JP2021026017A - 電子デバイス、調光レンズ、及び調光メガネ - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明状態を維持してかつ発色状態も維持できる電子デバイスを提供する。【解決手段】 第一の電極、第二の電極、及び前記第一の電極と前記第二の電極の間に電解質を有し、更に、前記第一の電極と前記電解質との間に最低非占有分子軌道準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有する電子デバイスである。【選択図】図2
Description
本発明は、電子デバイス、調光レンズ、及び調光メガネに関する。
電圧印加による可逆的な酸化還元反応にともない、色が可逆的に変化する現象をエレクトロクロミズムという。一般的に、エレクトロクロミズムを利用した表示素子は、対向する2つの電極でエレクトロクロミック材料を挟み、イオン伝導可能な電解質層が電極間に満たされた構成をとる。エレクトロクロミック素子の対向する2つの電極のうちの一方の近傍では還元反応が、他方の電極の近傍では逆反応である酸化反応が起こり、これにともない色彩や光学濃度が変化することにより、表示素子として機能する。つまりこれは二次電池の充放電機構と同様である。
このようなエレクトロクロミック素子において、透明な表示デバイスを得ようとする場合、無色透明の状態を有する材料により構成されていることが必要である。
このような材料としては、中性状態が無色透明状態であり、還元状態で発色するエレクトロクロミズムを示すビオロゲン化合物が知られている。デバイスの発色層として、前記ビオロゲン化合物を用いる場合、酸化チタン微粒子を用いた多孔質電極を用いることで、高い光学的濃度や高コントラスト比を実現できることが報告されている。
また、中性状態が透明であり、酸化状態で発色するエレクトロクロミック材料としては、トリアリールアミン化合物などが報告されており、トリアリールアミン系材料に重合性官能基を付与し、高分子化した化合物を用いたエレクトロクロミック素子が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
本出願人は、還元側のビオロゲンと酸化側のトリアリールアミンを組み合わせた、コントラストの高い良好なエレクトロクロミック素子を提案した(例えば、特許文献3参照)。
しかし、これらのエレクトロクロミック素子は素子内に酸素が存在した場合において、還元側の発色状態を保持するのは難しい。すなわち、透明状態を維持してかつ発色状態も維持できる電子デバイスの開発が望まれている。
本発明は、透明状態を維持してかつ発色状態も維持できる電子デバイスの提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段である電子デバイスは、第一の電極、第二の電極、及び前記第一の電極と前記第二の電極の間に電解質を有し、更に、前記第一の電極と前記電解質との間に最低非占有分子軌道準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有することを特徴とする。
本発明によると、透明状態を維持してかつ発色状態も維持できる電子デバイスを提供することができる。
(電子デバイス)
本発明の電子デバイスは、最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:LUMO)準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有する。
なお、電子デバイスにおいて、LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有することには、電子デバイスにおいて前記電子受容性化合物がその構造を保持して存在していている態様に加え、前記電子受容性化合物が重合体の構成成分となって存在している態様も含まれる。
言い換えれば、電子デバイスが、LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有するとは、電子デバイスが、LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を構成成分として含有することを意味する。
本発明の電子デバイスは、最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:LUMO)準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有する。
なお、電子デバイスにおいて、LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有することには、電子デバイスにおいて前記電子受容性化合物がその構造を保持して存在していている態様に加え、前記電子受容性化合物が重合体の構成成分となって存在している態様も含まれる。
言い換えれば、電子デバイスが、LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有するとは、電子デバイスが、LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を構成成分として含有することを意味する。
本発明者らは、透明状態を維持してかつ発色状態も維持できる電子デバイスを提供するため鋭意検討を重ねた結果、最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:LUMO)の準位が−4.0eV以下の特定の電子受容性材料を用いることで、透明状態を維持してかつ発色状態も維持できる子デバイスが得られることを見出した。
前記LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物は酸素の還元電位より低いため、酸素によって還元状態から電子を奪われにくい。さらに、前記電子受容性化合物が、重合反応による高分子量化や、電極表面への吸着により電極上に固定化されている場合、素子内にて還元材料の対極材料である酸化材料と接触による電荷のやり取りがないため、還元状態が維持されやすい。その結果、透明状態を維持してかつ発色状態も維持できる。さらにLUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を用いることにより、電子が電極から電子受容性化合物に注入されやすくなるため、デバイスの駆動電圧を低下させることが可能となる。さらにデバイスの駆動電圧の低下は、さらにデバイスの繰り返し耐久性の向上につながることが期待される。
前記LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物は酸素の還元電位より低いため、酸素によって還元状態から電子を奪われにくい。さらに、前記電子受容性化合物が、重合反応による高分子量化や、電極表面への吸着により電極上に固定化されている場合、素子内にて還元材料の対極材料である酸化材料と接触による電荷のやり取りがないため、還元状態が維持されやすい。その結果、透明状態を維持してかつ発色状態も維持できる。さらにLUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を用いることにより、電子が電極から電子受容性化合物に注入されやすくなるため、デバイスの駆動電圧を低下させることが可能となる。さらにデバイスの駆動電圧の低下は、さらにデバイスの繰り返し耐久性の向上につながることが期待される。
なお、LUMO準位の算出は、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用いる。対象物質のCVを測定し、フェロセンの酸化還元電位を基準として求めた還元電位に対してFc/Fc+=−4.8eVとして、LUMO準位を求める。LUMO準位=−4.8eV−(CVで求められた還元電位E red,1/2(フェロセン/フェロセニウムに対して))(B.W. Andrade, Org. Electron. 6, 11 (2005))。
<電子受容性化合物>
電子デバイスにおいて、LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物は、その構造を保持して存在していてもよいし、重合体の構成成分となって存在していてもよい。
電子デバイスにおいて、LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物は、その構造を保持して存在していてもよいし、重合体の構成成分となって存在していてもよい。
ここで、電子受容性化合物とは、他の物質から電子を受け取り、自分自身へ移動させる化学物質である。電子の受け取りは電子受容性化合物を還元し、また、電子を奪われた物質(電子供与性化合物)を酸化する。このため、電子受容性化合物は本質的に酸化剤である。
LUMO準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、下記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物が好ましい。
[一般式(I)]
前記一般式(I)中、R1からR8は、それぞれ独立に置換あるいは無置換のアルキル基を表す。R1〜R8のうち少なくとも一つは、重合性官能基、又は水酸基に対して結合可能な官能基を有することが好ましい。v、w、x、y、及びzは、それぞれ独立に0から4の整数を表し、R9からR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、及び一価の基のいずれかを示す。前記v、w、x、y、及びzが2以上であり、R9、R10、R11、R12、又はR13がそれぞれ複数存在する場合、複数のR9、R10、R11、R12、又はR13は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
[一般式(II)]
前記一般式(II)中、R21〜R23は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、一価の基を表す。R24〜R25のうち少なくとも一つは、重合性官能基、又は水酸基に対して結合可能な官能基を有することが好ましい。a、及びbは、それぞれ独立に0から3の整数を表す。前記a、及びbが2以上であり、R21、又はR22がそれぞれ複数存在する場合、複数のR21、及びR22は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
[一般式(I)]
[一般式(II)]
なお、一般式(1)において、以下の骨格はエレクトロクロミック機能を発現し、この部分が酸化還元することによって色彩が変化するとともに、この骨格は、LUMO準位を−4.0eV以下とすることに大きく影響する。他方、R1〜R8は、エレクトロクロミック機能には大きな寄与をせず、また下記骨格のエレクトロクロミック機能を阻害もしないとともに、LUMO準位を上げることにもほとんど寄与しない。
一般式(2)において、以下の骨格はエレクトロクロミック機能を発現し、この部分が酸化還元することによって色彩が変化するとともに、この骨格は、LUMO準位を−4.0eV以下とすることに寄与する。他方、R21〜R25は、エレクトロクロミック機能には大きく影響せず、また下記骨格のエレクトロクロミック機能を阻害もしないとともに、LUMO準位を上げることにもほとんど寄与しない。
前記一般式(I)又は(II)におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記一般式(I)又は(II)における一価の基としては、例えば、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、スルホニル基、スルホンアミド基、アミノスルホニル基、アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基などが挙げられる。これらは、置換基を有していてもよい。
ここでの「基」とは、2以上の原子により構成される基を意味する。
ここでの「基」とは、2以上の原子により構成される基を意味する。
前記置換基を有してもよいものとしては、例えば、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノカルボニル基等の置換基を有していてもよいカルボニル基;置換基を有していてもよいアルコキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルホンアミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノスルホニル基等の置換基を有していてもよいスルホニル基;置換基を有していてもよいモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノ基等のアルキルアミノ基;置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基;置換基を有していてもよいアルキニル基;置換基を有していてもよいアリール基;置換基を有していてもよいアルコキシ基;置換基を有していてもよいアリールオキシ基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基;置換基を有していてもよいアリールチオ基;置換基を有していてもよいヘテロアリール基などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数1以上のアルキル基、炭素数2以上のアルケニル基、炭素数2以上のアルキニル基、炭素数6以上のアリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基が好ましい。
前記炭素数1以上のアルキル基としては、例えば、原料の入手性の点から、直鎖又は分岐鎖、或いは環状の炭素数1以上30以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上18以下のアルキル基がより好ましい。
前記炭素数1以上のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−ブチルオクチル基、オクタデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
