JPWO2004078213A1 - 対象物質導入用組成物及び対象物質導入方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ウイルスベクターによる経皮的遺伝子導入方法が、例えば、特開2001−112475号公報や特開2001−286282号公報に記載されている。また、リポソームを担体として対象物質を経皮的に導入する方法が、例えば、特表2002−515856号公報に記載されている。また、HVJリポソームを経皮的に導入することについては、例えば、日本研究皮膚科学会第26回年次学術大会で発表されている。しかしながら、生体適合性組成物を使用することやHVJエンベロープベクターを担体とする対象物質の経組織導入については、未だ知られていない。
本発明は、対象物質と生体適合性組成物とからなる対象物質導入用組成物及び対象物質導入方法に関するものである。全身性疾患等の広範囲にわたり発症する疾患等の治療、症状改善、疾患の機構の研究等に用いうる対象物質導入用組成物及び広範囲の導入対象部位に対して、安全かつ簡便に対象物質を効率よく導入することが可能な、対象物質の導入方法に関するものである。
例えば、全身性疾患に関して、色素性乾皮症(XP)は、ヌクレオチド除去修復酵素の機能欠損等を特徴とする常染色体性劣性遺伝性疾患であり、日光過敏、色素斑・脱色素斑の増加、皮膚の萎縮、多発性日光角化症等をもたらす。また、前記色素性乾皮症においては、露光部位に高率に悪性腫瘍が発生する。
現在、前記色素性乾皮症の治療として、理論的には、欠損遺伝子を補充するのが最適であるが、現在は、かかる治療に適した方法の開発は進んでおらず、根本的な治療法といえるものはなく、遮光、生じた皮膚癌の切除等対症療法しか行われていないのが現状である。
本発明は、広範囲の領域にペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、低分子医薬品等の導入対象物質を効率よく導入するための手段を提供することを目的とする。また、本発明は、全身性疾患等の広範囲にわたり発症する疾患等の治療、症状改善、疾患の機構の研究を可能にする手段を提供することを目的とする。具体的には、本発明の第1の目的は、全身性疾患等の広範囲にわたり発症する疾患等の治療、症状改善、疾患の機構の研究に用いうる対象物質導入用組成物を提供することにある。即ち、広範囲の導入対象部位に対して、効率よく対象物質を導入することが可能な対象物質導入用組成物、具体的には、遺伝子、酵素、抗体、サイトカイン(シグナル伝達物質)、成長因子、低分子医薬品等を含有する導入用組成物である。また、本発明の第2の目的は、広範囲の導入対象部位に対して、簡便に、効率よく対象物質を導入することができる対象物質導入方法を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、導入対象のペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なくとも一種並びに前記ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なくとも一種を組織に保持し、又は保持し更に導入し得る生体適合性組成物を含有する、対象物質導入用組成物であり、導入対象のペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なくとも一種、HVJエンベロープベクター並びに前記ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、低分子医薬品及びHVJエンベロープベクターからなる群から選択される少なくとも一種を組織に保持し、又は保持し更に導入し得る生体適合性組成物を含有する、対象物質導入用組成物であり、
導入対象のペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なくとも一種を封入したHVJエンベロープベクター並びに前記ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、低分子医薬品及びHVJエンベロープベクターからなる群から選択される一種を組織に保持し、又は保持し更に導入し得る生体適合性組成物を含有する、対象物質導入用組成物である。尚、「ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、低分子医薬品」等の対象物質を説明の都合上、以下(T)と略称する。
生体適合性組成物には、ムコ多糖又はその塩類を含有させることができる。ムコ多糖は、具体的には、ヒアルロン酸、キチン、コロミン酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、コンドロイチン4−硫酸やコンドロイチン6−硫酸等のコンドロイチン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、タイクロン酸等を好適に使用することができ、ムコ多糖の塩は、具体的には、ヒアルロン酸、キチン、コロミン酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、コンドロイチン4−硫酸やコンドロイチン6−硫酸等のコンドロイチン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、タイクロン酸等の塩を好適に使用することができる。また、そのpHは、pH3〜9.0であることが好ましい。
核酸又は核酸の誘導体は、DNA、RNA、ペプチド核酸、ヌクレオチドアナログ含有核酸等及びこれら核酸を組み込むプラスミドベクターからなる群より選択された少なくとも一種とすることができる。
更に、以上述べた対象物質導入用組成物を投与することにより対象物質を組織や細胞に導入する対象物質導入方法である。
本発明の対象物質導入用組成物は、対象物質(T)の内少なくとも1種及び生体適合性組成物を含有してなる対象物質導入用組成物であり、対象物質(T)の内少なくとも1種、HVJエンベロープベクター等の担体及び生体適合性組成物を含有してなる対象物質導入用組成物であり、対象物質(T)の内少なくとも1種を封入したHVJエンベロープベクター等の担体及び生体適合性組成物を含有してなる対象物質導入用組成物である。
そして、導入対象の「核酸又は核酸の誘導体」は、DNA、RNA、ペプチド核酸、ヌクレオチドアナログ含有核酸等及びこれら核酸を組み込んだプラスミドベクター等であり、前記「導入対象のペプチド」としては、長鎖ペプチド、非天然型アミノ酸含有ペプチド、リン酸化ペプチド、分子内S−S結合型ペプチド、多抗原性ペプチド(MAP)、キャリアー蛋白結合ペプチド、カリクレイン、サブスタンスP、ブラジキニン、カリジン、コレシストキニン、ニューロペプタイド、グラミジン、コリスチン、ポリミキシン、オキシトシン、バソプレシン、セクレチン、糖の消化管ペプチド、抗菌ペプチド(ディフェンシン:Defensin,hepcidin:Liver−Expressed Antimicrobial Peptide 1等)、細胞死拮抗因子(ヒューマニン:Humanin等)、血管収縮ペプチド(エンドセリン:Endothelin−I,ウロテンシン:Urotensin−II等)、内因性成長ホルモン分泌促進ペプチド(活性型グレリン:Active Ghrelin等)等であり、導入対象の「蛋白質」は、XPA遺伝子産物、種々のDNA損傷修復酵素、スーパーオキシドデイスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン、ペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン等の酵素、b12等の抗体、IFN−α、IFN−γ、IFN−β、IL−2等のサイトカイン及びその抗体、EGF、NGF等の成長因子、トリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)等であり、導入対象の「必須アミノ酸」は、メチオニン、スレオニン、バリン、トリプトファン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、リジン、ヒスチジン等であり、導入対象の「必須脂肪酸」は、αリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、リノール酸、γリノレン酸(GLA)、アラキドン酸等であり、導入対象の「ビタミン」としては、ビタミンA1(レチノール)、ビタミンA2(3−デヒドロレチノール)、ビタミンA3、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンF(リノール酸、リノレン酸)、ビタミンK1(フィロキノン)、ビタミンK2(ファルノキノン)、ビタミンU等の脂溶性ビタミン及びその誘導体、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸、ビタミンH(ビオチン)、葉酸、ビタミンB12(シアノコバラミン)、コリン、イノシット、ビタミンL1、ビタミンL2、ビタミンB13、ビタミンBT(カルニチン)、リポ酸(チオクト酸)、ビタミンB14、ビタミンB15、パラアミノ安息香酸、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンP等の水溶性ビタミン及びその誘導体、βカロテン、エルゴステロール、7−デヒドロコレステロール等のプロビタミン及びそれらの誘導体、ビタミン、プロビタミンの誘導体としては、メチルアルコール、エチルアルコール、リン酸、酢酸、塩酸、パルミチン酸、ロダン酸等のエステル類、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルギニン、リジン、塩酸、リン酸、硝酸、セチル硫酸、ナフタレンジスルホン酸等の塩類等、アスコルビン酸2−グルコシド等の安定型ビタミンC等が挙げられる。
生体適合性組成物は、対象物質を組織に保持し、更には、細胞に導入しうるヒアルロン酸、キチン、コロミン酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸(コンドロイチン4−硫酸、コンドロイチン6−硫酸等)、ヘパリン、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、タイクロン酸等のムコ多糖、これらのムコ多糖の塩等を含有するものである。
本発明は、XPA遺伝子を含むプラスミドベクターやXPA遺伝子を含むプラスミドベクターを封入したHVJエンベロープベクターを含有したヒアルロン酸ナトリウム溶液を、XPAマウスの皮膚に塗布することにより、前記XPA遺伝子がマウスの細胞に導入され、該遺伝子のもつ機能が発現する、即ち、UVB照射下においても、サンバーン細胞の発生が抑制され、かつDNA修復能を回復し、更には紫外線誘発皮膚腫瘍の形成を抑えるという本発明者らの驚くべき知見に基づく。更に、XPA遺伝子及びHVJエンベロープベクターを含有したヒアルロン酸ナトリウム溶液についても同様の効果を得たという知見に基づく。
