明細書
N置換べンゾチオフェンスルホンアミ ド誘導体 技術分野
本発明は、 医薬、 特にキマ一ゼを選択的に阻害する N置換べンゾチオフェンス ルホンアミド誘導体又は薬学的に許容しうるその塩、 及びそれらを有効成分とす るキマーゼ阻害剤に関する。 それらの化合物は、 キマーゼに対する選択的な阻害 作用を有するため、 キマーゼ活性に基づくアンギオテンシン I I (以下、 Ang I Iと略す)産生又はェンドセリン I (以下、 E T— 1と略す)產生の異常亢進又 は肥満細胞の活性化に起因する高血圧、 心肥大、 心筋梗塞、 動脈硬化、 糖尿病性 又は非糖尿病性腎疾患、 糖尿病性網膜症、 経皮的冠状動脈形成術 (以下、 PTC Aと略す) 施行後の再狭窄、 バイパスグラフ卜施行後の内膜肥厚、 慢性関節リゥ マチ、 ケロイ ド、 乾癬、 アレルギー、 炎症、 喘息、 ァ卜ピ—性皮膚炎、 固形腫瘍 の予防■治療剤として有用である。 背景技術
A n g I I及び E T— 1は、 血圧上昇作用のほか、 細胞増殖促進作用を有する ことから、 高血圧、 心肥大、 心筋梗塞、 動脈硬化、 糖尿病性及び非糖尿病性腎疾 患、 P T C Α施行後の再狭窄等の疾患の原因物質又は危険因子と考えられている 。 また、 Ang I Iはアンギオテンシン変換酵素 (以下、 ACEと略す) により アンギオテンシン I (以下、 Ang lと略す) から生成することが知られており 、 AC E阻害剤は上記疾病の予防■治療剤として多数開発されている。 一方、 E T- 1はェンドセリン変換酵素 (以下、 EC Eと略す) によりビッグェンドセリ ン (以下、 B i g E T- 1と略す) から生成する 21アミノ酸残基からなる生理 活性ペプチド (以下、 ET (1 -21 ) と略す) であることが知られているが、 E C E阻害剤及び E T - 1受容体拮抗剤は未だ医薬品として開発段階にある。 近年、 AC Eの他にも肥満細胞顆粒に由来する酵素キマ一ゼが、 Ang lから
Ang l Iを産生することが見出された。 浦田らは、 ヒ卜心臓からキマ一ゼを精 製し、 心臓や血管で産生される A n g I I量の 7〜8割がキマ一ゼによるもので
あることを示した (J. B i o l . Chem. ' 265, 22348 ( 1 990 ) ) 。 また、 ACE阻害剤に PTCA後の再狭窄に対する有効性が認められなか つた事実 [MERCAPTOR試験 (Ci r cu l at i on, 86 (1 ) , 1 00 (1 992 ) ) 及び MARCAPTOR試験 (J . Am. Co l l . Ca r d i o 1. , 27 (1 ) , 1頁 (1 996) ) ]及びィヌ頸静脈を用いたグラフ 卜血管の内膜肥厚モデルに対しキマ一ゼ阻害剤が有効であったこと (宮崎、 高井 ら; F e bs. Le tt. , 467, 1 41 , (2000 ) ) を考え合わせると Ang I I産生の異常亢進に起因する心臓■循環器系疾患の予防 ·治療には、 A C Eよりもむしろキマ一ゼを阻害することが重要であり、 キマーゼ阻害剤の心臓 -循環器系疾患への応用を示唆するものである。
さらに、 最近においてキマ一ゼは B i g E T - 1を特異的に 31アミノ酸残基 からなる生理活性ペプチド (以下 ET (1 -31 ) と略す) に分解することが明 らかとなつた。 この ET (1 -31 ) は、 本来の ET (1 -21 ) が作用する受 容体に作用して、 気管支収縮や血管収縮を起こすことが報告されている (木戸ら ; J . Immu no l . , 1 59, 1 987 (1 997) ) 0 なお、 ヒト血中で の濃度は Ε Τ (1 -31 )及び Ε Τ (1 -21 ) のいずれも、 ほぼ同程度の分布 と活性を有し、 心筋梗塞後では ΕΤ (1 -31 ) が ΕΤ (1 -21 ) よりも増加 し、 発症 2週間後まで維持されることが明らかとなり (玉置、 西栖ら ; J ρ η. J. P ha rmaco l . , 82 ( s u p p 1 1), 26 (2000) ) 、 キマー ゼを阻害することの重要性、 キマーゼ阻害剤の心臓 ·循環器系疾患への応用を示 唆するものである。
以上より、 キマ一ゼは、 生理活性ペプチドの産生■分解、 細胞外マ卜リックス のリモデリング、 サイ 卜力インとのネヅ卜ワーク、 免疫等に関与し、 代謝回転の 修復に寄与するものと考えられる。 これらのことから、 キマ一ゼ阻害剤は心臓 - 循環器系疾患への応用が期待される。
また、 ハムスタースポンジ皮下移植モデルに対し、 An 9 I Iをスポンジ内投 与し、 7日目にスポンジを摘出し、 ヘモグロビン含量を測定した結果、 血管新生 が認められた(毛細血管が主)。感作動物に抗原であるオボアルブミン(1 O^tg
/s i t e/d a y)をスポンジ投与するとコンパゥンド 48/80の場合と同
様に血管新生が起こる。 この血管新生もキモス夕チンにより阻害された (村松ら
. ; J . B o l . C h em. , 275(8), 5545 (2000) ) 。以上の 結果から、 抗原刺激による肥満細胞活性化も血管新生を引き起こし得ることを示 しており、 この過程にもキマ一ゼが関与すると考えられ、 様々な炎症性アレルギ —疾患におけるキマ一ゼの新たな役割を示唆している。 このような観点から、 キ マーゼ阻害剤は固形腫瘍、 糖尿病性網膜症、 関節リウマチ、 粥状動脈硬化に対す る効果が期待される。
現在、 キマーゼに対する阻害剤としては、 特開平 1 0— 7661号、 特開平 1 1—49739号、 特開平 1 1— 246437号、 国際公開 WO 98/0994 9号、 W098/1 8794号、 W099/45928号、 W099/3245 9号及び WO 00/06594号にぺプチド型のキマ—ゼ阻害剤が開示されてい る。一方、 特開平 1 0— 87493号、 特開平 1 0— 245384号、 特開平 1 2 - 95770号、 WO96/04248号、 W097/1 1 941号、 W09 9/09977号、 WO00/03997号、 WO00/05204号、 WO0 0/1 0982号、 WO00/ 32587、 WO01/3221 4号、 WO01 /32621号及び WO 01 /83471号に非べプチド型のキマ—ゼ阻害剤が 開示されている。 しかしながら、 現在までに臨床的に応用可能なキマーゼ阻害剤 は見出されておらず、 Ang I I及び ET— 1産生の異常亢進に起因する心臓 - 循環器系疾患の予防■治療に結びつく臨床応用可能なキマーゼ阻害剤の開発が望 まれている。 発明の開示
本発明者らは、 上記目的を達成するために鋭意検討した結果、 N置換べンゾチ オフェンスルホンアミド誘導体又はその薬学的に許容しうる塩が、 優れたヒトキ マ一ゼ阻害活性と酵素選択性を有することを見出した。 すなわち、 本発明は、一 般式 (I)
[式中、 R1は水素原子、 ハロゲン原子又は低級アルキル基を、 R2及び R3はそ れぞれ異なっていてもよく低級アルキル基を、 R4は
又は ,
