WO1999060158A1 - Phase solide utilisee pour detecter de l'acide nucleique et procede de detection d'acide nucleique - Google Patents

Phase solide utilisee pour detecter de l'acide nucleique et procede de detection d'acide nucleique Download PDF

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    • C12Q1/6837Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase using probe arrays or probe chips

Description

明糸田書
核酸検出固相及び核酸検出方法 技術分野
本発明は、 標的核酸を検出するための固相、 その固相を用いた標的核酸の検出 方法、 定量方法、 2次元分布検出方法に関する。
背景技術
特定の塩基配列を有する核酸の検出は各種遺伝子疾患の診断や病原微生物の同 定などに幅広く用いられている。 このような特定の塩基配列を有する核酸の検出 には、 検出しょうとする塩基配列と相補的な配列からなるオリゴヌクレオチドを 放射性同位体や酵素、 蛍光色素などで標識したプローブが頻用され、 このプロ一 ブと標的核酸の結合を捉らえることにより特定の塩基配列を有する核酸の存在を 検出する。 このようなプローブと標的核酸の結合は、 通常は標的核酸に結合した プロ一ブと未結合のプロ一ブとを何らかの手段により分離して検出するため煩雑 である。
一方、 従来より核酸に標識された蛍光色素より発する蛍光の偏光度は、 該核酸 と相補的な塩基配列を有する核酸と結合することで変化することが知られており、 この方法を用いて特定の塩基配列を有する核酸を検出する方法が報告されている (特開平 2— 7 5 9 5 8、特開平 5— 1 2 3 1 9 6、特表平 8— 5 0 5 2 8 5 )。 これらの方法は標的核酸に結合したプローブと未結合のプロ一ブとを物理的に分 離することなく、 プローブが発する蛍光の偏光度変化からプローブと標的核酸の 結合、 すなわち、 特定の塩基配列を有する核酸を検出することができ、 非常に簡 便である。
しかしながら、 上記の方法はプローブより発する蛍光の偏光度を反応溶液中で 測定するものであり、 試料中に含まれる 1種類の塩基配列の存在を検出するには 好都合であるが、 同時に 2種類以上の塩基配列の存在を検出することは困難であ るという問題がある。
さらに、 溶液中で行う方法は試料とプローブが共に溶液中に存在するため、 試 料とプローブを分別回収して再利用することが困難であるという問題がある。 また、 溶液中で行う方法は検出しょうとする核酸の 2次元的分布、 例えば生体 組織の特定部分に存在する特定の塩基配列を有する核酸を組織化学的に検出する 方法などに適用することは困難であるという問題がある。 発明の開示
本発明の目的は、 以上の問題点を解決し、 溶液中に存在する 1又は複数の標的 核酸を、 簡便にかつ迅速に検出するための核酸検出固相と、 その固相を用いた標 的核酸の検出方法とを提供することにある。 さらには、 その固相を用いた標的核 酸の定量方法、 2次元分布検出方法を提供することにある。 図面の簡単な説明
図 1 Aは、 本発明に係る固相の一つの態様を示す図である。
図 1 Bは、 本発明に係る固相の一つの態様を示す図である。
図 1 Cは、 本発明に係る固相の一つの態様を示す図である。
図 1 Dは、 本発明に係る固相の一つの態様を示す図である。
図 1 Eは、 本発明に係る固相の一つの態様を示す図である。
図 1 Fは、 本発明に係る固相の一つの態様を示す図である。
図 2は、 本発明に係る固相を用いた本発明に係る方法を模式的に示す図であ る
図 3 Aは、 本発明に係る方法を用いた応用例の一つ (プローブの種類が領域毎 に異なる例) を示す図である。
図 3 Bは、 本発明に係る方法を用いた応用例の一つ (プローブ密度が領域毎に 異なる例) を示す図である。
図 3 Cは、 本発明に係る方法を用いた応用例の一つ (プローブの種類、 密度と も均一な例) を示す図である。
図 4は、 本発明に係る固相を用いて測定された蛍光画像 (モード同期チタンサ ファイアレーザー励起) を示す写真であり、 左から、 標的核酸が無い場合、 ポリ チミン配列の標的核酸を加えた場合、 さらにポリアデニン配列の標的核酸を加え た場合を示す。ここで、上半分はポリアデニン配列を有するプローブ領域であり、 下半分はポリチミン配列を有するプロ一ブ領域である。
図 5は、 本発明に係る固相を用いて測定された偏光度画像 (モード同期チタン サファイアレーザ一励起) を示す写真であり、 左から、 標的核酸が無い場合、 ポ リチミン配列の標的核酸を加えた場合、 さらにポリアデニン配列の標的核酸を加 えた場合を示す。 ここで、 上半分はポリアデニン配列を有するプローブ領域であ り、 下半分はポリチミン配列を有するプローブ領域である。
図 6は、 本発明に係る固相を用いて測定された偏光度画像 (水銀灯励起) を示 す写真であり、 左から、 標的核酸が無い場合、 ポリアデニン配列の標的核酸を加 えた場合、 さらにポリチミン配列の標的核酸を加えた場合を示す。 ここで、 上半 分はポリアデニン配列を有するプロ一ブ領域であり、 下半分はポリチミン配列を 有するプロ一ブ領域である。
図 7は、 本発明に係る方法を用いた標的核酸の用量反応曲線を示す図である。 図 8は、 本発明に係る検出用固相の標的核酸反応後の偏光度変化を絰時的に示 したものである。
図 9 Aは実施例 1 4で得られた 3領域からなる検出用固相の通常の蛍光画像を 示す。 ここで、 画像の上半分はプローブ DT20BFを結合した領域を、 下右半分は プロ一ブ TA03BFを結合した領域を、 下左半分は TA05BFを結合した領域を示し ている。
図 9 Bは、 実施例 1 4で得られた 3領域からなる検出用固相の偏光度画像 (標 的核酸反応前) を示す。 ここで、 画像の上半分はプローブ DT20BFを結合した領 域を、 下右半分はプローブ TA03BFを結合した領域を、 下左半分は TA05BFを結 合した領域を示している。
図 9 Cは、 実施例 1 4で得られた 3領域からなる検出用固相の偏光度画像 (標 的核酸反応後、 1種類) を示す。 ここで、 画像の上半分はプローブ DT20BFを結 合した領域を、 下右半分はプローブ TA03BFを結合した領域を、 下左半分は TA0 5BFを結合した領域を示している。
図 1 O Aは実施例 1 5で得られた 3領域からなる検出用固相の通常の蛍光画像 を示す。 ここで、 画像の上半分はプローブ DT20BFを結合した領域を、 下右半分 はプローブ TA05BFを結合した領域を、 下左半分は TA03BFを結合した領域を示 している。
図 1 0 Bは、 実施例 1 5で得られた 3領域からなる検出用固相の偏光度画像 ( 標的核酸反応前) を示す。 ここで、 画像の上半分はプローブ DT20BFを結合した 領域を、 下右半分はプローブ TA05BFを結合した領域を、 下左半分は TA03BFを 結合した領域を示している。
図 1 0 Cは、 実施例 1 5で得られた 3領域からなる検出用固相の偏光度画像 ( 標的核酸反応後、 2種類同時) を示す。 ここで、 画像の上半分はプローブ DT20 BFを結合した領域を、 下右半分はプローブ TA05BFを結合した領域を、 下左半 分は TA03BFを結合した領域を示している。
図 1 1は、 実施例 1 9で得られた、 固相化したプローブの密度が異なる 2つの 検出用固相へ標的核酸を反応させたときの偏光度の増加量を添加した標的核酸の 濃度に対してプロットしたものである。
図 1 2は、 実施例 2 0で得られた、 プローブと交差反応しない他のピオチン化 核酸をプローブと共に結合した検出用固相へ標的核酸を反応させたときの偏光度 の増加量を添加した標的核酸の濃度に対してプロットしたものである。 発明を実施するための最良の形態
本発明者は、 上記説明した従来の蛍光の偏光度変化に基づく標的核酸の検出方 法の持つ欠点に鑑み鋭意研究し、 新規な構造を有する核酸検出固相を見出すこと に成功し、 さらに係る固相を用いる標的核酸の検出方法、 ならびに定量方法、 さ らには標的核酸の 2次元分布を検出する方法を開発することに成功し、 本発明を 完成したものである。
すなわち、 本発明は、 以下に示す ( 1 . 〜7 . ) 標的核酸を検出するための固 相と標的核酸の検出方法を提供するものである。
1 . オリゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介して蛍光色素を有し、 他端部 分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部を介して固相と結合した核 酸検出固相。 すなわち、 本発明に係る核酸検出固相は、 固相とオリゴヌクレオチ ドと蛍光色素が全て連結された構造を有することを特徴とする。 また、 オリゴヌ クレオチドと固相、 オリゴヌクレオチドと蛍光色素の結合位置については特に限 定されない。
2 . 固相表面の Ν個 (Νは 2以上の整数) の領域 D 1〜D Nのそれぞれに、 塩 基配列 A i (iは 1から Nの整数) を有するオリゴヌクレオチド B iの一端部分 にリンカ一を介して蛍光色素を有し、 他端部分に固相結合部を有するプローブ C iを、 前記固相結合部を介して前記領域 D iに結合した核酸検出固相。 すなわ ち、 本発明に係る核酸検出固相の領域 D iの大きさ、 形状については特に制限 はない。 また、 Nについても特に制限はない。 さらに、 領域 D i間には仕切が あっても良いし、 なくても良い。
