明 細 書 制御装置内蔵型シリンダサ一ボモ一夕 技術分野
この発明は、 サーボモー夕部、 このサーボモー夕部を制御する制御部、 サ一ボモー夕部の回転角度を検出する検出器、 サーボモ一夕部の回転動 作を直線動作に変換する回転直線変換機構等を一体化した制御装置内 蔵型シリンダサ一ボモ一夕 (以下シリンダサ一ボモ一夕と称する) に関 するものである。 背景技術
シリンダサ一ボモ一夕の従来例を第 24図に示す。
なお、 第 24図に示すものは発明者等が提案したもので、 PC T出願 (出願番号: P CTZJP 00/0 1 1 17) されている。
図において、 1はサーボモー夕部で、 口一夕 2、 ステ一夕 3から構成 されている。 4は口一夕 2と負荷側で結合されたボールナヅ ト、 5はボ ールナツ ト 4と螺合され、 軸方向に移動する出力軸となるボールネジで、 ボールナツ ト 4とともに回転直線変換機構を構成している。 7は口一夕 2の回転量を検出する回転検出器で、 センサ部 7 a及び信号処理部 7 b を有している。 なお、 信号処理部 7 bは回転検出器制御部 8、 補正メモ リ 9及び加減算回路 10で構成されている。 6はサ一ボモー夕部 1の制 御部、 1 1はボールネジ 5の先端に取付けられた反射ミラ一 1 1 aの移 動距離を測定する測長器、 19は外部指令装置、 12は第 1の入力部 1 3、 第 2の入力部 14、 差分回路 1 5、 制御部 16、 メモリ 17及ぴメ モリライ夕 18を有する試験装置である制御装置、 100は外部指令装
置 1 6と制御部 6との間でデ一夕のやり取りを行うために必要な第 1 の入出力部、 1 ◦ 1は制御装置 1 2と補正メモリ 9との間でデ一夕のや り取りを行うために必要な第 2の入出力部である。
そしてこのシリンダサ一ボモ一夕は、 外部指令装置 1 9より第 1の入 出力部 1 0 0を介して制御部 6に指令が出力されると、 制御部 6を通じ てサ一ボモー夕部 1の口一夕 2が回転し、 ボールナット 4とボールネジ 5により、 ロー夕 2の回転運動が直線運動に変換されることによりボー ルネジ 5が往復動運転する。
ところで、 本シリンダサ一ボモ一夕は、 使用前 (工場出荷時) に、 位 置決め誤差 (シリンダサ一ボモ一夕の部品精度、 回転検出器の精度等に 起因する) を補正するための補正データを取得し、この取得した位置決 め誤差デ一夕を補正メモリ 9に記憶させる作業を行う。
即ち、ボールネジ 5の先端に反射ミラ一 1 1 aを取付けるとともに、 この反射ミラ一 1 1 aと対向する位置にレーザ測長器 1 1を設置し、 且 つ試験設備である制御装置 1 2を用意する。
次に外部指令装置 1 9より指令を与えることにより、シリンダサ一ボ モ一夕を運転してボールネジ 5を往復運動させ、 このボールネジ 5の移 動距離を、 反射ミラー 1 1 aを通じて測長器 1 1で測定する。 そしてこ の測定データを、 第 2の入力部 1 4を介して制御装置 1 2の制御部 1 6 へ入力する。 一方、 センサ部 7 aで検出された角度データを、 制御部 6 へ出力すると同時に第 2の入出力部 1 0 1、 第 1の入力部 1 3を介して 制御部 1 6へ入力し、 制御部 1 6で回転検出器 7の検出デ一夕にボール ネジリードを乗算してボールネジ先端の推定位置を得る。 そして、 制御 部 1 6で演算したボールネジ先端の推定位置と測長器 1 1の測定デー 夕とを差分回路 1 5に送り、 この差分回路 1 5でボールネジ先端の推定 位置と測長器 1 1との間の位置決め誤差を演算させる。 差分回路 1 5で
演算した誤差を、 制御部 1 6を介してメモリ 1 7に格納し、 上記誤差の 計測が終了した後、 メモリ 1 7に記録された誤差を、 メモリライ夕 1 8 により第 2の入出力部 1 0 1を介して補正メモリ 9に書込む。 本シリン ダサ一ボモータは、 以上説明したように、使用前 (工場出荷時) に、 位 置決め誤差を補正する補正データを補正メモリ 9に記憶させる作業を 行う。
また、 通常運転時には、 反射ミラー 1 1 a、 測長器 1 1及び試験装置 である制御装置 1 2を取り外し、 ボールネジ 5の先端が正確な位置に位 置決めされるように、 回転検出器 7の検出デ一夕に補正メモリ 9に記録 された補正デ一夕を補正した値を制御部 6へ出力する。 制御部 6は入力 した値を考慮してサ一ボモ一夕部 1をサーボ制御する。
従来のシリンダサ一ボモ一夕は、 測長器 1 1を使用して出力軸である ボールネジ 5の位置決め精度を予め計測し、 回転検出器 7のデータを補 正して正確な位置決めを実現可能とするものであるが、 補正データ演算 のため、 測長器 1 1以外に補正デ一夕演算や補正メモリ 9への書込みを 行うための制御装置 1 2を必要とする。 このため、 保守や修理のために シリンダサーボモー夕を分解すると、 その都度、 試験設備である制御装 置 1 2を用意して補正データを再作成する必要があった。
また、 従来のシリンダサ一ボモ一夕は、 外部指令装置 1 6 シリンダ サ一ボモ一夕との間でデータのやり取りを行うために必要な入出力部 1 0 0以外に、 制御装置 1 2とシリンダサ一ボモ一夕との間でデータの やり取りを行うために必要な入出力部 1 0 1を必要とした。
また、従来のシリンダサ一ボモ一夕は温度変動ゃバックラッシュ、 応 力歪等による位置決め精度の悪化について考慮されていなかったので、 このシリンダサ一ボモ一夕を運転すると、 温度変動やバックラッシュ、 応力歪等による誤差が発生し、 位置決め精度が悪化する恐れがあった。
因みに、 温度変動やバックラッシュ、 応力歪等による誤差を補正する ためにサ一ミス夕や、 速度センサ、 力センサ等を機械装置に付加するこ とが考えられるが、 センサの他に配線等も必要となるため、 コストアツ プゃ工数の増大、 整備性の低下を招く恐れがある。 また、 上記センサの 検出デ一夕を外部指令装置 1 9で処理すると、 外部指令装置 1 9の計算 負荷が増大する等の問題が発生する恐れがある。 発明の開示
この発明は上記のような問題点を解決するためのもので、 位置決め誤 差補正デ一夕等の作成を容易に実施できるシリンダサーポモ一夕を得 ることを目的とする。
またこの発明は、 外部指令装置や測長器等の外部装置との間でデ一夕 のやり取りに使用する入出力部の数を減少させることができるシリン ダサ一ボモ一夕を得ることを目的とする。
またこの発明は、 温度変動やバックラッシュ、 応力歪等による位置決 め精度の悪化を防止できるシリンダサ一ポモ一夕を得ることを目的と する。
またこの発明は、 予め記憶された位置決め誤差補正デ一夕を容易に校 正できるシリンダサ一ボモ一夕を得ることを目的とする。
この発明は上記目的を達成させるためになされたもので、 回転子を有 するサーボモー夕部と、 このサーボモー夕部の回転軸に設けられ、回転 軸の回転動作を直線動作に変換する回転直線変換機構と、 前記サーボモ 一夕部の電流を検出する電流検出器と、 前記サーボモ一夕部の回転角度 を検出する回転検出器と、 前記サ一ボモー夕部を制御する制御部とを備 え、 前記サーボモ一夕部と制御部とを機械的に一体化した制御装置内蔵 型シリンダサーボモー夕において、 前記制御部に、 前記サ一ボモー夕部
に対する位置決め誤差測定用の指令を記憶した指令メモリと、 この指令 メモリに記憶された指令に基づいて動作する前記回転直線変換機構に おける出力軸の位置を測長する測長器の測定結果及び外部指令装置の 指令を入力する入力手段と、 制御装置内蔵型シリンダサ一ボモ一夕を通 常運転モード及びテスト運転モードの何れかのモ一ドに切替える運転 モ一ド切替手段と、この運転モード切替手段にてテス ト運転モードに切 替えられたとき、 前記回転検出器が検出した検出角度に基づいて前記回 転直線変換機構における出力軸の推定位置を演算するとともに、 この演 算された出力軸の推定位置と前記入力手段を通じて入力された前記測 長器の測定結果とに基づいて位置決め誤差補正データを演算する位置 決め誤差補正データ演算手段と、 この位置決め誤差補正デ一夕演算手段 にて演算された位置決め誤差補正データを記憶する補正メモリと、 前記 運転モード切替手段にて通常運転モードに切替えられたとき、 前記補正 メモリに記憶された位置決め誤差補正データに基づいて前記サーボモ —夕部を位置決め誤差補正して制御する手段とを設けたものである。 またこの発明は、前記制御部に、前記運転モード切替手段にて通常運 転モードに切替えられたとき、 前記補正メモリに記憶されたデータ、 前 記回転検出器の検出データ及び電流検出器の検出デ一夕に基づいてバ ヅクラッシュ補正データを演算する手段と、この演算手段にて演算され たバヅクラヅシュ補正デ一夕に基づいて前記サ一ボモ一夕部をバヅク ラヅシュ誤差補正して制御する手段とを設けたものである。
