明細書
電子機器、 被充電電子機器および電子機器の制御方法 技術分野
本発明は、 電子機器、 被充電電子機器および電子機器の制御方法に関する。 さ らに詳しくは、 本発明は、 携帯用電子機器に充電を行う電子機器、 充電される携 帯用電子機器である被充電電子機器、 および携帯用電子機器に充電を行う電子機 器の制御方法に関する。 背景技術
近年、 携帯通信端末や電子時計などのような小型携帯電子機器 (被充電電子機 器) には、 ステーションと呼ばれる充電器に収容されて充電されるものが知られ ている。 充電可能な小型携帯電子機器内には、 電気エネルギーを蓄電するための 蓄電装置としてリチウムイオン二次電池を有するものがある。 リチウムイオン二 次電池は、 高電圧、 高エネルギー密度で自己放電が比較的少ない等の利点を有す ることから、 特に高エネルギー密度が要求される小型携帯電子機器 (例えば、 携 帯電話、 カメラ一体型ビデオテープレコーダ、 ノート型パーソナルコンピュータ など) に多く用いられている。
リチウムイオン二次電池は、 いわゆるリミッ夕電圧以上の電圧を印加するとデ ンドライ ト (樹枝状結晶) が析出し、 内部短絡の現象が起こり電池の寿命を短く することとなる。 そこで、 一般的な充電方法としては、 リチウムイオン二次電池 の充電電圧がリミッ夕電圧に至るまでは定電流充電を行い、 充電電圧がリミツ夕 電圧に至った以降は定電圧充電を行う。 例えば特開平 5 — 1 1 1 1 8 4号公報に その詳細が記載されている。
しかし、 この充電方法においては、 充電電圧がリミッタ電圧に至った以降は、 消費電流はほとんど変化しないにも拘わらず、 充電電流が格段に減少するため、 消費電力が無駄になる。 また、 リーク電流と、 充電制御回路の動作に起因する小 型携帯電子機器の発熱により温度が上昇し続け、 小型携帯電子機器およびリチウ ムイオン二次電池の劣化が生じることがありうる。
発明の開示
本発明は、 充電時の消費電流の無駄を減少させることができる電子機器、 被充 電電子機器および電子機器の制御方法を提供する。
本発明の一つの態様によれば、 繰り返し充電が可能な蓄電部を有する被充電装 置に対し充電を行う電子機器が、 充電制御信号に基づいて前記蓄電部に対し充電 を行う充電部と、 前記蓄電部における蓄電電圧が予め設定した基準電圧未満であ る場合に充電を行う際の単位時間当たりの実効的な充電時間である第 1実効充電 時間 T 1と、 前記蓄電電圧が前記基準電圧以上である場合に充電を行う際の単位 時間当たりの実効的な充電時間である第 2実効充電時間 T 2とが式 ( 1 ) を満た すように予め定められており、 前記第 1実効充電時間 T 1、 前記第 2実効充電時 間 T 2および前記蓄電部における蓄電電圧と前記基準電圧との比較結果に基づい て前記充電制御信号を出力する充電制御部と、 を備えていてもよい。
T 1 > T 2 …… ( 1 ) 本発明の他の態様によれば、 繰り返し充電が可能な蓄電部を有する被充電装置 に対し充電を行う電子機器が、 充電制御信号に基づいて前記蓄電部に対しパルス 充電を行う充電部と、 前記蓄電電圧が予め定めた基準電圧未満である場合に充電 を行う際の単位時間当たりの前記パルス充電における第 1パルス数 Ρ 1と、 前記 蓄電電圧が前記基準電圧以上である場合に充電を行う際の単位時間当たりの前記 パルス充電における第 2パルス数 Ρ 2とが式 (2 ) を満たすように予め定められ ており、 前記第 1パルス数 P l、 前記第 2パルス数 Ρ 2および前記蓄電部におけ る蓄電電圧と前記基準電圧との比較結果に基づいて、 前記充電制御信号を出力す る充電制御部と、 を備えていてもよい。
Ρ 1 > Ρ 2 …… (2 ) 本発明の他の態様によれば、 繰り返し充電が可能な蓄電部を有する被充電装置 に対し充電を行う電子機器が、 充電制御信号に基づいて前記蓄電部に対し充電を 行う充電部と、 前記蓄電部における充電電流が予め設定した基準電流以上である 場合に充電を行う際の単位時間当たりの実効的な充電時間である第 1実効充電時 間 Τ 1と、 前記蓄電時電流が前記基準電流未満である場合に充電を行う際の単位
時間当たりの実効的な充電時間である第 2実効充電時間 T 2とが式 ( 1 ) を満た すように予め定められており、 前記第 1実効充電時間 T 1、 前記第 2実効充電時 間 T 2および前記蓄電部における蓄電時電流と前記基準電流との比較結果に基づ いて前記充電制御信号を出力する充電制御部と、 を備えていてもよい。
T 1 > T 2 …… ( 1 ) 本発明の他の態様によれば、 繰り返し充電が可能な蓄電部を有する被充電装置 に対し充電を行う電子機器が、 充電制御信号に基づいて前記蓄電部に対しパルス 充電を行う充電部と、 前記蓄電部における充電電流が予め定めた基準電流以上で ある場合に充電を行う際の単位時間当たりの第 1パルス数 Ρ 1と、 前記蓄電時電 流が前記基準電流未満である場合に充電を行う際の単位時間当たりの第 2パルス 数 Ρ 2とが式(2 )を満たすように予め定められており、 前記第 1パルス数 Ρ Κ 前記第 2パルス数 P 2および前記蓄電部における蓄電時電流と前記基準電流との 比較結果に基づいて、 前記充電制御信号を出力する充電制御部と、 を備えていて もよい。
P 1 > P 2 …… ( 2 ) 本発明の他の態様によれば、 前記の電子機器のいずれかにより充電される被充 電電子機器が、 繰り返し充電が可能な蓄電部と、 前記蓄電部における蓄電電圧を 検出し、 蓄電電圧検出結果を出力する蓄電電圧検出出力部を備えていてもよい。 本発明の他の態様によれば、 前記の電子機器のいずれかにより充電される被充 電電子機器が、 繰り返し充電が可能な蓄電部と、 前記蓄電部における蓄電電圧を 検出する蓄電電圧検出部と、 前記蓄電電圧検出部で検出された蓄電電圧と予め設 定された基準電圧とを比較し、 比較結果を出力する比較結果出力部と、 を備えて いてもよい。
本発明の他の観点によれば、 繰り返し充電が可能な蓄電ュニットを有する被充 電装置に対し充電を行う電子機器の制御方法が、 前記蓄電ユニットに対し充電を 行うことと、 前記蓄電ュニッ卜における蓄電電圧が予め設定した基準電圧未満で ある場合に充電を行う際の単位時間当たりの実効的な充電時間である第 1実効充 電時間 T 1と、 前記蓄電電圧が前記基準電圧以上である場合に充電を行う際の単 位時間当たりの実効的な充電時間である第 2実効充電時間 T 2とが式 ( 1 ) を満
たすように予め定められており、 前記第 1実効充電時間 T 1、 前記第 2実効充電 時間 T 2および前記蓄電ュニッ卜における蓄電電圧と前記基準電圧との比較結果 に基づいて前記充電を制御することと、 を備えていてもよい。
T 1 > T 2 …… ( 1 ) 図面の簡単な説明
以下、 添付図面を参照しながら本発明に係る様々な実施形態を説明する。 添付 図面において、
図 1は、 リチウムイオン二次電池の動作原理を説明するための図である。
図 2は、本発明の実施形態および従来例の動作状態を説明するための図である。 図 3は、 本発明の実施形態にかかるステーションおよび電子時計の構成を示す 平面図である。
図 4は、 前記ステーションおよび前記電子時計の構成を示す断面図である。 図 5は、 前記ステーションの電気的構成を示すプロック図である。
図 6は、 前記ステーションにおける、 同一経路を通るが、 異なる状況下で生成 される第 1および第 2充電信号の波形を示す図である。
図 7は、 前記ステーションにおけるコマンド検出器の構成を示すプロヅク図で ある。
図 8は、 前記コマンド検出器の動作を説明するためのタイミングチャートであ る。
図 9は、 前記ステーションの受信回路の一例を示す回路図である。
図 1 0は、 前記受信回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図 1 1は、 前記電子時計の電気的構成を示すブロック図である。
図 1 2は、 前記電子時計における動作を説明するためのタイミングチャートで ある。
図 1 3および図 1 4は、 前記ステーションおよび前記電子時計の間における充 電 ·データ転送の動作を示す一つのフローチャートを構成する。
図 1 5は、前記ステーションにおける表示部の表示の様々な例を示す図である。 図 1 6は、 前記ステーションおよび前記電子時計の間における具体的動作を説
明するためのタイミングチャートである。