3 . 固相表面の N個 (Nは 2以上の整数) の領域 D 1〜D Nのそれぞれに、 ォ リゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介して蛍光色素を有し、 他端部分に固 相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部を介して前記領域 D i ( iは 1 から Nの整数) に P i個結合した核酸検出固相。
4 . (1)標的核酸を、 オリゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介して蛍光色 素を有し、 他端部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部を介して 固相と結合した核酸検出固相表面に加えて、 前記標的核酸と前記プローブとのハ イブリット体を形成させるステップと、 (2)前記プローブが発する蛍光の偏光度 を測定するステップとを含むことを特徴とする標的核酸の検出方法。
5 . (1)標的核酸を、 固相表面の N個 (Nは 2以上の整数) の領域 D 1〜D Nの それぞれに、 塩基配列 A i ( 1は 1から の整数) を有するオリゴヌクレオチ B iの一端部分にリンカ一介して蛍光色素を有し、 他端部分に固相結合部を 有するプローブ C iを、 前記固相結合部を介して前記領域 D iに結合した核酸 検出固相表面に加えるステップと、 (2)前記プローブ C iが発する蛍光の偏光度 を測定するステップとを含むことを特徴とする標的核酸の検出方法。
6 . (1)標的核酸を、 固相表面の N個 (Nは 2以上の整数) の領域 D l〜D Nの それそれに、 オリゴヌクレオチドの一端部分にリンカーを介して蛍光色素を有 し、 他端部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部により前記領域 D i (丄は 1から の整数) に P i個結合した核酸検出固相表面に加えて、 前 記標的核酸と前記プロ一ブと
のハイブリツ ト体を形成させるステップと、 (2)前記プローブが発する蛍光の偏 光度を測定するステップとを含むことを特徴とする標的核酸の定量方法。
7 . ひ)標的核酸を、 オリゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介して蛍光色 素を有し、 他端部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部を介して 固相と結合した核酸検出固相表面に転写するステップと、 (2)前記標的核酸と前 記プローブとのハイプリッ ト体を形成させるステップと、 (3)前記プローブが発 する蛍光の偏光度を 2次元測定するステップとを含むことを特徴とする標的核酸 の 2次元分布検出方法。
以下、 本発明を、 実施の形態に即してより詳しく説明する。
なお、 本明細書において、 以下の省略語を必要により使用する。 D N A デォキシリボ核酸
R N A リボ核酸
A アデニン
C シトシン
G グァニン
T チミン 本発明に係る核酸検出固相は、 図 1 A〜Fにいくつかの使用可能な態様を模式 的に示したように、 固相表面に固相結合部を介して連結されたプローブであつ て、 そのプローブは、 標的核酸とハイブリダィゼ一シヨン可能な塩基配列よりな るオリゴヌクレオチドを有し、 かつその一部分に蛍光色素がリンカ一を介して結 合した構成を有するものである。
また、 本発明に係る標的核酸の検出方法は、 図 2に模式的に表されるように、 前記核酸検出固相を使用するものであり、 前記固相上の前記プローブの塩基配列 と標的核酸の一部の塩基配列とがハイブリダィゼーシヨンしてハイブリツド体を 形成する。 その結果、 前記プローブに結合した蛍光色素による蛍光の偏光度が増 加する。 係る偏光度の変化を観測することにより前記標的核酸の存在を検出する ものである。 標的核酸
本発明に係る核酸検出固相により検出可能な標的核酸は、 特に制限されず、 そ の一部に既知の特定の塩基配列を含むものであればよい。 従って、 必ずしも核酸 塩基からのみ構成されている必要はなく、 他の構造を一部に含まれるものでもよ い。 例えば、 核酸に糖成分、 アミノ酸成分、 タンパク質成分がさらに結合したも のも含まれる。 また、 標的核酸は必ずしも天然由来の D N A、 R N Aのみに限定 されることなく、 合成された D N Aや R N Aも含む。 さらに、 標的核酸の分子量 が大きい場合は、 適当な切断手段 (化学的分解、 酵素による切断) により、 好ま しい塩基数のフラグメントにしたものを検出に使用することも可能である。
固相
本発明に係る核酸検出固相に使用可能な固相は、 図 1にいくつかの態様を示し たように、 前記プローブを連結支持する固相であれば特に限定されることはな い。 係る固相の材質はその表面に適当な結合基を有し、 かつ通常のハイブリダィ ゼーシヨンに用いられる諸条件に対し安定であればよい。具体的には、ガラス(板 状、 膜状、 粒状)、 金属 (板状、 膜状、 粒状)、 高分子物質 (板状、 膜状、 粒状) が挙げられる。
ガラスを用いる場合は、 その表面を酸化処理等により種々の活性基を導入する ことは容易である。 活性基は、 具体的には、 水酸基、 カルボン酸基、 ァミノ基が 挙げられる。 係る活性基を導入する方法は公知のガラス表面活性基導入処理法が 使用可能である。
前記固相表面上の活性基に基づき、 以下説明するプローブを固相表面に連結す る方法については特に制限はなく、 種々の結合が利用可能である。 具体的には、 共有結合、 イオン結合、 特定のタンパク質間の強い相互作用が挙げられる。特に、 抗体-抗原相互作用、 アビジン-ピオチン相互作用が好ましく使用可能である。 プローブ
本発明に係る前記固相表面上に支持されるプローブは、 標的核酸とハイブリダ ィゼ一シヨン可能な塩基配列よりなるオリゴヌクレオチドの一部に、 リンカーを 介して蛍光色素と、 固相結合部とを有するもので、 前記固相結合部にて前記固相 表面上に連結された構造を有するものである。
さらに、 前記蛍光色素と固相結合部の結合位置については特に限定されない。 すなわち、 図 1に示されているように、 (i)固相に連結する位置はオリゴヌクレオ チドの一端部分 (図 1 A〜C) でもよいしオリゴヌクレオチドの中間部分 (図 1 D〜F) でもよい。 (ii)また、 蛍光色素が連結する位置はオリゴヌクレオチドの一 端部分 (図 1 A、 D) でもよいしオリゴヌクレオチドの中間部分 (図 1 B、 E) で もよいし、 又は固相結合部 (図 1 C、 F) でもよい。
前記オリゴヌクレオチドの塩基配列は、 検出しょうとする核酸に含まれる塩基 配列の全部、 若しくは一部と相補的な塩基配列であり、 該検出しょうとする核酸 に特異的に結合する塩基配列であれば特に制限はない。
前記オリゴヌクレオチドの塩基数は前記検出しょうとする核酸を特異的に認識 することができ、 かつ、 通常の測定条件下で十分安定なハイブリット体を形成す るものであれば特に制限はない。 核酸の特異的認識とハイプリット体の安定性か ら塩基数は少なくとも 1 0以上あることが好ましく、 さらには 1 5以上の塩基数 であればより好ましい。 また、 あまりに塩基数が大きくなるとオリゴヌクレオチ ド合成が難しくなることから、 塩基数は 1 0 0以下であることが好ましい。 さらに、 前記リンカ一は、 プローブのオリゴヌクレオチド部分と、 蛍光色素と の距離を調節可能とするものである。 前記オリゴヌクレオチド部分が、 標的核酸 とハイプリダイゼーシヨンすることにより該蛍光色素の分子運動が阻害され、 そ の結果該色素の蛍光の偏光度が有意に変化する。 その分子運動の阻害はリンカー が短いほど大きくなる。 しかしながら、 該リンカ一があまりに短い場合には、 上 記ノ、ィブリダイゼ一シヨンが該色素の立体障害により阻害され、 結果として十分 安定なハイブリッ ド体が形成されないということとなる。 従って、 通常の核酸 2 本鎖形成の立体障害とならず、 かつ、 該 2本鎖形成により該蛍光色素の分子運動 が十分阻害されるリンカ一の長さが選択され得る。 係る選択は、 長さの異なるリ ンカーを調製し、 その長さと、 得られる蛍光の偏光度変化の相関関係を調べる事 で容易に最適化可能である。 具体的には、 リンカ一の長さは、 オリゴヌクレオチ ドの末端から、 蛍光色素までが、 メチレン鎖 (一 (C H 2 ) m— ) で換算して mが 2以上 1 2以下が好ましい (mが 3以上 6以下がより好ましい)。
また、 該リンカ一の構造は特に制限はなく、 本発明の方法に使用する条件下で 十分安定な構造であればよい。 係るリンカーの長さを系統的に変化させ得る構造 の具体例としては、 メチレン鎖、 オリゴヌクレオチド、 オリゴペプチド、 オリゴ 糖、 又はそれらの組合せが好ましく使用できる。 また、 リンカ一とオリゴヌクレ ォチドとの結合基も特に制限はなく、 通常公知の結合基を選択することは容易で ある。 具体的には、 オリゴヌクレオチドの水酸基、 又はその誘導体が使用可能で ある。 具体的には、 該水酸基とカルボン酸基とによるエステル結合基、 該水酸基 とイソシァネート基とによる力ルバメート結合基、 該水酸基とイッチオシァネー ト基とによるチォカルバメート結合基、 アミノ基修飾オリゴヌクレオチドとイソ チオシァネート基とによるチォ尿素結合基が挙げられる。 さらに、 リンカ一と蛍 光色素分子との結合基も特に限定はなく、 蛍光色素分子の利用可能な種々の結合 基に基づき適宜選択することは容易である。 具体的には、 蛍光色素がイソチオシ ァネート基を有する場合は、 アミノ基を有するリンカ一とのチォ尿素結合基、 又 は水酸基を有するリンカーとのチォカルバメート結合基とすることが好ましい。 さらに、 本発明において使用可能な上記蛍光色素についても特に制限はない。 色素の分子運動の阻害により蛍光の偏光度の変化が大きい程好ましい。 具体的に は、 FITC、 BODIPY-FL、 ァクリジン、 Cy-3、 Rhodamine6G TRITC、 XRIT C、 FluorX, Rhodamine Green Rhodol Green、 Oregon Green、 TAMRA、 ROXが挙げられ、 特に FITC、 Rhodol Green, Rhodamine Greenヽ Rhodamm e 6G、 TAMRAが好ましく使用できる。
