WO2001044004A1

WO2001044004A1 - Plaque transparente avec moulage et procede de retrait de plaque transparente

Info

Publication number: WO2001044004A1
Application number: PCT/JP2000/008818
Authority: WO
Inventors: Nobuyuki Tamai; Shigehiko Iguchi
Original assignee: Asahi Glass Company, Limited
Priority date: 1999-12-14
Filing date: 2000-12-13
Publication date: 2001-06-21
Also published as: EP1238839A4; US7000356B2; US20030005563A1; EP1238839A1

Description

明細書

モールディング付き透明板および透明板の取り外し方法技術分野

本発明はモールディング付き透明板および透明板の取り外し方法に係り、特に自動車ウィンドウに用いられるモールディング付き透明板および透明板の取り外し方法に関する。背景技術

図 9および図 10に示すように、自動車 70のフロントウインドウに用いられるモールディング付き透明板 71は、平面視略台形状（平面視）で二次元方向または三次元方向に湾曲成形されたガラス板 72と、ガラス板 72の周縁部である上辺 73および両側辺 74， 74に沿って連続する樹脂製のモールディング 80とを備えている。モールディング付き透明板 71は、ボディパネル 70Aに形成された開口部

(窓開口部） 75に嵌め込まれる。

モールディング 80は、枠体、ガスケット等と呼ばれる場合もある力 ^?、本明細書中では「モールディング」と呼ぶ。ガラス板 72の上辺 73とは自動車 70の屋根 76に沿う辺を指し、ガラス板 72の側辺とは自動車 70のビラ一 77等に沿う辺を指す。

図 11は、ガラス板 72の車内側面 72 Aだけにモールディング 80が接着されているモールディング付き透明板 71を示すものである（以下、この構造を「ワンサイドモールディング」と呼ぶ。 ) 。モールディング 80は、ガラス板 72の上辺 73および側辺 74の車内側面 72 Aに接合される上辺取付部 81および側辺取付部 82と、上辺取付部 81および側辺取付部 82からガラス板 72に対して離れる方向に延びるリップ部 83とを備えている。

モールディング付き透明板 71は、開口部 75の取付フランジ 76表面（車外側面 ) とモールディング 80との間に介在された適宜の接着剤 86により、開口部 75に嵌め込み固定される。この際、ガラス板 72の上辺 73および両側辺 74と開口部 75 との間は、リップ部 83が弾性変形して開口部側壁 75 Aに密着することにより防水性が得られる。

モールディング付き透明板 71は、ガラス板 72を配置した金型のキヤビティ空間内に溶融樹脂を射出することにより、ガラス板 72の上辺 73および両側辺 74， 74に沿ってモールディング 80を成形するエンキャプシユレーション法等により製造できる。

近年、主に工業製品のリサイクルの要望により、自動車用のガラス板 72をボディパネル 70 Aから容易に取り外せるようにすることが求められている。しかし、従来例では、モールディング付き透明板 71をボディパネル 70 Aに接着により取り付けている関係上、ガラス板 72だけを簡単に取り外すことができなかつた。

本発明の目的は、透明板を自動車のボディパネルから簡単に取り外すことのできる、リサイクルの容易なモールディング付き透明板および透明板の取り外し方法を提供することである。発明の開示

本発明は、自動車の窓開口部に取り付けられる透明板と、該透明板の周縁部に一体化された熱可塑性樹脂製モールディングとを少なくとも有し、前記モールディングが、前記透明板の周縁部の少なくとも車内側面に接着される取付部と、前記取付部に接続されて前記窓開口部に密着可能な弾性部とを備えている、モールディング付き透明板であって、前記モールディングには、前記透明板の面部に対して略平行な導電部がィンサート成形されていることを特徴とするモールディング付き透明板を提供する。

ここで、透明板の面部とは、ワンサイドモールディングの場合は、透明板の車内側面を指し、透明板の車内側面及び端面にモールディングを接合する場合は、透明板の車内側面及び端面を指す。従って透明板の車内側面及び端面にモ一ルディングを接合する場合は、透明板の車内側面と端面とにそれぞれ平行に導電部を設ける。その場合、車内側面側の導電部と端面側の導電部とを別体にしてモールディングに埋め込んでも、両者を連続する断面略 L字状の一体品で構成してモールディングに埋め込んでもよい。