図 1 7は、 前記ステーションの変形例の電気的構成を示すブロック図である。 図 1 8は、 前記電子時計の変形例の電気的構成を示すブロック図である。 図 1 9は、 前記ステーションの他の変形例の電気的構成を示すブロック図であ る。
図 2 0は、 前記電子時計の他の変形例の電気的構成を示すブロック図である。 発明を実施するための最良の形態
[ 1 ] リチウムイオン二次電池の動作原理および実施形態の原理
実施形態の具体的な説明に先立ち、 リチウムイオン二次電池の動作原理および 本発明の原理について図 1を参照して説明する。
リチウムイオン二次電池の充放電動作および電池反応式は、 図 1に示す通りで ある。 充電時のリチウムイオンの挙動に着目すると、 充電は大別して以下の 2段 階を経て行われる。
第 1段階:正極からリチウム (L i ) がリチウムイオン (L i +) として有機電 解液中に溶解する過程 (溶解過程) 。
第 2段階:有機電解液中に溶解したリチウムイオン (L i +) が負極の黒鉛化炭 素材料の層間に入り込んで (ィンサ一シヨンして)、 吸蔵される過程(吸蔵過程) 溶解過程の進行速度を V 1とし、 吸蔵過程の進行速度を V 2とすると、 充電初 期には、 v l = v 2である。 しかし、 充電電圧がリチウムイオン二次電池のリミ ッ夕電圧に至った以降は、 v l > > v 2となる。 すなわち、 充電電圧がリミッタ 電圧に至った以降は、 図 2の平均充電電流の変動を示すグラフのように、 充電電 流が格段に減少してしまう。 これは、 リチウムイオン二次電池の充電電圧の上昇 に伴ってリチウムイオン同士の電荷の反発が発生し、 見かけ上の充電抵抗が上昇 して充電効率が低下してしまうためである。一方、上記従来の充電方法によれば、 図 2の消費電流の変動を示すグラフにおいて実線で示すように、 消費電流 (ひい ては消費電力) はほとんど変化させられない。 従って、 消費電力が無駄になる。 また、 リーク電流と、 充電制御回路の動作に起因する小型携帯電子機器の発熱に より、 図 2の温度の変動を示すグラフより明らかなように、 温度が上昇し続け、
小型携帯電子機器およびリチウムィォン二次電池の劣化が生じることがありうる c そこで、 本実施形態においては、 電池電圧を監視し、 リチウムイオン二次電池 の電池電圧が、 予め選択された当該電池のリミッタ電圧に至った以降は、 実効的 な充電時間を短くして、 吸蔵過程が確実に行われるようにしている。
[ 2 ] 実施形態
次に実施形態について詳細に説明する。 本実施形態においては、 充電を行う電 子機器はステーションであり、 被充電電子機器としてステーションにより充電さ れる携帯型電子機器は電子時計であるが、 本発明をこれらに限定する趣旨ではな い。
[ 2 . 1 ] 機械的構成
図 3は実施形態にかかるステーションおよび電子時計の平面図を示す。 図 3に 示すように、 電子時計 2 0 0は、 充電ゃデ一夕転送など行う場合、 ステーション 1 0 0の凹部 1 0 1に収容される。 この凹部 1 0 1は、 電子時計 2 0 0の本体 2 0 1およびバンド 2 0 2よりも若干大きめな形状に形成されているため、 時計本 体 2 0 1は、 ステーション 1 0 0に対して位置決めされた状態で収容される。 また、 ステーション 1 0 0には、 充電の開始を指示するための充電開始ボタン 1 0 3 1や、 デ一夕転送の開始を指示するための転送開始ボタン 1 0 3 2などの 各種入力部とともに、 各種の表示を行うための表示部 1 0 4が設けられている。 本実施形態にかかる電子時計 2 0 0は、 通常の使用状態ではユーザの腕に装着さ れて、 表示部 2 0 4において日付時刻等を表示するだけでなく、 図示しないセン サゃ処理部を備えており、 脈拍数や心拍数などの生体情報を一定時間毎に検出 - 記憶することができる。
図 4は、 図 3における A _ A線の断面図である。 この図に示すように、 電子時 計の本体 2 0 1の下面裏蓋 2 1 2には、 カバーガラス 2 1 1が取り付けられてお り、 デ一夕転送や充電のための時計コイル 2 1 0がカバーガラス 2 1 1と裏蓋 2 1 2との間に挟まれている。 時計本体 2 0 1の内部には、 二次電池 2 2 0や、 時 計コイル 2 1 0などと接続される回路基板 2 2 1が設けられる。
一方、 ステーション 1 0 0の凹部 1 0 1における、 時計コイル 2 1 0と対向す る位置には、 ステーションコイル 1 1 0が設けられている。 ステーションコイル 1 1 0は、 カバ一ガラス 1 1 1とステーションの筐体の間に挟まれている。また、 ステーション 1 0 0の内部には、 回路基板 1 2 1が設けられており、 この回路基 板 1 2 1は、 コイル 1 1 0、 充電開始ボタン 1 0 3 1、 転送開始ボタン 1 0 3 2、 表示部 1 0 4、 一次電源 (図示省略) などと接続されている。
電子時計 2 0 0がステーション 1 0 0に収容された状態において、 ステ一ショ ンコイル 1 1 0と時計コイル 2 1 0とは、 カバーガラス 1 1 1、 2 1 1により物 理的には非接触であるが、 コイル卷回面が略平行なので電磁的には結合した状態 となる。
また、 ステーションコイル 1 1 0および時計コイル 2 1 0は、 それぞれ磁心を 有さない空心型となっている。 その理由は、 時計機構部分の着磁を避け、 時計側 の重量増加を避け、 磁性金属の露出を避けるためである。 したがって、 このよう なことが問題とならない電子機器に適用する場合には、 磁心を有するコイルを採 用しても良い。 もっとも、 コイルに与える信号周波数が十分に高いのであれば、 空心型で十分である。
[ 2 . 2 ] 電気的構成
次に、 ステーション 1 0 0および電子時計 2 0 0の電気的構成について説明す る。
[ 2 . 2 . 1 ] ステーションの電気的構成
まず、 ステーション 1 0 0側の構成について図 5を参照して説明する。
図 5に示すように、 ステーションコイル 1 1 0の一方の端子は、 電源電圧 V c cにプルアップされる一方、 その他方の端子 Dは、 トランジスタ 1 5 3のドレイ ンに接続される。 トランジスタ 1 5 3のゲートは、 一方の入力端にクロック信号 C L Kの供給を受けるアンドゲート 1 5 2の出力と接続される一方、 トランジス 夕 1 5 3のソースは接地されている。 クロック信号 C L Kは、 各種の要素の動作 を同期させるための信号であり、 発振回路 1 4 0により生成される。
充電開始ボタン 1 0 3 1および転送開始ボタン 1 0 3 2は、 ユーザによって押
下されると、 それぞれ 1ショッ トのパルス信号を出力するものである。 説明の便 宜上、 両ボタンによって出力されるパルス信号のいずれもパルス信号 S T Rと呼 ぶことにする。 しかし、 充電開始ボタン 1 0 3 1によって出力されるパルス信号 は、 明確化の必要がある場合に、 パルス信号 C Sと呼ぶことにする。
夕イマ 1 4 1は、 パルス信号 S T Rの供給を受けると、 プリセッ ト値 mをクロ ック信号 C L Kに従ってデクリメント (カウントダウン) し始めて、 カウントダ ゥン中には、 ハイレベルとなる信号 aを出力する。 ここで、 プリセット値 mは、 信号 aのハイレベル期間が、 例えば 1 0時間となるように選択されている。 すな わち、 夕イマ 1 4 1は、 ユーザによって充電開始ボタン 1 0 3 1あるいは転送開 始ボタン 1 0 3 2が押下されてから 1 0時間だけハイレベルとなる信号 aを出力 する。 そして、 この信号 aは、 反転回路 1 4 3によりレベル反転されて、 オアゲ —ト 1 5 7の第 2入力端と処理回路 1 3 0とに供給されている。
また、 夕イマ 1 4 2は、 パルス信号 S T Rの供給を受けると、 プリセッ ト値 n をクロヅク信号 C L Kに従ってデクリメント (カウントダウン) し始めて、 カウ ントダウン中には、 ハイレベルとなる信号 bを出力する。 ここで、 プリセッ ト値 nは、 mよりも十分に小さく、 信号 bのハイレベル期間が、 例えば 3 0分となる ように選択されている。 すなわち、 夕イマ 1 4 2は、 ユーザによって充電開始ボ タン 1 0 3 1あるいは転送開始ボタン 1 0 3 2の一方が押下されてから、 3 0分 だけハイレベルとなる信号 bを出力する。
