JPH0781393A - 枠体付き窓用板状体および枠体から窓用板状体を取り外す方法 - Google Patents

枠体付き窓用板状体および枠体から窓用板状体を取り外す方法

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JPH0781393A
JPH0781393A JP17273794A JP17273794A JPH0781393A JP H0781393 A JPH0781393 A JP H0781393A JP 17273794 A JP17273794 A JP 17273794A JP 17273794 A JP17273794 A JP 17273794A JP H0781393 A JPH0781393 A JP H0781393A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】窓用板状体1の周縁部に銀系セラミックペース
トの焼成された導電性プリント層からなる発熱体3が設
けられていて、この発熱体3を覆うように窓用板状体1
の周縁部に合成樹脂製の枠体2が一体化された枠体付き
窓用板状体。 【効果】発熱体の熱によって枠体を軟化させ、窓用板状
体を枠体から容易に取り外せる枠体付き窓用板状体を
得、窓用板状体の再利用に適した原料を容易に得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両や建築物の開口部
をふさいでいた枠体付き窓用板状体の、枠体から窓用板
状体を容易に取り外すことのできる枠体付き窓用板状
体、および枠体から窓用板状体を取り外す方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の一環として、廃棄
された製品の再利用化が叫ばれており、先進国を中心と
してこのような廃棄資源の再利用が法制化されようとし
ている。
【0003】そこで、自動車等の車両が廃車になった場
合や、建築物が取り壊しになった場合に、これまでは廃
棄物として扱われて埋め立て等の廃棄処分になってい
た、これら車両や建築物の開口部をふさぐ窓用板状体
を、その開口部と窓用板状体との間に介在されていた枠
体から取り外して回収し、原料として再生利用すること
が提案されてきた。
【0004】車両の開口部をふさぐ窓用板状体は、その
周縁部にガスケット、モールディング等の枠体が装着さ
れて、この枠体がボルト締め等の機械的取り付け、接着
剤等による取り付け等によって車両の窓開口部の開口フ
ランジに取り付けられて、車両の窓開口部をふさぐもの
である。
【0005】また、建築物の窓開口部をふさぐ窓用板状
体も、サッシや窓枠等に枠体を介して装着されて建築物
に取り付けられるものである。
【0006】このように車両や建築物の開口部をふさぐ
窓用板状体は、上記のように枠体を介して車両や建築物
の窓開口部にボルト締め等の機械的取り付け、接着剤等
による取り付け等、さまざまな手段によって固定されて
いるが、廃車になった車両や取り壊しになった建築物か
ら窓用板状体を取り外す場合、ボルトの取り外しや接着
剤部分の切断等の手作業によって窓用板状体のみを回収
し、例えば、窓用板状体がガラス板の場合は、この取り
外したガラス板をガラス原料として溶融し、ガラス製品
として再利用することが提案されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】車両や建築物の窓開口
部をふさぐ窓用板状体は、元来外力によって簡単に外れ
ないように強固に固定されているものであって、後に簡
単に取り外すことを考慮に入れていない設計となってい
るため、その取り外し作業は特に手作業による場合は非
常に困難なものであった。
【0008】また、このような窓用板状体を再利用する
ためには、例えば窓用板状体の周縁部に備えられている
合成樹脂製の枠体や、付着している接着剤等の異物を窓
用板状体から確実に分離し、ガラス成分だけを回収して
溶解を行わなければ、異物の混在したままガラスの再生
