JPH0971542A - 遺伝子製剤 - Google Patents
遺伝子製剤Info
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- JPH0971542A JPH0971542A JP8171990A JP17199096A JPH0971542A JP H0971542 A JPH0971542 A JP H0971542A JP 8171990 A JP8171990 A JP 8171990A JP 17199096 A JP17199096 A JP 17199096A JP H0971542 A JPH0971542 A JP H0971542A
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Abstract
る遺伝子ベクターまたは遺伝子を徐放できる製剤を提供
することができる。 【解決手段】所望の遺伝子を組み込んだベクターまたは
遺伝子を、生体親和性材料からなる担体に担持させた遺
伝子製剤である。
Description
伝子治療に関する。特に本発明は、生体内に投与した時
に遺伝子ベクターまたは遺伝子を安定に保持、徐放し、
長期間にわたりその治療効果を持続させることができ、
また希望するときに治療の終了を可能にすることができ
る遺伝子製剤に関する。
んに試みられるようになってきており、またその治療へ
の期待は大変に大きいものである。遺伝子治療とは遺伝
子を薬剤とし疾患を治療するもので、目的の酵素、サイ
トカイン等の遺伝子を患者の細胞内に導入し、その遺伝
子により体内に目的とする物質が産生され疾患の治療を
行うものである。この遺伝子治療は大きく2つに分ける
ことができ、1つは目的の遺伝子を患者染色体内に組み
込み、半永久的にその遺伝子の発現を期待するもので、
もう1つは染色体に組み込まれることは期待せず一過性
の発現を期待するものである。このうち後者の遺伝子治
療では、例えば癌細胞に対する免疫能を高めるサイトカ
イン等の遺伝子を体内に導入する方法としてアデノウィ
ルス等による方法がよく用いられている(Cardiovascul
ar Research, 28, 445(1994): Science,256, 808(199
2):Gestroenterology, 106, 1076(1994): TIBTECH, 11,
182(1993): J. Biol. Chem, 266, 3361(1991): Nature
Medicine, 1, 583(1995)およびこれらの引用文献)。
ウィルスベクターを用いた場合は、遺伝子の導入効率が
一般に高いが、免疫反応のために複数回投与が困難であ
る(J. Biol. Chem., 269, 13695(1994)、Am,J. Respi
r, Cell Mol, Biol., 10, 369(1994))。有機薬剤又はタ
ンパク製剤をコラーゲンを用いて徐放させる製剤につい
てはJ.Controlled Release 33, 307-315(1995)等に記載
されている。しかし、ここに記載されている通常の薬物
(例えばタンパク性薬剤、化学合成された薬物等)を例
えばゲル状のコラーゲンに担持させた場合は1日〜2日
程度で薬剤が溶け出す。
行われている遺伝子ベクター(遺伝子を組み込んだベク
ター)または遺伝子をそのまま投与する方法では、遺伝
子ベクターまたは遺伝子は投与後直ちに細胞と接触し、
直ちに遺伝子導入が開始されすぐに完了する。また、細
胞内に入った遺伝子は細胞分裂によって希釈(コピー数
が減少)あるいは細胞内での分解によって減少する。従
って、導入された遺伝子の発現は数週間程度しか持続す
ることができず、充分に治療するには短すぎることが欠
点となっている。そのため何回かの遺伝子ベクターまた
は遺伝子の投与が必要になっている。従って、本発明が
解決しようとする課題は、これらの欠点を克服し長期に
わたりその治療効果を持続させることができる遺伝子ベ
クターまたは遺伝子を徐放できる製剤を提供することに
