JPH06192377A - 抗血栓性ポリウレタンエラストマーおよび医療用器具 - Google Patents

抗血栓性ポリウレタンエラストマーおよび医療用器具

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JPH06192377A
JPH06192377A JP4346919A JP34691992A JPH06192377A JP H06192377 A JPH06192377 A JP H06192377A JP 4346919 A JP4346919 A JP 4346919A JP 34691992 A JP34691992 A JP 34691992A JP H06192377 A JPH06192377 A JP H06192377A
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JP
Japan
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polyurethane elastomer
polysiloxane
mol
organic
chain extender
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JP4346919A
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信三 ▲麹▼谷
Shinzo Kojitani
Hiroko Ikeda
裕子 池田
Yoko Ikeda
陽子 池田
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオキシエチレン(A) とポリオキシテトラ
メチレン(B) のA−B−A型ブロック共重合体をポリエ
ーテルジオール成分としたポリウレタンエラストマーで
あって、当該ポリウレタンエラストマーにポリシロキサ
ンが導入されてなることを特徴とする抗血栓性ポリウレ
タンエラストマー。当該ポリウレタンエラストマーより
なる医療用器具。 【効果】 本発明の抗血栓性ポリウレタンエラストマー
および当該ポリウレタンエラストマーよりなる医療用器
具は、機械的強度、抗血栓性とも従来より数倍優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工血管、人工臓器等の
血液と接触する医療用器具の材料として有用な抗血栓性
ポリウレタンエラストマーおよび当該ポリウレタンエラ
ストマーよりなる医療用器具に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】血液と接
触する医療用器具の材料は、柔軟性、弾性、耐久性、湿
潤強度のような機械的特性が良好であることに加え、抗
血栓性を有することが必要である。さもないと、当該器
具表面で血液が凝固して血栓が形成される。
【0003】従来、弾性を要求される医療用器具の材料
としては、主としてシリコーン、軟質ポリ塩化ビニルが
使用されてきた。しかし、これらの材料よりなる器具を
直接血液と接触させると、その表面で血液が凝固して血
栓が形成されるため、抗凝血剤(例えばヘパリン等)を
全身投与する必要がある。この場合、何らかの原因で出
血したりすると、止血しなくなるという危険性を伴う。
【0004】ところで、ポリエチレングリコールと有機
ジイソシアネートと有機ジアミンとから得られるポリウ
レタンを医療用材料として用いることが提案されている
が、これは良好な抗血栓性を示す反面、親水性化した為
に湿潤時の強度が極めて低く、到底実用に供することは
できない。
【0005】このように、一般に親水性化により抗血栓
性およびその他の生体親和性を向上させると、機械的強
度が低下するのを免れないため、両者のバランスのとれ
た材料を開発することが医療用材料における重要な課題
となっている。
【0006】このような実情下、医療用材料として使用
可能な機械的特性と抗血栓性とを具備するポリウレタン
として、ポリオキシエチレン(A) とポリオキシテトラメ
チレン(B) のA−B−A型ブロック共重合体をポリエー
テルジオール成分として用いたポリウレタン(特開昭6
1−204219号公報)が提案されている。これらは
抗血栓性、機械的強度ともに良好であるが、さらに優れ
た抗血栓性、機械的強度が要求されている。
【0007】従って、本発明の目的は、抗血栓性、機械
的特性が一層改善された医療用器具の材料として有用な
ポリウレタンエラストマーを提供することである。本発
明の他の目的は、抗血栓性、機械的特性が一層改善され
た医療用器具を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意研究し
た結果、下記の本発明により上記目的が達成されること
を見出した。即ち、本発明は、ポリオキシエチレン(A)
とポリオキシテトラメチレン(B) のA−B−A型ブロッ
ク共重合体をポリエーテルジオール成分としたポリウレ
タンエラストマーであって、当該ポリウレタンエラスト
マーにポリシロキサンが導入されてなる抗血栓性ポリウ
レタンエラストマーである。また、本発明は上記抗血栓
性ポリウレタンエラストマーよりなる医療用器具であ
る。
【0009】本発明において、ポリウレタンエラストマ
ーにポリシロキサンを導入する方法としては、ポリエ
ーテルジオール成分、ポリシロキサン、有機ジイソシア
ネートからなるプレポリマーを用いる方法と、プレポ
リマーにポリシロキサンを含有させるかわりに、鎖延長
剤としてポリシロキサン含有物を用いる方法等が挙げら
れる。
【0010】本発明において使用される、ポリオキシエ
チレン(A) とポリオキシテトラメチレン(B) のA−B−
A型ブロック共重合体は、一般式
【0011】
【化1】
【0012】(式中のa,bおよびcはそれぞれ1以上
の整数を示す。)で表され、抗血栓性、機械的性質の観
点から、数平均分子量は通常300〜10000、好ま
しくは500〜8000、より好ましくは1000〜5
