JP2003119128A - メラニン生成抑制剤及び皮膚外用剤 - Google Patents

メラニン生成抑制剤及び皮膚外用剤

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JP2003119128A
JP2003119128A JP2001315378A JP2001315378A JP2003119128A JP 2003119128 A JP2003119128 A JP 2003119128A JP 2001315378 A JP2001315378 A JP 2001315378A JP 2001315378 A JP2001315378 A JP 2001315378A JP 2003119128 A JP2003119128 A JP 2003119128A
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carbon atoms
melanin production
hydroxy
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macrocyclic
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Hiroyuki Matsuda
洋幸 松田
Hideko Tamai
英子 玉井
Masaya Watabe
真哉 渡部
Toshimitsu Hagiwara
利光 萩原
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Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いメラニン生成抑制効果があり、安定性、
安全性に優れたメラニン生成抑制剤及びそれを含有する
皮膚外用剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式で表される大環状α−ヒドロ
キシケトン化合物を含有することを特徴とするメラニン
生成抑制剤。 【化1】 (式中、R1は、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換
されていてもよい、飽和又は1〜3個の不飽和結合を有
する環員炭素数16〜26の環状炭化水素基を形成する
鎖状炭化水素基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規大環状ヒドロ
キシケトン化合物、該新規大環状ヒドロキシ化合物を含
む大環状ヒドロキシケトン化合物を含有するメラニン生
成抑制剤に関する。さらに、本発明は、これらのメラニ
ン生成抑制剤を1種又は2種以上含有する皮膚外用剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚への紫外線等の照射により日焼けを
起こし、皮膚組織が色黒く変色を生じるのは、紫外線暴
露による刺激やホルモン等が原因となって、色素細胞に
おいてメラニンが生成、沈着することに起因する。そば
かす、しみなどは皮膚局所において表皮全層にメラニン
が滞って沈着している状態である。
【0003】この表皮におけるメラニン合成について
は、色素細胞の中で生合成された酸化酵素であるチロシ
ナーゼがチロシンを酸化重合させることでメラニンが生
成するとされている。このような、メラニンの生成、沈
着過程を抑制することが美白剤開発としての課題であ
り、様々な研究がなされてきた。
【0004】これまでに、チロシナーゼの活性を阻害し
てメラニン生成を抑制する物質や、生成したメラニンを
淡色漂白化する物質として、ビタミンC、システイン、
コウジ酸、アルブチン、グルタチオン、ハイドロキノン
や天然物からの抽出物等の有効性が確認されている。し
かしながら、これらの物質は安定性、安全性、美白効果
も十分ではなく、未だ満足のいく美白剤は得られていな
い。
【0005】また、大環状ヒドロキシケトン構造を有す
るメラニン生成抑制効果のある化合物として、ムスク香
料の合成中間体として知られる15員環ヒドロキシケト
ン構造を有する2−ヒドロキシシクロペンタデカノン
(特開平9−151129号公報)が報告されている。
しかし、この化合物のメラニン生成抑制効果も未だ充分
ではなく、さらに活性の強いメラニン生成抑制剤の開発
が望まれていた。
【0006】米国特許第6200254号明細書には、
下記の化学式(4a)
【化4】 (R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原
子、又は炭素数1〜4のアルキル基、aは1又は2、b
は1〜6を示す。)で表される大環状ジエンケトン化合
物及び下記の化学式(4b)
【化5】 (R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原
子、又は炭素数1〜4のアルキル基、aは1又は2、b
は1〜6を示す。)で表される飽和又はモノ不飽和大環
状ケトンの化合物を合成する際の反応中間体とて、α−
ヒドロキシケトン体を経由することが報告されている。
【0007】また、より環員数が大きな大環状ヒドロキ
シケトンについては、例えば22員環の2−ヒドロキシ
シクロドコサノン及び24員環の2−ヒドロキシシクロ
テトラコサノンが、それぞれ[20.3.3]プロペラン-24,27
-ジオン及び[22.3.3]プロペラン-26,29-ジオンの合成中
間体であることが知られている(Helv. Chim. Acta,68,
2033(1985), J. Am. Chem. Soc., 109, 7477(1987))。
【0008】また、24員環の2−ヒドロキシシクロテ