ある。また、ウィルスベクター等を用いた遺伝子治療は
複数回投与が困難であるため、それを可能にする方法が
望まれている。そこで、本発明が解決しようとする第2
の課題は、ウィルスベクター等を用いた遺伝子治療にお
いて複数回投与を可能にする遺伝子製剤を提供すること
にある。また、遺伝子はタンパク製剤に比べれば数週間
と長期に発現するので安全性確保のため、遺伝子の体内
における発現をいつでも中止できるようにしておくこと
が望ましい。そこで、本発明が解決しようとする第3の
課題は、治療終了を希望する場合には遺伝子導入を直ち
に止めることができる遺伝子製剤を提供することにあ
る。
クターまたは遺伝子を徐放させる製剤を種々検討した結
果、遺伝子を組み込んだベクターまたは遺伝子を、生体
親和性材料からなる担体に担持させた遺伝子製剤を生体
に投与したところ、意外にも遺伝子が数か月以上にわた
っても発現されることを見出し、さらに本製剤は生体内
で複数回投与が可能であることを見出して、本発明を完
成した。すなわち、本発明の要旨は、以下の通りであ
る。 (1)遺伝子を組み込んだベクターまたは遺伝子を、生
体親和性材料からなる担体に担持させた遺伝子製剤。 (2)生体親和性材料が、コラーゲン、ゼラチン、フィ
ブリン、アルブミン、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンド
ロイチン硫酸、キチン、キトサン、アルギン酸、ペクチ
ン、アガロース、ハイドロキシアパタイト、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサン、または
グリコール酸、乳酸もしくはアミノ酸の重合体もしくは
これらの共重合体、またはこれらの生体親和性材料の2
種類以上の混合物である(1)記載の遺伝子製剤。 (3)遺伝子を組み込んだベクターまたは遺伝子を、コ
ラーゲンを含む生体親和性材料からなる担体に担持させ
た遺伝子製剤。 (4)遺伝子を組み込んだベクターまたは遺伝子を、コ
ラーゲンからなる担体に担持させた遺伝子製剤。
おいて、その状態の遺伝子製剤の中の生体親和性材料の
含量が、0.01〜30w/w%である(1)記載の遺
伝子製剤。 (6)溶液状、懸濁液状、含水のゲル状、フィルム状、
スポンジ状、棒状、または球状である(1)記載の遺伝
子製剤。 (7)ベクターが、ウィルスベクター、リポソームベク
ター、またはウィルスとリポソームによる融合リポソー
ムベクターである(1)記載の遺伝子製剤。 (8)ベクターが、ウィルスベクターである(1)記載
の遺伝子製剤。 (9)ベクターが、アデノウィルスベクターである
(1)記載の遺伝子製剤。 (10)遺伝子を組み込んだベクターまたは遺伝子を、
生体親和性材料からなる担体に担持させ、その担持させ
たものをその遺伝子ベクターまたは遺伝子が透過できる
容器に入れた遺伝子製剤。
「遺伝子を組み込むベクター」としては、遺伝子を細胞
内に導入できるものであればいかなるものでもよく、例
えばウィルスベクター、リポソームベクター、またはウ
ィルスとリポソームによる融合リポソームベクター等が
挙げられる(Cardiovascular Research, 28, 445(199
4): Science, 256, 808(1992):Gestroenterology, 106,
1076(1994): TIBTECH, 11, 182(1993): J. Biol. Che
m, 266, 3361(1991): Nature Medicine, 1, 583(1995)
およびこれらの引用文献)。ウィルスベクターとして
は、遺伝子治療において通常のベクターとして用いられ
るものが使用でき、例えばアデノウィルス、、アデノ関
連ウィルス、ワクシニアウィルス、レトロウィルス、H
IVウィルス、ヘルペスウィルス等を用いるころができ
る。例えば上述の文献記載の通常の方法等に従って、導
入する遺伝子をウィルスベクターに直接組み込むこと
で、遺伝子ベクターを調製することができる。