本発明の対象物質導入用組成物の中心物質である対象物質は、導入対象のペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン又は低分子医薬品等である。この対象物質は、ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン又は低分子医薬品そのものの形態で使用することができるし、ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン又は低分子医薬品等とHVJエンベロープベクターと混合使用することもできるし、更には、ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン又は低分子医薬品等をHVJエンベロープベクターに封入したものを使用することもできる。これらの対象物質は、適切な緩衝液等の溶液に溶解されていてもよい。
本発明の対象物質導入用組成物の導入対象部位としては、例えば、皮膚、粘膜、肝臓、腎臓、肺、膵臓、脳、消化管、血管、膀胱、子宮、卵巣、脾臓、胸腺、副甲状腺、甲状腺、唾液腺、耳下腺、顎下腺、リンパ節等が挙げられる。適用方法としては、皮膚、粘膜(口腔、眼、消化管、鼻、気道、肛門)等への外用、内服、静脈注射、筋肉注射、皮下注射、カテーテル等の補助器具を用いて組織への局所投与、手術部位への適用等が挙げられる。
前記「導入対象の核酸」としては、特に限定されないが、前記「導入対象の蛋白質」をコードする核酸、リボザイム、p53、Rb、PTCH等の癌抑制遺伝子、遺伝子欠損性疾患若しくは遺伝子変異を原因とする疾患の原因遺伝子、IFN−α、IFN−γ、IFN−β、IL−2等のサイトカイン遺伝子等が挙げられる。
前記「遺伝子欠損性疾患若しくは遺伝子変異を原因とする疾患」及び原因遺伝子として、例えば、
栄養障害型表皮水疱症(Dystrophic EB):COL7A1等、
接合部型表皮水疱症(Junctional EB):LAMA3、LAMB3、LAMC2等、
全身性萎縮性良性表皮水疱症(GABEB):COL17A1等、
表皮水疱症−幽門閉鎖症(EB−PA):ITGA6、ITGB4等、
先天性幽門閉鎖症−接合部型EB症候群(PA−JEA):ITGα6、ITGβ4等
表皮水疱症−筋ジストロフィー(EB−MD):PLEC1等、
単純型表皮水疱症(EB−simplex):KRT5、KRT14等、
外胚葉性形成異常/皮膚脆弱症(EDA/skin fragility):PLP1等、
表皮剥離性角質増加症(Epidermolytic hyperkeratosis):KRT1、KRTIO等、
表皮剥離性掌蹠角皮症(Epidermolytic PPK):KRT9等、
非表皮剥離性掌蹠角皮症(Nonepidermolytic PPK):KRT16等、
ボーヴィンケル症候群(Vohwinkel’s syndrome):LOR、GJB2等、
魚鱗癬中毒水疱症(Ichthyosis bullosa Siemens):KRT2e等、
1型及び2型先天性硬爪症(Pachonychia congenita type 1 and 2):KRT6α、16、17等、
伴性魚鱗癬(X−linked ichthyosis):STS等、
葉状魚鱗癬(Lamellar ichthyosis):TGM1等、
難聴併発掌蹠角皮症(PPK with deaf ness):GJB2等、
変異性紅斑角皮症(Erythrokeratoderma variabilis):GJB3等、
ダリエー病(Darier’s disease):ATP2A2等、
横紋掌蹠角皮症(Striate PPK):DSP等、
横紋角皮症(Striate keratoderma):DSG1等、
先天性無毛症(Congenital atrichia):HR等、
連珠毛(Monilethrix):hHB1、hHB6等、
ワールデンブルグ症候群(Waardenburg syndrome):PAX3等、
白皮症[Albinism(different forms)]:TYR、TYRP−1、OCA2、OA1等、
ティーツェ症候群(Tierz syndrome):MITE等、
ヘルマンスキー−パドラック症候群(Hermansky−Pudlak syndrome):HPS等、
骨髄性プロトポルフィリン症(Erythropoietic protoporphyria):FECH等、
先天性骨髄性ポルフィリン症(Congenital erythropoietic porphyria):UROS等、
家族性晩発性皮膚ポルフィリン症(Familial porphyria cutanea tarda):URO−D等、
異型ポルフィリン症(Variegate porphyria):PPO等、
色素性乾皮症(Xeroderma pigmentosum):XPA、XPB、XPC、XPD、XPE、XPG、XPF、XPV等、
コケイン症候群:CSA、CSB等
母斑性基底細胞癌症候群(Nevoid basal cell carcinoma syndrome):PTCH等、
ポイツ−イェーガーズ症候群(Peutz−Jeghers syndrome):STK11/LKB1等、
コーデン症候群(Cowden syndrome):PTEN等、
バンナヤン−ゾーナーナ症候群(Bannayan−Zonana syndrome):PTEN等、
硫黄欠乏性毛髪発育異常症(Trichothiodystrophy):XPB、XPD等、
ファブリー病(Fabry’s disease):GLA等、
毛細血管拡張性運動失調(Ataxia telangiectasia):ATM等、
遺伝性出血性毛細血管拡張症(Hereditary hemorrhagic telangiectasia):ENG、AL K−1等
が挙げられ、また、これらの遺伝子を組み込むプラスミドベクターが挙げられる。
前記「導入対象の核酸又は核酸誘導体」は、DNA、RNA、ペプチド核酸、ヌクレオチドアナログ含有核酸等及びこれら核酸を組み込むプラスミドベクターから選択される少なくとも一種である。
前記核酸を組み込むプラスミドベクターとしては、導入対象の部位等に応じて適宜選択することができ、例えば、pCAGGS、pcDNA3、大腸菌用プラスミド〔例えば、pUC18、PUC19、pBR322、pBluescript II(登録商標;ストラタジーン社製)、pET、pCAL、pBluescript Amp(登録商標;ストラタジーン社製)〕、真核細胞用ベクター(PCMV−Script(登録商標;ストラタジーン社製)、pCMV−Tag、pBK−CMV、pBK−RSV、p1−RED1、pESP、pESC)、コスミド(pAT5、pWE15)等が挙げられる。
前記「導入対象のペプチド」としては、特に限定されないが、例えば、長鎖ペプチド、非天然型アミノ酸含有ペプチド、リン酸化ペプチド、分子内S−S結合型ペプチド、多抗原性ペプチド(MAP)、キャリアー蛋白結合ペプチド、カリクレイン、サブスタンスP、ブラジキニン、カリジン、コレシストキニン、ニューロペプタイド、グラミジン、コリスチン、ポリミキシン、オキシトシン、バソプレシン、セクレチン、等の消化管ペプチド、抗菌ペプチド(ディフェンシン:Defensin,hepcidin:Liver−Expressed Antimicrobial Peptide 1等)、細胞死拮抗因子(ヒューマニン:Humanin等)、血管収縮ペプチド(エンドセリン:Endothelin−I,ウロテンシン:Urotensin−II等)、内因性成長ホルモン分泌促進ペプチド(活性型グレリン:Active Ghrelin等)等が挙げられる。
前記「導入対象の蛋白質」としては、特に限定されないが、例えば、XPA遺伝子産物、種々のDNA損傷修復酵素、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオン、ペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、b12等の抗体、IFN−α、IFN−γ、IFN−β、IL−2等のサイトカイン及びその抗体、EGF、NGF等の成長因子が挙げられる。低分子医薬品としては、カテキン、タンニン、アントシアニン、ケルセチン、イソフラボン、ルチン等のポリフェノール、ルテイン等の抗酸化剤、グリチルレチン酸、グルチルレチン酸等の消炎剤、カイニン酸等の駆虫薬、タンニン酸等の収れん薬、アセトアミノフェノン等の鎮痛剤、カフェイン等の強心利尿剤、リドカイン等の局所麻酔薬、バルビタール等の睡眠剤、アスピリン、アンチピリン等の解熱、鎮痛剤、バンコマイシン、s−ガラクトシダーゼ(ペニシリウム)、メチシリン等の抗生物質、ヒノキチオール等の抗菌剤、ラクツロース等の代謝性医薬品、シギトキシン等の強心配糖体、吉草酸ベタメサゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、酢酸プレドニゾロン等の抗炎症剤、アロプリノール等の抗痛風薬、カルビドパ等の抗パーキンソン病用配合剤、金チオリンゴ酸ナトリウム、糖質コルチコイド等の抗リウマチ薬、PGE1、PGE2α等のプロスタグランジン、エピネフィリン等の交感神経興奮薬、硫酸キニーネ等の抗マラリヤ薬、クロロフィル等の葉緑素、トリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)等の低分子ホルモン、γ−オリザノール等のホルモン様作用物質等が挙げられる。
また、前記「導入対象の核蛋白質」としては、特に限定されないが、例えば、RNA核蛋白、酸性核蛋白、可溶性核蛋白、Fos蛋白(癌遺伝子)、PQBP−1(ポリグルタミン配列に結合する)、NP95、PCNA、トポイソメラーゼI、RNAポリイソメラーゼI、UBF(upstream binding factor)、フィブラリン、ヌクレオン、ヌクレオホスミン等が挙げられる。
