明 細 書
難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物及び成形体
技 術 分 野
本発明 は、 難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物及び成 形体に関する。
背 景 技 術
芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂は、 耐熱性、 機械特性、 成形加 ェ性、 耐薬品性等に優れ、 自 動車部品、 電気 · 電子部品、 機械部品等 と して広 く 使用 さ れてい る。 こ れ ら の用途で は、 発熱によ る発火等 を防止する ため に、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に難燃剤 を配合 して該樹脂を難燃化する こ と力 必要であ る。 特 に、 電気 · 電子部品用途では、 U L 規格 (Underwr i ters Laborator ies, Inc. , standard f or Tes ts f or Flamm abi l i ty of Pl as t i c Mater ial s)で V - 0 (燃 焼が一定時間以上継続せず、 綿を発火さ せる溶融滴下
( ド リ ッ プ) がない) と い う 特に高い難燃性が要求さ れ る。
芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に難燃剤 を配合 した難燃性芳香 族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物 と しては、 今 日 まで種々 の提案 がな されてお り 、 例え ば、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に臭素 化ポ リ ス チ レ ン と酸化ア ンチモ ン と を配合 した組成物
(特開平 6 — 2 6 3 9 8 5 号公報、 特開平 6 —
2 6 3 9 8 6 号公報) 、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に臭素化 ポ リ スチ レ ン と水酸化マグネ シウム等 と を配合 した組成 物 (特開平 7 — 1 9 6 8 7 5 号公報) 、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂にハ ロゲン置換さ れたホス フ ァ ゼ ン化合物を配合 し た組成物 (特開昭 4 9 一 1 3 3 4 7 0 号公報、 特開昭 4 9 — 1 3 2 1 4 9 号公報) 等を挙げる こ とができ る 。
しか しなが ら 、 これ ら の組成物 に難燃剤 と して配合さ れてい るハ ロ ゲン化合物は、 樹脂成形時 に熱分解 してハ ロ ゲン化水素を発生 し、 金型の腐食や樹脂の劣化及び着 色を惹起する を避け得ない。 また、 火災等 によ り 樹脂成 形物が燃焼する際には八 ロゲ ン化水素等の生物に対する 有害ガスや煙を発生する と い う 問題点を有 してい る。
一方、 ハ ロゲン化合物 を含まない難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物 と しては、 例えば、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹 脂に無機充填剤、 赤燐、 メ ラ ミ ン シァヌ レー ト等を配合 した組成物 (特開昭 5 5 — 1 6 1 8 4 8 号公報) 、 芳香 族ポ リ ア ミ ド樹脂に フ エ ノ ール樹脂、 アルデヒ ド樹脂、 赤燐、 充填剤等 を配合 した組成物 (特開昭 5 4 —
2 5 9 5 6 号公報、 特開昭 5 4 — 8 0 3 5 7 号公報) 等 が知 られてい る。
しか しなが ら 、 これ ら の組成物は、 いずれも赤燐を含 有 してい る ため、 該組成物を成形 して得 ら れる成形体が
著 し く 着色する の を避け得ず、 上記用途に使用 し難 く な る と い う 問題点を有 してい る。 また、 特開平 9 _
1 8 3 8 6 4 号公報には、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂にホス ホ リ ルア ミ ド系化合物、 シァ ヌ ル酸等を配合 した組成物 が開示さ れてい る。 こ の組成物は、 ハ ロ ゲン化合物及び 赤燐の いずれも含有 していな いが、 該組成物を成形 して 得 ら れる成形体の難燃性及び機械特性は十分満足でき る も のではな い。
また、 ノ ロゲンを含有 しない リ ン酸エステル化合物が 熱可塑性樹脂の難燃剤 と して汎用 さ れてお り 、 斯か る リ ン酸エス テル化合物が配合さ れた難燃性樹脂組成物 も数 多 く 提案さ れてい る。 こ こでハ ロゲンを含有 しなレゝ リ ン 酸エステル化合物 と しては、 例えばレゾルシ ノ 一ルー ピ ス (ジフ エニルホス フ ェー ト ) 、 ノヽイ ド ロキ ノ ン 一 ビス (ジフ エ ニルホス フ ェー ト ) 、 ビス フ エ ノ ール一 A — ビ ス (ジフ エニルホス フ ェー ト ) 、 ビス フ エ ノ ール一 S — ビス (ジ フ エニルホス フ エ一 卜 ) 、 レゾルシ ノ ール一 ビ ス (ジキ シ リ リレホス フ ェー ト ) 、 ノ、イ ド ロキ ノ ン 一 ビス (ジキ シ リ ルホス フ ェー ト ) 、 ビス フ エ ノ ール一 A — ビ ス (ジ ト リ ルホス フ エ一 ト ) 、 ビス フ エ ノ ールー A — ビ ス (ジキ シ リ ルホス フ エ一 卜 ) 、 ビス フ エ ノ ール一 S — ビス (ジキ シ リ ルホス フ ェー ト ) 等が知 ら れてい る。 し
か し な力 ら 、 こ れ ら の リ ン酸エステル化合物を配合 し た 場合 に は、 樹脂成形物が燃焼する際に、 樹脂が溶融滴下
( ド リ ッ プ) する の を十分に防止する こ と はできない。 従っ て、 これ ら の リ ン酸エス テル化合物 を樹脂に配合 し て も 、 U L — 9 4規格の V — 0 に適合する難燃性樹脂組 成物及び成形体を得る こ と はできない。
更に、 一般式 ( 1 )
〔式中 mは 3 〜 2 5 の整数を示す。 P h はフ エ二ル基を 示す。 〕
で表さ れる環状フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン及び一般式
〔式中 X 1は基一 Ν = Ρ (〇 P h ) 3又は基
— N = P (〇)〇 P h を示 し 、 Y 1は基— P (O P h ) 4又は 基— P (〇) (O P h ) 2を示す。 n は 3 〜 1 0 0 0 0 の整数 を示す。 P h は前記に同 じ。 〕
で表される鎖状フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンか ら な る群よ り 選ばれる少な く と も 1 種のホス フ ァ ゼン化合物が、 o —
フ エ 二 レ ン基、 m— フ エ二 レ ン基、 ρ — フ エ二 レ ン基及 び一般式 ( 3 )
〔式中 Aは— C (C H 3) 2—、 ― S O 2 - 一 S — 又は 一 O — を示す。 a は 0 又は 1 を示す。 〕
で表さ れる ビス フ エ二 レ ン基か ら なる群よ り 選ばれる少 な く と も 1 種の架橋基によ り 架橋さ れてな る化合物であ り 、 ( i ) 該架橋基はホス フ ァ ゼン化合物の フ エニル基 が脱離 した 2個の酸素原子間 に介在 し、 且つ ( i i ) フ エ ニル基の含有割合が上記ホス フ ァ ゼン化合物 ( 1 ) 及び 又は ( 2 ) 中の全フ エニル基の総数を基準に 5 0 〜 9 9 . 9 %であ る架橋ホス フ ァ ゼン化合物は、 難燃剤 と して公知であ る (特開平 1 1 _ 1 8 1 4 2 9 号公報) 。 こ の架橋ホス フ ァ ゼン化合物は、 分子内 に フ リ ーの水酸 基 を有 している。 特開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報に記 載 さ れてい る架橋ホス フ ァ ゼン化合物の製造方法では、 製造原料 と して使用 さ れる芳香族ジ ヒ ド ロ キ シ化合物の アル力 リ 金属塩に基づく 水酸基が、 架橋ホス フ ァゼン化 合物の中 に残存する のが避け ら れない。 その理 由は、 以 下の通 り であ る。
本発明者の研究によれば、 芳香族ジ ヒ ド ロキ シ化合物
の アルカ リ 金属塩の ジ ク ロルホス フ ァ ゼン化合物 に対す る 反応性が、 フ エ ノ ールのアルカ リ 金属塩のそれに比べ 極端に低い こ とが判明 した。 よ り 具体的 に述べる と、 ジ ク ロルホス フ ァ ゼン化合物 と フ エ ノ ールのアル力 リ 金属 塩 と を混合加熱する と 、 塩素原子がフ エ ノ キ シ基に置換 し た フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンが生成するが、 ジク ロルホ ス フ ァ ゼン化合物 と芳香族ジ ヒ ド ロ キ シ化合物のアル力 リ 金属塩 と を混合加熱 して も塩素原子がフ エ ノ キ シ基 に 置換する 反応は起 り 難い。
従っ て、 特開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報に開示さ れ て い る方法、 即ち ジク ロルホス フ ァ ゼン化合物に フ エ ノ ールのアル力 リ 金属塩及び芳香族ジ ヒ ド ロ キシ化合物の アルカ リ 金属塩を反応 さ せる方法では、 芳香族ジ ヒ ド ロ キ シ化合物のアルカ リ 金属塩に基づ く 2 個の O M ( Mは アルカ リ 金属) 基がジク ロルホス フ ァ ゼン化合物中 の塩 素原子と完全に置換する こ と は非常に困難であ り 、 その ため に塩素原子 と反応 しないで残っ た O M基が〇 H基に 変換さ れ、 結果 と して水酸基を有する フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物が生成する。
特開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報に記載さ れてい る架 橋ホス フ ァ ゼン化合物は、 分子内の フ リ ーの水酸基を有 しているが故に、 難燃剤 と して次の欠点を有 している。
即ち、 特開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報に記載されて い る架橋ホス フ ァゼン化合物を樹脂に配合した樹脂組成物 を長期に亘つて保存しておいた場合、 該樹脂組成物を成 形 した得 られる成形体の難燃性は劣ったものとな り 、 ま た該成形体の機械物性も大き く 低下する。
発 明 の 開 示
本発明の一つの目的は、 ハロゲン化合物を含有せず、 従って樹脂成形時にハロゲン化合物が熱分解してハロゲ ン化水素等を発生し、 金型の腐食や樹脂の劣化及び着色 を惹起する こ と のない難燃性芳香族ポリ アミ ド樹脂組成 物を提供する こ とである。
本発明の他の一つの 目的は、 火災等によ り 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形物が燃焼する際には八ロゲン化水素等の 生物に対する有害ガスや煙を発生する こ とがない難燃性 芳香族ポ リ アミ ド樹脂組成物を提供する こ とである。
本発明の他の一つの 目的は、 U L規格の V— 0 に相当 する優れた難燃性を備えている難燃性芳香族ポ リ アミ ド 樹脂組成物及び成形体を提供する こ とである。
本発明の他の一つの 目的は、 難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド 樹脂成形体が燃焼する際に、 樹脂が溶融滴下する こ とが ない、 即ち、 燃焼時の ド リ ッ プ防止性を備えている難燃 性芳香族ポ リ アミ ド樹脂成形体を提供する こ とである。
本発明 の他の一つの 目 的は、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂が 本来有 している機械特性、 成形加ェ性等の好ま し い特性 が損なわれる こ とな く 、 その ま ま保持 して い る難燃性芳 香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体を提供する こ とであ る 。
本発明 の他の一つの 目 的は、 芳香族ポ リ ァ ミ ド樹脂組 成物 を長期 に亘つ て保存 しておいた場合で も、 その芳香 族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物を成形 して得 ら れる成形体に優 れた難燃性及び機械特性を付与でき る難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体を提供する こ とであ る 。