(Xは酸素原子又は N Hを、 Yは酸素原子、硫黄原子又は N Hを、 R5及び R6は それぞれ異なっていてもよく、 水素原子、 ハロゲン原子で置換していてもよい低 級アルキル基、低級アルコキシ基又はヒドロキシ低級アルキル基を、 1^7及び!^8 はそれぞれ異なっていてもよく、 水素原子、 ハロゲン原子で置換していてもよい 低級アルキル基、 低級アルコキシ基、 ヒドロキシ低級アルキル基、 低級アルコキ シカルボニル基又はカルボキシル基を、 R 9及び R1°はそれぞれ異なっていても よく、 水素原子、 ハロゲン原子で置換していてもよい低級アルキル基、 低級アル コキシ基又はヒドロキシ低級アルキル基を示す (ただし、 R5及び R6、 R7及び R 8並びに R 9及び R 1。はそれぞれ同時に水素原子ではない))で表される単環複 素環基又は
で表される基 (式中、 R 1 1及び R 12はそれぞれ異なっていてもよく、 水素原子、 低級アルキル基、 低級アルキルスルファニル基、 低級アルキルスルフィニル基、 低級アルキルスルホニル基又は低級アルコキシカルボ二ル基を示す] により表さ れる N置換べンゾチオフェンスルホンアミ ド誘導体又はその薬学的に許容しうる 塩に関するものである。
本発明の一般式 ( I ) で表される N置換ベンゾチ才フェンスルホンアミド誘導
体又はその薬学的に許容しうる塩は、 キマーゼに対して強力な阻害活性を有し、 キマ—ゼ活性に基づく A n g I I及び ET— 1産生の異常亢進又は肥満細胞の活 性化に起因する心臓■循環器系疾患の予防■治療に結びつく極めて有用な化合物 'あ 。
R1のハロゲン原子としては、 例えばフッ素原子、 塩素原子、 臭素原子又はョ ゥ素原子が挙げられ、 なかでもフッ素原子又は塩素原子が好ましい。
R1、 R2、 R3、 R11及び R12の低級アルキル基としては、 例えばメチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプロピル基、 プチル基、 イソブチル基、 s e c—ブ チル基又は t e r t一ブチル基が挙げられ、 なかでもメチル基又はェチル基が好 ましい。
R5、 R6、 R R8、 R9及び R1°のハロゲン原子で置換していてもよい低級 アルキル基としては、 低級アルキル基又はハロゲン原子で置換している低級アル キル基が挙げられる。 ハロゲン原子としては、 例えばフッ素原子、 塩素原子、 臭 素原子又はヨウ素原子が挙げられ、 低級アルキル基としては、 例えばメチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプロピル基、 プチル基、 イソブチル基、 s e c—ブ チル基又は t e r t—ブチル基が挙げられる。 ハロゲン原子で置換している低級 アルキル基としては、 例えばクロロメチル基、 ブロモメチル基、 1—クロロェチ ル基が挙げられ、 クロロメチル基が好ましい。
R5、 R6、 R7、 R8、 R9及び R1°の低級アルコキシ基としては、 例えばメ 卜 キシ基、 エトキシ基、 プロピル才キシ基、 イソプロピル才キシ基、 ブチル才キシ 基、 イソブチル才キシ基、 s e c—ブチル才キシ基又は t e r t _ブチル才キシ 基が挙げられ、 なかでもメ トキシ基又はエトキシ基が好ましい。
R5、 R6、 R7、 R8、 R9及び R 1。のヒドロキシ低級アルキル基としては、 例 えばヒドロキシメチル基、 ヒドロキジェチル基、 ヒドロキシプロピル基、 ヒドロ キシブチル基が挙げられ、 なかでもヒドロキシメチル基又はヒドロキシェチル基 が好ましい。
R R8、 R1 1及び R12の低級アルコキシカルボニル基としては、 例えばメ トキシカルボニル基、 エトキシカルボ二ル基、 プロピル才キシカルボニル基、 ィ ソプロピル才キシカルボニル基、 ブチル才キシカルボニル基、 イソブチル才キシ
カルボニル基、 s e c—ブチル才キシカルボニル基又は t e r t—ブチル才キシ カルボニル基が挙げられ、 なかでもメ 卜キシカルボニル基又はエトキシカルボ二 ル基が好ましい。
R 1 1及び R 1 2の低級アルキルスルファニル基としては、例えばメタンスルファ ニル基、 エタンスルファニル基、 プロパンスルファニル基、 ブタンスルファニル 基等の炭素数 1〜4個の直鎖状又は分枝状のものが挙げられ、 なかでもメタンス ルファニル基又はエタンスルファニル基が好ましい。
R 1 1及び R 1 2の低級アルキルスルフィニル基としては、例えばメタンスルフィ ニル基、 エタンスルフィニル基、 プロパンスルフィニル基、 ブタンスルフィニル 基等の炭素数 1〜4個の直鎖状又は分枝状のものが挙げられ、 なかでもメタンス ルフィニル基又はエタンスルフィニル基が好ましい。
R 1 1及び R 1 2の低級アルキルスルホニル基としては、例えばメ夕ンスルホニル 基、 エタンスルホニル基、 プロパンスルホニル基、 ブタンスルホニル基等の炭素 数 1〜4個の直鎖状又は分枝状のものが挙げられ、 なかでもメタンスルホニル基 又はエタンスルホニル基が好ましい。
なお、 具体的な化合物の例としては、 2— [ 4— ( 5—フルオロー 3—メチル ベンゾ [ b ] チ才フェン一 2—スルホニルァミノ) 一 3—メタンスルホニルフエ ニル] チアゾールー 4一力ルボン酸、 2— [ 4一 (5—フル才□— 3—メチルベ ンゾ [ b ] チ才フェン一 2—スルホニルァミノ) 一 3—メタンスルホニルフエ二 ル] チアゾ一ル一 4—カルボン酸メチルエステル、 5—フルォ□— N— [ 4— (
4ーヒドロキシメチルチアゾールー 2—ィル) 一 2—メタンスルホニルフエニル
] 一 3—メチルベンゾ [ b ] チォフェン一 2—スルホンアミド、 N— [ 4— ( 4
—クロロメチルチアゾ一ルー 2—ィル) 一 2—メタンスルホニルフエニル] —5 一フルオロー 3—メチルペンゾ [ b ] チ才フェン一 2—スルホンアミ ド、 5—フ ル才ロー N— [ 2—メタンスルホ二ルー 4一 (4ーメチルチアゾ一ル一 2—ィル
) フエニル] ― 3—メチルベンゾ [ b ] チ才フェン一 2—スルホンアミド、 5— フル才□— N— [ 2—メタンスルホニル一 4一 ( 2—メチルチアゾール _ 4—ィ ル) フエニル] —3—メチルベンゾ [ b ] チ才フェン一 2—スルホンアミド、 5 一フル才□— N— [ 2—メタンスルホ二ルー 4一 ( 5—メチルチアゾ一ルー 2—
ィル) フエニル] ― 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミド、 5_フル才□— N— [2—メタンスルホニル一 4一 ( 5—メ卜キシー 4_メチル チアゾールー 2—ィル) フエニル] 一 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2— スルホンアミ ド、 5—フル才□— N— [2—メタンスルホ二ルー 4一 (4, 5— ジメチルチアゾ一ルー 2—ィル) フエニル] 一 3—メチルベンゾ [b] チ才フエ ン一 2—スルホンアミ ド、 5—フル才□— N_ [4 - (4—ヒドロキシメチル才 キサゾ一ルー 2—ィル) 一 2—メタンスルホニルフエニル] 一 3—メチルベンゾ
