明 細 書 液 晶 表 示 装 置
技 術 分 野
この発明は、 液晶表示装置に関するもので、 特に背景や表示部に色彩をつける単 色カラーの液晶表示装置に関するものである。 背 景 技 術
従来、 液晶表示装置の背景や表示部に色をつける単色カラーの液晶表示装置とし ては、 いくつかの方式が提案さてれいる。
第 1の方式は、 液晶表示素子の外側にカラー偏光板を設けることによって単色力 ラーの液晶表示装置とするもので、 構成が簡単であり、 一般的に多用されている。 第 2の方式は、 液晶表示素子のネマチック液晶に 2色性色素を混合し、 ネマチッ ク液晶分子の動作によりその 2色性色素も一緒に動作させるようにした、 単色カラ 一の液晶表示装置で、 ゲス トホス ト方式と呼ばれている。
しかし、 このような従来の方式による単色カラーの液晶表示装置は、 いずれも白 背景に染料や 2色性色素の色文字や色図形を表示するか、 逆に染料や 2色性色素の 背景色に白文字や白い図形を表示するので、 コントラス トが低くなつてしまう。 ま た、 染料や 2色性色素の数が限られるため、 液晶表示装置としての色数も限られる という問題もある。
そこで、 第 3の方式として、 1枚の偏光板と、 9 0 ° ツイス ト配向の T N液晶素 子 (セル) と、 円偏光位相差板 ( ΐ Ζ 4 λ板) と、 コレステリック液晶ポリマーシ ートと、 光吸収部材とによって構成した単色カラーの液晶表示装置が提案されてい る。
この方式による単色カラーの液晶表示装置の表示原理を、 第 1 3図によって説明 する。
この液晶表示装置は、 第 1 3図に示すように、 偏光板 8と、 図示しない 9 0 ° ッ イス ト配向の T N液晶素子と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマー シート 1 0と、 光吸収部材 1 1 とによって構成されている。
この図の左側は色を表示するオフ状態を示しており、 偏光板 8の透過軸 8 が円 偏光位相差板 9の遅相軸 9 aに対して右回り 4 5 ° になるように、 偏光板 8と円偏 光位相差板 9とを配置している。 そのため、 偏光板 8を透過した直線偏光が、 円偏 光位相差板 9を通過すると、 右回りの右円偏光となる。
コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0は、 ねじれ方向 1 0 aが右回りで、 ねじ れピッチが光の波長に近いので、 このコレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0に右 円偏光が入射すると、 散乱中心波長; I cを中心に散乱バンド幅 Δえの光が選択散乱 現象により反射する。 そして、 黒い紙や黒いプラスチックシートからなる光吸収部 材 1 1により、 散乱バンド幅 Δえ以外の波長領域の光である透過光を吸収すると、 鮮やかな反射色を得ることができる。
コレステリック液晶ポリマーの屈折率を n、 コレステリ ック液晶ポリマーのねじ れピッチを Pと定義すると、 散乱中心波長; L c = n X Pとなり、 コレステリ ック液 晶ポリマーのねじれピッチ Pを調整することによって、 いろいろな反射色のコレス テリ ック液晶ポリマーシ一ト 1 0を得ることができる。
一方、 第 1 3図の右側は黒表示であるオン状態を示しており、 偏光板 8の透過軸 8 aを 9 0 ° 回転し、 透過軸 8 aが円偏光位相差板 9の遅相軸 9 aに対して、 左回 り 4 5 ° になるように偏光板 8と円偏光位相差板 9とを配置すると、 円偏光位相差 板 9を通過した光は左回りの左円偏光となる。
したがって、 ねじれ方向 1 0 aが右回りのコレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0にその左円偏光が入射しても、 選択散乱は発生せず、 すべての左円偏光はコレス テリ ック液晶ポリマーシート 1 0を透過し、 光吸収部材 1 1に吸収されるため、 黒 表示となる。
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偏光板 8の透過軸 8 aを回転するかわりに、 偏光板 8と円偏光位相差板 9の間に 9 0 ° ツイス ト配向の T N液晶素子を設けると、 T N液晶素子への印加電圧の有無 により、 円偏光位相差板 9に入射する直線偏光の偏光方向を約 9 0 ° 変えることが できるので、 オフ状態の背景部とオン状態の表示部とを任意に制御できる。 したが つて、 鮮やかなメタリ ック調のカラー背景に黒文字を表示する単色カラーの液晶表 示装置とすることができる。
なお、 このような従来技術については、 特開昭 5 2— 5 5 5 0号公報および特開 平 6— 2 3 0 3 6 2号公報に開示されている。 また、 同様な液晶表示装置で、 T N 液晶素子と円偏光位相差板との間に第 2の偏光板を設け、 第 1の偏光板と、 T N液 晶素子と、 第 2の偏光板と、 円偏光位相差板と、 コレステリ ック液晶ポリマーシー トと、 光吸収部材とによって単色カラーの液晶表示装置を構成したものも、 例えば 特開平 6— 2 3 0 3 7 1号公報に開示されている。
しかし、 これらのコレステリ ック液晶ポリマ一シ一トを用いた単色カラーの液晶 表示装置では、 黒い紙や黒いプラスチックシートなどの不透明な光吸収部材を用い ているため、 バックライ ト照明ができず、 夜間などの暗い環境では表示できないと いう問題があった。 発 明 の 開 示
この発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、 バックライ ト照明 により夜間などの暗環境でも表示を認識できるようにし、 いつでも、 黒背景に鮮ゃ かな色文字や色図形を表示するか、 逆にカラフルな色背景に黒文字や黒図形を表示 できる単色カラーの液晶表示装置を提供することを目的とする。
この発明は上記の目的を達成するため、 それぞれ透明電極を有する一対の透明基 板の間に約 9 0 ° ツイスト配向しているネマチック液晶を封入してなる T N液晶素 子 (セル) と、 その T N液晶素子の視認側に配置した第 1の偏光板と、 その T N液 晶素子の視認側と反対側に順次配置した第 2の偏光板と、 円偏光位相差板と、 コレ
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ステリ ック液晶ポリマ一シ一トと、 半透過光吸収部材と、 ノ ックライ トとによって、 液晶表示装置を構成する。
上記 T N液晶素子に代えて、 それぞれ透明電極を有する一対の透明基板の間に 1 8 0 ° 〜2 7 0。 ツイスト配向しているネマチック液晶を狭持してなる S T N液晶 素子を設け、 その S T N液晶素子の視認側に位相差板を配置し、 その外側に第 1の 偏光板を配置するようにしてもよい。 また、 その位相差板に代えて、 ねじれ位相差 板を配置してもよい。
さらに、 上記半透過光吸収部材を設けずに、 上記バックライ トの発光面に偏光散 乱機能を持たせ、 そのバックライ トを直接上記コレステリ ック液晶ポリマーシート と対向させて配置するようにしてもよい。
あるいは、 上記 T N液晶素子と、 その T N液晶素子の視認側に配置した第 1の偏 光板と、 その T N液晶素子の視認側と反対側に順次配置した第 1の円偏光位相差板 と、 コレステリ ック液晶ポリマ—シートと、 第 2の円偏光位相差板と、 第 2の偏光板 と、 半透過光吸収部材と、 バックライ トとによって液晶表示装置を構成してもよ い。
この場合も、 上記半透過光吸収部材を設けずに、 上記バックライ トの発光面に偏 光散乱機能を持たせ、 そのバックライ トを直接上記コレステリ ック液晶ポリマーシ 一トと対向させて配置するようにしてもよい。
これらのいずれの液晶表示装置においても、 上記 T N液晶素子に代えて上記 S T N液晶素子を設け、 その S T N液晶素子の視認側に位相差板を配置し、 その外側に 第 1の偏光板を配置するようにしてもよい。 また、 その位相差板に代えて、 ねじれ 位相差板を配置してもよい。
そして、 上記バックライ トの発光中心波長は、 上記コレステリ ック液晶ポリマー シートの選択散乱中心波長から、 5 0 n m以上ずれているのが望ましい。
また、 上記バックライ トが 2つ以上の発光中心波長を持ち、 かつ少なく とも 1つ
の発光中心波長が、 上記コレステリ ック液晶ポリマーシ一卜の選択散乱中心波長か ら 5 0 n m以上ずれているとなおよい。
上記第 2の偏光板として反射型偏光板 (偏光方向が透過軸に直交する直線偏光は 反射する偏光板) を配置してもよい。 図面の簡単な説明
第 1図はこの発明による液晶表示装置の第 1の実施形態の構成を示す模式的な断 面図である。
