WO2000062348A1 - Solar cell back cover material, sealing film and solar cell - Google Patents

Description

明細書 太陽電池用バックカバー材、 封止膜及び太陽電池 技術分野

本発明は、太陽電池用セルの裏面側保護部材として用いられるパックカバー材と、 このバックカバー材を用いた封止膜及び太陽電池に係り、 特に、 防湿性、 耐久性に 優れ、 しかも絶縁性が高く、 リーク電流がない太陽電池用バックカバー材及び太陽 電池用バックカバー材兼用封止膜とこの太陽電池用バックカバー材を裏面側保護部 材として用いた高耐久性かつ高性能の太陽電池に関する。 > 背景技術

近年、 資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、 太陽光を直接電気工ネルギ 一に変換する太陽電池が注目され、 開発が進められている。

太陽電池は、 一般に、 図 4に示す如く、 受光面側の表面側透明保護部材としての ガラス基板 1 1と裏面側保護部材 （バックカバー材） 1 2との間にエチレン一酢酸 ビニル共重合体 （E V A) フィルム 1 3 A, 1 3 Bの封止膜により、 太陽電池用セ ル、 即ち、 シリコン等の発電素子 1 4を封止した構成とされている。

このような太陽電池は、 ガラス基板 1 1、 封止膜用 E V Aフィルム 1 3 A、 シリ コン発電素子 1 4、 封止膜用 E V Aフィルム 1 3 B及びバックカバー材 1 2をこの 順で積層し、 E V Aを加熱溶融して架橋硬化させることにより接着一体化すること で製造される。

このような太陽電池のバックカバー材 1 2としては、 太陽電池の軽量薄肉化の観 点から、 ーフッ化ポリエチレンフィルムゃ白色ポリエステルフィルム等の樹脂フィ ルムが用いられる。

太陽電池のバックカバー材には、 軽量で十分な耐久性を有することに加えて、 湿 気ないし水の透過による内部の導線や電極の発鑌を防止するために、 防湿性に優れ ることが極めて重要な要件となるが、 従来の樹脂フィルムよりなるバックカバー材 では、 十分な防湿性を得ることができなかった。

なお、 一般に、 防湿フィルムとしては、 基材フィルムにアルミニウム等の金属の コーティング膜を形成したものも知られているが、 アルミニウム等の金属では、 太 陽電池に適用した場合、 電流がリークする恐れがあるため、 太陽電池の防湿フィル ムとして不適当である。 発明の開示

本発明の目的は、 太陽電池用セルの裏面側保護部材として用いられるバック力バ ー材であって、 軽量かつ薄肉で防湿性、 耐久性に優れ、 しかも絶縁性が高く、 リー ク電流がない太陽電池用バックカバー材及び太陽電池用バックカバー材兼用封止膜 と、 このバックカバー材を裏面側保護部材として用いた、 高耐久性かつ高性能の太 陽電池を提供することを目的とする。

本発明の太陽電池用バックカバー材は、 太陽電池用セルの裏面側保護部材として 用いられるバックカバー材において、 外皮フィルムと防湿フィルムとをエチレン一 酢酸ビニル共重合体 （E V A) 系接着剤により積層一体化してなる太陽電池用バッ クカバー材であって、 該防湿フィルムが、 基材フィルムの表面に無機酸化物のコ一 ティング膜を形成したフィルムを有することを特徴とする。

本発明の太陽電池用バックカバ一材はガラスを用いていないために軽量かつ薄肉 である。

また、 基材フィルム表面に無機酸化物のコーティング膜を形成した防湿フィルム であれば、 高い防湿性を得ることができ、 しかも、 絶緣性であるためリーク電流の 問題もない。 このような防湿フィルムを外皮フィルムに積層一体化するに当って、 接着性に優れた E V A系接着剤を用いることにより、耐久性を高めることができる。 本発明の太陽電池用パックカバー材兼用封止膜は、 エチレン一酢酸ビニル共重合 体フィルムを E V Aフィルムに変える太陽電池用セルの裏面側保護部材を兼ねた封 止膜であって、 請求項 1ないし 7のいずれか 1項に記載の太陽電池用バックカバー 材と E V Aフィルムとを、 該バック力バー材の外皮フィルムと反対側の面に E V A フィルムを配置して積層一体化してなることを特徴とするものである。

本発明の太陽電池は、 表面側保護部材と裏面側保護部材との間に太陽電池用セル を封止してなる太陽電池において、 裏面側保護部材として上記本発明の太陽電池用 バックカバー材を用いたものである。 図面の簡単な説明

図 1は本発明の太陽電池用バックカバー材の実施の形態を示す断面図である。 図 2は本発明の太陽電池用バックカバー材の他の実施の形態を示す断面図である。 図 3は本発明の太陽電池の実施の形態を示す断面図である。

