WO1999047367A1 - Matiere de feuille a dessin - Google Patents

Description

明細書

描画用シー ト材

技術分野

本発明は油性絵具ァク リ ル絵具で絵を描く ための描画用シー ト材 に関する ものであって、 布キャ ンバスに比べて描画性、 耐久性、 取 扱いの簡便性、 多様性に優れた描画用シ一 ト材に関する ものである。 背景技術

従来油絵、 ァク リ ル画の描画用には布キャンバスが使用されてい る。 布キヤンバスは帆布に二力ヮ等の目止めを施しその上に下地用 塗料を塗布したものである。 油絵用キヤ ンバスに求められる条件は 絵具を受理する こ と、 油を遮断するこ と 、 支持機能をもつこ との 3 条件である。 布キヤンバスは絵具受理層の役目を下地塗料が行い、 油の遮断を下地塗料とニカヮ等で行い、 支持機能を布と木枠で行つ ている。

しかしながら支持体に布を使用しているためキャンバスの表面は 布繊維の毛羽立ちのためざらざら しており 、 絵具の筆さばきが悪い という問題があった。 また、 下塗り塗料に耐油性を持たせているた め絵具の付きが悪く 、 多く の場合、 絵具での下地塗り をしなく ては 筆がスムーズに進まない不便さがあった。 さらに、 支持体の布の裏 面は空気、 湿気にさ らされているため、 布だけでなく 目止め材のニ 力ヮも湿気、 力ビに侵され耐久性に劣るという欠点があった。

従って、 本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、 絵具 の筆さばきがなめらかで絵具の下地塗り を必要とせず、 1 回塗りの 絵具の付きも多く 、 油、 水の遮断性が完全で、 支持体も防湿構造で 耐久性に優れた機能性複合積層材の描画用シ一 ト材を提供すること を目的と している。 発明の開示

本発明の描画用シー ト材は、 描画に適した厚み、 固さ及び強度を 有する基材の表面に金属、 例えば金、 銀、 銅、 アルミニウム等の薄 層を形成し、 当該金属薄層の表面に、 絵具の吸収性を調整した紙製 の表層を形成したことを特徴とする ものである。 図面の簡単な説明

第 1 図は、 本発明の実施例 1 による描画用シ一 卜材の構造説明図 である。

第 2図 （ a ) は、 本発明の描画用シー ト材の斜視図、 （ b ) は木 枠にはめられた従来の画き古しキャンバス、 （ c ) は本発明の描面 用シ一 ト材を従来のキャンバス木枠にセッ ト した状態図である。

第 3図 （ d ) は、 本発明の描画用シー ト材に絵を描いた状態図、 ( e ) は絵を描いた本発明の描画用シー ト材を従来のキャンバスか ら外した状態図である。

第 4図は、 本発明の実施例 2による描画用シー ト材の構造説明図 である。 発明を実施するための最良の形態

第 1 図は本発明の描画用シー ト材 （ 1 ) の構造を示すものである。 ( 2 ) は当該描画用シー ト材 （ 1 ) における基材であって、 描画に 適した厚み、 固さ及び強度を有する板状乃至シ一 ト材の材料である。 当該基材 （ 2 ) と しては、 厚手の紙、 木製の板、 プラスチック板な どを使用することができる。

基材 （ 2 ) の厚みは、 その用途や目的によって広範囲に選定する ことができ、 例えば 2 mm程度の紙を使用すること もでき、 また数 1 Omm程度の木板やブラスチック板を使用す こと も可能である。

( 3 ) は金属薄膜であって、 高分子接着剤の薄膜 （ 4 ) を介して 基材 （ 2 ) の表面に接着されている。 金属薄膜 （ 3 ) は水分や油分 の透過を阻止する ものであって薄いもので十分であるが、 過度に薄 いものでは加工性が悪いので、 2〜 1 0 0 ミ クロ ン程度の厚さが適 当である。 これよ り厚いと、 シー ト全体が厚い物となり 、 重い物と なって扱いにく レ、。

( 5 ) は、 描画用シー ト材 （ 1 ) の表面を構成する表層であって 、 高分子接着剤の薄膜 （ 6 ) を介して金属薄膜 （ 3 ) の表面に接着 されている。 この表層 （ 5 ) は、 絵具の吸収性を調整する為、 耐水 性、 吸油性、 厚みをその用途に応じて選択出来る。

