明 細 書 エレク トロクロミック素子
〔技術分野〕
本発明は、 建物、 自動車、 旅客車両等の乗り物の調光窓として、 または屋内で 装飾用、 間仕切り用等に使用される調光ガラスとして、 さらには表示素子として、 または自動車等の乗り物の防眩ミラーとして使用可能なエレク トロクロミック素 子に関するものである。
〔従来技術〕
従来の調光ガラスなどに使用されるエレク ト口クロミック素子は、 例えば、 酸 化タングステン (w o 3) のような無機酸化物を透明導電膜上に真空蒸着または スパッタリング法により成膜し、 これを発色剤として用いているものが知られて いる (特開昭 6 3 - 1 8 3 3 6号公報) 。
〔発明の課題〕
従来技術による膜形成は、 しかし、 真空下で行わなければならないので、 その 実施にコス トがかかり、 大面積のエレクト口クロミック素子を得るためには、 大 型の真空装置が必要となる。 また、 スパッタリング法では基板温度が高くなるた め、 ガラス製以外の基板、 例えば、 合成樹脂製の基板などを使用する場合には、 一定の条件を選ばなければならず、 エレクト口クロミック素子の軽量化が難しい c また、 酸化タングステンを用いる場合には青色の発色しか得られないという問 題がある。
本発明の目的は、 安価な発色剤を使用し、 簡便な工程で製造することが可能で あり、 しかも、 色調が可変なエレクト口クロミック素子を提供することにある。 〔発明の詳述〕
本発明が提案するエレクトロクロミック素子は、 エレク ト口クロミック層を特 定の導電性高分子化合物を構成させ、 さらにまたィォン伝導性物質層にもエレク トロクロミック化合物を存在させることによって、 従来技術の上記した問題点を 解決させている。
すなわち、 本発明のエレク ト口クロミック素子は、 少なくとも一方が透明であ る 2枚の導電基板間に、 下記の一般式 ( 1) で表されるピオロゲン構造を有する 化合物を含有するイオン伝導性物質層を設け、 該イオン伝導性物質層と導電性基 板との間の少なくとも一方に、 下記の一般式 (2) 又は一般式 (3) で表される 化合物を含有するエレクトロクロミック層を設けている。
(式中、 X— 、 Y— は同一であっても異なってもよく、 それそれ個別にハロゲ ンァニオン、 C 104-、 BF4—、 PF6~ CH3COO— 、 CH3 (C6H4) S から選ばれる対ァニオンを示す。 )
(式中、 R1は水素または炭素数 1〜5のアルキル基、 R2、 R3、 R4及び R5 は それそれ個別に水素または炭素数 1〜20炭化水素基または炭化水素残基を 表し、 それそれ同一でも異なってもよく、 A r1および A r2はそれそれ個別に 炭素数 6〜 20の二価の芳香族炭化水素残基を表す。 aは 2以上の整数を、 お よび cは 0~3の整数をそれそれ示す。 )
(式中、 R6、 R7、 R8、 R9および RlOはそれそれ個別に水素または炭素数 1 〜 20の炭化水素残基を示し、 それそれ同一でも異なっても良く、 Ar4およ
び A r 5はそれそれ個別に 2価の芳香族炭化水素残基を示し、 a ' は 0〜3の整 数を、 b, は 1〜2の整数を、 c, は 2以上の整数をそれそれ示す。 ) 以下、 本発明の内容を詳しく説明する。
本発明のエレクトロクロミック素子においては、 少なくとも 1枚は透明である 2枚の導電基板が使用される。 ここで導電基板とは電極としての機能を果たす基 板を意味する。 従って、 本発明で言う導電基板には、 基板自体を導電性材料で構 成させたものと、 導電性を持たない基板の少なくとも一方の表面に電極層を積層 させた積層板が包含される。 導電性を備えているか否かに拘らず、 基板自体は常 温において平滑な面を有していることが必要であるが、 その面は平面であっても、 曲面であっても差し支えなく、 応力で変形するものであっても差し支えない。 本発明で使用される導電基板の少なくとも一方は透明導電基板であり、 他方は 透明であっても、 不透明であっても、 光を反射できる反射性導電基板であっても よい。
なお、 2枚の導電基板をいずれも透明導電基板としたものは、 表示素子や調光 ガラスに好適であり、 1枚を透明導電基板、 もう 1枚を不透明導電基板としたも のは表示素子に好適であり、 そして 1枚を透明導電基板、 もう 1枚を反射性導電 基板としたものはエレク トロクロミックミラーに好適である。
透明導電基板は、 通常、 透明基板上に透明電極層を積層させた形態にある。 こ こで、 透明とは可視光領域において 1 0〜 1 0 0 %の光透過率を有することを意 味する。
また、 不透明導電基板としては、 ( 1 ) 金属板、 ( 2 ) 導電性を持たない不透 明基板 (透明でない各種のプラスチック、 ガラス、 木材、 石材等が使用可能) の —方の面に電極層を積層させた積層体などが例示できる。
反射性導電基板としては、 ( 1 ) 導電性を持たない透明又は不透明な基板上に 反射性電極層を積層させた積層体、 ( 2 ) 導電性を持たない透明基板の一方の面 に透明電極層を、 他方の面に反射層を積層させた積層体、 (3 ) 導電性を持たな い透明基板上に反射層を、 その反射層上に透明電極層を積層させた積層体、
( 4 ) 反射板を基板とし、 これに透明電極層を積層させた積層体、 および ( 5 ) 基板自体が光反射層と電極層の両方の機能を備えた板状体などが例示できる。 上記透明基板としては、 特に限定されず、 例えば、 無色あるいは有色ガラス、 強化ガラス等が用いられる他、 無色あるいは有色の透明性樹脂が用いられる。 具 体的には、 ポリエチレンテレフ夕レート、 ポリエチレンナフ夕レート、 ポリアミ ド、 ポリサルフォン、 ポリエーテルサルフォン、 ポリエーテルエーテルケトン、 ポリフエ二レンサルファイ ド、 ポリカーボネート、 ポリイミ ド、 ポリメチルメタ クリレート、 ポリスチレン等が挙げられる。
なお、 本発明における基板は常温において平滑な面を有するものである。
上記透明電極層としては、 本発明の目的を果たすものである限り特に限定され ないが、 例えば、 金、 銀、 クロム、 銅、 タングステン等の金属薄膜、 金属酸化物 からなる導電膜などが挙げられる。 上記金属酸化物としては、 例えば、 I T O ( I n203 - S n 02) 、 酸化錫、 酸化銀、 酸化亜鉛、 酸化バナジウム等が挙げ ら れる。
電極の膜厚は、 通常 1 0 0〜5, 0 0 0オングストローム、 好ましくは 5 0 0 〜3, 0 0 0オングストロームの範囲が望ましい。 また、 表面抵抗 (抵抗率) は、 通常 0 . 5〜5 0 0 Q / c m2、 好ましくは 1〜 5 0 Ω / c m2の範囲が望まし い。
上記電極の形成方法としては特に限定されず、 電極を構成する上記金属および 金属酸化物等の種類により、 適宜公知の方法が選択できる。 通常、 真空蒸着法、 イオンプレーティング法、 スパッタリング法、 あるいはゾルゲル法等が採用され る。 この際、 膜厚は電極面の透明性が損なわれない範囲で選択されることは勿論 である。 また、 上記透明電極には、 酸化還元能の付与、 導電性の付与、 電気二重 層容量の付与の目的で、 部分的に不透明な電極活性物質を付与することもできる この際、 その付与量は電極面全体の透明性が損なわれない範囲で選択されること は勿論である。 不透明な電極活性物質としては、 例えば、 銅、 銀、一金、 白金、 鉄、 タングステン、 チタン、 リチウム等の金属、 ポリア二リン、 ポリチォフェン、 ポ リビロール、 フタロシアニンなどの酸化還元能を有する有機物、 活性炭、 グラフ
アイ トなどの炭素材、 V2〇5、 M n〇2、 N i〇、 I 1^ 0 3などの金属酸化 物 またはこれらの混合物を用いることができる。 また、 これらを電極に結着させる ために、 さらに各種樹脂を用いてもよい。 この不透明な電極活性物質等を電極に 付与するには、 例えば、 I T O透明電極上に、 活性炭素繊維、 グラフアイ ト、 ァ クリル樹脂等からなる組成物をストライプ状またはドット状等の微細パターンに 形成したり、 金 (A u ) 薄膜状に、 V205、 アセチレンブラック、 ブチルゴム等 からなる組成物をメッシュ状に形成したりすることができる。
本発明の反射性電極層は、 鏡面を有し、 しかも電極として電気化学的に安定な 機能を発揮する薄膜を意味し、 そのような薄膜としては、 例えば、 金、 白金、 夕 ングステン、 タンタル、 レニウム、 オスミウム、 イリジウム、 銀、 ニッケル、 ノ^ ラジウム等の金属膜や、 白金一パラジウム、 白金一ロジウム、 ステンレス等の合 金膜が挙げられる。 このような鏡面を備えた薄膜の形成には、 任意の方法を採用 可能であって、 例えば、 真空蒸着法、 イオンプレーティング法、 スパッタリング 法などを適宜採用することができる。
反射性電極層を設ける基板は透明であるか、 不透明であるかを問わない。 従つ て、 反射性電極層を設ける基板としては、 先に例示した透明基板の他、 透明でな い各種のプラスチック、 ガラス、 木材、 石材等が使用可能である。
本発明で言う反射板または反射層は、 鏡面を有する基板又は薄膜を意味し、 例 えば、 銀、 クロム、 アルミニウム、 ステンレス等の板状体又はその薄膜を意味す る。
基板自体が反射層と電極機能を兼ね備える板状体としては、 上記反射性電極層 として例示したもののうち、 自己支持性があるものが挙げられる。 次に本発明のエレクトロクロミヅク層について説明する。
本発明のエレクトロクロミック層は、 下記に示す導電性高分子 Α又は導電性高 分子 Bを含有する。
導電性高分子 A
この化合物は、 一般式 (2 ) で示される。
(2)
一般式 ( 1 ) において、 R
1 は水素または炭素数 1〜5のアルキル基を示し、 このアルキル基としては、 メチル基、 ェチル基、 i 一プロピル基、 n—プロピル 基、 n—ブチル基、 t 一ブチル基、 n—ペンチル基等が挙げられる。 R
1 は水 素またはメチル基であることが特に好ましい。
R2 、 R3 、 R 4 および R 5 は、 それそれ個別に水素原子、 炭素数 1〜2 0、 好ましくは 1〜 1 0の炭化水素基または炭化水素残基を示し、 それそれ同一でも 異なっても良い。 この炭化水素基としては、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル 基、 i—プロピル基、 n—ブチル基、 i—ブチル基、 t—ブチル基、 へキシル基、 ヘプチル基、 ォクチル基等のアルキル基、 トリル基、 ェチルフエニル基等のアル キルフエニル基、 フエニル基等のァリール基、 アルキルァリール基、 ァラルキル 基などが挙げられ、 また炭化水素残基としては、 メ トキシフエニル基、 エトキシ フエニル基などのアルコキシフエニル基などが挙げられる。
A r 1 および A r 2 はそれそれ個別に 2価の芳香族炭化水素残基を示し、 具 体的には、 フエ二レン基 (o-、 m-、 P-) 、 置換フエ二レン基 (置換基としては、 R6 と同様なものが挙げられるが、 典型的にはアルキル置換フエ二レン基等) 、 ビフエ二レン基などが挙げられる。
aは 2以上の整数であり、 通常 2〜 5 0 0、 好ましくは 5〜 2 0 0の整数であ り、 bおよび cはそれそれ 0〜3の整数である。
一般式 (2) で表される化合物は、 一般式 (4) で表される化合物を重合反応 させることにより容易に得ることができる。
(式中、 R R2、 R3、 R4、 R5、 Ar Ar2, b、 cは、 一般式 (2) に おける R R2、 R3、 R4、 R5、 Ar Ar2、 b、 cと同一の基及び整数で ある。 )
