明 細 書 インターストランドクロスリンク剤の合成方法 技術分野
本発明は、 化学合成により製造し得る化合物を用いて 2本鎖 D N Aを同時にァ ルキル化し、 切断し得る化合物、 これらの化合物を用いた D N Aのアルキル化方 法、 2本鎖 D N Aの切断方法、 及び、 これらの化合物を用いた医薬組成物に関す る。 背景技術
ヒトゲノムプロジェクトにより我々の 「生命の設計図」 である全遺伝子の塩基 配列が数年内に解明されようとしている。 この設計図に傷があったり、 後天的に 傷がはいると、 病気や老化を引き起こすことが知られている。 ヒトゲノムプロジ ェク 卜の進展により癌を含む多くの疾病は D N Aレベルで理解されるようになり、 診断、 予防などを中心とした医学全体が、 革命的に変化するものと考えられる。 さらに、 これらの疾病の D N Aレベルでの理解に基づいた治療法、 すなわち病因 遺伝子やその産物をターゲッ トとした医薬品の開発への期待も大きいが、 基礎研 究を臨床研究に活かしてゆくための橋渡し的な研究はまだ、 途についたばかりで ある。
癌についても、 D N Aレベルでの研究が行われているが、 現在用いられている 抗癌剤は、 スクリーニングによって選択された抗生物質が多く、 もともと癌細胞 を殺すために微生物が産生したものではなく、 癌の分子生物学的知見に基づいた ものはほとんどない。 細胞内の特定遺伝子の,発現を細胞外から自由自在にコント ロールすることが可能になれば、 究極の遺伝子レベルでの治療法となると考えら れる。
ところで、 遺伝情報を担う D N Aが化学的に修飾を受けると、 生命維持の根幹 にあたる遺伝情報が損なわれ、 細胞の突然変異や死滅が引き起こされる。 また、 正常細胞中の D N Aへの共有結合による修飾は、 がん化の原因となっていること
が知られている一方で、 逆にがん細胞中の DN Aに作用することで、 抗がん剤と しても利用すること,ができる。
D N Aの二本鎖をクロスリンクさせる次式 インターストランド
DNA , クロスリンク DNA
で示されるよゔなィンターストランドクロスリンク反応は、 DN Aの複製を完全 阻害することが様々な系で確認されており、 一本鎖のアルキル化と比較して生 体に対して非常に強い作用を有していることが知られている (S.R.Rajski and R. M, Williams, Chem. Rev. , 98, 2723-2795 (1998) . ) 。
'例えば、 ファージの失活には平均 1. 3等量のインターストランドクロスリン ク;化が起これば充分であるのに対し、 単純な一本鎖のアルキル化では 2 8 0等量 のアルキル化剤を必要とするとされている (P.D. wley, I.H. Lethbridge, P. A. Edwards, K. V. Shooter, J. Mol. Biol. , 39, 181(1969).) 。
典型的なィンターストランドクロスリンク反応を起こす抗がん性抗生物質とし てマイ トマイシンやカルチノフィリン Aが知られている。 また、 これまでにビゼ レシンを代表とする DNAインターストランドクロスリンクする化合物が数多く 合成されている。 DNAインターストランドクロスリンク反応を起こすことが報 告されている代表的な化合物としては、 次に示すマイ トマイシン、 カルチノフィ リン Aやナイトロジエンマスタードなどが知られている。
- Ν 1 ο-εS-〇 N Θ9 -ε- - -—
Ν〇 9 V-ε,〇 Θ N -9,- --
I
これらのマイ トマイシンやナイ トロジェンマスタード (mechlorethamine) など は、 有効な抗がん剤として現在も臨床で利用されている。 '
現在までに様々なィンタース トランドクロスリンク剤の塩基配列特異性が詳細
に調べられている (a) S.-J.Lee, F. Seaman, D. Sun, H. Xiong, R.C.Kelly, L. H. Hurley, J. Am. Chem. Soc. , 119, 3434-3442 (1997); b) J.T.Millard, R. J.S pencer, P. B.Hopkins, Biochemistry, 37, 5211-5219 (1998); c) T.Fuj iwara, I. Saito, H. Sugiyama, Tetrahedron Lett. , 40, 315-318 (1999).) 。 しかし、 それ らの化合物の抗がん性とィンターストランドクロスリンク剤の塩基配列選択性と の相関については全く明らかにされていない。 さらに、 任意の塩基配列でインタ —ストランドクロスリンクする化合物の分子設計には成功していない。 また、 こ れまでに合成されている D N Aィンターストランドクロスリンク剤は一般的に反 応の効率が著しく低い。 例えば、 D NA中の 5 ' — GN C塩基配列に対してクロ スリンク能を有することが知られているマスタードによるインタ一ストランドク ロスリンク体は使用している D N Aに対してわずかに数%しか生成しているにす ぎない (Y.- H.Fan and B. Gold, J. Am. Chem. Soc. , 121, 11942-11946 (1999).) 従って、 効率よい DNAインタ一ストランドクロスリンク剤の開発が極めて重 要になってきている。 発明の開示
本発明は、 効率よい DN Aインターストランドクロスリンク剤、 そのための化 合物、 及びそれを用いた医薬組成物を提供するものである。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明の化合物のインタ一ストランドクロスリンクをポリアクリル アミ ドゲル電気泳動を用いて解析した実験結果を示す、 図面に代わる写真である, 第 2図は、 2組の DNA対を用いて、 本発明の化合物のインターストランドク ロスリンク反応を解析した実験結果を示す、 図面に代わる写真である。
第 3図は、 本発明の化合物 (7 a ) と I m I mP yを用いて形成されたィン夕 —ストランドクロスリンク体の化学構造を示すものである。
第 4図は、 種々のトリアミ ドを併用して本発明の化合物のィンターストランド クロスリンク反応を解析した実験結果を示す、 図面に代わる写真である。
第 5図は、 種々の長さの D N Aを用いて本発明の化合物のィンターストランド
クロスリンク反応を解析した実験結果を示す、 図面に代わる写真である。
第 6図は、 本発明の化合物 ( 7 a) 及び I m I mP yの種々の濃度におけるク ロスリンキング反応の結果を示す、 図面に代わる写真である。
第 7図は、 本発明の化合物 ( 7 a) 及び I m l mP yを用いた場合の種々の条 件下におけるクロスリンキング収率をグラフ化したものである。 発明を実施するための最良の形態
本発明者らは、 すでに D N A塩基配列認識能をもつピロール一イミダゾ一ルジ アミ ド部とデュオカルマイシンセグメントの間にビニル基を導入した次式 ( 1 )
で表される八イブリット分子 ( 1 ) の DNA.アルキル化能を解析してきた。 この ハイブリッ ト分子 ( 1 ) はホモダイマーを形成して次式で表されるような、
DN A中の特定の塩基配列に対して選択的にダブルアルキル化することを明らか にしてきた。 この化合物は、 ビニル基をリンカ一 Lとする A— L— B— R型 (式中、 Bは DNAの塩基配列を認識できる化学構造を示し、 Aは DNAの塩基 の一種に結合し得る化学構造を示し、 Lは A及び Bの化学構造を結合させ得るリ ンカ一を示し、 Rはアルキル基などの末端基を示す。 )
の構造を有する分子である (特願平 1 1一 8 3 5 9 1号参照) 。
そこで、 本発明者らは、 この型の分子を基本として検討してきたところ、 この 型の分子を異なる長さのスぺーサ一で連結した化合物が効率よい D N Aィン夕一 ストランドクロスリンク能を有する化合物であることを見出した。
本発明は、 一般式 ( I )
A-L -B -X- B -L -A ( I )
(式中、 各々の Bは DNAの塩基配列を認識できる化学構造を示し、 各々の Aは DN Aの塩基の一種に結合し得る化学構造を示し、 Lは A及び Bの化学構造を結 合させ得るリンカ一を示し、 Xは A— L— Bコンポーネントを結合させるスぺ一 サーを示す。 )
で表される DNAの 2本鎖をインタ一ストランドクロスリンクすることができる 化合物に関する。
また、 本発明は前記化合物を用いる DN Aをィンターストランドクロスリンク する方法、 D N Aのインターストランドクロスリンク剤、 及びこれを含有してな る医薬組成物に関する。
本発明者らは、 インターストランドクロスリンク能を有する化合物を開発する 目的で、 例えばハイブリッ ト分子 ( 1 ) を異なる長さのスぺ一サ一で連結した化 合物 (7 a— d) を、 次に示すスキーム、
(式中、 Xは、
を示す。 )
に従って合成した。 化合物 ( 7 a— d) の合成は、 ジアミ ド誘導体 ( 3) にそれ ぞれ対応するスぺ一サ一となる活性化したカルボニル化合物を縮合させることに より行った。
