明 細 書
生体適合性ポ リ マー
技術分野
本発明は、 生体適合性を有するポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レタ ンゥ レアに関する ものであ り、 特に、 生体又は生 体成分に直接接触する医療材料と して用いた場合に、 良 好な抗血栓性を示すポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レタ ンウ レ ァに関する ものである。 加工性、 弾性、 可撓性に優れた高分子材料は、 近年医 療用材料と して広 く 利用される よ う になってきており、 人工腎臓、 人工肺、 補助循環装置、 人工血管等の人工臓 器や、 注射器、 血液バッ グ、 心臓カテーテル等のディ ス ポーザブル製品と して今後益々 利用が拡大する事が予想 される。 これらの医療用材料と しては、 充分な機械的強 度や耐久性に加えて、 生体に対する安全性、 特に血液と 接触した場合、 血液が凝固 しない性質、 すなわち抗血栓 性が要求される。
従来から行われている医療用材料に抗血栓性を付与す る手段は、 ( 1 ) 材料表面にへパ リ ン等の抗血栓活性を 有する ムコ多糖類ゃゥ ロキナーゼ等の線溶活性因子を固 定させる方法、 ( 2 ) 材料表面を修飾して陰電荷や親水
性な どを付与する 方法、 及び ( 3 ) 材料表面を不活性化 する方法の 3 通 り に大別 さ れる。 こ の う ち、 ( 1 ) の方 法の中でへパ リ ンを利用する場合 (以下、 表面へパ リ ン ィ匕法と略する ) は、 さ ら に、 ( A ) ポ リ マ 一 とへノ、° リ ン のブ レ ン ド法、 ( B ) 有機溶媒に可溶化 したへパ リ ンの 有機溶液で材料表面を被覆する 方法、 ( C ) 材料中の力 チオ ン性基にへパ リ ンをイ オ ン結合させる 方法、 及び ( D ) 材料とへパ リ ンを共有結合さ せる方法に細分類さ
4し ο
( 1 ) の方法では、 導入初期段階には表面上のへパ リ ンゃゥ 口 キナーゼによ っ て抗血栓性、 又は生成 した血栓 の溶解性能が発揮さ れる カ 、 長期の使用に よ っ てそれ ら の抗血栓性剤が溶出 し、 一般的に性能が低下する傾向に あ る。 すなわち、 ( A ) 、 ( B ) 及び ( C ) の方法では、 通常、 生理活性条件下での長期使用 によ っ てへパ リ ン類 が脱離 し易 く、 長期間生体内に埋込 して用 いる 医療用材 料と しては充分な性能が得 られに く い。 ( D ) で得 られ る材料は、 へパ リ ンが共有結合されている ために脱離 し に く い とい う 利点があ るカ 、 従来の結合方法では往々 に して、 へパ リ ン構成成分であ る D — グルコ ースや D — グ ノレコ ン酸に コ ンホーメ 一 シ ヨ ン変化を与えて しま い、 抗 凝血効果を低下さ せて しま う と い う 欠点があ る。
また、 ( C ) 及び ( D ) の方法では、 へパ リ ンの固定 化に利用できる官能基を含む材料を選択する力、、 あるい は新たに導入する必要がある。 このため、 材料の選択の 幅が狭め られた り、 官能基の導入によ って材料の機械的 強度が低下する可能性がある。 さ らに、 操作の煩雑化に よ って、 医療用材料を得る工程数が増加する という 問題 も め る。
一方、 前記の方法 ( 2 ) 及び ( 3 ) において材料に抗 血栓性を付与する方法と しては、 生体適合性を有する官 能基を導入する方法がある。 上述した様に、 へパ リ ン等 の抗凝血活性を有するム コ多糖類ゃゥ ロキナーゼ等の線 溶活性因子を固定化 した材料ではそれらの物質が溶出 し て しま う と抗血栓能は低下 し、 長期間の性能維持は困難 である。 これに対 し、 生体適合性を有する官能基を導入 した材料は生体と接触後も抗血栓性を長期間にわたって 維持する こ とができ る。
近年、 生体適合性の官能基と して活発に研究されてい る も の の 1 つに ホ ス ホ リ ノレ コ リ ン構造があ る。 こ の ホス ホ リ ルコ リ ン構造は生体膜を形成している リ ン脂質、 つ ま り、 ホスフ ァチジルコ リ ンと類似構造である。 このた め、 ホスホ リ ルコ リ ン構造を分子内に有する高分子材料 は、 生体との親和性が高 く、 抗血栓性材料と して有用で
あ る。
例えば、 2 — メ タ ク リ ロ イ ルォキ シェチルホスホ リ ル コ リ ンを含む重合体は、 細胞膜外壁の構成成分の 1 つで あ る ホス フ ァ チ ジルコ リ ン と類似の構造を有 し、 生体由 来の リ ン脂質を積極的に吸着さ せる こ と によ っ て生体膜 類似表面を形成 し、 優れた血液適合性が得 られる こ とが 報告さ れている (例えば、 特開昭 5 4 — 6 3 0 2 5 号公 報、 特開昭 6 3 — 9 6 2 0 0 号公報な ど) 。 ま た、 ポ リ ウ レタ ンの主鎖にホスホ リ ルコ リ ン基を導入する こ とに よ り 同様に優れた血液適合性が得 られる こ とが報告さ れ ている (特開昭 6 2 — 5 0 0 7 2 6 号公報、 特開平 0 8 — 1 3 4 0 8 5 号公報、 特開平 0 8 — 2 5 9 5 4 号公報、 W 0 8 6 0 2 9 3 3 ) 。 しか しな力 ら、 こ れ らの材料 は、 医療用材料と して十分満足でき る抗血栓性を発揮す る には至っ ていない。
発明の開示
本発明の主な 目 的は、 優れた生体適合性を有する ポ リ ウ レ タ ン又はポ リ ウ レ タ ン ゥ レアを提供する こ とであ る 本発明の他の 目 的は、 長期使用 した場合に も安定 して 優れた抗血栓性を発揮する こ とが可能な抗血栓性を有す る ポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レ タ ン ゥ レアを提供する こ と であ る。
本発明の更に他の 目 的は、 優れた抗血栓性を有する ポ リ ゥ レ タ ン又はポ リ ゥ レ タ ン ゥ レアを用いた医療用材料 を提供する こ とであ る。
本発明者は、 前記課題に鑑み鋭意検討 した結果、 特定 のホス ホ リ ルコ リ ン基を側鎖に有する特定構造のポ リ ゥ レタ ン又はポ リ ゥ レタ ン ゥ レアが上記 目 的を達成 し得る ものであ る こ とを見出 した。 更に、 本発明者は、 第四級 ア ンモニゥ ム基を有する ジオール成分を用いて、 上記特 定構造のポ リ ウ レ タ ン又はポ リ ウ レ タ ン ゥ レアの一部に 第四級ア ンモニゥ ム基を導入 し、 こ のア ンモニゥ ムカ チ オ ン と ム コ多糖類のァニオ ン と の静電的相互作用を介 し てポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レ タ ン ゥ レアにム コ多糖類を 導入す る場合には、 特に、 生体成分 と の接触初期におい て抗血栓性を よ り 向上させる こ とができ、 接触初期か ら 長期接触後に至る ま で優れた抗血栓性能を安定 して発揮 する こ とが可能と な る こ とを見出 し、 こ こ に本発明を完 成する に至つ た。
即ち、 本発明は、 以下に示す生体適合性を有する ポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レタ ン ゥ レア、 抗血栓性コ 一テ ィ ン グ剤、 抗血栓性医療用具用材料、 及び抗血栓性医療用具 を提供する ものであ る。
1. 一般式 ( 1 )
0 R
II
R 1 - 0 P 0 ( C H 2) 2 - N ( 1 )
0 - R 3
[ 式中、 R 1は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基、 炭素数 7 〜 2 0 のァ ラルキル基、 又は下記基
R 4 - ( A ) n -
(式中、 Aは炭素数 2 〜 1 0 のォキシアルキ レ ン基であ り、 1 種又は 2 種以上が混在 して も よ く、 結合順はプロ ッ ク で も ラ ンダムで も よ い。 ま た、 n は 1 カヽ ら 3 0 の整 数であ る。 R 4は炭素数 1 ~ 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァ ラルキル基 であ る。 ) であ る。 ま た、 R 2及び R 3は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 ~ 1 2 のァ リ ール基又は炭素数
7 〜 2 0 のァラ ルキル基であ り、 それぞれ同 じであ っ て も異な っ ていて も よい。 :] で表さ れる ホス ホ リ ノレコ リ ン 構造を側鎖に含む生体適合性を有する ポ リ ゥ レタ ン又は ポ リ ウ レタ ン ゥ レア。
2. ポ リ マー 1. 0 g に対 して、 一般式 ( 1 ) で表され
る ホスホ リ ノレコ リ ン構造に由来する リ ンを 0. 0 3 〜 3 , 0 0 ミ リ モル含む上記項 1 に記載のポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レタ ン ゥ レア。
3. ( A ) ( i ) 下記一般式 ( 1 )
0 R 2
R 0 — P — 0 — ( C H 2) 2 - N ( 1 )
0 - R 3
[ 式中、 R 1は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基、 炭素数 7 〜 2 0 のァ ラルキル基、 又は下記基
R 4— ( A ) n -
(式中、 Aは炭素数 2 ~ 1 0 のォキ シアルキ レ ン基であ り、 1 種又は 2 種以上が混在 して も よ く、 結合順はプロ ッ ク で も ラ ンダムで も よい。 ま た、 n は 1 か ら 3 0 の整 数であ る。 R 4は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 ~ 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァラ ルキル基 であ る。 ) であ る。 ま た、 R 2及び R 3は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 ~ 1 2 のァ リ ール基又は炭素数
7 ~ 2 0 のァラノレキル基であ り、 それぞれ同 じであ っ て も異な っ ていて も よ い。 ] で表さ れる ホス ホ リ ノレコ リ ン
構造を含むジオール 0. 1 〜 5 0 モル%、 ( i i ) ポ リ マ一 ジォーソレ 1 〜 4 0 モル%、
( iii) 鎖伸長剤 1 〜 9 0 モル%、 並びに
( iv) その他の活性水素含有化合物 3 0 モル%以下
を含み、 ( i ) 〜 ( iv) の成分の合計量力 1 0 0 モル% であ る 活性水素含有化合物と、
( B ) ジイ ソ シァネー ト化合物
とを反応さ せて得 られる 上記項 1 に記載の生体適合性を 有する ポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レタ ンボ リ ウ レア。
P o =
4. 一般式 ( 1 ) で表さ れる ホ スホ リ ルコ oリ ン構造を含 むジオールが、 下記式 ( 2 ) 及び ( 3 ) で表さ れる化合 物か ら選ばれた少な く と も一種であ る上記項 3 に記載の ポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レタ ン ゥ レア :
R 0
R 2— N +— ( C H 2) 0 R 1 ( 2 )
( C H 2)
H O — R
5— N— R
6— O H
R 0
H 0 R 5 - C - R 0 H
R 7
[ 上記式 ( 2 ) 及び ( 3 ) において、 R 1は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基、 炭素 数 7 〜 2 0 のァ ラ ルキル基、 又は下記基
R 4 - ( A ) „- (式中、 Aは炭素数 2 〜 1 0 のォキ シアルキ レ ン基であ り、 1 種又は 2 種以上が混在 して も よ く、 結合順はブロ ッ ク で も ラ ン ダムで も よ い。 ま た、 n は 1 カヽ ら 3 0 の整数で あ る。 R 4は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 ~ 2 0 のァラ ルキル基であ る。 ) であ る。 ま た、 R 2及び R 3 は炭素数 1 ~ 2 0 のァ ルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァ ラルキル基であ り、 それぞれ同 じであ っ て も異 な っ ていて も よい。 R 5及び R 6は炭素数 2 〜 1 0 のアル キ レ ン基であ り、 R 5と R 6はそれぞれ同 じであ っ て も異
な っていて もよい。 mは 1 〜 1 0 の整数である。 また、 式 ( 3 ) における R 7は、 水素原子、 炭素数 1 〜 2 0 のァ ルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァラルキル基である。 ] 。
5. 下記一般式 ( 4 )
R 8 一 N +— R X ( 4 )
R 10
(式中、 R 8、 R 9及び R 1。は、 炭素数 1 〜 2 0 のアルキ ル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 ~ 2 0 のァラルキル基であ り、 R 8、 R 9及び R 1。はそれぞれ同 じであ って も異な っていて も よい。 さ らに、 R 8、 R 9及 び R 1 °のう ちいずれか 1 つが水素原子であ って もよい。 Xはァニオ ン性基又はァニオン性化合物である。 ) で表 される第 4 級ア ンモニゥム基を側鎖に含むか、 又は下記 一般式 ( 5 )
R 8
I · X一
一 N + - ( 5 )
R 9