本発明者は、 上記 目 的を達成すベ く 鋭意研究を行っ た 結果、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に下記に示す特定の化合物 を特定割合で配合 した場合に、 所望の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物が得 ら れる こ と を見い出 した。 本発明 は、 斯か る知見に基づき完成された も のであ る。
本発明 によれば、 ( a ) 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 1 0 0 重量部に、 ( b ) 架橋ホス フ ァゼン化合物 0
1 0 0 重量部、 ( c ) 無機繊維状物質 1 〜 6 0 重量部及 び ( d ) 水酸化マ グネ シゥム 1 〜 6 0 重量部を配合 して な る難燃性芳香族ポ リ ア ミ 樹脂組成物であ つ て、 上記 ( b ) の架橋ホス フ ァ ゼン化合物が一般式 ( 1 )
〔式中 mは 3 〜 2 5 の整数を示す。 P h はフ エ二ル基を 示す。 〕
で表される環状フ エノ キシホスフ ァゼン及び一般式
〔式中 X 1は基— N = P (〇 P h ) 3又は基
— N = P (0 ) O P h を示し、 Y 1は基— P (O P h ) 4又は 基一 P (0 ) (O P h ) 2を示す。 n は 3 〜 1 0 0 0 0 の整数 を示す。 P h は前記に同 じ。 〕
で表される鎖状フエ ノ キシホスフ ァゼンか らなる群よ り 選ばれる少な く と も 1 種のホスフ ァゼン化合物が、 o — フ エ二レ ン基、 m— フ エ二レン基、 p — フエ二 レン基及 び一般式 ( 3 )
〔式中 Aは一 C (C H
3)
2—、 - S O 2 - 一 S 又は 一 O — を示す。 a は 0 又は 1 を示す。 〕
で表される ビス フエ二 レン基か らなる群よ り選ばれる少
な く と も 1 種の架橋基によ り 架橋さ れてなる化合物であ り 、 ( i ) 該架橋基はホス フ ァ ゼン化合物の フ ヱニル基 が脱離 し た 2 個の酸素原子間 に介在 し、 ( i i ) フ エニル 基の含有割合が上記ホス フ ァ ゼン化合物 ( 1 ) 及びノ又 は ( 2 ) 中の全 フ エニル基の総数を基準に 5 0 〜
9 9 . 9 %であ り 、 且つ ( i i i) 分子内 に フ リ ーの水酸基 を有 して いない架橋ホス フ ァ ゼン化合物であ る難燃性芳 香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物が提供さ れる 。
また、 本発明 によれば、 上記難燃性ポ リ ア ミ ド樹脂組 成物を成形 して得る こ と のでき る難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体が提供さ れる。
本発明 の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物は、 芳香 族ポ リ ア ミ ド樹脂、 特定の架橋ホス フ ァ ゼン化合物、 無 機繊維状物質及び水酸化マグネ シウム を必須成分 と して 含有する 。
芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂
本発明 において、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂と しては、 2 価の芳香族環残基及び 2 価の複素環残基か ら選ばれる 2 価残基 と ア ミ ド残基 ( ― C O N H—) とが結合 してなる 繰 り 返 し単位を主鎖中 に含有する も のであれば特 に制限 さ れず、 従来公知の も の をいずれも使用 でき る 。
こ こで 2 価の芳香族残基と しては、 例えば、 フ エニ レ
ン基、 アルキ レ ンフ エ二 レ ン基、 ジアルキ レ ン フ エニ レ ン基、 ビフ エ二 レ ン基、 一般式
〔式中 X は炭素数 1 〜 5 のアルキ レ ン基、 酸素原子、 硫 黄原子、 基 — C O —又は基— s o
2 - - を示す。 〕
で表さ れる基、 ナフ 夕 レ ン基等を挙げる こ とができ る 。 ま た、 2 価の複素環残基と しては、 例え ば、 2 価のチア ゾ一ル残基、 2 価のベ ンゾイ ミ ダゾール残基等 を挙げる こ とができ る。
こ れ ら の 2 価残基の芳香族環又は複素環上に は、 ニ ト 口基、 ヒ ド ロキ シ基、 カ ルボキ シ基、 アルコ キ シ基等の
1 種又は 2 種以上が置換 していて も よい。 これ ら置換基 の置換基数は、 限定さ れる も のではないが、 例えばフ エ 二 レ ン基の場合には 1 〜 4 個、 ビフ ェニ レ ン基の場合に は 1 〜 8 個、 ナ フタ レ ン基の場合には :! 〜 6 個、 2 価の チア ゾ一ル残基の場合には 1 個、 2 価のベ ンゾィ ミ ダゾ —ル残基の場合には 1 〜 4個であ る
2 価の芳香族環残基と ア ミ ド残基 とが結合 してな る繰 り 返し単位を主鎖中 に含有する芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 と しては、 例えば、 ポ リ ア ミ ド M X D 6 樹脂、 変性ナイ 口 ン 6 T樹脂、 ポ リ フ エ二 レ ンイ ソ フ タルア ミ ド 、 ポ リ フ
ェニ レ ンテ レ フ 夕ルァ ミ ド 、 ポ リ べ ンズア ミ ド 、 ポ リ ア ミ ド イ ミ ド 、 ポ リ ア ミ ド エス テル、 ポ リ ア ミ ド ヒ ド ラ ジ ド 、 ボ リ ス レホ ンア ミ ド 、 ポ リ ア ミ ドイ ミ ド エステル等 を挙げる こ とができ る
2 価の複素環残基 と ア ミ ド残基とが結合 し た基を繰 り 返 し単位 と して主鎖中 に含有する芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 と しては、 例え ば、 ポ リ ア ミ ド ベ ンズィ ミ ダゾ一ル、 ポ リ チア ゾ—ルア ミ ド等 を挙げる こ とができ る 。
これ ら の芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂の中で も 、 2 価の芳香 族残基と ア ミ ド残基 とが結合 した基を繰 り 返 し単位 と し て主鎖中 に含有する芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂が好ま し く 、 更に、 テ レ フ タル酸、 ィ ソ フ タル酸等の二塩基酸 と へキ サメ チ レ ンジア ミ ン、 4 , 4 ' — ジア ミ ノ ジ フ エニルメ タ ン、 p — フ エ二 レ ン ジァ ミ ン、 m— フ エ二 レ ンジア ミ ン等のジア ミ ン とが結合 し た基を繰 り 返 し単位 と して主 鎖中 に含有する芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂、 ア ジ ピ ン酸、 セ バ シ ン酸等の二塩基酸 と 4 , 4 ' ー ジア ミ ノ ジ フ エニル メ タ ン、 p — フ エ二 レ ンジァ ミ ン、 m — フ エ二 レ ンジァ ミ ン等のジア ミ ン とが結合 した基を繰 り 返 し単位 と して 主鎖中 に含有する芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂等が特 に好ま し い o
芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂は、 一 C O N H —以外
- C O 一 〇 C 〇 一、 一 S O 2—、
- N H - C O - C O - N H—、 — C H 2—等の結合単位を 含んでいる ものであつ てもよい。 本発明では、 これら結 合単位の総量の 1 0 モル%以上が一 C O N H—である芳 香族ポ リ アミ ド樹脂を好ま し く 使用できる。
本発明で使用する芳香族ポリ ア ミ ド樹脂は、 例えば、 「高分子合成の実験法、 大津隆行 · 木下雅悦著、 (株) 化学同人、 1 9 8 8 年 3 月 1 5 日発行」 第 3 0 9 〜
3 3 0 頁、 「重縮合と重付加、 高分子学会高分子実験学 編集委員会編、 共立出版 (株) 、 昭和 5 5 年 8 月 1 5 日 発行」 第 8 3 〜 1 0 3 頁、 「第 4版実験化学講座 · 第 2 8 巻、 (社) 日本化学会編、 丸善 (株) 、 平成 4年 5 月 6 日発行」 第 2 5 2 〜 2 8 7 頁、 特公昭 3 5 —
1 4 3 9 9 号公報、 特公昭 3 5 — 1 3 2 4 7 号公報、 特 公昭 4 7 — 1 0 8 6 3 号公報、 特公昭 4 2 - 1 5 6 3 7 号公報その他の多数の公知文献に記載の方法によ り容易 に製造される。
本発明では、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に他の樹脂を混合 する こ とができる。 このよ う な樹脂の具体例と しては、 例えば、 ポ リ ア ミ ド 6 、 ポ リ アミ ド 6 , 6 、 ポ リ アミ ド 6 , 1 2 、 ポ リ アミ ド 4 , 6 等の脂肪族ポ リ ア ミ ド、 ポ リ エチレン、 ポ リ プロ ピ レン、 ポ リ イ ソプレン、 ポ リ ブ
夕 ジェ ン等のポ リ オ レ フ ィ ン、 変性ポ リ ォ レ フ ィ ン、 ァ ク リ ロニ 卜 リ ル · ブ夕 ジェ ン · ス チ レ ン樹脂、 ァ ク リ ロ 二 ト リ ル • ス チ レ ン樹脂、 ス チ レ ン ' マ レイ ン酸共重合 体、 ス チ レ ン · マ レイ ン酸 • ァ ク リ ロ 二 ト リ ル共重合体 ポ リ フ エ二 レ ンエーテル、 変性ポ リ フ エ 二 レ ンエーテ レ ポ リ ア リ レー 卜 、 ポ リ 力 一ボネー ト 、 液晶ポ リ マー、 ポ リ テ 卜 ラ フ ルォ 口 エチ レ ン等 を挙げる こ とができ る 。 芳 香族ポ リ ア ミ ド樹脂と他の樹脂と の混合割合は特に制限 さ れず、 該樹脂の芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に対する相溶性
^匕 口 し 得 られる樹脂組成物の用途等の各種条件に応 じ て適宜選択でき るが、 通常は芳香族ポ リ ァ ド樹脂 1 0 0 重量部に対 して他の樹脂を 2 0 0 重量部以下、 好 ま し く は 1 0 0 重量部以下、 よ り 好ま し く は 5 0 重量部 以下 とすればよ い 。
架橋ホス フ ァ ゼン化合物
本発明の架橋ホス フ ァ ゼン化合物は、 上記一般式 ( 1 ) で表さ れる環状フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン及び上記 一般式 ( 2 ) で表さ れる鎖状 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンか ら なる群よ り 選ばれる少な く と も 1 種のホス フ ァ ゼン化 合物が、 o — フ ェニ レ ン基、 m — フ エ二 レ ン基、 p — フ ェニ レ ン基及び上記一般式 ( 3 ) で表さ れる ビス フ エ二 レ ン基カゝ ら な る群よ り 選ばれる少な く と も 1 種の架橋基
に よ り 架橋 さ れてなる化合物であ っ て、 ( i ) 該架橋基 はホス フ ァ ゼン化合物の フ エ ニル基が脱離 した 2個の酸 素原子間 に介在 し 、 ( i i ) フ エニル基の含有割合が上記 ホス フ ァ ゼン化合物 ( 1 ) 及び Z又は ( 2 ) 中 の全フ エ ニル基の総数を基準に 5 0 〜 9 9 . 9 %であ り 、 且つ
( i i i ) 分子内 に フ リ ーの水酸基を有 して いな い架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物であ る。
上記架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物は、 ( i ) 〜 ( i i i ) の特徴を有する こ とか ら 、 従来の フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物よ り も一段と優れた難燃性 を芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に付与する こ とができ る。