トラコサノンは、配座解析に用いるトランス−テトラコ
サン−1,2−セミジオンの前駆体としても知られてい
る(J. Am. Chem. Soc., 107, 1717(1985))。26員環の
2−ヒドロキシシクロヘキサコサンは、ジエチル 1,
26−ヘキサコサンジオエートのアシロイン環化反応の
生成物として報告されている(Ann. Chim. (Rome), 60
(2), 155(1970))。
【0009】さらに、28員環の2−ヒドロキシシクロ
オクタコサノン及び30員環の2−ヒドロキシシクロト
リアコンタノンについては、シャトル分子の大環状リン
グ部分構築に利用した報告がある(Chem. Ber., 113, 94
1(1980), J. Am. Chem. Soc., 89, 5723(1967))。
【0010】しかし、これらの13〜19員環及び22
員環以上の大環状化合物については、α−ヒドロキシケ
トン体の特性についての記載はなく、したがって、前記
一般式(1)で示される環員炭素数16〜26の大環状
α−ヒドロキシケトン化合物が、メラニン生成抑制剤と
して有効であることは全く予想外であったものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
メラニン生成抑制効果があり、安定性、安全性に優れた
メラニン生成抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような現状におい
て、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、下記一般式
(1)
【化6】 (式中、R1は、全環員炭素数16〜26のうち、環員
炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の低級アル
キル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽
和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で示される大
環状α−ヒドロキシケトン化合物が、生きた色素細胞の
メラニン産生に対し強力な抑制作用を有していることを
見出し本発明を完成した。
【0013】また、該大環状ヒドロキシケトン化合物を
含有するメラニン生成抑制剤が、安定性、安全性に優
れ、高いメラニン生成抑制効果を有していること、さら
に該メラニン生成抑制剤を含有した皮膚外用剤が処方系
中もしくは基剤中で安定で且つ安全で、優れた美白効果
があることを見いだし、本発明を完成した。本発明は以
下の各発明を包含する。
【0014】(1)下記一般式(1)
【化7】 (式中、R1は、全環員炭素数16〜26のうち、環員
炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の低級アル
キル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽
和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大
環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を
含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【0015】(2)下記一般式(2)
【化8】 (式中、R2は、全環員炭素数18〜24のうち、環員
炭素数16〜22を形成する、炭素数1〜3の低級アル
キル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽
和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大
環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を
含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【0016】(3) 前記(1)〜(2)項記載のメラ
ニン生成抑制剤の1種又は2種以上を含有することを特
徴とする皮膚外用剤。
【0017】(4) 前記(1)〜(2)項記載のメラ
ニン生成抑制剤の1種又は2種以上を0.00001〜
10質量%含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【0018】(5) 下記一般式(3)
【化9】 (式中、R3は、全環員炭素数20又は21のうち、環
員炭素数18又は19を形成する、炭素数1〜3の低級
アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の
不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表され
る大環状α−ヒドロキシケトン化合物。
【0019】(6) 前記(5)項記載の大環状α−ヒ
ドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を含有するこ
とを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【0020】(7) 前記(6)項記載のメラニン生成
抑制剤の1種又は2種以上を含有することを特徴とする
皮膚外用剤。
【0021】(8) 前記(6)項記載のメラニン生成
抑制剤の1種又は2種以上を0.00001〜10質量
%含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、さらに詳