第 2図は同じくその液晶表示装置の各要素の配置関係を示す説明図である。 第 3図はこの発明による液晶表示装置の第 2の実施形態の構成を示す模式的な断 面図である。
第 4図は同じくその液晶表示装置の各要素の配置関係を示す説明図である。 第 5図はこの発明による液晶表示装置の第 3の実施形態の構成を示す模式的な断 面図である。
第 6図は同じくその液晶表示装置の各要素の配置関係を示す説明図である。 第 7図はこの発明による液晶表示装置の第 4の実施形態の構成を示す模式的な断 面図である。
第 8図はこの発明による液晶表示装置の第 5の実施形態の構成を示す模式的な断 面図である。
第 9図はこの発明による液晶表示装置の第 6の実施形態の構成を示す模式的な断 面図である。
第 1 0図は同じくその液晶表示装置の各要素の配置関係を示す説明図である。 第 1 1図はこの発明による液晶表示装置の第 1乃至第 6の実施形態における透過 率とバックライ 卜の発光スぺク トルを示す線図である。
第 1 2図はこの発明による液晶表示装置の第 7の実施形態における透過率とパッ クライ トの発光スぺク トルを示す線図である。
第 1 3図は従来例のコレステリ ック液晶ポリマーシートを用いた単色カラーの液 晶表示装置の表示原理を説明するための模式的な斜視説明図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を用いてこの発明による液晶表示装置の好ましい実施の形態の構成お よび作用効果について詳細に説明する。
〔第 1の実施の形態: 第 1図, 第 2図, 第 1 1図〕
まず、 この発明による液晶表示装置の第 1の実施形態の構成を第 1図および第 2 図によって説明する。
第 1図はその液晶表示装置の模式的な断面図であり、 第 2図はその液晶表示装置 の各要素の配置関係を示す説明図である。
この第 1の実施形態の液晶表示装置は、 第 1図に示すように、 酸化インジユウム 錫 (以後 「 I T O」 と略称する) からなる第 1の透明電極 3が形成されている厚さ 0 . 7 mmのガラス板からなる透明な第 1の基板 1 と、 I T Oからなる第 2の透明 電極 4が形成されている厚さ O . 7 mmのガラス板からなる透明な第 2の基板 2と、 これらの一対の基板を張り合わせるシール材 5とによって、 一対の透明な基板 1, 2の間に 9 0 ° ツイス ト配向しているネマチック液晶 6を封入して、 T N液晶素子 7を形成している。
この T N液晶素子 7の第 2の基板 2の視認側 (観察者が見る側で、 第 1では上側) に第 1の偏光板 1 7を配置し、 視認側と反対側の第 1の基板 1の下側に、 第 2の偏 光板 1 8と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と、 半 透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 1 6とを順次配置して、 液晶表示装置 4 0 を構成している。
第 1の基板 1 と第 2の偏光板 1 8と円偏光位相差板 9とコレステリ ック液晶ポリ マ一シート 1 0は、 アク リル系粘着剤 (図示せず) を用いて接着している。 また、
第 1の偏光板 1 7と第 2の基板 2もアク リル系粘着剤 (図示せず) を用いて接着し ている。
この TN液晶素子に使用するネマチック液晶 6の複屈折の差 Δ nは 0. 1 5で、 第 1の基板 1と第 2の基板 2の隙間であるセルギヤップ dは 8000 nmとする。 したがって、 ネマチック液晶 6の複屈折の差 Δ nとセルギヤップ dとの積で表す T N液晶素子 7の Δ n d値は、 1 200 nmである。 Δ n d値が小さくなると、 光の 旋光能力が低下するため、 Δ n d値は 500 nm以上が好ましい。
第 1の透明電極 3と第 2の透明電極 4の表面には配向膜 (図示せず) が形成され ている。 それによつて、 第 2図に示すように、 第 1の基板 1は水平軸 Hを基準とし て一 45° 方向にラビング処理することにより、 下液晶分子配向方向 7 aを右下が り 45° とし、 第 2の基板 2は +45° 方向にラビング処理することにより、 上液 晶分子配向方向 7 bを右上がり 45° として、 左回り 90° ツイス ト配向の TN液 晶素子 7を形成している。
第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aを、 TN液晶素子 7の上液晶分子配向方向 7 b と同じ右上がり 45° に配置し、 第 2の偏光板 1 8の透過軸 1 8 aを、 TN液晶素 子 7の下液晶分子配向方向 7 aと同じ右下がり 45° に配置する。
円偏光位相差板 9は、 ポリカーボネート樹脂を延伸して厚さ約 60 μιηに形成し たものであり、 その位相差値は 140 nmであり、 遅相軸 9 aは水平に配置してい る。 この円偏光位相差板 9の下側にコレステリ ック液晶ポリマーシート 10を配置 し、 さらに、 半透過型光吸収部材 15として厚さ 20 zmのポリエチレンテレフタ レート (以降 ΓΡΕΤ」 と略称する) フィルムに黒色の染料を透過率 50%になる ように染色したフィルムを配置している。
コレステリ ック液晶ポリマ一シート 10は、 トリァセチルセルロース (TAC) フィルムで、 厚さ 80 ; mのべ一スフイルム (図示せず) に配向処理を行い、 その 上にコレステリ ック液晶ポリマーを塗布し、 液晶相を示す高温で、 ねじれピッチ P
= 3 8 0 n mでべ一スフイルムに平行なプレーナ配向で右回りになるように調節し、 その後、 ガラス転移温度以下に冷却して固形化させたシートである。 したがって、 ねじれ中心軸はべ一スフイルムに対して垂直方向となっている。
バックライ ト 1 6としては、 厚さ 2 0 0 μ πιで、 発光色が青緑のエレク トロルミ ネッセンス板 (以降 「E L板」 と略称する) を用いる。 なお、 コレステリ ック液晶 ポリマーシート 1 0と半透過型光吸収部材 1 5とバックライ ト 1 6は、 互いに平行 な面内でどのような回転角度で配置しても表示特性に影響しないので、 第 2図では その配置方向の図示を省略している。
次に、 この第 1の実施形態の液晶表示装置によって色彩を表示する作用について 説明する。
この液晶表示装置 4 0において、 T N液晶素子 7の第 1, 第 2の透明電極 3 , 4 間に電圧を印加しない状態では、 第 2図を参照して、 この液晶表示装置に視認側か ら入射して第 1の偏光板 1 7を通過した透過軸 1 7 aの方向に偏光された直線偏光 は、 T N液晶素子 7の上液晶分子配向方向 7 bで T N液晶素子 7に入射し、 T N液 晶素子 7により 9 0 ° 旋光され、 下液晶分子配向方向 7 aの直線偏光となって出射 する。 その下液晶分子配向方向 7 a と第 2の偏光板 1 8の透過軸 1 8 a とが平行 になるように第 2の偏光板 1 8が配置されているので、 第 2の偏光板 1 8に入射し た直線偏光はそのまま第 2の偏光板 1 8を透過する。
そのため、 円偏光位相差板 9に、 その遅相軸 9 aに対して右回り 4 5 ° に直線偏 光が入射する。 したがって、 第 1 3図に示したオフ状態の場合と同様に、 右回りの 右円偏光となり、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0のねじれ方向 1 0 a と同 じ右回りであるため、 その右円偏光がコレステリ ック液晶ポリマ一シ一ト 1 0に入 射すると、 散乱中心波長 λ cを中心に散乱バンド幅 Δ λの光が選択散乱により反射 し、 散乱パンド幅 Δ λ以外の透過光を半透過型光吸収部材 1 5が吸収するため、 鮮 やかな色彩のメタリ ック調の反射色を得ることができる。
コレステリ ック液晶ポリマーの屈折率を n、 コレステリ ック液晶ポリマーのねじ れピッチを Pと定義すると、 散乱中心波長 λ c =n X Pとなる。 この実施形態では、 n = 1. 6 5、 P= 3 70 nmの右ねじれのコ レステリ ック液晶ポリマ一を使用し たので、 散乱中心波長 λ c = 6 1 0 nmとなり、 メタリ ック調で金色の反射色を呈 する。
次に、 TN液晶素子 7の第 1の透明電極 3と第 2の透明電極 4の間に電圧を印加 すると、 ネマチック液晶 6の分子が立ち上がり、 旋光性が消滅し、 上液晶分子配向 方向 7 bの方向に偏光された直線偏光は、 TN液晶素子 7に入射するとそのまま通 過する。 したがって、 TN液晶素子 7を透過して第 2の偏光板 1 8に入射する直線 偏光は、 その透過軸 1 8 a と直交する方向に偏光しているので、 入射光はすべて第 2の偏光板 1 8で吸収され、 黒色を表示する。
