共通液室47からインク供給口49を経て流体抵抗部47を通り、加圧室46内に充填される。
なお、流体抵抗部47は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による再充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部47の流体抵抗値を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
次に、ヘッド駆動制御装置(ヘッド駆動手段)に係わる部分について図7を参照して説明する。なお、同図では、1つのヘッドの1つの駆動ユニットの駆動制御に係る部分のみを図示している。ヘッド駆動回路88は、主制御部101から印字制御部127およびI/F121を介して与えられる各種データ及び信号に基づいて、記録ヘッドを構成する各インクジェットヘッドの圧電素子52に対して選択的に駆動波形を印加してインク滴を吐出させる。
ここで、記録ヘッドを構成する4個(Y,M,C,K)のインクジェットヘッドHは、上述したように複数(ここでは128個とする。)のノズル45に対応する128個の圧力発生手段である圧電素子52を有し、各圧電素子52の一方の電極は共通化して共通電極Com(上記の共通電極64である。)としてグランドに接続し、他方の電極は圧電素子52毎に個別化して選択電極SEL(上記の個別電極63である。)としている。なお、実際にはノズル45は2列設けているので、256個のノズル45を有することになる。
主制御部101から印字制御部127およびI/F121を介してパーソナルコンピュータなどの情報処理端末、デジタルカメラ、スキャナなどの画像処理端装置等のホスト120側から与えられる画像情報を入力して、ヘッド駆動部88Aに対してヘッドを駆動するタイミングに合わせて、8bitの電圧データを順次、波形生成部であるD/A変換回路(DAC)103に出力する。DAC103は、与えられた電圧データを例えば0V〜2Vの出力範囲を8bitの分解能で出力する。
8bitのデータ入力ステップが250nsの場合、駆動波形(駆動信号)の立ち上がり時定数tr=5μs、駆動電圧Vp=30V(フルスケール)のとき、DAC103の出力は20ステップの時間刻みで、約0.1V/ステップで0〜2Vまで上昇する。また、駆動波形の立下り時も同様に、立下り時定数tf=10μsであれば40ステップで5〜3Vまで下降する。さらに、駆動波形に要する時間(立ち上がり開始から、立下り終了までの時間)が50μsとすると、200ステップでフルスケール5Vの駆動波形が形成され、ヘッドの駆動タイミングに合わせて繰り返し出力される。
このDAC103から出力される駆動波形はアンプ104を介して3〜30V(フルスケール時)の範囲でDAC出力レベルに応じて電圧増幅される。電圧増幅された駆動波形は、SEPP回路(NPNトランジスタQ1及びPNPトランジスタQ2)等で構成される低インピーダンス回路からなる電流増幅部105を介して、ノズル選択手段であるPZT(圧電層)選択回路106へ与えられる。
一方、主制御部101は、インク滴を噴射させるノズル45を指定するためのシリアルデータSD(ノズルデータ)とシフトクロックSCLK、ラッチ信号/LATをPZT選択回路106へ入力する。
PZT選択回路106は、シフトクロックSCLK、およびノズルデータSDを入力とするシフトレジスタ回路(256bit)と、シフトレジスタ回路の各レジスト値をラッチ信号/LATによってラッチするためのラッチ回路(256bit)と、256ビットのレベルシフタ回路と、レベルシフタ回路でオン/オフが制御されるアナログスイッチ群とからなる。
アナログスイッチ群は、各圧電素子52の選択電極63に接続され、駆動波形が入力されている。そしてシフトレジスタ回路にシフトクロックSCLK、ノズルデータSDを取りこみ、ラッチ信号/LATによって取りこんだシリアルデータをラッチ回路でラッチしてレベルシフタ回路に入力する。このレベルシフタ回路は、データの内容に応じて各圧電素子52に接続されるアナログスイッチをオンすることで、駆動波形が選択された圧電素子52に印加される。
図8は、駆動波形の一例を示す説明図である。なお、縦軸は電圧、横軸は時間を示している。本例におけるヘッドの駆動方式においては、駆動波形の立下り波形要素(a→b)の時間に圧電素子52はヘッド基板(ベース基板)53方向に収縮変位するので、加圧液室46内の容積は拡大し、加圧液室46は減圧される。そして、上記拡大された加圧液室46は駆動波形のホールド波形要素(b→c)時間の間、保持された後、立ち上がり波形要素(c→d)の時間に圧電素子52がノズル板43方向に拡大変位するので、加圧液室46は縮小し、発生される加圧圧力でノズル45からインク滴が噴射される。
(異常検知制御)
次に、本実施の形態におけるヘッド部の異常検知方法の詳細について説明する。図9は、本例における異常検知部(異常検知手段)の構成を示すブロック図である。