またこの発明は、前記制御部に、前記運転モード切替手段にてテス ト 運転モードに切替えられたとき、 前記バックラッシュ補正データ演算に 使用するデ一夕を作成し、 この作成したデータを前記補正メモリに記憶 させる手段を設けたものである。
またこの発明は、前記回転直線変換機構の温度を検出する温度検出器
を備え、且つ前記制御部に、前記運転モード切替手段にて通常運転モー ドに切替えられたとき、 前記補正メモリに記憶されたデータ及び前記温 度検出器の検出データに基づいて温度誤差補正データを演算する演算 手段と、 この演算手段にて演算された温度誤差補正デ一夕に基づいて前 記サーボモー夕部を温度誤差補正して制御する手段とを設けたもので ある。
またこの発明は、前記制御部に、前記運転モード切替手段にてテスト 運転モードに切替えられたとき、 温度誤差補正データ演算に使用するデ 一夕を作成し、 この作成したデータを前記補正メモリに記憶させる手段 を設けたものである。
またこの発明は、前記制御部に、 前記運転モード切替手段にて通常運 転モードに切替えられたとき、 前記電流検出器の検出データに基づいて 前記回転直線変換機構の出力軸の推力を演算するとともに、 この演算し た推力に基づいて前記回転直線変換機構の出力軸の応力歪データを演 算する応力歪演算手段と、 この応力歪演算手段にて演算された応力歪デ 一夕に基づいて前記サーボモータ部を応力歪補正して制御する手段と を設けたものである。
またこの発明は、回転子を有するサーボモー夕部と、 このサーボモー 夕部の回転軸に設けられ、回転軸の回転動作を直線動作に変換する回転 直線変換機構と、 前記サーボモー夕部の回転角度を検出する回転検出器 と、 前記サ一ボモー夕部を制御する制御部とを備え、 前記サーボモー夕 部と制御部とを機械的に一体化した制御装置内蔵型シリンダサーボモ 一夕において、 前記制御部に、 前記回転検出器が検出する検出角度に対 応して複数の位置決め誤差補正データを予め記憶したメモリと、 制御装 置内蔵型シリンダサ一ボモ一夕を機械装置に組み込んだ状態で前記回 転直線変換機構の出力軸をス トロークェンド位置まで移動させた時に
おける前記出力軸のストロークェンド推定位置を演算するとともに、 こ の演算された出力軸のス トロークェンド推定位置と機械装置固有のス トロ一クェンド位置とを比較し、両者の間に差がある場合、その差に基 づいて、 位置決め誤差補正時に、 前記メモリに記憶された複数の位置決 め誤差補正データ中から前記差に基づく位置決め誤差を修正できる特 定の位置決め誤差補正デ一夕を呼び出すデ一夕、 または前記メモリに予 め記憶された複数の位置決め誤差補正データそのものを修正するデ一 夕を演算する演算手段とを設けたものである。 図面の簡単な説明
第 1図はこの発明の実施の形態 1に係るシリンダサ一ポモータの通 常運転時の構成図である。
第 2図はこの発明の実施の形態 1に係るシリンダサーボモ一夕のテ スト運転時の構成図である。
第 3図はこの発明の実施の形態 1に係る各運転モード選択時の動作 内容を示すプロック図である。
第 4図はこの発明の実施の形態 1に係る各運転モ一ド選択時の動作 内容を示すフローチャートである。
第 5図はこの発明の実施の形態 1に係る位置決め誤差補正データ作 成時の制御ブロック図である。
第 6図はこの発明の実施の形態 1に係る位置決め誤差補正デ一夕作 成時の動作内容を示すフローチヤ一トである。
第 7図はこの発明の実施の形態 1に係るバヅクラヅシュ補正データ 作成時の制御プロック図である。
第 8図はこの発明の実施の形態 1に係るメモリマップを示す図であ る。
第 9図はこの発明の実施の形態 1に係るバヅクラヅシュ補正データ 作成時の動作内容を示すフローチヤ一トである。
第 1 0図はこの発明の実施の形態 1に係る温度補正データ作成時の 制御ブロック図である。
第 1 1図はこの発明の実施の形態 1に係る温度補正データ作成時の 動作内容を示すフローチヤ一トである。
第 1 2図はこの発明の実施の形態 1に係る通常運転時の制御プロッ ク図である。
第 1 3図はこの発明の実施の形態 1に係る通常運転時の動作内容を 示すフローチャートである。
第 1 4図はこの発明に係る実施の形態 1の変形例を示すフローチヤ 一トである。
第 1 5図はこの発明の実施の形態 2に係る動作を示すフローチヤ一 トである。
第 1 6図はこの発明の実施の形態 2に係る動作を示す制御プロック 図である。
第 1 7図はこの発明の実施の形態 2に係るス トロークェンド位置と 回転検出器の検出角度との関係を説明するための図である。
第 1 8図はこの発明の実施の形態 2に係るピッチエラー誤差と回転 検出器の検出角度との関係を説明するための図である。
第 1 9図はこの発明の実施の形態 2に係るピツチエラ一誤差の修正 を説明するための図である。
第 2 0図はこの発明の実施の形態 2に係るピツチエラー誤差の修正 をより詳細に説明するための図である。
第 2 1図はこの発明の実施の形態 2に係るピッチエラー誤差の修正 係数を得るための動作を示すフロ一チヤ一トである。
第 2 2図はこの発明の実施の形態 3に係るピツチエラ一誤差の修正 を説明するための図である。
第 2 3図はこの発明の実施の形態 3に係る他のピッチエラ一誤差の 修正を説明するための図である。
第 2 4図は従来例を説明するための構成図である。 発明を実施するための最良の形態
実施の形態 1 .
以下この発明の実施の形態 1を、 第 1図〜第 1 4図を用いて説明する c 第 1図は実施の形態 1におけるシリンダサ一ボモ一夕の構成図であ る。 なお、 この図は通常運転モード時の構成を示す。
図において、 1はサーボモー夕部で、 口一夕 2、 ステ一夕 3から構成 されている。 4は口一夕 2と負荷側で結合されたボールナッ ト、 5はボ ールナツト 4と螺合され、 軸方向に移動する出力軸となるボールネジで、 ボールナツ ト 4とともに回転直線変換機構を構成している。 また 2 0は 制御部、 2 1はサ一ボモータ部 1をサーボ制御する、 組み込み型マイコ ン等で構成される制御回路、 2 2は後述するテスト運転モード時に使用 される指令メモリ、 2 3はシリンダサーボモータの位置決め精度向上の ための各種補正データを記録するための補正メモリであり、 後述するよ うに複数のパラメ一夕ゃピヅチェラ一、 バヅクラヅシュ、 温度等の補正 データを記録する。 4 2は後述するテスト運転モード時に使用される一 時メモリ、 2 5はサーボモー夕部 1を駆動するインバー夕回路、 2 6は 外部指令装置 1 9や測長器 1 1との通信に用いる入出力部、 2 7はサ一 ボモータ部 1の電流検出し、 制御回路 2 1へ出力する電流検出器、 2 8 はサーボモー夕部 1の回転を検出し、 制御回路 2 1へ出力する回転検出 器、 3 1はボールネジ 5及びボールナツ ト 4の温度計測を行い、制御回
路 2 1へ出力する温度検出器である。
ところで、 このシリンダサ一ボモ一夕は、 大きく分類して、 通常運転 モードとテスト運転モードの 2つの運転モードを有している。 第 3図は 各運転モード選択時の動作内容を示すプロック図である。 この 2つの運 転モードは、 補正デ一夕を計算するためのテスト運転モード 6 2 と通常 運転モード 6 1とに分かれ、 更にテスト運転モ一ド 6 2は、 ピッチエラ —補正デ一夕作成モード 6 3、 パックラッシュ補正データ作成モード 6 4及び温度補正デ一夕作成モード 6 5の 3つの運転モ一ドに分かれる。 また、 補正メモリ 2 3に記録された運転モードパラメ一夕に従って制御 モ一ド切替え回路 3 6がスィッチ 3 7〜4 0を切替え、 通常運転モ一ド 6 1、 またはピヅチェラ一補正デ一夕作成モード 6 3、 ノ ックラッシュ 補正データ作成モード 6 4、 温度補正デ一夕作成モード 6 5の何れかを 選択実行する。 運転モードパラメ一夕は通常運転時に外部指令装置 1 9 により書き換えられ、 再電源投入時に運転モードパラメ一夕の内容に従 つてテスト運転モードを起動する。 なお、 第 3図中、 入出力部 2 6及び 補正メモリ 2 3以外の回路は、 制御回路 2 1に実装されるソフ トウエア プログラムで構成される。
また、 上記運転モードパラメ一夕は 4 bitで構成され、 各 bitには連 続テス ト運転モード (ピッチエラ一補正データ作成モード 6 3、 バヅク ラッシュ補正データ作成モ一ド 6 4及び:温度補正デ一夕作成モード 6 5の 3つの運転モードを順に実行する) と 3つの単体でのテスト運転モ —ドが割り当てられる。 テスト運転モードを実行する場合は、 事前に通 常運転モードで外部指令装置 1 9の指令に従って制御回路 2 1が該当 パラメ一夕を 0から 1に変更し、 電源を切る。 再電源投入時に制御モー ド切替え回路 3 6がテス ト運転モードを示す 4つのパラメ一夕を参照 し、 1 となっている bitに該当するテス ト運転モードを選択し、 同時に
該パラメ一夕を oにクリアする。 また、 電源オン時に全てのパラメ一夕 が 0のとき通常運転が選択される。