(式中、 8及び 1 9は、 炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 ~ 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァラ ルキル基であ り、 R 8及び R 9はそれぞれ同 じであ っ て も 異な っ ていて も よ い。 さ ら に、 R 8及び R 9の う ちいずれ か 1 つが水素原子であ っ て も よい。 Xはァニオ ン性基又 はァニオ ン性化合物であ る。 ) で表される第 4 級ア ンモ 二ゥ ム基を主鎖に含む上記項 1 に記載のポ リ ゥ レ タ ン又 はポ リ ウ レタ ン ゥ レア。
6. ( iv) その他の活性水素含有化合物の一部又は全部 と して、 下記式 ( 6 ) 〜 ( 8 ) で表さ れる 第 4級ア ンモ 二ゥ ム基を含むジオールの少な く と も一種を用い、 これ らの ジオールの使用量が、 活性水素含有化合物の全量を 1 0 0 モル% と した場合に、 0. 1 モル%以上であ る上 記項 3 に記載のポ リ ウ レ タ ン又はポ リ ウ レ タ ン ゥ レア :
R 9
R 8 - N + - R 10 · X -
I
( C H 2) p ( 6 )
I
H O — R 1 1 — N — R 12— O H
R
R N R 1 0 X
( C H 2) ( 7 )
H 0 - R C R 0 H
R 1 3
R X
H O - R 1 1 N + - R 1 2
0 H ( 8 )
R
C 式 ( 6 ) 〜 ( 8 ) において、 R 8、 9及び 1。は、 炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ー ル基、 又は炭素数 7 〜 2 0 のァラルキル基であ り、 R 8、 R 9及び R 1 Dはそれぞれ同 じであって も異なっていて もよ い。 さ らに、 R 8、 R 9及び R 1 °のう ちいずれか 1 つが水 素原子であって も よい。 Xはァニオ ン性基又はァニオン 性化合物である。 R 1 1及び R 1 2は炭素数 2 〜 1 0 のアル キレ ン基であ り、 R 1 1と R 12はそれぞれ同 じであって も 異な っていて もよ く、 R 13は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル 基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 ~ 2 0 の
ァラルキル基であ り、 p は 2 〜 1 0 の整数であ る。 ] 。
7. 重量平均分子量が 3, 0 0 0 〜 8, 0 0 0, 0 0 0 であ る 上記項 1 ~ 6 のいずれかに記載のポ リ ゥ レタ ン又 はポ リ ウ レタ ン ゥ レア。
8. ア ンモニゥ ム基の少な く と も一部がム コ多糖類とィ オ ン複合体を形成 している上記項 5 又は 6 に記載のポ リ ウ レ タ ン又はポ リ ウ レ 夕 ン ゥ レア。
9. ム コ多糖類がへパ リ ンであ る 上記項 8 に記載のポ リ ウ レ タ ン又はポ リ ウ レタ ン ゥ レア。
1 0. 上記項 1 〜 9 のいずれかに記載のポ リ ウ レ タ ン又 はポ リ ウ レタ ン ゥ レアを有機溶媒中に含む抗血栓性コ ー テ ィ ン グ剤。
1 1. 上記項 1 〜 9 のいずれかに記載のポ リ ウ レタ ン又 はポ リ ゥ レタ ン ゥ レアを有効成分とする抗血栓性医療用 具用材料。
1 2. 上記項 1 0 に記載の抗血栓性コ ーテ ィ ン グ剤によ
る コ ーテ ィ ン グ層を有する抗血栓性医療用具。
1 3. 上記項 1 1 に記載の抗血栓性医療用具用材料を用 いて形成された抗血栓性医療用具。 本発明のポ リ ウ レタ ン又はポ リ ウ レタ ン ゥ レア (以下、 ポ リ ウ レタ ン と ポ リ ウ レタ ン ゥ レアを総称 して 「ポ リ ウ レ タ ン類」 と い う こ とがあ る ) は、 下記式 ( 1 )
0 R 2
II I
R 1— 0 — P - 0 - ( C H 2) 2— N +— ( 1 )
0 - R 3
[ 式中、 R 1は、 炭素数 1 ~ 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基、 炭素数 ? 〜 2 0 のァ ラルキル基、 又は下記基
R 4 - ( A ) n -
(式中、 Aは炭素数 2 ~ 1 0 のォキ シアルキ レ ン基であ り、 1 種又は 2 種以上が混在 して も よ く、 結合順はプロ ッ ク で も ラ ンダムで も よい。 ま た、 n は 1 か ら 3 0 の整 数であ る。 R 4は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 ~ 2 0 のァラルキル基 であ る。 ) であ る。 ま た、 R 2及び R 3は炭素数 1 〜 2 0
のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァ ラルキル基であ り、 それぞれ同 じであ っ て も異な っ ていて も よい。 ] で表さ れる ホスホ リ ルコ リ ン 構造を側鎖に含む ものであ る。
こ の様な構造を有する本発明のポ リ ウ レタ ン類は、 生 体膜を形成する ホス フ ァ チ ジルコ リ ン類似構造を持つホ スホ リ ルコ リ ンが側鎖に導入さ れている こ と によ り、 主 鎖に導入さ れた場合と比較 して生体適合性が向上 し、 非 常に優れた抗血栓性を発揮でき る。 これは、 一般に高分 子の主鎖は絡み合 つ てい る ため、 性能を発揮する 官能基 が主鎮にあ る とその性能は十分に発揮 しに く いのに対 し て、 側鎖に性能発揮部位を有 している と官能基の運動が 高分子主鎖に抑制 さ れず運動性が向上 し、 十分に性能発 揮でき る こ と によ る もの と考え られる。 したがっ て、 本 発明のポ リ ウ レタ ン類が、 生体適合性が良好で非常に優 れた抗血栓性を発揮でき る のは、 ホスホ リ ルコ リ ンが側 鎖に導入さ れてい る ため、 ホス ホ リ ルコ リ ンの運動性が 向上 し、 そのため、 生体膜類似構造の効果が大き く 現れ る ため と考え られる。
更に、 本発明のポ リ ウ レ タ ン類は、 上記一般式 ( 1 ) で表さ れる ホスホ リ ルコ リ ン構造を側鎖に含むこ と に加 えて、 下記一般式 ( 4 )
R 一 N +— R X ( 4 )
R 10
(式中、 R 8、 R 9及び R 1。は、 炭素数 1 〜 2 0 のアルキ ル基、 炭素数 6 ~ 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァラルキル基であ り、 R 8、 R 9及び R 1 Dはそれぞれ同 じであ って も異な っていて も よい。 さ らに、 R 8、 R 9及 び R 1 °のう ちいずれか 1 つが水素原子であ って もよい。 Xはァニオン性基又はァニオ ン性化合物である。 ) で表 される第 4級ア ンモニゥム基を側鎖に含むか、 又は下記 一般式 ( 5 )
R 8
X
N +― ( 5 )
R
(式中、 R 8及び R 9は、 炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数? 〜 2 0 のァラ ルキル基であ り、 R 8及び R 9はそれぞれ同 じであって も 異なっていて もよい。 さ らに、 R 8及び R 9のう ちいずれ か 1 つが水素原子であ って もよい。 Xはァニオ ン性基又 はァニオ ン性化合物である。 ) で表される第 4級ア ンモ
二ゥ ム基を主鎖に含む場合には、 こ のア ンモニゥ ムカチ オ ン と ム コ多糖類のァニオ ン との静電的相互作用 によ り、 ポ リ ゥ レ タ ン類に抗血栓活性を有す る ム コ多糖類を導入 でき る。 その結果、 こ のポ リ ウ レタ ン類を表面部分に用 いた材料では、 生体又は生体成分との接触の初期段階で は、 抗血栓性を有する ム コ多糖類が有効に作用 して抗血 栓性をよ り 向上さ せる こ とができ、 その後、 長期間使用 した場合に、 万一ム コ多糖類が材料か ら溶出 した場合で あ っ て も、 ホスホ リ ルコ リ ン構造部分が有効に作用 して、 良好な抗血栓性を維持でき、 生体成分との接触初期か ら 長期間接触後に至る まで、 安定 して良好な抗血栓性を発 揮でき る。 上記式 ( 4 ) で表さ れる第 4 級ア ンモニゥ ム 基と上記式 ( 5 ) で表さ れる第 4 級ア ンモニゥ ム基は、 分子中 にいずれか一方だけが存在 して も よ く、 或いは両 方が同時に存在 して も よい。
尚、 本明細書において、 炭素数 1 ~ 2 0 のアルキル基 と は、 直鎖若 し く は分岐鎖状のアルキル基、 又は シ ク ロ アルキル基であ り、 具体例 と しては、 メ チル、 ェチル、 プロ ピル、 イ ソ プロ ピル、 ブチル、 t e r t — ブチル、 ペンチル、 へキシル、 シ ク ロへキ シル等を挙げる こ とが でき る。 ま た、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基と は、 置換 基と して、 メ チル、 ェチル、 ブチル、 メ ト キシ、 ェ ト キ
シ等を 1 〜 3 個有する こ とのあ る置換又は未置換の フ エ ニル基又はナフチル基であ り、 具体例 と しては、 フ エ二 ル、 ト リ ル、 キシ リ ル等を挙げる こ とができ る。 炭素数 7 〜 2 0 のァ ラノレキル基と しては、 ベン ジル、 フ エ ネチ ル、 フ ヱニルブチル、 ジ フ エ二ルメ チル、 ト リ フエニル メ チル、 ナフ チルメ チル、 ナフ チルェチル等を例示でき る。 炭素数 2 ~ 1 0 のアルキ レ ン基とは、 直鎖又は分岐 鎖状のアルキ レ ン基であ り、 具体例 と しては、 エチ レ ン、 プロ ピ レ ン、 ブチ レ ン、 ペ ン タ メ チ レ ン、 へキサメ チ レ ン、 イ ソ プロ ピ レ ン、 2 — メ チルへキサメ チ レ ン等を例 示でき る。
本発明ポ リ ウ レ タ ン類は、 活性水素含有化合物 と、 ジ イ ソ シァネ ー ト化合物 と を反応させる こ と によ っ て得る こ とができ る。
以下に、 本発明 ポ リ ウ レ タ ン類を製造する ために用い る単量体成分について説明する。
^性水素含有化合物
活性水素含有化合物 と しては、 一般式 ( 1 ) で表され る ホスホ リ ノレコ リ ン構造を含むジオールを用いれば良 く、 必要に応 じて、 その他に、 活性水素含有化合物と して、 ジオール及び Z又ジァ ミ ンを用いる こ とができ る。 これ らの活性水素含有化合物については、 特に限定的ではな
く、 イ ソ シァネー ト に対 して反応性を有する活性水素を 含有する化合物を適宜選択 して用いればよ いが、 生体適 合性に加えて、 機械的強度や耐久性の良好なポ リ ウ レタ ン類を得るためには、 下記の ( i ) 〜 ( iv) の活性水素 含有化合物を組み合わせて用い る こ とが好ま しい。
( i ) 下記一般式 ( 1 )
0 R 2
R 1— 0 — P 0 ( C H 2) 2 - N +- ( 1 )
0— R 3
[ 式中、 R R 2及び R 3は上記に同 じ ] で表さ れる ホ スホ リ ルコ リ ン構造を含むジオール、
( ii) ポ リ マー ジオール、
( iii) 鎖伸長剤、 及び
( iv) 必要に応 じて、 その他の活性水素含有化合物。 以下に、 これ らの各成分について説明す る。
( i ) ホスホ リ ルコ リ ン構造部分 含むジオール
上記 した活性水素含有化合物の内で、 ( i ) 一般式
( 1 ) で表される ホスホ リ ルコ リ ン構造を含むジオール と しては、 一般式 ( 1 ) で表さ れる ホスホ リ ルコ リ ン構 造部分を含むものであれば特に限定はないが、 一般式
( 1 ) の窒素原子に、 基 : 一 ( C H 2) m— ( mは、 1 〜
1 0 の整数であ る。 ) が結合 した ジオールが好ま し く、 その例 と しては、 下記一般式 ( 2 ) 及び ( 3 ) で表され る化合物を挙げる こ とができ る。
R 0
R N +— ( C H 2) 0 — P — 〇 一 R 1 ( 2 )
( C H 2) 0
H O — R 5— N — R 0 H
R 0
R 2 - N ( C H 2) 2 - 0 P 0 — R ( 3 )
II
( C H 2) 0
H O — R 5— C 一 R 6— O H
R
一般式 ( 2 ) 及び ( 3 ) において、 R 1は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基、 炭素数 7 ~ 2 0 のァ ラルキル基、 又は下記基
R 4 - ( A ) n -
( Aは炭素数 2 〜 1 0 のォキ シアルキ レ ン基であ り、 1 種又は 2 種以上が混在 して も よ く、 結合順はブロ ッ ク で も ラ ンダムでも よい。 ォキ シアルキ レ ン基の具体例 と しては、 ォキシエチ レ ン、 ォキ シプロ ピ レ ン、 ォキ シブ チ レ ン、 ォキシペ ン タ メ チ レ ン、 ォキシへキサメ チ レ ン 基等を挙げる こ とができ る。 ま た、 n は 1 か ら 3 0 の整 数であ り、 好ま し く は 3 ~ 1 5、 よ り 好ま し く は 3 〜 1 0 であ る。 R 4は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァ ラ ルキル基 であ る。 ) であ る。 ま た、 R 2及び R 3 は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァラルキル基であ り、 それぞれ同 じであ っ て も異な っ ていて も よい。 R 5及び R 6は炭素数 2 〜 1 0 の アルキ レ ン基であ り、 R 5と R 6はそれぞれ同 じであ っ て も異な っ ていて も よい。 mは 1 〜 1 0 の整数であ り、 好 ま し く は 1 〜 7 の整数であ る。 ま た、 式 ( 3 ) におけ る R 7は、 水素原子、 炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァラルキル 基であ る。
上記一般式 ( 2 ) 及び ( 3 ) で表さ れる化合物の内で 好ま しい化合物を例示する と、 以下の通 り であ る。
一般式 ( 2 ) において、 R 2= R 3=メ チル、 R 5= R 6 = - C H 2 - C H ( C H 3) ―、 m = 3 であ る と き、