ペプチドホルモンとしては、色素細胞刺激ホルモンαMSH(melanocyte stimulating hormon、メラノトロピン)が挙げられ、必須アミノ酸としては、メチオニン、スレオニン、バリン、トリプトファン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、リジン、ヒスチジン等が挙げられ、必須脂肪酸としては、αリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、リノール酸、γリノレン酸(GLA)、アラキドン酸等が挙げられ、「ビタミン」としては、ビタミンA1(レチノール)、ビタミンA2(3−デヒドロレチノール)、ビタミンA3、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンF(リノール酸、リノレン酸)、ビタミンK1(フィロキノン)、ビタミンK2(ファルノキノン)、ビタミンU等の脂溶性ビタミン及びその誘導体、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸、ビタミンH(ビオチン)、葉酸、ビタミンB12(シアノコバラミン)、コリン、イノシット、ビタミンL1、ビタミンL2、ビタミンB13、ビタミンBT(カルニチン)、リポ酸(チオクト酸)、ビタミンB14、ビタミンB15、パラアミノ安息香酸、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンP等の水溶性ビタミン及びその誘導体、βカロテン、エルゴステロール、7−デヒドロコレステロール等のプロビタミン及びそれらの誘導体、ビタミン、プロビタミンの誘導体としては、メチルアルコール、エチルアルコール、リン酸、酢酸、塩酸、パルミチン酸、ロダン酸等のエステル類、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルギニン、リジン、塩酸、リン酸、硝酸、セチル硫酸、ナフタレンジスルホン酸等の塩類等、アスコルビン酸2−グルコシド等の安定型ビタミンC等が挙げられる。
本発明の対象物質導入用組成物における前記対象物質の含有量は、導入部位において、該対象物質の機能を発揮しうる範囲であればよく、例えば、対象物質が、核酸又は核酸の誘導体又は核酸又は核酸の誘導体を封入したHVJエンベロープベクターである場合、例えば、前記含有量としては、使用時の濃度としては、本発明の対象物質導入用組成物中に、1.0×10−9重量%〜99.9重量%、好ましくは、1.0×10−6重量%〜99重量%、より好ましくは、1.0×10−5重量%〜95重量%配合するのがよい。また、対象物質が、ペプチド又はペプチドを封入したHVJエンベロープベクターである場合は、本発明の対象物質導入用組成物中に、1.0×10−9重量%〜99.9重量%、好ましくは、1.0×10−6重量%〜99重量%、より好ましくは、1.0×10−5重量%〜95重量%配合するのがよい。また、対象物質が、蛋白質又は核蛋白質又は蛋白質又は核蛋白質を封入したHVJエンベロープベクターである場合は、本発明の対象物質導入用組成物中に、1.0×10−8重量%〜99.9重量%、好ましくは、1.0×10−5重量%〜99重量%、より好ましくは、1.0×10−5重量%〜90重量%配合するのがよい。また、対象物質が、低分子医薬品、蛋白質又は核蛋白質を封入したHVJエンベロープベクターである場合、前記含有量としては、全組成物量中、1.0×10−8重量%〜99.9重量%、好ましくは、1.0×10−5重量%〜99重量%、より好ましくは、1.0×10−5重量%〜90重量%配合するのがよい。また、対象物質が、上記以外の対象物質又は上記以外の対象物質を封入したHVJエンベロープベクターである場合、前記含有量としては、全組成物量中、1.0×10−9重量%〜99.9重量%、好ましくは、1.0×10−6重量%〜99重量%、より好ましくは、1.0×10− 5重量%〜95重量%配合するのがよい。また、対象物質の含有量は、前記対象物質の機能を発揮する場合、上記に例示された範囲に限定されるものではない。なお、本発明の対象物質導入用組成物は、使用時に希釈して用いてもよい。
本発明の対象物質導入用組成物に用いられる生体適合性組成物としては、前記導入対象の(T)等の対象物質を組織に保持し、又は保持し更には細胞に導入しうる生体適合性組成物であればよく、例えば、ヒアルロン酸、キチン、コロミン酸、コンドロイチン、コンドロイチン4−硫酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン6−硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、タイクロン酸等のムコ多糖及びその塩類が挙げられる。また、ムコ多糖の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、銅塩、亜鉛塩等の金属塩類等の無機塩、ジエタノールアミン塩、2−アミノ−2−エチル−1、3−プロパンジオール塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、モルホリン塩、ピペリジン塩等のヘテロ環塩、アルギニン塩、リジン塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸塩等の有機酸塩類、硫酸、塩酸、酢酸、クエン酸、乳酸等の無機酸又は有機酸塩類等が挙げられる。生体適合性組成物において、塩を形成するムコ多糖と塩の割合は特に限定するものではなく、前記生体適合性組成物のpHの範囲であればどのようなものであってもよい。
また、前記「生体適合性」とは、長期間にわたって生体に悪影響も強い刺激も与えず、前記対象物質の本来の機能及び該対象物質を組織に保持し、又は保持し更に導入して貯留性を発揮しながら、生体と共存できる材料の属性を意味する。
前記「対象物質を組織に保持し、又は保持し更に導入して発揮される貯留性」は、組織に本発明の対象物質導入用組成物を投与した場合に、該対象物質が組織に留まるような性質を意味し、例えば、対象物質を皮膚上に保持し、又は保持し更に導入し得ることを意味する。
前記生体適合性組成物において、pHは、特に限定されるものではない。対象物質を安定に保持できる、即ち、対象物質の生理機能を発揮しうる範囲であればよく、かかる観点から、例えば、3以上であり、好ましくは、4.0以上であり、より好ましくは、4.5以上であり、9.0以下であり、好ましくは8.5以下であり、より好ましくは、8.0以下であることが望ましい。更に、前記生体適合性組成物のpHは、生体に適した範囲であってもよい。
前記生体適合性組成物は、用途、使用時の条件等に応じて、選択してもよい。例えば、本発明の対象物質導入用組成物は、疾患等の治療における治療剤としても用いられうるが、この場合、投与対象の個体における使用感等の観点から、前記生体適合性組成物を選択してもよい。
本発明の対象物質導入用組成物中における前記生体適合性組成物の含有量は、用いる生体適合性組成物により異なるが、対象物質を組織に保持し更に導入して貯留性を発揮しうる範囲であればよい。例えば、本発明の対象物質導入用組成物中における前記生体適合性組成物の含有量としては、0.0001重量%以上であり、好ましくは、0.001重量%以上であり、より好ましくは、0.1重量%以上であり、99.999重量%以下であり、好ましくは、99.99重量%以下であり、より好ましくは、99.9重量%である範囲で含有量等が挙げられる。尚、本発明の生体適合性組成物は、使用時に希釈して用いてもよく、使用時に凍結乾燥粉末等の100%純度のものを適宜緩衝液等で希釈して、前記の濃度で使用してもよい。
本発明の対象物質導入用組成物には、前記対象物質を安定に保持するための殺菌剤、金属封鎖剤、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤、油性成分、安定化剤、慣用の緩衝剤、水等を適宜含有してもよい。例えば、前記対象物質が、(T)、(T)とHVJエンベロープベクター、(T)を封入したHVJエンベロープベクターである場合、本発明の対象物質導入用組成物には、(T)の分解を抑制するための薬学的に許容されうる物質を含有してもよい。本発明の対象物質導入用組成物において、前記対象物質と生体適合性組成物以外の成分は、前記殺菌剤、金属封鎖剤、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤、油性成分、安定化剤、慣用の緩衝剤、水等であればよい。
本発明の対象物質導入用組成物において、pHは、特に限定されるものではなく、用途によって異なるが、例えば、対象物質導入用組成物が外用に用いられる場合には、下限は3以上であり、好ましくは、4.0以上であり、より好ましくは、4.5以上であり、上限は9.0以下であり、好ましくは8.5以下であり、より好ましくは、8.0以下である。また、対象物質導入用組成物が内服等に用いられる場合には、下限は5以上であり、好ましくは、6.0以上であり、より好ましくは、6.5以上であり、上限は9.0以下であり、好ましくは8.5以下であり、より好ましくは、8.0以下である。また、対象物質導入用組成物が注射、点滴等に用いられる場合には、下限は3以上であり、好ましくは、4.0以上であり、より好ましくは、4.5以上であり、上限は9.0以下であり、好ましくは8.5以下であり、より好ましくは、8.0以下である。また、対象物質導入用組成物が点眼液として用いられる場合には、下限は4以上であり、好ましくは、4.3以上であり、より好ましくは、4.5以上であり、上限は9.0以下であり、好ましくは8.0以下であり、より好ましくは、7.0以下である。また、対象物質導入用組成物が前記以外の用途で用いられる場合には、下限は3以上であり、好ましくは、4.0以上であり、より好ましくは、4.5以上であり、上限は9.0以下であり、好ましくは8.5以下であり、より好ましくは、8.0以下である。また、対象物質の含有量は、前記対象物質の機能を発揮する場合、上記に例示された範囲に限定されるものではない。
この対象物質導入用組成物の適用部位としては、組織全般を対象とすることができる。例えば、皮膚、粘膜、肝臓、腎臓、肺、膵臓、脳、消化管、膀胱、子宮、卵巣、脾臓、胸腺、副甲状腺、甲状腺、唾液腺、耳下腺、顎下腺、リンパ節、血管、関節、胸腔、腹腔等である。適用方法としては、皮膚、粘膜(口腔、眼、消化管、鼻、気道、肛門)等への外用、内服、静脈注射、筋肉注射、皮下注射、カテーテル等の補助器具を用いて組織への局所投与、手術部位への適用等が挙げられる。本発明の対象物質導入用組成物の投与により、遺伝子や対象物質を広範囲の部位に、簡便、かつ効率よく導入することができる。
本発明の対象物質導入用組成物の用途としては、例えば、広範囲にわたり発症する疾患等の治療又は症状改善、該疾患の機構の研究(例えば、疾患モデル動物等の作製及び治療効果の検討等)等が挙げられる。