夕イマ 1 4 1の設定時間は、 フル充電状態に相当する電荷を充電するのに十分 な時間である。 充電開始ボタン 1 0 3 1あるいは転送開始ボタン 1 0 3 2が押下 された後に、 後述するフル充電を示すコマンド com3が何らかのトラブルによって 電子時計 2 0 0から送出されない場合でも、 充電を終了させるために、 夕イマ 1 4 1は時間を監視する。
一方、 夕イマ 1 4 2の設定時間は、 電池の残り電荷がゼロからデータ転送可能 状態 (システム起動状態) な電荷量となるまで充電するのに要する時間である。 夕イマ 1 4 2の監視により、 電子時計 2 0 0がステーション 1 0 0に収容されて いるが、 電荷量が十分でないためデータ転送可能でない状態であること、 あるい は、電子時計 2 0 0がステーション 1 0 0に収容されていないことが検知される。
コマンド検出器 1 6 0は信号 dを出力し、 この信号 dは、 信号 bがハイレベル である一定期間 (パルス信号 S T Rを受けてからの 3 0分間) において、 電子時 計 2 0 0から後述するコマンド coml〜com3のいずれも受信しない場合にハイレべ ルとなる。 ここで、 コマンド comlは充電される電池の電圧が基準値であるリミツ 夕電圧以上であること、 コマンド com2は電池の電圧がリミッタ電圧未満であるこ と、 コマンド com3は電池がフル充電状態であることを示す。 信号 dは、 オアゲ一 ト 1 5 7の第 1入力端と処理回路 1 3 0とに供給される。 コマンド検出器 1 6 0 の詳細構成については後述する。
充電 ·転送切換器 1 7 0はパルス信号 eをデコーダ 1 5 5およびアンドゲ一ト 1 5 2に供給する。 パルス信号 S T Rの供給を受けた後、 オアゲート 1 5 7から の信号 O F Fが口一レベルである期間において、 充電 ·転送切換器 1 7 0は、 図 6に示されるような 2 0 / 2 1のデューティ比を持つ第 1充電信号をパルス信号 eとして出力する。 一方、 充電開始ボタン 1 0 3 1が押下されたことを示すパル ス信号 C Sの供給を受けて、 かつ、 後述するコマンド comlを電子時計 2 0 0から ステーション 1 0 0が受信したことを示す信号 comlの供給を受けると、 図 6に示 されるように、 小さいデューティ比 ( 1 / 2 ) を持つ第 2充電信号を信号 eとし て出力する。 ただし、 充電 '転送切換器 1 7 0は、 信号 O F Fがハイレベルに遷 移すると、 信号 eを口一レベルに保つ。
アンドゲート 1 5 2は、 充電 ·転送切換器 1 7 0からの信号 eがハイレベルな 期間において、 クロック信号 C L Kのレベルに応じたレベルの信号 S 1をトラン ジス夕 1 5 3に供給する。 従って、 信号 eがハイレベルである期間において、 ク ロック信号 C L Kのレベルの変化に応じて、 トランジスタ 1 5 3のドレイン一ソ —ス間は周期的にスイッチングオン 'オフさせられる。 このため、 ステーション コイル 1 1 0には、 周期的に電源電圧 V c cが印加されるために、 パルス信号が 与えられるので、 磁界が発生して電子時計 2 0 0を充電するようになっている。 一方、信号 eがローレベル期間においては、 アンドゲ一ト 1 5 2が閉じるので、 ステーションコイル 1 1 0には、電源電圧 V c cでプルアップされた状態となる。 この状態において、 時計コイル 2 1 0により外部磁界が発生すると、 ステ一ショ ンコイル 1 1 0の端子 Dには、 信号 S 2が誘起されることとなる。 この信号 S 2
は、 受信回路 1 5 4に供給される。 受信回路 1 5 4は、 クロヅク信号 C L Kを用 いて信号 S 2を復調するものであり、 その詳細構成については後述する。 復調結 果はデコーダ 1 5 5に供給される。 デコーダ 1 5 5は、 信号 eが口一レベルであ る期間において、 受信回路 1 5 4による復調結果をデコードする。
したがって、 信号 eがハイレベルである期間においては電子時計 2 0 0の充電 が行われる一方、 信号 eが口一レベルである期間においては電子時計からステー シヨンへのデ一夕転送が行われることとなる。 つまり、 信号 eを出力する充電 · 転送切換器 1 7 0は、 充電とデ一夕転送とを切り換える機能を有する。
電子時計 2 0 0からの信号には、 後述するコマンド coml〜com3のほか、 脈拍数 や心拍数などの生体情報データが含まれる。 デコーダ 1 5 5は、 生体情報を示す 信号については、 処理回路 1 3 0に供給する。 一方、 コマンド coml〜com3のいず れかを受信すると、 デコーダ 1 5 5は、 コマンド coml〜com3に対応する出力信号 coml〜com3をハイレベルとすることで、各要素にそのコマンドの受信を通知する。 オアゲート 1 5 6は、 各信号 coml〜com3のいずれかがハイレベルであれば、 信号 cを出力する。 このため、 信号 cは、 電子時計 2 0 0からコマンド coml〜com3の いずれかを受信している状態を示す信号として機能する。
デコード結果がコマンド conilであることを示す信号 conilは、 充電 ·転送切換器 1 7 0に供給される。
他方、 デコード結果がコマンド com2であることを示す信号 com2は、 ラッチ回路 1 5 8を介して処理回路 1 3 0に供給される。 処理回路 1 3 0は、 入力された信 号や、 デコードされた生体情報信号などに基づいて、 表示部 1 0 4の表示内容を 制御する。
さらに、 デコード結果がコマンド com3であることを示す信号 com3は、 オアゲー ト 1 5 7の第 3入力端に供給される。 オアゲート 1 5 7は、 信号 O F Fを充電 · 転送切換器 1 7 0に供給する。 オアゲート 1 5 7の 3つの端のいずれかに入力さ れる信号がハイレベルであれば、 信号 0 F Fはハイレベルに遷移する。 オアゲ一 ト 1 5 7の第 1入力端に供給される信号はコマンド検出器 1 6 0からの信号 で あり、 第 2入力端に供給される信号は夕イマ 1 4 1の信号 aをレベル反転した信 号であり、 第 3入力端に供給される信号は、 デコード結果がコマン ド com3である
ことを示す信号 com3である。 従って、 次の 3条件のいずれかに該当する場合に、 信号 O F Fはハイレベルに遷移させられ、 充電'転送切換器 1 7 0は、 信号 eを口
—レベルに変更し、 充電を終了する。
第 1に、 充電開始ボタン 1 0 3 1あるいは転送開始ボタン 1 0 3 2の押下によ つて信号 S T Rが出力されてから 3 0分の期間が経過するまで、 電子時計 2 0 0 側からコマンド coml〜com3のいずれをも受信しない場合。
第 2に、 充電が開始されてから 1 0時間経過した場合。
第 3に、 電子時計 2 0 0から受信した信号がコマンド com3である場合。 [ 2 . 2 . 1 . 1 ] コマンド検出器
次に、 コマンド検出器 1 6 0の構成について図 7を参照して説明する。 アンド ゲート 1 6 0 1は信号 bおよび信号 cの論理積を出力する。 ノアゲート 1 6 0 3 および 1 6 0 4を有する R Sフリップフ口ップには、 アンドゲート 1 6 0 1の論 理積が R信号 (リセット信号) として入力されるとともに、 信号 S T Rが S信号 (セヅ ト信号) として入力される。 インバー夕回路 1 6 0 5は、 ノアゲート 1 6 0 4の出力を反転して信号 U 1として、 Dフリップフロップ 1 6 0 6の D入力端 に供給する。 この Dフリップフロップ 1 6 0 6は、 信号 S T Rでリセッ トされる とともに、 信号 bの立ち下がりにおいて、 その立ち上がり直前での入力端 Dのレ ベルを信号 dとして出力し始める。
ユーザによって、 充電開始ボタン 1 0 3 1あるいは転送開始ボタン 1 0 3 2が 押下されると、 1ショッ トのパルス信号 S T Rが、 例えば、 図 8に示されるよう に出力される。 この信号 S T Rにより、 ノアゲ一ト 1 6 0 4の出力は口一レベル となるため、 信号 U 1はハイレベルとなる一方、 夕イマ 1 4 2 (図 5参照) が力 ゥント動作を実行するため、 図 8に示されるように、 信号 bが一定期間だけハイ レベルとなる。