そして、 一般式 (4) で表される化合物は、 一般式 (5) で表されるアミン化 合物に、 一般式 (6) で表される反応性酸クロライ ドとの反応により容易に得る ことができる。
一般式 ( 5) における Ar Ar2、 R1, R2、 R3、 R4、 bおよび cは、 一 般式 (4) における Ar Ar2、 R R2、 R3、 R4、 bおよび cと 同一の 基及び整数であり、 一般式 ( 6) における Zは、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素な どのハロゲン原子を表わす。
一般式 (4) で表される化合物としては、 フエ二レンジァミン、 N—メチル フエ二レンジァミン、 N, N' ージメチルフエ二レンジァミン、 N, N, N' - トリメチルフエ二レンジァミン、 N—ェチルフエ二レンジァミン、 N, N, ージ ェチルフエ二レンジァミン、 Ν, Ν, Ν' 一 ト リェチルフエ二レンジァミン、 Ν —フエニルフエ二レンジァミン、 N, N' —ジフエニルフエ二レンジァミン、 Ν Ν, N' — トリフエニルフエ二レンジァミン、 Ν—卜 リルフエ二レンジァミン、 Ν, Ν, 一 トリルフエ二レンジァミン、 Ν, Ν, N' — ト リ ト リルフエ二レンジ
ァミン、 N— (4—ァミノフエニル) 一 N, 一フエニルフエ二レンジァミン、 N - (4—ァミノフエニル) 一N, N, 一ジフエニルフエ二レンジァミン ヽ N 一 (4ーァミノフエニル) 一 Ν, Ν, , Ν, 一 ト リフエニルフエ二レンジァミン、 Ν— (4—ァミノフエニル) 一 Ν, , Ν' ージフエニルフエ二レンジァミン、 Ν 一 (4—ァミノフエニル) 一Ν—ト リルフエ二レンジァミン、 Ν— (4—ァミノ フエニル) 一Ν—フエ二ルー Ν, 一 ト リルフエ二レンジァミン、 Ν— (4—アミ ノフエニル) 一Ν— トリル一 Ν, 一フエニルフエ二レンジァミン、 Ν— (4—ァ ミノフエニル) 一 Ν, Ν, 一ジト リルフエ二レンジァミン、 Ν— (4—ァミノ フエニル) 一 Ν, , Ν, ージトリルフエ二レンジァミン、 Ν— (4—アミノフ ェニル) 一Ν—フエ二ルー Ν, , Ν, ージトリルフエ二レンジァミン、 Ν— (4 —ァミノフエニル) 一 Ν, Ν, ージフエニル一 Ν, 一 トリルフエ二レンジァミン、 Ν- (4—ァミノフエニル) 一 Ν, Ν, , Ν, 一 トリ トリルフエ二レンジ アミ ン、 Ν— (4—ァミノフエ二ル) 一 Ν—メチルフエ二レンジァミン、 Ν— ( 4 - ァミノフエニル) 一 Ν—フエニル一 Ν, 一メチルフエ二レンジァミン、 Ν— (4 —ァミノフエニル) 一 Ν—メチルー Ν, 一フエニルフエ二レンジァミン、 Ν— (4ーァミノフエニル) 一 Ν, Ν, ージメチルフエ二レンジァミン、 Ν— ( 4 —ァミノフエニル) 一 Ν, , Ν, ージメチルフエ二レンジァミン、 Ν— (4 - ァミノフエニル) 一 Ν—フエ二ルー Ν, , Ν, ージメチルフエ二レンジァミン、 Ν- (4ーァミノフエニル) 一 Ν, Ν, ージフエニル一 Ν, 一メチルフエ二レン ジァミン、 Ν— (4—ァミノフエニル) 一 Ν, Ν, , Ν, 一 トリメチルフエニレ ンジァミン、 ベンジジン、 Ν—メチルベンジジン、 Ν, Ν' 一ジメチルペンジジ ン、 Ν, Ν, Ν, 一 トリメチルベンジジン、 Ν—ェチルベンジジン、 N, N' — ジェチルベンジジン、 Ν, Ν, Ν, 一 ト リェチルベンジジン、 Ν—フエニルベン ジジン、 Ν, Ν, 一ジフエニルベンジジン、 Ν, Ν, Ν, 一 ト リフエニルベンジ ジン、 Ν— ト リルべンジジン、 Ν, Ν, 一 卜 リルべンジジン、 Ν, Ν, Ν, 一 卜 リ トリルべンジジン、 Ν— (4—ァミノフエ二ル) 一 Ν, 一フエニルベンジジン、 Ν- (4—ァミノフエ二ル) 一 Ν, Ν' —ジフエ二ルペンジジン、 Ν— (4—ァ ミノフエニル) 一 Ν, Ν, , Ν' —ト リフエニルベンジジン、 Ν— (4—ァミノ
フエニル) 一 N, , Ν' ージフエニルベンジジン、 Ν— (4—ァミノフエニル) —Ν—ト リルべンジジン、 Ν— (4—ァミノフエ二ル) 一 Ν—フエニル一 Ν, 一 トリルべンジジン、 Ν— (4—ァミノフエニル) 一Ν—ト リル一 Ν, 一フエニル ベンジジン、 Ν— (4ーァミノフエニル) 一 Ν, Ν, ージトリルべンジジン、 Ν - (4ーァミノフエニル) 一N' , Ν, 一ジ トリルべンジジン、 Ν— (4—アミ ノフエニル) 一 Ν—フエ二ルー Ν, , N' ージト リルべンジジン、 Ν— (4—ァ ミノフエニル) 一 Ν, Ν, 一ジフエ二ルー Ν, 一 ト リルべンジジン、 Ν— (4一 ァミノフエ二ル) 一 Ν, Ν, , Ν, 一トリ ト リルべンジジン、 Ν— (4—ァミノ フエニル) 一Ν—メチルベンジジン、 Ν— (4—ァミノフエニル) 一Ν—フエ二 ル一 Ν, 一メチルベンジジン、 Ν— (4ーァミノフエニル) 一 Ν—メチル一 Ν, 一フエニルベンジジン、 Ν— (4ーァミノフエニル) 一 Ν, Ν, 一ジメチルベン ジジン、 Ν— (4—ァミノフエ二ル) 一 Ν, , Ν' ージメチルベンジジン、 Ν— (4—ァミノフエ二ル) 一 Ν—フエ二ルー Ν, , Ν, ージメチルベンジジン、 Ν ― (4ーァミノフエニル) 一 Ν, Ν, 一ジフエ二ルー Ν, 一メチルベンジジン、 Ν— (4—ァミノフエ二ル) 一 Ν, Ν, , Ν, 一 トリメチ ルペンジジン等が挙 げられる。
一般式 ( 5 ) で表される化合物としては、 アクリル酸クロライ ド、 メ夕クリル 酸クロライ ドなどを挙げることができる。 導電性高分子 Β
導電性高分子 Βは、 一般式 (3) で表わされる。
Ar (3)
一般式 (3) において R
6、 R
7、 R
8、 R
8および R
10は、 個別に水素または 炭素数 1〜20、 好ましくは 1〜12の炭化水素残基を示す。
詳しくは、 R
6、 R
7、 R
8としては、 特にメチル基、 ェチル基、 n—プロビル i一プロピル基、 n—ブチル基、 i—ブチル基、 n—へキシル基等のアル キル基;メ トキシフエ二ル基、 ェトキシフエ二ル基などのアルコキシフエニル 基; トリル基、 ェチルフエニル基等のアルキルフエニル基; フエニル基などの各 種のァリール基;ァラルキル基およびその誘導体に例示される炭化水素残基また は水素であることが望ましく、 R
9、 R
10としては、 特にメチル基、 ェチル基、 n—プロビル基、 i一プロピル基、 n—ブチル基、 i一ブチル基、 n—へキシル 基等のアルキル基;メ トキシフエ二ル基、 ェトキシフエ二ル基などのアルコキシ フエニル基; トリル基、 ェチルフエニル基等のアルキルフエニル基; フエニル基、 クロ口フエ二ル基、 二トロフエニル基等の各種のァリール基;ァラルキル基およ びその誘導体、 フリル基、 ピリジル基等に例示される炭化水素残基または水素で あることが望ましい。
また、 一般式 (3 ) における A r 3および A r 4は、 個別に炭素数 6〜 1 8の 2価の芳香族炭化水素残基を示す。
A r 3には、 次に示す 2価の炭化水素残基が含まれる。
(式中の R 6は一般式 (3 ) における R6と同一の基である。 ) これらの炭化水素基の具体例としては、 例えば、 p—フエ二レン基、 m—フエ 二レン基、 p—ビフエ二レン基、 メチル一p—フエ二レン基、 ェチル一p—フエ 二レン基、 メ トキシ一 P -フエ二レン基、 メチルー m—フエ二レン基、 ェチル一 in—フエ二レン基、 メ トキシー m—フエ二レン基等の各種のフエ二レン基および その誘導体を挙げることができる。
また、 Ar2としては、 上記した各種のフエ二レン基およびその誘導体に加え、 1, 5—または 2, 7—ナフチレン基、 1 , 4一または 1, 5—または 2, 6 - アントラキノ二レン基、 2, 4—または 2, 7—フル レノ二レン基、 ビレニレ ン基、 2, 7—フエナントラキノ二レン基、 2, 7 - (9—ジシァノメチレン) フルォレノ二レン基、 ジベンゾトロボンジィル基、 ジシァノメチレンジべンゾト 口ボンジィル基、 ベンズアントロ二レン基等に例示される 2価の単璟式または縮 合多環式芳香族炭化水素残基; 2—フエ二ルペンゾォキサゾールジィル基、 2— フエ二ルペンズイミダゾールジィル基、 カルパゾ一ルジィル基、 2—フ: ϋニルべ ンゾトリアゾ一ルジィル基、 ジベンゾチォフェンジィル基、 ジベンゾチオフエノ キサイ ドジィル基、 9ーァクリ ドンジィル基、 キサントンジィル基、 フエノキサ ジンジィル基などの 2価の複素環基等に例示される 2価のへテロ原子含有縮合複 素環式芳香族炭化水素残基が挙げられる。
一般式 (3) に於ける a, は 0以上の整数であり、 通常 0~50、 好ましくは 0〜 10さらに好ましくは 0〜 5である。 mは 1以上であり、 通常 1〜 50、 好 ましくは 1〜30である。 nは 2以上、 通常 2〜1 , 000、 好ましくは 5〜2 00であり、 実質的に線状構造を有するものである。 一般式 (3) の両末端は特 に特定されないが、 通常、 水素である。 一般式 ( 3) で表される化合物は、 通常、 一般式 (7) で表される化合物と、 一般式 (8) で表される化合物またはその重合体とを重縮合させることによって 製造されるが、 一般式 (3) で表される化合物の製造法はこれに限定されるもの ではない。
-般式 (7) 及び (8) において、 R6、 R7、 R8、 R9、 R10、 a, 及び b,
は一般式( 3 )における R 6、 R 7、 R8、 R 9、 R 10、 a, 及び b, と同一の基及び 整数を示す。
一般式 (7 ) で表される化合物としては、 N , N ' —ジフエ二ルー p—フエ二 レンジアミン系化合物、 N—フエ二ルー N, 一 (4一フエニルァミノ) フエニル — p—フエ二レンジァミン系化合物などが例示される。
これらの N, N, 一ジフエニル一 p—フエ二レンジアミン系化合物のうち代表 的なものとしては、 N , N, 一ジメチル一 N, N, ージフエニル一 p—フエニレ ンジァミン、 N, N, 一ジェチルー N , N, ージフエ二ルー p—フエ二レンジァ ミン、 N, N, 一ジプロビル一 N , N, 一ジフエニル一 p—フエ二レンジァミン などを挙げることができる。
一般式 ( 8 ) で表される化合物としては、 例えばアルデヒド、 アルデヒドの重 合体、 ケトン等の各種のカルボニル化合物が例示される。
アルデヒドのうち代表的なものとしては、 ホルムアルデヒド、 ァセトアルデヒ ド、 プロピオンアルデヒド、 ブチルアルデヒド、 ベンズアルデヒド、 アクリルァ ルデヒド、 シンナムアルデヒド、 ァニスアルデヒド、 ニコチンアルデヒド、 ニト 口べンズアルデヒド、 クロ口べンズアルデヒド、 フルフラールなどを挙げること ができる。
なお、 上記アルデヒ ドの重合体とは、 一般式 ( 8 ) で表されるアルデヒドを濃 厚溶液にして自己縮合させたり、 酸触媒の存在下で縮合させて得られる重合体を いい、 該重合体は本発明の共重合体(一般式(3)の化合物を指す)を合成する際の 反応条件下で容易に加水分解してアルデヒド単量体を生成するものを表す。 代表 的なものとしては、 ホルムアルデヒドの重合体であるパラホルムアルデヒド、 ァ セトアルデヒドの三量体であるパラアルデヒ ドなどが挙げられる。