本例の異常検知部200は図7に示したヘッド駆動制御装置88に設けられている。ただし、このような異常検知部200を製品として組み立てられた後のヘッド駆動制御装置88の配線基板に外付けで設けることも可能であり、製造時の必要に応じて選択できるものとする。
図示のように、この異常検知部200は、異常検出パルスを生成する検知パルス発生器(パルス生成手段)210と、充放電抵抗R1を介してPZTの容量成分を充放電させるための充放電回路(充放電手段)220と、波形切り替え230部(スイッチ手段)と、出力波形検知器(波形検知手段)240と検査結果読み取り器(判定手段)250によって構成される。したがって、この構成では、充放電抵抗R1とノズルとの間にRC直列回路が構成されている。
通常の印刷時には、図7で説明したヘッド駆動制御装置88によって、ヘッドにヘッド駆動波形VCOMが印加され、選択されたノズルからインクが噴射される。ただし、このとき、波形切り替え部230は、切り替え制御信号によって、端子Sと端子S1が接続されるので、ヘッド駆動波形VCOMはヘッド駆動制御装置で生成された波形VCOM1に等しい波形である。
一方、異常検知をする場合は、検知パルス発生器210から発生したパルス(Max5V)が充放電回路220に入力される。充放電回路220はヘッド制御装置88の電流増幅部105と同様にプッシュ-プル型のトランジスタ増幅器で構成され、その電源は5Vに接続される。入力パルスに応じて充放電回路220は、抵抗R1を介してヘッド側の容量成分(PZT)を充放電させる。このとき異常検知を実施するヘッドのノズルは印刷時と同様に主制御部101からのSCLK、DATA、LATの各信号によって選択される。
また、波形切り替え部230は、切り替え制御信号によって、端子Sと端子S2が接続され、ヘッドに印加されるヘッド駆動波形VCOMは充放電回路220の出力波形VCOM2に等しい波形である。
図10は、充放電回路220の入力波形V(in)とVCOM2と等しい出力波形V(out)の関係を示す説明図である。
ここで、あるヘッドの10個のノズルを異常検知の対象とし、ヘッドの容量は1ノズル当たり1nFとすると、10ノズルの場合では10nFになる。異常検知部200の充放電回路220の出力に接続される抵抗R1の抵抗値を200Ωとすると、10ノズル全てのヘッドが正常の場合は負荷容量は10nFであり、図10の入力波形V(in)に対して出力波形V(out)の波形(0)になる。また、1ノズルのみ電気的接続不良等の異常が発生すると負荷容量は9nFになるので出力波形は(1)になる。同様に5ノズルのみ電気的接続不良が異常が発生すると負荷容量は5nFになるので出力波形は(5)になる。
このように、不良ノズルが増加するほど、出力波形の立ち上がり、立下り時定数は大きくなるので、入力波形が印加されてから、立ち上がりが飽和するまでの時間内で、ある一定時間後の電圧値はヘッドの不良状態に応じて異なる値となる。
出力波形検知器240は、上記の電圧値を一定時間後に検知し、その結果を主制御部101の検知結果読み取り器250へ入力する。検知結果読み取り器250は予め定められた電圧値と不良ノズル数との組み合わせを格納した対応テーブルを参照し、検知された電圧値を比較して、不良ノズル数を算出する。
図11は、以上のような検知方法を適用する異常検知部のより具体的な構成を示すブロック図である。図11において、出力波形検知器240にはA/D変換器241が用いられ、検知パルス発生器210からV(in)が充放電回路220に入力されると、時間とともに電圧上昇する出力波形V(out)の電圧値(図11)は順次デジタル値(例えば8Bit)に変換され、主制御部101の検知結果読み取り器250に入力される。
このとき、主制御部101のタイミング制御部260およびタイマー261はV(in)入力後0.8μsだけ計測し、そのときのV(out)の電圧値のみを検知結果読み取り器250が読み取る。また、そのときの不良ノズル数と検出した電圧(0.8μs後)との結果例(表1)と対応テーブル(表2)を示す。したがって、予め表2に示すようなテーブルを主制御部101に用意しておき、読み取った電圧値と比較することで、容易かつ迅速に不良ノズル数が算出できる。
Figure 2011178152
Figure 2011178152
図12は、異常検知部の他の構成例を示すブロック図であり、主制御部101にパルス幅設定部270を設けた例である。本例では、主制御部101が検知パルス発生器210に対して定められた時間(パルス幅)のみのパルスが発生するように制御する。