細に説明する。本発明のメラニン生成抑制剤である前記
一般式(1)で示される大環状α−ヒドロキシケトン化
合物において、R1は、全環員炭素数16〜26のう
ち、環員炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の
低級アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3
個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。また、
一般式(2)において、R2は、全環員炭素数18〜2
4のうち、環員炭素数16〜22を形成する、炭素数1
〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい、飽和又
は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示
す。ここで、炭素数1〜3の低級アルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基などを挙げることができる。
【0023】本発明のメラニン生成抑制剤である一般式
(1)及び一般式(2)の化合物の具体例としては、以
下に示す化合物が挙げることができる。しかしながら、
本発明の一般式(1)及び一般式(2)の化合物は、以
下に例示した化合物に限定されるものではない。
【0024】飽和体としては、例えば、2−ヒドロキシ
シクロヘキサデカノン、2−ヒドロキシシクロヘプタデ
カノン、2−ヒドロキシシクロオクタデカノン、2−ヒ
ドロキシシクロノナデカノン、2−ヒドロキシシクロイ
コサノン、2−ヒドロキシシクロヘンコサノン、2−ヒ
ドロキシシクロドコサノン、2−ヒドロキシシクロトリ
コサノン、2−ヒドロキシシクロテトラコサノン、2−
ヒドロキシシクロペンタコサノン、2−ヒドロキシシク
ロヘキサコサノン、2−ヒドロキシ−3−メチルシクロ
イコサノン、2−ヒドロキシ−20−メチルシクロイコ
サノン、2−ヒドロキシ−4,19−ジメチルシクロイ
コサノン、(4R)−2−ヒドロキシ−4−メチルシク
ロイコサノン、(19R)−2−ヒドロキシ−19−メ
チルシクロイコサノン等が挙げられる。
【0025】また、不飽和体としては、例えば、2−ヒ
ドロキシ−8−シクロヘキサデセノン、2−ヒドロキシ
−9−シクロヘプタデセノン、2−ヒドロキシ−10−
シクロオクタデセノン、2−ヒドロキシ−10−シクロ
ノナデセノン、2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノ
ン、(Z)−2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノ
ン、(E)−2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノ
ン、2−ヒドロキシ−10−シクロヘンコセノン、2−
ヒドロキシ−11−シクロドコセノン、2−ヒドロキシ
−13−シクロテトラコセノン、2−ヒドロキシ−3−
メチル−11−シクロイコセノン、2−ヒドロキシ−2
0−メチル−11−シクロイコセノン、2−ヒドロキシ
−4、19−ジメチル−11−シクロイコセノン、(4
S)−2−ヒドロキシ−4−メチル−11−シクロイコ
セノン、(19S)−2−ヒドロキシ−19−メチル−
11−シクロイコセノン、(5E、15E)−2−ヒドロ
キシ−5、15−シクロオクタデカジエノン、(5E、
17E)−2−ヒドロキシ−4、19−ジメチル−5、
17−シクロイコサジエノン等が挙げられる。
【0026】本発明の一般式(1)及び一般式(2)の
化合物は、鎖状炭化水素基の置換により生ずる不斉炭素
上の(R,S)構造により光学活性な異性体が存在する
が、本発明においては、これらのいずれの異性体であっ
ても、またラセミ体であっても用いることができる。さ
らに、二重結合により生ずるシス体及びトランス体のい
ずれの異性体であっても、また、それらの混合物であっ
ても用いることができる。
【0027】本発明のメラニン生成抑制剤である一般式
(1)及び一般式(2)の化合物中、前記一般式(3)
で示される全環員炭素数20又は21の大環状α−ヒド
ロキシケトン化合物は、従来、知られていない新規な化
合物であり、顕著なメラニン生成抑制効果を示し、安
定、保存可能な化合物である。
【0028】一般式(3)の化合物の具体例としては、
以下に示す化合物が挙げることができる。しかしなが
ら、本発明の一般式(3)で示される化合物は、以下に
例示の化合物に限定されるものではない。飽和体として
は、例えば、2−ヒドロキシシクロイコサノン、2−ヒ
ドロキシシクロヘンコサノン等が挙げられる。また不飽
和体としては、例えば、2−ヒドロキシ−11−シクロ
イコセノン、2−ヒドロキシ−11−シクロヘンコセノ
ン、2−ヒドロキシ−12−シクロヘンコセノン等が挙
げられる。
【0029】本発明の一般式(1)〜(3)の各化合物
は、例えば、以下に示すように、相当する炭素数を有す
る両末端長鎖ジカルボン酸ジエステル(I)から、公知
の方法であるアシロイン縮合反応により合成することが
できる(特許第3087921号)。さらに、飽和体
(III)は相当する不飽和体(II)を定法に従い、水素
化することで容易に得ることができる。
【0030】
【化10】
【0031】(式中、R’は、炭素数1〜4の低級アル
キル基を示し、R”は、炭素数1〜3の低級アルキル基
で置換されていてもよい1〜3個の不飽和結合を有する
炭素数14〜24の鎖状炭化水素基を示し、該R”は、
上記飽和体(II)においては、全環員炭素数16〜26
のうち、環員炭素数14〜24を形成しており、R''’
