明 細 書
化粧品 技術分野
本発明は、 皮膚、 毛髪などに用いる化粧品に関し、 さらに詳しく は、 生分解性ポリエステル樹脂からなる微粒子を用いる化粧品に関 する。 背景技術
化粧品の皮膚への感触 (しっとり感やすべすべ感など) や塗布時 の滑り性の向上のための、 あるいは毛髪化粧品の使用時の滑り性や 感触を向上させるための化粧品原料として、 架橋シリコーン粒子、 ナイ口ン粒子、 ビニルまたはァクリルのラジカルポリマー粒子など の、 ポリマー微粒子を、 前記化粧品に配合することは周知である。 この種の化粧品としては、 三次元的な網状の構造を有する架橋シリ コーン粒子を含有する化粧品 ( J P— A— 1 — 1 6 5 5 0 9および J P -A- 1 - 1 9 0 7 5 7参照) や、 シリコーン架橋物などから なるシリコーンオイルェマルジョ ンを含有する化粧品 ( J P— A— 3 - 7 9 6 6 9参照) や、 特定の大きさの略球形状のポリアミ ド粒 子を含有する化粧品 ( J P— A— 7 — 3 0 0 4 1 0参照) や、 特定 のポリメチルメタク リ レート、 ポリスチレン等のポリマー微粒子を 含有する化粧品 ( J P— A— 1 0 — 5 0 2 3 8 9 ) などが知られて いる。
しかし、 これらのポリマー微粒子は、 主に石油原料から製造され た物であり、 皮膚への安全性は確認されているものの、 より安全な
ものを使いたいという消費者のニーズには応えられていない。また、 これらのポリマ一微粒子は、 自然界中では容易に分解せず、 化粧品 として使用された後に自然界に放出されると、 長時間ゴミゃ堆積物 として存在したり、 焼却処理時にも炉への負荷が大きいなど、 環境 への負荷が大きい。
このため、 環境への負荷が少ないという特長を有する生分解性樹 脂が注目されている。 生分解性樹脂は、 物性の面で制約はあるもの の、 これまでシート、 フィルム、 繊維、 スパンボンド等に加工され、 実用化されてきている。生分解性樹脂の粒子形状への加工としては、 これまでに、 J P— A— 5— 1 7 0 9 6 5等に示される生分解樹脂 の発泡体や、 J P— A— 9— 7 8 4 9 4に示される生分解性樹脂の 水分散体、 エマルシヨ ンなどの検討がなされ、 石油原料から製造し た樹脂の代替品として提案されている。 特に、 生体内などで薬剤を 徐放するいわゆる ドラッグデリバリ一用途のカプセルとしては、 J P— B— 1 — 5 0 0 5などにあるように、 古くから研究 · 実用化が なされている。
生分解性樹脂の水分散体については、 これまでにいくつか提案が なされている。 J P—A— 9— 7 7 9 1 0等には澱粉誘導体が、 W 0 9 7 0 4 0 3 6にはポリ ヒ ドロキシァルカノエ一 卜が、 「コロイ ドボリマ一ジャーナル」 2 7 3巻、 5 0 1頁 ( 1 9 9 5年) にはポ リカプロラク トンが、 J P— A— 1 1 一 9 2 7 1 2には脂肪族ジカ ルボン酸とグリコール類とから構成される脂肪族ポリエステルが、 それぞれ開示されている。
しかしながら、 これらの生分解性樹脂は、 いずれも融点ないし分 解温度が低いため、 化粧品として使用されるときには温度範囲が制
限され、 夏季などにおける高温での保存時等において問題が生じや すい。 また、 エマルシヨン形態から乾燥により微粒子を取り出した 場合には、 球形にすることは出来ても機械的強度に劣るものしか得 られない。 このため、 この微粒子は、 化粧品に添加した場合に球形 から変形しやすく、したがってその転がり性能が低下しやすいため、 感触向上材ゃ肌等への塗布時の滑り性向上材としての用途には不向 きである。
ところが、 生分解性樹脂のなかで、 ポリ乳酸は、 融点ないし軟化 点が約 1 0 0〜 1 7 0でと比較的高く、 また、 耐水性にも優れるた め、 化粧品の原料の微粒子として好適である。
ポリ乳酸系水分散体に関しては、 従来より薬剤徐放を目的とした マイクロカプセル化の研究が盛んに行われている。 例えば、 J P _ A— 6 3 — 1 2 2 6 2 0、 J P— A— 5 — 5 8 8 8 2、 J P— A_ 6 — 7 2 8 6 3、 J P—A— 9 — 1 1 0 6 7 8 には、 乳酸系ポリマ 一を用いたマイクロカプセル化技術が開示されている。 これらにお いては、 乳酸系ポリマーを有機溶剤に溶解し、 これに薬物を溶解あ るいは分散させた後、 界面活性剤を含有する水溶液中に滴下または 混合し、 攪拌して転相乳化させることにより、 水中油 (OZW) 型 乳剤を形成する方法が採用されている。 しかし、 有機溶剤を大量に 用いるため、 溶剤の完全な除去が困難であったり、 また溶剤留去お よび回収の工程が完全密閉系でないため周辺環境への影響が無視で きない等の問題がある。 また、 この方法では、 化粧品にとって有用 な 1 mを超える比較的大きな粒子を得ることが困難である。
また、 ポリ乳酸系樹脂の微粒子をエマルシヨ ン (水溶液) の形態 に作製する方法も提案されているが (日本国特許出願第 2 0 0 0 -
3 7 0 1 0 6号)、 この場合もエマルシヨ ン形態から乾燥により微 粒子を取り出した場合には、 球形にすることは出来ても機械的強度 に劣るものしか得られない。 このため、 化粧品に添加して感触向上 材ゃ塗布時の滑り性向上材とする用途には不向きである。 有機溶剤 に溶解した後に微粒子化する方法でも、 機械的強度の向上はわずか である。
一方、 生分解性樹脂を粉砕後、 有機溶媒などを含浸させ、 これを 発泡させる方法で発泡粒子が得られる。 しかし、 このような発泡粒 子は、 密度の低いものしか得られず、 化粧品用の材料としては強度 や比重の点から問題がある。 また、 ここでも有機溶媒を用いる問題 がある。
J P— A— 2 0 0 0— 2 2 0 9 9 4には、 ポリ乳酸を主成分とす る熱可塑性樹脂からなる生分解性材料を球状に加工したものである ことを特徴とする生分解性ポールが開示されている。 しかし、 この 技術では外形 3 0 m m程度の大粒径の粒子を得ることは出来る力 化粧品用の材料ととして好適な直径 1 m m以下の微粒子を作製する ことは出来ない。
さらに、 上記いずれの方法でも、 化粧品の特性を向上させるため に樹脂中に無機或いは有機或いは無機 · 有機複合物質を包含させる 事が非常に困難であり、 これらを含有した生分解性ポリエステル樹 脂複合微粒子は得られていない。 発明の開示
本発明は上記現状を鑑みてなされたものであり、 その目的は、 感 触や塗布時の滑り性に優れた化粧品を提供することにある。