[b] チ才フェン一 2—スルホンアミド、 N— [4— (4—クロロメチル才キサ ゾ一ルー 2—ィル) 一 2—メタンスルホニルフエニル] — 5—フルオロー 3—メ チルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミド、 5—フル才ロ一Ν— [2 - メタンスルホニル一 4一 (4ーメチルォキサゾ一ルー 2—ィル) フエニル] — 3 一メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミド、 5—フル才ロー N— [ 2—メタンスルホ二ルー 4一 (5—メ トキシ一 4—メチル才キサゾール一2—ィ ル) フエニル] 一 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミド、 5 一フル才ロ一Ν— [2—メタンスルホ二ルー 4— ( 5—エトキシ一 4—メチル才 キサゾ一ルー 2—ィル) フエニル] 一 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2— スルホンアミド、 5—フル才ロー1\1 _ [2—メタンスルホ二ルー 4— (4, 5— ジメチル才キサゾ一ル一 2—ィル) フエニル] 一 3—メチルベンゾ [b] チオフ ェンー 2—スルホンアミ ド、 5—フル才□— N— [2—メタンスルホ二ルー 4一
( 5—メチル才キサゾ一ルー 2—ィル) フエニル] — 3—メチルベンゾ [b] チ 才フェン _ 2—スルホンアミ ド、 5—フル才ロ一Ν— [2—メタンスルホニル一 4 - ( ( E ) 一 2—メタンスルフィニルー 2—メチルスルファ二ルビニル) フエ ニル] 一 3—メチルペンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミ ドが挙げられる o
次に、 本発明の N置換ベンゾチ才フェンスルホンアミド誘導体又はその薬学的 に許容しうる塩の製造法について説明する。 本発明の一般式 ( I ) の化合物は、 下記に示す反応式で説明される製造法によって製造することができる。
すなわち、 化合物 (I I I)で示されるァミン (式中、 R3及び R4は一般式 (
I ) の化合物と同義である) をジ才キサン、 テトラヒドロフラン (以下、 T H F と略す) 、 アセトン、 ジメチルホルムアミド (以下、 DM Fと略す) 、 ジメチル スルホキシド (以下、 DM SOと略す) 、 クロロホルム、 ピリジン等又はそれら の混合溶媒中、 一 1 0°Cから溶媒の沸点温度までの範囲でナ卜リゥムアミド、 リ チウ厶アミド、 水素化ナ卜リゥ厶、 炭酸力リゥム、 カリウム t e r t—ブトキ シド、 卜リエチルァミン、 ェチルジイソプロピルアミン、 ピリジン、 1 , 8—ジ ァザビシク□ [5. 4. 0] ゥンデック一 7—ェン (以下、 D B Uと略す) 等の 塩基存在下、 スルホニルクロリ ド (I I) (式中、 R1及びR2は一般式 (I) の 化合物と同義である) と反応させることにより製造することができる。
であり、 R 6又は R 8が水素原子以外の置換基を有する化合物の場合には、一般式 (I)の化合物は、 下記に示す反応式で説明される製造法によって製造すること もできる。
すなわち、 文献既知の方法 (J . Med. Chem. , 40, 201 7 (1 9
97) ) に従い 4—クロ口安息香酸から合成した化合物 (IV) で示されるァミン
(式中、 R3は一般式 (I) の化合物と同義であり、 R 13は低級アルキル基を示 す) をジ才キサン、 THF、 アセトン、 DMF、 DMSO、 クロロホルム、 ピリ ジン等又はそれらの混合溶媒中、 —1 0°Cから溶媒の沸点温度までの範囲でナト リウムアミ ド、 リチウムアミド、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、カリウム t e r t—ブトキシド、 トリェチルァミン、 ェチルジイソプロピルアミン、 ピリジ ン、 DBU等の塩基存在下、 スルホニルク口リ ド (I I) (式中、 1及び1^2は 一般式 (I) の化合物と同義である) と反応させ、 化合物 (V) を得た (工程 B) 後、 エステル加水分解により化合物 (VI) を得る (工程 C) 。 次に、 化合物 (VI
) と一般式 (VII) で示されるァミン (R 14は水素原子又は低級アルキル基を、
R 15は低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示す) を卜リエチルァミン、ェチ ルジイソプロピルアミン、 DBU等の塩基存在下、 N, N' —ジシクロへキシル カルポジイミド (以下、 DCCと略す) 、 1ーェチルー 3— (3—ジメチルアミ ノプロピル) カルポジイミ ド (以下、 E DCと略す) 等の縮合剤を用いて反応さ せ化合物 (VIII) を得た (工程 D) 後、 才キシ塩化リン又は五硫化二リンを用い
て化合物 (l a)及び化合物 (l b) を得る (工程 E) ことにより製造すること ができる。
また、 一般式 (I) の化合物の R 4が
であり、 R
6及び R
8が水素原子である化合物の場合には、 一般式 (I)の化合物 は、 下記に示す反応式で説明される製造法によつて製造することもできる。
すなわち、化合物(VI ) とセリンエステル塩酸塩、 システィンエステル塩酸塩 又は S—卜リチルシスティンエステル等を卜リエチルァミン、 ェチルジィソプロ ピルァミン、 DBU等の塩基存在下、 E DC等の縮合剤を用いて反応させて得た 化合物 (IX) (式中、 R1、 R 2及び R 3は一般式 (I) の化合物と同義であり、
R 1 6は卜リチル基等の保護基を有してもよいヒドロキシメチル基又はメルカプ 卜メチル基等を表し、 R 1 7は低級アルキル基を示す) を、 文献既知の方法 (Te t rahed r on. L e tte r s. , 33, 907 (1 992) 、 J . O r g. Chem. , 38, 26 (1 973) 、 J. O r g. Chem. , 58, 4
494 (1 993) 、 O r g. Le tt. , 2, 1 1 65 (2000) 、 Tet
rahed r on. Le tte r s. , 42, 41 71 ( 2001 ) ) に従って 化合物 (XI ) を得る (工程 F及び G。式中、 Zは酸素原子、硫黄原子又は N Hを 示す) 。 さらにエステル基の還元によりヒドロキシメチル基に変換することによ り化合物 (I c) を製造することができる (工程 H) 。 また、 化合物 (I c) を ハロゲン化することにより化合物 (Id) (R 18はハロゲン原子を示す) を製造 することができ (工程 I) 、 さらに化合物 (I d) のハロゲン原子の還元により メチル基に変換することにより化合物 (I e) を製造することができる (工程 J
) o
なお、 化合物 (XI)の Zが硫黄原子である化合物 (I f) (式中、 R
1、 R
2及 び R
3は一般式 (I) の化合物と同義であり、 R
19は低級アルキル基を示す) を エステル加水分解することにより化合物 (I g) を製造することができる (工程 K) 。
である場合には、 一般式 (I) の化合物は、 下記に示す反応式で説明される製造 法によって製造することもできる。
すなわち、 化合物 (XII) (式中、 R1、 R2及び R3は一般式 (I) の化合物 と同義である) から、 文献既知の方法 (特開 2000— 256262号) に従い 化合物 (XIII) (式中、 R1、 R2及び R3は一般式 (I) の化合物と同義であり 、 R 2 °はハロゲン原子を示す) を得る (工程に) 。 さらにチ才ァセ卜アミド又は ホルムアミドにより閉環させることにより化合物 (I h) を製造することができ る (工程 M) 。