導電部としては、帯板状の導電体や、同一面に沿って分布させた粒状または棒状の導電体を例示できる。

このような発明においては、モールディングが熱可塑性樹脂からなるとともに、モールディングの内部に透明板の面部に対して略平行な導電部がィンサート成形されているので、窓開口部から取り外す必要が生じた際に、コイル等のうず電流誘導体を透明板の表面に近づけることにより、うず電流によつて導電部を発熱させてモールディングを軟化または溶融させることができる。従って、導電部を境界としてモールディングを破断させることができ、透明板を容易に取り外せる。

また、前記導電部が略帯状の導電体であることが好ましい。このような発明においては、コイル等のうず電流誘導体を透明板の表面に近づけることにより、モールディング内部に帯状の発熱領域を形成するので、モールディングをー層効率良く軟化または溶融させることができる。

また、前記導電部が、前記モールディングの表面から突出しないように配置されていることが好ましい。このような発明においては、導電部が外見上モールディングの内部に完全に埋まっていて外部から見えないので、見栄えを損なうことがない。また、導電部がモールディングの表面から突出している場合は、発熱した際の熱が他の接触相手等に伝わることがある力 ^?、モールディングに完全に埋まっていることで、その熱がモールディングの軟化や溶融に効率良く利用される。

また、本発明は、透明板の周縁部に熱可塑性樹脂製モールディングが一体化されたモールディング付き透明板が取り付けられた自動車の窓開口部から、モ —ルディングを加熱することにより透明板を取り外す透明板の取り外し方法であって、あらかじめ前記透明板の面部に対して略平行な導電部を、前記モールディングにより導電部の少なくとも一部が覆われるようにモールディング付き透明板に設けておき、前記透明板の表面にうず電流誘導体を接近させることにより、前記導電部を発熱させて前記モールディングを軟化または溶融させ、透明板に外力を加えて自動車の窓開口部から透明板を取り外すことを特徴とする透明板の取り外し方法を提供する。

このような発明においては、透明板を窓開口部から取り外すときに、透明板の表面にうず電流誘導体を接近させることにより、導電部を発熱させてモールディングを軟化または溶融させるだけでよいので、透明板を自動車の窓開口部力ら容易に取り外せる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明のモールディング付き透明板に係る第 1実施形態を示す部分斜視図である。

図 2は、本発明のモールディング付き透明板の周縁部およびモールディングを示す断面図である

図 3は、押出成形ダイを示す模式斜視図である。

図 4は、モールディング付き透明板の製造方法を示す斜視図である。

図 5は、本発明の透明板の取り外し方法の一例を示す断面図である。

図 6は、本発明における導電部の例を示す図である。

図 7は、本発明のモールディング付き透明板に係る第 2実施形態を示す部分斜視図である。

図 8は、本発明のモールディング付き透明板に係る第 3実施形態を示す部分斜視図である。

図 9は、モールディング付き透明板が用いられた自動車を示す斜視図である図 1 0は、モールディング付き透明板を示す平面図である。図 1 1は、従来のモールディング付き透明板を示す部分斜視図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において、既に図 10または図 11において説明した部材等と同様の部材等については、図中に同一符号または相当符号を付すことにより説明を簡略化または省略する。

図 1および図 2に示すように、第 1実施形態であるモールディング付き透明板 10は、ガラス板 72の周縁部である上辺 73および側辺 74に沿ってモールディング 11が取り付けられている。このモールディング付き透明板 10は、自動車のフロントウインドウとして用いられる。

モールディング 11は、ガラス板 72の上辺 73および側辺 74の車内側面 72Aに対して連続的に接着される上辺取付部 12および側辺取付部 13と、これら取付部 12 ， 13から連続的に延出して開口部側壁 75 Aに密着するリップ部 14とを備えている。

モールディング 11は熱可塑性樹脂により成形されており、上辺取付部 12および側辺取付部 13の内部には、ガラス板 72の車内側面 72Aに対して略平行な導電部 15が、モ一ルディング 11の長手方向に沿って連続的にィンサート成形されている。導電部 15は、略帯板状の導電体または帯状に配した導電体よりなり、モ一ルディング 11の表面から突出しないように配されている。なお、導電体としては、銀の箔が最適である力 ^?、銅やアルミニウムの箔、帯板等を利用してもよい。

