WO2002066633A1 - Banque de lectines - Google Patents

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Tatsuro Irimura
Mariko Matsumoto
Mijung Yim
Takashi Ono
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Tatsuro Irimura
Mariko Matsumoto
Mijung Yim
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/415Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from plants
    • C07K14/42Lectins, e.g. concanavalin, phytohaemagglutinin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/01Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif
    • C07K2319/02Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif containing a signal sequence

Description

明 細 書 レクチンライブラリ 技術分野
本発明は、 レクチンを用いて細胞表面等にある糖鎖を判別する技術に関する。 さらに、 本発明は、 所定の細胞や糖蛋白質に対してその種類の同定を簡易かつ確 実に行ない得る、 レクチンを使用した糖鎖解析用ライブラリ、 並びに当該糖鎖解 析用ライブラリを使用して細胞の種類の同定を行う方法に関する。 技術背景
近年、 糖鎖に書き込まれた暗号を解読することができれば、 生物学に新しい地 平が開かれるといわれている。 多様な糖鎖を解析するためのツールとして、 また 生体内で暗号を読みとっている分子候補として、 糖結合蛋白質 (レクチン) が挙 げられる。 しかし、 糖鎖の種類に対してそれを認識する既知のレクチンの種類は 限られており、 動物及ぴ植物由来のものを合わせても糖鎖の多様性と対応させる には十分とはいえないのが現状である。
即ち、 糖鎖の多様性に対応できるほどの数の種類のレクチンを得ることができ れば、 多様な糖鎖を解析するためのツールとして大いに期待できることになる。 また、 糖鎖構造の解析を行うまでもなく、 糖鎖の解析をパターンで行うことが好 ましい。 発明の開示
本発明では、 以上のような課題に鑑み、 所定のレクチンを生成する、 いわゆる レクチン遺伝子を特定し、 それを改変し、 多様なレクチンを生成させ、 複数種類 のレクチンを含むレクチンライプラリを形成することとした。 また、 形成したレ クチンライブラリを用いて糖鎖を持つ細胞の同定を行うこととした。 たとえ、 糖 鎖の構造解析が十分でなくとも、 糖鎖の違いとして現れる細胞の違い (種類、 正 常 ·異常の区別等を含む) や糖蛋白質の糖修飾の違いや糖鎖をマーカーのように ぶら下げた物質の識別等の糖鎖織別ツールとして用いることができる。 逆に、 細 胞の違いや糖蛋白の糖修飾の違いや糖鎖マーカーとの対応が明確であれば、 糖鎖 の構造に蝕れることなく、 レクチンライブラリとの関係から、 上述の細胞の違い や糖蛋白の糖修飾の違いや糖鎖マーカーを識別できることになる。
'特に、 本発明においては以下のようなものを提供する。
(1) 所定の糖鎖に特異的に結合し得る複数種類の複数レクチンを含むこと を特徴とするレクチンライブラリ。 尚、 レクチンライブラリの構成要素の一部が 欠けていたとしても、 全体としてレクチンライブラリの機能が保たれる場合は、 レクチンライブラリに含むことができる。
(2) 前記所定の糖鎖が細胞表面の糖鎖であることを特徴とする上記 (1) に記載のレクチンライブラリ。
(3) 前記複数種類の複数レクチンには、 所定の部位が改変された改変レク チンが含まれることを特徴とする上記いずれかののレクチンライブラリ。
(4) 前記複数種類の複数レクチンが MAH派生レクチンであり、 前記所定 の部位がループ Cとループ Dのいずれか一方又は両方であることを特徴とする上 記 (1 ) 〜 (3) のいずれかに記载のレクチンライブラリ。
(5) 前記複数種類のレクチンには、 糖鎖を認識するループ部のアミノ酸配 列がランダマイズされているレクチンが含まれる,ことを特徴とする上記 (1) 〜
(3) のいずれかに記載のレクチンライブラリ。
(6) 上記 (1) 〜 (5) のいずれかに記载のレクチンライブラリに含ま れるレクチンを生成する遺伝子からなる遺伝子ライブラリ。
(7) 上記 (6) に記載の遺伝子ライブラリを用いてレクチンライブラリ を製造する方法。
(8) 細胞表面の糖鎖に特異的に結合し得る複数種類のレクチンを含むレ クチンライブラリを同定の対象となる細胞に対して適用をし、 当該適用をするこ とによって得られた結合パターンから当該細胞の種類を同定することを特徴とす る細胞の種類の同定方法。
(9) 前記複数種類のレクチンには、 所定の部位が改変された改変レクチ ンが含まれることを特徴とする上記 (8) に記載の同定方法。 ( 1 0 ) 前記複数種類のレクチンが MAH派生レクチンであり、 前記所定 の部位がループ Cとループ Dのいずれか一方又は両方であることを特徴とする上 記'(9 ) に記載の同定方法。
( 1 1 ) MAHレクチンを構成する 28δ個アミノ酸の中で、 ァスパラギン 酸 135、 ァスパラギン酸 127、 及ぴヒスチジン 132について固定をしたまま、 当該
ΜΑΗ.レクチンの 127番目〜 137番目のアミノ酸について欠失、 置換、 揷入を適宜 行って ΜΑΗレクチンの改変を行うことにより、 細胞の種類を同定するのに有用 なレクチンを得る方法。
一般に、 レクチンは、 糖鎖を特異的に認識し、 結合する蛋白質の総称で、 大き く動物レクチンと植物レクチンに大別される。 植物レクチンのなかではマメ科の レクチンが大きなレクチンフアミリ一を形成している。 分子量 3万のサブュニッ トの 2量体または 4量体からなる。 サブユニットあたり、 一つの糖鎖認識部位を 持つ。 また、 レクチンは、 「酵素や抗体を除く多価の糖結合性タンパク質、 もし くは糖タンパク質」 と狭義に定義づけられることがあり、 「糖鎖を特異的に認識 して結合、 架橋形成するタンパク質」 とより広く定義することも可能であり、 糖 鎖の多くの種類を実質的に識別できる可能性を有する。 特に糖鎖の多様性は、 そ れを作った細胞の多様性に通じるものがあり、 糖鎖の識別を通して細胞の識別を することができると考える。
レクチンは、 抗体と異なり、 特定の器官や組織に限定されずほとんどすべての 生物の中に見出されている。 また、 抗体は類似な構造を持っているのに対して、 レクチンは構造的に多様である。