まず、 N—メチル一 2 -ピロールアルデヒドを硝酸などで二トロ化した後、 (E t 0) 2P (O) CHC02E tなどのウィティッヒ型の試薬を用いてエステ ル体 ( 2) とする。 得られたエステル体 (2) を N a B H4などの金属水素化物な どで還元してアミノ体とし、 これに 1—メチル一 3—ニトロ一 5—トリクロロア セチルイミダゾ一ルを反応させてイミダゾールーピロール化合物 (3) とする。 これを前記と同様な方法により二トロ基を還元してアミノ基とし、 これに目的物 に応じた酸ハロゲン化物、 またはカルボエルジイミダゾール (CD I ) を反応さ せることにより二量体化合物 (4 a— d) とする。 次いで、 両末端のエステル基 を加水分解して遊離カルボン酸体 ( 5 a— d) とし、 これを CD Iを用いて活性 アミ ド体 (6 a _ d) とした後、 これに抗生物質 D U 8 6のセグメント A部分を 反応させて目的の化合物 ( 7 a - d) とした。
この合成法は、 同種の対称二量体の合成に対して応用可能な汎用性の高い手法 であり、 本発明の化合物はこの方法に準じて製造することができる。
本発明を前記した化合物 ( 7 a— d) を例にして、 具体的に説明する。
これらの化合物を用いた 2本鎖 D N Aのィンターストランドクロスリンク反応 を次の 1 8塩基及び 1 5塩基の DN A対を用いて実験した。
5 ' -TTACAGTGGCTGC CAGCA- 3 ' (ODN - 1 8)
3 ' — GT CAC C GAC GGTC.GT— 5 ' (ODN— 1 5) この ODN— 1 8の 5 ' 末端側をテキサスレツド (TX R e d) で標識したヌク レオチドを TXR— 1 8と呼ぶことにする。
また、 この実験には補助試薬として次式、
で表される化合物 (この化合物を本明細書では、 I m l mP yという。 ) を用い た。 この I m l mP yは、 本明細書における 「 D N Aの塩基配列を認識できる化 学構造を有する物質」 として使用された。
前記した D N Aに、 本発明の化合物 ( 7 a _ d) 、 及び必要により I m I m P yを添加して、 D N Aオリゴマーに対する化合物 (7 a — d ) のインターストラ ンドクロスリンク反応について、 ポリァクリルアミ ドゲル電気泳動を用いた解析 を行った。
結果を第 1図に図面に代わる写真として示す。 第 1図の、
レーン 1は T X R— 1 8 ( 3 M) と O D N— 1 5 ( 6 M) のみの場合を示 し、
レーン 2は T X R— 1 8 ( 3 Μ) と O D N— 1 5 ( 6 Μ) に I m I m P y ( 1 0 0 ιι Μ) を添加した場合を示し、 . レーン 3は T X R— 1 8 ( 3 M) と〇D N— 1 5 ( 6 ^ M) に化合物 ( 7 a) ( 5 0 M) を添加した場合を示し、
レーン 4は T X R— 1 8 ( 3 β Μ) と OD N— 1 5 ( 6 β Μ) に化合物 (7 a) ( 5 0 M) 及び I m l mP y ( 1 0 0 ^ M) を添加した場合を示し、 レーン 5は T X R— 1 8 ( 3 ja M) と O D N— 1 5 ( 6 μ M) に化合物 (7 b) ( 5 0 M) 及び I m l m P y ( 1 0 0 M) を添加した場合を示し、 レーン 6は T X R— 1 8 ( 3 M) と O D N— 1 5 ( 6 M) に化合物 ( 7 c ) ( 5 0 M) 及び I m l mP y ( Ι Ο Ο ^ Μ) を添加した場合を示し、 レーン 7は T X R— 1 8 ( 3 Μ) と OD N— 1 5 ( 6 u M) に化合物 ( 7
d) ( 5 0 M) 及び I m l mP y ( 1 0 0 μ M) を添加した場合を示す。 その結果、 化合物 (7 a ) は単独では反応はほとんど観察できなかったが (レ ーン 3 ) 、 I m I m P yが存在すると、 出発原料の D N Aフラグメント T X R— 1 8は泳動度の低いバンドに変化した (レーン 4 ) 。 他のスぺ一サーをもつ化合 物 (7 b— d ) では、 化合物単独でも I m I m P yを併用してもレーン 4で観察 されたような泳動度の低いバンドは殆ど生成しなかった (レーン 5、 6、 7 ) 。 これらの事実は化合物 ( 7 a ) と I m I m P yを併用した場合に極めて特異的な D NAオリゴマー T X R— 1 8に対する反応が起こったことを示している。 次に、 先に観察されたバンドがィンターストランドクロスリンク体に由来する ものであることを確認するために、 上のストランド (T X R— 1 8 ) と下のスト ランド ( T X R— 1 8 R ) を別々にラベルしたオリゴマーからなる 2組の D N A 対を用いた実験を行った。 即ち、 前記の T X R— 1 8と O D N— 1 5の対と、 次 に示す O D N— 1 5 Rと T X R— 1 8 Rとの対を用いた。
5 ' - C A G T G G C T G C C A G C A - 3 ' (O D N - 1 5 R)
3 ' - G T C A C C GA C G G T C G T A T T - 5 ' (O D N— 1 8 R) 使用した T X R— 1 8 Rは、 前記した〇 D N - 1 8 Rの 5 ' 末端側をテキサスレ ッド (T X R e d ) で標識したヌクレオチドである。
さらにこの実験には標品として次のヌクレオチド T X R— 1 4及び T X R— 1 4 Rを用いた。
5 ' - T T A C A G T G G C T G C C - 3 ' (O D N— 1 4 )
3 ' - C C G A C G G T C G TAT T - 5 ' (O D N - 1 4 R) これらの塩基配列はいずれも O D N— 1 8又は O D N 1 8 Rの 5 ' 末端側の塩 基配列と同じになるように設計されている。 T X R— 1 4は、 前記した〇D N— 1 4の 5 ' 末端側をテキサスレッド (T X R e d ) で標識したヌクレオチドであ り、 同様に、 T X R— 1 4 Rは O D N— 1 4 Rの 5 ' 末端側をテキサスレッ ド (T X R e d ) で標識したヌクレオチドである。
この結果を第 2図に図面に代わる写真として示す。 第 2図の
レーン 1は、 T X R— 1 8 ( 3 ii M) と O D N— 1 5 ( 6 M) のみの場合を 示し、
レ一ン 2は、 T X R— 1 8 ( 3 M) と O D N— 1 5 ( 6 M) に化合物 ( 7 a ) ( 5 0 i M) 及び I m l m P y ( 1 0 0 M) を添加した場合を示し、 レーン 3は、 前記レーン 2において、 さらに 9 0 °Cで 2 0分加熱処理した後、 9 0 °Cで 2 0分間ピペリジン処理した場合を示し、
レーン 4は、 前記レーン 3において、 さらに 3 7 °Cで 2時間アルカリ脱リン酸 化酵素処理した場合を示し、
レーン 5は、 標品の T X R— 1 4を示し、
レーン 6は、 T X R— 1 8 R ( 3 Μ) と O D N— 1 5 R ( 6 2 M) のみの場 合を示し、
レーン 7は、 T X R— 1 8 R ( 3 z M) と O D N— 1 5 R ( 6 , M) に化合物 ( 7 a ) ( 5 0 M) 及び I m l m P y ( 1 0 0 z M) を添加した場合を示し、 レーン 8は、 前記レーン 7において、 さらに 9 0 °Cで 2 0分加熱処理した後、 9 0 °Cで 2 0分間ピペリジン処理した場合を示し、
レーン 9は、 前記レーン 8において、 さらに 3 7 °Cで 2時間アルカリ脱リン酸 化酵素処理した場合を示し、
レーン 1 0は、 標品の T X R— 1 4 Rを示す。
この実験により、 インターストランドクロスリンク体と考えられる新たな生成 物を確認した (レーン 2及び 7 ) 。 これに対し、 加熱処理、 ピぺリジン処理を行 うと、 切断されたフラグメントが得られた (レーン 3及び 9 ) 。 さらに、 このフ ラグメントを A P (alkaline phosphatase) 処理すると泳動度が減少した (レー ン 4及び 8 ) 。 この生成物は別に合成した標品とポリアクリルアミ ドゲル電気泳 動で同一物であることを確認した (レーン 5及び 1 0 ) 。
この実験結果は、 化合物 (7 a ) と I m l m P yによって、 D NAオリゴマー 上の 2個所のアデニン部位で配列選択的にアルキル化されていたことを示してい る。 つまり、 反応によって泳動速度の大きな変化が観察された事実と併せて考え れば、 ほぼ定量的に D N Aに対するィンタ一ストランドクロスリンク反応が進行 することが確認された。 .