例えば、パルス幅を1μsに設定した場合、抵抗R1(200Ω)とヘッドの容量成分によって充電電圧が飽和しないまま、入力波形V(in)の立下りによって放電が開始されるので、検知パルス発生器210から充放電回路220へ入力される波形V(in)と出力波形V(out)の関係は、図13に示すようなものになる(不良ノズル数が0〜9の各場合)。出力波形V(out)の電圧値は、A/D変換器241によって順次デジタル値(例えば8Bit)に変換され、主制御部101の検知結果読み取り器250に入力される。このとき、検知結果としては電圧のピーク値(最大値)を検知結果として読み取る。また、その場合の不良ノズル数と検出したピーク値電圧の結果例(表3)と対応テーブル(表4)を示す。したがって、予め表4に示すようなテーブルを主制御部に用意しておき、読み取った電圧値と比較することで、不良ノズル数が算出できる。
Figure 2011178152
Figure 2011178152
なお、充放電回路220から、ヘッドへ入力される波形V(out)の電圧およびパルス幅は、充放電回路220に供給される電源電圧(例えば、5V)と検知パルス発生器210から充放電回路220へ入力されるパルス幅に依存する。また、パルス幅設定部270のパルス幅は、抵抗R1と検出対象となるヘッドの容量成分によって必要な充電時間に比べて十分短い時間幅に設定されるが、好ましくは2.2×R1×ΣCp(対象ヘッド容量の総和)より短い時間幅に設定すれば、飽和時の充電電圧の80%以下で放電が始まるので、検知が可能である。
このような構成により、ヘッドの容量特性に応じて適宜にパルス幅を設定でき、異常検出を短時間で効率よく行うことができる効果がある。なお、表1〜3の検出結果はヘッドの10ノズルを異常検知の対象とした場合であるが、検出の単位は10ノズルに限らない。
例えば、図14は本例におけるヘッド115と128個のノズル配列を示した平面図である。検出単位は、図14の(1)(2)に示すように、ヘッド115内に配置されたノズルを1列(64ノズル)単位で検出することができる。または同図の(3)(4)に示すように近接する64ノズルを検出単位とすることもできる。
このためには、充放電回路で駆動できる電流は抵抗R1の値と同時に駆動するノズル数に依存するので、検出対象のノズル数(ヘッド容量の総和)に応じた電流を駆動できるように充放電回路のトランジスタを選定すればよい。
図15は本例における4つのヘッド(ここでは便宜上ヘッド1〜4という)と各128個のノズル配列を示した平面図である。図15において、第1の検出単位をヘッド1のノズル群(128ノズル)とし、第2、第3、第4の検出単位をそれぞれヘッド2〜ヘッド4のノズル群とする。次に第1から第4までの検出単位について順次、検知用パルスを入力し、不良ノズル検知を実施する。ここで、検出単位2で異常と判断されたとする。次に第5の検出単位として、128ノズルをノズル群とする検出単位((5)−1)で検知を実施し、さらに、128ノズルをノズル群とする第6の検出単位((5)−2)、第7の検出単位((5)−3)、第8の検出単位((5)−4)で順次、不良ノズル検知を実施する。ここで、第8の検出単位((5)−4)で検知結果が異常と判断されたとする。
このとき異常と判断された検出単位2と検出単位((5)−4)から、異常が発生しているノズル群はヘッド2のノズルで、図中の一番下のノズルから下から32番目のノズルの間に不良ノズルが存在することがわかる。
また、検出単位は、上記のように固定した例に限らず、検出単位数を適宜変更して、小なくとも一部または全部のノズルに対し、2回以上検知を実施すれば、設定した検出単位に応じて、異常が発生しているノズルを特定することもできる。このように、ノズル群の数を適宜変更しながら異常検知の動作を複数回行うことにより、不良ノズル自体の特定を行なうような応用も可能であり、便利な機能を提供できる効果がある。
また、上記実施例では、スイッチ手段としての波形切り替え部230を設けたことから、異常検出行なう場合に、駆動部側からの信号を遮断でき、正確な検出動作を確保できる効果がある。また、波形検知器240において、パルス生成器210からのパルス出力後、所定時間後に検知された放電電圧をデジタルデータに変換して出力することから、A/D変換器等の管易で安価な構成により、インクジェット記録装置における異常検出部を搭載できる効果がある。
図14、図15に示すヘッドとノズル列において、Y,M,Cのヘッドのいずれかのノズル列に異状が検出された場合、例えばYヘッドの2列のノズル列のうち、いずれか一方の列に対応したヘッドドライバIC(図9におけるシフトレジスタ回路320、ラッチ回路330、レベルシフタ回路340、アナログスイッチ)に対応したノズル列から検出された検知結果が異状と判断された場合はそのヘッドドライバICに入力される電源5V,37Vをオフさせる。
このとき、Yヘッドの他方のノズル列データはヘッドドライバICに対応したノズル列で1回主走査方向にキャリッジを移動させながら画像を形成し、副走査方向にノズル列ピッチの1/2ピッチのみ紙を送り、さらにもう一度同じノズル列を使って主走査方向にキャリッジを移動させながら画像を形成すれば、解像度を落とさずに画像を形成できる。このとき主制御部は、異常が発生していないノズル列に対応したノズルデータDATAを2回送信して画像が形成されるようにノズルデータDATAを変換する。