において通常のリポソームベクターとして用いられるも
のが使用でき、例えばDOTMA、DOPE、DOGS
等を混合して調整したものが使用できる。カチオニック
リポソームベクターを用いた場合、細胞内への導入効率
が高い。ウィルスとリポソームによるリポソームベクタ
ーとしては、例えばセンダイウィルス(HVJ:hemaggl
utinating virus of Japan)とリポソームの融合リポソ
ームベクター等が挙げられる。例えば上述の文献記載の
通常の方法等に従って、導入する遺伝子をリポソームベ
クターまたは融合リポソームベクターの内部に封入する
ことで、遺伝子ベクターを調製することができる。封入
する遺伝子の形態としては、生体内で遺伝子を発現でき
ればいかなる形態でもよいが、好ましくは生体内で安定
なものがよく、例えばプラスミド等がよい。遺伝子を細
胞内に導入する「遺伝子を組み込むベクター」に組み込
まずに、遺伝子そのものを、本発明の遺伝子製剤に担持
させることもできる。その場合には、遺伝子の形態とし
ては、生体内で遺伝子を発現できればいかなる形態でも
よく、例えば、いわゆる発現ベクター等に組み込んでも
よい。好ましくは生体内でもより安定なものがよく、例
えばプラスミド等がよい。導入する「遺伝子」について
は、遺伝子治療が可能な遺伝子であればいずれでもよ
く、例えばアデノシンデアミナーゼ遺伝子、GM−CS
F遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子等が挙げられる。
に優れ、遺伝子ベクターまたは遺伝子を生体内で安定に
保持できるものが好ましい。生体親和性材料としては、
例えば、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、アルブミ
ン、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、キ
チン、キトサン、アルギン酸、ペクチン、アガロース、
ハイドロキシアパタイト、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリジメチルシロキサン、またはグリコール酸、乳
酸もしくはアミノ酸の重合体もしくはこれらの共重合
体、またはこれらの生体親和性材料の2種類以上の混合
物等が挙げられる。特に好ましい生体内親和性材料とし
ては、コラーゲンが挙げられ、このコラーゲンに上記他
の生体親和性材料を混合することも好ましい。コラーゲ
ンとしては、いかなるものも使用できるが、例えば酸可
溶性コラーゲン、酵素可溶化コラーゲン(例えばアテロ
コラーゲン等)、アルカリ可溶化コラーゲン、側鎖を修
飾したコラーゲン、架橋したコラーゲン、遺伝子工学的
に製造したコラーゲン等を用いることができる。側鎖を
修飾したコラーゲンとしては、例えばサクシニル化また
はメチル化したコラーゲン等が挙げられ、架橋したコラ
ーゲンとしては、例えばグリタルアルデヒド、ヘキサメ
チレンジイソシアナート、またはポリエポキシ化合物等
で処理したコラーゲン等を挙げることができる(フレグ
ランス・ジャーナル 1989-12, 104-109、特公平7-5952
2号公報)。
の細胞内若しくは核内への導入促進、または遺伝子ベク
ター等の放出制御のために、必要に応じて「添加剤」を
加えることができる。添加剤としては、かかる目的を達
成する添加剤を使用できるが、例えば、ショ糖、グリシ
ン、コンドロイチン硫酸、ゼラチン、アルブミン、サイ
トカイン、HMG−1,−2混合物(High Mobility Gr
oup-1,-2 Mixture; 実験医学、 12 184(1994)、BIOTHER
APY、8, 1265(1994))、クロロキン、ポリリジン(Hepat
ology, 22, 847(1995))、トランスフェクタム(登録商
標、和光純薬工業株式会社)等が挙げられる。
加剤を混合する場合は、そのうちのコラーゲン等の含量
は10w/w%以上がよく、好ましくは30w/w%以
上の範囲が挙げられ、さらに好ましくは50w/w%以