である場合には、 下記に示す反応式で説明される製造法によって製造することが できる。
すなわち、 化合物 (V) (式中、 R R 2及び R 3は一般式(I)の化合物と同 義であり、 R 13は低級アルキル基を示す) のエステル基を還元し、続いて酸化す ることによりアルデヒド基に変換した化合物 (XV) を得 (工程 N、 0) 、 文献既 知の方法 (Bu l l . Ch em. S o c . J p n . , 52, 2013 ( 1 979
) ) に従い化合物 (I i ) (式中、 R 1、 R 2及び R 3は一般式 ( I ) の化合物と
同義であり、 R 1 1及び R 1 2は前記と同義である) を製造することができる (工程 P ) 。
このようにして生成された一般式 ( I ) の化合物は、 再結晶やカラムクロマト グラフィ一等の憤用的手段により単離精製することができる。
本発明の一般式 ( I ) の化合物は、 常法により薬学的に許容しうる酸又は塩基 との塩、 化合物によって塩酸塩、 臭化水素酸塩、 ヨウ化水素酸塩、 硫酸塩、 硝酸 塩、 燐酸塩等の無機酸との塩、 酢酸塩、 トリフル才口酢酸塩、 シユウ酸塩、 フマ ル酸塩、 マレイン酸塩、 酒石酸塩、 メシル酸塩、 トシル酸塩等の有機酸との塩、 ナトリウム塩、 カリウム塩等のアルカリ金属との塩、 カルシウム塩等のアルカリ 土類金属との塩に導くことができる。
—般式 (I ) の化合物には、 水和物、 各種溶媒和物が含まれる。一般式 (I ) の化合物にはそれらの結晶形がすべて包含される。
—般式 (I ) の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、経口又は非経口的 ( 例えば、 静脈もしくは筋肉内に注射) に投与することができる。
経口投与用製剤としては、 例えば錠剤 (糖衣錠、 フイルムコーティング錠を含 む) 、 丸剤、 顆粒剤、 散剤、 カプセル剤 (ソフトカプセル剤を含む) 、 シロップ 剤、乳剤、 懸濁剤等が挙げられる。
この経口投与用製剤は製剤分野において通常用いられる添加剤を配合し、 公知 の方法に従って製造することができる。 このような添加剤としては、 例えば乳糖 、 マンニ卜一ル、 無水リン酸水素カルシウム等の賦形剤、 ヒドロキシプロピルセ ルロース、 メチルセルロース、 ポリビニルピロリ ドン等の結合剤、 でんぷん、 力 ルポキシメチルセルロース等の崩壊剤、 ステアリン酸マグネシウム、 タルク等の 滑沢剤等が用いられる。
非経口投与用製剤としては、 例えば注射剤等が挙げられる。 このような注射剤 は公知の方法、例えば一般式 (I ) の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を日 局注射用水に溶解することにより製造される。 必要により塩化ナ卜リゥム等の等 張化剤、 リン酸水素ナトリウム、 リン酸一水素ナトリウム等の緩衝剤等を配合し てもよい。
一般式( I )の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の成人 1日当たりの投与量
は、 患者の症状や体重、 年齢、 化合物の種類、 投与経路によって変動し得るが経 口投与の場合には、 約 0. 01 (!19から 1, 00 Omgが適切であり、 約 0. 1 mgか ら 300mgが好ましい。非経口投与の場合は、 経口投与の 1 0分の 1量から 2分 の 1量を投与すればよい。 これらの投与量は、 患者の症状や体重、 年齢等により 適宜増減することが可能である。 発明を実施するための最良の形態
次に本発明について、 参考例及び実施例を挙げてより具体的に説明するが、 本 発明はこれらにより限定されるものではない。
[参考例 1 ] メチル 4— ( 5—フル才ロー 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン —2—スルホニルァミノ) 一3—メタンスルホ二ルペンゾェ一卜
メチル 4一アミノー 3—メタンスルホ二ルペンゾエー卜 1 4. 0 gを T H F 3 O OmLに溶解し、 0°Cにて水素化ナトリウム (油状、 60%) 6. 1 0 gを加え た。 同温にて 40分間撹拌後、 0°Cにて 2—クロロスルホニル _ 5—フルオロー 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン 1 6. 0 gを加え、 室温にて 3時間撹拌した 。原料消失を確認後、 0°〇にて2^101ノし塩酸を加えて反応を停止した後、 酢 酸ェチルにて抽出し、 有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 飽和食塩水にて 順次洗浄し、 無水硫酸ナ卜リゥムにて乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残 渣を酢酸ェチルにて希釈し、 その溶液を活性炭処理した後に酢酸ェチル—ェ一テ ル (3 : 1 ) から再結晶することにより、 無色粉末として標題化合物 24. 8 g を得た。
融点: 202— 204°C
1 H-NMR (CDC13) ·δ 2.69 (3H,s) ,3.06 (3H,s) ,3.90 (3H,s) ,7.28 (1H,ddd,J =2.6,8.7,8.9Hz) ,7.46 (1H,dd,J=2.6,9.2Hz) ,7.76 (1H,dd, J=4.7,8.9Hz) ,7.8 7 (1H,d,J=8.8Hz) ,8.19 (1H,dd, J=2.0,8.8Hz) ,8.50 (1H,d, J=2.0Hz) ,9.83 (1 H,s) .
IR レ max (KBr) :3182, 1724,1604, 1504,1442, 1396,1346,1303, 1157 cm"1.
[参考例 2] [4- ( 5—フルォ□— 3—メチルペンゾ [b] チ才フェン一 2— スルホニルァミノ) 一 3—メタンスルホニル] 安息香酸
参考例 1の化合物 24. 8 gをメタノール 50 OmLに溶解し、 I mo lZL?]^ 酸化ナトリウム 5 OmLを加えた。 加熱還流下 3時間撹拌後、 溶媒を減圧留去して 得られた残渣に水を加えエーテルで洗浄した。 水層に 2 mo 1 ZL塩酸を加え、 酢酸ェチルにて抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄後、 無水硫酸ナトリウムにて 乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣をエーテル洗浄し、 無色粉末として 標題化合物 1 4. 39を得た。
融点: 290°C
H-NMR (CDC13) : δ 2.66 (3H,s),3.05 (3H,s) ,6.76 (1H,dd5J=2.0,8.6Hz) ,7 ■ 45 (1H,dd,J=2.0,8.6Hz) ,7.75 (1H,dd,J=4.6, 9.0Hz) ,7.82 (1H,d, J=8.8Hz) , 8.17 (1H,dd,J=2.0,8.8Hz) ,8.49 (1H,d, J=2.0Hz) .
IR レ max (KBr) :3239,2925,1687,1609,1501,1442,1421,1400,1356,1287,1161 cm—1.
