WO2002050326A1

WO2002050326A1 - Feuille d'acier pour emaillage, article emaille et leurs procedes de production

Info

Publication number: WO2002050326A1
Application number: PCT/JP2001/011025
Authority: WO
Inventors: Fumiaki Sato; Toshihira Hamada; Shuzo Oda; Yoshihiro Jono; Takahiro Hayashida; Junichi Fujimoto; Masao Komai
Original assignee: Toyo Kohan Co., Ltd.; Ferro Enamels (Japan) Limited
Priority date: 2000-12-21
Filing date: 2001-12-17
Publication date: 2002-06-27
Also published as: EP1347070A1; JP2002194493A; US20030173002A1; DE60126821T2; EP1347070B1; EP1347070A4; ES2278683T3; ATE354685T1; AU2002222654A1; US6905783B2; DE60126821D1

Description

明細書ほうろう用鋼板、その製造方法、ほうろう製品、およびその製造方法技術分野

本発明は、ほうろう用鋼板、その製造方法、ほうろう製品、およびその製造方法に関する。より詳細には、低炭素の A 1キルド鋼板、高酸素鋼板、 T i添加鋼板、 N b添加鋼板、 B添加鋼板を用いた、ほうろうとの優れた密着性が得られるほうろう用鋼板、その製造方法、ほうろう製品、およびその製造方法に関する。背景技術

ほうろう製品は台所 ·食卓用品、燃焼機器用部品、浴槽、建造物の内装材およぴ外装材などの用途で幅広く用いられている。ほうろう製品は、通常鋼板上に下釉薬を掛けて焼成し、さらにその上に上釉薬を掛けて焼成する 2回掛けで製造されているが、生産コストの低減を図るために、鋼板上に上釉薬を直接掛けて焼成するだけの直接 1回掛けによる製造方法が用いられている。し力し、直接 1回掛けによる製造方法においては、使用する鋼板のほうろう加工のための前処理として、酸洗を強化したり N i浸漬処理を施す必要がある。また、直接 1回掛けによるほうろう製品における良好なほうろう密着性を得るための鋼板としては、製鋼段階で C量を低減し、脱酸処理を施さずに連続铸造法を用いて製造された酸素含有量が多い高酸素鋼の圧延板が広く使用されている。し力し、高酸素鋼は一般に加工性に乏しく、厳しレ、加工が要求される用途への使用が制限されている。

特公昭 5 4— 2 4 4 1 3号公報では、 1回掛けほうろうにおいて釉薬との密着性を向上させる手段として、ほうろうを施す前に行う表面処理を、従来の-ッケル浸漬法に代えて、従来の炭素鋼板からなる鉄鋼材の表面に N iもしくは F eの一種または二種の金属と M oまたは Wの一種または二種の金属との合金を被覆することを提案しているが、その加工性に関しては何も記載がない。

一方、台所用品や浴槽のように、厳しい加工が要求される用途には、従来から T i添加鋼や B添加鋼の圧延板が用いられている。し力し、特開平 1 0— 1 4 0 2 8 6号公報にも開示されているように、 T i添加鋼板や B添加鋼板は加工性には優れているものの、直接 1回掛けではほうろう層に黒点欠陥が発生するため、下釉薬仕上げか、又は上釉薬および下釉薬の 2回掛けでほうろう層を形成しなければならなかった。

以上のように、工程を省略し製造エネルギーを低減して、生産コストの低減を図ることが可能な、加工性に優れ、且つ直接 1回掛けでも十分な密着性が得られるほうろう用めつき鋼板が求められている。

本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、低炭素の A 1キルド鋼板、高酸素鋼板、 T i添加鋼板、 N b添加鋼板、又は B添加銅板を用い、加工性に優れた上に、上釉薬の直接 1回掛けで優れたほうろう密着性と黒点欠陥のないほうろう層が得られるほうろう用鋼板、その製造方法、ほうろう製品、およびその製造方法の製造方法を提供することを目的とする。発明の開示

本癸明者らは、上記課題を解決する研究において、従来 2回掛けでほうろう層を形成しなければならなかった T i添加鋼板や B添加鋼板でも、その成分比率と、表面処理法を工夫することによって、加工性に優れた上に、上釉薬の直接 1回掛けで優れたほうろう密着性と黒点欠陥のないほうろう層が得られることを見出し、本発明に到達したものである。

