WO2002022344A1

WO2002022344A1 - Feuille de plastique presentant un aspect de textile, materiau de surface pour article absorbant mettant en application cette feuille de plastique et procede de fabrication de ce materiau de surface

Info

Publication number: WO2002022344A1
Application number: PCT/JP2001/007941
Authority: WO
Inventors: Masaki Matsuoka; Masaya Fujita
Original assignee: Daio Paper Corporation
Priority date: 2000-09-14
Filing date: 2001-09-13
Publication date: 2002-03-21
Also published as: EP1331083A4; AU2001284530A1; KR20020053850A; EP1331083A1; US8188333B2; US20030004481A1; JP3783919B2; JP2002160293A; KR100821997B1; EP1331083B1

Description

明細書布様外観を呈するプラスチックシ一ト及びそれを利用した吸収性物品の表面材並びにその製造方法

技術分野

本発明は、シート表面に凹凸状の皺を人工的に与えた、布のような外観と感触を有するプラスチックシ一卜、及びそれを利用した吸収性物品の表面材並びにその製造方法に関する。

背景技術

従来より、吸収性物品の表面材として、肌への接触面積を低減させることにより湿り感を抑える、或いは質感を出すと共に感触性を高めるなど種々の目的に応じて適宜のメルトパターン（エンボスパターン）が付与されたものが市場に提供されている。この種のものとしては、例えば特開平 10-272152号公報、特許第 2859725号公報などに記載されるものを挙げることができる。

前者の前記特開平 10- 272152号公報に記載される表面材は、多数の導液開口部を有する熱融着性疎水性上層シートと、その内面に位置する熱融着性親水性下層シ一トとから構成され、前記上下層シートを互いに特殊形状かつ多数のエンボスパターン窪み又は孔により融着したものであり、後者の特許第 2859725号公報に記載される表面材は、長手方向に沿つて延びる複数本の中空状凸条を、幅方向に適宜間隔をおいて配置し、かつ前記中空状凸条間にそれぞれ複数個の液透過用開孔を形成したものである。

しかしながら、前記特開平: L0-272152号公報記載の表面材のように、多数の点状エンボス孔でスポッ卜的に溶融し上層シートと下層シートを融着した表面材は、散在する窪みゃ孔によって点状模様を呈するようになるが、立体感に乏しく平滑なプラスチックシート面から醸し出される冷たい見栄えや感触を克服出来ていない。

一方、前記特許第 2 8 5 97 2 5号公報記載の表面材の場合は、形状として明確な中空状凸条を表層に有するため、立体感があり全体から受ける印象としても、冷たい印象を与えることはない。しかし、前記中空状凸条が身体側からの圧力を受けて潰れ易く、潰れた中空状凸条が液透過用開孔を塞いでしまう、或いは中空状凸条がだれ易く、形状安定性が非常に低いなどの問題があった。

そこで、本発明の第 1の課題は、シート表面に凹凸状の皺を与えることにより、プラスチックシートでありながら布のような外観と感触を与えたプラスチックシートを提供することにある。

また、第 2の課題は、. 「体液透過後のドライタツチ性」というプラスチックシート表面材の長所を生かしながら、布のような柔らかい、ふんわりした、暖かい見栄えや感触を発現させるとともに、皺の形状安定性を高めた吸収性物品の表面材を提供し、さらには、その表面材を使用した吸収性物品を提供することにある。

第 3の課題は、これら布様外観を呈するプラスチックシ一トおよび吸収性物品の表面材、さらには、その表面材を使用した吸収性物品の製造方法を提供することにある。発明の開示

上記第 1の課題を解決するための第 1の発明に係る布様外観を呈するプラスチックシートは、熱可塑性を有し、シート面にメルトパターンが付与されてなるプラスチックシートであって、前記メルトパターンは、 o 前記プラスチックシートの伸張条件下で、所定の配列をもって付与されるものであって、非伸張条件下で前記プラスチックシート面に前記メルトパターン間の領域にて凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする, 上記第 1の課題を解決するための第 2の発明に係る布様外観を呈するプラスチックシートは、熱可塑性を有し、シート面にメルトパターンが付与されてなるプラスチックシートであって、前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線（ 7 ) が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるように付与され、非伸張条件下でブラスチックシート面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする。

また、上記第 1の課題を解決するための第 3の発明に係る布様外観を呈するプラスチックシートは、熱可塑性を有し、シート面にメルトパ夕ーンが付与されてなるプラスチックシー卜であって、前記メルトパターンは、前記プラスチックシ一卜の伸張条件下で、実質的に伸張方向に長手寸法を持つ、伸張状態を保持する保持パターンの群と、前記保持パ夕ーンによる歪みの伸張方向への拡散を寸断する、実質的に伸張直交方向に長手寸法を持つ寸断パターンの群と、の少なくとも 2種以上のメルトパターン群により、メルトパ夕一ンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線（ 7 ) が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるように付与され、非伸張条件下でプラスチックシート面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徵とする。