前記炭素数2以上のアルケニル基としては、例えば、前記炭素数1以上のアルキル基と同様に、直鎖又は分岐鎖、或いは環状の炭素数2以上30以下のアルケニル基が好ましく、炭素数1以上18以下のアルケニル基がより好ましい。
前記炭素数2以上のアルケニル基としては、前記炭素数1以上のアルキル基の任意の水素を2つ取り去った置換基であり、例えば、ビニル基(エテニル基)、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプタニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
炭素数2以上のアルキニル基としては、例えば、前記炭素数1以上のアルキル基と同様に、直鎖又は分岐鎖、或いは環状の炭素数2以上30以下のアルキニル基が好ましく、炭素数1以上18以下のアルキニル基がより好ましい。
炭素数2以上のアルキニル基としては、前記炭素数1以上のアルキル基の任意の水素を4つ取り去った置換基であり、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基などが挙げられる。
前記炭素数6以上のアリール基としては、例えば、炭素数6以上18以下のアリール基が好ましい。
前記炭素数6以上のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−トリフルオロフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1以上のアルキル基、炭素数2以上のアルケニル基、炭素数2以上のアルキニル基、炭素数6以上のアリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基が好ましい。
前記炭素数1以上のアルキル基としては、例えば、原料の入手性の点から、直鎖又は分岐鎖、或いは環状の炭素数1以上30以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上18以下のアルキル基がより好ましい。
前記炭素数1以上のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−ブチルオクチル基、オクタデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
前記炭素数2以上のアルケニル基としては、例えば、前記炭素数1以上のアルキル基と同様に、直鎖又は分岐鎖、或いは環状の炭素数2以上30以下のアルケニル基が好ましく、炭素数1以上18以下のアルケニル基がより好ましい。
前記炭素数2以上のアルケニル基としては、前記炭素数1以上のアルキル基の任意の水素を2つ取り去った置換基であり、例えば、ビニル基(エテニル基)、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプタニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
炭素数2以上のアルキニル基としては、例えば、前記炭素数1以上のアルキル基と同様に、直鎖又は分岐鎖、或いは環状の炭素数2以上30以下のアルキニル基が好ましく、炭素数1以上18以下のアルキニル基がより好ましい。
炭素数2以上のアルキニル基としては、前記炭素数1以上のアルキル基の任意の水素を4つ取り去った置換基であり、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基などが挙げられる。
前記炭素数6以上のアリール基としては、例えば、炭素数6以上18以下のアリール基が好ましい。
前記炭素数6以上のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−トリフルオロフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基が挙げられる。
前記ヘテロアリール基としては、例えば、炭素数2以上12以下のヘテロアリール基が好ましい。
前記ヘテロアリール基の構成元素としては、例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ケイ素原子、セレン原子などが挙げられる。これらの中でも、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から選択されるいずれか1種を含んでいることが好ましい。
前記ヘテロアリール基としては、例えば、単環系ヘテロアリール基、多環系ヘテロアリール基などが挙げられる。
前記単環系ヘテロアリール基としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、テトラジン、チオフェン環、フラン環、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、テトラゾール環、トリアゾール環などが挙げられる。
前記多環系ヘテロアリール基としては、例えば、キノリン基、イソキノリン基、キナリゾン基、フタラジン基、インドール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチオジアゾール基、アクリジン基、フェノキサジン基、フェノチアジン基、カルバゾール基、ベンゾジチオフェン基、ベンゾジフラン基などが挙げられる。
前記ヘテロアリール基の構成元素としては、例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ケイ素原子、セレン原子などが挙げられる。これらの中でも、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から選択されるいずれか1種を含んでいることが好ましい。
前記ヘテロアリール基としては、例えば、単環系ヘテロアリール基、多環系ヘテロアリール基などが挙げられる。
前記単環系ヘテロアリール基としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、テトラジン、チオフェン環、フラン環、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、テトラゾール環、トリアゾール環などが挙げられる。
前記多環系ヘテロアリール基としては、例えば、キノリン基、イソキノリン基、キナリゾン基、フタラジン基、インドール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチオジアゾール基、アクリジン基、フェノキサジン基、フェノチアジン基、カルバゾール基、ベンゾジチオフェン基、ベンゾジフラン基などが挙げられる。
前記一般式(I)で表されるジカチオン、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンは、重合性官能基を有することがより好ましい。前記一般式(I)又は(II)における重合性官能基としては重合可能な基であればいずれでもよく、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、あるいは以下に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基などが挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記一般式(i)で表される官能基が挙げられる。
[一般式(i)]
ただし、前記一般式(i)中、X1は置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R100)−基〔R100は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基を表す。〕、又は−S−基を表す。
[一般式(i)]
前記一般式(i)中のアリーレン基としては、例えば、置換基を有してもよいフェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
前記アルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる。
前記アルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる。
前記一般式(i)で表される重合性官能基の具体例としては、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、ビニルチオエーテル基、アクリル基などが挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記一般式(ii)で表される官能基が挙げられる。
[一般式(ii)]
ただし、前記一般式(ii)中、Yは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR101基〔ただし、R101は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又はCONR102R103(R102及びR103は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。)〕を表す。また、X2は、前記一般式(i)のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y及びX2の少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、芳香族環である。
[一般式(ii)]
前記一般式(ii)のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記一般式(ii)で表される重合性官能基の具体例としては、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリルアミド基などが挙げられる。
なお、これらX1、X2、Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
前記重合性官能基の中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。
前記重合性官能基としては、酸化還元に対する耐性が高い点から、例えば、炭素数1以上のアルキル基;炭素数6以上のアリール基;炭素数7以上のアルキル基で置換されたアリール基等の末端に置換されていることが好ましく、アルキル基の末端に置換されていることがより好ましい。
前記重合性官能基は、少なくとも炭素数2以上のアルキル基を介して主骨格に結合することが好ましい。
前記アルキル基の炭素数の上限値、例えば、12が挙げられる。前記アリール基の炭素数の上限値としては、例えば、15が挙げられる。
前記重合性官能基としては、酸化還元に対する耐性が高い点から、例えば、炭素数1以上のアルキル基;炭素数6以上のアリール基;炭素数7以上のアルキル基で置換されたアリール基等の末端に置換されていることが好ましく、アルキル基の末端に置換されていることがより好ましい。
前記重合性官能基は、少なくとも炭素数2以上のアルキル基を介して主骨格に結合することが好ましい。
前記アルキル基の炭素数の上限値、例えば、12が挙げられる。前記アリール基の炭素数の上限値としては、例えば、15が挙げられる。
前記一価の基及び前記重合性官能基は、置換基により更に置換されていてもよい。
前記一価の基及び前記重合性官能基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
前記一般式(I)又は(II)における、水酸基に対して結合可能な官能基としては、例えば、ホスホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、スルホニル基、シリル基、シラノール基を含む基などが挙げられるが、以下のものが好ましい。
ここで、水酸基に対して結合可能とは、水酸基に直接的に結合可能であることと、水酸基に間接的に結合可能であることとを含む。
水酸基に直接的に結合可能とは、水酸基と結合して共有結合を生成することで、水酸基を用いた結合を形成可能であることを意味する。水酸基に間接的に結合可能とは、水酸基と結合してイオン結合、又は配位結合を生成することで、水酸基を用いた結合を形成可能であることを意味する。
ここで、水酸基に対して結合可能とは、水酸基に直接的に結合可能であることと、水酸基に間接的に結合可能であることとを含む。
水酸基に直接的に結合可能とは、水酸基と結合して共有結合を生成することで、水酸基を用いた結合を形成可能であることを意味する。水酸基に間接的に結合可能とは、水酸基と結合してイオン結合、又は配位結合を生成することで、水酸基を用いた結合を形成可能であることを意味する。
[アニオン]
前記一般式(I)で表されるジカチオン及び前記一般式(II)で表されるジカチオンのカウンターアニオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、F−、Cl−、Br−、BF4 −、CF3SO3 −、PF4 −、(FSO2)2N−(CF3SO2)2N−などが挙げられる。
前記一般式(I)で表されるジカチオン及び前記一般式(II)で表されるジカチオンのカウンターアニオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、F−、Cl−、Br−、BF4 −、CF3SO3 −、PF4 −、(FSO2)2N−(CF3SO2)2N−などが挙げられる。
以下に、前記一般式(I)で表されるジカチオン及び前記一般式(II)で表されるジカチオンの具体例について例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。
<例示化合物I−1>
<例示化合物I−2>
<例示化合物I−3>
<例示化合物I−4>
<例示化合物I−5>
<例示化合物I−6>
<例示化合物I−7>
<例示化合物I−8>
ただし、「Me」はメチル基を表す。
<例示化合物I−9>
<例示化合物I−10>
<例示化合物II−1>
<例示化合物II−2>
ただし、「Et」はエチル基を表す。
ただし、「Et」はエチル基を表す。
<例示化合物II−3>
<例示化合物II−4>
<例示化合物II−5>
<例示化合物II−6>
<例示化合物II−7>
<例示化合物II−8>
<例示化合物II−9>
<例示化合物II−10>
[[製造方法]]