メ チル、 ェチル、 プロ ピル、 イ ソプロ ピル、 ブチル、 tert— ブチル、 へキ シル、 シ ク ロへキ シル、 ォ ク チルな どの化合物。
一般式 ( 2 ) において R 2 = R 3 = メ チル、 R 5 = R 6 = - C H 2 - C H ( C H 3) ―、 m = 3、 R 1 = R 4- ( A ) n — で表わさ れる と き、 R 4 = メ チル、 エチ レ ン、 プロ ピル、 ブチル、 ォク チル、 ラ ウ リ ル、 セチル、 又はォ レイ ル、 Aは、 ォキ シエチ レ ン ( n = 3 〜 2 0 ) 、 ォキ シプロ ピ レ ン ( n は例えば、 3 〜 2 0 ) 、 ォキ シブチ レ ン ( n は 例えば、 3 ~ 2 0 ) 、 ォキ シへキサメ チ レ ン ( n は例え ば、 3 〜 2 0 ) 、 ォキ シエチ レ ン — ォキ シプロ ピ レ ン共 重合体 ( n は例えば 3 〜 2 0 ) 等の化合物。
一般式 ( 3 ) において、 R 2 = R 3 = R 7 = メ チル、 R 5 = R 6= メ チ レ ン、 m = l であ る と き、 メ チル、 ェ チル、 プロ ピル、 イ ソ プロ ピル、 ブチル、 tert— ブチル、 へキ シル、 シ ク ロ へキシル、 ォ ク チル等の化合物。
一般式 ( 3 ) において、 R 2 = R 3= R 7 =メ チル、 R 5 = R 6 = メ チ レ ン、 m = l、 R 1 = R 4 - ( A ) n—で表わ さ れる と き、 R 4 =メ チル、 エチ レ ン、 プロ ピル、 ブチル、 ォ ク チル、 ラ ウ リ ル、 セチル、 又はォ レイ ル、 Aは、 ォ
キ シエチ レ ン ( n = 3 〜 2 0 ) 、 ォキシプロ ピ レ ン ( n は例えば、 3 〜 2 0 ) 、 ォキシブチ レ ン ( n は例えば、 o p =
3 〜 2 0 ) 、 ォキ シへキサメ チ レ ン ( n は例えば、 3 〜 2 0 ) 、 ォキシエチ レ ン 一ォキ シプロ ピ レ ン共重合体 ( n は例えば 3 〜 2 0 ) 等の化合物。
上記一般式 ( 2 ) 及び ( 3 ) の化合物の内で、 R 1が 基 R 4 — ( A ) n - であ る ものは、 側鎖末端に親水性基で あ る ポ リ オキシアルキ レ ン基が存在する こ と によ っ て、 材料の親水性が向上 し、 よ り 生体適合性に優れた もの と な る。 そ して、 こ の様な親水性基の存在に よ る効果が、 ホスホ リ ノレコ リ ンが側鎖に存在する こ と に よ っ てホスホ リ ノレコ リ ン の運動性が向上する こ と と相乗的に作用 して- 血液凝固因子活性抑制および血小板粘着抑制効果がよ り 有効に発揮される。
上記 した一般式 ( 2 ) 及び ( 3 ) の化合物は、 例えば 下記の反応工程式に従っ て製造する こ とができ る。
C— 0 C 0 0
R 1 0 H \ II
C 1 > P 0 R
/ /
C一 0 C一 O
C O P R O P
R
R N ( C H 2) ( B )
>
0 R
R 1— 0 — P — 0 — ( C H 2) N +— ( C H 2) ( B ) o R
上記反応工程式において、 R R 2、 R 3及び mは前記 に同 じであ り、 基 一 ( B ) は下記基 ( I ) 又は ( II) で あ る。
H 0 — R 5— N R 0 H ( I )
H 0 - R C 一 R 0 H ( II)
R 式 ( I ) 及び ( II) において、 R 5、 R 6及び R 7は、 前
5己に i じであ る。
上記反応工程式に従っ た方法によれば、 まず、 公知化 合物であ る 2 — ク ロ 口 — 2 — ォキ ソ 一 1, 3, 2 — ジォ キサホスホ ラ ン ( C O P ) を出発原料と して、 Makromol. Chem. , Rapid. Commun. , _3, 457 ( 1982 )に記載さ れた方 法に従 っ て、 C O P を溶解 したテ ト ラ ヒ ド ロ フ ラ ン ( T H F ) を、 R i〇 H及び ト リ ェチルァ ミ ンの T H F溶液に 窒素気流中で、 一 3 0 1 0 °C程度の低温下でゆ つ く り 滴下 し、 滴下後、 窒素気流下で 一 1 0 °C以下で 3 〜 5 時間程度反応を行う。 反応後、 沈殿物 ( ト リ ェチルア ミ ン塩酸塩) を濾別 し、 濾液を減圧下留去 し、 残渣を減圧 乾燥 して、 2 — R — 口 キ シ — 2 — ォキ ソ — 1, 3, 2 — ジォキサホスホ ラ ン ( 2-R-yloxy-2-oxo-l, 3, 2-dioxapho sholan; R O P )を得る。
次いでヽ J. Macromol. Sci. -Pure Appl. Chem. , A32, 12
35 (1995)の方法に準 じて、 得 られた R O P と 3 級ァ ミ ン 含有ジオールを等モルずつ乾燥ァセ ト ニ ト リ ルに溶解さ
せ、 密閉反応器中で、 5 0 〜 1 0 0 °C程度で 1 2 〜 7 2 時間程度反応を行 う。 反応後、 溶媒を減圧下留去 し、 残 渣を シ ク ロへキサ ンで数回洗浄する こ と に よ っ て、 目 的 とする一般式 ( 2 ) 及び ( 3 ) で表さ れる 化合物を得る こ とができ る。
( i i ) ポ リ マー ジオール
ポ リ マー ジオールと しては、 ポ リ オキ シアルキ レ ン グ リ コ ール、 ポ リ カ ー ボネ ー ト ジォ一ル、 ポ リ エステノレジ ォ一ル、 ポ リ ブタ ジェ ン ジォ一ル、 ポ リ イ ソ プ レ ン ジォ —ル、 水添ポ リ イ ソ プレ ン ジオール等を用 いる こ とがで き る。 これ らの内で、 ポ リ オキ シアルキ レ ン グ リ コ ール、 と は、 エチ レ ン、 テ ト ラ メ チ レ ン、 へキサメ チ レ ン等の 炭素数 2 〜 8、 好ま し く は 2 〜 6程度の直鎖又は分岐鎖 状のアルキ レ ン基がエーテル結合で結合 したポ リ ォキ シ アルキ レ ンの両末端に水酸基が結合 した も のであ る。
本発明では、 ポ リ マー ジオールと しては、 モ ノ マーの 繰 り 返 し単位数が 4 ~ 2 0 0 程度の ものを用いる こ とが 好ま し く、 モ ノ マーの繰 り 返 し単位数が 1 0 〜 1 5 0 程 度の も のを用いる こ とがよ り 好ま しい。 こ の様なポ リ マ ー ジオールを用い る こ と によ っ て、 得 られる ポ リ ウ レタ ン類に適度な柔軟性を付与する こ とができ る。
( iii) 銷伸長剤
鎖伸長剤 と して は、 アルキ レ ン ジオール及びアルキ レ ン ジア ミ ンか ら選ばれた少な く と も一種を用いればよい。
アルキ レ ン ジオールと しては、 炭素数 2 〜 8 程度、 好 ま し く は 2 〜 6 程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキ レ ン基 の両末端に水酸基を有する アルキ レ ン ジオールを用いる こ とが好ま しい。 本発明での使用に適する アルキ レ ン ジ オールの具体例 と しては、 エチ レ ン グ リ コ ール、 プロ ピ レ ン グ リ コ ール、 ブチ レ ン グ リ コ ール、 1, 6 —へキサ ン ジオール、 ネオペ ンチルグ リ コ 一ノレな どのァノレキ レ ン グ リ コ ール等を挙げる こ とができ る。
ァノレキ レ ン ジァ ミ ン と しては、 エチ レ ン ジァ ミ ン、 プ ロ ピ レ ン ジァ ミ ン、 ブチ レ ン ジァ ミ ン、 へキサメ チ レ ン ジァ ミ ン等の直鎖状アルキ レ ン ジァ ミ ン、 1, 2 — ジァ ミ ノ プロノ、。 ン、 1, 3 — ジァ ミ ノ ペ ンタ ン等の分枝状ァ ノレキ レ ン ジァ ミ ン、 1, 2 — シ ク ロへキサ ン ジァ ミ ン、 1 , 3 — シ ク ロへキサ ン ジァ ミ ン、 1, 4 ー シ ク ロへキ サ ン ジア ミ ン等の環状アルキ レ ン ジア ミ ン等を用いる こ とができ る。
鎖伸長剤と しては、 上記 したアルキ レ ン ジオール及び アルキ レ ン ジア ミ ンか ら選ばれた成分を一種単独又は二 種以上混合 して用 いる こ とができ'る。 鎖伸長剤を用いる こ と に よ っ て、 得 られる ポ リ ウ レタ ン類に適度な硬度を
付与する こ とができ る。
( iv ) その他の活性水素含有化合物
本発明では、 その他の活性水素含有化合物と して、 上 記 した ( i ) 〜 ( i i i ) 以外の ジオール及び /又はジァ ミ ンを用 いる こ とができ る。
その他の活性水素含有化合物については、 特に限定は な く、 所望する特性に応 じて、 適当な ジオール及び Z又 は ジァ ミ ンを選択 して用いればよ く、 一種単独又は二種 以上混合 して用い る こ と も可能であ る。
ま た、 上記ホス ホ リ ルコ リ ン構造以外の官能基を含む ジオール及び Z又は ジァ ミ ンを用いて も良い。 他の官能 基の例を挙げれば、 材料に親水性を付与す る ための水酸 基、 材料に陰電荷を与え る ためのカルボキ シル基、 スル ホ ン酸基、 材料の光によ る反応性を向上さ せる ための ジ ァゾ基、 ア ジ ド基な どがあ る。 こ れ らの官能基を含むジ オール及びジァ ミ ンについては、 公知の化合物か ら、 適 宜選択 して用いる こ とができ る。
ま た、 下記一般式 ( 4 )
R 8
I
- N + - R 9 · X - ( 4 )
I
R 1 0
(式中、 R 8、 R 9、 R 1 Q及び Xは前記に同 じ) で表さ れ る第 4 級ア ンモニゥ ム基を側鎖に含むか、 又は下記一般 式 ( 5 )
R 8
I · X—
— N +_ ( 5 )
I
R 9
(式中、 R 8、 R 9及び Xは前記に同 じ) で表さ れる 第 4 級ア ンモニゥ ム基を主鎖に含むポ リ ゥ レタ ン類を製造す る場合には、 その他の活性水素含有化合物 と して、 例え ば、 下記式 ( 6 ) 〜 ( 8 ) で表さ れる第 4 級ア ンモニゥ ム基を含むジオールを、 単独又は二種以上混合 して用い ればよ い。
R 9
I
R 8 - N +- R 10 . X "
( C H 2) P ( 6 )
H O — R 1 1— N — R 12— O H
R
R 8— N +— R X
( C H 2) ( 7 )
H O — R 1 1— C 一 R 1 2 0 H
R 1 3
R X
H 〇 一 R 1 1— N R 1 - O H ( 8 )
R 上記式 ( 6 ) ~ ( 8 ) において、 R 8、 3及び 1^ 1°は 前記に同 じであ る。 ま た、 R 1 1及び R 1 2は炭素数 2 〜 1 0 のアルキ レ ン基であ り、 R 1 1と R 1 2はそれぞれ同 じで あ っ て も異な っ ていて も よい。 R 13は炭素数 1 〜 2 0 の アルキル基、 炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基又は炭素数 7 〜 2 0 のァラルキル基であ り、 p は 2 〜 1 0 の整数であ o
は、 いかな る ァニオ ン性基又はァニオ ン性化合物で も よ く、 特に限定はないが、 好ま しい もの と しては、 塩 素イ オ ン等のハ ロ ゲ ンイ オ ン、 ノ、0ラ ト ルエ ンスルホ ン酸
ァニオ ン、 酢酸イ オ ン、 ト リ フ ロ ロ酢酸イ オ ン、 過塩素 酸イ オ ン等を例示でき る。
これ らの第 4級ア ンモニゥ ム基を含むジオールは、 例 えば、 有機溶媒中に対応する 3 級ァ ミ ンを溶解又は分散 させ、 これに 4 級化剤を添加 し、 その後溶媒を留去 し、 不純物を有機溶媒で洗浄 して除去 し、 得 られた 4 級ア ン モニゥ ム ジオールを再結晶等の方法で精製する こ と によ り 得る こ とができ る。
上記式 ( 6 ) 〜 ( 8 ) で表さ れる第 4 級ア ンモニゥ ム 基を含むジオー ルの内で、 好ま しい化合物の具体例を挙 げる と下記の通 り であ る。
一般式 ( 6 ) において R 8 = R 9 = メ チル、 R H = R 12 = - C H 2 - C H ( C H 3) ―、 p = 3 であ る 時、 R 10 = 水素原子、 メ チル、 ェチル、 プロ ピル、 イ ソ プロ ピル、 ブチノレ、 tert-ブチル、 へキ シノレ、 シ ク ロ へキ シソレ、 ォ ク チル、 ラ ウ リ ル、 ミ リ シチル、 セチル又はステア リ ノレで あ り、 X—は、 フ ッ 素イ オ ン、 塩素イ オ ン、 臭素イ オ ン、 ヨ ウ素イ オ ン、 パラ ト ノレエ ン ス ルホ ン酸イ オ ン、 過塩素 酸イ オ ン、 酢酸イ オ ン、 ト リ フ ロ ロ酢酸イ オ ンな どの化 合物。
一般式 ( 6 ) において R 8= R 9 = ェチル、 R H = R 12 = - C H 2 - C H ( C H 3) ―、 p = 3 であ る 時、 R 10 =
水素原子、 メ チル、 ェチル、 プロ ピル、 イ ソ プロ ピル、 ブチル、 tert-ブチノレ、 へキシノレ、 シ ク ロ へキシル、 ォク チル、 ラ ウ リ ル、 ミ リ シチル、 セチル又はステア リ ノレで あ り、 X—はフ ッ 素イ オ ン、 塩素イ オ ン、 臭素イ オ ン、 ョ ゥ素イ オ ン、 パラ ト ルエ ンスルホ ン酸イ オ ン、 過塩素酸 イ オ ン、 酢酸イ オ ン、 ト リ フ ロ ロ酢酸イ オ ンな どの化合 物。
一般式 ( 7 ) において R 8= R 9= R 13 = メ チル、 R 1 1 = R 12=メ チ レ ン、 p = l であ る 時、 R 10 =水素原子、 メ チル、 ェチル、 プロ ピル、 イ ソ プロ ピル、 ブチル、 te rt-ブチル、 へキ シル、 シ ク ロ へキシル、 ォ ク チル、 ラ ウ リ ル、 ミ リ シチル、 セチル又はステア リ ルであ り、 X一は フ ッ 素イ オ ン、 塩素イ オ ン、 臭素イ オ ン、 ヨ ウ素イ オ ン、 ノ、。ラ ト ルエ ンスルホ ン酸イ オ ン、 過塩素酸イ オ ン、 酢酸 イ オ ン、 ト リ フ ロ ロ酢酸イ オ ンな どの化合物。