さらに、上記第 1の課題を解決するための第 4の発明に係る布様外観を呈するプラスチックシートは、熱可塑性を有し、シート面にメルトパターンが付与されてなるプラスチックシートであって、前記メルトパ夕 ,

4 ーンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、伸張直交方向に対して所定の間隔で列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向に長手寸法を持つ、伸張状態を保持する保持パターン（ 1 ) の列と、伸張直交方向に対して所定の間隔でかつ前記保持パターン列の各パ夕一ン間位置に列状に形成されるとともに、実質的に伸張直交方向に長手寸法を持つ、前記保持パターン（ 1 ) による歪みの伸張方向への拡散を寸断する寸断パターン（ 2 ) の列とが伸張方向に交互に繰り返しながら付与され、非伸張条件下でプラスチックシ一ト面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徵とする。

この場合、前記保持パターン（ 1 ) の伸張方向の長手寸法が 1 . 5 mm 〜 7 mmの範囲であることが好ましい。

またさらに、上記第 1の課題を解決するための第 5の発明に係る布様外観を呈するプラスチックシートは、熱可塑性を有し、シート面にメルトパターンが付与されてなるプラスチックシトであって、前記メルトパ夕一ンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、伸張直交方向に対して所定の間隔で、実質的に伸張方向に長手寸法を持つ、伸張状態を保持する保持パターン（ 3 ) と、実質的に伸張直交方向に長手寸法を持つ、前記保持パターン（ 3 ) による歪みの伸張方向への拡散を寸断する寸断パターン（4 ) とが交互に配置されたメルトパターン列が、伸張方向に千鳥パターン状に繰り返しながら付与され、非伸張条件下でプラスチックシ一ト面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする。

また、上記第 1の課題を解決するための第 6の発明に係る布様外観を呈するプラスチックシートは、熱可塑性を有し、シート面にメルトパタ —ンが付与されてなるプラスチックシートであって、前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、伸張直交方向に対して ^ 所定の間隔で列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向に対して傾斜する方向に長手寸法を持つ第 1メルトパターン（ 5 ) の列と、伸張直交方向に対して所定の間隔でかつ前記第 1メルトパターン列の各パターン間位置に列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向及び前記第 1 メルトパターン（ 5 ) の傾斜方向に対し交差する方向に長手寸法を持つ第 2メルトパターン（ 6 ) の列とが伸張方向に交互に繰り返しながら付与され、非伸張条件下でプラスチックシート面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする。

またさらに、上記第 1の課題を解決するための第 7の発明に係る布様外観を呈するプラスチックシートは、熱可塑性を有しシート面にメルトパターンが付与されてなるプラスチックシ一卜であって、前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、所定形状または模様のパターン（ 8 ) が非格子状の配列により付与され、非伸張条件下でプラスチックシート面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする。

上記の発明に係る布様外観を呈するプラスチックシ一トに液透過性を与えるためには、シート面に多数の開孔（ 1 8 ) が形成することにより達成される。

かかる特徵を有するプラスチックシートは、液透過性の表面材と、液不透過性の裏面シートと、これらの間に配置された吸収体とを具備してなる吸収性物品における、前記表面材、裏面シート、吸収体のうち少なくとも一つに利用されることにより、従来のプラスチックシートを用いた製品にはない肌触り感ゃ、暖かな布様外観が得られるのである。

次いで、上記第 2の課題を解決するための第 1の発明に係る吸収性物品の表面材は、吸収性物品において使用者の肌と接触する使用面側に配置される熱可塑性プラスチックシート表面材であって、前記表面材は、液透過性の多数の開孔（ 1 8 ) と、その開孔相互間に配置された開孔間領域とを有し、前記開孔から前記開孔間領域に亘る領域に伸張条件下でメルトパターンが付与されるとともに、前記メルトパターンの形成により開孔間領域に非伸張条件下で皺が形成されていることを特徴とする。また、上記第 2の課題を解決するための第 2の発明に係る吸収性物品の表面材は、使用者の肌と接触する使用面側に配置される熱可塑性ブラスチックシート表面材であって、前記表面材は、液透過性の多数の開孔 ( 1 8 ) と、その開孔相互間に配置された開孔間領域とを有し、かつ少なくとも一部分に、前記開孔と前記開孔間領域とを包含しながら、表面材の所定方向に沿ってパターン形状に明瞭な差異を有するメルトパ夕一ン列が伸張条件下で交互に反復形成され、該メルトパターンの配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする。

なお、前記「包含」とは、表面材に形成される開孔領域と開孔間領域とを区別することなく、メルトパターンを付与することを意味する。前記メルトパターンおよびこのメルトパターンの配列に対応した皺は、液透過後の湿り感,を低減する意味では、体液排出部に相当する少なくとも吸収性物品の長手方向中央部に設けられていることが望ましい。