が行われてしまい、再生されるガラスの品質はきわめて
悪いものとなってしまう。
【0009】そのため、車両や建築物に取り付けられた
窓用板状体の回収を行って、この回収された窓用板状体
を原料として新たにガラスを生成する方法として、上記
したような、窓用板状体が開口部をふさぐ手段として用
いられているボルト締め等の取り付け手段の取り外し
や、接着剤部分の切断、さらには枠体の切除では能率が
悪く、きわめて多大な時間と費用を費やさなければなら
なかった。
【0010】窓用板状体が枠体に装着されている場合に
は、枠体が一部あるいは全部装着されたままの窓用板状
体を車両や建築物から取り外して、機械的破壊等の手段
によってガラス細片として収集するため、ガラス細片の
うち、接着剤等の異物の付着しているものと、再生片と
して有効なガラス細片とが混ざってしまうために、異物
の付着しているガラス細片との分別作業を行わなければ
ならず、1枚のガラスの回収に費やす時間が多大なもの
となってしまうといった欠点を有していた。
【0011】また、車両をスクラップとして扱い、車両
自体を押しつぶしていわゆるシュレッダーダストとし、
その中からガラス細片のみを回収する方法もあるが、こ
のような方法では、ガラス細片のみを抽出する時間が多
大なものであり、回収されるガラスの品質も悪く、ガラ
スを再生する原料としては不適当であった。
【0012】一方、特開昭61−169315号公報に
は、ガラス板が接着剤を介して車両に取り付けられた窓
構造について開示されている。この窓構造は、ガラス板
面上に導電条片と分離層とを順に積層し、この分離層側
を車両側として接着剤を介してガラス板を取り付けるも
のである。この場合、導電条片を通電加熱することによ
って分離層を溶融し、ガラス板を車両から取り外すこと
が提案されている。しかし、この場合本来構造上必要で
なかった分離層を設ける作業が求められ、工程数が増加
してしまう。
【0013】さらに、上記構造には、ガラス板の周縁部
に枠体が取り付けられていない。そのため、必ずしも精
度がよくない車体寸法に対してガラス板を取り付けるに
際して、ガラス板を車体との間に開いた隙間を緩和する
ことができない。さらに、枠体に取り付けられるはずの
種々の部材(ガラス板を車体に対して位置決めするクリ
ップやピン等)はガラス板に直接取り付けなければなら
ず、結局導電条片に通電するだけではガラス板を取り外
すことができないものであった。
【0014】本発明の目的は、従来技術が有していた前
述のような欠点を解決するものであり、従来知られてい
なかった枠体付き窓用板状体および枠体から窓用板状体
を取り外す方法を新規に提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、窓用板状体の周縁部に
合成樹脂製の枠体が備えられていて、窓開口部の開口フ
ランジに取り付けられる枠体付き窓用板状体において、
前記窓用板状体の枠体が備えられている部分の窓用板状
体と枠体との間の少なくとも一部と、窓用板状体の周縁
部の枠体が備えられている部分よりも内周側であって枠
体の近傍の少なくとも一部との、少なくとも一方には、
発熱体が備えられていることを特徴とする枠体付き窓用
板状体を提供するものである。
【0016】また、本発明は、窓用板状体の周縁部に合
成樹脂製の枠体が備えられていて、前記窓用板状体と枠
体との境界の少なくとも一部と、窓用板状体の周縁部の
枠体が備えられている部分よりも内周側であって枠体の
近傍の少なくとも一部との、少なくとも一方に発熱体が
備えられた枠体付き窓用板状体を、窓開口部の開口フラ
ンジに取り付けた構造の窓体における枠体から窓用板状
体を取り外す方法であって、前記発熱体を発熱させて枠
体を加熱し、軟化した後に、窓用板状体に外力を与える
ことを特徴とする枠体から窓用板状体を取り外す方法を
提供するものである。
【0017】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明