ここで、 図 5におけるデコーダ 1 5 5が電子時計 2 0 0からコマンド coml〜 com3のいずれかを受信する場合、 これらのコマンドは、 信号 eが口一レベルの期 間においてパルス的に出力される。
このような場合において、 信号 bおよび信号 cがともにハイレベルとなって、
その論理積がハイレベルとなると、 ノアゲ一ト 1 6 0 4の出力はハイレベルとな るから、 図 8の部分(a ) に示すように、 信号 U 1は口一レベルに遷移し、 以降、 この状態が維持される。 したがって、 1ショットのパルス信号 S T Rが出力され てから一定時間経過して信号 bが立ち下がった時点 (正確にはその直前) におい て、 Dフリップフロップ 1 6 0 6の出力端 Qから出力される信号 dは、 ローレべ ルのままとなる。
一方、 デコーダ 1 5 5が電子時計 2 0 0からコマン ド coffll〜com3のいずれも受 信しない場合、 信号 cは、 図 8の部分 (b ) に示されるように口一レベルのまま となる。 このため、 信号 U 1はハイレベルに維持されるので、 信号 S T Rが出力 されてから一定時間経過して信号 bが立ち下がった時点において、 Dフリ ップフ ロヅプ 1 6 0 6の出力端 Qから出力される信号 dは、 ハイレベルに遷移する。 このように、 コマンド検出器 1 6 0は、 パルス信号 S T Rの供給を受けてから 3 0分絰過するまでの一定期間において、 電子時計 2 0 0側から少なくともコマ ンド coml~com3のいずれかを受信すれば、 期間経過後に信号 dをハイレベルに遷 移させる一方、 いずれのコマンドも受信しなければ、 信号 dをローレベルに維持 する。
[ 2 . 2 . 1 . 2 ] 受信回路
次に、 受信回路 1 5 4の構成について図 9を参照して説明する。 図示の構成は あくまでも例示であって、 データ転送における変調方式によっては他の構成を用 いてもよい。
まず、 ステーションコイル 1 1 0における他方の端子 Dに誘起された信号 S 2 は、 図 9に示されるように、 インバー夕回路 1 5 4 1によってレベル反転される とともに波形整形されて、 発振回路 1 4 0 (図 5参照) のクロック信号 C L Kと 同期する Dフリップフロップ 1 5 4 2、 1 5 4 3のリセッ ト信号 R S Tとして供 給される。 ここで、 Dフリップフロップ 1 5 4 2の入力端 Dは、 電源電圧 V c c に接続される一方、 その出力端 Qは、 次段の Dフリ ップフロップ 1 5 4 3の入力 端 Dに接続される。 そして、 Dフリップフロップ 1 5 4 3の出力端 Qが、 復調結 果たる信号 S 3を出力する。
次に、 上記構成の受信回路 1 5 4における各部の波形について検討してみる。 電子時計 2 0 0からのデータ受信時にあっては、 トランジスタ 1 5 3 (図 5参照) がスイッチングしないので、 プルアップされたステーションコイル 1 1 0におけ る他方の端子 Dは、 時計コイル 2 1 0による外部磁界が発生していなければプル アップレベルとなる一方、 外部磁界が発生していれば、 それに応じて誘起される レベルに変動する。 このため、 端子 Dに誘起される信号 S 2は、 例えば、 図 1 0 に示される通り、 変動する。
インバー夕回路 1 5 4 1の出力たる信号 R S Tは、 図 1 0に示されるように、 この信号 S 2の電圧がしきい値 V t hを下回ったときにハイレベルとなり、 Dフ リップフロヅプ 1 5 4 2、 1 5 4 3をリセッ トする。 この際、 Dフリップフロッ プ 1 5 4 2、 1 5 4 3は、 クロック信号 C L Kの立ち上がりにおいて、 その直前 での入力端 Dのレベルを出力するから、 Dフリップフロヅプ 1 5 4 2の出力 Q 1、 および、 Dフリップフロップ 1 5 4 2の出力 S 3は、 図 1 0に示されるように変 動する。 すなわち、 受信回路 1 5 4の出力信号 S 3は、 時計コイル 2 1 0によつ て外部磁界が発生している期間にローレベルとなる信号となる。
ここで、 時計コイル 2 1 0によって外部磁界が発生する期間とは、 後述するよ うに、 電子時計 2 0 0からステーション 1 0 0へ転送されるデ一夕が口一レベル となる期間である。 従って、 信号 S 3は、 電子時計 2 0 0からのデータゃコマン ドを復調したものであることが判る。
[ 2 . 2 . 2 ] 電子時計の電気的構成
次に、 電子時計 2 0 0の電気的構成について説明する。 図 1 1は電子時計 2 0 0の構成ブロック図を示す。
図 1 1に示されるように、 時計コイル 2 1 0の一方の端子 Pは、 ダイオード 2 4 5を介して二次電池 2 2 0の正側端子に接続される一方、 コイル 2 1 0の他方 の端子は、 二次電池 2 2 0の負側端子に接続されている。 このため、 ステ一ショ ンコイル 1 1 0 (図 5参照)にパルス信号が印加されて、 外部磁界が発生すると、 その外部磁界により時計コイル 2 1 0の一方の端子 Pに信号が誘起されれる。 そ して、 この誘起信号は、 トランジスタ 2 5 3がオフのときにダイオード 2 4 5に
よって整流されて二次電池 2 2 0に供給される。 これにより二次電池 2 2 0は充 電される。 二次電池 2 2 0は、 電子時計 2 0 0における各要素の電源として用い られ、 各要素に電圧 V c cを印加する。
充電期間検出回路 2 6 1は、 端子 Pに外部磁界による信号が誘起されているか 否かを検出するものであり、 図 1 2に示されるように端子 Pで信号が誘起されて いる場合には、 ハイレベルとなる信号 C H Rを出力する。
また、 タイミング作成回路 2 7 1は、 一定幅を有するパルスを一定周期で生成 して、 アンドゲート 2 7 2の一方の入力端に供給するものである。 アンドゲート 2 7 2の他方の入力端には、 充電期間検出回路 2 6 1による信号 C H Rが供給さ れているため、 アンドゲート 2 7 2は、 端子 Pに外部磁界による信号が誘起され ている場合に閉じることになる。 したがって、 アンドゲート 2 7 2の信号 C K T は、 図 1 2に示されるように、 端子 Pで信号が誘起されている場合に、 一定幅を 有するパルスが一定間隔毎に出力される形となる。
この信号 C K Tは、 トランジスタ 2 5 3のベースに供給されている。 また、 ト ランジス夕 2 5 3のコレクタは抵抗 2 5 4を介して端子 Pに接続される一方、 そ のェミッタは接地されている。 このため、 トランジスタ 2 5 3は、 信号 C K Tが ハイレベルの場合に、 コレクタ一エミヅ夕間がオンするように構成されている。 ここで、 トランジスタ 2 5 3がオンになった場合、 抵抗 2 5 4による電圧降下 によってコレクタの電位が時計コイル 2 1 0に流れる電流に応じて変動する。 す なわち、 時計コイル 2 1 0に流れる電流が大きいほど、 コレクタの電位レベルは 低下する。
ラツチ回路 2 6 4は、 後述する電池電圧検出回路 2 6 5の出力した信号 comOを 信号 C K Tの立ち下がりでラッチする。 すなわち、 トランジスタ 2 5 3のオン期 間において判別された二次電池 2 2 0の電池電圧が予め定めた基準値、すなわち、 二次電池 2 2 0の電池電圧がリミッ夕電圧を超えたか否かについての検出結果を ラッチ回路 2 6 4は出力する。
アンドゲート 2 8 1は、 充電期間検出回路 2 6 1の信号 C H Rと、 ラッチ回路 2 6 4のラツチ結果との論理積を求め、 両信号がハイレベルのときにハイレベル の信号 comlを出力する。
アンドゲ一ト 2 8 2は、 充電期間検出回路 2 6 1の信号 C H Rと、 ラツチ回路 2 6 4によるラッチ結果の反転結果との論理積を求め、 両信号がハイレベルのと きにハイレベルの信号 com2を出力する。
電池電圧検出回路 2 6 5は、 信号 C K Tが口一レベルである期間 (トランジス 夕 2 5 3がオフとなっている期間) における二次電池 2 2 0の端子電圧を蓄電電 圧検出部として検出する。 また、 電池電圧検出回路 2 6 5は、 比較結果出力部と して、 二次電池 2 2 0の電池電圧がリミッタ電圧を超えたか否かを検出して、 そ の検出結果が肯定的であれば、 ハイレベルとなる信号 comOを出力する。 また、 電 池電圧検出回路 2 6 5は、 二次電池 2 2 0が完全な充電状態 (フル充電状態) と なっているか否かを検出して、 その検出結果が肯定的であればハイレベルとなる 信号 com3を出力する。