上の範囲が挙げられ、特に好ましくは70w/w%以上
の範囲が挙げられる。遺伝子製剤の中の生体親和性材料
の含量は、遺伝子ベクターまたは遺伝子の大きさ、種類
等、および生体内親和性材料の種類等により変わる。好
ましい遺伝子製剤の中の生体親和性材料の含量は、遺伝
子製剤を生体内に入れた状態において、その状態の遺伝
子製剤の中の生体親和性材料の含量が、0.01〜30
w/w%となる遺伝子製剤が挙げられ、さらに好ましく
は、0.05〜10w/w%となる遺伝子製剤が挙げら
れ、特に好ましくは、0.05〜5w/w%となる製剤
が挙げられる。
含量は、製剤の形態により変化する。例えば、生体親和
性材料としてコラーゲンを用いる場合を例として、以下
にその含量の好ましい範囲を説明する。製剤の形態がゲ
ル状であれば、好ましいコラーゲンの含量は、0.01
〜25w/w%の範囲が挙げられ、さらに好ましくは、
0.05〜10w/w%の範囲が挙げられ、特に好まし
くは、0.05〜5w/w%の範囲が挙げられる。ただ
し、コラーゲンの含量を2%以上の範囲とする場合は、
コラーゲンに対し5〜900w/w%の添加剤を加える
のが好ましい。製剤の形態がフィルム状であれば、好ま
しいコラーゲンの含量は、乾燥前のコラーゲンの含量と
して、0.2〜30w/w%の範囲が挙げられ、さらに
好ましくは0.3〜5w/w%の範囲が挙げられ、特に
好ましくは、0.4〜2w/w%の範囲が挙げられる。
ただし、コラーゲンの含量を1%以上の範囲とする場合
は、コラーゲンに対し5〜900w/w%の添加剤を加
えるのが好ましい。
いコラーゲンの含量は、乾燥前のコラーゲンの含量とし
て、10〜30w/w%の範囲が挙げられ、コラーゲン
に対し5〜100w/w%の添加剤を加えるのが好まし
い。本発明にかかる遺伝子製剤の形状は、特に制限はな
く、溶液状、懸濁液状、含水のゲル状、フィルム状、ス
ポンジ状、棒状、球状等が挙げられる。ただし、好まし
い形状は、遺伝子を組み込んだベクターまたは遺伝子の
種類、大きさ等により変わるが、一般に、液状、懸濁液
状、含水のゲル状等の形状が挙げられる。
体内に入れた状態において、その状態の遺伝子製剤の中
の生体親和性材料が上記の好ましい範囲内の含量になる
ように製造する。溶液状、懸濁液状および含水のゲル状
の遺伝子製剤の製造方法としては、例えば、(1)必要
に応じて添加剤を添加した溶液状またはゲル状の担体
に、遺伝子ベクターもしくは遺伝子(以下、遺伝子ベク
ター等という)の粉末、溶液、懸濁液またはゲルを混合
する方法、(2)必要に応じて添加剤を添加した粉末状
の担体に、遺伝子ベクター等の溶液、懸濁液またはゲル
を浸透する方法、(3)必要に応じて添加剤を添加した
スポンジ状担体に、遺伝子ベクター等の溶液、懸濁液ま
たはゲルを浸透させ、練合する方法等を挙げることがで
きるが、これに限定されるものではない。
例えば(1)必要に応じて添加剤を添加した溶液状また
はゲル状の担体に、遺伝子ベクター等の粉末、溶液、懸
濁液またはゲルを混合し、乾燥する方法、(2)必要に
応じて添加剤を添加した粉末状の担体に、遺伝子ベクタ
ー等の粉末、溶液、懸濁液またはゲルを混合し、乾燥す
る方法、(3)必要に応じて添加剤を添加したスポンジ
状の担体に、遺伝子ベクター等の溶液、懸濁液またはゲ
ルを浸透させ、乾燥する方法、(4)必要に応じて添加
剤を添加したスポンジ状担体に、遺伝子ベクター等の溶
液、懸濁液またはゲルを浸透させ、そのまま乾燥する
か、または必要に応じて水等を加えた後、練合し、乾燥
する方法、(5)(1)〜(4)の方法で得られる固形
物を粉砕し、圧縮成形する方法、(6)必要に応じて添
加剤を添加した粉末状の担体と遺伝子ベクター等の粉末
を混合し、圧縮成形する方法等を挙げることができるが
これに限定されるものではない。なお、乾燥方法、乾燥
時の温度および湿度、混合方法、混合時の温度および湿
度、圧縮成形方法、圧縮成形時の温度、湿度、圧縮圧
力、担体溶液、遺伝子ベクター溶液の溶液粘度、担体と
遺伝子ベクター溶液の混合溶液粘度、pHについては通