また、上で説明したプローブは、固相表面上で前記固相結合部で連結されるが、 その連結手段には特に制限はない。 上記説明したように、 該固相表面に存在する 種々の活性基と結合可能な基を、 プローブのオリゴヌクレオチド部分の他端近傍 に有していればよい。 また、 種々の公知の相互作用に基づく結合を用いることも 可能である。 具体的には、 タンパク質-タンパク質間の相互作用、 核酸-核酸間の 相互作用が挙げられる。 タンパク質-タンパク質間の相互作用には、 アビジン-ビ ォチン間の相互作用、 抗原-抗体間の相互作用が挙げられる。 また、 固相結合部 は、 標的核酸と十分ハイブリダィゼ一シヨンし、 かつ安定なハイブリッド体を与 えるように十分、 固相表面からの距離が維持される必要がある。 また、 固相結合 部は、 必ずしもプローブの末端に結合する必要もなく、 適当な位置で結合しても よい。 標的核酸が極めて大きい場合、 プローブが比較的自由にその位置を変化さ せ得る構造であることが好ましい。 固相の形状
上記説明した、 本発明に係る固相の構造については、 該固相表面全部に 1種類 のプローブが結合したものに限られることはない。 すなわち、 該固相表面を複数 の領域に分けることで、 それぞれの領域に 1種類ずつのプロ一ブを結合すること が可能である。 図 3 A〜Cにはそのいくつかの使用態様を示した。
図 3 Aに示す態様は、固相表面を複数の領域に分け(図 3 Aでは、領域 1〜 4 )、 それぞれの領域に、 相違する塩基配列を有するプローブを結合して作製したもの である。 係る複数の領域を有する固相の調製は、 上で説明した固相調製方法を、 各領域毎に行うことで可能である。 具体的には、 あらかじめ複数の領域に分けた 後、 それそれの領域を適当な手段で遮蔽した後、 遮蔽されていない領域の表面上 にプローブを結合し、 その後、 別の領域以外を遮蔽し、 同様に表面上にプローブ を結合し、 同様の処理をすベての領域に行うことにより、 各領域毎に異なる塩基 配列を有するプローブが結合した固相を得る。 または、 あらかじめ、 相違する塩 基配列を有するプローブを結合した固相を連結することにより、 各領域毎に異な る塩基配列を有するブローブが結合した固相を得ることが可能である。 得られた 各領域毎に異なる塩基配列を有するプロ一ブが結合した固相は、 以下で説明する ように、 複数の標的核酸からなる混合物を試料として、 複数の標的核酸の検出を 同時に行い得るものである。
図 3 Bに示す態様は、 固相表面を複数の領域に分け、 それぞれの領域に、 同一 の塩基配列を有するプローブであるが、 その固相上の密度が相違するものであ る。 得られた各領域毎に異なる密度でプローブが結合した固相は、 以下で説明す るように、 標的核酸の試料中の濃度を定量可能とするものである。
図 3 Cに示す態様は、 固相表面全体に均一に特定の塩基配列を有するプローブ を結合したものである。 係る固相は、 以下で説明するように、 標的核酸の組織化 学的方法に使用可能とするものである。 すなわち、 特定の標的核酸の組織におけ る 2次元の分布を得る事が可能となる。 標的核酸の検出方法
本発明に係る固相を用いた標的核酸の検出方法は、 上記説明した本発明に係る 核酸検出固相を用いて、 該固相上に結合したプローブの蛍光色素が発する蛍光の 偏光度を測定することにより行うものである。 すなわち、 前記プローブが標的核 酸とハイプリッド体を形成することに伴う偏光度の変化より標的核酸を検出す る。
具体的には、 固相表面上の蛍光色素を直線偏光で励起し、 その偏光方位に平行 な蛍光偏光成分の強度 I„と垂直な蛍光偏光成分 1 ±を測定し、 蛍光の偏光度 Ρ または異方性比 rを次式で計算する。 次の式において、 定数 Gは装置の偏光応答 補正因子である。
p I u - G · I / ( I u + G · I
r = ( I„- G · 1 / ( I„+ 2 G · I
ここで励起光源は特に制限されない。 例えば超高圧水銀灯やアルゴンレーザ 一、 Y A Gレーザ一、 モード同期チタンサファイアレーザーなどが好ましく使用 可能である。 検出器も特に制限されず、 通常のポイント検出器 (具体的には光電 子倍増管) または 2次元検出器 (具体的にはイメージインテンシファイア付き C CDカメラ) が使用可能である。 2次元検出器を用いる場合、 固相全体を測定す ることも可能となり、 複数の領域を有する固相のそれぞれの領域が同時に観測可 能となる。 これは、 組織化学的方法においては、 標的核酸の 2次元分布を容易に 得ることを可能とするものである。 さらに、 必要ならば、 固相と検出器の間に適 当な光学系を有する拡大手段を併用することも可能である。 標的核酸の定量方法
本発明に係る方法を用いることで、 標的核酸の試料中の濃度を定量可能とす る。 この目的には、 例えば図 3 Βに示す態様の固相を用いることができる。 すな わち、 固相表面を複数の領域に分け (図 3 Βでは 4つの領域 1〜 4 )、 それぞれ の領域に、 同一の塩基配列を有するプローブであるが、 その固相上の密度を系統 的に変えて結合する (図では、 領域 1〜4にそれぞれ 10000、 1000、 100、 10分 子)。 さらに固相の全ての領域に試料を加え、 それそれの領域の蛍光の偏光度を 測定することにより、 簡単かつ迅速に試料中の標的核酸の濃度を見積もることが 可能となる。 図では、 プローブの固相との結合密度が低く、 プローブに対して標 的核酸が相対的に過量である領域 3、 4は十分変化が認められるが、 領域 2では 中間的な変化が認められ、 プローブの固相との結合密度が高く、 プローブに対し て標的核酸が相対的に少量である領域 1ではほとんど変化が認められない場合を 示す。 標的核酸の 2次元分布検出方法
本発明に係る方法を用いることで、 標的核酸の 2次元的分布を検出することを 可能とする。 この目的には、 例えば図 3 Cに示す態様の固相を用いることができ る。 すなわち、 標的核酸の 2次元的分布を検出しょうとする試料と同程度以上の 表面を有する固相を調製する。 この固相に標的核酸の 2次元的分布を検出しょう とする試料を接触させ、 標的核酸とプローブのハイプリット体を形成する。 標的 核酸の 2次元的分布を検出しょうとする試料は核酸検出固相と接触させられるも のであれば特に制限はなく、 例えば組織片、 電気泳動したゲル、 核酸を転写した 膜などを用いることができる。 また、 培養細胞や細菌を核酸検出固相上で部分分 解し、 標的核酸の 2次元的分布を保ったまま核酸検出固相と接触させることもで きる。 このとき、 得られたプローブの発する蛍光の偏光度の 2次元像は接触させ た試料中の標的核酸の 2次元的分布を示すものである。
以下本発明を実施例に即して説明するが、 本発明は実施例に限定されることは ない。
【実施例】
(実施例 1 ) 固相化核酸の偏光度
検出用固相の調製
5'末端にピオチンを、 3'末端にアミノ基を導入した 20〜40塩基よりなるオリゴ ヌクレオチドをホスホロアミダイ ト固相合成法による自動核酸合成機にて合成 し、 FITC ( I型;同仁化学製) と反応させることで修飾オリゴヌクレオチドを 得て、 これをプローブとした。
このとき、 5'末端へのピオチンの導入には Biotin-amidite (Perkin Elmer社 製) を、 3'末端へのァミノ基の導入には 3'-Amine-ON CPG (PERSEPTIVE社 製) をそれぞれ用いた。
合成したプローブはイオン交換高速液体クロマトグラフィー法にて精製 (純度 99%以上) した後、 凍結乾燥し、 25〃Mとなるように TE緩衝液 (lmMのェチレ ンジァミン四酢酸を含む 10mMトリス塩酸緩衝液: ρΗ8·0) に溶解し、 これをプ ローブ液とした。
ガラスボトムカルチヤ一ディッシュ (P35-G-101、 MatTek社製) のガラス面
(直径 10mmの円形領域) に 100〃g/mlとなるように PBS (ダルベッコ PBS (-) 「 ニヅスィ」 (日水製薬製) 9.6gに水を加えて 1リットルとしたもの)で希釈したス トレブトアビジン (生化学用、 和光純薬製) 150〃1をのせ、 室温にて 2時間静置 することでストレブトアビジンをガラス面に吸着させた後、 吸着しなかったスト レプトアビジンを PBSで洗い流した。
次に、 ス卜レプトアビジンが吸着したガラス面に 1〃Mとなるように PBSで希 釈した前記プローブ液を 120 /1のせ、 室温暗所にて 1時間静置することで前記プ ローブをピオチンとストレブトアビジンの反応でガラス面に結合した後、 未反応 のプローブを PBSで洗い流し、 これを検出用固相とした。 標的核酸の調製
前記プローブと相補的な 20〜40塩基よりなるオリゴヌクレオチドをホスホロ アミダイ ト固相合成法による自動核酸合成機にて合成した。 合成したオリゴヌク レオチドはイオン交換高速液体クロマトグラフィ一法にて精製 (純度 99%以上) した後、 凍結乾燥し、 25〃Mとなるように TE緩衝液に溶解して標的核酸とした。 偏光度の測定
励起光として、 モード同期チタンサファイアレーザー (パルス発振) の第 2高 調波 (波長 463nm、 パルス幅 200フヱムト秒、 繰り返し周波数 100〜500kHz) を使用した。 この励起光を偏光子 (グランテーラ一プリズム) および 1 / 2波長 板 (フレネルロム波長板) を通して倒立型顕微鏡に導入し、 落射照明により顕微 鏡ステージ上に設置された検出用固相を励起し、 このとき得られる蛍光を親察し た。