これらの結果、 ピロ一ルーィミダゾ一ルポリアミ ド C P Iコンジユゲート体 ( 7 a ) はピロ一ルーイミダゾールの塩基配列認識のルール (a) P.B.Dervan, e
t al. , Nature, 282, 111-115 (1998); b) T.Fujiwara, Z.-F.Tao, Y.Ozeki, I. S aito, A.H. -J. Wang, M.Lee, H. Sugiyama, J. Am. Chem. Soc. , 121, 7706-7707 (1999).参照) に従ったトリアミ ドの存在下のみ D N Aを効率よくインタ一ス トラ ンドクロスリンクすることが明らかとなった。 化合物 ( 7 a) と I m l mP yに よるインターストランドクロスリンク体の構造を第 3図に示す。
次に、 インタ一ストランドクロスリンク体の塩基配列特異性を検討した。
この化合物 ( 7 a) と I m l mP yによるインタ一ストランドクロスリンクの 配列特異性を検討するために、 I m I mP yと他の 3種のトリアミ ド存在下での 化合物 (7 a) のクロスリンク反応に変化を調べた。 この実験で使用したトリア ミ ドの構造を次に示す。
ImlmPy: X = N, Y = N,Z = CH Imlmlm: X = N,Y = N,Z = N ImPyPy: X = N, Y = CH, Z = CH PylmPy: X = CH, Y = N, Z = CH
即ち、 I m l mP yは、 X = Nで、 Y = Nで、 Z = CHのものであり、
I m l m l mは、 X = Nで、 Y = Nで、 Z =Nのものであり、
I mP y P yは、 X = Nで、 Y=CHで、 Z = CHの.ものであり、
P y l mP yは、 X = CHで、 Y = Nで、 Z = CHのものである。
この結果を、 第 4図に図面に代わる写真として示す。 第 4図の
レーン 1は、 TXR— 1 8 ( 3 μ M) と OD N— 1 5 ( 6 Μ) のみの場合を 示し、
レーン 2は、 T X R— 1 8 ( 3 β Μ) と O D N— 1 5 ( 6 fx M) に化合物 ( 7 a) ( 5 0 M) 及び I m l mP y ( 1 0 0 M) を添加した場合を示し、 レーン 3は、 T X R— 1 8 ( 3 /X M) と O D N— 1 5 ( 6 μ. M) に化合物 (7 a ) ( 5 0 M) 及び I m l m l m ( Ι Ο Ο ^ Μ) を添加した場合を示し、 レーン 4は、 T X R— 1 8 ( 3 μ M) と O D N— 1 5 ( 6 Μ) に化合物 (7 a) ( 5 0 M) 及び I mP y P y ( 1 0 0 ϋ M) を添加した場合を示し、 レーン 5は、 T X R— 1 8 ( 3 Μ) と O D N— 1 5 ( 6 Μ) に化合物 ( 7 a) ( 5 0 M) 及び P y l mP y ( 1 0 0 ^ M) を添加した場合を示す。
この結果、 I m l m l mを用いた系 (レーン 3 ) においても効率は若干低下す るもののクロスリンク体の生成が明確に観察された。 しかし、 他のトリアミ ドを 用いた系 (レーン 4及び 5 ) では、 クロスリンク体の生成はほとんど確認するこ とはできなかった。 これらの結果は、 第 3図に示すモデルに基づいて任意の配列 で D NAのインタ一ストランドクロスリンク反応が行える可能性を示している。 さらに、 インターストランドクロスリンク反応の最適条件の検討を行った。 化合物 ( 7 a ) と I m I mP yによるインターストランドクロスリンク反応に おける最適の塩基配列の間隔を調べる実験を行うために次の塩基対を用いた実験 を行った。
5 ' - [TXRed] - T TA C A G T G G C - (T) n— G C C A G C A— 3 '
3 ' 一 GT C A C C G— ( A) n - C G G T C G T - 5 ' 5 ' 末端側の T X R e dは、 テキサスレッ ドでの標識を示す。
n = 0の場合の、 上段のものを T X R— 1 7と称し、 下段のものを O D N— 1 4と称する。 n = lの場合の、 上段のものを T X R— 1 8と称し、 下段のものを OD N - 1 5と称する。 n = 2の場合の、 上段のものを T X R— 1 9と称し、 下 段のものを〇 D N— 1 6と称する。 n = 3の場合の、 上段のものを T X R— 2 0 と称し、 下段のものを 0 D N— 1 7 と称する。
この結果を、 第 5図に図面に代わる写真として示す'。 第 5図の
レーン 1は、 n = 0のもので、 T X R— 1 7 ( 3 /χ Μ) と O D N— 1 4 ( 6 n M) に化合物 ( 7 a ) ( 5 0 /ί M) 及び I m l m P y ( 1 0 0 M) を添加した 場合を示し、
レーン 2は、 n = lのもので、 TXR— 1 8 ( 3 xM) と ODN— 1 5 ( 6 Μ) に化合物 ( 7 a) ( 5 0 M) 及び I m l mP y ( 1 0 0 M) を添加した 場合を示し、
レーン 3は、 n = 2のもので、 TXR— 1 9 ( 3 μ M) と ODN— 1 6 ( 6 Μ) に化合物 ( 7 a) ( 5 0 μ M) 及び I m l mP y ( 1 0 0 ^ M) を添加した 場合を示し、
レーン 4は、 n = 3のもので、 TXR— 2 0 ( 3 M) と ODN— 1 7 ( 6 M) に化合物 ( 7 a) ( 5 0 M) 及び I m l mP y ( 1 0 0 /zM) を添加した 場合を示す。
この結果、 n= 0の場合 (レーン 1 ) には全くクロスリンク体を確認すること はできなかったが、 n = 2の場合 (レーン 3) においては先に述べてきた n = 1 の場合 (レーン 2) と同様の定量的なインターストランドクロスリンク反応が起 こっていることがわかった。 しかしながら、 n= 3の場合 (レーン 4) には 2 0 %程のクロスリンク体が観察されたにとどまった。
さらに、 試薬濃度と等量比の反応条件についても検討を行った結果、 最終的に T e a s R e d— 1 8 ( 3 M) に対して、 ィ匕合物 ( 7 a) 、 I m l mP y をそれぞれ 2 5 Mにまで下げた条件まで定量的なクロスリンク反応を確認する ことができた。
これらの結果、 化合物 (7 a) と I m l mP yなどによる協同的インタースト ランドクロスリンク反応を確立することができた。
さらに最適のトリアミドとクロスリンカーを設計することで、 任意の塩基配列 を有する D N Aサイ トにのみ選択的にィンターストランドクロスリンクする能力 をもつテーラーメイ ドドラッグを実現することができるようになる。
本発明の一般式 ( I )
A-L -B -X- B -L -A ( I ) (式中、 各々の Bは DNAの塩基配列を認識できる化学構造を示し、 各々の Aは D N Aの塩基の一種に結合し得る化学構造を示し、 Lは A及び Bの化学構造を結 合させ得るリンカ一を示し、 Xは A— L— Bコンポーネントを結合させるスぺー サ一を示す。 )
で表される DNAの 2本鎖をインタ一ストランドクロスリンクすることができる 化合物は、 2個の (A— L一 B) コンポーネントをスぺーサー Xで相互に連結さ せた構造を有することを特徴とするものである。
(A— L— B) コンポーネントの中の B部分は、 D N Aの塩基配列を認識でき る化学構造を有するものであり、 好ましくは置換基を有してもよいピロ一ル (本 明細書では P yと略称する。 ) 及び/又はイミダゾール (本明細書では I mと略 称する。 ) から誘導される化学構造などであり、 これらの置換基-を有してもよい ピロール環や置換基を有してもよいィミダゾ一ル環をアミ ド結合で結合させた化 学構造が好ましい。 この部分の化学構造とこれに結合する D N Aの塩基配列につ いては、 a) P. B. Dervan, et al. , Nature, 282, 111-115 (1998); b) T. Fuj iwara,