上記架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物の中で も 、 一 般式 ( 1 ) にお いて m力 3 〜 8 の環状フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン及び Z又は一般式 ( 2 ) にお いて n 力 1 0 0 0 〜 5 0 0 0 の整数であ る鎖状 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンであ り 、 一般式 ( 3 ) にお いて a = 1 、 Aが基
一 C (C H 3) 2— 、 基一 S 02—及び基 — S — か ら選ばれる 少な く と も 1 種であ る ビフ エ 二 レ ン基であ る架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物が特 に好ま し い。
上記架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物は、 例え ば、 一般式 ( 4 )
〔式中 mは前記に同 じ。 〕
で表さ れる環状ジク ロ ルホス フ ァ ゼン及び一般式 ( 5 )
〔式中 X 2は基— N = P C 1 3又は基 一 N = P (〇) C 1 を 示 し 、 Y 2は基 _ P C 1 4又は基 — P (0 ) C 1 2を示す。 n は前記に同 じ。 〕
で表さ れる鎖状ジク ロルホス フ ァ ゼンか ら な る群よ り 選 ばれる少な く と も 1 種の ジク ロルホス フ ァ ゼン化合物 に、 一般式 ( 6 )
〔式中 Mはアルカ リ 金属 を示す。 〕
で表さ れる アルカ リ 金属 フ エ ノ ラ ー ト と 一般式 ( 7 )
〔式中 Mは前記に同 じ。 〕
で表さ れる アル力 リ 金属 ジフ エ ノ ラ ー ト 及び一般式
〔式中 A 、 a 及び Mは前記に同 じ。 〕
で表さ れる アルカ リ 金属ジフ エ ノ ラー ト 力 ら な る群よ り 選ばれる少な く と も 1 種の ジフ エ ノ ラー 卜 と の混合物 を 反応さ せ (第一工程) 、 次いで得 ら れる 化合物 に上記ァ ルカ リ 金属 フ エ ノ ラ一 ト を更に反応さ せる (第二工程) こ と によ り 製造でき る
上記の製造法 において、 原料の一つ と して使用 さ れる 一般式 ( 4 ) 及び一般式 ( 5 ) で表さ れる ジ ク ロルホス フ ァ ゼン化合物は、 例えば、 特開昭 5 7 — 8 7 4 2 7 号 公報、 特公昭 5 8 — 1 9 6 0 4 号公報、 特公昭 6 1 — 1 3 6 3 号公報、 特公昭 6 2 — 2 0 1 2 4 号公報等 に記 載の公知 の方法に従つ て製造でき る。 その一例 を示せば まずク ロルベ ンゼン中で、 塩化ア ンモニ ゥ ム と五塩化 リ ン (又は塩化ア ンモニゥム と三塩化 リ ン と塩素) と を、 1 2 0 〜 1 3 0 °C程度で反応さ せて、 脱塩酸する こ と で 製造でき る。
一般式 ( 6 ) で表さ れる アルカ リ 金属 フ エ ノ ラー ト と しては、 従来公知の も の を広 く 使用 でき 、 例え ばナ ト リ ゥ ム フ エ ノ ラ 一 ト 、 力 リ ウム フ エ ノ ラ一 ト 、 リ チウム フ エ ノ ラー ト等を挙げる こ とができ る。 こ れ ら アルカ リ 金
属 フ エ ノ ラー ト は 1 種を単独で使用 でき又は 2 種以上を 併用 でき る。
一般式 ( 7 ) で表さ れる ァルカ リ 金属ジフ エ ノ ラ ー ト にお いて、 2 つの基— 〇 M ( Mは上記に同 じ) は、 オル 卜 、 メ タ 又はパ ラ の いずれの位置関係に あ っ て も よ い。 該ァルカ リ 金属 ジフ エ ノ ラー 卜 の具体例 と しては、 例え ば、 レ ゾルシ ノ —ル、 ノ\イ ド ロキ ノ ン、 カ テコ ール等の アル力 リ 金属塩を挙げる こ とができ る。 これ ら の中で も ナ 卜 リ ウム塩及び リ チウム塩が好ま し い。 該ァルカ リ 金 属シ フ エ ノ ラ一 卜 は、 1 ¾ ¾r単独で使用 でき又は 2 種以 上を併用 でき る
一般式 ( 8 ) で表さ れる ァル力 リ 金属ジフ エ ノ ラ 一 ト と しては、 例え ば、 4 , 4 , 一イ ソ プ口 ピ リ デンジ フ エ ノ ール ( ビス フ エ ノ 一ルー A ) 、 4 , 4 ' ー スルホニル ジフ エ ノ一ル ( ビス フ エ ノ ールー S ) 、 4 , 4 , 一 チォ ジ フ エ ノ ール、 4 , 4 , 一 才キ シジ フ エ ノ ール、 4 ,
4 , ン フ エ ノ —ル等の アルカ リ 金属塩等を挙げる こ と ができ る 。 これ ら の中で も、 ナ 卜 リ ゥム塩及び リ チウム 塩が好ま し い。 該アルカ リ 金属ジ フ エ ノ ラー 卜 は、 1 種 を単独で使用 でき又は 2 種以上を併用でき る 。
本発明では、 一般式 ( 7 ) で表さ れる アル力 リ 金属 ジ フ エ ノ ラ 一 ト及び一般式 ( 8 ) で表さ れる アルカ リ 金属
ジ フ ノ ラ一 ト をそれぞれ単独で使用 して も よ い し、 記す合記れ力のよァァフェをン ο
れ ら 曰 A I
比 口 して使用 して も よ い。 上 の製造法の第一工程にお いては、 ジク ロ レホス フ ァ ゼ 化合物中 の塩素原子がアル力 リ 金属 フ エ ノ ラ 一 卜 及び ル力 リ 金属ジフ エ ノ ラ — 卜 と の反応によ り 全て消 費 さ な いよ う に、 即ち ジク ロルホス フ ァ ゼン化合物中 の塩 原子がアルカ リ 金属 フ ェ ノ ラ ー ト 及びァルカ リ 金 属 、ジ: フ ェ ノ ラ— 卜 と の反応によ っ て も 尚残存 してい る よ う に アル力 リ 金属 フ エ ノ ラ — 卜 及びァルカ リ 金属ジ フ ェ ノ フ — 卜 の使用量を調節する こ とが望ま し い。 これに よ り アル力 リ 金属ジフ エ ノ ラー 卜 の両 ー O M基 ( Mは 目 'J ύ 同 じ) がジク ロルホス フ ァ ゼン化合物の リ ン原子 に結 する。 第一工程では、 アル力 リ 金属 フ エ ノ ラ ー 卜 及び ル力 リ 金属ジフ エ ノ ラ— 卜 の使用量は、 ジク ロル ホス ァ ゼン化合物の塩素量を基準に して、 両 フ ェ ノ ラ ― 卜 合計量で通常 0 . 0 5 〜 0 . 9 当量程度、 好ま し く は . 1 〜 0 . 8 当量程度 とすればよ い 上 の製造法の第二工程においては、 上記第一工程で 生成 る化合物中 の塩素原子及びフ リ ーの水酸基が全て ァル リ 金属 フ エ ノ ラ一 卜 と の反応によ っ て全て消費 さ れる う に、 アルカ リ 金属 フ ェ ノ ラ — 卜 の使用量を調節 する とが望ま し い。 本発明では、 アルカ リ 金属 フ エ ノ
ラ ー ト の使用量は、 ジク ロルホス フ ァ ゼン化合物の塩素 量 を基準に して、 通常 1 〜 1 . 5 当 量程度、 好ま し く は 1 〜 1 . 2 当量程度 とすればよ い
本発明では、 アルカ リ 金属 フ エ ノ ラー ト (第一工程及 び第二工程で用 いる合計量) と ァルカ リ 金属ジフ エ ノ ラ 一 卜 と の使用割合 (アルカ リ 金属ジ フ エ ノ ラ一 卜 Zアル カ リ 金属 フ エ ノ ラ一 ト 、 モル比) は、 通常 1 Z 2 0 0 0 〜 1 Z 4程度、 好ま し く は 1 ノ 2 0 〜 1 Z 6 程度 とすれ ばよ い。
第一工程及び第二工程の反応は 、 各々 通常室温〜 1 5 0 °C程度、 好ま し く は 8 0 〜 1 4 0 °C程度の温度下 に行われ、 通常 1 〜 1 2 時間程度、 好ま し く は 3 〜 7 時 間程度で終了する。 第一工程及び第二工程の反応は、 い ずれも 、 通常ベ ンゼン、 ト ルエ ン、 キ シ レ ン等の芳香族 炭化水素類、 モ ノ ク ロ ルベ ンゼン、 ジク ロルベ ンゼン等 の八 ロ ゲ ン化芳香族炭化水素類等の有機溶媒中 にて行わ れる。
本発明 によれば、 上述 し たよ う に、 ジク ロ リレホス フ ァ ゼン化合物にアル力 リ 金属 フ エ ノ ラ ー ト と アルカ リ 金属 ジ フ エ ノ ラ一 卜 と の混合物を反応さ せ (第一工程) 、 次 いで得 ら れる化合物 に更に アル力 リ 金属 フ エ ノ ラ ー ト を 反応さ せる (第二工程) と い う 特定の構成を採用する こ
と によ り 、 フ リ ーの水酸基を分子内 に残存さ せる こ と な く 、 アルカ リ 金属ジ フ エ ノ ラ一 卜 の両〇 M基の Mが脱離 して、 二つの酸素原子がジク ロルホス フ ァ ゼン化合物中 の リ ン原子に結合 し、 架橋さ れた フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼ ン化合物が製造 さ れる 。
上記反応に よ り 製造さ れる架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼ ン化合物は、 例 え ば、 洗浄、 濾過、 乾燥等の通常の単離 方法に従い、 反応混合物か ら容易 に単離、 精製でき る 。
該架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物 は、 分解温度が 2 5 0 〜 4 0 0 °Cの範囲内 に あ る。
また、 該架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物中 の フ エ ニル基の含有割合は、 一般式 ( 1 ) の環状フ エ ノ キ シホ ス フ ァ ゼン及び Z又は一般式 ( 2 ) の鎖状 フ エ ノ キ シホ ス フ ァ ゼン中 の全フ エ ニル基の総数を基準に 5 0 〜
9 9 . 9 %であ り 、 好ま し く は 7 0 〜 9 0 %であ る 。
尚、 一般式 ( 2 ) にお ける末端基 X 1及び Y 1は反応条 件等 によ り 変化 し、 通常の反応条件で、 例 え ば非水の系 で温和な反応を行っ た場合に は、 X 1が
— N = P (〇 P h ) 3、 Y 1が— P (O P h ) 4の構造 と な り 、 水分 も し く はアルカ リ 金属水酸化物が反応系内 に存在す る よ う な反応条件で又は転移反応が生 じ る よ う な過酷な 反応条件で反応 を行っ た場合には、 X 1が
一 N = P (〇)〇 P h 、 丫 1がー ? (〇) (〇 ? 11 ) 2の構造の も のが混在する状態 となる。
本発明 の樹脂組成物 において、 ホス フ ァ ゼン化合物の 配合量は、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 1 0 0 重量部に対 し 、 0 . 1 〜 ; L 0 0 重量部、 好ま し く は 1 〜 4 0 重量部 とす る 。 0 . 1 重量部未満では、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂に U L規格の V — 0 に相当する難燃性を付与 し得な い場合が あ る 。 一方、 1 0 0 重量部を超えて配合 した場合、 それ 以上の難燃性の向上は認め ら れな い ばか り か、 得 ら れる 成形物の機械物性等が低下する。
無機繊維状物質
本発明 において、 無機繊維状物質 と しては、 繊維状の 無機物質であ る限 り 特 に制限はな く 、 従来公知 の も の を 広 く 使用する こ とができ る。 無機繊維状物質 と しては、 具体的に は、 繊維状チタ ン酸ァルカ リ 金属塩、 繊維状ホ ゥ酸遷移金属塩、 繊維状ホウ酸アルカ リ 土類金属塩、 繊 維状酸化亜鉛 (特公昭 6 0 — 5 5 2 9 号公報、 特公平 3 一 5 1 6 5 7 号公報等) 、 繊維状酸化チタ ン、 繊維状酸 化マ グネ シウム (特開昭 6 0 — 1 1 2 2 3 号公報、 特開 日召 6 1 — 2 1 0 0 0 0 号公報等 ) 、 繊維状石膏 (特公昭 5 8 — 1 2 2 3 5 号公報、 特公昭 5 8 — 3 4 4 1 0 号公 報等) 、 繊維状珪酸アルミ ニゥム (特公平 4 一
7 6 9 5 6 号公報、 特公平 7 — 9 6 4 8 0 号公報等) 、 繊維状珪酸カ ルシウム (特開平 8 — 3 1 9 1 9 9 号公報 特開平 9 一 4 0 8 4 0 号公報等) 、 繊維状炭化珪素 (特 開 昭 5 6 — 1 0 9 8 1 1 号公報、 特公平 1 — 4 9 9 9 号 公報等) 、 繊維状炭化チタ ン (特公昭 5 9 — 4 5 6 3 8 号公報、 特開昭 6 2 — 2 5 0 2 2 5 号公報等) 、 繊維状 窒化珪素 (特開昭 5 7 — 1 7 4 9 9 号公報、 特開昭 5 7 一 1 7 5 0 0 号公報) 、 繊維状窒化チタ ン (特開平 2 — 2 2 1 1 9 8 号公報、 特開平 7 — 1 7 3 0 0 0 号公報) 炭素繊維、 アルミ ナ繊維、 アルミ ナ — シ リ カ繊維、 ジル コ ニァ繊維、 ガ ラ ス繊維、 石英繊維等を挙げる こ とがで さ る 。