図 4は従来の太陽電池を示す断面図である。

¾明を実施するための最良の形態

以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。

図 1 , 2は本発明の太陽電池用バックカバー材の実施の形態を示す断面図、 図 3 は本発明の太陽電池の実施の形態を示す断面図である。

図 1に示す太陽電池用バックカバー材 1は、 防湿フィルム 2と外皮フィルム 3と を E V A系接着剤のフィルム （以下 「E V Aフィルム」 と称す。 ） 4を介して積層 し、 接着一体化したものである。

防湿フィルム 2としては、 ポリエチレンテレフタレート （P E T ) フィルム等 O 透明基材フィルム 2 Aに C V D (化学蒸着） 、 P V D (反応蒸着） 法等により、 シ リカ、 アルミナ等の無機酸化物のコーティング膜よりなる防湿膜 2 Bを形成したも のが好ましく、 この防湿膜 2 B形成面が E V Aフィルム 4により外皮フィルム 3と 貼り合わされる。

ところで、 図 1に示す如く、 基材フィルム 2 Aの表面に形成したシリカ、 アルミ ナ等の無機酸化物よりなる防湿膜 2 Bは、 取り扱い時等に傷付いたり、 剥離したり し易い。 このため、 防湿フィルム 2は、 図 2に示すバックカバ一材 1 Aの如く、 2 枚の基材フィルム 2 A， 2 A間に無機酸化物のコ一ティング膜よりなる防湿膜 2 B を形成した構成とし、防湿膜 2 Bが表面に露出しないようにしたものとしても良い。 なお、 図 2に示すバックカバ一材 1 Aは、 防湿フィルム 2 'の外皮フィルム 3との貼 り合せ面と反対側の面に反射フィルム 5が E V Aフィルム 4により積層一体化され ている。 このように反射フィルム 5を設けることにより、 光の有効利用効率を高め 発電効率を高めることができる。 このような積層型のバックカバー材 1 Aは、 P E

Tフィルム等の基材フィルムの表面にシリカ、 アルミナ等の無機酸化物よりなる防 湿膜を形成したフィルムを 2枚用い、 これらを防湿膜側を内側にして E V Aフィル ム等の接着フィルムで貼り合わせることにより、 或いは更に、 白色 P E Tフィルム 等の反射フィルムを同様に E V Aフィルム等の接着フィルムを用いて貼り合わせる と共に、 外皮フィルム 3を貼り合わせることにより製造することができる。 ここで、 使用される E V Aフィルム及びその接着条件は、 後述の防湿フィルムと外皮フィル ムの接着の場合と同様である。

なお、 防湿フィルム 2， 2， の基材フィルム 2 Aとしては厚さ 6〜2 50 mの 透明 P ETフィルムが好適であり、 防湿膜 2 Bは 5 im以下の厚さに形成するのが 好ましい。 また、 反射フィルム 5としては、 厚さ 6〜2 5 0 m程度の白色 PET フィルムが好適である。

外皮フィルム 3としては、 耐紫外線性に優れたフッ素樹脂フィルムが挙げられ、 フッ素樹脂フィルムとしては、 ポリテトラフルォロエチレン （PTFE)、 4—フッ 化工チレン-パークロロアルコキシ共重合体（P F A)、 4ーフッ化工チレン一 6— フッ化プロピレン共重合体（FEP)、 2一エチレン一 4ーフッ化工チレン共重合体 (ETFE)、 ポリ 3—フッ化塩化エチレン （P CTFE)、 ボリフッ化ビニリデン (PVDF) 及びポリフッ化ビニル （PVF) 等が挙げられる。

このような外皮フィルム 3の厚さは、 1 2〜20 0 zm程度であることが好まし い。

本発明の太陽電池用バックカバー材 1は、 前述の防湿フィルム 2と外皮フィルム 3との間に EVAフィルムを介在させて、 当該 EVAフィルム 4の接着条件で加熱 加圧するなどして接着一体化することにより、 容易に製造することができる。

ここで用いられる EVAフィルムの厚さは 5〜 50 m程度であることが好まし い。

このような太陽電池用バックカバ一材を用いて本発明の太陽電池を製造するには、 図 4に示す従来の太陽電池のバックカバー材の代りに本発明のバックカバ一材を用 いて封止を行えば良いが、 その際、 本発明のバックカバー材を予め封止用 EVAフ イルムと積層一体化して本発明の太陽電池用バックカバー材兼用封止膜として用い るのが好適である。