ケトンとしては例えば、 アセトン、 メチルェチルケトン、 ジェチルケトン、 シ クロへキシルァセトン等が挙げられる。 一般式 (7 ) で表される化合物と一般式 ( 8 ) で表される化合物との重縮合は、 両者が可溶な有機溶媒中で、 0〜2 0 0 °Cの温度で酸またはアルカリ触媒を用い
て行うことができる。 酸触媒の例としては硫酸、 塩酸、 リン酸、 過塩素酸、 五酸 化二リン等の無機酸、 ギ酸、 酢酸、 プロピオン酸、 メタンスルホン酸、 p—トル エンスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。
これらの酸触媒は単独で用いてもまた二種類以上を併用してもよい。 また、 好 ましい有機溶剤の例としてはェチルエーテル、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン 等のエーテル類、 クロ口ホルム、 ジクロロメタン、 クロ口ベンゼン等のハロゲン 化炭化水素類、 ニトロベンゼン等のニトロ化合物、 ァセトニ卜リル、 プロビオン カーボネート、 ジメチルホルムアミ ド、 N—メチルピロリ ドンなどが挙げられる。 反応時間は 1分ないし 5 0 0時間、 好ましくは 5分ないし 2 0 0時間の範囲で 適宜選ぶことができる。 本発明のエレクトロクロミック層は、 上記の導電性高分子 A及び/又は Bを必 須に含有し、 典型的には発色層の実質的全てがこれらの導電性高分子だけで構成 される。 エレクト口クロミック層の形成には、 任意の方法が採用可能である。 例 えば、 導電性高分子 A及び/又は Bを溶媒に溶解し、 その溶液を上記導電性基板 に塗布、 乾燥する方法、 あるいは導電性高分子 A及び/又は Bを加熱して溶融し、 その溶融物を上記導電性基板上に流延したのち冷却する方法が採用できる。 特に 前者の方法が好ましい。
前者の方法において用いられる溶媒としては、 導電性高分子 A及び/又は Bが 溶解し、 塗布後は揮発により逸散するものが使用できる。 例えば、 ジメチルスル フォキシド、 ジメチルァセ卜アミ ド、 ジメチルフオルムアミ ド、 N—メチルピロ リ ドン、 ァーバレロラク トン、 ジメ トキシェタン、 ァセトニトリル、 プロビオン 二トリル、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン、 メタノール、 エタノール、 プロパ ノール、 クロ口ホルム、 トルエン、 ベンゼン、 ニトロベンゼン、 ジォキソラン等 が使用できる。
溶液の塗布は、 キャス トコート、 スピンコート、 ディップコートなどのいずれ を採用しても差し支えない。 塗膜の乾燥は常法により適宜行うことができる。 エレクト口クロミック層の厚さは、 通常、 0 . 0 l〃m〜 5 0〃m、 好ましく
は 0 . 1 n!〜 2 0〃mの範囲にある。
かくして、 電圧を印可することで容易に酸化還元され着消色するエレクトロク ロミック層を得ることができる。 このエレク トロクロミック層を構成する導電性 高分子 A及び/又は Bには、 必要に応じて、 発色を助長する公知の化合物をドー プさせておくことができる。 エレクトロクロミック素子におけるイオン伝導性物質層は、 前述したエレクト 口クロミック層を着色、 消色、 変色させる役割を担う層である。 この層は、 室温 で通常 1 X 1 0—7 S / c m以上のイオン伝導度を示す物質で構成される。 本発明 に係るエレクトロクロミック素子の特徴の一つは、 そのイオン伝導性物質層がビ ォロゲン構造を有する化合物を含んでいることにあるが、 このピオロゲン構造化 合物を詳述する前に、 イオン伝導性物質について説明する。 イオン伝導性物質としては、 液系イオン伝導性物質、 ゲル化液系イオン伝導性 物質あるいは固体系イオン伝導性物質等が使用可能である。 本発明においては、 特に固体系イオン伝導性物質を用いることが望ましく、 これにより、 本発明のェ レクト口クロミック素子を種々の実用性能に優れた全固体型エレクトロクロミツ ク素子とすることができる。
液系イオン伝導性物質
液系イオン伝導性物質としては、 塩類、 酸類、 アルカリ類等の支持電解質を、 溶媒に溶解したもの溶液を用いることができる。
溶媒としては、 支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、 特 に極性をするものが好ましい。 具体的には水や、 メタノール、 エタノール、 プロ ピレンカーボネート、 エチレンカーボネート、 ジメチルスルホキシド、 ジメ トキ シェタン、 ァセトニトリル、 ァ一ブチロラク トン、 ァ一バレロラク トン、 スルホ ラン、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメ トキシェタン、 テ トラヒ ドロフラン、 ァセ ト 二トリル、 プロピオンニトリル、 グル夕ロニトリル、 アジポニトリル、 メ トキシ ァセ卜二トリル、 ジメチルァセ卜アミ ド、 メチルピロリジノン、 ジメチルスルホ
キシド、 ジォキソラン、 スルホラン、 トリメチルホスフェイ ト、 ポリエチレング リコール等の有機極性溶媒が挙げられ、 好ましくは、 プロピレンカーボネート、 エチレンカーボネート、 ジメチルスルホキシド、 ジメ キシェタン、 ァセトニト リル、 ァ一プチロラクトン、 スルホラン、 ジォキソラン、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメ トキシェ夕ン、 テトラヒドロフラン、 アジポニトリル、 メ トキシァセトニト リル、 ジメチルァセトアミ ド、 メチルピロリジノン、 ジメチルスルホキシド、 ジ ォキソラン、 スルホラン、 トリメチルホスフェイ ト、 ポリエチレングリコールな どの有機極性溶媒が望ましい。 これらは、 使用に際して単独もしくは混合物とし て使用できる。
支持電解質としての塩類は、 特に限定されず、 各種のアルカリ金属塩、 アル力 リ土類金属塩などの無機イオン塩や 4級アンモニゥム塩ゃ環状 4級アンモニゥム 塩などがあげられ、 具体的には L i C 10 L i S CN、 L iBF4、 L i As F6、 L i C F 3 S 03, L iPF6、 L i l、 Na l、 NaS CN、 N a C 1 O4, NaBF4、 NaAs F6、 KS CN、 KC l等の L i、 Na、 Kのアルカリ金属 塩等や、 (CH3) 4NBF4、 (C2H5) 4 BF^ ( n— C4H 9) 4N B F4、 (C2H5) 4NB r、 (C2H5) 4NC 104、 (n— C4H9) 4NC 1〇4等の 4 級アンモニゥム塩および環状 4級アンモニゥム塩等、 もしくはこれらの混合物が 好適なものとして挙げられる。
支持電解質としての酸類は、 特に限定されず、 無機酸、 有機酸などが挙げられ、 具体的には硫酸、 塩酸、 リン酸類、 スルホン酸類、 カルボン酸類などが挙げられ o
支持電解質としてのアルカリ類は、 特に限定されず、 水酸化ナトリウム、 水酸 化カリウム、 水酸化リチウムなどが挙げられる。
ゲル化液系イオン伝導性物質
ゲル化液系イオン伝導性物質としては、 上記の液系イオン伝導性物質に、 さら にポリマ一及び/又はゲル化剤を配合して増粘又はゲル化した混合物が例示でき o
配合するポリマ一は特に限定されず、 例えば、 ポリアクリロニトリル、 カルボ
キシメチルセルロース、 ポリ塩化ビニル、 ポリエチレンオキサイ ド、 ポリウレ夕 ン、 ポリアクリレート、 ポリメタクリレート、 ポリアミ ド、 ポリアクリルアミ ド、 セルロース、 ポリエステル、 ポリプロピレンオキサイ ド、 ナフイオンなどが使用 できる。 配合するゲル化剤も特に限定されず、 ォキシエチレンメタクリレート、 ォキシエチレンァクリレート、 ウレタンァクリレート、 アクリルアミ ド、 寒天、 などが使用できる。
挙げられる。
固体系イオン伝導性物質
固体系イオン伝導性物質には、 室温で固体であり、 かつイオン伝導性を有する 物質が何れも使用可能である。 例えば、 ポリエチレンォキサイ ド、 ォキシェチレ ンメタクリレートのポリマー、 ナフイオン、 ポリスチレンスルホン酸、 L i3 N、 Na- ?- A l2 〇3 、 Sn (HPO4 ) 2 · Η2 0などが使用できる。 なかでも、 ォキシアルキレンメタクリレート系化合物、 ォキシアルキレンァクリ レート系化合物またはウレ夕ンァクリレ一ト系化合物の重合物に支持電解質を分 散させた高分子固体電解質の使用が特に好ましい。
高分子固体電解質の第 1の例は、 下記の一般式 (9) で示されるウレ夕ンァク リレートと、 先に示した有機極性溶媒と支持電解質を含む組成物 (以下組成物 A と略す) を固化することにより得られる固体電解質である。
(式中、 Rllおよび R12は同一または異なる基であって、 下記の一般式 ( 1 0) 〜 ( 12) から選ばれる基を示し、 R13および R14は同一または異なる基 であって、 炭素数 1〜20、 好ましくは 2〜 12の 2価炭化水素残基を示し、 Y はポリエーテル単位、 ポリエステル単位、 ポリカーボネート単位またはこれらの 混合単位を示す。 また dは 1〜 100、 好ましくは 1〜 50、 さらに好ましくは 1〜20の範囲の整数を示す。 )
(12)
一般式 (10) 〜 (12) に於いて、 Rl5〜R
17は同一または異なる基であ つて水素原子または炭素数 1〜 3のアルキル基を示し、 また R
18は炭素数 1〜 20の、 好ましくは 2 ~8の 2〜4価有機残基を示す。
この有機残基としては、 アルキルトリル基、 アルキルテトラリル基及び下記の 一般式 (13) で示されるアルキレン基等の炭化水素残基が挙げられる。
一般式 ( 13) に於いて、 R
19は炭素数 1〜3のアルキル基または水素を示 し、 eは 0〜6の整数を示す。 eが 2以上の場合、 R
19は同一でも異なっても 良い。 一般式 (10) で示されるアルキレン基等の炭化水素残基は、 水素原子の 一部が炭素数 1〜6、 好ましくは 1〜3のアルコキシ基又は炭素数 6〜 12のァ リールォキシ基などの含酸素炭化水素基で置換されていて差し支えない。
一般式 ( 10) 〜 ( 12) に於ける R18の具体例を摘記すると、
CH3
CH,CH,—, -CHつ CH— — CHつ CHつ CHつ CHつ一
CH2
CH2— C— CH2— — CH,一 CH— CH,—
CHつ一
等を好ましく挙げることができる, 一般式 ( 9) の R13及び R14で示される 2価炭化水素残基には、 鎖状 2価炭 化水素基、 芳香族炭化水素基、 含脂環炭化水素基などが含まれるが、 鎖状 2価炭 化水素基としては、 先の一般式 ( 1 3) で示されるアルキレン基等を挙げること
R
2
ができ、 芳香族炭化水素基および含脂環炭化水素基としては、 下記の一般式 ( 1 4) 〜 ( 1 6) で示される炭化水素基等が挙げられる。
20
― R CHフ 21 (14)
R
(16)
23
R 一般式 ( 14) 〜 ( 1 6 ) に於いて、 R20および R21は同一または異なる基 であって、 フエ二レン基、 置換フエ二レン基 (アルキル置換フヱニレン基等) 、 シクロアルキレン基、 置換シクロアルキレン基 (アルキル置換シクロアルキレン 基等を示す。 R22〜R25は同一または異なる基であって、 水素原子または炭素 数 1〜3のアルキル基を示す。 また、 fは 1~5の整数を示す
一般式 ( 9) に於ける R13および R の具体例は、 下記の一般式 ( 1 ?)