第 1 1図に、 この実施形態で用いたコレステリック液晶ポリマーシート 1 0の選 択散乱時 (透明電極 3, 4間に電圧無印加時) における透過率を実線の曲線 5 3で、 黒表時 (透明電極 3, 4間に電圧印加時) における透過率を実線の曲線 5 2でそれ ぞれ示す。 選択散乱時には曲線 5 3で示すように、 散乱中心波長; I c = 6 1 0 nm を中心に、 560 ηπ!〜 6 70 nmの範囲の右円偏光が反射され、 散乱パンド幅以 外の波長の光はそのまま透過していることがわかる。 したがって、 その透過光を半 透過型光吸収部材 1 5で吸収して視認側への戻りを抑えると、 選択散乱による反射 光によって鮮やかな金色の表示が可能になる。
黒表紙時には曲線 5 2で示すように、 第 1の偏光板 1 Ίを透過した光は略すベて、 第 2の偏光板 1 8に吸収されるため黒表示となっている。
次に、 第 1図におけるパックライ ト 1 6の作用について説明する。 第 1 1図にお ける破線の曲線 54は、 この実施形態の液晶表示装置 40におけるバックライ ト 1 6として用いた青緑発光色の E L板の相対発光強度のスぺク トルである。 発光中心 波長; l L= 5 1 0 n mで青緑の発光色を示す。
この実施形態の液晶表示装置 4 0において、 電圧を印加した黒表示のオン部分は、 曲線 5 2で示すように光を透過しないので、 バックライ ト 1 6を点灯しても喑いま まである。 しかし、 電圧無印加状態では金色の反射色を示し、 曲線 5 3に示すよう に、 波長 5 6 0 n m以下の光は透過することができる。
したがって、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0の選択散乱中心波長 λ c = 6 1 0 n mより、 発光中心波長 が約 1 0 0 n m小さい L = 5 1 0であるバッ クライ ト 1 6によって発光される光は、 ほぼ完全にコレステリ ック液晶ポリマ一シ ート 1 0を透過し、 明るく照明され、 夜間でも良好な視認性を得ることができる。 なお、 第 1図における第 2の偏光板 1 8がなくても、 半透過型光吸収部材 1 5と バックライ ト 1 6を備えることで、 メタリ ック調の単色カラ一表示の液晶表示装置 は得られるが、 その場合は、 金色を示すオフ状態では上述した第 1の実施形態の場 合と同じ作用であるが、 黒表示のオン状態では、 円偏光位相差板 9から出射した光 は左円偏光状態となり、 右ねじれのコレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0を透過 し、 半透過型光吸収部材 1 5に吸収されて黒色を示す。
この状態でバックライ ト 1 6を点灯すると、 半透過型光吸収部材 1 5を透過した 光は、 オン状態の黒表示部分の透過率が高いので明るく輝き、 オフ状態の金色の部 分の方が透過率が低いので暗くなり、 外光を用いて反射状態で見る場合と黒白関係 が反転表示となる。 この場合、 オン状態とオフ状態のバックライ ト 1 6の透過光量 差が少なく、 コントラス トが低くなる。
さらに、 薄暗い環境で液晶表示装置 4 0のバックライ ト 1 6を点灯した場合、 ォ フ表示の金色部分が外光に反射してひかり、 オン状態の黒色部分もバックライ トを 透過してひかるため、 文字と背景のコントラス トがほとんど無い状態となる場合が あり、 視認性が著しく低下する。
しかし、 この実施形態の液晶表示装置 4 0は、 外光を用いて反射状態で見る場合 と、 パックライ トを用いて透過状態で見る場合の黒白関係が同じ表示であり、 薄暗
い環境でバックライ トを点灯した際の視認性も向上する。
このように、 第 1の偏光板 1 7と、 TN液晶素子 7と、 第 2の偏光板 1 8と、 円 偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と、 半透過型光吸収部 材 1 5と、 バックライ ト 1 6 とからなる構成により、 鮮やかな反射色での高コント ラス ト表示が得られ、 かつ、 バックライ ト照明によっても正転表示となり、 夜間で も視認性の高いメタリ ック調の単色カラー表示の液晶表示装置が得られる。
〔第 1の実施形態の変形例〕
上述の第 1の実施形態では、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0の選択散乱 中心波長 λ c と、 バックライ トの発光中心波長 L を約 1 0 0 nmずらしたが、 選 択散乱中心波長 λ c と発光中心波長 λ Lは 5 0 nm以上ずれていれば、 バックライ ト照明の明るさは多少低下するが問題ない。
第 1の実施形態では、 コレステリ ック液晶ポリマ一シート 1 0に、 ピッチ P = 3 7 0 nmのコレステリ ック液晶ポリマーを用いて、 金色と黒表示の液晶表示装置と したが、 コレステリ ック液晶ポリマーのピッチ Pを変えることによって、 反射状態 の色調を任意に変えることができる。 例えば、 P = 3 0 0 nm ( c = 4 9 0 nm) にすると、 青色と黒表示の液晶表示装置が得られる。 この場合、 バックライ ト 1 6 としては、 発光中心波長 ;iL= 5 6 0 nmの発光色オレンジの E L板を用いた。 また、 第 1の実施形態では、 バックライ ト 1 6として発光色が青緑の E L板を用 いたが、 プラスチック製の導光板に発光色が緑の発光ダイオード (L ED) を取り 付けたサイ ドライ トを用いても、 全く同様に明るい照明が得られる。
さらに、 第 1の実施形態では、 電圧無印加状態でカラ一表示、 電圧印加状態で黒 表示となるようにしたが、 第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aを 9 0° 回転し、 下液 晶分子配向方向 7 a と同じ方向に配置すると、 電圧無印加状態で黒表示、 電圧印加 状態でカラ一表示にすることも可能である。
あるいは、 第 2の偏光板 1 8の透過軸 1 8 aを 9 0° 回転しても、 電圧無印加状
態で黒表示、 電圧印加状態でカラー表示とすることができる。
また、 第 1の実施形態では、 円偏光板位相差板 9を第 2の偏光板 1 8とコレステ リ ック液晶ポリマーシート 1 0との間に設けたが、 コレステリ ック液晶ポリマーシ — ト 1 0からの反射効率が低下し、 メタリ ック色が多少暗くなるが、 円偏光位相差 板 9を取り除く ことも可能である。
〔第 2の実施の形態: 第 3図, 第 4図〕
次に、 この発明による液晶表示装置の第 2の実施形態について、 第 3図および第 4図によって説明する。
この第 2の実施形態の液晶表示装置は、 液晶素子として 2 2 5 ° ツイス トの S T N液晶素子を用い、 位相差板を使用している点が第 1の実施の形態と異なる以外は、 第 1の実施の形態の構成と同じである。
第 3図および第 4図は、 その第 2の実施形態の液晶表示装置の構成を説明するた めの第 1図および第 2図と同様な図であり、 それらと対応する部分には同一の符号 を付し、 それらの説明は省略する。
この液晶表示装置 4 0は、 I T Oからなる第 1の透明電極 3が形成されている厚 さ 0 . 7 mmのガラス板からなる透明な第 1の基板 1 と、 I T Oからなる第 2の透 明電極 4が形成されている厚さ 0 . 7 mmのガラス板からなる透明な第 2の基板 2 と、 その一対の基板 1, 2を張り合わせるシール材 5とによって、 一対の基板 1 , 2の間に 2 2 5 ° ツイス ト配向しているネマチック液晶 6を封入して、 S T N液晶 素子 1 2を形成している。
この S T N液晶素子 1 2の視認側の第 2の基板 2の外側に、 位相差板 1 3と第 1 の偏光板 1 7とを順次配置し、 視認側と反対側の第 1の基板 1の下側に、 第 2の偏 光板 1 8と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と、 半 透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 1 6とを順次配置して、 液晶表示装置 4 0 を構成している。
第 1の偏光板 1 7と、 第 2の偏光板 1 8と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と、 円偏光位相差板 9と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 1 6は、 第 1の実施形態と同じものを用いる。
第 1の基板 1 と第 2の偏光板 1 8 と円偏光位相差板 9とコレステリ ック液晶ポリ マーシート 1 0は、 アクリル系粘着剤 (図示せず) を用いて接着している。 また、 第 1の偏光板 1 7と位相差板 1 3と第 2の基板 2もァクリル系粘着剤 (図示せず) を用いて接着している。
