トリメチルシクロへキサン誘導体、 それを用いたメラニン生成抑制剤及び香料保 留剤 技術の分野
本発明は、 新規なトリメチルシクロへキサン誘導体、 このトリメチルシクロへ キサン誘導体を主成分として含有するメラニン生成抑制剤及び z又は香料保留剤 明
、 並びにこれらのメラニン生成抑制剤及び/又は香料保留剤を含有する皮膚外用 田
剤に関する。 背景技術
皮膚への紫外線等の照射により日焼けを起こし、 皮膚組織が色黒く変色を生じ るのは、 紫外線暴露による刺激やホルモン等が原因となって、 色素細胞において メラニンが生成、 沈着することに起因する。 そばかす、 しみなどは皮膚局所にお 、て表皮全層にメラニンが滞って沈着している状態である。
この表皮におけるメラニン合成については、 色素細胞の中で生合成された酸化 酵素であるチロシナ一ゼがチ口シンを酸化重合させることでメラニンが生成する とされている。
このような、 メラニンの生成、 沈着過程を抑制することが美白剤開発としての 課題であり、 様々な研究がなされてきた。
これまでにチロシナ一ゼの活性を阻害してメラニン生成を抑制する物質や、 生 成したメラニンを淡色漂白化する物質として、 ビタミン c、 システィン、 コウジ 酸、 アルブチン、 グルタチオン、 ハイ ドロキノンや天然物からの抽出物等の有効 性が確認されている。 し力、しな力 ら、 これらの物質は安定性、 安全性、 匂い等の 面で問題があり、 美白効果も十分ではなく、 未だ満足のいく美白剤は得られてい ない。
また、 他のメラニン生成抑制効果のある化合物として、 テトラヒドロヨノール
、 及びその誘導体 (特開平 8— 7 3 3 3 4号公報、 特開平 8— 7 3 3 3 5号公報
、 特開平 8— 7 3 3 3 6号公報、 特開平 8— 7 3 3 5 9号公報) 、 3—ョノン、 及びそのジヒ ドロ体 (特開平 8— 1 9 8 7 4 7号公報) が報告されている。 しか し、 これら化合物のメラニン生成抑制効果は未だ充分ではない。 また、 比較的強 い匂いを有するために製品香気への影響の削減も課題であった。
また、 下記一般式 (3 ) と一般式 (4 )
(式中、 Aは C == 0または C H— O Hを示す。 R4 はェチル基、 n—プロピル基 及び iso-ブチル基を示す。 )
(式中、 R5 はェチル基、 n—プロピル基、 n—ブチル基及び iso-ブチル基を示 す。 )
で表されるトリメチルシクロへキサン誘導体が知られている。
一般式 (3 ) の化合物は、 香料化合物である 1 一アルキル置換一 3 - (2 ' , 2 ' , 6 ' — 卜リメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) プロパン一 1 一オールの 合成中間体、 あるいは副生成物としてのみ記載されており (特公平 3— 8 0 7 8 0号公報、 特開平 4— 2 2 6 9 3 0号公報) 、 また、 一般式 (4 ) の化合物は、 香料として記載されている (特開平 4一 2 1 6 4 2号公報、 特公平 7— 2 5 7 0 9号公報) だけである。 強い有香物質であるため、 香料保留剤としては使用する ことはできない。 いずれの公報も、 生きた色素細胞のメラニン産生に対する抑制 作用については全く記載していない。
また、 従来より有香物質を調香し、 優れた香料組成物を調整するときには所望
の香気を持続させるために、 有香物質の芳香特性及び保留性を調整する各種保留 剤が香料に配合されている。
具体的にはジプロピレングリコール、 トリェチルシトレ一ト、 ベンジルベンゾ エート等が利用されているが、 これらの保留剤は、 充分に満足のいく保留効果を 有するとはいえなかった。 発明の開示
本発明の目的は、 メラニン生成抑制剤として、 又香料保留剤として有用な新規 なトリメチルシクロへキサン誘導体を提供することである。 本発明の他の目的は 、 該トリメチルシクロへキサン誘導体を主成分として含有するメラニン生成抑制 剤及び Z又は香料保留剤を提供することである。 さらに、 本発明の他の目的は、 これらメラ二ン生成抑制剤及び z又は香料保留剤を含有する皮膚外用剤を提供す ることである。
このような現状の問題点について、 本発明者らは、 鋭意研究を行った結果、 下 記一般式 ( 1 ) 、
(式中、 Aは C = 0または C H— O Hを示し、 nは 2を示す。 R 'は水素またはメ チル基を示し、 R2は炭素数 3〜 1 0の直鎖状もしくは分岐状の、 飽和あるいは不 飽和な炭化水素基を示す。 点線は、 飽和あるいは不飽和な炭素一炭素結合を示す o )
で表される新規な卜リメチルシクロへキサン誘導体が上記課題を解決することを 見いだし、 本発明を完成した。
すなわち、 本発明者らは、 上記一般式 (1 ) で表される化合物 (1 ) 力 生き た色素細胞のメラニン産生に対し強力な抑制作用を有し、 化合物 (1 ) からなる メラニン生成抑制剤が、 安定性、 安全性に優れ、 従来品と比べ著しく高いメラ二
ン生成抑制効果があり、 さらに、 化合物 (1 ) が香料の香気を長時間持続させる 保留作用を有し、 化合物 (1 ) からなる香料保留剤が所望の芳香特性、 残香性を 著しく高める効果があることを見いだした。
さらに、 化合物 (1 ) 自体が無臭であるため、 これを含有した皮膚外用剤の匂 いに全く影響を与えず、 処方系中もしくは基剤中で安定で且つ安全で、 優れたメ ラニン生成抑制効果、 優れた香料保留効果があることを見いだした。
このような本発明の前記一般式 (1 ) で表される新規なトリメチルシクロへキ サン誘導体 (1 ) 、 該化合物を含有するメラニン生成抑制剤及び/又は香料保留 剤、 並びに該メラニン生成抑制剤及び Z又は該香料保留剤を含有する皮膚外用剤 は、 以下に示すとおりである。
( 1 ) 下記一般式 ( 1 )
(式中、 Aは C = 0または C H— O Hを示し、 nは 2を示す。 R1は水素またはメ チル基を示し、 R2は炭素数 3〜1 0の直鎖状もしくは分岐状の、 飽和あるいは不 飽和な炭化水素基を示す。 点線は、 飽和あるいは不飽和な炭素一炭素結合を示す で表されるトリメチルシクロへキサン誘導体。
( 2 ) 前記第 (1 ) 項記載の一般式 (1 ) において、 が、 n-プロピル基、 n_ブチル基、 n -ペンチル基、 n-へキシル基、 n-ヘプチル基、 i so-プロピル基、 i s 0-ブチル基、 sec-ブチル基、 tert- ブチル基、 ァリル基、 卜プロぺニル基、 i so - プロぺニル基、 1-ブテニル基、 2-ブテニル基, 3-ブテニル基、 2-メチル -1- プロ ぺニル基、 2-メチル -2- プロぺニル基、 卜ェチル - 1- ェテニル基、 1-メチル - 1- プロぺニル基、 1-メチル - 2- プロぺニル基、 2, 6-ジメチルヘプチル基、 2, 6-ジメ チル -1- ヘプテニル基、 2, 6 -ジメチル- 5- ヘプテニル基、 2, 6-ジメチル -1, 5- へ プタジェニル基からなる群から選ばれるトリメチルシクロへキサン誘導体。
(3) 前記第 (1) 項記載の一般式 (1) において、 R2が、 n-プロピル基、 n -ブチル基、 iso-プロピル基、 iso-ブチル基、 sec-ブチル基、 tert- ブチル基、 ァリル基、 卜プロぺニル基、 iso-プロぺニル基、 1-ブテニル基、 2-ブテニル基, 3-ブテニル基、 2-メチル - 1- プロぺニル基、 2-メチル -2- プロぺニル基、 1-ェチ ル- 1- ェテニル基、 卜メチル -1- プロぺニル基、 1-メチル - 2- プロぺニル基から なる群から選ばれるトリメチルシクロへキサン誘導体。
(4) 前記第 (1 ) 項乃至前記第 (3) 項記載の卜リメチルシクロへキサン 誘導体の 1種又は 2種以上を含有することを特徴とするメラ二ン生成抑制剤。
(5) 前記第 (1) 項乃至前記第 (3) 項記載のトリメチルシクロへキサン 誘導体の 1種又は 2種以上を含有することを特徴とする香料保留剤。
(6) 前記第 (4) 項乃至前記第 (5) 項記載のメラニン生成抑制剤及び/ 又は香料保留剤の 1種又は 2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
( 7 ) 下記一般式 ( 2 )
(式中、 Aは C = 0または CH— 0Hを示し、 nは 0を示す。 R1は水素またはメ チル基を示し、 R3 は炭素数 2〜4の直鎖状もしくは分岐状の、 飽和あるいは不 飽和な炭化水素基を示す。 点線は、 飽和あるいは不飽和な炭素一炭素結合を示す o )