ここで、 信号 comlがハイレベルである場合とは、 端子 Pに信号が誘起されてい る場合であって、 かつ、 二次電池 2 2 0の電池電圧が基準値であるリミッ夕電圧 以上である場合 (comO =ハイである場合) である。 この場合には、 充電信号のデ ュ一ティ比を小さく して、 すなわち、 図 6に示した第 2充電信号を用いて充電を うべきである。
また、 信号 com2がハイレベルである場合とは、 端子 Pに信号が誘起されている 場合であって、 かつ、 二次電池 2 2 0の電池電圧が基準値であるリミッタ電圧未 満である場合 (comO =口一である場合) である。 この場合には、 充電信号のデュ 一ティ比を大きくして、 すなわち、 図 6に示した第 1充電信号を用いて充電を行 うべきである。
さらに、 信号 com3がハイレベルである場合とは、 二次電池 2 2 0がフル充電状 態であって、 これ以上充電する必要がない状態を意味している。
次に、 制御回路 2 3 0は、 計時機能を備える一種の中央処理制御装置であり、 主に、 次の処理を実行するものである。 すなわち、 制御回路 2 3 0は、 通常では、 入力部 2 0 3 (図 3では図示省略) で設定されたモードに応じた表示 (例えば、 現在時刻表示など) を、 表示部 2 0 4に実行させる第 1の機能と、 端子 Pに信号 が誘起されて信号 C H Rがハイレベルに遷移すると、 信号 coml〜com3のいずれか で示される状態を認識して、 認識された状態に対応するいずれかのコマンド coml
~com3を作成して、 信号 C H Rが口一レベルに遷移したときに送出する第 2の機 能と、 コマンド coml〜com3のいずれかの送出後、 ステーション 1 0 0へ送信すベ きディジタルデータを出力する第 3の機能とを有する。 ここで、 制御回路 2 3 0 は、 コマンド coml〜com3やディジ夕ルデ一夕などを W 1として送信回路 2 5 0に 供給する。 ステーション 1 0 0へ送信すべきディジタルデータとしては、 図示し ないセンサ等により計測された脈拍数や心拍数などの生体情報などが想定される 送信回路 2 5 0は、 ステーション 1 0 0へ送信すべきデ一夕ゃコマンドなどを シリアル化するとともに、 シリアルデ一夕がローレベルである期間において、 一 定周波数の信号をバーストしたスィツチング信号を出力するものである。 送信回 路 2 5 0によるスィッチング信号は、 抵抗 2 5 1を介してトランジスタ 2 5 2の ベースに供給される。 また、 同トランジスタのコレクタは、 二次電池 2 2 0の正 側端子に接続される一方、 同トランジスタのエミッ夕は、 コイル 2 1 0の一方の 端子 Pに接続されている。
したがって、 このような電子時計 2 0 0にあっては、 図 1 2に示されるように 端子 Pに信号が誘起されると、 信号が誘起されている期間に信号 C H Rはハイレ ベルとなるとともに、 信号 C K Tが出力される。
そして、 図 1 2に示されるように、 端子 Pに信号が誘起されている場合であつ て、 信号 C K Tが口一レベルである場合に、 二次電池 2 2 0の充電が行われ、 同 様に、 信号 C K Tが口一レベルである期間 (トランジスタ 2 5 3がオフとなって いる期間) における二次電池 2 2 0の端子電圧が検出される。
さらに、 図 1 2に示されるように、 端子 Pに信号が誘起されずに、 信号 C H R が口一レベルとなる場合に、 コマンド coml〜com3やディジタルデ一夕などが転送 されるようになつている。 [ 2 . 3 ] コマンドやディジタルデ一夕の転送動作
次に、 ステーション 1 0 0および電子時計 2 0 0におけるコマンドゃディジ夕 ルデ一夕の転送の動作について説明する。 上述したように、 電子時計 2 0 0の充 電動作は、 信号 eがハイレベルである期間において行われるが、 転送動作は、 信 号 eが口一レベルの期間において行われる。
まず、 信号 eが口一レベルである期間においては、 ステーションコイル 1 1 0 には、 パルス信号が印加されない。 このため、 ステーションコイル 1 1 0による 外部磁界が発生しないから、 時計コイル 2 1 0の端子 Pには信号が誘起されない ため、 信号 C H Rは口一レベルとなる。 信号 C H Rがローレベルとなると、 制御 回路 2 3 0は、 コマンド coml〜com3のいずれかの送出に続き、 ステーション 1 0 0へ送信すべきデ一夕を送信回路 2 5 0に供給するため、 電子時計 2 0 0からス テーシヨン 1 0 0への信号送信が開始されることになる。
ここで、 送信回路 2 5 0は、 ステーション 1 0 0への送信すべきデ一夕がハイ レベルであれば、 出力をハイレベルとし、 データがローレベルであれば一定周波 数のパルス信号をバーストさせた信号を出力するから、 トランジスタ 2 5 2は、 送信すべきデータがハイレベルである期間において、 スィツチングすることとな o
したがって、 時計コイル 2 1 0には、 ステーション 1 0 0へ送信すべきデータ がローレベルである期間において、 パルス信号が印加されることとなり、 これに よって外部磁界が発生することとなる。
この外部磁界によって、 ステーションコイル 1 1 0の端子 Dに、 当該パルス信 号と同周期の信号が誘起されることとなる。 ここで、 信号が誘起されている期間 では、 上記構成の受信回路 1 5 4によって信号 S 3が口一レベルとなり、 それ以 外は、 信号 S 3がハイレベルであるから、 結局、 ステーション 1 0 0側では、 電 子時計 2 0 0からのディジ夕ルデータ W 1を復調した信号 S 3が得られることと なる。 そして、 デコーダ 1 5 5は、 信号 S 3をデコードして、 その結果が生体情 報等のディジ夕ルデ一夕あれば、 処理回路 1 3 0に供給する一方、 コマンド conil ~com3のいずれかであれば、 それに対応した信号 coml〜com3のいずれかを出力す る o
このように、 ステーション 1 0 0は、 電子時計 2 0 0からのコマンドゃデイジ 夕ルデ一夕を得ることができるようになつている。
[ 2 . 4 ] 充電 'デ一夕転送の動作
次に、 ステーション 1 0 0および電子時計 2 0 0の充電 ·データ転送の動作に
ついて、 図 5および図 1 1のブロック図とともに、 図 1 3および図 1 4のフ口一 チャートを参照して説明する。
まず、 ユーザは、 電子時計 2 0 0をステーション 1 0 0の凹部 1 0 1に収容さ せる。 これにより、 ステーションコイル 1 1 0と時計コイル 2 1 0とは、 図 4に 示されるように互いに対向するため、 電磁的に結合した状態となる。
この後、 ユーザによって充電開始ボタン 1 0 3 1あるいは転送開始ボタン 1 0 3 2が押下されると、 パルス信号 S T Rによって、 夕イマ 1 4 1および夕イマ 1 4 2がカウント動作を開始する (ステップ S 1 0 1 ) 。 また、 パルス信号 S T R によって、 充電 ·転送切換器 1 7 0は、 図 6に示されるような第 1充電信号を信 号 eとして出力する (ステップ S 1 0 2 ) 。
次に、 夕イマ 1 4 1がカウント動作を終了したか否かが、 信号 aの反転信号に よって判別される (ステップ S 1 0 3 ) 。 カウン卜動作が終了していれば、 それ は、 充電開始ボタン 1 0 3 1あるいは転送開始ボタン 1 0 3 2が押下されてから 1 0時間以上経過したことを意味する。
上述したように、 夕イマ 1 4 1による設定時間は、 二次電池 2 2 0をフル充電 状態に充電するのに十分な時間であるから、 この設定時間を経過する前に、 通常 では、 フル充電である旨を示すコマンド com3の受信によって充電が終了するはず である。 にもかかわらず、 夕イマ 1 4 1による設定時間が経過したことは、 二次 電池 2 2 0の故障などのような異常が発生していること意味する。
このため、 処理回路 1 3 0は、 例えば、 図 1 5の表示 Cに示されるように充電 処理を終了させた旨の表示を表示部 1 0 4に対して行わせて、 その旨をユーザに 告知する (ステップ S 1 0 4 ) 。 また、 信号 aの反転信号により信号 O F Fがハ ィレベルとなるので、 充電 ·転送切換器 1 7 0は、 信号 eをローレベルに保持す る。 このため、 異常が発生している場合において、 電子時計 2 0 0の充電は終了 することになる。