[参考例 3] ( 2 S) —2— [4 - ( 5—フル才ロー 3—メチルベンゾ [b] チ 才フェン一 2—スルホニルァミノ) 一 3—メタンスルホニルフエニルカルボキシ アミド] プロピオン酸メチルエステル
Lーァラニンメチルエステル塩酸塩 3. 78 gをジクロ口メタン 1 0 OmLに懸 濁し、 0。Cにて卜リエチルァミン 3. 8mLを加えた。 ここに、 参考例 2の化合物
1 0. 0 gのジクロ口メタン懸濁液 1 0 OmLを加えた。 同温にて 5分間撹拌後、 E DC塩酸塩 5. 1 9 gを加え、 室温にて 1 9時間撹拌した。 1 mo l /L塩酸 にて反応を停止した後、 ジクロロメタン層を分離し、 溶媒を減圧留去して得られ た残渣に酢酸ェチルー TH F混合溶液 ( 1 : 1 ) を加え水、 飽和食塩水にて順次 洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣 をメタノールにて洗浄し、 無色粉未として標題化合物 9. 22 gを得た。
融点: 162-163°C
1 H-NMR (CDC13) : δ 1.49 (3Η, d, J=7.3Hz) , 2.69 (3H, s) , 3.07 (3H, s) , 3.79 (3H, s) , 4.74 (1H,dq,J=7.3,7.3Hz), 6.96 (1H,d, J=7,3Hz) , 7.28 (1 H,ddd,J=2.4,8.6,8.8Hz) ,7.47 (1H,dd, J=2.4, 9.2Hz) , 7.77 (1H,dd, J=4.7,8. 8Hz) , 7.81 (1H,d,J=8.7Hz) , 7.89 (1H,dd, J=2.0,8.7Hz) , 8.25 (1H,d,J=2.0 Hz) , 9.71 (1H,s) .
IR i max (KBr) :3323,3222,3068,3003,2924,1737,1636,1607,1496,1306,1165, 924 cm—1.
[参考例 4] (4 R) 一 2— [4- ( 5—フル才□— 3—メチルベンゾ [b] チ 才フェン一 2—スルホニルァミノ) 一 3—メタンスルホニルフエニル] チアゾリ ン一 4一力ルボン酸メチルエステル
(2 R) - 2 - [4一 ( 5—フルオロー 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホニルァミノ) 一 3—メタンスルホニルフエ二ルカルポキシアミド] 一 3—卜リチルチオプロピ才ン酸メチルエステル 3 1 . 04 gをジクロロメタン 1 500mLに溶解した。 これを、 0°Cに冷却しへキサメチルホスホルアミ ド 1 9. 8mLを加え、 さらに四塩化チタン 1 2. 9mLを溶解したジクロ口メタン溶液 43 5mLを滴下した。 室温にて 2 1時間撹拌した後、 水を加えて反応を停止した。 溶 媒を減圧留去して得られた残渣を、 酢酸ェチルに溶解し、 水、 飽和食塩水にて順 次洗浄した。 無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、 溶媒を減圧留去して得られた 残渣を、 シリカゲルクロマトグラフィー (クロ口ホルム) にて精製し、 クロロホ ル厶—へキサン (3 : 1 ) から再結晶することにより、 無色粉末として標題化合 物 1 1 . 09 gを得た。
融点: 170-171°C
1 H-NMR (CDC13) : δ 2.68 (3Η' s), 3.03 (3H,s) , 3.66 (1H,dd, J=9.1, 11.5H z) , 3.73 (1H,dd,J=9.1, 11.5Hz), 3.82 (3H,s) , 5.25 (1H,dd, J=9.1Hz) , 7.28 (1H,ddd,J=2.5,8.7,8.9Hz) , 7.46 (1H,dd, J=2.5, 9.2Hz) , 7.76 (1H,dd, J=4.7,8.9Hz) , 7.85 (1H,d, J=8.6Hz) , 8.01 (1H,dd, J=2.0,8.6Hz) , 8.31 (1 H,d,J=2.0Hz) ' 9.76 (1H,s) .
IR i max (KBr) : 3186, 3029, 3000, 2954, 2920, 1744, 1606, 1498, 1357, 1293, 1225 ,1163, 1131,989, 927 cm"1.
[参考例 5] 5—フル才ロ一Ν— (4—ヒドロキシメチルー 2—メタンスルホ二 ルフエニル) 一 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミド 参考例 1の化合物 2. 08 gをトルエン 1 20mLに溶解し、 一 30°Cに冷却後
、 1 . 01 m o Ί /Lジイソブチルアルミニウムヒドリ ドのトルエン溶液 22.
5mLを加えた。 同温にて 5時間撹拌し、 反応溶液に水を加えて反応を停止した後
、 酢酸ェチルで希釈し、 飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加え、 30分間 室温で攪拌した。 酢酸ェチルにて抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄後、 無水硫 酸ナトリウムにて乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残査をシリカゲルクロ マトグラフィ一 (酢酸ェチル:へキサン = 1 : 1 ) にて精製し、 無色粉末として 標題化合物 1 . 38 gを得た。
融点: 120-121 °C
1 H-N R (CDC13) : δ 2.68 (3H,s), 2.96(3H,s), 4.68(2H,s), 7.26(1H,ddd, J= 2.4,8.7,9.0Hz), 7.46 (1H,dd, J=2.4,9.0Hz) , 7.57 (1H,dd,J=1.8,8.4Hz) ,7.7 5 (1H,dd,J=4.5,8.7Hz) ,7.77 (1H,d, J=8.4Hz) , 7.86(1H,d, J=1.8Hz), 9.48(1H ,s).
IR i max (KBr) : 3504,3221,1608,1497,1347,1296,1150,926 cm"1.
[参考例 6] 4— ( 5—フルォ□_ 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—ス ルホンアミド) 一 3—メタンスルホ二ルペンズアルデヒド
参考例 5の化合物 83 Omgを酢酸ェチル 25mLに溶解し、 活性二酸化マンガン 4. 1 5 gを加え、 室温で 5時間攪拌した。 反応溶液を酢酸ェチルで希釈し、 セ ライ 卜濾過を行い、 二酸化マンガンを除去した。 溶媒留去し、 無色粉末として標 題化合物 696mgを得た。
融点: 167-170°C
1 H-NMR (CDC13.) : δ 2.70 (3H,s) , 3.10 (3Η, s) , 7.31(1Η, ddd, J=2.4, 8. 7, 9.0Hz), 7.48 (1H, dd, J=2,4, 9.0Hz) , 7.78 (1H, dd J=4.5, 9.0Hz) , 7. 96 (1H, d, J=8.7Hz) , 8.06(1H, dd, J=2.1, 8.7Hz) , 8.36(1H, d, J=2.1Hz), 9.90(1H3 s), 9.92(1H, s).
IR レ max (KBr) : 3260, 1694, 1602, 1496, 1308, 1164, 912 cm—1.
[実施例 1 ] 5—フル才□— N— [2—メタンスルホニル一4_ ( 5—メ 卜キシ
—4—メチルチアゾール一 2—ィル) フエニル] 一 3—メチルベンゾ [b] チ才 フェン _ 2—スルホンアミ ド (化合物 1 )
アルゴン雰囲気下、 2—メタンスルホ二ルー 4— ( 5—メ 卜キシー4—メチル チアゾ一ルー 2—ィル) ァニリン 41 mgを、 T H F ( 3mL) —ジメチルァセ卜ァ ミド ( 3mL) の混合溶液に溶解した。 これを一 25°Cに冷却し、 水素化ナトリウ
ム (油状、 60%) 1 5mgを加え、 同温にて 1 0分間攪拌した。 さらに、 2—ク 口ロスルホニルー 5—フル才□— 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン 44mgを加 え、 同温にて 2時間撹拌後、 1 mo L/ヒ塩酸にて反応を停止した。 反応液を室 温に戻した後、 酢酸ェチルートルエン (2 : 1 ) にて抽出し、 有機層を水、 飽和 食塩水にて順次洗浄した。 有機層を無水硫酸ナトリゥムにて乾燥した後、 溶媒を 減圧留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (酢酸ェチル:へキ サン = 1 : 1 ) にて精製し、 淡黄色粉末として標題化合物 51 mgを得た。
融点: 216-217°C
1 H-N R (CDC13) : δ 2.29 (3H,s) , 2.68 (3H,s) ' 2.99 (3H,s) , 3.93 (3H ,s) , 7.27 (1H,ddd,J=2.6,8.6, 8.8Hz) ,7.46 (1H,dd, J=2.6,9.2Hz) ,7.75 (1 H,dd,J=4.7,8.8Hz) ,7.82 (1H,d, J=8.7Hz) ,7.96 (1H,dd,J=2.1 ,8.7Hz) ,8.25 (1H,d,J=2.1Hz) ,9.57 (1H,s) .
