WO1999061063A1 - Preparations geniques stables - Google Patents

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Takahiro Ochiya
Akihiko Sano
Akihiko Hisada
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Sumitomo Pharmaceuticals Company, Limited
Koken Co., Ltd.
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Description

1 明 細 書 安定な遺伝子製剤 技術分野
本発明は遺伝子治療に使用される安定な遺伝子製剤に関する。 さらに詳細には、 本発明は製造工程中および組成物の保存安定性が良好な遺伝子または該遺伝子を 組み込んだべクターを含有する製剤に関する。 背景技術
近年、 疾病、 特に遺伝病の治療あるいは予防を目的として遺伝子治療が試験的 に臨床応用されるようになっている。 遺伝子治療に関する研究の初期においては、 細胞に導入される遺伝子の導入効率が高レ、ことを主たる理由としてウィルスをべ クタ一として用いる手法が専ら研究されてきた。 し力 し、 自己翻訳能力を有する プラスミ ド DNA(pDNA)を動物の筋肉内に直接投与することで遺伝情報を発現でき ることが見いだされて以来、 pDNAがウィルスベクターに比べて安全性が高く、 ま た工業的に生産しやすいため、 pDNAを用いる遺伝子治療法が盛んに研究されるよ うになっている。
pDNAを用いる遺伝子治療の基礎研究における現在の最大の関心事は、 pDNAの細 胞への導入効率の向上と遺伝情報発現期間の延長である。 pDNAの細胞への導入効 率の向上を目的としては、 pDNAをカチオン性のリボソームに封入する方法やポリ マーと複合体を形成させる方法が報告されている。 また、 遺伝情報発現期間を延 長することを目的としては、 生体との親和性が高いコラーゲン (特開平 9- 71542) あるいはポリエチレンビニル酢酸 (Journal of Control led Release 47, 123, (1997) ) を担体として用いた徐放性製剤に関する報告がなされている。 こ れらの目的が解決できたとしても、 遺伝子を含有している遺伝子製剤自体が一定 の高品質を保持でき、 安定かつ経済的に供給できなければ、 実際には、 遺伝子治 療を広く普及させることはできない。
遺伝子製剤における有効成分たる遺伝子の生物活性を製剤の製造工程あるいは _
2 保存中に安定に保持させることは重要である。 閉環状の pDNAを制限酵素で切断し、 それを筋肉内に投与すると遺伝情報の発現が閉環状の pDNAを投与した場合の 1 0 %程度に低下することが知られている。 よって、 遺伝子の生物活性保持のため に pDNAの一次構造を製造工程中あるいは様々な条件が予想される保存中に保持さ せることが重要となる。
先述の基礎研究においても pDNAの保存時の安定性に言及した報告が一部にある か (Proceedings of National Academy of Sciences of the USA, 93. 7305 (1996) ) 、 遺伝子製剤の製造あるいは製剤の安定性について系統的な検討はこれ まで殆ど行われていない。 後述の試験例に示すように、 pDNAを単独で含有する、 または pDNAの導入効率を高めるための化合物もしくは遺伝子発現期間を延長する ための化合物を添加した遺伝子調製物を、 製剤化工程で一般に用いられる凍結乾 燥条件に曝すと、 あるいは品質が安定に保持されるべき保存状態に曝すと、 有効 成分である pDNAは分解を受け、 生物活性が著しく損なわれてしまう。 発明の開示
本発明者らは、 安定な遺伝子製剤を得ることを目的として鋭意研究を重ねた結 果、 pDNAを含有する溶液中に糖類および Zまたは非疎水性ァミノ酸類および/ま たはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類 (アミノ酸類を除く) を添加した 場合、 またはコラ一ゲンまたはゼラチンを含有するときにはァミノ酸類を添加し た場合、 溶液状態での保存中および Zまたは当該溶液を凍結乾燥する工程中およ び/または当該溶液の乾燥品の保存中での pDNAの分解が大きく抑えられることを 見出し、 この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は 1つの態様として、 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだべ クタ一と、 少なくとも 1つの糖類および/または少なくとも 1つの非疎水性アミ ノ酸類および Zまたは少なくとも 1つのカルボキシル基を 2個以上有する有機酸 類 (アミノ酸類を除く) とを含む安定な遺伝子製剤に関する。
糖類は具体的には単糖、 二糖、 三糖以上のオリゴ糖またはそれらの糖アルコー ルであり、 より具体的にはグルコース、 ガラク ト一ス、 フルク ト一ス、 シユーク ロース、 マ/レトース、 ラク トース、 トレノヽ口一ス、 ソノレビトー/レまたはマンニト _
3 ールである。
非疎水性ァミノ酸類は具体的にはグルタミン酸、 ァスパラギン酸またはその塩 である。
カルボキシル基を 2個以上有する有機酸類は具体的にはカルボキシル基を 2個 もしくは 3個有する有機酸またはその塩であり、 より具体的にはクェン酸または 酒石酸である。
所望の遺伝子を組み込んだベクターは具体的にはプラスミ ド D NAである。 本発明の遺伝子製剤は、 細胞への遺伝子導入を促進する物質、 または医学的に 許容される添加剤をさらに含んでもよい。 細胞への遺伝子導入を促進する物質と してはカチオン性脂質、 カチオン性ポリマーまたは疎水性ポリマーがある。 医学 的に許容される添加剤としては生体親和性材料がある。
本発明遺伝子製剤に含まれる所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだべ クターは生体親和性材料に担持されていてもよレヽ。 生体親和性材料は具体的には コラーゲン、 ゼラチンまたはそれらの混合物である。
本発明には、 溶液状態、 ゲル状態あるいは懸濁液状態である所望の遺伝子また は所望の遺伝子を組み込んだベタターを含む調製物を乾燥工程、 好ましくは凍結 乾燥に付することにより得られる本発明遺伝子製剤が包含される。
また、 本発明には、 溶液状態、 ゲル状態もしくは懸濁液状態である遺伝子製剤 または溶液状態、 ゲル状態もしくは懸濁液状態の工程を経て製造される遺伝子製 剤において、 溶液状態、 ゲル状態または懸濁液状態における糖類、 非疎水性アミ ノ酸類およびカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類 (アミノ酸類を除く) の 全体に対する含有量が約 1 wZ v %以上である本宪明遺伝子製剤が包含される。 本発明は別の態様として、 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだべク タ一を含む遺伝子調製物に、 少なくとも 1つの糖類および Zまたは少なくとも 1 つの非疎水性ァミノ酸類および Zまたは少なくとも 1つのカルボキシル基を 2個 以上有する有機酸類 (アミノ酸類を除く) を添加することからなる、 遺伝子製剤 を安定化する方法に関する。
さらに別の態様として、 本発明は本発明の遺伝子製剤を生体に投与することか らなる遺伝子治療方法に関する。 .—
4 本発明は、 もう 1つの態様として、 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込 んだべクター、 少なくとも 1つのァミノ酸類、 および生体親和性材料、 特にコラ 一ゲンまたはゼラチンを含む安定な遺伝子製剤に関する。 かかる遺伝子製剤は、 細胞への遺伝子導入を促進する物質、 例えばカチオン性脂質、 カチオン性ポリマ —または疎水性ポリマーをさらに含むことができる。 本発明は、 所望の遺伝子ま たは所望の遺伝子を組み込んだべクタ一が生体親和性材料、 特にコラーゲンある いはゼラチンに担持されていることを特徴とする遺伝子製剤を包含する。
本発明はこの態様においても、 溶液状態、 ゲル状態あるいは懸濁液状態である 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだベクターを含む調製物を乾燥状態、 特に凍結乾燥に付することにより得られる本発明遺伝子製剤を包含する。
また、 本発明には、 溶液状態、 ゲル状態もしくは懸濁液状態である遺伝子製剤 または溶液状態、 ゲル状態もしくは懸濁液状態の工程を経て製造される遺伝子製 剤において、 溶液状態、 ゲル状態または懸濁液状態におけるアミノ酸類の全体に 対する含有量が約 1 w/ v %以上である本発明遺伝子製剤が包含される。
別の態様として、 本発明は、 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだべ クタ一と生体親和性材料、 特にコラーゲンまたはゼラチンとを含む遺伝子調製物 に、 少なくとも 1つのァミノ酸類を添加することからなる、 遺伝子製剤を安定化 する方法に関する。
さらに別の態様として、 本発明は、 上記本発明遺伝子製剤を生体に投与するこ とからなる遺伝子治療方法に関する。 図面の簡単な説明
図 1は、 アミノ酸を含有する遺伝子製剤 (実施例 1 ) に含まれる pCAHST - 1の一 次構造の評価結果を示す電気泳動の写真である。
図 2は、 糖類を含有する遺伝子製剤 (実施例 2 ) に含まれる pCAHST- 1の一 7火構 造の評価結果を示す電気泳動の写真である。
図 3は、 カルボキシル基 2個を含む有機酸類およびァミノ酸を含有する遺伝子 製剤 (実施例 3 ) に含まれる pCAHST-1の一次構造の評価結果を示す電気泳動の写 真である。 _
