WO2002069432A1 - Pile a combustible - Google Patents

Description

明 細 書 燃料電池 技術分野

本発明は、 燃料電池に関するものであり、 更に詳しく は燃料電 池を構成する複数のセルに改質ガスを均一に分配供給できるよ う にした燃料電池に関するものである。 背景技術

燃料電池は、 通常炭化水素系の原燃料ガスを改質器で水素リ ッ チガスに改質し、 この改質ガスを燃料電池の燃料極に供給すると 共に、 外部から取り込んだ空気を空気極に供給し、 固体高分子等 からなる電解質膜を介して燃料極の水素ガス と空気極の酸素ガ ス とによ り電気化学反応が生じて電力と水とを生成する。

このよ うな燃料電池は、 従来においては例えば図 5に示すよ う に電解質膜 Aの一方の面に燃料極 B、 他方の面に空気極 Cを設け たセル Dを、 セパレータ Hを介して多数積層して積層体 Eを形成 し、 この積層体 Eの両端に締付板 Fを当てて複数 （図では 4本） のタイ ロ ッ ド Gを挿通して締め付け一体化してなる構成のもの が知られている。

前記燃料極 B (空気極 Cも同様であるが） は、 通常複数の溝 （ガ ス通路） を形成した板状のセパレータ Hを介して改質ガス,が供給 され、 このセパレータ Hは例えば図 6に示すよ うに一方の端部に ガス供給用のマユホール ド I が前記各溝に連通状態で形成され る と共に、 このマ二ホールド I の端部にガス供給口 Jが設けられ, 他方の端部にはガス排出用のマ二ホール ド Kが各溝に連通状態 で形成されると共に、 このマユホールドの端部にはガス排出口 L が設けられている。 従って、 改質ガスはガス供給口 Jからガス供 給用マ二ホールド I 内に流入し、 このガス供給用マ二ホールド I から各溝内を流れてガス排出用マ-ホールド K内に流入し、 この ガス排出用マ二ホール ド Kからガス排出口 Lを経て外部に排出 される

上記のよ うな構成の燃料電池においては、 電池性能上各セル D の燃料極 Bに改質ガスが均一に供給されることが要求されるが、 その要求を満足できない問題があった。 即ち、 前記積層体 Eでは、 図 7に模式的に示すよ う に前記ガス供給口 J が連結して トンネ ル状の内部マ二ホールド Mが形成され、 この内部マ二ホールド M の一方の端部 （入口側） から改質ガスが供給されること となる。 この場合、 内部マ二ホールド M内に供給される改質ガスは、 流速 が徐々に弱まるため入口に近いセル Dほど多量の改質ガスが流 れ込むが、 入口から遠いセル Dほど改質ガスの流入量は減少する 傾向がある。 このため、 各セル Dでの起電力にバラツキが生じて 燃料電池の性能が低下してしま う。

このよ うな問題を解決するため、 従来においては例えば入口側 マ二ホール ドのガス導入部にガス拡散用空間とガス整流板を設 け、 各セルに改質ガスを供給するよ うにした燃料電池 （特開平 8 - 2 9 3 3 1 8号公報） が知られている。 又、 燃料ガス流路溝の 深さが入口側から出口側に向かって漸次浅く なる よ う に形成す る と共に、 その燃料ガス流路溝に整流板を設けた燃料電池 （特開 平 7— 2 8 8 1 3 3号公報） も開示されている。 又、 燃料ばかり でなく酸化剤の分配も力ソード （空気極） 反応への影響が大きく 問題である。 更に、 冷却水の分配は温度分布の不均一化につなが り 、 同様に問題であった。

しかしながら、 このよ うに改良された燃料電池では、 構造の複 雑化と構造部品の増加を招く難点がある。 そこで、 本発明は、 構 造の複雑化を招く ことなく、 部品点数の増加を最小限に抑えなが ら各セルに改質ガスを均一に分配供給できるよ う にした燃料電 池を提供するこ とを目的とする。 発明の開示