また、Yヘッドの正常ノズル列で達成できる解像度にあわせて他のM,Cヘッドの解像度を1/2に落とすことで、キャリッジを2回走査させることなく、カラー画像を形成できる。このとき制御部はM,Cヘッドに対応したそれぞれ2列のノズル列のうち片列のみを使って画像を形成できるようにすればよい。
図16は本発明における2ヘッド(ここでは便宜上ヘッド1、ヘッド2という)と各64個のノズル配列がY,M,C,Kインクに配置されたものを示す説明図である。このとき各インクの色が同一色に配置された64ノズルをひとつの検出単位(図中Y,M,C,K)として、同様に不良ノズルを検知することができる。
(その他の実施形態)
以下、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。
図17は、異常検知部の他の構成を示すブロック図である。図17に示ように、主制御部101はパルス幅設定部270を有し、検知パルス発生器210に対して定められたパルス幅の時間のみパルスが発生するように制御する。図17に示す例では、比較回路242及びカウンタ243により波形検知手段が構成されている。
検知パルス発生器210は、図13に示したV(in)のようなパルスを発生させて、充放電回路220に入力させる。このとき、抵抗R1(200Ω)とPZT(圧電層)の容量成分によって充電電圧が飽和しないまま、入力波形V(in)の立下りによって放電が開始されるので、検知パルス発生器210から充放電回路220へ入力される波形V(in)と出力波形V(out)との関係は、図13に示されるものとなる(不良ノズル数が0〜9の各場合)。
また、出力波形V(out)は、一定のスレッシュレベル(電圧に対する閾値)Vthが設定された比較回路242へ入力され、V(out)の電圧値がスレッシュレベルVthを超える場合のみ、比較回路242は“H”を出力する。
ここで比較回路242に出力側に設けられるカウンタ(カウンタ回路)243は、図18に示すように、検出パルスが出力Hの立ち上がりエッジのときから、比較回路242の出力Hの立ち上がりエッジが入力されるまでの時間をカウントし、カウント結果(カウント値)を主制御部101の検知結果読み取り器250へ入力するものである。
また、図19に示すように、カウンタ243は、比較回路242の出力Hの立ち上がりエッジから、比較回路242の出力がHからLになるまで(立下りエッジ)の時間をカウントし、カウント結果(カウント値)を主制御部101の検知結果読み取り器250へ入力するようにしても良い。
例えば、検知パルス発生器210から出力されるパルス幅を1μs、比較回路242の入力レベルに対し比較回路242が出力Hを確定するスレッシュレベル(Vth)を2V、カウンタのクロック周期を0.01μsとすると、不良ノズル数が多いほど、比較回路242へ入力される波形は充放電の時定数が小さくなり、不良ノズル数が0〜9の各場合のカウンタ243からのカウント値は、表5に示すように、不良ノズル数の増加とともに小さな値となる。
Figure 2011178152
したがって、表6に示すような、カウンタ値と不良ノズル数との関係を表すテーブルを主制御部101に記憶させておき、読み取ったカウント値と比較することにより、不良ノズル数を算出することができる。
Figure 2011178152
このようにすることにより、異常検知部を簡易な回路構成により、インクジェット記録装置に実装できるため低コスト化を図ることができる。また、検出結果をデジタル値(カウント値)で扱うことができるので、低コストにより回路を実現できる。さらに、外部からのノイズにも強いので、信頼性の高い不良ノズル検出結果を得ることができる。
なお、上記実施形態と同様に、パルス幅設定部270のパルス幅は、抵抗R1と検出対象となるPZTの容量成分によって必要な充電時間に比べて十分短い時間幅に設定されるが、好ましくは2.2×R1×ΣCp(対象PZT容量の総和)より短い時間幅に設定すれば、飽和時の充電電圧の80%以下で放電が始まるので、検知が可能である。
また、不良ノズル数を精度よく検出するために、検出のためのパルス幅の種類を増やしたり、比較回路のスレッシュレベルVthを複数設定し、出力bit数もそれに応じて増加させることが好ましい。
図20は、異常検知部の他の構成を示すブロック図である。図20に示す例では、波形検知手段は、3つの比較回路(第1〜第3比較回路)242a〜cを有し、それぞれ充放電回路220からの出力波形V(out)が入力される。また、それぞれの比較回路242a〜cには、互いに異なるスレッシュレベルの電圧値が設定されており、第1比較回路242aはスレッシュレベルの電圧値Vth=Vth1、第2比較回路242bはVth=Vth2、第3比較回路242cはVth=Vth3に設定されている。V(out)の電圧値がスレッシュレベルの電圧値Vth1,Vth2,Vth3を超える場合のみ、それぞれの比較回路は“H”を出力する。一方、カウンタ243は、入力される3つの比較回路242a〜cの出力のHの期間のみをカウントする。