前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物は、例えば、下に示されるジアミン化合物と、ハロゲン化合物とを、触媒(パラジウム触媒、ニッケル触媒、銅触媒等)と、塩基と、適当な溶媒との存在下で反応させたのち、還元、アルキル化、酸化などを経て、ジカチオン骨格を得ることができる。
以下に、3通りの経路を例示する。
前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物は、例えば、下に示されるジアミン化合物と、ハロゲン化合物とを、触媒(パラジウム触媒、ニッケル触媒、銅触媒等)と、塩基と、適当な溶媒との存在下で反応させたのち、還元、アルキル化、酸化などを経て、ジカチオン骨格を得ることができる。
以下に、3通りの経路を例示する。
経路1
経路2
経路3
上記経路のスキームにおいて、R2は、一般式(I)におけるR1〜R8を表す。
前記ハロゲン化合物のハロゲンとしては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、強塩基などが挙げられる。
前記強塩基としては、例えば、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウムなどが挙げられる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、ジオキサン、tert−ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、キノリンなどが挙げられる。
前記触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム、ビスベンジリデンアセトンパラジウム、銅、酸化銅などが挙げられる。前記触媒は、適当な配位子と組み合わせてもよい。
前記配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等のリン配位子;エチレンジアミンやシクロヘキシルジアミン、フェナントロリン、ビピリジル等の窒素系配位子などが挙げられる。
前記塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、強塩基などが挙げられる。
前記強塩基としては、例えば、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウムなどが挙げられる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、ジオキサン、tert−ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、キノリンなどが挙げられる。
前記触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム、ビスベンジリデンアセトンパラジウム、銅、酸化銅などが挙げられる。前記触媒は、適当な配位子と組み合わせてもよい。
前記配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等のリン配位子;エチレンジアミンやシクロヘキシルジアミン、フェナントロリン、ビピリジル等の窒素系配位子などが挙げられる。
また、前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物は、例えば、Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 7948.に記載の以下の経路により、ジカチオンの骨格を得ることができる。
反応後に得られた化合物の粗生成物の精製は、各種既存の精製方法で行うことができる。
前記精製方法としては、例えば、溶媒洗浄、再結晶、カラムクロマトグラフィー、再沈殿、昇華精製などが挙げられる。
前記精製方法としては、例えば、溶媒洗浄、再結晶、カラムクロマトグラフィー、再沈殿、昇華精製などが挙げられる。
このようにして得られた前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物はLUMO準位が−4.0eV以下と低く、電子注入が容易であるため、電子デバイスに適用した場合、駆動電圧を低くすることができ、さらに大気安定な素子を得ることができる。
このような電子デバイスとしては、エレクトロクロミック素子や、二次電池として好適に用いることができる。
このような電子デバイスとしては、エレクトロクロミック素子や、二次電池として好適に用いることができる。
さらに、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物は、比較的可視光領域の吸収がすくなく、透明なデバイスを作製することができる。一方、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物に電子注入して還元すると着色するため、透明状態と着色状態を可逆的に切り替えることが可能なエレクトロクロミック素子を得ることができ、このような素子は調光素子として好適に用いることができる。
<<エレクトロクロミック用組成物>>
電子デバイス内に電子受容性化合物を配する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エレクトロクロミック用組成物を用いる方法が挙げられる。
電子デバイス内に電子受容性化合物を配する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エレクトロクロミック用組成物を用いる方法が挙げられる。
エレクトロクロミック用組成物の一例は、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
エレクトロクロミック用組成物の他の一例は、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかと、それら化合物とは異なる他の重合性化合物とを含有し、重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
なお、前記他の一例においては、前記一般式(I)中、R1〜R8のうち少なくとも一つは、重合性官能基である。また、前記他の一例においては、前記一般式(II)中、R24〜R25のうち少なくとも一つは、重合性官能基である。
エレクトロクロミック用組成物の他の一例は、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかと、それら化合物とは異なる他の重合性化合物とを含有し、重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
なお、前記他の一例においては、前記一般式(I)中、R1〜R8のうち少なくとも一つは、重合性官能基である。また、前記他の一例においては、前記一般式(II)中、R24〜R25のうち少なくとも一つは、重合性官能基である。
前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の含有量は、エレクトロクロミック用組成物の全量に対して、10質量%以上100質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましい。
前記含有量が、10質量%以上であると、電子受容性化合物によるエレクトロクロミック機能が充分に発現でき、電圧印加による繰り返しの使用で耐久性が良好であり、発色感度が良好である。
前記含有量が、100質量%でもエレクトロクロミック機能が可能であり、この場合、最も厚みに対する発色感度が高い。それに相反して電荷の授受に必要である電解液との相溶性が低くなる場合があるため、電圧印加による繰り返しの使用で耐久性の低下などによる電気特性の劣化が現れる。使用されるプロセスによって要求される電気特性が異なるため一概には言えないが、発色感度と繰り返し耐久性の両特性のバランスを考慮すると30質量%以上90質量%以下がより好ましい。
前記含有量が、10質量%以上であると、電子受容性化合物によるエレクトロクロミック機能が充分に発現でき、電圧印加による繰り返しの使用で耐久性が良好であり、発色感度が良好である。
前記含有量が、100質量%でもエレクトロクロミック機能が可能であり、この場合、最も厚みに対する発色感度が高い。それに相反して電荷の授受に必要である電解液との相溶性が低くなる場合があるため、電圧印加による繰り返しの使用で耐久性の低下などによる電気特性の劣化が現れる。使用されるプロセスによって要求される電気特性が異なるため一概には言えないが、発色感度と繰り返し耐久性の両特性のバランスを考慮すると30質量%以上90質量%以下がより好ましい。
−他の重合性化合物−
前記他の重合性化合物は、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物とは異なる化合物である。
前記他の重合性化合物は、少なくとも1つの重合性官能基を有する。
前記他の重合性化合物としては、例えば、1官能の重合性化合物、2官能の重合性化合物、3官能以上の重合性化合物、機能性モノマー、重合性オリゴマーなどが挙げられる。これらの中でも、2官能以上の重合性化合物が好ましい。
前記他の重合性化合物における重合性官能基としては、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物における重合性官能基と同様であり、これらの中でも、アクリル基、メタクリル基が好ましい。
前記他の重合性化合物は、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物とは異なる化合物である。
前記他の重合性化合物は、少なくとも1つの重合性官能基を有する。
前記他の重合性化合物としては、例えば、1官能の重合性化合物、2官能の重合性化合物、3官能以上の重合性化合物、機能性モノマー、重合性オリゴマーなどが挙げられる。これらの中でも、2官能以上の重合性化合物が好ましい。
前記他の重合性化合物における重合性官能基としては、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物における重合性官能基と同様であり、これらの中でも、アクリル基、メタクリル基が好ましい。
前記1官能の重合性化合物としては、例えば、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記2官能の重合性化合物としては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3官能以上の重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記において、EO変性はエチレンオキシ変性を指し、PO変性はプロピレンオキシ変性を指す。
なお、上記において、EO変性はエチレンオキシ変性を指し、PO変性はプロピレンオキシ変性を指す。
前記機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレート等のフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報に記載のシロキサン繰り返し単位が20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチル等のポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物又は前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記他の重合性化合物の少なくともいずれか一方が重合性官能基を2つ以上有していることが、架橋構造体を形成する点から好ましい。
前記他の重合性化合物の含有量は、エレクトロクロミック用組成物の全量に対して、0質量%以上80質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。
−重合開始剤−
前記エレクトロクロミック用組成物は、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかと、前記他の重合性化合物との重合・架橋反応を効率よく進行させるため、必要に応じて重合開始剤(例えば、ラジカル重合開始剤)を含有することが好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、重合効率の点から、光重合開始剤が好ましい。
前記エレクトロクロミック用組成物は、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかと、前記他の重合性化合物との重合・架橋反応を効率よく進行させるため、必要に応じて重合開始剤(例えば、ラジカル重合開始剤)を含有することが好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、重合効率の点から、光重合開始剤が好ましい。
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、などが挙げられる。
なお、光重合促進効果を有するものを単独又は前記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
なお、光重合促進効果を有するものを単独又は前記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記重合開始剤の含有量は、重合性化合物の全量100質量部に対して、0.5質量部以上40質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましい。
なお、ここでの重合性化合物とは、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記他の重合性化合物を含む。
なお、ここでの重合性化合物とは、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記他の重合性化合物を含む。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、担持粒子、フィラー、溶媒、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、担持粒子、フィラー、溶媒、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤などが挙げられる。
−−担持粒子−−