上記の目的を達成するための手段と して、 本発明は、 電解質膜 の一方の面に燃料極、 他方の面に空気極を設けたセルを、 セパレ ータを介して多数積層することで積層体を形成し、 この積層体内 に燃料、 酸化剤乃至冷却剤をセルに分配する供給乃至排出マニホ 一ルド （以下、 内部マ二ホールド） を設けてなる燃料電池におい て、 前記積層体の少なく とも 1つの内部マ二ホールド内を貫通す る円筒乃至円柱状貫通材を有し、 この円筒乃至円柱状貫通材と内 部マ二ホールド内壁との間に適宜の隙間が存在する構成と した 燃料電池を要旨とするものである。

又、 前記円筒乃至円柱状貫通材が、 前記積層体を締め付け一体 化させる締付部材を構成するタイ ロ ッ ドの少なく と も 1つであ ることを特徴とする燃料電池を要旨とするものである。

更に、 前記円筒乃至円柱状貫通材には多孔質体が巻かれており . この多孔質体によ り前記隙間を塞ぐこ とを特徴とする燃料電池 を要旨とするものである。

上記の構成を有する本発明に係る燃料電池は、 積層体を締め付 け一体化するタイ ロ ッ ドの役目 を果たす円筒乃至円柱状貫通材 を用いて内部マユホール ドに供給されるガスの整流部材とする こ とから、 構造が複雑になることはない。

又、 本発明に係る燃料電池は、 円筒乃至円柱状貫通材には多孔 質体が巻かれており、 この多孔質体で隙間を塞ぐことでガスの整 流をよ り一層均一化することができる。 更に、 本発明に係る燃料 電池は、 上記の手段によ り増加する部品点数は極めて少ない。 図面の簡単な説明

図 1 は、 本発明に係る燃料電池の実施形態を模式的に示す説明 図である。

図 2は、 図 1 を側面から見た略示的説明図である。

図 3 は、 本発明に係る燃料電池の他の実施形態を側面から見た 略示的説明図である。

図 4は、 本発明に係る燃料電池の他の実施形態における貫通材 の断面図である。

図 5 は、 一般的な燃料電池の構成例を示す説明図である。 図 6 は、 一般的な燃料電池におけるセパレータの一例を示す説 明図である。

図 7は、 従来の燃料電池における各セルへの改質ガス供給状態 を模式的に示す説明図である。 発明を実施するための最良の形態

次に、 本発明に係る燃料電池の実施形態について添付図面を参 照しながら説明する。

図 1 は、 本発明に係る燃料電池を模式的に示すもので、 多数の セル 1 がセパレータ （図略） を介して積層されることで積層体 2 が形成され、 この積層体 2 の両端に締付板 3を当てて円筒乃至円 柱状の貫通材 4 を含む複数のタイ ロ ッ ドによ り締め付け一体化 するこ とで燃料電池 5が構成されている。

この場合、 図示は省略したが前記セル 1 は固体高分子電解質膜 の一方の面に燃料極、 他方の面に空気極が設けられ、 これらの極 にはセパレータを介して改質ガスの通路面 （燃料室） と空気の通 路面 （空気室） とがそれぞれ気密に配設されている。 又、 複数の タイロ ッ ドについては、 貫通材 4以外の図示されていないタイ口 ッ ドは通常は燃料電池 5の四隅部を締め付け、 貫通材 4は内部マ 二ホールド 6内を貫通しており、 内部マ二ホール ド 6内に供給さ れる改質ガスの整流部材と しての役割を兼ねている。 この貫通材 4は、 図 3のよ うに燃料電池 5の隅部に位置させることも可能で あり、 その場合にはタイ ロ ッ ドの本数を増やさずに済む。

前記内部マ二ホール ド 6は、 燃料電池 5の内部を積層体 2 の厚 さ方向に沿って貫通するよ う に設けられて密封空間となってお り、 一方の端部にはガス供給口 6 aが設けられ、 側部は前記各セ ル 1へのガス供給口即ち燃料極側セパレータ （図略） のガス通路 口 1 a に対面している。 従って、 前記ガス供給口 6 aから内部マ 二ホールド 6内に供給される改質ガス （燃料） は、 燃料極側セパ レータのガス通路口 1 a から各セル 1 に供給されるこ と となる。 各セル 1へのガス供給口 と して燃料極側セパレータのガス供給 用マ二ホールド （図略） を用いるようにしても良い。 その場合に は、 ガス供給用マ二ホールドを介して各セルに改質ガスが供給さ れる。