〜 (23) で例示できる。
—— CH2CH2CH2CH2CH2CH2— (17)
一般式 (9) に於ける Yはポリエーテル単位、 ポリエステル単位およびポリ力 —ボネート単位またはこれらの混合単位を示すが、 このポリエーテル単位、 ポリ エステル単位、 ポリカーボネート単位及びこれらの混合単位としては、 それそれ 下記の一般式 (a) 〜 (d) で示される単位を挙げることができる。
R2 。- (a)
一般式 (a) ~ (d) に於いて、 R26〜: 31は同一または異なる基であって、 炭素数 1〜20、 好ましくは 2〜 12の 2価の炭化水素残基を示し、 hは 2〜3 00、 好ましくは 10〜 200の整数を、 gは 1〜300、 好ましくは 2〜 20 0の整数を、 hは 1〜200、 好ましくは 2〜; L 00の整数を、 iは 1〜200、 好ましくは 2〜100の整数を、 jは 1〜300、 好ましくは 10〜200の整 数をそれそれ示す。
R26〜: R31は、 直鎖または分岐のアルキレン基であることが好ましく、 さら
に言えば、 R28はメチレン基、 エチレン基、 トリメチレン基、 テトラメチレン 基、 ペンタメチレン基、 へキサメチレン基、 プロピレン基のいずれかであること が、 R26〜R27および R29〜R31はエチレン基、 プロピレン基のいずれかであ ることが好ましい。
また、 一般式 (a) 〜 (d) に於いて、 各単位は同一のいわゆる単独重合でも、 異なる単位の共重合でも、 いずれのものでもよい。
一般式 ( 9) で示されるウレタンァクリレートの分子量は、 通常、 重量平均分 子量で 2, 500〜 30, 000、 好ましくは 3 , 000〜 20, 000の範囲 にある。 また、 ウレ夕ンァクリレート 1分子中の重合官能基数は、 好ましくは 2 〜6、 さらに好ましくは 2〜4が望ましい。
一般式 ( 9) で示されるウレタンァクリレートは、 公知の方法により容易に製 造することができ、 その製法は特に限定されるものではない。 上記した組成物 Aを調製する際に使用する有機極性溶媒 (有機非水溶媒) の量 は、 ウレタンァクリレート 100重量部に対して通常 100〜 1200重量部、 好ましくは 200〜 900重量部の範囲で選ばれる、 有機非水溶媒の使用量が少 なすぎると、 イオン伝導度が低下し、 なく、 また有機非水溶媒の使用量が多すぎ ると、 組成物 Aが固化した後の機械強度が低下してしまう場合がある。
支持電解質には先に例示したもの使用でき、 その使用量は有機非水溶媒に対し 0. 1〜30重量%、 好ましくは 1〜20重量%の範囲で選ばれる。
組成物 Aは、 基本的には、 ウレタンァクリレートと有機非水溶媒 (有機極性溶 媒) と支持電解質で構成されるが、 この組成物には本発明の目的を損なわない範 囲で任意成分を必要に応じて加えることができ、 そうした任意成分としては、 例 えば、 架橋剤や重合開始剤 (光または熱) などが挙げられる。 高分子固体電解質の第 2の例は、 ァクリロイル変性ポリアルキ 1 ンォキシドと、 上記有機極性溶媒と、 上記支持電解質を含む組成物 (以下組成物 Bと略す) を固 化することにより得られる高分子固体電解質が挙げられる。
組成物 Bの調製に使用可能なァクリロイル変性ポリアルキレンォキシドの一つ は、 下記一般式 (2 4 ) で表される単官能ァクリロイル変性ポリアルキレンォキ シドである。
(24)
一般式 ( 2 4 ) に於いて、 R
32、 R
33、 R
34および R
35は、 各々個別に水素 または炭素数 1 ~ 5のアルキル基を示し、 そのアルキル基としては、 メチル基、 ェチル基、 i-プロビル基、 n-プロピル基、 n-ブチル基、 t-ブチル基、 n-ペンチル 基等が挙げられ、 特に R
32〜R
34はそれそれ水素又はメチル基であることが、 R
35は水素、 メチル基又はェチル基であることが好ましい。
一般式 ( 2 4 ) の 1は、 1以上の整数、 通常 1≤ 1≤ 1 0 0、 好ましくは 2≤ 1≤ 5 0 , さらに好ましくは 2≤ 1≤ 3 0の範囲の整数を示す。
一般式 ( 2 4 ) で示される化合物の具体例としては、 ォキシアルキレンュニヅ トを 1〜 1 0 0個、 好ましくは 2〜 5 0個、 さらに好ましくは 1〜2 0個の範囲 で持つメ トキシポリエチレングリコ一ルメ夕クリレート、 メ トキシポリプロピレ ングリコールメ夕クリレート、 エトキシポリエチレングリコールメタクリレート、 エトキシポリプロピレングリコールメ夕クリレート、 メ トキシポリエチレングリ コールァクリレー卜、 メ トキシポリプロピレングリコールァクリレート、 ェ卜キ シポリエチレングリコ一ルァクリレート、 ェトキシポリプロピレングリコールァ クリレート、 またはこれらの混合物を挙げることができる。
一般式 ( 2 4 ) の 1が 2以上の場合、 ォキシアルキレンユニッ トは互いに異な るいわゆる共重合ォキシアルキレンュニヅトを持つものでもよく、 その具体例と しては、 例えば、 ォキシエチレンユニットを 1〜 5 0個、 好ましくは 1〜2 0個 の範囲で持ち、 かつォキシプロピレンユニッ トを 1〜 5 0個、 好ましくは 1〜2 0個の範囲で持つところの、 メ 卜キシポリ (エチレン ' プロピレン) グリコール メタクリレート、 エトキシポリ (エチレン ' プロピレン) グリコールメタクリレ —ト、 メ トキシポリ (エチレン · プロピレン) グリコールァクリレート、 ェトキ
シポリ (エチレン 'プロピレン) グリコールァクリレート、 またはこれらの混合 物が挙げられる。
組成物 Bの調製に使用可能なァクリロイル変性ポリアルキレンォキシドの他の 例には、 一般式 (2 6 ) で示される 2官能ァクリロイル変性ポリアルキレンォキ シド及び一般式 (2 7 ) で示される 3官能以上の多官能ァクリロイル変性ポリア ルキレンォキシドがある。
(式中、 R 36、 R37、 R38および R39は、 各々水素または、 1〜5の炭素原子 を有するアルキル基であり、 mは 1以上の整数を示す。 )
C rHCHひ し (26)
(式中、 : R40、 R41、 および R42は、 各々水素または 1〜 5の炭素原子を有す るアルキル基であり、 pは 1以上の整数を示し、 qは 2〜4の整数であり、 Lは q価の連結基を示す。 )
一般式 (2 5 ) において、 R 36、 : 37、 R 38および R 39は、 各々個別に水素 または炭素数 1〜 5のアルキル基を示す、 このアルキル基としては、 メチル基、 ェチル基、 i-プロビル基、 n-プロビル基、 n-ブチル基、 t-ブチル基、 n-ペンチル 基等が挙げられる。 特に R 36〜R 39はそれそれ水素又はメチル基であることが 好ましい。
一般式 ( 2 5 ) 中の mは、 1以上の整数、 通常 1≤m≤ 1 0 0、 好ましくは 2 ≤m≤ 5 0 ^ さらに好ましくは 2≤m≤3 0の範囲の整数を示す。
一般式 ( 2 5 ) で示される 2官能ァクリロイル変性ポリアルキレンォキシドの 具体例は、 ォキシアルキレンュニヅトを 1〜 1 0 0個、 好ましくは 2〜5 0個、 さらに好ましくは 1〜2 0個の範囲で持つポリエチレングリコ一ルジメタクリレ
—ト、 ポリプロピレングリコ一ルジメ夕クリレート、 ポリェチレングリコ一ルジ ァクリレート、 ポリプロピレングリコールジメタクリレート、 またはこれらの混 合物等を挙げることができる。 一
mが 2以上の場合、 ォキシアルキレンュニヅ 卜が互いに異なるいわゆる共重合 ォキシアルキレンユニッ トを持つものでもよく、 その例としては、 例えば、 ォキ シエチレンユニットを 1~50個、 好ましくは 1〜 20個の範囲で持ち、 かつォ キシプロピレンュニヅトを 1~50個、 好ましくは 1〜20個の範囲で持つとこ ろの、 ポリ (エチレン ' プロピレン) グリコ一ルジメ夕クリレート、 ポリ (ェチ レン ·プロピレン) グリコールジァクリレート、 またはこれらの混合物などが挙 げられる。
一般式 (26) に於いて、 R40、 R41および R42は、 各々個別に水素または 炭素数 1〜 5のアルキル基を示し、 このアルキル基としては、 メチル基、 ェチル 基、 i-プロビル基、 n-プロビル基、 n-ブチル基、 t-ブチル基、 n-ペンチル基等が 挙げられる。 R40〜R42は水素又はメチル基であることが好ましい。
一般式 ( 26) の pは 1以上の整数、 通常 1≤P≤ 100、 好ましくは 2≤p ≤ 50さらに好ましくは 2 ^ρ^ 30の範囲の整数を示し、 qは連結基 Lの連結 数を示し、 2≤q^4の整数を示す。
連結基 Lは、 通常、 炭素数 1〜30、 好ましくは 1〜20の 2価、 3価または 4価の炭化水素基である。 2価炭化水素基としては、 アルキレン基、 ァリーレン 基、 ァリールアルキレン基、 アルキルァリーレン基、 またはこれらを基本骨格と して有する炭化水素基などが挙げられ、 具体的には、
— CH,一 — CH,CHf
などが挙げられる。 3価の炭化水素基としては、 アルキルトリル基、 ァリールト リル基、 ァリールアルキルトリル基、 アルキルァリールトリル基、 またはこれら を基本骨格として有する炭化水素基などが挙げられ、 具体的には
— CH—
などが挙げられる。 また、 4価の炭化水素基としては、 アルキルテトラリル基、 ァリールテトラリル基、 ァリールアルキルテトラリル基、 アルキルァリールテト ラリル基、 またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基などが挙げられ、 具 体的には
— CH
等が挙げられる。 多官能ァクリロイル変性ポリアルキレンォキシドの具体例としては、 ォキシァ ルキレンュニッ 卜を 1 〜 1 0 0個、 好ましくは 2 〜 5 0個、 さらに好ましくは 1 ~ 2 0個の範囲で持つトリメチロールプロパントリ (ポリエチレングリコールァ クリレート) 、 トリメチロールプロパントリ (ポリエチレングリコールメタクリ レート) 、 トリメチロールプロパントリ (ポリプロピレングリコールァクリレー ト) 、 トリメチロールプロパントリ (ポリプロピレングリコールメ夕クリレー ト) 、 テトラメチロールメタンテトラ (ポリエチレングリコールァクリレート) 、 テ卜ラメチロールメタンテトラ (ポリエチレングリコールメ夕クリレート) 、 テ トラメチロールメタンテトラ (ポリプロピレングリコールァクリレート) 、 テト ラメチロールメタンテトラ (ポリプロピレングリコールメタクリレート) 、 2 , 2—ビス [ 4— (ァクリロキシポリエトキシ) フエニル] プロパン、 2 , 2—ビ ス [ 4— (メタクリロキシポリエトキシ) フエニル] プロパン、 2 , 2—ビス [ 4— (ァクリロキシポリイソプロボキシ) フエニル] プロパン、 2 , 2—ビス [ 4— (メタクリロキシポリイソプロボキシ) フエニル] プロパン、 またはこれ
らの混合物等を挙げることができる。