これ ら無機繊維状物質の 中で も 、 形状異方性を有す る も のが好ま し い。 こ のよ う な無機繊維状物質 と しては、 具体的 には、 繊維状チタ ン酸アルカ リ 金属塩、 繊維状ホ ゥ酸遷移金属塩、 繊維状ホウ酸アルカ リ 土類金属塩、 繊 維状酸化亜鉛、 繊維状酸化チタ ン、 繊維状酸化マ グネ シ ゥ ム、 繊維状石膏、 繊維状珪酸アル ミ ニウム、 繊維状珪 酸カ ルシウム、 繊維状炭化珪素、 繊維状炭化チタ ン、 繊 維状窒化珪素、 繊維状窒化チタ ン等の形状異方性を有す る も のが好ま し く 、 繊維状チタ ン酸アルカ リ 金属、 繊維 状ホウ酸遷移金属塩、 繊維状ホウ酸アルカ リ 土類金属塩
繊維状酸化チタ ン、 繊維状珪酸カ ルシウ ム等の形状異方 性 を有する も のが特 に好ま し い。 斯かる無機繊維状物質 の 中 で も 、 殊に平均繊維径が 0 . 0 5 〜 2 . 0 m程度 平均繊維長力" 〜 5 0 0 /z m程度で、 アス ペク ト 比 (繊 維長 Z繊維径) が通常 5 以上、 好ま し く は 1 0 以上の も のが好適であ る 。
s. ^ > れ ら の無機繊維状物質の 中で も 、 p H 6 . 0 〜 9 . 5 の も の を使用する のが好ま し い。 こ こ で、 無機 繊維状物質の p H と は、 無機繊維状物質の 1 . 0 重量 % 懸濁水 (脱イ オ ン水を使用) を 1 0 分間撹拌後、 2 0 °C で測定 した p H値を い う 。 無機繊維状物質の P Hが 9 . 5 を大幅に越え る と 、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂の物性 の低下及び耐熱変色性の低下が起る場合があ り 、 好ま し く な い。 一方 p Hが 6 . 0 を極端に下回 る と 、 得 ら れる 樹脂組成物の強度の向上効果が低下する のみな ら ず、 残 留する酸 によ り 、 カロェ機械、 金型を腐蝕する原因 に も な る ので、 好ま し く ない
これ ら の無機繊維状物質は、 1 種を単独で使用 でき又 は 2 種以上を併用でき る 。
本発明組成物 において、 無機繊維状物質の配合量は、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 1 0 0 重量部に対 して :! 〜 6 0 重 量部、 好 ま し く は 5 〜 4 0 重量部 とする 。 1 重量部未満
では、 溶融滴下 ( ド リ ッ プ) の防止効果が不十分にな る 。 一方、 6 0 重量部を超え る と 、 難燃剤であ る ホス フ ァ ゼ ン化合物の相対的濃度が下が り 、 得 ら れる 樹脂組成物の 難燃性が低下する。
水酸化マ グネ シ ゥム
本発明 においては、 水酸化マ グネ シウム は、 架橋ホス フ ァ ゼン化合物及び無機繊維状物質 と共 に相乗的 に作用 して、 樹脂成形物が燃焼する 際に、 樹脂が溶融滴下 ( ド リ ッ プ) する の を防止する効果を発揮する 。
本発明で使用する水酸化マ グネ シウム と しては、 市販 品及び合成品の いずれで も よ いが、 1 2 0 °Cで 1 時間加 熱 した と きの揮発成分を 0 . 0 1 〜 1 重量%含有 し、 平 均粒子径 0 . 1 〜 : L O O x m、 比表面積 ( B E T
Brunauer— Emmett— Tellerリ 法 0 . l 〜 5 0 0 m / g の水酸化マ グネ シウム を使用する のが好ま し い。 こ の よ う な水酸化マ グネ シウムの中でも 、 上記揮発成分の含量 が 0 . 0 5 〜 0 . 5 重量% であ り 、 平均粒子径 0 . 5 〜 3 0 a m , 比表面積 1 〜 2 O n^Z g の水酸化マ グネ シゥ ムが特に好ま し い。 尚、 平均粒子径は、 (株) 堀場製作 所製の堀場 · 自 然、 遠心沈降式、 自 動粒度分布測定装置 「 C A P A— 3 0 0 」 を使用 して測定さ れた も のであ る 。 揮発成分含量が 0 . 0 1 重量%未満では、 酸化マグネ
シゥ ム の副生に よ る難燃性の低下が起 こ る恐れがあ る 。 一方、 揮発成分含量が 1 重量 % を著 し く 超え る と 、 樹脂 と の混練時に揮発成分が樹脂の機械物性の低下を引 き起 こす場合があ る 。 平均粒子径が 0 . 1 / mよ り 小さ い場 合や比表面積が 0 . 1 m 2ノ g よ り 小さ い場合 (:: は、 水酸 化マ グネ シウム の取 り 扱いが難 し く なる。 一方、 平均粒 子径が 1 0 0 mよ り 大き い場合や比表面積が 5 0 0 m 2ノ g よ り 大き い場合に は、 樹脂 と の混練時 :分散 を充 分 に行 う こ とができず、 得 ら れる組成物 に充分な難燃性 を付与する こ とが困難にな る。
水酸化マ グネ シウムは、 脂肪酸、 脂肪酸塩、 シ リ 3 ン 系化合物、 エポキ シ系化合物等で被覆 して も よ い。 脂肪 酸 と しては、 例えばラ ウ リ ン酸、 ミ リ ス チ ン酸、 ノ°ル S チ ン酸、 ステア リ ン酸等を挙げる こ とができ る 。 脂肪酸 塩 と しては、 例えば前記の脂肪酸 と ナ ト リ ウム、 力 リ ウ ム、 マ グネ シウム、 カルシウム、 ノ リ ウム等のアル力 リ 金属又はアルカ リ 土類金属 と の塩等を挙げる こ とができ る 。 シ リ コ ン系化合物 と しては、 例え ばビニル 卜 リ ス ( 3 — メ ト キ シェ ト キ シ) シ ラ ン、 ビニゾレ ト リ エ ト キ シ シ ラ ン、 ビニル ト リ メ ト キ シ シラ ン、 ァ 一 (メ タ ク リ ロ ィ ルォキ シプロ ピル) ト リ メ ト キ シ シ ラ ン、 ァ ー ァ ミ ノ プロ ピル ト リ エ ト キシ シ ラ ン等を挙げる こ とができ る 。
エポキ シ系化合物 と しては、 例え ば 3 — ( 3 , 4 ー ェポ キ シ シク ロへキ シル) ェチル 卜 リ メ チル シ ラ ン、 ァ ー グ リ シ ド キ シプロ ビル ト リ メ ト キ シ シラ ン等 を挙げる こ と ができ る。
水酸化マグネ シウム の被覆は、 公知の方法に従い行 う こ とができ る。 例え ば上記脂肪酸等を メ 夕 ノ —ル、 イ ソ プロ ピルアルコ ール、 アセ ト ン等の有機溶媒に溶解 し た 後、 水酸化マ グネ シウム を加え、 攪拌、 混合 し 、 次レ で 濾過、 洗浄後、 温風乾燥器中 にて乾燥すればよ い。 水酸 化マ グネ シウム の被覆は、 一部被覆及び全面被覆の いず れであ っ て も よ いが、 全面被覆であ る のが望ま し い。
本発明で用 い られる水酸化マ グネ シゥム は、 例 えば協 和化学工業 (株) か ら 商品名 「 K I S U M A 1 2 0 、 5 A 、 5 B 、 5 E及び 5 J 」 で、 馬居化成ェ業 (株) か ら 商品名 「水酸化マグネ シウム 1 、 2 A及び 2 B 」 で、 それぞれ市販さ れてい る。
本発明の樹脂組成物 において、 水酸化マ グネ シゥムの 配合量は、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 1 0 0 部 に対 して 1 〜 6 0 重量部、 好ま し く は 5 〜 4 0 重量部 とする 。 1 重量部未満では、 樹脂成形物が燃焼する 際の ド リ ッ プを 防止効果が不十分にな る。 一方、 6 0 重量部を超え る と 得 ら れる樹脂成形物の機械物性が低下する 。
その他の添加剤
本発明 の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物 には、 そ の好ま し い特性を損なわな い範囲で、 樹脂の難燃化分野 において従来か ら常用 さ れる無機充填剤 を配合する こ と ができ る。 こ のよ う な無機充填剤 と しては、 例 え ば、 水 酸化アル ミ ニウム、 硫酸マ グネ シウム、 硫酸カ ル シウ ム 硫酸バ リ ウム、 硫酸アルミ ニウム、 硫酸アル ミ ニ ウム ァ ンモニ ゥム 、 硫酸アルミ ニウムカ リ ウム、 硫酸アル ミ 二 ゥムナ ト リ ウム、 炭酸マ グネ シウム 、 炭酸カ ル シウム、 リ ン酸アルミ ニウム、 リ ン酸ア ンモニゥム等を挙げる こ とができ る。 これ ら の無機充填剤は 1 種又は 2 種以上を 使用 でき る。
更に本発明の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物 に は その好ま し い特性を損なわない範囲で、 樹脂の難燃化分 野 において従来か ら常用 さ れる無機充填剤以外の各種添 加剤 を配合する こ とができ る。 こ の よ う な添加剤 と して は、 例え ば、 架橋ホス フ ァ ゼン化合物以外の難燃剤、 紫 外線吸収剤、 光安定剤、 酸化防止剤、 遮光剤、 金属不活 性剤、 消光剤、 耐熱安定剤、 潤滑剤、 離型剤、 着色剤、 帯電防止剤、 老化防止剤、 可塑剤、 衝撃強度改良剤、 上 記以外の充填剤、 相溶化剤等を挙げる こ とができ る 。 こ れ ら の添加剤は 1 種又は 2 種以上を適宜組合せて使用 で
さ る。
難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物の製造
本発明 の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物は、 上記 必須成分及び必要によ り その他の添加剤 を公知の方法 に 従っ て混合、 混練する こ と によ っ て製造でき る 。 例 え ば 1 軸押出機、 2 軸押出機等の押出機、 ノ ン ノ ' リ — ミ キサ ―、 加圧ニーダ一、 2 本 ロール等の混練機等にて、 芳香 族ポ リ ア ミ ド樹脂を溶融 し、 こ れに架橋ホス フ ァ ゼン化 合物、 無機繊維状物質、 水酸化マ グネ シ ゥム及び必要 に 応 じて他の添加剤を加え、 混練すればよ い。 ま た、 芳香 族ポ リ ア ミ ド樹脂、 無機繊維状物質、 水酸化マ グネ シゥ ム及び必要に応 じて他の添加剤 を ド ラ イ ブ レ ン ド し 、 得 ら れる混合物を押出機や混練機等で溶融 し 、 こ れに架橋 ホス フ ァ ゼン化合物を加えて混練 して も よ い。
難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体の製造
本発明 の難燃性樹脂組成物 を成形する こ と によ り 、 難 燃性樹脂成形体 を得る こ とができ る 。 例え ば、 射出成形 押出成形 (シー ト押出、 異形押出成形を含む) 、 真空成 形、 ブロー成形、 発泡成形、 射出 プ レス成形、 ガス注入 成形等の従来公知の成形手段よ り 、 樹脂板、 シ— 卜 、 フ イ ルム、 異形品等の種々 の形状の成形品を製造で き る こ と は勿論であ り 、 また共押出混練機等を用 いて、 二層乃
至三層構造の樹脂板を製造する こ と も可能であ る。
難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物及び成形体の用途
こ の よ う に して得 ら れる本発明 の難燃性樹脂組成物及 び難燃性樹脂成形体は、 電気 · 電子 · 通信、 農林水産、 鉱業、 建設、 食品、 繊維、 衣類、 医療、 石炭、 石油、 ゴ ム 、 皮革、 自動車、 精密機器、 木材、 家具、 印刷、 楽器 等の幅広 い産業分野に使用 でき る。
よ り 具体的 には、 本発明の難燃性樹脂組成物及び難燃 性樹脂成形体は、 プリ ン夕一、 パ ソ コ ン、 ワープロ 、 キ —ボー ド 、 P D A (小型情報端末機) 、 電話機、 フ ァ ク シ ミ リ 、 複写機、 E C R (電子式金銭登録機) 、 電卓、 電子手帳、 電子辞書、 カ ー ド 、 ホルダ一、 文具等の事務 • 〇 A機器、 洗濯機、 冷蔵庫、 掃除機、 電子 レ ンジ、 照 明器具、 ゲーム機、 アイ ロ ン、 炬鐽等の家電機器、 T V 、 V T R 、 ビデオカ メ ラ 、 ラ ジカセ、 テープ レコ ーダ一、 ミ ニディ ス ク 、 C D プレイ ヤ一、 M D プ レイ ヤ一、 ス ピ 一力 一、 液晶ディ ス プレイ 等の A V機器、 コ ネ ク タ一、 リ レー、 コ ンデンサ一、 スィ ッ チ、 プリ ン ト基板、 コ ィ ルポ ビ ン、 半導体封止材料、 電線、 ケーブル、 ト ラ ンス 、 偏向 ヨ ー ク 、 分電盤、 時計等の電気 · 電子部品及び通信 機器等の用途に使用 さ れる。