各セル 1 に供給された改質ガスは、 その改質ガス中の水素ガス と前記空気極に供給された空気中の酸素ガス （酸化剤） とで電解 質膜を介して電気化学反応が生じ、 電力と水とが生成される。 各 セル 1で未反応に終わった改質ガスは、 前記ガス排出用マ二ホー ル ド内に流入すると共にガス排出口から排出される。 排出された 未反応改質ガスは、 前記改質器のパーナに送り込んで燃焼させる, 前記貫通材 4は、 図 2に模式的に^すよ うに内部マ二ホール ド 6へのガス供給口 6 a と、 内部マ二ホールド 6から前記各セル 1 へのガス通路口 1 a との間に位置して仕切るよ うに配置され、 こ の貫通材 4 と内部マ二ホール ド 6 との間には貫通材 4の長さ方 向に沿つて両側に適宜の隙間が生じるよ うにしてある。

このよ うに構成された本発明に係る燃料電池 5は、 内部マニホ 一ルド 6 内に改質ガスが供給されると、 貫通材 4で流路が狭めら れていることから整流され、 そのため内部マ二ホールド 6内での ガス拡散が促され、 各セル 1へのガスの分配供給が均一化される, 即ち、 この場合にはガス供給口 6 a に近いセルと遠いセルとで、 改質ガスの供給量に差が生じることはなく 、 各セル 1での起電力 にバラツキが生じるこ となく燃料電池 5 の性能を向上させるこ とができる。 貫通材 4によるガス整流作用は、 貫通材 4の片側の みに隙間を設けて実施するこ とも可能である。

図 4は、 本発明の他の実施形態における円筒乃至円柱状の貫通 材を示すもので、 その貫通材 4の外周面に多孔質体 7を巻き付け た例である。 多孔質体 7 と しては、 例えば網状物、 小孔状物、 ポ 一ラス状物等が使用でき、 改質ガスは高温であるため例えばレー ョ ン樹脂 Zポリ エステル樹脂、 ァラ ミ ド樹脂 Zポリエステル樹脂 等耐熱性のものが好ましい。

この多孔質体 7を巻き付けた貫通材を用いて、 前記内部マニホ 一ルド 6 との隙間を塞ぐよ うに構成すれば、 その多孔質体 7によ つて更にガス拡散を増大させるこ とで各セル 1 へのガスの分配 をよ り一層均一化させることができる。 以上燃料と して改質ガス を一例と して述べたが、 水素やメタノール等の燃料に対しても有 効である。 又、 空気 （酸化剤） や冷却水 （冷却剤） に対しても同 様の効果が得られる。 産業上の利用可能性

以上の本発明によれば、 燃料電池の内部マユホールドに供給さ れた改質ガスが各セルへ分配される前に円筒乃至円柱状貫通材 によ り整流されるよ うに構成したので、 構造の複雑化を招く こと なく且つ部品点数の増加を抑えながら各セルに燃料、 酸化剤乃至 冷却剤を均一に分配供給することが可能となり、 その結果各セル でバラツキが生じることなく安定した発電が行われ、 燃料電池の 性能を向上させる効果が得られる。

Claims

請求の範囲

1 . 電解質膜の一方の面に燃料極、 他方の面に空気極を設けたセ ルを、 セパレータを介して多数積層するこ とで積層体を形成し、 この積層体内に燃料、 酸化剤乃至冷却剤をセルに分配する供給乃 至排出マ二ホールド （以下、 内部マ二ホールド） を設けてなる燃 料電池において、 前記積層体の少なく とも 1つの内部マユホール ド内を貫通する円筒乃至円柱状貫通材を有し、 この円筒乃至円柱 状貫通材と内部マ二ホール ド内壁との間に適宜の隙間が存在す ることを特徴とする燃料電池。

2 . 前記円筒乃至円柱状貫通材が、 前記積層体を締め付け一体化 させる締付部材を構成するタイ 口 ッ ドの少なく と も 1 つである こ とを特徴とする請求項 1記載の燃料電池。

3 . 前記円筒乃至円柱状貫通材には多孔質体が卷かれており、 こ の多孔質体によ り前記隙間を塞ぐ請求項 1又は 2記載の燃料電 池。