またキャ ンバス地のイ メ ージを持たせるためにキャ ンバス地に類 似のエンボス模様を施すのが好ま しい。

また基材 （ 2 ) の裏面には、 高分子接着剤の薄膜 （ 7 ) を介して カバ一材 （ 8 ) が接着されている。 カバー材 （ 8 ) は本発明にとつ て必ずしも必要ではないが、 基材 （ 2 ) の裏面が美しいものではな い場合には、 描画用シー ト材 （ 1 ) の裏面を美麗なら しめるために 、 基材 （ 2 ) に例えば、 白色の上質紙等を接着する。 またこのカバ —材は紙等を接着する場合の外、 適当な塗料で塗装しても良い。 なお以上の説明においては、 表層 （ 5 ) 、 金属薄膜 （ 3 ) 、 基材 ( 2 ) 及びカバ一材 （ 8 ) をそれぞれ高分子接着剤の薄膜で接着し ているが、 他の適宜の手段で接着すること もできる。 しかしながら 上述のよ う に高分子接着剤例えばポリエチレン、 ポリ ビニールアル コール等の防湿性の薄膜を介在させ、 これをホッ トメル ト接着剤と して使用することによ り、 高分子接着剤の防湿効果によ り 内部への 湿気、 空気の侵入を防止し、 耐久性を向上させる ものとなる。 実施例 1

以下に、 本発明の描画用シ一 ト材について第 1 図及び第 2図に基 づいて説明する。 層構成は、 第 1 図と同様であり 、 本実施例 1 の描 画用シー ト材 （ 1 ) は、 基材 （ 2 ) と して 2 8 0 g /nf の紙を用い 、 （ 3 ) は厚さ 1 4 ミ ク ロ ンのァノレミニゥム箔、 （ 4 ) はポリ ェチ レンの薄膜、 （ 5 ) は絵具の塗りテス トを行った 6 0 ミ ク ロ ン厚の 紙製表層、 （ 6 ) 、 （ 7 ) はポリ エチレンの薄膜、 （ 8 ) は上質紙 を用いている。 （ 9 ) は縁部折り 曲げ用のブレス溝である。 本実 施例の描画用シー ト材では、 基材 （ 2 ) によって描画用シー ト材 （ 1 ) の厚さや固さ、 強度を確保し、 表層 （ 5 ) は絵具の筆さばきを なめらかにし、 絵具の付き も良好なら しめる と共に、 その基材 （ 2 ) と表層 （ 5 ) との間にアルミニウム箔 （ 3 ) を介在せしめること によ り、 表層 （ 5 ) に描かれた絵具が基材 （ 2 ) に浸透することな く 、 薄い表層 （ 5 ) だけにと どまるため色の沈み込みが無く 、 良好 な発色が得られ、 絵具の付着量によって絵の深みを出すことが出来 る。 さ らに油不透過層 （ 3 ) に加えて、 防湿層 （ 4 ) ( 6 ) ( 7) によっても空気や水分が遮断でき、 基材 （ 2 ) の油、 空気による酸 化は皆無で、 湿気、 カ ビによる劣化も布キャ ンバスに比べはるかに 少ない。

このよ うな本実施例の描画用シー ト材を用いて、 老化促進試験を 行った結果を表 1 に示す。 この試験は本実施例の描画用シー ト材と 従来の麻キヤンバス及び水彩画用紙に対する紫外線照射比較実験 （ J I S L 0 8 4 2第 3露光法 ： 老化促進試験、 財団法人日本繊維 製品品質技術センター実施） である。 キヤンバス種類 試験結果

この試験結果で、 従来の麻キャ ンバス、 水彩画用紙が 3級未満で あるのに比べ、 本発明のキャ ンバスは 3級を示している。 従って、 従来の麻キャ ンバスや水彩画用紙に比べて、 本発明のキャンバスで は、 紫外線に対する耐光性も優れていることがわかる。

さ らに、 また本発明においては、 基材 （ 2 ) を適宜選択すること によ り、 描画用シー ト材 （ 1 ) を各種の形態のものと し、 種々の使 用方法で描画することができる。 本実施例であれば、 （ 2 ) が紙製 であるため、 描画用シー ト材全体と しても軽く薄いものとなり 、 第