しかし、同時に、布様外観を呈するためには、部分的ではなく表面材の全面に設けるのがより好ましい態様となる。

以上、前述のプラスチックシートおよび吸収性物品の表面材では、メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されているので、布のような外観と感触が得られるようになるとともに、皺の山、谷がメルトパターン配列に対応しているので、皺がだれにくく、形状安定性が高くなる。同時に、光の反射方向が不規則に変化することにより樹脂シート素材特有の光沢感、冷たいのつぺら感が抑制され、布様外観、布様感触に近づく。特に、表面材を斜め方向から見た時に前記メルトパターンに起マ因する比較的小さな凹凸による薄い陰影と、前記皺に起因する比較的濃い陰影との複合作用、相乗効果により合成樹脂シートとは思えないような、ふつくらとした布様外観を発現するようになる。

前記プラスチックシートおよび表面材における肌接触面側の光反射率は、布様外観を呈するために 5 %以下であることが望ましい。また、前記皺の山部と谷部とを含む表面材の見掛け上の厚みが 5 mm以下であるとともに、前記皺の山または谷相互間隔が 1 0 mm以下であることが好ましい。

また、上記第 2の課題を解決するための発明に係る吸収性物品は、液透過性の前記表面材と、液不透過性の裏面シートと、これらの間に配置された吸収体とを具備してなることを特徴とする。

上記第 3の課題を解決するための発明に係る布様外観を呈するプラスチックシー卜の製造方法は、熱可塑性を有するプラスチックシートを 5 乃至 4 0 %伸ばした状態で保持し、プラスチックシートの軟化点まで加熱されたメルトパターン付与ロール（ 1 0 5 ) により、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるようにメルトパターンを付与することを特徴とする。

また、上記第 3の課題を解決するための発明に係る吸収性物品の表面材の製造方法は、熱可塑性を有するプラスチックシートを多数の孔を配列した孔開けロール（ 1 0 4 ) にて多数の開孔を形成した後、該プラスチックシートを 5乃至 4 0 %伸ばした状態で保持し、前記プラスチックシートの軟化点まで加熱されたメル卜パターン付与ロール（ 1 0 5 ) により、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるようにメルトバターンを付与することを特徴とする。以上のとおり、本発明によれば、表面に凹凸状の皺を与えることによりプラスチックシートでありながら布のような外観と感触を与えたプラスチックシートを得ることが可能となる。

この結果、「体液透過後のドライ夕ツチ性」と言うプラスチックシ一ト表面材の長所を生かしながら、布のような柔らかい、ふんわりした、暖かい見栄えや感触を発現させるとともに、皺の形状安定性を高めることが可能となる。

さらに、上記第 3の課題を解決するための発明に係る吸収性物品の製造方法は、熱可塑性を有するプラスチックシートを多数の孔を配列した孔開けロール（ 1 04) にて多数の開孔を形成した後、該プラスチックシートを 5乃至 4 0 %伸ばした状態で保持し、前記プラスチックシ一トの軟化点まで加熱されたメルトパターン付与ロール（ 1 0 5) により、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線が - 直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるようにメルトパ夕一ンを付与した後、非伸張状態に戻して吸収性物品の表面材を製造するステップと、裏面シート（ 1 1 ) を裏面シート供給ドラム（ 1 0 3) から送り出すステップと、前記表面材と前記裏面シー卜との間に吸収ュニット（ 1 3 ) とを送り込んで一体に重ねるステップとからなることを特徴とする。図面の簡単な説明

第 1図は、メルトパターンの第 1形成態様を示す平面図である。

第 2図は凹凸状の皺形成原理の説明図である。

第 3図はメル卜パターンが形成されたプラスチックシ一卜の要部斜視図である。

第 4図は（A)が保持パターン 1のみを形成した場合の皺発生状況説明図であり、（B )が寸断パターン 2のみを形成した場合の皺発生状況説明図である。

第 5図はメルトパターンの第 2形成態様を示す平面図である。第 6図はメルトパターンの第 3形成態様を示す平面図である。第 7図はメルトパターンの第 4形成態様を示す平面図である。第 8図はその凹凸状の皺形成原理の説明図である。

第 9図は吸収性物品例を示す一部破断斜視図である。

第 1 0図は表面シート 1 2の要部平面図である。

第 1 1図は表面シート 1 2の斜視図である。

第 1 2図は表面シート 1 2の断面図である。

第 1 3図は本表面シ一トを用いた吸収性物品の製造方法を示す概略図である。

第 1 4図は、ポリエチレンシートに種々のメルトパターンを形成し、比較評価を行った結果をまとめた表である。 - 発明を実施するための最良の形態

以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳述する。

〈布様外観を呈するプラスチックシ一ト〉

本発明に係るプラスチックシートは、表面に凹凸状の皺を与えることにより、プラスチックシ一トでありながら布のような外観と感触を与えるようにしたものである。

本プラスチックシートでは、熱可塑性を示す合成樹脂シートが素材として使用される。このような合成樹脂シートとしては、例えばポリェチレン、ポリプロピレン等のォレフィン系樹脂が好適に使用されるが、ポリエステルや、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、エチレン—酢酸ビニ工〇ル共重合体（E V A ) なども使用することができる。プラスチックシ一トは、特に、肌に触れる部分に使用され、好ましくは肌に触れる表面材に使用され、この表面材はより好ましくは吸収性物品に使用される。前記凹凸状の皺とは、言わばプラスチックシート面に対し不規則に波畝状に形成される皺などで例示することができるが、この凹凸状の皺は. 総括的にはプラスチックシ一トを伸張させた状態で、メル卜パターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線が直線的に連続せず. ジグザグ状または菱形模様状に連続させることにより歪みによるうねりを生じさせ、メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺を形成することにより達成される。