で表されるトリメチルシク口へキサン誘導体の 1種または 2種以上を含有するこ とを特徴とするメラ二ン生成抑制剤。
( 8 ) 前記第 ( Ί ) 項記載のメラ二ン生成抑制剤の 1種又は 2種以上を含有 することを特徴とする皮膚外用剤。 以下に、 本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の化合物 (1) の R2は、 n-プロピル基、 n-ブチル基、 n-ペンチル基、 n-
へキシル基、 n-ヘプチル基、 n-ォクチル基、 n-ノニル基、 n-デシル基、 i so-プロ ピル基、 i so-ブチル基、 sec-ブチル基、 ter t-ブチル基、 i so-ペンチル基、 neo- ペンチル基、 4-メチルペンチル基、 5-メチルへキシル基、 6-メチルヘプチル基、 7 -メチルォクチル基、 8-メチルノニル基、 卜メチルブチル基、 1-メチルペンチル 、 1-メチルへキシル基、 1-メチルヘプチル基、 1-メチルォクチル基、 1-メチルノ ニル基、 2, 6-ジメチルヘプチル基、 ァリル基、 1-プロぺニル基、 1-ブテニル基、 2 -ブテニル基、 3-ブテニル基、 4-ペンテニル基、 5-へキセニル基、 6-ヘプテニル 基、 7-ォクテニル基、 8-ノネニル基、 9-デセニル基、 卜ペンテニル基、 1 -へキセ ニル基、 卜ヘプテニル基、 1-ォクテニル基、 1-ノネニル基、 1-デセニル基、 i so - プロぺニル基、 2-メチル- 1-プロぺニル基、 2-メチル -2- プロぺニル基、 1-ェチ ル- 1- ェテニル基、 1-メチル - 1 _ プロぺニル基、 1 -メチル -2- プロぺニル基、 3- メチル- 2-ブテニル基、 4-メチル- 3-ペンテニル基、 5-メチル- 4-へキセニル基 、 6-メチル- 5-ヘプテニル基、 7 -メチル- 6 -ォクテニル基、 8-メチル- 7-ノネ二 ル基、 2, 6-ジメチル -5-ヘプテニル基、 2, 6 -ジメチル- 卜ヘプテニル基、 2, 6 -ジ メチル- 1, 5-ヘプタジェニル基、 等が挙げられるが、 これらに限定されるもので はない。
R2 において、 好ましくは、 n-プロピル基、 n-ブチル基、 n-ペンチル基、 n-へ キシル基、 n-ヘプチル基、 i so-プロピル基、 i so-ブチル基、 sec-ブチル基、 tert - ブチル基、 ァリル基、 1-プロぺニル基、 i so-プロぺニル基、 卜ブテニル基、 2 - ブテニル基, 3 -ブテニル基、 2-メチル -1- プロぺニル基、 2-メチル -2- プロぺニ ル基、 卜ェチル - 1- ェテニル基、 卜メチル 1— プロぺニル基、 卜メチル—2- プロ ぺニル基、 2, 6-ジメチルヘプチル基、 2, 6-ジメチル- 1- ヘプテニル基、 2, 6-ジメ チル- 5- ヘプテニル基、 2, 6-ジメチル- 1, 5- ヘプタジェニル基である。
さらに好ましくは、 メラニン生成抑制作用が特に高い、 炭素数 3〜4、 つまり n -プロピル基、 n-ブチル基、 i so-プロピル基、 i so-ブチル基、 sec-ブチル基、 te rt - ブチル基、 ァリル基、 1-プロぺニル基、 i so-プロぺニル基、 1-ブテニル基、 2 -ブテニル基, 3-ブテニル基、 2-メチル- 1- プロぺニル基、 2-メチル -2- プロべ ニル基、 卜ェチル- 1- ェテニル基、 卜メチル—1— プロぺニル基、 卜メチル—2- プ 口ぺニル基等の炭素数 3〜 4をもつ炭化水素基が挙げられる。
R2 において、 最も好ましくは n-プロピル基、 n-ブチル基、 iso-ブチル基、 se c -ブチル基、 1-プロぺニル基、 1-ブテニル基、 2-ブテニル基、 3-ブテニル基、 2 - メチル- 1-プロぺニル基である。
本発明のメラニン生成抑制剤として用いられる化合物 (2) の R3 は、 ェチル 基、 n-プロピル基、 n-ブチル基、 iso-プロピル基、 iso-ブチル基、 sec-ブチル基 、 tert- ブチル基、 ァリル基等が挙げられる力く、 これらに限定されるものではな い。
本発明のメラニン生成抑制剤及び Z又は香料保留剤として用いられる化合物 ( 1) の好ましい具体例として、 以下の表に示す化合物が挙げられるが、 これらに 限定されるものではない。
なお、 本発明の化合物 (1 ) は、 下記の構造式で示される (1) — 1、 (1 ) 一 2、 ( 1 ) — 3及び ( 1 ) 一 4の 4種類に分けられる。
(l)-4
化合物 No. 一般式型 R' R2
1 l (l) 一 I H π - Propyl
1 l (l) 一 2 H n-Propyl l3' i (l) 一 3 H π Propyl l4' i (l) - 4 H n-Propyl
1 j (l) 一 I H n-Butyl
1" j (l) 一 2 H n - Butyl l3' j (l) 一 3 H n-Butyl l4' j (l) 一 4 H n-Butyl k (l) 一 I H 2-Methylpropyl
1" k ( l ) 一 2 H 2-Methylpropyl l3' k (I) - 3 H 2-Methylpropyl l4' k (I) 一 4 H 2-Methylpropyl r l (I) - I H 2-Methyl-l-propenyl
1" 1 (I) 一 2 H 2-Methyl-l-propenyl l3' 1 (I) 一 3 H 2-Methyl-l-propenyl
1" 1 (I) 一 4 H 2-Methyl-l-propenyl m (I) - I H n-Pentyl
1 m (I) 一 2 H n-Pentyl l m (I) 一 3 H n-Pentyl
m (1) 4 H n-Pentyl
n (1) 1 H n-Hexyl
n (1) 2 H n-Hexyl
n (1) 3 H n-Hexyl
n (1) 4 H n-Hexyl o (1) 1 H n-Heptyl
o (1) 2 H n-Heptyl
o (1) 3 H n-Heptyl
o (1) 4 H n-Heptyl
P (1) 1 H n-Octyl
P (1) 2 H n-Octyl
P (1) 3 H n-Octyl
P (1) 4 H n-Octyl
q (1) 1 H n-Nonyl
Q (1) 2 H n-Nonyl
Q (1) 3 H n-Nonyl
Q (1) 4 H n-Nonyl
r (1) 1 H n-Decyl
r (1) 2 H n-Decyl
r (1) 3 H n-Dectl
r (1) 4 H n-Decyl
s (1) 1 H 2, 6-Dimethylheptyl s (1) 2 H 2, 6-Dimethylheptyl s (1) 3 H 2, 6-Dimethylheptyl s (1) 4 H 2, 6-Dimethylheptyl t (1) 1 H 2, 6-Dimethyl-l, 5- heptadienyl
t (1) 一 2 H 2, 6-Dimethyl-l, 5- heptadienyl t (1) 一 3 H 2, 6-Dimethyl-l, 5- heptadienyl t (1) 一 4 H 2, 6-Dimethyl-l, 5- heptadienyl
X (1) 一 1 Me n - Propyl
X (1) 一 2 Me n - Propyl
X (1) 一 3 Me n - Propyl
X (1) 一 4 Me n - Propyl y (1) 一 1 Me n-Butyl
y (1) 一 2 Me n-Butyl
y (1) 一 3 Me n- Butyl
V ( 1 ) 一 4 Me n-Butyl
z (1) 一 1 Me 2-Methylpropyl z (1) 一 2 Me 2-Methylpropyl z (1) 一 3 Me 2-Methylpropyl z (1) 一 4 Me 2-Methylpropyl さらに、 前記した本発明化合物 (1) の他に、 本発明メラニン生成抑制剤とし て用いられる化合物 (2) の好ましい具体例として、 以下の表に示す化合物が挙 げられる力 これらに限定されるものではない。
なお、 化合物 (2) も、 化合物 (1) と同様、 下記の構造式で示される (2) 一 1、 ( 2 ) — 2、 ( 2 ) — 3及び ( 2 ) _ 4、 の 4種類に分けられる。
(2
化合物 NG. —般式型 R b (2) 1 H Ethyl b (2) 2 H Ethyl b (2) 3 H Ethyl b (2) 4 H Ethyl c (2) 1 H n - Propyl c (2) 2 H n - Propyl c (2) 3 H n - Propyl c (2) 4 H n - Propyl