即ち、上記課題を解決する本発明の請求項 1のほうろう用鋼板は、成分が C ≤ 0 . 1 0重量⁰ /₀ (以下重量⁰ /₀を⁰ /₀で示す）、 Mn ：≤ 1 . 0 %、 P ：≤ 0 . 1 5 %, S ：≤ 0 . 1 %, A 1 ：≤ 0 . 1 %の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなる A 1キルド鋼板上に N i一 M o合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなることを特徴とする。

請求項 2のほうろう用鋼板は、成分が C ： ≤0. 10%、 Mn : ≤ l. 0%、 P ： ≤ 0. 15 %、 S ： ≤ 0. 1 %, A 1 ： ≤ 0. 1 %、 O ： 0. 00 1〜 0.

10 %の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなる高酸素鋼板 _hに N i一 Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなることを特徴とする。

請求項 3のほうろう用鋼板は、成分が C ： ≤0. 10%, Mn ： ≤ 1. 0%、 P ： ≤ 0. 1 5%, S ： ≤ 0. 1 %、 A 1 ：≤ 0. 1 %、 T i ： 0. 03〜 0.

50%の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなる T i 添加鋼板上に N i一 Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなることを特徴とする。

請求項 4のほうろう用鋼板は、成分が C ： ≤ 0. 10%, Mn ： ≤ 1. 0%、 P ： ≤ 0. 1 5%, S ： ≤ 0. 1 A 1 ： ≤ 0. 1 %、 N b ： 0. 03〜 0.

50 %の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなる N b 添加鋼板上に N i—Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなることを特徴とする。

請求項 5のほうろう用鋼板は、成分が C : ≤0. 10%, Mn ： ≤ 1. 0%、 P ： ≤ 0. 15%, S ： ≤ 0. 1 % A 1 ： ≤ 0. 1 %、 T iおよび N bの両者の合計が 0. 03〜0. 50%を超えない範囲で T i ： 0. 01〜0. 40%、 Nb ： 0. 01〜0. 40%の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなる Nb添加鋼板上に N i— Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなることを特徴とする。

請求項 6のほうろう用鋼板は、成分が C ： ≤0. 10%, Mn ： ≤ 1. 0%、 P ： ≤ 0. 15%, S ： ≤ 0. 1 %、 A 1 ： ≤ 0. 1 %、 B ： 0. 00 1〜 0. 020 %の関係で含有されており、残部が F eおよぴ不可避的不純物からなる B 添加鋼板上に N i—Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなることを特徴とする。

請求項 7のほうろう用鋼板は、上記のいずれかのほうろう用鋼板の、 ESCA (光電子分光法）で測定した鋼板の表面に存在する元素の割合が、表面から深さ 100 nmにおいて、 N i ： 5〜50%、 Mo ： 5〜50%、 F e ： 30〜90 %であり、かつ N i +Mo + F e = 100 %であることを特徴とする。

また、本発明の上記請求項 1〜6の各ほうろう用鋼板の製造方法は、上記に記載の A 1キルド鋼板、高酸素鋼板、 T i添加鋼板、 N b添加鋼板、 T i一 N b添加鋼板又は B添加鋼板上に、それぞれ N i—Mo合金めつきを施し、次いで熱処理を施すことを特徴とするものである。前記 N i—Mo合金めつきとしては、めつき皮膜中の N i量が 1. 5〜20. 0 _§/111²、

量が0. 4〜7. 0 g/m² となるようにめつきすることが望ましい。そして、前記熱処理を 500〜900 °Cの温度で実施することが望ましい。

さらに本発明のほうろう層を形成してなるほうろう製品は、上記のいずれかのほうろう用鋼板に、ほうろう層を形成してなることを特徴とする。そして、本発明のほうろう製品製造方法は、上記の各ほうろう用鋼板上に、 1回掛けで上釉薬を施釉し、次いで焼成することを特徴とする。

本発明の上記 A 1キルド鋼板、高酸素鋼板、 T i添加鋼板、 Nb添加鋼板、 T i -Nb添加鋼板又は B添加鋼板における各成分の限定理由は以下の通りである

[C]

Cは良好な加工性を確保し、ほうろうを焼成する際の気泡や黒点の発生を抑制する観点から、 0. 10%以下とする。特に加工性を向上させるためには、 Cを 0. 010%以下にすることが好ましい。

[Mn]