一般式 ( 7 ) において R 8= R 9= R 13=ェチル、 R 1 1 = R 1 2 = メ チ レ ン、 p = l であ る 時、 R I ° =水素原子、 メ チル、 ェチル、 プロ ピル、 イ ソ プロ ピル、 ブチル、 te rt-ブチル、 へキ シル、 シ ク ロへキシル、 ォク チル、 ラ ウ リ ル、 ミ リ シチル、 セチル又はステア リ ノレであ り、 X—は フ ッ 素イ オ ン、 塩素イ オ ン、 臭素イ オ ン、 ヨ ウ素イ オ ン、 ノ、。ラ ト ルエ ンスルホ ン酸イ オ ン、 過塩素酸イ オ ン、 酢酸
イ オ ン、 ト リ フ ロ ロ酢酸イ オ ンな どの化合物。
一般式 ( 7 ) において R 8 = R 9 =ェチル、 R - R 1 2 = メ チ レ ン、 R 1 3 =水素原子、 p = l であ る時、 R 1 0 = 水素原子、 メ チル、 ェチル、 プロ ピル、 イ ソプロ ピル、 ブチル、 tert -ブチノレ、 へキシソレ、 シ ク ロへキシル、 ォク チル、 ラ ウ リ ル、 ミ リ シチル、 セチル又はステア リ ノレで あ り、 X—はフ ッ 素イ オ ン、 塩素イ オ ン、 臭素イ オ ン、 ョ ゥ素イ オ ン、 パラ ト ルエ ンスルホ ン酸イ オ ン、 過塩素酸 イ オ ン、 酢酸イ オ ン、 ト リ フ ロ ロ酢酸イ オ ンな どの化合 物。
一般式 ( 8 ) において R 8 = メ チル、 R = R 1 2 =ェチ レ ンであ る 時、 R 9 =水素原子、 メ チル、 ェチル、 プロ ピ ル、 イ ソ プロ ピル、 ブチル、 tert -ブチル、 へキシル、 シ ク ロへキ シル、 ォ ク チル、 ラ ウ リ ル、 ミ リ シチル、 セチ ノレ又はステア リ ノレであ り、 X はフ ッ 素イ オ ン、 塩素ィ ォ ン、 臭素イ オ ン、 ヨ ウ素イ オ ン、 パラ ト ノレエ ンスルホ ン 酸イ オ ン、 過塩素酸イ オ ン、 酢酸イ オ ン、 ト リ フ ロ ロ酢 酸イ オ ンな どの化合物。
一般式 ( 8 ) において R 8 = ェチル、 R = R 1 2 =ェチ レ ンであ る 時、 R 9 =水素原子、 メ チル、 ェチル、 プロ ピ ル、 イ ソ プロ ピル、 ブチル、 tert-ブチル、 へキシル、 シ ク ロへキ シル、 ォ ク チル、 ラ ウ リ ル、 ミ リ シチル、 セチ
ル又はステア リ ルであ り、 X はフ ッ 素イ オ ン、 塩素ィ ォ ン、 臭素イ オ ン、 ヨ ウ素イ オ ン、 パラ ト ルエ ンスルホ ン 酸イ オ ン、 過塩素酸イ オ ン、 酢酸イ オ ン、 ト リ フ ロ ロ酢 酸イ オ ンな どの化合物。
こ れ らの化合物は単独で使用 して も よ く、 2 種以上混 合 して使用 して も良い。
( i v ) 活件水素含有化合物の使用割合
活性水素含有化合物におけ る 各成分の使用割合は、 特 に限定的ではないが、 活性水素含有化合物の全量を 1 0 0 モル% と した場合に、 ( i ) 一般式 ( 1 ) で表さ れる ホ ス ホ リ ノレコ リ ン構造を含むジオール 0 . 1 〜 5 0 モル %、 ( i i ) ポ リ マー ジオール 1 〜 4 0 モル%、 ( i i i ) 鎖 伸長剤 1 〜 9 0 モル%、 及び ( i v ) その他の活性水素含 有化合物 3 0 モル%以下、 とす る こ とが好ま しい。 こ の 様な配合割合で用いる こ と によ っ て、 優れた生体適合性 を有する と と も に、 機械的強度や耐久性の良好なポ リ ウ レタ ン類を得る こ とができ る。
ま た、 ム コ多糖類とのイ オ ン複合体を形成する こ とを 目 的 と して、 ポ リ ウ レ タ ン類に、 上記一般式 ( 4 ) 又は ( 5 ) で表さ れる第 4 級ア ンモニゥ ム基を導入する場合 には、 上記一般式 ( 6 ) 〜 ( 8 ) で表さ れる第 4 級ア ン モニゥ ム基を含むジオールの少な く と も一種の使用量は、
活性水素含有化合物の全量を 1 0 0 モル% と した場合に、 0 . 1 モル%以上とする こ とが好ま しい。 こ れ らの第 4 級ア ンモニゥ ム基を含むジオールは、 上記 ( i v ) のその 他の活性水素含有化合物の一部又は全部と して用い られ る ものであ り、 使用量の上限は、 3 0 モル%以下とする こ とが好ま しい。 第 4 級ア ンモニゥ ム基を含むジオール 以外に、 ( i v ) のその他の活性水素含有化合物を用いる 場合には、 第 4 級ア ンモニゥ ム基を含むジオールを含め たそ の他の活性水素含有化合物 ( i v ) の合計量が 3 0 モ ノレ%以下と な る よ う にする こ とが好ま しい。
ジイ ソ シァネー ト イ匕合物
ジイ ソ シァネー ト 化合物 と しては、 特に限定はな く、 従来ポ リ ゥ レタ ンの製造に用い られる ジィ ソ シァネ 一 ト、 及び今後開発さ れるであ ろ う ジイ ソ シァネ ー ト の全てが 利用可能であ り、 所望の特性に応 じて適宜選択 して用い ればよ い。 ジイ ソ シァネ ー ト化合物の具体例 と しては、 エチ レ ン ジイ ソ シァネー ト、 ト リ メ チ レ ン ジイ ソ シァネ — ト、 テ ト ラ メ チ レ ン ジイ ソ シァネー ト、 ペン タ メ チ レ ン ジイ ソ シァネー ト、 ォ ク タ メ チ レ ン ジイ ソ シァネ ー ト- ゥ ンデカ メ チ レ ン ジイ ソ シァネ ー ト、 ドデカ メ チ レ ン ジ イ ソ シァネー ト、 シ ク ロペ ンチ レ ン 一 1, 3 — ジイ ソ シ ァネー ト、 シ ク ロへキサ ン 一 1 , 4 — ジイ ソ シァネー ト
4, 4 ' ー メ チ レ ン ビス ( シ ク ロ へキ シノレイ ソ シァネ ー ト ) 、 イ ソ ホ ロ ン ジ イ ソ シァネ ー ト な どの脂肪族ジイ ソ シァネ ー ト 類、 2, 4 — ト リ レ ン ジイ ソ シ ァネ ー ト、 2, 6 — ト リ レ ン ジイ ソ シァ ネ ー ト、 2, 4 一 ト リ レ ン ジィ ソ シ ァ ネ ー ト と 2, 6 — ト リ レ ン ジイ ソ シ ァネ ー ト と の 混合物、 キ シ リ レ ン — 1 , 4 ー ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト、 4, 4 ' ー ジ フ エ ニルメ タ ン ジイ ソ シ ァネ ー ト、 4, 4 ' ― ジ フ エ ニルプロノ、0 ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト、 4 — イ ソ シ ァネ 一 ト ベ ン シノレイ ソ シ ァ ネ ー ト、 m — フ エ 二 レ ン ジイ ソ シ ァネ ー ト、 p — フ エ 二 レ ン ジ イ ソ シ ァネ ー ト、 ナ フ タ レ ン 一 1 , 4 ー ジイ ソ シ ァ ネ ー ト、 ナ フ タ レ ン 一 1, 5 — ジイ ソ シ ァネ ー ト 等の芳香族 ジ イ ソ シァネ ー ト 類等を挙 げる こ とができ る。
ポ リ ウ レ タ ン又は ポ リ ウ レ タ ン ゥ レ ア
本発明の ポ リ ウ レ タ ン又はポ リ ウ レ タ ン ゥ レア ( ポ リ ウ レ タ ン類) の製造法は特に制限 さ れず、 常法に従 っ て、 有機溶媒中で上記 し た活性水素含有化合物 と ジィ ソ シァ ネ ー ト 化合物 と を反応さ せれば よ い。 有機溶媒と して は、 例えば、 へキサメ チル リ ン酸 ト リ ア ミ ド ( H M P A ) 、 N — メ チソレ ピ ロ リ ド ン ( N M P ) 、 N — メ チルホノレムァ ミ ド ( N M F ) 、 N, N — ジ メ チノレホノレム ア ミ ド ( D M F ) 、 N, N — ジ メ チノレアセ ト ア ミ ド ( D M A c ) 、 テ
ト ラ ヒ ド ロ フ ラ ン ( T H F ) 、 ト ルエ ン、 ジォキサ ンな どを用いる こ とができ、 こ れ らの有機溶媒は混合 して用 いて も よい。 活性水素含有化合物 と ジイ ソ シァネー ト化 合物の反応割合は、 通常、 ジイ ソ シァネー ト化合物 1 当 量に対 して、 活性水素含有化合物を 0. 7 〜 1. 5 当量 程度とすればよ く、 0. 8 〜 1. 2 当量程度とする こ と が好ま しい。
具体的な反応条件については、 使用する ジイ ソ シァネ — ト ゃ ジオー ルの構造によ り 異な る カ^ 例えば、 窒素雰 囲気下 2 0 〜 1 5 0 °C程度で 1 〜 5 0 時間程度攪拌 しな が ら反応さ せ、 こ の反応物を再沈殿法等に よ り 精製を行 う 方法を例示でき る。
ま た、 一般式 ( 2 ) 及び ( 3 ) で表される ホスホ リ ノレ コ リ ン構造部分を含むジオー ル、 ポ リ マー ジオール、 ァ ノレキ レ ン ジォ一ノレ等の ジォ一ノレ成分と ジイ ソ シァネ一 ト 化合物 とを、 上記 した方法と 同様に して反応させる こ と によ り 末端にイ ソ シァネ一 ト基を有する プ レボ リ マ 一を 得、 こ のプ レボ リ マ一を H M P A、 N M P、 N M F、 D M F、 D M A c、 T H F等の有機溶媒に溶解 した後冷却 し、 アルキ レ ン ジァ ミ ンを添カ卩 して鎖延長する こ と によ つ てポ リ ゥ レ タ ン ゥ レアを得る 方法等によ っ て製造する こ と も でき る。
ポ リ ウ レタ ン類の重合時には、 重合を効率的に進行で き る よ う に、 ジブチルジ ラ ウ リ ル酸錫、 テ ト ラ ブ ト キシ チタ ン等の重合触媒を添加 して も良い。 重合触媒の添加 量は、 通常、 反応溶液全体を基準と して、 1 0 〜 1 0 0 0 p p m程度とすればよい。
本発明のポ リ ウ レタ ン類は、 重量平均分子量が 3, 0 0 0 〜 8, 0 0 0, 0 0 0 程度であ り、 好ま し く は、 5, 0 0 0 〜 5, 0 0 0, 0 0 0 程度であ る。 本明細書中に 記載 した分子量は、 ゲルパ一 ミ ネ一 シ ヨ ン ク ロマ ト グラ フ ィ 一 ( G P C ) を用いて測定 した値であ り、 測定に用 いる ゲノレカ ラ ムは、 S h o d e x A D — 8 0 3 / S、 A D - 8 0 4 / S. A D _ 8 0 6 / S、 K D — 8 0 2 の 4本を直列に連結 した も のであ り、 移動相 と しては 0. 1 %臭化 リ チ ウ ムを溶解 した D M F を用い、 検量線をポ リ スチ レ ンで引 き、 5 0 °Cで測定する こ と によ っ て分子 量を求めた。
ま た、 本発明の ポ リ ウ レタ ン類は、 ポ リ マー 1. 0 g に対 して、 一般式 ( 1 ) で表さ れる ホスホ リ ルコ リ ン構 造部分に由来する リ ンの含有 ミ リ モ ル数 (以下こ の こ と を m e q Z g と略記する ) 力 、 0. 0 3 〜 3. 0 0 m e q Z g程度であ る こ とが好ま し く、 0. 0 6 〜 2. 8 0 m e q Z g程度であ る こ とがよ り 好ま しい。
上記 した本発明のポ リ ウ レ タ ン類は、 生体膜を形成す る ホス フ ァ チ ジルコ リ ン類似構造を持つホスホ リ ルコ リ ンが側鎖に導入さ れてい る こ と によ り、 主鎖に導入され た場合 と比較 して非常に優れた抗血栓性を有する。 ま た、 側鎖末端に親水性基であ る ポ リ オキ シアルキ レ ン基を導 入 した場合には、 側鎖末端にアルキル基を導入 した場合 よ り 効果的に抗血栓性を発揮でき る。
ム コ多糖類との複合体
本発明のポ リ ウ レタ ン類の内で、 分子内に上記一般式 ( 4 ) 又は ( 5 ) で表さ れる第 4 級ア ンモニゥ ム基を有 する も のは、 抗凝血作用を有する ム コ多糖類と静電的相 互作用 によ っ て複合体を形成する こ とができ る。
本発明において、 ム コ多糖類と してはへパ リ ン、 コ ン ドロ イ チ ン硫酸、 ヒ アルロ ン酸、 デルマ タ ン硫酸、 ケラ タ ン硫酸等、 これ らの リ チ ウ ム、 ナ ト リ ウ ム、 カ リ ウ ム 塩等の金属塩等が挙げ られる 力 中で もへパ リ ン又はへ パ リ ン金属塩は優れた抗血栓能を有 してお り 特に好ま し い。
上記一般式 ( 4 ) 又は ( 5 ) で表さ れる第 4 級ア ンモ 二ゥ ム基を含むポ リ ウ レ タ ン類と、 ム コ多糖類との複合 体を得る方法については、 特に限定さ れないが、 例えば- ム コ多糖類の水溶液又は弱酸性緩衝溶液 ( p H 3 〜 6 程
度) に、 本発明のポ リ ウ レタ ン類を 2 0 〜 1 0 0 °C程度 で 1 〜 2 4 時間程度浸漬する こ と によ っ て、 目 的 とする 複合体とする こ とができ る。 こ の複合体の形成は、 通常、 本発明のポ リ ゥ レ タ ン類を用いて 目 的 とする成形体を成 形する 力、、 或いは、 コ ーテ ィ ン グを行っ た後に行う こ と が好ま しい。 本発明のポ リ ウ レ タ ン類を他のポ リ マー と 混合 して用いる場合には、 混合 した状態で上記 した浸漬 処理を行な う こ とができ る。
複合体を製造する 際に使用 さ れる緩衝液の溶質と して は、 2 — ( N — モ ノレ ホ リ ノ ) エ タ ン ス ノレホ ン酸、 ピペ ラ ジ ン 一 1, 4 — ビ ス ( 2 — エ タ ン ス ノレホ ン酸) 、 N — ( 2 — ァ セ ト ア ミ ド ー 2 — ア ミ ノ エ タ ン ス ノレホ ン酸、 N, N — ビ ス ( 2 — ヒ ド ロ キ シ ェ チ ノレ) 一 2 — ア ミ ノ エ タ ン ス ノレホ ン酸、 3 _ ( N — モ ル ホ リ ノ ) プ ロ ノ、。 ン ス ルホ ン 酸、 3 — ( N — モ ノレホ リ ノ ) 一 2 — ヒ ド ロ キ シ プ ロ ノ、0 ン ス ルホ ン 酸、 2 _ [ 4 - ( 2 — ヒ ド ロ キ シ ェ チ ル) 一 1 ー ピペラ ジニル ] エタ ン ス ルホ ン酸等が好ま し く、 特に 好ま し く は、 2 — ( N — モルホ リ ノ ) エタ ンスルホ ン酸 (以下 M E S と略記する ) 、 ピぺラ ジ ン — 1, 4 一 ビス ( 2 —エタ ンスルホ ン酸) (以下 P I P E S と略記する) - 3 — ( N — モルホ リ ノ ) プロパ ンスルホ ン酸 (以下 M 0 P S と略記する ) 等であ る力 その他の溶質を用いて も.