蛍光の観察には 510nmに力ットオフ波長をもつダイクロイツクミラー、 20倍 の蛍光観察用対物レンズ、 そして透過波長域が 520ηπ!〜 560nmにあるバンドパ スフィルターを使用し、 バンドパスフィル夕一を透過した蛍光を回転式偏光子 ( シ一卜状偏光板) を通してイメージィンテンシファイア付き CCDカメラにて受 光した。
励起は、 ダイクロイックミラーに対して P偏光方位および s偏光方位で行い、 P偏光励起に対して平行な偏光成分 (P偏光成分) と垂直な偏光成分 (S偏光成 分) の蛍光画像 I p pと I p sおよび s偏光励起に対して平行な偏光成分 (S 偏光成分) と, 垂直な偏光成分 (P偏光成分) の蛍光画像 I s s , I s pを取 得した。 得られた 4枚の画像から偏光応答補正因子 Gと偏光度 pまたは異方性比 rを次式により計算した。
p = (I p p - G · I p s ) / (I p p + G - 丄 p s)、
1' 二 (I p p - G · I p s ) / ( I p p + 2 G - I p s)
G = [(I p p I s p)/ (I p s · I s s)] 1 / 2 検出用固相と標的核酸の反応 (ハイブリダィゼ一シヨン)
プローブとして 20塩基からなるポリチミン配列と 40塩基からなるポリチミン 配列を用いた検出用固相をそれぞれ調製し、 PBS浸漬下にて標的核酸反応前の 検出用固相の偏光度を測定した。
次に、 前記検出用固相と相補的な配列である 20塩基からなるポリアデニン配 列と 40塩基からなるポリアデニン配列をそれそれ 250nMとなるように PBSで希 釈し、 その 100〃1を検出用固相にのせた。 室温暗所にて 30分間静置した後、 表 面を PBSで洗浄し、 PBS浸漬下にて標的核酸反応後の検出用固相の偏光度を測 定した。 プローブの塩基数 偏光度 (X10— )
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差
20 238 303 65
40 230 295 65
― 8 — o 表に示されたデ一夕は、 21401画素の範囲 (直径 165画素の円形領域、 1画素 は試料上の 1.175X1.175〃mの領域に対応) における蛍光画像 (パルス励起光の 繰り返し周波数 500kHz、 積算時間 20秒) から計算した平均偏光度である。
この結果は、 検出用固相の偏光度はプローブの塩基数 (分子量) にはあまり依 存せず、 相補的な標的核酸との反応、 すなわちハイブリダィゼ一シヨン形成に伴 い大きく変化することを示している。
(実施例 2) 配列認識能
実施例 1と同様に、 プローブとして 40塩基からなるポリチミン配列と 40塩基 からなるポリアデニン配列を用いた検出用固相をそれそれ調製し、 PBS浸漬下 にて標的核酸反応前の検出用固相の偏光度を測定した。
次に、 40塩基からなるポリアデニン配列と 40塩基からなるポリチミン配列を それぞれ 250nMとなるように PBSで希釈し、 その 100〃1をそれぞれの検出用固 相にのせた。 室温暗所にて 30分間静置した後、 表面を PBSで洗浄し、 PBS浸漬 下にて標的核酸反応後の検出用固相の偏光度を測定した。
プローブ 標的核酸 偏光度 (xio )
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差 ポリチミン配列 ポリアデニン配列 205 305 100 ポリチミン配列 ポリチミン配列 214 211 — 3 ポリアデニン配列 ポリチミン配列 207 311 104 ポリアデニン配列 ポリアデニン配列 208 222 14 表に示されたデータは、 400画素の範囲 (20X20画素の矩形領域、 1画素は試 料上の 1.175xi.l75〃mの領域に対応) における蛍光画像 (パルス励起光の繰り 返し周波数 100kHz、 積算時間 10秒) から計算した平均偏光度である。
この結果は、 検出用固相の偏光度は相補的ではない標的核酸 (ポリチミン配列 同士またはポリアデニン配列同士) を反応させた場合にはほとんど変化せず、 相 補的な標的核酸 (ポリチミン配列とポリアデニン配列) と反応させたときのみに 特異的に大きく変化することを示している。 (実施例 3 ) 2領域固相の偏光度
カバ一ガラス (24 X 40mm、 No. l; MATSUNAMI製) 上に粘着テープを用い て 4.5 X 9mmのコの字の領域 (9mmの辺の一方が開放され、 開放部分はカバ一 ガラスの縁に合わせる) を形成し、 形成した領域に 100〃g/nilとなるように PBS で希釈したストレプトアビジンを 25〃1をのせ、 室温にて 2時間静置することで ストレブトアビジンをガラス面に吸着させた後、 吸着しなかったストレブトアビ ジンを PBSで洗い流した。
次に、 ストレプトアビジンが吸着した領域に 1〃Mとなるように PBSで希釈し た前記プローブ液 25 1をのせ、 室温暗所にて 1時間静置することで前記プロ一 ブをピオチンとストレブトアビジンの反応でガラス面に結合した後、 未反応のプ ローブを PBSで洗い流した。 この方法で、 40塩基からなるポリチミン配列が結 合した領域をもつカバ一ガラスと 40塩基からなるポリアデニン配列を結合した 領域をもつカバーガラスを形成し、 相異なる領域同士を開放部分を密着してスラ イ ドガラス上に接着することで、 2領域からなる 9 Χ 9πηηの検出固相を得た。 この検出固相の 2領域に対して励起光 (モード同期チタンサファイアレーザ一) を同時に照射し、 実施例 1と同様に Ρ偏光励起に対して平行な偏光成分と垂直な ί薦光成分の蛍光画像および s偏光励起に対して平行な偏光成分と垂直な偏光成分 の蛍光画像を PBS浸漬下において取得した (パルス励起光の繰返し周波数 400k Hz、 積算時間 20秒)。 得られた 4枚の蛍光画像においてそれぞれのプローブが結 合した領域ごとに 1600画素の範囲 (40 X 40画素の矩形領域、 1画素は試料上の 1. 175 X 1.175 mの領域に対応) を選び、 その範囲の平均蛍光強度から実施例 1 の計算式に基づいて標的核酸反応前の検出用固相の偏光度をそれそれ得た。
次に、 この検出用固相に標的核酸として 40塩基からなるポリアデニン配列ま たは 40塩基からなるポリチミン配列を 250nMとなるように PBSで希釈したもの 5 をのせ、 室温暗所にて 30分間静置した後、 表面を PBSで洗浄し、 上記同様 に pおよび s偏光励起に対する平行な偏光成分と垂直な偏光成分の蛍光画像を P BS浸漬下にて取得し、 得られた蛍光画像より標的核酸反応後の検出用固相の偏 光度を計算した。
1 ) 標的核酸としてポリアデニン配列を用いた場合
検出用固相上の領域 偏光度(X 10 )
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差
ポリチミン配列を有するプローブ領域 2 0 9 2 9 0 8 1 ポリアデニン配列を有するプローブ領域 1 7 2 2 2 1 4 9
2 ) 標的核酸としてポリチミン配列を用いた場合
検出用固相上の領域 偏光度(X 10 )
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差 ポリアデニン配列を有するプローブ領域 1 7 5 2 8 4 1 0 9 ポリチミン配列を有するプローブ領域 1 6 4 1 9 1 2 7 この結果は、 2領域からなる検出用固相に標的核酸を反応させたときの偏光度 変化は標的核酸と相補的なプロ一ブが結合した領域でのみ特異的に大きいことを 示している。
(実施例 4 ) 2領域固相の偏光度画像
実施例 3で作成した固相の 2領域に対して励起光 (モード同期チタンサフアイ アレーザ一) を同時に照射し、 p偏光励起に対して平行な偏光成分と垂直な偏光 成分の蛍光画像 I p pと I p s、 および s偏光励起に対して平行な偏光成分と 垂直な偏光成分の蛍光画像 I s sと I s pを PBS浸漬下にて取得し (パルス励 起光の繰返し周波数 400kHz、 積算時間 20秒)、 2領域固相の通常の蛍光画像 ( I p p + 2 G■ I p s ) ならびに実施例 1の計算式に基づく画素毎の演算によ る偏光度画像を得た。
次に、 この検出用固相に標的核酸として 40塩基からなるポリチミン配列を 250 nMとなるように PBSで希釈したもの 50〃 1をのせ、 室温暗所にて 30分間静置し た後、 表面を PBSで洗浄し、 同様に通常の蛍光画像ならびに偏光度画像を得た 後、 さらにこの固相に 40塩基からなるポリアデニン配列を同様に反応させ、 同 様に通常の蛍光画像ならびに偏光度画像を得た。
図 4は 2領域からなる検出用固相の通常の蛍光画像を示す写真である。 画像の 上半分は、 ポリアデニン配列を有するプローブを結合した領域を、 下半分はポリ チミン配列を有するプローブを結合した領域を示している。 標的核酸としてポリ チミン配列を反応させた場合 (中)も、 この固相にさらにポリアデニン配列を反応 させた場合 (右)も反応前の蛍光画像 (左)とほとんど変化は認められなかった。 一方、 図 5は図 4と同一の領域の偏光度画像を示す写真である。 反応前の偏光 度画像 (左)と比較して、 標的核酸としてポリチミン配列を反応させた場合 (中)に は上半分の領域のみで偏光度の増加が認められ、 この固相にさらにポリアデ二ン 配列を反応させた場合 (右)には下半分の領域においても偏光度の増加を認めた。 この結果は偏光度画像によりハイブリット体を形成した領域のみを他の領域と 区別して画像化することが可能であることを示している。
(実施例 5 ) 水銀灯励起による蛍光偏光度測定
実施例 1と同様の検出用固相と標的核酸の反応を水銀灯励起の蛍光親察装置で 観察し、 蛍光の偏光度を測定した。