することとする。図1は、本発明における枠体付き窓用
板状体の一例を示す部分概略断面図である。窓用板状体
1の周縁部には、その全周に銀系の導電性ペーストの焼
成された導電性プリント層からなる発熱体3が設けられ
ている。この発熱体3を覆うようにして、窓用板状体1
の周縁部には合成樹脂製の枠体2が一体化されて、枠体
付き窓用板状体10を構成している。また、枠体付き窓
用板状体10は、窓開口部の開口フランジ20に、シー
ラント21によって枠体2が接着されて取り付けられ
る。
【0018】発熱体3はそのバスバー部分に取り付けら
れているターミナル(図示せず)に電圧を加えることに
よって発熱し、この熱によって枠体は加熱軟化して、窓
用板状体1を窓の外側から引っ張る、あるいは窓の中側
から押すことによって、窓用板状体1は容易に枠体2か
ら取り外すことができる。
【0019】なお、例えば車両の開口フランジに枠体付
き板状体が取り付けられた場合には、車両からターミナ
ルへ給電されるものであってもよいが、このターミナル
は窓用板状体を枠体から取り外す際にのみ給電されるべ
きものであるため、ターミナルには、外部の電源からの
接続によって電圧を与えることが好ましく、また、外部
から給電しやすい位置に備えることが好ましい。
【0020】本発明における枠体は、合成樹脂製、特に
熱可塑性樹脂からなることが好ましく、塩化ビニルのポ
リマー、または塩化ビニルとエチレン、または塩化ビニ
ルと酢酸ビニル、または塩化ビニルとプロピレン、また
は塩化ビニルとエチレンまたは酢酸ビニル、あるいはこ
れらを重合させたコポリマーをベースとし、可塑剤等の
添加剤を加えて軟質材料としてコンパウンドしたものか
らなることが好ましい。さらに、これらの樹脂材料に、
流動性を高めるためにほかの熱可塑性樹脂をブレンドす
ることもできる。ブレンドする熱可塑性樹脂としては、
塩素化ポリエチレン樹脂、ウレタン変性塩化ビニル樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系液晶高分子、アクリ
ル樹脂、ポリエステルエラストマー、NBRあるいはS
BR等を少なくとも含んでいるゴム、EVA樹脂、AB
S樹脂等の少なくとも1種または2種以上の混合物等が
用いられる。
【0021】また、合成樹脂材料として、上記したよう
なオレフィン系エラストマーを採用することは、窓用板
状体を取り外した後に残った枠体をも回収、再利用でき
る点に鑑みて好ましい。
【0022】上記した材料からなる枠体は、窓用板状体
の周縁部を金型にて挟持し、窓用板状体の周縁部と金型
の内壁にて形成されるキャビティー内に合成樹脂材料を
射出して、硬化した後に金型から取り出す、いわゆる射
出一体成形あるいは反応射出一体成形によって窓用板状
体の周縁部に備えられてもよく、また、窓用板状体の周
縁部にダイから合成樹脂材料を押出して硬化させる、い
わゆる押出し一体成形によって窓用板状体の周縁部に備
えられてもよく、これらの場合、あらかじめ窓用板状体
周縁部にはウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ナイ
ロン系、フェノール系、シラン系等のプライマーを塗布
しておくことが好ましい。また、枠体を窓用板状体の周
縁部に備える方法としては、あらかじめ成形された枠体
を、窓用板状体の周縁部に接着剤等によって後付けして
もよい。
【0023】また、本発明における枠体は、外観が単純
な黒色樹脂枠体だけでなく、アイオノマー被覆された光
輝枠体と樹脂枠体の一体モール、SUS製光モールと樹
脂枠体の一体モール等、特に制限はなく、例えば射出一
体成形によって窓用板状体の周縁部に備えられる場合に
は、窓用板状体を金型に装着する際に、窓用板状体とと
もにこれらのモールを装着し、窓用板状体に金属製モー
ルと樹脂枠体の一体成形枠体としてもよい。
【0024】本発明における窓用板状体としては、平板
状のものであっても彎曲状のものであってもよく、ま
た、単板のガラス板、強化処理の施されたガラス板、合