以下、具体的に前記凹凸状の皺の形成態様別に詳述する。

〔第 1の形成態様〕

本第 1形成態様に係る凹凸状の皺は、第 1図（A )、（B )に示されるように、メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、伸張直交方向に対して所定の間隔で列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向に長手寸法を持つ保持パターン 1の列と、伸張直交方向に対して所定の間隔で、かつ、前記保持パターン 1の列の間に列状に形成されるとともに、実質的に伸張直交方向に長手寸法を持つ寸断パターン 2の列とを伸張方向に交互に繰り返しながら付与されたメルトパターン配列を成すものである。

代表的に第 1図（A )に示されるメルトパターンについて、第 2図に基づき凹凸状の皺の形成原理について詳述すると、プラスチックシートを伸張させた状態のままで、前記保持パターン 1および寸断パターン 2とからなるメルトパターンを付与すると、前記保持パターン 1が形成された部位ではシートが伸張状態のまま固定化され、テンションが解放されても伸張状態を保持するのに対し、隣り合う保持パターン 1によって挟 U まれたメルトパターンを形成していない領域は元の状態に復元しょうとする。この際に発生する歪みは、周囲に拡散しょうとするが、両側に配置された保持パターン 1によって側方（伸張直交方向）には拡散することはできず、かつ上下方向（伸張方向）には歪みの解放を寸断する前記寸断パターン 2が配置されているため、歪みの拡散方向が保持パターン 1 と寸断パターン 2との間を抜けて、すなわち斜め方向に拡散するようになるとともに、歪みの多くが残留歪みとして内部的に残るため、第 3 図に示されるように、不規則にうねった凹凸が発生し皺が形成されるようになる。

前記歪みの拡散方向、換言すればメルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線 7 (以下、歪み解放線という。）は、第 2図に示されるように、伸張方向に直線的に連続せず、菱形模様をなす。

前記メルトパターンの配列に対応して内部応力的に付与された皺は、使用中に圧力を受けたとしても、元の平面状態に戻ることはなく、ほぼ永久的に皺の状態を維持するようになる。

因みに、本発明者は、前記保持パターン 1 と、寸断パターン 2の作用を別々に検証するために、保持パターン 1のみを形成した場合と、寸断パターン 2のみを形成した場合の皺の発生状況を確認した。

第 4図（A )は保持パターン 1のみを形成した場合の例であるが、保持パターン 1によって発生する歪みが上下方向（伸張方向）に拡散してしまうため、歪みは保持パターン 1の近傍の非常に狭い範囲でしか発生せず、不規則な凹凸も生じ難いことが判明した。

一方、第 4図（B )に示される寸断パターン 2のみを形成した場合には、歪みが発生し難いため、皺はほとんど生じないことが判明した。

前記保持パターン 1の伸張方向長手寸法は、 1 . 5〜 7 mmの範囲であ丄ることが好ましい。 1 . 5 mm未満の場合には歪みが小さく凹凸状の皺を顕著に発生させることが出来ず、 7 mmを超える場合には、保持パターン 1による歪みは大きいが、前記歪み解放線 7の形状が大きくなることからも判るように、凹凸が滑らかなとなり、好ましい布様外観が得られなくなつてしまう。

〔第 2の形成態様〕

第 5図に示される第 2形成態様に係るメルトパターンは、第 1の形成態様例のように、保持パターン 1の列と寸断パターン 2の列とを伸張方向に交互に形成するのではなく、伸張直交方向に対して所定の間隔で、実質的に伸張方向に長手寸法を持つ伸張状態を保持する保持パターン 3 と、実質的に伸張直交方向に長手寸法を持つ、前記保持パターン 3による歪みの伸張方向への拡散を寸断する寸断パターン 4とが交互に配置されたメルトパターン列が、伸張方向に千鳥パターン状に繰り返しながら付与されたものである。 ·

前記保持パターン 3および寸断パターン 4の作用は前述の通りであるが、このような形成態様であっても、ジグザグ状の歪み解放線 7が形成されるようになるため、前記メルトパターン配列に対応した不規則な凹凸状の皺が形成されるようになる。

〔第 3の形成態様〕

第 6図に示される第 3形成態様に係るメルトパターンは、第 1の形成態様例のように、保持パターン 1 と寸断パターン 2 とに明確に区分'できないが、歪み解放線 7をジグザグ状とし、プラスチックシート面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺を形成するようにしたものである。