以上の動作をフローチャートにまとめると第 4図となる。 ここでは、 bitO が 1の時に連続テスト運転モード、 bitl が 1の時にピッチエラ一 補正デ一夕作成モード 6 3、 bit2が 1の時にバックラッシュ補正デ一夕 作成モード 6 4、bit3が 1の時に温度補正データ作成モード 6 5を実行 する。 なお、 バックラッシュ補正デ一夕作成モード 6 4は事前にピヅチ エラー補正デ一夕作成モード 6 3が実行される必要があるため、 bit2が 1のときは、 ピヅチェラ一補正データ作成モード 6 3及ぴバヅクラヅシ ュ補正データ作成モード 6 4が順に実行される。
電源オン後、 制御モード切替え回路 3 6は、 運転モードパラメ一夕を 参照して bitO に 1が入力されているか否かを判断し (SI) 、 bitOに 1 が入力されている場合、 運転モードパラメ一夕の全 bit を 0クリアし ( S2) 、 スィッチ 3 8〜4 0を順次切り換えて、 ピヅチェラ一補正デ一 夕作成モー ド 6 3、 バックラッシュ補正データ作成モード 6 4、 温度補 正データ作成モード 6 5を実行する。
即ち、ステップ S3でスイッチ 3 8をオンしてピッチエラ一補正データ 作成モード 6 3を実行し ( S4) 、次にステップ S5でスイッチ 3 9をオン してバックラッシュ補正データ作成モード 6 4を実行し (S6) 、最後に ステヅプ S7 でスイ ッチ 4 0をオンして温度補正デ一夕作成モ一ド 6 5 を実行する (S8) 。
なおこのとき、 ステップ S1 で全てのパラメ一夕が 0にクリアされる ので、 次回電源投入時には通常運転モード 6 1が実行される。
また、 電源投入時に bitO に 0が入力されている場合、 bitl に 1が入 力されているか否かを判断し (S9) 、bitl に 1が入力されている場合、 制御モード切替え回路 3 6は bitlを 0にクリアし (S10) 、 スィ ツチ 3
8をオンして (Sll ) ピッチエラ一補正データ作成モ一ドを実行する ( S12) 。 このとき、 bit2または bit3に 1が入力されている場合、 次回 電源投入時にはバックラッシュ補正データ作成モード 6 4、 温度補正デ 一夕作成モード 6 5が実行される。 また Mt2及び bit3が双方とも 0で あれば次回電源投入時には通常運転モード 6 1が実行される。
また、 電源投入時に bitO及び bitl が 0が入力されている場合、 bit2 に 1が入力されているか否かを判断し (S13) 、bit2に 1が入力されてい る場合、 制御モード切替え回路 3 6は bit2を 0クリアし (S14) 、 スィ ツチ 3 8をオンして (S15) ピッチエラ一補正データ作成モードを実行 ( S16) 後、 スイッチ 3 9をオンして (S17) バックラッシュ補正デ一夕 作成モード, 6 4を実行する (S18) 。 なおこのとき、 bit3 に 1が入力さ れている場合、 次回電源投入時には温度補正デ一夕作成モード 6 5が選 択され、 bit3が 0であれば次回電源投入時には通常運転モード 6 1が実 行される。
また、 bitO、 bitU bit2が全て 0である場合、 bit3に 1が入力されて いるか否かを判断し (S19) 、 bit3 に 1が入力されている場合、 制御モ ―ド切替え回路 3 6は bit2を 0にクリアし (S20) 、 スイ ッチ 4 0をォ ンして (S21 ) 、 温度補正デ一夕作成モード 6 5を実行する (S22) 。 なおこのとき、 全てのパラメ一夕が 0であるので、 次回電源投入時に は通常運転モード 6 1が実行される。
また、 bitO、 bitl、 Mt2、 bit3が全て 0の場合、 制御モード切替え回 路 3 6はスイッチ 3 7をオンし (S23) 、 通常運転モ一ド 6 1を実行す る ( S24) o
次に、 各テス ト運転モードの詳細について説明する。 その構成図を第 2図に示す。
即ち、ボールネジ 5の先端に反射ミラー 1 1 aを固定し、この反射ミ
ラー 1 1 aに対向するように測長器 1 1を設置するとともに、 測長器 1 1の出力部を入出力部 2 6に接続する。 そして測長器 1 1が反射ミラ一 1 1 aの位置からボールネジ 5の先端位置を測定し、 この測定結果を制 御部 2 0の入出力部 2 6から制御回路 2 1へ送る。 また、 指令メモリ 2 2に記録された運転パターンが指令として制御回路 2 1へ送られ、 回転 検出器 2 8が検出したサーボモ一夕部 1の回転量も制御回路 2 1へ送 られ、 フィ一ドバック制御によりイ ンバ一夕回路 2 5を駆動してサーボ モー夕部 1を運転する。
上記において、 シリンダサ一ボモ一夕は上位コントロ一ラから移動指 令を入力する必要が無いため、 入出力部 2 6のためのコネクタは測長器 1 1の測定デ一夕を入力するために使用され、 一つのコネクタを装備す ればよい。
ピッチエラー補正データ作成モ一ド 6 3では、 シリンダサ一ボモ一夕 の部品(回転直線変換機構等)の精度や検出器の精度に起因する誤差(ピ ツチエラ一誤差) のテーブル (以下 位置決め誤差テ一ブルと称する) を作成する。 第 2図では制御回路 2 1が、 測長器 1 1が検出した反射ミ ラー 1 1 aの位置、 即ちボールネジ先端位置と、 サ一ボモー夕部 1の回 転量とボールネジ 5のリード長との積で推定されるボールネジ先端位 置との差分を計算し、 補正メモリ 2 3へ位置決め誤差テーブルとして記 録する。
このときの動作を第 5図の制御プロック図を用いて説明する。 図中、 灰色で塗りつぶされた回路は第 1図、 第 2図の同一符号のものと同一品 を示し'、 差分回路 4 1、 ボールネジリード乗算回路 5 3 a及び平均処理 部 4 5は、 第 1図、 第 2図の制御回路 2 1に実装されるソフ トウヱアブ ログラムで構成される。
即ち、指令メモリ 2 2に記録されている運転パターンに従って移動指
令を生成し、 差分回路 4 1及びコントロ一ラ 4 3によって構成されるフ ィ一ドバック制御によりィンバ一夕回路 2 5を駆動し、 サーボモータ部 1を運転する。 なお、 指令メモリ 2 2に記録されている運転パターンは 往復運動とし、 誤差データを前進 1回、 後退 1回の計 2回計測して平均 を補正メモリ 2 3に記録する。
回転検出器 2 8が検出した検出角度 0 (モー夕回転量) にボールネジ リード Lをボールネジリード乗算回路 5 3 aで乗算して推定したボー ルネジ先端の推定位置と、 測長器 1 1が測定したボールネジ先端位置の 差分を差分回路 2 4で演算し、 演算結果を回転検出器 2 8が検出した前 記 0とともに仮位置決め誤差として一時メモリ 4 2に記録する。
サ―ボモー夕部 1を反転運転するときにも同様に、 回転検出器 2 8が 検出した前記 0にボ一ルネジリ一ド Lをボールネジリード乗算回路 5 3 aで乗算して推定したボールネジ先端の推定位置と、 測長器 1 1が測 定したボールネジ先端位置の差分を差分回路 2 4で演算し、 更に、 平均 処理部 4 5では、 正転運転時に一時メモリ 4 2に記録した仮位置決め誤 差を呼び出し、 反転時の位置決め誤差と平均を取って前記 0とともに、 補正メモリ 2 3に位置決め誤差テーブルとして記録する。
同時に後述のバックラッシュ補正のため、 正転峙の位置決め誤差と反 転時の位置決め誤差の差をバックラッシュ仮データとして一時メモリ 4 2に記録する。
以上の動作をまとめると第 6図のフローチャートとなる。
先ず、 指令メモリ 2 2から制御回路 2 1に正転指令を与え、ィンバー 夕回路 2 5を通じてサ一ボモ一夕部 1の口一夕 2を正転させる (S25) 。 サ一ボモ一夕部 1が回転すると、 サ一ボモータ部 1が回転するにつれて 回転検出器 2 8が検出角度 Θ (モー夕回転量) を検出し (S26) 、 この 検出した Θにボールネジリード 5のリード長 Lをボールネジリード乗算
回路 5 3 aで乗じてボールネジ先端の推定位置を演算する (S27) 。 一 方サ一ボモー夕部 1を正転させることによりボールネジ 5が軸方向に 移動するが、 この移動に伴うボールネジ先端位置を測長器 1 1で測定す る(S28 )。 そして差分回路 2 4にて、 ステップ S27 で推定した推定位置 と測長器 1 1で測定したボールネジ先端位置の誤差を取り (S29) 、 こ の誤差デ一夕を一時メモリ 4 2の前記 0に対応するァドレス位置に記 録する (S30 ) 。 なお、 具体的な一時メモリ 4 2への記録方法は、 該誤 差データを、 前記 0を使って読み出せるように、 次式で表現されるアド レスに誤差データを格納する。 なお、 補正メモリ 2 3への記録も同様で ある。
Θ に対応するァドレス = floor \― I + Offset ( 1 )
\ i ) 上式中、 ; ¾orは小数点以下を切り捨てる関数、 Nは分割数、 Offset 先頭ァドレスを指定するためのオフセヅ トを示す。