使用するネマチック液晶 6の複屈折の差 Δ nは 0. 1 5で、 第 1の基板 1 と第 2 の基板 2の隙間であるセルギャップ dは 5400 nmとする。 したがってネマチッ ク液晶 6の複屈折の差 Δ nとセルギャップ dとの積で表す液晶素子の Δ n d値は、 8 1 0 nmである。 また、 ネマチック液晶 6のねじれピッチは 1 1 00 nmに調整 してある。
第 1の透明電極 3と第 2の透明電極 4の表面には配向膜 (図示せず) が形成され、 第 4図に示すように、 第 1の基板 1は、 水平軸 Hを基準として、 + 2 2. 5° 方向 にラビング処理することにより、 下液晶分子配向方向 1 2 aは右上がり 2 2. 5° となり、 第 2の基板 2は一 2 2. 5° 方向にラビング処理することにより、 上液晶 分子配向方向 1 2 bは右下がり 22. 5° となり、 左回り 22 5° ッイス ト配向の STN液晶素子 1 2を形成している。
第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aを、 水平軸 Hを基準にして一 70° に配置し、 STN液晶素子 1 2と第 1の偏光板 1 7の間に、 ポリ力一ボネ一ト樹脂からなり厚 さ 50 μ mで位相差値 5 50 nmの位相差板 1 3を、 その遅相軸 1 3 aが水平軸 H を基準にして 60° になる様に配置している。
S TN液晶素子 1 2の下側に、 第 2の偏光板 1 8を透過軸 1 8 aが水平軸 Hを基 準にして一 1 5° になるように配置し、 円偏光位相差板 9をその遅相軸 9 aが、 第 2の偏光板 1 8の透過軸 1 8 aに対して 4 5° になるようにするため、 水平軸 Hに
対して 3 0 ° に配置している。
位相差板 1 3は視野角特性を改善するため、 遅相軸方向の屈折率を n x、 Y軸方 向の屈折率を n y、 厚み方向の屈折率を n z としたとき、 n x > n z〉 n yとなつ ている 2軸性の位相差板を使用した。 もちろん、 1軸性の位相差板でも問題はない。 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バック ライ ト 1 6は、 互いに平行な面内でどのような回転角度に配置しても表示特性に影 響しないので、 第 4図の平面図ではその配置方向の図示を省略している。
次に、 この第 2の実施形態の液晶表示装置 4 0による色彩を表示する作用につい て説明する。 この液晶表示装置 4 0において、 S T N液晶素子 1 2に電圧無印加の 状態では、 視認側 (第 1図の上方) から第 1の偏光板 1 7を通して入射した透過軸 1 7 aの方向に偏光された直線偏光は、 位相差板 1 3がない場合には、 S T N液晶 素子 1 2を透過した状態で、 楕円偏光状態となり、 円偏光位相差板 9を通過しても 円偏光にすることができず、 表示が不十分になる。
しかし、 位相差板 1 3を第 1の偏光板 1 7と S T N液晶素子 1 2の間に配置した ので、 第 1の偏光板 1 7を通過して位相差板 1 3に入射した直線偏光は、 楕円偏光 状態となる。 その楕円偏光は、 S T N液晶素子 1 2を透過する間に補正され、 ほぼ 直線偏光で、 第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aに対して約 5 5 ° 左回転した直線偏 光となって出射する。
第 2の偏光板 1 8をその透過軸 1 8 aが水平軸 Hを基準として一 1 5 ° になるよ うに配置してあるので、 第 1の偏光板 1 7から入射した直線偏光はそのまま第 2の 偏光板 1 8を透過する。 第 2の偏光板の透過軸 1 8 aに対して、 + 4 5 ° の角度に 円偏光位相差板 9の遅層軸 9 aが配置されており、 円偏光位相差板 9の遅相軸 9 a に対して右回り 4 5 ° に直線偏光が入射するので、 右回りの右円偏光となる。
コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0として、 第 1の実施形態と同様に右ねじ れのものを採用したので、 散乱中心波長; I cを中心に、 散乱バンド幅 Δ λの光が選
択散乱により反射し、 散乱バンド幅 Δ λ以外の透過光を半透過型光吸収部材 1 5が 吸収するため、 鮮やかな色彩のメタリ ック調で金色の反射色を得ることができる。 次に、 5丁 液晶素子 1 2の第 1の透明電極 3と第 2の透明電極 4の間に電圧を 印加すると、 ネマチック液晶 6の分子が立ち上がり、 S Τ Ν液晶素子 1 2の複屈折 性が変化し、 出射する直線偏光が約 9 0 ° 回転し、 第 4図に示す水平軸 Ηに対して + 7 5 ° の方向になる。 したがって、 S Τ Ν液晶素子 1 2を透過した直線偏光は、 第 2の偏光板 1 8の透過軸 1 8 aに対して偏光方向が 9 0 ° ずれるので、 その入射 光は第 2の偏光板 1 8に全て吸収され、 黒表示となる。 したがって、 第 2の偏光板 1 8を用いることによって、 高コントラス トの黒表示が可能になる。
バックライ ト 1 6 として、 第 1の実施形態と同じく、 発光中心波長 ぇし= 5 1 0 n mで、 青緑の発光色を示す E L板を用いる。 電圧を印加した黒表示状態では、 液 晶表示装置は光を透過しないが、 電圧無印加で金色の反射色を示している状態では、 波長 5 6 0 n m以下の光は透過することができる。
したがって、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0の選択散乱中心波長; L c = 6 1 0 n mより約 1 0 0 n m小さい発光中心波長; I L であるバックライ ト 1 6が発 光する光はほぼ完全に透過し、 明るく照明できる。 かつ、 バックライ ト 1 6を点灯 せず、 外光による表示を行う時と同じ明暗関係の表示となり、 夜間でも良好な視認 性を得ることができる。
このように、 第 1の偏光板 1 7と、 位相差板 1 3と、 5丁1^液晶素子1 2と、 第 2の偏光板 1 8と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマ一シート 1 0 と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 1 6とからなる構成により、 鮮やか な反射色でのコントラス トの高い表示が得られ、 且つバックライ ト照明でも正転表 示となり、 夜間でも視認性が高いメタリ ック調の単色カラ一表示の液晶表示装置が 得られる。
[第 2の実施の形態の変形例〕
上述の第 2の実施形態では、 S T N液晶素子 1 2として 2 2 5 ° ツイス トの S T N液晶素子を用いたが、 1 8 0 ° 〜2 7 (Τ ツイス トの S T N液晶素子を使用して も同様な液晶表示装置が得られる。
また、 第 2の実施形態では、 S T N液晶素子 1 2の楕円偏光状態を直線偏光に戻 すために、 位相差板 1 3を 1枚用いたが、 位相差板を複数枚用いるとより完全な直 線偏光に戻すことができ、 より良好な黒表示とカラー表示が得られる。 位相差板は、 3丁 液晶素子 1 2の片側に複数枚配置しても、 あるいは S T N液晶素子 1 2の両 側に分けて配置することも可能である。
さらに、 この第 2の実施形態では、 円偏光位相差板 9を第 2の偏光板 1 8 とコレ ステリ ック液晶ポリマーシート 1 0との間に設けたが、 この円偏光位相差板 9を省 略しても、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0からの反射効率が低下して、 メ タリ ック色が多少暗くなるが、 実用上は使用可能である。
〔第 3の実施の形態:第 5図, 第 6図〕
次に、 この本発明による液晶表示装置の第 3の実施形態について、 第 5図および 第 6図によって説明する。
この第 2の実施形態の液晶表示装置は、 液晶素子として 2 4 0 ° ツイス トの S T N液晶素子を使用し、 ねじれ位相差板を設けたこと以外は、 第 1の実施形態の構成 と同じである。
第 5図および第 6図は、 その第 3の実施形態の液晶表示装置の構成を説明するた めの第 1図および第 2図と同様な図であり、 それらと対応する部分には同一の符号 を付し、 それらの説明は省略する。
この第 3の実施形態の液晶表示装 4 0は、 I T Oからなる第 1の透明電極 3が 形成されている厚さ 0 . 7 mmのガラス板からなる透明な第 1の基板と、 I T O からなる第 2の透明電極 4が形成されている厚さ O . 7 mmのガラス板からなる透 明な第 2の基板 2と、 その一対の基板 1, 2を張り合わせるシール材 5とによって、