5 図 4は、 糖類および遺伝子導入促進成分を含有する遺伝子製剤 (実施例 4 ) に 含まれる pCAHST- 1の一次構造の評価結果を示す電気泳動の写真である。
図 5は、 糖類を含有する遺伝子製剤 (実施例 2 ) を 4 0 °Cで保存した後、 pCAHST-1の一次構造を評価した結果を示す電気泳動の写真である。
図 6は、 糖類および遺伝子導入促進成分を含有する遺伝子製剤 (実施例 4 ) を
3 7 °C- 4週間保存した後、 pCAHST-1の一次構造を評価した結果を示す電気泳動 の写真である。
図 7は、 糖類および遺伝子導入促進成分を含有する溶液状遺伝子製剤 (実施例 5 ) を 4 0 °C- 4週間保存した後、 pCAHST - 1の一次構造を評価した結果を示す電 気泳動の写真である。
図 8は、 コラーゲンを含有するスポンジ状遺伝子製剤 (実施例 7 ) に含まれる pCAHST-1の一次構造の評価結果を示す電気泳動の写真である。
図 9は、 コラーゲンを含有する棒状の遺伝子製剤 (実施例 8 ) に含まれる pCAHST-1の一次構造の評価結果を示す電気泳動の写真である。
図 1 0は、 コラーゲンを含有する棒状の遺伝子製剤 (実施例 8 ) における血中 での pCAHST - 1の検出期間を示すグラフである。
図 1 1は、 コラーゲンを含有する棒状の遺伝子製剤 (実施例 8 ) における血中 の HST-1濃度の経時変化を示すグラフである。
図 1 2は、 試験例 1 0における投与部位での HST-1量の経時変化を示すグラフ である。
図 1 3は、 実施例 1 0における血中の血小板数の経時変化を示すグラフである。 図 1 4は、 アミノ酸を含有する遺伝子製剤 (実施例 9 ) に含まれる pCAHST- 1の 凍結乾燥時の安定化度を示すグラフである (試験例 1 1 ) 。
図 1 5は、 糖類を含有する遺伝子製剤 (実施例 1 0 ) に含まれる pCAHST-1の凍 結乾燥時の安定化度を示すグラフである (試験例 1 2 ) 。
図 1 6は、 ァテロコラーゲンおよびアミノ酸を含有する遺伝子製剤 (実施例 1 1 ) に含まれる pCAHST- 1の凍結乾燥時における安定ィヒ度を示すグラフである (試 験例 1 3 ) 。
図 1 7は、 ァテロコラーゲンおよび糖類を含有する遺伝子製剤 (実施例 1 2 ) _
6 に含まれる pCAHST-lの凍結乾燥時における安定化度を示すダラフである (試験例 1 4 ) 0
図 1 8は、 アミノ酸を含有する遺伝子製剤 (実施例 9 ) および糖類を含有する 遺伝子製剤 (実施例 1 0 ) を 4 0 °Cで保存した場合の pCAHST-1の安定化度を示す グラフである (試験例 1 5 ) 。
図 1 9は、 ァテロコラーゲンおよびアミノ酸を含有する遺伝子製剤 (実施例 1 1 ) およびァテロコラーゲンおよび糖類を含有する遺伝子製剤 (実施例 1 2 ) を 4 0 °Cで保存した場合の pCAHST- 1の安定化度を示すグラフである (試験例 1 6 ) 。 発明を実施するための最良の形態
上記のように、 本発明の要旨は、 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込ん だべクターと少なくとも 1つの糖類および Zまたは少なくとも 1つの非疎水性ァ ミノ酸類および Zまたは少なくとも 1つのカルボキシル基を 2個以上有する有機 酸類とを含む安定な遺伝子製剤、 ならぴに所望の遺伝子または所望の遺伝子を組 み込んだベクター、 コラーゲンまたはゼラチンおよび少なくとも 1つのアミノ酸 類を含む安定な遺伝子製剤である。 本発明製剤は別の局面では、 これら糖類、 非 疎水性ァミノ酸類および Zまたは有機酸類を含む、 あるいはコラーゲンまたはゼ ラチンおよびアミノ酸類を含む、 含有される遺伝子またはベクターの安定化 (分 解抑制作用) 増強製剤である。
「所望の遺伝子」 としては、 遺伝子治療が可能な遺伝子であればいずれでもよ い。 ここに、 遺伝子治療とは、 遺伝子を用いて行われる治療を意味する。 例えば、 遺伝子治療時に発現が要求されるタンパク質の遺伝子情報をコードする遺伝子、 細胞内で特定の DNAや RNAと対合し遺伝子の発現を抑制するァンチセンス配列が挙 げられる。 アンチセンス配列は、 ベクター等に組み込まれることなく使用するこ とができる。
「所望の遺伝子を組み込んだベクター」 としては、 細胞内に導入されたとき、 コードした遺伝情報を細胞内で発現するように構成された形態が好ましく、 プロ モータ一等、 目的遺伝子の発現に必要な要素を含有する、 あるいは染色体への組 み込みを可能とする要素を含有するベクター、 例えば pDNAが挙げられる。 本発明の遺伝子製剤中には、 別個の所望の遺伝子を組み込んだ数種類のべクタ —が同時に存在してもよい。 また、 一つのベクタ一には複数の遺伝情報がコード されていてもよい。 遺伝子製剤中に含有されるベクターの量に特に制限はない。 遺伝子治療時に発現が要求されるタンパク質をコードする遺伝子には遺伝病の 処置に用いられ得る遺伝子、 例えばアデノシンデァミナーゼ、 チミジンキナーゼ 等の酵素類、 GM-CSF, IL- 2等のサイトカイン類、 または繊維芽細胞増殖因子 HST- 1 (FGF4)をコードする遺伝子が挙げられるがこれに限られるものではな!/、。 また、 遺伝子治療時に発現が要求される別のタンパク質をコードする遺伝子として、 発 現されるタンパク質あるいはペプチドが抗原として免疫を誘導し、 感染症もしく は腫瘍の予防または治療を行うことを目的とする遺伝子、 即ち上記の抗原となり 得るタンパク質あるいはぺプチドをコ一ドする遺伝子、 例えばインフルエンザゥ ィルスの表面タンパク質である HAや NAまたは核タンパク質である NPの各タンパク 質、 C型肝炎ウィルスの E2や NS 1タンパク質、 B型肝炎ウィルスの HBs抗原タンパ ク質、 A型肝炎ウィルスのカプシドタンパク質である VP 1や VP 3、 あるいはカプ シド様タンパク質、 デングウィルスの Egpタンパク質、 RSウィルスの Fあるいは G タンパク質、 狂犬病ウィルスの構造タンパク質である Gや Nタンパク質、 ヘルぺス ウィルスの gDタンパク質、 日本脳炎ウィルスの E 1あるいは pre - Mタンパク質、 口 タウィルスの外殻糖タンパク質 VP 7や外殻タンパク質 VP 4 、 ヒ ト免疫不全ウイ ルスの gp 120や gp 160タンパク質、 Leishmania majorの主要表面抗原タンパク質、 マラリァのスポロゾィドの主要表面抗原(circum sporozoite protein)タンパク 質、 トキソプラズマの 54-kdや CSタンパク質、 虫歯の原因となる Str印 tococcus mutansの菌体表層タンパク質 PAcをコードする遺伝子;また、 MAGE- 1、 MAGE- 3ま たは BAGEなどの癌退縮抗原や、 チロシナーゼ、 Mart- 1、 gpl00、 gp75などの組織 特異抗原、 pl5、 Mucl、 CEA、 HPV E6、 E7、 HPR2/neuなどをコードする遺伝子、 お よび I Immunization witn DNA」 : Journal of Immunological Methods, 176 卷, 1994年, 145 - 152頁に記載されている遺伝子の核酸を挙げることができるが、 これに限定されるものではない。
「糖類」 としては、 医学的に許容される単糖、 二糖、 三糖以上のオリゴ糖もし くはこれらの糖アルコールまたはこれらの誘導体が挙げられる。 本発明の遺伝子 —
8 製剤に添加されることにより、 製剤の安定性を改善するならば、 糖類の種類は特 に限定されない。 また、 本発明遺伝子製剤は 2つ以上の糖類の混合物を含有する ことができる。
糖類としては例えば、 単糖としてグルコース、 ガラク トース、 フルク トース等 が挙げられ、 好ましくはグルコースである。 二糖としてはシユークロース、 マル トース、 ラク トース、 トレハロースが好ましい例として挙げられる。
糖アルコ一ルとしてはソルビトール、 マンニトール等が挙げられ、 好ましくは マンニト一ノレである。
糖誘導体には、 デォキシ糖、 アミノ糖、 リン酸エステル類等、 およびこれらを 構成成分とする二糖がある。
「非疎水性アミノ酸類」 とは、 アミノ酸類の中でも、 非疎水性の性質を有する アミノ酸類を意味する。 ここに、 「非疎水性」 とは、 水との親和性が比較的強い 性質を意味し、 本発明では、 グリシンの水親和性を基準として、 それよりも水親 和性が強い性質を 「非疎水性」 と称する。 なお、 水親和性を数値ィヒする指標は、 例えは yte, J. &Doolittele, R. R , 1982, J. Mol. Biol. 157, 105-132に記載されてい る。 この基準によれば、 非疎水性でないアミノ酸はグリシン、 ァラニン、 メチォ ニン、 フエ二ルァラニン、 バリン、 ロイシン、 イソロイシンである。 「非疎水性 ァミノ酸類」 として、 好ましくはグレタミン、 ァスパラギン、 グルタミン酸ナト リウム、 ァスパラギン酸ナトリウム、 プロリンが挙げられ、 より好ましくはグル タミン、 グルタミン酸ナトリウム、 ァスパラギン酸ナトリウムが挙げられる。 コラ一ゲンまたはゼラチンを含む本発明製剤における 「アミノ酸類」 としては 医学的に許容されるアミノ酸およびその塩、 ならびにこれらの誘導体が挙げられ る。 本発明の遺伝子製剤に添カ卩されることにより、 製剤の安定性を改善するなら ばァミノ酸類はこれらに限定されない。 ァミノ酸類としてはグルタミン酸または ァスパラギン酸などの酸性アミノ酸のみならず、 一般に塩基性アミノ酸として分 類されるリジン、 アルギニン、 ヒスチジン、 および酸性、 塩基性アミノ酸以外の グリシン、 ァラニン、 メチォニン、 プロリン、 シスチン、 セリン、 スレオニン、 ァスパラギン、 グルタミン、 イソロイシン、 システィン、 チロシン、 トリプトフ アン、 ロイシンも包含される。 よって、 本発明におけるアミノ酸類とは、 その水 _