は、全環員炭素数16〜26のうち、環員炭素数14〜
24を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換
されていてもよい飽和鎖状炭化水素基を示す。)
【0032】また、基R”中に不飽和結合を有し、相当
する鎖長炭素数を有する両末端長鎖ジカルボン酸ジエス
テル(I)は、例えば以下に示す様に同一あるいは異な
る種類の不飽和エステル間のメタセシス反応により得る
ことができる。
【化11】
【0033】(式中、R’は、炭素数1〜4の低級アル
キル基を示し、R”は、炭素数1〜3の低級アルキル基
で置換されていてもよい、1〜3個の不飽和結合を有す
る炭素数14〜24の鎖状炭化水素基を示し、P及びQ
は、互いに独立して、1〜3個の低級アルキル基で置換
されていてもよい、炭素数2〜18の鎖状炭化水素基を
示す。但し、P及びQ中の鎖状炭化水素基の直鎖炭素数
の総和は10〜20である。)
【0034】ここで、上記式中の不飽和エステル(IV
a)及び(IVb)は、市販されているもの〔例えば、10−
ウンデセン酸メチル(東京化成)〕をそのまま或いは必
要に応じて精製して使用することができる。また、光学
活性体を含む3−メチル置換不飽和エステル体は、例え
ば特開平2000−53675号公報記載の方法で得る
こともできる。
【0035】不飽和エステル(IVa)及び(IVb)の上記し
たメタセシス反応は、無溶媒で行うことも可能である
が、反応に関与しない不活性な溶媒であれば何れのもの
をも用いることができ、例えば、塩化メチレン、クロロ
ホルム等の塩素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
メトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジオキサン等
のエーテル系溶媒等の有機溶媒或いはそれら混合溶媒
を、不飽和エステル(IVa)及び(IVb)に対して1〜10
0倍容量用いて、グラッブス触媒を1000分の1〜5
分の1モル倍量の存在下で行われる。反応は、通常約5
〜50℃程度で、約1〜20時間程度で完了する。反応
の後処理は通常の方法によって行われる。
【0036】得られた化合物(I)の上記したアシロイン
縮合は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフ
タレン等の芳香族系溶媒を、化合物(I)に対して5〜1
00倍容量用いて、金属ナトリウム、金属リチウムなど
のアルカリ金属を4〜8モル倍量の存在下、必要に応じ
て、塩化トリメチルシリル等の添加剤を4〜8モル倍量
を用いて行われる。反応は、通常約100〜150℃程
度で、約1〜10時間程度で完了する。反応の後処理は
通常の方法によって行われる。
【0037】得られた化合物(II)の前記した水素化に使
用できる溶媒は、反応に関与しない不活性な溶媒であれ
ば何れのものでもよく、例えば、メタノール、エタノー
ル、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジオキ
サン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン等の炭化水素系溶媒等の有機溶媒或いはそれら混合溶
媒などを、化合物(I)に対して1〜100倍容量用い
て、パラジウム炭素、パラジウム−アルミナ、パラジウ
ム−シリカ、パラジウム−ブラックなどの金属担持触媒
を0.1〜50質量%の存在下、水素圧は常圧〜665
0Paで行われる。反応は、通常約0〜100℃程度で、
約1〜20時間程度で完了する。反応の後処理は通常の
方法によって行われる。
【0038】また、本発明の一般式(1)〜(3)にお
けるR1〜R3において、不飽和結合を二つ以上有し、相
当する鎖長炭素数を有する両末端長鎖ジカルボン酸ジエ
ステルは、例えば以下に示すように米国特許62002
54号明細書記載の方法に従い合成することができる。
【0039】すなわち、ジアルデヒドを同一あるいは異
なる種類の2倍のビニルグリニア反応によりジアリルア
ルコール体へと導いた後、トリアルキルオルソホルメー
トを用いたクライゼン転移を行うことで相当する両末端
長鎖ジカルボン酸ジエステル(2')を得ることができ
る。
【0040】
【化12】
【0041】しかしながら、一般式(1)〜(3)の化
合物の製造は、上記した方法に制限されるものではな
く、他の方法によって製造してもよい。
【0042】本発明の一般式(1)〜(3)の化合物
〔以下、一般式(1)の化合物で代表する〕は、以下の
実施例にも示すように、色素細胞に対するメラニン生成
抑制作用を有し、保存安定性において優れている。
【0043】本発明の一般式(1)の化合物を含有する
本発明のメラニン生成抑制剤は、一般式(1)の化合物
のうちの1種類のみを含有していても、又は2種類以上
を含有していてもよい。また、本発明のメラニン生成抑
制剤は、一般式(1)の化合物の1種又は2種以上と、
従来公知の美白成分、例えば、パンテテイン−S−スル
ホン酸、イソフェルラ酸、アスコルビン酸及びこれらの
誘導体、アルブチン、コウジ酸、リノール酸、エラグ
酸、グリチルリチン酸、甘草抽出物等の1種又は2種以
上を含有する混合型のメラニン生成抑制剤であってもよ
い。
【0044】さらに、本発明のメラニン生成抑制剤は、
一般式(1)の化合物の1種又は2種以上と紫外線吸収
剤の両方を含有する混合型のメラニン生成抑制剤であっ
てよく、その場合にはメラニン生成抑制効果と紫外線吸
収剤のもつ紫外線遮蔽効果の両方の効果を得ることがで
きる。一般式(1)の化合物と併用する紫外線吸収剤と
しては、従来公知の紫外線吸収剤、例えば、"Pars