第 8図にその具体例を示す。 図中左が前記 6»と前記誤差データのプロ ッ ト図で、 横軸下の符号が上式第 1項に対応し、 図右のアドレスマップ に示されるアドレスへ格納される。 本例ではオフセッ ト (A) が位置決 め誤差データの先頭ァドレスを示す。 0に対応したデータを読み出す必 要があるものは位置決め誤差デ一夕以外にも存在するが、 同様に先頭ァ ドレス (オフセッ ト) を変えて記録する。 例えば後述するバヅクラヅシ ュ補正係数 g(0,O)、 ^ も 0に対応するデ一夕を持っため、 位置決め誤 oi ί=ο 差デ一夕と同様にオフセヅ ト (Β ) 及びオフセッ ト (C) を使って第 8図 に示すようなメモリマップとする。
一時メモリ 4 2への記録は正転計測が完了するまで継続し、正転計測 終了と判断されると(S31 )、 指令メモリ 2 2から制御回路 2 1に逆転指
令を与え、 S25〜S28 と同様の動作を行わせる(S32〜S35 )。 そして差分回 路 2 4にて、 回転検出器 2 8が検出した検出角度 0 (モー夕回転量) に ボ一ルネジリード 5のリード長 Lをボ一ルネジリ一ド乗算回路 5 3 aで 乗じたボールネジ先端推定位置と、 測長器 1 1で計測したボールネジ先 端位置の誤差を取り (S36 ) 、 ステップ S30 で一時メモリ 4 2に記録し た誤差データと平均を取ってこれを補正メモリ 2 3の前記 0に対応す るア ドレス位置へ記録する(S37 )。 これは、 正転逆転双方の誤差デ一夕 からバヅクラッシュ相当の誤差を除去するためのものである。 また、 ス テヅプ S30 で一時メモリ 4 2に記録した誤差デ一夕と S32〜S36 で計測 した誤差データの差をバックラッシュ仮デ一夕として、 一時メモリ 4 2 の前記 0に対応するアドレス位置へ記録する (S38) 。 これは、 無負荷 時のバヅクラッシュの大きさに相当し、 後述するバックラヅシュ補正デ —夕作成モ一ド 6 4で使用するため一時メモリ 4 2に記録するもので ある。
最後に逆転計測が完了すれば(S39 )、 ピッチエラ一補正デ一夕作成モ —ド 6 3が終了する。
なお、 ステップ S30で一時メモリ 4 2に記録したデ一夕は以後使用し ないので、 該当部のメモリ領域は解放してよい。
次にバックラッシュ補正データ作成モード 6 4について第 2図、 第 7 図及び第 9図を用いて説明する。 本モードでは、 シリンダサ一ボモ一夕 のバックラッシュに起因する誤差を得、 これを補正メモリ 2 3に上記 0 とともに記録する。
バックラッシュ量はボールネジ 5の負荷状態により定まると考えられ、 ボールネジ 5の負荷はサーボモー夕部 1のトルクに比例し、 かつサーボ モータ部 1のトルクはサーボモ一夕部 1の電流に比例するため、 次式の 様に推定できる。
ハ、、ツクラッシュ量 = g(0,り (2) ただし、 0はサ一ボモー夕部 1の回転検出器 28が検出した検出角度 を表し、 ま電流、 gはサーボモー夕部 1の回転量および電流からバッ クラッシュ量を計算するための関数を示す。
ここで、 関数 を 1次でテイラー展開すると、 ハ、、ックラッシュ量 = gW,0) + ^" i (3) と近似する。
ノ'ックラッシュ補正データ作成モ一ド 64ではバックラッシュ補正 係数 g(6»,0)、 ^ を作成する。 前述のピヅチェラ一補正データ作成モー
oi =o ド 6 3において一時メモリ 42にバックラヅシュ仮データを記録して いるが、 その半分が無負荷時のバックラッシュ係数 g(0,O)である。 即ち 一時メモリに記録されているハ、、ツクラッシュ仮テ、、 -タ , Λ , g ( ) = ( 4 ) と計算できる。
更に、 第 2図の推力受け 29に負荷をかけ、 サ一ボモー夕部 1の回転 量 0において、 測長器 1 1がボールネジ先端位置 L1 を検出し、 電流検 出器 27が電流 iを検出し、 ボールネジリードを L、 サ一ポモ一夕部 1 の回転量 6>におけるピヅチェラ一誤差を £とすると、 負荷時のバックラ ッシュ補正係数^ ^ は、
oi i=o dg Ll-{(Lxe + s) + g(e,0)}
di, (5 ) より求めることができる。
なお、 上式中 {} 内がピッチエラー誤差補正と無負荷時のバックラ ヅ
シュ補正を施した推定位置を示している。
以上のバックラッシュ補正係数演算部 6 0は第 2図の制御回路 2 1 にソフ トウエアプログラムとして実装される。
このときの動作を、 第 7図を用いて説明する。即ち、第 2図の推力受け 2 9へ負荷をかけつつ指令メモリ 2 2に記録されている運転パターン に従って移動指令を生成し、 差分回路 4 1及びコントロ一ラ 4 3によつ て構成されるフィ一ドバック制御によりィンバ一夕回路 2 5を駆動し、 サーボモー夕部 1を運転する。 測長器 1 1が測定したポールネジ 5の先 端位置 L1 と、 回転検出器 2 8が検出した検出角度 6> (回転量) にボー ルネジ 5のリード Lをボ一ルネジリ一ド乗算回路 5 3 aで乗じて推定さ れるボールネジ先端位置と、 前記ピッチエラ一補正データ作成モ一ド 6 3で補正メモリ 2 3に記録した回転量 0におけるピッチエラー誤差 e と、 一時メモリ 4 2に記録した前記バックラッシュ仮データと、 電流検 出器 2 7が検出した電流 iを補正データ演算部 6 0に入力する。 補正デ —夕演算部 6 0は第 2図の制御回路 2 1にソフ 卜ウェアプログラムと して実装され、 上述した式 ( 2 ) 、 ( 3 ) を用いてバックラッシュ係数 g(6>,0)、 ^ を計算し、 補正メモリ 2 3の 0に対応するアドレスへ記録 し、 バックラッシュ補正係数テーブルを作成する。
以上の動作をまとめると第 9図のフローチャートとなる。 まず、 推力 受け 2 9 (第 2図) に推力負荷をかけ (S40) 、 指令メモリ 2 2から制 御回路 2 1に指令を与え、サ一ボモー夕部 1の口一夕 2を正転させる ( S41 ) 。 そして回転検出器 2 8で検出角度 0 (回転量) を検出し(S42 )、 この 6>とボールネジリード長 Lをボールネジリード乗算回路 5 3 a (第 7図) で乗算し (S43) 、 同時に前記 Θに対応したピッチエラー誤差 e を補正メモリ 2 3から読み出し (S44) 、 また前記 0に対応したバック
ラッシュ仮データを一時メモリ 4 2から読み出す (S45 ) 。 また、 測長 器 1 1 (第 2図) でボールネジ 5の先端位置を計測し (S46 ) 、 電流検 出器 2 7でサーボモ一夕部 1の電流を検出する (S47)。そして S42〜S47 で得られたデータから補正データ演算部 6 0 (第 7図) を使って補正係 数 g(0,O)、 を作成し ( S48) 、 前記 6>とともに対応する g(0,O)、
oi i=o oi;-ο を補正メモリ 2 3へ記録する (S49) 。 補正デ一夕演算部 6 0は制御回 路 2 1に実装されたバックラッシュ補正データ作成用プログラムで、 式
( 2 ) 、 ( 3 ) を用いてバックラッシュ補正係数 g(0,O)、 を計算す
di i=o る。 補正メモリ 2 3のァドレス指定は、 前記ピヅチェラ一補正データ作 成モード 6 3と同様である。
なお、 バックラヅシュは負荷が正のときと負のときで一致しない可能 性もあり、 その場合はそれそれの状態を個別に計測し補正する必要があ る。 このため、 S51〜S61のステップを実施することにより逆方向の負荷 がかかる際の補正係数を計算する。
即ち、正転完了した後 (S50) 、 推力受け 2 9にステヅプ S40と逆方向 に負荷をかけ (S51 ) 、 指令メモリ 2 2から制御回路 2 1に逆転指令を 与えてサ一ボモ一夕部 1の口一夕 2を逆転させる (S52 ) 。 そして回転 検出器 2 8で検出角度 0 (回転量) を検出し(S53 )、 この 0とボールネ ジリード長 L をボールネジリード乗算回路 5 3 a (第 7図) で乗算し ( S54) 、 同時に前記 0に対応したピヅチェラ一誤差 eを補正メモリ 2 3から読み出し (S55 ) 、 また前記 0に対応したバックラッシュ仮デ一 夕を一時メモリ 4 2から読み出す (S56) 。 また、 測長器 1 1 (第 2図) でボールネジ 5の先端位置を計測し (S57) 、 電流検出器 2 7でサーボ モー夕部 1の電流を検出する (S58) 。 そして S53〜S58で得られたデー
夕から補正デ一夕演算部 6 0 (第 7図)を使って補正係数 g(0,O)、 を oi ;=o 作成し (S59) 、 前記 0とともに対応する g(0,O)、 を補正メモリ 2 3 oi;-ο へ記録する (S60) 。
最後に逆転計測が終了すれば (S61 ) 、 バックラッシュ補正データ作 成モ一ド 6 4が終了する。