一方、 タイマ 1 4 1がカウント動作を終了していなければ、 充電 ·転送切換器 1 7 0は信号 eを引き続き出力する。 この結果、 ステーションコイル 1 1 0は、 信号 eがハイレベルの期間に、 トランジスタ 1 5 3によるスイッチングによって 外部磁界を発生させる一方、 信号 eがローレベルの期間において、 電子時計 2 0
0からのコマンドを受信すべく待機状態となる。
トランジスタ 1 5 3によるスィツチングによる外部磁界が発生すると、 電子時 計 2 0 0側においては、 端子 Pに信号が誘起される。 ただし、 現時点において二 次電池 2 2 0の電池残量がなければ (ステップ S 2 0 1で判断結果が N oであれ ば) 、 各要素が動作しないため、 以降のステップ S 2 0 1〜S 2 0 8が実行不可 能となり、 ステーション 1 0 0側へはコマンドが送出されない。
一方、 現時点において電池残量があれば (ステップ S 2 0 1で判断結果が Y e sであれば) 、 信号 C H Kがローレベルである期間、 すなわち、 トランジスタ 2 5 3がオフする期間に、 二次電池 2 2 0の電池電圧が検出されるとともに (ステ ップ S 2 0 2 ) 、 電池電圧検出回路 2 6 5によって検出した電池電圧が予め定め た基準電圧 (当該二次電池のリミッタ電圧) 以上であるか否かが判定される (ス テツプ S 2 0 3 ) 。
ステップ S 2 0 3の判別において、 二次電池 2 2 0の電池電圧が基準値未満で あれば(ステップ S 2 0 3で判断結果が N oであれば)、 充電が完了しておらず、 かつ、 電池電圧がリミッタ電圧にいまだ至っていない状態にあるので、 この状態 をステーション 1 0 0に通知すべく、 コマン ド com2を送出する (ステップ S 2 0 5 ) o
一方、 ステップ S 2 0 3の判別において、 二次電池 2 2 0の電池電圧が基準電 圧であるリミッ夕電圧以上であれば (ステップ S 2 0 3で判断結果が Y e sであ れば) 、 さらに電池電圧検出回路 2 6 5によって二次電池 2 2 0がフル充電状態 であるか否かが判別される (ステップ S 2 0 6 ) 。
ここで、 フル充電状態であれば、 信号 com3がハイレベルである場合に相当する から、 上述したように、 これ以上充電する必要がない状態である。 そこで、 制御 回路 2 3 0は、 この状態をステーション 1 0 0に通知すべく、 コマンド com3を送 出する (ステップ S 2 0 7 ) 。
また、 フル充電状態でなければ、 信号 comlがハイレベルである場合に相当する から、 上述したように、 充電信号のデューティ比を小さく して、 すなわち、 図 6 に示した第 2充電信号を用いて充電を行うべき状態、 すなわち、 吸蔵過程に十分 な時間を与える必要がある状態である。 そこで、 制御回路 2 3 0は、 この状態を
ステーション 1 0 0に通知すべく、コマンド comlを送出する(ステップ S 2 0 8 ) ( なお、コマンド coml〜com3の送出は、端子 Pに信号が誘起されていない期間に、 すなわち、 ステーション 1 0 0側にあっては信号 eが口一レベルである 1 0秒間 の期間に、 電子時計 2 0 0側にあっては信号 C H Rが口一レベルである期間に、 実行される。
このように、 電子時計 2 0 0側において、 端子 Pに信号が誘起されると、 電池 電圧の大小や、 二次電池 2 2 0の充電状態が判別されて、 端子 Pに信号が誘起さ れていない期間にこれらの状態に対応するいずれかのコマンド coml〜com3がステ —シヨン 1 0 0に送出される。
ステーション 1 0 0は、 第 1充電信号にしたがった充電を、 少なくとも夕イマ 1 4 2の動作期間である 3 0分の期間実行する。 このため、 二次電池 2 2 0が当 初、 データ転送可能状態になくて、 コマンド coml〜com3のいずれもが電子時計 2 0 0から送出されなくても、 3 0分充電される結果、 データ転送が可能となるま では充電されることになる。
すなわち、 電子時計 2 0 0が、 ステーション 1 0 0に収容されて、 充電開始ボ 夕ン 1 0 3 1あるいは転送開始ボタン 1 0 3 2が押下されて 3 0分経過した後に、 二次電池 2 2 0はデータ転送可能状態になってコマンド coml〜com3のいずれかが 送出されることなつている。
したがって、 ステーション 1 0 0へコマンドが全く送出されない場合とは、 電 子時計 2 0 0がステーション 1 0 0に収容されていない場合となる。
一方、 待機状態となったステーション 1 0 0において、 電子時計 2 0 0からコ マンド coml〜com3のいずれかが受信されたか否かが判別される (ステップ S I 1 1 ) 。 ここで、 コマンド coml〜com3のいずれも受信されない場合、 夕イマ 1 4 2 がカウント動作を終了したか否かが判別される (ステップ S 1 1 2 ) 。 具体的に は、 信号 bがハイレベルである期間において、 信号 cがハイレベルとなったか否 かがコマンド検出器 1 6 0によりチェックされる。
夕イマ 1 4 2がカウント動作を終了しても、 いずれのコマンド coffll〜com3も受 信しない場合とは、 上述のように、 電子時計 2 0 0がステーション 1 0 0に収容 されていない場合であり、 コマンド検出器 1 6 0による信号 dがハイレベルとな
る場合である。
したがって、信号 dがハイレベルに遷移したことによって、処理回路 1 3 0は、 例えば、 図 1 5の表示 Bに示されるように電子時計がセッ トされていない旨の警 告表示を表示部 1 0 4に対して行わせて (ステップ S 1 1 3 ) 、 ユーザにその旨 を告知する。
また、 信号 dにより信号 O F Fがハイレベルとなるので、 充電 ·転送切換器 1 7 0は信号 eを口一レベルに保持する。 このため、 電子時計 2 0 0がステ一ショ ン 1 1 0に収容されていない場合の無用な充電動作は終了することになる。一方、 夕イマ 1 4 2がカウント動作を終了していなければ、 引き続き、 充電を実行すベ く、 処理手順がステップ S 1 0 2に戻って、 信号 eの送出が継続される。 そして、 なんらかのコマンドが電子時計 2 0 0から送出されるまで、 あるいは、 夕イマ 1 4 2によるカウント動作が終了するまで、 ステップ S 1 1 2における判別が繰返 し実行されるようになっている。 これによつて、 上述したように、
1 ) 電子時計 2 0 0がステーション 1 0 0に収容されているが、 電荷量が十 分でないため、 データ転送可能な状態にない場合、
あるいは、
2) 電子時計 2 0 0がステ一シヨン 1 0 0に収容されていない場合、 のいずれであるのかを実質的に判別することが可能となるのである。
待機状態となったステーション 1 0 0において、 電子時計 2 0 0から何らかの コマンドが受信された場合、 その受信コマンドがデコーダ 1 5 5によりデコード される (ステップ S 1 1 4 ) 。
ここで、 受信コマンドが comlであれば、 はじめに押下されたボタンが充電開始 ボタン 1 0 3 1であったのか否かが判別される (ステップ S 1 1 5 ) 。
より詳細には、 信号 comlの供給を受けた充電 ·転送切換器 1 7 0が、 以前に信 号 C Sの供給を受けたか否かを判別する。
この判別結果が肯定的、 すなわち、 信号 comlの供給を受けた充電 ·転送切換器 1 7 0が、 以前に信号 C Sの供給を受けた場合であれば、 充電 ·転送切換器 1 7 0は、 送出する信号 eを、 図 6に示される第 1充電信号から第 2充電信号へと切 り換える。 そして、 引き続き、 充電を継続すべく、 再び処理をステップ S 1 0 3
に移行させる。
上述のように、 充電は信号 eのハイレベル期間で行われる一方、 デ一夕転送は 信号 eのローレベル期間で行われる。