ナノ構造体からなる担持粒子を用いることが好ましい。例えば、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物が、結合又は吸着構造としてホスホン酸、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基等を有するとき、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物は容易に前記ナノ構造体と複合化し、電荷保持性に優れるレドックス部材となる。前記ホスホン酸基、前記スルホン酸基、前記リン酸基、及び前記カルボキシル基としては、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物に複数有していてもよい。また、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物が、シリル基、シラノール基等を有するとき、シロキサン結合を介して前記ナノ構造体と結合されてその結合は強固なものとなり、安定なレドックス部材を得ることができる。前記シロキサン結合とは、ケイ素原子及び酸素原子を介した化学結合をいう。また、前記レドックス部材は、前記電子受容性化合物と前記ナノ構造体が結合した構造をしていればよく、その結合方法及び形態については特に限定しない。
ナノ構造体からなる担持粒子を用いることが好ましい。例えば、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物が、結合又は吸着構造としてホスホン酸、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基等を有するとき、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物は容易に前記ナノ構造体と複合化し、電荷保持性に優れるレドックス部材となる。前記ホスホン酸基、前記スルホン酸基、前記リン酸基、及び前記カルボキシル基としては、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物に複数有していてもよい。また、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物が、シリル基、シラノール基等を有するとき、シロキサン結合を介して前記ナノ構造体と結合されてその結合は強固なものとなり、安定なレドックス部材を得ることができる。前記シロキサン結合とは、ケイ素原子及び酸素原子を介した化学結合をいう。また、前記レドックス部材は、前記電子受容性化合物と前記ナノ構造体が結合した構造をしていればよく、その結合方法及び形態については特に限定しない。
前記ナノ構造体とは、ナノ粒子又はナノポーラス構造体等のナノスケールの凹凸を有する構造体をいう。
前記ナノ構造体を構成する材質としては、透明性及び導電性の点から、例えば、金属酸化物などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケートなどを主成分とするものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電気伝導性等の電気的特性、光学的性質等の物理的特性の点から、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンが好ましく、酸化チタンがより好ましい。
前記ナノ構造体を構成する材質としては、透明性及び導電性の点から、例えば、金属酸化物などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケートなどを主成分とするものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電気伝導性等の電気的特性、光学的性質等の物理的特性の点から、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンが好ましく、酸化チタンがより好ましい。
前記金属酸化物の形状としては、平均一次粒子径が30nm以下の金属酸化物微粒子が好ましい。前記平均一次粒子径が小さいほど金属酸化物に対する光の透過率が向上でき、単位体積当たりの表面積(以下、「比表面積」という)が大きい形状が用いられる。大きな比表面積を有することで、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた多色カラー表示することができる。ナノ構造の比表面積は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100m2/g以上が好ましい。
−−フィラー−−
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機フィラー、無機フィラーなどが挙げられる。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機フィラー、無機フィラーなどが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末;酸化ケイ素(シリカ)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性、安定性、及び表面処理の容易性の点から、金属酸化物が好ましく、シリカ、アルミナ、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)がより好ましい。
前記有機フィラーとしては、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリオレフィン、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂、脂肪酸等の低分子化合物、フタロシアニン等の顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性及び不溶性の点から、樹脂が好ましい。
前記フィラーの平均一次粒径は、1μm以下が好ましく、10nm以上1μm以下がより好ましい。前記フィラーの平均一次粒径が、1μm以下であると、粗大粒子が存在せず、得られる膜の表面状態が良好であり、表面平滑性に優れている。
前記フィラーの含有量は、重合性化合物の全量100質量部に対して、固形分濃度で、0.3質量部以上1.5質量部以下が好ましく、0.6質量部以上0.9質量部以下がより好ましい。
前記含有量が、0.3質量部以上であると、フィラー添加効果が充分に得られ、製膜性が良好であり、1.5質量部以下であると、作製したエレクトロクロミック表示素子の良好な電気化学特性が得られる。
なお、ここでの重合性化合物とは、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記他の重合性化合物を含む。
前記含有量が、0.3質量部以上であると、フィラー添加効果が充分に得られ、製膜性が良好であり、1.5質量部以下であると、作製したエレクトロクロミック表示素子の良好な電気化学特性が得られる。
なお、ここでの重合性化合物とは、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物、前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物、及び前記他の重合性化合物を含む。
本発明の電子デバイスは、例えば、エレクトロクロミック表示素子、株価の表示板等の大型表示板、防眩ミラー、調光ガラス等の調光素子、タッチパネル式キースイッチ等の低電圧駆動素子、光スイッチ、光メモリ、電子ペーパー、電子アルバムなどの各種用途に好適に使用することができる。これらの中でも、エレクトロクロミック表示素子が好ましい。エレクトロクロミック表示素子は、例えば、透明状態と発色状態を切り替えて用いられる。
<エレクトロクロミック表示素子>
本発明の電子デバイスの一態様のエレクトロクロミック表示素子は、第一の電極と、第二の電極と、前記第一の電極及び前記第二の電極の間に電解質とを有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
例えば、前記第一の電極と前記電解質との間に、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する。
例えば、前記第一の電極と前記電解質との間に、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を有する。
本発明の電子デバイスの一態様のエレクトロクロミック表示素子は、第一の電極と、第二の電極と、前記第一の電極及び前記第二の電極の間に電解質とを有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
例えば、前記第一の電極と前記電解質との間に、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する。
例えば、前記第一の電極と前記電解質との間に、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を有する。
ここで、「前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を有する」とは、例えば、以下の(A)、(B)、(C)の態様などが挙げられる。
(A):前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を前記第一の電極上に積層した態様
(B):前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を前記第一の電極上に2層以上積層した態様
(C):前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を前記第一の電極上の一部に積層した態様
なお、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を有することには、前記層において、前記化合物がその構造を保持して存在していている態様に加え、前記化合物が重合体の構成成分となって存在している態様も含まれる。
言い換えれば、前記層が前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有するとは、前記層が前記化合物を構成成分として含有することを意味する。
(A):前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を前記第一の電極上に積層した態様
(B):前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を前記第一の電極上に2層以上積層した態様
(C):前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を前記第一の電極上の一部に積層した態様
なお、前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する層を有することには、前記層において、前記化合物がその構造を保持して存在していている態様に加え、前記化合物が重合体の構成成分となって存在している態様も含まれる。
言い換えれば、前記層が前記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び前記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有するとは、前記層が前記化合物を構成成分として含有することを意味する。
<<ホール受容性エレクトロクロミック化合物>>
エレクトロクロミック表示素子では、例えば、第二の電極上に、ホール受容性エレクトロクロミック化合物(又は酸化発色性エレクトロクロミック化合物とも表現する)を含有する層を有する。使用可能なホール受容性エレクトロクロミック化合物としては、例えば、アゾベンゼン系、テトラチアフルバレン系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ロイコ染料などが挙げられるが、中でもトリアリールアミン骨格を有する化合物が好ましい。
なお、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層がホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有することには、前記層において、ホール受容性エレクトロクロミック化合物がその構造を保持して存在していている態様に加え、ホール受容性エレクトロクロミック化合物が重合体の構成成分となって存在している態様も含まれる。
言い換えれば、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層がホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有するとは、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層がホール受容性エレクトロクロミック化合物を構成成分として含有することを意味する。
エレクトロクロミック表示素子では、例えば、第二の電極上に、ホール受容性エレクトロクロミック化合物(又は酸化発色性エレクトロクロミック化合物とも表現する)を含有する層を有する。使用可能なホール受容性エレクトロクロミック化合物としては、例えば、アゾベンゼン系、テトラチアフルバレン系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ロイコ染料などが挙げられるが、中でもトリアリールアミン骨格を有する化合物が好ましい。
なお、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層がホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有することには、前記層において、ホール受容性エレクトロクロミック化合物がその構造を保持して存在していている態様に加え、ホール受容性エレクトロクロミック化合物が重合体の構成成分となって存在している態様も含まれる。