■J,
d (2) 一 1 H Allyl
1 " d (2) 一 2 H Allyl
13, d (2) 一 3 H Allyl
1 , d (2) 一 4 H Allyl
1,
e (2) 一 1 H iso-Propyl
1 " e (2) 一 2 H iso-Propyl
13 ' e (2) 一 3 H iso-Propyl
1 4, e (2) 一 4 H iso-Propyl
1,
f (2) 一 1 H n-Butyl
1 " f (2) 一 2 H n - Butyl
1 3» f (2) 一 3 H n - Butyl
1 ' f (2) 一 4 H n - Butyl
1,
g (2) 一 1 H iso - Butyl
1 " g (2) 一 2 H iso - Butyl
13, g (2) - 3 H iso - Butyl
14, g (2) 一 4 H iso - Butyl h (2) 一 1 H tert-Butyl
■J "
h (2) 一 2 H tert-Butyl
1 3, h (2) 一 3 H tert-Butyl
1 4 » h (2) 一 4 H tert-Butyl
1,
u (2) 一 1 Me Ethyl
1 " u (2) 一 2 Me Ethyl
13, u (2) 一 3 Me Ethyl
14, u (2) 一 4 Me Ethyl ,
V (2) 一 1 Me n - Propyl
1 "
V (2) 一 2 Me n - Propyl
l3' v (2) - 3 Me n - Propyl
l4' v (2) 一 4 Me n - Propyl w (2) 1 Me n - Butyl
1" w (2) 2 Me n - Butyl
l3' w (2) 3 Me n - Butyl
l4' w (2) 4 Me n-Butyl 本発明の一般式 (1) で示される (1) — 1、 (1) —2、 (1) 一 3および (1) 一 4の化合物は、 例えば、 下記反応式のようにして合成することができる 下記の反応式中、 R1 は水素、 またはメチル基を、 また R2 は炭素数 3〜1 0 の直鎖状もしくは分岐状の、 飽和あるいは不飽和な炭化水素基を示す。
(1H
すなわち、 2, 2, 6— トリメチルシクロへキサンカルバルデヒ ド (5) と相 当するケトン (R1- CH2-C0- CH2- CH2- R2) とを、 公知の条件下、 アルドール縮合反 応により、 一般式 ( 1 ) 一 1で示される 1 — (2' , 2' , 6' — 卜リメチルシ ク口へキサン一 Γ 一ィル) ペンタン一 1 —ェンー 3—オン誘導体とし、 それを 公知の還元剤を用いた還元反応により、 一般式 (1 ) 一 2で示される 1 一 (2' , 2 ' , 6 ' — トリメチルシクロへキサン一 1 ' 一ィル) ペンタン一 1 一ェンー 3—オール誘導体とし、 さらに公知の水素化触媒を用いた水素化反応により、 一
般式 ( 1 ) 一 4で示される 1 _ ( 2 ' , 2 ' , 6, ートリメチルシクロへキサン - 1 ' 一ィル) ペンタン一 3—オール誘導体へ導くことができる。 あるいは、 一 般式 (1 ) ― 1で示される 1— ( 2, , 2, , 6 ' —卜リメチルシクロへキサン — Γ —ィル) ペンタン一 1一ェンー 3—ォン誘導体を前述の公知の水素化触媒 を用いた水素化反応により、 一般式 (1 ) _ 3で示される 1— ( 2 ' , 2 ' , 6 ' —トリメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) ペンタン一 3—オン誘導体とし、 さらに前述の公知の還元剤を用いた還元反応により、 一般式 (1 ) 一 4で示され る 1一 (2 ' , 2 ' , 6, 一トリメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) ペンタン 一 3—オール誘導体へ導くことができる。
出発物質である化合物 (5 ) は、 公知の方法であるシトロネラールの環化反応 (特開昭 6 3 - 4 4 5 4 4号公報) 、 あるいはメ トキシシ卜ロネラールの環化反 応 (特開平 4一 2 1 6 4 2号公報) によって合成することができる。 また、 シク ロシトラ一ルの二重結合を水素化することでも入手できる。 以下、 本発明の式 (1 ) の合成法をさらに詳細に説明する。
2, 2, 6—トリメチルシクロへキサンカルバルデヒド (5 ) と相当するケト ン (R' - CH2- CO- CH2- CH2- R2) とのアルド一ル縮合反応は、 通常の縮合条件をその まま用いて実施することができる。
この反応に用いられる塩基としては、 アルカリ金属水素化物、 アルカリ土類金 属水素化物、 アルカリ金属水酸化物またはアルコキシド、 アルカリ土類金属水酸 化物またはアルコキシド、 またはアルカリ金属アミ ドが挙げられる。 好ましくは 、 水素化カリウム、 水素化ナトリウム、 水素化リチウム、 水素化カルシウム、 力 リウムメ トキシド、 カリウム一 t—ブトキシド、 水酸化力リウム、 水酸化ナ卜リ ゥム、 ナトリウムメ トキシド、 リチウムメ トキシド、 水酸化カルシウム、 水酸化 ノくリウム、 ナトリウムアミ ド、 リチウムアミ ド、 リチウムジイソプロピルアミ ド である。 さらに好ましくは、 水酸化カリウム、 カリウムメ トキシド、 水酸化ナ卜 リウム、 ナトリウムメ トキシドである。
塩基の使用量は、 反応基質であるケトン類に対してモル比で 1 Z 1 0 0 0〜1 0倍、 好ましくは 1 Z 1 0〜5倍の範囲である。
反応温度は 0〜 1 5 0 °C、 好ましくは 2 0〜 1 0 0 °Cの範囲である。 反応時間 は 1〜2 0時間程度が好ましい。 溶媒量は特に限定されないが、 反応基質の 0〜 2 0倍程度が好ましい。 溶媒種としては、 メタノール、 エタノール等のアルコ一 ル類、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン等の芳香族炭化水素類、 へキサン、 ヘプタ ン等の脂肪族炭化水素類、 ジイソプロピルエーテル、 テトラヒ ドロフラン等のェ 一テル類等が挙げられる。
一般式 (1 ) — 1で示される 1— ( 2 ' , 2 ' , 6 ' — 卜リメチルシクロへキ サン一 Γ 一ィル) ペンタン一 1—ェン一 3 —オン誘導体、 あるいは一般式 ( 1 ) — 3で示される 1 一 (2, , 2 ' , 6 ' —トリメチルシクロへキサン一 Γ 一 ィル) ペンタン一 3—オン誘導体の還元反応は、 通常の還元条件をそのまま用い て実施することができる。
還元剤としては、 水素化ホウ素ナトリウム、 水素化アルミニウムリチウム等の 金属ヒ ドリ ド試薬が挙げられる。 還元剤の使用量は反応基質に対してモル比で 1 〜1 0倍、 好ましくは 1〜2倍の範囲である。 反応温度は一 5 0〜1 0 0 °C、 好 ましくは 0〜5 0 °Cの範囲である。 反応時間は 1〜2 0時間程度が好ましい。 溶 媒量は特に限定されないが、 反応基質の 0〜2 0倍、 好ましくは 1〜1 0倍の範 囲である。 溶媒種としては、 メタノール、 エタノール等のアルコール類、 ベンゼ ン、 トルエン、 キシレン等の芳香族炭化水素類、 へキサン、 ヘプタン等の脂肪族 炭化水素類、 ジィソプロピルエーテル、 テトラヒドロフラン等のエーテル類等が 挙げられる。
一般式 ( 1 ) — 2で示される 1ー (2 ' , 2 ' , 6 ' —トリメチルシクロへキ サン一 Γ 一ィル) ペンタン一 1 一ェン— 3—オール誘導体、 あるいは一般式 ( 1 ) 一 1で示される 1一 (2 ' , 2 ' , 6, 一トリメチルシクロへキサン一 1 ' 一ィル) ペンタン一 1 一ェンー 3—オン誘導体の水素化反応は、 通常の水素化条 件をそのまま用いて実施することができる。
水素化触媒としては、 ニッケル、 パラジウム、 ロジウム、 ルテニウム、 イリジ ゥム、 白金等の金属粉末自体、 あるいは担体として炭素粉末、 アルミナ粉末、 ま たはシリカゲル粉末等に吸着させた不均一系金属触媒、 あるいは Wi lkinson 錯体 に代表されるロジウム一フォスフィン触媒やイカリャ型錯体に代表されるルテニ