本発明の化粧品は、 微粒子と他の化粧品原料とを含み、 前記微粒 子は、 樹脂成分中に乳酸単位を 5 0モル%以上含有するとともに前 記乳酸単位中の D体含有率が 0. 1〜 2 5モル%である生分解性ポ リエステル樹脂にて形成され、前記微粒子の全個数の 7 0 %以上力 長径と短径の比が (長径) / (短径) ≤ 1. 5をみたし、 密度が 1. 0〜 1 0. O gZcm3であり、 平均粒径が 0. 0 :!〜 1 0 0 O /xm であり、 かつ圧縮時の 1 0 %変形強度が 5 MP a以上である。
このような化粧品は、 微粒子の強度が非常に高く、 感触の向上や 肌等への塗布時の滑り性の向上に非常に効果的である。 しかも、 こ の微粒子は、 有機溶剤を使用せずに、 また特殊な設備や煩雑な操作 を用いることなしに、 容易かつ安価に製造することができる。
本発明の化粧品は、 乳酸を 0. 1 — 1 0 0 0 p p m含有するのが 好適である。
これにより、 化粧品中にポリ乳酸から遊離した乳酸が存在するた め、 肌を弱酸性に保つことが容易で、 肌に優しい化粧品とすること ができる。
本発明の化粧品において、 微粒子は、 その全体を 1 0 0体積%と して、 生分解性ポリエステル樹脂のほかに、 無機物質および、 また は有機物質から選ばれた少なく とも 1種類の成分を 1〜 9 5体積% 含有することができる。
本発明によれば、 このように無機物質および、 または有機物質か ら選ばれた少なく とも 1種類の成分を含有することで、 化粧品の特 性を向上させることができる。
本発明の化粧品の製造方法は、 乳酸単位を 9 0モル%以上含有す るとともに乳酸単位中の D体含有率が 0. 1〜 2 5モル%でぁる生
分解性ポリエステル樹脂を用い、 この生分解性ポリエステル樹脂を 水分率が 1 0 0 0 p p m以下になるように乾燥させ、 この乾燥樹脂 に溶融混練法を適用して微粒子を作製し、 そしてこの微粒子を前記 他の化粧品原料に添加するものである。
このように、 乳酸を主体とする生分解性ポリエステル樹脂を水分 率が 1 0 0 0 p p m以下になるように乾燥させ、 この乾燥樹脂に溶 融混練法を適用して、 微粒子を作製するものであるため、 作製され た微粒子は乳酸モノマーの含有量が少なく、 したがって化粧品中の 乳酸の含有量を上述の 0 . 1 — 1 0 0 0 p p mという好適な範囲と することができる。 発明を実施するための形態
以下、 本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧品において用いられる微粒子を構成する生分解性ポ リエステル樹脂は、 主成分として乳酸単位を含む乳酸系ポリマーで あり、 単独では水に分散または溶解しない本質的に疎水性のポリマ 一である。 以下、 該生分解性ポリエステル樹脂の構成成分について 説明する。
本発明で使用される生分解性ポリエステル樹脂としては、 乳酸の 単独重合体、 または乳酸と他のヒ ドロキシカルボン酸、 例えば、 グ リコール酸、 3 —ヒ ドロキシ酪酸、 4—ヒ ドロキシ酪酸、 4—ヒ ド 口キシ吉草酸、 5 —ヒ ドロキシ吉草酸、 6—ヒ ドロキシカブロン酸 等との共重合体が挙げられる。 または乳酸と脂肪族カルボン酸およ びグリコール酸との共重合体が挙げられる。 または、 ポリ乳酸と、 他のポリ ヒ ドロキシカルボン酸、 ポリ力プロラク トン、 あるいは脂
肪族ポリエステル等との混合物が挙げられる。
生分解性ポリエステル樹脂中の乳酸単位は、 5 0モル%以上であ ることが必要であり、 好ましくは 7 0モル%以上、 さ らに好ましく は 9 0モル%以上である。 乳酸単位が 5 0モル%未満では、 水分散 体から得られる樹脂被膜の耐熱性が低く化粧品として実用的でなく なる。
ポリ乳酸から乳酸が少量遊離することで、化粧品を弱酸性に保ち、 この化粧品を使用することで、肌を弱酸性に保つという効果がある。 遊離する乳酸は、 3 0での水溶液で 0. 1— l O O O p p mになる ことが効果的である。 そのためには、 上記のように乳酸単位を 5 0 モル%以上含む生分解性ポリエステルであることが求められる。 該 生分解性ポリエステル樹脂中の乳酸単位が 5 0モル%未満であると. 乳酸量が 0. l p pm未満となって、 化粧品の酸性度が不足するた め、 該化粧品を使用したときに肌を弱酸性に保つ効果が薄くなる。 一方、 ポリ乳酸中のモノマー残量が多すぎると、 化粧品中の乳酸量 が 1 0 0 O p pmより多くなつてしまい、 肌へ悪影響を及ぼすレべ ルになる。 このため、 ポリ乳酸中に存在するモノマーを極力減らし て、 上記のように化粧品中の乳酸量を 1 0 0 O p pm以下にする必 要がある。
乳酸単位中の D—乳酸の含有量は、 0. 1〜 2 5モル%でぁるこ とが必要であり、 好ましくは 0. 5〜 2 0モル%、 さらに好ましく は 1〜 1 5モル%である。 D—乳酸の含有量が 0. 1モル%未満の ポリ乳酸微粒子を作製することは、 実質的に困難である。 反対に D 一乳酸の含有量が 2 5モル%を超えると、 ガラス転移温度が低下し て、 得られる微粒子について化粧品の用途に求められる耐熱性が低
下したり、 コス トアップになるなど弊害が大きく/よる。
本発明において、 生分解性ポリエステル樹脂微粒子の圧縮時の 1 0 %変形強度 (測定法については後述) は、 5 MP a以上であるこ とが必要であり、 特に 1 0 M P a以上が好ましい。 1 0 %変形強度 が 5 M P a未満の場合は、 化粧品に配合した際に元の球状体から非 球状体へ変形しやすく、 このため感触の向上や塗布時の滑り性向上 への効果が少なくなる。
本発明の化粧品において用いられる生分解性ポリエステル樹脂は. G P C (ゲル パ一ミエーシヨン クロマトグラフィー, ポリスチレ ン換算) で測定される数平均分子量が、 2 , 0 0 0〜 1, 0 0 0, 0 0 0の範囲内であることが好ましい。 2 , 0 0 0未満では、 十分 な強度が付与できず、 このためポリ乳酸が分解して乳酸が発生する ことで、 化粧品中の乳酸濃度が高くなりすぎる。 また 1 , 0 0 0 , 0 0 0を超える高分子量体は、 入手することが困難である。
化粧品の特性を向上させるために、 ポリ乳酸を主体とした生分解 性ポリエステル樹脂中に無機或いは有機或いは無機 · 有機複合物質 を包含させた複合微粒子を用いることが好ましい。
このような複合微粒子を形成することができる無機 Z有機化合物 としては、 生分解性ポリエステル樹脂中に安定に存在可能なもので あれば特に規定はなく、 各種無機化合物、 各種有機化合物、 無機 - 有機複合物質を用いることが出来る。
化粧品の特性を向上させるのに適した無機化合物の例としては、 各種金属、 各種金属化合物、 各種セラミックス等を挙げることが出 来る。 具体的には、 アルミニウム、 シリコン、 チタン、 鉄、 ニッケ ル、 銅、 亜鉛、 セレン、 ジルコニウム、 モリブデン、 ルテニウム、