本願では、 このような多種多様なレクチンの一例として、 マメ科のレクチンを 取り上げ、 本願発明を完成させた。 従って、 同様な手法により、 マメ科以外のレ クチンを用いて同様なことをすることができ、 本願の発明の内容は、 かかるマメ 科のレクチンに限られるものでないことは言うまでもない。
例えば、 ある糖鎖に対して所定の特異な結合性を有するレクチンを分離等し、 それをそのままレクチンライプラリに提供してもよく、 或いは分離されだレクチ ンの糖結合部位に関連する部分の少なくとも一部を遺伝子工学的手法でランダム に改変し、 このようにランダムに改変された複数のレクチンを含むレクチンライ プラリを提供してもよい。 ここで、 「ある糖鎖に対して」 という意味は、 具体的 には与えられた糖鎖の少なくとも一部について、 糖鎖自体が定義づけられた場合 であってもよく、 また、 たとえ糖鎖自身の構造がわからなくても糖鎖を生成する 手法によって糖鎖が特定される場合であってもよい。 例えば、 ある細胞が生成す る糖鎖は、 その細胞を特定することにより糖鎖が特定され、 ひいては、 細胞の種 類により糖鎖が異なることから、 「ある細胞に対して」 と読み替えてもよい場合 がある。 更に、 同一細胞であっても、 その糖鎖を生成する環境により糖鎖に差異 が生じるならば、 同一細胞のある時期 (例えば分化前段階や分化状態) を特定す るものとしてよい場合もある。 疾患や加齢等によって、 糖蛋白質の糖修飾の程度 に違い (又は異常) があることがあるからである。
「特異な結合性を有するレクチン」 とあるのは、 全てのレクチンが同一の糖鎖 に特異な結合性を有するとは限らないからである。 つまり、 ここで親レクチンは 「特異な結合性を有する」 ので、 改変によって得られる複数の子レクチンも同様 に 「特異な結合性を有する」 可能性が高いと考えられる。 伹し、 改変された複数 のレクチンは、 相互にその結合性が異なると考えられ、 親とも結合性が異なると 考えられる。 即ち、 結合性の異なる複数のレクチンが得られることになる。
「その糖結合部位に関連する部分の少なくとも一部」 とあるのは、 レクチンは、 糖結合部位に関連して糖鎖の種類を認識するからで、 また、 レクチンの分子全体 と限らず、 レクチンのある部分で糖鎖を認識するからである。 「少なく とも一 部」 とされるのは、 全てを改変する必要が必ずしもないからである。
「遺伝子工学的手法で」 とあるのは、 レクチンの改変は完成したレクチンを化 学的に改変するのは、 困難であるばかりか効率も良くないため、 レクチンの 「そ の糖結合部位に関連する部分」 を生成する遺伝子を特定し、 遺伝子的に改変を加 えた後に当該遺伝子を大腸菌のような適当なホストに移植し、 改変されたレクチ ンを生成させる手法をいう。 また、 「ランダムに改変」 とあるのは、 遺伝子的に ランダムに改変される場合であってもよく、 結果として得られるレクチンがラン ダムになるように、 所定の遺伝子を改変する場合であってもよい。 尚、 ここで改 変には、 遺伝子の長さが変わらず各塩基の種類が変更されることだけでなく、 遺 伝子の長さが長くなつたり、 短くなつたりすることを含む。 このことは、 生成さ れた改変レクチンにおいて同様である。
このようにして得られた複数のレクチンを含むレクチンの集合体をレクチンラ イブラリと呼んでよい。 複数のレクチンを含むのは、 一種類では、 多様な糖鎖を 識別するのに十分ではないからである。
レクチンライブラリのレクチンの改変位置を所定のところにしたのは、 糖鎖を 認識する部位がレクチン全体とは限らずある特定の部位であり、 そのような効果 的な部位を改変することにより、 好ましいレクチンライプラリを得ることができ ると考えられるからである。 但し、 レクチンライブラリの効果は、 実験結果から 判断できる場合もあると考えられ、 改変部位をそのような位置に限定しなければ ならないとは限らない。
レクチンライブラリを用いて糖鎖を同定 (又はある糖鎖を持つ細胞を同定) す る方法とは、 上述のようなレクチンライブラリから、 所定の糖鎖と複数種のレク チンとの結合性 (くっつきやすさ) を調ぺ、 結合性有り (くっつく) と無し (くっつかない) の 2種類又はその中間を足した 3種類、 或いは、 より程度を増 やした多段階評価 (若しくはアナログ評価) で分類し、 糖鎖の種類を複数種のレ クチンとの結合性で識別しする方法のことをいう。 また。 結合性の識別をパター ンで解析することを含んでよい。
結合性の判定法は種々考えられる1が、 例えば、 標準サンプルを作っておき、 そ れとの比較により、 判断してよい。 図面の簡単な説明
第 1図は、 M A H糖鎖認識ドメインの変異の生成を示す図である。
第 2図は、 イソプロピルチオガラクトシドにより誘発された形質転換大腸菌で の組換え MA H変異レクチンの発現を示す図である。
第 3図は、 1 6個の変異 MAHクローンの糖鎖認識ドメインのァミノシークェ ンスを導出した結果を示す図である。
第 4図は、 1 6個の変異レクチン (変異 MAHレクチン) の異種動物の赤血球 に対する赤血球凝集活性を示す図である。
第 5図は、 MA H糖結合部位の変異状態を示す図である。 第 6図は、 野生型 MAHを発現しているファージの抗 MAH抗体に対する結合 性を示す図である。
第 7図は、 野生型 MAHを発現しているファージのヒトグライコフオリンに対 する結合性を示す図である。
第 8図は、 バニングにより得られたヒ ト赤血球に特異的なクローンの糖鎖特異 性を示す図である。
第 9図は、 各クローン (1〜1 8) の C a c o— 2細胞への結合活性を通常の c e 1 1 -E L I S A法で測定した結果を示す図である。
第 1 0図は、 各クローン (1 9〜3 5) の C a c o— 2細胞への結合活性を通 常の c e 1 1一 E L I S A法で測定した結果を示す図である。
第 1 1図は、 分化型おょぴ未分化型 C a c o— 2細胞のレクチンライブラリに おける結合パターンを示す図である。
第 1 2図は、 レクチンチップの一例おょぴその使用方法 (I gAについて) を 示す図である。
第 1 3図は、 レクチンチップの一例おょぴその使用方法 (骨芽細胞の分化度プ ロフアイリングについて) を示す図である。 。 発明の詳細な説明
以下具体的な例を基に、 より詳しく本願の発明を説明する。
シアル酸を含む糖鎖に特異的なマメ科レクチンである Maackia amurensis hemagglutinin (MAH) の糖結合部位に関連すると思われる部分の少な'くとも —部を遺伝子工学的手法でランダムに改変し、 ランダムに改変したレクチンから 複数の種類の異なる糖鎖のパリエーションを見分けられる人工のレクチンのライ ブラリを作製した。 また、 2) 得られた人エレクチンライブラリを利用して、 種 類の異なる細胞への結合パターンから細胞の種類の違いを見分けることを試みた c そして、 3) 人エレクチンライブラリから、 生物学的に重要な糖鎖に特異的なレ クチンを選別するための、 スクリ一ニング系を確立することができた。