モールディングにインサート成形された導電部 15は、モールディングの可撓性を損なわないように、例えば 1〜 2 m mの厚さを有する。

このモールディング付き透明板 10は、モールディング 11の上辺取付部 12および側辺取付部 13を接着剤 86によって、ガラス板 72の車内側面 72 Aに対して略平行に延出する取付フランジ 76の表面に接着することで、ボディパネル 70Aの開口部 75に嵌め込み固定されている。

このようなモールディング 11は、例えば図 3に示す押出成形ダイ 30により、上辺モールディングぉよび側辺モールディングを連続的に押出成形することにより製造される。

押出成形ダイ 30は、ダイ本体 31と、ダイ本体 31に設けられた成形空間 32とを備えている。この押出成形ダイ 30により、図中奥行側から図中手前側に向かつて成形空間 32を通過するように樹脂材料を押し出し、所望の断面形状のモールデイング 11を製造する。樹脂材料を押し出す際に、同時に導電体を押出成形ダィ 30に供給することにより、導電部 15がインサート成形されたモールディング 11を成形できる。

モールディング 11に用いられる樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニルとエチレンとの共重合体、スチレン系エラストマ一、ォレフィン系エラストマ一、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ゾル状塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂を例示できる。

また、モールディング付き透明板 10は、ガラス板 72を移動 . 回転させることにより、押出成形ダイ 30から押し出されたモールディング 11をガラス板 72の上辺 73および側辺 74に沿って直接取り付ける方法により製造してもよい c 具体的には、図 4に示すように、あらかじめ上辺 73および側辺 74にプライマ (図示せず）が塗布されたガラス板 72を支持アーム 40に支持させておくとともに、押出機 41から押出成形ダイ 30を経て押出成形されたモールディング 11を圧着部材 42に支持させておく。

支持アーム 40は、三次元方向に移動可能であり、支持アーム 40の先端部に設けられた 4つの吸着部 43を介してガラス板 72を任意の角度で支持し、かつ、ガラス板 72を厚さ方向に沿った線を中心として回転させる。圧着部材 42は、押出成形ダィ 30から送出されたモールディング 11の上辺取付部 12および側辺取付部 13を押し当ててガラス板 72の車内側面に接合させる。

そして、圧着部材 42がガラス板 72の上辺 73および側辺 74に対して相対的に移動するように、支持アーム 40および各吸着部 43を協働させながら、ガラス板 72 を回転させることにより、順次モールディング 11をガラス板 72の上辺 73および側辺 74に取り付ける。

この際、あらかじめガラス板 72の上辺 73および側辺 74に塗布されたブラィマによりモールディング 11が確実に取り付けられる。なお、ガラス板 72に取り付けられたモールディング 11に対しては、ノズル 44から噴射するエア 45により急冷してもょレ。

次に、以上のようなモールディング付き透明板 10をボディパネル 70Aから取り外す方法について説明する。

リサイクル等のためにボディパネル 70Aからモールディング付き透明板 10を取り外す場合には、図 5 ( A )に示すように、ガラス板 72の表面にコイル等のうず電流誘導体 90を接近させる。そうすると、モールディング 11の内部には、ガラス板 72の車内側面に対して平行に導電部 15力里め込んであるので、導電部 15 にうず電流が発生して導電部 15が発熱する。モールディング 11は熱可塑性樹脂により成形されているので、導電部 15の発熱により軟化または溶融する。そして、モールディング 11が適度に軟化または溶融した段階で、図 5 ( B )に示すように、ガラス板 72を引き上げることにより、ボディパネル 70Aからガラス板 72 だけを容易に引き剥がすことができる。

従って、特別な工具や機械を用いずとも、コイル等のうず電流誘導体 90を用意するだけで容易に透明板 10を取り外すことができ、ガラス板 72のみを速やかにリサイクルエ程に送ることができる。

うず電流誘導体 90としては、ガラス板 72の周縁部に沿って延び、導電部 15の全域にわたってうず電流を発生させるものを用いることができる。また、導電部 15の一部のみにうず電流を発生させる短尺のうず電流誘導体を用いることもできる。この場合、うず電流によって導電部 15の一部から生じた熱が、速やかに導電部 15全域に伝達される。