本発明の対象物質導入用組成物を適用しうる疾患としては、例えば、栄養障害型表皮水疱症(Dystrophic EB)、接合部型表皮水疱症(Junctional EB)、全身性萎縮性良性表皮水疱症(GABEB)、先天性幽門閉鎖症−接合部型EB症候群(PA−JEB)、筋ジストロフィーを伴う単純型表皮水疱症(EBS/MD)、単純型表皮水疱症(EB−simplex)、外胚葉性形成異常/皮膚脆弱症(EDA/skin fragility)、表皮剥離性角質増加症(Epidermolytic hyperkeratosis)、表皮剥離性掌蹠角皮症(Epidermolytic PPK)、非表皮剥離性掌蹠角皮症(Nonepidermolytic PPK)、ボーヴインケル症候群(Vohwinkel’s syndrome)、魚鱗癬中毒水疱症(Ichthyosis bullosa Siemens)、1型及び2型先天性硬爪症(Pachonychia congenita type 1 and 2)、伴性魚鱗癬(X−linked ichthyosis)、葉状魚鱗癬(Lamellar ichthyosis)、難聴併発掌蹠角皮症(PPK with deafness)、変異性紅斑角皮症(Erythrokeratoderma variabilis)、ダリエー病(Darier’s disease)、横紋掌蹠角皮症(Striate PPK)、横紋角皮症(Striate keratoderma)先天性無毛症(Congenital atrichia)、連珠毛(Monilethrix)、ワールデンブルグ症候群(Waardenburg syndrome)、白皮症[Albinism(different forms)]、ティーツェ症候群(Tierz syndrome)、ヘルマンスキー−パドラック症候群(Hermansky−Pudlak syndrome)、骨髄性プロトポルフィリン症(Erythropoietic protoporphyria)、先天性骨髄性ポルフィリン症(Congenital erythropoietic porphyria)、家族性晩発性皮膚ポルフィリン症(Familial porphyria cutanea tarda)、異型ポルフィリン症(Variegate porphyria)、色素性乾皮症(Xeroderma pigmentosum)、コーデン症候群、母斑性基底細胞癌症候群(Basal cell nevus syndrome)、ポイツーイェーガーズ症候群(Peutz−Jeghers syndrome)、コーデン症候群(Cowden syndrome)、バンナヤン−ゾーナーナ症候群(Bannayan−Zonana syndrome)、硫黄欠乏症毛髪発育異常症(Trichothiodystrophy)、ファブリー病(Fabry’s disease)、毛細血管拡張性運動失調(Ataxia telangiectasia)、遺伝性出血性毛細血管拡張症(Hereditary hemorrhagic telangiectasia)等の遺伝子疾患と悪性黒色腫、悪性血管内皮細胞腫等の悪性腫瘍等が挙げられる。
本発明の対象物質導入用組成物は、皮膚、粘膜(口腔、眼、消化管、鼻、気道、肛門)等への外用、内服、静脈注射、筋肉注射、皮下注射、カテーテル等の補助器具を用いてた組織への局所投与、手術部位への適用等により使用されうる。使用時の簡便性、効率等の観点から、特に、塗布による使用が好適である。容器や製剤の形態は特に限定するものではなく、液剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、眼軟膏、バッカル錠、トローチ(舌下錠)剤、点眼剤、点鼻剤、含嗽剤、吸入剤、湿布、パップ剤、坐剤、膣坐薬、浣腸剤、噴霧剤、パック剤、泡状エアゾール剤等が挙げられる。
本発明の対象物質導入用組成物は、例えば、以下のように製造されうる。即ち、対象物質が核酸の場合、慣用の方法により導入対象の核酸を慣用のプラスミドベクターに組み込み組換えプラスミドベクターを得る。得られた組換えプラスミドベクターはそのままの形でnaked−DNAとして又は慣用の手法により、例えば、HVJエンベロープベクターに封入して、組換えプラスミドベクター含有HVJエンベロープベクターとしてもよい。また、生体適合性組成物として、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液100mlに5重量%濃度となるように膨潤させることにより、5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(pH7.4)を得る。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、市販のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得られる。得られた組換えプラスミドベクター含有HVJエンベロープベクター又は組換えプラスミドベクターnaked−DNAからなる群より選ばれた一種と、前記ヒアルロン酸ナトリウム溶液とを、混合し、対象物質導入用組成物を得る。
本発明の遺伝子導入方法は、導入対象の(T)、(T)とHVJエンベロープベクター又は(T)を封入したHVJエンベロープベクター及び(T)、(T)とHVJエンベロープベクター又は(T)を封入したHVJエンベロープベクターを組織に保持し、又は保持し更に導入し得る生体適合性組成物を含有した対象物質導入用組成物を組織に投与し、それにより、対象物質(T)、(T)とHVJエンベロープベクター又は(T)を封入したHVJエンベロープベクターを組織に保持し、更に、対象物質を細胞に導入するものである。
前記遺伝子導入用組成物の皮膚への塗布面積は、(T)、(T)とHVJエンベロープベクター又は(T)を封入したHVJエンベロープベクターがその効果を発現するに要する部位を含む面積であればよい。また、導入用組成物の皮膚への塗布回数、タイミング等は、用途に応じて適宜選択されうる。
例えば、前記対象物質導入用組成物を皮膚上に塗布する場合、その塗布量は、特に限定されないが、例えば、対象物質として、単位面積、例えば、1cm2あたり、1ng〜1mg、好ましくは、1μg〜100μgであればよい。
前記遺伝子導入用組成物の血液中への投与は、(T)、(T)とHVJエンベロープベクター又は(T)を封入したHVJエンベロープベクターがその効果を発現しうる部位であればよい。また、導入用組成物の血液中への投与回数、タイミング等は、用途に応じて適宜選択されうる。
例えば、前記対象物質導入用組成物を血液中に投与する場合、その投与量は、特に限定されないが、例えば、対象物質として、1回投与量、例えば、1mLあたり、1pg〜1mg、好ましくは、1ng〜100μgであればよい。
前記遺伝子導入用組成物の経口摂取方法は、(T)、(T)とHVJエンベロープベクター又は(T)を封入したHVJエンベロープベクターがその効果を発現する方法であればよい。また、導入用組成物の経口摂取の回数、タイミング等は、用途に応じて適宜選択されうる。
例えば、前記対象物質導入用組成物を食品や内服薬として経口で摂取する場合、その摂取量は、特に限定されないが、例えば、対象物質として、1日の摂取量、例えば、体重(kg)あたり、1ng〜100mg、好ましくは、1μg〜10mgであればよい。
前記遺伝子導入用組成物のカテーテルを用いて又は手術等による組織への局所投与の方法は、(T)、(T)とHVJエンベロープベクター又は(T)を封入したHVJエンベロープベクターがその効果を発現する方法であればよい。また、導入用組成物の挿入の回数、タイミング等は、用途に応じて適宜選択されうる。
例えば、前記対象物質導入用組成物をカテーテルを用いて又は手術等による組織への局所投与する場合、その摂取量は、特に限定されないが、例えば、対象物質として、1日の摂取量、例えば、体重(kg)あたり、1pg〜1mg、好ましくは、1ng〜100μgであればよい。
以下、疾患の治療剤としての利用に関して、色素性乾皮症への適用について、説明する。色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum:XP)には、A群、B群、C群、D群、E群、F群、G群、V群と8つのサブグループがあるが、ここでは、色素性乾皮症A群(XPA)マウスにA群原因遺伝子(XPA遺伝子)を導入することについて例示的に説明する。前記核酸として、例えば、XPA遺伝子が用いられうる。かかる核酸は、例えば、pCAGGS、pcDNA3等の慣用のプラスミドベクターに組み込んだnaked−DNAとしてそのまま生体適合性組成物、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムと混合してもよい。また、XPA遺伝子をpCAGGS、pcDNA3等の慣用のプラスミドベクターに組み込んだ組み換えプラスミドベクターをHVJエンベロープベクターに封入して得られたXPA遺伝子含有HVJエンベロープベクターを、ヒアルロン酸ナトリウムと混合してもよい。
対象物質導入用組成物として、例えば、終濃度1重量%のヒアルロン酸ナトリウム、XPA遺伝子(核酸量として50μg)含有HVJエンベロープベクターの組成物が用いられうる。前記遺伝子導入用組成物を、前記核酸が生体内に導入され、発現するに十分な時間、例えば、外出により日光を浴びる48時間前等に皮膚全体に投与する。これにより、DNA修復能の回復、表皮の傷害の抑制、サンバーン細胞の形成の抑制が期待されうる。
(1)XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの調製
サイトメガロウイルスのエンハンサーとβ−アクチンのプロモーターとを有するpCAGGSに、ヒトXPA遺伝子(ジーンバンクアクセッション番号:14533;田中亀代次博士より供与)を組込み、pCAGGS−XPA(田中亀代次博士(大阪大学細胞生体工学センター)より供与された)を得た。また、pcDNA3(InVitrogen社製)のEcoRI認識部位に、前記ヒトXPA遺伝子を組み込み、標識として、ヘマグルチニンのエピトープをコードするDNAを付加した、pcHA−XPAを得た。得られたpCAGGS−XPA及びpcHA−XPAのそれぞれをHVJエンベロープベクターに封入した。これにより、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターを得た。
(2)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液100mlに5重量%濃度となるように膨潤させることにより、5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られたXPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクター300μlと前記(2)で得られた5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液75μlとを混合して遺伝子導入用組成物を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、1重量%である。
試験例1 XPAマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例1で得られた遺伝子導入用組成物(E1)を、DNA量として、50μg/マウス(全量375μl:5重量%ヒアルロン酸ナトリウム75μl+HVJエンベロープベクター溶液300μl)となるように、XPAモデルマウスの背部(約4.5cm2)に塗布した。24時間後又は48時間後、NembutalRを用いて腹腔内注射で麻酔し、XPAモデルマウスの背部に、TOSHIBA fluorescent Sunlamp FL20SE(ピーク波長305nm、280〜360nm)を用いて、UVBを4kJ/m2照射した。なお、紫外線量は、UVR−305/365D紫外線線量計で測定した。対照として、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの代わりに、XPA遺伝子を含有しないpCAGGS又はpcDNA3を封入したHVJエンベロープベクターを保持した対照遺伝子導入用組成物(C−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C−2)を塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)不定期DNA合成(unscheduled DNA synthesis:UDS)の検出