常の方法と同様に行うことができる。
疾患、標的臓器等に応じ、種々の方法で投与することが
できる。例えば皮下、筋肉内等に投与することができ、
また腎臓、肝臓、肺、脳等の疾患の対象部位に直接投与
することができる。疾患部位に直接投与すれば臓器選択
的に治療することができる。本発明では、生体親和性材
料として生分解性の材料を用いる場合には、投与後その
生体親和性材料を体内より取り出す必要はなく、さらに
繰り返して投与することも可能になる。
伝子導入の中止を希望する場合には、遺伝子製剤をその
まま取り出すことが可能であり、遺伝子導入を中止する
ことができる。例えば遺伝子製剤が固形状態であれば手
術等によって取り除くか、あるいはウィルスが自由に通
過可能なポアサイズを持った容器等に遺伝子ベクター等
を入れた遺伝子製剤を用いて遺伝子治療を行い、治療を
中止する際にはその容器等を取り除くことができる。具
体的には、例えば、特願平3−120115号(国際公
開番号W92/20400号)記載の容器(チューブ)
を用いて実施できる。
(Proc, Natl, Acad, Sci. USA,84, 2980-2984(1987)
に記載の方法に従って調製した)を組み込んだアデノウ
ィルス(Adexl HST-1;Proc.Natl. Acad. Sci. USA. V
ol.91,12368 (1994))109 pfu(plaque forming unit)
を含む培養液0.9mlをアテロコラーゲンの中性溶液
((株)高研製アテロコラーゲンインプラント:2%ア
テロコローゲン溶液)0.1mlと混合することで、遺
伝子製剤を作成した。尚、上記アデノウィルス(Adexl
HST-1)は、アデノウィルスtype5(ATCCカタ
ログNo.VR−5)を、J,Virol 54, 711-719(1985)
またはProc. Natl, Acad, Sci, USA, 93, 1320 (1996)、
およびCell 13, 181 188 (1978)に従って操作してE
1A,E1BおよびE3を一部欠失させ、この非増殖型
ウィルスに上記Proc, Natl, Acad, Sci, USA vol 91, 1
2388(1994)の記載に従って線維芽細胞増殖因子HST−
1の遺伝子を組み込むことによって得ることができる。
T-1 109pfuを含む培養液0.9mlを混合後、37℃
に保温することで、ゲル状の遺伝子製剤を作成する。 実施例3 アテロコラーゲンの中性溶液を凍結乾燥して作成したス
ポンジを5mm角程度に細かくし、そのスポンジをAdex
l HST-1 109pfuを含む培養液1mlに加え一晩放置す
ることで、遺伝子製剤を作成する。
ことで、遺伝子製剤を作成する。 実施例5 実施例3で調製する遺伝子製剤を再度凍結乾燥し、その
乾燥するスポンジを棒状に圧縮することで、ペレット
(棒状圧縮物)の遺伝子製剤を作成する。
ガロウィルス(CMV)プロモーターを持つ発現ベクタ
ー(pRc/CMV)に組み込んだプラスミドベクター
をリポソーム(DMRIE−C(GIBCO−BRL社
製))と混和し、そのリポソームを含む液を、同量のア
テロコラーゲンの中性溶液と混合することで、遺伝子製
剤を作成する。 実施例7 Adexl HST-1 109pfuを含む培養液1mlをアルギン酸
の1%溶液1mlと混合する。そのベクター含有アルギ
ン酸溶液をノズルより塩化カルシウムの0.5%溶液に
滴下し、直径約1mmのビーズを得、遠心により集める
ことで、ビーズ状の遺伝子製剤を作成する。
温したアガロースゲルの5%溶液1mlと混合する。そ
の混合液をノズルより10℃のPBS溶液に滴下し直径
約1mmのビーズを得、遠心により集めることで、ビー
ズ状の遺伝子製剤を作成する。 実施例9 実施例1で作成した遺伝子製剤をポリエステルよりなる
袋(人工血管を袋としたもの)(マイクロン(登録商
標、インターバスキュラー社製))に入れることで、遺
伝子製剤を作成する。
養液を、アテロコラーゲン濃度として最終0.1、0.