言い換えれば、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層がホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有するとは、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層がホール受容性エレクトロクロミック化合物を構成成分として含有することを意味する。
[一般式5]
[一般式6]
[一般式7]
一般式5〜7中のR27〜R89は、水素原子、ハロゲン原子、及び一価の基のいずれかであり、同一でも異なっていてもよい。R27〜R54のうち少なくとも一つは、重合性官能基を有することが好ましい。R55〜R70のうち少なくとも一つは、重合性官能基を有することが好ましい。R70〜R89のうち少なくとも一つは、重合性官能基を有することが好ましい。
前記一価の基としては、例えば、一般式(I)又は(II)の一価の基で例示したものと同様のものが挙げられる。
前記一価の基としては、例えば、一般式(I)又は(II)の一価の基で例示したものと同様のものが挙げられる。
ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層は、電解質との相溶性があれば存在の形態などは特に限定されない。例えば、低分子のまま第二の電極上に存在していても良いし、アクリレート、メタクリレート、あるいはエポキシなどの重合性基により硬化された状態で存在していても良い。また、担持粒子や導電性粒子に結合又は吸着された状態で存在していても良い。
前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層は、前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を構成成分として含有する重合体を含有していてもよい。
ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層の平均厚みは0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.4μm以上10μm以下がより好ましい。
前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層は、前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を構成成分として含有する重合体を含有していてもよい。
ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層の平均厚みは0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.4μm以上10μm以下がより好ましい。
<<第一の電極、及び第二の電極>>
前記第一の電極、及び前記第二の電極を構成する材料としては、例えば、透明導電基板などが挙げられる。前記透明導電基板としては、例えば、ガラス、プラスチックフィルムに透明導電薄膜をコーティングしたものが好ましい。
前記第一の電極、及び前記第二の電極を構成する材料としては、例えば、透明導電基板などが挙げられる。前記透明導電基板としては、例えば、ガラス、プラスチックフィルムに透明導電薄膜をコーティングしたものが好ましい。
前記透明導電薄膜の材料としては、導電性を有する透明材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」ともいう)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」ともいう)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」ともいう)、酸化亜鉛等の無機材料などが挙げられる。これらの中でも、InSnO、GaZnO、SnO、In2O3、ZnOが好ましい。
更に、透明性を有するカーボンナノチューブや、他のAu、Ag、Pt、Cuなど高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して、透明度を保持したまま、導電性を改善した電極を用いてもよい。
前記第一の電極、及び前記第二の電極の各々の平均厚みは、エレクトロクロミック層(例えば、電子受容性化合物を含有する層、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層)の酸化還元反応に必要な電気抵抗値が得られるように調整される。
前記第一の電極、及び前記第二の電極の材料としてITOを用いた場合、第一の電極、及び第二の電極の各々の平均厚みは、例えば、50nm以上500nm以下が好ましい。
前記第一の電極、及び前記第二の電極の各々の平均厚みは、エレクトロクロミック層(例えば、電子受容性化合物を含有する層、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層)の酸化還元反応に必要な電気抵抗値が得られるように調整される。
前記第一の電極、及び前記第二の電極の材料としてITOを用いた場合、第一の電極、及び第二の電極の各々の平均厚みは、例えば、50nm以上500nm以下が好ましい。
前記第一の電極、及び前記第二の電極の各々の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
前記第一の電極、及び第二の電極の各々の材料の塗布方法としては、塗布形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法を用いることができる。
前記第一の電極、及び第二の電極の各々の材料の塗布方法としては、塗布形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法を用いることができる。
−電解質−
前記電解質は、例えば、前記第一の電極と前記第二の電極との間に充填されている。
前記電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウム塩、酸類、アルカリ類等の支持塩などが挙げられ、具体的には、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質は、例えば、前記第一の電極と前記第二の電極との間に充填されている。
前記電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウム塩、酸類、アルカリ類等の支持塩などが挙げられ、具体的には、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質の材料としては、イオン性液体を用いることもできる。これらの中でも、有機のイオン性液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造を有しているため好ましい。
前記室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造としては、カチオン成分としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩などが挙げられる。アニオン成分としては、大気中での安定性の点から、BF4 −、B(CN)4 −、CF3SO3 −、PF4 −、(CF3SO2)2N−などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質の材料としては、前記カチオン成分と前記アニオン成分とを任意に組み合わせたイオン性液体を用いることが好ましい。
前記電解質の材料としては、前記カチオン成分と前記アニオン成分とを任意に組み合わせたイオン性液体を用いることが好ましい。
前記イオン性液体は、光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかに直接溶解させてもよい。なお、溶解性が悪い場合は、少量の溶媒に溶解させた溶液を光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかと混合して用いればよい。
前記溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質としては、低粘性の液体である必要はなく、ゲル状や高分子架橋型、液晶分散型などの様々な形態をとることができる。前記電解質は、ゲル状、固体状に形成することが、素子強度向上、信頼性向上などの点から有利である。
固体化手法としては、高いイオン伝導度と固体強度とが得られる点から、電解質と溶媒とをポリマー中に保持することが好ましい。
前記ポリマーとしては、熱重合や溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できる点から、光硬化可能な樹脂が好ましい。
前記電解質からなる電解質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100nm以上100μm以下が好ましい。
固体化手法としては、高いイオン伝導度と固体強度とが得られる点から、電解質と溶媒とをポリマー中に保持することが好ましい。
前記ポリマーとしては、熱重合や溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できる点から、光硬化可能な樹脂が好ましい。
前記電解質からなる電解質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100nm以上100μm以下が好ましい。
前記エレクトロクロミック層(例えば、電子受容性化合物を含有する層)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の前記電子受容性化合物を溶媒に分散乃至溶解した塗布液を前記第一の電極表面に塗布する方法、本発明の前記電子受容性化合物を前記ナノ構造体に担持させる方法、後述するエレクトロクロミック表示素子の製造方法などにより好適に形成することができる。
前記エレクトロクロミック層(例えば、電子受容性化合物を含有する層、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層)の平均厚みは、0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.4μm以上10μm以下がより好ましい。
前記エレクトロクロミック層(例えば、電子受容性化合物を含有する層、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層)の平均厚みは、0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.4μm以上10μm以下がより好ましい。
−その他の部材−
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体、絶縁性多孔質層、劣化防止層、保護層などが挙げられる。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体、絶縁性多孔質層、劣化防止層、保護層などが挙げられる。
−−支持体−−
前記支持体としては、各層を支持できる透明材料であれば、周知の有機材料や無機材料をそのまま用いることができる。
前記支持体としては、例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス基板;ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板などが挙げられる。
前記支持体の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、紫外線耐性、及び視認性を高めるために透明絶縁層、UVカット層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。
前記支持体としては、各層を支持できる透明材料であれば、周知の有機材料や無機材料をそのまま用いることができる。
前記支持体としては、例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス基板;ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板などが挙げられる。
前記支持体の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、紫外線耐性、及び視認性を高めるために透明絶縁層、UVカット層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、長方形であっても、丸型であってもよい。
前記支持体としては、複数を重ね合わせてもよく、例えば、2枚のガラス基板でエレクトロクロミック表示素子を挟持する構造にすることで、水蒸気バリア性、及びガスバリア性を高めることができる。
前記支持体としては、複数を重ね合わせてもよく、例えば、2枚のガラス基板でエレクトロクロミック表示素子を挟持する構造にすることで、水蒸気バリア性、及びガスバリア性を高めることができる。
−−絶縁性多孔質層−−
前記絶縁性多孔質層としては、第一の電極と第二の電極とが電気的に絶縁されるように隔離すると共に、電解質を保持する機能を有する。
前記絶縁性多孔質層の材料としては、多孔質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、絶縁性、及び耐久性が高く成膜性に優れた有機材料、無機材料、又はそれらの複合体が好ましい。
前記絶縁性多孔質層の形成方法としては、例えば、焼結法(高分子微粒子や無機粒子を、バインダ等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法などが挙げられる。
前記絶縁性多孔質層としては、第一の電極と第二の電極とが電気的に絶縁されるように隔離すると共に、電解質を保持する機能を有する。
前記絶縁性多孔質層の材料としては、多孔質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、絶縁性、及び耐久性が高く成膜性に優れた有機材料、無機材料、又はそれらの複合体が好ましい。
前記絶縁性多孔質層の形成方法としては、例えば、焼結法(高分子微粒子や無機粒子を、バインダ等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法などが挙げられる。
−−劣化防止層−−