なお、導電部 15としては、図 1の V I— V I断面図である図 6 ( A )〜（F )に示すものを例示できる。

( A ) に示すものは、帯板状の導電体 15Aで導電部 15を構成している。

( B ) に示すものは、線状の導電体 15 Bを複数本、モールディング 11の長手方向に沿って平行に配することで帯状の導電部 15を構成している。

( C ) に示すものは、短い線状の導電体 15 Cを多数本、モールディング 11の幅方向に沿って平行に配することで帯状の導電部 15を構成している。

( D ) に示すものは、短い線状の導電体 15 Dを多数本、モールディング 11の長手方向に傾けて平行に配することで帯状の導電部 15を構成している。

( E ) に示すものは、網状の導電体 15 Eで帯状の導電部 15を構成している。

( F ) に示すものは、粒状の導電体 15 Fを帯状に分布させることで帯状の導電部 15を構成している。

第 1実施形態ではワンサイドモールディングの場合を例示したが、モールディングをガラス板の周縁部の車内側面と端面に接着するものの場合にも本発明を適用できる。この例が、第 2実施形態として図 7に示されている。なお、以下に説明する実施形態において、既に図 1および図 2において説明した部材等については、図中に同一符号または相当符号を付すことにより説明を簡略化または省略する。

図 7のモールディング付き透明板 50Aは、ガラス板 72とその周縁部に取り付けられたモールディング 51とからなる。モールディング 51の上辺取付部 12および側辺取付部 13には、ガラス板 72の周縁部車内側面 72Aに接着される車内側面接着部 12 A、 13Aと、ガラス板 72の周縁部端面 72 Cに接着される端面接着部 12 B、 13 Bとが設けられ、それぞれ車内側面接着部 12A、 13Aおよび端面接着部 12 B、 13 Bの内部に別構成の導電部 15A、 158カ⁵'埋め込まれている。

このモールディング付き透明板 50Aをボディパネル 70Aから取り外す場合も、コイル等のうず電流誘導体をガラス板 72の表面に近づける。そうすると、車内側面側の導電部 15 Aと端面側の導電部 15 Bが発熱することにより、モールディング 51力 ^?軟化または溶融するので、ガラス板 72のみを容易に取り外すことができる。

なお、図 8の第 3実施形態のモールディング付き透明板 50Bに示すように、ガラス板 72の車内側面側の導電部 15 Aと端面側の導電部 15 Bを一体にした断面 L字形の導電部 15 Cをモールディング 51にィンサート成形してもよい。

上記 3つの実施形態では、導電部がモールディング内に埋め込まれた例が示されている。本発明の透明板の取り外し方法は、導電部をうず電流により発熱させることで簡便な取り外し方法を提供することから、導電部を次のように設けることもできる。すなわち、導電部をガラス板に設けることである。具体的には、ガラス板面に銀などを含む導電性セラミックペーストを焼き付けて導電性プリントの焼成体を形成する、ガラス板面に導電性テープを貼り付ける、ことなどが挙げられる。

一方で、導電部の発熱をモールディングの軟化 ·溶融に効率よく作用させることができる点から、導電部はモ一ルディングにィンサート成形されていることが好ましい。

本発明において、透明板の車外側からうず電流誘導体を接近させることは好ましい。うず電流を導電部に効率よく発生させるためには、うず電流誘導体を透明板のモールディングに相当する部分に対向させることが好ましい。そして、透明板のモールディングに相当する部分のうちの車内側は、うず電流誘導体を接近させにくいからである。

次に、導電部がガラス板面に設けられた例を用いて、うず電流による本発明の透明板の取り外し方法の有効性を説明する。表 1に、導電部として銀を含有する導電性プリントの焼成体（以下単に「A gプリント」という。）をガラス板（ 3 0 0 m m X 3 0 0 m m ) の周縁車内側面に設けたもの（例 1〜例 7 ) 、 A gプリントをガラス板（ 3 0 0 m m X 3 0 0 m m ) の周縁車内側面に設けるとともに A gプリントをモールディングによって覆ったもの（例 8〜例 10) 、に導電部の一部にうず電流を発生させるコィルを様々な条件で接近させた場合のデータを示す。また、ガラス板（ 3 0 0 mmX 3 0 0 mm) の周縁車内側面に A gプリントと A gプリントを覆うモールディングとを設けるとともにウレタン系接着剤を介して鉄板に取り付けたもの（例 11〜例 13) 、ガラス板（7 0 0 mmX 4 0 0 mm；あるサイドウィンドウの実際寸法）の周縁車内側面に A gプリントと A gプリントを覆うモールディングとを設けるとともにウレタン系接着剤を介して鉄板に取り付けたもの（例 14) 、に導電部の一部にうず電流を発生させるコィルを様々な条件で接近させた場合のデータも表 1に併せて示す。