なお、 第 6図のフローチヤ一ト S38で一時メモリ 4 2に記録したバヅ クラッシュ仮データは、 S60 以後使用しないので、 該当部のメモリ領域 は解放してよい。
次に温度補正データ作成モード 6 5について第 2図、 第 1 0図及び第 1 1図を用いて説明する。 この温度補正データ作成モード 6 5では、 温 度変動に伴うボールネジ ·ナツ ト等の熱膨張 ·収縮を補正するためのデ —夕を得、これを補正メモリ 2 3に記録する。 ボ一ルネジ 5等の熱膨張 は、 ボールネジ形状および材質から理論計算することも可能であるが、 この実施の形態では次の手法によりボールネジ 5の熱膨張を計測する。 まず、 シリンダサ一ボモ一夕の出力軸であるボールネジ 5を最大限押 し出し、 測長器 1 1のデータを入力すると同時に上記位置決め誤差運転 作成時の温度を第 2図の温度検出器 3 1を使って検出して、 温度 ΤΓで の位置 Lmax (測長器 1 1のデータ) を記録する。 その後、 シリンダサ一 ボモータの動作保証最高温度 T2まで加熱し、 温度 T2を検出した時点の ボールネジ先端位置 Lmax'を測長器 1 1で計測する。 そして補正係数 £ τ を、
補正係数 ^ ( 6 )
Γ2 -Γ1 と計算し、 補正メモリ 2 3へ記録する。
このときの動作を、 第 1 0図を用いて説明する。 図中、 サンプリング 回路 4 7、 補正データ演算部 4 8、 サンプリング指令部 4 9及び微分回 路 7 2は、 制御回路 2 1に実装されるソフ トウエアプログラムで構成さ れる。 微分回路 7 2は回転検出器 2 8の出力 Θを時間微分して回転速度 を計算し、 サンプリング指令部 4 9へ出力する。 サンプリング指令部 4 9は、 特定の温度またはモー夕回転数でサンプリング回路 4 7へ指令を 出力する。 本例では、 回転速度 0と温度 T2 のいずれかを検出した時点 でサンプリング回路 4 7を駆動する指令を出力する。 サンプリング回路 4 7は、 サンプリング指令部 4 9の指令を検出すると入力されたデ一夕 をサンプリングし、 補正メモリ 2 3または一時メモリ 4 2へ出力する。 補正デ一夕演算部 4 8は、 前記の式 ( 6 ) に従って補正係数 £ Tを計算 する。
まず、 あらかじめ指令メモリ 2 2に記録されている運転パターンに従 つて移動指令を生成し、 シリンダサ一ボモ一夕に内蔵されたサーボモー 夕部 1を、 ボールネジ 5を最大限伸長させるように運転する (第 1 0図 には図示せず) 。 上記運転が完了すると、 微分回路 7 2が出力するサー ボモ一夕部 1 (第 2図) の回転速度が 0となるため、 これをサンプリン グ指令部 4 9が検出してサンプリング回路 4 7を動作させ、 入出力部 2 6から入力したボ一ルネジ先端位置の測定データをサンプリングし、 Lmax として一時メモリ 4 2へ出力し、 同時に温度検出器 (サーミス夕) 3 1が検出した温度 Π を補正メモリ 2 3に記録する。 次に恒温槽 (図 示せず) 等によりシリンダサーボモ一夕を加熱し、 温度検出器 3 1が温 度 T2 を検出したときサンプリング指令 4 9がサンプリング回路 4 7を 動作させ、 入出力部 2 6 (第 2図) を通して入力された測長器 1 1 (第 2図) が測定したボールネジ先端位置 Lmax'を一時メモリ 4 2へ出力す る。 補正データ演算部 4 8は制御回路 2 1に実装された温度補正データ
作成用プログラムで、 一時メモリ 4 2に記録された Lmax、 Lmax\ 補正 メモリ 2 3に記録された温度 T1及び温度 T2から、 前述の式 (6 ) を用 いて補正係数 e Tを計算し、 補正メモリ 2 3へ記録する。
以上の動作をまとめると第 1 1図のフローチャートとなる。 まず、 指 令メモリ 2 2から制御回路 2 1に指令を与え、サーボモ一夕部 1を回転 させてボールネジ 5を最大限伸長させる (S62) 。 サーボモ一夕部 1が 停止したときが、 ボールネジ 5が最大限伸長したときであるので、 回転 検出器 2 8が零速度を検出すると (S63) 、 測長器 1 1により計測した ボ一ルネジ先端位置を Lmax として一時メモリ 4 2へ記録する (S64) ( S65 ) 。 同時に温度検出器 3 1で検出した温度 T1を補正メモリ 2 3へ 記録する(S66 ) ( S67) 。 次に、 シリンダサ一ボモ一夕を加熱し (S68) 、 温度検出器 3 1が温度 T2を検出した時点 (S69) で測長器 1 1が計測し たボールネジ先端位置を Lmax'として一時メモリ 4 2に記録する (S70) ( S71 ) 。 次に、補正デ一夕演算部 4 8がー時メモリ 4 2及び補正メモリ 2 3に記録された上記計測データ (Lmax、 Lmax\ T1 ) 及び温度 T2 を使 つて式 ( 6 ) により補正係数 e Tを計算し (S72) 、 この計算結果である 補正係数 £ Tを補正メモリ 2 3に記録する (S73) 。 最後に指令メモリ 2 2から制御回路 2 1に指令を与え、ボールネジ 5をスタート位置まで戻 るようにサーボモー夕部 1を回転させ (S74) 、 温度補正デ一夕作成モ —ド 6 5を終了させる。 なお、 ステップ S65及び S71で一時メモリ 4 2 に記録されたデ一夕 (Lmax、 Lmax') はステップ S72以後は使用しないた め、 一時メモリ 4 2の該当メモリ領域は解放してよい。
次に通常運転モード 6 1について第 1図、 第 1 2図〜第 1 4図を用い て説明する ' 通常運転モード 6 1でのシリンダサ一ボモ一夕の構成図は第 1図と なる。 図において、外部指令装置 1 9より出力される指令位置を入出力
部 2 6から制御回路 2 1へ入力する。 制御回路 2 1は補正メモリ 2 3に 記録されたデータを使って誤差を補正し、 ィンパ一夕回路 2 5を駆動し てサーボモー夕部 1をサ一ボ制御運転する。 サーボモー夕部 1の回転は 回転自在で軸方向に固定されたボールナツ ト 4を回転させ、 ボールナツ ト 4の回転により軸方向に移動自在で回転を拘束されたボールネジ 5 を前後に動作させる。 ボールネジ 5の移動距離は、 ボールナット 4の回 転量を、 口一夕 2を介して一体に回転する回転検出器 2 8が検出し、 制 御回路 2 1へ出力する。
次に通常運転モードの動作を第 1 2図の制御プロック図を用いて説 明する。 外部指令装置 1 9から入力される指令位置は、 位置決め誤差推 定部 3 0で推定される誤差を差分回路 5 0で差分修正し、 誤差を考慮し た指令位置を作成する。 本修正指令位置をボールネジリード除算回路 5 3 bでサ一ボモー夕回転指令へ変換し、 差分回路 4 1及びコントロ一ラ 4 3で構成されるフィ一ドバック制御によりィンバ一夕回路 2 5を制 御し、 サーポモー夕部 1を駆動する。 一方、 外部指令装置 1 9へ出力す る現在位置デ一夕は、 ボールネジリード乗算回路 5 3 a にて、 回転検出 器 2 8が検出した検出角度 6>にボールネジリード長を乗じ、 位置決め誤 差推定部 3 0で推定される誤差を加算回路 5 1で加算修正して出力す る。 なお、 第 1 2図中、 灰色で塗りつぶされた回路は第 1図の同一符号 のものと同等品を示し、 また補正メモリ 2 3を除く部分の位置決め誤差 推定部 3 0、 差分回路 5 0、 ボールネジ除算回路 5 3 b、 差分回路 4 1、 ボ一ルネジ乗算回路 5 3 a及び加算回路 5 1は、 第 1図に示す制御回路 2 1に実装されるソフトウエアプログラムで構成される。 また、 位置決 め誤差テーブル及びバックラッシュ補正係数テーブルは補正メモリ 2 3に記録された補正データである。
次に位置決め誤差推定部 3 0の動作について説明する。
部品精度や検出器の精度に起因する誤差の補正 (ピッチエラー補正) は、 回転検出器 2 8が検出したサ一ボモー夕部 1の検出角度 0から補正 メモリ 2 3に記録された位置決め誤差テーブルの該当誤差を読み出し、 加算回路 5 2に出力する。
温度変動によるボールネジの収縮は、 温度検出器 3 1の検出温度、 回 転検出器 2 8が検出したサーボモー夕部 1の回転角度 0及び補正メモ リ 2 3に記録されている補正係数 ε τを温度補正演算部 5 5へ入力し、 演算結果を加算回路 5 2へ出力する。 温度補正演算部 5 5では、 ボール ネジのリードを L、 口一夕 9の回転角度を 0、 0 = 0での位置を L0、 温 度 T1 (補正メモリ 2 3に記録された温度補正データ作成時の初期温度) と検出温度の差 Tを使って、 熱膨張による補正量を 温度補正 = '0 + 0 ^ 一 T1 ) ( 7 ) max と計算する。