パラジウム、 銀、 インジウム、 スズ、 アンチモン、 白金、 金、 ビス マスなどが挙げられる。 また、 これらの元素および周期律表第一族 から第三族を含めた元素の酸化物、 窒化物、 ハロゲン化物、 炭酸化 合物、 水酸化化合物、 リ ン酸化合物、 硫黄化合物などが挙げられる。 さらに、 これら化合物の複合化物、 合金、 天然/合成鉱物などが挙 げられる。
有機化合物の例としては、 各種合成樹脂組成物、 オリゴマー、 天 然化合物、 炭素化合物などを挙げることが出来る。 具体的には、 ポ リエチレンやポリプロピレンなどの炭化水素樹脂、 アクリル酸系樹 脂、 酢酸ビニル系樹脂、 ジェン系化合物、 ポリエーテル類、 フエノ ール系樹脂、 ァミノ樹脂、 芳香族炭化水素樹脂、 ポリエステル樹脂、 ポリアミ ド樹脂、 珪素樹脂、 フラン樹脂、 ポリウレタン樹脂、 ェポ キシ樹脂、 セルロース系化合物、 タンパク質、 アミノ酸、 これらの 炭化物などである。 これらのうち、 天然に存在する化合物または、 生分解性を示す化合物を用いることが望ましい。これらの化合物は、 1種以上用いることができ、 無機 Z有機化合物を混合して用いても よい。
さらに、 複合微粒子を作製する場合に用いられる無機 有機化合 物を化粧品として有用な機能の点から分類すれば、 紫外線を吸収あ るいは散乱する物質、 顔料、 染料、 赤外線吸収剤、 電磁波や放射線 の吸収剤等がある。 一般には、 着色顔料、 体質顔料、 着色顔料の混 合物、 着色顔料で被覆した体質顔料等に分類される。
着色顔料の例では、 酸化チタン (チタンホワイ ト、 チタンブラッ ク)、 酸化亜鉛、 酸化鉄 (ベンガラ、 黄酸化鉄、 黒酸化鉄、 超微粒 子酸化鉄)、 アルミナ、 水酸化アルミニウム、 酸化ジルコニウム、
窒化チタン、 窒化ジルコニウム、 酸化セレン、 炭化珪素、 窒化珪素、 炭化ホウ素、 窒化ホウ素、 アルミン酸ス トロンチウム硫化亜鉛など を挙げることが出来る。 体質顔料としては、 タルク、 カオリン、 マ イカ、 セリサイ ト、 黄土、 アンバー、 二酸化チタン、 酸化亜鉛、 モ ンモリ ロナイ ト、 雲母、 ク レー、 ベントナイ ト等を挙げることがで きる。 着色顔料の混合物としては、 単なる混合物や、 着色顔料で被 覆した着色顔料があり、 具体的には、 二酸化チタン被覆雲母や、 ベ ンガラ、 黒酸化鉄、 群青、 紺青、 カーボンブラック、 チタンブラッ クなどのうち少なく とも 1種により被覆された雲母チタンなどが挙 げられる。 着色顔料で被覆した体質顔料の例を挙げると、 二酸化チ タン被覆雲母、 ベンガラ、 黒酸化鉄、 群青、 紺青、 カーボンブラン クチタンブラックなどのうち少なく とも 1種により被覆された体質 顔料などがある。
複合微粒子に用いるための、 上記のような各種の化合物 (以下、 「複合化化合物」 という) は、 液体や気体でも差し支えないが、 操 作上は固体物質が扱いやすい。 固体状の複合化化合物を用いる場合 に、 その初期粒径は特に限定されない。 しかしながら、 初期粒径が 大きくても、 複合微粒子を製造する途中で微粒化するものが好まし く用いられる。 複合化化合物の含有量は、 作製する生分解性ポリエ ステル樹脂複合粒子の全体に 1〜 9 5体積%含まれる必要があり、 また複合化化合物が直接肌に触れないようにこの複合化化合物が生 分解性ポリエステルによって覆われた構成であることが好ましい。 複合化化合物の含有割合が生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子全 体の 1体積%未満では複合化による機能化が充分ではなく、 これに 対し 9 5体積.%よりも多くなると、 これを生分解性ポリエステルで
覆うことが困難となる。
本発明の化粧品に用いられる生分解性ポリエステル樹脂微粒子 (複合微粒子を含む) は、 以下の方法で製造される。
すなわち、 まず、 ポリ乳酸を主体とする生分解性ポリエステル樹 脂、 または、 ポリ乳酸を主体とする生分解性ポリエステル樹脂と無 機物質および · または有機物質から選ばれた少なく とも 1種類の複 合化化合物とからなる生分解性ポリエステル樹脂組成物を、 水分量 が 1 0 0 0 p p m以下になるように乾燥する。 水分量が 1 0 0 0 p p mよりも多いと、生分解性ポリエステルが分子量低下を起こして、 作製した微粒子中に多量の乳酸モノマーが残存することになるため 好ましくない。
次に、 上記の生分解性ポリエステル樹脂または生分解性ポリエス テル樹脂組成物 (以下、 簡単のため、 両者をまとめて 「生分解性ポ リエステル樹脂組成物」 あるいは単に 「組成物」 と称することがあ る) を、 相溶性のない分散媒と一緒に、 この生分解性ポリエステル 樹脂組成物の融点以上の温度に加熱溶融しかつ混合して、 この組成 物を微粒子に分散する。 次に、 得られた生分解性ポリエステル樹脂 組成物の微粒子をその融点以下の温度に冷却して、平均粒径が約 0 . 0 1 ; m以上でありかつ 1 , 0 0 0 z m以下である、 微小球体とし て分散媒中でこの分散媒とともに固化させる。 これにより、 生分解 性ポリエステル樹脂微粒子が製造される。
この際に使用する分散媒の量は、 生分解性ポリエステル樹脂組成 物に対して、 体積比で 1〜 5倍が好ましい。
混合する際の加熱温度は、 生分解性ポリエステル樹脂組成物を構 成する物質のうち最も高融点のものの融点よりも高ければよく、 好
ましくは融点より 1 0〜 2 0 0 °C高い温度、 さらに好ましくは 2 0 〜 1 0 0で高い温度を用いる。 加熱温度が低すぎると、 生分解性ポ リエステル樹脂組成物は溶融が不充分となって微粒子に分散されに くなる。 反対に加熱温度が高くすぎると、 生分解性ポリエステル樹 脂組成物の熱分解や分子量低下等が起こるため好ましくなく、 また モノマーである乳酸が樹脂中に残存することになるという観点から も好ましくない。
冷却固化により微粒子を形成した後、 微粒子状の生分解性ポリェ ステル樹脂組成物と分散媒との混合固化物に対し、 生分解性ポリェ ステル樹脂組成物の貧溶媒 (沈殿剤) でかつ分散媒の良溶媒である 溶媒 (以後 「縣濁液作製用溶媒」 という) を加えて混合する。 これ により、 分散媒を溶解させて生分解性ポリエステル樹脂組成物の縣 濁液とし、 この縣濁液から目的とする微粒子を分離して取り出す。
このような分散媒としては、 親水性物質としては、 ポリアルキレ ンオキサイ ド (ポリエチレングリ コール等)、 ポリアルケンカルボ ン酸のホモポリマーもしくは共重合体またはこれらの塩 (ポリアク リル酸、 ポリメ夕ク リル酸、 ポリアクリル酸ナ トリウム等)、 ポリ アルゲンアミ ドの単独重合体または共重合体(ポリアクリルアミ ド、 ポリ メタクリルアミ ド) 等のうち、 少なく とも 1種を挙げることが 出来る。 また、 疎水性物質としては、 プロピルセルロース、 ポリス チレンが挙げられる。