すなわち、 励起光として、 100Wの水銀ランプを使用した。 この励起光を偏光 子 (シート状偏光板) を通して正立型顕微鏡に導入し、 落射照明により顕微鏡ス テージ上に設置された検出用固相を励起し、 このとき得られる蛍光を観察した。 蛍光の観察には透過波長が 450nm〜490nmにある励起フィル夕一、 510nmに カツ 卜オフ波長をもつダイクロイックミラー、 20倍の蛍光観察用対物レンズ、 そして透過波長域が 515ηπ!〜 565nmにあるバンドバスフィルターを使用し、 ノ ンドパスフィルターを透過した蛍光を回転式偏光子 (シート状偏光板) を通して イメージインテンシファイア付き CCDカメラにて受光した。 励起は、 ダイク口 イツクミラーに対して p偏光方位および s偏光方位で行い、 p偏光励起に対して 平行な偏光成分 (P偏光成分) と垂直な偏光成分 (S偏光成分) の蛍光画像 I p pと I p sおよび s偏光励起に対して平行な偏光成分 (s偏光成分) と垂直 な平行成分 (P偏光成分) の蛍光画像 I s s と I s pを取得した。 得られた 4 枚の画像から実施例 1と同様に偏光応答補正因子 Gと偏光度 pまたは異方性比 r を計算した。
プローブの塩基数 偏光度 (X 10 )
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差
2 0 1 3 0 2 6 6 1 3 6
4 0 1 2 8 2 7 4 1 4 6
一 2 8 表に示されたデータは、 40000画素または 49080画素の範囲 (200 X 200画素の 矩形領域または直径 250画素の円形領域、 1画素はいずれも試料上の 1.010 X 1.0 10〃mの領域に対応) における蛍光画像 (積算時間は 20塩基のプローブに対し て 33秒、 40塩基のプローブに対して 10秒) から計算した平均偏光度である。 この結果は、 励起光として水銀灯励起の連続光を用いた場合にも検出用固相の 偏光度はプローブの塩基数 (分子量) にはあまり依存せず、 相補的な標的核酸と の反応、 すなわちハイブリダィゼ一シヨン形成に伴い大きく変化することを示し ている。 (実施例 6 ) 水銀灯励起による 2領域固相の偏光度
実施例 3と同様の 2領域からなる検出用固相で標的核酸の反応を行い、 検出用 固相の各領域を別々に水銀灯で励起し、 実施例 5と同様に p偏光励起に対して平 行な偏光成分と垂直な偏光成分の蛍光画像 I p pと I p s、 および s偏光励起 に対して平行な偏光成分と垂直な偏光成分の蛍光画像 I s sと I s pを PBS浸 漬下にて取得し (積算時間 20秒)、 得られた 4枚の蛍光画像において 10000画素 の範囲(100X100画素の矩形領域、 1画素は試料上の l.OlOxi.OlO^mの領域に 対応) を選び、 その範囲の平均蛍光強度から実施例 1の計算式に基づいて偏光度 をそれぞれ得た。
標的核酸としてポリアデニン配列を用いた場合
実験 1
検出用固相上の領域 偏光度(X 10 )
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差 ポリチミン配列を有するプローブ領域 1 15 264 149 ポリアデニン配列を有するプローブ領域 105 122 17
実験 2
検出用固相上の領域 偏光度(X 10 )
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差 ポリチミン配列を有するプローブ領域 128 249 12 1 ポリアデニン配列を有するプローブ領域 128 108 -20
この結果は、 励起光として水銀灯励起の連続光を用いた場合にも 2領域からな る検出用固相に標的核酸を反応させたときの偏光度変化は標的核酸と相補的なプ ローブが結合した領域でのみ特異的に大きいことを示している。 (実施例 7 ) 水銀灯励起による 2領域固相の偏光度画像
実施例 6で作成した固相の 2領域に対して励起光 (水銀灯) を同時に照射し、 P偏光励起に対して平行な偏光成分と垂直な偏光成分の蛍光画像、 および s偏光 励起に対して平行な偏光成分と垂直な偏光成分の蛍光画像を PBS浸漬下にて取 得し (積算時間 10秒)、 実施例 1の計算式に基づく画素毎の演算により 2領域固 相の偏光度画像を得た。
次に、 この検出用固相に 40塩基からなるポリアデニン配列を 250nMとなるよ うに PBSで希釈したもの 50 1をのせ、 室温暗所にて 30分間静置した後、 表面 を PBSで洗浄し、 同様に偏光度画像を得た後、 さらにこの固相に 40塩基からな るポリチミン配列を同様に反応させ、 同様に偏光度画像を得た。
図 6 (左) は 2領域からなる検出用固相の偏光度画像を示す図である。 画像の 上半分は、 ポリアデニン配列を有するプローブを結合した領域を、 下半分はポリ チミン配列を有するプロ一ブを結合した領域を示している。 反応前の偏光度画像 (a)と比較して、 標的核酸としてポリアデニン配列を反応させた場合 (中)には下半 分の領域でのみ偏光度の増加が認められ、 この固相にさらにポリチミン配列を反 応させた場合 (右)には上半分の領域においても偏光度の増加を認めた。 このこと は水銀灯励起による蛍光画像から計算した偏光度画像によってもハイプリッド体 を形成した領域のみを他の領域と区別して画像化することが可能であることを示 している。
(実施例 8 ) 用量反応曲線
実施例 1と同様に、 プローブとして 40塩基からなるポリチミン配列を用いた 検出用固相を調製した。
次に、 40塩基からなるポリアデニン配列を 25pMから 250nMとなるように PBS で希釈した液または PBSを検出用固相に 100〃1のせ、 室温暗所にて 30分間静置 した後、 表面を PBSで洗浄し、 実施例 4と同様に PBS浸漬下にて検出用固相の 偏光度を測定した。
図 7に示されたデ一夕は、 40000画素の範囲 (200 X 200画素の矩形領域、 1 画素は試料上の 1.010 x i.010 z mの領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 1 0秒) から計算した平均偏光度である。
この結果は、 検出用固相と反応させる標的核酸の濃度に依存して偏光度が変化 することを示している。
(実施例 9 ) 標的核酸反応後の偏光度の経時変化
実施例 1に示した 40塩基からなるポリチミン配列のプ Π—プを調製し、 これ を 25〃Mとなるように TE緩衝液に溶解してプローブ液とした。
カバーガラス (24mm X 40mm、 No.l; MATSUNAMI製) 上に厚さ 2mmのシ リコンゴムを用いて 9mm X 9mmの反応領域を形成し、 この領域に 100〃g/mlと なるように 1 X SSPEで希釈したストレプトアビジンを 150 1をのせ、 室温にて 2時間振盪することでストレブトアビジンをガラス面に吸着させた後、 ガラス面 を 1 X SSPEで洗った。
次に、 ストレプトアビジンが吸着した領域に 1〃Mとなるように 1 X SSPEで希 釈した前記プローブ液 100〃 1をのせ、 室温暗所にて 10分間振盪することで前記 プローブをピオチンとストレプトアビジンの反応でガラス面に結合した後、 未反 応のプロ一ブを 1 X S S P Eで洗い流し、 検出用固相を得た。
この検出用固相に標的核酸として 250nMとなるように 1 X SSPEで希釈した 40 塩基からなるポリアデニン配列を 100 1をのせ、 直線偏光励起に対する平行な 偏光成分と垂直な偏光成分の蛍光画像を経時的に取得し、 得られた蛍光画像より 偏光度を計算した。
蛍光画像の取得には励起光として 100Wの水銀ランプを使用し、 この励起光を 偏光子 (シート状偏光板) を通して倒立型顕微鏡 (Nikon TE300、 ニコン製) に導入し、 開口数 0.5の 20倍の蛍光観察用対物レンズ (Nikon Plan Fluor s 二 コン製) を用いた落射照明により顕微鏡ステージ上の検出用固相を励起した。 蛍光の観察には透過波長が 465nm〜495mnにある励起フィルター、 505nmに カツ 卜オフ波長をもつダイクロイックミラー、 20倍の蛍光観察用対物レンズ、 そして透過波長域が 515ηπ!〜 540nmにあるバンドパスフィルターを使用し、 パ ンドパスフィルターを透過した蛍光をデュアルビユ一光学系 (浜松ホトニクス 製) にて直交する 2偏光成分に分離し、 デュアルビュー光学系を用いて 2偏光成 分の画像が隣り合うように調整して一台のイメージィンテンシファイア付き CC Dカメラにて同時に受光した。
励起はダイクロイックミラーに対して p偏光方位にて行い、 p偏光励起に対し て平行な偏光成分 (P偏光成分) と垂直な偏光成分 (s偏光成分) の蛍光画像 I PPと I psを同時に得た。 また、 標的核酸反応後 1 0分間経過した検出用固相に 対してはさらにダイクロイックミラーに対して s偏光方位での励起を行い、 s偏 光励起に対して平行な偏光成分 (s偏光成分) と垂直な平行成分 (p偏光成分) の蛍光画像 I ssと I spを取得し、 得られた 4枚の画像から実施例 1に示した式で 偏光応答補正因子 Gを求めた。
各経過時間で観察された蛍光画像 I ppと I psと標的核酸反応後 1 0分間経過 した検出用固相から求めた偏光応答補正因子 Gを用いて実施例 1と同様に偏光度 pまたは異方性比 rを計算した。
図 8に示されたデータは、 73,075画素の範囲 (試料上の 400〃m X 200〃mの 矩形領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 20秒) から計算した平均偏光度 である。 検出用固相の偏光度は標的核酸反応後わずか 40秒でほぼ最高値に達し、 以後、 偏光度は高値を保ち続けた。 この結果は、 検出用固相と標的核酸が速やか に反応することを示している。