具体的に詳述すると、メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、伸張直交方向に所定の間隔で列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向に対して傾斜する方向に長手寸法を持つ第 1メルトパターン 5の列と、伸張直交方向に対して所定の間隔でかつ前記第 1メルトパターン 5の列の各パターン間位置に列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向及び前記第 1メルトパターン 5の傾斜方向に対し交差する方向に長手寸法を持つ第 2メルトパターン 6の列とが伸張方向に交互に繰り返しながら付与されたものである。

かかる第 1メルトパターン 5および第 2メルトパターン 6は、それぞれ、伸張方向の長手成分を有し、第 1の形成態様例における保持パターン 1の機能を備えると同時に、伸張直交方向の長手成分を有し、第 1の形成態様例における寸断パターン 2の機能をも備えている。

このようなメルトパターンの形成態様であっても、第 6図に示すように、第 1メルトパターン 5および第 2メルトパターン 6に発生する歪みの拡散線 7の方向は伸張方向に直線的とはならず、ジグザグ状を成すと共に、歪みの多くが残留歪みとして内部的に残るため、 .不規則な凹凸状の皺が形成されるようになる。

〔第 4の形成態様〕

次いで、第 7図（A )〜（C )に示される第 4の形成態様例に係るメルトパターンは、シ一ト面にプラスチックシ一卜の伸張条件下で所定形状または模様のパターンが非格子状の配列により付与され、プラスチックシ一ト面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺を形成するようにしたものである。

具体的に、第 8図に基づいて詳述すると、同一形状または模様のメルトパターン 8が非格子状に、図示例では千鳥状に配置されている。水平方向（伸張直交方向）に隣接するメル卜パターン 8 a、 8 13が第 1の形成態様例における保持パターン 1の機能を担い、前記水平方向に隣接するメルトパターンの中間上下部に配置されるメルトパターン 8 c、 8 d , ,

14 が第 1の形成態様例における寸断パターン 2の機能を担うことにより、上下左右に位置する 4つのメルトパターン 8 a、 8 d、 8 b、 8 cによつて囲まれた領域に発生した歪みが、同図に示される菱形の歪み解放線 7の方向に拡散すると共に、歪みの多くが残留歪みとして内部的に残るため、不規則にうねった凹凸が発生し皺が形成されるようになる。〔製造方法〕

前述の本発明に係るプラスチックシートを得るためのメルトパターン付与は、プラスチックシートを伸張させた状態下で行うが、そのテンションは 5乃至 4 0 %伸ばした状態、好適には 1 0乃至 3 0 %伸ばした状態で、プラスチックシートの軟化点まで加熱されたメルトパターン付与ロールによりメルトパターンを付与した後、テンションを解放するするようにする。

伸びが 5 %未満の場合には、凹凸の皺を形成するのに十分な歪みを発生させることが.出来ず、伸びが 4 0 %を超える場合には、シートの素材や厚み等にもよるが、シートが伸びきつた状態となってしまう力メルトパターンによって破れが生じることがあり好ましくない。

〈吸収性物品の表面材〉

次に、前記布様外観を呈するプラスチックシートを吸収性物品の表面材として使用する場合について詳述する。

第 9図に示されるように、吸収性物品 1 0は、主にはパンティライナ ―、生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッドなどの用途に供されるもので、液不透過性裏面シート 1 1 と、液透過性表面シート 1 2 (以下、単に「表面シート」ともいう。）との間に、吸収体 1 4または同図に示すように、前記吸収体 1 4とこれを囲繞するクレープ紙 1 5とからなる吸収ユニット 1 3が介在された構造となっている。図示例では、前記表面シート 1 2として、多数の開孔 1 8を有する熱可塑性樹脂製シ一 . _

15 トを用いているため、吸収ュニット 1 3との間に体液の拡散 · 吸収と、体液の逆戻りを防止するために、親水性不織布からなるセカンドシート 1 6が介在されている。なお、このセカンドシート 1 6は、予め前記表面シート 1 2と積層させ一体化してもよい。

前記液不透過性裏面シート 1 1は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年は蒸れ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。

前記吸収体 1 4としては、体液を吸収 ·保持し得るものであれば良く . 通常はフラッフ状パルプ中に吸収性ポリマー粉末を混在したものが吸収機能および価格の点から好適に使用される。前記吸収体 1 4は、形状保持、および経血等を速やかに拡散させるとともに、一旦吸収した経血等の逆戻りを防止するためにクレープ紙 1 5によって囲繞するのが好ましい。また、吸収体 1 4の平面形状は、図示されるように、小判状としてもよいし、或いは股間部への当たりを和らげるためにフイツトカツト形状（ひょうたん形状）としてもよい。