IR レ max (KBr) :3202,2989,2910, 1604, 1558, 1501 ,1441 , 134931298, 1253, 1156, 1133,926 cm"1.
[実施例 2] 5—フル才□— N— [2—メタンスルホ二ルー 4一 (5—メ 卜キシ — 4—メチル才キサゾ一ルー 2—ィル) フエニル] _3—メチルベンゾ [b] チ ォフェン一 2—スルホンアミド (化合物 2 )
才キシ塩化リン 26mLに、 参考例 3の化合物 5. 28 gを加え、 3時間加熱還 流した。 反応液を室温に戻し、 氷に注ぎ、 クロ口ホルムにて抽出した。 有機層を 水、 飽和食塩水にて順次洗浄し、 無水硫酸ナ卜リゥムにて乾燥した。 溶媒を減圧 留去して得られた残渣を、 シリカゲルクロマトグラフィー (クロ口ホルム) にて 精製し、 無色粉末として標題化合物 2. 02 gを得た。
融点: 232-233°C
1 H-NMR (DMS0-d6) : (52.02 (3H,s) , 2.57 (3H's) , 3.32 (3H,s) , 3.96 (3Η, s) , 7.46 (1Η, ddd, J=2.5,9.0,9.0Hz) , 7.54 (1H,d, J=8.4Hz) , 7.81 (1H,dd ,J=2.5,9.9Hz) , 8.06 (1H,dd, J=1 ,9'8.4Hz) , 8.10 (1H,dd,J=4.9,9.0Hz) , 8. 26 (1H,d,J=1.9Hz) ·
IR レ max (KBr) : 3253, 3083, 3000, 2922, 1665, 1491 , 1442, 139331354, 1308, 1169, 1131 cm—1.
[実施例 3] 5—フル才ロ— Ν— [2—メタンスルホ二ルー 4— ( 5—メチルチ ァゾ一ルー 2—ィル) フエニル] ー3—メチルベンゾ [b] チ才フェンー2—ス ルホンアミ ド (化合物 3 )
4 - ( 5—フル才ロー 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホニルァ ミノ) 一3—メタンスルホ二ルー N— ( 2—ォキソプロピル) ベンズアミド 1 5 Omgの 1 , 4—ジ才キサン溶液 5mLに、 五硫化二リン 1 35mgを加え 4. 5時間 加熱還流した。 反応液に水を加えて反応を停止し、 酢酸ェチルにて抽出した。 有 機層を水、 飽和食塩水にて順次洗浄し、 無水硫酸ナ卜リゥムにて乾燥した。 溶媒 を減圧留去して得られた残渣をシルカゲルクロマ卜グラフィ一 (へキサン:酢酸 ェチル 2 : 1〜1 : 1 ) にて精製し、 アモルファスとして標題化合物 1 1 5mgを 得た。
1H-NMR (CDC13) : 2.51 (3H,s), 2.69 (3H,s), 3,02 (3H,s), 7.27 (1H,ddd,J=2 .4,8·6,8·9Ηζ), 7.47 (1H,dd, J=2.4,9.2Hz), 7.50 (1H,s), 7.76 (1H,dd, J=4.8, 8.9Hz), 7.86 (1H,d,J=8.8Hz), 8.05 (1H,dd,J=2.1,8.8Hz), 8.35 (1H,d,J=2.1H z), 9.64 (1H,s).
IR レ max (KBr) : 3240,3010,2926,1607,1499,1353,1302,1160,994 cm"1.
以下、 実施例 2及び実施例 3と同様にして実施例 4 ~ 8の化合物 4〜 8を合成 した。
実施例 R1 FT FT
[実施例 9] 5—フル才ロ一Ν— [4一 (4ーヒドロキシメチルチアゾ一ル一 2 —ィル) 一 2—メタンスルホニルフエニル] 一 3—メチルベンゾ [b] チ才フエ ン— 2—スルホンアミ ド (化合物 9)
リチウムアルミニウムヒドリ ド 298mgの T H F懸濁液 226mLに、 5°Cにて 化合物 1 5 4. 52gを溶解した T H F溶液 45 2mLを滴下し、室温にて 6時間 攪拌した。 さらにリチウムアルミニウムヒドリ ド 298mgを加え、 室温にて 1 4 時間攪拌した。 原料消失を確認後、 1 0°Cにて水 1 OmLを加えて反応を停止し、 30分間攪拌した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣にクロ口ホルムを加え、 有 機層を 1 m o 1 し硫酸、 水、 飽和食塩水にて順次洗浄し、 無水硫酸ナ卜リゥム にて乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリ力ゲルクロマトグラフィ 一 (酢酸ェチル:へキサン = 1 : 1 ) にて精製した。 得られた結晶にクロ口ホル ム 1 40mL、 へキサン 28 mLを加え加熱還流した。 熱時ろ過した後、 再結晶に より得られた結晶をろ取し、 減圧下乾燥し、 淡黄色粉未として標題化合物 2. 5 8 gを得た。
融点: 209-210°C
1 H-NMR (CDC13) : δ 2.69 (3H,s) ,3.04 (3H,s) ,4.80 (2H,s) ,7.22 (1H,s) , 7.27 (1H,ddd,J=2.4,8.6,8.8Hz) ,7.47 (1H,dd, J=2.4,9.2Hz) ,7.76 (1H,dd,J=4 .7,8.8Hz) ,7.88 (1H,d, J=8.8Hz) ,8.09 (1H,dd, J=2.2,8.8Hz) ,8.42 (1H,d,J=2 •2Hz) ,9.65 (1H,s) .
IR レ ma x (KBr) : 3423,3237,3114,3026,2930,1605,1509,1445,1354,1294,1152 ,1135 cm-1.
[実施例 1 0] N— [4— (4一クロロメチルチアリール一 2—ィル) 一 2—メ タンスルホニルフエニル] — 5—フル才□— 3—メチルペンゾ [b] チ才フェン 一 2—スルホンアミ ド (化合物 1 0 )
化合物 9 1 59 mgをクロ口ホルム 2 OmLに懸濁した。 0。Cにて塩化チ才ニル 4 を加え、 室温にて 2 1時間撹拌した。 さらに塩化チ才ニル 1 mLを加え 1 時間加熱還流した。 さらに卜リエチルァミン 2mLを 0°Cにて加え 3時間撹拌した 後、 1 m o 1 ZL塩酸にて反応を停止した。 酢酸ェチルにて抽出し、 水、 飽和食 塩水にて順次洗浄し、 無水硫酸ナ卜リゥ厶にて乾燥した。 溶媒を減圧留去して得 られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (クロ口ホルム) にて精製し、 淡褐 色粉末として標題化合物 1 04mgを得た。
融点: 190-19"。
1H -刚 R (CDC1J : δ 2.69 (3H,s) , 3.04 (3H,s) , 4.70 (2H,s) , 7.28 (1H,dd d,J=2.5,8.6,8.8Hz) , 7.34 (1H,s) , 7.47 (1H,dd, J=2.5,9.2Hz) , 7.76 (1H,d d,J=4.7,8.8Hz) , 7.89 (1H,d, J=8.8Hz) ,8.11 (1H, dd, J=2.2, 8.8Hz) ,8.41 (1H,d,J=2,2Hz) ,9.66 (1H,s) ■
IR レ max (KBr) :3236,3098, 3027, 2927, 1607, 1507, 1457, 1354, 1306, 1156, 1137, 912 cm"1.