本発明の化粧品に用いる生分解性ポリエステル樹脂微粒子または 複合微粒子を製造する時において、 生分解性ポリエステル樹脂また は樹脂組成物を、 分散媒とを混合してこの分散媒中に微粒子として 分散させるための方法および装置は、特に限定されるものではない。
例えば、 ロール、 バンバリ一ミキサー、 ニーダー、 単軸押出機、 2 軸押出機等によって分散させることができる。 なかでも、 連続生産 性の点と微粒子の圧縮時の強度を高める点で、 単軸または 2軸押出 機を用いることが好ましく、 樹脂または樹脂組成物と分散媒とを高 剪断状況下で溶融混練することのできる、 2軸押出機が特に好まし い。 2軸押出機の種類や大きさは特に限定されないが、 シリ ンダー 長と口径の比 (L Z D ) が 2 0以上のものを好ましく用いることが できる。
このような造粒方法は湿式攪拌造粒に属すると考えられ、 微粒子 を分裂する力であるところの攪拌による剪断力と、 微粒子を保持す る力であるところの組成物の粘弾性および界面張力とのバランスに より、 粒子サイズが決定されると考えられる。
前述の好ましい方法を用いて生分解性ポリエステル樹脂微粒子ま たは複合微粒子を製造すると、 その際に与えられる高い剪断力によ つて、 生分解性樹脂分子が分散媒中へきわめて高度に分散する。 し かも、 このような高い剪断力を受けるために、 ここで得られる微粒 子は他の製法によって得られる微粒子に比べて特に圧縮強度におい て優れている、 と推定される。
上述のように、 樹脂組成物 Z分散媒混合物を融点以下に冷却して 固化した後、 該組成物の貧溶媒でかつ分散媒の良溶媒である縣濁液 作製用溶媒とこの混合物とを混合するが、 本発明の化粧品を得る場 合においては、 この混合物を微粒子の縣濁液としてそのまま使用し ても良い。 あるいは、 前記混合物を冷却して固化した後、 クラッシ ヤー等で粉砕したり、 ペレタイザ一でペレッ ト化したり、 押出機、 ロール等でシ一卜状に成形してから、縣濁液作製用溶媒と混合して、
縣濁液作製の工程に進んでもよい。
親水性の分散媒に対する縣濁液作製用溶媒としては、 水、 または 水性有機溶剤を用いることができる。 たとえば分散媒がポリアルキ レンォキシドまたはポリアルキレンカルボン酸である場合には、 上 記のように水を縣濁液作製用溶媒として使用することができる。 疎水性の分散媒に対する縣濁液作製用溶媒としては、 疎水性の有 機溶剤を使用することができる。 たとえば分散媒としてプロピルセ ルロースを使用する場合には、 その良溶媒である トルエン、 メチル ェチルケトン (M E K ) 等を使用することができる。
ただし、 環境へ与える影響を考慮すると、 上記のように親水性の 分散媒と水とを用いることが望ましい。
目的とする樹脂微粒子は、 樹脂/分散媒混合物の縣濁液から、 遠 心分離、 濾過、 またはこれらの方法の組み合せによって、 分離する ことができる。 分離した微粒子は、 必要に応じて、 乾燥してから使 用する。
化粧品の特性の向上を図るために、 上記のようにして得られた微 粒子に、 さらに表面処理を施してもよい。 表面処理の方法としては、 湿式粉碎装置を用いて、 金属酸化物 (鉄、 亜鉛、 アルミニウム、 ジ ルコニゥム、 セリウム、 コバルト等の酸化物) を被覆する方法を採 用することができる ( J P— A— 8— 5 9 4 3 3 )。
本発明の化粧品に用いられる微粒子または複合微粒子は、 化粧品 の感触の向上や肌等への塗布時の滑り性の向上に資するために、 転 がりやすい球状に形成されていることが必要である。 この球状であ ることの条件としては、 微粒子全体のうち、 長径と短径の長さの比 が 1 . 5以下のものが 7 0 %以上存在することが必要である。 この
比が 1 . 5より も大きいと、 微粒子は、 細長となって、 転がりにく くなるとともに、 その強度が低くなつていつそう非球状体となりや すくなる。 このため、 この比が 1 . 5以下のものが全体の 7 0 %未 満である場合は、 微粒子全体の転がり性や強度が不十分となる。 微粒子の密度は、 1 . 0〜: L 0 g c m 3であることが必要であ る。 1 . 0 g c m 3未満の場合は、 微粒子中に空隙があることを 意味し、 その強度が低下してしまう。 1 0 g / c m 3より も大きい 場合には、 化粧品の原料となる他の素材との密度差が大きくなるた め、 混練時などに トラブルが起こる。
微粒子の平均粒径は、 0 . 0 1〜 1 , Ο Ο Ο μ πιであることが必 要である。 中でも平均粒子径が 1〜 1 0 0 mの粒子は、 化粧品と しての多くの用途に好ましく使用される。 平均粒径が 0 . 0 1 m 未満の微粒子は作製することが困難であり、 歩留まりが悪い。 また、 静電気や吸湿が起こりやすくなり、 粉体として取り扱いにくい。 反 対に 1, 0 0 0 mを超える場合には、 歩留まりが悪くなり、 コス ト高となる。
次に、 上記の微粒子を用いた本発明の化粧品について詳細に説明 する。 本発明の化粧品は、 生分解性ポリエステル樹脂微粒子または 生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子と他の化粧品原料からなるこ とを特徴とする。 本発明の化粧品の類型としては、 石鹼、 ポデイ シ ヤンプ一、 洗願クリーム等の洗浄用化粧品 ; 化粧水、 クリーム、 乳 液、 パック等の基礎化粧品 ; おしろい、 ファンデーショ ン等のベー スメークアップ化粧品 ; 口紅、 ほほ紅、 アイシャ ドー、 アイライナ 一、マスカラ等の眉目化粧品;マニキュア等のメークアップ化粧品 ; シャンプー、 ヘアリ ンス、 ヘアコンディ ショナー、 ヘア トリ一 トメ
ント、 セッ トローション、 ブロースタイ リ ングローショ ン、 ヘアス プレー、 泡状スタイ リング剤、 ジエル状スタイ リ ング剤、 ヘアリキ ッ ド、 ヘア トニック、 ヘアクリーム、 育毛剤、 養毛剤、 染毛剤、 整 髪料等の毛髮化粧品 ; 香水、 ォー · デ · コロン等の芳香性化粧品 ; 歯磨き ; 浴用剤 ; 脱毛剤、 髭剃り用ローショ ン、 制汗 ' 消臭剤、 日 焼け防止剤等の特殊化粧品が例示される。 特に、 基礎化粧品、 メ一 クアツプ化粧品等の皮膚化粧品、 あるいは毛髪化粧品であることが 好ましい。 また、 この化粧品の状態としては、 水性液状、 油性液状、 乳液状、 クリーム状、 フォーム状、 半固形状、 固形状、 粉状が例示 される。 また、 この化粧品をスプレーにより用いることも可能であ る。