また、 本実施例においては検出用固相上に添加した標的核酸を洗い流すことな く偏光度を測定しており、 このことは固相上のプローブと標的核酸との反応を中 断することなく、 同じ試料を用いて逐次観察できることを示している。 (実施例 1 o ) 種々の蛍光色素を用いたプローブの偏光度変化
5'末端にピオチンを、 3'末端にアミノ基を導入したポリチミン配列よりなる 40 塩基のォリゴヌクレオチドを実施例 1に示した方法で調製した。 このォリゴヌク レオチドに Rhodol Green carboxylic acid succmimidy丄 ester (Molecular Pro bes製)、 BODYPY FL C3-succinimidyl ester (Molecular Probes製)、 Rhoda mine Green carboxylic acid succinimidyl ester (Molecular Probes製)、 Ore gon Green carboxylic acid succinimidyl ester (Molecular Probes製)、 Rhod amin 6G chloride (Molecular Probes製)、 Fluoro Link Cy3 (Amersham P harmacia Biotech製)、 TAMRA-N-hydroxysuccinimide (PE Applied Biosyst ems製)、 ROX-N-hydroxysuccinimide (PE Applied Biosystems製) を反ノ心さ せることで種々の蛍光色素で標識された修飾オリゴヌクレオチドを得て、 これを 25〃Mとなるように TE緩衝液に溶解し、 プローブ液とした。
カバーガラス (24min X 40mm、 No.l; MATSUNAMI製) 上に厚さ 2mmのシ リコンゴムを用いて 9mm X 9mmの反応領域を形成し、 この領域に 100 g/mlと なるように 1 X SSPEで希釈したストレプトアビジンを 150〃1をのせ、 室温にて 2時間振盪することでストレプトアビジンをガラス面に吸着させた後、 ガラス面 を 1 X SSPEで洗った。
次に、 ストレブトアビジンが吸着した領域に 1 Mとなるように 1 X SSPEで希 釈した前記プローブ液 100〃1をのせ、 室温暗所にて 10分間振盪することで前記 プローブをピオチンとストレプトアビジンの反応でガラス面に結合した後、 未反 応のプローブを 1 X S S P Eで洗い流し、 検出用固相を得た。
この検出用固相を 1 X SSPE浸漬下にて実施例 9に示した装置で観察し、 実施 例 1と同様にダイクロイックミラ一に対して P偏光方位および s偏光方位で行 い、 p偏光励起に対して平行な偏光成分 (P偏光成分) と垂直な偏光成分 (s偏 光成分) の蛍光画像 I ppと I psおよび s偏光励起に対して平行な偏光成分 ( s 偏光成分) と,垂直な偏光成分 (P偏光成分) の蛍光画像 I ss,I spをそれぞれ取 得した。 得られた 4枚の画像から偏光応答補正因子 Gと標的核酸反応前の偏光度 Pまたは異方性比; rを計算した。
次に、 この検出用固相に標的核酸として 250nMとなるように 1 X SSPEで希釈 した 40塩基からなるポリアデニン配列を 100〃 1をのせ、 室温暗所にて 10分間振 盪した後、 検出用固相表面を 1 X SSPEで置換した。 この検出用固相を実施例 9 に示した装置で観察し、 得られた 4枚の画像から同様に偏光応答補正因子 Gと標 的核酸反応後の偏光度 Pまたは異方性比 rを計算した。 蛍光色素 偏光度 (χ ιο·3)
標的核酸反応前 標的核酸反応後
FITC 7 0 2 2 8 1 5 8
Rhodol Green 8 7 2 4 2 1 5 5
BODIPY FL 7 0 1 9 0 1 2 0
Rhodamine Green 1 1 8 2 8 3 1 6 5
Oregon Green 6 6 1 6 2 9 6
Rhodamine 6G 1 3 8 2 8 3 1 4 5
Cy3 2 9 7 3 4 2 4 5
TAMRA 1 2 9 2 7 5 1 4 6
ROX 1 4 5 2 6 4 1 1 9 表に示されたデ一夕は、 73,075画素の範囲 (試料上の 400〃m X 200〃mの矩 形領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 20秒) から計算した平均偏光度で ある。
この結果は、 いずれの蛍光色素を用いた場合も標的核酸反応との反応により有 意に偏光度が上昇することを示している。 また、 FITC、 Rhodol Green, Rhoda min Green, Rhodamin 6G、 TAMRAは特に偏光度の変化が大きく、 本法の実 施にあたり好適な蛍光色素である。
(実施例 1 1) 種々の配列を用いたプローブの偏光度変化
20塩基からなる/?ァクチンプローブ、 5'- (ピオチン) -ACCCACACTGTGCC CATCTA- (FITC) -3'と 20塩基からなる K-rasプローブ、 5'- (ピオチン) -GGA GCTGGTGGCGTAGGCAA- (FITC) -3'を実施例 1に示す方法で調製し、 これ を 25〃Mとなるように TE緩衝液に溶解してそれぞれプロ一ブ液とした。
このプローブ液を用いて実施例 1 0と同様に検出用固相を調製し、 1XSSPE 浸漬下にて実施例 9に示した装置で観察することにより同様に標的核酸反応前の 偏光度 Pまたは異方性比 rを得た。
次に、 これらのプローブと相補的な標的核酸として/?ァクチン配列、 5'-TAGA TGGGCACAGTGTGGGT-3'と K-ras配列、 5'-TTGCCTACGCCACCAGCTCC-3' を実施例 1に示す方法で調製し、 これらの配列を 250nMとなるように 1XSSPE で希釈した液 100 1を前記検出用固相にのせた。 室温暗所にて 10分間振盪した 後、 検出用固相表面を 1XSSPEで置換し、 同様に標的核酸反応後の偏光度 pま たは異方性比 rを得た。 プローブ 偏光度 (X10-3)
標的核酸反応前 標的核酸反応後
20塩基ポリチミン 99 土 3.2 243 土 4.2 143
40塩基ポリチミン 7 1 土 1.5 230 土 2.6 1 59
?ァクチンプローブ 99 土 0.6 225 土 2.5 127
K-rasプロ一ブ 1 64 土 3.8 230 土 3.5 66 表に示されたデータは、 同じ実験を 3回繰り返した際の偏光度の平均と標準偏 差を示している。 各実験の偏光度は 73,075画素の範囲 (試料上の 400〃mX200 mの矩形領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 20秒) から算出した平均値 である。
この結果は 5ァクチンプロ一ブゃ K-rasプロ一ブを結合した検出用固相におい ても標的核酸との反応により有意に偏光度が上昇することを示している。
(実施例 12) 固相とプローブの間にリンカ一を用いた場合の偏光度変化 実施例 1 1に示した/?ァクチンプローブの 5'末端側に 2または 5個のポリアデ ニン配列よりなるリンカ一を結合したプローブ、
5 (ピオチン) -AAACCCACACTGTGCCCATCTA- (FITC) -3'と
5 (ピオチン) -AAAAAACCCACACTGTGCCCATCTA- (FITC) -3'を実施例 1に示す方法で調製し、 これを 25〃Mとなるように TE緩衝液に溶解してそれそ れプローブ液とした。
このプローブ液を用いて実施例 10と同様に検出用固相を調製し、 1XSSPE 浸漬下にて実施例 9に示した装置により観察することで、 同様に標的核酸反応前 の偏光度 Pまたは異方性比 rを得た。
次に、 これらのプローブと相補的な標的核酸として実施例 1 1に示した ?ァク チン配列を 250nMとなるように 1 X SSPEで希釈した液 100 // 1を前記検出用固相 にのせた。 室温暗所にて 10分間振盪した後、 検出用固相表面を 1XSSPEで置換 し、 同様に標的核酸反応後の偏光度 Pまたは異方性比 rを得た。 リンカ一 偏光度 (Χ10·3)
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差
なし 99 228 129
2塩基 96 209 1 13
5塩基 90 207 1 17 表に示されたデータは、 73,075画素の範囲 (試料上の 400 mX200 rnの矩 形領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 20秒) から計算した平均偏光度で ある。
この結果はプロ一ブの 5'末端側に 2または 5個のポリアデニン配列よりなるリ ンカ一を結合した場合もリンカーがない場合と同様に標的核酸との反応により有 意に偏光度が上昇することを示している。
(実施例 1 3 ) 加熱再生固相の偏光度変化
実施例 1 1と同様に 20塩基からなる K-rasプローブを結合した検出用固相を調 製し、 この固相を 70°Cに加温した 1XSSPEで洗浄した後、 室温に戻して 1XSSP E浸漬下にて実施例 9に示した装置により観察することで、 反応前の偏光度 pま たは異方性比 rを得た。
この固相に標的核酸として 250nMとなるように 1 X SSPEで希釈した K-ras配列 または 1XSSPEのみを 100 /1のせ、 室温暗所にて 10分間振盪した後、 検出用固 相表面を 1 X SSPEで置換し、 同様に反応後の偏光度 Pまたは異方性比 rを得た。 次に、 この固相を再度 70°Cに加温した 1XSSPEで洗浄した後、 室温に戻して 1 X SSPE浸漬下にて同様に再生後の偏光度 pまたは異方性比 rを得た。
以後、 反応と再生を繰返し、 同様に偏光度 Pまたは異方性比 rを得た。 操作 偏光度 (χΐο·3)
標的核酸を反応 IX SSPEのみを反応
汉応刖 197 1 99
反応 ( 1回目) 250 ( 53 ) 1 92 (— 7)
再生 204 207