バックラッシュ補正は、 回転検出器 2 8が検出した検出角度 0に対応 したバックラッシュ補正係数を補正メモリ 2 8のバヅクラヅシュ補正 係数テーブルから読み出し、 また電流検出器 2 7で検出した電流 iをバ ヅクラッシュ補正演算部 5 6へ入力してバックラッシュ量を計算し、 計 算結果を加算回路 5 2へ出力する。 バックラッシュ補正演算部 5 6は式 ( 3 ) の計算を実行するソフトウヱァプログラムで構成され、 制御回路 2 1に実装される。
また、 ボールネジ 5が推力を発生すると応力歪により出力軸先端の位 置に誤差が生じる。 応力歪は推力に比例し、 推力はサ一ボモー夕部 1の トルクに比例し、 サーボモー夕部 1のトルクはサーボモ一夕部 1に流す 電流に比例する。 また、 ボールネジ 5を構成する材質のヤング率および ボールネジの径は一定と考えることができるので、 ボールネジ 5のバネ
定数 (弾性係数) はポールナツ ト 4からボールネジ 5の先端までの距離 に比例すると考えることができる。 即ち、 サ一ポモー夕部 1のトルク定 数を kT、ボールネジ 5の材質のヤング率とボールネジ断面積を乗じたた 値を k、 サ一ボモー夕回転角度 Θ、 ボールネジリード L、 ボールネジ効 率 7?、 Θ = 0でのボールナヅトからボールネジ先端までの距離を L。、 電 流検出器 2 7が検出した電流を iとすると, 応力歪 = ~ ~~ ( 8 )
k と計算できる。 なお、 上式中、 分子はアンプ内蔵シリンダサ一ボモ一夕 部 1の推力、 分母はパネ定数を示す。
即ち、 第 1 2図では電流検出器 2 7が検出した電流 iを jfe力歪演算部 5 7に入力し、 この応力歪演算部 5 7では式 (8 ) を用いて応力歪を演 算し、 この演算結果を加算回路 5 2へ出力する。
最後に通常運転時の補正動作について、 第 1 3図のフローチャートを 用いて第 1図及び第 1 2図も参照しながら説明する。 第 1 3図において、 電源オン(S75 )後、 回転検出器 2 8からサーボモ一夕部 1の回転角度 0 を検出し、 また温度検出器 3 1から温度 Tを検出するとともに、 電流検 出器 2 7から電流 i を検出する (S76) 。 次に補正メモリ 2 3に記録し た位置決め誤差テーブルから回転角度 0に該当する位置決め誤差を読 み出し (S77) 、 同時に温度 T 及び回転角度 Θ等から温度上昇に伴う熱 膨張を温度補正演算部 5 5 (式 ( 7 ) ) で計算し (S78) 、 推力の発生 により生じる応力歪を電流 i、 回転角度 0等から応力歪演算部 5 7 (式 ( 8 ) ) にて計算し (S79) 、 回転角度 0と電流 I 等からバックラッシ ュ補正演算部 5 6 (式 ( 3 ) ) にてバックラッシュ量を計算する (S80) 。 そして以上の総和を補正データとして第 1 2図の加算回路 5 2で加算
する(S81 )。 なお、 ステヅプ S77〜S81は上述した第 1 2図の位置決め誤 差推定部 3 0の処理内容である。 次に、ステップ S81 の計算結果を用い て第 1 2図の差分回路 5 0により入力指令を修正し (S82) 、 サーボモ 一夕部 1をフィードバック運転する (S83) 。 また、 運転結果はモニタ 精度を向上させるため、 第 1 2図の加算回路 5 1の修正 (S84) を経て、 外部指令装置 1 9へ現在位置として出力 (送信) する (S85 ) 。
なお、 第 1 3図中、 S76〜S81、 S82〜S83及び S84〜S85 の各ステップ は、 第 1 4図に示すように非同期に実施することもできる。 即ち、一般 的にはステツプ S83のフィ一ドバック運転は高速に実行し、 補正演算の ステップ S76~ S81 や上位コントローラ (外部指令装置) への出力 S84 〜S85は比較的低速に実行することにより、 S76〜S81、S82〜S83及び S84 〜S85の各ステップを非同期に実施することもできる。 実施の形態 2 .
次に実施の形態 2を第 1 5図〜第 2 1図を用いて説明する。
即ち、この実施の形態 2は、シリンダサ一ボモ一夕を機械装置に組み込 んだ後に、 経年変化や分解補修等によりシリンダサーボモータに誤差が 発生した際に、 シリンダサ一ボモ一夕を機械装置より取り外すことなく 簡易的に位置決め誤差 (ピッチエラ一誤差) を補正するデータを修正す るものである。
第 1 5図はその補正デ一夕を修正するための処理を示すフローチヤ一 ト、 第 1 6図はその制御ブロック図であり、 先ず、サ一ボモー夕部 1を、 指令メモリ 2 2からの正転指令により、 差分回路 4 1、 コントローラ 4 3及び電流制限回路 7 7にてトルク制限しながらサーボ制御運転を行 う(S87 )。 このとき微分回路 7 4は回転検出器 2 8の検出角度を時間微 分して回転速度を計算し、サンプルリング指令部 7 3へ出力する。 また
このとき、 ボールネジリード乗算回路 5 3 aにて、 検出角度にボールネ ジのリード長 Lを乗じ (S88 ) 、 これに位置決め誤差推定部 3 0 (但し ピッチエラー誤差補正を除く) の誤差を加算回路 5 1にて補正し(S89 )、 この補正したものをサンプリング回路 7 5に出力している。 そしてサン ブルリング指令部 7 3が回転検出器 2 8、 微分回路 7 4を通じてサ一ポ モ一夕部 1の回転の停止を検出すると (S90) 、サ一ボモ一夕部 1のボ一 ルネジ 5がスト口一クェンドに達したものとして、 サンプリング回路 7 5に指令を与える。 サンプリング回路 7 5はサンプルリング指令部 Ί 3 からの指令により、 このときの前記検出角度にリード長 Lを乗じたもの に位置決め誤差推定部 3 0の誤差を補正したものを、 ス トロークエンド 推定位置として、 前記検出角度とともに一時メモリ 4 2に記憶する ( S91 ) o また、 サンプリング指令部 7 3の指令は指令メモリ 2 2にも出 力され ¾ので、 正転後、 前記と同様にサーボモ一夕部 1を逆転し、 反対 側のス トロークェンド位置でのス トロークェンド推定位置を検出角度 とともに一時メモリ 4 2に記憶する。 (S92〜S96 )。 次に、 修正係数演算 回路 7 6にて、 一時メモリ 4 2に記憶した経年変化や分解修理等の後の ストロークェン ド推定位置と、 補正メモリ 2 3に記憶されている実際 (稼動当初) のストロークェンド位置 (機械装置固有で既知。 以下、 L 。及び I とする。 第 1 7図参照) とを比較し(S97)、 誤差があれば、 補正 メモリ 2 3の位置決め誤差テーブルに予め記録されている検出角度に 対応したピッチエラー誤差 (=ピッチエラー誤差の補正データ) の修正 係数 (位置決め誤差テーブルに予め記憶されている検出角度に対応した ピッチエラ一誤差を、 ピッチエラー補正時に呼び出す際、 各ピッチエラ
—誤差に対応する検出角度に補正を加えるためのもので、 ピッチエラ一 補正時には、 その補正を加えた検出角度に対応するピッチエラー誤差を 呼び出すことになる。 その詳細については第 1 7図〜第 2 3図を用いて
説明する) を演算し(S98 )、 補正メモリ 2 3に記録する(S99 )。 即ち、修 正係数演算回路 7 6は、 実際のス トロークェンド位置 L i—正転時のス トロ一クェンド推定位置 ==誤差、 実際のス トロークェンド位置 L。—逆 転時のストロークェンド推定位置 =誤差を夫々演算し、これらの演算し た誤差と補正メモリ 2 3に予め記憶されている実際のス トロ一クェン ド位置 L。、 I のピッチエラ一誤差とを夫々比較し、両者の差が 0であれ ば、 経年変化や分解修理等の後であつても前記修正係数の演算は不要と 判断し、また両者の間に差があれば、 前記修正係数の演算は必要と判断 して前記修正係数を演算し、 補正メモリ 2 3に記録する。
なお、 第 1 6図において、電流制限回路 7 7、 サンプリング指令部 7 3、 サンプリング回路 7 5、 微分回路 7 4及び修正係数演算回路 7 6は、 第
2図の制御回路 2 1上で実行されるソフ トウエアプログラムにより構 成されている。
次に位置決め誤差テーブルに予め記憶されている検出角度に対応した ピッチエラ一誤差 (二ピッチエラ一補正データ) を、 ピッチエラー補正 時に呼び出す際、 ピッチエラー誤差に対応する検出角度に補正を加える ための修正係数、 及びこの修正係数を演算する修正係数演算回路 7 6に ついて説明する。
即ち、補正メモリ 2 3に記録されたピッチエラー誤差は、第 1 8図に示 すように、回転検出器 2 8が検出するボールネジ 5の検出角度 Xを横軸 に、 ピッチエラー誤差を縦軸にとり、 補正メモリ 2 3に記録されたピッ チェラ一誤差を検出角度 JCに対応してプロッ トすれば、 e = _ (x)とする関 数により表現することができる。 補正メモリ 2 3に記録されたピッチェ ラ一誤差に対応する検出角度に修正を加え、ピッチエラ一補正時に、こ の修正を加えた検出角度に対応するピツチエラー誤差を呼び出すこと は、 関数 / (ぶ)を修正することと同義である。 以下、 関数 ( )及び
e = /(x)をグラフ化した際の誤差波形を使って、 修正係数及びこの修正 係数を演算する修正係数演算回路 7 6について説明する。