Z. - F.Tao, Y. Ozeki, I. Saito, A. H. -J. Wang, M.Lee, H. Sugiyama, J. Am. Chem.
Soc. , 121, 7706- 7707 (1999).などの公知技術を参照することができる。
(A - L - B ) コンポーネントの中の A部分は、 DN Aの塩基の一種に結合し 得る化学構造を有する部分であり、 DN A中の塩基と共有結合形成できるものが 好ましい。 好ましい A部分としては DN Aをアルキル化する抗癌抗生物質のアル キル化部分であって、 シクロプロパン環やアジリジン環などを有する化学構造が さらに好ましい。
(A— L— B) コンポーネントの中のリンカ一 Lは、 A部分及び B部分の化学 構造を結合させ得るものであればよく、 これにより D N Aの塩基をアルキル化す る部分と D N Aの塩基配列を認識し得る部分とを一体化することが可能となる。 即ち、 DN Aの特定の塩基配列の部分を特異的に認識し、 当該認識部位に応じた 塩基を特異的にアルキル化して結合することが可能となる。
リンカ一 Lとしては、 適当な長さを有し、 即ち原子数が 2〜1 0個、 好ましく は 2〜 5個程度を有し、 A部分と B部分を化学結合させ得るものであればよい。 好ましいリンカ一 Lとしてはピニル基を含有する化学構造が挙げられる。
好ましい (A— L一 B) —コンポーネントとしては、 次式 (II)
『、》'' COOCH3
又は次式 (III)
で表される基などが挙げられる。
(A - L - B) コンポ一ネントを結合させるスぺーサ一 Xとしては、 適当な長 さを有し、 即ち原子数が 1〜 1 5個、 好ましくは 2〜 8個程度を有し、 2個の
(A-L-B) コンポーネントを化学結合させ得るものであればよい。 例えば、 力ルポニル基又は炭素数 2〜 1 5、·好ましくは 2〜 8の有機ジカルボン酸から誘 導されるァシル基などが挙げられる。 有機ジカルボン酸としては飽和又は不飽和 の脂肪族ジカルボン酸、 飽和又は不飽和の環式脂肪族ジカルボン酸、 芳香族時力 ルボン酸、 芳香脂肪族ジカルボン酸、 複素環式ジカルボン酸などが挙げられる。
スぺーサ— Xとしては、 — c〇一基、 一 C 0— C H= C H— C 0—基、 一 CO 一 (CH2) 4— CO—基、 又は、 一 CO— ( p - C 6H4) 一 CO—基などが挙げ られるが、 脂肪族飽和ジカルボン酸のァシル基が好ましく、 より具体的には一 C O - (CH2) 4一 C 0—基などが好ましい。
本発明は、 前記した本発明の化合物のいずれかを用いて、 2本鎖 DNAの特定 の塩基配列部分をィンタ一ス トランドクロスリ ンクする方法を提供する。 この本 発明の方法においては、 さらに D N Aの塩基配列を認識できる化学構造を有する 物質、 例えば I m I m P y、 I m I m I mなどのトリアミ ドの存在下に行うのが 好ましい。
本発明の方法によりィンタース トランドクロスリ ンクする場合には、 (A— L - B) コンポーネントの中の B部分の DN Aの塩基配列を認識できる化学構造に より、 D N Aの特定の塩基配列部分に特異的にィン夕ース トランドクロスリ ンク することができる。 例えば、 本発明の化合物として前記した化合物 (7 a) など を用いた場合には、 DNAの TGGC若しくは GC C A又はそれらの相補鎖部分 にインタ一ス トランドクロスリ ンクすることができる。
また、 本発明は、 前記した本発明の化合物からなる、 2本鎖 DNAのインター ス トランドクロスリ ンク剤を提供する。 本発明のインタース トランドクロスリ ン ク剤は効率よく、 しかも DNAの特定の塩基配列部分ィンタース トランドクロス リ ンクすることができる。
本発明のィンタース トランドクロスリンク剤は、 D N Aの特定の塩基配列の部 分にインタース トランドクロスリ ンクすることができるので、 遺伝子の異常によ る各種の疾患の治療又は予防に有用である。 特に癌遺伝子に対してその発現の予 防、 治療に有用となる。 したがって、 本発明は前記した本発明の化合物及び製薬 上許容される担体からなる医薬組成物を提供するものである。 本発明の医薬組成 物は、 遺伝子の異常に伴う各種疾患、 例えば癌の治療又は予防に有用である。 実施例
次に、 実地例により本発明をより具体的に説明するが、 本発明はこれらの実施 例に限定されるものではない。
実施例 1 化合物 ( 7 a) の製造
( 1 ) 化合物 (2) の製造
濃硫酸 ( 1. 5 m 1、 3 5. 7 mm o 1 ) の無水酢酸溶液 ( 3m l ) 中に 1— メチルー 2—ピロ一ルアルデヒド (3. 0 g、 2 7. 5 mm o 1 ) の無水酢酸溶 液 ( 5m l ) を— 40 °C下で 4 0分間ゆっく りと滴下した。 反応混合物を— 1 0 下で 2時間攪拌した後、 そこにへキサン ( 1 0 0m l ) を加えた。 生じた沈殿 物を桐山ロートを用いて集め、 へキサン ( 1 0m l X 2) で洗浄することによ り黄色粗結晶 ( 1. 4 3 g、 3 4 %) を得た。 さらなる精製に付すことなく直ち にこのものを次の反応に用いた。
水素化ナトリウム ( 3 7 2 mg、 9. 2 9 mm o 1 , 6 0 % oil suspension) の THF ( 5m l ) 溶液中に 2—ジェチルホスホノ酢酸ェチルエステル (trieth ylphosphonoacetate) ( 1. 9 3m l、 9. 7 5 mm o 1 ) を 0°C下でゆっく り と加えた。 さらに、 1—メチル一 4一二トロ— 2—ピロ一ルアルデヒド ( 1. 4 3 g、 9. 2 9 mm o 1 ) の THF ( 1 0m l ) 溶液を 0°C下で加えた後、 反応 混合物を室温下で 2時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去し蒸留水 ( 1 0 m l ) を加えた。 水層を酢酸ェチル ( 1 0 0 m 1 X 2) を用いて抽出した。 有機層を 集め無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、 濾過、 濃縮し残留物をシリカゲルカラムク 口マトグラフィー (2 5→ 5 0 % E t OA c in hexane, gradient elut ion) にて精製することにより化合物 (2) ( 1. 6 9 g > 8 1 ) を得た。
NMR(CDC13) δ
1.34(t, J = 7.0Hz, 3H), 3.77(s, 3H) , 4.26(q, J = 7.0Hz, 2H) ,
6.31 (d, J = 16.0Hz, 1H), 7.11 (d, J = l.5Hz, 1H),
7. 8(d, J-16.0Hz, 1H), 7.56(d, J = 1.5Hz, 1H) .
13C NMR(CDC13) δ
14.3, 35. , 60.8, 106.1, 118.4, 125.3, 129.8, 130.1 ,
136.7, 166.5.
MS(FABI) 225 [M+].
( 2 ) 化合物 (3 ) の製造
化合物 (2 ) ( 5 0 0 m g、 2. 2 3 mm o 1 ) の無水メタノール (2 5 m 1 ) 溶液中に 1 0 %パラジウム一炭素 (2 2 O m g) を加えた。 さらに水素化ホ ゥ素ナトリウム ( 1 5 3 m g、 4. 0 4 mm o 1 ) の蒸留水 (3 m l ) 溶液を 0 で下で滴下した後、 反応混合物を室温下で 2 0分攪拌した。 反応溶 ¾をセライ ト にて濾過した後、 酢酸ェチル ( 5 0 0 m l ') を加えた。 有機層を蒸留水 ( 1 0 m 1 ) にて洗浄した後、 無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、 濾過、 濃縮し褐色粗結晶 ( 4 6 1 m g) を得た。 さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応 に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン ( 1 0 m l ) 溶液中にェチルジイソプロピルアミン ( 0. 5 2 m l 、 2. 9 8 mm o 1 ) と別途合成した 1 一メチル— 4一二トロー 2—トリクロロアセチルイミダゾール (〇2N I mC O C C l 3) ( 5 5 O mg, 2. 0 2 mmo 1 ) を、 順次 0 °C下で加えた後、 反応混合物を室温下で 1時間攪 拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ フィー (3 0→ 5 0 % E t OA c (へキサン中) ) にて精製することにより、 化合物 ( 3 ) ( 4 0 0 m g、 5 2 % for 2 steps) を得た。
XH 丽 R(CDC13) δ
1.33(t, J = 7.0Hz, 3H), 3.71 (s, 3H) , 4.21 (s, 3H) ,
4.25(q, J = 7.0Hz, 2H) , 6.16 (d, J = 16.0Hz, 1H),
6.62(d, J = l.5Hz, 1H), 7.32(d, J-l.5Hz, 1H),
7.55(d, J = 16.0Hz, 1H), 7.82(s, 1H), 8.97(brs, 1H).
13C NMRCCDCls) δ
14.3, 34.4, 37.1, 60.3, 102.5, 114.2, 117.9, 122.1, 124.4,
127.6, 131.4, 137.2, 145.3, 154.4, 167.4.
MS(FAB+) 347 [M+] -
( 3 ) 化合物 (4 a) の製造
化合物 ( 3) ( 2 5 0mg、 0. 7 2 mm o 1 ) の無水メタノ一ルー酢酸ェチ ル ( 1 : 1、 1 0 m l ) 混合溶液中に 1 0 %パラジウム一炭素 ( 1 2 Omg) を 加えた。 さらに水素化ホウ素ナトリウム ( 5 4. 5mg、 1. 44 mm o 1 ) の 蒸留水 (0. 5m l ) 溶液を 0 °C下で滴下した後、 反応混合物を室温下で 2 0分 攪拌した。 反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (E t OA c ) にて 濾過した後、 溶媒を留去して褐色粗結晶 (^l A l mg) を得た。 さらなる精製に 付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン (2m l ) 溶液中にェチルジイソプロピルアミン (0. 2 5m 1、 1. 3 3mmo 1 ) とアジボイル一ジクロライ ド (adipoyl ch loride) ( 3 2 μ 1、 0. 2 2 mm ο 1 ) を、 順次 0 °Cで加えた後、 反応混合物 を室温下で 1 4時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をシリ 力ゲルカラムクロマ トグラフィー (0→3 % Me OH in C H C 13) にて精製 することにより化合物 (4 a) ( 9 6. 2mg、 3 6 % for 2 steps) を得た。
XH NMRCCDCls) (5
1.32(t, J-6.5Hz, 6H), 1.81 (s, 4H) , 2.42(s, 4H) , 3.67(s, 6H) , 4.04(s, 6H), 4.24(q, J = 6.5Hz, 4H), 6.10(d, J = 15.5Hz, 2H) ,
6.51 (s, 2H) , 7.34(s, 2H) , 7.41 (s, 2H) , 7.53 (d, J = 15.5Hz, 2H) , 8.04(brs, 2H) , 8.80(brs, 2H) .