前記劣化防止層を設けることにより、前記一般式(I)又は(II)で示されるジカチオンと、アニオンとからなる電子受容性化合物からなるエレクトロクロミック層と逆の化学反応をし、電荷のバランスをとって前記第一の電極、及び前記第二の電極が不可逆的な酸化還元反応により腐食や劣化することを抑制することができる。なお、前記逆の化学反応とは、劣化防止層が酸化還元する場合に加え、キャパシタとして作用することも含む意味である。
前記劣化防止層を設けることにより、前記一般式(I)又は(II)で示されるジカチオンと、アニオンとからなる電子受容性化合物からなるエレクトロクロミック層と逆の化学反応をし、電荷のバランスをとって前記第一の電極、及び前記第二の電極が不可逆的な酸化還元反応により腐食や劣化することを抑制することができる。なお、前記逆の化学反応とは、劣化防止層が酸化還元する場合に加え、キャパシタとして作用することも含む意味である。
前記劣化防止層の材料としては、前記第一の電極、及び前記第二の電極の不可逆的な酸化還元反応による腐食を防止する役割を担う材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アンチモン錫、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、又はそれらを複数含む導電性金属酸化物、又は半導体性金属酸化物を用いることができる。
前記劣化防止層は、電解質の注入を阻害しない程度の多孔質薄膜から構成することができる。例えば、酸化アンチモン錫、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の導電性金属酸化物微粒子又は半導体性金属酸化物微粒子を、例えば、アクリル系、アルキド系、イソシアネート系、ウレタン系、エポキシ系、フェノール系等のバインダにより第二の電極に固定化することで、電解質の浸透性、及び劣化防止層としての機能を満たす、好適な多孔質薄膜を得ることができる。
前記劣化防止層として、エレクトロクロミック用組成物を構成するナノ構造体と同じものを用いると、前記第一の電極及びエレクトロクロミック用組成物の製造工程と、前記第二の電極及び劣化防止層の製造工程とを一部共有化できるため好ましい。
−−保護層−−
前記保護層は、外的応力、及び洗浄工程の薬品からエレクトロクロミック表示素子を守ることができ、また、前記電解質の漏洩を防ぐことができ、更に大気中の水分や酸素などエレクトロクロミック表示素子が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐことができる。
前記保護層は、外的応力、及び洗浄工程の薬品からエレクトロクロミック表示素子を守ることができ、また、前記電解質の漏洩を防ぐことができ、更に大気中の水分や酸素などエレクトロクロミック表示素子が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐことができる。
前記保護層の材料としては、例えば、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などが挙げられ、具体的には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
前記保護層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
<エレクトロクロミック表示素子の製造方法>
前記エレクトロクロミック表示素子の製造方法は、例えば、第一の電極と、第二の電極と、前記第一の電極と前記第二の電極との間に電解質とを有するエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、塗布工程を含み、架橋工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記エレクトロクロミック表示素子の製造方法は、例えば、第一の電極と、第二の電極と、前記第一の電極と前記第二の電極との間に電解質とを有するエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、塗布工程を含み、架橋工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−塗布工程−
前記塗布工程は、前記第一の電極上に、前記エレクトロクロミック用組成物を塗布する工程である。
前記塗布工程は、前記第一の電極上に、前記エレクトロクロミック用組成物を塗布する工程である。
前記エレクトロクロミック用組成物は、必要に応じて溶媒により希釈して塗布する。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記溶媒による希釈率は、組成物の溶解性、塗工法、目的とするエレクトロクロミック層の厚みなどにより変わり、適宜選択することができる。
前記塗布は、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などにより行うことができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記溶媒による希釈率は、組成物の溶解性、塗工法、目的とするエレクトロクロミック層の厚みなどにより変わり、適宜選択することができる。
前記塗布は、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などにより行うことができる。
−架橋工程−
前記架橋工程は、塗布したエレクトロクロミック用組成物に対し加熱又は光エネルギーを付与して架橋する工程である。
前記架橋工程は、塗布したエレクトロクロミック用組成物に対し加熱又は光エネルギーを付与して架橋する工程である。
前記第一の電極上にエレクトロクロミック用組成物を塗布後、外部からエネルギーを与え、硬化させて、エレクトロクロミック層を形成する。前記外部エネルギーとしては、例えば、熱、光、放射線などが挙げられる。前記熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素等の気体、蒸気、又は各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上170℃以下が好ましい。
前記光のエネルギーとしては、主に紫外光(UV)に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。
UVの照射光量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mW/cm2以上15,000mW/cm2以下が好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上170℃以下が好ましい。
前記光のエネルギーとしては、主に紫外光(UV)に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。
UVの照射光量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mW/cm2以上15,000mW/cm2以下が好ましい。
−その他の工程−
その他の工程としては、例えば、第一の電極形成工程、第二の電極形成工程、絶縁性多孔質層形成工程、劣化防止層形成工程、保護層形成工程、貼り合わせ工程、などが挙げられる。
その他の工程としては、例えば、第一の電極形成工程、第二の電極形成工程、絶縁性多孔質層形成工程、劣化防止層形成工程、保護層形成工程、貼り合わせ工程、などが挙げられる。
図1は、本発明の一態様のエレクトロクロミック表示素子の一例を示す概略図である。この図1に示すように、前記エレクトロクロミック表示素子は、第一の電極1と、前記第一の電極1に対して間隔をおいて対向して設けられた第二の電極2と、前記第一の電極1及び前記第二の電極2の両電極間に配置された電解質3とを備える。第一の電極1上に配置された電子受容性化合物層4と、第二の電極2上に配置されたホール受容性エレクトロクロミック化合物層11を備える。第一の電極1及び第二の電極2は、基板5によりそれぞれ支持されている。
図2は、本発明の一態様のエレクトロクロミック表示素子の他の一例を示す概略図である。この図2に示すように、エレクトロクロミック表示素子は、第一の電極10と、前記第一の電極10に対して間隔をおいて対向して設けた第二の電極12と、前記第一の電極10及び前記第二の電極12の両電極間に配置された電解質13とを備える。第一の電極10上に配置されたホール受容性エレクトロクロミック化合物層11を備える。第二の電極12上に担持体14を備える。担持体14の表面に、電子受容性化合物15を含む。第一の電極10及び第二の電極12は、基板18によりそれぞれ支持されている。
(調光レンズ)
本発明の調光レンズは、本発明の電子デバイスを有し、更に必要に応じて、レンズなどのその他の部材を有する。
例えば、調光レンズは、レンズ上に積層された電子デバイスを有する。
本発明の調光レンズは、本発明の電子デバイスを有し、更に必要に応じて、レンズなどのその他の部材を有する。
例えば、調光レンズは、レンズ上に積層された電子デバイスを有する。
<レンズ>
レンズの材料としては、眼鏡用レンズとして機能するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透明性が高く、厚みが薄くて軽量なものが好ましい。また、熱履歴による膨張がなるべく小さい方が好ましく、ガラス転移点(Tg)が高い材料、線膨張係数が小さい材料が好ましい。
具体的には、ガラスの他に、特許庁の高屈折率メガネレンズに関する技術概要資料に記載されているようなものはいずれも使用でき、エピスルフィド系樹脂、チオウレタン系樹脂、メタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂等やそれらの混合物等が使用できる。また、必要に応じて、ハードコートや密着性を改善するためのプライマーを形成していてもよい。
なお、本発明において、レンズとは、度数(屈折率)の調整がされていないもの(単なるガラス板等)も含むものとする。
レンズの材料としては、眼鏡用レンズとして機能するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透明性が高く、厚みが薄くて軽量なものが好ましい。また、熱履歴による膨張がなるべく小さい方が好ましく、ガラス転移点(Tg)が高い材料、線膨張係数が小さい材料が好ましい。
具体的には、ガラスの他に、特許庁の高屈折率メガネレンズに関する技術概要資料に記載されているようなものはいずれも使用でき、エピスルフィド系樹脂、チオウレタン系樹脂、メタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂等やそれらの混合物等が使用できる。また、必要に応じて、ハードコートや密着性を改善するためのプライマーを形成していてもよい。
なお、本発明において、レンズとは、度数(屈折率)の調整がされていないもの(単なるガラス板等)も含むものとする。
(調光メガネ)
本発明の調光メガネは、本発明の調光レンズを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の調光メガネは、本発明の調光レンズを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
ここで、図7は、本発明の調光レンズを用いた本発明の調光メガネの一例を示す斜視図である。図7を参照するに、調光メガネ150は、調光レンズ151と、メガネフレーム152と、スイッチ153と、電源154とを有する。調光レンズ151は、本発明の調光レンズを所望の形状に加工したものである。
2つの調光レンズ151は、メガネフレーム152に組み込まれている。メガネフレーム152には、スイッチ153及び電源154が設けられている。電源154は、スイッチ153を介して、配線により、第一の電極層及び第二の電極層と電気的に接続されている。スイッチ153を切り替えることにより、例えば、第一の電極層131と第二の電極層134との間にプラス電圧を印加する状態、マイナス電圧を印加する状態、電圧を印加しない状態の中から1つの状態を選択可能である。
2つの調光レンズ151は、メガネフレーム152に組み込まれている。メガネフレーム152には、スイッチ153及び電源154が設けられている。電源154は、スイッチ153を介して、配線により、第一の電極層及び第二の電極層と電気的に接続されている。スイッチ153を切り替えることにより、例えば、第一の電極層131と第二の電極層134との間にプラス電圧を印加する状態、マイナス電圧を印加する状態、電圧を印加しない状態の中から1つの状態を選択可能である。
スイッチ153としては、例えば、スライドスイッチやプッシュスイッチ等の任意のスイッチを用いることができる。ただし、少なくとも前記3つの状態を切り替え可能なスイッチにする。電源154としては、例えば、ボタン電池や太陽電池等の任意の直流電源を用いることができる。電源154は、第一の電極層131と第二の電極層134との間にプラスマイナス数V程度の電圧を印加可能である。
例えば、第一の電極層131と第二の電極層134との間にプラス電圧を印加することにより、2つの調光レンズ151が所定の色に発色する。また、第一の電極層131と第二の電極層134との間にマイナス電圧を印加することにより、2つの調光レンズ151が消色し透明となる。
ただし、エレクトロクロミック層に使用する材料の特性により、第一の電極層131と第二の電極層134との間にマイナス電圧を印加することにより発色し、プラス電圧を印加することにより消色し透明となる場合もある。なお、一度発色した後は、第一の電極層131と第二の電極層134との間に電圧を印加しなくても発色は継続する。
例えば、第一の電極層131と第二の電極層134との間にプラス電圧を印加することにより、2つの調光レンズ151が所定の色に発色する。また、第一の電極層131と第二の電極層134との間にマイナス電圧を印加することにより、2つの調光レンズ151が消色し透明となる。
ただし、エレクトロクロミック層に使用する材料の特性により、第一の電極層131と第二の電極層134との間にマイナス電圧を印加することにより発色し、プラス電圧を印加することにより消色し透明となる場合もある。なお、一度発色した後は、第一の電極層131と第二の電極層134との間に電圧を印加しなくても発色は継続する。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」である。