この化粧品は、 上記生分解性ポリエステル樹脂微粒子または生分 解性ポリエステル樹脂複合微粒子と他の化粧品原料とからなるが、 この、 他の化粧品原料としては、 アポガド油、 アルモンド油、 オリ ブ油、 カカオ脂、 ゴマ油、 小麦胚芽油、 サフラワー油、 シアバ夕一、 夕一トル油、 椿油、 パーシック油、 ヒマシ油、 ブドウ油、 マ力デミ ァナッツ油、 ミンク油、 卵黄油、 モクロウ、 ヤシ油、 ローズヒップ 油、 硬化油等の油脂 ; オレンジラフィー油、 カルナゥバロウ、 キヤ ンデリ ラロウ、 鯨ロウ、 ホホバ油、 モンタンロウ、 ミツロウ、 ラノ リ ン等のロウ類 ; 流動パラフィ ン、 ワセリ ン、 パラフィ ン、 セレシ ン、 マイクロクリス夕リ ンワックス、 スクヮラン等の炭化水素 ; ラ ゥリ ン酸、 ミ リスチン酸、 パルミチン酸、 ステアリ ン酸、 ォレイン 酸、 ベへニン酸、 ゥンデシレン酸、 ォキシステアリ ン酸、 リ ノール 酸、 ラノ リ ン酸、 合成脂肪酸等の高級脂肪酸 ; エチルアルコール、 イソプロピルアルコール、 ラウリルアルコール、 セチルアルコール、
セ トステアリルアルコール、 ステアリルアルコール、 ォレイルアル コール、 ベへニルアルコール、 ラノ リ ンアルコール、 水素添加ラノ リ ンアルコール、 へキシルデカノ一ル、 ォクチルドデカノール、 ィ ソステアリルアルコール等のアルコール ; コレステロール、 ジヒ ド 口コレステロール、 フィ トステロール等のステロール ; リノール酸 ェチル、 ミ リスチン酸イソプロピル、 ラノ リン脂肪酸イソプロピル、 ラウリ ン酸へキシル、 ミ リスチン酸ミ リスチル、 ミ リスチン酸セチ ル、 ミ リスチン酸ォクチルドデシル、 ォレイン酸デシル、 ォレイン 酸ォクチルドデシル、 ジメチルオクタン酸へキシルデシル、 イソォ ク夕ン酸セチル、 パルミチン酸セチル、 ト リミ リスチン酸グリセリ ン、 トリ (力プリル · カプリン酸) グリセリ ン、 ジォレイン酸プロ ピレンダリ コール、 トリイソステアリ ン酸グリセリ ン、 トリイソォ ク夕ン酸グリセリン、 乳酸セチル、 乳酸ミ リスチル、 リンゴ酸ジィ ソステアリル等の脂肪酸エステル ; グリセリ ン、 プロピレングリコ ール、 1 , 3—ブチレングリコール、 ポリエチレングリコール、 d , 1 —ピロリ ドンカルボン酸ナトリウム、 乳酸ナトリウム、 ソルビト ール、 ヒアルロン酸ナ トリウム等の保湿剤 ; 高級脂肪酸石鹼、 高級 アルコール硫酸エステル塩、 N—ァシルグルタミン酸塩、 リ ン酸ェ ステル塩等のァニオン界面活性剤、 カチオン界面活性剤、 ベ夕イン 型、 アミノ酸型、 イミダゾリ ン型、 レシチン等の両性界面活性剤、 多価アルコールエステル型、 酸化エチレン縮合型等の非イオン界面 活性剤等の界面活性剤 ; 酸化鉄等の有色顔料、 酸化亜鉛、 酸化チタ ン、 酸化ジリコニゥム等の白色顔料、 マイ力、 タルク、 セリサイ ト 等の体質顔料等の顔料 ; ジメチルポリシロキサン、 メチルフエニル ポリ シロキサン、 ォク夕メチルテ トラシクロシロキサン、 デカメチ
ルシクロペン夕シロキサン、 ポリエーテル変性シリコーンオイル、 ァミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル ; 精製水 ; カラ ギーナン、 アルギン酸、 アラビアゴム、 トラガン ト、 ぺクチン、 デ ンプン、 キサンタンガム、 ポリ ビニルアルコール、 ポリ ビニルピロ リ ドン、 ポリアクリル酸ソーダ、 ポリエチレングリコール等の増粘 剤、 シリコーン · アクリル共重合体、 シリコーンレジンやアクリル ポリマー等の皮膜形成剤、 さらには、 紫外線吸収剤、 抗菌剤、 抗炎 症剤、 制汗剤、 防腐剤、 香料、 酸化防止剤、 p H調節剤、 噴射剤が 例示される。
次に、 本発明の化粧品を製造する方法を説明する。 本発明の化粧 品を製造する方法は、 上記生分解性ポリエステル樹脂微粒子または 生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子を他の化粧品原料に配合する ことを特徴とする。 例えば、 回分式または連続式攪拌手段によって 配合を行うことができる。 このための具体的な装置としては、 ホモ ミキサー、 パドルミキサー、 ヘンシェルミキサー、 ホモディスパー、 コロイ ドミル、 プロペラ攪拌機、 ホモジナイザー、 インライン式連 続乳化機、 超音波乳化機、 真空式練合機が例示される。 他の化粧品 原料への生分解性ポリエステル樹脂微粒子または生分解性ポリエス テル樹脂複合微粒子の添加時期は、 いつでもよい。
本発明の化粧品を製造する方法において、 生分解性ポリエステル 樹脂微粒子または生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子の添加量は. その水分以外の成分換算 (固形分換算) で、 化粧品中の 0 . 1〜 9 9質量%であることが好ましく、 特に、 0 . 5〜 9 0質量%の範囲 内であることが好ましい。 これは、 上記生分解性ポリエステル樹脂 微粒子または生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子の添加量が上記
範囲の上限をこえる場合には、 化粧品としての効果が失われる傾向 があるからであり、 一方、 上記範囲の下限未満であると、 添加効果 が少なく、 本微粒子を配合することによる化粧品の使用感等の改善 が達成されにく くなる傾向があるからである。 実施例
以下、 実施例によって本発明を具体的に説明する。
下記の各項目の分析は、 それぞれ以下に記載の方法に従って行つ た。
( 1 ) 生分解性ポリエステル樹脂の分子量
G P C分析 (島津製作所社製の屈折率分光計、 溶媒 : テトラヒ ド 口フラン、 ポリスチレン換算) により分子量を求めた。
( 2 ) 微粒子の樹脂成分中の乳酸単位の含有率の測定
微粒子を D—クロ口ホルムに溶解し、 NMR測定 (日本電子社製 L amb d a 3 0 0 WB) を室温にて行う ことで決定した。
( 3 ) 微粒子の乳酸単位中の D体含有率の測定
微粒子をクロ口ホルムに溶解し、 旋光計 (堀場製作所社製 S E P A - 2 0 0 ) を用いて、 N a— D線 ( 5 8 9 n m)、 2 5 X:にて 比旋光度を計算し、 D体量 (モル%) を求めた。
(4 ) 微粒子の長径と短径の測定
粒径が 5 m以上のものは、光学顕微鏡(0 L YM P U S社製 P M- 1 O AK) を用いて、 倍率 5 0 0倍で測定した。 粒径が 5 m 未満のものは、 走査型電子顕微鏡 (日立製作所社製 S— 4 0 0 0 ) を用いて、 倍率 2 0 0 0〜 5 0 0 0倍で測定した。
そして、 顕微鏡の視野中に存在する一定個数 (後述の表 1 にお