よい。 ま た、 これ らの緩衝液を、 メ タ ノ ール、 エタ ノ ー ル、 プロパノ ール、 イ ソ プロパノ 一ルな どのアルコ ール 類、 テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン、 N , N — ジメ チルホルムアル デヒ ド、 N, N — ジメ チルァセ ト ア ミ ド等の水と混合で き る有機溶媒と混合 して用いて も よ い。
こ の よ う に して、 ホスホ リ ノレコ リ ン構造部分を側鎖に 有する ポ リ ゥ レタ ン類と ム コ多糖類とを複合化 した場合 には、 特に、 生体成分との接触初期においてム コ多糖類 の働き によ っ て、 抗血栓性を よ り 向上させる こ とができ る。 ま た生体成分 との接触が長期間 とな っ た場合に も、 血液適合性に優れたホスホ リ ルコ リ ンの効果によ っ て良 好な抗血栓性が維持でき る。 すなわち、 生体成分との接 触初期か ら長期間接触後に至る ま で、 安定 して良好な抗 血栓性を発揮する材料が得 られ る。
杭 ιία栓性材料
本発明のポ リ ウ レタ ン類は、 優れた生体適合性を有 し、 長期間に亘っ て抗血栓性能を安定 して発揮する こ とがで き、 特に、 血液適合性が要求さ れる各種の医療用器具、 機器類等の医療用具の素材、 又は こ れ らの医療用具に対 する コーテ ィ ン グ剤等と して有効に用いる こ とができ る, 本発明のポ リ ウ レ タ ン類を こ の様な 目 的で用いる こ と に よ っ て、 血液適合性を有 し、 優れた抗血栓性能を安定 し
て発揮でき る 医療用器具、 機器類等を得る こ とができ る。 本発明のポ リ ウ レタ ン類を コ ーテ ィ ン グ剤又は素材と して使用する こ とができ る、 血液適合性が要求される各 種の医療用器具、 機器類等の医療用具の具体例 と しては、 血液透析膜、 血漿分離膜、 血液中老廃物の吸着材、 人工 肺用の膜素材 (血液と酸素の隔壁) や人工心肺におけ る シー ト 肺の シー ト材料、 大動脈バルー ン、 血液バ ッ グ、 カ テーテル、 力ニュ ー レ、 シ ャ ン ト、 血液回路ゃステ ン ト 等を挙げる こ とができ る。
本発明のポ リ ウ レタ ン類を コ 一テ ィ ン グ剤と して用い る場合には、 通常、 本発明のポ リ ウ レ タ ン類を、 T H F、 H M P A、 N M P、 N M F、 D M F、 D M A " T H F — メ タ ノ ール混合溶液、 T H F — エタ ノ ール混合溶液、 T H F - プロパノ 一ル混合溶液等の有機溶剤に溶解 し、 塗布法、 スプ レー法、 デ ィ ッ プ法等の適当な方法で、 処 理対象物に塗布すればよい。 コ ーテ ィ ン グ剤には、 本発 明のポ リ ウ レ タ ン類の他に、 必要に応 じて、 血液適合性 が要求 される各種の医療用具の材料と して従来か ら使用 さ れている ポ リ マー材料、 例えば、 ポ リ エーテルウ レタ ン、 ポ リ ウ レ タ ン、 ポ リ ウ レタ ン ウ レァ、 ポ リ 塩化 ビニ ル、 ポ リ エステル、 ポ リ プロ ピ レ ン、 ポ リ エチ レ ン等を 配合 して も良い。 コ 一テ ィ ン グ剤中の本発明のポ リ ウ レ
タ ン類の濃度については、 特に限定さ れる ものではな く、 使用する ポ リ ウ レ タ ン類の種類に応 じて、 有機溶媒中に 可溶な範囲で適宜決めればよい。 本発明のポ リ ウ レタ ン 類を、 他のポ リ マー と混合 して用いる場合には、 本発明 のポ リ ウ レタ ン類の使用割合は、 本発明の ポ リ ウ レタ ン 類と他のポ リ マー との合計量を 1 0 0 重量% と した場合 に、 1 ~ 9 9 重量%程度とする こ とが好ま し く、 5 〜 8 0 重量%程度とする こ とがよ り 好ま しい。
コ ーテ ィ ン グ剤を塗布 した後、 有機溶媒を除去する こ と によ っ て、 本発明のポ リ ウ レ タ ン類によ る コ 一テ ィ ン グ層が形成される。 有機溶媒を除去する方法については、 特に限定はない力 、 例えば、 好ま しい方法 と して、 窒素、 アルゴ ン、 ヘ リ ウ ム等の不活性ガス雰囲気下で 2 0 〜 1 0 0 °C程度で 0 . 1 〜 1 8 0 分間程度加熱乾燥 した後、 2 0 〜 1 0 0 °C程度で 0 . 1 〜 3 6 時間程度減圧乾燥す る方法を挙げる こ とができ る。
形成さ れる コ ーテ ィ ン グ層の厚さ は、 特に限定さ れる ものではないカ^ 通常、 0 . 1 〜 : L 0 0 μ m程度、 好ま し く は 0 . 5 〜 7 0 m程度とすればよい。 コ ーテ ィ ン グ層の厚さ は、 コ ーテ ィ ン グ組成物中のポ リ マー濃度や コ ーテ ィ ングの回数に よ っ て容易に調整でき る。
コ ーテ ィ ン グ層を形成する医療用具の材質については、
特に限定はさ れないが、 通常、 上記 した医療用具の材料 と して従来か ら使用 されている ポ リ マ ー材料が用い られ o
本発明のポ リ ウ レタ ン類を医療用具の素材 と して用い る場合には、 本発明のポ リ ウ レ タ ン類を単独で用いて も よ く、 或いは、 要求さ れる物性等に応 じて、 上述 した血 液適合性が要求さ れる 医療用具の材料と して使用 さ れて いる ポ リ マー材料と混合 して用 いて も良い。 混合 して用 いる場合には、 本発明のポ リ ウ レタ ン類の使用割合は、 通常、 本発明のポ リ ウ レ タ ン類 と他のポ リ マ 一 との合計 量を 1 0 0 重量% と した場合に、 1 〜 6 0 重量%程度と すればよ く、 5 〜 5 0 重量%程度とする こ とが好ま しい。
本発明のポ リ ゥ レ夕 ン類を素材と して医療用具を得る には、 それぞれの 目 的物に応 じて、 従来か ら行われてい る公知の方法で製造すればよい。
発 明 の 効 菓
本発明のポ リ ウ レタ ン類は、 良好な生体適合性を有 し、 生体成分との接触初期か ら長期接触後に至る まで優れた 抗血栓性能を安定 して発揮する こ とができ る。
本発明のポ リ ウ レタ ン類を、 血液適合性が要求される 医療用器具、 機器類等の医療用具の素材、 又はこ れ らの 医療用具に対する コ ーテ ィ ン グ剤と して用 いる こ と によ
つ て、 血液適合性を有 し、 優れた抗血栓性能を安定 して 発揮でき る医療用器具、 機器類等の医療用具を得る こ と ができ る。
発明を実施する ための最良の形態
以下、 実施例を用いて本発明を説明する。 なお、 本発 明は こ れ らの実施例に限定さ れる も のではない。
< 製造例 1 〉
C H 3 0—
C H N ( C H 2) 0 — P — 0 — R
( C H 2) 0 ( 9 )
H O C H C H 2 - N - C H 2 C H 0 H
H a C C H 上記一般式 ( 9 ) において、 R i = R 4 - ( A ) n— であ り、 R 4 = ブチル、 A = ォキ シエチ レ ン — ォキ シプロ ピ レ ン共重合体、 n は平均値 4 であ る ジオール (以下 S E 0 と略記する ) を以下の方法によ り 製造 した。
化学式 R i O H (式中、 R 1 - !^ 4— ( A ) n—であ り、 R 4 = ブチル、 A =ォキ シエチ レ ン — ォキ シプロ ピ レ ン共 重合体、 n は平均値 4 であ る ) で表さ れる アルコ ール
( H O ( C 2H 4 O ) 2 ( C 3H 60 ) 2 C 4 H 9) (三洋化成 製、 商標名 : ニュ ーポール 5 0 H B — 5 5 ) 4 2. 0 O g及び ト リ ェチノレア ミ ン 2 4. 3 m l を T H F 7 0 m 1 に溶解 した溶液に、 2 — ク ロ 口 — 2 — ォキソ 一 1, 3, 2 — ジォキサホス ホラ oP MM ン ( C O P ) 2 5. 0 0 gを T H F 1 5 0 m l に溶解 した溶液を、 窒素気流中で、 一 2 0 °Cでゆ っ く り 滴下 し、 滴下後、 こ の反応溶液を 一 1 0 °C で 5 時間窒素気流下で撹拌 し、 反応後、 沈殿物 ( ト リ エ チルァ ミ ン塩酸塩) を濾別 し、 濾液を減圧下留去 し、 残 渣を減圧乾燥 して、 透明液体であ る下記式で表さ れる化 合物 (式中、 R 1 == R 4 - ( A ) n — であ り、 R 4=プチル- A = ォキシエチ レ ン 一 ォキ シプロ ピ レ ン共重合体、 n は 平均値 4 であ る。 以下、 これを E O O P と 略記する ) を 収率 9 3 %で得た。
C 0
0 R
C 0 E 0 O P
化合物の同定 : i H — N M Rスぺク ト ノレ (重ク ロ 口 ホルム, 2 5 °C, 2 0 0 M H z ) <5 / p p m : 0. 9 ( 3 H, t,
C R_A) , 1. 2 ( 6 H, d, C H 3 C H O ) , 1. 3 ( 2 H, m, C H 2M e i n B u ) , 1. 6 ( 2 H, m, 0 C C H 2) , 3. 5 ( 1 6 H, m, 0 C K^, ( C 2H 4 0 ) 2 ( C H 2 C H M e O ) 2) , 4. 3 ( 4 H, m, P 0 C iL^) .