ol 1789”等のジベンゾイルメタン誘導体や”ソ
フトシェードA”などのα−デヒドロアミノ酸誘導体な
どのUV−A吸収剤;p−アミノ安息香酸エステル類、
p−メトキシ桂皮酸エステル類、2−フェニルベンゾイ
ミダゾール誘導体、4−フェニルベンゾフェノン等のベ
ンゾフェノン誘導体、サリチル酸フェニルエステル等の
サリチル酸誘導体、没食子酸誘導体等のUV−B吸収剤
を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用い
ることができる。
【0045】本発明において、皮膚外用剤とは、化粧
品、医薬品、医薬部外品のことであり、これらの剤型は
任意であり、通常、化粧品、医薬品、医薬部外品等に用
いられているもの、例えば、化粧水、乳液、パック、フ
ァンデーション、クリーム、軟膏、浴用剤、ゲル等の剤
型が挙げられる。
【0046】皮膚外用剤の剤型中のメラニン生成抑制剤
の濃度は、基剤の種類、他のメラニン生成抑制剤との併
用の有無、使用目的等により適宜変えることができる
が、通常は外用剤全量に対して、好ましくは0.000
01〜10質量%、さらに好ましくは0.0001〜1
質量%の範囲とするのが良い。皮膚外用剤の基剤として
は、公知の皮膚外用剤の基剤を用いることができ、本発
明化合物に対して不活性なものであれば特に制限される
ことはなく、固体、液体、乳剤、泡状剤、ゲル状剤等の
いずれも使用することができる。
【0047】また、本発明の皮膚外用剤には、本発明の
化合物のメラニン生成抑制効果を損なわない範囲におい
て、医薬品、化粧品等で一般に用いられる各種成分、例
えば、水性成分、油性成分、粉末成分、界面活性剤、保
湿剤、低級あるいは多価アルコール類、増粘剤、着色
料、香料、抗酸化剤、PH調整剤、キレート剤、防腐
剤、紫外線防御剤、乳化剤、抗炎症剤、薬効成分、皮膚
栄養剤、等を適宜添加することができる。また、本発明
のメラニン生成抑制剤を皮膚外用剤の剤型中に混合する
場合は、単独で他の各種成分と混ぜても、あるいは香料
組成物中に溶解させた後にその他の各種成分と混ぜても
どちらでも良い。
【0048】
【実施例】以下に、具体例によって本発明を説明する
が、本発明はこれらの実施例等によって限定されるもの
ではない。なお、実施例中において用いる測定機器及び
測定条件を以下に示す。
【0049】(1)ガスクロマトグラフ(転換率の測
定); 機器:HP−5890A(ヒューレットパッカード社
製) カラム:Neutrabond-1 ( 30m×0.25mm )(ジーエルサイ
エンス株式会社製) キャリアーガス:ヘリウム 測定温度:100 〜300 ℃(10℃/分で昇温) (2)赤外吸収スペクトル(IR); 機器:AVATAR 360FT-IR(ニコレ−社製) (3)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR); 機器:DRX-500(500MHz)(ブルッカー社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン (4)質量スペクトル(MS); 機器:M−80B質量分析計(イオン化電圧:20e
V)(株式会社日立製作所製) (5)融点;機器:MP−S3型(柳本商事会社製)
【0050】実施例1 〔2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン(C20)
の合成〕温度計と冷却器を取り付けた500mlの4口
反応器にメチル 10−ウンデセノエート(50g、
0.252mol)、グラッブス触媒(0.50g、
0.566mol)及び塩化メチレン(200ml)を
仕込み、窒素気流下室温にて16時間攪拌した。減圧下
で反応混合物の溶媒を留去しメタノール(150ml)
に溶かした後、−10℃下3時間にて再結晶化を行っ
た。得られた結晶をろ過し、−10℃に冷却したメタノ
ール(150ml)で洗浄後、得られた白色結晶を真空
ポンプで乾燥させ、10−イコセン二酸ジメチルエステ
ル23.0g(収率43.9%)を得た。
【0051】温度計、滴下ロート及び冷却器を取り付け
た200mlの4口反応器に金属ナトリウム(5.74
g、0.250mol)及び乾燥トルエン(375m
l)を仕込み、窒素気流下105℃にて加熱攪拌した。
そこへ10−イコセン二酸ジメチルエステル(23.0
g、0.062mol)、塩化トリメチルシリル(2
7.1g、0.250mol)の乾燥トルエン(375
ml)溶液を5時間かけて滴下し、加熱還流下2時間攪
拌した。反応混合物を冷却し、メタノール(150m
l)でクエンチ後、5%−塩酸水と酢酸エチルを加え分
液し、得られた有機層を2回水洗後、飽和食塩水洗を行
い、溶媒を減圧下留去して粗生成物22.8gを得た。
このものをエタノールで再結晶し、2−ヒドロキシ−1
1−シクロイコセノン13.3g(収率66.6%)を
得た。
【0052】融点:66−67℃1 H-NMR(500MHz,CDCl3,δ) ppm :1.14-1.41(m,17H), 1.5
3-1.66 (m,6H), 1.68-1.80 (m,1H), 1.83-1.92 (m,1H),
1.95-2.09 (m,5H), 2.31-2.40 (m,1H), 2.54-2.62 (m,
1H), 3.52(q,1H), 4.19-4.23 (m,1H), 5.30-5.36 (m,2
H). IR (KBr) cm-1 : 3425, 1715. MS(m/e):308(M+), 292, 278, 265, 249, 235, 223, 20
7, 193, 180, 163, 149,135, 121, 111, 98, 81, 67, 5
5, 41, 29.