—対の基板 1, 2の間に 240° ツイス ト配向しているネマチック液晶 6を封入し て S TN液晶素子 14を形成している。
この STN液晶素子 14の視認側の第 2の基板 2の外側に、 ねじれ位相差板 1 9 と第 1の偏光板 1 7を順次配置し、 視認側と反対側の第 1の基板 1の下側に、 第 2 の偏光板 18と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマ一シート 10と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 16とを順次配置して、 液晶表示装置 4 0を構成している。
その第 1の偏光板 1 7と、 第 2の偏光板 18と、 コレステリ ック液晶ポリマーシ ート 10と、 円偏向位相差板 9と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 16 は、 第 1の実施形態と同じものを用いる。
第 1の基板 1と第 2の偏光板 18と円偏光位相差板 9とコレステリック液晶ポリ マ一シート 10は、 アクリル系粘着剤 (図示せず) を用いて接着している。 また、 第 1の偏光板 1 7とねじれ位相差板 19と第 2の基板 2もアタリル系粘着剤 (図示 せず) を用いて接着している。
この STN液晶素子 14に使用するネマチック液晶 6の複屈折の差 Δ nは 0. 1 5で、 第 1の基板 1と第 2の基板 2の隙間であるセルギャップ dは 5600 nmと する。 したがって、 ネマチック液晶 6の複屈折の差 Δ nとセルギャップ dとの積で 表す液晶素子の Δ n d値は、 840 nmである。 また、 ネマチック液晶 6のねじれ ピッチは 1 100 nmに調整してある。
第 1の透明電極 3と第 2の透明電極 4の表面には配向膜 (図示せず) が形成され、 第 6図に示すように、 第 1の基板 1は、 水平軸 Hを基準として、 + 30° 方向にラ ビング処理することにより、 下液晶分子配向方向 20 aは右上がり 30° となり、 第 2の基板 2は、 一 30° 方向にラビング処理することにより、 上液晶分子配向方 向 20 bは右下がり 30° となり、 左回り 240° ッイス ト配向の STN液晶素子 14を形成している。
第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aを、 水平軸 Hを基準にして一 4 5° に配置し、 3丁 液晶素子 1 4と第 1の偏光板 1 7の間に、 Δ n d値が 6 1 0 nmで右回り 2 20° ツイス トのねじれ位相差板 1 9を、 下分子軸 1 9 aが上液晶分子配向方向 2 0 b とほぼ直角になるように、 水平軸 Hを基準にして + 5 5° に配置する。 したが つて、 ねじれ位相差板 1 9の上分子軸 1 9 bは一 8 5 ° となる。
第 1の基板 1の下側に、 第 2の偏光板 1 8をその透過軸 1 8 aが + 8 5° になる ように配置し、 円偏光位相差板 9をその遅相軸 9 aが第 2の偏光板 1 8の透過軸 1 8 aに対して 4 5° になるように配置するため、 遅相軸 9 aを水平軸 Hに対して — 50° にして配置している。
ねじれ位相差板 1 9は、 トリァセチルセルロース (TAC) フィルムで厚さ 80 μ πιのベースフィルム (図示せず) に、 配向処理を行い、 その上に液晶ポリマーを 塗布し、 液晶相を示す高温で、 ツイス ト角が 2 20° になるように厚さとねじれピ ツチを調節し、 その後、 ガラス転移温度以下に冷却して固形化させたシートである。 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バック ライ ト 1 6は、 互いに平行する面内でどのような回転角度で配置しても、 表示特性 に影響しないので、 第 6図ではその配置方向の図示を省略している。
次に、 この第 3の実施形態の液晶表示装置による色彩を表示する作用について説 明する。
この液晶表示装置 40において、 S TN液晶素子 1 4に電圧無印加の状態では、 視認側から第 1の偏光板 1 7を通して入射した直線偏光は、 その透過軸 1 7 aの方 向に偏光しており、 ねじれ位相差板 1 9がない場合は、 S TN液晶素子 1 4を透過 した状態で楕円偏光状態となり、 円偏光位相差板 9を通過しても円偏光にすること ができず、 表示が不十分になる。
しかし、 ねじれ位相差板 1 9を第 1の偏光板 1 Ίと S TN液晶素子 1 4との間に 配置したので、 第 1の偏光板 1 7よりねじれ位相差板 1 9に入射した直線偏光は、
楕円偏光状態となる。 その楕円偏光は、 S TN液晶素子 14を透過する間に補正さ れてほぼ直線偏光となり、 第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aに対して約 50° 右回 転し、 第 6図における水平軸 Hを基準にして 85° の偏光方向となって出射する。 第 2の偏光板 1 8を、 その透過軸 1 8 aが水平軸 Hを基準として 85° になるよ うに配置してあるので、 第 1の偏光板 1 7から入射した直線偏光は、 そのまま第 2 の偏光板 1 8を透過する。 第 2の偏光板に対して、 遅相軸 9 aが +45° の角度に なるように円偏光位相差板 9を配置してあるので、 その円偏光位相差板 9の遅相に 対して右回り 45° に直線偏光が入射するため、 右回りの右円偏光となる。
コレステリ ック液晶ポリマーシート 10として、 第 1の実施形態と同様に右ねじ れのものを採用したので、 散乱中心波長 λ cを中心に、 散乱バンド幅 Δ λの光が選 択散乱により反射し、 散乱バンド幅 Δ λ以外の透過光を半透過型光吸収部材 15が 吸収するため、 鮮やかな色彩のメタリック調で金色の反射色を得ることができる。 次に、 S ΤΝ液晶素子 14の第 1の透明電極 3と第 2の透明電極 4の間に電圧を 印加すると、 ネマチック液晶 6の分子が立ち上がり、 S ΤΝ液晶素子 14の複屈折 性が変化し、 出射する直線偏光が約 90° 旋光し、 水平軸 Ηに対して一 5° の方向 になる。 したがって、 S ΤΝ液晶素子 14を透過した直線偏光は、 第 2の偏光板 1 8の透過軸 18 aに対して 90° ずれるので、 第 2の偏光板 18への入射光はそこ で全て吸収され、 黒表示となる。
また、 第 2の実施の形態で用いた位相差板 1 3の代わりに、 ねじれ位相差板 1 9 を用いたことにより、 楕円偏光の補正が完全になり、 S TN液晶素子 14を透過し た光の直線偏光性が高くなり、 位相差板 13を用いた液晶表示装置より明るく、 コ ントラストが高い表示が得られる。
バックライ ト 16として、 第 1の実施の形態と同じく、 発光中心波長 ぇし=5 1 O nmで、 青緑の発光色を示す E L板を用いる。 電圧を印加した黒表示状態では、 液晶表示装置 40は光を透過しないが、 電圧無印加で、 金色の反射色を示している
状態では、 波長 5 6 0 n m以下の光は透過することができる。
したがって、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0の選択散乱中心波長え c = 6 1 0 n mより約 1 0 0 n m小さい発光中心波長 λ L であるバックライ ト 1 6が発 光する光はほぼ完全に透過し、 明るく照明できる。 しかも、 バックライ ト 1 6を点 灯しない外光による表示時と同じ正転表示となり、 夜間でも良好な視認性を得るこ とができる。
このように、 第 1の偏光板 1 7と、 ねじれ位相差板 1 9と、 S Τ Ν液晶素子 1 4 と、 第 2の偏光板 1 8と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマーシー ト 1 0と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 1 6とからなる構成により、 鮮やかな反射色でコントラス トの高い表示が得られ、 且つバックライ ト照明による 表示も反転せず、 夜間でも視認性の高いメタリ ック調の単色カラ一表示の液晶表示 装置が得られる。
[第 3の実施の形態の変形例〕
この第 3の実施の形態では、 S Τ Ν液晶素子 1 4として、 2 4 0 ° ツイス トの S Τ Ν液晶素子を用いたが、 1 8 0 ° 〜2 7 0 ° ツイス トの S Τ Ν液晶素子を用いて も同様な液晶表示装置が得られる。