なお、 本修正では温度補正、 バックラッシュ補正及び応力歪補正は変 動しないと仮定し、 以下ではピッチエラ一補正を除く補正 (温度補正、 バックラッシュ補正、 応力歪補正) 後を前提として説明する。
即ち、ス トロークエンド位置と、 出荷当初の機械装置に組みつけられ た直後の回転検出器 2 8の検出角度、 再測定時 (経年変化や分解補修等 により誤差が発生したとき) の回転検出器 2 8の検出角度を次表のよう Λΐ 我 ο
第 1 7図は上記数値を、 モデルを使って説明した図である。 図左の ( a ) が出荷当初の機械装置に組みつけられた直後の状態、 図右の(b ) が再測定時 (経年変化や分解補修等により誤差が発生したとき) の状態 を示し、 図上が、 ボールネジ 5の先端に固定されたバ一 6 6がストロー クェンド位置 L。でス トヅパー 6 7の一方に接触した状態を、 また図下 が、 ボ一ルネジ 5の先端に固定されたバー 6 6がストロ一クェンド位置 L 丄でストッパー 6 7の他方に接触した状態を示している。 なお、 バー 6 6とス トヅパ一 6 7は、 本シリンダサ一ボモ一夕が組みつけられた機 械のス トロークを図示するためのモデルである。 また、 図中、 x 。、 X ! + ε\ χ。 + £は、 ボールネジ 5の先端部が各スト ロークェンド位置 L
0、 にあるときの、 回転検出器 2 8の検出角度を示す。
そしてストヅパー 6 7の位置は変動しないと仮定しているため、 スト
ロークエンド位置は、 図左上と図右上では同じ L iであるが、 回転検出 器 2 8の検出角度は の誤差を生じている。 図左下と図右下も同様の関 係にあり、 ストロークエンド位置は L。であるが、 回転検出器 2 8の検 出角虔は <£の誤差を生じている。
誤差を補正するためのデータは、 ス トロークエンド位置 L。と L iの 2 点しか得ることが出来ないが、 2点間の誤差波形は当初測定した誤差波 形と相似であると推定される。 ここで、 誤差波形グラフ β = /(χ)が変動 したため、 既存の誤差波形 e = /(x)による補正では上表の再測定時の検 出角度で εまたはお,で示すような誤差を生じると考えることができる。 第 1 8図〜第 2 0図にその様子を図示する。
第 1 8図は 6 = /(ズ)を示すグラフで、横軸は回転検出器 2 8の検出角度、 縦軸はピッチエラー誤差である。 点線は誤差波形 e = /(x)で、 位置決め 誤差はピッチエラ一誤差に一致するため、 検出角度 iの位置 (=スト口 ークエンド位置 L で pのピッチエラー誤差が存在し、また検出角度ぶ。 の位置 (二ス トロークエンド位置 L。) で p 'のピヅチェラ一誤差が存 在する。 なお図中の定義域とは、 当初のシリンダサ一ボモ一夕単体での 動作範囲で、 動作範囲で示した範囲 (ぶ。〜 A) が機械取付け時の動作範 囲 (=ストロークエンド位置 1^—ストロークェンド位置 L 0 ) である。 経年変化や分解補修等による変動により、 位置決め誤差位置 6 8、 6 9が位置決め誤差位置 7 0、 7 1へ変動した場合を示した図が、 第 1 9 図である。 本実施の形態では、 この変動は絰年変化や分解補修等により 誤差波形 e = f(x)が変動したものと考えて実線で示すように誤差波形 e = /( c)を平行移動したと仮定して、 誤差波形 e = /(;c) (即ちピッチエラ 一補正デ一夕) を修正するものであり、 第 1 9図では矢印で示す方向へ 平行移動している。
第 2 ◦図は、 第 1 9図に詳細説明を加えた図である。 シリンダサ一ボ
モー夕単体の動作範囲は修正前の定義域と一致するが、 誤差波形の修正 を施した後の定義域は、 第 2 0図に示すように修正前に比較して左へず れているため、 シリンダサ一ボモ一夕単体の動作範囲内ではあるがピッ チェラ一補正データの領域を越えた補正できない領域 (図中補正不能領 域) が発生する。 しかし、 実際の使用領域は図中の動作範囲 (修正後) で示す領域のため、 実用上問題はない。
次に、 上記誤差波形グラフの変動を誤差波形グラフ e= f ( が
+ bの位置に平行移動したと仮定して、 修正係数 aおよび b を求める手法の一例について説明する。 第 1 8図〜第 2 0図の例では、 位置決め誤差位置 7 0、 7 1は修正後の誤差波形グラフ e= /(x- )+ b 上にあるが、 実際には誤差波形グラフ β= /(χ)を平行移動で修正しても 位置決め誤差位置 7 0、 7 1の 2点を同時かつ完全に補正する修正係数 a、 bは存在しない場合が多い。 そこで、 aおよび bは小さい校正量 (誤差波形グラフの平行移動量) で、 かつ校正後のストロークエンド位 置の推定誤差が小さくなるように決定する。
例えば、 最小 2乗法を用いて係数を決定するには、
( 9 ) とし、 評価関数 Jを最小とする a、 bを計算する。 なお、 式 ( 9 ) の 第 1 項は真のス ト ロークエ ン ド位置 L 。 と誤差波形グラ フ e=f(x-a)+ bによるサ一ボモ一夕回転量からの推定位置との誤差の大 きさを示し、 第 2項は真のストロークエンド位置 Li と誤差波形グラフ e=/( -a)+ bによるサーボモー夕回転量からの推定位置との誤差の大 きさを示し、 第 3項が平行移動距離を示す。 また、 ωは重みで、 平行移 動量 a、 bとス トロークェンドでの推定位置精度のバランスを決定する。 が小さい場合は校正後の精度より、 校正量を少なくする事に重点を置
く事を意味し、 ωが大きい場合は校正後のストロークェンド推定位置の 精度を重視する計算結果を得られる。上記手法で計算した a、 bを用い て誤差関数 /(c- a)+ bを校正後の誤差関数 /(ぶ)とする。 なお、 通常、 a、 bを陽関数の形で直接求める事は出来ないため、繰り返し計算で、 以下の式( 10 )( 1 1 )の a、 bを計算し、 上記評価関数/が最小となる a、 bを求める。 なお aは横軸方向の平行移動可能範囲で
|a|≤ min(x0 - X0,XV -x) ( 1 0 ) を満たす範囲にある。 ただし、 。、 1は制御装置内蔵シリンダサーボ モ一夕単体でのストロ一クェンド位置を示し、 X。 ≤ 。≤ ≤ とする。 即ち aが式 ( 1 0 ) の範囲にあれば、 ≤ X≤ を満たす; cにおいて f{x- a)+bを計算可能である。 (実施の形態 1の位置決め誤差テープ ル作成運転では;。≤;<:≤ において /( )のデ一夕を取得しているため) a = max( 0 -x0,xi-Xl) + h*i ( 1 1) b {L0 - (x0 + g。 + f(x0 + £。一 a))} + [L, - (xl +ε, + f(x, + gt - a))> (12) 一 2
{ max(Z0 -x0,xl -X1) + h*i≤ min( 0 - X0,Xl - (13) なお上式において、 は関数 /()の刻み幅、 ίは計算中に現れるカウン ト数 (負でない整数) である。 また、 式( 1 3 )は、 式 ( 1 0 ) の aの範 囲を表す式に式( 1 1 )を代入したものである。 また、 式( 1 2 )は、 aを 固定したときのストロ一クェンド位置と、 校正位置決め誤差テーブルで 補正した推定ス トロ一クェン ド位置の誤差の和が ± 0となるように b を定めるものである。 以上の計算は修正係数演算回路 7 6で行われる。 また、この計算をフローチャートにまとめたものが、 第 2 1図である。 第 2 1図において、まず、 初期値 ίを設定し(S96)、 JBinに初期値を設定 する(S97)。 式 ( 9 ) ( 1 1 ) ( 1 2 ) より a、 b、 Jを計算後 (S98
〜S100) 、 J と Jを比較し(S101)、 J >Jであれば、 a、 b、 Jを ηヽ bmin、 として保存し(S102)、 また Jmin >Jでなければ、 ステツ プ S103に移行する。次に を 1つカウントァヅプし(S103)、 が式( 1 3 ) を満たすか否かを判断し (S104) 、 /が式( 1 3 )を満たさないときは、 以上の手法で得られた a^ を修正係数 a、 bとして、 補正メモリ 2 3に記録して (S105) 終了する。 また が式 ( 1 3 ) を満たすときは S98へ戻り、 S98〜S103を繰り返す。
上記手法で計算された修正係数 a、 bは、 補正メモリ 2 3に記録され、 通常運転時には次式により修正係数 a、 bを使用してピッチエラ一補正 データを計算するのに用いられる。 '
即ち、アドレス iのデータを d[i]とすると角度 0のピヅチェラ一誤差 は式 ( 1 ) から
/ β \
d floor]― I + Offset として求められるが、 修正後は上記 a、 bを用い \ N / て
+ Offset +bと計算し、 ピヅチェラ一補正データとして用
いられる 実施の形態 3.