紫外線DNA損傷を修復するXPA遺伝子を導入することで、修復能が改善されるかをUDSを目安として検討した。前記(1)の3群のマウスにおけるUVB照射部位を舌紺子ではさみ、メチル3H−dThd(100μCi/ml)含有生理的食塩水溶液0.5mlを、該照射部位に皮下注射した。マウスを35℃、60分間インキュベータに入れた後、舌紺子をはずした。更に、3時間経過後、マウスを屠殺した。
UVB照射部の皮膚(4.5cm2)を切除し、切除された皮膚を10%中性ホルマリン溶液で一晩固定した。固定後の皮膚をパラフィン包埋し、パラフィン包埋試料を4〜5μmの厚さに薄切し、得られた試料を脱パラフィン処理し5%冷却TCAで洗浄した。ついで、得られた試料を、銀粒子を含むエマルジョン(写真乳剤)に浸漬し、暗室中4℃で保存した。
1週間後、前記試料について、現像、定着、水洗を行ない、ギムザ染色した。染色後の試料について、顕微鏡下、細胞上の黒化粒子数を数えた。
その結果、表皮細胞でのUDSを測定したところ、XPA遺伝子を含有しない対照遺伝子導入用組成物(C1−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C1−2)の皮膚塗布群では、ほとんどの細胞の黒化粒子数(グレイン数)は0〜5であったのに対し、遺伝子導入用組成物(E1)の皮膚塗布群では、皮膚全体にわたって、核当たりのグレイン数が15〜20の細胞が多く見られ、修復能が回復していることがわかった。即ち、驚くべきことに、導入対象の核酸が、皮膚から細胞に導入されていること、更に、皮膚の広範囲にわたって、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。
(3)UVB照射部の形態学的変化
前記(1)のそれぞれマウスにおける皮膚を切除し、各皮膚片を得た。得られた各皮膚片を10%中性ホルマリン溶液で固定した。得られた試料をヘマトキシリン・エオシン(HE)染色し、HE染色標本を得た。前記HE染色標本について、形態を観察し、表皮細胞障害の指標としてサンバーン細胞(核濃縮、表皮壊死を起こした表皮細胞)について、前記(1)の3群のマウス間における差異を求めた。なお、前記サンバーン細胞の観察は、切片中の全表皮細胞数におけるサンバーン細胞数の比を指標とした。また、pcHA−XPAを導入した前記(1)の3群のマウスの皮膚片を凍結し、HA−tagを染色し、染色強度により、導入された遺伝子の局在を観察した。
HE染色標本の観察結果より、遺伝子導入用組成物(E1)を塗布したマウスでは、UV照射24時間後のサンバーン細胞は20個/100個細胞であったのに対し、対照のヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C1−2)を塗布したマウスでは35個/100個細胞であり、対照のXP遺伝子をコードする核酸を含有しない対照遺伝子導入用組成物(C1−1)を塗布したマウスでは55個/100個細胞であった。遺伝子導入用組成物の塗布群は、対象2群に比べ、表皮の傷害、サンバーン細胞の形成が抑制されていることが明らかになった。
これは、本発明の遺伝子を封入したHVJエンベロープベクターにより遺伝子が効率よく導入され、生理的な条件下でその機能が発現した結果である。これらの効果は、遺伝子を封入したHVJエンベロープベクターは、例えば、ムコ多糖類の存在下でHVJが角層のバリアを通過して、表皮細胞又は毛包の細胞の細胞膜と融合し、その内容物が細胞内に取り込まれた結果発現したと考えられる。
(1)導入用核酸の調製
実施例1と同様にして、pCAGGS−XPAを得た。また、実施例1と同様にして、pcHA−XPAを得た。ここで、naked−DNAであるpCAGGS−XPA又はpcHA−XPAのDNA量は、それぞれ50μg/マウスとした。
(2)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例1の(2)と同様にして、ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液100mlに2重量%濃度となるように膨潤させ、2重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られた導入用核酸100μl(50μgDNA)と前記(2)で得られた2重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液100μlとを混合して遺伝子導入用組成物を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸の濃度は、1重量%である。
試験例2 XPマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例2で得られた遺伝子導入用組成物(E2)を、前記試験例1の(1)と同様に、それぞれ3匹のXPAモデルマウスの背部に塗布し、該背部にUVBを0.5kJ/m2照射した。対照として、遺伝子導入用組成物の代わりに、XPA遺伝子を含有しないpCAGGS又はpcDNA3を用いた対照遺伝子導入用組成物(C2−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C2−2)をそれぞれ3匹のマウスの背部に塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)UVB照射部の皮膚症状の観察
UVB照射部位について、UVB照射直後、24時間後、1週間後に、紅斑、浮腫等の程度を、軽度、中等度、高度の3段階に分類し、対照群と比較し、評価した。長期照射試験は、1回/週の照射を15回続け、観察した。
その結果、遺伝子導入用組成物(E2)の皮膚塗布群のマウスにおいては、UVB照射直後、24時間後は軽度の紅斑、1週間後ではそれぞれ1匹のマウスに軽度の紅斑、2匹のマウスに中等度の紅斑を認めるのみであった。対照のXP遺伝子をコードする核酸を含有しないプラスミドベクター(pCAGGS又はpcDNA3)を含有する対照遺伝子導入用組成物(C2−1)の皮膚塗布群では、いずれも3匹中、3匹に高度の紅斑、浮腫を認めた。又、ヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C2−2)の皮膚塗布群では、3匹中、1匹に中等度、2匹に高度の紅斑、浮腫を認めた。長期照射試験においては、紫外線照射終了4ヶ月後の観察では、遺伝子導入用組成物(E2)の皮膚塗布群では、紫外線照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘疹を認めるのみであったが、対照のXP遺伝子をコードする核酸を含有しないプラスミドベクター(pCAGGS又はpcDNA3)を含有する対照遺伝子導入用組成物(C2−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C2−2)の皮膚塗布群では、紫外線誘発皮膚腫瘍が認められた。これらの結果より、修復能が回復していることがわかった。即ち、驚くべきことに、導入対象の核酸が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。また、皮膚の広範囲にわたって、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。
(3)UVB照射部の形態学的変化
前記試験例2の(1)の3群のマウスにおける皮膚を切除し、各皮膚片を得、該皮膚片よりHE染色標本を得た。試験例1の(3)と同様に、HE染色標本について、形態を観察し、表皮の傷害の形成、サンバーン細胞の形成の抑制を評価した。
その結果、HE染色標本の観察結果より、遺伝子導入用組成物の塗布群は、対象2群に比べ、表皮の傷害、サンバーン細胞の形成が抑制されていることが明らかになった。
(1)XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの調製
実施例1と同様にしてpcHA−XPAを構築した。得られたpcHA−XPAをHVJエンベロープベクターに封入した。これにより、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターを得た。ここで、各XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターにおけるDNA量は、50μg/マウスとした。
(2)コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例1の(2)と同様にして、コンドロイチン硫酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液1mlに2重量%濃度となるように膨潤させ、2重量%コンドロイチン硫酸ナトリウム(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られた導入用核酸200μl(50μgDNA)と前記(2)で得られた2重量%コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液50μlとを混合して遺伝子導入用組成物(E3)を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるコンドロイチン硫酸ナトリウムの濃度は、0.4重量%である。対照として、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの代わりに、XPA遺伝子をコードする核酸を含有しないpcDNA3を封入したHVJエンベロープベクターを用いた対照遺伝子導入用組成物(C3−1)又はコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C3−2)を塗布して、同様の操作を行なった。
試験例3 XPマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例3で得られた遺伝子導入用組成物(E3)を、前記試験例1の(1)と同様に、XPAモデルマウス5匹の背部に塗布し、該背部にUVBを4kJ/m2照射した。対照として、遺伝子導入用組成物の代わりに、XPA遺伝子をコードする核酸を含有しないpcDNA3を用いた対照遺伝子導入用組成物(C3−1)又はコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C3−2)をそれぞれの5匹のマウスに塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)皮膚症状の観察