ここで、 哺乳類の細胞には、 わずかな構造上の差異を有する多様な複合糖質が 存在していることが知られている。 また、 このように多様な構造を識別できるレ クチンを生成することは非常に有用である。
これ bのレクチンは、 Maackia amurensis hemagglutinin (M AH; » ら逾 -fe 子工学的手法により得ることができる。 '
このレクチンは、 糠鎖がシアル酸残基、 即ち、 NeuSAc 2- 3Galj31 - 4GlcMc(5) からなる炭化水素配列を認識することができる。 また、 別のイソレクチンェンジ ニアリングである Maackia amurensis leukoagglutinin (MA L ) は、 eu5Ac 2- 3Gal 1- 3(Neu5Aca2- 6)GalNAc(4)配列を特異的に認識することができ、 この 両者のレクチンは、 マメ科植物 (legume) や他のレクチンの間でも独特なもので ある。
MAHは、 相対分子量 (relative molecular mass) 29, 000であり、 サプュ ニッ トのダイマーカ らなる。
MAHにェンコ一ドされた cDNAのヌクレオチド配列及びそれから導き出された アミノ酸配列では、 MAHは 287のアミノ酸からなり、 30のアミノ酸シングルぺ プチドを含んでいることを示している。
推定されている MAHの糖鎖認識ドメインは、 そのアミノ酸シーケンスを他の マメ科植物 (legume) のレクチン(7)のアミノ酸シーケンスと比較すること、 及 ぴ、 MAHにその結合特性を賦与するこれらのアミノ酸により定義されるこのド メインの遺伝的変異の古くからの研究により同定された。
また、 Neu5Ac α 2- 3Gal ]3卜 3 (Neu5Ac α 2- 6) GalNAc (8)を含む M A Hの 3次元構 造のコンピューターモデルから、 これらの観察が確認された。
第 1図の A〜Cは、 MAH糖鎖認識ドメインの変異の生成を示す図である。 第 1図 Aは、 変異を導入する部分的重複延長法 (overlap extension method) を示 す概略図である。 Bは、 MAHの糖鎖認識ドメインの変異の生成を示す図である。 Cは、 ァガロースゲル電気泳動による変異 MAHの DN Aの同定を示す図である。 Cにおいて、 レーン 1は生成物 A B (〜400bp) 、 レーン 2は生成物 CD (〜 400bp) 、 レーン 3は生成物 AD (〜800bp) 、 レーン 4は野生種の MAHの D N A (〜800bp) 、 Mは DNAマーカー (lOObp DNA Ladder, ライフテクノロジー ズ インク MD USA (Life Technologies, Inc. , MD, USA) ) である。
第 2図は、 ィソプロピルチオガラク トシド (isoOropyl hiogalactoside) によ り誘発された形質転換大腸菌 (transformed E. coli) での組換え M A H変異レ クチンの発現を示す図である。 Aは、 組換え変異 MAHレクチンのポリアクリル アミ ドゲル電気泳動分析の結果を示す図である。 Bは、 組換え変異 MA Hレクチ ンとアンチ一 MA Hポリクローナル抗体とのウェスタン一プロッティング分析の 結果を示す図である。 第 2図において、 レーン Nは pGEX- 2Tプラスミ ドを含む大 腸菌 (E. coli) 、 レーン Pは pGEX- 2T-野生種 MAHプラスミ ドを含む大腸菌 (E. coli) 、 レーン:!〜 1 6は GEX- 2T-変異 MA Hプラスミ ド (それぞれクローン 1 〜 1 6に対応する) を含む大腸菌 (E. coli) である。 また、 相対分子量
(relative molecular masses) を左側に示し、 矢じり状のものは組換え M A H 変異レクチンを示している。
第 3図は、 1 6個の変異 MA Hクローンの糖鎖認識ドメインのアミノ酸配列を 導出した結果を示す図である。
第 4図は、 1 6個の変異レクチンの異種動物の赤血球に対する赤血球凝集活性 を示す図である。 活性は、 最大赤血球凝集活性を 1として、 それぞれの変異レク チンの最小赤血球凝集濃度 (minimum hemagglutination concentration) の相対 値により示される。 番号 1〜 1 6はクローン 1〜 1 6を示し、 番号 1 Ίはネガ ティブコントロール (G S T ) を示している。
<実施例 1〉
[人エレクチンライブラリの作製〕
種々のマメ科レクチンのァミノ酸配列と糖結合部位の構造から得られた情報に 基づき、 MAHレクチンの 285個のアミノ酸のうち、 糖結合部位である 127番目か ら 137番目の部分の塩基配列を合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして用い てオ パーラップエクステンション P C Rによりランダム化した。 ただし、 シァ ル酸との相互作用に必須と考えられるァスパラギン酸 135、 また金属イオンとの 配位に必須と考えられるァスパラギン酸 127とヒスチジン 132は固定した (第 5 図) 。 ダイターミネータ一法で D N A配列を決定したところ、 変異 MA Hの場合、 最初に固定した 3つのアミノ酸を除いてすベて異なり、 ランダム化が達成されて いることがわかった。 [レクチンライブラリを用いた細胞の分別同定]
作製したレクチンライブラリを pGEXベクターに組み込んで大腸菌に G S T融合 蛋白質として発現させた。 ランダムに 50個のクローンをとり、 そのうち、 タンパ クを発現していると思われる 16個のクローンを得た。 抗 MA Hポリクローナル抗 体でウェスタンプロッティング (Western blotting) を行ったところ、 すべて のクローンが反応性を示した。 これらのクローンの D N A配列を決定したところ、 糖結合部位のアミノ酸配列は、 固定したアミノ酸を除いてすベてのクローンで異 なることがわかった。
得られた 16クローンの糖結合特異性の違いを利用して、 シアル酸を含むが、 構 造の異なる糖鎖をその表面に発現していると思われる、 異種動物の赤血球の分別 同定を試みた。 第 4図は、 各々の赤血球に対する最大凝集力価をフルスケール 1 とし、 16クローンの異なるレクチンによる凝集力価を比較しグラフで表わした結 果である。 各々の赤血球が 16種の変異レクチンによる凝集力価の相対強度に関し て固有な特性を示すことがわかった。
この実験から、 複数のレクチンを利用することによって結合パターンにより細 胞の種類の違いを見分けることができることが示唆された。