9 溶液における液性とは無関係であり、 他に塩基性あるいは中性の側鎖が存在して いるアミノ酸も包含される。 アミノ酸の塩としてはナトリウム塩、 カリウム塩等 が挙げられる。 コラーゲンまたはゼラチンを含む本発明製剤における 「アミノ酸 類」 として、 好ましくはグルタミン、 ァスパラギン、 グルタミン酸ナトリウム、 ァスパラギン酸ナトリウム、 プロリン、 アルギニン、 ヒスチジン、 リジンが挙げ られる。 より好ましくは、 コラーゲンと DNAの静電的な相互作用を弱める働きを 有するグルタミン酸ナトリウム、 ァスパラギン酸ナトリウム、 アルギニン、 ヒス チジン、 リジンが挙げられ、 さらに好ましくはアルギニン、 ヒスチジンが挙げら れる。
「カルボキシル基を 2個以上有する有機酸」 としては、 医学的に許容される力 ルポキシル基を 2個以上する有機酸 (アミノ酸類を除く) およびその塩、 ならび にこれらの誘導体が挙げられる。 本発明の遺伝子製剤に添加されることにより、 製剤の安定性を改善するならば有機酸類の種類はァミノ酸類以外であれば、 特に 限定されない。
カルボキシル基を 2個以上有する有機酸およびその塩としては、 好ましくは力 ルポキシル基を 2あるいは 3個含む有機酸およびその塩が挙げられ、 より好まし くは飽和または不飽和脂肪族の該有機酸である。 カルボキシル基を 2あるいは 3 個含む有機酸およびその塩として、 例えばクェン酸、 酒石酸、 コハク酸、 リンゴ 酸、 フマル酸およびその塩が挙げられ、 好ましくはクェン酸、 酒石酸の塩である。 本発明の遺伝子製剤には、 上記の糖類、 非疎水性アミノ酸類およびカルボキシ ル基を 2個以上有する有機酸類のいずれかを含有する製剤およびこれらのうち任 意の 2者または 3者すベてを含有する製剤が含まれ、 またいずれの場合でも糖類、 アミノ酸類および有機酸類ともに一つ以上を含有することができる。
本発明の遺伝子製剤における、 糖類、 非疎水性アミノ酸類、 カルボキシル基を 2個以上有する有機酸類の個別の、 またはこれらを混合して用いた場合の全体の 含有量、 あるいはコラーゲンもしくはゼラチンを含む本発明遺伝子製剤における アミノ酸類の含有量は、 本発明製剤に含有される遺伝子またはベクターの分解を 抑制する効果が得られる量以上に設定することが望ましいが、 該遺伝子またはべ クタ一の濃度および量あるレ、は遺伝子製剤の実施形態によつて適宜設定すること _
10 ができる。 例えば、 pDNAを 1 0 μ g /m 1の濃度で溶解した 150mM NaCl, lOm Tris- HCl (pH7. 4)溶液を凍結乾燥して目的の遺伝子製剤を得る、 あるいはこのよ うにして乾燥した遺伝子製剤を保存する場合には、 l % (w/v)以上の糖類および/ または非疎水性ァミノ酸類および Zまたはカルボキシル基を 2個以上有する有機 酸類を溶液に含有することが好ましい。 なお、 乾燥前あるいは実施形態である溶 液状態の遺伝子製剤の通常用いられる pHは pH5〜pH8の範囲であるが、 好ましくは pH6〜PH8の範囲であり、 より好ましくは pH7〜pH8の範囲である。
本発明遺伝子製剤には、 医学的に許容される添加剤あるいは遺伝子発現を改善 し得る物質を添加することができる。 糖類、 アミノ酸類および有機酸類の量は従 つてこれらの添加剤の種類および量によっても変動し得る。
医学的に許容される添加剤として、 例えば生体親和性材料あるいはゴマ油、 ス クヮレン等の油類等が挙げられるがこれに限定されるものではな!/、。
添加剤として使用する生体親和性材料に所望の遺伝子または該遺伝子を含むベ クタ一を担持させれば、 本発明遺伝子製剤を徐放性製剤にすることができる。 こ こに言う生体親和'性材料とは、 例えば、 1 ) コラーゲン、 ゼラチン、 フイブリン、 アルブミン、 ヒアルロン酸、 へパリン、 コンドロイチン硫酸、 キチン、 キトサン、 アルギン酸、 ぺクチン、 ァガロースおよびアラビアゴム、 2 ) グリコール酸、 乳 酸、 アミノ酸の重合体およびこれらの二以上の共重合体、 ならびに、 3 ) ハイド ロキシアパタイ ト、 ポリメタクリル酸メチル、 ポリジメチルシロキサン、 ポリテ トラフルォロエチレン、 ポリプロピレンおよびポリエチレン等を挙げることがで きるがこれに限られるものではない。 好ましい例として、 コラーゲン、 ゼラチン またはその混合物が挙げられる。
ここに、 「担持させる」 とは、 所望の遺伝子または該遺伝子を含むベクターを 生体親和性材料に均一に分散または包括させることを意味する。
遺伝子発現を改善し得る物質としては、 遺伝子の細胞への導入を促進する物質 または遺伝子の核への移行を促進する物質を挙げることができる。 前者の例とし て、 カチオン性脂質、 カチオン性ポリマー、 疎水性ポリマー等を挙げることがで きる。 「カチオン性脂質」 として、 DOTMA ( N— [ 1— ( 2 , 3—ジォレイルォ キシ) プロピル] —N—トリメチルアンモニゥム クロライド) 、 D0SPA ( 2 , 3 .一
11 ージォレイルォキシ _ N— [ 2 - (スペルミンカルポキサミ ド) ェチル] _ N, N_ジメチルー 1一プロパンアミニゥムトリフルォロアセテート) 、 DDAB (ジメ チルジォクタクレシノレアンモニゥムブロミ ド) 、 TM- TPS (N, N 1 , Νπ, Nm—テ トラメチル _ Ν, Ν' , Ν' ', Ν' "—テトラパルミチルスペルミン) 、 DMRIE ( 1, 2—ジミリスチルォキシプロピル一 3—ジメチルヒ ドロキシェチルアンモニゥム ブロミ ド) 、 Ν _ ( α—トリメチルアンモニオアセチル) ージドデシル— D—グ ノレタメートクロフィト (Biochemical Biophysical Research Communication, 196, 1042 (1994) ) 等が挙げられ、 これらのカチオン性脂質と DOPE (ジォレオイ ル ホスファチジルエタノールァミン) 等の中性脂質からなるカチオン性リポソ ーム、 カチオン性脂質とコレステロールとの混合物も用いることができる。 「力 チオン性ポリマー」 は遺伝子と静電的な相互作用をするポリマーであり、 例えば DOGS (ジォクタデシルァミ ドグリシルスペルミン) 等のリポポリアミン、 AlkCWK 1 8等のペプチド、 ポリリジンやその誘導体 (Proceedings of Academy Sciences of the USA, 89, 6094 (1992) ) 等のカチオン性ポリアミノ酸およびその誘導体、 ポリエチレンィミン、 ポリアミ ドアミンデンドリマー等が挙げられる。 「疎水性 ポリマー」 は遺伝子と疎水的な相互作用をするポリマ一であり、 例えばポリビニ ルアルコールやポリビュルピロリ ドン等が挙げられる。 その他、 AlkCWK18等のぺ プチドも用いることができる。 ここに、 カチオン性リボソームとしては、 例えば D0SPAと DOPEを 1 : 1で含む LIPOFECTAMINE (登録商標、 Life Technologies, Inc. , ロックビル, MD, USA) 、 D0TMAと DOPEを 1 : 1で含むリボソーム、 DDABと DOPEを
1 : 2 . 5で含む LIP0FECTACE (登録商標、 Life Technologies, Inc. ,ロックビ ル, MD, USA) 、 TM - TPSと DOPEを 1 : 1 . 5で含む CELLFECTIN (登録商標、 Life Technologies, Inc.,ロックビル, D, USA) 等を挙げることができるが、 これらに 限定されない。 また、 ここで言うカチオン性脂質とコレステロールの混合物とは、 例えは 1DMRIEとコレステロ一ルのモル比で 1 : 1の混合物である DMRIE- C (Life
Technologies, Inc. ,ロックビル, MD, USA) を挙げることできる。 あるいは、 遺伝 子の細胞内におけるェンドソームでの分解を抑えるために、 例えばェンドソーム の内容物を放出する能力を有する不活化したアデノウイルス、 CHEMS (コレステ ロールへミスクシネートモルホリン塩) 等を用いることもできる。 一
12 遺伝子の核への移行を促進する物質としては、 HMG— 1、 2混合物 (high mobility group_l, 2 mixture:実験医学, 12, 184 (1994) ) 等を挙げることがで さる。
本発明遺伝子製剤の形状には特に制限はなく、 例えば溶液状、 懸濁液状、 ゲル 状、 スポンジ状、 粉末状、 微粒子状、 棒状、 フィルム状などの形態をとることが できる。
溶液状の遺伝子製剤の製造方法としては、 例えば、
1) 必要に応じて添加剤を添加した所望の遺伝子または該遺伝子を含有するべク ターの溶液に糖類および/または非疎水性ァミノ酸類および またはカルボキシ ル基を 2個以上有する有機酸類を加えて溶解し、 均一な溶液状態の遺伝子製剤を 得る方法、 および
2) 必要に応じて添加剤を添加した所望の遺伝子または該遺伝子を含有するべク ターの溶液に糖類および/または非疎水性ァミノ酸類および Zまたはカルボキシ ル基を 2個以上有する有機酸類の溶液を加えて混合し、 均一な溶液状態の遺伝子 製剤を得る方法、 が挙げられる。
あるいは、 コラーゲンまたはゼラチンを含む溶液に、 必要に応じて添加剤を添 加した所望の遺伝子または該遺伝子を含有するべクターの溶液およびァミノ酸類 またはアミノ酸類の溶液を加えて溶解または混合し、 均一な溶液状態の遺伝子製 剤を得る方法も包含される。
微粒子状の遺伝子製剤の製造方法としては、 例えば、
1) 所望の遺伝子または該遺伝子を含有するベクター、 糖類および/または非疎 水性ァミノ酸類および Zまたはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類、 さら に必要に応じて添加剤を添カ卩した溶液を噴霧乾燥する方法、 および
2) 所望の遺伝子または該遺伝子を含有するベクター、 糖類および/または非疎 水性アミノ酸類および Zまたはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類、 さら に必要に応じて添加剤を添加した溶液を凍結乾燥し、 得られたスポンジを粉砕す る方法、 が挙げられる。