I R スペク トル ( n e a t ) : 2 9 0 0, 2 8 4 0 ( レ c H ) , 1 2 3 5 ( v p = o ) , 1 0 5 0 { v c一 o— c ) , 1 0 2 0 ( v - P O - C) c m一 1 . 次いで、 得 られた E O O P と 4 _ ( 3 — N, N — ジメ チノレア ミ ノ プロ ピノレ ) 一 4 — ァザー 2, 6 — ジ ヒ ド ロキ シヘプタ ン ( A D O ) を、 等モルずつ乾燥ァセ ト ニ ト リ ルに溶解させ、 密閉反応器中で、 6 5 °Cで 2 4 時間反応 を行 っ た。 反応後、 溶媒を減圧下留去 し、 残渣を シ ク ロ へキサ ンで数回洗浄する こ と に よ っ て、 黄色粘稠液体で あ る S E 0を収率 8 7 %で得た。
化合物の同定 : — N M R スぺク トル (重ク ロ 口 ホルム, 2 5 °C, 2 0 0 M H z ) 5 / p p m : 0. 8 ( 3 H, t, C H 3 i n O c t ) , 1. 1 ( 6 H, d, C H 3 C H ) , 1. 2 ( 6 H, d, C H 3 C O ) , 1. 3 ( 2 H, m, C H 2M e i n B u ) , 1. 7 ( 4 H, m, N C C H 2, C H 2 E t i n B u ) , 3. 2 ( 3 H, s , N C H 3) ,
TJ
48
3. 6 — 4. 1 ( 2 6 H, m, C Ij C C H
2N, N
+ C H
) 2 ( C H 2 C H M e 0 ) ) , 4. 3 ( 2 H, m, C H 0 H ) .
I R スペク ト ル ( n e a t ) : 3 3 0 0 ( レ 。 H ) , 2 9 0 0 ( レ C H) , 1 2 2 0 { v P=o) , 1 0 5 0 ( ジ c-o-c) , 1 0 4 0 ( v - P O - C ) c m " 1.
< 製造例 2 〉
上記一般式 ( 9 ) において、 R 1 = ォ ク チルであ る 2 — [ 3 , 7 — ジァザ一 3, 3 — ジメ チノレー 7 — ( 2 — ヒ ド ロ キシプロ ピル) 一 9 ー ヒ ド ロ キ シデシノレ ] — 2 ' —ォ ク チルホス フ ェ ー ト (以下、 S C 8と略記する ) を以下の 方法で製造 した。
ォ ク タ ノ 一ノレ 2 6. 8 m l 及び ト リ ェチノレア ミ ン 2 3. 6 m l を T H F 5 0 m l に溶解 した溶液に、 C O P 2 4. 1 0 g を T H F l O O m l に溶解 した溶液を、 窒素気流 中で、 一 2 0 °Cでゆ っ く り 滴下 し、 滴下後、 こ の反応溶 液を - 1 0 °Cで 5 時間窒素気流下で反応さ せた。 反応後、 沈殿物 ( ト リ エチルァ ミ ン塩酸塩) を濾別 し、 濾液を減 圧下留去 し、 残渣を減圧乾燥 して、 無色透明液体であ る 2 — 才 ク チルォキ シ — 2 — ォキ ソ — 1, 3 , 2 — ホスホ ラ ン ( O O P ) を収率 9 5 %で得た。
化合物の同定 : — N M R スぺク トノレ (重ク ロ 口 ホルム,
2 5 °C, 2 0 0 M H z ) δ / p p m : 0. 8 ( 6 H, t , C H^) , 1. 3 ( 1 0 H, s , 0 C C ( C HJ.) 5) , 1. 7 ( 2 H, m, 0 C C H^) , 4. 1 ( 2 H, t , O C H 2) , 4. 3 ( 4 H, m, P 0 C H 2) .
I Rス ぺ ク ト ノレ ( n e a t ) : 2 9 0 0, 2 8 4 0 ( CH) , 1 2 3 5 { v P=O) , 1 0 2 0 { v -P 0-c) c m—1. 次いで、 得 られた 0 O P と A D Oを、 等モルずつ乾燥 ァセ ト ニ ト リ ルに溶解させ、 密閉反応器中で、 6 5 °Cで 2 4 時間反応を行 っ た。 反応後、 溶媒を減圧下留去 し、 残渣を シ ク ロへキサ ンで数回洗浄する こ と によ っ て、 黄 色粘稠液体であ る S C 8を収率 9 3 %で得た。
化合物の同定 : — N M Rス ぺ ク ト ル (重ク ロ ロ ホ ノレ ム, 2 5 °C, 2 0 0 M H z ) ό / p p m : 0. 8 ( 3 H, t , C ϋ^) , 1. 1 ( 6 Η, d, C Η 3 C Η ) , 1. 3 ( 1 0 Η, s , 0 C C ( C ϋ^) 5) , 1. 6 ( 2 Η, m, Ν C C ϋ^) , 1. 7 ( 2 Η, m, 0 C C Η 2 i n Ο c t ) , 3. 2 ( 3 Η, s , Ν C Η_3> , 3. 6 - 4. 1 ( 1 4 Η, m, C iL^N C Η_2 C C H 2N, N C H 2 C H 2 O P O C H 2 ) , 4. 3 ( 2 H, m, C H O H ) .
I Rス ぺ ク ト ノレ ( n e a t ) : 3 3 0 0 ( リ 。 H) , 2 9
0 0 ( ^ C H) , 1 2 2 0 ( P = O) , 1 0 4 0 ( -P O-c) c m - 1.
<製造例 3 >
製造例 2 で用いた A D 0 に代えて、 2 — N, N — ジメ チノレア ミ ノ メ チノレー 2 — メ チル一 1 , 3 — プロ ノ、。 ン ジォ ールを用いる以外は、 製造例 2 と 同様に して、 黄色粘稠 液体であ る 2 — ( 3 — ァザ一 3, 3 — ジメ チノレ 一 5, 5 — ビス ヒ ド ロ キ シ メ チノレー へキ シル) _ 2 ' — ォ ク チル ホス フ ヱ 一 ト を収率 8 9 %で得た。
化合物の同定 : — N M Rスぺク ト ノレ (重ク ロ 口 ホルム, 2 5 。C, 2 0 0 M H z ) 5 / p p m : 0. 8 ( 3 H, t , C H 3 i n O c t ) , 1. 2 ( 3 H, s , C C H 3) , 1. 3 ( 1 0 H, s, O C C ( C ϋ^) s) , 1. 7 ( 2 H, m, 0 C C IL^) , 3. 2 ( 3 H, s, N C H 3) , 3. 6 — 4. 1 ( 1 2 H, m, C H 2N + C H 2 C H 2O P 0 C ) , 4. 3 ( 2 H, m, C H 0 H ) .
I Rスぺク ト ノレ ( n e a t ) : 3 3 0 0 ( レ 。 H) , 2 9 0 0 ( CH) , 1 2 2 0 ( P = O ) , 1 0 4 0 ( レ - P O - C ) c m—1.
<実施例 1 〉
製造例 1 で得た S E 0 7. 9 0 g、 ポ リ テ ト ラ メ チ レ ン グ リ コ ーノレ (平均分子量 1 3 0 0 ) (以下 P T M G
P T/JP9
51 と略記する ) 2 0. 2 8 g、 及びブタ ン ジオール (以下 B D と略記する ) 3. 6 4 g を、 D M A c 7 0 m l に 溶解させた。 こ の溶液に 4, 4 , ー メ チ レ ン ビス ( シク 口へキ シルイ ソ シァネー ト ) (以下 H M D I と略記する ) 1 8. 3 6 gを D M A c 3 0 m l に溶解 した溶液を、 アルゴ ンガスによ っ て反応器内を充分に置換 した後、 ゆ つ く り 滴下 した。 滴下後、 1 0 0 °C 2 4 時間攪拌 し、 重 合を行 っ た。 こ の反応混合物を水 1 5 0 0 m l に攪拌 しなが ら注ぎ込み、 生成 した沈澱物を濾別 し、 テ ト ラ ヒ ド ロ フ ラ ン (以下 T H F と略記する ) に溶解 し、 さ らに 5 0 vol % メ タ ノ ール水溶液に攪拌 しなが ら注ぎ込み、 生 じた沈澱物を回収 して減圧乾燥 し、 重合体 Aを得た。 得 られた重合体 Aの重量平均分子量は、 1 2 3, 0 0 0 で あ っ た o
こ の共重合体 Aを T H F に溶解 して 5 %溶液 と した。 こ の溶液 2 0 gを水平に保っ た 1 2 c m X 1 2 c mのガ ラ ス板上に均一に載せ、 4 0 °Cで 8 時間窒素気流下で乾 燥後、 4 0 °Cで減圧乾燥を 1 5 時間行ない、 厚さ約 6 0 の フ イ ノレム A 1 を得た。
こ の フ ィ ルムでの血漿相対凝固時間の測定を以下の方 法で行 つ た。
フ ィ ルム A 1 を直径約 3 c mの円形に切 り 抜き、 直径
1 0 c mの時計皿の中央には り つけた。 こ のフ イ ノレム上 に ゥサギ ( 日 本白色種) の ク ェ ン酸加血漿 2 0 0 1 を 取 り、 0. 0 2 5 m o l Z l の塩化カルシ ウ ム水溶液 2 0 0 μ 1 を加え、 時計皿を 3 7 °Cの恒温槽に浮かせなが ら液が混和する よ う に穏やかに振盪 した。 塩化力ルシ ゥ ム水溶液を添加 した時点か ら血漿が凝固する (血漿が動 かな く な る時点) ま での経過時間を測定 し、 同様の操作 をガラ ス上で行っ た場合の血漿凝固に要 した時間で割 り、 相対凝固時間 と して表 した。
重合体 A溶液を T H Fで希釈 して 1 % と し、 こ の溶液 に 4 0 〜 6 0 メ ッ シ ュ のガラ ス ビーズを 3 0分浸漬 した 後ガラ ス フ ィ ルタ 一で濾過 し、 窒素気流下 4 0 °Cで 8 時 間、 4 0 °Cで減圧乾燥を 1 5 時間行っ てガラ ス ビーズ表 面に重合体 Aを コ ー ト して、 コ ーテ ィ ン グ ビーズ A 1 を 得た。 ヒ ト血清の P B S 2 倍希釈液 1 m 1 に こ の コ ーテ イ ン グ ビーズ A 1 1 0 0 m g を浸漬 し、 穏やかに振盪 しな力 ら 3 7 °Cで 3 0 分間イ ンキュベー ト した。 こ の液 をサ ンプルと して M a y e r 法 ( M a y e r, M. M.