[ファージライブラリの作製]
人エレクチンライプラリの応用のひとつとして、 生物学的に有用な糖鎖に特異 的なレクチンを選別することが考えられる。 選別を行うためには発現クローニン グができ、 多数のライブラリを抜うことのできる系を用いる必要がある。 そこで、 ファージディスプレイシステムを導入した。 発現ベクターである; l foo、 次に T7 ファージディスプレイシステムを試みた。 しかし、 レクチンを発現させたファー ジが遺伝子をもたないファージに比べ増殖が遅くなり、 バニングによる目的 ファージの濃縮は困難であることが判明した。 (伹し、 このことは、 発現べク ターである; L foo 又は T7ファージディスプレイシステムが本発明から排除さ れることを意味するとは限らない。 )
ここで、 バニングとは、 ファージ上に発現した蛋白質を、 その蛋白質が結合す る物質 (例えば抗原と抗体、 レクチンと糖鎖、 レセプターとリガント、 等) との 結合能を利用してファージを回収する手法のことをいい、 例えば、 ファージに発 現させた蛋白質との結合する相手物質をプレートに固定し、 ファージ溶液を加え て、 発現した蛋白質、 ファージ、 その他の物質を結合させ、 前記ファージ溶液を 流し出した後に、 結合した発現した蛋白質、 ファ一ジ、 その他の物質を回収する 方法である。 この回収したファージを大腸菌に感染させて増幅し、 再ぴパユング (上述) を行って結合性の高いファージを回収していくことができる。
そこでファージミ ド系である pComb3と pComb8を試みることにした。 まず野生型 MA Hを発現することにより、 ファージの表面に発現させたレクチンが活性を有 するかを調べた。 野生型 MA Hを発現していると思われる両ファージの抗 MA H 抗体に対する活性を調べたところ、 両者とも抗 MA H抗体に特異的に結合した。 複数の MA H蛋白質を表面に発現した pComb8の方が単一の MA H蛋白質を表面に 発現した pComb3より強い結合性を示した (第 6図) 。
次に、 ファージ上に発現された野生型 M A Hが糖鎖結合活性を保つているかを 赤血球凝集能を指標に検討した。 野生型 M A Hを発現していると思われる両 ファージは無処理の赤血球を凝集したが、 シァリダーゼ処理した赤血球は凝集し なかった。 赤血球凝集に必要なファージの最低 Titerは両者とも約 1 X 1 0 1 0 cfuであった。 このことにより、 MA Hの活性が保たれ、 pCombファージミ ド系 ファージに糖鎖結合性をもつ M A Hが発現したことが明らかになった。
両ファージの活性をシアル酸を含む糖蛋白質であるヒ トグライコフォリンに対 する結合性でさらに詳しく調べたところ、 予想に反し、 ファージ 1個あたり単一 の MAH蛋白質を発現している pComb3の方がより強い活性を持つことがわかった (第 7図) 。 ELISAを用いたヒトグライコフォリンに対する結合性により検出で きる pComb3ファージの最低 Titerは約 1 X I 0 7 cfuであった。
[ファージライブラリから特定レクチンの選別]
以上の結果に基づき、 1次構造を改変したレクチンライプラリの作製は pComb3 のファージミ ドを用いて行うことにした。 実現可能な範囲のライブラリの作製の ため、 MA Hの糖結合部位のアミノ酸の内、 シアル酸との相互作用と金属イオン との配位に必須と考えられる 3つのアミノ酸以外に、 他のマメ科レクチンで保存 性が高い 2個のアミノ酸をさらに固定し、 6つのアミノ酸だけをランダムに改変し た„ その結果、 理論的に予想される 6. 25 X 107をカパ一していると思われる約 I X 108のライブラリを作製できた。
次に、 pComb3ファージのレクチンライブラリを用いたバニング系を確立するこ とを目標として、 野生型 MAHが強い結合性をもっているヒ ト赤血球に対するパ ニングを試みた。 1回目のパユングに比べ 3回目においてはその回収率が約 10倍に 増加し、 ヒト赤血球に対する結合性を持つファージが濃縮されていることが判明 した。 3回目のパユングによって得られたファージから、 ヒ ト赤血球を特異的に 凝集するが、 異なる糖結合特異性を持つ、 いくつかのクローンが得られた (第 8 図) 。 以上より、 1次構造に変異を導入したレクチンライブラリから生物学的に 重要な糖鎖に特異的なレクチンを選別するための、 スクリーニング系が確立でき た。
[MA Hの糠鎖認識部位の変異誘発]
重複延伸による部位指定突然変異誘発 (9、 1 0 ) を実施して MAHの糖鎖認 識部位をランダム化した。 重複延伸には四種類のプライマーを使用した。
4種類のプライマー プライマー a: 5,一 ccccggatccacatcagatgagctttct - 3' (bp 89—105)
プフイマ—り: 5 -atgtcgataatttggatctnnmnnatcmnnmnnatgmnnmn
nmnnmnngtcaaactctacagc-3 ' (bp4o 7— o 19)
_ (N= A/T/G/Cの混合物、 M=A/Cの混合物)
プフィマー c: 5'~gatccaaattatcgacatatcggaattgat-v3 (bp 502-531)
プフイマ一 d: 5'-cccgaattcagatcatgcagtgtaacg-3' (bp 847-531)
MAH c DNAの断片はプライマー a及ぴ b或いは c及び dと AmpliTaq Gold DNA ポリメラーゼ (パーキンエルマ一社) を用いて P CRにより増殖した。 標準の P CR条件を用いた。 即ち、 最初に 95°Cで 9分間と 94°Cで 1分間インキュベー トした後、 94でで1分間、 54 °Cで 1分間、 及ぴ 72 °Cで 1分間のサイクルを 30回繰り返し、 次いで 72°Cで 1 0分間のサイクルを 1回おこなって、 確実に すべての増幅された断片が完全に 3 '—末端まで延長されているようにした。 P CR生成物の 3 ' —末端は pfu DNA ポリメラーゼ(Stratagene La Jolla 力リ フォルニァ)によってポリッシュした。 P CR生成物は調製用ァガロースゲル電 気泳動により精製して定量した。 等モル量の二つの PCR断片を、 94°Cで 1分 間おょぴ 6 3°Cで 4分間のサイクルを 7回繰り返して結合した。 生成物は、 プラ イマ一 a及ぴ dを用いる第二の反応における铸型 DNAとして使用し完全長の突然 変異 MAH cDNAを作成した。
[G S T融合蛋白質の発現と精製]