あるいは、 コラーゲンまたはゼラチンを含む溶液に、 必要に応じて添加剤を添 加した所望の遺伝子または該遺伝子を含有するべクタ一の溶液およびァミノ酸類 一
13 またはァミノ酸類の溶液を加えて溶解または混合して得た溶液を噴霧乾燥し、 あ るレ、は該溶液を凍結乾燥し該凍結乾燥品を粉砕する方法も包含される。
棒状の遺伝子製剤の製造方法としては、 例えば、
1) 所望の遺伝子または該遺伝子を含有するベクター、 糖類および/または非疎 水性アミノ酸類および Zまたはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類、 さら に必要に応じて添加剤を添加した溶液を噴霧乾燥して得られた微粒子を棒状に圧 縮成形する方法、
2) 所望の遺伝子または該遺伝子を含有するベクター、 糖類および Zまたは非疎 水性ァミノ酸類および/またはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類、 さら に必要に応じて添加剤を添加した溶液を凍結乾燥し、 得られたスポンジを粉砕し て得られた微粒子を棒状に圧縮成形する方法、
3) 所望の遺伝子または該遺伝子を含有するベクター、 糖類および Zまたは非疎 水性ァミノ酸類および/またはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類、 さら に必要に応じて添加剤を添カ卩した溶液を凍結乾燥し、 得られたスポンジを棒状に 圧縮成形する方法、
4) 所望の遺伝子または該遺伝子を含有するベクター、 糖類および Zまたは非疎 水性ァミノ酸類および Zまたはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類、 さら に必要に応じて添加剤を添加した溶液を凍結乾燥し、 得られたスポンジに水等を 加えた後、 練合し、 ノズルから棒状に押し出し、 乾燥する方法、 および
5) 所望の遺伝子または該遺伝子を含有するベクター、 糖類および/または非疎 水性ァミノ酸類および Zまたはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類、 さら に必要に応じて添加剤を添カ卩した溶液を噴霧乾燥し、 得られた微粒子を液状ある いは混粘可能な程度に柔らかいゴム状のシリコーンと混合し、 硬化剤を加え、 ノ ズルから棒状に押し出す方法、 が挙げられる。
あるいは、 コラ一ゲンまたはゼラチンを含む場合は、 上記方法にコラーゲンま たはゼラチンおよびアミノ酸類を使用する以外は同様の方法が包含される。
本発明の遺伝子製剤は、 治療目的の疾患、 標的臓器等に応じ、 種々の方法で投 与することができる。 例えば、 皮下、 筋肉内等に投与することができ、 また腎臓、 肝臓、 肺、 脳等の疾患の対象部位に直接投与することができる。 疾患部位に直接 _
14 投与すれば臓器選択的に治療することができる。
本発明により得られる遺伝子製剤の効果を、 所望の遺伝子を含有するベクター としてプラスミ ド D N A (pDNA) を用いた場合を例に以下説明する。
1) pDNA単独あるいは pDNAと糖類、 非疎水性ァミノ酸類およびカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類以外の添加物 (医学的に許容される添加剤、 生体親和性 材料、 遺伝子導入を促進する物質等) を含有した溶液を製剤化すべく一般に用い られる凍結乾燥に付した場合、 いずれの場合も凍結乾燥後に pDNAの分解がみられ るが、 糖類および Zまたは非疎水性ァミノ酸類および /またはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類を含有する組成で凍結乾燥した場合、 これらを含まない 組成で凍結乾燥した場合に比べて、 pDNAの分解が抑制された。
2) pDNA単独あるレ、は pDNAと糖類、 非疎水性ァミノ酸類およびカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類以外の添加物 (医学的に許容される添加剤、 生体親和性 材料、 遺伝子導入を促進する物質等) を含有した溶液を乾燥させて得た乾燥品を 40°Cで保存した場合、 いずれの場合も pDNAの分解が見られるが、 糖類および/ま たは非疎水性ァミノ酸類および Zまたはカルボキシル基を 2個以上有する有機酸 類を含有する組成の溶液を乾燥させて得た乾燥品を保存した場合、 これらを含ま ない場合に比べて、 pDNAの分解が抑制された。
3) pDNAとコラーゲンまたはゼラチンを含有する溶液を製剤化すべく一般に用い られる凍結乾燥に付した場合、 いずれの場合にも凍結乾燥後に pDNAの分解が見ら れるが、 アミノ酸類を含有する組成で凍結乾燥した場合、 これらを含まない組成 で凍結乾燥した場合に比べ、 pDNAの分解が抑制された。
4) pDNAとコラーゲンまたはゼラチンを含有する溶液を乾燥させて得た乾燥品を 4 0 °Cで保存した場合、 いずれの場合も pDNAの分解が見られるが、 アミノ酸類を 含有する組成の溶液を乾燥させて得た乾燥品を保存した場合、 これらを含まなレヽ 場合に比べ、 pDNAの分解が抑制された。
このような糖類および Zまたは非疎水性ァミノ酸類および/またはカルボキシ ル基を 2個以上有する有機酸類を含有する組成による pDNAの安定化効果は、 上記 のような乾燥工程および乾燥状態での保存時のみならず、 溶液状態でも得ること ができる。 特に、 遺伝子の導入効率を向上させることを目的に用いられるカチォ —
15 ン脂質類を含有した組成でその効果が顕著である。 すなわち、
5) pDNA単独あるいは pDNAと糖類、 非疎水性アミノ酸類およびカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類以外の添加物 (医学的に許容される添加剤、 生体親和性 材料、 遺伝子導入を促進する物質等) およびカチオン脂質類を含有した組成の溶 液を溶液状態で保存した場合、 いずれの場合も pDNAの分解が見られるが、 糖類お よび または非疎水性ァミノ酸類および Zまたはカルボキシル基を 2個以上有す る有機酸類を含有する組成の溶液を保存した場合、 これらを含まない場合に比べ て、 pDNAの分解が抑制された。
前記本発明製剤の遺伝子分解抑制 (安定化) 効果は、 後述の試験例と表 9に具 体的に示されている。
また、 本発明で得られた HST- 1/FGF4をコードする pDNAとコラーゲンおよびグル コースからなる棒状の遺伝子製剤をマウスの筋肉内に投与した場合、 投与後 38日 間に亘って血中に pDNAが検出され、 投与後 60日以上に亘って HST-1遺伝子の発現 が血中および投与部位で認められた。 一方、 溶液で pDNAを投与した場合には、 投 与後 30日間し力 HST-1遺伝子の発現が認められなかった。 この結果は、 pDNAはコ ラ一ゲンおよびグルコースからなる棒状の遺伝子製剤から徐放されたのと同時に、 遺伝子製剤内で長期間安定に保存されていることを示している。 実施例
以下に実施例、 参考例および試験例を挙げ、 本発明を更に詳細に説明する。 た だし、 本発明はこれらの実施例および試験例により限定されるものではない。 以下の実施例にぉレ、ては、 繊維芽細胞増殖因子 HST-1 (FGF4)の遺伝子(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 2980- 2984 (1987) )を組み込んだプラスミ ドベクタ一 pCAHST- 1を含む製剤の調製につき説明する。 HST- 1遺伝子産物は巨核球に対して 血小板増加因子として作用するものであり、 癌の化学療法や放射線療法の際の重 篤な副作用である血小板減少症を効果的に抑制することが明らかとなつている
(J. Clin. Invest. , 96 : 1125-2230, 1995, Oncogene, 13 : 9-19, 1996) 。 pCAHST- 1 は、 発現ベクター pCAGGS (Gene, 108, 193 - 200 (1991) )の CAGプロモータ一部とポ リ A配列との間に HST - 1遺伝子を組み込んだプラスミ ドベクタ一である。 なお、 CAGプロモーターは、 高発現ベクターとして特開平 3-168087号公報に記載されて いる。 実施例 1
アミノ酸を含有する遺伝子製剤 (乾燥状態)
1 0 μ g / 1の pCAHST - 1および 1 0 m g /m 1のグリシン、 ァラニン、 グル タミン酸ーナトリゥムまたはリジン塩酸塩を含有する 150mM NaCl, 10m Tris- HCl (pH7. 4)溶液をそれぞれ調製した。 調製した溶液の 1 m 1を一 40°Cで凍結させ た後、 陰圧下室温で一晩乾燥した。 このように凍結乾燥によって、 乾燥状態の遺 伝子製剤を調製した。
実施例 2
糖類を含有する遺伝子製剤 (乾燥状態)
1 0 M g /m 1の pCAHST_lおよび 1 0 m g Zm 1のグルコース、 シユークロー ス、 マルト一ス、 ラクトースまたはマンニトールを含有する 150mM NaCl, lOmM Tris- H (pH7. 4)溶液をそれぞれ調製した。 調製した溶液の 1 m 1を— 40°Cで凍 結させた後、 陰圧下室温で一晩乾燥した。 このように凍結乾燥によって、 乾燥状 態の遺伝子製剤を調製した。
実施例 3
カルボキシル基 2個以上を含む有機酸類およびァミノ酸を含有する遺伝子製剤 (乾燥状態)
1 0 μ g /m 1の pCAHST- 1および 1 0 m g /m 1のグルタミン酸ーナトリゥム、 ァスパラギン酸ナリゥム、 酒石酸ナトリゥムニ水和物またはクェン酸三ナトリウ ムニ水和物を含有する 150mM NaCl, 10mM Tris_HCl (pH7. 4)溶液を調製した。 調製 した溶液の l m 1を一 40°Cで凍結させた後、 陰圧下室温で一晩乾燥した。 このよ うに凍結乾燥によって、 乾燥状態の遺伝子製剤を調製した。