【表 1】

例 1では、加熱時間を 5秒、コィル位置（ガラス板からの距離）を 0腿とした。その結果、ガラスが割れた。

例 2では、加熱時間を 5秒、コィル位置を 5腿とした。その結果、ガラスが割れた。例 3では、加熱時間を 5秒、コイル位置を 10mmとした。その結果、ガラスが割れた。

例 4では、加熱時間を 5秒、コイル位置を 15mmとした。その結果、ガラス温度が 78 °Cとなった。

例 5では、加熱時間を 10秒、コイル位置を 20匪とした。その結果、ガラス温度力 24 °Cとなった。

例 6では、加熱時間を 15秒、コイル位置を 20mmとした。その結果、ガラス温度力 ⁵ 78°Cとなった。

例 7では、加熱時間を 20秒、コイル位置を 20mmとした。その結果、ガラス温度力 061：となった。

例 8では、加熱時間を 20秒、コイル位置を 20mmとした。その結果、ガラス板からモールディングが剥がれた。

例 9では、加熱時間を 25秒、コイル位置を 20mmとした。その結果、ガラス板からモールディングが剥がれた。

例 10では、加熱時間を 30秒、コイル位置を 20匪とした。その結果、ガラス板からモールディングが剥がれた。

ただし、例 8〜例 10においては、モールディングが剥がれる際の引っ張り力に差が出た。すなわち、例 8よりも例 9、さらに例 9よりも例 10の方力小さい引張り力でモールディングが剥がれた。

例 11では、加熱時間を 30秒、コイル位置を 20mmとした。その結果、ガラス板が鉄板から外れなかった。

例 12では、加熱時間を 30秒、コイル位置を 10腿とした。その結果、ガラス力⁵' 割れた。

例 13では、加熱時間を 30秒、コイル位置を 15mmとした。その結果、ガラス板が鉄板から外れた。その際のガラス板取り外し力は 49 Nであつた。

例 14は、加熱時間を 30秒、コイル位置を 15画とした。その結果、ガラス板が鉄板から外れた。その際のガラス板取り外し力は 90 Nであった。以上のことから、コイルの位置と加熱時間を適当に調節することにより、軽い力で確実にガラス板を剥がせることがわかった。特に、コイル位置をガラス板から 15mm以上離すことで、熱によるガラス板の割れを防止できる。さらに、加熱時間を 30秒以上とすることで、ガラス板を容易に取り外すことができる。また、接着剤を介してモ一ルディングを鉄板に取り付けた場合、熱が鉄板に逃げてしまうので、充分に導電体を発熱させる必要があることがわかつた。なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。

例えば、弾性部としてリップ部 14の代わりに、モールディングと窓開口部との間に例えばブチルゴム製のシール材を介在させてもよレ。また、透明板はフロントウインドウ用の他に、リャウィンドウ用、サイドウィンドウ用を例示できる。他に、モールディングを透明板に一体化する方法としては、射出成形によりモ一ルディングを成形する際に、モールディングを透明板に一体化する方法もある。

モールディングは、透明板の表車内側面および端面に接着される形状にすることもできる。この場合、モールディングの取付部が断面略 U字状を呈するので、モールディングを充分に軟化 ·溶融することで透明板を取り外すことができる。一方で、上記第 1 〜 3実施形態のように、モールディングが透明板の車内側面および端面のみ、または端面のみ、に接着される形状とすることは、次の観点から好ましい。すなわち、モールディングが第 1 〜 3実施形態のような形状を呈していると、モールディングと透明板とが機械的係合によらずに接着されている。そのため、モールディングがある程度軟化 '溶融すれば、透明板を容易に取り外すことができる。したがって、モールディングが透明板の車内側面および端面のみ、または端面のみ、に接着される形状とすることは好ましい。