完全長の突然変異 MAH c DNAを含む P CR生成物を B a mH I及ぴ E c o R Iで消化して B a mH I及び E c o R Iで消化された pGEX- 2Tに連結した。 適 当な発現プラスミ ドを含む E. coli BL21株を 2 X酵母ートリプトン培地にて、 こ の培地にはアンピシリン 50 μ g/mlが補充されており、 3 7°Cで 6 60 nmにお ける吸光度が 0. 8に達するまで培養した。 GST融合蛋白質の発現はイソプロ ピル — D—チォガラクトシド (最終濃度 I mM) を添加して誘導し、 3 7°C におけるィンキュベーションを 3〜4時間継続した。 細菌細胞のペレツトをトリ ス緩衝生理的食塩水 (TB S) に再懸濁し次いで懸濁液を超音波により破砕した。 不溶性面分を T B Sで 2回洗浄して T B S中 8 Mの尿素に溶解した。 可溶化され た封入体を TBS/1 mM MnCl2/l mM CaCl2 で 5 0倍に希釈して再生した。 上清をグ ノレタチオンーセファロース 4 Bカラム (アマ一シャム ファノレマシア パイォ テック U K L t d . , イングランド) に载せ G S T融合タンパク質を製造業 者の指示に従って精製した。
[ G S Tタンパク質のウェスターンプロット分析による検出]
細菌の溶解物 (0. 5 x gタンパク質/ ml) をドデシル硫酸ナトリウム一ポリア クリルアミ ドゲル電気泳動により分離し、 ニトロセルロース膜に移し、 ポリク 口ーナルの抗 MA H抗体で探索し次いでアル力リホスファターゼに結合した抗ゥ サギ I g G抗体 (Z YM E D、 サンフランシスコ、 カリフォルニア) とインキュ ペートした。 結合した抗体は、 製造業者の指示書に従い、 アルカリホスファタ一 ゼの基質キット S K— 5 2 0 0 (ベクター ラボラトリーズ社、 パーリンガム、 カリ フォルニア) により可視化した。
[組換え M A H突然変異体の D N A配列決定]
無差別に選ばれた 1 6のクローンの D N A配列をセンスプライマー 5, - ttcttgcaccacctgattctc-3' 及びアンチセンスプライマー 5, - ccgccgttaatccaatcccat-3'を用い、 ABI PRISMTM Dye Terminator Cycle
Sequencing Ready Reaction Kit (Applied Biosystems,カノレフオノレニァ、 米国) を使用して決定した。
[赤血球の調製]
ヒ トの O型静脈血を血液提供者から予めへパリン処理でした注射器に採取した。 へパリン処理した血液をガラスシリンダーに移し、 赤血球が重力で沈殿する間、 放置した。 白血球に富む血しょう及ぴパッフィコートを除去した後、 赤血球層を りん酸バッファ食塩水 (140 mM NaCl, 2. 7 mM KC1, 10 mM Na2HP04, 1. 8 mM KHP04 (pH 7. 3) ) で遠心により 3回洗浄し、 そのたびに注意深く細胞の最上層を除去し た。 このようにして得られた赤血球は白血球及び細胞残渣は含まれていないこと が判明した。 ゥシ、 ゥマ、 プタおよぴニヮトリの赤血球は同様に調製された。
[赤血球凝集アツセィ]
1 6種の突然変異体のレクチンから精製した組換えタンパク質を U型底のプ レート(Nunc, NY, USA)に 2倍に希釈して入れ、 各希釈溶液 (0. 0 5m l ) に 同容量の 2%の赤血球懸濁液を加えた。 混合物を 1時間室温に放置し, 次いで血 球凝集を検査した。
上記実験結果を基にして、 以下のような結果が得られた。
[MAHの糖鎖認識部位の突然変異誘発]
重畳延伸法 (9, 1 0) を用いて MAHの糖鎖認識部位に突然変異を導入した c この方法の要領 (作戦) は第 1図に示されている。
pGEX- 2Tにクローンされた MAH cD通を P CR増幅の鎊型として用い二つの別個 の DNA断片 (AB及び CD) を生成した。 断片 ABはプライマー aと bで増幅し た。 Aspl35, Aspl27及ぴ Hisl32はすぺて MAHのシアル酸への結合に関与して いるように思われるので、 プライマー!)は Aspl27, Hisl32及ぴ Aspl35残基はその ままにして MAHの糖鎖認識部位に配列の変化を導入するように設計された (第 1図 。
断片 CDはプライマー c及び dを用いて增幅された。 プライマー cの 5 '末端 は断片 ABの 3 ' 末端に見出された 1 2 b pの配列を持っている。 この共通の 1 2 b pの配列により断片 ABと CDが重畳延伸法により連結されて突然変異体で ある MAH c DNAを含む AD生成物となることを可能にしている。 突然変異体 である MAH c DNAの長さ (一 800 b p) はァガロースゲル電気泳動により 確認された (第 1図 C) 。
[MAH突然変異レクチンの発現と特性解明]
突然変異の MAH c DNAを、 揷入部位の上流にグルタチオン一 S—トランス フェラーゼ (G ST) の遺伝子を含む大腸菌の発現ベクター p GEX— 2丁の BamHI及び EcoRI部位 (サイ ト) に揷入した。 G S Tを含む突然変異のレクチンの 融合タンパク質は大腸菌 B L 2 1を宿主株に用いて生成された。 50種の無差別 に選択されたクローンをその組換え突然 ·変異レクチン合成能についてポリアクリ ルアミ ドゲル電気泳動により解析した。 1 6クローンの G S T突然変異レクチン の融合タンパク質はみかけの分子量 55, 600に相当する位置まで泳動し、 こ れは GST—突然変異レクチンの融合生成物に予想される分子量に一致した (第 1図 A) 。 1 6クローンのプラスミ ド D N Aはダイデォキシチェインターミネータ一法 ( 1 1 ) により配列決定された。 第 3図はこれらクローンの糖鎖認識部位の推定 アミノ酸配列を示す。 1 6種すベてのクローンの部位は Aspl27, Hisl32及ぴ Aspl35残基の部位を除き、 予想通りに、 一つ一つ異なっている。 これらの差異に も拘わらず、 MAHに特異的な抗体を用いたウェスターンプロット解析は 1 6す ベての突然変異レクチンを検出した (第 1図 B ) 。
1 6種の突然変異レクチンの融合タンパク質はグルタチオンーセファロ一スカ ラム上のァフイエテイクロマトグラフィ一で精製された。 濃度はゥシ血清アルブ ミンを標準物質として B C Aタンパク質アツセィキットにより決定した。 S D S 存在下のポリアクリルアミ ドゲル電気泳動後の精製融合タンパク質のブロフィー ルは 1 6すべての融合タンパク質が分子量 5 5, 6 0 0を有することを示唆して いる。 このタンパク質は赤血球凝集ァッセィに使用された。
[突然変異体レクチンの赤血球凝集活性]
1 6種の突然変異体レクチンと野生タイプの MAH間の糖鎖特異性に相当な差 異のあることが、 ヒ ト、 ゥシ、 ゥマ、 プタ及ぴニヮトリの赤血球を用いた赤血球 凝集アツセィにより明らかとなった (表 1 ) 。 これら赤血球の表面上の糖鎖は、 突然変異体レクチンによる認識の個別なパターンを互いに比較すると明確に示さ れているように、 その構造, 量、 及びその表現パターンに違いがある (第 4図) 。 これらのレクチンを使用すると、 各タイプの赤血球の同定がこのように容易とな る。