いて 「測定対象」 として記載) の微粒子のうち、 長径と短径の比が 1. 5以下であるものが何個存在するかを数えることによって、 そ れが全個数の何%になるかを求めた。
( 5 ) 微粒子の密度
食塩水による密度勾配管を作製し、 密度標準サンプルで校正して 測定を行った。
( 6 ) 微粒子の 1 0 %変形強度
微粒子を 1点ずつ顕微鏡観察して粒径を測定した後、 微小圧縮試 験器 (島津製作所社製 MC TM— 5 0 0 ) を用い、 試験荷重 4 9 mN、 負荷速度 0. 8 9 mNZ s にて、 強度測定をおこなった。 そ して、 粒子径が 1 0 %変化したときの圧縮荷重を 1 0 %変形強度と した。 1サンプルにっき 1 0回測定し、 平均値を採用した。
( 7 ) 微粒子の平均粒子径
粒度分布測定装置 (堀場製作所社製 LA 9 2 0 ) を用いて測定 し、 体積平均粒子径で評価した。
( 8 ) 化粧品中の乳酸量の定量
H P L C法 (カラム : Am i x H P X - 8 7 P 直径 3 0 0 m m X 7. 8 mm, 移動槽 : 0. 0 0 5 N硫酸、 検出 : R I、 温度 : 6 0 、 流速 : 0. S m l Zm i ru 注入試料 : 1 0 0 1 。 標準 試料は乳酸 (試薬特級、 石津製薬社製) の 1 Z 5 0 0希釈水溶液) にて定量した。 なお、 3 0 °Cの雰囲気中に 1か月置いた後の化粧品 について乳酸量を測定した。
( 9 ) 化粧品の評価
パネラ 2 0名による官能試験を行った。 この試験における評価項 目としては、 感触および滑りを選び、 各々の項目について、 次のよ
うな基準で 5段階評価を行った。
1 …悪い、 2…やや悪い、 3…普通、 4…やや良い、 5…良い また、 化粧品を塗布したときの肌の p H状態を、 皮膚 p H計— P H 9 0 0 ( Courage + Khazaka electronic GmbH 社製) を用いて測 定した。 まず、 下記の要領で、 生分解性ポリエステル樹脂微粒子 (A) 〜 (H) を得た。
微粒子 (A)
生分解性ポリエステル樹脂としての、 水分量が 2 0 0 p pmにな るまで乾燥したポリ乳酸 (数平均分子量 6万、 D体含有率 1. 7モ ル%) 4 0質量部と、 分散媒としての、 ポリアク リル酸 (重量平均 分子量 1 , 0 0 0 , 0 0 0 ) 6 0質量部とを ドライブレンドした後、 同方向 2軸押出機 (池貝鉄工社製 P CM— 3 0 ) の供給口に供給 した。同押出機のシリ ンダー温度を 1 8 0 °Cとして溶融混練を行い、 ノズルから樹脂組成物を押出して冷却固化した。 その後、 ポリアク リル酸に対して 1 0倍の質量の水を用いて当該ポリアクリル酸を溶 解し、 直径約 1 0 mのポリ乳酸球状粒子の縣濁液を得た。 この縣 濁液を遠心分離したうえで乾燥して、 生分解性ポリエステル樹脂微 粒子 (A) を得た。
微粒子 (B)
生分解性ポリエステル樹脂としての、 水分量が 2 0 0 p pmにな るまで乾燥したポリ乳酸 (数平均分子量 6万、 D体含有率 1. 7モ ル%) 4 0質量部を用い、 これに複合微粒子化のための複合化化合 物としての酸化亚鉛微粒粉末 4質量部を加え、 さらに分散媒として
のポリエチレングリコール (三洋化成製 P 2 0 0 0 0 ) 6 0質量部 とよく混合した後、 同方向 2軸押出機 (池貝鉄工社製 P CM— 3 0 ) の供給口に供給した。 同押出機のシリ ンダー温度を 2 0 0 と して溶融混練を行い、 ノズルから樹脂組成物を押出して冷却固化し た。 その後、 ポリエチレングリコールに対して 1 0倍の質量の水を 用いて当該ポリエチレングリコールを溶解し、 直径約 1 0 mの、 酸化亜鉛含有ポリ乳酸球状粒子の懸濁液を得た。 この縣濁液を遠心 分離したうえで乾燥して、 生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子 (B) を得た。
微粒子 (C)
ポリ乳酸として、 水分量が 2 0 0 p p mになるまで乾燥した、 数 平均分子量 1 0万、 D体含有率 9モル%のものを用いた。 また同方 向 2軸押出機に代えて加圧混練装置 (森山製作所社製 P K 5 ) を 用いた。 そしてそれ以外は微粒子 (A) の場合と同様にして、 生分 解性ポリエステル樹脂微粒子 (C) を得た。
微粒子 (D)
ポリ乳酸として、 水分量が 2 0 0 p pmになるまで乾燥した、 数 平均分子量 1 0万、 D体含有率 1 9モル%のものを用いた。 また 2 軸押出機のシリ ンダー温度を 1 7 0 とした。 そして、 それ以外は 微粒子 (A) の場合と同様にして、 生分解性ポリエステル樹脂微粒 子 (D) を得た。
微粒子 (E)
生分解性ポリエステル樹脂として、 水分量が 2 0 0 p p mになる まで乾燥したポリ乳酸 (数平均分子量 1 0万、 D体含有率 1 9モ ル%) 1. 8 k gと、 複合化化合物としてのポリ力プロラク トン (数
平均分子量 8万) 0. 2 k gとを混合して用いた。 そして 2軸押出 機のシリ ンダー温度を 1 6 0°Cとした。 そして、 それ以外は微粒子 (A) の場合と同様にして、 生分解性ポリエステル樹脂微粒子 (E) を得た。
微粒子 (F)
複合化化合物として、 酸化亜鉛粉末のかわりにチタンホワイ ト微 粒粉末を用いた。 そして、 それ以外は微粒子 (B) の場合と同様に して、 生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子 (F) を得た。
微粒子 (G)
複合化化合物として、 酸化亜鉛粉末のかわりにデンプン粉末 (馬 鈴薯) を用いた。 そして、 それ以外は微粒子 (B) の場合と同様に して、 生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子 (G) を得た。
微粒子 (H)
複合化化合物として、 酸化亜鉛粉末のかわりにフェライ ト微粒粉 末を用いた。 そして、 それ以外は微粒子 (B) の場合と同様にして、 生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子 (H) を得た。 実施例 1
生分解性ポリエステル樹脂微粒子 (A) 2 0質量部、 p—メ トキ シ桂皮酸ォクチル 5質量部、 脂肪酸エステルとしての α—モノイソ ステアリルグリセリルエーテルポリオキシエチレンソルビ夕ンモノ ォレイン酸エステル 1質量部、 ロウ類としてのミツロウ 2質量部、 ロウ類としてのラノ リ ン 2質量部、 炭化水素としてのスクヮラン 2 0質量部、 炭化水素としての流動パラフィ ン 3 0質量部、 精製水 1 9質量部、 防腐剤適量、 および香料適量をホモディスパーに投入し、