また、 本発明 の難燃性樹脂組成物及び難燃性樹脂成形
体は、 座席 (詰物、 表地等) 、 ベル ト 、 天井張 り 、 コ ン パーチブル ト ッ プ、 アーム レス ト 、 ド ア ト リ ム 、 リ ァ ッ ケ一ジ ト レイ 、 力 一ペ ッ ト 、 マ ッ ト 、 サ ンノ ィ ザ一、 ホイ ルカノ 一、 マ ツ 卜 レス カノ ー、 エアノ ッ ク 、 絶縁材 吊 り 手、 吊 り 手帯、 電線被服材、 電気絶縁材、 塗料、 コ —ティ ング材、 上張 り 材、 床材、 隅壁、 デ ッ キパネル、 カ バー類、 合板、 天井板、 仕切 り 板、 側壁、 力 ―へ ッ ト 壁紙、 壁装材、 外装材、 内装材、 屋根材、 防音板、 断熱 板、 窓材等の 自動車、 車両、 船舶、 航空機及び建築用材 料や、 衣類、 カ ーテン、 シーツ、 合板、 合繊板、 絨毯、 玄関マ ッ ト 、 シー ト 、 ノ ケッ、 ホー ス 、 容器、 眼鏡、 鞫 ケース 、 ゴーグル、 ス キー板、 ラ ケ ッ ト 、 テ ン ト 、 楽器 等の生活 · スポーツ用 品の各種用途に使用 さ れる 。
発明 を実施する ための最良の形態
以下に合成例、 参考例、 実施例、 比較例及び試験例 を 挙げ、 本発明 を更に詳 し く 説明する。 以下にお いて、 「部」 及び 「%」 と あ る のは、 それぞれ 「重量部」 及び 「重量%」 を意味する 。 また、 「一 P h 」 及び
「 ― P h —」 と あ る の は、 それぞれ 「 フ エニル基」 及び 「 フ エ二 レ ン基」 を意味する。
合成例 1 ( P — フ エ二 レ ン基によ る架橋構造を有する フ エ ノ キ シホス フ ァゼン化合物の合成)
フ エ ノ ール 1 0 3 5 g ( 1 . 1 モル) 、 水酸化ナ ト リ ウム 4 4 . 0 g ( 1 . 1 モル) 、 水 5 0 g 及び 卜 ルェ ン 5 0 0 m 1 の混合物 を加熱還流 し 、 水のみを系外に取 り 除 く こ と によ り 、 ナ 卜 リ ウム フ エ ノ ラ 一 卜 の ト ルエ ン 溶液を調製 した。
m BC反応 と並行 し、 2 リ ッ ト ル四つ III フ ラ ス コ にハイ ド ロ キ ノ ン 1 6 . 5 g ( 0 . 1 5 モル) 、 フ エ ノ ール 9 4 . 1 g ( 1 . 0 モル) 、 水酸化 リ チウ ム 3 1 . 1 g ( 1 . 3 モル) 、 水 5 2 g 及び ト ルェ ン 6 0 0 m 1 を入 れ、 こ の混合物 を加熱還流 し、 水のみを系外に取 り 除 く こ と によ り 、 ハイ ド 口 キ ノ ン と フ エ ノ ールの リ チウム塩 の 卜 ルェ ン溶液を調製 した。 こ の 卜 ルェ ン溶液に、 ジ ク ロルホス フ ァ ゼン才 リ ゴマ一 ( 3 量体 6 2 %、 4 量体 1 2 %、 5 量体及び 6 量体 1 1 %、 7 量体 3 %、 8 量体 以上 1 2 % の混合体) 1 . 0 ュニ ッ ト モル ( 1 1 5 . 9 g ) を含む 2 0 % ク ロ ルベ ンゼン溶液 5 8 0 g を、 撹拌 下 3 0 °C以下で滴下 した後、 1 1 0 °Cで 3 時間撹拌 した 次に、 こ の反応液に、 先に調製 したナ 卜 リ ゥム フ エ ノ ラ 一 卜 の 卜 ルェ ン溶液を撹拌下で添加 した後、 撹拌下に 1 1 0 °Cで 4 時間反応 を継続 した。
反応終了後、 反応混合物を 3 %水酸化ナ ト リ ウム水溶 液 1 . 0 リ ッ 卜 ルで 3 回洗浄 し、 次に、 水 1 . 0 リ ッ ト
ルで 3 回洗浄 した後、 有機層 を減圧下で濃縮 し た。 得 ら れた濃縮物 を 8 0 ° (:、 4 0 0 P a の圧力下に 1 1 時間加 熱真空乾燥 し、 架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンの微黄色粉 末 2 1 1 g を得た。
上記で得 ら れた架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンは、 加水 分解塩素 0 . 0 4 %、 重量平均分子量 ( M w ) 1 1 0 0
(ポ リ ス チ レ ン換算、 G P C分析) であ り 、 リ ン含有率 及び C H N元素分析値よ る組成は、 ほぼ
[ N = P (_ 0— p — P h - O - ) 0 . 1 5 (- O - P h ) 1 . 7 ] であ る こ と が判明 した。
T G D T A分析 (熱重量分析) では明確な融点は示 さ ず、 分解開始温度は 3 0 6 °C、 5 %重量減少温度は 3 1 1 °Cであ っ た。
また、 分析化学便覧 (改訂第 3 版 、 日 本分析化学会編 丸善 (株) 、 1 9 8 1 年) 第 3 5 3 頁に記載の無水酢酸 と ピ リ ジ ンによ る ァセチル化法 (以下単に 「ァセチル化 法」 と い う ) によ っ て残存水酸基の定量を行っ た結果、 検出限界 (サンプル 1 g 当 り の ヒ ド ロキ シ当量 と して 1 X 1 0 — 6当量 Z g ) 以下であ っ た
参考例 1
比較例で使用する 、 ハ ロゲンを含まない リ ン酸エス テ ル系難燃剤、 レ ゾルシノ ール— ビス (ジフ エニルホス フ
ェ ― h )
得
( C 6 H 5 O ) 2 P (= O ) O C 6 H 4 O P (= O ) (C 6H 5 O ) 2] を次の よ う に して合成 した。 2 U ッ 卜 ル四つ 口 フ ラ ス コ に、 フ エ ノ ール 1 8 0 . 5 g ( 1 . 9 2 モル) 、 塩化マ グネ シウム 1 . 4 g ( 0 . 0 2 モル) 及びキ シ レ ン 1 9 . 2 g を入れ、 加熱 混合 した。 反応液の温度が 1 2 0 °Cに達 し た時点で、 反 応液に才キ シ塩化 リ ン 1 4 7 . 2 g ( 1 . 0 モル) を約 2 時間か けて添加 した。 こ の際に発生する塩酸ガス は水 ス ク ラ バ一へ導いた。 ォキ シ塩化 リ ンの添加終了後、 反 応液の温度を 2 時間か けて徐々 に 1 8 0 °Cまで昇温 し 、 反応を完結 した。
し の反応液に、 レ ゾルシ ン 5 2 . 8 g ( 0 . 5 3 モ ル) 及び塩化アルミ ニゥム 1 . 4 g ( 0 . 0 1 モリレ) を 加 えて加熱 % π し、 反応温度 を 2 時間か けて徐々 に 1 8 0 °c まで昇温 した。 更に同温度にて 2 時間撹拌後、
2 6 7 0 0 P a の減圧下に更に 2 時間撹拌を行い、 反応 を完結 し た
ら れた反応混合物 にキ シ レ ン 3 3 0 g及び 1 0 %塩 酸 3 3 g を添加 し、 撹拌 して残存する触媒を除去 し 、 更 に 4 %食塩水 9 9 g で洗浄 した。 得 ら れた有機層か ら 、 減圧下でキ シ レ ン を除去 し、 目 的化合物 を油状物 と して
得た。 収率 9 9 . 2 %
合成例 2 ( 2 , 2 ' — ビス ( p — ォキ シフ エニル) イ ソ プ口 ピ リ デン基によ る架橋構造を有する フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンの合成)
フ エ ノ 一ル 6 5 9 g ( 0 . 7 モル) 及び ト ルエ ン
5 0 0 m 1 ¾ 1 リ ツ 卜 ル四つ ロ フ ラ ス コ に入れ、 撹拌下 内部の液温を 2 5 °C に保ち つつ、 金属ナ ト リ ウム
0 . 6 5 グラ ム原子 1 4 . 9 g を細か く 裁断 して投入 し た。 投入終了後 7 7 〜 1 1 3 °Cで金属ナ ト リ ゥムが完全 に消失する まで 8 時間撹拌を続けた。
、に
言己反応 と並行 し、 ビス フ エ ノ ール一 A 5 7 丄 g ( 0 . 2 5 モル) 、 フ エ ノ 一ル 1 0 3 . 5 g ( 1 . 1 モ ル) 及びテ 卜 ラ ヒ ド ロ フ ラ ン ( T H F ) 8 0 0 m 1 を 3 U ッ 卜 レ四つ ロ フ ラ ス コ に入れ、 撹拌下、 内部の液温 を
2 5 °C に保ちつつ、 金属 リ チ ウム 1 . 6 グラ ム原子 1 1 . 1 g を細か く 裁断 して投入 した。 投入終了後 6 1 〜 6 8 °Cで金属 リ チウ ムが完全に消失する まで 8 時間撹 拌を iけた。 こ のス ラ リ 一溶液に ジク ロ レホス フ ァ ゼン ォ リ ゴマー ( 3 量体 7 5 % 、 4 量体 1 7 % 、 5 量体及び 体 6 % 、 7 量体 1 % 、 8 量体以上 1 % の混合体)
1 . 0 ユニ ッ ト モル ( 1 1 5 . 9 g ) を含む 3 7 % ク π ルベ ゼン溶液 3 1 3 g を撹拌下、 内部の液温を 2 0 °C
以下に保ち つつ 1 時間かけて滴下 し た後、 8 0 °Cで 2 時 間攪拌 し た。 次 いで撹拌下、 内部の液温を 2 0 °Cに保ち つつ、 別途調製 したナ ト リ ウム フ エ ノ ラ ー ト溶液を 1 時 間か けて添加 し た後、 8 0 °Cで 5 時間攪拌 した。
反応終了後、 反応混合物を濃縮 して T H F を除去 し 、 新た に ト ルェ ン 1 リ ッ トルを添加 した。 こ の トリレエ ン溶 液を 2 % N a O H 1 リ ッ ト ルで 3 回洗浄 し 、 次に水 1 U ッ 卜 ルで 3 回洗浄 し た後、 有機層 を減圧下に濃縮 した , 得 ら れた生成物 を 8 0 。C、 4 0 0 P a以下で 1 1 時間加 熱真空乾燥 して、 架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンの 白色粉 末 2 2 9 g を得た
上記で得 ら れた架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンは、 加水 分解塩素 0 . 0 7 % 、 重量平均分子量 ( M w ) 1 1 3 0 (ポ リ スチ レ ン換算) であ り 、 燐含有率及び C H N元素 分析値によ り 、 組成はほぼ
[N = P (- O— P h— C(CH3)2-Ph- 0-) o. 25(-0-P h) 1. 50] と決定 した。
T G / D T A分析 ; 明確な融点は示 さ ず、 分解開始温度 : 3 0 8 °C、 5 %重量減少温度 : 3 1 3 。C
残存水酸基量 : 検出限界 (サ ンプル l g 当 り の ヒ ド ロキ シ当量と して I X 1 0 — 6当量 Z g ) 以下 (ァセチル化 法) 。
合成例 3 ( 4 , 4 ' — スルホニルジ フ エ 二 レ ン基 ( ビス フ ェ ノ 一ルー S 残基) によ る架橋構造を有する フ エ ノ キ ホス フ ァ ゼンの合成)
フ ェ ノ ール 1 0 3 . 5 g ( 1 . 1 モル) 及び T H F
5 0 0 m 1 を 1 リ ッ 卜 ル四つ 口 フ ラ ス コ に入れ、 撹拌下 内部の液温を 2 5 °C に保ちつつ、 金属ナ ト リ ウム 1 . 1 グラ ム原子 2 5 . 3 g を細か く 裁断 して投入 した。 投入 終了後 6 5 〜 7 2 °Cで金属ナ ト リ ゥムが完全に消失する で 5 時間撹拌を続けた。
目I 反応 と並行 し、 1 リ ッ 卜 ル四つ 口 フ ラ ス コ 中で、 フ ェ ノ ール 9 4 . 1 g ( 1 . 0 モル) 及びビス フ エ ノ ー ル一 S 8 7 . 5 g ( 0 . 3 5 モル) を T H F 5 0 0 m 溶解 し、 こ の溶液に 2 5 °C以下で金属ナ ト リ ウ ム
. 0 5 g 原子の砕片 2 4 . 1 g を投入 し 、 投入終了後
1 時間か けて 6 1 °C まで昇温 し、 更に 6 1 〜 6 8 °Cで 6 時間撹拌を続け、 ナ 卜 リ ウム フ エ ノ ラ 一 ト溶液を調製 し た の溶液を ジク ロルホス フ ァ ゼンォ リ ゴマ一 ( 3 量 体 6 2 %、 4 量体 1 2 %、 5 量体及び 6 量体 1 1 %、 7 体 3 %、 8 量体以上 1 2 % の混合体) 1 . 0 ユニ ッ ト モル ( 1 1 5 . 9 g ) を含む 2 0 % ク ロノレベ ンゼン溶液 5 8 0 g に、 2 5 °C以下の冷却 · 撹拌下で滴下後、 7 1
7 3 °Cで 3 時間撹拌 した。 次に、 こ の反応液に、 先に
調製 したナ ト リ ウム フ エ ノ ラ 一 ト溶液を滴下 した後、 撹 拌下に 7 1 〜 7 3 °Cで 3 時間反応を継続 した。
反応終了後、 反応混合物 を濃縮 し 、 濃縮物を ク ロ ルべ ンゼン 5 0 0 m 1 に再溶解 し た後、 5 % N a O H水洗浄 を 3 回、 5 %硫酸洗浄を 1 回、 5 %重曹水洗浄を 1 回、 水洗を 3 回行っ た後、 洗浄液を濃縮乾固 し 、 架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンの淡黄色粉末 2 1 6 g を得た。