M nは Sと結合することによって、熱間加工時の脆ィ匕による割れを抑制する効果およびほうろう密着性を良好にする効果があり、 1. 0%以下含有させる必要がある。 1. 0%を超えると材質を硬化させ、延性およびプレス成形性が低下する。

[P]

Pは鋼を強化する作用があるが、過剰の含有は深絞り性が劣化するので、 0. 15%以下とする。

[S]

Sは酸洗時に鋼板の粗面化を促進して、アンカー効果によりほうろうの密着性を向上するのに有効であるが、過剰の含有は気泡および黒点の原因となるので、

0. 1%以下とする。

[A1]

A 1は溶銅の脱酸剤として添加するが、過剰の含有はコストが上昇するだけなので、 0. 1%以下とする。

[O]

oは耐爪飛び性を改善する効果があるが、過剰の含有は連铸スラブのブローホールが多く、製品歩留まりが悪くなるので、高酸素鋼板として用いる場合は 0. 01〜0. 10%の範囲とする。

[T i]

T iは深絞り性の向上おょぴ爪飛びの発生を抑制する効果があり、 0. 03 % 以上の添加が必要であるが、過剰の含有は表面欠陥の発生おょぴ製造コストの上昇を招くので、 T i添加鋼板として用いる場合は 0. 03〜0. 50%の範囲とする。

[Nb]

Nbも T iと同様に、深絞り性の向上および爪飛びの発生を抑制する効果があり、 0. 03%以上の添加が必要であるが、過剰の含有は表面欠陥の発生および製造コストの上昇を招くので、 T iと同様に Nb添加鋼板として用いる場合は 0 . 03-0. 50%の範囲とする。また、 T iと Nbは併用して用いることも可能であり、その場合の添加量としては、両者の合計で 0. 03〜0. 50%を超えない範囲で T i ： 0. 01〜0 . 40%、 Nb ： 0. 01〜0. 40%の範囲であることが好ましい。

[B]

Bは耐爪飛び性を向上する効果があり、 0. 001 %以上の添加が必要であるが、過剰の含有はスラブ性状が不安定となるので、 B添加鋼板として用いる場合は 0. 001〜0. 020%の範囲とする。発明を実施するための最良の形態

本発明においては、下記のように成分を規制した低炭素の A 1キルド鋼板、高酸素鋼板、 T i添加鋼板、 Nb添加鋼板、 B添加鋼板の各鋼板に N i _Mo合金めっきを施し、次いで熱処理してなるほうろう用鋼板の表面に存在する N i、 M o、 F eの量を一定範囲とすることにより、上釉薬を直接 1回掛けのみで施釉したほうろう製品においても優れたほうろう密着性が得られることが判明した。本発明において、低炭素の A 1キルド鋼板は、成分が C ： ≤ 0. 10重量％ ( 以下重量％を％で示す）、 Mn ：≤ 1. 0 %、 P ： ≤ 0. 15%、 S ：≤0. 1 % 、 A 1 ： ≤ 0. 1 %の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなつている。そして、高酸素鋼板は上記成分に Oが 0. 001〜0. 10% の関係で添加され、 T i添加鋼板は、 T iが 0. 03〜0. 50 %の関係で添加され、 N b添加鋼板は N bが 0. 03〜0. 50 %の関係で添加され、 T i— N b添加鋼板は T iおよび Nbの両者の合計が 0. 03〜0. 50%を超えない範囲で T i : 0. 01〜0. 40%, Nb ： 0. 01〜0. 40%の関係で添加され、 B添加鋼板は Bが 0. 001〜0. 020%添加されてなる。

上記範囲に成分を調整した鋼を連続铸造法を用いてスラブとする。このスラブを熱間圧延、または再加熱した後熱間圧延する。次いで、硫酸酸洗など定法により酸洗して脱スケールした後、 50〜95%程度の圧延率で冷間圧延し、再結晶温度以上、 Ac₃点以下の温度で箱形焼鈍法または連続焼鈍法により焼鈍し、次いで 0. 1〜5%程度の圧延率で調質圧延を施し、本発明に用いる鋼板とする。次いで、上記鋼板に N i— Mo合金めつきを施す。合金めつきは無電解めつき法、電解めつき法のいずれを用いてもよいが、合金組成の制御しやすさの点から電解めつき法を用いることが好ましい。めっき浴組成としては、 N iイオンを硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン酸塩などの無機酸塩の形で供給し、 Moイオンを金属酸塩のアンモニゥム塩などの形で供給し、これにクェン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸やこれらの有機酸の塩を錯化剤として添加した水溶液を用いる。この水溶液に酸またはアル力リを加えて pHを 2〜4に調節し、浴温を 30〜50°Cに調節し、陽極として N i板を用い、 5〜30AZ dm²の電流密度で直流電解する。めっき前の鋼板はめつきするまでの経時中に酸化したり、油脂類と接触することがあるので、前記のめっきを施す直前に、定法により脱脂処理、酸洗処理を施すことが好ましい。