わせガラス、複層ガラス、また、それらの表面に熱線反
射性能や導電性能等を有する機能コーティングが施され
たもの等、さらには発熱体からの熱に十分耐え得る有機
透明樹脂製の板状体等が挙げられ、これらの積層された
ものであってもよい。
【0025】本発明における発熱体は、窓用板状体がガ
ラス板からなる場合には、ガラス板の表面温度を150
℃〜300℃程度まで上昇できるものであれば特に制限
はなく、窓用板状体の周縁部に線状に印刷されて焼成さ
れた銀系導電性ペースト等の導電性プリント層や、窓用
板状体と枠体との間に介在されるように導電加熱性のワ
イヤー等を備える等、適宜のものが用いられる。
【0026】枠体が窓用板状体の周縁部に射出一体成形
される場合には、上記したワイヤーも窓用板状体ととも
に金型に装着して射出成形することによって、容易に発
熱体を備えることができ、枠体が窓用板状体の周縁部に
押出し一体成形される場合には、上記したワイヤーをダ
イ付近から合成樹脂材料とともに押出してもよい。
【0027】これらの発熱体は、複数本が並列に設けら
れることが発熱量を大きくできる点に鑑みて好ましく、
そのピッチとしては窓用板状体の温度を所望の温度とで
きる範囲であればよく、その範囲としては0.2mm〜
2.0mmが好ましい。
【0028】また、導電性プリント層を窓用板状体の周
縁部に設けることは、上記したピッチで設けることが容
易に達成でき、その作業性や給電配線の簡便さに鑑みて
好ましく、プリント層の幅としては、0.1mm〜1.
0mmの範囲が好ましく、さらには0.3mm〜0.8
mmの範囲がより好ましい。
【0029】さらに、これら発熱体の設けられる位置
は、窓用板状体の周縁部全周であっても、一部であって
もよく、また、窓用板状体の枠体が備えられている部分
であっても、枠体の備えられている部分よりも内周側で
あってもよく、窓用板状体を所望の温度にすることがで
き、枠体を十分軟化させることができるものであれば特
に制限はないが、意匠的な効果に鑑みて、枠体によって
発熱体が隠蔽されるように、窓用板状体の枠体が備えら
れている部分が好ましい。
【0030】さらにまた、上記発熱体の設けられる位置
は、窓用板状体における窓の外側面であっても内側面で
あっても、両面であってもよく、発熱体の本数も含め
て、窓用板状体を所望の温度にすることができ、枠体を
十分軟化させることができるものであれば特に制限はな
い。
【0031】発熱体に加える電圧は、発熱体の抵抗値や
設けられているパターン、ピッチ、位置によって、枠体
を十分軟化できるように適宜選択されるものである。
【0032】また、窓用板状体の表面温度を150℃〜
300℃の範囲、好ましくは170℃〜250℃の範囲
に加熱できれば、窓用板状体を枠体から取り外すために
枠体が十分軟化し、また溶融しすぎることもない。この
ような所望の温度を得るために、例えば30分程度の加
熱によって枠体を十分軟化できるように加熱できるよう
に、発熱体の抵抗値や設けられているパターン、ピッ
チ、位置、さらに発熱体に加える電圧を適当に選ぶこと
によって、窓用板状体を枠体から容易に取り外すことが
できる。
【0033】枠体付き窓用板状体は、枠体がシーラン
ト、例えばウレタン接着剤によって窓開口フランジに接
着取り付けされたり、あるいは枠体の表面に接着された
あるいは枠体に埋め込まれたボルト等によって窓開口フ
ランジに機械的に取り付けされるものであるが、枠体の
溶融、軟化によって、場合によってはボルト部分から枠
体も窓用板状体とともに窓開口フランジから外れてしま
うこともあるため、シーラントにより接着取り付けされ
ることが好ましい。
【0034】
【実施例】
(実施例1)図1に示すように、ガラス板からなる自動
車サイド窓用板状体1の周縁部には、軟質塩化ビニル樹
脂からなる枠体2が備えられていて、窓用板状体の車内
側周縁部であって枠体2が備えられている部分に、焼成
された銀系の導電性プリント層からなる発熱体3が設け
られている。
【0035】枠体2は、窓用板状体1の周縁部に塩化ビ