実施例 4
糖類およびカチオン性脂質を含有する遺伝子製剤 (乾燥状態)
3 μ g /m 1の pCAHST- 1、 2 4 μ g /m 1の DMRIE- C (Gibco BRL社製、 遺伝子 導入促進成分) および 1 O m g Zm lのシユークロースを含有する OmM NaCl , _
17 lOmM Tris- HC1(PH7.4)溶液を調製した。 調製した溶液の l m 1を一 40°Cで凍結さ せた後、 陰圧下室温で一晩乾燥した。 このように凍結乾燥によって、 乾燥状態の 遺伝子製剤を調製した。
実施例 5
糖類および遺伝子導入促進成分を含有する遺伝子製剤 (溶液状)
150mM NaCl, 10mM Tris_HCl (pH7.4)溶液に、 pCAHST- 1、 DMRIE- C (Gibco BRL社 製) およびグルコースをそれぞれの最終濃度が 3 μ g/m 1 24 μ g/m 1 Omg/m 1になるように混合した。 このようにして、 液状の遺伝子製剤を得 た。
実施例 6
徐放性遺伝子製剤 (ゲル状)
0. 1 wZw%ァテロコラーゲン溶液 (50 Omg) に 1 00 / g/m 1の pCAHST- 1溶液 (200 1 ) および 1 0 m g 1のグルコース、 シユークロー スまたはグルタミン酸ーナトリゥム溶液 (5 00 μ 1 ) を加え、 混合後 37°Cに保 温することによって、 ゲル状の遺伝子製剤を調製した。 なお、 本実施例および以 下の実施例 ·参考例において用いたァテロコラーゲンは (株) 高研から入手でき る。
実施例 7
徐放性遺伝子製剤 (スポンジ状)
実施例 6で調製した、 グルコースを含有するゲル状の遺伝子製剤を凍結乾燥し た。 これにより 500 μ gのァテロコラーゲン、 20 μ gの pCAHST - 1、 5mgの グルコース、 シュ一クロースまたは グルタミン酸ナトリウム塩を含有するスポ ンジ状の遺伝子製剤を得た。
実施例 8
徐放性遺伝子製剤 (棒状)
0. 8 6 wZwO/oァテロコラーゲン溶液 (2 9. l g) に水 (60 g) 、 1 1 mg m 1のグルコース溶液 (1 0m l ) を加え混合した後、 1 0 0 g/m 1 の pCAHST_l溶液 (80m l ) を加え混合した。 得られた溶液を凍結乾燥した後、 この凍結乾燥品に適当量の蒸留水を加えて練合した。 その後、 練合品をシリンジ 一
18 に入れ押し出しを行い、 さらに乾燥して pCAHST-1の収率 7 4 %の製剤を得た。 す なわち、 1 m gあたり 1 7 μ gの pCAHST- 1、 3 0 0 μ gのグルコースを含有する 棒状の遺伝子製剤を得た。 参考例
アミノ酸を加えないこと以外は、 実施例 1に記載の操作に従い、 乾燥状態の組 成物を調製した。
参考例 2
シユークロースを加えないこと以外は、 実施例 4に記載の操作に従い、 乾燥状 態の組成物を調製した。
参考例 3
グルコースを加えないこと以外は、 実施例 5に記載の操作に従い、 液状の組成 物を得た。
参考例 4
糖類の溶液またはグルタミン酸ーナトリゥム溶液を加えないこと以外は、 実施 例 6および 7に記載の操作に従い、 5 0 0 μ gのァテロコラーゲンおよび 2 0 μ gの pCAHST-lを含有するスポンジ状の組成物を得た。
参考例 5
グルコース溶液を加えないこと以外は、 実施例 8に記載の操作に従い、 l m g あたり 2 0 μ gの pCAHST- 1を含有する棒状の乾燥組成物を得た。
参考例 6
pCAHST - 1溶液を加えないこと以外は、 実施例 8に記載の操作に従い、 1 m gあ たり 3 0 0 μ gのグルコースを含有する棒状の乾燥組成物を得た。 試験例 1
凍結乾燥時におけるアミノ酸の遺伝子分解抑制効果
実施例 1の遺伝子製剤および参考例 1の組成物を、 凍結乾燥直後に水に溶解し、 ァガロ一ス電気泳動に付して pCAHST - 1の一次構造を評価した。
ァガロース電気泳動は水平型電気泳動ユニット (M u p i d、 (株) ァドノ _
19 ス) にて、 T A E緩衝液中で 0 . 8 %ァガロースゲルを用いて行った。 電気泳動 後、 ェチジゥムブロマイドでゲルを染色し、 トランスイルミネーター上で撮影し た。 その映像を写真スキャナーで取り込み、 一次構造が保持されたスーパーコィ ル型 pDNA (CC) と切断された pDNA (0C) のバンドを含むすべてのバンドの強度を 解析ソフトで算出し、 CCの比率、 すなわち一次構造保持率 (CC保持率) を計算し た。 この場合、 無処理の pDNAの CC保持率を 1 0 0とした。 試験例 2以降において もァガロース電気泳動を実施する場合にはこの方法を用いた。
得られた結果を以下の表 1および図 1に示す。 図中、 C Cは一 7火構造が保持さ れたスーパーコイル型 pCAHST- 1を示し、 O Cは切断された pCAHST- 1を示す。 各レ 一ンは次を意味する ;
レーン 1:分子量マーカー ( L Hind III)
レーン 2:無添加 (参考例 1 )
レーン 3 :グルタミン酸ーナトリウム (実施例 1 )
レーン 4: グリシン (実施例 1 )
レーン 5:ァラニン (実施例 1 )
レーン 6: フエニノレアラニン
レ一ン 7 : リジン塩酸塩 (実施例 1 )
レーン 8:無処理
表 1
ァミノ酸を含有する pCAHST_l溶液の凍結乾燥後の CC保持率 (%無処理) 処 ¾ CC保持率 (%無処理)
無添加 (参考例 1 ) 7 2
グルタミン酸ーナトリウム (実施例 1 ) 9 6
ダリシン (実施例 1 ) 7 9
ァラニン (実施例 1 ) 8 3
フエ二ルァラニン 7 3
リジン塩酸塩 (実施例 1 ) 8 4
無処理 1 0 0
結果は、 グルタミン酸ーナトリゥムを製剤に加えることで、 ァミノ酸無添加の .
20 製剤に比べて、 pCAHST-1の分解が抑えられることを示している。 試験例 2
凍結乾燥時における糖類の遺伝子分解抑制効果
実施例 2の遺伝子製剤および参考例 1の組成物を、 凍結乾燥直後に水に溶解し、 試験例 1の操作に従い、 ァガロース電気泳動に付して pCAHST- 1の一次構造を評価 した。 得られた結果を以下の表 2および図 2に示す。 結果は、 グルコース、 シュ 一クロース、 マルトース、 ラク ト一スおよびマンニトールを製剤に加えることで、 糖類無添加の製剤に比べて pCAHST-1の分解が大幅に抑えられることを示している。 表 2
糖類を含有する pCAHST- 1溶液の凍結乾燥後の CC保持率 (%無処理)
処 方 ― _CC保持率 (%無処理) ―
無添加 (参考例 1) 78
グルコース (実施例 2) 95
シユークロース (実施例 2) 96
マルトース (実施例 2) 95
ラタ トース (実施例 2) 00
マンニトール (実施例 2) 95
無処理 00
図 2中、 CCは一次構造が保持されたスーパ一コイル型 pCAHST - 1を示し、 〇C は切断された pCAHST- 1を示す。 各レーンは次を意味する ;
レーン 1:分子量マーカ一 ( Hind III)
レーン 2 :無添カ卩 (参考例 1)
レーン 3:グノレコース (実施例 2)
レーン 4 :シユークロース (実施例 2)
レーン 5 :マルトース (実施例 2)
レーン 6: ラク トース (実施例 2)
レーン 7: マンニトール (実施例 2)
レーン 8:無処理 .
21
試験例 3
凍結乾燥時におけるカルボキシル基 2個以上を含む有機酸類およびァミノ酸の遺 伝子分解抑制効果
実施例 3の遺伝子製剤および参考例 1の組成物を凍結乾燥直後に水で溶解し、 試験例 1に記載の操作に従って、 ァガロース電気泳動に付して pCAHST- 1の一次構 造を評価した。 得られた結果を以下の表 3および図 3に示す。 結果は、 ダルタミ ン酸ーナトリゥム、 ァスパラギン酸ナトリゥム、 酒石酸ナトリゥムニ水和物ある いはクェン酸三ナトリゥムニ水和物を製剤に加えることで、 有機酸類無添加の製 剤に比べて pCAHST - 1の分解が大幅に抑えられることを示している。
表 3
カルボキシル基 2個以上を含む有機酸類およびァミノ酸
を含有する PCAHST-I緩衝液の凍結乾燥後の CC保持率 (。/。無処理)
処 方 CC保持率 (%無処理) 無添カ卩 (参考例 1 ) 7 6 グルタミン酸ーナトリウム (実施例 3 ) 1 0 3 ァスパラギン酸ナトリウム (実施例 3 ) 9 1 酒石酸ナトリゥムニ水和物 (実施例 3 ) 9 5 クェン酸三ナトリゥムニ水和物 (実施例 3 ) 1 0 2
無処理 1 0 0 図 3中、 C Cは一次構造が保持されたスーパーコイル型 pCAHST- 1を示し、 O C は切断された pCAHST- 1を示す。 各レーンは次を意味する ;
レーン 1:分子量マーカー ( Hind III)
レーン 2 :無添カ卩 (参考例 1 )
レーン 3:グルタミン酸ーナトリウム (実施例 3 )
レーン 4:ァスパラギン酸ナトリウム (実施例 3 )
レーン 5:酒石酸ナトリゥムニ水和物 (実施例 3 )
レーン 6: クェン酸三ナトリゥムニ水和物 (実施例 3 )
レーン 7:無処理 _
22
試験例 4
カチオン性脂質を含有する遺伝子溶液の凍結乾燥時におけるシュ一クロースの遺 伝子分解抑制効果
実施例 4の遺伝子製剤および参考例 2の組成物を凍結乾燥直後に水で溶解し、 試験例 1の操作に従ってァガロース電気泳動に付して pCAHST-1の一次構造を評価 した。 得られた結果を以下の表 4および図 4に示す。 結果は、 シユークロースを 製剤に加えることで、 無添力卩の製剤に比べて pCAHST - 1の分解が抑制されることを 示している。
表 4
カチオン性脂質を含有する pCAHST-1溶液の凍結乾燥後の CC保持率 (%無処理)
^ ≤ CC保持率 (%無処理)
無添カ卩 (参考例 2 ) 6 9
シュ一クロース (実施例 4 ) 1 0 0
無処理 1 0 0
図 4中、 C Cは一次構造が保持されたスーパーコイル型 pCAHST- 1を示し、 O C は切断された pCAHST- 1を示す。 各レーンは次を意味する ;