[実施例 1 1 ] 5—フル才ロ一Ν— [2—メタンスルホ二ルー 4— (4一メチル チアゾ一ルー 2—ィル) フエニル] 一 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2— スルホンアミ ド (化合物 1 1 )
化合物 1 0 64mgをァセ トン 1 OmLに溶解し、 ヨウ化ナ卜リゥム 1 8 Omgを 加え 24時間加熱還流した後、 さらにヨウ化ナトリウム 1 80mgを加えて 1 9時 間加熱還流した。 溶媒を減圧留去した後、 残渣を酢酸ェチルに溶解し水、 5%チ
才硫酸ナ卜リゥム水溶液、 水、 飽和食塩水にて順次洗浄し、 無水硫酸ナ卜リゥム にて乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた 5—フル才ロ— Ν— [4- (4ーョ —ドメチルチアゾ一ルー 2—ィル) 一 2—メタンスルホニルフエニル] —3—メ チルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミドを、 トルエン ( 5mL) —ジメ チルスルホキシド ( 0. 5mL) の混合溶液に溶解し、 水素化卜リプチルスズ 45 AtL及び 1 . 06mo l /L 卜リエチルホウ素のへキサン溶液 1 3 しを加え室 温にて 6時間撹拌した。 さらに水素化卜リブチルスズ 24 μΐ_を加えて室温にて 3時間撹拌した後、 飽和塩化アンモニゥム水溶液を加えて反応を停止した。 酢酸 ェチルにて抽出し、 有機層を水、 飽和食塩水にて順次洗浄した。 無水硫酸ナトリ ゥ厶で乾燥後、 溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリ力ゲルクロマ卜グラフィ - (へキサン〜へキサン:酢酸ェチル =3 : 1 ) にて精製し、 無色粉末として標 題化合物 29mgを得た。
融点: 199一 200°C
1 H-NMR (CDC13) : δ 2.48 (3H,s) , 2.69 (3H,s) , 3.03 (3H,s) , 6.91 (1H,s ) , 7.27 (1H,ddd,J=2.4,8.6,8.8Hz) , 7.46 (1H,dd, J=2.4,9.2Hz) , 7.75 (1H, ddJ=4.7,8.8Hz) , 7.87 (1H,d, J二 8.7Hz) , 8.09 (1H,dd, J=2.1,8.7Hz) , 8.40 (1H,d,J=2.1Hz) , 9.65 (1H,s) .
IR レ max (KBr) : 3243, 3105, 3028, 2925, 1607, 1508, 1442, 1355, 1308, 1162, 1135, 913 cm"1.
以下、 実施例 9〜1 1 と同様にして実施例 1 2〜1 4の化合物 1 2〜1 4を合 成し Co
表 2 実施例 R1 R2 R2
、OH
12 Me Me
-CI
i N
[実施例 1 5] 2— [4- (5—フル才ロー3—メチルベンゾ [b] チ才フェン — 2—スルホニルァミノ) 一 3—メタンスルホニルフエニル] チアゾ一ルー 4— カルボン酸メチルエステル (化合物 1 5)
参考例 4の化合物 1 1 . 06 gをジクロロメタン 204mLに溶解し、 0。Cにて ブロモ卜リク口口メタン 2. 4mLを 5分間かけて滴下した。 同温にて 20分間撹 拌した後、 D B U 7. 6mLを 1 5分間かけて滴下した。室温にて 5時間撹拌した 後、 1 mo 1 /L塩酸にて反応を停止した。 有機層を分離し、 水および飽和食塩 水にて洗浄し、 無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた 残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (クロ口ホルム) にて精製し、 無色粉末と して標題化合物 9. 1 8 gを得た。
融点: 241— 242°C
1 H-NMR (DMSO— d6) : 6 2.61 (3H,s) , 3.38 (3H,s) , 3.87 (3H,s) ,7,47 (1H, ddd'J=2.5,9.0,9.0Hz) , 7.60 (1H,d, J=8.6Hz) , 7.83 (1H,dd, J=2.5,9.9Hz) , 8.11 (1H,dd,J=4.7,9.0Hz) , 8.22 (1H,ddJ=2.1, 8.6Hz) , 8.44 (1H,d,J=2.1H z) , 8.63 (1H,s) .
IR レ max (KBr) : 3193,3113, 3021 ,3003, 2923, 1730, 1606, 1509, 1392, 1359, 1295 ,1225,1162,1131,988,918 cm"1.
[実施例 1 6] 2— [4一 (5—フルォロ一3—メチルベンゾ [b] チ才フェン 一 2—スルホニルァミノ) 一 3—メタンスルホニルフエニル] チアゾールー 4一 カルボン酸 (化合物 1 6)
化合物 1 5 954mgをメタノール 45mLに溶解し、 1 mo l /L水酸化ナト
リウ厶 4. 0 mLを加えた。加熱還流下 20分間撹拌後、溶媒を減圧留去して得ら れた残渣をェ一テル一水 ( 1 : 1 ) にて抽出した。 水層に 2 mo 1 /L塩酸を加 え、 析出した結晶をエーテル洗浄し、 無色粉末として標題化合物 746mgを得た 融点: 257- 258。C
1 H-NMR (DMSO- d6) : δ 2.59 (3H,s) ,3.36 (3H,s) , 7.45 (1H,ddd, J=2.3,8.8, 8.8Hz) ,7.57 (1H,d,J=8.5Hz) ,7.81 (1H,dd J=2.3,9.9Hz) ,8.09 (1H,dd,J=5.0 , 8.8Hz) ,8.18 (1H,dd,J=2.0,8.5Hz) ,8.42 (1H,d, J=2.0Hz) ,8.51 (1H,s) . IR レ max (KBr) : 3448,3233, 3104, 3027,2924, 1711, 1607,1516, 1461,1352, 1306 ,1217,1153,1137 cm"1.