【0053】実施例2 〔2−ヒドロキシシクロイコサノン(C20)の合成〕
温度計と冷却器を取り付けた50mlの4口反応器に2
−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン(0.60g、
1.93mmol)、パラジウム−カーボン(0.06
0g)及びエタノール10mlを仕込み、水素雰囲気下
室温にて16時間加熱攪拌をした。触媒をろ過し、溶媒
を減圧下留去して粗生成物0.60gを得た。このもの
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(へキ
サン/酢酸エチル=10/1)、2−ヒドロキシシクロ
イコサノン0.60g(収率定量的)を得た。
【0054】1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ) ppm : 1.15-1.4
4 (m,28H), 1.44-1.54 (m,1H), 1.54-1.79 (m,4H), 1.7
9-1.90 (m,1H), 2.32-2.42 (m,1H), 2.60-2.70 (m,1H),
3.55 (m,1H), 4.24 (m,1H) IR (NaCl) cm-1 :3482,1711. MS(m/e):310(M+), 292, 279, 267, 249, 236, 223, 21
1, 193, 179, 165, 151,137, 123, 109, 96, 82, 69, 5
5, 41, 29.
【0055】実施例3 〔2−ヒドロキシ−10−シクロオクタデセノン(C1
8)の合成〕実施例1と同様な条件下、10−ウンデセ
ノエートの代わりにメチル 9−デセノエート(15.
3g、0.083mol)を使用し、メタセシス反応及
び後処理を行い、9−オクタデセン二酸ジメチルエステ
ル7.20gを得た(収率50.2%)。その後環化反
応及び後処理を行い、得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し(へキサン/酢酸エチ
ル=20/1)、2−ヒドロキシ−10−シクロオクタ
デセノン2.40g(収率40.5%)を得た。
【0056】1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ)ppm : 1.19-1.39
(m,17H), 1.43-1.52 (m,1H), 1.55-1.65 (m,1H), 1.67
-1.75 (m,2H), 1.80-1.87 (m,1H), 2.82-2.33 (m,1H),
2.50-2.59 (m,1H), 3.50 (m,1H), 4.18-4.23 (m,1H),
5.35-5.37 (m,2H). IR (NaCl) cm-1 : 3480,1710. MS(m/e):280(M+), 262, 250, 237, 207, 193, 191, 17
5, 163, 149, 135, 121,111, 98, 81, 67, 55, 41, 29.
【0057】実施例4 〔2−ヒドロキシシクロオクタデカノン(C18)の合
成〕実施例1と同様な条件下、2−ヒドロキシ−10−
シクロイコセノンの代わりに2−ヒドロキシ−9−シク
ロオクタデセノン(1.0g、3.54mmol)を使
用し水素化反応及び後処理を行い2−ヒドロキシシクロ
オクタデカノン1.0g(収率定量的)を得た。
【0058】 融点:31−32℃1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ) ppm : 1.
07-1.38 (m,24H), 1.38-1.86 (m,6H), 2.36-2.44 (m,1
H), 2,48-2.57 (m,1H), 3.48 (m,1H), 4.19 (m,1H). IR (NaCl) cm-1 : 3481,1712. MS(m/e):282(M+), 264, 251, 239, 208, 195, 183, 17
5, 165, 149, 135, 123,109, 96, 82, 69, 55, 41, 29
【0059】実施例5 〔2−ヒドロキシ−13−シクロテトラコセノン(C2
4)の合成〕実施例1と同様な条件下、メチル 10−
ウンデセノエートの代わりにメチル12−トリデセノエ
ート(5.80g、0.0256mol)を使用しメタ
セシス反応及び後処理を行い、12−テトラコセン二酸
ジメチルエステル3.56gを得た(収率74.6
%)。その後環化反応及び後処理を行い、得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し
(へキサン/酢酸エチル=10/1)、2−ヒドロキシ
−13−シクロテトラコセノン1.88g(収率60.