2、0.4、1.0、2.0w/w%となる様に、アテ
ロコラーゲンの中性溶液と混合し、1m1の遺伝子製剤
を作成した。 実施例11 プラスミドpOG44(Stratagene社にて購入)を7
3.25μg/m1の濃度で含む水溶液5m1をアテロ
コラーゲンの酸性溶液(2%アテロコラーゲン含有、p
H3.5)5gと混合し、凍結乾燥してスポンジを作成
する。このスポンジにアテロコラーゲン濃度として、
0.4、2、5、10、20W/W%となるように蒸留
水を加えることで、ゲル状の遺伝子製剤を作成する。 実施例12 プラスミドpOG44を73.25μg/m1の濃度で
含む水溶液5m1をアテロコラーゲンの酸性溶液5gま
たは2.5gと混合し、これにヒト血清アルブミン水溶
液(80mg/m1)を260μ1あるいは640μ1
を加えて混合し、凍結乾燥してスポンジを作成する。こ
のスポンジにアテロコラーゲンとヒト血清アルブミンを
合わせた量の濃度として、10w/w%となるように蒸
留水を加えることで、ゲル状の遺伝子製剤を作成する。
伸展して徐々に乾燥させることで、フィルム状の遺伝子
製剤を作成する。 実施例14 実施例11または12で調整するゲル状の遺伝子製剤を
棒状に押し出し成形し、徐々に乾燥させることで、棒状
の遺伝子製剤を作成する。 比較例1 Adexl HST-1 109pfuを含む培養液1m1をマウス腹腔
内に投与したところ、投与後約12日目より血小板数が
約2倍に増加し、その効果は20〜30日にわたり持続
した。また末梢血中のHST−1は最大50ng/ml
の濃度が投与後20日目に得られたが、後述する実施例
1の製剤の様に一定の濃度を保つことはできず、60日
後には血中で検出不可能となった。結果を図1、2に示
した。
内に投与したところ、投与後約12日目より血小板数が
約2倍に増加し、その効果は50日以上にわたり持続し
た。また末梢血中のHST−1は80日以上にわたり2
0ng/mlの濃度が持続した。結果を図1、2に示し
た。 試験例2 実施例2で作成する遺伝子製剤1.0m1をマウス腹腔
内に投与すると、投与後約12日目より血小板数が約2
倍に増加し、その効果は60日以上にわたり持続する。
ると、投与後約12日目より血小板数が約2倍に増加
し、その効果は60日以上にわたり持続する。 試験例4 実施例1で作成する遺伝子製剤をマウス腹腔内に投与
し、投与後約3日後に取り出した。その結果、投与後約
12日目に血小板数が約2倍に増加し、その後減少し、
約25日目に正常値に戻った。その結果を図3に示し
た。 試験例5 実施例1で作成した遺伝子製剤をマウス腹腔内に投与
し、投与後3日目に取り出し、投与後20日目に再び実
施例1で作成した遺伝子製剤を投与した。その結果、投
与後約12日目に血小板数が約2倍に増加し、その後減
少し、約20日目に正常値に戻り、その後直ちに血小板
数が約2倍に増加し、その効果は初回投与後40日以上
にわたり持続した。その結果を図4に示した。
ンをまったく含まないAdexl HST-1 109pfuを含む培養
液1m1をマウス腹腔内に投与し、投与後5日目の末梢
血中のHST−1タンパク濃度を測定した。その結果を
図5に示した。その結果、HST−1タンパク濃度はコ
ラーゲン濃度に反比例した。 試験例7 Adexl HST-1 109pfuを含む培養液1m1をマウス腹腔
内に投与した結果、投与後約12日目の血小板が約2倍
に増加し、その後減少し、約35日目に正常値に戻っ
た。初回投与後37日目に再び実施例1で作成したコラ
ーゲンを含む遺伝子製剤1.0mlを投与したところ、
直ちに血小板が約2倍に増加し、その効果は持続した。
その結果を図6に示した。 比較例2 Adexl HST-1 109pfuを含む培養液1m1をマウス腹腔