13C NMR(5¾CD30D in CDCla) <5
14.1, 24.8, 34.1, 34.5, 34.6, 60.3, 102.3, 112.9, 114.3,
118.0, 122.8, 127.1, 131.8, 133.7, 135.8, 155.8, 168.0, 171.0. S(ESH) 744.6 [M+].
(4) 化合物 ( 5 a) の製造 .
4 a ( 7 6. 2mg、 0. 1 0 mm o 1 ) の蒸留水 ( 0. 6 m l ) 懸濁液中に 1, 8—ジァザビシクロ [ 5, 4, 0] ゥンデセン— 7 (D B U : 1, 8-diazabic yclo[5.4.0]undec-7-ene) (0. 6m 1、 4. 0 1 mm o 1 ) を加えた反応溶液 を室温下で 1 5時間攪拌した。 反応の終結を H P L C ( 0 1 0 0 % 5 0 mm
o 1ギ酸アンムニゥム水溶液ーァセトニトリル, 2 0 m i n、 2 54 nm) で確 認した後、 反応溶液の溶媒を留去して得た褐色残留物をジェチルエーテル ( 1 0 m 1 ) 、 酢酸ェチル ( 1 0m l ) を用いて結晶化させた。 得られた D B U塩化合 物を 1 %希塩酸を用いて脱塩した後、 生じた沈殿物を桐山ロートを用いて集め減 圧下乾燥することにより 5 a (40. 0mg、 5 7 ) を得た。 lE NMR(DMS0-d6) δ
1.58(s, 4H), 2.32 (s, 4H), 3.68(s, 6H), 3.94(s, 6H),
6.03(d, J = 15.5Hz, 2H) , 6.80(s, 2H) , 7.41 (s, 2H), 7.43(s, 2H) , 7.46(d, 15.5Hz, 2H) , 9.89(brs, 2H) , 10.24(brs, 2H) .
MS(ESI+) 688.5 [M+].
(5) 化合物 (6 a) の製造
5 a ( 3 0. Omg、 4 3, 6 /^mo l ) の無水ジメチルホルムアミ ド ( 1 m 1 ) 溶液中に 1 , 1 ' —カルボニルジイミダゾール (1, Γ-carbonyldiimidazol e) (C D I ) (42mg、 2 6 l Aimo l ) を加えた反応溶液を、 室温下で 1 5 時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジェチルエーテル ( 1 0m l ) を用いて結晶化を行い化合物 ( 6 a) ( 3 5. 7 mg、 1 0 0 %) を得た。 ιΈ NMR(DMSO-de) δ
1.59(s, 4H), 2.34(s, 4H) , 3.78(s, 6H) , 3.96(s, 6H) ,
7.11 (s, 2H), 7.16(d, J-14.5Hz, 2H) , 7.32(s, 2H) ,
7.45(s, 2H), 7.49(s, 2H) , 7.87(d, J = 14.5Hz, 2H),
7.90(s, 2H), 8.68(s, 2H), 10.07(brs, 2H), 10.23(brs, 2H) .
(6) 化合物 (7 a) の製造
水素化ナトリウム ( 2. 6mg、 6 4. 4 m o 6 0 % oil suspension) の無水ジメチルホルムアミ ド (0. 2m l ) 溶液中に、 別途合成した DU 8 6の
セグメント A ( 1 2. 5m g、 4 8. 3 imo l ) の無水ジメチルホルムアミ ド ( 0. 2 m l ) 溶液を 0 X:下で加えた後、 化合物 ( 6 a) ( 1 3. 6 m g , 1 7. 2 m o 1 ) の無水ジメチルホルムアミ ド (0. 2 m l ) 溶液を加えた反応溶液 を 0 下で 4時間攪拌した。 反応溶液中に 1 0 ιτιΜリン酸ナトリウム ( 2 m l ) 緩衝溶液を 0 °C下で加えた後、 減圧下溶媒を留去し黄色残留物を得た。 粗結晶を 桐山口一ト上で蒸留水 ( 1 0 m l ) 、 メタノール ( 1 0 m l ) 、 ジェチルェ一テ ル ( 1 0 m l ) にて順次洗浄し、 減圧下乾燥することによって標記の化合物 ( 7 a ) ( 1 2. 2 m g、 6 1 %) を得た。
NMR(DMS0-d6) δ
1.29(m, 2H), 1.58(s, 4H) , 2.09(m, 2H) , 2.33(s, 4H) ,
2.47(s, 6H), 3.45 (m, 2H) , 3.72(s, 6H) , 3.73(s, 6H),
3.95(s, 6H), 4.18(m, 2H) , 4.28(m, 2H) ,
6.57(d, J = 14.5Hz, 2H) , 6.83(brs, 2H), 6.99(s, 2H) ,
7.41 (s, 2H), 7.44(s, 2H) , 7.58(d, J = 14.5Hz, 2H),
9.98(s, 2H), 10.23 (s, 2H) , 12.36(brs, 2H) .
MS(ESH) 1168.6[ +]. 実施例 2 化合物 ( 7 b) の製造
( 1 ) 化合物 (4 b) の製造
実施例 1の ( 2 ) で製造した化合物 ( 3 ) ( 4 2 '0 mg、 1. 2 1 mm o 1 ) の無水メタノール一酢酸ェチル ( 1 : 1、 3 0 m l ) 混合溶液中に 1 0 %パラジ ゥムー炭素 (2 0 0 m g) を加えた。 さらに水素化ホウ素ナトリウム ( 1 0 6 m g、 2. 8 0 mm o 1 ) の蒸留水 ( 1 m l ) 溶液を 0で下で滴下した後、 反応混 合物を室温下で 2 0分攪拌した。 反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ — (E t O A c ) にて濾過した後、 溶媒を留去して褐色粗結晶 ( 3 2 7 m g) を 得た。 さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン ( 1 0 m l ) 溶液中にェチルジイソプロピルアミン ( 0. 6 m l、 3. 6 3 mm o 1 ) とテレフタル酸ジク口ライ ド ( terephtaloyl
chloride) ( 1 2 2 m g、 0. 6 1 mm o 1 ) を、 順次 0 t下で加えた後、 反応 混合物を室温下で 2時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物を シリ力ゲル力ラムクロマトグラフィー ( 0— > 3 % M e OH in CH C 1 3) にて 精製することにより化合物 (4 b) ( 2 2 3 mg、 4 8 % for 2 steps) を得た,
JH NMR(CDC13) δ
1.33(t, J = 7.5Hz, 6H), 3.71 (s, 6H), 4.12(s, 6H) ,
4.25(q, 1 = 7.5Hz, 4H) , 6.13(d, J = 16.0Hz, 2H) ,
6.55 (s, 2H), 7.38(s, 2H), 7.56(d, J = 16.0Hz, 2H) ,
7.61 (s, 2H), 8.02(s, 4H), 8.38(brs, 2H) , 8.82(brs, 2H) .
( 2 ) 化合物 ( 5 b) の製造
化合物 (4 b ) ( 3 0. 0 m g、 0. 0 4 mm o 1 ) の蒸留水 ( 0. 2 m l ) 懸濁液中に 1, 8—ジァザビシクロ [ 5 , 4, 0 ] ゥンデセン一 7 (1, 8-dazabi cyclo[5.4.0]undec-7-ene) (D B U) ( 0. 2 m l、 1. 3 4 mm o 1 ) を加え た反応溶液を室温下で 1 2時間攪拌した。 反応の終結を H P L C ( 0— 1 0 0 %
5 0 mm o 1, ギ酸アンモニゥム水溶液ーァセトニトリル, 2 0 m i n、 2 5 4 nm) で確認した後、 反応溶液の溶媒を留去して得た褐色残留物をジェチルェ —テル ( 1 0 m l ) 、 酢酸ェチル ( 1 0 m l ) を用いて結晶化させた。 得られた D B U塩化合物を 1 %希塩酸を用いて脱塩した後、 生じた沈殿物を桐山口一トを 用いて集め減圧下乾燥することにより化合物 ( 5 b) ( 2 1. 5 m g、 8 5 ) を得た。
NMR(D S0-d6) δ
3.68(s, 6H), 4.00(s, 6H), 6.04(d, J = 16.0Hz, 2H) , 6.81 (s, 2H),
7.43(s, 2H), 7.46 (d, J = 16.0Hz, 2H) , 7.66(s, 2H), 8.10(s, 4H) ,
9.95(s, 2H), 10.95(s, 2H) .
( 3 ) 化合物 (6 b) の製造
化合物 ( 5 b) ( 5 4. 5 mg、 7 9. 9 mo l ) の無水ジメチルホルムァ ミ ド (3 m l ) 溶液中に、 C D I ( 7 6 m g、 2 3 1 m o 1 ) を加えた反応溶 液を室温下で 1 5時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジ ェチルエーテル ( 1 0 m 1 ) を用いて結晶化を行い化合物 ( 6 b) ( 6 3. 0 m g、 9 7 %) を得た。
腿 R(DMS0- ck) (3
3.79(s, 6H), 4.02(s, 6H) , 7.10(s, 2H), 7.17(d, J = 15.0Hz, 2H) , 7.32 (s, 2H), 7.50(s, 2H), 7.68(s, 2H) , 7.87(d, J = 15.0Hz, 2H) , 7.90(s, 2H), 8.11 (s, 4H) , 8.67(s, 2H) , 10.15(s, 2H) ,
10.96(s, 2H).