ゥムーフォスフィ ン触媒等の均一系有機金属触媒が挙げられる。 触媒の使用量は 反応基質に対し 0. 0 1〜2 0重量%、 好ましくは 0. 1〜5重量%の範囲であ る。 反応温度は 0〜 2 0 0 °C、 好ましくは 2 0〜1 0 0°Cの範囲である。 水素圧 は 1〜2 0 0 k gZcm2 、 好ましくは 1〜 1 0 0 k gZ cm2 の範囲である。 反応時間は 1〜2 0時間程度が好ましい。 溶媒量は特に限定されないが、 反応基 質の 0〜2 0倍、 好ましくは 1〜5倍の範囲である。 溶媒種としては、 メタノ一 ノレ、 エタノール等のアルコール類、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン等の芳香族炭 化水素類、 へキサン、 ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、 ジイソプロピルエーテル 、 テトラヒ ドロフラン等のエーテル類、 酢酸ェチル、 酢酸ブチル等のエステル類 等が挙げられる。
本発明の化合物 (1) は、 側鎖が置換しているシクロへキサン環上 Γ 位の ( R, S) 構造とメチル置換の 6' 位 (R, S) 構造に加え、 側鎖官能基がアルコ —ルの場合の 3位の (R, S) 構造および側鎖の分岐により生ずる不斉炭素上の (R, S) 構造が存在し、 光学活性体を含めた複数の異性体が存在するが、 本発 明においては、 これらのいずれの異性体であっても、 またこれらの複数の混合物 であっても用いることができる。
本発明のメラニン生成抑制剤は、 下記一般式 (1 ) で示される本発明化合物 ( 1)
(式中、 Aは C = 0または CH— OHを示し、 nは 2を示す。 R1は水素またはメ チル基を示し、 R2は炭素数 3〜1 0の直鎖状もしくは分岐状の、 飽和あるいは不 飽和な炭化水素基を示す。 点線は、 飽和あるいは不飽和な炭素一炭素結合を示す で表されるトリメチルシクロへキサン誘導体を必須成分として含有する。 さらに 、 本発明のメラニン生成抑制剤は、 下記一般式 (2) で示される化合物 (2)
(CH2)n— R、
(2)
(式中、 Aは C = 0または C H— O Hを示し、 nは 0を示す。 R 'は水素またはメ チル基を示し、 R3 は炭素数 2〜4の直鎖状もしくは分岐状の、 飽和あるいは不 飽和な炭化水素基を示す。 点線は、 飽和あるいは不飽和な炭素一炭素結合を示す o )
で表されるトリメチルシクロへキサン誘導体を必須成分とすることができる。 本発明の香料保留剤は、 一般式 (1 ) で示される下記本発明化合物 (1 )
(式中、 Aは C = 0または C H— O Hを示し、 nは 2。 R1は水素またはメチル基 を示し、 R2は炭素数 3〜1 0の直鎖状もしくは分岐状の、 飽和あるいは不飽和な 炭化水素基を示す。 点線は、 飽和あるいは不飽和な炭素一炭素結合を示す。 ) で表されるトリメチルシクロへキサン誘導体、 を必須成分として含有する。 これらの必須成分の他にケトン類、 アルデヒド類、 エステル類、 アルコール類 、 テルペン類、 天然精油、 その他通常使用される香料を適宜組み合わせて配合す ることができる。
さらに、 本発明化合物 (1 ) を 2種以上組み合わせて配合することにより、 所 望の芳香特性、 残香性の作用効果は特に高められる。
本発明において、 上記したメラニン生成抑制剤及び Z又は香料保留剤を、 剤型 中に含有させて皮膚外用剤とすることができる。
皮膚外用剤とは、 化粧品、 医薬品、 医薬部外品のことであり、 これらの剤型は 任意であり、 通常化粧品、 医薬品、 医薬部外品等に用いられているもの、 例えば 、 化粧水、 乳液、 パック、 ファンデーション、 クリーム、 軟膏、 浴用剤、 ゲル等
の剤型が挙げられる。
皮膚外用剤の剤型中のメラニン生成抑制剤の濃度は、 基剤の種類、 他のメラ二 ン生成抑制剤との併用の有無、 使用目的等により適宜変えることができるが、 通 常は外用剤全量に対して、 好ましくは 0 . 0 0 0 0 1〜 1 0重量%、 更に好まし くは 0 . 0 0 0 1〜5重量%の範囲とするのが良い。
皮膚外用剤の剤型中の香料保留剤の濃度は、 基剤の種類、 他の香料保留剤との 併用の有無、 使用目的等により適宜変えることができるが、 通常は外用剤全量に 対して、 外用剤総量を基準として、 好ましくは 0 . 0 0 0 0 1〜 1 0重量%、 更 に好ましくは 0 . 0 0 0 1〜5重量%の範囲とするのが良い。
皮膚外用剤の基剤としては、 公知の皮膚外用剤の基剤を用いることができ、 本 発明化合物に対して不活性なものであれば特に制限されることはなく、 固体、 液 体、 乳剤、 泡状剤、 ゲル状剤等のいずれも使用することができる。
また、 本発明の皮膚外用剤には、 本発明化合物のメラニン生成抑制効果、 芳香 特性及び残香性を損なわない範囲において、 医薬品、 化粧品等で一般に用いられ る各種成分、 例えば、 水性成分、 油性成分、 粉末成分、 界面活性剤、 保湿剤、 低 級あるいは多価アルコール類、 増粘剤、 着色料、 香料、 抗酸化剤、 P H調整剤、 キレート剤、 防腐剤、 紫外線防御剤、 乳化剤、 抗炎症剤、 薬効成分、 皮膚栄養剤 、 等を適宜添加することができる。
さらに、 前述の成分の他に、 他の美白成分の 1種また 2種以上を配合しても良 く、 例えば、 ノ、 °ンテテイン一 S—スルフォン酸、 イソフェルラ酸、 ァスコルビン 酸およびこれらの誘導体、 アルブチン、 コウジ酸、 リノール酸、 エラグ酸、 グリ チルリチン酸、 甘草抽出物等と併用することにより、 効果をより一層高めること ができる。
また、 前述の成分の他に、 通常使用される他の香料保留剤の 1種また 2種以上 を配合しても良く、 例えば、 ジプロピレングリコール、 ベンジルベンゾェ一卜、 トリメチルシトレ一卜、 ジェチルフタレ一ト等と併用することも可能である。 発明を実施するための最良の形態
以下に実施例によって本発明を記述するが、 本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 なお、 実施例中において用いる測定機器および測定条件を以下に示す
(1) ガスクロマトグラフ (転換率の測定) ;
機器: HP— 5 8 9 O A (ヒュ一レツ トパッカ一ド社製)
カラム : Chemical bonded column OV - 1 ( 25 mx 0.25 mm)
(ジ一エルサイェンス株式会社製)
キヤリァーガス :ヘリウム
測定温度: 100 〜220 °C (10°CZ分で昇温)
(2) 赤外吸収スぺク トル ( I R) ;
機器: I R - 8 1 0型 (日本分光工業株式会社製)
測定方法:フィルム法
(3) プロ トン核磁気共鳴スぺク トル ('H-NMR) ;
機器: AM— 4 00 ( 400 MHz) (ブルッカ一社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン
(4) 質量スぺク トル (MS) ;
機器: M— 8 0 B質量分析計 (イオン化電圧: 20 eV) (株式会社日立製作所製) 実施例 1
1— (2, , 2, , 6' — トリメチルシクロへキサン一 Γ —ィル) オクタン 一 1一ェンー 3—オン (化合物 Γ i) の合成
28%ナトリウムメ トキシド一メタノール溶液 5 gを 200 mlの反応フラスコ に枰りとり、 メタノール 1 0 mlを加えて、 還流管を付し、 1 1 0°Cの油浴で加熱 し 7<— o
メタノールが還流し始めてから、 滴下ロートより 2, 2, 6—トリメチルシク 口へキサンカルバルデヒ ド 3 0. 8 g (20 0 ミ リモル) と 2—ヘプタノン 3 0 . 0 g ( 2 6 3 ミ リモル) の混合物を 2時間かけて滴下した。
滴下終了後も加熱還流を継続し、 ガスクロマトグラフにより反応を追跡した結 果、 滴下終了後 8時間で、 原料である 2, 2, 6—トリメチルシクロへキサン力
ノレノくルデヒ ドの消失を確認した。
反応溶液を冷却後、 5 %塩酸水溶液 (1 0 0m l ) 中に注ぎ、 反応を停止後、 へキサンで抽出し、 この溶液を分液ロ ート中で飽和炭酸ナトリウム水溶液、 飽和 食塩水と順次それぞれ洗浄した後、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