また、 一般式 (26) の pが 2以上の場合、 ォキシアルキレンユニッ トが互い に異なるいわゆる共重合ォキシアルキレンュニッ トを持つものでもよく、 例えば、 ォキシエチレンユニットを 1〜50個、 好ましくは 1〜20個の範囲で持ち、 か つォキシプロピレンュニヅトを 1〜 50個、 好ましくは 1〜 2◦個の範囲で持つ ところの、 トリメチロールプロパントリ (ポリ (エチレン ' プロピレン) グリコ ールァクリレート) 、 トリメチロールプロパントリ (ポリ (エチレン 'プロピレ ン) グリコールメタクリレート) 、 テトラメチロールメタンテトラ (ポリ (ェチ レン ·プロピレン) グリコールァクリレート) 、 テトラメチロールメタンテトラ (ポリ (エチレン . プロピレン) グリコ一ルメ夕クリレート) 、 またはこれらの 混合物などがその具体例である。 一般式 (24) で表される単官能ァクリロイル変性ポリアルキレンォキシドと 一般式 (25) 又は一般式 (26) で表される多官能ァクリロイル変性ポリアル キレンォキシドは併用することができる。 併用する場合、 単官能ァクリロイル変 性ポリアルキレンォキシド /多官能ァクリロイル変性ポリアルキレンォキシドの 重量比は通常 0. 01/99. 9〜99. 9/0. 0 1、 好ましくは 1/99〜 99/1、 さらに好ましくは 20/80〜 80/20の範囲にある。
組成物 Bを調製するに際しての極性有機溶媒の使用量は、 ァクリロイル変性ポ リアルキレンォキシドに対して通常 50〜800重量%、 好ましくは 100〜5 00重量%の範囲にあり、 支持電解質の使用量は、 ァクリロイル変性ポリアルキ レンォキシドおよび極性有機溶媒の重量和に対して通常 1~30重量%、 好まし くは 3〜20重量%の範囲である。
上記組成物 Bには、 必要の応じて光重合開始剤や熱重合開始剤を添加すること ができ、 その使用量はァクリロイル変性ポリアルキレンォキシドに対して通常 0, 005〜5重量%、 好ましくは 0. 0 1〜3重量%の範囲である。 進んで、 本発明に係るエレク トロクロミック素子のイオン伝導性物質層に含有
せしめられるピオロゲン構造化合物を説明する。
ピオロゲン構造化合物とは、 下記の一般式 (1) で表される構造を有する化合 物を言う。
一般式 (1) において、 X—、 Υ—は対ァニオンを表し、 それぞれ同一であって も異なってもよく、 ハロゲンァニオン、 C 104—、 BF4—、 P Fs—、 CH3C 0 0一、 CH3 (C6H4) S〇3—から選ばれるァニオンを示し、 ハロゲンァニオン としては、 F一、 C1一、 Br―、 I-等が挙げられる。
上記一般式 (1) で表される構造、 即ちピオロゲン構造を有する化合物として は、 エレク ト口クロミック性を示す化合物である限り、 如何なる化合物も使用可 能である。 例えば、 一分子中にピオロゲン構造単位を一個又は複数個含有する低 分子化合物、 ピオロゲン構造を繰り返し単位として含有する高分子化合物、 ビォ ロゲン構造の末端に高分子量置換基を有する高分子化合物、 分子鎖の一部が上記 ピオロゲン構造を有する基により置換された高分子化合物などが何れも使用でき る o
ピオロゲン構造を有する単位を繰り返し単位として含有する高分子化合物は、 ピオロゲン構造の繰返し単位を側鎖に有する側鎖型高分子化合物でも、 主鎖に有 する主鎖型高分子化合物のどちらでも良い。 この側鎖型高分子化合物における主 鎖部分の繰り返し単位には、 特に限定はなく、 その例としては、 炭化水素単位、 含酸素炭化水素単位、 含窒素炭化水素単位、 ポリシロキサン単位、 またはこれら の共重合単位などが挙げられる。
一般式 ( 1) で表される構造を有する化合物の具体例としては、 N, N, ージ へプチルビピリジニゥムジブロマイ ド、 N, N' —ジへプチルビピリジニゥムジ クロライ ド、 N, N' —ジへプチルビピリジニゥムジパ一クロレート、 N, N, —ジへプチルビピリジニゥムジテトラフ口ロボレート、 N, N, 一ジへプチルビ ビリジ二ゥムジへキサフロロホスフェート、 N, N' —ジへキシルビビリジニゥ
ムジブロマイ ド、 N, N' —ジへキシルビビリジニゥムジクロライ ド、 N, N' —ジへキシルビピリジニゥムジパ一クロレート、 N, N' ージへキシルビピリジ ニゥムジテトラフ口ロボレート、 N, N, 一ジへキシ ビピリジニゥムジへキサ フロロホスフエ一卜、 N, N' 一ジブ口ピルビビリジニゥムジブロマイ ド、 N, N, 一ジプロピルビビリジニゥムジクロライ ド、 N, N' —ジブ口ピルビビリジ 二ゥムジパーク口レート、 N, N, ージプロピルビビリジニゥムジテトラフロロ ボレート、 N, N, 一ジプロビルビビリジニゥムジへキサフロロホスフェート、 N, N5 ージベンジルビピリジニゥムジブロマイ ド、 Ν, Ν' —ジベンジルビビ リジニゥムジパークロレ一卜、 Ν, Ν, ージベンジルビビリジニゥムジテトラフ 口ロボレ一ト、 Ν, N' —ジベンジルビピリジニゥムジへキサフロロホスフエ一 ト、 N, N' —ジメタクリロイルェチルビピリジニゥムジブロマイ ド、 N, N' ージメタクリロイルェチルビピリジニゥムジクロライ ド、 Ν, N' —ジメ夕クリ ロイルェチルビピリジニゥムジパ一クロレート、 Ν, N' —ジメタクリロイルェ チルビビリジニゥムジテトラフ口ロボレート、 N, N' —ジメタクリロイルェチ ルビビリジニゥムジへキサフロロホスフェート、 Ν, Ν, 一ジァクリロイルェチ ルビピリジニゥムジブロマイ ド、 Ν, N' —ジァクリロイルェチルビビリジニゥ ムジクロライ ド、 Ν, Ν, 一ジァクリロイルェチルビピリジニゥムジパークロレ ート、 Ν, Ν, 一ジァクリロイルェチルビピリジニゥムジテトラフ口ロボレ一ト、 Ν, N' —ジァクリロイルェチルビピリジニゥムジへキサフロロホスフエ一ト、 Ν, N' —ジメタクリロイルメチルビピリジニゥムジブロマイ ド、 N, N' —ジ メ夕クリロイルメチルビピリジニゥムジクロライ ド、 Ν, Ν' ージメタクリロイ ルメチルビビリジニゥムジパ一クロレート、 Ν, Ν, 一ジメタクリロイルメチル ビビリジニゥムジテトラフ口ロボレート、 Ν, N' —ジメタクリロイルメチルビ ピリジニゥムジへキサフロロホスフェート、 Ν, Ν, 一ジァクリロイルメチルビ ピリジニゥムジブロマイ ド、 N, N' —ジァクリロイルメチルビピリジニゥムジ パ一クロレート、 N, N' —ジァクリロイルメチルビピリジニゥムジテトラフ口 ロボレ一ト、 Ν, N' 一ジァクリロイルメチルビピリジニゥムジへキサフロロホ スフェート、 Ν—へプチルー Ν, 一メタクリロイルェチルビピリジニゥムジブ口
マイ ド、 N—へプチルー N, 一メタクリロイルェチルビビリジニゥムジクロライ ド、 N—へプチルー N, 一メタクリロイルェチルビビリジニゥムジパークロレ一 ト、 N—へプチルー N, ーメタクリロイルェチルビピリジニゥムジジテトラフ口 ロボレート、 N—へプチルー N, 一メ夕クリロイルェチルビピリジニゥムジへキ サフロロホスフエ一ト、 N—へプチルー N, 一メ夕クリロイルェチルビピリジニ ゥムジブロマイ ド、 N—へキシルー N, 一メタクリロイルェチルビピリジニゥム ジクロライ ド、 N—へキシルー N, 一メ夕クリロイルェチルビピリジニゥムジパ —クロレート、 N—へキシルー N, ーメタクリロイルェチルビビリジニゥムジジ テトラフ口ロボレ一ト、 N—へキシル一 N, 一メタクリロイルェチルビピリジニ ゥムジへキサフロロホスフェート、 N—べンジルー N, 一メ夕クリロイルェチル ビビリジニゥムジブロマイ ド、 N—ベンジル一N ' —メタクリロイルェチルビピ リジニゥムジクロライ ド、 N—ベンジルー N, ーメタクリロイルェチルビピリジ ニゥムジパ一クロレート、 N—べンジルー N, ーメタクリロイルェチルビピリジ ニゥムジジテトラフ口ロボレ一ト、 N—ペンジル一 N, ーメタクリロイルェチル ビビリジニゥムジへキサフロロホスフェート、 N—ブチル一 N, 一メ夕クリロイ ルェチルビピリジニゥムジブロマイ ド、 N—ブチル _ N, 一メ夕クリロイルェチ ルビピリジニゥムジクロライ ド、 N—ブチル一 N ' —メタクリロイルェチルビビ リジニゥムジパーク口レート、 N—ブチル _ N, 一メタクリロイルェチルビビリ ジニゥムジジテトラフ口ロボレート、 N—ブチルー N 5 —メ夕クリロイルェチル ビビリジニゥムジへキサフロロホスフェート、 N—プロピル一 N ' —メタクリロ ィルェチルビビリジニゥムジブロマイ ド、 N—プロピル一 N, 一メ夕クリロイル ェチルビビリジニゥムジクロライ ド、 N—プロピル一 N, 一メ夕クリロイルェチ ルビピリジニゥムジパークロレ一ト、 N—プロピル一 N, 一メ夕クリロイルェチ ルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボレ一ト、 N—プロピル一 N, 一メタクリロ ィルェチルビピリジニゥムジへキサフロロホスフェート、 N—へプチルー N, - メタクリロイルメチルビピリジニゥムジブロマイ ド、 N—へプチル一 N ' —メタ クリロイルメチルビピリジニゥムジクロライ ド、 N—へプチルー N ' —メタクリ ロイルメチルビビリジニゥムジパークロレ一卜、 N—へプチルー N ' —メタクリ
ロイルメチルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボレ一ト、 N—へプチル一 N ' — メタクリロイルメチルビピリジニゥムジへキサフロロホスフエ一ト、 N—へプチ ルー N, 一メ夕クリロイルメチルビピリジニゥムジブロマイ ド、 N—へキシルー N ' —メタクリロイルメチルビピリジニゥムジクロライ ド、 N—へキシルー N ' —メタクリロイルメチルビピリジニゥムジパーク口レート、 N—へキシル一 N, —メタクリロイルメチルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボレート、 N—へキシ ル一 N, 一メタクリロイルメチルビビリジニゥムジへキサフロロホスフエ一ト、 N—ベンジルー N, 一メ夕クリロイルメチルビビリジニゥムジブロマイ ド、 N— ペンジルー N ' —メ夕クリロイルメチルビピリジニゥムジクロライ ド、 N—ベン ジル一 N, 一メタクリロイルメチルビピリジニゥムジパ一クロレート、 N—ベン ジル一 N, 一メタクリロイルメチルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボレート、 N—ベンジルー N, 一メタクリロイルメチルビビリジニゥムジへキサフロロホス フェート、 N—プチルー N ' —メタクリロイルメチルビピリジニゥムジブ口マイ ド、 N—プチル一 N ' —メタクリロイルメチルビピリジニゥムジクロライ ド、 N ーブチルー N ' —メ夕クリロイルメチルビピリジニゥムジパ一クロレート、 N— ブチル一 N ' —メタクリロイルメチルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボレート、 N—ブチル一 N ' —メタクリロイルメチルビピリジニゥムジへキサフロロホスフ エート、 N—プロビル一 N, 一メタクリロイルメチルビピリジニゥムジブ口マイ ド、 N—プロビル一 N, 一メ夕クリロイルメチルビピリジニゥムジクロライ ド、 N—プロピル一 N ' —メ夕クリロイルメチルビピリジニゥムジパーク口レート、 N—プロビル一 N, ーメタクリロイルメチルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボ レート、 N—プロビル一 N ' —メ夕クリロイルメチルビピリジニゥムジへキサフ ロロホスフエ一ト、 N—へプチルー N, 一メタクリロイルフエ二ルビピリジニゥ ムジブロマイ ド、 N—ヘプチル一 N, 一メタクリロイルフエ二ルビビリジニゥム ジクロライ ド、 N—へプチルー N ' —メ夕クリロイルフエ二ルビピリジニゥムジ パ一クロレート、 N—へプチル一 N, 一メ夕クリロイルフエ二ルビピリジニゥム ジジテトラフ口ロボレート、 N—ヘプチル一 N ' —メタクリロイルフエ二ルビビ リジニゥムジへキサフロロホスフェート、 、 N—へプチル一 N, 一メタクリロイ