上記で得 ら れた架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼンは、 加水 分解塩素 0 . 0 5 %、 重量平均分子量 ( M w) 1 0 3 0 (ポ リ ス チ レ ン換算) であ り 、 燐含有率及び C H N元素 分析値に よ り 、 組成はほぼ
[N = P(-0-Ph-S02-Ph-0-) o. 25(-0-Ph) i. so] と決定 した。
T Gノ D T A分析 ; 融解温度 T m : 1 0 3 °C、 分解開始 温度 : 3 2 1 °C、 5 %重量減少温度 : 3 3 2 °C
残存水酸基量 : 検出限界 (サ ンプル l g 当 り の ヒ ド ロ キ シ当量 と して I X 1 0 — 6当量 Z g ) 以下 (ァセチル化 法) 。
比較合成例 1 ( P — フ エ二 レ ン基に よ る架橋構造を有す る フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物の合成)
特開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報に記載の合成例 1 に 従っ て、 p — フ エ二 レ ン基によ る架橋構造を有する フ エ
ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物を合成 した。
即ち 、 2 . 0 4 モル ( 1 9 6 g ) の フ エ ノ ール と同モ ル ( 8 2 g ) の水酸化ナ ト リ ウムか ら ト ルエ ンで共沸脱 水 してナ 卜 リ ウム フ エ ノ ラ一 卜 の 2 0 % ト ルエ ン溶液約 1 2 0 0 g を調製 した
前 d反応 と並行 し、 ジク ロルホス フ ァ ゼ ンォ リ ゴマ ー ( 3 量体 5 8 . 5 7 %、 4量体 1 2 . 2 6 %、 5 量体及 び 6 量体 1 1 . 1 1 %、 7 量体 2 . 8 2 %、 8 量体以上 1 2 . 0 4 % の混合体 ) 1 1 5 . 9 g を含む 2 0 % ク ロ ルベ ンゼン溶液 5 8 0 g を 2 リ ツ ト ルの四ッ ロ フ ラ ス コ に入れ、 撹拌下に、 別途調製 した八ィ ド ロ キ ノ ンの ジ リ チウム塩 0 . 1 5 モル ( 1 8 . 3 g ) の 1 0 % ト ルエ ン 溶液を滴下 した。 滴下後、 5 0 °Cで 5 時間撹拌反応 し 、 引 き続いて、 先に調製 したナ 卜 リ ゥム フ エ ノ ラ — 卜 の 2 0 % 卜 ルェ ン溶液約 1 2 0 0 g を撹拌下に滴下 し、 1 0 0 。Cで 8 時間撹拌反応さ せた
反応終了後、 反応混合物を濃縮 し、 水 Zメ タ ノ ール = 1 Z 1 容量比の混合溶媒 3 リ ッ ト ル中 に撹拌下に注入 し 希硫酸で中和 した後、 濾過 した。 次いで、 3 リ ッ ト ルの 水 メ タ ノ ール 1 容量比の混合溶媒で 2 回洗浄、 濾過 し、 8 0 °C 、 2 0 m m H g下に 1 1 時間加熱真空乾 燥 して、 2 2 0 g の微黄色粉末を得た。
上記で得 ら れた架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物は 明確な融点は示 さ ず、 T G Z D T A分析によ る分解開始 温度は 3 0 5 °C を示 していた。 また、 リ ン含有率及び C H N元素分析値よ り 、 こ の架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼ ン化合物の組成は、 ほぼ
[ N = P (_ 〇 - - p - P h - O 一 ) ( - O - P h ) であ る こ とが判明 した。
ァセチル化法 に従っ て、 上記で得 ら れた架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物中 の フ リ 一の水酸基量 を測定 した その結 、 上 ΰL·で得 ら れた架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン 化合物中 の フ リ 一の水酸基量は、 サ ンプル l g 当 り の ヒ ド ロ キ シ当量 と して 0 . 2 X 1 0 — 3当量 Z g であ り 、 分 子内 に水酸基を有 していた。
比較合成例 2
特開平 1 1 — 1 8 1 4 2 9 号公報に記載の合成例 2 に 従っ て、 2 , 2 一 ビス ( p — ォキ シフ エニル) プロノ ン 基によ る架橋構造を有する フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合 物 を合成 した。
即ち ビス フ エ ノ ール A 8 6 . 7 g ( 0 . 3 8 モ ル) 及びテ ト ラ ヒ ド ロ フ ラ ン ( T H F ) 4 6 0 m l を 2 リ ッ 卜ルの四ッ ロ フ ラ ス コ に入れ、 撹拌下、 内部の液温 を 1 9 °C に保ち つつ、 金属 L i 3 . 5 g ( 0 . 5 モ
ル) を裁断 して投入 した。 投入終了後 1 時間かけて 6 1 °C まで昇温、 6 1 0C 〜 6 8 °Cで 4 時間撹拌を続けた。 反 応終了後、 反応混合物の ビス フ エ ノ ール一 Aの リ チウム 塩は白色ス ラ リ ー にな つ た。
フ エ ノ ール 2 1 5 . 6 g ( 2 . 2 5 モル ) 及び 卜 ルェ ン 5 0 0 m 1 を 3 リ ツ 卜 ルの四ッ □ フ ラ ス コ に入れ、 撹 拌下、 内部の液温を 2 5 °C に保ちつつ、 金属 N a
3 4 . 5 g ( 1 . 5 モル ) を裁断 して投入 した。 投入終 了後 4 時間かけて 7 7 °C まで昇温 7 7 °C 〜 1 1 3 °Cで 3 時間撹拌を続けた。 反応終了後 反応混合物のナ 卜 リ ゥム フ エ ノ ラー ト は白色ス ラ リ ー なつ た
シク ロ ルホス フ ァ ゼン才 リ ゴマ (濃度 3 7 . 0 1 % モ ノ ク ロ ルベ ンゼン溶液, 3 量体 5 8 . 5 7 % 、 4 量体 1 2 . 2 6 % 、 5 及び 6 量体 1 1 1 1 % 、 7 I 体 2 . 8 2 % 、 8 量体以上 1 2 . 0 4 % の混合体 )
3 1 3 . 1 3 g ( 1 . 0 モル) を 5 リ ッ 卜 ルの四つ ロ フ ラ ス コ に入れ、 撹拌下、 内部の液 を 2 0 °C に保ち つつ ビス フ エ ノ —ルー Aの リ チウム塩 液を 1 時間か けて滴 下 した。 内容物は淡黄色 ミ ルク状 なつ た。 次いで撹拌 下、 内部の液温を 2 0 °C に保ち つつ、 ナ 卜 リ ウム フ エ ノ ラ一 ト溶液を 1 時間か けて滴下 し た。 内容物は褐色ス ラ リ ―状になつ た。 滴下終了後 4 7 °cで 1 3 時間、 撹拌を
続けた。 淡褐色ス ラ リ ー状になっ た。
反応終了後、 反応混合物を濃縮 した。 次いで 2 %
N a O H 3 リ ッ トルで 3 回洗浄、 濾過、 水 Zメ タ ノ ー ル = 1 Z 1 容量比の混合溶媒 3 リ ッ トルで 3 回洗浄、 濾 過 し、 8 0 °C、 2 0 mm H g下に 1 1 時間加熱真空乾燥 し た と こ ろ 白色の粉末が得 ら れた。 収量 2 0 8 . 6 7 g ジ ク ロ ルホス フ ァ ゼン に対する収率 8 6 . 5 0 %。
得 ら れた化合物の加水分解塩素は 0 . 9 3 %、 分解温 度は 2 9 6 . 0 °C、 5 %減量温度は 3 0 7 . 7 °Cであ つ た。 リ ン含有率並びに C H N元素分析値よ り 最終物の組 成は、
[N=P (-0-P h - C (CH3)2-P h-O-)0.2E (-0- P h) 1. 5 0] で あ っ た。
ァセチル化法に従っ て、 上記で得 ら れた架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物中 の フ リ ーの水酸基量を測定 し た その結果、 上記で得 ら れた架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼ ン 化合物中 の フ リ ーの水酸基量は、 サンプル 1 g 当 り の ヒ ド ロ キ シ当量と して 0 . 2 X 1 0 _3当量 g であ り 、 分 子内 に水酸基を有 して いた。
合成例 4 ( [― H N— p — P h — C H 2- - p - P h - N H — O C — ( C H 2) 8 - C O - ] の繰 り 返 し単位を有する 芳香族ポ リ ア ミ ド の合成)
導入管及び減圧用 コ ッ ク付きォー ト ク レーブ中で
4 , 4 ' 一 ジア ミ ノ ジフ エニルメ タ ン 9 9 l g ( 5 . 0 モル) とセパ'シ ン酸 1 0 6 2 g ( 5 . 2 5 モル) と の混 合物 を、 窒素気流下 2 8 5 °Cに加熱 し、 溶融 した。 次い で、 ォ一 卜 ク レーブの内部圧 を 1 3 3 3 P a に減圧 し、 更に溶融状態を 1 時間保持 し た後、 再び窒素気流下、 常 圧常温まで冷却 し、 目 的の芳香族ポ リ ア ミ ド を製造 した 得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド の固有粘度は 0 . 7 0 〜 0 9 2 d 1 gであ つ た ( 5 %の塩化 リ チウ ム を含む N, N _ ジメ チルァセ ト ア ミ ド 中 、 0 . 5 g Z d l の濃度、 3 0 °Cで測定) 。
合成例 5 ( [-H N -(C H 2) 6-N H -0 C - p -P h -C O -] の繰 り 返 し単位を有する芳香族ポ リ ア ミ ド の合成)
4 , 4 ' 一 ジァ ミ ノ ジフ エ二ルメ タ ン及びセバシ ン酸 に代えて、 同モル量のへキサメ チ レ ンジア ミ ン及びテ レ フ 夕ル酸 を用 い る以外は、 合成例 4 と 同様に操作 し 、 目 的の芳香族ポ リ ア ミ ド を製造 した。
得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド の固有粘度は 0 . 6 9 〜 0 . 8 7 d 1 / g であ っ た ( 5 %の塩化 リ チウム を含む N, Nー ジ メ チルァセ ト ア ミ ド 中 、 0 . 5 g Z d l の濃 度、 3 0 °Cで測定
合成例 6 ( [-H N ( C H 2) 6-N H -0 C _m- P h - C 〇 -]
の繰 り isし単 1 を有する芳香族ポ リ ア ミ ド の合成) テ レ フ 夕ル酸 に代えて同モル量のイ ソ フ タル酸 を使用 する以外は、 合成例 5 と 同様に操作 し、 目 的の芳香族ポ リ ア ミ ド を製造 した。
得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド の固有粘度は 0 . 6 5 〜
0 . 8 4 d 1 ノ g であ つ た ( 5 %の塩化 リ チウム を含む N, N — ジメ チルァセ 卜 ア ミ ド 中、 0 . 5 g Z d l の濃 度、 3 0 °Cで測定
合成例 7([(-0C-p- Ph-NH- ) o. 6(-OC-m-Ph-COO- (CH2) 2-0-) 0. 4] の繰 り 返 し単位を有する芳香族ポ リ ア ミ ド の合成)
P — ァセ 卜 ア ミ ド安息香酸 8 9 5 g ( 5 . 0 モル) と ポ リ (エチ レ ンィ ソ フ 夕 レー ト) (固有粘度 0 . 5 6 ) 6 4 0 g ( 3 . 3 3 モル ) と の混合物を 2 0 メ ッ シュ以 下の粒状に粉砕 し 、 得 ら れる粉砕物 を減圧コ ッ ク付きォ 一 ト ク レーブに入れ、 1 3 . 3 P a の減圧下で、 1 8 0 °Cで 1 時間、 2 2 0 °Cで 3 時間、 2 3 0 °Cで 1 0 時間カロ 熱 した後、 室温まで冷却 し、 目 的の芳香族ポ リ ア ミ ド を 製造 した。
得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド の固有粘度は 0 . 5 7 〜
0 . 6 8 d 1 / g であ っ た (フ エ ノ ール /テ ト ラ ク ロ 口 ェタ ン = 6 0 / 4 0 ( V / V ) の混合溶媒中、 0 . 5 g / d 1 の濃度、 2 5 °Cで測定) 。
実施例 1
合成例 4 で得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 1 0 0 部を 熱風循環式乾燥器 (夕バイ ェス ペ ッ ク (株) 製の