UVB照射部位について、UVB照射直後、24時間後、1週間後に、紅斑、浮腫等の程度を、軽度、中等度、高度の3段階に分類し、対照群と比較し、評価した。
その結果、前記(1)の遺伝子導入用組成物(E3)塗布のマウスにおいては、UVB照射直後、24時間後、1週間後のいずれの時点でも、軽度の紅斑を認めるのみであったが、対照遺伝子導入用組成物(C3−1)の皮膚塗布群では、5匹中、5匹に高度の紅斑、浮腫を認め、対照遺伝子導入用組成物(C3−2)の皮膚塗布群では、5匹中、1匹が中等度、4匹が高度の紅斑、浮腫を認めた。遺伝子導入用組成物(E3)塗布のマウスにおいては、修復能が回復していることがわかった。
(3)UVB照射部の形態学的変化
前記(1)のマウスにおける皮膚を切除し、各皮膚片を得、該皮膚片よりHE染色標本を得た。前記試験例1の(3)と同様に、HE染色標本について、形態を観察し、表皮の傷害の形成、サンバーン細胞の形成の抑制を評価した。
その結果、HE染色標本の観察結果より、前記(1)の遺伝子導入用組成物(E3)塗布のマウスでは、UV照射24時間後、対照の2群に比べ、表皮の傷害、サンバーン細胞の形成が抑制されていることが明らかになった。
(1)human EGFの調製
human EGFは例えば、和光純薬工業株式会社製のEpidermal Growth Facter,Human,recombinantを購入し使用した。これをダルベッコPBS(−)溶液に3mg/mlに調製した。human EGFは1マウスに0.9mgを使用した。
(2)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液100mlに5重量%濃度となるように膨潤させることにより、5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)蛋白質導入用組成物の調製
前記(1)で得られたhuman EGF溶液0.3mlと前記(2)で得られた5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液0.075mlとを混合して蛋白質導入用組成物を得た。なお、前記蛋白質導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、1重量%である。
試験例4 C57マウスへのhuman EGFの導入による効果
(1)蛋白質導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例4で得られた蛋白質導入用組成物(E4)を、蛋白質量として、0.9mg/マウス(全量0.375ml:ヒアルロン酸ナトリウム 0.075ml+蛋白質溶液0.3ml)となるように、C57マウスの背部(約4.5cm2)に塗布した。対照として、human EGFを含有しない蛋白質導入用組成物(C4−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない蛋白質導入用組成物(C4−2)を塗布して、以下の操作を行った。
(2)human EGFの検出
6時間後、前記(1)のマウスの皮膚(4.5cm2)を切除し、切除された皮膚をOTCに包埋後凍結固定した。凍結切片を4〜5μmの厚さに薄切し、得られた切片をFITC標識した抗human EGF抗体で染色した。
その結果、前記実施例4で作成したものを塗布した群のマウスにおいてのみ、表皮組織中に蛍光が見られた。即ち、驚くべきことに、導入対象の蛋白質が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。
比較例1
遺伝子導入用組成物の調製
(1)XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの調製
実施例1と同様にしてpcHA−XPAを得た。得られたpcHA−XPAをHVJエンベロープベクターに封入した。これにより、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターを得た。ここで、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターにおけるDNA量は、50μg/マウスとした。
(2)XPA遺伝子導入用HVJリポソームの調製
実施例1と同様にしてpcHA−XPAを構築した。得られたpcHA−XPAをHVJリポソームに封入した。これにより、XPA遺伝子導入用HVJリポソームを得た。ここで、XPA遺伝子導入用HVJリポソームにおけるDNA量は、50μg/マウスとした。
(3)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例1の(2)と同様にして、ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液100mlに2重量%濃度となるように膨潤させ、2重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(4)XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターを含有する遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られたXPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクター100μl(50μgDNA)と前記(3)で得られた2重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液100μlとをそれぞれ混合してXPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクター含有の遺伝子導入用組成物(E4)を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、1重量%である。
(5)XPA遺伝子導入用HVJリポソームを含有する対照組成物の調製
前記(2)で得られたXPA遺伝子導入用HVJリポソーム100μl(50μgDNA)と前記(3)で得られた2重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液100μlとをそれぞれ混合してXPA遺伝子導入用HVJリポソーム含有の対照組成物(C4)を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、1重量%である。
比較試験例1 XPマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記(4)で得られたHVJエンベロープベクター含有の遺伝子導入用組成物(E4)を、前記試験例1の(1)と同様に、XPAモデルマウス5匹の背部に塗布し、該背部にUVBを0.5kJ/m2照射した。対照として、前記(4)で得られたHVJエンベロープベクター含有の遺伝子導入用組成物の代わりに、前記(5)で得られたHVJリポソーム含有の対照遺伝子導入用組成物(C4)をXPAモデルマウス5匹の背部に塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)UVB照射部の皮膚症状の観察
UVB照射部位について、UVB照射直後、24時間後、1週間後に、紅斑、浮腫等の程度を、軽度、中等度、高度の3段階に分類し、対照群と比較し、評価した。
その結果、遺伝子導入用組成物の(E4)の皮膚塗布群のマウスにおいては、UVB照射直後、24時間後、1週間後のいずれの時点でも、軽度の紅斑を認めるのみであったが、対照のXPA遺伝子導入用HVJリポソーム含有の対照組成物(C4)の皮膚塗布群では5匹中、3匹が軽度、2匹が中程度の紅斑を認めた。即ち、HVJエンベロープベクターを含有する遺伝子導入用組成物の方が、HVJリポソームを含有する遺伝子導入用組成物に比べ、効果が高いことがわかった。
(3)UVB照射部の形態学的変化
前記試験例4の(1)の2群のマウスにおける皮膚を切除し、各皮膚片を得、該皮膚片よりHE染色標本を得た。試験例1の(3)と同様に、HE染色標本について、形態を観察し、表皮の傷害の形成、サンバーン細胞の形成の抑制を評価した。
その結果、HE染色標本の観察結果より、HVJエンベロープベクターを含有する遺伝子導入用組成物(E4)を塗布したマウスでは、UV照射24時間後のサンバーン細胞は20個/100個細胞であったのに対し、HVJリポソーム含有する対照組成物を塗布したマウスでは30個/100個細胞であった。遺伝子導入用組成物の塗布群は、対照に比べ、表皮の傷害の形成、サンバーン細胞の形成が抑制されていることが明らかになった。
(1)XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの調製
実施例1と同様にしてpcHA−XPAを構築した。得られたpcHA−XPAをHVJエンベロープベクターに封入した。これにより、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターを得た。ここで、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターにおけるDNA量は、50μg/マウスとした。
(2)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例1の(2)と同様にして、ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液1mlに2.5重量%濃度となるように膨潤させ、2.5重量%ヒアルロン酸ナトリウム(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られたXPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクター225μlと前記(2)で得られた2.5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液150μlとを混合して遺伝子導入用組成物を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、1重量%である。