ルフエ二ルビピリジニゥムジブロマイ ド、 N—へキシルー N, 一メ夕クリロイル フエ二ルビピリジニゥムジクロライ ド、 N—へキシル一 N ' —メタクリロイルフ ェニルビピリジニゥムジパークロレ一ト、 N—へキシル一 N ' —メ夕クリロイル フエ二ルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボレート、 N—へキシルー N, 一メ夕 クリロイルフエ二ルビピリジニゥムジへキサフロロホスフエ一ト、 N—ベンジル — N, ーメタクリロイルフエ二ルビピリジニゥムジブロマイ ド、 N—べンジルー N, 一メ夕クリロイルフエ二ルビピリジニゥムジクロライ ド、 N—ベンジル一 N, 一メタクリロイルフエ二ルビピリジニゥムジパ一クロレート、 N—べンジル — N, 一メ夕クリロイルフエ二ルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボレート、 N 一べンジル一 N, 一メタクリロイルフエ二ルビビリジニゥムジへキサフロロホス フェート、 N—プチルー N, ーメタクリロイルフエ二ルビピリジニゥムジブロマ イ ド、 N—ブチル一 N, 一メ夕クリロイルフエニルビビリジニゥムジクロライ ド、 N—ブチル一 N, 一メタクリロイルフエ二ルビピリジニゥムジパーク口レート、 N—プチルー N, 一メタクリロイルフエ二ルビピリジニゥムジジテトラフ口ロボ レート、 N—ブチル一 N, 一メ夕クリロイルフエ二ルビピリジニゥムジへキサフ ロロホスフェート、 N—プロピル一 N, 一メタクリロイルフエ二ルビピリジニゥ ムジブロマイ ド、 N—プロピル一 N, 一メ夕クリロイルフエ二ルビピリジニゥム ジクロライ ド、 N—プロピル一 N ' —メタクリロイルフエニルビビリジニゥムジ パークロレ一ト、 N—プロピル一 N, 一メ夕クリロイルフエ二ルビピリジニゥム ジジテトラフ口ロボレ一ト、 N—プロビル一 N, 一メタクリロイルフエ二ルビピ リジニゥムジへキサフロロホスフエ一ト、
などが挙げられる。 本発明とつて好ましい上記以外のピオロゲン構造化合物の一つは、 下記一般式 ( 2 7 ) で表される重合体または共重合体である。
x " Y 一般式 (27) 中、 rは 1以上の整数、 好ましくは 1〜 1000の整数、 sは 0以上の整数、 好ましくは 0〜1000の整数を示す。 また、 R43は炭素数 1 〜20、 好ましくは 1〜12の 2価の炭化水素残基または単なる共有結合 (即ち、 上記炭化水素残基を介さずポリマー鎖に直接ピオロゲン基が結合した形態) を示 し、 該炭化水素残基としては、 炭化水素基または含酸素炭化水素基が挙げられる。 上記炭化水素基としては、 メチレン基, エチレン基, プロピレン基, テトラメチ レン基, ペンタメチレン基, へキサメチレン基等の脂肪族炭化水素基, フヱニレ ン基, ビフヱ二レン基, ベンジリデン基等の芳香族炭化水素基などが挙げられ、 また, 含酸素炭化水素基としては、 — OCH2_, -OCH2CH2-5 -OCH2 CH2CH2—等の脂肪族アルコキシレン基、 — OCH2CH2O—, -0 CH2C H2CH20—等の脂肪族ジアルコキシレン基、 一 0(C6H4)—, -OCH2 (C6 H4) —等の芳香族ァリーロキシ基、 —0 (C6H4) 0—, -OCH2(C6H4) 0—等の芳香族ジァリー口キシ基等が挙げられる。
X— , Y" はピオロゲンの対ァニオンで一価の陰イオンを示し, それそれ同 一でも異なってもよく、 例えば、 F―, CI— , Br―, I—等のハロゲンァニオン または C 104―, BF4一, PF6 ― , CH3 C00~, CH3 (C6H ) S03 _ 等が挙げられる。
R4 3 R45, R46は炭素数 i〜20、 好ましくは 1〜 12の炭化水素基, へ テロ原子含有置換基基, ハロゲン原子を表し、 該炭化水素基としては、 例えばメ チル基、 ェチル基、 プロピル基、 へキシル基等のアルキル基、 フエニル基、 トリ ル基、 ベンジル基、 ナフチル基等のァリール基等が挙げられ、 ヘテロ原子含有置 換基としては、 炭素数 1~20、 好ましくは 1〜12の含酸素炭化水素基やアミ
ド基、 アミノ基、 シァノ基などが挙げられ、 該含酸素炭化水素基としては、 メ ト キシ基、 エトキシ基等のアルコキシル基、 フエノキシ基、 トリロキシ等のァリー ロキシ基、 カルボキシル基、 カルボン酸エステル基などが挙げられる。
なお、 一般式 (2 7 ) で表される化合物が共重合体の場合、 その繰り返し単位 の共重合様式は、 ブロック、 ランダム、 交互のいずれでもよい。 ピオロゲン構造を有する化合物の他の例としては、 下記一般式 (2 8 ) で表さ れる重合体または共重合体が挙げられる。
一般式 ( 2 8 ) において、 式中の r , sおよび X— , Υ— は一般式 (2 7 ) と同様のものを表すが、 s = 0であることがより望ましい。 R
47, R
49は各々 一般式 ( 2 7 ) の R
43と同じものを表し、 各々同一でも異なってもよい。 また、 R
48, R
50は一般式 (2 7 ) の R
44と同じものを表し、 各々同一でも異なって もよい。
なお、 一般式 (2 8 ) で表される化合物が共重合体の場合、 その繰り返し単位 の共重合様式は、 ブロック、 ランダム、 交互のいずれでもよい。 ピオロゲン構造を有する化合物の別の例としては、 下記一般式 ( 2 9 ) で表さ れる重合体または共重 体が挙げられる。 一
(29)
R53— N、
X Y 一般式 (29) において、 r, sおよび X— , Y" は一般式 (27) と同様 のものを表すが、 s = 0であることがより望ましい。 R51は一般式 (27) の R43と同じものを表し、 R52, R53, R54は一般式 (27) の R44と同じもの を表し、 各々同一でも異なってもよい。
なお、 一般式 (29) で表される化合物が共重合体の場合、 その繰り返し単位 の共重合様式は、 ブロック、 ランダム、 交互のいずれでもよい。 さらに別の例としては、 下記一般式 (30) で表される重合体が挙げられる。
一般式 (30) において、 tは 0以上の整数を示し、 好ましくは 0〜 20であ り、 uは 1〜: L 000の整数を示す。 また、 R55は一般式 (27) の R43と同 じものを示す。 さらにまた、 ピオロゲン構造を有する化合物の別の例としては、 下記一般式
(3 1 ) で表される重合体または共重合体が挙げられる。
一般式 (31 ) において、 Vは 1以上の整数を示し、 好ましくは 1〜1000 である。 R56は一般式 ( 27) の R44と同じものを示し、 R57は一般式 (2
7) の R46と同じものを示す。 上記の一般式 (27) 〜 (31) に包含されるピオロゲン構造化合物の具体例 と、 一般式 (27) 〜 (31) には包含されないが本発明で使用可能なピオロゲ ン構造化合物の具体例を摘記すれば、 次の通りである。 具体例を表す式に於いて、 Prはプロピル基を示し、 r, sは一般式 (27) で定義したところと同じであ る o
Pr
α α
α CI
C12H25- OCH2CH2 CH2CH2- (! N→CH2CH2Of- Ci2H25
TsO TsO
(p, =0-20, q' = 1〜20)
本発明によれば、 エレク ト口クロミック素子のイオン伝導性物質層は、 ピオ口 ゲン構造化合物が分散した液系イオン伝導性物質、 ゲル化イオン伝導性物質又は 固体系ィォン伝導性物質で形成される。 ィォン伝導性物質層中におけるピオロゲ ン構造化合物の含有量は特には限定されないが、 通常、 0 . 0 0 0 0 1〜 5 0重 量%、 好ましくは、 0 . 0 0 0 1〜 3 0重量%、 さらに好ましくは 0 . 0 0 1〜 1 0重量%の範囲で選ばれる。 イオン伝導性物質層には、 必要に応じて、 イオン 発色を助長する化合物をドープさせることができる。
イオン伝導性物質層は、 2枚の導電基板 (以下これらを対向導電基板と呼ぶ) の間に形成される。 層の形成には任意の方法を採用することができる。 ちなみに、 使用するイオン伝導性物質が液系又はゲル化液系である場合には、 例えば、 2枚 の導電基板を適当な間隔で対向させて周縁部をシールした導電基板間に、 所定量 のピオロゲン構造化合物を予め分散させた液系又はゲル化液系ィオン伝導性物質 を、 真空注入法、 大気注入法、 メニスカス法等によって注入する方法、 スパッ夕 リング法、 蒸着法、 ゾルゲル法等によって一方の導電基板の電極上にイオン伝導 性物質の層を形成させた後、 他方の導電基板を合わせる方法等を用いることがで きる。 さらにまた、 フィルム状のイオン伝導性物質を作成し、 合わせ板ガラスを 製造する要領で、 本発明のエレク トロクロミック素子を製造するこもできる。 また、 使用するイオン伝導性物質が固体系である場合、 とりわけ、 先に説明し た組成物 A又は組成物 Bである場合には、 未固化状態の組成物 A又は組成物 Bを、 周縁部をシールした対向導電基板の間隙に、 真空注入法、 大気注入法又はメニス カス法で注入した後、 適宜な方法で組成物を固化させる方法が採用できる。 ここ で言う固化とは、 組成物 A又は組成物 Bに含まれる重合性成分又は架橋性成分が、 重合 (重縮合) ないしは架橋反応によって硬化し、 組成物全体が常温において実 質的に流動しない状態となることをいう。 この固化により、 組成物 A又は組成物 Bは、 ネッ トワーク状の骨格構造を形成する。
〔図面の簡単な説明〕
第 1図は、 本発明に係るエレク トロクロミック素子の一つの断面図である。
第 2図は、 本発明に係るエレク トロクロミックミラーの一つの断面図である。 以下、 本発明に係るエレク トロクロミック素子の構成を図面に沿って説明する。 第 1図に示すエレクトロクロミック素子は、 透明基板( 1 )の一方の面に透明電 極層( 2 )を形成し、 その上にさらにエレクトロクロミック膜(3 )を形成した第一 の基板と、 透明基板(6 )の一方の面に透明電極層(7 )を形成した第二の基板とを、 第一の基板上のェレク ト口クロミック膜と第二の基板上の透明電極層とが内側に なるよう適宜な間隔で対向させ、 その間隙にイオン伝導性物質(4)が挟持されて いる。