[実施例 1 7] 5—フル才□— N— [2—メタンスルホ二ルー 4一 ( 2—メチル チアゾール _4_ィル) フエニル] _3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2— スルホンアミド (化合物 1 7)
N- (4一ァセチルー 2—メタンスルホニルフエニル) 一 5—フル才ロー3_ メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミド 20 Omgをクロ口ホルム 4 . OmUこ溶解し、 ペンジル卜リメチルアンモニゥ厶トリブロマイ ド 1 94mgを加 え、室温で 1時間攪拌した。反応溶液に水を加えて反応を停止した後、一度溶媒留 去し、 1 mo 1 ZL塩酸を加え p H 2〜3に調整した後、 酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄後、 無水硫酸ナ卜リゥムにて乾燥した。 溶媒を減圧留 去して得られた残査をメタノールで洗浄し、 無色固体として N— (4—プロモア セチル一 2—メタンスルホニルフエニル) 一 5—フル才ロー3—メチルペンゾ [ b] チ才フェン一 2—スルホンアミド 20 1 mgを得た。 このようにして得られた - (4一プロモアセチル一2—メタンスルホニルフエニル) 一 5—フルオロー 3—メチルベンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミド 1 5 Omgをジ才キサン
( 1 . 5mL) 一エタノール ( 1 . 5mL) の混合溶液に溶解し、 炭酸水素ナ卜リゥ 厶 53mg、 チオアセ卜アミ ド 26mgを順次加え、 加熱還流下 2時間攪拌した。 反 応溶液に水を加えて反応を停止した後、 溶媒を減圧留去し、 1 mo Ί /L塩酸を 加え p H 2〜3に調整し、 酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄後、 無水硫酸ナ卜リゥ厶で乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、 淡黄色結晶の標題化合物 6 1 mgを得た。 融点: 217-220 °C
1 H-NMR (CDC13) : δ 2.68 (3H,s) , 2.75 (3H, s) , 2.99 (3Η, s) 7.27(1Η, d dd, J=2.4, 8.7, 9.0Hz), 7.33(1H, s), 7.45 (1H, dd, J=2.4, 9.3Hz) , 7.75
(1H, dd J=4.5, 9.0Hz) , 7.84 (1H, d, J=8.7Hz) , 8·06(1Η, dd, J=2.1, 8.7 Hz) , 8.35(1H, d, J=2.1Hz), 9.55(1H, s).
IR レ max (KBr) : 3237, 1604,1514, 1352,1296, 1163,899 cm—1.
[実施例 1 8] 5—フルオロー N—[ 2—メタンスルホニル一 4— ((E) — 2— メタンスルフィニル一 2—メチルスルファ二ルビニル)フエ二ル]— 3—メチルベ ンゾ [b] チ才フェン一 2—スルホンアミド (化合物 1 8)
参考例 6の化合物 1 35mgをアルゴン雰囲気下 T H F 2mLに溶解し、 室温でメ チルメチルスルフィニルメチルスルフィ ド 1 96mg, 40%トライ トン Bのメタ ノール溶液 86 2/ しを順次加え、 加熱還流下、 1 6時間攪拌した。 反応溶液に 1 mo 1 /L塩酸を加えて反応を停止した後、 酢酸ェチルで希釈し、 水、 飽和食 塩水で順次洗浄後、 無水硫酸ナトリゥムにて乾燥した。 溶媒を減圧留去して得ら れた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル:へキサン = 1 : 1 ) にて精製し、 無色アモルファスの標題化合物 1 05mgを得た。
1 H-NMR (CDC13) : δ 2.32 (3H,s) , 2.70 (3H, s) , 2.76(3H, s), 3.04(3H,s) , 7.28(1H, ddd3 J=2.4, 9.0, 9.3Hz), 7.48 (1H, dd, J=2.4, 9.3Hz) ,7.52(1H ' s), 7.78 (1H, dd J=4.8, 9.0Hz) , 7.83 (1H, d, J=8.7Hz) , 8.02(1H, dd, J=2.1, 8.7Hz) , 8.46(1H, d, J=2.1Hz), 9.65(1H, s) ·
IR レ max (KBr) : 3446, 3225, 1604, 1492, 1303, 1163, 1133, 924 cm—1. 以下に、 各実施例の機器データを示す。
表 3
次に、 本発明の代表的な化合物について、 下記の試験例により、 キマーゼ阻害 活性について試験した。
[試験例 1 ] ヒトキマ—ゼ阻害活性の測定
ヒトキマ一ゼはヒトキマーゼをコードする遺伝子 (F E B S . Le t. , 41 2, 86 ( 1 997 ) ) を組み込んだバキュロウィルスを感染させたカイコから 得られたものを用いた。
キマ—ゼ活性は、 文献既知の方法 (宮崎ら ;血管, 20, 207 (1 997) ) を参考にした。 すなわち、 Ang I Iと共に生成する遊離 H i s— Leuと o ーフタルアルデヒド (以下、 OPTと略す) を反応させて蛍光誘導体とし、 その 量を蛍光光度計を用いて定量することにより測定した。
まず各被検化合物 3. 6Atmo 1を試験管に秤量し、 DMS03mLに溶解し た。 この DM SO溶液を 0. 01 %トライ トン X— 1 00及び 0. Smo l/L 塩化カリウムを含む 20mmo lZL卜リス—塩酸緩衝液 (pH8. 0) で 1 0 00倍希釈して 1. 2x1 0— 6mo 1/L溶液とし、 さらに緩衝液で順次希釈し て、 1. 2x 1 0— 6mo l/Lから 1. 2x 1 0— 9mo l ZLまでの被検試料溶 液を調製した。 各濃度の被検試料溶液又は緩衝液 500 Lに対し酵素溶液 50 AiLを加え、 37°Cで 1 0分間プレインキュベーションした後、 0. 1 mmo 1/L Ang I溶液 50 Lを加えて反応を開始した。 Ang Iはヒトアンギ 才テンシン I (S I GMA製) を使用した。 反応に用いる酵素溶液はこの条件で 約 6割の基質を加水分解するように調整し、 酵素を含まない緩衝液を添加した反 応を盲検とした。 37°Cで 1 20分間インキュべ一卜した後 1 5%卜リク□□酢 酸 900 しを加えて反応を停止した。 その後反応液を 4 °C、 3, 000 r p m で 1 0分間遠心分離して得た上清 1 mLに 2 mo 1 /L水酸化ナトリゥ厶 2mL及び メタノール 1 mLを加えた。ここに 1 mL中に N—ァセチル _ L—システィン 1. 2m g及び 0 P T 1 mgを含むメタノール溶液 1 00 しを加えて誘導体化反応を開始 し、 室温にて正確に 1時間放置した後、 励起波長 304nm、 蛍光波長 502 nm の蛍光強度を測定した。測定は各試料及び盲検について 2回繰返し、 その平均 値から盲検の平均値を差引いた蛍光強度をキマ一ゼ活性とした。
なお、 被検試料溶液に替えて緩衝液を用いて酵素反応を行ったものをコン卜口
—ルとし、 またキマ一ゼ活性の阻害率はコントロールのキマ一ゼ活性から被検試 料添加時の活性を減じた差をコントロールのキマ一ゼ活性で除して求めた。 また
、 各阻害率から 50%阻害濃度 (以下、 I C50値という) を算出した。
代表的な化合物についてのヒトキマ一ゼの 1 0-7m o 1 /Lにおける阻害率 及び I C50値を表 4に示す。
表 4
化合物の阻害活性
化合物 10一7 mol/Lにおける阻 IC50値 (nmol/L)
害率 (%)
化合物 1 65.3
化合物 2 68.2 102
化合物 3 55.6
化合物 5 70.1
化合物 6 78.0
化合物 9 85.3 20
化合物 1 1 50.1
化合物 1 2 79.8 39
化合物 1 3 53.9
化合物 1 4 63.3 101
化合物 1 6 90.7 7
化合物 1 8 88.1 20
産業上の利用分野
本発明の N置換ベンゾチ才フェンスルホンアミド誘導体又はその薬学的に許容 しうる塩は、 キマ一ゼに対する選択的な阻害作用を有し、 キマ一ゼ活性に基づく アンギオテンシン I I又はェンドセリン I産生の異常亢進に又は肥満細胞の活性 化に起因する心臓 '循環器系疾患、 特に心筋梗塞、 P T C A施行後の再狭窄及び バイパスグラフ卜後の内膜肥厚の予防 -治療剤として有用である。