ニル樹脂用のプライマーVC250(横浜ゴム社製)を
塗布して乾燥した後、金型にて挟持し、この周縁部と金
型の内壁によって形成されるキャビティー空間に軟質塩
化ビニル樹脂材料を射出し、固化させた後に金型から取
り出す射出成形によって、窓用板状体1の周縁部に一体
成形されたものである。
【0036】発熱体3は窓用板状体1の端面から3mm
内周側に、0.5mm幅のプリント層が設けられたもの
であり、さらに内周側に、1mmピッチで0.5mm幅
のプリント層が3本設けられており、これらのプリント
層は、窓用板状体1の全周にわたっている。
【0037】上記構成の枠体付き窓用板状体10は、開
口フランジ20と枠体2との間にウレタンシーラント2
1を介在させて枠体を開口フランジ20に接着させるこ
とによって、開口フランジ20に取り付けられている。
【0038】上記開口フランジ20に取り付けられた枠
体付き窓用板状体10を、1週間養生した後、ターミナ
ル部分から22ボルトの電圧を発熱体3に加えて30分
放置した。その後に窓用板状体1を車内側から押し、容
易に枠体2から窓用板状体1を取り外すことができた。
この際、発熱体3によって窓用板状体1の表面温度は1
90℃となっていた。また、残った塩化ビニル樹脂から
なる枠体は、熱分解もなく、十分再利用できるものであ
った。
【0039】(実施例2)枠体の材料としてオレフィン
エラストマーラバロン(三菱油化社製)を用いて、加え
る電圧を30ボルトとした以外は、実施例1と同様にし
て枠体2を軟化して窓用板状体1を車内側から押したと
ころ、容易に枠体2から窓用板状体1を取り外すことが
できた。この際、発熱体3によって窓用板状体1の表面
温度は225℃となっていた。また、残ったオレフィン
エラストマーからなる枠体は、熱分解もなく、十分再利
用できるものであった。
【0040】(実施例3)枠体付き窓用板状体10を開
口フランジに取り付けて養生した後、この開口フランジ
20とともに枠体付き窓用板状体10を80℃のオーブ
ン内にて、1000時間熱老化させ、加える電圧を24
ボルトとした以外は、実施例1と同様にして枠体2を軟
化して窓用板状体1を車内側から押したところ、容易に
枠体2から窓用板状体1を取り外すことができた。この
際、発熱体3によって窓用板状体1の表面温度は193
℃となっていた。また、枠体2の窓用板状体1との境界
は溶融状態であった。
【0041】(実施例4)枠体付き窓用板状体10を開
口フランジに取り付けて養生した後、この開口フランジ
20とともに枠体付き窓用板状体10を50℃、95%
RHの雰囲気にて、1000時間老化させた以外は、実
施例1と同様にして枠体2を軟化して窓用板状体1を車
内側から押したところ、容易に枠体2から窓用板状体1
を取り外すことができた。この際、発熱体3によって窓
用板状体1の表面温度は188℃となっていた。また、
枠体2の窓用板状体1との境界は溶融状態であった。
【0042】(実施例5)枠体の材料としてオレフィン
エラストマーを用いた以外は、実施例3と同様にして枠
体2を軟化して窓用板状体1を車内側から押したとこ
ろ、容易に枠体2から窓用板状体1を取り外すことがで
きた。この際、発熱体3によって窓用板状体1の表面温
度は220℃となっていた。
【0043】(実施例6)枠体の材料としてオレフィン
エラストマーを用いた以外は、実施例4と同様にして枠
体2を軟化して窓用板状体1を車内側から押したとこ
ろ、容易に枠体2から窓用板状体1を取り外すことがで
きた。この際、発熱体3によって窓用板状体1の表面温
度は220℃となっていた。
【0044】(比較例)発熱体を備えずに、窓用板状体
の周縁部に軟質塩化ビニル樹脂からなる枠体が一体成形
された枠体付き板状体を、開口フランジにウレタンシー
ラントによって接着取り付けし1週間養生した後に、枠
体付き板状体を開口フランジとともに200℃のオーブ
ンに30分間放置した。その後、オーブンから開口フラ
ンジとともに枠体付き板状体を取り出して、車内側から