Per f ec t Oven Or iginal— PH200) にて 1 2 0 。Cで 1 2 8寺間 乾燥 した後、 これに無機繊維状物質 1 0 部及び水酸化マ グネ シゥム 1 0 部を混合 した。 こ の混合物を粉体供給機 (商口口口名 : Accurate— Model— 100、 (株) ク ラ マエ ンジニ ァ リ ン グ製) よ り 二軸押出機 (商品名 : S卜 KRC, 2 5 m mニーダ一、 栗本鉄工所 (株) 製) に供給 し 、 ス ク リ ュ 一温度 2 4 0 〜 2 7 0 °Cで混練、 溶融 した後、 ス ク リ ュ 一中央部分よ り 難燃剤 (架橋ホス フ ァ ゼン化合物) 1 5 部又は 2 0 部を添加 し、 更に混練、 溶融 し た。 得 ら れた溶融物 をペ レタ イ ザ一 (商品名 : Mode 1- C- 3、 ェ ンプ ラ産業 (株) 製) に供給 し、 1 2 種の本発明難燃性芳香 族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物のペ レ ッ ト を製造 した。 よ り 具 体的な組成を下記表 1 に示す。
尚 、 架橋ホス フ ァゼン化合物 と しては合成例 1 〜 3 で 得 ら れた架橋ホス フ ァ ゼン化合物を用 いた。 ま た、 無機 繊維状物質及び水酸化マグネ シウム と しては、 次の も の を用 いた。
繊維状チタ ン酸カ リ ウム : 商品名 「テ ィ スモ N —
1 0 2 」 、 大塚化学 (株) 製、 平均繊維径 0 . 4 m、
平均繊維長 1 5 m , アスペ ク ト比 1 0 以上、 p H 9 . 5 、 以下 「 T I S M〇 」 と レ う 。
繊維状珪酸カルシゥム : 商品名 「バイ ス タル」 、 大塚 化学 (株) 製、 平均繊維径 0 . 4 /2 11 、 平均繊維長 2 8 m、 ァスぺク ト比 7 以上、 p H 9 . 5 、 以下 「W N」 と い う 。
繊維状ホウ酸マ グネ シウム : 商品名 「 P G M」 、 大塚 化学 (株) 製、 平均繊維径 0 . 4 / m、 平均繊維長 1 5 m > ァスぺク 卜比 1 0 以上、 p H 9 . 0 、 以下 「 P G M」 と レ う 。
水酸化マグネ シゥム : 商品名 「 K I S U M A
1 2 0 」 、 協和化学工業 (株) 製、 揮発分含量 ( 1 2 0 °C · 1 時間) 0 . 1 %、 平均粒子径 1 . 0 i m、 比表面 積 ( B E T法) 5 m 2Z g 、 粒子表面無被覆品。
比較例 1
無機繊維状物質又は水酸化マ グネ シウム を使用 しな い か、 或い は架橋ホス フ ァ ゼン化合物 に代えて参考例 1 で 得 ら れた レ ゾルシ ノ ーリレ ー ビス (ジ フ エ ニリレホ ス フ エ 一 卜 ) を使用する以外は、 実施例 1 と 同様に操作 し、 5 種 の芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物のペ レ ツ ト を製造 し た。 よ り 具体的な組成を下記表 1 に示す。
No. 芳香族ポリアミド 難 燃 剤 無機繊維状物質 水酸化マグネシウム
(配合量、 部) (配合量、 部) (配合量、 部) 配合量、 部
1 合成例 4 (100) 合成例 1 (20) T I S M O (10) 1 0
2 合成例 4 :100) 合成例 1 (15) T I S M O (10) 1 0
実 3 合成例 4 〔100) 合成例 2 (20) T I S MO (10) 1 0
4 合成例 4 :100) 合成例 3 (20) T I S M O (10) 1 0
施 5 合成例 4 oo) 合成例 1 (20) WN (10) 1 0
6 合成例 4 a 00) 合成例 2 (20) WN (10) 1 0
例 7 合成例 4 αοο) 合成例 2 (15) WN (10) 1 0
8 合成例 4 :100) 合成例 3 (20) WN (10) 1 0
1 9 合成例 4 uoo) 合成例 1 (20) P GM (10) 1 0
10 合成例 4 (100) 合成例 2 (20) P GM (10) 1 0
11 合成例 4 :100) 合成例 3 (20) P GM (10) 1 0
12 合成例 4 〔100) 合成例 3 (15) P GM (10) 1 0
比 1 合成例 4 〔100) 合成例 1 (20) 1 0
較 2 合成例 4 〔100) 合成例 1 (20) WN (10) 0
例 3 合成例 4 a oo) 参考例 1 (20) T I S M O (10) 1 0
1 4 合成例 4 〔100) 参考例 1 (20) WN (10) 1 0
5 合成例 4 :100) 参考例 1 (20) P GM (10) 1 0
実施例 2 〜 4
芳香族ポ リ ア ミ ド と して、 合成例 4 で得 ら れた芳香族 ポ リ ア ミ ド に代えて合成例 5 で得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド (実施例 2 ) , 合成例 6 で得 られた芳香族ポ リ ア ミ ド (実施例 3 ) 又は合成例 7 で得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド (実施例 4 ) を使用する以外は、 実施例 1 と 同様に して 各実施例 につき各々 1 2 種の本発明難燃性ポ リ ア ミ ド樹 脂組成物のペ レ ッ ト を製造 した。
比較例 2 〜 4
芳香族ポ リ ア ミ ド と して、 合成例 4 で得 ら れた芳香族
ポ リ ア ミ ド に代えて合成例 5 で得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド (比較例 2 ) 、 合成例 6 で得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド (比較例 3 ) 又は合成例 7 で得 ら れた芳香族ポ リ ア ミ ド (比較例 4 ) を使用する以外は、 比較例 1 と 同様に して、 各比較例 につ き各々 5 種のポ リ ア ミ ド樹脂組成物のペ レ ッ ト を製造 し た。
試験例 1
実施例 1 〜 4 及び比較例 1 〜 4 で得 ら れた各ポ リ ア ミ ド樹脂組成物のペ レ ッ ト につ いて、 下記の試験を実施 し た。
1 . 難燃性試験 : U L — 9 4 の試験法 (Test for F 1 ammab i 1 i t y of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances UL 94, Fourth
Edi tion) に基づき、 厚さ 1 1 6 イ ンチ、 長さ 5 イ ンチ 幅 0 . 5 イ ンチの試験片 (ペ レ ッ ト か ら の試験片の作成 は、 下記 5 . の加工性の と こ ろ で述べる の と同 じ条件下 に行っ た) を用 いて評価試験を実施 した。 評価基準を以 下に示す。
V - 0 : 下記 ( A ) 〜 ( E ) の条件を全て満たす。
( A ) 1 セ ッ ト 5個の どの試験片 も接炎後の フ レイ ミ ン グ (炎を あ げて燃え続ける) は 1 0 秒以下。
( B ) 1 セ ッ ト 5個の試験片 に 2 回ずつ、 合計 1 0 回 の
接炎後の フ レイ ミ ング合計は 5 0 秒以内。
( C ) 1 セ ッ ト 5 個の どの試験片 も ク ラ ンプまでフ レイ ミ ン グ しない。
( D ) 1 セ ッ ト 5個の どの試験片 も 3 0 5 mm下の綿 を 発火する フ レイ ミ ング粒 を滴下 しな い。
( E ) 1 セ ッ ト 5 個の どの試験片 も 2 回 目 の接炎後、 グ 口一イ ン グ (残 じん : 炎 を あ げて燃えな いが、 赤熱 し た 火種 と して残る) は 3 0 秒以内。
V — 1 : 下記 ( A ) 〜 ( E ) の条件を全て満たす。 ( A ) 1 セ ッ ト 5個の どの試験片 も接炎後の フ レイ ミ ン グは 3 0 秒以内。
( B ) 1 セ ッ ト 5個の試験片に 2 回ずつ、 合計 1 0 回 の 接炎後の フ レイ ミ ング合計は 2 5 0 秒以内。
( C ) 及び ( D ) は V— 0 に同 じ。
( E ) 1 セ ッ ト 5 個の どの試験片 も 2 回 目 の接炎後、 グ ロ ーイ ングは 6 0 秒以内。
V - 2 : 下記 ( A ) 〜 ( E ) の条件を全て満たす。 ( A ) ( B ) ( C ) ( E ) は V— 1 に同 じ。
( D ) 1 セ ッ ト 5個の試験片の う ち一つ以上が 3 0 5 mm下の綿を発火する フ レイ ミ ン グ粒を滴下する。
H B : 水平試験で 1 セ ッ ト 3 個の どの試験片 も接炎後 1 0 1 . 6 m m標線まで燃えない。
2 . 平均燃焼時間 : 1 セ ッ ト 5 個の試験片 を接炎 2 回 合計 1 0 回接炎後の フ レイ ミ ン グの合計時間 を 1 0 で除 し た値 を平均燃焼時間 と した。
3 . ド リ ッ プの有無 : 上記 1 . の難燃性試験時、 綿 を 発火する フ レイ ミ ン グ粒 ( ド リ ッ プ) の有無を 目視で判 定 し た。
4 . 溶融混練押出状態 : 難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 組成物の溶融混練押出 し時の状態を観察 し 、 次の基準で 判定 し た。
良好 ; ス ト ラ ン ドが安定 して一定の太さ で引 ける 。
不良 ; ス ト ラ ン ドが不安定で、 引 き取 り 時に太さ が変化 し 、 折れ易 く 、 し ばし ば切断する。
5 . 加工性 : 難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物のぺ レ ツ ト を熱風循環式乾燥器中 にて 1 2 0 °Cで 1 2 時間乾 燥 した後、 射出成形機 (商品名 : M I N I MAT - 2 6 / 1 5 B、 住友 重機械工業 (株) 製) を用 い、 シ リ ンダー温度 2 2 0 〜 2 8 0 °C、 金型温度 5 0 〜 9 0 °Cで、 上記 1 . 難燃性試 験の試験片を射出成形する際の状態を観察 し、 次の基準 で判定 した。
良好 ; ペ レ ッ ト を容易 に供給でき、 得 ら れる試験片の表 面が安定 して滑 らかであ る。
不良 ; ペ レ ッ ト が供給ス ク リ ユーで滑 り 易 く 、 得 ら れる
試験片の表面が荒れている。
6 . 色相 : 添加剤を配合しない樹脂を基準 して目視 によ り判定した。
結果を表 2 〜表 5 に示す。
表 2 難 燃 性 能 成 形 加 工 性 能
No. 難燃性 平均燃焼 ドリップ混練押出 S式験片 試験片 時間 (秒) の有無 状態 加工性 色相
1 V- 0 2. 0 to 良 好 良好 薄黄白色
2 V- 0 5. 1 良 好 良好 薄黄白色
3 V- 0 4. 0 良 好 良好 薄黄白色
4 V- 0 3. 1 良 好 良好 灰 色 施 5 V- 0 5. 0 良 好 良好 灰 色
6 V- 0 3. 6 is 良 好 良好 灰 色 例 7 V- 0 8. 1 良 好 良好 薄黄白色
8 V- 0 4. 4 fHr 良 好 良好 薄黄白色
1 9 V- 0 1. 0 良 好 良好 薄黄白色
10 V- 0 1. 5 良 好 良好 薄黄白色
11 V- 0 1. 0 良 好 良好 薄黄白色
12 V- 0 7. 7 to 良 好 良好 薄黄白色 比 1 HB 有 不 良 不良 灰 色
較 2 HB 有 不 良 不良 灰 色
例 3 V- 2 8. 2 有 不 良 不良 灰 色
1 4 V- 2 6. 9 有 不 良 不良 灰 色
5 V- 2 1 1. 0 有 不 良 不良 灰 色
表 3
難 燃 性 能 成 形 加 工 性 能
No. 難燃性 平均燃焼 ドリップ 混練押出 B式験 試 験 片 時間 (秒) の有無 状 態 加工性 色 相
1 V- 0 3. 6 良 好 良好 薄黄白色
2 V- 0 6. 4 良 好 良好 灰 色
3 V- 0 4. 9 良 好 良好 薄黄白色
4 V- 0 2. 4 良 好 良好 灰 色 施 5 V- 0 5. 1 良 好 良好 灰 色
6 V- 0 3. 3 良 好 良好 灰 色 例 7 V- 0 8. 0 良 好 良好 灰 色
8 V- 0 4. 1 良 好 良好 灰 色 3 9 V- 0 2. 2 姐 良 好 良好 灰 色
10 V- 0 3. 0 良 好 良好 灰 色
11 V- 0 2. 1 良 好 良好 薄黄白色
12 V- 0 9. 1 良 好 良好 薄黄白色 比 1 ΗΒ 有 不 良 不良 灰 色
2 V- 2 15. 0 有 不 良 不良 灰 色 例 3 V- 2 12. 3 有 不 良 不良 灰 色 3 4 V- 2 10. 1 有 不 良 不良 灰 色