レ一ン 1:分子量マーカ一 ( Hind III)
レーン 2:無添加 (参考例 2 )
レーン 3 : シユークロース (実施例 4 )
レーン 4:無処理 試験例 5
4 0 °C保存時におけるグルコースの遺伝子分解抑制効果 ( 1 )
実施例 2の遺伝子製剤のうちグルコース処方の乾燥状態の製剤および参考例 1 の組成物を 4 0 °Cで 1、 2、 および 4週間保存した。 保存後の pCAHST- 1の一次構 造を試験例 1の操作に従ってァガロース電気泳動で評価した。 得られた結果を以 下の表 5および図 5に示す。 結果は、 グルコースを製剤に加えることで、 ダルコ ース無添加の製剤に比べ、 係る条件下での pCAHST-1の保存安定性が大幅に改善さ 一
23 れることを示している。
表 5
グルコースを含有する pCAHST- 1乾燥品の 40 °C保存後の CC保持率 (%無処理) 処 ≤ CC保持率 (%無処理) 無添カ卩 (参考例 1 40 °C_ 1週間) 67
無添カ卩 (参考例 1 40 °C— 2週間) 56
無添カ卩 (参考例 1 40 °C— 4週間) 34
グルコース (実施例 2 40 °C— 1週間) 92
ダルコース (実施例 2 40。C一 2週間) 9 1
グルコース (実施例 2ノ 40 °C— 4週間) 71
無処理 1 00
図 5中、 CCは一次構造が保持されたスーパーコイル型 pCAHST-1を示し、 OC は切断された pCAHST-1を示す。 各レーンは次を意味する ;
レーン 1:分子量マーカー ( Hind III)
レーン 2:無添カ卩 (参考例 1 Z40°C_ 1週間)
レーン 3 :無添カ卩 (参考例 1 40°C— 2週間)
レーン 4:無添加 (参考例 1 Z40 °C_ 4週間)
レーン 5: グルコース (実施例 2Z40°C- 1週間)
レーン 6:グルコース (実施例 2 40°C— 2週間)
レーン 7: ダルコ一ス (実施例 2Z40°C_4週間)
レーン 8:無処理 試験例 6
37°C保存時におけるシユークロースの遺伝子分解抑制効果
実施例 4の遺伝子製剤および参考例 2の組成物を 37 °Cで 4週間保存した。 保 存後の pCAHST- 1の構造を試験例 1記載のァガロース電気泳動で評価した。 得られ た結果を以下の表 6および図 6に示す。 結果は、 シユークロースを製剤に加える ことで、 シュ一クロース無添加の製剤に比べ、 係る条件下での pCAHST-1の保存安 定性が大幅に改善されることを示している。 ―
24
表 6
カチオン性脂質を含有する pCAHST- 1溶液の乾燥品
37 _4週間保存後の((保持率 (%無処理) _
^ ≤ CC保持率 (。/。無処理) 無添加 (参考例 2 37 °C— 4週間) 8. 5 シユークロース (実施例 4 37。C— 4週間) 67
無処理 100 図 6中、 CCは一次構造が保持されたス一パーコイル型 pCAHST-1を示し、 OC は切断された pCAHST- 1を示す。 各レーンは次を意味する ;
レーン 1:分子量マーカー (; LHind III)
レーン 2 :無添加 (参考例 2/37°C— 4週間)
レーン 3 :シユークロース (実施例 4/37°C_4週間)
レーン 4:無処理 試験例 7
40 °C保存時におけるダルコースの遺伝子分解抑制効果 ( 2 )
実施例 5の液状遺伝子製剤および参考例 3の組成物を 40 で 4週間保存した。 保存後の pCAHST- 1の一次構造を試験例 1記載のァガロース電気泳動で評価した。 得られた結果を図 7に示す。 結果は試験例 5における乾燥製剤と同様に、 ダルコ 一スを製剤に加えることで、 グルコース無添加の製剤に比べ、 係る条件下での pCAHST_lの保存安定性が大幅に改善されることを示している。
図 7中、 CCは一次構造が保持されたス一パーコイル型 pCAHST- 1を示し、 OC は切断された pCAHST- 1を示す。 各レーンは次を意味する ;
レーン 1:無処理
レーン 2: グルコース (実施例 5 _ 40 °C— 4週間)
レーン 3:無添加 (参考例 3Z40°C— 4週間)
レーン 4:分子量マーカー ( LHind III) 試験例 8
コラーゲン含有時における糖類等の遺伝子分解抑制効果 ( 1 )
実施例 7のスポンジ状の遺伝子製剤および参考例 4のスポンジ状の組成物を 150mM NaCl, lOmM Tris-HCl (pH7. 4)溶液で加温下に溶解し、 コラゲナ一ゼで処理 した。 処理後、 試験例 1に記載のようにしてァガロース電気泳動に付して pCAHST- 1の一次構造を評価した。 その結果、 グルコース、 シユークロースおよび グルタミン酸ーナトリゥムを製剤に加えることで、 糖顏無添加の製剤に比べて pCAHST_lの分解を大幅に抑えることができた (図 8、 表 7 )。
表 7
コラーゲン、 糖類およびアミノ酸を含有する
pCAHST- 1溶液の凍結乾燥後の CC保持率 (%無処理)
処 友 CC保持率 (%無処理)
無添カ卩 (参考例 4 ) 8 5
グルコース (実施例 7 ) 9 4
シュ一クロース (実施例 7 ) 9 5
グルタミン酸ーナトリウム (実施例 7 ) 9 5
無処理 1 0 0
図 8中、 C Cは一次構造が保持されたス一パーコイル型 pCAHST- 1を示し、 〇C は切断された pCAHST- 1を示す。 各レーンは次を意味する ;
レーン 1:分子量マーカー (; L Hind III)
レーン 2:グノレコース (実施例 7 )
レーン 3 : シユークロース (実施例 7 )
レーン 4:グルタミン酸ーナトリウム (実施例 7 )
レーン 5:無添カ卩 (参考例 4 )
レーン 6:無処理 試験例 9
コラーゲン含有時における糖類等の遺伝子分解抑制効果 ( 2 )
実施例 8の棒状の遺伝子製剤および参考例 5の棒状の組成物を 137mM NaCl, .一
26
2. 7mM KC1, 25mM Tris- HC1 (ρΗ7· 4)溶液で加温下で溶解し、 コラゲナーゼで処理 した。 処理後、 試験例 1に記載のようにしてァガロース電気泳動に付し、 pCAHST- 1の構造を評価した。 その結果、 グルコースを製剤に加えることで、 ダル コース無添加の製剤に比べて pCAHST-1の分解を大幅に抑えることができた (図 9、 表 8 ) 。
表 8
棒状組成物中に含まれる pCAHST- 1の CC保持率 (%無処理)
処 £ CC保持率 (%無処理)
無添加 (参考例 5 ) 6 6
グルコース (実施例 8 ) 9 2
無処理 1 0 0
図 9中、 C Cは一次構造が保持されたスーパーコイル型 pCAHST-1を示し、 O C は切断された pCAHST- 1を示す。 各レーンは次を意味する ;
レーン 1:分子量マ一カー (; L Hind III)
レーン 2:無添加① (参考例 5 )
レーン 3:無添加② (参考例 5 )
レーン 4 :グルコース① (実施例 8 )
レーン 5 : グルコース② (実施例 8 )
レーン 6:無処理 試験例 1 0
安定な遺伝子製剤を用いた遺伝子導入
実施例 8の棒状の遺伝子製剤 (ァテロコラ一ゲンノダルコ一ス— pCAHST-1) お よび参考例 5の棒状の組成物 (ァテロコラーゲン一 pCAHST- 1) をそれぞれ 50 /i g の pCAHST- 1を含有するように切断した。 これらを ICRマウス (雌性、 6- 7週齢) の 右大腿部筋肉内に投与した (投与群 1 :実施例 8の遺伝子製剤、 投与群 2 :参考 例 5の組成物) 。 また、 50 μ gの pCAHST- 1を含有するリン酸緩衝液 100 μ 1 もマ ウス右大腿部筋肉内に投与した (投与群 3 ) 。
インビボにおける徐放効果を調べるため、 血中 pCAHST- 1の検出、 血中および投 一
27 与部位の HST-1量および血中の血小板数の 3つの測定値を利用した。 血中の pCAHST_lは PCR法で検出し、 血中および投与部位 (筋肉組織中) の HST-1量は ELISA法で測定し、 血中の血小板数は顕微鏡下でのカウントにて、 それぞれ経時 的に行った。
PCR法では、 pCAHST- 1 (約 8 kbp)中の 262 bpを検出するプローブを使用し、
Ampridirect法 (島津製作所) を用いた。 測定限界は、 サザンプロッティングで 1 pg/δ μ 1、 ェチジゥム染色で 2 pg/5 / 1であった。 ELISA法では、 FGF4キット
( R & Dシステムス社、 アメリカ合衆国、 検出限界 20 pg/ml) を使用した。 血小 板数の測定は、 採血後、 血小板以外の血球成分を分解処理し、 顕微鏡下でカウン トすることにより実施した。
PCR法による血中 pCAHST- 1の測定結果を図 1 0に示す。 投与群 1では、 血中で pCAHST - 1は投与後 6時間から検出され、 その後 38日間に亘つて検出された。 投与 群 2では、 血中で pCAHST-1は投与後 6時間から検出され、 その後 18日間に亘つて 検出された。 投与群 3では、 血中で pCAHST-1は投与後 7 0間のみ検出された。 血中および投与部位での HST-1量の測定結果をそれぞれ図 1 1、 図 1 2に示す。 図 1 1中、 各記号は次を意味する ; 白抜き丸:ァテロコラーゲン グルコース — pCAHST_l (投与群 1、 実施例 8 ) 、 黒塗り丸:ァテロコラーゲン— pCAHST- 1 (投 与群 2、 参考例 5 ) 、 黒塗り四角 : pCAHST- 1を含有するリン酸緩衝液(投与群 3、 対照例) 、 白抜き四角:ァテロコラーゲン / /グルコース (参考例 6 )。