多細胞生物における細胞の生命周期は細胞外環境からの刺激によつて制御され ており、 このような刺激は部分的には少なくとも糖とその認識分子によって仲介 されている。 細胞表面の糖鎖の構造の種類は、 適応免疫系における抗原に特異的 な受容体の種類と同様に広範にわたると考えられてはいるが、 これらの糖鎖を認 識できるレクチンの多様性には限りがある。
本研究においては、 我々は多様な特異性を持つ多数の新規なレクチン (新規な レクチンライブラリ) の調製を可能にする方法を記述している。 我々は 1 6種類 の突然変異体である MAHレクチンを生成し、 我々はそれらの糖鎖特異性の特徴 を完全には解明していないが、 突然変異体がヒト及ぴ家畜動物の赤血球を高度に 特異的なパターンで凝集出来ることは注目に値する。 このような異種動物からの 赤血球を区別する特異性は、 特異的的抗体の使用を例外としてこれまでには得ら れなかったことである。 本研究は、 多様な特異性を持つ遺伝子操作されたレクチ ンのパネルが異なった細胞のタイプを区別するのに有用であることを証明するも ので,ある。
過去数年間に新しい技術が遺伝子発現をプロフィールすることを通じて異なつ た細胞のタイプを区別するための D N Aアレイを確立した (1 5 ) 。 しかしなが ら、 細胞の表現形は遺伝子発現によってのみ決定されるものではない。 糖鎖付加 による翻訳後の修正及ぴタンパク質の局在化の調節は特定の細胞タイプのある分 化の段階の実体の決定に必須であると考えられている。 従って、 異なった細胞は 細胞表面のグリカンの様子を描き出すことによって区別されるべきである。 多様 な特異性を持つレクチンのパネルの使用はこれを達成するための最も便利で効果 的な手段である。 新規のレクチンのライブラリの開発はレクチンの利用度をおお いに拡大し、 究極的には細胞の同定を正確で信頼性のあるもににすることを可能 にするものである。 糖鎖発現は微量であり、 構造も複雑であるが、 本発明にかか るレクチンライブラリ及び/又はレクチンサプライブラリを用いると臨床現場で も使用できる簡便な識別 (又は同定) 方法を提供できる。
<実施例 2 >
[ C a c o— 2細胞を標的細胞とする細胞分別同定]
MA H改変レクチンからなるレクチンライプラリ (ループ Dをランダマイズした レクチンライブラリ) について標準細胞である分化型 C a c o— 2細胞に対して バニング (panning) 操作を行い、 C a c o— 2細胞を標的細胞とする細胞分別 同定用のプローブに用いるクローンを回収した。 2回目のパユングの後に、 結合 性クローンの濃縮が不十分と考えられたため、 3回目のバニングでは、 細胞をグ ルタルアルデヒ ド (glutaraldehyde) で固定して、 バニング操作で反応させる時 間を o / nに変更した。
[回収クローンの D N A配列決定]
3回目のバニングの後に 6 4個のクーロンをランダムに拾い、 シークェンス解析 を行った。 6 4クローンの内訳は、 改変 (mutation) が正しく入ったもの 3 5個、 stop condonが入ったもの 7個、 frame-skiftを起こしたもの 1 7個、 そして、 角 析できなかったもの 5個である。 改変が正しく入った 3 5個のクローンの中には、 野生型 (wild - type) と同じ配列を持つものは存在せず、 また互いに共通する配 列を持つものも存在しなかった (表 2 ) 。
表 2 クローンのシークェンス
3rd clone解析 と一致している部位 wild-type gac act tac TTC GGC cat AGT TAT gat GGG TGG wild-type gac act tac TTC GGC cat AGT TAT gat CGC TGG ιβ 1 gac act tac CAG GCG cat ATT ACG gat CAT TCG clone 19 gao act tac ATG TGG cat GAT GTT gat CGT TC丁 し し
one 2 gac act tac TTG CGT cat 1 TCG 1 TTG gat AAT CGT clone 20 gac act tac GGT GCT cat TGT TTG gat GGT ATG one 3 gac act tac GAG CGT cat ACT GGG gat GGT ATG clone 21 gac act tac TGT AG丁 cat [TCT]GTG gat TTG AGG !one 4 gac act tac TCG GGT cat CGT GGT gat GTG GTG clone 22 gac act tac TGT ATT cat ATT CTG gat CGT COT lone 5 gac act tac GGT CTT cat GCG GGG gat TGT TTT clone 23 gac act tac CGT cat GTT AGG gat TTTITGGI one 6 gao act tac TGT CGG cat CCT TTT gat AGT GAG clone 24 gac act tac GTG cat TGT GCT gat GTT CGG gac act tac CTT TGT cat | TCT| TTG gat TGG CTG clone 25 gac act tac GCG cat CTT GCT gat TAT GAT
One 8 gac act tac GGG[GGGI cat [TGGI CCT gat TTT GTT clone 26 gac act tac GGG CTG cat GGT ATG gat GGT GCT one 9 gac act tao TCG GCG cat [TCTITCG gat GAT GOT clone 27 gac act tac CTG CCG cat GGG TGT gat GTT GGT one 10 gac act tac AGG GTT cat GCG TGT gat GCGpTGGl clone 28 gac act tac GGT CCT cat I TCG [CGT gat CGT AGG one 11 gac act tac CTG GTG cat GTT GGG gat CGG GTT clone 29 gao act tac ACG GTG cat CCG GCT gat TGT GCT し