(4) 化合物 ( 7 b) の製造
水素化ナトリウム (4. 5mg、 1 1 2. 5 m o 1 , 6 0 % oil suspensio n) の無水ジメチルホルムアミ ド (0. 1 m l ) 溶液中に、 別途合成した DU 8 6 のセグメント A ( 2 1. O mg、 8 1. 3 ^ m o 1 ) の無水ジメチルホルムアミ ド (0. 1 m 1 ) 溶液を 0 °C下で加えた後、 化合物 ( 6 b) ( 2 1. O mg、 2 4. 9 ^mo 1 ) の無水ジメチルホルムアミ ド ( 0. 8 m 1 ) 溶液を加えた反応 溶液を 0 下で 1 8時間攪拌した。 反応溶液中に 1 0 mMリン酸ナトリウム ( 2 m l ) 緩衝溶液を 0 °C下で加えた後、 減圧下溶媒を留去し黄色残留物を得た。 粗 結晶を桐山ロート上で蒸留水 ( 1 0 m l ) 、 メタノール ( 1 0 m l ) 、 ジェチル エーテル ( 1 0 m l ) にて順次洗浄し、 減圧下乾燥することによって標記の化合 物 ( 7 b) ( 2 4. 5 mg、 8 3 %) を得た。
LH NMR(DMS0-d6) δ
1.30(m, 2H), 2.09(m, 2H) , 2.47(s, 6H) , 3.46 (m, 2H) ,
3.74(s, 12H), 4.02(s, 6H) , 4.20 (m, 2H) , 4.29(m, 2H) ,
6.60(d, J = 15.0Hz, 2H) , 6.83(brs, 2H), 7.01 (s, 2H) ,
7.43(s, 2H), 7.58(d, J = 15.0Hz, 2H) , 7.68(s, 2H) ,
8.12(s, 4H), 10.05(s, 2H) , 10.96(s, 2H) , 12.36(brs, 2H) .
MS(ESI+) 1188.9[M+]. 実施例 3 化合物 ( 7 c ) の製造
( 1 ) 化合物 (4 c) の製造
実施例 1の (2) で製造した化合物 ( 3) (2 0 0 mg、 0. 5 8 mm o 1 ) の無水メタノ一ルー酢酸ェチル ( 1 : 1、 2 0m l ) 混合溶液中に 1 0 %パラジ ゥムー炭素 ( 1 0 0 m g) を加えた。 さらに水素化ホウ素ナトリウム (44mg、 1. 1 5 mm o 1 ) の蒸留水 ( 0. 5 m 1 ) 溶液を 0で下で滴下した後、 反応混 合物を室温下で 2 0分攪拌した。 反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ 一 (E t OA c ) にて濾過した後、 溶媒を留去して褐色粗結晶 ( 9 3mg) を得 た。 さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン (2m l ) 溶液中にェチルジイソプロピルアミン (0. 1 5m l 、 0. 8 8 mm o 1 ) とフマル酸ジク口ライ ド (fumaryl chlori de) ( 1 6 /x 1、 0. 1 5 mmo 1 ) を順次 0 °C下で加えた後、 反応混合物を室 温下で 1 2時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー ( 0→ 3 % M e〇 H in C H C 13) にて精製する ことにより化合物 (4 c ) ( 5 0. l mg、 1 % for 2 steps) を得た。
'Β. N R(DMSO-de) δ
1.25(t, J-7.0Hz, 6H), 3.70(s, 6H), 3.98(s, 6H) ,
4.16(q, J-7.0Hz, 4H) , 6.11 (d, J = 16.0Hz, 2H) , 6.85 (s, 2H) ,
7.26(s, 2H), 7.45(s, 2H), 7.52(d, J = 16.0Hz, 2H),
7.61 Cs, 2H), 9.97(s, 2H), 10.90(s, 2H) .
( 2 ) 化合物 (5 c ) の製造
化合物 (4 c ) (40. l mg、 0. 0 6 mmo l ) の蒸留水 (0. 3m l ) 懸濁液中に D BU (0. 3m 1、 2. 0 0 mm o 1 ) を加えた反応溶液を室温下 で 1 7時間攪拌した。 反応の終結を H P L C (0— 1 0 0 % 5 0 mm o 1ギ酸 アンモニゥム水溶液ーァセトニトリル, 2 0m i n、 2 54 nm) で確認した後.
反応溶液の溶媒を留去して得た褐色残留物をジェチルエーテル ( 1 0 m l ) 、 酢 酸ェチル ( 1 0 m l ) を用いて結晶化させた。 得られた D B U塩化合物を 1 %希 塩酸を用いて脱塩した後、 生じた沈殿物を桐山ロートを用いて集め減圧下乾燥す ることにより化合物 ( 5 c ) ( 2 2 . 5 m g、 6 1 %) を得た。
XH N R(DMS0-d6) δ
3.69(s, 6H), 3.98(s, 6H), 6.04(d, J = 16.0Hz, 2H),
6.83(s, 2H), 7.26(s, 2H) , 7.43(s, 2H) , 7.47 (d, J = 16.0 Hz, 2H) ,
7.60(s, 2H), 9.97(s, 2H), 10.90(s, 2H) .
( 3 ) 化合物 ( 6 c ) の製造
化合物 ( 5 c ) ( 1 7. 5 m g、 2 6 . 5 m o l ) の無水ジメチルホルムァ ミ ド ( 1 m l ) 溶液中に C D I ( 3 0 m g、 1 8 5 m o 1 ) を加えた反応溶液 を室温下で 1 5時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジェ チルエーテル ( 1 0 m 1 ) を用いて結晶化を行い化合物 ( 6 c ) ( 1 8 . 5 m g、 9 2 %) を得た。
XH NMR(DMSO-de) δ
3.78(s, 6H), 4.00(s, 6H), 7.11 (s, 2H),
7.17(d, J-15.0Hz, 2H) , 7.28(s, 2H) , 7.34(s, 2H) ,
7.52(s, 2H), 7.63(s, 2H) , 7.89(d, J = 15.0Hz, 2H) ,
7.91 (s, 2H), 8.68(s, 2H) , 10.17(s, 2H) , 10.89(s, 2H) .
(4) 化合物 (7 c ) の製造
水素化ナトリウム (2. 8 m g、 7 1 . 2 m o l 、 6 0 % oil suspension) の無水ジメチルホルムアミ ド (0. 1 m l ) 溶液中に、 別途合成した D U 8 6の セグメント A ( 1 3. 8 m g、 5 3. の無水ジメチルホルムアミド
( 0. l m l ) 溶液を 0 °C下で加えた後、 化合物 (6 c ) ( 1 3. 5 m g、 1 7. 8 τη ο 1 ) の無水ジメチルホルムアミ ド ( 0. 7 m l ) 溶液を加えた反応溶液 を 0で下で 1 2時間攪拌した。 反応溶液中に 1 O mMリン酸ナトリウム ( 2 m
1 ) 緩衝溶液を 0 °c下で加えた後、 減圧下溶媒を留去し黄色残留物を得た。 粗結 晶を桐山ロート上で蒸留水 ( 1 0 m l ) 、 メタノール ( 1 0m l ) 、 ジェチルェ —テル ( 1 0m l ) にて順次洗浄し、 減圧下乾燥することによって標記の化合物
(7 c) ( 9. 6mg、 47 %) を得た。
JH 丽 R(DMS0- d6) 6
1.30(m, 2H), 2.08 (m, 2H) , 2.47(s, 6H) , 3.47 (m, 2H) ,
3.73(s, 6H) , 3.74(s, 6H) , 3.99(s, 6H) , 4.20(m, 2H) ,
4.29(m, 2H), 6.59(d, J = 15.0Hz, 2H) , 6.79(brs, 2H) ,
7.01 (s, 2H), 7.28(s, 2H) , 7.43(s, 2H) ,
7.58(d, 1 = 15.0Hz, 2H), 7.61 (s, 2H) ' 10.07(s, 2H) ,
10.89(s, 2H), 12.36(brs, 2H) .
MS(ESH) 1138.5[M+]. 実施例 4 化合物 ( 7 d) の製造
( 1 ) 化合物 (4 d) の製造
実施例 1の ( 2 ) で製造した化合物 (3) (2 0 0mg、 0. 5 8 mm o 1 ) の無水メタノ一ルー酢酸ェチル ( 1 : 1、 2 0m l ) 混合溶液中に 1 0 %パラジ ゥムー炭素 ( l O Omg) を加えた。 さらに水素化ホウ素ナトリウム (44mg, 1. 1 5 mmo 1 ) の蒸留水 ( 0. 5 m 1 ) 溶液を 0で下で滴下した後、 反応混 合物を室温下で 2 0分攪拌した。 反応溶液をシリカゲルカラムク口マトグラフィ ― (E t OA c) にて濾過した後、 溶媒を留去して褐色粗結晶 ( 6 3mg) を得 た。 さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン (2m l ) 溶液中に CD I ( 1 6 mg、 0. 1 0m mo l ) を 0 下で加えた後、 反応混合物を室温下で 1 2時間攪拌した。 反応溶 液の溶媒を留去して得た黄色残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ一 (0 → 3 % M e OH in CHC l s) にて精製することにより化合物 (4 d) ( 5 1 3mg、 4 5 % for 2 steps) を得た。
'Η NMR(DMSO-de) δ
1.24(t, J = 7.0Hz, 6H), 3.70(s, 6H) , 3.96(s, 6H) ,
4.15(q, J-7. OHz, 4H) , 6.08(d, J = 16. OHz, 2H), 6.87(s, 2H),
7.26(s, 2H), 7.45(s, 2H), 7.51 (d, J-16. OHz, 2H) ,
8.31 (brs, 2H), 10.10(s, 2H) .