図21に、入力波形Vinおよび出力波形Voutと比較回路の出力を示す。出力波形Voutは図13に示した場合と同様であり、不良ノズル数が0から9までのそれぞれの波形を示している。
例えば、不良ノズル数が5の場合、第1比較回路242a(Vth=Vth1)の出力は、スレッシュレベルを超える電圧が入力されないため、H期間をカウントすることはできないが、第2比較回路242b(Vth=Vth2)の出力は波形(5)に示すように、H期間をカウントすることができる。また、第3比較回路242cについても同様にH期間がカウントされるが、本実施形態では、比較回路に優先順位を設け、第2比較回路242bのカウント値がある場合は、第2比較回路242bのカウント値を優先して採用するようにしている。
また、例えば、不良ノズル数が9の場合、第1〜第3比較回路242a〜cのいずれもH期間のカウント値が得られるが、本実施形態では、第1比較回路242aのカウント値を優先させて採用するようにしている。
本実施形態では、複数の比較回路の出力からカウント値が得られる場合は、第1比較回路>第2比較回路>第3比較回路という優先順位で得られたカウント値を採用するようにしているが、比較回路の優先順位の設定については一例であり、特に限られるものではない。
このように、不良ノズル0〜9までの充放電回路220からの出力波形V(out)の電圧を3つのスレッシュレベルで分割してH期間の時間をカウントする。
図21に示される波形(1)〜(10)は、以上説明した方法により、カウント値を採用する比較回路の出力を示しており、不良ノズルが9、8、7の場合はVth=Vth1のスレッシュレベルを有する第1比較回路242aの出力波形(1)、(2)、(3)からカウトした値が採用される。また、不良ノズルが6、5、4の場合はVth=Vth2のスレッシュレベルを有する第2比較回路242bの出力波形(4)、(5)、(6)からカウントした値が採用される。また、不良ノズルが3、2、1、0の場合はVth=Vth3のスレッシュレベルを有する第3比較回路242cの出力波形(7)、(8)、(9)、(10)からカウトした値が採用される。
採用されたカウント値は、主制御部101の検知結果読み取り器250へ入力され、上述のようなカウンタ値と不良ノズル数との関係を表すテーブル(表6)に基づいて、読み取ったカウンタ値と比較することで、不良ノズル数を算出することができる。
このように、検知する電圧レベルをいくつかのスレッシュレベルで分割して検知できるように複数の比較回路を設けることで、検知パルスを複数段階でデータ変換できるので、より精度よく不良ノズル数を検出することができる。なお、本実施形態では、3つの比較回路を有する例について説明したが、比較回路数は一例であり、これに限られるものではない。
図22は、異常検知部の他の構成を示すブロック図である。図22に示す例では、主制御部101はパルス幅を複数種類設定できるパルス幅設定部270を有し、検知パルス発生器210に対して定められたパルス幅の時間のみパルスが発生するように制御するものである。
例えば、パルス幅を、1μs,0.5μs,0.3μsの3種類に設定した場合、検知パルス発生器210は、図23に示すV(in)のようなパルスを発生させて、充放電回路220に入力させる。
このとき抵抗R1(200Ω)とPZTの容量成分によって充電電圧が飽和しないまま、入力波形V(in)の立下りによって放電が開始されるので、検知パルス発生器210から充放電回路220へ入力される波形V(in)と出力波形V(out)の関係は、図23のようになる(不良ノズル数が0〜9の各場合)。また、出力波形V(out)は、一定のスレッシュレベルVthが設定された比較回路242へ入力され、V(out)の電圧値がスレッシュレベルの電圧値Vthを超える場合のみ、比較回路242は“H”を出力する。また、カウンタ243は比較回路242の出力Hの立ち上がりエッジの回数をカウントし、カウント結果(カウント値)を主制御部101の検知結果読み取り器250へ入力するものである。
図23において、例えば、スレッシュレベルをVth=2Vに設定すると、比較回路242はV(out)のそれぞれの不良ノズル数と入力パルス幅に応じた電圧値とスレッシュレベル(Vth=2V)を比較し、表7に示すように、HまたはLを出力する。ここで、カウンタ値は、それぞれの不良ノズル数の場合でHの回数を示している。
Figure 2011178152
したがって、表7に示すようなカウンタ値と不良ノズル数の関係を表すテーブルを主制御部101に記憶させておき、読み取ったカウンタ値と比較することにより、不良ノズル数を算出することができる。このように、検知パルスが複数あるので、一回に多段階で検知でき、より詳細に不良ノズル数を検出することができる。