上記合金めつきによって形成される皮膜量は、 N i量として 1. 5〜20. 0 好ましくは 2. 0〜6. 0 g/m²、 Mo量として 0. 4〜7. 0好ましくは 1. 0〜2. O g/m²である。これらの量は蛍光 X線分析法を用いて求めることができる。めっき皮膜中の N i量おょぴ Mo量がこの範囲をはずれた場合は、下記に示すようにめつき後の熱処理により鋼板表面に F e、 N i、 Moの元素を好適範囲で存在させることができず、良好なほうろうとの密着性を得ることができない上記のようにして鋼板上に N i _Mo合金めつきを施した後、熱処理を施す。熱処理は通常の鋼板の焼鈍と同様にして実施する。熱処理方法、すなわち焼鈍方法としては箱形焼鈍法、または連続焼鈍法のいずれを用いても差し支えない。焼鈍条件としては、熱処理後の鋼板表面に存在させる F e、 N i、 Moの割合にもよるが、アンモニア分解ガス及ぴ HNXガスなどの還元性雰囲気中で 500〜9 00 °Cの温度で 1分〜 15時間、好ましくは 550〜 750。Cで 1分〜 8時間加熱であることが好ましい。

以上のようにして、本発明のほうろう用めつき鋼板を得ることができる。上記の熱処理により、鋼板中に N iおよび Moが拡散し、かつ N iおよび Moも相互拡散し、鋼板の表面に存在する F e、 N i、 Moの元素の割合が変化する。鋼板表面に存在する元素の割合は、 E S C Aなどの表面分析装置を用いて測定することができる。熱処理後の鋼板の表面に存在する F e、 N i、 Moの元素の割合が、表層から深さ 100 nmにおいて、 N i ： 5〜50%、 Mo ： 5〜50%、 F e ： 30〜 90 %であり、好ましくは N i ： 5〜 30 %、 Mo ： 5〜 30 %、 F e ： 40〜 70 %であり、かつ N i +M o+F e = 100%とすることにより、良好なほうろう密着性が得られる。なおここで言う深さは、熱処理後の鋼板の表面を Arイオンでエッチングしたのと同一時間、標準試料 S i〇2をエッチングした場合の深さで示す。このように、 N i— Mo合金めつきを施した後に熱処理を施すことにより、めっき鋼板の表面にある程度以上の F eを存在させた Mo—N i層が存在することにより、良好なほうろう密着性が得られる。 F e、 N i、 M oの存在割合が上記範囲をはずれる場合は、良好なほうろう密着性を得ることはできない。

次いで上記のようにして得られたほうろう用鋼板は、平板の未加工の状態でほうろう加工してもよいし、曲げ加工や絞り加工を施して所望の形状に成形加工した後、ほうろう加工してもよい。また、本発明のほうろう用鋼板を用いることにより、酸洗、ニッケル処理を省いて、密着の良いほうろう製品が得られる。特に上釉薬を直接一回掛けで施釉するほうろう製品に用いるほうろう用鋼板においては、前処理の酸洗工程で、 30〜4 Og/ni²の量の鉄をエッチングし、さらにその表面にニッケルを 0. 6〜1. 5 g/m²析出させる必要がある。本発明のほうろう用鋼板ではこれらの工程を全て省くことができる。また、ほうろう製品としては、上釉薬直接一回掛け仕上げ、下釉薬仕上げ、下釉薬 +上釉薬仕上げ、絵付け仕上げ等があるが、本発明のほうろう用鋼板はこれらの全てのほうろう製品に適用することができる ₍ 実施例

以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明する。

[ほうろう用鋼板の作成]

表 1に示す成分を有する鋼（A1〜F 3) を溶鋼し、 22種類のスラブを製造した。これらのスラブを 1 160°Cに加熱し、仕上げ温度 880°Cで熱間圧延して板厚： 2. 8mmの熱延板とし、 650 °Cでコイル状に捲き取った。次いでコィルを卷き解きながら脱スケールおよび硫酸酸洗し、冷間圧延を施して板厚： 0 . 8 mmとした後、 830°Cで 75秒間連続焼鈍し、次いで圧延率： 0. 5%で調質圧延し、冷延鋼板を得た。