また、 この実施形態では、 円偏光位相差板 9を第 2の偏光板 1 8とコレステリ ッ ク液晶ポリマーシート 1 0との間に設けたが、 その円偏光位相差板 9を省略しても、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0からの反射効率が低下し、 メタリ ック色が 多少暗くなるが、 実用上は使用可能である。
〔第 4の実施の形態:第 7図〕
次に、 この発明による液晶表示装置の第 4の実施について、 第 7図によって説明 する。
この第 4の実施形態の液晶表示装置は、 半透過型光吸収部材 1 5を取り除いた以
外は、 第 2の実施の形態の構成と同じであるので、 その変更点についてのみを説明 する。
この実施の形態の液晶表示装置 4 0は、 2 2 5 ° ツイス ト配向しているネマチッ ク液晶 6を封入した S T N液晶素子 1 2と、 その視認側 (図で上側) に順次配置し た位相差板 1 3と第 1の偏光板 1 7と、 視認側と反対側 (図で下側) に順次配置し た第 2の偏光板 1 8と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と、 バックライ ト 1 6とから構成している。
なお、 このバックライ ト 1 6の発光面、 すなわちコレステリ ック液晶ポリマーシ ート 1 0と対向する面は偏光散乱機能を有している。
この第 4の実施形態の液晶表示装置 4 0による色彩を表示する作用について説明 する。 この液晶表示装置 4 0において、 S T N液晶素子 1 2に電圧を印加しない状 態では、 視認側から第 1の偏光板 1 7を通して位相差板 1 3に入射した直線偏光は、 位相差板 1 3を透過すると楕円偏光状態となる。 その楕円偏光は、 S T N液晶素子 1 2を透過する間に補正され、 ほぼ直線偏光となり、 第 4図における第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aに対して約 5 5 ° 左回転した偏光方向で出射する。
第 2の偏光板 1 8は、 その透過軸 1 8 aが水平軸 Hを基準として一 1 5 ° になる ように配置しているので、 第 1の偏光板 1 7から入射した直線偏光は、 そのまま第 2の偏光板 1 8を透過する。
円偏光位相差板 9は、 第 2の偏光板に対して + 4 5 ° の角度に配置しているので、 第 2の偏光板 1 8を透過した直線偏光が、 その円偏光位相差板 9の遅相軸 9 aに対 して右回り 4 5 ° に入射するので、 右回りの右円偏光となる。
コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0として、 第 1の実施形態と同様に右ねじ れのものを採用したので、 散乱中心波長 λ cを中心に、 散乱パンド幅 Δ λの光が選 択散乱により反射する。
散乱バンド幅 Δ λ以外の透過光は、 第 2の実施形態では設けていた半透過型光吸
収部材 1 5がないため、 バックライ ト 1 6に到達する。 バックライ ト 1 6としては、 第 2の実施形態と同じく青緑発光色の; E L板を用いている。 この E L板は、 粒状の 発光体をべ一スフイルムに印刷し、 その上を透明な電極を形成したフィルムで覆つ て形成してある。 したがって、 その発光面は偏光散乱機能を有し、 バックライ ト 1 6に到達した散乱バンド幅 Δ λ以外の透過光は、 その発光体粒子により偏光状態が 乱されて反射する。
第 7図において、 バックライ ト 1 6からの反射光は、 コレステリ ック液晶ポリマ —シ一ト 1 0を透過し、 円偏光位相差板 9をもう 1度透過し、 第 2の偏光板 1 8に 到達する。 しかし、 バックライ ト 1 6で偏光状態が乱れているので、 円偏光位相差 板 9で、 完全な直線偏光に戻すことができず、 バックライ ト 1 6からの反射光のほ とんどが第 2の偏光板 1 8に吸収されてしまう。 したがって、 半透過型光吸収部材 がなくても、 鮮やかな色彩のメタリ ック調で金色の反射色を得ることができる。 次に、 S T N液晶素子 1 2の第 1の透明電極 3と第 2の透明電極 4の間に電圧を 印加すると、 ネマチック液晶 6の分子が立ち上がり、 S Τ Ν液晶素子 1 2の複屈折 性が変化し、 出射する直線偏光が約 9 0 ° 旋光し、 水平軸 Ηに対して + 7 5 ° の方 向になる。 したがって、 S T N液晶素子 1 2を透過した直線偏光は、 第 2の偏光板 1 8の透過軸 1 8 aに対して偏光方向が 9 0 ° ずれるので、 第 2の偏光板 1 8に吸 収され、 黒表示となる。
バックライ ト 1 6として、 第 1の実施形態と同じく、 発光中心波長 ;i L= 5 1 0 n mで、 青緑の発光色を示す E L板を用いるので、 電圧を印加した黒表示状態では 光を透過しないが、 電圧無印加で金色の反射色を示している状態では、 波長 5 6 0 n m以下の光は透過することができ、 外光による表示時と同じ明暗状態の表示とな り、 夜間でも良好な視認性を得ることができる。
また、 第 2の実施の形態と比較して、 半透過型光吸収部材を設けないため、 バッ クライ ト点灯時の透過光量が増し、 表示輝度が上昇して明るい照明が可能になる。
このように、 第 1の偏光板 1 7と、 位相差板 1 3と、 S T N液晶素子 1 2と、 第 2の偏光板 1 8と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマ一シ一ト 1 0 と、 バックライ ト 1 6 とからなる構成により、 鮮やかな反射色でのコントラス 卜の 高い表示が得られ、 且つバックライ ト照明によっても外光による表示時と同じ明喑 関係の表示となり、 夜間でも視認性の高いメタリ ック調の単色カラー表示の液晶表 示装置が得られる。
〔第 4の実施の形態の変形例〕
上述した第 4の実施形態では、 S T N液晶素子 1 2と位相差板 1 3を用いたが、 第 1の実施形態に用いた T N液晶素子 7を用いる液晶表示装置や、 第 3の実施の形 態に用いた S T N液晶素子 1 4とねじれ位相差板 1 9を用いる液晶表示装置におい ても、 この実施形態の液晶表示装置と同様に、 半透過型光吸収部材 1 5を取り除い て、 バックライ ト 1 6の発光面の偏光散乱機能を利用するようにしてもよい。 その 場合にも、 第 1または第 3の実施形態の液晶表示装置よりも、 バックライ ト点灯時 に明るい表示が得られる。
また、 上記第 4の実施形態では、 バックライ ト 1 6として発光色が青緑の E L板 を用いたが、 プラスチック製の導光板に発光色が緑の発光ダイオード (L E D ) を 取り付けたサイ ドライ トを用いることも可能である。 この場合、 プラスチック製の 導光板の表面に凹凸を設けたり、 プラスチック製の導光板の下部に表面がザラザラ している反射板を配置することなどにより、 効果的な偏光散乱機能を持たせること ができる。
〔第 5の実施の形態:第 8図〕
次に、 この発明による液晶表示装置の第 5の実施形態について、 第 8図によって 説明する。
この第 5の実施の形態の液晶表示装置は、 第 2の偏光板が反射型偏光板であるこ
と以外は、 第 3図および第 4によって説明した第 2の実施の形態の構成と同じであ るので、 その変更点についてのみ第 8図によって説明する。
この実施形態の液晶表示装置 4 0は、 2 2 5 ° ツイス ト配向しているネマチック 液晶 6を封入した S T N液晶素子 1 2と、 その視認側 (図で上側) に順次配置した 位相差板 1 3と第 1の偏光板 1 7、 視認側と反対側 (図で下側) に順次配置した反 射型偏光板 2 6と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0 と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 1 6とによって構成されている。 まず、 反射型偏光板 2 6について説明する。 これまでの実施形態で使用した第 1 の偏光板 1 7および第 2の偏光板 1 8は通常の偏光板、 すなわち吸収型偏光板であ り、 偏光方向が透過軸と直交する直線偏光は吸収して、 黒色を示す。 これに対して、 反射型偏光板は、 偏光方向が透過軸と直交する直線偏光は反射して、 銀色を示す偏 光板である。 この第 5の実施形態では、 住友 3 M社製の反射型偏光板である商品名 D - B E Fを用いた。
次に、 この第 5の実施形態の液晶表示装置 4 0による色彩を表示する作用につい て説明する。 この液晶表示装置 4 0において、 S T N液晶素子 1 2に電圧を印加し ない状態では、 視認側から第 1の偏光板 1 7を通過して位相差板 1 3に入射した直 線偏光は、 その位相差板 1 3を透過すると楕円偏光状態となる。 その楕円偏光は、 S T N液晶素子 1 2を透過する間に補正され、 ほぼ直線偏光となり、 第 4図におい て、 第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aに対して約 5 5 ° 左回転した偏光方向の直線 偏光となって出射する。