ところで、検出対象としているPZTの容量が大きい場合、後続のパルスは直前のパルス入力時の出力波形が放電終了しないうちに発生させてしまうと、充放電回路の出力V(out)の電圧レベルが直前のパルスによる放電電圧と重なり、正しいレベルよりも高い電圧になってしまう。
したがって、直前の放電が完了してから、次のパルスを発生させる必要がある。このため、パルス幅設定部、検知パルス発生器がパルス幅の狭い順に複数の検知パルスを発生させることが好ましい。これにより、複数のパルス発生間隔を短くできるので、不良ノズルの検出時間を短くすることができる。
また、上述の異常検知制御の実施に際し、波形V(out)がヘッドへ印加されることにより、ヘッドからインクが噴射される場合は、ヘッドから噴射されるインクをキャップ82または空吐出受け88に排出、回収できるように、ヘッド(キャリッジ)の位置を制御するようにする。なお、インクが噴射しない場合は、特に、ヘッド(キャリッジ)の位置を制御することは不要である。
なお、印刷を開始する前に、上述の異常検知制御を実施しないと、不良ノズルが発生したままの状態で印刷動作が開始されてしまい、ドット抜けなどの画像品質を損ねたり、印刷紙、インクを浪費することを招くこととなる。よって、上記実施形態における異常検知制御は、例えば、装置の電源投入直後、インク充填の直後、装置が印刷ジョブを受け取ってから印字開始するまでの間、印刷ジョブ終了後から次の印刷ジョブ開始までの間、所定枚数の印刷終了ごと等に実施することが好ましい。これにより、上記ドット抜けなどによる画像品質の低下や、印刷紙、インクの浪費を回避することができる。
次に、不良ノズルを検知した後の処置方法を説明する。図24は、印刷動作選択手段による、ヘッド単位で不良ノズル検知した場合にユーザーが選択できる動作を示すフローチャートである。なお、図示の例は、ヘッド単位で異常検出を行なう場合の動作を示している。
まず、不良ノズル検知を実施後(ステップS1)、不良ノズルを有するヘッドがある場合(ステップS2)、ユーザは印刷を継続して実行するか、印刷を中止するかの選択を促すメッセージやタッチパネル等を用いた表示を行なう(ステップS3)。
ここで、ユーザが印刷を中止するむねの操作を行なった場合(ステップS4:No)は、ヘッドへの給電を停止して(ステップS5)、サービスマンによる修理を促すサービスコールをLEDまたはLCDを使って表示する(ステップS6)。
また、ユーザが印刷実行を選択した場合は(ステップS4:Yes)、不良ノズルを有するヘッドがBkヘッドかカラー(CL)ヘッドかを判別する(ステップS7)。Bkヘッドに不良ノズルがあり(ステップS7:Yes)、カラーヘッドに不良がない場合(ステップS8:No)は、Bk画像をカラーヘッドのみによるコンポジットBkによって印刷を実施する(ステップS9、S10)。また、Bkヘッドに不良ノズルがない場合(ステップS7:No)はカラーヘッドに不良があることになるので、Bkヘッドのみによるモノクロモードによる印刷を実施する(ステップS11、S12)。
また、Bkヘッドに不良があり(ステップS7:Yes)、かつカラーヘッドにも不良ノズルがある場合(ステップS8:Yes)は、印刷を実施することができないので、ユーザーが印刷中止を選択したときと同様にヘッドへの給電を停止させて(ステップS4)、サービスコールを表示する(ステップS5)。なお、モノクロモード印刷またはコンポジットBkモード印刷を実施する前にユーザーに実施するかどうかの確認のフローを設けてもよい。このとき、ユーザーが印刷中止を選択したら、同様にヘッドへの給電を停止させて(ステップS4)、サービスコールを表示して終了する(ステップS5)。これにより、不良ノズルによる印字ドット抜け画像を出力防止することができ、かつ、インクジェット記録装置のダウンタイム(装置の使用不可時間)を低減させることができる。
なお、ここではノズル列単位で不良を検知する場合のフローチャートは示していないが、ユーザーの選択肢としてはモノクロモード印刷、コンポジットBkモード印刷のほかに、1/2解像度で印刷実施したり、2回主走査をすることで、正常なノズルのみで、印刷を継続実施させるような手順とすることもできる。記録する情報の用途によっては低解像度でもよい場合があるので、このような場合でも印刷を可能とすれば、便利な装置を提供できる利点がある。
また、以上の実施例では、キャリッジを移動走査するシリアル型の装置構成を例に説明したが、本発明はこれに限らず、例えばライン型(記録ヘッドが用紙幅方向に固定され、その下方を用紙が搬送される形式)の装置構成も同様に適用することが可能である。
21 フレーム
33 キャリッジ
34,115 記録ヘッド
52 圧電素子
101 主制御部
127 印字制御部
110 制御部
111 プリンタコントローラ
112 モータドライバ
113 給紙クラッチ
114 ドライバ
116 ヘッドドライバ
121,124,126 I/F
122 RAM
123 ROM
131 エンコーダ
132 用紙センサ
133 用紙検出センサ
200 異常検知部
210 検知パルス発生器