上記の冷延鋼板に定法によりアル力リ脱脂、硫酸水溶液を用いて酸洗を施した後、下記のめっき浴を用い、下記の条件で N i _Mo合金を表 2に示す皮膜量となるように電気めつきし、次いでアンモニア分解ガス中で表 2に示す条件で熱処理し、表 2の実施例 1〜23に示すほうろう用めつき鋼板を作成した。これらのほうろう用鋼板の表面に存在する F e、 N i、 Moの元素の割合を ESC Aを用いて測定した。

〈めっき浴〉

硫酸二ッケル 82 g/L

モリプデン酸ァンモニゥム 48 g/L

タエン酸ナトリゥム 88 g/L

〈めっき条件〉

PH 3. 0

浴温 40。C

20 A/ d m²

二ッケル板. 表 1 'ほうろう用鋼の化学成分銷種鉀の化学成分（重惫％〉

せ々

C n P S A 1 O T i N b B Fe及び不可避的不純物

A 1 0.0011 0.16 0.008 0.004 0.064 残部

A2 0.0049 0.25 0.017 0.005 0.002 残部

A3 0.0100 0.36 0. Oil 0.030 0.070 残部

A4 0.0072 1.00 0.013 0.015 0.030 残部

A5 0.0067 0.29 0.150 0.015 0.030 残部

A 6 0.0046 1.00 0.019 0.100 0.030 残部

A 7 0.0023 0, 29 0.013 0.022 0, 100 残部

B 1 0.0031 0.30 0.013 0.008 0.010 0.001 残部

B 2 0.0027 0.28 0.019 0.014 0.005 0, 034 残部

B 3 00026 0.33 001? 0.012 0, 008 0.100 残都

C 1 0.0029 0.19 0.018 0.022 0.038 0.030 残部

C 2 0.0024 0.12 0.025 0.033 0.030 0,079 残部

C 3 0.0031 0₄23 0.022 0.030 0.027 0.500 残部

D 1 0.0045 0.20 0.022 0.032 0.038 0.030 残部

D 2 0.0029 0.14 0.025 0.026 0.051 0.068 残部

D 3 0.0032 0.19 0.019 0.029 0.023 0.500 残部

E 1 0.0052 0.10 0.029 0.039 0.042 0ン..010 0.240 残部

E 2 0.0037 0.18 0.018 0.024 0.036 0.216 0.193 残部

E 3 0.0044 0.12 0.020 0.033 0.043 0.332 0.010 .残部

F 1 0.0062 0.24 0.019 0.008 0.084 0.001 残部

F 2 0.0038 0.29 0. Oil 0.017 0.099 0.0097 残部

F 3 0.0042 0.19 0.016 0.011 0.054 0.020 残部表 2 ほうろう用めつ.き鋼板めっき皮膜量熱処理条件鋼板表面の元素割合または番号 (重量⁰ /₀)

1 Ni Mo its 時間

W) W) (°C) Fe Ni Mo 実施例 1 A1 1.5 0.6 900 1分 55.8 35.1 9.1 実施例 2 A2 4.5 1.1 630 8時問 37.4 44.5 18.1 実施例 3 A3 6.0 2.0 750 3時間 77.0 7.7 15.3 実施例 4 A4 20.0 4.8 700 5時間 43.1 40.2 16.7 実施例 5 A5 1.5 6.8 750 3時間 45.1 5.1 49.8 実施例 6 A6 4.6 1.2 550 8時間 34.3 45.1 20.6 実施例 7 A7 1.5 0.4 750 1分 88.9 5.6 5.5 実施例 8 B 1 3.3 1.2 750 10時間 88.8 5.6 5.6 実施例 9 B2 2.5 1.2 600 10時間 32.8 19.9 47.3 実施例 10 B 3 3.5 1.3 700 5時間 31.4 33.8 24.8 実施例 11 C 1 4.8 1.4 750 1時間 55.5 25.5 19.0 実施例 12 C2 5.7 1.6 600 8時間 33.4 40.5 26.1 実施例 13 C3 4,3 1.2 620 8時間 33.6 47.2 19.2