図 1 2中、 各記号は次を意味する ; 白抜き丸:ァテロコラーゲンノダルコ一 スー pCAHST - 1 (投与群 1、 実施例 8 ) 、 黒塗り丸:ァテロコラーゲン— pCAHST - 1 (投与群 2、 参考例 5 ) 、 黒塗り四角 : pCAHST- 1を含有するリン酸緩衝液(投与 群 3、 対照例) 、 白抜き四角:ァテロコラーゲン Zグルコース (参考例 6 )。 投与群 1では、 HST-1量は血中および投与部位共に投与後増加し、 30日後に最 大に達した後徐々に減少したが、 60日後も検出された。 投与群 2では、 投与群 1 と同様に血中および投与部位での HST-1量は投与後増加し、 30日後に最大に達し た後徐々に減少し 40日後殆ど検出限界となり、 総体的に投与群 1に比べて産生さ れた HST-1量は少なかった。 投与群 3では、 血中および投与部位での HST- 1量は、 投与後増加し、 10日後に最大に達した後徐々に減少し、 30日後には検出されなか .一
28 つた。
血中の血小板数を経時的に測定した結果 (図 1 3 ) 、 投与群 1では、 血小板数 は投与後増加し、 30 後に最大に達した後徐々に減少したが、 60日後も増加傾向 を維持した。 投与群 2では、 血小板数は投与後徐々に増加し、 14 S後に最大に達 した後減少し、 28 3以降も低^ Sながら増加傾向を維持した。 投与群 3では、 血小 板数は投与後増加し、 10日後に最大に達した後徐々に減少し、 25日間に正常値に 戻った。
図 1 3中、 各記号は次を意味する ; 白抜き丸:ァテロコラーゲン Zダルコ一 ス— pCAHST- 1 (投与群 1、 実施例 8 ) 、 黒塗り丸:ァテロコラ一ゲン— pCAHST- 1 (投与群 2、 参考例 5 ) 、 黒塗り四角 : pCAHST- 1を含有するリン酸緩衝液(投与 群 3、 対照例) 、 白抜き四角 :ァテロコラーゲン Zグルコース (参考例 6 ) 。 対照として、 pCAHST- 1を含まない参考例 6の組成物も同様にマウス右大腿部筋 肉内に投与し、 投与後、 血中および投与部位の HST-1量を ELISA法で測定し、 血中 の血小板数を経時的に測定した。 その結果、 測定期間中、 血中および投与部位で HST- 1は検出されなかった。 また、 測定期間中、 血小板数は増加しなかった。 こ のことは、 実施例 8の遺伝子製剤を用いて得られた投与群 1および投与群 2での HST- 1の産生および血小板数の増加が、 製剤中に含有された pCAHST-1が細胞内に 導入され、 細胞内で HST- 1の遺伝情報を発現したことによって生じたことを示し ている。
投与群 1と投与群 3の結果から、 pCAHST - 1を単独で投与した場合、 HST-1の体 内での発現および産生された HST-1による生物学的な効果は一過的であるのに対 して、 実施例 8の遺伝子製剤では長期間 pCAHST-1を徐放すると共に、 安定に体内 で保持して HST- 1の発現期間を延長し、 かつ産生された HST-1による生物学的な効 果を長期間維持できることが判った。
投与群 1と投与群 2の結果から、 実施例 8と参考例 5の遺伝子製剤では共に、 pCAHST-1を単独で投与した場合に比べて、 pCAHST- 1を徐放すると共に HST- 1の発 現期間を延長できるが、 グルコースを含有する実施例 8の遺伝子製剤では参考例 5の遺伝子製剤に比べて、 pCAHST-1を安定に体内で保持し、 HST-1の発現期間を 高レ、産生量で延長維持し、 それによつて HST-1による生物学的な効果をより高い .■一
29 状態で長期間維持できることが判った。 以下、 実施例 9一 1 2により調製した調製物について試験例 1 1—1 6を行い、 コラーゲンの存在または不存在下におけるアミノ酸または糖類の遺伝子に対する 安定性の寄与を主として調べた。
実施例 9
アミノ酸を含有する遺伝子製剤 (乾燥状態)
lO z g/mlの pCAHST- 1および 10mg/mlのアルギニン、 リジン塩酸塩、 ァスパラギ ン、 ァスパラギン酸ナトリウム、 グルタミン、 グルタミン酸ナトリウム、 ヒスチ ジン、 プロリン、 セリン、 トレオニン、 グリシン、 ァラニン、 メチォニン、 バリ ン、 イソロイシンあるいは 5mg/mlのロイシンを含有する 150mM NaCl、 10mM Tris - HC1 (pH7. 4)溶液をそれぞれ調製した。 調製した溶液の lmlを- 40°Cで凍結させた 後、 陰圧下室温で一晩乾燥した。 このように凍結乾燥によって、 乾燥状態の遺伝 子製剤を調製した。 実施例 1 0
糖類を含有する遺伝子製剤 (乾燥状態)
10 / g/mlの pCAHST- 1および 10mg/mlのトレハロース、 マルチトール、 ラク トー ス、 マルトース、 グルコース、 ソルビトール、 コンドロイチン硫酸ナトリウムま たはキシリ トールを含有する ΙδΟηιΜ NaCl、 lOmM Tris-HCl (pH7. 4)溶液をそれぞ れ調製した。 調製した溶液の lmlを- 40°Cで凍結させた後、 陰圧下室温で一晩乾燥 した。 このように凍結乾燥によって、 乾燥状態の遺伝子製剤を調製した。 実施例
アミノ酸を含有する徐放性遺伝子製剤 (スポンジ状)
0. lw/w%7テロコラーゲン溶液(500mg)に 20 // g/mlの pCAHST- 1溶液(lml)および 40mg/mlのアルギニン、 リジン塩酸塩、 ァスパラギン、 ァスパラギン酸ナトリウ ム、 グルタミン、 グルタミン酸ナトリウム、 ヒスチジン、 プロリン、 セリン、 ト レオニン、 グリシン、 ァラニン、 メチォニン、 バリン、 イソロイシンあるいは 20mg/mlの口ィシン溶液(125 μ 1)を混合した溶液をそれぞれ調製した。 調製した 溶液の lmlを- 40°Cで凍結させた後、 陰圧下室温でー晚乾燥した。 このように凍結 乾燥によって、 スポンジ状の遺伝子製剤を調製した。 実施例 1 2
糖類を含有する徐放性遺伝子製剤 (スポンジ状)
0. lw/w%7テロコラーゲン溶液(500mg)に 20 μ g/mlの pCAHST- 1溶液(lml)および 40mg/mlのトレノヽロース、 マノレチトール、 ラク トース、 マルトース、 グルコース、 ソルビトール、 コンドロイチン硫酸ナトリウムまたはキシリ トール溶液(125 / 1) を混合した溶液をそれぞれ調製した。 調製した溶液の lmlを- 40°Cで凍結させた後、 陰圧下室温で一晩乾燥した。 このように凍結乾燥によって、 スポンジ状の遺伝子 製剤を調製した。 試験例
凍結乾燥時におけるアミノ酸の遺伝子分解抑制効果
実施例 9の遺伝子製剤および参考例 1の組成物を、 凍結乾燥直後に水に溶解し、 試験例 1の操作に従い、 ァガロース電気泳動に付して pCAHST- 1の一次構造を解析 した。 電気泳動後、 ェチジゥムブロマイドでゲルを染色し、 トランスイルミネー ター上で撮影した。 その映像を写真スキャナーで取り込み、 一次構造が保持され たスーパーコィル型 pDNA (CC)と一力所が切断されたリラックス型 pDNA (0C)、 さら に切断され開環状になった直鎖型 DNA (LS)のバンドの強度を解析ソフトで算出し、 下式に従ってアミノ酸の添カ卩による安定ィヒ度を計算した。 結果を図 1 4に示した。 図 1 4中のアミノ酸の順は、 疎水親水度(Kyte, J. & Dool ittele, R. F. , 1982, J. Mol. Biol. 157, 105- 132)の順である。 結果は、 アルギニン、 ァスパラギン、 ァスパラギン酸ナトリウム、 グルタミン、 グルタミン酸ナトリウム、 ヒシチジン、 プロリン、 セリンまたはトレオニンを製剤に加えることで、 アミノ酸無添加の製 剤に比べて pCAHST - 1の分解が抑制されていることを示している。 _
31 参考例 1の CCの/、"ンド強度
参考例 1の CC保持率(%) : X 100 参考例 1の全ハ、'ンド強度の総和(CC + LS + 0C) 実施例 9の CCの/、"ンに強度
実施例 9の CC保持率(%) = X 100 実施例 9の全ノ、"ント "強度の総和 (CC +LS + 0C) 実施例 9の CC保持率 -参考例 1の CC保持率
安定化度(%) = X 100
100 -参考例 1の CC保持率 試験例 1 2
凍結乾燥時における糖類の遺伝子分解抑制効果
実施例 1 0の遺伝子製剤および参考例 1の組成物を、 凍結乾燥直後に水に溶解 し、 試験例 1 1の操作に従い、 ァガロース電気泳動に付して pCAHST- 1の一次構造 を解析した。 試験例 1 1と同様に安定化度を算出し、 その結果を図 1 5に示した。 結果は、 糖類を製剤に加えることで、 糖類無添力卩の製剤に比べて pCAHST- 1の分解 が抑制されていることを示している。 試験例 1 3
コラーゲン含有時におけるアミノ酸類の遺伝子分解抑制効果
実施例 1 1のスポンジ状の遺伝子製剤及び参考例 4のスポンジ状の組成物を 150mM NaCl, 10 mM Tris-HCl ( H 7. 4) 溶液で加温下に溶解し、 コラゲナーゼで 処理した。 処理後、 試験例 1 1に記載したようにしてァガロース電気泳動に付し て pCAHST- 1の一次構造を評価した。 試験例 1 1と同様に安定化度を算出し、 その 結果を図 1 6に示した。 図 1 6中のアミノ酸の順は、 疎水親水度(Kyte, J. & Dool ittele, R. F. , 1982, J. Mol. Biol. 157, 105-132)の順である。 結果は、 ァミノ酸類を製剤に加えることで、 ァミノ酸類無添加の製剤に比べて pCAHST-1の _
32 分解を大幅に抑えることができたことを示す。 試験例 1 4
コラーゲン含有時における糖類の遺伝子分解抑制効果
実施例 1 2のスポンジ状の遺伝子製剤及び参考例 4のスポンジ状の組成物を
150mM NaCl, 10 mM Tris-HCl (pH 7. 4) 溶液で加温下に溶解し、 コラゲナーゼで 処理した。 処理後、 試験例 1 1に記載したようにしてァガロース電気泳動に付し て pCAHST_lの一次構造を評価した。 試験例 1 1と同様に安定化度を算出し、 その 結果を図 1 7に示した。 糖類を製剤に加えることで、 糖類無添力卩の製剤に比べて pCAHST - 1の分解を大幅に抑えることができた。 試験例 1 5
4 0 °C保存時におけるアミノ酸類および糖類の遺伝子分解抑制効果