本発明の太陽電池用バックカバー材兼用封止膜は、 図 3の 1 Bに示す如く、 外皮 フィルム 3と防湿フィルム 2を EVAフィルム 4で積層一体化してなる本発明のバ ックカバー材 1或いは更に反射フィルム 5を積層一体化してなる本発明のバックカ バー材 1 Aの外皮フィルム 3と反対側の面に封止用 EVAフィルム 6を配置して積 層一体化してなるものである。

なお、 封止用 EVAフィルムの厚さは 0. 1〜 lmm程度であることが好ましい。 本発明の太陽電池 1 0は、 図 3に示す如く、 本発明の太陽電池用バックカバー材

1、 封止用 EVAフィルム 6、 シリコン発電素子 7等の太陽電池用セル、 封止用 E V Aフィルム 6及び表面側透明保護部材 8としてのガラス板や高機能性積層フィル ムの積層体を、 常法に従って、 真空ラミネーターで温度 1 2 0〜 1 5 0 °C、 脱気時 間 2〜 1 5分、 プレス圧力 0 . 5〜l a t m、 プレス時間 8 ~ 4 5分で加熱加圧圧 着することにより容易に製造することができる。

なお、 本発明の太陽電池用バックカバー材及び太陽電池に用いられる E V Aフィ ルムの製膜原料としての E V A樹脂組成物には、 耐候性の向上のために架橋剤を配 合して架橋構造を持たせるが、 この架橋剤としては、 一般に、 1 0 0で以上でラジ カルを発生する有機過酸化物が用いられ、特に、配合時の安定性を考慮に入れれば、 半減期 1 0時間の分解温度が 7 0で以上であるものが好ましい。 このような有機過 酸化物としては、 例えば 2， 5—ジメチルへキサン； 2 , 5—ジハイド口パーォキ サイド ； 2 , 5—ジメチル— 2 , 5—ジ （ t —ブチルパーォキシ） へキサン； 3— ジー t 一ブチルパーォキサイ ド ； tージクミルパーォキサイド ； 2 , 5—ジメチル - 2 , 5—ジ （ t 一ブチルパーォキシ） へキシン； ジクミルパーオキサイド ； α， a ' —ビス （ t 一ブチルパーォキシイソプロピル） ベンゼン； n—プチルー 4 , 4 一ビス （ tーブチルバ一ォキシ） ブタン； 2 , 2—ビス （ t 一ブチルパーォキシ） ブタン； 1 , 1 一ビス （ t —ブチルバ一ォキシ） シクロへキサン； 1 , 1 一ビス （ t 一ブチルパーォキシ） 3， 3 , 5—卜リメチルシクロへキサン； t 一ブチルパーォ キシベンゾエート ；ベンゾィルパ一ォキサイド等を用いることができる。 これらの 有機過酸化物の配合量は、 一般に E V A榭脂 1 0 0重量部に対して 5重量部以下、 好ましくは 1〜 3重量部である。

また、 接着力向上の目的で、 E V A樹脂にシランカップリング剤を添加すること ができる。 この目的に供されるシランカップリング剤としては公知のもの、 例えば アークロロプロビルトリメトキシシラン； ビニルトリクロロシラン； ビニルトリエ トキシシラン： ビニルートリス一 （)3—メトキシエトキシ） シラン； ァ一メタクリ ロキシプロビルトリメトキシシラン： /3— （3， 4一エトキシシクロへキシル） ェ チルトリメ卜キシシラン； ァーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン； ビニル トリァセトキシシラン； ァーメルカプトプロビルトリメトキシシラン； ァ—ァミノ プロビルトリメトキシシラン； N— 一 （アミノエチル） 一ァーァミノプロビルト リメトキシシラン等を挙げることができる。 これらのシランカップリング剤の配合 量は、 一般に E V A榭脂 1 0 0重量部に対して 5重量部以下、 好ましくは 0 . 1〜 2重量部である。 更に、 E V A樹脂のゲル分率を向上させ、 耐久性を向上するために E V A樹脂に 架橋助剤を添加することができる。 この目的に供される架橋助剤としては、 公知の ものとしてトリァリルイソシァヌレート ； トリアリルイソシァネート等の 3官能の 架橋助剤の他、 N Kエステル等の単官能の架橋助剤等も挙げることができる。 これ らの架橋助剤の配合量は、一般に E V A樹脂 1 0 0重量部に対して 1 0重量部以下、 好ましくは 1〜 5重量部である。

更に、 E V A樹脂の安定性を向上する目的でハイドロキノン ；ハイドロキノンモ ノメチルエーテル； p—ベンゾキノン； メチルハイドロキノンなどを添加すること ができ、 これらの配合量は、 一般に E V A榭脂 1 0 0重量部に対して 5重量部以下 である。