試験例5 XPAマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例5で得られた遺伝子導入用組成物(E5)を、前記試験例1の(1)と同様に、XPAモデルマウスの背部に塗布した。48時間後、Nembutal登録商標を用いて腹腔内注射で麻酔し、XPAモデルマウスの背部に、TOSHIBA fluorescent Sunlamp FL20SE(ピーク波長305nm、280〜360nm)を用いて、UVBを400J/m2/回を週1回で、20週照射した。なお、紫外線量は、UVR−305/365D紫外線線量計で測定した。対照として、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの代わりに、XPA遺伝子のみを含有し、HVJエンベロープベクター及びヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照組成物を同様に塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)皮膚症状の観察
紫外線照射終了5ヶ月後に、紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で観察した。その結果、XPA遺伝子のみを含有し、HVJエンベロープベクター及びヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照組成物の皮膚塗布群では、第1図に示したように、紫外線照射部位に一致して、増殖の速い腫瘍を認めたのに対して、実施例5の遺伝子導入用組成物(E5)の皮膚塗布群では、第2図に示したように、紫外線照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、明らかな悪性腫瘍は認めなかった。即ち、驚くべきことに、導入対象の核酸が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。また、皮膚の広範囲にわたって、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。
(1)遺伝子導入用核酸の調製
実施例2と同様にしてpcHA−XPAを構築した。ここで、XPA遺伝子導入用核酸におけるDNA量は、50μg/マウスとした。
(2)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例1の(2)と同様にして、ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液1mlに5重量%濃度となるように膨潤させ、5重量%ヒアルロン酸ナトリウム(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られたXPA遺伝子導入用核酸225μlと前記(2)で得られた5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液150μlとを混合して遺伝子導入用組成物を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、2重量%である。
試験例6 XPAマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例6で得られた遺伝子導入用組成物(E6)を、前記試験例1の(1)と同様に、XPAモデルマウスの背部に塗布した。48時間後、Nembutal登録商標を用いて腹腔内注射で麻酔し、XPAモデルマウスの背部に、TOSHIBA fluorescent Sunlamp FL20SE(ピーク波長305nm、280〜360nm)を用いて、UVBを400J/m2/回を週1回で、20週照射した。なお、紫外線量は、UVR−305/365D紫外線線量計で測定した。対照として、遺伝子導入用組成物の代わりに、XPA遺伝子を含有しないpcDNA3を用いた対照遺伝子導入用組成物(C6−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C6−2)を塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)皮膚症状の観察
紫外線照射終了5ヶ月後に、紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で観察した。その結果、遺伝子導入用組成物(E6)の皮膚塗布群では、第3図に示したように、紫外線照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、明らかな悪性腫瘍は認めなかったのに対して、XPA遺伝子を含有しない対照遺伝子導入用組成物(C6−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C6−2)の皮膚塗布群では、紫外線照射部位に一致して、増殖の速い腫瘍を認めた。即ち、驚くべきことに、導入対象の核酸が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。また、皮膚の広範囲にわたって、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。
(1)XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの調製
実施例1と同様にしてpCAGGS−XPAを構築した。得られたpCAGGS−XPAをHVJエンベロープベクターに封入した。これにより、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターを得た。ここで、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターにおけるDNA量は、50μg/マウスとした。
(2)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例1の(2)と同様にして、ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液1mlに0.3重量%濃度となるように膨潤させ、0.3重量%ヒアルロン酸ナトリウム(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られたXPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクター250μlと前記(2)で得られた0.3重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液50μlとを混合して遺伝子導入用組成物を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、0.05重量%である。
試験例7 XPAマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮下注射群群
前記実施例7で得られた遺伝子導入用組成物(E7)をXPAモデルマウスの背部に、4〜5ヶ所に分けて皮下注射した。24時間後、Nembutal登録商標を用いて腹腔内注射で麻酔し、XPAモデルマウスの背部に、TOSHIBA fluorescent Sunlamp FL20SE(ピーク波長305nm、280〜360nm)を用いて、UVBを400J/m2/回を週1回で、20週照射した。なお、紫外線量は、UVR−305/365D紫外線線量計で測定した。対照として、XPA遺伝子導入用HVJエンベロープベクターの代わりに、XPA遺伝子を含有しないpCAGGSを封入したHVJエンベロープベクターを保持した対照遺伝子導入用組成物(C7−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C7−2)を塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)皮膚症状の観察
紫外線照射終了5ヶ月後に、紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で観察した。その結果、XPA遺伝子を含有しない対照遺伝子導入用組成物(C5−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C5−2)の皮膚塗布群では、紫外線照射部位に一致して、増殖の速い腫瘍を認めたのに対して、遺伝子導入用組成物(E7)の皮下注射群では、第4図に示したように、紫外線照射部位の皮膚に肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、明らかな悪性腫瘍は認めなかった。即ち、驚くべきことに、導入対象の核酸が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。また、皮膚の広範囲にわたって、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。
(1)遺伝子導入用核酸の調製
実施例2と同様にしてpCAGGS−XPAを構築した。ここで、XPA遺伝子導入用核酸におけるDNA量は、50μg/マウスとした。
(2)コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例1の(2)と同様にして、コンドロイチン硫酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液1mlに0.5重量%濃度となるように膨潤させ、0.5重量%コンドロイチン硫酸酸ナトリウム(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られたXPA遺伝子導入用核酸250μlと前記(2)で得られた0.5重量%コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液50μlとを混合して遺伝子導入用組成物を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるコンドロイチン硫酸ナトリウムの濃度は、0.083重量%である。
試験例8 XPAマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮下注射群
前記実施例6で得られた遺伝子導入用組成物(E8)を、前記試験例7の(1)と同様に、XPAモデルマウスの背部に皮下注射し、背部にUVBを400J/m2/回を週1回で、20週照射した。対照として、遺伝子導入用組成物の代わりに、XPA遺伝子を含有しないpCAGGSを用いた対照遺伝子導入用組成物(C8−1)又はコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C8−2)を塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)皮膚症状の観察