反応 (2回目) 255 ( 5 1 ) 208 ( 1 )
再生 2 1 4 223 反応 (3回目) 2 5 4 ( 4 0 ) 2 2 3 ( 0 ) 表に示されたデ一夕は、 73, 075画素の範囲 (試料上の 400〃m X 200〃mの矩 形領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 20秒) から計算した平均偏光度で ある。 カツコ内は標的核酸または 1 X SSPEのみを反応させたときに観察された 偏光度の増加量を示している。
標的核酸を反応させた検出用固相の偏光度は 70°Cに加温した 1 X SSPEで洗浄 することにより、 1 X SSPEのみを反応させた検出用固相と同程度となった。 ま た、 この固相に標的核酸を反応させると固相の偏光度は再度上昇した。 この偏光 度変化は、 さらに加温洗浄と標的核酸の反応を繰り返しても認められた。
この結果は、 標的核酸と反応した固相を加温洗浄により再生し、 繰返し標的核 酸の検出に用いることが可能であることを示している。
(実施例 1 4 ) プローブの種類が異なる 3領域からなる固相の偏光度変化 1 20塩基からなるポリチミン配列のプローブ (DT20BF) と交差反応しない、 4
0塩基からなるプロ一ブ TA03BF、
5'- (ピオチン) -TTATTTTATATTATTATTATTTATATTTATTTATAATTTT- (FI TC) -3'と TA05BF、
δ'- (ピオチン) -ΤΤΤΤΑΤΤΑΑΤΤΤΤΤΑΤΤΤΤΑΑΤΤΤΑΤΤΤΤΤΤΑΑΤΑΤΤΑΤΑ- (F ITC) -3'を実施例 1と同様に調製し、 これを となるように ΤΕ緩衝液に溶 解してそれそれプローブ液とした。
カバーガラス (24mm X 40mm、 No.l; MATSUNAMI製) 上に厚さ 2mmのシ リコンゴムを用いて 9mm X 9mmの反応区画を形成し、 カバーガラスを T字状に 割断することで 3分割した。 それぞれの分割された領域に 100〃g/mlとなるよう に 10倍に薄めた PBSで希釈したストレプトアビジンを 50〃1をのせ、 室温にて 2 時間静置することでストレブトアビジンをガラス面に吸着させた後、 ガラス面を 0.3 X SSPEで洗った。
次に、 ストレプトアビジンが吸着した領域に 1〃Mとなるように 0.3 X SSPEで 希釈した前記プローブ液 50〃 1をのせ、 室温暗所にて 10分間静置することで前記 プローブをピオチンとストレブトアビジンの反応でガラス面に結合した後、 未反 応のプロ一ブを 0.3 X SSPEで洗い流した。 この後、 異なるプローブが結合した 3つの分割領域をスライ ドガラス上で張り合わせることにより、 元の 9mm X 9m mの反応区画を再形成し、 プローブの種類が異なる 3領域からなる検出用固相を 得た。
この検出用固相を 0.3 X SSPE浸漬下にて開口数 0.3の 10倍の蛍光観察用対物レ ンズ (Nikon Plan Fluor、 ニコン製) を用いて実施例 9に示した装置により観 察し、 p偏光励起に対して平行な偏光成分と垂直な偏光成分の蛍光画像、 および S偏光励起に対して平行な偏光成分と垂直な偏光成分の蛍光画像を取得し (積算 時間 20秒)、 実施例 1の計算式に基づく画素毎の演算により 3領域からなる検出 用固相の標的核酸反応前の偏光度画像を得た。
次に、 これらのプローブのうち TA03BFと相補的な標的核酸 (AT03)、
5'-ΑΑΑΑΤΤΑΤΑΑΑΤΑΑΑΤΑΤΑΑΑΤΑΑΤΑΑΤΑΑΤΑΤΑΑΑΑΤΑΑ-3'を実施例 1に 示した方法で調製し、 この標的配列を 250ηΜとなるように 0.3 X SSPEで希釈し た液 100〃1を前記 3領域からなる検出用固相にのせた。 室温暗所にて 10分間静 置した後、 検出用固相表面を 0.3 X SSPEで置換し、 同様に標的核酸反応後の偏 光度画像を得た。
図 9 Αから Cは、 この 3領域からなる検出用固相の通常の蛍光画像 (図 9 A ) と偏光度画像 (図 9 B、 C ) を示す図である。 図 9 Aに示すように画像の上半分 はブローブ DT20BFを結合した領域を、 下右半分はプロ一ブ TA03BFを結合した 領域を、 下左半分は TA05BFを結合した領域を示している。 標的核酸反応前の偏 光度画像 (図 9 B ) と比較して、 標的核酸として AT03を反応させた場合 (図 9 C )には下右半分の領域でのみ偏光度の増加が認められた。 この結果は、 プローブの種類が異なる 3領域固相はそれそれの領域に対応する 標的核酸と特異的に反応し、 その領域の偏光度のみが上昇することを示してい る。 (実施例 1 5 ) プローブの種類が異なる 3領域からなる固相の偏光度変化 2 実施例 1 4と同様にプローブ DT20BF、 TA03BF、 TA05BFからなるプローブ の種類が異なる 3領域からなる検出用固相を調製し、 画素毎の演算によりこの検 出用固相の標的核酸反応前の偏光度画像を得た。
これらのプロ一ブのうち DT20BFと相補的な 20塩基よりなる標的核酸 (DA2 0)
5'-ΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑΑ-3'を実施例 1に示した方法で調製し、 この配 列と実施例 1 4に示した標的核酸 ΑΤ03を 250ηΜづっ含むように調製した 0.3 X S SPEを 100 1、 前記 3領域からなる検出用固相にのせた。 室温暗所にて 10分間 静置した後、 検出用固相表面を 0.3 X SSPEで置換し、 同様に標的核酸反応後の 偏光度画像を得た。
図 1 0 A〜Cはこの 3領域からなる検出用固相の通常の蛍光画像 (図 1 O A)と 偏光度画像 (図 1 0 B、 C ) を示す図である。 図 1 O Aに示すように画像の上半 分はプロ一ブ DT20BFを結合した領域を、 下右半分はプロ一ブ TA05BFを結合し た領域を、 下左半分はプローブ TA03BFを結合した領域を示している。 標的核酸 反応前の偏光度画像 (図 1 0 B )と比較して、 標的核酸として DA20と AT03の混合 物を同時に反応させた場合 (図 1 0 C)には上半分の領域と下左半分の両領域で偏 光度の増加が認められ、 下右半分の領域の偏光度はほとんど変化しなかった。 この結果は、 プローブの種類が異なる 3領域固相に 2種類の標的核酸を同時に 反応させた場合にも、 検出用固相はそれそれの領域に対応する標的核酸と特異的 に反応し、 その領域の偏光度のみが上昇することを示している。 すなわち本法は DNAチップに適用可能である。 (実施例 1 6 ) プローブ長よりも長い標的核酸に対する偏光度変化
実施例 1 1に示した 20塩基からなる/?ァクチンプローブを結合した検出用固 相を調製し、 同様に I X SSPE浸漬下にて反応前の偏光度 pまたは異方性比 rを 得た。
次に、 実施例 1 1に示した/?ァクチン配列の 5'末端側にさらに 3〜 1 0個のポ リアデニン配列を付加した配列、
5'-AAATAGATGGGCACAGTGTGGGT-3\
o'-AAAAATAGATGGGCACAGTGTGGGT-3\
5'-AAAAAAAAAATAGATGGGCACAGTGTGGGT-3'を実施例 1と同様に調製 し、 この標的核酸を 250nMとなるように 1 X SSPEで希釈した液 100〃1を前記検 出用固相にのせた。 室温暗所にて 10分間振盪した後、 検出用固相表面を 1 X SSP Eで置換し、 同様に標的核酸反応後の偏光度 Pまたは異方性比 rを得た。 付加したポリアデニン 偏光度 (χ ιο·3)
の塩基数 標的核酸反応前 標的核酸反応後
1 0塩基 1 0 1 1 8 8 8 7
1 0 3 1 7 3 7 0
1 0 0 1 6 2 6 2
付加しない 9 9 2 3 1 1 3 2 表に示されたデータは、 73,075画素の範囲 (試料上の 400〃m X 200〃mの矩 形領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 20秒) から計算した平均偏光度で ある。
いずれの標的核酸を反応させた場合も有意な偏光度の上昇が認められ、 この結 果はプローブと相補的な配列を完全に含むより長い標的核酸に対しても本法が適 用可能であることを示している。
(実施例 17) プローブ長よりも短い標的核酸に対する偏光度変化
実施例 12に示した 5ァクチンプローブの 5'末端側に 5個のポリアデニン配列 を結合した 25塩基よりなるプローブを結合した検出用固相を調製し、 同様に IX
SSPE浸漬下にて反応前の偏光度 pまたは異方性比 rを得た。
次に、 このプローブと相補的な 20塩基からなる標的核酸
TBA20、 5'-TAGATGGGCACAGTGTGGGT-3
TBA20-1、 5'-AGATGGGCACAGTGTGGGTT-3
TBA20-3、 5'-ATGGGCACAGTGTGGGTTTT-3\
TBA20-5, 5'-GGGCACAGTGTGGGTTTTTT-3'を実施例 1と同様に調製し、 こ の標的核酸を 250nMとなるように 1XSSPEで希釈した液 100 1を前記検出用固 相にのせた。 室温暗所にて 10分間振盪した後、 検出用固相表面を 1XSSPEで置 換し、 同様に標的核酸反応後の偏光度 Pまたは異方性比 rを得た。 標的核酸 偏光度 (χιο·3)
標的核酸反応前 標的核酸反応後 差
TBA20 87 205 1 1 8
TBA20-1 88 176 88
TBA20-3 93 1 16 23
TBA20-5 89 73 - 1 6 表に示されたデータは、 73,075画素の範囲 (試料上の 400〃mX200 /mの矩 形領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 20秒) から計算した平均偏光度で ある。