5 V- 2 13. 2 有 不 良 不良 灰 色
表 5
本発明 の上記 ( b ) の特定架橋ホス フ ァ ゼン化合物が 配合さ れた芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体は、 特開平 1 1 — 1 8 1 4 2 9 号公報に記載さ れている架橋ホス フ ァ ゼ ン化合物が配合さ れた芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体に比 し 、 難燃性が顕著に優れていた。 また、 本発明 の上記 ( b ) の特定架橋ホス フ ァ ゼン化合物が配合さ れた芳香 族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体の機械物性は、 特開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報に記載さ れてい る架橋ホス フ ァ ゼ ン 化合物が配合さ れた芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体の機械 物性に比 し、 格段に優れていた。 こ の こ と を、 以下の難
燃性能試験及び機械物性試験か ら 明 ら か にする 。
難燃性能試験及び機械物性試験 :
( 1 ) 架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物
架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物 と して、 合成例 1 で得 ら れた架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物 (以下、 こ の化合物を 「難燃剤 A」 と い う ) 及び合成例 2 で得 ら れた架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物 (以下、 こ の化 合物 を 「難燃剤 B 」 と い う ) 、 並びに比較合成例 1 (特 開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報の合成例 1 ) で得 ら れた 架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物 (以下、 こ の化合物 を 「難燃剤 a 」 と い う ) 及び比較合成例 2 (特開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報の合成例 2 ) で得 ら れた架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物 (以下、 こ の化合物 を 「難燃 剤 b 」 と い う ) を使用 した。
( 2 ) 難燃性樹脂組成物のペ レ ッ ト
芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 と して、 本願明細書の合成例 4 で得 られた芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂を使用 し た。
無機繊維状物質 と して繊維状チタ ン酸力 リ ゥ ム及び繊 維状珪酸カ ルシウム を使用 した。
繊維状チタ ン酸カ リ ウム : 商品名 「テ ィ ス モ N —
1 0 2 」 (大塚化学 (株) 製、 平均繊維径 0 . 4 m 、 平均繊維長 1 5 m、 アスペク ト比 1 0 以上、 p H
9 . 5 、 以下 「 T I S M〇」 と レ、 う 。
繊維状珪酸カ ルシウ ム : 商品名 「バイ ス タ ル」 、 大塚 化学 (株) 製、 平均繊維径 0 . 4 m、 平均繊維長 2 8 11 m , アス ペク ト 比 7 以上、 p H 9 . 5 、 以下 「W N」 と レ 。
下記の配合で、 4種の樹脂組成物のペ レ ッ ト を製造 し た。
(1) 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂 1 0 0 重量部を熱風循環式 乾燥器 (夕バイ ェス ペ ッ ク (株) 製の Perfect Oven Or iginal-PH200 ) にて 1 2 0 °Cで 1 2 時間乾燥 し た後、 こ れに T I S M〇 1 0 重量部及び水酸化マ グネ シウ ム 1 0 重量部を混合 した。 こ の混合物 を粉体供給機 (商品 名 : Accurate— Model_100、 (株) ク ラ マエ ン ジニア リ ン グ製) よ り 二軸押出機 (商品名 : S卜 KR 2 5 mm二一 ダ一、 栗本鉄工所 (株) 製) に供給 し、 ス ク リ ュー温度 2 4 0 〜 2 7 0 °Cで混練、 溶融 した後、 ス ク リ ユ ー中央 部分よ り 難燃剤 A 2 0 重量部を添加 し、 更に混練、 溶 融 した。 得 られた溶融物 をペ レタイ ザ一 (商品名 : Model- C- 3、 エ ン プラ産業 (株) 製) に供給 し 、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物のペ レ ッ ト (以下 「ペ レ ッ ト A」 と い う ) を製造 し た。
(2) 難燃剤 Aの代わ り に難燃剤 a 2 0 重量部を用 い
る 以外は、 上記 ( 1 )と 同様に して、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹月ほ 組成物のペ レ ッ ト (以下 「ペ レ ッ ト a 」 と レ う ) を製造 し た。
(3) T I S M Oの代わ り に W N 1 0 重量部を用 い、 難燃剤 Aの代わ り に難燃剤 B 2 0 重量部を用 い る以外 は、 上記 ( 1 ) と 同様 ί二 して、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物 のペ レ ッ ト (以下 「ペ レ ッ ト B」 と レ う ) を製造 した。
(4) T I S Μ Οの代わ り に W N 1 0 重量部を用 い、 難燃剤 Αの代わ り に難燃剤 b 2 0 重量部を用 い る以外 は、 上記 ( 1 )と同様 ί二 して、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物 のペ レ ッ ト (以下 「ペ レ ッ ト b」 と レ う ) を製造 した。
( 3 ) 各種のペ レ ツ 卜 の難燃性能及び機械物性
上記で得 ら れたぺ レ ツ 卜 A、 ペ レ ツ 卜 a 、 ペ レ ツ 卜 B 又はべ レ ツ 卜 b について、 難燃性能、 平均燃焼時間及び ド U ッ プの有無を調ベた。 こ れ ら の試験方法は、 上記試 験例 1 の方法 と同 じであ る。 更に こ れ ら 4種のペ レ ッ ト か ら 、 射出成形機 (商品名 : MINIMAT- 26/15B、 住友重機 械工業 (株) 製) を用 い、 シ リ ンダー温度 2 2 0 〜
2 8 0 °C、 金型温度 5 0 〜 9 0 °Cで、 試験片を作成 し 、 ァィ ゾッ 卜 ( I Z 〇 D ) 衝撃強さ 、 引張強度及び曲 げ強 度を測定 した。
ァィ ゾ ッ 卜 ( I Z O D ) 衝撃強さ : J I S — K 7 1 1
0 i
0 に準 じ 、 I Z 〇 D衝撃試験機 (東洋精機 (株) 製) を 用 いて、 2 3 °Cで測定 し た。
引張強度 : J I S - K 7 1 1 3 に準 じ、 島津オー ト グ ラ フ D S C - 2 0 0 0 ( (株) 島津製作所製) を用 いて 2 3 °C で測定 した。
曲げ強度 : J 1 s - K 7 1 1 6 に準じ、 島津ォ一 卜 グ ラ フ A G - 5 0 0 0 A ( (株) 島津製作所製) を用 いて 2 3 °Cで測定 し た。
れ ら の結果を下記表 6 に示す。
次 上記で得 られたペ レ ツ 卜 A、 ペ レ ツ 卜 a 、 ペ レ ッ 卜 B 又はペ レ ッ 卜 b を、 空気雰囲気中 にて 1 5 0 °Cで 7 2 0 時間加熱 した後、 上記 と 同様に して難燃性能、 平 均燃焼時間及び ド リ ッ プの有無 を調べる と共 に、 上記 と 同様に し一し 3式験片を作成 し、 アイ ゾ ッ ト ( I Z O D ) 衝 さ 、 引張強度及び曲 げ強度を調べた。
れ ら の結果を下記表 6 に併せて示す。
難 燃 性 能 機 械 物 生 難燃剤 フ リ ーの 難燃性 平均燃焼 ドリ ップ I Ζ 0 D 引張強度 曲げ強度 水酸基 時問(秒) の有無 (J/M) (MPa) (MPa) 難燃剤 A V - 0 2 . 0 6 0 8 0 1 0 0 加熱前 難燃剤 B V - 0 3 . 6 ίΠΕ 5 7 8 1 9 5 難燃剤 a 有 V - 0 6 . 1 挺 5 5 7 7 8 9 難燃剤 b 有 V - 0 5 . 7 5 2 7 9 9 0 難燃剤 A V - 0 8 . 3 5 3 7 9 9 9 加熱後 難燃剤 B V - 0 7 . 8 5 4 7 8 9 2 難燃剤 a 有 V一 1 2 3 . 0 狭 3 9 6 1 7 0 難燃剤 b 有 V一 1 1 9 . 9 4 1 5 5 6 7
上記表 6 の結果よ り 、 本発明の架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物が配合 さ れたポ リ ア ミ ド樹脂成形体は、 特 開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報の架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物が配合 されたポ リ ア ミ ド樹脂成形体に比 し 難燃性及び機械物性が著 し く 優れてい る こ とがわか る 。 例 え ば、 ポ リ ア ミ ド樹脂組成物を長時間加熱 し た場合 に は、 特開平 1 1 一 1 8 1 4 2 9 号公報記載の架橋 フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物が配合さ れたポ リ ア ミ ド樹脂成 形体の難燃性及び機械物性が大き く 低下する こ と か ら 、 本発明の架橋フ エ ノ キ シホス フ ァ ゼン化合物が配合 さ れ たポ リ ア ミ ド樹脂成形体の難燃性が極めて優れて い る こ とが明 ら かであ る 。 こ の こ と は、 本発明 の芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物 を高温下に長時間保存 しておいた後に使 用 して も 、 本発明の 目 的を達成でき る こ と を裏付ける も のであ る。
発 明 の 効 果
本発明 の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物は、 下記 に示す多 く の利点を有 している。
( 1 ) 本発明の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物は八 ロ ゲン化合物を含有せず、 従っ て樹脂成形時にハ ロ ゲ ン 化合物が熱分解 してハ ロゲン化水素等を発生 し 、 金型の 腐食や樹脂の劣化及び着色を惹起する こ と はな い。
(2) 火災等 に よ り 本発明の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹 脂成形物が燃焼する際には八 ロ ゲ ン化水素等の生物 に対 する有害ガスや煙を発生する こ とがない。
(3) 本発明 の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物及び 成形体は、 U L規格の V _ 0 に相 当する優れた難燃性を 備えてい る 。
(4) 本発明 の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体が燃 焼する 際 に 、 樹脂が溶融滴下する こ とがな い。 即ち 、 本 発明 の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体は、 燃焼時の ド リ ッ プ防止性を備えてい る 。
(5) 本発明の難燃性芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂成形体は、 芳香族ポ リ ア ミ ド樹脂が本来有 してい る機械特性、 成形 加ェ性等の好ま し い特性が損なわれる こ とな く 、 その ま ま保持 して い る 。
(6)本発明 の難燃性芳香族ポ リ ァ ί ド樹脂組成物は、 該 組成物 を長期 に亘つ て保存 しておいた場合で も 、 その芳 香族ポ リ ア ミ ド樹脂組成物を成形 して得 られる 成形体に 優れた難燃性及び機械特性を付与する こ とができ る。