なお、 修正係数の求め方として、 実施の形態 2で説明したような求め 方により求めることなく、簡易的に . a_ g + gf b = 。一 (Xp + g0 + /( 0 + g0 - a))} + {Lt - (x, +gt + f(x1 + ει -a))} 2 2
( 14) または
a = 0、 = L -^- ( 1 5 )
2 と求めてもよい。 前者は制御装置内蔵シリンダサーボの分解等により 検出器と出力軸の相対位置に誤差が発生した場合の校正式であり、 例え ば回転直線変換機構を分解し、 ロータとナツ トゃ出力軸の取付け角度が 変化した場合に発生する。 これは第 2 3図に相当し、 横軸方向に平行移 動して誤差波形 e = /(x)を修正する。 後者はストロ一クェンド位置の誤 差をオフセッ トとして差分修正するもので磨耗等によるボールネジ長 の変動修正に相当する。 これは第 2 2図に相当し、 縦軸方向に平行移動 して誤差波形 e = /(x)を修正する。 実施の形態 4 .
また、 上記実施の形態 2 , 3においては、 位置決め誤差テーブルに予 め記憶されている検出角度に対応したピッチエラ一誤差 ( =ピヅチェラ 一補正デ一夕) を、 ピッチエラー補正時に呼び出す際、 ピッチエラー誤 差に対応する検出角度に補正を加えるための修正係数を求め、この補正 係数に基づいて補正された検出角度に対応する位置のピツチエラー誤 差を補正メモリ 2 3より呼び出してピッチエラ一補正を行うものにつ いて説明した。 即ち、 経年変化や分解補修等により誤差が発生したとき であっても、 補正メモリ 2 3に予め記憶されている検出角度に対応した ピッチエラー誤差データそのものを修正することなく、 その誤差を修正 できるものについて説明したが、 これとは相対的に、 上記修正係数に基 づぃて前記ピッチエラ一誤差データそのものを修正しておき、 回転検出 器 2 8にて検出される検出角度には修正を加えないで上記誤差を修正 するように構成してもよい。
以上のように、 この発明によれば、 回転子を有するサーボモ一夕部と、 このサーボモー夕部の回転軸に設けられ、回転軸の回転動作を直線動作 に変換する回転直線変換機構と、 サーボモ一夕部の電流を検出する電流 検出器と、 サ一ボモ一夕部の回転角度を検出する回転検出器と、 前記サ ーボモー夕部を制御する制御部とを備え、 サーボモー夕部と制御部とを 機械的に一体化した制御装置内蔵型シリンダサーボモ一夕において、 制 御部に、 サーボモー夕部に対する位置決め誤差測定用の指令を記憶した 指令メモリと、 この指令メモリに記憶された指令に基づいて動作する回 転直線変換機構における出力軸の位置を測長する測長器の測定結果及 び外部指令装置の指令を入力する入力手段と、 制御装置内蔵型シリンダ サーボモ一夕を通常運転モード及びテス ト運転モードの何れかのモー ドに切替える運転モード切替手段と、この運転モード切替手段にてテス ト運転モードに切替えられたとき、 回転検出器が検出した検出角度に基 づいて回転直線変換機構における出力軸の推定位置を演算するととも に、 この演算された出力軸の推定位置と入力手段を通じて入力された測 長器の測定結果とに基づいて位置決め誤差補正デ一夕を演算する位置 決め誤差補正デ一夕演算手段と、 この位置決め誤差補正デ一夕演算手段 にて演算された位置決め誤差補正デ一夕を記憶する補正メモリと、 運転 モード切替手段にて通常運転モードに切替えられたとき、 補正メモリに 記憶された位置決め誤差補正デ一夕に基づいてサーボモータ部を位置 決め誤差補正して制御する手段とを設けたので、 シリンダサーボモ一夕 の位置決め誤差補正データの作成に際し、測長器以外の試験装置を必要 とせず、 よって出荷工場以外での保守点検、 修理等による再補正データ 作成を容易に実施できる。 また、 出荷工場における誤差補正データ作成 においても特別な試験装置を必要としないため試験装置の製作や設置 の費用を削減することが出来る。
また、 入力手段として、 測長器の測定結果を入力する入力手段と外部 指令装置の指令を入力する入力手段とを兼用しているため、 入力のため のコネクタや通信のための回路を一つ用意すればよく、 部品点数の削減 ゃコス トダウンが可能である。
またこの発明によれば、 制御部に、運転モード切替手段にて通常運転 モードに切替えられたとき、 補正メモリに記憶されたデータ、 回転検出 器の検出データ及び電流検出器の検出データに基づいてバックラッシ ュ補正データを演算する手段と、この演算手段にて演算されたバックラ ヅシュ補正データに基づいてサ一ボモー夕部をバックラヅシュ誤差補 正して制御する手段とを設けたので、高精度のバックラッシュ補正を掛 けることができる。 また、 バヅクラッシュ補正演算はシリンダサーボモ —夕の制御部で演算されるため、 外部指令装置がバックラッシュ量を計 算する場合と異なり、 通信による無駄時間が無く リアルタイムでバック ラッシュ量を推定できる。
またこの発明によれば、 制御部に、運転モード切替手段にてテス ト運 転モ一ドに切替えられたとき、 バックラッシュ補正データ演算に使用す るデ一夕を作成し、 この作成したデータを補正メモリに記憶させる手段 を設けたので、シリンダサ一ボモ一夕のバックラッシュ補正データ演算 に使用するデータの作成に際し、測長器以外の試験装置を必要とせず、 データ作成を容易に実施できる。
またこの発明によれば、 回転直線変換機構の温度を検出する温度検出 器を備え、且つ前記制御部に、運転モード切替手段にて通常運転モード に切替えられたとき、 補正メモリに記憶されたデ一夕及び前記温度検出 器の検出データに基づいて温度誤差補正デ一夕を演算する演算手段と、 この演算手段にて演算された温度誤差補正データに基づいてサーボモ —夕部を温度誤差補正して制御する手段とを設けたので、ユーザ一や外
部指令装置を介在させることなく発熱による温度上昇を、 シリンダサ一 ボモ一夕単体で補正することができる。 また、 温度検出器もシリンダサ
—ボモ一夕内に持っため、 機械側で温度検出器の設置や、 温度検出器の デ一夕を伝達するためのケーブル及び処理回路を設計 ·製作する必要が ないため、 機械装置全体でのコスト削減や小形化を実現できる。 更に、 溘度検出器と制御部の距離を短くできるため、 温度検出器から制御部の A D変換器間の信号劣化を防ぎ、 高精度の補正が可能である。
またこの発明によれば、 制御部に、前記運転モード切替手段にてテス ト運転モードに切替えられたとき、 温度誤差補正データ演算に使用する データを作成し、 この作成したデータを補正メモリに記憶させる手段を 設けたので、シリンダサーボモ一夕の温度補正データ演算に使用するデ 一夕の作成に際し、測長器以外の試験装置を必要とせず、 データ作成を 容易に実施できる。
またこの発明によれば、 制御部に、 運転モード切替手段にて通常運転 モードに切替えられたとき、 電流検出器の検出データに基づい 回転直 線変換機構の出力軸の推力を演算するとともに、 この演算した推力に基 づいて回転直線変換機構の出力軸の応力歪データを演算する応力歪演 算手段と、 この応力歪演算手段にて演算された応力歪データに基づいて サーボモータ部を応力歪補正して制御する手段とを設けたので、高精度 の応力歪補正を掛けることができる。 また、 補正演算はシリンダサ一ボ モータの制御部で演算されるため、 外部指令装置が応力歪を計算する場 合と異なり、 通信による無駄時間が無く リアルタイムで応力歪補正を掛 けることができる。
またこの発明によれば、制御部に、 回転検出器が検出する検出角度に 対応して複数の位置決め誤差補正データを予め記憶したメモリと、 制御 装置内蔵型シリンダサーボモ一夕を機械装置に組み込んだ状態で回転
直線変換機構の出力軸をス トロ一クエンド位置まで移動させた時にお ける出力軸のストロ一クェンド推定位置を演算するとともに、 この演算 された出力軸のストロークェン ド推定位置と機械装置固有のストロ一 クェンド位置とを比較し、両者の間に差がある場合、その差に基づいて、 位置決め誤差補正時に、 メモリに記憶された複数の位置決め誤差補正デ 一夕中から差に基づく位置決め誤差を修正できる特定の位置決め誤差 補正データを呼び出すデータ、 またはメモリに予め記憶された複数の位 置決め誤差補正デ一夕そのものを修正するデータを演算する演算手段 とを設けたので、 測長器を使用せず、 機械装置に取付けたままで特別な 装置を使用することなく位置決め誤差補正データを校正することがで きる。
また、上記各発明は温度検出器の設置を除き、シリンダサ一ポモ一夕に 追加的な機構や部品を必要とせず、制御部の S /W変更のみで対応する 事が可能なため、 シリンダサ一ボモ一夕をコストアップすることなく実 現する事が可能である。 産業上の利用可能性
以上のように、 この発明にかかる制御装置内蔵型シリンダサ一ボモー 夕は、 油圧シリンダまたは空圧シリンダを使用する機械装置において、 油圧シリンダまたは空圧シリンダの代替品として用いられるのに適し ている。