更に、 必要に応じ、 上記以外に着色剤、 紫外線吸収剤、 老化防止剤、 変色防止剤 等を添加することができる。 着色剤の例としては、 金属酸化物、 金属粉等の無機顔 料、 ァゾ系、 フタロシアニン系、 アデ系、 酸性又は塩基染料系レーキ等の有機顔料 がある。 紫外線吸収剤には、 2—ヒドロキシー 4ーォクトキシベンゾフエノン； 2 -ヒドロキシ一 4—メトキシ一 5—スルフォベンゾフエノン等のベンゾフエノン 系； 2— ( 2 ' —ヒドロキシ— 5—メチルフエニル） ベンゾトリアゾール等のベン ゾトリァゾール系； フエニルサルシレート ； p— t—ブチルフエ二ルサルシレ一ト 等のヒンダートァミン系がある。 老化防止剤としては、 アミン系； フエノール系； ビスフエニル系； ヒンダ一トァミン系があり、 例えばジー t—プチル— p—クレゾ ール； ビス （2 , 2 , 6 , 6—テ卜ラメチル— 4ーピペラジル） セバケート等があ る。 産業上の利用可能性

以上詳述した通り、 本発明の太陽電池用パックカバー材は、 軽量かつ薄肉で防湿 性、 耐久性に優れ、 リーク電流もないため、 この太陽電池用バックカバー材を太陽 電池の裏面側保護部材として用いることにより、 高防湿性で発锖の問題もなく、 耐 久性に優れ、 リーク電流による性能低下の問題もない高性能の太陽電池を提供する ことができる。

本発明の太陽電池用バックカバー材兼用封止膜は、 このような太陽電池用バック カバー材と E V Aフィルムとを積層一体化してなるものであるため、 この本発明の 太陽電池用バックカバー材兼用封止膜を用いることで、 軽量で耐衝撃性、 耐久性に 優れ、 高性能な太陽電池を良好な作業性のもとに効率的に製造することができる。 本発明の太陽電池は、 本発明の太陽電池用バックカバー材を裏面側保護部材とし て用いたものであり、 高性能で耐久性にも優れる。

Claims

請求の範囲

1 . 太陽電池用セルの裏面側保護部材として用いられるパックカバー材において、 外皮フィルムと防湿フィルムとをエチレン一酢酸ビニル共重合体系接着剤により積 層一体化してなる太陽電池用パックカバー材であって、 該防湿フィルムが、 基材フ イルムの表面に無機酸化物のコ一ティング膜を形成したフィルムを有することを特 徴とする太陽電池用バックカバー材。

2 . 請求項 1において、 前記防湿フィルムが、 2枚の基材フィルム間に無機酸化 物のコーティング膜を設けた積層フィルムよりなることを特徴とする太陽電池用バ ックカバー材。

3 . 請求項 1又は 2において、 前記防湿フィルムがポリエチレンテレフタレー卜 フィルムにシリカ又はアルミナのコ一ティング膜を形成したものであることを特徴 とする太陽電池用バックカバー材。

4 . 請求項 1ないし 3のいずれか 1項において、 前記外皮フィルムがフッ素樹脂 フィルムであることを特徴とする太陽電池用バックカバ一材。

5 . 請求項 4において、 該フッ素榭脂がポリテトラフルォロエチレン、 4ーフッ 化工チレン—パークロロアルコキシ共重合体、 4—フッ化工チレン一 6—フッ化プ ロピレン共重合体、 2—エチレン— 4—フッ化工チレン共重合体、 ポリ 3—フッ化 塩化エチレン、 ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニルよりなる群から選ばれ る 1種又は 2種以上であることを特徴とする太陽電池用バックカバ一材。

6 . 請求項 1ないし 5のいずれか 1項において、 前記防湿フィルムの、 外皮フィ ルムとの貼り合せ面と反対側の面に反射層が形成されていることを特徴とする太陽 電池用バックカバ一材。

7 . 請求項 6において、 前記反射層は白色ポリエチレンテレフ夕レートフィルム よりなることを特徴とする太陽電池用バックカバー材。

8 . 太陽電池用セルの裏面側保護部材を兼ねた封止膜であって、 請求項 1ないし 7のいずれか 1項に記載の太陽電池用バックカバー材とエチレン—酢酸ビニル共重 合体フィルムとを、 該バックカバー材の外皮フィルムと反対側の面にエチレン一酢 酸ビニル共重合体フィルムを配置して積層一体化してなる太陽電池用バックカバ一 材兼用封止膜。

9 . 表面側保護部材と裏面側保護部材との間に太陽電池用セルを封止してなる太 陽電池において、 該裏面側保護部材が請求項 1ないし 7のいずれか 1項に記載され る太陽電池用バックカバー材であることを特徴とする太陽電池。