し o m p l e m e n t a n d C o m p 1 e m e n t f i x a t i o n E x p e r i m e n t a l I m m u n o c h e m i s t r y 2 n d E d. p. 1 3 3 - 2 4 0, C . C . T h o m a s P u b 1 i s
h e r , 1 9 6 1 ) によ り 溶血補体価 ( C H 5 0 ) を 測定 した。 結果は ビーズを加えない前記希釈血清 1 m 1 におけ る補体価を 1 0 0 %と し、 百分率に よ っ て表 1 に 示す。
フ イ ノレム A 1 を P B S緩衝液に浸漬 し、 3 7 °Cの振盪 恒温槽で 2 週間にわた っ て溶出を行い、 フ ィ ルム A 2 を 得た。 P B S緩衝液は毎日 交換 した。 フ ィ ルム A 1 と 同 様の方法でフ ィ ルム A 2 での血漿相対凝固時間について 評価を行っ た。 結果は表 1 に示す。
重合体 Aの T H F 2 %溶液を調製 し、 こ れに既存の人 ェ肺用 ポ リ プロ ピ レ ン製多孔質ホ ロ 一 フ ア イバーを浸漬 して引 き揚げ、 4 0 °Cで 1 2 時間乾燥する こ と によ っ て コ ーテ ィ ン グを行い、 ホ ロ 一 フ ァ イ ノく 一 A 1 を得た。
こ のホ ロ 一 フ ァ イ ノく 一 A 1 を使用 し i n v i v o で 抗血栓性を評価 した。 実験方法は次の通 り であ る。
ペ ン トバルビタ ール麻酔下でゥサギ ( 日 本白色種、 、 2. 5 〜 3. 0 k g ) の大腿静脈を剥離 して、 末梢側を 糸で結紮 し、 糸か ら 2 ~ 3 c mの と こ ろを血管鉗子でク ラ ンプ した。 結紮部分の中枢側を眼下剪刀で血管径の 1 Z 4 〜 l 3 切 り、 そ こか ら試料であ る ホ ロ一フ ァ イ バ 一を 1 0 c m、 中枢側に向かっ て挿入 した。 挿入位置か ら 1 c mほどの と こ ろで、 血管外に出てい る ホ ロ ー フ ァ
W CT/JP98
54 ィバーの端部を縫いつけ、 ホロ一フ ァ イ バ一が流される のを防止した。 切開部分を縫合 し、 抗生物質を投与 して、 以後試料を取り 出すまで 1 ヶ月 間にわたって飼育 した。 1 ヶ月 間後、 へパ リ ン化ペン トバルビタールで麻酔下、 正中切開を施し、 腹部大動脈よ り適当なチューブを用い て脱血してゥサギを犠死させた後、 ホロ一フ ァ イバ一を 挿入した部分の血管を切断 した。 血管を切開 してホロ一 フ ァ イ バ一と血管内部を写真に撮る と と もに、 目視で観 察 し 5 段階評価を行っ た。 結果は表 1 に示す。
表 1 における i n v i v o 抗血栓性の 5段階評価と は次の通り である。
a : 血小板凝集、 血栓生成、 フ イ ブ リ ン生成いずれ も観察されない。
b : フ イ ブリ ン生成又は血小板凝集は見られるが血 栓生成は観察されない。
c : フ イ ブリ ン生成又は血小板凝集が見られ血栓生 成がわずかに観察される。
d : フ イ ブリ ン生成又は血小板凝集が見られ血栓生 成がかな り観察される。
e : フ イ ブリ ン生成又は血小板凝集が見られ大量の 血栓生成が観察される。
<実施例 2 〉
S E O 7. 9 0 1 g、 P T M G 1 3. 5 2 g及び B D 4. l l g を D M A c 7 0 m l に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8. 3 6 gを D M A c 3 0 m l に溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実施例 1 と 同様の方法で行い、 重合体 B を得た。 得 られた重合体 Bの重量平均分子量は、 1 0 4. 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と同様の方法で重合体 Bか ら フ ィ ルム B 1、 コ ーテ ィ ングビーズ B 1 及びホ ロ フ ァ イバ一 B 1 を得た。
ま た、 実施例 1 と 同様の方法で これ らの試料について 血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V o 抗血栓性を 測定 した。 結果を下記表 1 に示す。
さ ら に、 フ ィ ルム B 1 の P B S緩衝液溶出を実施 し、 得 られた溶出 フ イ ノレム B 2 の血漿相対凝固時間について も測定 した。 結果は下記表 1 に示す。
< 実施例 3 >
S E O 7. 9 0 g、 N - { N ' , N * — ビス ( 2 — ヒ ド ロ キシプロ ピノレ) ア ミ ノ } プロ ピ レ ン 一 N, N — ジ メ チルア ンモニゥ ム ク ロ ラ イ ド (以下 A D O — C 1 と略 記する ) 1. 8 8 g、 P T M G 2 0. 8 0 g及び B D 3. 9 7 g、 を D M A c 7 0 m l に溶解さ せた。 こ の溶液に H M D I 1 8. 3 6 gを D M A c 3 0 m
1 に溶解した溶液を実施例 1 と同様の条件で滴下した。 また、 その他の実験操作は実施例 1 と同様の方法で行い、 重合体 C を得た。 得られた重合体 C の重量平均分子量は、
9 5, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と同様の方法で重合体 Cからフ ィ ルム C 1 を 得た。 こ の試料について、 実施例 1 と同様の方法で血漿 相対凝固時間を測定 した。
また、 実施例 1 と同様の方法で重合体 Cから得たフ ィ ノレム C 1、 コ一テ ィ ン グ ビー ズ C 1 及びホ ロ一フ ァ イ バ — C 1 のそれぞれを 1 %へパ リ ンナ ト リ ウ ム P B S緩衝 液溶液 2 0 0 m 1 に 2 5 °Cで 2 4 時間浸漬 し、 フ イ ノレム C 2、 コ ーテ ィ ン グ ビー ズ C 2 及びホ ロ 一 フ ァ イノく一 C 2 を得た。 これらの試料について、 実施例 1 と同様の方 法で血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V o抗血栓 性を測定 した。
さ らに、 フ イ ノレム C l、 C 2 の P B S緩衝液溶出を実 施し、 それぞれから得られた溶出フ イ ノレム C 3、 C 4 の 血漿相対凝固時間について も測定した。
以上の結果を下記表 1 に示す。
<実施例 4 〉
S E O 7. 9 0 g、 A D 0 - C 1 0. 9 4 g、 P T M G 2 0. 4 1 g及び B D 3. 3 2 gを、 D M A
c 7 0 m l に溶解させた。 この溶液に H M D I 1 8. 3 6 g を D M A c 3 0 m 1 に溶解した溶液を実施例 1 と同様の条件で滴下した。 また、 その他の実験操作は実 施例 1 と同様の方法で行い、 重合体 Dを得た。 得られた 重合体 Dの重量平均分子量は、 7 6, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と同様の方法で重合体 Dからフ ィ ルム D 1 を 得た。 この試料について、 実施例 1 と同様の方法で血漿 相対凝固時間を測定した。
また、 実施例 1 と同様の方法で重合体 Dから得たフ ィ ノレム D 1、 コ ーテ ィ ン グビーズ D 1 及びホ ロ 一 フ ァ イ ノく — D 1 のそれぞれを 1 %へパ リ ンナ ト リ ウ ム P B S緩衝 液溶液 2 0 0 m 1 に 2 5 °Cで 2 4 時間浸潰 し、 フ ィ ルム D 2、 コ 一テ ィ ングビーズ D 2 及びホ ロ 一 フ ァ イ ノく一 D 2 を得た。 これらの試料について、 実施例 1 と同様の方 法で血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V o抗血栓 性を測定した。
さ ら に、 フ イ ノレム D l、 D 2 の P B S緩衝液溶出を実 施し、 それぞれから得られた溶出フ ィ ルム D 3、 D 4 の 血漿相対凝固時間について も測定した。
以上の結果を下記表 1 に示す。
<実施例 5 〉
S E O 7. 9 0 g、 N, N — ジメ チルー N, N — ジ
エタ ノ ーノレア ンモニゥ ムク ロ ラ イ ド (以下 M D E A — C 1 と略記する) 0. 5 9 g、 P T M G 2 0. 1 5 g及び B D 3. 3 4 g を D M A c 7 0 m l に溶解さ せた。 この溶液に H M D I 1 8. 3 6 gを D M A c 3 0 m 1 に溶解した溶液を実施例 1 と同様の条件で滴下 し た。 ま た、 その他の実験操作は実施例 1 と同様の方法で 行い、 重合体 E を得た。 得られた重合体 E の重量平均分 子量は、 1 4 7, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と同様の方法で重合体 Eから フ ィ ルム E 1 を 得た。 この試料について、 実施例 1 と同様の方法で血漿 相対凝固時間を測定した。
また、 実施例 1 と同様の方法で重合体 E から得たフ ィ ルム E 1、 コ一テ ィ ン グ ビーズ E 1 及びホ ロ 一 フ ァ イ バ — E 1 のそれぞれを 1 %へパ リ ンナ ト リ ウ ム P B S緩衝 液溶液 2 0 0 m 1 に 2 5 °Cで 2 4 時間浸漬 し、 フ ィ ルム E 2、 コ ーテ ィ ン グビーズ E 2 及びホ ロ一フ ァ イ バー E 2 を得た。 これらの試料について、 実施例 1 と同様の方 法で血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V o抗血栓 性を測定した。
さ ら に、 フ ィ ルム E l、 E 2 の P B S緩衝液溶出を実 施し、 それぞれから得られた溶出フ イ ノレム E 3、 E 4 の 血漿相対凝固時間について も測定した。
以上の結果を下記表 1 に示す。
< 実施例 6 >
S E O 3. 9 5 g、 P T M G 1 7. 8 1 g及び B
D 4. 4 4 gを、 D M A c 7 0 m l に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8. 3 6 gを D M A c 3 0 m l に溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実施例 1 と 同様の方法で行い、 重合体 F を得た。 得 られた重合体 Fの重量平均分子量は、
9 4, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と 同様の方法で重合体 Fから フ ィ ルム F l、 コ 一テ ィ ン グビーズ F 1 及びホ ロ フ ァ イバ一 F 1 を得た。
ま た、 実施例 1 と 同様の方法でこ れ らの試料について 血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V 0 抗血栓性を 測定 した。 結果を下記表 1 に示す。
さ ら に、 フ ィ ルム F 1 の P B S緩衝液溶出を実施 し、 得 られた溶出 フ ィ ルム F 2 の血漿相対凝固時間について も測定 した。 結果は下記表 1 に示す。
< 実施例 7 >
S E 0 3. 9 5 g、 A D O — C 1 0. 9 4 g、 P T M G 1 8. 2 0 g及び B D 4. l O gを、 D M A c 7 0 m 1 に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8 3 6 g を D M A c 3 0 m 1 に溶解 した溶液を実施例 1
と同様の条件で滴下した。 また、 その他の実験操作は実 施例 1 と同様の方法で行い、 重合体 Gを得た。 得られた 重合体 Gの重量平均分子量は、 8 3, 0 0 0 であっ た。
実施例 1 と同様の方法で重合体 Gからフ イ ルム G 1 を 得た。 この試料について、 実施例 1 と同様の方法で血漿 相対凝固時間を測定した。
また、 実施例 1 と同様の方法で重合体 Gから得たフ ィ ルム G 1、 コ ーテ ィ ン グ ビーズ G 1 及びホ ロ 一 フ ァ イ ノく — G 1 のそれぞれを 1 %へ ノ、0 リ ンナ ト リ ウ ム P B S緩衝 液溶液 2 0 0 m 1 に 2 5 °Cで 2 4 時間浸漬 し、 フ イ ノレム G 2、 コ 一テ ィ ン グビーズ G 2 及びホ ロ ー フ ァ イ ノく 一 G 2 を得た。 これらの試料について、 実施例 1 と同様の方 法で血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V 0抗血栓 性を測定 した。
さ ら に、 フ ィ ルム G l、 G 2 の P B S緩衝液溶出を実 施し、 それぞれ力、ら得られた溶出フ イ ノレム G 3、 G 4 の 血漿相対凝固時間について も測定した。
以上の結果を下記表 1 に示す。
<実施例 8 >
製造例 2 で得た S C 8 9. 5 5 g、 P T M G 2 0. 5 4 g及び B D 2. 9 9 g を、 D M A c 7 0 m l に 溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8. 3 6 gを D M
A c 3 0 m 1 に溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件 で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実施例 1 と 同様 の方法で行い、 重合体 Hを得た。 得 られた重合体 Hの重 量平均分子量は、 1 3 2, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と 同様の方法で重合体 Hか ら フ ィ ルム H I、 コ 一テ ィ ン グビーズ H 1 及びホ ロ フ ァ イ ノく一 H 1 を得た。
ま た、 実施例 1 と 同様の方法でこ れ らの試料について 血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V 0 抗血栓性を 測定 した。 結果を下記表 1 に示す。
さ ら に、 フ イ ノレム H 1 の P B S緩衝液溶出を実施 し、 得 られた溶出 フ ィ ルム H 2 の血漿相対凝固時間について も測定 した。 結果は下記表 1 に示す。
< 実施例 9 >
S C 8 9. 5 5 g、 P T M G 1 3. 3 9 g及び B D 3. 4 9 gを、 D M A c 7 0 m l に溶解させた。 こ の 溶液に H M D I 1 8. 3 6 g を D M A c 3 0 m l に 溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実施例 1 と 同様の方法で行い、 重合 体 I を得た。 得 られた重合体 I の重量平均分子量は、 6 8 , 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と同様の方法で重合体 I か ら フ ィ ルム I 1、 コ ーテ ィ ン グビーズ I 1 及びホ ロ フ ァ イ ノく 一 I 1 を得た。
ま た、 実施例 1 と同様の方法でこ れ らの試料について 血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V o 抗血栓性を 測定 した。 結果を下記表 1 に示す。
さ ら に、 フ ィ ルム I 1 の P B S緩衝液溶出を実施 し、 得 られた溶出 フ ィ ルム I 2 の血漿相対凝固時間について も測定 した。 結果は下記表 1 に示す。
< 実施例 1 0 >
S C 8 9. 5 5 g、 A D O - C 1 0. 9 4 g、 P T M G 2 1. 0 6 g及び B D 2. 6 4 g を、 D M A c 7 0 m l に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8.
3 6 g を D M A c 3 0 m 1 に溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実 施例 1 と 同様の方法で行い、 重合体 J を得た。 得 られた 重合体 J の重量平均分子量は、 8 8, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と 同様の方法で重合体 J か ら フ ィ ルム J 1 を 得た。 こ の試料について、 実施例 1 と 同様の方法で血漿 相対凝固時間を測定 した。
ま た、 実施例 1 と 同様の方法で重合体 J か ら得た フ ィ ルム J 1、 コ ーテ ィ ングビーズ J 1 及びホ ロ 一 フ ァ イ ノく 一 J 1 のそれぞれを 1 %へパ リ ンナ ト リ ウ ム P B S緩衝 液溶液 2 0 0 m l に 2 5 °Cで 2 4 時間浸漬 し、 フ ィ ルム J 2、 コ ーテ ィ ン グ ビーズ J 2 及びホ ロ一フ ァ イバー J
2 を得た。 これ らの試料について、 実施例 1 と 同様の方 法で血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V o 抗血栓 性を測定 した。
さ ら に、 フ ィ ルム J 1、 J 2 の P B S緩衝液溶出を実 施 し、 それぞれ力、 ら得 られた溶出 フ イ ノレム J 3、 J 4 の 血漿相対凝固時間について も測定 した。
以上の結果を下記表 1 に示す。
< 実施例 1 1 >
S C 8 3. 1 8 g、 P T M G 1 7. 2 9 g及び B D 4. 4 8 gを、 D M A c 7 O m l に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8. 3 6 g を D M A c 3 0 m l に溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実施例 1 と 同様の方法で行い、 重合体 Kを得た。 得 られた重合体 Kの重量平均分子量は、 1 1 4, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と 同様の方法で重合体 Kか ら フ ィ ルム K 1、 コ 一テ ィ ングビーズ K 1 及びホ ロ フ ァ イ バ一 K 1 を得た。
ま た、 実施例 1 と 同様の方法でこ れ らの試料について 血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V 0 抗血栓性を 測定 した。 結果を下記表 1 に示す。
さ ら に、 フ ィ ルム K 1 の P B S緩衝液溶出を実施 し、 得 られた溶出 フ ィ ルム K 2 の血漿相対凝固時間について
も測定 した。 結果は下記表 1 に示す。
< 実施例 1 2 >
S C 8 3. 1 8 g、 A D O — C 1 0. 9 4 g、 P T M G 1 7. 6 8 g及び B D 4. 1 4 g を、 D M A c 7 0 m l に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8.