固形物を濾過後、 減圧下ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、 得ら れた液体を減圧蒸留することによって、 3 7. 5 gの 1一 (2' , 2' , 6 ' — トリメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) オクタン一 1—ェンー 3—オン (化合 物 Γ i ) 1 5 0 ミ リモルが得られた。 この結果を以下に示す。
収率 : 75%
b p : 120 -121 。C (0.3mmHg)
IR(cm — ') : 2950, 2920, 2860, 1695, 1670, 1625, 1455, 990.
Ή-NMR (CDC13, ( ppm) : 0.74 (d, J = 6. Hz, 3H), 0.82 (s, 3H), 0.89 ( s, 3H), 0.90 (t, J 二 6.9 Hz, 3H), 1.12-1.24 (m, 1H), 1.24-1.70 (m, 12H), 1.70-1.78(m, 1H), 2.53(t, J = 7.5 Hz, 2H), 6.04 (d, J 二 15.8 H— z, 1H), 6 .58(dd, J = 15.8 Hz, J =10.0 Hz, 1H) .
MS : 250(M + ), 235, 207, 194, 179, 167, 151, 136, 124, 109, 95, 81, 69, 55, 41, 29. 実施例 2
1— (2, , 2' , 6, 一トリメチルシクロへキサン一 Γ —ィル) 一 7—メ チルオクタン一 1一ェン— 3—オンの (化合物 Γ k ) の合成
実施例 1の 2—ヘプタノンの代わりに、 6—メチル一 2—ヘプタノンを用いて 、 以下実施例 1に準じて、 アルドール縮合を行った。 この結果を次に示す。
収率 : 72%
b p : 128 〜129 °C (0.3讓 Hg)
IR(cm -') : 2950, 2920, 2860, 1695, 1670, 1625, 1455, 990.
Ή-NMR (CDCh, 5ppm) : 0.75 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.82 (s, 3H), 0.88 ( d, J =6.6 Hz, 6H), 0.89 (s, 3H), 1.12-1.24 (m, 3H), 1.38-1.66 (m, 9H), 1 .70- 1.78(m, 1H), 2.53(t, J = 7.5 Hz, 2H), 6.04 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.5
8(dd, J = 15.8 Hz, J = 10.0 Hz, 1H).
MS : 264(M + ), 249, 221, 207, 194, 179, 161, 151, 136, 124, 109, 95, 81, 69, 55, 43. 実施例 3
1— (2, , 2' , 6, 一 トリメチルシクロへキサン一 1, 一ィル) 一 7—メ チルオクタン一 1, 6—ジェン一 3—オン (化合物 Γ 1 ) の合成
実施例 1の 2一ヘプタノンの代わりに、 6—メチル一 5—ヘプテン一 2—オン を用いて、 以下実施例 1に準じて、 アルド一ル縮合を行った。 この結果を次に示 す。
収率 : 76%
b p : 121 〜122 °C (0.3mmHg)
IR(cm ―') : 2950, 2920, 2860, 1695, 1670, 1625, 1455, 990 .
Ή-NMR (CDCh, (5ppm) : 0.75 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.82 (s, 3H), 0.85- 0.97 (m, 1H), 0.89 (s, 3H), 1.12-1.24 (m, 1H), 1.38-1.60 (m, 5H), 1.62 (b r. s, 3H), 1.68(br. s, 3H), 1.70-1.78(m, 1H), 2.30 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 2. 57(t, J = 7.5 Hz, 2H), 5.08-5.15 (m, 1H), 6.04(d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.58 (dd, J 二 15.8 Hz, J = 10.0Hz, 1H).
MS : 262(M + ), 247, 194, 179, 161, 151, 137, 124, 109, 95, 81, 69, 5 5, 43. 実施例 4
1— (2, , 2' , 6' — トリメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) 一 2—メ チルオクタン一 1—ェン一 3—オン (化合物 Γ X) の合成
実施例 1の 2—へプタノンの代わりに、 3—ォクタノンを用いて、 以下実施例 1に準じて、 アルド一ル縮合を行った。 この結果を次に示す。
収率 : 47%
b p : 130 〜131 °C (3mmHg)
IR(cm -') : 2950, 2920, 2860, 1665, 1455.
Ή-NMR (CDC13, (5ppm) : 0.73 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.80 (s, 3H), 0.90 ( t, J =6.9 Hz, 3H), 0.91 (s, 3H), 1.05-2.55 (m, 17H), 2.65(dt, J = 7.6,2. 7 Hz, 2H), 6.43 (dd, J = 10.9 , 1.3Hz, 1H).
MS : 264(M + ), 249, 221, 208, 193, 179, 165, 136, 123, 109, 95, 81, 69, 55, 41. 実施例 5
1 — (2' , 2' , 6' ートリメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) 一デカン — 1 —ェンー 3—オン (化合物 Γ m) の合成
実施例 1の 2—へプタノンの代わりに、 2—ノナノンを用いて、 以下実施例 1 に準じて、 アルド一ル縮合を行った。 この結果を次に示す。
収率 : 73 %
b p : 131°C (0.3mmHg)
IR(cm : 2950, 2920, 2860, 1965, 1670, 1625, 1455, 990
Ή-NMR (CDC , 5ppm): 0.74 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.82 (s, 3H), 0.89(s , 3H), 0.90 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.12-1.70 (m, 17H), 1.70-1.78 (m, 1H), 2 .53(t, J 二 7.5 Hz, 2H), 6.04 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.58 (dd, J =15.8 Hz, J = 10.0 Hz, 1H).
MS : 278(M+), 263, 235, 207, 194, 179, 166, 153, 136, 124, 109, 95, 81, 69, 55, 41, 29. 実施例 6
1 - (2' , 2, , 6' —トリメチルシクロへキサン一 Γ —ィル) 一ドデ力 ン— 1 —ェン— 3—オン (化合物 Γο) の合成
実施例 1の 2—ヘプタノンの代わりに、 2—ゥンデカノンを用いて、 以下実施 例 1に準じて、 アルドール縮合を行った。 この結果を次に示す。
収率 : 70 %
b p : 137°C (0.3誦 Hg)
IR(cm -') : 2950, 2920, 2860, 1965, 1670, 1625, 1455, 990
Ή-NMR (CDC , (5ppm) 0.74 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.82 (s, 3H), 0.89(s,
3H), 0.90 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.12-1.70 (m, 21H), 1.70 - 1.78 (m, 1H), 2.5 3(t, J = 7.5 Hz, 2H), 6.04 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.58 (dd, J =15.8 Hz, J 二 10.0 Hz, 1H).