反射型偏光板 2 6の透過軸は、 第 2の実施の形態ほおける第 2の偏光板 1 8の透 過軸 1 8 a と同ぐで、 水平軸 Hを基準として一 1 5 ° に配置している。 従って、 第 1の偏光板 1 7から入射 uた直線偏光は、 そのまま反射型偏光板 2 6を透過する。 円偏光位相差板 9は、 その遅相軸 9 aが反射型偏光板 2 6の透過軸に対して、 + 4 5 ° の角度になるように配置してあるので、 反射型偏光板 2 6からの直線偏光が、
円偏光位相差板 9の遅相軸 9 aに対して右回り 4 5 ° に入射するので、 右回りの右 円偏光となる。
コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0として、 第 1の実施形態と同様に右ねじ れのものを採用したので、 散乱中心波長 λ cを中心に、 散乱バンド幅 Δ えの光が選 択散乱により反射し、 散乱バンド幅 Δ λ以外の透過光を半透過型光吸収部材 1 5に よって吸収されるとにより、 鮮やかな色彩のメタリ ック調で金色の反射色を得るこ とができる。
次に、 S Τ Ν液晶素子 1 2の第 1の透明電極 3と第 2の透明電極 4の間に電圧を 印加すると、 ネマチック液晶 6の分子が立ち上がり、 S Τ Ν液晶素子 1 2の複屈折 性が変化し、 出射する直線偏光が約 9 0 ° 旋光し、 水平軸に対して + 7 5 ° の方向 になる。 したがって、 S Τ Ν液晶素子 1 2を透過した直線偏光は、 反射型偏光板 2 6の透過軸に対して偏光方向が 9 0 ° ずれて入射するので、 入射光は反射型偏光 板 2 6で殆ど反射され、 銀表示となる。
バックライ ト 1 6 として、 第 1の実施形態と同じく、 発光中心波長; I L = 5 1 0 n mで、 青緑の発光色を示す E L板を用いるので、 電圧を印加した銀表示状態では 光を透過しないが、 電圧無印加で金色の反射色を示している状態では、 波長 5 6 0 n m以下の光は透過することができ、 且つバックライ ト 1 6を点灯しない外光によ る表示時と同じ明暗関係の表示となり、 夜間でも良好な視認性を得ることができる。 このように、 第 1の偏光板 1 7と、 位相差板 1 3と、 5丁^^液晶素子 1 2と、 反 射型偏光板 2 6と、 円偏光位相差板 9と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0 と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 1 6 とからなる構成により、 鮮やか な反射色で、 金色背景に銀色の文字の表示が得られ、 且つバックライ ト照明によつ ても外光による表示時と同じ正転表示となり、 夜間でも視認性の高いメタリ ック調 の単色カラ一表示の液晶表示装置が得られる。
〔第 5の実施の形態の変形例〕
上述した第 5の実施形態では、 S T N液晶素子 1 2と位相差板 1 3を用いたが、 第 1の実施形態に用いた T N液晶素子 7を用いる液晶表示装置や、 第 3の実施の形 態に用いた S T N液晶素子 1 4とねじれ位相差板 1 9を用いる液晶表示装置におい ても、 第 2の偏光板 1 8のかわりに反射型偏光板 2 6を用いることによって、 この 第 5の実施形態と同様な液晶表示装置を得ることができる。
また、 この実施形態では、 金色背景に銀色文字の表示を行う液晶表示装置とした が、 第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aを 9 0 ° 回転することにより、 銀背景に金色 文字を表示することも可能である。 さらに、 コ レステリ ック液晶ポリマーシー ト 1 0のねじれピッチを変えることによって、 銀背景にメタリ ックな青文字や、 銀背景 にメタリ ックな緑文字など、 種々な表示色の液晶表示装置を得ることも可能である。 さらに、 この実施形態では、 半透過型光吸収部材 1 5をバックライ ト 1 6とコレ ステリ ック液晶ポリマーシート 1 0の間に設けたが、 第 4の実施の形態で説明した ように、 半透過型光吸収部材 1 5を取り除いて、 バックライ ト 1 6の発光面の偏光 散乱機能を利用するようにしても、 第 4の実施形態と同様な液晶表示装置が得られ る。
〔第 6の実施の形態:第 9図, 第 1 0図〕
次に、 この発明による液晶表示装置の第 6の実施形態について、 第 9図および第 1 0図によって説明する。
この実施形態の液晶表示装置は、 円偏光位相差板を 2枚用いることと、 第 2の偏 光板 1 8の位置が異なること以外は、 第 1の実施形態の構成と同じであるから、 そ の変更点についてのみ説明する。
この実施形態の液晶表示装置 4 0は、 第 9図に示すように、 視認側 (図で上側) から順に配置した、 第 1の偏光板 1 7、 T N液晶素子 7、 コレステリ ック液晶ポリ マ一シート 1 0、 第 2の偏光板 1 8、 半透過型光吸収部材 1 5、 およびバックライ
ト 1 6は、 第 1図によって説明した第 1の実施の形態で用いたものと同じである。 また、 T N液晶素子 7とコレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0との間に配置し た第 1の円偏光位相差板 2 7と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と第 2の 偏光板 1 8との間に配置した第 2の円偏光位相差板 2 8は、 第 1の実施の形態で用 いた円偏光位相差板 9 (第 1図) と同じで 1 / 4 え板ともいい、 ポリカーボネート 樹脂を厚さ約 6 0 μ mに延伸したもので、 位相差値は 1 4 0 n mである。
第 1の基板 1 と、 第 1の円偏光位相差板 2 7と、 コレステリ ック液晶ポリマーシ ート 1 0と、 第 2の円偏光位相差板 2 8と、 第 2の偏光板 1 8とは、 ァク リル系粘 着剤 (図示せず) を用いて接着している。 また、 第 1の偏光板 1 7と第 2の基板 2 もアクリル系粘着剤 (図示せず) を用いて接着している。
第 1 0図に示すように、 第 1の偏光板 1 7の透過軸 1 7 aを、 T N液晶素子 7の 上液晶分子配向方向 7 b と同じ右上がり 4 5 ° に配置し、 第 2の偏光板 1 8の透過 軸 1 8 aも、 T N液晶素子 7の上液晶分子配向方向 7 b と同じ右上がり 4 5 ° に配 置し、 第 1の円偏光位相差板 2 7の遅相軸 2 7 a と第 2の円偏光位相差板 2 8の遅 相軸 2 8 aは水平に配置している。
次に、 この 6の実施の形態の液晶表示装置 4 0による色彩を表示する作用につい て説明する。
この液晶表示装置 4 0において、 T N液晶素子 7に電圧を印加しない状態では、 第 1 0図を参照して、 視認側から第 1の偏光板 1 7を通して入射する透過軸 1 7 a の方向に変更した直線偏光は、 T N液晶素子 7の上液晶分子配向方向 7 b と同じ方 向に偏光して T N液晶素子 7に入射し、 T N液晶素子 7により 9 0 ° 旋光されて、 下液晶分子配向方向 7 aの方向の直線偏光となって出射する。
その T N液晶素子 7から射出した直線偏光は、 第 1の円偏光位相差板 2 7の遅相 軸 2 7 aに対して、 右回り 4 5 ° の直線偏光として入射する。 したがって、 第 1 3 図のオフ状態に示したように、 右回りの右円偏光となり、 コレステリ ック液晶ポリ
マーシート 1 0のねじれ方向 1 0 a と同じ右回りであるため、 散乱中心波長 λ cを 中心に、 散乱バンド幅 Δ λの光が選択散乱により反射し、 散乱バンド幅 Δえ以外の 透過光は、 第 2の円偏光位相差板 2 8を透過するが、 半透過型光吸収部材 1 5に吸 収されるので、 鮮やかな色彩のメタリ ック調で金色の反射色を得ることができる。 次に第 1の透明電極 3 と第 2の透明電極 4の間に電圧を印加すると、 ネマチック 液晶 6の分子が立ち上がり、 旋光性が消滅し、 上液晶分子配向方向 7 bから入射し た直線偏光は、 そのままの方向で T N液晶素子 7を通過する。 したがって、 T N液 晶素子 7を透過した直線偏光は、 第 1の円偏光位相差板 2 7 aに対して、 左回り 4
5 ° の角度で入射するので、 第 1 3図のオン状態に示すように左回りの左円偏光と なり、 コレステリック液晶ポリマーシート 1 0のねじれ方向 1 0 a と逆であるので、 すべての波長の光がコレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0を透過する。
コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0を透過した光は、 第 2の円偏光位相差板
2 8で直線偏光に戻るが、 その振動方向は、 第 1の円偏光位相差板 2 7へ入射した 方向から 9 0 ° 回転し、 下液晶分子配向方向 7 a と同じ方向になる。 第 2の偏光板
1 8の透過軸 1 8 aを上液晶分子配向方向 7 bと同じ + 4 5 ° に配置しているので、 第 2の円偏光位相差板 2 8を透過した光は、 すべて第 2の偏光板 1 8で吸収され、 黒表示となる。
バックライ ト 1 6として、 第 1の実施の形態と同じく、 発光中心波長え Lが 5 1 O n mで、 青緑の発光色を示す E L板を用いる。 電圧を印加した黒表示状態でバッ クライ ト 1 6を点灯すると、 第 2の偏光板 1 8を透過した光は、 第 2の円偏光位相 差板 2 8と第 1の円偏光位相差板 2 7により 9 0 ° 回転し、 第 1の偏光板 1 7で吸 収されるので、 バックライ ト 1 6の光は透過しない。
電圧無印加で金色の反射色を示しているオフ状態では、 波長 5 6 0 n m以下の光 は透過するので明るく照明でき、 且つバックライ ト 1 6を点灯せず外光によって表 示する時と明暗の関係が同じ表示 (正転表示) となり、 夜間でも良好な視認性を得
ることができる。
このように、 第 1の偏光板 1 7と、 T N液晶素子 7と、 第 1の円偏光位相差板 2 7と、 コレステリ ック液晶ポリマーシート 1 0と、 第 2の円偏光位相差板 2 8と、 第 2の偏光板 1 8と、 半透過型光吸収部材 1 5と、 バックライ ト 1 6からなる構成 により、 鮮やかな反射色でコントラス トの高い表示が得られ、 且つバックライ ト照 明によっても、 外光による表示時と明暗の関係が同じ表示となり、 夜間でも視認性 の高いメタリ ック調の単色カラー表示の液晶表示装置が得られる。
〔第 6の実施の形態の変形例〕
この実施形態では T N液晶素子 7を用いたが、 第 2の実施の形態に用いた S T N 液晶素子 1 2と位相差板 1 3を用いる液晶表示装置や、 第 3の実施の形態に用いた S T N液晶素子 2 0とねじれ位相差板 1 9を用いる液晶表示装置において、 第 1の 円偏光位相差板 2 7とコレステリ ック液晶ポリマーシ一ト 1 0と第 2の円偏光位相 差板 2 8と第 2の偏光板 1 8とを用いることによつても、 この第 6の実施形態と同 様な液晶表示装置を得ることができる。
また、 この実施形態では、 半透過型光吸収部材 1 5をバックライ ト 1 6と第 2の 偏光板 1 8の間に設けたが、 第 4の実施の形態で説明したように、 半透過型光吸収 部材 1 5を取り除いても同様な液晶表示装置が得られる。
さらに、 この実施形態では、 第 2の偏光板 1 8として、 通常の吸収型偏光板を用 いたが、 第 5の実施の形態で説明したように、 反射型偏光板を用いることも可能で ある。
〔第 7の実施の形態 : 第 1 2図〕
次に、 この発明による液晶表示装置の第 7の実施形態について、 第 1 2図によつ て説明する。
この第 7の実施形態の液晶表示装置は、 バックライ トとして、 発光色が白色の E
L板を用いること以外は、 第 3図によって説明した第 2の実施形態の構成と同じで あるので、 断面図による構成の説明は省略する。
白色 E L板は、 第 2の実施形態で用いた青緑発光色の E L板の表面に発光波長 5
8 0 n mの蛍光染料を塗布したもので、 その白色 E L板の発光スペク トルと、 液晶 表示装置の透過率曲線を第 1 2図に示す。
ここで、 この第 7の実施形態の発色作用とバックライ ト点灯時の作用を、 第 1 2 図を用いて説明する。
第 1 2図において、 この実施形態の液晶表示装置に電圧を印加しない状態での選 択散乱時の透過率を実線の曲線 5 3で示し、 電圧印加状態で黒表示のときの透過率 を実線の曲線 5 2で示す。 電圧無印加状態では、 曲線 5 3に示すように選択散乱中 心波長え c = 6 1 0 n mを中心に、 5 6 0 η π!〜 6 7 0 n mの範囲の右円偏光が反 射され、 散乱バンド幅以外の波長の光はそのまま透過していることがわかる。 したがって、 透過光を半透過型光吸収部材 1 5で吸収したり、 バックライ ト 1 6 の発光面の偏光散乱機能により視認側への光の戻りを抑えると、 選択散乱による反 射光によって鮮やかな金色の表示が可能となる。
電圧印加状態では、 曲線 5 2に示すように第 1の偏光板 1 7を透過した光は、 ほ ぼすベて第 2の偏光板 1 8に吸収されて、 黒表示となっている。
次に、 バックライ トの作用について説明する。 白色 E L板は、 青緑発光色の E L 板の表面に発光中心波長 5 8 0 n mの蛍光染料を印刷してあるので、 2つの発光中 心波長を持つ。 第 1 2図の破線で示す曲線 5 5は、 この実施形態に用いる白色 E L 板の相対発光スペク トルである。 この白色 E L板は、 第 1の発光中心波長; L L1 = 4
9 0 n m , 第 2の発光中心波長 λ L2 = 5 8 0 n mの 2つの発光ピークを持ち、 白 っぽい発光色を示す。
そして、 電圧無印加状態では、 この液晶表示装置は金色の反射色を示すが、 曲線 5 3に示すように波長 5 6 0 n m以下の光はコレステリ ック液晶ポリマ一シートを
透過することができる。 したがって、 第 1の発光ピークの光と、 第 2の発光ピーク の内第 2の発光中心波長 より波長の短い光は、 コレステリ ック液晶ポリマーシ —トを透過し、 明るく照明できるので、 夜間でも良好な視認性を得ることができる。 このように、 バックライ ト 1 6 として 2つ以上の発光中心波長を持つものを用い ることによって、 鮮やかな反射色でコントラス トの高い表示が得られ、 且つバック ライ ト照明により、 バックライ トを点灯せず外光による表示時と明暗の関係が同じ 表示となり、 夜間でも視認性の高いメタリ ック調の単色カラ一表示の液晶表示装置 が得られる。
〔第 7の実施の形態の変形例〕
この実施形態では、 S T N液晶素子 1 2と位相差板 1 3を用いたが、 第 1の実施 の形態に用いた T N液晶素子 7を用いる液晶表示装置や、 第 3の実施の形態に用い た S T N液晶素子 2 0とねじれ位相差板 1 9を用いる液晶表示装置においても、 バ ックライ ト 1 6として、 複数の発光中心波長を持つ白色 E L板を用いることによつ て、 この実施形態と同様な液晶表示装置を得ることができる。
また、 この実施形態では、 白色 E L板として、 発光色が青緑の E L板の表面に、 発光波長 5 8 0 n mの蛍光染料を塗布したものを用いたが、 青緑の E L板の表面に ある透明電極の下側に蛍光染料を印刷したり、 あるいは、 青緑の発光体に蛍光染料 を混合することなどによって形成した白色の E L板を用いることも可能である。 さらに、 この実施の形態では、 バックライ ト 1 6として、 発光中心波長が A L1 = 4 9 0 n mと; L L2= 5 8 0 n mの 2つある E L板を用いたが、 少なく とも 1つの発 光中心波長が、 コレステリ ック液晶ポリマーシ一ト 1 0の選択散乱中心波長え cか ら 5 0 n m以上ずれていると、 E L点灯時に明るい表示が可能である。
また、 この実施形態では、 バックライ ト 1 6 として白色 E L板を用いたが、 ブラ スチック製の導光板に発光色が緑と赤の 2種類の発光ダイオード (L E D ) を取り 付けたサイ ドライ トゃ、 プラスチック製の導光板に発光色が白色の蛍光灯を取り付
けたサイ ドライ トを使用しても、 全く同様に明るい照明が得られる。
また、 この実施の形態では、 半透過型光吸収部材 1 5をバックライ ト 1 6 とコレ ステリ ック液晶ポリマーシート 1 0の間に設けたが、 第 4の実施の形態で説明した ように、 半透過型光吸収部材 1 5を取り除いても、 もちろん同様な液晶表示装置が 得られる。 産業上の利用可能性
以上によって明らかなように、 この発明による液晶表示装置は、 鮮やかな反射色 が得られるメタリ ック調の単色カラ一表示が可能で、 且つバックライ トを点灯する ことによって、 夜間等の喑環境でも表示可能な単色カラー表示の液晶表示装置を提 供することができる。
また、 半透過型光吸収部材を使用しないようにすれば、 より鮮やかな反射色が得 られるメタリ ック調の単色カラー表示が可能で、 且つバックライ トを点灯時の輝度 がより明るい液晶表示装置を提供することができる。
したがって、 この発明による液晶表示装置は、 各種の時計や携帯用電子機器、 ゲ —ム器、 その他の表示装置として広範な利用が期待できる。