( 2 ) 化合物 ( 5 d) の製造
4 d (4 1. 3 mg、 0. 0 6 mm o 1 ) の蒸留水 ( 0. 3 m l ) 懸濁液中に D B U ( 0. 3 m l、 2. 0 0 mm o 1 ) を加えた反応溶液を室温下で 1 7時間 攪拌した。 反応の終結を H P L C ( 0→ 1 0 0 % 5 0 mm o 1ギ酸アンモニゥ ム水溶液ーァセトニトリル, 2 0 m i n、 2 5 4 nm) で確認した後、 反応溶液 の溶媒を留去して得た褐色残留物をジェチルエーテル ( 1 0 m l ) 、 酢酸ェチル ( 1 0 m l ) を用いて結晶化させた。 得られた D B U塩化合物を 1 %希塩酸を用 いて脱塩した後、 生じた沈殿物を桐山口一トを用いて集め減圧下乾燥することに より化合物 (5 d) ( 2 7. 4m g、 7 3 %) を得た。
XH NMR(DMSO-de) δ
3.68(s, 6H), 3.96(s, 6H), 6.01 (d, J-16. OHz, 2H) ,
6.84(s, 2H), 7.26(s, 2H) , 7.42(s, 2H) , 7.47(d, J = 16. OHz, 2H),
8.84(brs, 2H) , 10.08(s, 2H) .
( 3 ) 化合物 ( 6 d) の製造
化合物 ( 5 d) ( 2 2. 4mg、 3 7. l ^mo l ) の無水ジメチルホルムァ ミ ド ( 1 m l ) 溶液中に C D I ( 3 0 m g、 1 8 5 m o 1 ) を加えた反応溶液 を室温下で 1 5時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジェ チルエーテル ( 1 0 m 1 ) を用いて結晶化を行い化合物 ( 6 d) ( 2 5. 2mg . 9 6 %) を得た。
3.79(s, 6H), 3.98(s, 6H), 7.10(s, 2H) ,
7.15(d, J = 15. OHz, 2H) , 7.28(s, 2H), 7.34(s, 2H) ,
7.50(s, 2H), 7.87(d, J = 15.0Hz, 2H) , 7.90(s, 2H) ,
8.67(s, 2H), 8.89(brs, 2H) , 10.25 (s, 2H) .
( 4 ) 化合物 ( 7 d ) の製造
水素化ナトリウム (4. 6 mg、 1 1 . 4 τα ο 1 , 6 0 % oil suspensio n) の無水ジメチルホルムアミ ド ( 0. 1 m l ) 溶液中に、 別途合成した DU 8 6 のセグメント A ( 2 2. l m g、 8 5. 8 m o 1 ) の無水ジメチルホルムアミ ド (0. 1 m l ) 溶液を 0 下で加えた後、 化合物 (6 d) ( 2 0. 2 mg、 2 8. 6 ^mo 1 ) の無水ジメチルホルムアミ ド ( 0. 1 m l ) 溶液を加えた反応 溶液を 0 °C下で 1 2時間攪拌した。 反応溶液中に 1 0 mMリン酸ナトリウム (2 m l ) 緩衝溶液を 0 t下で加えた後、 減圧下溶媒を留去し黄色残留物を得た。 粗 結晶を桐山ロート上で蒸留水 ( 1 0 m l ) 、 メタノール ( 1 0 m l ) 、 ジェチル エーテル ( 1 0 m l ) にて順次洗浄し、 減圧下乾燥することによって標記の化合 物 (7 d) ( 5. 5 mg、 1 8 ) を得た。
^ NMR(D SO-de) <5
1.29(m, 2H) , 2.09(m, 2H) , 2.47(s, 6H) , 3.44 (m, 2H) ,
3.72(s, 6H), 3.73(s, 6H) , 3.97(s, 6H) , 4.18(m, 2H) ,
4.27(m, 2H), 6.56(d, J = 14.5Hz, 2H) , 6.84(brs, 2H) ,
7.01 (s, 2H) , 7.26(s, 2H) , 7. 2(s, 2H) ,
7.57(d, J = 14.5Hz, 2H) , 8.82(brs, 2H) , 10.16(s, 2H) ,
12.35 (brs, 2H) .
S(ESH) 1084.5 [ +]. 実施例 5 I m I mP y (化合物 ( 1 1 ) ) の製造
( 1 ) O 2N P y L C〇NH C H2CH2C H2NM e (化合物 (8 ) ) の製造
02 P y C O C C l 3 ( 5 0 0 m g, 1. 8 4mmo l ) にジメチルアミノプ 口ピルアミン ( l m l 、 8. 3 3 mm 0 1 ) を加えた後、 反応混合物を室温下で 1 2時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジェチルェ一テ
ル ( 3 m l ) を用いて結晶化を行い化合物 ( 8 ) (4 6 0mg、 9 7 %) を得た。 ^ NMR(CDC13) δ
1.75(t, J = 6.0Hz, 2H), 2.34(s, 6H) , 2.54(t, J = 6.0Hz, 2H) ,
3.49(q, J = 6.0Hz, 2H) , 4.00(s, 3H) , 6.94(s, 1H),
7.52(s, 1H), 8.68(brs, 1H).
(2) 02N I mP y L C〇NHCH2CH2CH2NM e 2 (化合物 ( 9) ) の製 造
化合物 (8) (46 0mg、 1. 8 1 mm o 1 ) の無水メタノール ( 3m l ) 溶液中に 1 0 %パラジウム一炭素 ( 1 2 Omg) を加えた後、 反応混合物を水素 圧下、 室温で 2時間攪拌した。 反応溶液をセライ ト (Me〇H) にて濾過した後、 溶媒を留去して黄色粗結晶 (4 1 3mg) を得た。 さらなる精製に付すことなく 直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン (8m l ) 溶液中に、 ェチルジイソプロピルアミン (0. 5m 1、 2. 8 7 mm o 1 ) と、 別途合成した 02N I mCOC C 13 ( 4 9 3mg、 1. 8 1 mm o 1 ) を順次 0 下で加えた後、 反応混合物を室温下で 1 5時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た残留物中に、 蒸留水 ( 3 0 m 1 ) を加えて生じる黄色沈殿物を桐山ロートに用いて濾取した。 蒸留水 ( 3 0 m 1 ) 、 ジェチルエーテル ( 5m l ) にて順次洗浄し、 減圧下乾燥することによつ て化合物 (9 ) ( 5 8 7mg, 8 6 % for 2 steps) を得た。
!H NMR(DMSO-de) δ
1.61 (t, J = 7. ΟΗζ, 2H), 2.14(s, 6H) , 2.24(t, J = 7.0Hz, 2H) ,
3.19(q, 1 = 7.0Hz, 2H) , 3.81(s, 3H), 4.04(s, 3H) , 6.97(s, 1H),
7.27(s, 1H), 8.14(brs, 1H), 8.61 (s, 1H), 10.80(brs, 1H).
(3) 〇 2N I m I mP y L C O NH C H2 C H 2 C H2NM e 2 (化合物 ( 1 0) ) の製造
化合物 ( 9) ( 1 0 0mg、 0. 2 7 mm o 1 ) の無水メタノ一ル ( 3m l ) 溶液中に 1 0 %パラジウム一炭素 ( 5 Omg) を加えた後、 反応混合物を水素圧
下、 室温で 4時間攪拌した。 反応溶液をセライ ト (M e OH) にて濾過した後、 溶媒を留去して黄色粗結晶 (6 5. 3mg) を得た。 さらなる精製に付すことな く直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン (2m l ) 溶液中に、 ェチルジイソプロピルアミン ( 0. 1 m 1、 0. 5 7 mm o 1 ) と、 別途合成した 02N I mCOC C l 3 ( 7 2. 2mg、 0. 2 7 mmo 1 ) を順次 0 °C下で加えた後、 反応混合物を室温下 で 1 5時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た残留物中に、 蒸留水 ( 1 0 m l ) を加えて生じる黄色沈殿物を桐山口一トを用いて濾取した。 蒸留水 ( 1 0 m l ) 、 ジェチルェ一テル (2m l ) にて順次洗浄し、 減圧下乾燥することによ つて化合物 ( 1 0 ) ( 5 8. 2mg、 44 % for 2 steps) を得た。
NMR(DMS0-d6) δ
1.61(t, J = 7.0Hz, 2H), 2.15(s, 6H), 2.25(t, J-7.0Hz, 2H),
3.19(q, J-7.0Hz, 2H) , 3.80(s, 3H) , 4.04(s, 3H) ,
4.06(s, 3H), 6.91 (s, 1H), 7.23(s, 1H), 7.58(s, 1H),
8.13(brs, 1H), 8.65(s, 1H), 10.29 (s, 1H) .