MS : 306CM+), 291, 263, 235, 207, 194, 179, 166, 153, 136, 124, 109, 95, 81, 69, 55, 41, 29. 実施例 7
1— (2' , 2' , 6 ' ートリメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) オクタン 一 1一ェン— 3—オール (化合物 Γ i ) の合成
5 0 0 mlの反応フラスコにメタノール 3 0 0 mlを入れ、 一 1 8 °Cに冷却した後 、 水素化ホウ素ナトリウム 4. 8 g (1 2 7 ミ リモル) を添加した。 水素化ホウ 素ナトリゥムが完全に溶解してから、 滴下漏斗管より実施例 1で製造した 1一 ( 2 ' , 2 ' , 6, ートリメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) オクタン一 1—ェ ンー 3—オン ( Γ i ) 3 0. 0 g ( 1 2 0 ミ リモル) を滴下した。
全量を滴下後、 氷浴を取り外し、 室温で 1時間撹拌した後、 油浴で 4 0°Cに加 熱した。
薄層クロマトグラフで反応を追跡した結果、 加熱後 2時間で、 原料である化合 物 ( Γ i ) の消失を確認した。
反応溶液を 5%塩酸水溶液 (1 0 0m l) に注ぎ、 反応を停止後、 へキサンで 抽出した後、 この溶液を分液ロート中で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 飽和塩 化アンモニゥム水溶液、 さらに飽和食塩水で順次それぞれ洗浄した後、 無水硫酸 ナトリウムで乾燥した。
固形物を濾過後、 減圧下口一タリ一エバポレーターで溶媒を留去した後、 得ら れた液体を減圧蒸留することによって目的化合物である 1— (2, , 2' , 6' —トリメチルシクロへキサン一 Γ 一ィル) オクタン一 1—ェンー 3—オール ( Γ i) 2 6. 7 g (1 0 6 ミリモル) を得た。
収率 : 88%
b p : 97〜98。C (0.3mmHg)
IR(cm -') : 3345, 2920, 2860, 1455, 1385, 1365, 970.
Ή-NMR (CDCh, (5ppm) : 0.72- 1.00(m, 12H), 1.10-1.20 (m, 1H), 1.24-1.6 4 (m, 15H), 1.66-1.74 (m, 1H), 4.02-4.12 (m, 1H), 5.28-5.44 (m, 2H).
MS : 252(M + ), 234, 219, 181, 163, 149, 127, 109, 95, 81, 69, 55, 41 , 28. 実施例 8
1 ー (2' , 2' , 6' — トリメチルシクロへキサン一 Γ —ィル) 一 7—メ チルオクタン一 1 —ェン— 3—オール (化合物 Γ k) の合成
実施例 Ίの方法に準じて、 実施例 2で得られた ( 1 ' k ) の還元反応を行った 。 この結果を次に示す。
収率 : 99%
b p : 119 〜120 。C (0.3議 Hg)
IR(cm — : 3345, 2920, 2860, 1455, 1385, 1365, 970.
Ή-NMR (CDCh, 5ppm) : 0.72-0.95 (m, 16H), 1.10-1.22 (m, 3H), 1.24-1 .62 (m, 11H), 1.66-1.74 (m, 1H), 4.08 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 5.28-5.44 (m, 2H).
MS : 266 (M +), 248, 233, 209, 181, 163, 141, 125, 109, 95, 81, 69, 5 7, 43. 実施例 9
1 — (2' , 2' , 6' — トリメチルシクロへキサン一 1, 一ィル) 一 7—メ チルオクタン一 1、 6—ジェン _ 3—オール (化合物 Γ 1 ) の合成
実施例 Ίの方法に準じて、 実施例 3で得られた ( Γ 1 ) の還元反応を行った 。 この結果を次に示す。
収率 : 88%
b p : 128 〜129 °C (0.3mmHg)
IRレ max (cm — ') : 3345, 2920, 2860, 1455, 1385, 1365, 970.
Ή-NMR (CDC , (5ppm) : 0.72-0.85 (m, 9H), 0.85-0.95 (m, 1H), 1.10-1.
20 (m, 1H), 1.38-1.74 (m, 9H), 1.61 (br. s, 3H), 1.69 (br. s, 3H), 2.05 ( q, J = 7.4 Hz, 2H), 4.09 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 5.10-5.18 (m, 110, 5.28- 5 .45 (m, 2H).
MS : 264(M + ), 246, 221, 179, 163, 149, 139, 124, 109, 95, 83, 69, 5 5, 43. 実施例 1 0
1— (2, , 2' , 6' ー トリメチルシクロへキサン一 Γ —ィル) 一 2—メ チルォクタン— 1—ェン一 3—オール (化合物 1" X) の合成
実施例 7の方法に準じて、 実施例 4で得られた (1' X) の還元反応を行った 。 この結果を次に示す。
収率 : 88%、
b p : 127 〜128 °C (3mmHg)
IR(cm ~') : 3350, 2920, 2860, 1455, 1375, 1015.
1 H-NMR (CDC , 5ppm) : 0.72-1.05(m, 12H), 1.10-2.25 (m, 1711), 1.59(b r. s, 3H), 4.03(t, J=6.4 Hz, 1H), 5.12-5.18 (m, 1H)
MS : 266(M + ), 251, 233, 195, 177, 163, 141, 125, 109, 95, 81, 69, 55, 43, 29. 実施例 1 1
1— (2, , 2' , 6' ー トリメチルシクロへキサン一 Γ —ィル) 一デカン — 1—ェンー 3—オール (化合物 1 " m) の合成
実施例 7の方法に準じて、 実施例 5で得られた (I' m) の還元反応を行った 。 この結果を次に示す。
収率 : 90 %
b p : 114°C (0.3mmHg)
IR(cm : 3345, 2920, 2860, 1455, 1385, 1365, 970
Ή-NMR (CDCh, ( ppm): 0.72-1.00 (m, 12H), 1.10-1.74 (m, 21H), 4.02 -4.12 (m, 1H), 5.28-5.44 (m, 2H).
MS : 280(M+), 262, 247, 219, 221, 207, 181, 163, 155, 138, 125, 109, 95, 81, 69, 55, 41, 28. 実施例 1 2
1一 (2' , 2' , 6' ー トリメチルシクロへキサン一 1, 一ィル) 一 ドデ力 ン— 1—ェン— 3—オール (化合物 1 " 0 ) の合成
実施例 7の方法に準じて、 実施例 6で得られた (Γ 0 ) の還元反応を行った 。 この結果を次に示す。
収率 : 99 %
b p : 142°C (0.3誦 Hg)
IR(cm -') : 3345, 2920, 2860, 1455, 1385, 1365, 970
Ή-NMR (CDC , 5ppm) : 0.72-1.00 (m, 12H), 1.10-1.74 (m, 25H), 4.02 - 4.12 (m, 1H), 5.28-5.44 (m, 211).
MS : 308(M+), 290, 275, 247, 223, 205, 183, 163, 138, 125, 109, 95, 81, 69, 55, 41, 29. 実施例 1 3
1— (2' , 2' , 6' ー トリメチルシクロへキサン一 1 ' —ィル) 一才クタ ン— 3—オール (化合物 14' i) の合成
3 0 0 mlのオートクレーブに 1— (2, , 2' , 6 ' — トリメチルシクロへキ サン一 1一ィル) 一オクタン一 1—ェン一 3—オール U" i ) 5 8. 1 g (2 3 0 ミ リモル) とメタノール 6 0 m K ロジウム一アルミナ水素化触媒 1. 4 5 g (2. 5 w t %) を入れ、 水素圧 1 0 0 k gZc m2 、 油浴温 1 0 0 °Cで水素 化を行った。
ガスクロマトグラフで反応を追跡した結果、 反応開始後 2時間で原料である化 合物 (1" i ) の消失を確認した。
反応溶液を吸引濾過して触媒を取り除き、 減圧下ロータリーエバポレーターで 溶媒を留去した後、 得られた液体を減圧蒸留することによつて目的化合物である 1— (2, , 2, , 6' — トリメチルシクロへキサン一 1一ィル) 一オクタン一
3—オール (化合物 14' i) 5 7. 4 g ( 2 2 6 ミ リモル) を得た。
収率 : 96 %
b p : 116。C (0.3mmHg)
IR(cm —リ : 3345, 2920, 2860, 1463, 1458, 1381, 1371, 1361, 1113, 978
Ή-NMR (CDCh, (5ppm): 0.50-0.57 (m, 1H), 0.79 (s, 2H), 0.84-0.97(m , 10H), 0.97-1.23 (m, 2H), 1.23-1.38 (m, 9H), 1.38-1.51 (m, 6H), 1.51 -1.65 (m, 3H), 3.55 (brs, 1H).