また、 二次電池 2 2 0の電池電圧がリミッ夕電圧を超えた以降の充電信号であ る第 2充電信号のデューティ比は、 二次電池 2 2 0の電池電圧がリミッタ電圧未 満の場合の充電信号である第 1充電信号のデューティ比よりも小さく設定されて いるので、 すなわち、 二次電池 2 2 0における電池電圧 (=蓄電電圧) が予め設 定したリミッタ電圧 (=基準電圧) 未満である場合に充電を行う際の単位時間当 たりの実効的な充電時間である第 1実効充電時間 T 1と、 電池電圧がリミッ夕電 圧以上である場合に充電を行う際の単位時間当たりの実効的な充電時間である第 2実効充電時間 T 2と、 が T 1 > T 2となるように予め定めているので、 電池電 圧がリミッタ電圧以上である場合には、 図 6に示す第 2充電信号のように、 非充 電期間を長く して消費電流、 ひいては、 消費電力を低減させるとともに、 吸蔵過 程を円滑に進行させて充電効率を向上させることができ図 2 ( c ) に破線で示す ように、 電子時計の発熱を減少でき、 発熱に伴う電子時計および二次電池の劣化 を回避することができる。
一方、 受信コマンドがコマンド comlであって、 はじめに押下されたボタンが転 送開始ボタン 1 0 3 2であれば、 後述するステヅプ S 1 2 1〜S 1 2 3のデータ 転送が実行される。
また、 受信コマンドがコマンド com3であれば、 はじめに押下されたボタンが充 電閧始ボタン 1 0 3 1であったのか否かが判別される (ステップ S 1 1 7 ) 。 より詳細には、 信号 com3により信号 O F Fの供給を受けた充電 ·転送切換器 1 7 0が、 以前に信号 C Sの供給を受けたか否かを判別する。
この判別結果が肯定的であれば、 すなわち、 信号 com3により信号 O F Fの供給 を受けた充電 ·転送切換器 1 7 0が、 以前に信号 C Sの供給を受けた場合には、 これ以降は、 二次電池 2 2 0を充電する必要がないので、 処理回路 1 3 0は、 例 えば、 図 1 5の表示 Aに示されるようにフル充電が完了した旨の表示を表示部 1 0 4に対して行わせて (ステップ S 1 1 8 ) 、 ユーザにその旨を告知することと なる。
この結果、 充電 ·転送切換器 1 7 0は、 信号 eをローレベルに保持し、 これ以 降の不要な充電動作は終了することになる。
一方、 受信コマンドが com3であって、 はじめに押下されたボタンが転送開始ボ タン 1 0 3 2であれば、 後述するステップ S 1 2 1〜S 1 2 3のデ一夕転送が実 行される。
さらに、受信コマンドが com2であれば、充電信号のデューティ比を大きくして、 すなわち、 図 6に示した第 1充電信号を用いた充電状態を維持すべき状態である ので、 はじめに押下されたボタンが充電開始ボタン 1 0 3 1であったのか否かが 判別される (ステップ S 1 1 9 ) 。
より詳細には、 充電 '転送切換器 1 7 0が、 以前に信号 C Sの供給を受けたか 否かを判別する。 ただし、 転送ボタン 1 0 3 2が押下された場合であっても、 充 電については信号 eがハイレベルの期間において、 また、 デ一夕転送については 信号 eがローレベル期間において、 それぞれ実行すれば良いので、 充電 ·転送切 換器 1 7 0が信号 eを切り換えたり、 口一レベルに保持する必要はない。 すな わち、 コマンド com2が受信されても、 充電 ·転送切換器 1 7 0は、 以前に信号 C Sの供給を受けたか否かについては、 実質的には判断しない。
ここで、 はじめに押下されたボタンが充電開始ボタン 1 0 3 1であれば、 図 6 に示した第 1充電信号を用いた充電状態を維持すべく処理手順を再びステップ S 1 0 2に移行させる。
一方、 受信コマンドが com2であっても、 デ一夕転送は可能であるから、 はじめ に押下されたボタンが転送開始ボタン 1 0 3 2であれば、 次のステップ S 1 2 1 〜S 1 2 3のデータ転送が実行される。
すなわち、 コマンド coml〜com3のいずれかに続いて送出されたディジタルデ一 夕は、 受信回路 1 5 4によって受信され、 デコーダ 1 5 5によってデコードされ て、 処理回路 1 3 0に転送されて (ステップ S 1 2 1 ) 、 終了するまで繰り返さ れる (ステップ S 1 2 2 ) 。 そして、 この転送が完了すると、 処理回路 1 3 0は、 例えば、 図 1 5の表示 Dに示されるような表示を表示部 1 0 4に対して行わせる とともに (ステップ S 1 2 2 ) 、 受信したディジ夕ルデ一夕に基づく表示を表示 部 1 0 4に行わせる。
この後、 処理回路 1 3 0は、 図 5では示されないラインによって、 充電 '転送 切換器 1 3 0に対して信号 eの供給を停止させて、 充電 ·データ転送を終了させ る。 なお、 処理手順を、 ステップ S 1 0 2に戻して、 引き続き、 充電を行っても 良い o
このようなステーション 1 0 0によれば、 充電開始ボタン 1 0 3 1あるいは転 送開始ボタン 1 0 3 2が押下されると、 図 1 6に示されるように、 パルス信号 S T Rが出力され、 第 1充電信号 (図 6参照) による充電が開始される。
この後、 二次電池 2 2 0の電池電圧がリミッ夕電圧未満であるうちは、 図 1 6 に示されるようにコマンド com2が受信される。信号 com2のラッチ期間においては、 第 1充電信号 (図 6参照) による充電が継続される。
そして、 二次電池 2 2 0の電池電圧がリミッタ電圧を超えると、 図 1 6に示さ れるようにコマンド comlが受信される。 信号 comlのラッチ期間においては、 第 2 充電信号 (図 6参照) による充電が行われることとなる。
また、 二次電池 2 2 0がフル充電状態となり、 コマンド com3が受信されると、 以降、 信号 eがローレベルとなるため、 充電動作が終了することとなる。
一方、 図 1 6に示されるように、 パルス信号 S T Rが出力された後において、 信号 bが立ち下がるまでに、 すなわち、 夕イマ 1 4 2がカウント動作を終了する までに、 なんらコマンドが受信されない場合、 コマンド検出器 1 6 0は、 信号 d をハイレベルにするから、 図 1 5の表示 Bに示される警告表示が表示部 1 0 4で 行われるとともに、 信号 eが口一レベルになって、 充電動作が終了することとな る。
さらに、 図 1 6に示されるように、パルス信号 S T Rが出力された後において、 信号 aが立ち下がるまでに、 すなわち、 夕イマ 1 4 1がカウント動作を終了する まで、 コマンド com3以外の、 コマンド comlあるいは com2が受信されるだけであれ ば、 図 1 5の表示 Cに示される表示が表示部 1 0 4で行われるとともに、 信号〇 F Fがハイレベルとなるから、 信号 eが口一レベルになって、 充電動作が終了す ることとなる。
[ 3 ] 実施形態の効果
このように、 本実施形態にあっては、 電池電圧を監視し、 二次電池の電池電圧 が、 予め設定した当該電池のリミッタ電圧に至った以降は、 実効的な充電時間を 短くして、 吸蔵過程が確実に行われるようにしている。 従って、 充電効率が低下 するのを防止することができる。 さらに、 充電時の無駄な消費電流を減少させる ことにより消費電力を低減させ、 発熱を低減して、 発熱による電子機器およびリ チウムィォン二次電池等の蓄電装置の劣化を抑制することができる。
[ 4 ] 変形例
[ 4 . 1 ] 第 1変形例
上記実施形態においては、 充電信号のデューティ比を変更する。 しかし、 二次 電池における電池電圧 (蓄電電圧) が予め設定した基準電圧 (電池のリミッタ電 圧) 未満である場合に充電を行う際の単位時間当たりの実効的な充電時間である 第 1実効充電時間 T 1と、 電池電圧 (蓄電電圧) が前記基準電圧以上である場合 に充電を行う際の単位時間当たりの実効的な充電時間である第 2実効充電時間 T 2と、 を式 ( 1 ) を満たすように予め定めておき、 第 1実効充電時間 T 1、 第 2 実効充電時間 T 2および二次電池における蓄電電圧とリミッ夕電圧 (基準電圧) との比較結果に基づいて実効的な充電期間と非充電期間 (吸蔵過程の進行待機期 間) との比を適宜設定すればよい。
T 1 > T 2 …… ( 1 ) より具体的には、 デューティ比の変更に代えて、 デューティ比一定で、 単位時 間当たりのパルス数を制御することも可能である。