窓用板状体を押しつけたが、窓用板状体を枠体から取り
外すことができなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ガラス板と開口フラン
ジとの寸法誤差を緩和し、ガラス板を開口フランジに確
実に取り付けることができ、ほかにも、開口フランジの
所定の位置にガラス板を取り付けることができるように
位置決めクリップ等を埋め込むことができるといった、
種々の機能を有する枠体があっても、窓用板状体に備え
られた発熱体の熱によって枠体を軟化させ、窓用板状体
を枠体から容易に取り外すことができる。このため、枠
体が一部あるいは全部装着された窓用板状体を車両や建
築物から容易に取り外すことができる。この場合、機械
的破壊等の手段によって取り外して回収するものでない
ため、窓用板状体と異物との分別作業を行わなくても、
窓用板状体の再利用に適した原料を得ることができる。
【0046】さらに、本発明によれば、不用となった窓
用板状体を、きわめて短時間で手間のかからない方法に
よって回収することができるため、例えば窓用板状体が
ガラス板からなる場合には、この回収されたガラス細片
を再びガラス原料として再利用する際に必要とする時間
や費用がきわめて少なくてすみ、再利用効率に優れ、資
源の有効活用化がはかれ、環境保護に役立つことができ
る。
【0047】また、本発明によれば、窓用板状体を車両
や建築物の本体に取り付けたままでも、廃棄される窓用
板状体を回収することができるため、窓用板状体のガラ
ス部分のみを取り外してから回収する煩雑さがなく、き
わめて短時間に、容易にガラス成分のみを回収すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における窓用板状体の一例を示す部分概
略断面図
【符号の説明】
1:窓用板状体 2:枠体 3:発熱体 10:枠体付き窓用板状体 20:開口フランジ 21:シーラント

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窓用板状体の周縁部に合成樹脂製の枠体が
    備えられていて、窓開口部の開口フランジに取り付けら
    れる枠体付き窓用板状体において、前記窓用板状体の枠
    体が備えられている部分の窓用板状体と枠体との間の少
    なくとも一部と、窓用板状体の周縁部の枠体が備えられ
    ている部分よりも内周側であって枠体の近傍の少なくと
    も一部との、少なくとも一方には、発熱体が備えられて
    いることを特徴とする枠体付き窓用板状体。
  2. 【請求項2】前記発熱体は、窓用板状体の周縁部の少な
    くとも一部に焼成された導電性プリント層であることを
    特徴とする請求項1の枠体付き窓用板状体。
  3. 【請求項3】窓用板状体の周縁部に合成樹脂製の枠体が
    備えられていて、前記窓用板状体と枠体との境界の少な
    くとも一部と、窓用板状体の周縁部の枠体が備えられて
    いる部分よりも内周側であって枠体の近傍の少なくとも
    一部との、少なくとも一方に発熱体が備えられた枠体付
    き窓用板状体を、窓開口部の開口フランジに取り付けた
    構造の窓体における枠体から窓用板状体を取り外す方法
    であって、前記発熱体を発熱させて枠体を加熱し、軟化
    した後に、窓用板状体に外力を与えることを特徴とする
    枠体から窓用板状体を取り外す方法。
  4. 【請求項4】前記枠体付き窓用板状体の窓開口部の開口
    フランジへの取り付け構造は、枠体がシーラントによっ
    て車両の窓開口部の開口フランジに接着されて、窓開口
    部に取り付けられた構造であって、車体に取り付けられ
    た状態で前記発熱体を発熱させて枠体を加熱し、軟化し
    た後に、窓用板状体に外力を与えることを特徴とする請
    求項3の枠体から窓用板状体を取り外す方法。
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