透明板としては、ガラス板、ポリカーボネート板等の透明樹脂板を例示できる。透明板にも熱が加わる観点から、ガラス板からなる透明板に対し、本発明は特に有効である。導電部としては、透明板面に導電部を設ける場合には、銀を含有する導電性セラミックペーストの焼成体等を用いることが製造作業の観点から好ましい。モールディング内に導電部をインサート成形する場合には、取扱い性の容易さ等の観点から、導電部の材料として鉄等を用いることが好ましい。その他導電部の材料としては、銅やアルミニウム等があげられる。その他、各実施形態において例示した自動車、上辺、側辺、モールディング、上辺取付部、側辺取付部、導電部等の材質、形状、寸法、形態、数、配置個所、着色の有無等は本発明を達成できるものであれば任意である。産業上の利用の可能性

以上、説明したように、本発明によれば、熱可塑性樹脂製のモールディングの内部に透明板の面部に対して略平行な導電部をィンサート成形しているので、モールディングを自動車の窓開口部に接着固定しておけば、後で簡単に取り外すことができる。すなわち、コイル等のうず電流誘導体を透明板の表面に近づけることにより、導電部を発熱させてモールディングを軟化または溶融させることができるので、導電部を境界としてモールディングを破断させ、透明板を容易に取り外すことができる。従って、リサイクルの容易化を図ることができる。

本発明において導電部が略帯状の導電体である場合、モールディング内部に帯状の発熱領域を形成することができるので、モールディングを一層簡単に取り外すことができる。また、本発明においては、導電部をモールディングの表面から突出しないように配置した場合、見栄えを損なうことがなレ。

また、本発明においては、透明板を窓開口部から取り外すときに、透明板の表面にうず電流誘導体を接近させることにより、導電部を発熱させてモールディングを軟化または溶融させるだけでよいので、容易に透明板だけを取り外すことができ、リサイクルの容易化が図れる。

Claims

請求の範囲

1 . 自動車の窓開口部に取り付けられる透明板と、該透明板の周縁部に一体化された熱可塑性樹脂製モールディングとを少なくとも有し、

前記モールディングが、前記透明板の周縁部の少なくとも車内側面に接着される取付部と、前記取付部に接続されて前記窓開口部に密着可能な弾性部とを備えている、モールディング付き透明板であって、

前記モールディングには、前記透明板の面部に対して略平行な導電部がインサート成形されていることを特徴とするモールディング付き透明板。

2 . 前記導電部が略帯状の導電体である請求項 1に記載のモールディング付き透明板。

3 . 前記導電部が、前記モールディングの表面から突出しないように配置されている請求項 1または 2に記載のモールディング付き透明板。

4 . 前記モールディングの取付部が、前記透明板の周縁部の車内側面のみ、または前記透明板の周縁部の車内側面と端面とのみ、に接着されている請求項 1または 2に記載のモールディング付き透明板。

5 . 透明板の周縁部に熱可塑性樹脂製モールディングが一体化されたモールディング付き透明板が取り付けられた自動車の窓開口部から、モールディングを加熱することにより透明板を取り外す透明板の取り外し方法であつて、あらかじめ前記透明板の面部に対して略平行な導電部を、前記モールディングにより導電部の少なくとも一部が覆われるようにモールディング付き透明板に設けておき、

前記透明板の表面にうず電流誘導体を接近させることにより、前記導電部を発熱させて前記モールディングを軟化または溶融させ、透明板に外力を加えて自動車の窓開口部から透明板を取り外すことを特徴とする透明板の取り外し方法。

6 . 前記うず電流誘導体を、透明板の車外側から接近させる請求項 4または 5に記載の透明板の取り外し方法。

7 . 前記導電部を、前記モ一ルディングにインサート成形しておく請求項 4 、 5または 6に記載の透明板の取り外し方法。

8 . 前記導電部を、前記モールディングの表面から突出しないように設けておく請求項 4、 5、 6または 7に記載の透明板の取り外し方法。

9 . 前記導電部を略帯状の導電体とする請求項 4、 5、 6、 7または 8に記載の透明板の取り外し方法。

1 0 . 前記うず電流誘導体を透明板から 1 5 m m以上の距離を保って接近させる請求項 4、 5、 6、 7、 8または 9に記載の透明板の取り外し方法。

1 1 . 前記うず電流誘導体を 3 0秒以上作動させて、前記導電部を発熱させる請求項 4、 5、 6、 7、 8、 9または 1 0に記載の透明板の取り外し方法。