MS : 254(M+), 236, 221, 207, 193, 184, 180, 165, 154, 149, 138, 123, 109, 95, 83, 69, 55, 41, 28. 実施例 1 4
1— (2' , 2' , 6' —卜リメチルシクロへキサン一 Γ —ィル) 一デカン 一 3一オール (化合物 14' m) の合成
実施例 1 3の方法に準じて、 実施例 1 1で得られた (1" m) の水素化反応を 行った。 この結果を次に示す。
収率 : 95 %
b p : 127°C (0.3mmHg)
IR(cm "') : 3345, 2920, 2860, 1463, 1458, 1381, 1371, 1361, 1113, 978
Ή-NMR (CDCh, 5ppm): 0.50-0.57 (m, 1H), 0.79 (s, 2H), 0.84-0.97(m 10H), 0.97-1.23 (m, 2H), 1.23 - 1.38 (m, 13H), 1.38 - 1.51 (m, 6H), 1.
51 - 1.65 (m, 3H), 3.55 (brs, 1H).
MS : 282( +), 264, 249, 221, 208, 183, 180, 154, 138, 124, 109, 95, 83, 69, 55, 41, 28. 実施例 1 5
1 _ (2, , 2' , 6' —卜リメチルシクロへキサン一 Γ —ィル) 一ドデ力 ンー 3—オール (化合物 14' 0) の合成
実施例 1 3の方法に準じて、 実施例 1 2で得られた (1" 0 ) の水素化反応を 行った。 この結果を次に示す。
収率 : 94 %
b p : 140°C (0.3mmHg)
IR(cm "') : 3345, 2920, 2860, 1463, 1458, 1381, 1371, 1361, 1113, 978
Ή-NMR (CDC , 5ppm): 0.50-0.57 (m, 1H), 0.79 (s, 2H), 0.84-0.97(m , 10H), 0.97-1.23 (m, 2H), 1.23-1.38 (m, 17H), 1.38-1,51 (m, 6H), 1. 51-1.65 (m, 3H), 3.55 (brs, 1H).
MS : 310(M+), 292, 277, 249, 236, 221, 207, 154, 138, 124, 109, 95, 83, 69, 55, 41, 28. 実施例 1 6
色素細胞に対するメラニン生成抑制作用 - プラスチック培養フラスコ (2 5 cm2 ) に 8 X 1 04 個の B— 1 6メラノ一 マ細胞を播種し、 1 0%血清を含む DMEN培地 (日本水産 (株) 商品名) で 5 %二酸化炭素の存在下、 3 7°Cの温度で培養した。 3日後、 E t OHで希釈した テスト試料を培地中の濃度が、 0. 4、 0. 8、 1. 6、 3. 1、 6. 2 p pm に添加し、 更に 3日間培養した。
培養終了後、 培地を除去し、 リン酸緩衝溶液 (以下、 PBSという。 ) で洗浄 後、 トリプシンおよび EDTA (エチレンジアミンテトラ酢酸) 含有培地を使用 して細胞をフラスコから剝離させ、 細胞懸濁液から遠心分離により細胞を回収し た。
得られた細胞を PBSで 1回洗浄した後、 沈渣の白色度を目視観察した。 その 結果を表 1に示す。
- :溶媒対照と同等 (黒色)
+ :溶媒対照とわずかに差がある (黒灰色)
+ + :溶媒対照と明らかに差がある (白灰色)
+ + + :細胞の着色が認められない (白色)
66df/6dS8£y66 OAV、 -
ε
a. + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
+ + + + + +
4- 1 1 1 + +卞 1 + + + + 1 +十 1 + 1 + + 1 + 1 + 1 + 1 + + + 1 + 1 卞 + 1 2 6. 卞 卞 卞 卞 卞 卞 十 十 卞 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 e
cx
x + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ― 1 + + + + + 1 + + + + + 1 + + 1 + 1 + 1 + + + + + + + + + + 十 1 1 1 十 1
卞 十 十 十 十 十 十 十
O e
cx
x + + + + + + + + +
CD + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
4 _L
Γ- 1一 Γ 1 4 Γ-
o
r bo e f —1 S S X
これらの結果から明らかなように、 本発明化合物である トリメチルンクロへキ サン誘導体は、 いずれも溶媒対照 (コントロール) に比べ、 色素細胞内のメラ二 ン産成を顕著に抑制する作用を有することが認められた。
その抑制活性は著しく化合物側鎖の炭素数に依存し、 例えば濃度 3. 1 p pm における活性は、 共役ケトンについては、 試料 Γ b、 1 ' c、 1 ' i及び Γ mの対比から、 側鎖の炭素数 5付近において極大を示し、 飽和アルコールについ ては、 試料 ' b、 l4' c, l4' i及び l4'mの対比から、 側鎖の炭素数 5付近 において極大を示し、 また、 ァリルアルコールについては、 試料 1" b、 1" c 、 1" i及び 1" mの対比から、 側鎖の炭素数 3〜 5付近において極大を示すこ とが見出された。
さらに、 目視観察から側鎖官能基種による活性強度は、 ァリルアルコール〉共 役ケトン>飽和アルコールの順番の傾向が認められた。
抑制活性と化合物側鎖の炭素数との関係を、 表 1から一部を抽出して表 2に示 す。
表 2
実施例 1 6と同様の方法で、 アルプチン、 テトラヒ ドロョノ一ル、 β -≡ Jン 、 ジヒ ドロ一 /3—ョノンと新規な本発明化合物 (Γ i, 1 " i, l 4' i ) の色 素細胞に対するメラニン生成抑制作用を測定した。 結果を表 3に示した。
表 3
これらの結果から明らかなように、 構造が全く異なる代表的メラ二ン生成抑制 剤であるアルブチンおよび構造類似の化合物であるョノン誘導体等の比較化合物 と比べ、 本発明化合物は、 より低濃度においても著しく強いメラニン生成抑制効 果が認められた。 実施例 1 7
本発明化合物 (Γ i, 1 " i ) を 2重量%含むラノリ ンべ一ス トをパッチテ ス ト用絆創膏 (鳥居薬品株式会社製) に 5 O m g塗布したものを 2 0歳代から 5 0歳代の男女 3 0人のパネラーの上腕部に貼り、 2 4時間後に剝がした時点、 お よびその後さらに 2 4時間経過時点の 2回にわたり被検物質発布部の皮膚状態を 観察し、 異常が認められた場合はその程度および人数を判定した。 その結果を表 4に示した。
表 4
実施例 1 8
本発明化合物について、 専門パネラー 7人による匂い紙上での香気評価を行い 、 その結果を表 5に示した。
表 5 被検化合物 香 質 評 価 本発明 I 1
化合物 1 " k 欺 旲
1 " 1 1 吴
1 4' i 非常に弱い、 微かなアンバー香
1 " j ほとんど無臭
1 4, m 吴
1 n ハ、、,
1 4 ο Ant.