220 充放電回路
230 波形切り替え部
240 出力波形検知器
241 A/D変換器
242(a〜c) 比較回路(第1〜第3比較回路)
243 カウンタ
250 検査結果読み取り器
270 パルス幅設定部
特開2004−74414号公報 特開2003−326723号公報

Claims (10)

  1. 複数のノズルと、各ノズルに連通する複数の液室と、各液室を加圧するための複数の加圧手段とを備えた複数のインクジェットヘッドを搭載したキャリッジと、
    前記インクジェットヘッドのノズルを選択するノズル選択手段と、
    前記ノズル選択手段によって選択されたノズルの加圧手段を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動手段と、
    前記インクジェットヘッドの異常を検出する異常検出手段とを有するインクジェット記録装置であって、
    前記異常検出手段は、所定波形の異常検出パルスを生成するパルス生成手段と、
    前記パルス生成手段からの異常検出パルスを用いて前記ノズル選択手段によって検知対象となるインクジェットヘッドの所定数のノズル群に充電を行なう充放電手段と、
    前記充放電手段による充電開始から所定時間後の放電電圧を検知する波形検知手段と、
    前記波形検知手段による検知に基づいて、前記インクジェットヘッドの不良ノズル数を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記異常検出手段によって異常検出を行う場合に、前記駆動手段と前記選択手段との間を分離するスイッチ手段を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記波形検知手段は、前記パルス生成手段からのパルス出力後、所定時間後に検知された放電電圧をデジタルデータに変換して前記判定手段に出力し、
    前記判定手段は、前記波形検知手段によって検知された電圧値データに基づいて、電圧値と不良ノズル数との対応テーブルを参照し、前記インクジェットヘッドの不良ノズル数を判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記波形検知手段は、前記パルス生成手段からのパルス出力後、所定時間後に検知された放電電圧と所定の閾値とを比較する比較手段と、前記放電電圧が前記閾値を越える時間について、前記比較手段からの出力を用いてカウントするカウンタとを有し、前記カウンタによるカウント結果を前記判定手段に出力し、
    前記判定手段は、前記カウント結果に基づいて、カウント数と不良ノズル数との対応テーブルを参照し、前記インクジェットヘッドの不良ノズル数を判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記カウンタは、
    前記パルス生成手段からのパルスの立ち上がりエッジから、前記放電電圧が前記閾値を越えていることを示す前記比較手段からの検知パルスの立ち上がりエッジまでの時間、または、
    前記放電電圧が前記閾値を越えていることを示す前記比較手段からの検知パルスの立ち上がりエッジから立下りエッジまでの時間、
    をカウントすることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 異なる閾値が設定された複数の比較手段を有し、前記カウンタは、前記複数の比較手段からの出力に基づいてカウントすることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記パルス生成手段によって生成するパルス幅を設定するパルス幅設定手段を有し、前記パルス幅設定手段によって設定するパルス幅および前記波形検知手段による前記パルス出力後からに放電電圧を検知するまでの前記所定時間は、異常検知の対象となる加圧手段の充電に要する時間に比べて小さい時間であることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記パルス生成手段は、複数の異なるパルス幅を有する異常検出パルスを生成し、
    前記カウンタは、前記複数の異常検出パルスに応じた前記比較手段からの検知パルスの立ち上がりエッジ数をカウントすることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記パルス生成手段は、パルス幅の狭い順に複数の異常検出パルスを生成することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記異常検出手段によって異常が検出された場合に、印刷を停止するか異常のないインクジェットヘッドまたはノズルのみで印刷を実行するかを選択する印刷動作選択手段を有することを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載のインクジェット記録装置。