(実施例1)
−化合物1の合成−
下記スキームに従い、化合物1を合成した。
Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 7948.の方法で合成した、3,7−ジアザジベンゾホスホールオキシド(1.10g)をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド、20ml)に溶解させ、ブロモプロピルホスホン酸(2.5g)を加えた。反応溶液を80℃に昇温し40時間撹拌した。濾別した後、得られた固形分を逆相クロマトグラフィー(移動相:MeOH(メタノール)/H2O)により精製し、無色の固体として化合物1を得た。
−化合物1の合成−
下記スキームに従い、化合物1を合成した。
得られた化合物1の電気化学特性の測定を行った。測定は、セル中に試料と支持電解質溶液を入れ、サイクリックボルタンメトリー(CV, BAS 社製、ポテンショスタット)により以下の条件で測定した。
セル:分光電気化学用セル(BAS 社製)
作用極:Pt電極(メッシュ電極)
対極:Ptワイヤー
参照極:Ag/Ag+(内部電解質 0.1M 過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)+0.05M 硝酸銀 ジクロロメタン溶液)
支持電解質溶液:0.1M TBAP アセトニトリル溶液
掃引速度:0.05V/s
掃引範囲:+0.5V〜−1.5V
支持電解質溶液に対する試料量:2mM
作用極:Pt電極(メッシュ電極)
対極:Ptワイヤー
参照極:Ag/Ag+(内部電解質 0.1M 過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)+0.05M 硝酸銀 ジクロロメタン溶液)
支持電解質溶液:0.1M TBAP アセトニトリル溶液
掃引速度:0.05V/s
掃引範囲:+0.5V〜−1.5V
支持電解質溶液に対する試料量:2mM
サイクリックボルタモグラムを図3に示す。第一還元波から算出した還元電位は−0.56Vであり、基準物質として用いたフェロセンのFc/Fc+=−4.8eVからの換算により、LUMO準位は−4.2eVであった。なお、図3において、矢印は、CVのサイクルの方向を示す。
−化合物1の分光特性−
CV測定に伴う吸収スペクトルの変化を測定した。結果を図4に示す。
電圧印加前は可視部の吸収はなく、目視では透明であったが、電圧印加により一電子還元体を生成すると、600nm付近に吸収が出現して着色した。これは酸化還元のサイクルに伴い可逆的に変化した。
CV測定に伴う吸収スペクトルの変化を測定した。結果を図4に示す。
電圧印加前は可視部の吸収はなく、目視では透明であったが、電圧印加により一電子還元体を生成すると、600nm付近に吸収が出現して着色した。これは酸化還元のサイクルに伴い可逆的に変化した。
−第一の電極上への電子受容性エレクトロクロミック層の形成−
第一の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)に、劣化防止層として、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法で塗布し、120℃で15分間アニール処理を行って、厚み1.0μmの酸化チタン粒子膜を形成した。
次いで、下記化合物1が5部、メタノール95部の組成物を調製し、酸化チタン粒子膜の上にスピンコート法で塗布して、対極層(電子受容性エレクトロクロミック層を有するITOガラス基板)を形成した。
第一の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)に、劣化防止層として、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法で塗布し、120℃で15分間アニール処理を行って、厚み1.0μmの酸化チタン粒子膜を形成した。
次いで、下記化合物1が5部、メタノール95部の組成物を調製し、酸化チタン粒子膜の上にスピンコート法で塗布して、対極層(電子受容性エレクトロクロミック層を有するITOガラス基板)を形成した。
−第二の電極上へのエレクトロクロミック層の形成−
第二の電極上にエレクトロクロミック層を形成するため、下記組成のホール受容性エレクトロクロミック用組成物を調製した。
[組成]
・下記のトリアリールアミン化合物:50部
・IRGACURE184(BASFジャパン社製):5部
・2官能アクリレートを有するPEG400DA(日本化薬社製):50部
・メチルエチルケトン:900部
第二の電極上にエレクトロクロミック層を形成するため、下記組成のホール受容性エレクトロクロミック用組成物を調製した。
[組成]
・下記のトリアリールアミン化合物:50部
・2官能アクリレートを有するPEG400DA(日本化薬社製):50部
・メチルエチルケトン:900部
得られたホール受容性エレクトロクロミック用組成物を、第二の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)上にスピンコート法で塗布した。得られた塗布膜に、UV照射装置(ウシオ電機社製、SPOT CURE)を用いて10mWで60秒間UV照射し、60℃で10分間アニール処理を行って、平均厚み0.4μmの架橋したエレクトロクロミック層を形成した。
−電解質液の調製−
下記組成の電解質液を調製した。
[組成]
・IRGACURE184(BASFジャパン社製):5部
・PEG400DA(日本化薬社製):100部
・1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(メルク社製)50部
下記組成の電解質液を調製した。
[組成]
・IRGACURE184(BASFジャパン社製):5部
・PEG400DA(日本化薬社製):100部
・1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(メルク社製)50部
−エレクトロクロミック素子の作製−
前記電解質液をマイクロピペットで30mg測り取り、前記電子受容性エレクトロクロミック層を有するITOガラス基板(対極層)に対して滴下した。その上に、電極の引き出し部分があるように、架橋したエレクトロクロミック層を有するITOガラス基板を貼り合せて貼り合せ素子を作製した。
この貼り合せ素子に、UV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機社製、SPOT CURE)を用いて10mWで60秒間UV照射し、エレクトロクロミック素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック素子は透明で着色していなかった。
前記電解質液をマイクロピペットで30mg測り取り、前記電子受容性エレクトロクロミック層を有するITOガラス基板(対極層)に対して滴下した。その上に、電極の引き出し部分があるように、架橋したエレクトロクロミック層を有するITOガラス基板を貼り合せて貼り合せ素子を作製した。
この貼り合せ素子に、UV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機社製、SPOT CURE)を用いて10mWで60秒間UV照射し、エレクトロクロミック素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック素子は透明で着色していなかった。
<吸収スペクトル測定>
作製したエレクトロクロミック素子の発消色を確認した。具体的には、第一の電極の引き出し部分と第二の電極の引き出し部分に測定端子をつなぎ電圧を印加し、その時の380〜780nmの吸収スペクトルを、USB4000(小型ファイバ光学分光器、Ocean Optics社製)を用いてモニターした。
発色させたエレクトロクロミック素子を室温・大気下に10時間おいた素子の吸収スペクトルは、初期に測定した吸収スペクトルに一致した。
また、発色した素子を室温大気下で分解したところ、大気暴露しても電極に形成されたエレクトロクロミック層は直ちに退色することなく透明状態を維持しかつ発色状態を保っていた。
作製したエレクトロクロミック素子の発消色を確認した。具体的には、第一の電極の引き出し部分と第二の電極の引き出し部分に測定端子をつなぎ電圧を印加し、その時の380〜780nmの吸収スペクトルを、USB4000(小型ファイバ光学分光器、Ocean Optics社製)を用いてモニターした。
発色させたエレクトロクロミック素子を室温・大気下に10時間おいた素子の吸収スペクトルは、初期に測定した吸収スペクトルに一致した。
また、発色した素子を室温大気下で分解したところ、大気暴露しても電極に形成されたエレクトロクロミック層は直ちに退色することなく透明状態を維持しかつ発色状態を保っていた。
(実施例2)
−化合物2の合成−
下記スキームに従い、化合物2を合成した。
−化合物2の合成−
下記スキームに従い、化合物2を合成した。
−−化合物2−1の合成−−
200ml四つ口フラスコに、p−ジブロモベンゼン5.500g(23.31mmol)、ナトリウムt−ブトキシド13.44g(139.8mmol)、及び酢酸パラジウム0.209g(0.932mmol)を入れ、系内をアルゴン置換した。ここにキシレン80ml及び、トリt−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート0.811g(2.797mmol)を加えて室温で20分間撹拌した後、ジフェニルアミン8.680g(51.29mmol)を加え、90℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、トルエンで希釈しセライト濾過により不溶分を除いた。溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー(SiO2、トルエン)により精製し、目的物(化合物2−1)を無色の結晶として9.171g、収率95%で得た。
200ml四つ口フラスコに、p−ジブロモベンゼン5.500g(23.31mmol)、ナトリウムt−ブトキシド13.44g(139.8mmol)、及び酢酸パラジウム0.209g(0.932mmol)を入れ、系内をアルゴン置換した。ここにキシレン80ml及び、トリt−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート0.811g(2.797mmol)を加えて室温で20分間撹拌した後、ジフェニルアミン8.680g(51.29mmol)を加え、90℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、トルエンで希釈しセライト濾過により不溶分を除いた。溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー(SiO2、トルエン)により精製し、目的物(化合物2−1)を無色の結晶として9.171g、収率95%で得た。
−−化合物2−2の合成−−
500mlナスフラスコに、化合物2−1 5.000g(12.12mmol)及びTHF300mlを加えた。この溶液にN−ブロモスクシンイミド8.628g(48.48mmol)を少量ずつ加えた後、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、析出した固体を濾過した。得られた固体をメタノールで洗浄した後真空乾燥し、目的の化合物2−2を無色の固体として、8.63g、収率98%で得た。
500mlナスフラスコに、化合物2−1 5.000g(12.12mmol)及びTHF300mlを加えた。この溶液にN−ブロモスクシンイミド8.628g(48.48mmol)を少量ずつ加えた後、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、析出した固体を濾過した。得られた固体をメタノールで洗浄した後真空乾燥し、目的の化合物2−2を無色の固体として、8.63g、収率98%で得た。
−−化合物2−3の合成−−
100ml四つ口フラスコに、化合物2−2 2.000g(2.747mmol)、ナトリウムt−ブトキシド1.583g(16.48mmol)、及び酢酸パラジウム24.66mg(0.110mmol)を入れ、系内をアルゴン置換した。ここにキシレン20ml及び、トリt−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート95.6mg(0.329mmol)を加えて室温で20分間撹拌した後、ジブチルアミン2.130g(16.48mmol)を加え、90℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、トルエンで希釈しセライト濾過により不溶分を除いた。溶媒を減圧留去した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(THF)により精製し、目的の化合物2−3を黄色の固体として1.757g、収率69%で得た。
100ml四つ口フラスコに、化合物2−2 2.000g(2.747mmol)、ナトリウムt−ブトキシド1.583g(16.48mmol)、及び酢酸パラジウム24.66mg(0.110mmol)を入れ、系内をアルゴン置換した。ここにキシレン20ml及び、トリt−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート95.6mg(0.329mmol)を加えて室温で20分間撹拌した後、ジブチルアミン2.130g(16.48mmol)を加え、90℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、トルエンで希釈しセライト濾過により不溶分を除いた。溶媒を減圧留去した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(THF)により精製し、目的の化合物2−3を黄色の固体として1.757g、収率69%で得た。
−−化合物2の合成−−
100mlナスフラスコに、化合物2−3 1.520g(1.650mmol)、DMF15mlを加え70℃に加熱した。この溶液にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド銀1.280g(3.300mmol)を加えて70℃で1時間撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、析出した銀を濾別した。反応溶液に水を加えて析出した固体を濾取した後、真空乾燥し、目的の化合物2を2.403g、収率98%で得た。