one 12 gac act tac CTTfGGGl cat TAT CCT gat CTGfTGG] clone 30 gac act tac CAT cat ACGI TAT"! gat TTT GTT one 13 gac act tac CAG CCT cat GCG CTT gat CGT TGT clone 31 gac act tac GTT cat lAGTj TGT gat CGG GGG one 14 gac act tac CGG GGT cat TTG GGG gat TCG ACT done 32 gao act tac GTG cat GGG CGG gat GGT GCT lone 15 gac act tac GCG GAG cat GCTI TAT] gat TTT GCG clone 33 gac act tac GCG ATG cat GGG TTG gat GTT GGT lone 16 gac act tac CGT TAT cat GOT ACT gat GOT CGG sione 34 gac act tac AG丁 TGG cat TGG GGT gat [CCGTTGG] し one 17 gac act tac TGT CTT cat [TCTI CTT gat CGT CTG sione 35 gac act tac cat ACG GCT gat CTT TTT one 18 gac act tac CTG TTT cat TGTfjAT] gat GCG GAG
V G c A T
野生型と異なるクローンが多数回収されたことから、 これら 3 5個のクローン が細胞分別同定用のプローブとして利用可能である。 一方で、 各クローン間に共 通配列が検出されなかったこと、 および stop condonが入ったものや、 frame - shift を起こしたものが回収されていることから、 バニング操作の濃縮効率が 低いとも考えられる。
[回収クローンの活性測定] ―
各クローンのライセート (lysate) を用いて、 C a c o— 2細胞への結合活性 を通常の e e l 1 - E L I S A法で測定した (第 9図、 第 1 0図) 。 3 5個のク ローンは全て分化型、 未分化型を問わず C a c o— 2細胞に結合活性を有してい た。 各クローンの結合活性に基づく分化型、 未分化型 C a c o一 2細胞への結合 パターンを作成したところ、 C a c o— 2細胞特異的と思われるパターンがそれ ぞれ得られ、 分化型と未分化型でもわずかではあるがパターンの違いがみられた (第 1 1図) 。 このように、 同種の細胞であっても、 本発明のレクチンライブラ リを用いると、 分化型と未分化型の差異をみることができる。
[ I g Aグライコフォームの識別]
上述のレクチンライブラリを I g Aグライコフォーム識別法に適用する場合の 1例を以下に順序をおつて説明する。
1 ) MA Hレクチン (ィヌェンジユマメレクチン) 糖認識部位のアミノ酸配列を 改変した遺伝子改変レクチンライブラリーを作成する。
2 ) I g A腎症患者 I g Aに親和性の高いレクチンをバニング法により選択し、 レクチンサブライブラリ一を作製する。
3 ) 上記の 2 ) で得られたレクチンサプライブラリーの中から必要に応じ I g A 腎症患者と健常人の I g Aの違いをよく反映するレクチンを選び、 マイクロタイ タープレートに固定したレクチンプレートを作製する。
4 ) I g Aのグライコフォームのレクチンライプラリーによる識別 I g A腎症患 者と健常人の血清 I g Aのレクチンプレートへの結合パターンの比較 ·解析を行 う。
5 ) 血清診断アツセィ条件の検討市販健常人 I g Aに糖鎖を酵素的 ·化学的に付 加し、 人工 I g Aを作製する。 健常人血清に人工 I g Aを混合し、 レクチンプ レートを用いたパターン解析を行う。 血清中に存在する他の血清蛋白質の影響を 検討し、 アツセィ条件の最適化を行う。
ここで、 I g A腎症とは腎臓糸球体に I g Aが沈着する疾患であるが、 I g A 分子のヒンジ部の糖鎖構造が患者と健常人で異なり、 その糖鎖構造の解析には従 来血清 I g Aを精製、 トリプシン処理によってヒンジ部を含むペプチド片にして 分離し、 その質量を質量分析計で測定することにより構造解析が行われている。 ここで、 ヒンジ部とは、 免疫グロブリン分子を構成する 2つの H鎖定常ドメイン の間にある領域のことをいい、 I g A腎症患者では I g Aのこの領域の O (ォ ゥ) 一結合型糖鎖に異常が起きるとされている。 また、 O (ォゥ) 一結合型糖鎖 とは、 N—ァセチルガラクトサミン(GalNAc)、 ガラクトース(Gal)およぴ最外側の シアル酸から構成された構造を基本骨格とする O (ォゥ) 一結合型糖鎖はムチン 型糖鎖ともいわれ、 細胞の浸潤、 接着など細胞間の相互作用や挙動に大きく影響 する糖鎖構造である。
本方法のメカニズムをより詳しく説明すれば、 IgA腎症患者で O (ォゥ) 一 結合型糖鎖の糖鎖異常が見られる IgAヒンジ部分のアミノ酸配列のうち、 O (ォ ゥ) 一結合型糖鎖を付加できるのはセリンまたはスレオニン残基のある 5箇所で あり、 O (ォゥ) 一結合型糖鎖のパターンは 6種類あるので、 ヒンジ部分 O (ォ ゥ) 一結合型糖鎖の位置と糖鎖構造は理論上 6 5通り、 つまり 7 , 7 7 6通りあ ることになる。 ひとつひとつの可能性を従来から行われている煩雑な糖鎖解析に よって調べることは困難であるが、 O (ォゥ) 一結合型糖鎖を認識するレクチン への 0N/0FFによってパターン解析を行うことができると考える。 ひとつのレクチ ンに対する 0N/0FFでは 2通りの糖鎖結合様式を調べることができ、 n個のレクチ ンでは 2。通りのパターン認識が行えるはずである。 したがって、 計算上はヒン ジ部分の糖鎖異常 7 , 7 7 6通りを解析するために必要なレクチン数は 1 3個で ある。 実際には糖鎖構造おょぴ糖鎖の位置情報を顕著に示すことのできるレクチ ンがあっての理論上の数字ではあるが、 基質にプロットできる数百個のレクチン からの情報で IgAヒンジ部分の糖鎖構造と位置を解析できる可能性が高い。 有用 なレクチンライブラリ一を得るために、 患者血清 IgAと健常人血清 IgAの違いを もっとも大きく反映するレクチン群をクラスター解析によって取得することがで き、 有効なレクチンライプラリーを構築することができる。 そのレクチンライブ ラリ一を用いて、 IgA腎症患者と健常人血清 IgAのグライコフォームの違いをパ ターンにより解析する (第 1 2図) 。 慢性腎不全状態になっているような重症患 者との違いのほか、 IgA腎症と診断されていない軽症患者予備軍の早期診断への 応用可能性もある。 第 1 2図では、 複数の O—グリカンを含む糖蛋白質である I g A 1のプロフアイリングを簡単に行うようすが示してある。 慢性腎不全状態に なっているような重症患者との違いのほか、 IgA腎症と診断されていない軽症患 者予備軍の早期診断への応用可能性もある。
[骨芽細胞亜集団の識別方法]
上述のレクチンライブラリを骨芽細胞の識別や分化ステージの異なる亜集団を 検出する方法に適用する場合の 1例を以下に順序をおつて説明する。
1 ) MA Hレクチン (ィヌェンジ マメレクチン) 糖認識部位のアミノ酸配列を 改変した遺伝子改変レクチンライプラリ一を作成する。