2 5 0 0 r p mで 3分間攪拌して、 乳液状化粧品を調製した。
実施例 2
生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子 (B) 3 0質量部、 p—メ トキシ桂皮酸ォクチル 5質量部、 α—モノイソステアリルダリセリ ルエーテルポリオキシエチレンソルビタンモノォレイン酸エステル 1質量部、 ミツロウ 2質量部、 ラノ リ ン 2質量部、 スクヮラン 2 0 質量部、 流動パラフイ ン 2 0質量部、 精製水 1 9質量部、 防腐剤適 量、 および香料適量をホモディスパーに投入し、 2 5 0 0 r p mで 3分間攪拌して、 乳液状化粧品を調製した。
実施例 3
生分解性ポリエステル微粒子 (C) 3 0質量部、 p—メ トキシ桂 皮酸ォクチル 5質量部、 ひ一モノイソステアリルグリセリルエーテ ルポリオキシエチレンソルビ夕ンモノォレイン酸エステル 1質量部. ミツロウ 2質量部、 ラノ リ ン 2質量部、 スクヮラン 2 0質量部、 増 粘剤としてのグァガム 2 0質量部、 精製水 1 9質量部、 防腐剤適量、 および香料適量をホモディスパーに投入し、 2 5 0 0 r p mで 3分 間攪拌して乳液状化粧品を調製した。
実施例 4
生分解性ポリエステル樹脂微粒子 (D) 3 0質量部を用いた。 そ して、 それ以外は実施例 3 と同様にして、 乳液状化粧品を調製した。 実施例 5
生分解性ポリエステル樹脂微粒子 (E) 3 0質量部を用いた。 そ して、 それ以外は実施例 3 と同様にして、 乳液状化粧品を調製した。 実施例 6
生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子 ( F) 3 0質量部を用いた。
そして、 それ以外は実施例 3 と同様にして、 乳液状化粧品を調製し た。
実施例 7
生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子 (G) 3 0質量部を用いた。 そして、 それ以外は実施例 3 と同様にして、 乳液状化粧品を調製し た。
実施例 8
生分解性ポリエステル樹脂複合微粒子 (H) 3 0質量部を用いた。 そして、 それ以外は実施例 3と同様にして、 乳液状化粧品を調製し た。 比較例 1
水分量が 2 0 0 p p mになるまで乾燥したポリ乳酸 (数平均分子 量 6万、 D体含有率 1. 7モル%) 1 k gを、 塩化メチレン 1 0 k gに溶解後、 攪拌しながら水中へ投入して、 ポリ乳酸球状粒子の懸 濁液を得た。 これを、 遠心分離し、 乾燥して、 生分解性ポリエステ ル樹脂微粒子 ( a) を得た。
微粒子 ( C) のかわりに、 この微粒子 ( a ) を 3 0質量部用いた。 そして、 それ以外は実施例 3 と同様にして、 乳液状化粧品を調製し た。
比較例 2
ポリ乳酸として、 水分量が 2 0 0 p p mになるまで乾燥したポリ 乳酸 (数平均分子量 1 0万、 D体含有率 9モル%) を用いた。 そし て、 それ以外は比較例 1 と同様にして、 生分解性ポリエステル樹脂 微粒子 (b) を得た。
微粒子 ( a ) の代わりに、 この微粒子 ( b ) を 3 0質量部用いた。 そして、 それ以外は実施例 3と同様にして、 乳液状化粧品を調製し た。
比較例 3
ポリ乳酸として、 水分量が 2 0 0 p pmになるまで乾燥したもの であり、 かつ一部解重合したポリ乳酸 (数平均分子量 2万、 D体含 有率 9モル%) 2 5 0 gを用い、 これをイソプロピルアルコール 1 0 0 gで膨潤させた。 そして、 この膨潤したポリ乳酸と、 界面活性 剤としての P VA (ュニチカ製、 U F 1 7 0 G) 2質量%水溶液 1 0 0 gと、 蒸留水 5 5 0 gと、 該ポリ乳酸中に含まれる全力ルポキ シル基量の 1. 2倍当量に相当する トリエチルァミンとを投入し、 6 , 0 0 0 r p mで強制攪拌した。 さらに系内温度を 6 0 °Cまで上 昇させ、 攪拌を続けて、 ェマルジヨ ンを得た。 これを遠心分離し、 乾燥して、 生分解性ポリエステル樹脂微粒子 ( c ) を得た。
微粒子 ( C ) のかわりに、 この微粒子 ( c ) を 3 0質量部用いた。 そして、 それ以外は実施例 3と同様にして、 乳液状化粧品を調製し た。
比較例 4
水分率が 1 2 0 0 p p mのポリ乳酸 (数平均分子量 6万、 D体含 有率 1. 7モル%) を用いた。 そして、 それ以外はポリエステル樹 脂微粒子 (A) の場合と同様にして、 生分解性ポリエステル樹脂微 粒子 (d) を得た。
微粒子 (A) のかわりに、 この微粒子 (d) を用いた。 そして、 それ以外は実施例 1 と同様にして、 乳液状化粧品を調製した。
実施例例 1 〜 8および比較例 1 〜 4に関し、 生分解性ポリエステ ル樹脂微粒子および化粧品について各種測定をおこなった。 その結 果を表 1 に示す。 化粧品として評価を行った結果および肌の p H状 態を測定した結果については、 実施例 1 〜 6は表 2に示し、 実施例 7〜 8 と比較例 1 〜 4は表 3にまとめて示す。
微 粒 子 ィ匕 粧 品 乳酸単位 乳酸単 平 3¾ 密度 長径/短径比が 圧縮時の 30°C、 1 力 =>月後 含有率 Φ <7) T) { ¾r J 1土 1 . 5以下のもの 丄 u /。 の 酸濃度
含有率 測定対象 割合 変形強度
(モル%) (モル0 /0) (g/cm3) (個) (%) (M P a ) ( P P m ) 実施例 1 1 0 0 1 . 7 1 0 1 . 2 5 2 5 0 9 9 2 3 2 0 実施例 2 1 0 0 1 . 7 1 3 1 . 3 1 2 3 0 9 7. 2 8 2 5 実施例 3 1 0 0 9 9 1 . 2 4 2 6 0 9 7 1 7 1 8 実施例 4 1 0 0 1 9 9 1 . 2 2 2 7 0 9 6 1 9 2 1 実施例 5 9 3 1 9 1 1 1 . 2 5 2 4 0 9 5 1 6 1 5 実施例 6 1 0 0 1 . 7 1 5 1 . 3 8 2 2 0 9 5 2 6 2 3 実施例 7 1 0 0 1 . 7 1 3 1 . 2 7 2 3 0 9 8 2 2 2 0 実施例 8 1 0 0 1 . 7 1 6 1 . 7 8 2 0 0 9 7 3 2 2 2 比較例 1 1 0 0 1 . 7 2 . 5 1 . 1 5 2 0 0 8 2 3 . 8 2 0 0 比較例 2 1 0 0 9 1 . 7 1 . 2 0 2 0 0 8 9 3 . 2 1 2 0 比較例 3 1 0 0 9 0 . 3 1 . 0 9 2 0 0 9 0 2 . 4 1 1 5 0 比較例 4 1 0 0 1 . 7 2 . 4 1 . 1 8 2 0 0 9 0 1 2 1 5 0 0