3 6 g を D M A c 3 0 m 1 に溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実 施例 1 と 同様の方法で行い、 重合体 L を得た。 得 られた 重合体 Lの重量平均分子量は、 1 6 5, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と 同様の方法で重合体 Lか ら フ ィ ルム L 1 を 得た。 こ の試料について、 実施例 1 と 同様の方法で血漿 相対凝固時間を測定 した。
ま た、 実施例 1 と 同様の方法で重合体 Lか ら得た フ ィ ルム L 1、 コ ーテ ィ ン グ ビーズ L 1 及びホ ロ 一 フ ァ イバ 一 L 1 のそれぞれを 1 %へパ リ ンナ ト リ ウ ム P B S緩衝 液溶液 2 0 0 m 1 に 2 5 °Cで 2 4 時間浸漬 し、 フ イ ノレム L 2、 コ ーテ ィ ン グビーズ L 2 及びホ ロ 一 フ ァ イバー L 2 を得た。 これ ら の試料について、 実施例 1 と 同様の方 法で血漿相対凝固時間、 補体価、 i n v i v o抗血栓 性を測定 した。
さ ら に、 フ ィ ルム L l、 L 2 の P B S緩衝液溶出を実 施 し、 それぞれか ら得 られた溶出 フ ィ ルム L 3、 L 4 の
血漿相対凝固時間について も測定 した,
以上の結果を下記表 1 に示す。
<比較例 1 〉
0
( C H 2) 2 - 0 - P ( = 0 ) — 0 — R
H 0 C H zC H 2- N +- C H 2 C H 2- O H ( 1 0 )
C H 上記一般式 ( 1 0 ) において、 R i =ォク チルである 2 - [ ビス ( 2 — ヒ ド ロ キ シェチノレ) メ チルア ンモニォ ] ェチル ー 2 ' — ォ ク チルホ ス フ エ ー ト (以下 M C 8と略記 する。 ) 7. 4 6 g、 P T M G 1 9. 2 4 g及び B D 3. 0 8 gを、 D M A c 7 0 m 1 に溶解させた。 この溶液に H M D I 1 8. 3 6 gを D M A c 3 0 m l に溶解 した溶液を実施例 1 と同様の条件で滴下した。 ま た、 その他の実験操作は実施例 1 と同様の方法で行い、 重合体 Mを得た。 得られた重合体 Mの重量平均分子量は、 8 9, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と同様の方法で重合体 Mからフ イ ノレム M 1、 コ 一テ ィ ン グ ビー ズ M 1 及びホ ロ フ ア イバー M 1 を得た。
ま た、 実施例 1 と同様の方法でこれらの試料について
血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V 0 抗血栓性を 測定 した。 結果を下記表 1 に示す。
さ ら に、 フ ィ ルム M l の P B S緩衝液溶出を実施 し、 得 られた溶出 フ ィ ルム M 2 の血漿相対凝固時間について も測定 した。 結果は下記表 1 に示す。
〈比較例 2 〉
M C a 7. 4 6 g、 M D E A - C 1 0. 5 9 g、 P T M G 1 9. 5 0 g及び B D 2. 7 5 gを、 D M A c 7 0 m l に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8. 3 6 g を D M A c 3 0 m l に溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実 施例 1 と 同様の方法で行い、 重合体 Nを得た。 得 られた 重合体 Nの重量平均分子量は、 7 9, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と 同様の方法で重合体 Nか ら フ ィ ルム N 1 を 得た。 こ の試料について、 実施例 1 と 同様の方法で血漿 相対凝固時間を測定 した。
ま た、 実施例 1 と同様の方法で重合体 Nか ら得たフ ィ ルム N 1、 コ 一テ ィ ン グ ビーズ N 1 及びホ ロ 一 フ ァ イ ノく — N 1 のそれぞれを 1 %へノ、。 リ ンナ ト リ ウ ム P B S緩衝 液溶液 2 0 0 m 1 に 2 5 °Cで 2 4 時間浸漬 し、 フ イ ノレム N 2、 コ 一テ ィ ン グ ビーズ N 2 及びホ ロ一フ ァ イバー N 2 を得た。 こ れ ら の試料について、 実施例 1 と 同様の方
法で血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V 0 抗血栓 性を測定した。
さ ら に、 フ ィ ルム N l、 N 2 の P B S緩衝液溶出を実 施 し、 それぞれから得られた溶出フ イ ノレム N 3、 N 4 の 血漿相対凝固時間について も測定した。
以上の結果を下記表 1 に示す。
〈比較例 3 〉
M C 8 2. 4 9 g、 P T M G 1 6. 9 0 g及び B D 4. 5 1 gを、 D M A c 7 0 m l に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8. 3 6 gを D M A c 3 0 m l に溶解 した溶液を実施例 1 と同様の条件で滴下した。 ま た、 その他の実験操作は実施例 1 と同様の方法で行い、 重合体 0を得た。 得られた重合体 0の重量平均分子量は、
1 5 2, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と同様の方法で重合体 0からフ ィ ルム O 1、 コ一テ ィ ングビーズ 0 1 及びホ ロ フ ァイ ノく一 0 1 を得た。
また、 実施例 1 と同様の方法でこれらの試料について 血漿相対凝固時間、 補体価、 i n v i v o抗血栓性を 測定した。 結果を下記表 1 に示す。
さ らに、 フ ィ ルム 0 1 の P B S緩衝液溶出を実施し、 得られた溶出フ ィ ルム 0 2 の血漿相対凝固時間について も測定 した。 結果は下記表 1 に示す。
〈比較例 4 〉
M C 8 2. 4 9 g、 M D E A — C I 0. 5 9 g、 P T M G 1 7. 0 3 g及び B D 4. 1 8 gを、 D M A c 7 0 m l に溶解させた。 こ の溶液に H M D I 1 8. 3 6 g を D M A c 3 0 m l に溶解 した溶液を実施例 1 と 同様の条件で滴下 した。 ま た、 その他の実験操作は実 施例 1 と 同様の方法で行い、 重合体 Pを得た。 得 られた 重合体 P の重量平均分子量は、 1 0 2, 0 0 0 であ っ た。
実施例 1 と 同様の方法で重合体 Pか ら フ ィ ルム P 1 を 得た。 こ の試料について、 実施例 1 と 同様の方法で血漿 相対凝固時間を測定 した。
ま た、 実施例 1 と 同様の方法で重合体 Pか ら得た フ ィ ルム P 1、 コ ーテ ィ ン グビーズ P 1 及びホ ロ 一 フ ァ イ バ — P 1 のそれぞれを 1 %へパ リ ンナ ト リ ウ ム P B S緩衝 液溶液 2 0 0 m 1 に 2 5 °Cで 2 4 時間浸漬 し、 フ ィ ルム P 2、 コ ーテ ィ ン グ ビーズ P 2 及びホ ロ ー フ ァ イ ノ 一 P 2 を得た。 こ れ らの試料について、 実施例 1 と 同様の方 法で血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V 0 抗血栓 性を測定 した。
さ ら に、 フ ィ ルム P l、 P 2 の P B S緩衝液溶出を実 施 し、 それぞれか ら得 られた溶出 フ イ ノレム P 3、 P 4 の 血漿相対凝固時間について も測定 した。
以上の結果を下記表 1 に示す。
〈比較例 5 〉
医療用ポ リ ウ レタ ン と して広 く 使用 さ れている市販の T e c o f 1 e x ( T h e r m e d i c s 社製) を用い て、 実施例 1 と 同様の方法でフ イ ノレム Q l、 コ 一テ ィ ン グビーズ Q 1 及びホ ロ フ ァ イバー Q 1 を得た。
ま た、 実施例 1 と 同様の方法でこ れ らの試料について 血漿相対凝固時間、 補体価、 i n V i V 0 抗血栓性を 測定 した。 結果を下記表 1 に示す。
さ ら に、 フ ィ ルム Q 1 の P B S緩衝液溶出を実施 し、 得 られた溶出 フ ィ ルム Q 2 の血漿相対凝固時間について も測定 した。 結果は下記表 1 に示す。
表 1
実施例 試料の種類 相対凝固時間 in vivo 補体価 番号 (ガラス = 1. 00 ) 抗血栓性 ( % )
1 A 1 7 . 2 a 8 0
A 2 7 . 0 一
2 B 1 7 . 1 a 8 1
B 2 6 . 8
C 1 7 . 2 一 _
3 C 2 > 1 0 a 8 7
C 3 7 . 0
C 4 7 . 1 一
D 1 7 . 1
4 D 2 > 1 0 a 8 8
D 3 7 . 0
D 4 6 . 9
E 1 7 . 1
5 E 2 > 1 0 a 8 5
E 3 6 . 9
E 4 6 . 9
6 F 1 6 . 2 b 7 6
F 2 5 . 9
G 1 5 . 9
7 G 2 > 1 0 b 7 9
G 3 5 . 8
G 4 5 . 8
8 H 1 6 . 2 b 7 3
H 2 6 . 1
9 I 1 6 . 1 _
I 2 5 . 8 b 7 2
J 1 6, 0
1 0 J 2 > 1 0 b 7 8
J 3 5 . 7
J 4 5 . 7
1 1 K 1 4 . 0 c 7 0
K 2 3 . 8
し 1 3 . 9
1 2 L 2 > 1 0 c 8 5
L 3 3 . 7
し 4 3 . 6
表 1 ( fee ノ 比較例 試料の種類 相対凝固時間 in vivo 補体価 番号 (ガラス =1.00) 抗血栓性 (%)
1 M 1 3. 2 c 6 9
M 2 2. 9
N 1 3. 2
2 N 2 > 1 0 c 7 0
N 3 2. 7
N 4 2. 7
3 0 1 2. 8 d 6 8
0 2 2. 7
P 1 2. 9
4 P 2 > 1 0 d 6 7
P 3 2. 6
P 4 2. 6
5 Q 1 1 . 9 e 6 0
Q 2 2. 0
表 1 に示 した結果か ら分かる よ う に、 本発明のポ リ ウ レタ ン類か ら成形 したフ ィ ルム は、 優れた抗血栓性を示 してお り、 1 ヶ 月 間血管内に留置後 も性能が維持さ れて いる。
ま た、 実施例 1 と 6 又は実施例 8 と 1 1 を比べて見る と ポ リ マー中のホスホ リ ルコ リ ン含量が異な るため、 抗 血栓性に差がみ られた。 こ れに加えて、 ホスホ リ ノレコ リ ンを側鎖ではな く 主鎖に有する 比較例 1 〜 4 の材料は、 構造中にホスホ リ ルコ リ ンを含有する ため、 比較例 5 と 比べる と抗血栓性は向上 してい る。 これ ら 2 点の結果は、 ホスホ リ ルコ リ ンが材料への抗血栓性の付与に大き く 関 与 している こ とを明確に してい る。 ま た、 実施例 1 〜 1 2 と比較例 1 〜 4 を比較する と、 主鎖中に ホスホ リ ルコ リ ンを含有する よ り も、 側鎖中 にホスホ リ ルコ リ ンを含 有する 方がその抗血栓が著 し く 向上する こ とが明 らかで あ る。 こ れは、 ホスホ リ ノレコ リ ンを側鎖中 に含むこ と に よ り、 主鎖中に含ま れる場合に比べ高分子鎖に抑制 さ れ る こ と な く 性能を効率よ く 発揮 している こ と によ る と考 え られる。 さ ら に、 一般式 ( 9 ) の R 1にポ リ オキシアル キ レ ンモノ アルキルエーテル基を有する実施例 1 〜 7 で 得た重合体と R 1がアルキル基であ る実施例 8 〜 1 2 で得 た重合体を比較す る と、 実施例 1 〜 5 で得た重合体は、
ホスホ リ ルコ リ ン誘導体の含量が実施例 8 で得た重合体 よ り 少ないに もかかわ らず、 その抗血栓性は実施例 8 で 得た重合体よ り 優れている。 こ の結果は、 実施例 1 〜 7 で得た重合体は、 親水性基であ る ポ リ オキ シアルキ レ ン 基を有する ため、 その抗血栓性が向上 した こ と によ る も の と考え られる。
さ ら に、 実施例 3 〜 5 に示 した様に第 4 級ア ンモニゥ ムカ チオ ンを含有 し、 へパ リ ンを付与 した場合、 それ ら の初期の抗血栓性は著 し く 向上する。 しか し、 これ らの 材料を 3 7 °Cで 2 週間 P B S 緩衝液溶出 した材料の抗血 栓性はへパ リ ンを付与 していな い材料と 同程度まで低下 する。 こ れは材料に付与さ れていたへパ リ ンが P B S 緩 衝液に溶出 して しま い、 そのへノ、。 リ ンの効果がな く な つ てい る こ とを意味する。 しカヽ し、 へ ノ、。 リ ンが溶出 して し ま っ た後の材料はへパ リ ンを付与 していない材料と 同程 度の抗血栓性を発揮 している こ と はホスホ リ ノレコ リ ンが こ の抗血栓性維持に寄与 してい る ためであ ろ う。 加えて、 実施例 3 と 4 においてへパ リ ン と静電的相互作用する第 4 級ア ンモニゥ ムカチオ ンの含有量に差があ る に もかか わ らず、 抗血栓性の差が見 られない こ と よ り、 第 4 級ァ ンモニゥ ムカ チオ ンが少量で も十分にへパ リ ン と錯化 し. 初期の抗血栓性を向上させる こ とができ る と こ とが判る ,
同様な結果は比較例に も見 られる こ とか ら も そのへパ リ ンの効果については血液との接触後短期間のみの効果で あ る と考え られる。
実施例 1 と 2 では、 ソ フ ト セ グメ ン ト であ る P T M G の含量が異な るが、 これ らの含量は抗血栓能には影響が ない こ とが伺える。
以上の結果よ り、 本発明のポ リ ウ レタ ン類は、 側鎖に ホスホ リ ノレコ リ ン構造を含むこ と に よ っ て、 P B S 緩衝 液 2 週間溶出後お よびゥサギ大腿静脈内留置 1 ヶ 月後 も 安定 した抗血栓性を発揮でき る こ とが明 らかであ り、 特 に、 側鎖末端に親水性基であ る ポ リ オキ シアルキ レ ン基 を導入 した場合には、 親水性化の効果によ っ て、 特に優 れた抗血栓性を発揮でき る こ とが判 る。