紫外線照射終了5ヶ月後に、紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で観察した。その結果、遺伝子導入用組成物(E8)の皮膚塗布群では、紫外線照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、明らかな悪性腫瘍は認めなかったのに対して、XPA遺伝子を含有しない対照遺伝子導入用組成物(C8−1)又はコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C8−2)の皮膚塗布群では、紫外線照射部位に一致して、増殖の速い腫瘍を認めた。即ち、驚くべきことに、導入対象の核酸が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。また、皮膚の広範囲にわたって、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。
(1)遺伝子導入用核酸の調製
実施例2と同様にしてpcHA−XPAを構築した。ここで、XPA遺伝子導入用核酸におけるDNA量は、50μg/マウスとした。
(2)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例1の(2)と同様にして、ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液1mlに5重量%濃度となるように膨潤させ、5重量%ヒアルロン酸ナトリウム(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)遺伝子導入用組成物の調製
前記(1)で得られたXPA遺伝子導入用核酸300μlと前記(2)で得られた5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液75μlとを混合して遺伝子導入用組成物を得た。なお、前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、1重量%である。
試験例9 XPAマウスへのXPA遺伝子の導入による効果
(1)遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例6で得られた遺伝子導入用組成物(E9)を、前記試験例1の(1)と同様に、XPAモデルマウスの背部に塗布した。48時間後、Nembutal登録商標を用いて腹腔内注射で麻酔し、XPAモデルマウスの背部に、TOSHIBA fluorescent Sunlamp FL20SE(ピーク波長305nm、280〜360nm)を用いて、UVBを1500J/m2/回を週3回で、5週照射した。なお、紫外線量は、UVR−305/365D紫外線線量計で測定した。対照として、遺伝子導入用組成物の代わりに、XPA遺伝子を含有しないpcDNA3を用いた対照遺伝子導入用組成物(C9−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C9−2)を塗布して、以下、同様の操作を行なった。
(2)皮膚症状の観察
紫外線照射終了12週後に、紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で観察した。その結果、遺伝子導入用組成物(E9)の皮膚塗布群では、第5図に示したように、紫外線照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、紫外線照射部位の皮膚に肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、紫外線誘発皮膚腫瘍は認めなかったのに対して、XPA遺伝子を含有しない対照遺伝子導入用組成物(C9−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物(C9−2)の皮膚塗布群では、第6図に示したように、紫外線照射部位に一致して、増殖の速い腫瘍を認めた。即ち、驚くべきことに、導入対象の核酸が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。また、皮膚の広範囲にわたって、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。
(1)human EGF導入用HVJエンベロープベクターの調製
human EGFは例えば、和光純薬工業株式会社製のEpidermal Growth Facter,Human,recombinantを購入し使用した。これをHVJエンベロープベクターに封入し、human EGF遺伝子導入用HVJエンベロープベクターを得た。
(2)ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルベッコPBS(−)溶液100mlに5重量%濃度となるように膨潤させることにより、5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液(pH7.4)を得た。なお、前記ダルベッコPBS(−)溶液は、例えば、和光純薬工業株式会社製のダルベッコPBS(−)粉末9.6gを蒸留水に溶解させて容量を1リットルに調製し、得られた溶液を121℃で15分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3)蛋白質導入用組成物の調製
前記(1)で得られたhuman EGF溶液300μl(500μg human EGF)と前記(2)で得られた5重量%ヒアルロン酸ナトリウム溶液75μlとを混合して蛋白質導入用組成物を得た。なお、前記蛋白質導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、1重量%である。
試験例10 C57マウスへのhuman EGFの導入による効果
(1)蛋白質導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例10で得られた蛋白質導入用組成物(E10)を、蛋白質量として、500μg/マウスとなるように、C57マウスの背部(約4.5cm2)に塗布した。対照として、human EGFを含有しない蛋白質導入用組成物(C10−1)又はヒアルロン酸ナトリウムを含有しない蛋白質導入用組成物(C10−2)を塗布して、以下の操作を行った。
(2)human EGFの検出
6時間後、前記(1)のマウスの皮膚(4.5cm2)を切除し、切除された皮膚をOTCに包埋後凍結固定した。凍結切片を4〜5μmの厚さに薄切し、得られた切片をFITC標識した抗human EGF抗体で染色した。
その結果、前記実施例10で作成したものを塗布した群のマウスにおいてのみ、表皮組織中に蛍光が見られた。即ち、驚くべきことに、導入対象の蛋白質が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。
本発明の対象物質導入用組成物は、全身性疾患等の広範囲にわたり発症する疾患等の治療、症状改善、疾患の機構の研究に際し、効率よく、対象物質を導入することができるという優れた効果を奏する。また、本発明の広範囲の遺伝子導入手段は、広範囲の導入対象部位に対して、簡便に、効率よく遺伝子を導入することができるという優れた効果を奏する。即ち、本発明は、対象物質を効果的に、しかも生理的条件下で導入することができ、導入された物質が確実に機能するという効果を奏する。
Claims (9)
- 導入対象のペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なくとも一種並びに前記ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なくとも一種を組織に保持し得る生体適合性組成物を含有する、対象物質導入用組成物。
- 導入対象のペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なくとも一種、HVJエンベロープベクター並びに前記ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、低分子医薬品及びHVJエンベロープベクターからなる群から選択される少なくとも一種を組織に保持し得る生体適合性組成物を含有する、対象物質導入用組成物。
- 導入対象のペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なくとも一種を封入したHVJエンベロープベクター並びに前記ペプチド、ペプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、核酸、核酸の誘導体、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン又は低分子医薬品及びHVJエンベロープベクターからなる群から選択される一種を組織に保持し得る生体適合性組成物を含有する、対象物質導入用組成物。
- 生体適合性組成物は、ムコ多糖又はその塩を含有することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の対象物質導入用組成物。
- 生体適合性組成物のpHは、pH3.0〜9.0であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の対象物質導入用組成物。
- 前記核酸の誘導体は、DNA、RNA、ペプチド核酸、ヌクレオチドアナログ含有核酸及びこれら核酸を組み込んだプラスミドベクターからなる群より選択された少なくとも一種である、請求項1から請求項5のいずれかに記載の対象物質導入用組成物。
- 前記ムコ多糖は、ヒアルロン酸、キチン、コロミン酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、コンドロイチン4−硫酸やコンドロイチン6−硫酸等のコンドロイチン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸及びタイクロン酸からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の対象物質導入用組成物。
- 前記ムコ多糖の塩は、ヒアルロン酸、キチン、コロミン酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、コンドロイチン4−硫酸やコンドロイチン6−硫酸等のコンドロイチン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸及びタイクロン酸からなる群から選択される少なくとも一種の塩であることを特徴とする請求項4に記載の対象物質導入用組成物。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載の対象物質導入用組成物を投与することにより、対象物質を組織に導入することを特徴とする、対象物質導入方法。
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