25塩基のプローブに対して 20塩基の標的核酸を反応させた場合、 TBA20では 非常に大きな偏光度上昇を示したものの、 TBA20-1は中程度の上昇、 TBA20-3 と TBA20-5ではほとんど偏光度の変化を認めなかった。 表の上段に示した標的 核酸ほど、 プローブの 3'末端 (蛍光色素が結合) に近い領域にハイブリダィズす ることから、 この結果は有意な偏光度変化を示すためには、 プローブの色素近傍 ( 3塩基以内) で 2本鎖の形成が起こることが重要であることを示している。
(実施例 1 8 ) 1塩基ミスマッチがある標的核酸に対する偏光度変化
実施例 1 1に示した 20塩基からなる^ァクチンプローブを結合した検出用固 相を調製し、 同様に 1 X SSPE浸漬下にて反応前の偏光度 pまたは異方性比 rを 得た。
次に、 実施例 1 1に示した/?ァクチン配列の 5'末端の 1塩基を他の塩基に置換 した標的核酸、
1塩基置換 A、 5'-AAGATGGGCACAGTGTGGGT-3\
1塩基置換 B、 5'-GAGATGGGCACAGTGTGGGT-3
1塩基置換 C、 5'-CAGATGGGCACAGTGTGGGT-3\ を実施例 1と同様に調製 し、 この標的核酸を 250nMとなるように 1 X SSPEで希釈した液 100〃 1を前記検 出用固相にのせた。 室温暗所にて 10分間振盪した後、 検出用固相表面を 1 X SSP Eで置換し、 同様に標的核酸反応後の偏光度 pまたは異方性比 rを得た。 標的核酸 偏光度 (χ ιο·3)
標的核酸反応前 標的核酸反応後
完全一致 9 5 2 2 0 1 2 5
1塩基置換 A 9 6 1 5 1 5 5
1塩基置換 B 9 6 1 2 3 2 7
1塩基置換 C 9 8 1 3 5 3 7 表に示されたデ一夕は、 73,075画素の範囲 (試料上の 400〃1!1 200〃111の矩 形領域に対応) における蛍光画像 (積算時間 20秒) から計算した平均偏光度で ある。
いずれの 1塩基置換した標的核酸も完全一致の標的核酸を反応させた場合に比 ベて小さな偏光度変化しか示さず、 このことは本法がわずか 1塩基の違いを識別 可能であることを示している。
(実施例 1 9 ) 固相化密度と用量反応曲線
40塩基のポリチミン配列よりなるプローブを 250ηΜまたは 16ηΜ含む 1 X SSPE をそれぞれ調製し、 この液をストレプトアビジンコート 9 6穴マイクロタイ夕一 プレート (Blaci:、 ベ一リンガーマンハイム製) にゥエル当たり 50〃1添加し、 室温にて 30分間静置した。 このプレートを 1 X SSPEで洗浄した後、 各ゥヱルに 0.
1〜500ηΜとなるように 1 X SSPEで 4倍段階希釈をした 40塩基のポリアデニン 配列よりなる標的核酸をゥエル当たり lOO/zl添加し、 室温にて 30分間静置した。 ゥエル内を 100〃1の 1 X SSPEで置換して、 各ゥエルの 30°Cにおける偏光度を蛍 光偏光プレートリ一ダ一 (POLARstar、 BMGラボテクノロジ一製) にて測定し た。
図 1 1は標的核酸を反応させたときの偏光度の増加量を添加した標的核酸の濃 度に対してプロッ トしたものである。 プロ一ブを 250nMで結合したゥエルに比 ベて、 16ιιΜで結合したゥヱルを用いた場合の方がグラフは左側にシフトしてお り、 このことは固相のプローブ密度が低いほうが標的核酸をより高感度で測定で きることを示している。 すなわち、 本法において固相化するプローブの密度を調 節することで定量範囲を可変できることを示している。 (実施例 2 0 ) 固相化比率と用量反応曲線
40塩基のポリチミン配列よりなるプロ一ブと交差反応しない 5'末端をピオチン 化した配列 TA03NF、
δ'- (ピオチン) -TTATTTTATATTATTATTATTTATATTTATTTATAATTTT-3' を実施例 1に示した方法で調製した。
40塩基のポリチミン配列よりなるプロ一ブを 250nM含む 1 X SSPEと前記配列 TA03NFを 250nM含む 1 X SSPEを 1:3の容量比で混合し、 この液をストレブトァ ビジンコート 9 6穴マイクロ夕ィ夕一プレートにゥエル当たり 50〃1添加し、 実 施例 1 9と同様に検出用固相を調製し、 各ゥエルに 0.1〜500nMとなるように 1 X SSPEで 4倍段階希釈をした 40塩基のポリアデニン配列よりなる標的核酸をゥ エル当たり 100〃1添加し、 室温にて 30分間静置した後、 同様に各ゥエルの 30°C における偏光度を蛍光偏光プレートリーダ一にて測定した。
図 1 2は標的核酸を反応させたときの偏光度の増加量を添加した標的核酸の濃 度に対してプロヅトしたものである。 40塩基のポリチミン配列のみを用いて調 製したゥエル (100%) に比べて、 配列 TA03NFを混合して調製したゥエル (25 %) の方がグラフは左側にシフトしており、 このことはプローブ結合時にプロ一 ブと交差反応しない他のビォチン化核酸を混合することによつても固相のプロ一 ブ密度を調節することが可能であり、 定量範囲を可変できることを示している。 産業上の利用可能性
本発明に係る、 標的核酸を検出するための固相は、 標的核酸と相補的な塩基配 列を含むオリゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介して蛍光色素を有し、 他 端部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部を介して固相に結合し た構造を基本構造とするものである。 係る構造を有する固相を用いることで、 標 的核酸とハイプリッド体を形成させることが可能となり、 ハイプリッド体の形成 に伴う蛍光の偏光度の変化を測定することにより標的核酸の存在を検出すること が可能となる。
さらに、 固相表面を複数の領域に分け、 それぞれの領域に、 相違する塩基配列 を有するプローブを結合した固相は、 複数の標的核酸からなる混合物を試料とし て、 複数の標的核酸の検出を同時に行い得るものである。
さらに、 固相表面を複数の領域に分け、 それそれの領域に、 同一の塩基配列を 有するプローブであるが、 その固相上の濃度が相違する固相は、 標的核酸の試料 中の濃度を定量可能とするものである。
さらに、 固相表面全体に均一に特定の塩基配列を有するプローブを結合した固 相は、 特定の標的核酸の 2次元の分布を得る事を可能とするものである。

Claims

請求の範囲
1 . オリゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介して蛍光色素を有 し、 他端部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部を介して固相と 結合した核酸検出固相。
2 . 固相表面の N個 (Nは 2以上の整数) の領域 D 1〜D Nのそれぞ れに、 塩基配列 A i (iは 1から Nの整数) を有するオリゴヌクレオチド B土の 一端部分にリンカーを介して蛍光色素を有し、 他端部分に固相結合部を有するブ ローブ C iを、 前記固相結合部を介して前記領域 D iに結合した核酸検出固相。
3 . 固相表面の N個 (Nは 2以上の整数) の領域 D 1〜D Nのそれそ れに、 オリゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介して蛍光色素を有し、 他端 部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部を介して前記領域 D i (丄は 1から^^の整数) に P i個結合した核酸検出固相。
4 . (1)標的核酸を、 オリゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介し て蛍光色素を有し、 他端部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部 を介して固相と結合した核酸検出固相表面に加えて、 前記標的核酸と前記プロ一 ブとのハイプリット体を形成させるステップと、
(2)前記プローブが発する蛍光の偏光度を測定するステップとを含むことを特徴 とする標的核酸の検出方法。
5 . (1)標的核酸を、 固相表面の N個 (Nは 2以上の整数) の領域 D 1 〜D Nのそれぞれに、 塩基配列 A i ( iは 1から Nの整数) を有するオリゴヌ クレオチド B iの一端部分にリンカ一を介して蛍光色素を有し、 他端部分に固 相結合部を有するプローブ C iを、 前記固相結合部を介して前記領域 D iに結 合した核酸検出固相表面に加えるステップと、
(2)前記プローブ C iが発する蛍光の偏光度を測定するステップとを含むことを 特徴とする標的核酸の検出方法。
6 . (1)標的核酸を、 固相表面の N個 (Nは 2以上の整数) の領域 D 1 〜D Nのそれぞれに、 オリ:?ヌクレオチドの一端部分にリンカーを介して蛍光 色素を有し、 他端部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部を介し て前記領域 D i ( iは 1から Nの整数) に P i個結合した核酸検出固相表面に 加えて、 前記標的核酸と前記プローブとのハイプリット体を形成させるステップ と、
(2)前記プローブが発する蛍光の偏光度を測定するステップとを含むことを特徴 とする標的核酸の定量方法。
7 . (1)標的核酸を、 オリゴヌクレオチドの一端部分にリンカ一を介し て蛍光色素を有し、 他端部分に固相結合部を有するプローブを、 前記固相結合部 を介して固相と結合した核酸検出固相表面に転写するステップと、
(2)前記標的核酸と前記プローブとのハイプリット体を形成させるステップと、
(3)前記プローブが発する蛍光の偏光度を 2次元測定するステップとを含むこと を特徴とする標的核酸の 2次元分布検出方法。
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