、、、 ノ、 比較化 テトラヒドロヨノール ドライなゥッディ一系の匂い
合物 /S—ョノン 甘さのある強いゥッディ一フローラル 系の匂い
ジヒドロー /3—ョノン アンバー感のあるゥッディ一フローラ ル系の匂い
比較例 2
実施例 1 8と同様の方法で、 比較化合物として、 テトラヒドロヨノール、 β - ョノン、 ジヒ ドロ一 3—ョノンの匂い評価を行い、 結果を表 5に示した。
この表 5の結果から明らかなように、 低分子量である比較化合物に較べて、 本 発明化合物は、 無臭であるため、 皮膚外用剤に賦香する香料の芳香に悪影響を与 えない。 実施例 1 9
下記表中の油相部と水相部の成分を室温で各々撹拌しながら溶解した。 水相部 を油相部に加え可溶化して、 化粧水を調製した。 油相部及び水相部の各成分を重 量%で示す。
<油相部 >
1一 (2, , 2 ' , 6 ' — トリメチルシクロへキサン一 Γ 一 0. 01 ィル) オクタン一 1 —ェン一 3 —オン (化合物 1 ' i )
ェタノ一ル 20. 0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 (50E. 0. ) 0. 05 パラォキシ安息香酸メチル 0. 1 香料 0. 1 <水相部〉
グリセリ ン 10. 0
1, 3—ブチレングリコール 5. 0 精製水
得られた化粧水は、 本発明化合物が配合されていない処方のものに比べ美白効 果に優れ、 保存安定性も良好であった。 実施例 2 0
下記表中の油相部と水相部の成分を室温で各々撹拌しながら溶解した。 水相部 を油相部に加え可溶化して、 乳液を調製した。 油相部及び水相部の各成分を重量
%で示す。
ぐ油相部〉
1 - (2' , 2, , 6 ー トリメチルシクロへキサン一 Γ 一 0.1 ィル) オクタン一 1 ェンー 3—オール (化合物 1" i )
ステアリン酸 2.0 流動パラフィ ン 6.0 スクワレン 2.0 ソルビタンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ一ト (20E.0.) 2.0 パラォキシ安息香酸ブチル 0.05 パラォキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.15 ぐ水相部〉
グリセリン 5.0
1, 3—ブチレングリコール 5.0 精製水 残部 得られた乳液は、 本発明化合物が配合されていない処方のものに比べ美白効果 に優れ、 保存安定性も良好であった。 実施例 2 1
下記表中の油相部と水相部の各成分を 7 0°Cで各々撹拌しながら溶解した。 水 相部に油相部をかきまぜながら徐々に加え予備乳化を行い、 ホモミキサ一で均一 に乳化し、 乳化後、 よく撹拌しながら 3 0°Cまで冷却しクリームを調製した。 油 相部及び水相部の各成分を重量%で示す。
<油相部 >
1— (2, , 2' , 6 — トリメチルシクロへキサン一 Γ 一 0.1 ィル) オクタン一 3 オール (化合物 14, i)
ステアリ ン酸 2.0 流動パラフィ ン 23.0
ワセリン 7.0 ソルビタンモノステアレ一 ト 3.5 ミツロウ 2.0 ベへニノレアルコーノレ 1.0 ポリ '一ト (20E.0. ) 2.5 パラォキシ安息香酸ブチル 0.05 パラォキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.15 ぐ水相部 >
グリセリ ン 5.0
1, 3—ブチレングリコール 5.0 精製水 残部 得られたクリームは、 本発明化合物が配合されていない処方のものに比べ美白 効果に優れ、 保存安定性も良好であった。 実施例 22
単品香料における香り立ち試験
メチルノニルケトン (A) 及びノルマルデシルアルデヒ ド (B) のそれぞれに ついて、 香り立ち試験を行った。
上記の単品香料 A, Bのそれぞれと、 表 6に示す 3種の保留剤及び本発明化合 物 (1" i) を、 それぞれ 1 0 Omgf l : 1 (重量比) で均一に混和し、 底 に濾紙を敷いた直径 40 mm、 高さ 50 mmの広口瓶の濾紙上に約 1 0. 0 m g を量り込み、 蓋をしめて 3 0分間放置し、 評価サンプルとした。
保留剤なしのサンプルについては各単品香料 5. Om を量り込み評価サンプ ルとした。
評価は 5年以上経験した調香専門パネラー 1 0人で行い、 蓋を開けた直後の香 り立ちを以下の評価点にて評価し、 パネラー 1 0人の合計点を評価値とした。
評価点 : 保留剤なしのサンプルより強く感じる 〜2
保留剤なしのサンプルとの差を感じない… 1
保留剤なしのサンプルより弱く感じる これらの結果を表 6に示す。
表 6 香り立ち試験
単品香料における残香性試験
メチルノニルケトン (A) 、 ノルマルデシルアルデヒ ド (B)及びェチルォク タノエー卜 (C) のそれぞれについて、 残香性試験を行った。
上記の単品香料 A, B及び Cのそれぞれと、 表 7に示す保留剤及び本発明化合 物 (1" i) のそれぞれを、 実施例 22と同様に、 それぞれ 1 0 Omgf l : 1 (重量比) で均一に混和し、 底に濾紙を敷いた直径 40 mm, 高さ 50 mmの 広口瓶の濾紙上に約 10. Omgを量り込み、 室温にて開放系で約 8時間放置し 、 評価サンプルとした。
保留剤なしのサンプルについては、 5. 0 mgを量り込み評価サンプルとした
評価は、 実施例 2 2と同様に行った。 調香専門パネラー 1 0人で行い、 残香強 度を保留剤なしのサンプルと比較し、 以下の評価点を評価し、 パネら一 1 0人の 合計点で評価値とした。
評価点 : 保留剤なしのサンプルより強く感じる 〜2
保留剤なしのサンプルとの差を感じない… 1
保留剤なしのサンプルより弱く感じる … 0
その結果を表 7に示す。
表 7 残香性試験 評価サンプル
評価値 香 料 保 留 剤 メチルノ二ルケトン ジプロピレングリコール 10
〃 卜リエチルシトレ一卜 13
〃 ベンジルベンゾエート 16
〃 本発明化合物 (1" i) 20 ノルマルデシルアルデヒ ド ジプロピレングリコール 7
トリエチルシ卜レート 8
〃 ベンジルベンゾエート 7
〃 本発明化合物 (Γ i) 15 ェチルォクタノエ一卜 ジプロピレングリコール 8
〃 トリェチルシトレート 11
〃 ベンジルベンゾェート 13
〃 本発明化合物 (Γ i) 16
実施例 2 4
香料組成物における香り立ち、 残香性試験
表 8に示す処方に従い、 処方 A、 処方 B、 比較処方 1、 比較処方 2、 比較処方 3の香料組成物を調製し、 これらの香料組成物を用い、 香り立ち試験および残香 性試験を行った。
底に濾紙を敷いた直径 4 0 mm, 高さ 5 0 mmの広口瓶の濾紙上に、 表 8に示 す香料組成物約 1 0 . O m gを量り込み、 蓋を締めて 3 0分間放置し、 評価サン プルとし、 蓋を開けた直後の香り立ち、 及び開放系で約 8時間経過時点での残香 性を評価した。
評価は 5年以上経験した調香専門パネラー 1 0人で 3回繰り返して判定し (合 計 3 0人) 、 比較処方 3に対する強度を評価した。
その結果を表 8に示した。
表 8中、 比較処方 3に対して、 最も香り立ちが高いと感じた人数の結果を示す 。 比較処方 3の評価結果 「3」 は差を感じない値である。 また、 比較処方 3に対 して、 最も残香性が高いと感じた人数の結果を示す。 比較処方 3の評価結果 「3 」 は "差を感じない値" に相当する。
表 8 香り立ち及び残香性試験
各成分の単位は gである。
以上の結果より、 本発明化合物は、 上記調合香料に対しても香料の香り立ち、 残香性、 共に優れた結果を示し、 また、 本発明化合物を組み合わせて配合するこ とにより、 その効果は更に顕著であった。 産業上の利用可能性
本発明によって、 メラニン生成抑制剤及び香料保留剤として有用な新規な卜リ メチルシクロへキサン誘導体を提供する。 また、 高いメラニン生成抑制効果があ り、 安定性、 安全性に優れており、 さらに、 製品香気に影響を与えない従来のも のより優れている新しいメラニン生成抑制剤、 及び香料の香り立ち、 残香性を著 しく高める新しい香料保留剤を提供する。 メラニン生成抑制剤を皮膚外用剤に製 剤した時にも、 処方系もしくは基剤中で安定性が極めて良く、 且つ安全で、 充分 な美白効果のある皮膚外用剤を提供することができる。