JP2010109243A 2010-02-05 2010-05-11 インクジェット記録装置 Pending JP2011178152A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010109243A JP2011178152A (ja) 2010-02-05 2010-05-11 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010024258 2010-02-05
JP2010024258 2010-02-05
JP2010109243A JP2011178152A (ja) 2010-02-05 2010-05-11 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011178152A true JP2011178152A (ja) 2011-09-15

Family

ID=44690174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010109243A Pending JP2011178152A (ja) 2010-02-05 2010-05-11 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011178152A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019137013A (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 東芝テック株式会社 液体循環装置、及び液体吐出装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019137013A (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 東芝テック株式会社 液体循環装置、及び液体吐出装置
JP7055659B2 (ja) 2018-02-15 2022-04-18 東芝テック株式会社 液体循環装置、及び液体吐出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5625332B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置、及びプログラム
JP4251912B2 (ja) 画像形成装置
JP2010000776A (ja) インクジェット記録装置
JP2005014431A (ja) 画像形成装置
JP2006218682A (ja) ヘッドデータ転送装置及び画像形成装置
JP5707915B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム
JP2017170652A (ja) 液滴を吐出するユニット、液滴吐出装置、及び液滴吐出ヘッドの制御方法
US9701109B2 (en) Liquid discharging apparatus and control method of liquid discharging apparatus
JP5055738B2 (ja) 液体噴射装置、及び、その制御方法
JP5246050B2 (ja) 情報処理装置、画像形成装置、印刷データの生成方法、プログラム
US7744189B2 (en) Liquid ejecting apparatus
JP2011178152A (ja) インクジェット記録装置
JP2013199025A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム
JP4412950B2 (ja) 画像形成装置
JP2008229918A (ja) 液体吐出装置及び画像形成装置
JP2015231726A (ja) 液滴吐出装置
JP2012091417A (ja) 画像形成装置
JP5434678B2 (ja) 画像形成装置
US11633950B2 (en) Image forming apparatus, droplet discharge control method, and storage medium
JP2013052648A (ja) 画像形成装置
JP6136006B2 (ja) 液滴吐出装置及び画像形成装置
JP2012096516A (ja) 画像形成装置及びプログラム
JP5065845B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置
JP2017109480A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム
JP2006082254A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法