2 ) レクチンライプラリーの作製骨芽細胞に親和性の高いレクチンをバニング法 により選択し、 レクチンサプライブラリーを作製する。
3 ) 上記の 2 ) で得られたレクチンサプライブラリーの中から必要に応じ分化の ステージをよく反映するレクチンを選ぴ、 マイクロタイタープレートに固定化し たレクチンプレートを作製する。
4 ) 骨芽細胞の分化誘導とレクチンライブラリーによる識別培養した間葉系幹細 胞を培養 ·分離する。 より具体的には、 間葉系幹細胞を培養後、 骨芽細胞に分化 させ、 分化開始から 5 日目、 1 0 日目、 1 5 日目、 2 0 日 目の細胞を分離する。
5 ) 分化過程の各時点で分離した細胞をレクチンプレートにて分 fし、 細胞表面 糖鎖構造と骨形成能との相関を検討する。 骨形性能の測定には骨型アル力リフォ スファターゼ活性の測定およぴォステオカルシン含有量の測定を行う (標準の作 成) 。 即ち、 分離した細胞を骨芽細胞を足場となる b- TCPブロックとの複合体の 形でラット背部皮下に移植し、 移植後 4週、 8週において摘出後、 (i)ォステオ力 ルシン含有量と (ii) 骨型アルカリファスファターゼ活性を測定する。
6 ) 分化過程が不明の細胞をレクチンプレートで分析し、 標準と比較する (第 1 3図) 。 第 1 3図では、 骨芽細胞の分化度のプロフアイリングを箇単に行うよう すが示してある。
ここで、 間葉系幹細胞とは、 組織や臓器に成長する元となる細胞である幹細胞 のうち、 骨髄の中に存在するものをいい、 間葉系幹細胞は骨、 軟骨、 脂肪、 心臓、 神経、 肝臓などの細胞に分化することが確認されており、 ほとんどすべての組織 にも分化することのできる胚性幹細胞 (E S細胞) に近い能力を秘めている。 間 葉系幹細胞は、 !)一 T C P (b-tricalcium phosphate) というリン酸カルシウム を主成分として生体内に優れた親和性、 吸収性および骨伝導性を有する人工材料 を培養する足場として用いる。 本発明により、 レクチンライブラリが細胞の分別同定に有用であることがわ かった。
そして、 この新しい方法で細胞表面の糖鎖を分析することにより、 遺伝子発現 だけに依存していた細胞の同定が正確に行えることを意味し、 細胞移植や細胞治 療の開発に役立つと考える。 また、 本研究では人エレクチンライブラリをファー ジミ ド系ファージの表面に発現させることに成功した。 改変レクチンライブラリ から特異性の異なるものを選別する方法が確立したので、 この系を用いて既存の レクチンやモノクローナル抗体にはない、 新規な糖鎖特異性を有するものを得る ことができると期待される。
更に、 本発明のレクチンライブラリを用いると I g Aのグライコフォームの検 出や骨芽細胞亜集団の分別 ·同定するツールを提供することができる。 即ち、 I g Aを含む各種血清蛋白質のグライコフォームの解析を簡便 ·迅速に診断する対 外診断薬を提供することも可能であり、 再生医療や細胞医療を実用化段階に移行 させるために必要な細胞の品質保証を行う規格設計ツールを提供することも可能 である。 例えば、 リウマチや自己免疫疾患時の免疫グロブリンのグライコシレー シヨン、 癌患者のある特定のホルモン (卵巣癌における絨毛性性腺刺激ホルモン の糖鎖変化) や蛋白質のグライコシレーション(肝炎から肝癌に至る際のアル ファーフユトプロテインの糠鎖変化)など、 疾病の早期発見、 病態の正確な把握、 治療薬 ·予防薬への適用できる。
種差に由来して産生されるのが抗体の特徴であるので、 線維芽細胞に対する特 異的抗体を作製することが困難なため、 骨髄由来の線維芽細胞にはいわゆる細胞 表面マーカーが存在せず、 骨芽細胞を直接アツセィする方法はなく、 現在のとこ ろ動物を用いたパイオアッセィもしくは骨芽細胞の活性度を反映する間接的な アツセィ法が主として用いられている分野においても、 本発明のレクチンライブ ラリを用いたレクチンチップで、 骨芽細胞の識別 '同定、 とくに分化ステージの 異なる亜集団を識別 ·同定することができると考えられる。 同様のアプローチで 骨髄由来榭状細胞おょぴ骨髄由来血管内皮細胞へ応用できる可能性がきわめて高 く、 再生医療で用いる細胞の品質確保のスタンダードツールとなりえる。 現在の癌遠隔診断ネットワークにおいては病理診断が主体であるが、 遺伝子発 現情報を追加することが検討されており、 O (ォゥ) 一結合型糖鎖が細胞間相互 作用、 細胞の浸潤、 接着などに深く関与している知見も鑑み、 糖鎖情報を追加す ることによって、 より詳細な癌遠隔診断についての検討が可能となる。

Claims

請 求 の 範 囲
I . 所定の糖鎖に特異的に結合し得る複数種類の複数レクチンを含むことを特徴 とするレクチンライブラリ。
2 . 前記所定の糖鎖が細胞表面の糖鎖であることを特徴とする請求の範囲第 1項 に記載のレクチンライブラリ。
3 . 前記複数種類の複数レクチンには、 所定の部位が改変された改変レクチンが 含まれることを特徴とする請求の範囲第 1項又は第 2項に言己载のレクチンライプ ラ 1リ。
4 . 前記複数種類の複数レクチンが MAH派生レクチンであり、 前記所定の部位 がループ Cとループ Dのいずれか一方又は両方であることを特徴とする請求の範 囲第 1項〜第 3項のいずれかに記载のレクチンライブラリ。
5 . 前記複数種類のレクチンには、 糖鎖を認識するループ部のアミノ酸配列がラ ンダマイズされているレクチンが含まれることを特徴とする請求の範囲第 1項〜 第 3項のいずれかに記載のレクチンライブラリ。
6 . 請求の範囲第 1項〜第 5項のいずれかに記載のレクチンライブラリに含まれ るレクチンを生成する遺伝子からなる遺伝子ライブラリ。
7 . 請求の範囲第 6項に記載の遺伝子ライブラリを用いてレクチンライブラリを 製造する方法。
8 . 細胞表面の糠鎖に特異的に結合し得る複数種類のレクチンを含むレクチンラ イブラリを、 同定の対象となる細胞に対して適用をし、 当該適用をすることに よって得られた結合パターンから当該細胞の種類を同定することを特徴とする細 胞の種類の同定方法。
9 . 前記複数種類のレクチンには、 所定の部位が改変された改変レクチンが含ま れることを特徴とする請求の範囲第 8項に記載の同定方法。
1 0 . 前記複数種類のレクチンが MAH派生レクチンであり、 前記所定の部位が ループ Cとループ Dのいずれか一方又は両方であることを特徴とする請求の範囲 第 9項に記載の同定方法。
I I . MAHレクチンを構成する 285個アミノ酸の中で、 ァスパラギン酸 135、 ァ スパラギン酸 127、 及ぴヒスチジン 132について固定をしたまま、 当該 MAHレク チンの 127番目〜 137番目のアミノ酸について欠失、 置換、 揷入を適宜行って MA Hレクチンの改変を行うことにより、 細胞の種類を同定するのに有用なレクチン を得る方法。
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