'実施例 14 D 1 2.0 0.4 900 1分 53.8 37.3 7.9 実施例 15 D2 6.0 1.8 500 時間 30.5 48.8 20.7 実施例 16 D 3 5.4 3.1 750 2時間 64.1 10.4 25.5 実施例 17 E 1 15.6 7.0 700 5時間 47.1 28.2 24.7 実施例 18 E 2 2.5 0.8 650 5時間 38.4 47.3 14.3 実施例 19 E 3 4.4 1.2 650 6時間 35.6 47.6 16.8 実施例 20 F 1 4.6 1.3 640 7時間 35.2 47.0 17.8 実施例 21 F 2 5.9 1.8 740 3時問 72.1 11.5 16.4 実施例 22 F 3 4.2 1.5 620 9時間 36.6 48.1 15.3 実施例 23 A2 3.7 1.4 650 5時間 37.5 35.5 27.0 比較例 1 E 2 3.1 550 5時間 14.2 85.8 比較例 2 D 3 22.5 8.8 400 1時間 3.1 65.7 31.2 比較例 3 B 2 1.3 950 1時間 95.3 4.7 また、比較例として、鋼種番号 D 3については上記めつき浴、めっき条件で表 2の比較例 2に示す皮膜量となるように電気めつきし、鋼種番号 E 2と B 2については、下記の条件で N iを表 2の比較例 1、 3に示す皮膜量となるように電気めっきし、次いでアンモニア分解ガス中で表 2に示す条件で熱処理し、表 2の比較例 1〜 3に示すほうろう用めつき鋼板を作成した。これらのほうろう用鋼板の表面に存在する F e、 N i、 Moの元素の割合を E S C Aを用いて測定した。

〈めっき浴〉

硫酸二ッケル： 300 g/L

塩化二ッケル： 45 g/L

ホウ酸 30 g/L

〈めっき条件〉

p H ： 4. 0

浴温： 55。C

： 1 OA/ dm²

：二ッケル板

[特性評価]

上記のようにして得られたほうろう用めつき鋼板について、下記のように加工性、上釉薬の直接 1回掛けのほうろう密着性および外観を評価した。

〈加工性〉

ほうろう用めつき鋼板の加工性は山田式カップ（絞り比： 2. 2) に加工し、カップの成形性おょぴ加工部をセロテープで剥離試験を行い、下記の評価基準で加工性を評価した。結果を表 3に示す。

〇：カップの成形性および剥離試験良好

△：カップの成形性良好で、試験部 5%以内の剥離

X ：カップの成形性良好で、試験部 5%以上の剥離

X X ：カップの成形性不良上記のほうろう用めつき鋼板に、直接 1回掛けにより、上釉薬（日本フェロー製： No. 02- 1 103/100) を焼成後の厚さが約 120 mとなるように施釉し乾燥した後、大気中の焼成炉にて 800°Cで 3分間焼成し、試料とした。試料は下記のように、ほうろうの密着性おょぴ外観を評価した。

く密着性〉

ほうろうの密着性は次のように P E I法で評価した。

油圧ハンドプレスを用いて 25 mm径の鋼球を 8. 9 kNの力を作用させて上記の試料の平板部分に押しつけて変形させた後、その部分に 169本の金属製導通針を押し当てて電流を通し、下記の式から絶縁性を評価した。

絶縁性（％) = (n/l 69) X 100

ここで n ：通電しなかった針の数である。次いで本式より得られた絶縁性を示す値 (%)から、下記の評価基準でほうろう密着性を評価した。

〇：絶縁性〉 85%

△：絶縁性≤ 85 %でかつ≥ 80 %

X ：絶縁性く 80 %

結果を表 3に示す。

ぐ外観 >

ほうろうの外観については、 30 cmX 30 c mのサイズの試験片を同一試料について 10枚切り出し、泡 ·黒点および爪飛びの発生状況を肉眼観察して発生個数を計測し、下記の規準で評価した。

-泡 ·黒点 -

〇：泡および黒点は一切認められない。

△： 10枚の試験片でトータル 10個未満の泡または黒点が認められる。 X ： 10枚の試験片でトータル 10個以上の泡または黒点が認められる。 -爪飛び-

〇：爪飛ぴは一切認められない。 - Δ： 0枚の試験片でト 7"タル 1 0個未満の爪飛びが認められ。 χ ： 0枚の試験片でトータル 1 0個以上の爪飛びが認められる。