すなわち、二次電池における電池電圧(蓄電電圧)が予め設定した基準電圧(電 池のリミツ夕電圧) 未満である場合に充電を行う際の単位時間当たりのパルス充 電における第 1パルス数 Ρ 1と、 電池電圧 (蓄電電圧) が基準電圧以上である場 合に充電を行う際の単位時間当たりのパルス充電における第 2パルス数 Ρ 2と、 を式 (2 ) を満たすように予め定めておき、 第 1パルス数 P l、 第 2パルス数 Ρ 2および二次電池における蓄電電圧と予め設定したリミッ夕電圧との比較結果に 基づいて、 実効的な充電期間と非充電期間 (吸蔵過程の進行待機期間) との比を 適宜設定すればよい。
P 1 > P 2 [ 4 . 2 ] 第 2変形例
上記実施形態においては、 二次電池の電池電圧がリミッ夕電圧に至る前後の双 方でパルス充電を行っていたが、 二次電池の電池電圧がリミッタ電圧に至るまで は、 従来と同様に定電流充電あるいは定電圧充電を行い、 リミッタ電圧到達以降 はパルス充電を行うようにすることも可能である。
[ 4 . 3 ] 第 3変形例
上記実施形態においては、 充電およびデータ転送を電磁誘導あるいは電磁結合 により行うが、 光結合により行うことも可能である。 図 1 7は変更例に係るステ —シヨン 1 0 0の電気的構成を示すプロック図であり、 図 1 8は変更例に係る電 子時計 2 0 0の電気的構成を示すブロック図である。 この変更例においては、 ス テーシヨン 1 0 0は、 コイル 1 1 0に代えて、 発光/受光回路 1 8 0を有してお り、 発光/受光回路 1 8 0は、 例えばフォトダイオードのような受光素子および 発光ダイオードのような発光素子を有する。 また、 電子時計 2 0 0は、 コイル 2 1 0に代えて、 上記と同様な発光/受光回路 2 8 0を有する。
この変更例では、 充電では、 発光/受光回路 1 8 0が発光し、 その光が発光/ 受光回路 2 8 0で受光され、 発光/受光回路 2 8 0で生成された電力が二次電池 2 2 0に供給される。 一方、 蓄電電圧検出結果または前記比較結果を表すデータ の転送は、 発光/受光回路 2 8 0の発光が発光/受光回路 1 8 0で受光されるこ とにより達成される。
[ 4 . 4 ] 第 4変形例
上記実施形態においては、二次電池の電圧検出およびリミッ夕電圧との比較は、 非充電電子機器側である電子時計が行っていた。 しかし、 リミッタ電圧との比較 を行う比較回路あるいは電圧検出回路および比較回路の双方をステーション側に 設けることも可能である。
第 4変形例に係るステーション 1 0 0を図 1 9に示し、 電子時計 2 0 0を図 2
0に示す。 図 1 9および図 2 0において、 上述の実施形態と共通する構成要素に は同一の符号を付け、 説明を簡略化する。 図 2 0に示すように、 この変形例に係 る電子時計 2 0 0は、 上述の実施形態の電子時計と類似した構造であるが、 電池 電圧検出回路 2 6 5の代わりに、 電池電圧取込回路 3 0 2を有する。 電池電圧取 込回路 3 0 2には、 二次電池 2 2 0の電圧が印加されるようになっている。
この電子時計 2 0 0においても、 時計コイル 2 1 0の端子 Pに外部磁界による 信号が誘起され、 かつ信号 C K Tが口一レベルであるときに、 二次電池 2 2 0が 充電される。 同様に、 端子 Pに外部磁界による信号が誘起され、 かつ信号 C K T がローレベルである期間 (トランジスタ 2 5 3がオフとなっている期間) に、 電 池電圧取込回路 3 0 2は、 アナログ /ディジタル変換を行い、 二次電池 2 2 0の 端子電圧に相当するディジタル信号(電池電圧信号) V Iを制御回路 2 3 0に供給 する。 そして、 端子 Pに信号が誘起されずに、 信号 C H Rが口一レベルとなる場 合に、 電池電圧信号ゃデイジ夕ルデ一夕などが転送されるようになつている。 転送された電池電圧信号 V Iやディジ夕ルデ一夕は、図 1 9に示すステージョン 1 0 0のステーションコイル 1 1 0で受信される。 具体的には、 信号 eがローレ ベル期間において、 外部磁界によりステーションコイル 1 1 0の端子 Dに誘起さ れた信号 S 2が、 受信回路 3 0 3に供給される。 受信回路 3 0 3は信号 S 2を復 調するとともに、 復調結果をデコードする。 そして、 復調結果が生体情報を示す 信号であれば、 その信号の復調 ·デコ一ド信号を制御回路 3 0 0に供給する。 制 御回路 3 0 0は、 デコードされたその生体情報信号に基づいて、 処理回路 1 3 0 を制御し、その制御の下で処理回路 1 3 0は表示部 1 0 4の表示内容を制御する。 一方、 電池電圧信号 V Iを受信すると、 受信回路 3 0 3は、 電池電圧算出回路 3 0 1に電池電圧信号の復調 ·デコード信号を供給する。 電池電圧算出回路 3 0 1 は、 デコードされたその電池電圧信号に基づいて、 電池電圧を算出する。 このよ うにしてステーション 1 0 0では電池電圧を検出することができる。 さらに電池 電圧算出回路 3 0 1は、 算出した電池電圧をリミッタ電圧およびフル充電電圧と 比較し、 電池電圧がリミッタ電圧を越えたか否かについての比較結果と、 電池電 圧がフル充電電圧を超えたか否かについての比較結果を制御回路 3 0 0に供給す る。 制御回路 3 0 0は、 上述の夕イマ 1 4 1, 1 4 2、 コマンド検出器 1 6 0お
よび充電 ·転送切換器 1 7 0の組み合わせと等価な機能を有する。
すなわち、 パルス信号 S T Rの受信を開始すると、 制御回路 3 0 0は大きいデ ユーティ比 (2 0 / 2 1 ) を持つ第 1充電信号を信号 eとして出力する。 パルス 信号 S T Rの受信後、 フル充電に十分な時間が経過すると、 制御回路 3 0 0は処 理回路 1 3 0を制御して、表示部 1 0 4にフル充電が完了した旨の表示を行わせ、 かつ、 信号 eの供給を終了する。 また、 二次電池 2 2 0がフル充電状態であるこ とを示す比較結果が電池電圧算出回路 3 0 1から供給されれば、 制御回路 3 0 0 は処理回路 1 3 0を制御して、 表示部 1 0 4にフル充電が完了した旨の表示を行 わせ、 かつ、 信号 eの供給を終了する。
また、 二次電池 2 2 0の電圧がリミッ夕電圧を越えたことを示す比較結果が電 池電圧算出回路 3 0 1から供給されれば、 制御回路 3 0 0は小さいデューティ比 ( 1 / 2 ) を持つ第 2充電信号を信号 eとして出力する。
また、 二次電池 2 2 0の電荷残量がデータ転送可能になるのに十分な時間が経 過しても、 二次電池 2 2 0の電圧がリミッ夕電圧を越えたことを示す比較結果が 電池電圧算出回路 3 0 1から供給されなければ、 制御回路 3 0 0は処理回路 1 3 0を制御して、 表示部 1 0 4に電子時計がセットされていない旨の表示を行わせ る、 かつ、 信号 eの供給を終了する。
[ 4 . 5 ] 第 5変形例
上記実施形態においては、 充電状態の判別を、 二次電池の電圧に基づいて判別 していた。 しかし、 二次電池の充電電流 (平均充電電流;図 2 ( a ) 参照) 変化 に基づいて充電状態を判別することも可能である。 この場合においては図 1 1に おける電池電圧検出回路 2 6 5に代えて、 トランジスタ 2 5 3がオン状態にある 場合に二次電池 2 2 0の充電電流を検出する充電電流検出回路を設ければ良い。
[ 4 . 6 ] 第 6変形例
上記実施形態においては、 デ一夕転送は、 電子時計 2 0 0からステーション 1 0 0への一方向のみであつたが、 ステーション 1 0 0から電子時計 2 0 0への方 向であっても良いのはもちろんである。 電子時計 2 0 0へデータ転送する場合、
ステーション 1 0 0では、 転送すべきデ一夕に応じて変調する一方、 電子時計 2 0 0では、 その変調方式に合わせて復調すれば良い。 この際、 変調 ·復調は、 公 知の技術を適用すれば良い。
[ 4 . 7 ] 第 7変形例
上記実施形態においては、実施形態では、電子機器としてステーション 1 0 0、 被充電電子機器として電子時計 2 0 0を例にとった。 しかし、 これに限らず、 例 えば、 電動歯ブラシや、 電動ひげ剃り、 コードレス電話、 携帯電話、 パーソナル ハンディフォン、 モパイルパソコン、 P D A (Personal Digital Assistants:個 人向情報端末) などの二次電池を備える被充電機器と、 その充電機器とに本発明 は適用可能である。