2図に示すよ う にその縁部 （ 9 ) を折り 曲げて古いキャ ンバス （ 1 0 ) に被せ、 ホッチキス （ 1 1 ) などで固定することによ り 、 正式 のキャンバスに描く のと同様の感触で描画すること もできる。

また第 3図 （ e ) に示すよ う に、 描画用シー ト材は絵を描いたあ とでも、 従来のキャンバスのよ う に、 キャ ンバス用木枠で保管する 必要がなく 、 重ねて保管できるため保管場所を著しく減少できる。

さ らに額に入れて飾った絵画を変えたい場合は、 第 3図 （ e ) を 再度キャ ンバスに乗せて、 再度額に入れれば良い。 また、 油絵用の 額であれば、 木枠分の厚さ （約 2 cm) が収納できる厚さの額が必要 であるが、 本実施例の描画用シ一 ト材に描かれた絵であれば、 薄い 額、 例えば写真用、 デッサン用、 水彩用の額にも問題なく収容可能 となり 、 額を選ばないため、 非常に便利である。 実施例 2

本発明の第 2の実施例を第 4図を参照して、 説明する。

本実施例の描画用シー ト材の層構成は、 第 4図に示すもので、 実 施例 1 の構成の内、 基材 （ 2 ) を紙ではなく 、 厚さ 5匪程度の発泡 スチロールと し、 発泡スチロ ール裏面は、 化粧用の塗料 （ 1 2 ) を 薄く塗布している。 さらには接着及び防湿剤と して、 ポリ ビニール アルコール （ 1 3 ) 及びポリ エチレン （ 1 4 ) の両者を使用 してい る点が異なる以外は実施例 1 と同様である。

このよ う な実施例 2 の描画用シー ト材を使用すると、 基材 （ 2 ) によって描画用シー ト材 （ 1 ) の厚さや固さ、 強度を確保し、 表層 ( 5 ) によって絵具の筆さばきをなめらかにし、 描画時の感触を良 好ならしめる と共に、 絵具の喰い付き も良い。 また基材 （ 2 ) と表 層 （ 5 ) との間にアルミニウム箔 （ 3 ) を介在せしめることによ り 、 表層 （ 5 ) に描かれた絵具の油分や水分が基材 （ 2 ) に浸透する ことなく 良好な発色を得られ、 絵具の付着量によって絵の深みを出 すことが出来る。 さ らに油不透過層 （ 3 ) に加えて、 防湿層 （ 1 4 ) によっても空気や水分が遮断でき、 酸化、 湿気、 カビによる劣化 が少ない。

また本発明においては、 基材 （ 2 ) に発泡スチロールを使用した ため、 描画用シー ト材全体が非常に軽く 、 支持力があり、 筆による 押圧に対して、 シー ト材が適度な弾力を示し、 描き易く 、 疲れない シー ト材が提供できる。 産業上の利用可能性

以上説明したよ うに、 本発明の描画用シー ト材は、 従来の布キヤ ンバスよ り も筆さばきがなめらかで、 絵具の付きも良く 、 絵具によ る下塗り も不要で、 軽く取扱が容易な上、 油、 空気による酸化、 力 ビによる劣化が少なく 、 耐久性に優れ、 油絵、 アク リル絵の描画に 適した画材である。

保管にも場所を取らず、 飾る場合にも額縁を選ばず便利である。

Claims

請求の範囲

1 . 描画に適した厚み、 固さ及び強度を有する基材の表面に金属の 薄層を形成し、 当該金属薄層の表面に、 絵具の吸収性を調整した紙 製の表層を形成したこ とを特徴とする描画用シー ト

2 . 該金属がアルミニゥムである こ とを特徴とする請求項 1 記載の 描画用シ一 ト

3 . 該金属薄層の厚さが 2 ミ ク ロ ン〜 1 0 0 ミ ク ロ ンであるこ とを 特徴とする請求項 1記載の描画用シ一 ト

4 . 該基材と金属層及び表層間を防湿力のある高分子で接着したこ とを特徴とする請求項 1記載の描画用シー ト

5、 該基材裏面に防湿力のある高分子層を設けたこ とを特徴とする 請求項 1 記の描画用シー ト