本吸収性物品 1 0における表面シ一ト 1 2としては、本発明に従って布様外観を呈する溶融可能な熱可塑性樹脂製のプラスチックシー卜が使用されるが、液透過性を付与するために多数の液透過用開孔 1 8が形成される。この液透過用開孔 1 8の径は、 0 . 0 5〜 2 . 0 mm、好適には 0 . 1〜 1 . 0 mmとし、その開孔数は 2 0 0〜 5 0 0個/ cm²程度とするのが望ましい。前記開孔 1 8を形成するには、合成樹脂シートを軟化温度付近に軟化させて、多数の開孔を有する支持体の上面に位置させた状態で、支持体の下方から吸引したり、支持体の上面から空気圧を加圧したりする方法や、合成樹脂シート素材に多数のスリットを刻印した後にシ一卜素材を延伸して開孔させる方法などを挙げることができるが、適宜の方法によって形成することができる。ハ

lb 前記表面シート 1 2の所定部位、好ましくは全面に対して、液透過性の多数の開孔 1 8と、その開孔相互間に配置された開孔間領域とを包含するように、メルトパターン 5 、 6が付与されているとともに、該メルトパターン 5 、 6の配列に対応した凹凸状の皺 Wが形成されている。前記メルトパターン 5 、 6は、いわば前記第 3の形成態様に係るメル卜パターンの例であり、プラスチックシートを伸張させた状態で、第 1 0図に示すように、右上がり傾斜の第 1メル卜パターン 5の列と、右下がり傾斜の第 2メルトパターン 6の列とを伸張方向に反復配置したものである。これらのメルトパターン 5 、 6により、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線が直線的に連続せずジグザグ状に連続し、メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺 Wが形成される。

なお、第 1 0図に前記メルトパターン 5 、 6と皺 Wとの対応関係を示したが、これは一般例を示すものであり、山と谷とが逆転する場合もある。

前記メルトパターン 5 、 6は、前記メルトパターン形成時に表面シート 1 2の一方向にテンションを掛けながら表面シ一卜の軟化点近傍にまで加熱された前記エンボスロールによって押圧した後、テンションを開放することにより形成することができる。なお、テンションは一方向のみならず二方向に掛けるようにしてもよい。

前記表面シ一ト 1 2の肌接触面側の光反射率は、布様外観を呈するためには 5 %以下であることが望ましい。光反射率が 5 %を超えると、プラスチックシ一トの光沢感が顕著となり、冷たい感じを受けるようになるため好ましくない。なお、光反射率は「入射光の強さに対する反射光の強さの割合」として定義されるもので、光度計で標準鏡面の反射能を 1 0 0とした時の鏡面反射光の強さとナプキン表面材反射光の強さを測ェ？定してその比を取った数値である。

一方、第 1 2図に示されるように、前記皺 Wの山部と谷部とを含む表面シート 1 2の見掛け上の厚み t _kは 5 mm以下であることが望ましい。見掛け上の厚み t _kが 5 mmを超えると、布のような風合いは出るが、凹凸が激しくなるため、. 表面のゴヮツキ感が増すようになる。また、メルトパターン付与時に表面シ一ト 1 2の伸張度を増す必要があるため製造工程中のテンシヨンコントロールが困難になる。

また、前記皺 Wの山または谷相互間隔は 1 0 mm以下であることが望ましい。山（谷）相互間隔が 1 0 mmを超えると、単位面積当たりの平坦部分が増え、プラスチックシート感が強くなり、布のような風合いが損なわれるようになる。

他方、未加工のプラスチックシ一卜を吸収性物品の製造ラインにて前記本表面シート 1 2になるように加工しながら組立を行うには、たとえば第 1 3図に示すように、表面材供給ドラム 1 0 1·から送り出される表面シート 1 2を、多数の孔を配列した孔開けロール 1 0 4上に導入し、表面シート 1 2をその軟化点近傍にまで加熱するとともに、孔開け口一ル 1 0 4内から吸引して表面シート 1 2に多数の開孔 1 8を形成させる次いで、その開孔 1 8を形成した表面シー卜 1 2をアンビルロール 1 0 6上に導き、装置の加工流れ方向に（及び Z又は直角方向に）素材の種類に見合った適度のテンションを掛けながら、表面材軟化点近傍にまで加熱されたエンボスロール 1 0 5によりメルトパターンを付与する。メルトパターン付与後、テンションを解除して凹凸状の皺 Wを形成させる。その後、裏面シート供給ドラム 1 0 3から送り出される裏面シート 1 1及び吸収ュニッ卜 1 3 と重ねて吸収性物品を完成させるようにする。なお、本発明の表面シート 1 2の製造は、前述の方法に限定されるものではなく、たとえば前記表面シート 1 2に対する開孔は、表面シート _Q

丄¾

1 2の製造を行うメーカーの段階で、予め形成しておくことも出来るしさらにはメーカ一側の段階で前記開孔 1 8の形成とともに、メルトパターン付与及び皺生成を行うようにしてもよい。この場合には、表面シ一トをそのまま使用する現状の吸収性物品製造ラインの変更無しに本表面シートを用いた吸収性物品を製造できるようになる。