9%)を得た。
【0060】融点:78℃1 H-NMR(500MHz,CDCl3,δ) ppm : 1.14-1.40 (m,26H),
1.48-1.65 (m,6H), 1.69-1.78 (m,1H), 1.83-1.90 (m,1
H), 1.94-2.05 (m,4H), 2.28-2.40 (m,1H), 2.53-2.61
(m,1H), 3.56 (m,1H), 4.20 (m,1H), 5.31-5.36(m,2H). IR (KBr) cm-1 : 3489, 1704. MS(m/e):364(M+) 346, 334, 321, 281, 265, 252, 237,
223, 207, 191, 177, 163, 149, 135, 121, 109, 95,
81, 67, 55, 41, 29.
【0061】実施例6 〔2−ヒドロキシシクロテトラコサノン(C24)の合
成〕実施例1と同様な条件下、2−ヒドロキシ−11−
シクロイコセノンの代わりに2−ヒドロキシ−13−シ
クロテトラコセノン(0.70g、1.92mmol)
を使用し水素化反応及び後処理を行い2−ヒドロキシシ
クロテトラコサノン0.70g(収率定量的)を得た。
【0062】融点:39−40℃1 H-NMR(500MHz,CDCl3,δ)ppm : 1.21-1.38 (m,37H), 1.
43-1.52 (m,1H), 1.55-1.64 (m,2H), 1.66-1.73 (m,1
H), 1.80-1.88 (m,1H), 2.33-2.41 (m,1H), 2.50-2.58
(m,1H), 3.50 (m,1H), 4.19-4.13 (m,1H). IR (KBr) cm-1 : 3445,1712. MS(m/e):366(M+), 348, 330, 320, 305, 291, 279, 26
7, 249, 236, 222, 207,193, 179, 165, 151, 137, 12
3, 109, 98, 82, 69, 55, 43, 29.
【0063】実施例7 〔色素細胞に対するメラニン生成抑制作用〕プラスチッ
ク培養フラスコ(25cm2 )に5×104 個のB−1
6メラノーマ細胞を播種し、10%血清を含むDMEM
培地〔日本水産(株)商品名〕で5%二酸化炭素の存在
下、37℃の温度で培養した。2日後、エタノールで希
釈したテスト試料を培地中濃度が、0.8、1.6、
3.1ppmになる様に添加し、さらに4日間培養し
た。培養終了後、培地を除去し、リン酸緩衝溶液(以
下、PBSという。)で洗浄後、トリプシン及びEDT
A(エチレンジアミンテトラ酢酸)含有培地を使用して
細胞をフラスコから剥離させ、細胞懸濁液から遠心分離
により細胞を回収した。得られた細胞をPBSで1回洗
浄した後、沈渣の白色度を目視観察した。その結果を表
1に示す。
【0064】 − :溶媒対照と同等(黒色) + :溶媒対照とわずかに差がある(黒灰色) ++ :溶媒対照と明らかに差がある(白灰色) +++:細胞の着色が認められない(白色)
【0065】
【表1】
【0066】これらの結果から明らかなように、本発明
化合物である大環状ケトン誘導体は、いずれも溶媒対照
(コントロール)に比べ、色素細胞内のメラニン産成を
顕著に抑制する作用を有することが認められた。その抑
制活性は著しく化合物の環炭素数に依存し、濃度1.6
ppmにおける活性は、環炭素数16以下では活性が認
められず、18程度以上では充分に強い抑制作用を示し
た。さらに環炭素数がより大きな20から24程度が特
に強い抑制効果を示した。一方、環炭素数がより大きな
30では極めて難溶解性であり、特に活性は認められな
かった。
【0067】比較例1 実施例1と同様の方法で、従来、メラニン生成抑制効果
が知られている大環状化合物やアルブチンの色素細胞に
対するメラニン生成抑制作用を同条件下で比較測定し
た。結果を表2に示した。
【0068】
【表2】
【0069】これらの結果から明らかなように、代表的
なメラニン生成抑制剤として知られるアルブチン及び特
開平9−151129号公報に記載されている大環状ヒ
ドロキシケトン等の比較化合物と比べて、本発明の化合
物は、より低濃度においても著しく強いメラニン生成抑
制効果が認められた。
【0070】実施例8 下記表中の油相部と水相部の成分を室温で各々攪拌しな
がら溶解した。水相部を油相部に加え可溶化して、化粧
水を調製した。油相部及び水相部の各成分を質量%で示
す。
【0071】 <油相部> 2−ヒドロキシ−10−シクロイコセノン 0.01 (本発明化合物) エタノール 20.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O. 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.1 <水相部> グリセリン 10.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残部
【0072】得られた化粧水は、本発明の化合物が配合
されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存
安定性も良好であった。
【0073】実施例9 下記表中の油相部と水相部の成分を室温で各々攪拌しな
がら溶解した。水相部を油相部に加え可溶化して、乳液
を調製した。油相部及び水相部の各成分を質量%で示
す。
【0074】 <油相部> 2−ヒドロキシシクロオクタデカノン 0.1 (本発明化合物) ステアリン酸 2.0 流動パラフィン 6.0 スクワレン 2.0 ソルビタンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 2.0 パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.15 <水相部> グリセリン 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残部
【0075】得られた乳液は、本発明の化合物が配合さ
れていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存安
定性も良好であった。
【0076】実施例10 下記表中の油相部と水相部の各成分を70℃で各々攪拌
しながら溶解した。水相部に油相部を攪拌しながら徐々
に加えて予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化
し、乳化後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却しクリ
ームを調製した。油相部及び水相部の各成分を質量%で
示す。
【0077】 <油相部> 2−ヒドロキシ−12−シクロテトラコセノン 0.1 (本発明化合物) ステアリン酸 2.0 流動パラフィン 23.0 ワセリン 7.0 ソルビタンモノステアレート 3.5 ミツロウ 2.0 ベヘニルアルコール 1.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 2.5 パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.15 <水相部> グリセリン 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残部