(4) A c HN I m I mP y L C〇NHCH2CH2CH2NM e 2 (化合物 ( 1 1) ) の製造
化合物 ( 1 0) (4 8. 2mg、 9 6. 4 i m o 1 ) の無水メタノール一酢酸 ェチル (2 : 1、 6m l ) 混合溶液中に 1 0 %パラジウム—炭素 (4 Omg) を 加えた後、 水素化ホウ素ナトリウム (8mg、 0. 2 1 mm o 1 ) の蒸留水 ( 0. 4m l ) 溶液を 0 °C下で滴下し、 反応混合物を室温下で 2 0分攪拌した。 反応溶 液をセライ ト (M e OH) にて濾過した後、 溶媒を留去して黄色粗結晶 ( 3 8m g) を得た。 さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。 粗結晶にェチルジイソプロピルアミン ( 0. l m l 、 0. 5 7 mmo 1 ) と無 水酢酸 (0. l m l、 . l . 0 5 mm 0 1 ) を加えた後、 反応混合物を室温下で 4 時間攪拌した。 反応溶液の溶媒を留去して得た残留物中に、 クロ口ホルム ( l m 1 ) を加えて生じる不溶物を濾過により除いた。 溶媒を留去して得た粗結晶にジ ェチルエーテル ( 2m l ) を加えて洗浄し、 減圧下乾燥することによって標記の
化合物 ( 1 1 ) ( 2 3. 2 m g、 4 7 % for 2 steps) を得た。
^ NMR(D SO-de) δ
1.61 (m, 2H), 2.04(s, 3H) , 2.14(s, 6H) , 2.25 (m, 2H) ,
3.19(m, 2H), 3.81 (s, 3H) , 3.98(s, 3H) , 4,00(s, 3H) ,
6.92(s, 1H), 7.23(s, 1H), 7.51(s, 1H), 7.56(s, 1H) ,
8.12(brs, 1H), 9.34(s, 1H), 10.27(s, 1H), 10.30(s, 1H). 実施例 6 ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動を用いた解析
全量 1 0 1 のカコジル酸ナトリゥム緩衝液 (pH 7. 0 ) 5mM中に 5 ' 末 端がテキサスレッ ドでラベルされた D NAフラグメント とその相補的 D N Aオリゴマー 6 M、 DM F 2 0 % (vノ v) と先に表記した濃度の薬剤を含む 標準反応溶液を微量遠心分離管 (EppendorO に入れて 3 7 °C下でー晚静置した。 Milli-Q精製した蒸留水 1 1 0 /X 1 を加えて希釈した後、 そこから 1 1 を取り 出した。 その溶液 ( 1 1 ) から遠心減圧下得られた D NAをローデイング色素
(フユ一シンレツドの DMF溶液) 8 1 に溶解させた。 その 2 β 1 について、 HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた 1 5 %ディネ一チヤ一ポリアクリ ルアミ ドゲルでの電気泳動を行った。 実施例 7 ィンターストランドクロスリンク体の構造確認試験
全量 1 0 1のカコジル酸ナトリゥム緩衝液 ( ρ Η 7. 0) 5 mM中に 5 ' 末 端がテキサスレッ ドでラベルされた D NAフラグメント 3 Μとその相補的 D N Αオリゴマー 6 M、 DM F 2 0 % ( v/ v) と先に表記した濃度の薬剤を含む 標準反応溶液を微量遠心分離管 (Eppendorf) に入れて 3 7 °C下でー晚静置した。 反応溶液より 1 1取り出し、 そこに Mill i_Qを 1 1 1加えて希釈した。 そ の希釈溶液から 1 1取り出しレーン 2·、 レーン 7に用いた。 希釈溶液 ( 1 1 1 ) を 9 0でで 2 0分間振動した後、 ピぺリジン ( 1 1 ) を加えさらに 9 0 °C で 2 0分間振動した。 その溶液を遠心減圧後、 さらに一晩凍結乾燥を行った。 そ こに 5 0 mM力コジル酸ナトリウム緩衝液 ( p H 7. 0) 1 1 と Mi 11 i- Qを 1 0 β 1加えて希釈した。 その希釈溶液から Ι μ ΐ取り出しレーン 3、 レーン 8に
用いた。 溶液 ( 1 0 1 ) 中に A p ( 1 ^ 1 ) を加え 3 7 :で 2時間振動した後、 1. 1 1取り出しレーン 4、 レーン 9に用いた。
それぞれ取り出した反応溶液から遠心減圧下得られた DN Aをローディング色 素 (フューシンレッ ドの DMF溶液) 8 1 に溶解させ、 その 2 1 について、 HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた 1 5 %ディネ一チヤ一ポリアクリ ルアミ ドゲルでの電気泳動を行った。 実施例 8 インタ一ストランドクロスリンク体の塩基配列特異性試験 .
全量 1 0 μ 1 のカコジル酸ナトリゥム緩衝液 ( ρ Η 7. 0 ) 5 mM中に 5, 末 端がテキサスレッ ドでラベルされた DN Aフラグメント 3 ^Mと各種DNAォリ ゴマー 6 j M、 DMF 2 0 % ( v/ v) と先に表記した濃度の薬剤を含む標準反 応溶液を微量遠心分離管 (Eppendorf) に入れて 3 7 °C下でー晚静置した。 Milli -Q精製した蒸留水 1 1 0 1を加えて希釈した後、 そこから 1 1を取り出した, その溶液 ( 1 1 ) から遠心減圧下得られた DN Aをローディング色素 (フユ一 シンレツ ドの DM F溶液) 8 1 に溶解させた。 その 2 1 について、 HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた 1 5 %ディネーチヤ一ポリァクリルアミ ド ゲルでの電気泳動を行った。 実施例 9 インターストランドクロスリンク反応の最適条件試験
全量 1 0 1 の力コジル酸ナトリウム緩衝液 ( p H 7. 0) 5mM中に各種の 5 ' 末端がテキサスレツドでラベルされた DNAフラグメント 3 Μとそれぞれ に対応した相補的 D Ν Αオリゴマー 6 M、 DM F 2 0 % (v/v) と先に表記 した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管 (Eppendorf) に入れて 3 7 °C下でー晚静置した。 Mi 11 i - Q精製した蒸留水 1 1 0 1 を加えて希釈した後、 そこから 1 1 を取り出した。 その溶液 ( 1 w 1 ) から遠心減圧下得られた D N Aをローデイング色素 (フューシンレツ ドの DM F溶液) 8 1 に溶解させた。 その 2 1 について、 HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた 1 5 %ディ ネ一チヤ一ポリアクリルアミ ドゲルでの電気泳動を行つた。
実施例 1 0 試薬濃度と等量比の反応条件試験
全量 1 0 β 1のカコジル酸ナトリゥム緩衝液 (ρ Η 7. 0 ) 5mM中に 5 ' 末 端がテキサスレッドでラベルされた D N Aフラグメント (TXR— 1 8 ) 3 μ M と相補的 DNAオリゴマー (ODN— 1 5) 6 M, DM F 2 0 % (v/v) と 表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管 (EppendorO に入れて 3 7 °C下でー晚静置した。
[ 7 a ( M) 、 I m I mP y ( n M) ; 5 0、 1 0 0 (レーン 1 ) ; 2 5、 5 0 (レーン 2) ; 1 2、 2 5 (レーン 3 ) ; 6、 1 2 (レーン 4) ; 3、 6 (レ ーン 5 ) ; 2 5、 1 0 0 (レーン 6 ) ; 2 5、 5 0 (レーン 7 ) ; 2 5、 2 5 (レーン 8) ; 2 5、 1 2 (レーン 9 ) 、 2 5、 6 (レーン 1 0 ) ]
Mi 11 i-Q精製した蒸留水 1 1 0 μ 1 を加えて希釈した後、 そこから Ι μ ΐ を取 り出した。 その溶液 ( 1 ^ 1 ) から遠心減圧下得られた DNAを口一ディング色 素 (フユ一シンレッドの DMF溶液) 8 1 に溶解させた。 その 2 1 について、 HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた 1 5 %ディネーチヤ一ポリァクリ ルアミ ドゲルでの電気泳動を行った。
結果を第 6図に示す。 第 6図の各レーンにおける 7 a in U) と I m l mP y ( Μ) の濃度は前記したとおりである。
また、 クロスリンキング収率を第 7図に示す。 第 7図の左側は、 I m l mP y と 7 aが 2 : 1の場合の試料の等量を示し、 第 7図の右側は 7 aが 2 5; α Mの場 合の I m I mP yの等量を示している。 産業上の利用可能性
本発明は、 D N A上に存在する特定の塩基配列に対して選択的にィンタースト ランドクロスリンクすることを可能とする試薬である。 このことはヒトゲノム上 での重要な遺伝子配列、 あるいは遺伝子異常に対する有用なドラッグとして、 は じめての遺伝子レベルでの創薬を実現する可能性を秘めている。