100mlナスフラスコに、化合物2−3 1.520g(1.650mmol)、DMF15mlを加え70℃に加熱した。この溶液にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド銀1.280g(3.300mmol)を加えて70℃で1時間撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、析出した銀を濾別した。反応溶液に水を加えて析出した固体を濾取した後、真空乾燥し、目的の化合物2を2.403g、収率98%で得た。
得られた化合物2の電気化学特性の測定を行った。測定は、セル中に試料と支持電解質溶液を入れ、サイクリックボルタンメトリー(CV,BAS社製、ポテンショスタット)により以下の条件で測定した。
セル:分光電気化学用セル(BAS社製)
作用極:Pt電極(メッシュ電極)
対極:Ptワイヤー
参照極:Ag/Ag+(内部電解質 0.1M 過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)+0.05M 硝酸銀 ジクロロメタン溶液)
支持電解質溶液:0.1M TBAP ジクロロメタン溶液
掃引速度:0.05V/s
掃引範囲:+0.3V〜−0.8V
支持電解質溶液に対する試料量:1mg/10ml
作用極:Pt電極(メッシュ電極)
対極:Ptワイヤー
参照極:Ag/Ag+(内部電解質 0.1M 過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)+0.05M 硝酸銀 ジクロロメタン溶液)
支持電解質溶液:0.1M TBAP ジクロロメタン溶液
掃引速度:0.05V/s
掃引範囲:+0.3V〜−0.8V
支持電解質溶液に対する試料量:1mg/10ml
サイクリックボルタモグラムを図5に示す。第一還元波から算出した還元電位は−0.24Vであり、基準物質として用いたフェロセンのFc/Fc+=−4.8eVからの換算により、LUMO準位は−4.6eVであった。なお、図5において、矢印は、CVのサイクルの方向を示す。
−化合物2の分光特性−
CV測定に伴う吸収スペクトルの変化を測定した。結果を図6に示す。
電圧印加前は可視部の吸収はほぼなく、目視ではほぼ透明であった。電圧印加により還元体を生成すると、吸収スペクトルが変化するのが観測できたが、測定した濃度では明確な色の変化は見られなかった。即ち、透明状態を維持してかつ発色状態を維持していた。吸収スペクトルは酸化還元のサイクルに伴い可逆的に変化した。
CV測定に伴う吸収スペクトルの変化を測定した。結果を図6に示す。
電圧印加前は可視部の吸収はほぼなく、目視ではほぼ透明であった。電圧印加により還元体を生成すると、吸収スペクトルが変化するのが観測できたが、測定した濃度では明確な色の変化は見られなかった。即ち、透明状態を維持してかつ発色状態を維持していた。吸収スペクトルは酸化還元のサイクルに伴い可逆的に変化した。
(比較例1)
実施例1の「第一の電極上への電子受容性エレクトロクロミック層の形成」において、化合物1を下記化合物(比1)(CVから求めたLUMO準位:−3.8eV)に変更した以外は実施例1と同様にしてエレクトロクロミック素子を作製した。その結果、発色させたエレクトロクロミック素子を室温、大気環境下に1時間放置すると、消色していた。
また、再度発色させた素子を分解し、室温で大気にさらすと第一の電極に形成された電子受容層は直ちに退色した。
実施例1の「第一の電極上への電子受容性エレクトロクロミック層の形成」において、化合物1を下記化合物(比1)(CVから求めたLUMO準位:−3.8eV)に変更した以外は実施例1と同様にしてエレクトロクロミック素子を作製した。その結果、発色させたエレクトロクロミック素子を室温、大気環境下に1時間放置すると、消色していた。
また、再度発色させた素子を分解し、室温で大気にさらすと第一の電極に形成された電子受容層は直ちに退色した。
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 第一の電極、第二の電極、及び前記第一の電極と前記第二の電極の間に電解質を有し、
更に、前記第一の電極と前記電解質との間に最低非占有分子軌道準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有することを特徴とする電子デバイスである。
<2> 前記電子受容性化合物が、下記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び下記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載の電子デバイスである。
前記一般式(I)中、R1からR8は、それぞれ独立に置換あるいは無置換のアルキル基を表す。v、w、x、y、及びzは、それぞれ独立に0から4の整数を表し、R9からR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、及び一価の基のいずれかを示す。前記v、w、x、y、及びzが2以上であり、R9、R10、R11、R12、又はR13がそれぞれ複数存在する場合、複数のR9、R10、R11、R12、又はR13は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
前記一般式(II)中、R21〜R25は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、一価の基を表す。a、及びbは、それぞれ独立に0から3の整数を表す。前記a、及びbが2以上であり、R21、又はR22がそれぞれ複数存在する場合、複数のR21、及びR22は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
<3> 前記電子デバイスが、エレクトロクロミック素子、及び二次電池のいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<4> 前記一般式(1)及び(2)における一価の基が、ぞれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びヘテロアリールオキシ基のいずれかである前記<2>から<3>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<5> 前記一般式(1)中、R1からR8のいずれか一つ以上が、重合性官能基、又は水酸基に対して結合可能な官能基を有し、
前記一般式(2)中、R21からR25のいずれか一つ以上が、重合性官能基、又は水酸基に対して結合可能な官能基を有する前記<2>から<4>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<6> 前記重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基のいずれかである前記<5>に記載の電子デバイスである。
<7> 前記第二の電極上に、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<8> 前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層が、前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を構成成分として含有する重合体を含有する前記<7>に記載の電子デバイスである。
<9> 透明状態と発色状態を切り替えるエレクトロクロミック素子である前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<10> 前記<9>に記載の電子デバイスを有することを特徴とする調光レンズである。
<11> 前記<10>に記載の調光レンズを有することを特徴とする調光メガネである。
<1> 第一の電極、第二の電極、及び前記第一の電極と前記第二の電極の間に電解質を有し、
更に、前記第一の電極と前記電解質との間に最低非占有分子軌道準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有することを特徴とする電子デバイスである。
<2> 前記電子受容性化合物が、下記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び下記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載の電子デバイスである。
<3> 前記電子デバイスが、エレクトロクロミック素子、及び二次電池のいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<4> 前記一般式(1)及び(2)における一価の基が、ぞれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びヘテロアリールオキシ基のいずれかである前記<2>から<3>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<5> 前記一般式(1)中、R1からR8のいずれか一つ以上が、重合性官能基、又は水酸基に対して結合可能な官能基を有し、
前記一般式(2)中、R21からR25のいずれか一つ以上が、重合性官能基、又は水酸基に対して結合可能な官能基を有する前記<2>から<4>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<6> 前記重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基のいずれかである前記<5>に記載の電子デバイスである。
<7> 前記第二の電極上に、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<8> 前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層が、前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を構成成分として含有する重合体を含有する前記<7>に記載の電子デバイスである。
<9> 透明状態と発色状態を切り替えるエレクトロクロミック素子である前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子デバイスである。
<10> 前記<9>に記載の電子デバイスを有することを特徴とする調光レンズである。
<11> 前記<10>に記載の調光レンズを有することを特徴とする調光メガネである。
前記<1>から<9>に記載の電子デバイス、前記<10>に記載の調光レンズ、及び前記<11>に記載の調光メガネは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 第一の電極
2 第二の電極
3 電解質
4 電子受容性化合物
5 基板
10 第一の電極
11 ホール受容性エレクトロクロミック化合物層
12 第二の電極
13 電解質
14 担持体
15 電子受容性化合物
18 基板
2 第二の電極
3 電解質
4 電子受容性化合物
5 基板
10 第一の電極
11 ホール受容性エレクトロクロミック化合物層
12 第二の電極
13 電解質
14 担持体
15 電子受容性化合物
18 基板
Claims (11)
- 第一の電極、第二の電極、及び前記第一の電極と前記第二の電極の間に電解質を有し、
更に、前記第一の電極と前記電解質との間に最低非占有分子軌道準位が−4.0eV以下の電子受容性化合物を含有することを特徴とする電子デバイス。 - 前記電子受容性化合物が、下記一般式(I)で表されるジカチオンを持つ化合物及び下記一般式(II)で表されるジカチオンを持つ化合物の少なくともいずれかを含有する請求項1に記載の電子デバイス。
- 前記電子デバイスが、エレクトロクロミック素子、及び二次電池のいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の電子デバイス。
- 前記一般式(1)及び(2)における一価の基が、ぞれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びヘテロアリールオキシ基のいずれかである請求項2から3のいずれかに記載の電子デバイス。
- 前記一般式(1)中、R1からR8のいずれか一つ以上が、重合性官能基、又は水酸基に対して結合可能な官能基を有し、
前記一般式(2)中、R21からR25のいずれか一つ以上が、重合性官能基、又は水酸基に対して結合可能な官能基を有する請求項2から4のいずれかに記載の電子デバイス。 - 前記重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基のいずれかである請求項5に記載の電子デバイス。
- 前記第二の電極上に、ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層を有する請求項1から6のいずれかに記載の電子デバイス。
- 前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を含有する層が、前記ホール受容性エレクトロクロミック化合物を構成成分として含有する重合体を含有する請求項7に記載の電子デバイス。
- 透明状態と発色状態を切り替えるエレクトロクロミック素子である請求項1から8のいずれかに記載の電子デバイス。
- 請求項9に記載の電子デバイスを有することを特徴とする調光レンズ。
- 請求項10に記載の調光レンズを有することを特徴とする調光メガネ。
Priority Applications (1)
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JP2019140653A JP2021026017A (ja) | 2019-07-31 | 2019-07-31 | 電子デバイス、調光レンズ、及び調光メガネ |
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Publications (1)
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