【0078】得られたクリームは、本発明の化合物が配
合されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保
存安定性も良好であった。
【0079】実施例11 下記表中のA成分を室温にて分散溶解し、これにB成分
を加えて均一に溶解しパック剤を調製した。A成分及び
B成分の各成分を質量%で示す。
【0080】 <A成分> ポリビニルアルコール 15.0 精製水 40.0 <B成分> エタノール 4.0 1,3−ブチレングリコール 4.0 ポリオキシエチレン(8)ポリオキシプロピレングリコール(55) 3.0 ビサボロール 0.5 トコフェロール 0.02 2−ヒドロキシシクロイコセノン 0.5 (本発明化合物) ParsolR 1789*(Givaudan社) 2.0 (紫外線吸収剤) 精製水 残部 (*ParsolR 1789:4-メトキシベンゾイル-4'-t-ブチルベンゾイルメタン)
【0081】得られたパック剤は、本発明化合物が配合
されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存
安定性も良好であった。
【0082】実施例12 下記表中の油相部と水相部の成分を室温で各々攪拌しな
がら溶解した。水相部を油相部に加えて可溶化して、化
粧水を調製した。油相部及び水相部の各成分を質量%で
示す。
【0083】 <油相部> 2−ヒドロキシ−9−シクロオクタデセノン 0.05 (本発明化合物) エタノール 20.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.1 ParsolR 1789*(Givaudan社) 2.0 (紫外線吸収剤) <水相部> グリセリン 10.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残部 (*ParsolR 1789:4-メトキシベンゾイル-4'-t-ブチルベンゾイルメタン)
【0084】得られた化粧水は、本発明の化合物が配合
されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存
安定性も良好であった。
【0085】
【発明の効果】本発明によって、安定性、安全性に優
れ、高いメラニン生成抑制効果がある新規なメラニン生
成抑制剤を提供することができる。また、メラニン生成
抑制剤を皮膚外用剤に製剤した時にも、処方系もしくは
基剤中で安定性が極めて良く、且つ安全で、充分な美白
効果のある皮膚外用剤を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 X 7/48 7/48 A61P 17/00 A61P 17/00 43/00 111 43/00 111 C07C 49/487 C07C 49/487 49/703 49/703 (72)発明者 渡部 真哉 神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 萩原 利光 神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4C083 AA082 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC211 AC212 AC242 AC432 AC442 AC482 AD112 AD532 AD662 CC01 CC02 CC04 CC05 CC07 DD23 DD31 DD41 EE01 EE07 EE10 EE16 4C206 AA01 AA02 AA03 CB25 MA01 MA04 MA83 NA14 ZA89 ZC02 ZC20 4H006 AA01 AA03 AB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、全環員炭素数16〜26のうち、環員
    炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の低級アル
    キル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽
    和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大
    環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を
    含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R2は、全環員炭素数18〜24のうち、環員
    炭素数16〜22を形成する、炭素数1〜3の低級アル
    キル基で置換されていてもよい、飽和又は1〜3個の不
    飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される
    大環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上
    を含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のメラニン生成抑
    制剤の1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮
    膚外用剤。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のメラニン生成抑制
    剤の1種又は2種以上を0.00001〜10質量%含
    有することを特徴とする皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 下記一般式(3) 【化3】 (式中、R3は、全環員炭素数20又は21のうち、環
    員炭素数18又は19を形成する、炭素数1〜3の低級
    アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の
    不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表され
    る大環状α−ヒドロキシケトン化合物。
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EP02291413A EP1264594B1 (en) 2001-06-08 2002-06-07 Melanin production inhibitors and skincare products containing such inhibitors
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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