表 3 特性評価結果

これらの結果を表 3に示す。

表 3に示すように、本発明のほうろう用めつき鋼板は加工性に優れており、中でも T i添加鋼および B添加鋼はとくに優れていた。さらに、上釉薬の直接 1回掛けにおけるほうろう密着性および外観の優れたほうろう製品が、すべての本発明の範囲において得られた。

これに対し、比較例 1は、ほうろう密着性は良好であつたが力ップ成形性が不良であり、比較例 2は逆に力ップ成形性は良好であつたがほうろう密着性が不良であり、比較例 3はその両方とも不良であった。ほうろう外観については、比較例 1と比較例 3は泡 ·黒点と爪とびの両方が観察され、比較例 2は爪とびが観察され、いずれもほうろう外観が不良であった。

[ほうろう製品の作成]

本発明のほうろう用鋼板を用いて、以下に示すようにしてほうろう製品を作成した。

表 2の実施例 1 2と実施例 23のほうろう用鋼板を、それぞれ内径： 160m m、深さ： 1 10 mmの鍋、およぴ縦： 220 mm、横： 400 mm 深さ： 8 mmの石油ストーブ天板の形状にプレス成形加工し、施釉下地とした。次いで下記の釉薬を用い、下記のようにして施釉下地に 4種類の方法で施釉し、次いで焼き付け、ほうろう製品とした。

く釉薬〉

下釉薬：日本フェロー㈱製 03—1226

上釉薬：日本フェロー㈱製 02—2105

く施釉〉

(1)下釉薬仕上げ（下釉薬 1回掛け一 1回焼成）

上記のようにしてプレス成形加工した鍋おょぴ石油ストープ天板の施釉下地に、上記の下釉薬： 03— 1 226を、焼成後の厚さが約 100 μπιになるように施釉し、乾燥した後、焼成炉にて 8 2 0 °Cで 5分間焼成した。

(2)下釉薬仕上げ後上釉薬仕上げ（ 2回掛け一 2回焼成）

上記と同様にして下釉薬を施釉し焼成した後、その表面に上記の上釉薬： 0 2 - 2 1 0 5を焼成後の厚さが約 1 0 0 μ mになるように施釉し、乾燥後、焼成炉にて 8 2 0 で 5分間焼成した。

(3)下釉薬 +上釉薬仕上げ（2回掛け一 1回焼成）

上記と同一の鍋おょぴ石油ストープ天板の施釉下地に、上記の下釉薬： 0 3 一 1 2 2 6を、焼成後の厚さが約 8 0 μ ηιになるように施轴し、焼成することなく引き続きその上に、上記の上釉薬： 0 2— 2 1 0 5を焼成後の厚さが約 1 2 0 μ mになるように施釉し、乾燥後、焼成炉にて 8 2 0でで 5分間焼成した。

(4)上釉薬仕上げ（上釉薬直接 1回掛け一 1回焼成）

上記と同一の鍋および石油ストーブ天板の施釉下地に、上記の上釉薬： 0 2 - 2 1 0 5を焼成後の厚さが約 1 2 0 μ mになるように施釉し、乾燥後、焼成炉にて 8 2 0 °Cで 5分間焼成した。

(1)〜（4)のようにして得られた鍋おょぴ石油ストーブ天板のほうろう製品の密着性およぴ外観を下記の容量で評価した。

く密着性〉

先に示したほうろう用鋼板のほうろう密着性の評価と同様に、 P E I法を用いて評価した。

ぐ外観 >

ほうろう製品の外観を目視観察し、泡、黒点、ピンホール、爪飛び等の有無をの程度を評価した。結果を表 4に示す。

表 4に示すように、本発明のほうろう製品は、下釉薬または上釉薬のみ施釉した後焼成する 1回掛けの場合でも、下釉薬を施釉し焼成し、次いで上釉薬を施釉し焼成する場合、および下釉薬を施釉し次いで上釉薬を施釉し焼成する 2回掛けの場合と同様に、ほうろう密着性おょぴ外観に優れている。 ¾ 4 ほうろう製品の評価結果

また、本発明のほうろう用鋼板は、上記のようにほうろう用製品の下地としてのみならず、無機コーティングや有機コーティング皮膜を形成させる下地としても適用することができる。産業上の利用可能性