実施例 9の遺伝子製剤のうちァスパラギン酸ナトリウム、 グルタミン酸ーナト リウム、 プロリン、 グルタミン処方の乾燥状態の製剤と実施例 1 0の遺伝子製剤 のうちグノレコース、 シユークロース、 マノレトース、 ラク トース、 マンニト一ノレ処 方の乾燥状態の製剤および参考例 1の組成物を 4 0 °Cで 1、 2、 および 4週間保 存した。 保存後の pCAHST- 1の一次構造を試験例 1の操作に従ってァガロース電気 泳動で評価した。 得られた結果を図 1 8に示す。 結果は、 非疎水性アミノ酸類あ るいは糖類を製剤に加えることで、 無添加の製剤に比べ、 かかる条件下での pCAHST-1の保存安定性が大幅に改善されることを示している。 試験例 1 6
4 0 °C保存時におけるコラーゲン含有遺伝子製剤に対するアミノ酸類および糖類 の遺伝子分解抑制効果
実施例 1 1のスポンジ状の遺伝子製剤のうちリジン、 グルタミン、 アルギニン、 ヒスチジン処方の乾燥状態の製剤と実施例 1 2のスポンジ状遺伝子製剤のうちグ ノレコース、 シユークロース、 マノレトース、 ラクト一ス、 マンニトーノレ処方の乾燥 状態の製剤および参考例 4のスポンジ状の組成物を 4 0 °Cで 1、 2、 および 4週 _
33 間保存した。 保存後の pCAHST-1の一次構造を試験例 1 3の操作に従ってァガロー ス電気泳動で評価した。 得られた結果を図 1 9に示す。 結果は、 アミノ酸類ある いは糖類を製剤に加えることで、 無添加の製剤に比べ、 係る条件下での pCAHST-1 の保存安定性が大幅に改善されることを示している。 発明の効果
試験例 1から 9にて得られた本発明製剤の遺伝子分解抑制 (安定化) 効果を以 下の表 9にまとめる。
表 9
本発明製剤における遺伝子分解抑制効果
(1) 凍結乾燥時の安定性
①添加剤がない場合 a) b)
:3ン卜口ール 72% ( 76 %)
アミノ酸類:グリシン 79%
ァラニン 83%
リジン 84%
ァスパラギン酸 ( 91 %)
グルタミン酸 ― 96% (103 %)
c)
コン卜口ール 78%
糖類: グルコース 95%
シユークロース 96%
マルトース 95%
ラク ト一ス 100 %
マン-トール 95%
b)
riン卜口ール 76%
有機酸類: 酒石酸 95 %
クェン酸 02% .一
34
②添加剤がある場合:
(コラーゲン) d)
ニン卜 π—ル 8 5%
安定化剤: グルコース 94%
シユークロース 9 5%
グノレタミン酸 9 5%
(DMRIE-C) e)
iン卜 π—ル 6 9%
安定化剤: シユークロース 00%
[注] a) 試験例 1 (表 1) 、 b) 試験例 3 (表 3) c) 試験例 2 (表 2) d) 試験例 8 (表 7) 、 e) 試験例 4 (表 4)
(2) 凍結乾燥製剤の保存安定性
①添加剤がない場合: c) f ) f ) f )
(40°C) (凍乾時) 週間後 2週間後 4週間後 コント口ール ( 78 %) 6 7% 56 % 34% 安定化剤: グルコース
( 95 %) 9 2% 9 1 % 7 1 %
②添加剤 (DMRIE-C) がある場合:
( 3 7 °C) e) g)
(凍乾時) 4週間後
コント口ール ( 69 %) 8. 5%
安定化剤: シュ一クロース
( 1 00 %) ― 6 7%
[注] f ) 試験例 5 (表 5) 、 g) 試験例 6 (表 6)
(3) ゲル化 '練合わせ時の安定性
(凍乾品の練合わせによる棒状製剤形成時)
d) h)
(凍乾時) 棒状製剤形成後 コント口ール ( 8 5 %) 66% .
35 安定化剤:グルコース
添加剤: コラーゲン (95%) 92%
[注] h) 試験例 8 (表 8)
(4) 水溶液製剤の保存安定性 I)
( 40 °C) 4週間後
mン卜 π—ル ベクタ一消失
安定化剤:グルコース
―添加剤: DMRIE- C ベクター残存
[注] I) 試験例 7 (図 7) 産業上の利用の可能性
安定性が増強された遺伝子または遺伝子を組み込んだベクターを含有する安定 な遺伝子製剤は、 今後利用頻度が高くなると思われる遺伝子治療に安全かつ容易 に利用される。 本発明製剤は、 遺伝子治療が広く普及するための基盤を提供でき る。 特に本発明製剤は遺伝子または遺伝子を組込んだベクターを常温で流通ある いは保管することを可能とし、 コールドチェーンが整備されていない地域で使用 可能な DN Aワクチンを提供できる。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだべクターと、 少なくとも 1 つの糖類および または少なくとも 1つの非疎水性ァミノ酸類および/または少 なくとも 1つのカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類 (アミノ酸類を除く) とを含む安定な遺伝子製剤。
2 . 糖類が、 単糖、 二糖、 三糖以上のオリゴ糖またはそれらの糖アルコールで ある請求項 1記載の遺伝子製剤。
3 . 糖類が、 グルコース、 ガラク トース、 フルク トース、 シユークロース、 マ ノレト一ス、 ラタ トース、 トレハロ一ス、 ソノレビトールまたはマンニトールである 請求項 2記載の遺伝子製剤。
4 . 非疎水性アミノ酸類が、 グルタミン酸、 ァスパラギン酸またはその塩であ る請求項 1記載の遺伝子製剤。
5 . カルボキシル基を 2個以上有する有機酸類が、 カルボキシル基を 2個もし くは 3個有する有機酸またはその塩である請求項 1記載の遺伝子製剤。
6 . カルボキシル基を 2個もしくは 3個有する有機酸が、 クェン酸または酒石 酸である請求項 5記載の遺伝子製剤。
7 . 所望の遺伝子を組み込んだベクターがプラスミ ド D N Aである請求項 1な いし 6レ、ずれかに記載の遺伝子製剤。
8 . 溶液状態、 ゲル状態もしくは懸濁液状態である遺伝子製剤または溶液状態、 ゲル状態もしくは懸濁液状態の工程を経て製造される遺伝子製剤において、 溶液 状態、 ゲル状態または懸濁液状態における糖類、 非疎水性アミノ酸類およびカル ボキシル基を 2個以上有する有機酸類 (アミノ酸類を除く) の全体に対する含有 量が約 1 wZ V %以上である請求項 1記載の遺伝子製剤。
9 . 細胞への遺伝子導入を促進する物質をさらに含む請求項 1ないし 8いずれ かに記載の遺伝子製剤。
1 0 . 細胞への遺伝子導入を促進する物質が、 カチオン性脂質、 カチオン性ポ リマーまたは疎水性ポリマーである請求項 9記載の遺伝子製剤。
1 1 . 医学的に許容される添加剤をさらに含む請求項 1ないし 1 0記載の遺伝 子製剤。
1 2 . 添加剤が生体親和性材料である請求項 1 1記載の遺伝子製剤。
1 3 . 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだベクタ一が生体親和性材 料に担持されていることを特徴とする請求項 1 2記載の遺伝子製剤。
1 4 . 生体親和性材料が、 コラーゲン、 ゼラチンまたはそれらの混合物である 請求項 1 2または 1 3記載の遺伝子製剤。
1 5 . 乾燥状態にある請求項 1ないし 1 4いずれかに記載の遺伝子製剤。
1 6 . 溶液状態、 ゲル状態あるいは懸濁液状態である所望の遺伝子または所望 の遺伝子を組み込んだベクターを含む調製物を乾燥工程に付することにより得ら れる請求項 1ないし 1 5レ、ずれかに記載の遺伝子製剤。
1 7 . 乾燥工程が凍結乾燥である請求項 1 6記載の遺伝子製剤。
1 8 . 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだベクターを含む遺伝子調 製物に、 少なくとも 1つの糖類および Zまたは少なくとも 1つの非疎水性ァミノ 酸類および Zまたは少なくとも 1つのカルボキシル基を 2個以上有する有機酸類 (アミノ酸類を除く) を添加することからなる、 遺伝子製剤を安定化する方法。
1 9 . 請求項 1ないし 1 7いずれかに記載の遺伝子製剤を生体に投与すること からなる、 遺伝子治療方法。
2 0 . 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだベクタ一、 少なくとも 1 つのァミノ酸類、 およびコラーゲンまたはゼラチンを含む安定な遺伝子製剤。
2 1 . 溶液状態、 ゲル状態もしくは懸濁液状態である遺伝子製剤または溶液状 態、 ゲル状態もしくは懸濁液状態の工程を経て製造される遺伝子製剤において、 溶液状態、 ゲル状態または懸濁液状態におけるアミノ酸類の全体に対する含有量 が約 1 w/ V %以上である請求項 2 0記載の遺伝子製剤。
2 2 . 細胞への遺伝子導入を促進する物質をさらに含む請求項 2 0または 2 1 記載の遺伝子製剤。
2 3 . 細胞への遺伝子導入を促進する物質が、 カチオン性脂質、 カチオン性ポ リマーまたは疎水性ポリマーである請求項 2 2記載の遺伝子製剤。
2 4 . 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだベクタ一がコラーゲンあ るいはゼラチンに担持されていることを特徴とする請求項 2 0ないし 2 3いずれ かに記載の遺伝子製剤。
2 5 . 乾燥状態にある請求項 2 0ないし 2 4 、ずれかに記載の遺伝子製剤。
2 6 . 溶液状態、 ゲル状態あるいは懸濁液状態である所望の遺伝子または所望 の遺伝子を組み込んだべクターを含む調製物を乾燥状態に付することにより得ら れる請求項 2 0ないし 2 5いずれかに記載の遺伝子製剤。
2 7 . 乾燥工程が凍結乾燥である請求項 2 6記載の遺伝子製剤。
2 8 . 所望の遺伝子または所望の遺伝子を組み込んだベタターとコラーゲンま たはゼラチンとを含む遺伝子調製物に、 少なくとも 1つのァミノ酸類を添加する ことからなる、 遺伝子製剤を安定化する方法。
2 9 . 請求項 2 0ないし 2 7いずれかに記載の遺伝子製剤を生体に投与するこ とからなる、 遺伝子治療方法。
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