本発明者らは、ポリエチレンシートに対し多種多様なメルトパターンを形成し、視覚的評価と肌感触評価を行った。この評価は、 ◎ : 特に良い、〇：良い、 △ ：いくらか良い、 X ：悪いの 5段階評価とした。

また、合成樹脂'シ一ト材の表面における光の乱反射の度合いを示す「反射能」についても同時に計測を行った。反射能は、「入射光の強さに対する反射光の強さの割合」として定義されているので、光度計で鏡面反射光の強さとナプキン表面材反射光の強さを測定してその比を取るようにした。数値は、それぞれ標準鏡面の反射能を 1 0 0とした時の各サンプルの反射能を％で示してある。これらの結果を図 1 4に示した-。

試験の結果、サンプル No. 5、 7、 8のものが比較的良い結果となつた。これに対して点状模様のメルトパターンは比較的悪い結果となった。良い結果となったメルトパターン群の一つの特徴は、視覚に訴えるだけの比較的大きなサイズを有し、表面材の長手方向又は幅方向等の一定方向のパターン形状に明瞭な差異を有するメルトパターン列が交互に反復配置されていることである。換言すれば、線状または形状模様を基本として形成される 2種類のパターン列を交互に反復配置したものが皺 Wの形成と相まって、視覚的評価及び肌感触評価共に良好な結果を示している。

Claims

丄 *J 請求の範囲

1 . 熱可塑性を有し、シート面にメル卜パターンが付与されてなるブラスチックシートであって、

前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で所定の配列をもつて付与されるものであって、非伸張条件下で前記プラスチックシ一ト面に前記メルトパターン間の領域にて凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする布様外観を呈するプラスチックシート。

2 . 熱可塑性を有し、シート面にメルトパターンが付与されてなるブラスチックシートであって、

前記メル卜パターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶ略伸張方向の仮想線（ 7 ) が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるように付与され、非伸張条件下でプラスチックシ一ト面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする布様外観を呈するプラスチックシ一卜。

3 . 熱可塑性を有し、シート面にメルトパターンが付与されてなるブラスチックシートであって、

前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、実質的に伸張方向に長手寸法を持つ、伸張状態を保持する保持パターンの群と、前記保持パターンによる歪みの伸張方向への拡散を寸断する、実質的に伸張直交方向に長手寸法を持つ寸断パターンの群と、の少なくとも 2種以上のメルトパターン群により、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶ略伸張方向の仮想線（ 7 ) が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるように付与され、非伸張条件下でプラスチックシ一ト面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする布様外観を呈するプラスチックシート。

4 . 熱可塑性を有し、シート面にメルトパターンが付与されてなるブラスチックシ一卜であって、

前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、伸張直交方向に対して所定の間隔で列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向に長手寸法を持つ、伸張状態を保持する保持パターン（ 1 ) の列と、

伸張直交方向に対して所定の間隔でかつ前記保持パターン列の各パ夕 —ン間位置に列状に形成されるとともに、実質的に伸張直交方向に長手寸法を持つ、前記保持パターン（ 1 ) による歪みの伸張方向への拡散を寸断する寸断パターン（ 2 ) の列とが伸張方向に交互に繰り返しながら付与され、非伸張条件下でプラスチックシ一ト面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする布様外観 -を呈するプラスチックシート。 - 5 . 前記保持パターン（ 1 ) の伸張方向の長手寸法が 1 .

5 mm〜 7 mm の範囲である請求の範囲第 4項に記載の布様外観を呈するプラスチックシー卜。

6 . 熱可塑性を有し、シ一卜面にメル卜パターンが付与されてなるブラスチックシートであって、

前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、伸張直交方向に対して所定の間隔で、実質的に伸張方向に長手寸法を持つ、伸張状態を保持する保持パターン（ 3 ) と、実質的に伸張直交方向に長手寸法を持つ、前記保持パターン（ 3 ) による歪みの伸張方向への拡散を寸断する寸断パターン（4 ) とが交互に配置されたメルトパターン列が、伸張方向に千鳥パターン状に繰り返しながら付与され、非伸張条件下でプラスチックシ一ト面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状 Zl丄の皺が形成されていることを特徴とする布様外観を呈するプラスチックシ一卜。

7 . 熱可塑性を有し、シート面にメルトパターンが付与されてなるブラスチックシートであって、

前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、伸張直交方向に対して所定の間隔で列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向に対して傾斜する方向に長手寸法を持つ第 1メルトパターン ( 5 ) の列と、

伸張直交方向に対して所定の間隔でかつ前記第 1メルトパターン列の各パターン間位置に列状に形成されるとともに、実質的に伸張方向及び前記第 1メルトパターン（ 5 ) の傾斜方向に対し交差する方向に長手寸法を持つ第 2メルトパターン（ 6 ) の列とが伸張方向に交互に繰り返しながら付与され、非伸張条件下でプラスチックシート面に前記メルトパターン配列.に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徵とする布様外観を呈するプラスチックシート。