以上のように本発明によれば、所定の成分に調製した低炭素の A 1キルド鋼板、高酸素鋼板、 T i添加鋼板、 N b添加鋼板、 B添加鋼板に N i—M o合金めつきを施し、次いで熱処理することにより、加工性とほうろう密着性に優れたほうろう用鋼板を得ることができる。そして、これらのほうろう用板の表面に存在する N i、 Mo、 F eの量を一定範囲とし、そのほうろう用鋼板に上釉薬を直接 1回掛して焼成しほうろう製品することにより、上釉薬およぴ下釉薬を 2回掛けするほうろう製品と同様に、ほうろう密着性と外観に優れたほうろう製品が得られる。

Claims

請求の範囲

1. 成分が C ： ≤0. 10重量％ (以下重量％を％で示す）、 Mn ：≤ 1. 0% 、； P ： ≤ 0. 15%, S ： ≤ 0. 1 %, A 1 ： ≤ 0. 1 %の関係で含有されており、残部が F eおよぴ不可避的不純物からなる A 1キルド鋼板上に N i— M o合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなるほうろう用鋼板。

2. 成分が C ： 0. 10%, Mn ： ≤ 1. 0 %、 P ：≤ 0. 15%、 S ： ≤ 0. 1 %_Λ A 1 ： ≤ 0. 1%、 0 : 0. 001〜0. 1 0%の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなる高酸素鋼板上に N i一 Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなるほうろう用鋼板。

3. 成分が C ： 0. 10%, Mn ： ≤ 1. 0 %、 P ： ≤ 0 · 15%、 S ： ≤ 0. 1 %, A 1 ： ≤ 0. 1%、 T i : 0. 03〜0. 50%の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなる T i添加鋼板上に N i _Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなるほうろう用鋼板。

4. 成分が C ： ≤ 0. 10 %、 Mn ： ≤ 1. 0 %、 P ： ≤ 0. 15%、 S ： ≤ 0. 1%、 A l : ≤0. 1%、 Nb ： 0. 03〜0. 50%の関係で含有されており、残部が F eおよぴ不可避的不純物からなる N b添加鋼板上に N i— M o合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなるほうろう用鋼板。

5. 成分が C ： ≤ 0. 10 %、 Mn ： ≤ 1. 0 %、 P ： ≤0. 1 5%、 S ： ≤ 0. 1 %, A 1 ： ≤ 0. 1%、 T iおよび Nbの両者の合計が 0. 03〜0. 5 0%を超えない範囲で T i ： 0. 01〜0. 40%、 Nb : 0. 01〜0. 40 %の関係で含有されており、残部が F eおよぴ不可避的不純物からなる T i一 N b添加鋼板上に N i一 Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなるほうろう用鋼板。

6. 成分が C ： ≤ 0. 10%, Mn ： ≤ 1. 0 %、 P ： ≤ 0. 1 5%、 S ： ≤ 0. 1 % A 1 ： ≤ 0. 1%、 B : 0. 001〜0. 020%の関係で含有されており、残部が F eおよび不可避的不純物からなる B添加鋼板上に N i— Mo合金めつき皮膜を形成し、次いで熱処理してなるほうろう用鋼板。

7. ほうろう用鋼板の表面に存在する元素の割合が、表面から深さ 10 O nm において、 N i ： 5〜 50 %、 Mo ： 5〜 50 %、 F e ： 30〜 90 %であり、かつ N i +Mo+F e = 100 %であることを特徴とする、請求項 1〜6のいずれかに記載のほうろう用鋼板。

8. 請求項 1〜 6のいずれかに記載の A 1キルド鋼板、高酸素鋼板、 T i添カロ鋼板、 Nb添加鋼板、 T i一 Nb添加鋼板又は B添加鋼板上に、 N i— Mo合金めっきを施し、次いで熱処理を施すことを特徴とする、ほうろう用鋼板の製造方法。

9. 前記 N i— Mo合金めつきとして、めっき皮膜中の N i量が 1. 5〜20

. O gノm²、 Mo量が0. 4〜7. 0 g Zm²となるようにめつきすることを特徴とする、請求項 8に記載のほうろう用鋼板の製造方法。

10. 前記熱処理を 500〜900°Cの温度で実施することを特徴とする、請求項 8又は 9に記載のほうろう用鋼板の製造方法。

11. 請求項 1〜7のいずれかに記載のほうろう用鋼板に、ほうろう層を形成してなるほうろう製品。

12. 請求項 1〜 7のいずれかに記載のほうろう用鋼板上に、 1回掛けで上釉薬を施轴し、次いで焼成することを特徴とする、ほうろう製品の製造方法。