内に投与し、投与後37日目に再びAdexl HST-1 109p
fuを含む培養液1m1を投与した。その結果、初回投与
後約12日目の血小板数が約2倍に増加し、その後減少
し、約35日目に正常値に戻り、Adexl HST−1の再
投与により血小板は増加しなかった。その結果を図6に
示した。試験例7および比較例2の結果から、アデノウ
ィルスベクターは中和抗体の出現により繰り返し投与が
非常に困難であるのに対し、実施例1で作成した遺伝子
製剤は複数回投与が可能であることが判った。
等を徐放することができると同時に、その徐放する間、
生体内で、遺伝子を組み込んだベクター等を安定に保持
することができる。従って、細胞とベクターとの接触を
遅延させて細胞内への遺伝子導入時期をコントロールす
ることで、一回の投与による遺伝子発現時期を長期化す
ることができる。また、本発明の遺伝子製剤は、生体内
での中和抗体の出現により複数回投与が困難であった遺
伝子ベクター、例えばウィルスベクター等において、複
数回投与が可能である。さらに、本発明の遺伝子製剤
は、治療の終了を希望するときは遺伝子製剤を取り除く
ことができ、遺伝子の発現調節が可能である。
時変化を示すグラフ。
ST−1の経時変化を示すグラフ。
時変化を示すグラフ。
ラフ。
ラーゲン濃度依存性を示すグラフ。
時変化を示すグラフ。
Claims (11)
- 【請求項1】 所望の遺伝子を組み込んだベクターまた
は遺伝子を、生体親和性材料からなる担体に担持させた
遺伝子製剤。 - 【請求項2】 生体親和性材料が、コラーゲン、ゼラチ
ン、フィブリン、アルブミン、ヒアルロン酸、ヘパリ
ン、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン、アルギン
酸、ペクチン、アガロース、ハイドロキシアパタイト、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサ
ン、またはグリコール酸、乳酸もしくはアミノ酸の重合
体もしくはこれらの共重合体、またはこれらの生体親和
性材料の2種類以上の混合物である請求項1記載の遺伝
子製剤。 - 【請求項3】 所望の遺伝子を組み込んだベクターまた
は遺伝子を、コラーゲンを含む生体親和性材料からなる
担体に担持させた遺伝子製剤。 - 【請求項4】 所望の遺伝子を組み込んだベクターまた
は遺伝子を、コラーゲンからなる担体に担持させた遺伝
子製剤。 - 【請求項5】 遺伝子製剤を生体内に入れた状態におい
て、その状態の遺伝子製剤の中の生体親和性材料の含量
が、0.01〜25w/w%である請求項1記載の遺伝
子製剤。 - 【請求項6】 溶液状、懸濁液状、含水のゲル状、フィ
ルム状、スポンジ状、棒状、または球状である請求項1
の遺伝子製剤。 - 【請求項7】 ベクターが、ウィルスベクター、リポソ
ームベクター、またはウィルスとリポソームによる融合
リポソームベクターである請求項1記載の遺伝子製剤。 - 【請求項8】 ベクターが、ウィルスベクターである請
求項1記載の遺伝子製剤。 - 【請求項9】 ベクターが、アデノウィルスベクターで
ある請求項1記載の遺伝子製剤。 - 【請求項10】 所望の遺伝子を組み込んだベクターま
たは遺伝子を、生体親和性材料からなる担体に担持さ
せ、その担持させたものをその遺伝子ベクターまたは遺
伝子が透過できる容器に入れた遺伝子製剤。 - 【請求項11】 所望の遺伝子を組み込んだベクターま
たは遺伝子を、生体親和性材料からなる担体に担持させ
た製剤を生体に投与することからなる遺伝子で生体を治
療する方法。
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