このエレクト口クロミック素子の作成手順は次のとおりである。 まず、 透明基 板(1 )の片面に透明電極層(2 )を形成し、 次いでこの透明電極層上にエレクトロク 口ミック層(3 )を形成して第一の基板を作成する。 別に、 透明基板(7 )に透明電極 層(6 )を形成して第二の基板を作成する。 続いて、 第一の基板のエレクトロクロ ミック層(3 )と、 第二の基板の透明電極層(6 )が向き合わせて 2枚の基板を 1〜 1 0 0 0 m程度の間隔で対向させ、 注入口となる一部を除いて全周をシール材 ( 5 )でシールし、 注入口付きの空セルを作成する。 次いで、 ピオロゲン構造化合 物を分散させたイオン伝導性物質 (通常液状) を、 上記注入口からセル内に注入 し、 注入口を封鎖することでエレクトロクロミック素子を得ることができる。
2枚の基板を対向させる際、 間隔を一定に確保するためにスぺーサーを用いる ことができる。 このスぺ一サ一には特に限定はないが、 通常はガラス、 ポリマ一 等で構成されるビーズまたはシートを用いる。 スぺ一サ一は、 対向する導電基板 の間隙に挿入したり、 導電基板の電極上に樹脂等の絶縁物で構成される突起状物 を形成する方法等より設けることができる。
また、 別法として、 透明基板 1上に前述の方法により透明電極層(2 )とエレク トロクロミック層(3 )を有する上記第一の基板のエレク トロクロミック層(3 )上に、 ピオロゲン構造化合物を含有するイオン伝導性物質層(4)を、 層厚 1〜 1 0 0 0 / m程度で形成する。 次いで、 第一の基板のイオン伝導性物質層(4)と、 上記第 二の基板の透明電極層(6 )とが密着するよう両基板を重ね、 周囲をシール材(5 )で シールする方法でも本発明のエレクトロクロミツク素子を得ることができる。
第 2図に示すエレク トロクロミックミラーは、 透明基板(1 )の一方の面にアル ミニゥム板(8)を密着させ、 他方の面に透明電極層( 2 )を形成し、 その上にさら にエレクト口クロミヅク膜(3 )を形成した第一の基板と一、 透明基板( 6 )の一方の 面に透明電極層( 7 )を形成した第二の基板とを、 第一の基板上のェレクト口クロ ミック膜と第二の基板上の透明電極層とが内側になるよう適宜な間隔で対向させ、 その間隙にイオン伝導性物質(4)が挟持されている。
このエレクトロクロミヅクミラーは、 透明基板(1 )の一方の面にアルミニウム 板を密着させるさせる点を除いて、 第 1図に示すエレク トロクロミック素子と同 様な方法で作成することができる。
本発明に係るエレク 卜口クロミック素子の代表的な構成は、 第 1図に示すとお りであるが、 本発明のエレク ト口クロミック素子には、 必要に応じて、 紫外線反 射層や紫外線吸収層などの紫外線カツ ト層、 素子全体もしくは各膜層の表面保護 を目的とするオーバーコート層、 防眩ミラーとして使用するための反射板を設け ることができる。 紫外線カッ ト層は、 透明基板(1 )の外界側もしくは透明電極層 (2 )側、 透明基板(7)の外界側もしくは透明電極層(6 )側に設けることができる。 オーバーコート層は、 透明基板(1 )の外界側や透明基板(7)の外界側に設けること ができる。 反射板は、 透明基板(1 )の外界側や透明基板 ( 7)の外界側に設けること ができる。 または反射板が導電性を備えていれば、 透明電極層(2 )又は(6 )に代え て、 この導電性反射板を使用することができる。 本発明のエレクトロクロミック素子は、 特定の化合物を含有するエレクトロク 口ミック層を備えていることに加え、 ピオロゲン構造化合物を含有するイオン伝 導性物質層を備えているので、 応答速度が速く、 着色濃度の調節が容易で、 しか も十分な耐久性やメモリー性を有する。 また、 本発明のエレク ト口クロミック素 子は、 比較的容易にかつ安価に製造することができる。 そればかりでなく、 ィォ ン伝導性物質層として固体電解質を用いることができるので、 素子が破損しても 電解質物質が飛び散る恐れがなく、 従って、 大型で安全性が高いエレクト口クロ ミック素子を作ることができる。
以上のことから、 本発明のエレク ト口クロミック素子は、 建物や自動車等の乗 り物用に代表される調光窓や、 装飾用、 間仕切り用などの他、 自動車用防眩ミラ —等に好適に使用することができる。 以下に実施例を挙げ、 本発明を具体的に説明するが、 本発明は実施例に制限 されるものではない。 実施例 1
( 1) エレクトロクロミック化合物の合成と製膜
ベンジジンと 3当量のェチルクロライ ドとの反応で得られた N, N, N' —ト リエチルベンジジンに、 5. 37 g (2 Ommo 1) を 5 Omlの塩化メチレン に溶かし、 トリェチルァミン存在下で、 メ夕クリル酸クロライ ド 2. 30 g ( 2 2mmo 1 ) の塩化メチレン 20 m 1溶液を滴下した。 反応後、 反応溶液を水洗 し、 硫酸ナトリゥムで乾燥した後、 溶媒を留去して 6. 34 g (18mmo 1) の N—メ夕クリロイル一N, N' , N, 一トリェチルベンジジン (エレクトロク 口ミック化合物) を得た。 この化合物の構造を下記に示す。
丫
CH-c
このエレクトロクロミヅク化合物を重合開始剤 A I BN2wt%とともにクロ 口ホルムに溶解させ 10 wt %溶液とし、 透明電極として I T 0のついたガラス 基板の I TO上にスピンコートにより塗布した。 ホッ トプレート上で加熱して、 クロ口ホルムを留去させた後、 高圧水銀灯による紫外線を照射して重合架橋膜と し、 膜厚約 5 zmのエレクト口クロミック層を有する基板 Aを得た。 なお、 この エレク トロクロミック層における重合体の繰り返し単位数 (一般式 (2) におけ る aに相当) は約 20であった。
(2) ピオロゲン化合物の合成
ビビリジル 3. 12 g ( 20 mmo 1 ) をフラスコ中で 100mlのァセト 二トリルに溶解させ、 ここに n-ヘプチルブロマイ ド 7. 1 6 g ( 40 mmo 1) を加えた。
ァセトニトリルの還流温度で 12時間反応させ、 析出した固体を濾別、 乾燥 して N, N, 一ジへプチルビピリジニゥムジブロマイ ド 8. 74 g ( 17mmo 1) を得た。
(3) エレクト口クロミック素子の作製
透明電極となる I TOで片面が被覆されたガラス基板 (基板 B) の I TO被覆 側周辺部に、 一部分を残してエポキシ系接着剤を線状に塗布し、 この上に基板 A を、 エレク ト口クロミック層と基板 Bの I TO層とが向かい合うように重ね合わ せ、 加圧しながら接着剤を硬化させ、 注入口付き空セルを作製した。
他方で、 メ トキシポリエチレングリコールモノメタクリレート (新中村化学ェ 業株式会社製 ME04) [ォキシエチレンユニッ ト数 4] l . O g、 ポリエ チレングリコールジメタクリレート (新中村化学工業株式会社製 9 G) [ォキ シエチレンユニット数 9] 0. 02 g、 ァ一プチロラクトン 4. 0 gの混合溶 液に、 過塩素酸リチウム 0. 4 g、 (2) で合成した N, N, —ジへプチルビピ リジニゥムジブ口マイ ド 0. l gを添加し、 均一溶液とした。 暗室内で、 上記均 一溶液に光重合開始剤である 1— (4一イソプロピルフヱニル) — 2—ヒドロキ シ一 2—メチルプロパン一 1—オン (メルク社製、 商品名 「ダイキュア一 1 1 1 6」 ) 0. 02 gを添加して得られた均一溶液を脱気後、 上述のようにして作成 した空セルの注入口より電解質前駆体として注入した。
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、 透明基板 B側から蛍光灯の光を当て て電解質前駆体を硬化させ、 固体型電解質を得た。 このようにして第 1図に示す 構成の全固体型エレクトロクロミック素子を得た。
素子は組み立てた時点では着色しておらず、 透過率は約 80%であった。 また、 電圧を印加すると応答性に優れ、 良好なエレク トロクロミ、ソク特性を示した。 例 えば、 1. 5 Vの電圧を印加すると着色し、 10秒後波長 633 nmの光の透過
率は約 10%となった, 実施例 2
( 1 )エレクト口クロミツク化合物の合成
500 m 1の 3つ口フラスコにジフエニルァミン 25. 4 g ( 1 50 mmo 1) 、 セシウムフロライ ド 22. 8 g ( 15 Ommo 1) を秤り取り、 フラスコ 内を窒素置換して、 ジメチルスルフォキシド 25 Oml加えて撹拌した。 1—フ ロロ一 4—ニトロベンゼン 2 1. 3 g ( 150 mmo 1 ) 加えてオイルバスで 1 20°Cに加熱し、 24時間撹拌を継続した。
反応溶液を氷水に注ぎ固体を析出させ、 得られた固体を酢酸より再結晶させて 式 (33) で表される化合物 29. 5 g ( 102 mmo 1 ) を得た。
〇
上記の化合物のうちの 1 5. 0 g ( 52 mmo 1) を、 500ml 3つロフラ スコに移し、 ジメチルフオルムアミ ド 20 Oml、 5 %パラジウム/カーボン 1 5 gを加えて、 常圧で水素を供給した。 室温で 12時間撹拌を続けた後、 パラジ ゥムカーボンを濾過して除き、 反応溶液を氷水に注いで固体を析出させた。 得られた白色固体を減圧乾燥させ、 式 (34) で示される化合物 12. 5 g (48 mmo 1 ) を得た。
式 ( 34 ) の化合物 12. 5 g (48mmo 1 ) を 500mlの 3っロフラス コに移し、 ベンゼン 250 ml、 トリエチルアミン 10mlを加えて、 氷冷下で 撹拌した。 メ夕クリル酸クロライ ド 6. 3 g (6 Omipo 1) /ベンゼン 20 m 1溶液を滴下した。
反応溶液を 1 N H C 1水溶液で 2回、 水で 2回、 1 N N a 0 H水溶液で 2回そ れそれ洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を留去して式 (35) で示され るエレクト口クロミック化合物 13. 4 g (4 lmmo 1) を得た。
このエレクト口クロミック化合物を重合開始剤 A I BN 2 wt %とともに塩化 メチレンに溶解させ 1 Owt %溶液とし、 片面に反射板としてのアルミニウム板 が、 もう一方の面に透明電極としての I T 0が付いたガラス基板の I T 0上に、 上記溶液をスピンコートにより塗布した。 ホッ トプレート上で加熱して、 クロ口 ホルムを留去させた後、 高圧水銀灯による紫外線を照射して重合架橋膜とし、 膜 厚約 7〃mのエレク トロクロミック層を有する基板 Cを得た。 なお、 このエレク トロクロミック層における重合体の繰り返し単位数 (一般式 (2) における aに 相当) は約 20であった。
(2) 防眩ミラーの作製
透明電極層となる S n〇2で片面が被覆されたガラス基板 (基板 D) の SnO 2被覆面側周辺部に、 一部分を残してエポキシ系接着剤を線状に塗布し、 この上 に、 上記した基板 Cをエレク トロクロミック層と透明電極層とが向き合うように 重ね合わせ、 加圧しながら接着剤を硬化させ、 注入口付き空セルを作製した。