〇 ノ s ネ 実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 z 実施例 5 実施例 6 フ ― 恐 mi 滑り P H 感触 滑り Ρ Η 滑り P H 感触 滑り P n 感触 滑り P H 感触 滑り P H
1 「
5 5 5.5 5 5 5.6 5 5 5.4 5 4 5.4 5 4 5.7 5 5 5.3
5 5 5.4 5 4 5.4 5 5 5.3 4 5 5.2 5 5 5.5 5 5 5.4
0 4 4 5.8 4 3 5.9 4 4 5.5 4 4 5.6 4 4 6.0 3 4 5.8
A 4 4 5. 1. 4 4 5.2 4 4 5.3 4 4 5.2 4 4 5.4 4 4 5.2
5 5 5.0 5 5 4.9 5 5 5.2 3 5 5. 1 5 5 5.3 5 5 5.2
R 「
\j b 0 5.3 5 4 5.4 5 5 5.4 5 5 5 5 5.6 5 5 5.4
7 4 4 5.7 5 4 5.7 4 5 5.8 4 5 5.6 4 4 5.9 4 4 5.8 β •5.9 5 3 5.9 3 4 5.9 3 3 5 3 3 6.0 5 3 5.7
9 4 4 5.3 4 4 5.2 4 4 ^ A± 0. Δ 0 c 0 0 · 4
1 0 4 4 5.5 3 4 5.6 5 4 5.5 4 5 5.4 4 4 5.8 5 4 5.5
1 1 4 4 5.3 4 4 5.2 4 4 5.2 5 4 5. 1 4 4 5.4 4 4 5.2
1 2 5 3 5.5 5 4 5.5 5 5 5.4 5 3 5.3 5 3 5.6 5 4 5.4
1 3 4 4 5.2 4 4 5. 1 4 4 5.2 4 4 5.0 4 4 5.3 4 4 5. 1
1 4 3 3 5.9 3 4 5.8 3 4 5.7 3 3 5.9 3 4 6.0 3 5 5.2
1 5 5 4 5.3 5 5 5.4 5 4 5.5 5 5 5.4 4 5 5.7 5 5 5. 1
1 6 5 5 5.0 4 3 5. 1 5 5 5.2 4 5 5. 1 5 5 5.3 4 5 5. 1
1 7 4 4 5.2 4 4 5.2 5 4 5.3 3 4 5.2 4 4 5.4 5 4 5.3
1 8 5 5 5.5 3 5 5.4 5 5 5.4 4 5 5.3 3 4 5.2 5 5 5.4
1 9 4 4 5.3 5 4 5.2 4 4 5.3 5 4 5.5 4 4 5.6 5 4 5.3
2 0 4 4 5.5 4 5 5.6 4 4 5.5 4 5 5.4 4 4 5.6 4 4 5.5 平均 4 . 1 5 5.4 1 4.30 4. 1.0 5.42 4.40 4.40 5.42 4. 10 4.30 5.35 4.20 4. 15 5.59 4.4 5 4.35 5.37
ノ1^ ネ 実施例 Ί 実施例 8 h匕較例 1 t 較例 2 ίニ較例 3 1匕較例 4 フ ― 感触 滑り P H 感触 滑り P H 感触 滑り P H 感触 滑り Ρ Η 感触 滑り Ρ Η 感触 滑り Ρ Η
1 5 5 5.3 5 5 5.4 2 2 6.5 3 2 6.4 4 4 7.1 2 3 4.5*
2 5 5 5.3 5 4 5.4 3 3 6.4 4 3 6.2 3 3 6.8 2 3 4.9
3 4 4 5.5 4 3 5.6 2 4 6.7 4 4 6.9 4 4 7.3 3 1 4.8*
4 4 4 5.1 4 4 5.0 3 4 5.9 4 2 5.9 4 4 6.3 2 2 4.6
5 5 5 5.2 5 5 5.1 4 3 5.9 3 3 5.8 3 2 6.0 2 2 4.5
6 5 5 5.3 5 4 5.4 2 2 6.1 3 4 6.2 3 2 6.9* 2 2 4.7*
7 4 4 5.7 5 4 5.6 3 3 6.8 4 2 7.0 4 4 7.2 3 3 4.5*
Q 3 4 5.8 5 3 5.7 3 4 7.0 3 3 7.3 3 3 7.7* 2 1 4.9*
Q Λ *χ r.. r λ\ ■ o c t 0. Q 2 4 o.y 4 4 .1 3 4 6.5 3 2 4.8
1 o 4 4 5.3 3 4 5.2 1上 4 6.1 3 6.0 4 6.9 1 4.9*
1 1 4 5 5.2 4 4 5.3 2 4 5.8 2 4 6.0 4 4 6.3 3 3 4.6
1 2 5 3 5.5 5 4 5.4 3 2 5.9 2 3 5.8 3 3 6.2 2 3 4.8
1 3 4 4 5.1 5 4 5.2 4 4 5.8 4 4 5.8 2 4 6.0 2 2 4.5*
1 4 3 3 5.4 5 4 5.5 3 3 6.1 3 3 6.0 3 4 7.2 3 3 4.7
1 5 5 3 5.3 5 4 5.4 3 4 6.2 3 2 6.2 4 3 6.9* 2 1 4.7*
1 6 4 5 5.2 4 3 5.3 2 3 5.8 4 3 5.7 3 3 6.1 2 2 4.8*
1 7 4 5 5.2 4 4 5.1 3 4 5.7 3 4 5.9 4 4 6.3 3 2 4.9
1 8 5 4 5.3 3 5 5.2 2 3 6.0 4 3 6.0 3 4 6.9* 3 1 4.6
1 9 4 4 5.4 5 4 5.3 4 4 6.1 3 4 6.0 4 4 7.0* 2 3 4.7*
2 0 5 4 5.4 4 5 5.5 4 2 5.9 4 3 5.8 4 4 6.5 3 1 4.5 φ均 4.30 4.20 5.35 4.50 4.05 5.35 2.75 3.30 6.13 3.40 3.15 6.15 3.45 3.55 6.71 2.45 2.05 4.70
* : 皮膚に赤み発生
表 1 〜表 3の結果から明らかなように、 本発明の実施例 1〜実施 例 8の化粧品は、 生分解性ポリエステル樹脂微粒子または生分解性 ポリエステル樹脂複合微粒子が所定の特性を有したものであつたた め、 得られた化粧品は、 感触や、 肌へ塗布するときの滑り性にすぐ れたものであった。
これに対し、 比較例 1〜比較例 3の化粧品は、 実施例 1〜実施例 8の化粧品のように原料を高剪断状況下で溶融混練することで微粒 子を製造したものではなかったため、 微粒子の圧縮時の変形強度が 低く、 このため化粧品として用いる際に微粒子が変形してしまい、 したがって皮膚への感触や塗布時の滑り性に劣るものであった。 比較例 4の化粧品は、 水分率が 1 2 0 0 p p mのポリ乳酸を用い たものであつたため、 作製した微粒子中に多量の乳酸モノマーが残 留し、 そのため得られた化粧品中に含まれる乳酸濃度が 1 5 0 0 p p mにもなつてしまい、 好ましい化粧品ではなかった。