8 . 熱可塑性を有しシ一ト面にメルトパターンが付与されてなるプラスチックシートであって、

前記メルトパターンは、前記プラスチックシートの伸張条件下で、所定形状または模様のパターン（ 8 ) が非格子状の配列により付与され、非伸張条件下でプラスチックシ一ト面に前記メルトパターン配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴とする布様外観を呈するプラスチックシート。

9 . シート面に多数の開孔（ 1 8 ) が形成されている請求の範囲第 1項乃至第 8項のいずれかに記載のプラスチックシ一ト。

1 0 . 吸収性物品において使用者の肌と接触する使用面側に配置される熱可塑性プラスチックシート表面材であって、前記表面材は、液透過性の多数の開孔（ 1 8 ) と、その開孔相互間に配置された開孔間領域とを有し、

前記開孔から前記開孔間領域に亘る領域に伸張条件下でメルトパターンが付与されるとともに、前記メルトパターンの形成により開孔間領域 5 に非伸張条件下で皺が形成されていることを特徴とする吸収性物品の表面材。

1 1 . 吸収性物品において使用者の肌と接触する使用面側に配置される熱可塑性プラスチックシ一ト表面材であって、

前記表面材は、液透過性の多数の開孔（ 1 8 ) と、その開孔相互間に 10 配置された開孔間領域とを有し、

かつ少なくとも一部分に、前記開孔と前記開孔間領域とを包含しながら、表面材の所定方向に沿ってパターン形状に明瞭な差異を有するメルトパタ一ン列が伸張条件下で交互に反復形成され、非伸張条件下で該メ • ルトパターンの配列に対応した凹凸状の皺が形成されていることを特徴

15 とする吸収性物品の表面材。

1 2 . 前記メルトパターンおよびこのメルトパターンの配列に対応した皺が、少なくとも吸収性物品の長手方向中央部に設けられている請求の範囲第 1 0項又は第 1 1項に記載の吸収性物品の表面材。

1 3 . 前記布様外観を呈するプラスチックシ一トおよび吸収性物品の表 20 面材における肌接触面側の光反射率は 5 %以下である請求の範囲第 1項乃至第 1 2項のいずれかに記載の布様外観を呈するプラスチックシートまたは吸収性物品の表面材。

1 4 . 前記皺の山部と谷部とを含む表面材の見掛け上の厚みが 5 _mm以下である請求の範囲第 1項乃至第 1 3項のいずれかに記載の布様外観を呈

25 するプラスチックシ一トまたは吸収性物品の表面材。

1 5 . 前記皺の山または谷相互間隔が 1 O mm以下である請求の範囲第 1 項乃至第 1 4項のいずれかに記載の布様外観を呈するプラスチックシ一トまたは吸収性物品の表面材。

1 6 . 液透過性の表面材と、液不透過性の裏面シートと、これらの間に配置された吸収体とを具備してなる吸収性物品において、前記表面材、裏面シート、吸収体のうち少なくとも一つに請求の範囲第 1項乃至第 9 項のいずれかに記載のプラスチックシートを用いたことを特徴とする吸収性物品。

1 7 . 液透過性の表面材と、液不透過性の裏面シートと、これらの間に配置された吸収体とを具備してなる吸収性物品であって、前記表面材が請求の範囲第 1 0項乃至第 1 5項のいずれかに記載の表面材であることを特徴とする吸収性物品。

1 8 . 熱可塑性を有するプラスチックシートを 5乃至 4 0 %伸ばした状態で保持し、プラスチックシートの軟化点まで加熱されたメルトパターン付与ロール（ 1 0 5 ) により、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるようにメルトパターンを付与することを特徴とする布様外観を呈するプラスチックシートの製造方法。

1 9 . 熱可塑性を有するプラスチックシ一トを多数の孔を配列した孔開けロール（ 1 0 4 ) にて多数の開孔を形成した後、該プラスチックシ一トを 5乃至 4 0 %伸ばした状態で保持し、前記プラスチックシートの軟化点まで加熱されたメルトパターン付与ロール（ 1 0 5 ) により、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるようにメルトパターンを付与することを特徴とする吸収性物品の表面材の製造方法。

2 0 . 熱可塑性を有するプラスチックシートを多数の孔を配列した孔開けロール（ 1 0 4 ) にて多数の開孔を形成した後、該プラスチックシートを 5乃至 4 0 %伸ばした状態で保持し、前記プラスチックシートの軟化点まで加熱されたメル卜パターン付与ロール（ 1 0 5 ) により、メルトパターンが形成されていない領域を結ぶほぼ伸張方向の仮想線が直線的に連続せず、ジグザグ状または菱形模様状となるようにメルトパターンを付与した後、非伸張状態に戻して吸収性物品の表面材を製造するステツプと、裏面シ一ト（ 1 1 ) を裏面シ一ト供給ドラム（ 1 0 3 ) から送り出すステップと、前記表面材と前記裏面シートとの間に吸収ュニット（ 1 3) とを送り込んで一体に重ねるステップとからなることを特徴とする吸収性物品の製造方法。