メ トキシポリエチレングリコールモノメタクリレ一ト (新中村化学工業株式会 社製 ME04) [ォキシエチレンユニッ ト数 4] 1. O g、 ポリエチレング リコ一ルジメ夕クリレート (新中村化学工業株式会社製 9 G) [ォキシェチレ ンユニット数 9] 0. 02 g、 ァープチロラク トン 4. 0 gの混合溶液に、 過 塩素酸リチウム 0. 4 gを添加し、 均一溶液とした。 暗室内で、 上記均一溶液に 光重合開始剤である 1一 (4—イソプロピルフエニル) — 2—ヒドロキシー 2— メチルプロパン一 1—オン (メルク社製、 商品名 「ダイキュア一 1 1 16」 ) 0 , 02 gを添加して得られた均一溶液を脱気後、 上述のようにして作成した空セル の注入口より電解質前駆体として注入した。
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、 基板 Cの側から蛍光灯の光を当てて 電解質前駆体を硬化させ、 固体型電解質を得た。 このようにして第 2図に示す構 成の全固体型エレク トロクロミツクミラーを得た。
このエレクト口クロミ ヅクミラ一は組み立てた時点では着色しておらず、 反射 率は約 75%であった。 また、 電圧を印加すると応答性に優れ、 良好なエレクト 口クロミック特性を示し、 1. 5 Vの電圧を印加すると着色し、 反射率は約 1 0%となった。 実施例 3
( 1) エレクト口クロミック化合物の合成
100mlの 3つ口フラスコに Ν, Ν'—ジメチルー Ν, Ν'—ジフエ二ルー p —フエ二レンジァミン 1. 50 g ( 5. 2 Ommo 1) 、 ブロピオンアルデヒ ド 0. 39 g (6. 8mmo l) 、 ニト口ベンゼン 30mlを入れ、 40°C に加熱しながらマグネチックスターラーで撹拌した。 触媒としてトリフロロ酢酸
0. 05 g (0. 4mmo 1) を滴下した。 120時間後、 反応溶液をェタノ ールに滴下してポリマ一を析出させたところ、 下記式 (36) のような構造のポ リマ一 (重量平均分子量 3, 500、 式中の nは約 10 (平均値)") を得た。
ビビリジル 3. 12 g ( 20 mmo 1) をフラスコ中で 100 mlのァセト 二トリルに溶解させ、 ここに n-ヘプチルブロマイ ド 7 · 1 6 g (40 mmo 1) を加えた。
ァセトニトリルの還留温度で 12時間反応させ、 析出した固体を濾別、 乾燥 して N, N, ージへプチルビピリジニゥムジブロマイ ド 8. 74 g ( 17 mmo 1) を得た。
(3) エレクト口クロミヅク素子の作製
上記(1)で製造したエレク 卜口クロミヅク化合物を二ト口ベンゼンに溶解させ 10重量%溶液とし、 これを I T 0被覆されたガラス基板上の I T 0側に塗布 した。 ホッ トプレート上で加熱してニトロベンゼンを除いて、 該化合物の薄膜を 得て (膜厚約 5 m) 、 これをエレク ト口クロミック層付き透明導電性基板 (基 板 E) とした。
透明電極として同じく I TO被覆されたガラス基板 (基板 F) の I TOの周辺 部に、 一部分を残してエポキシ系接着剤を線状に塗布し、 この上に基板 Eを、 ェ レクト口クロミック層と基板 Fの I T 0層とが向かい合うように重ね合わせ、 カロ 圧しながら接着剤を硬化させ、 注入口付き空セルを作製した。
メ トキシポリエチレングリコールモノメタクリレート (新中村化学工業株式会 社製 ME04) [ォキシエチレンユニッ ト数 4] 1. 0 g、 ポリエチレング リコールジメタクリレート (新中村化学工業株式会社製 9 G) [ォキシェチレ ンユニッ ト数 9] 0. 02 g、 ァ一プチロラクトン 4. 0 gの混合溶液に、 過 塩素酸リチウム 0. 4 g、 へプチルビオロゲン 0. 1 gを添加し、 均一溶液とし た。 暗室内で、 上記均一溶液に光重合開始剤である 1一 (4—イソプロピルフエ ニル) 一 2—ヒドロキシー 2—メチルプロパン一 1一オン (メルク社製、 商品名 「ダイキュア— 1 1 16」 ) 0. 02 gを添加して得られた均一溶液を脱気後、 上述のようにして作成した空セルの注入口より電解質前駆体として注入した。
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、 透明基板 F側から蛍光灯の光を当て て電解質前駆体を硬化させ、 固体型電解質を得た。 このようにして第 1図に示す 構成の全固体型エレクトロクロミック素子を得た。
素子は組み立てた時点では着色しておらず、 透過率は約 80%であった。 また、 電圧を印加すると応答性に優れ、 良好なエレクト口クロミック特性を示した。 す なわち、 1. 5 Vの電圧を印加すると着色し、 10秒後波長 633 nmの光の透 過率は約 10%となった。 実施例 4
( 1) エレクト口クロミック化合物の合成
100mlの 3つ口フラスコに N, N'—ジメチル一 N, N,一ジフエニルベン ジジン 1. 50 g (4. 12 mmo 1) 、 メチルェチルケトン 0. 42 g
(5. 8 mmo 1) 、 ニトロベンゼン 3 Omlを入れ、 60。Cに加熱しながら マグネチックスターラーで撹拌した。 触媒として硫酸 0. 05 g (0. 5 mm o 1 ) を滴下した。 140時間後、 反応溶液をエタノールに滴下してポリマーを 析出させたところ、 下記式 (37) のような構造のポリマ一 (重量平均分子量 4
: 000、 式中の nは約 10 (平均値) ) を得た。
(2) ビォロゲン化合物の合成
メタノール中で、 ビビリジルとへプチルクロライ ドとを等モル量で反応させて、 モノ置換体 N—へプチルビピリジニゥムクロライ ドを得た。 この N—へプチルビ ピリジニゥムクロライ ド 7. 06 g (2 1mm o 1) をメタノール 1 50mlに 溶解させ、 2—ブロモェチルメ夕クリレー卜 1 1. 39 g ( 2 1 mmo 1 ) を加 えて、 室温で 24時間攪拌し、 N—へプチルー N, 一メ夕クリルェチルビピリジ ニゥムジブ口マイ ドを得た。
(2) 防眩ミラーの作製
上記(1) 製造したエレクトロクロミック化合物をニトロベンゼンに溶解させ、 10重量%溶液とした。 この溶液を、 一方の表面にアルミニウム反射板、 他方の 表面に Sn02透明導電膜が設けられているガラス基板の、 S n 02膜上に塗布 し、 ホットプレート上で加熱してニトロベンゼンを除いてエレクトロクロミヅク 該化合物の薄膜 (膜厚約 5 Aim) を形成させることにより、 エレク ト口クロミツ ク層付き反射性導電基板 (基板 G) を得た。
一方、 透明電極層となる Sn02で片面が被覆されたガラス基板 (基板 H) の Sn02被覆面側周辺部に、 一部分を残してエポキシ系接着剤を線状に塗布し、 この上に、 上記の基板 Gをエレク トロクロミック層と透明電極層とが向き合うよ うに重ね合わせ、 加圧しながら接着剤を硬化させ、 注入口付き空セルを作製した メ トキシポリエチレングリコールモノメ夕クリレ一ト (新中村化学工業株式会 社製 ME04) [ォキシエチレンユニット数 4] 1. O g、 ポリエチレング リコールジメ夕クリレート (新中村化学工業株式会社製 9 G) [ォキシェチレ ンユニッ ト数 9] 0. 02 g、 ァープチロラクトン 4. O gの混合溶液に、 過 塩素酸リチウム 0. 4 gを添加し、 均一溶液とした。 暗室内で、 上記均一溶液に 光重合開始剤である 1一 ( 4一イソプロピルフエニル) 一 2—ヒドロキシ一 2— メチルプロパン一 1一オン (メルク社製、 商品名 「ダイキュア一 1 1 16」 ) ◦ . 02 g、 N—へプチルー N, 一メタクリルェチルビピリジニゥムジブロマイ ド 0. 1 gを添加して得られた均一溶液を脱気後、 上述のようにして作成した空セルの 注入口より電解質前駆体として注入した。
注入口をェポキシ系接着剤で封止した後、 透明基板 Gの側から蛍光灯の光を当 てて電解質前駆体を硬化させ、 固体型電解質を得た。 このようにして第 2図に示 す構成の全固体型エレク トロクロミックエレク 卜口クロミック素子を得た。
このエレクト口クロミック素子は組み立てた時点では着色しておらず、 反射率 は約 75%であった。
また、 電圧を印加すると応答性に優れ、 良好なエレク ト口クロミック特性を示し、
1. 5 Vの電圧を印加すると着色し、 反射率は約 10%となった。 実施例 5
(1) エレクト口クロミック化合物の合成
100m 1の 3つ口フラスコに Ν, Ν'—ジメチルー N, Ν'—ジ (Ν—メチル —Ν—フエ二ルー ρ—ァニリノ) 一フエニル一 ρ—フエ二レンジァミン 3. 0 0 g (6. 02 mmo 1 ) とべンズアルデヒド 0. 83 g (7. 8mmo l) 、 ニトロベンゼン 3 Omlを入れ、 60°Cに加熱しながらマグネチックス夕一ラ 一で撹拌した。 触媒として硫酸 0. 05 g (0. 5mmo l) を滴下した。 1 50時間後、 反応溶液をエタノールに滴下してポリマーを析出させたところ、 下 記式 (38) のような構造のポリマー (重量平均分子量 3, 000、 式中の nは 約 5 (平均値) ) を得た。
(2) エレクト口クロミック素子の作製
上記(1)で製造したエレクトロクロミック化合物を二トロベンゼンに溶解させ
10重量%溶液とし、 これを一方の面が Sn〇2薄膜で被覆されたガラス基板 上の S n〇2薄膜上に塗布した。 ホヅトプレート上で加熱してニトロベンゼンを 除き、 エレクトロクロミック層付き透明導電基板 (基板 I) を得た。
—方、 片面に透明電極となる S n02膜が付いたガラス基板 (基板 J) の Sn 02膜側周辺部に、 一部分を残してエポキシ系接着剤を線状に塗布した。 この上 に上記の基板 Iを、 エレク トロクロミック層と Sn〇2面とが向かい合うように 重ね合わせ、 加圧しながら接着剤を硬化させ、 注入口付き空セルを作製した。 メ トキシポリエチレングリコールモノメタクリレート (新中村化学工業株式会 社製 ME09) [ォキシエチレンユニッ ト数 9] 1. 0g、 ポリエチレング
リコールジメ夕クリレート (新中村化学工業株式会社製 9 G) [ォキシェチレ ンユニット数 9] 0. 02 g、 ァープチロラク トン 4. 0 gの混合溶液に、 過 塩素酸リチウム 0. 4 gを添加し、 均一溶液とした。 暗室内で、 上記均一溶液 に光重合開始剤である 1一 (4—イソプロピルフエニル) 一2—ヒドロキシー 2 —メチルプロパン— 1—オン (メルク社製、 商品名 「ダイキュア— 1 1 16」 ) 0. 02 gを添加して得られた均一溶液を脱気して上記のようにして作成したセ ルに電解質前駆体として注入した。 注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、 透 明基板 Jの側から蛍光灯の光を当てて電解質前駆体を硬化させ、 固体型電解質を 得た。
このようにして、 第 1図に示す構成の全固体型エレクトロクロミックエレクト 口クロミツク素子を得た。
このエレクト口クロミック素子は組み立てた時点では着色しておらず、 透過率 は約 70%であった。 また、 電圧を印可すると応答性に優れ、 良好なエレクト口 クロミック特性を示し、 1. 5 Vの電圧を印加すると着色し、 透過率は約 10% となった。