000である。数平均分子量が300より小さいと、得
られるポリウレタンエラストマーの抗血栓性、弾性特性
が低下する傾向があり、逆に10000より大きいと、
得られるポリウレタンエラストマーの機械的強度が低下
し、また加工性が低下する傾向がある。
【0013】また、当該A−B−A型ブロック共重合体
中のポリオキシエチレン含量は5〜95モル%、好まし
くは10〜70モル%、より好ましくは20〜60モル
%である。このポリオキシエチレン含量が5モル%未満
であれば、得られるポリウレタンエラストマーは抗血栓
性に劣る傾向があり、また95モル%を越えれば、弾
性、柔軟性および湿潤強度に劣る傾向がある。
【0014】本発明のポリウレタンエラストマーとして
は、好ましくは数平均分子量が1000〜6000、よ
り好ましくは1500〜4500であって、A−B−A
型ブロック共重合体中のポリオキシエチレン含量が10
〜70モル%、より好ましくは20〜60モル%である
ポリエーテルジオール成分を用いて得た、分子量約20
000〜60000であるものが特に好ましい。
【0015】上記ポリエーテルジオールは、ポリオキシ
テトラメチレングリコール(PTMG)とエチレンオキ
シド(EO)を用いて、アニオン重合法またはカチオン
重合法によって製造することができる。
【0016】有機ジイソシアネートとしては、従来ポリ
ウレタンの製造に使用されている脂肪族、脂環族および
芳香族ジイソシアネートを使用すれば十分であり、勿論
本発明の目的を達成しえる限り、今後開発されるものを
使用してもよい。具体的には、例えば4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4(また
は2,6)−トリレンジイソシアネート(TDI)、p
−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート等が挙げられ、好ましくは4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートが挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、また2種以上混合して用いてもよ
い。
【0017】鎖延長剤としては、以下のものが例示され
る。プレポリマーにポリシロキサンを含有させる場合に
は、従来この分野で鎖延長剤として使用されている有機
ジアミン、有機ジオール等が挙げられ、これらをそれぞ
れ単独で用いてもよいし、混合させて用いてもよい。ま
た、鎖延長剤にポリシロキサン含有物を用いる場合に
は、ポリシロキサン単独、あるいは有機ジアミン、有機
ジオールとポリシロキサンとの混合物等が挙げられる。
【0018】有機ジアミンとしては、通常のポリウレタ
ン製造の際の鎖延長剤として使用されているものを使用
すれば十分であり、勿論本発明の目的を達成しえる限
り、今後開発されるものを使用してもよい。具体的に
は、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン、p−キ
シリレンジアミン、p−ジフェニルメタンジアミン等の
芳香族ジアミン等が挙げられ、好ましくはエチレンジア
ミンである。これらは単独で用いてもよく、また2種以
上混合して用いてもよい。
【0019】有機ジオールとしては、通常のポリウレタ
ン製造の際の鎖延長剤として使用されているものを使用
すれば十分であり、勿論本発明の目的を達成しえる限
り、今後開発されるものを使用してもよい。具体的に
は、例えばエチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジ
オール等が挙げられ、好ましくはエチレングリコールで
ある。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合し
て用いてもよい。
【0020】ポリシロキサンとしては、プレポリマーに
含有させる場合も鎖延長剤に含有させる場合も、以下の
ものが用いられる。具体的には、ポリジメチルシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、フルオロアルキル
メチルポリシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等が
挙げられ、好ましくはポリジメチルシロキサンである。
当該ポリシロキサンの分子量は、通常200〜5000
0、好ましくは500〜10000、さらに好ましくは
700〜3000である。
【0021】本発明のポリウレタンエラストマーにおけ
るポリシロキサンの含有量は、プレポリマーに含有させ
る場合、鎖延長剤に含有させる場合のいずれにおいて
も、通常、配合成分全体の0.5〜95%、好ましくは
0.5〜50%、さらに好ましくは5〜20%である。
ポリシロキサンの含有量が0.5%未満であると機械的
強度が低下し、95%を越えると弾性的性質、抗血栓性
が低下する傾向がある。
【0022】なお、プレポリマーにポリシロキサンを含
有させる場合は、ポリシロキサンの含有量はポリエーテ
ルジオールとのモル比(ポリエーテルジオール:ポリシ
ロキサン)で、好ましくは5:95〜99:1、さらに
好ましくは90:10〜30:70である。また、鎖延
長剤にポリシロキサン含有物を用いる場合は、鎖延長剤
全体におけるポリシロキサンの占める割合は、1〜10
0モル%であることが好ましく、20〜70モル%がさ
らに好ましい。
【0023】本発明のポリウレタンエラストマーにおい
て、ハードセグメントとはウレタンおよびウレア結合を
含む水素結合性の部分をいい、ソフトセグメントとは水
素結合性のないゴム状マトリックスの部分をいう。即
ち、ポリシロキサンをプレポリマーに含有させる場合に
は、有機ジイソシアネート、鎖延長剤(有機ジアミン、
有機ジオール)部分がハードセグメントに、ポリエーテ
ルジオール、ポリシロキサン部分がソフトセグメントに
相当する。また、鎖延長剤にポリシロキサンを含有させ
る場合には、有機ジイソシアネート、鎖延長剤(ポリシ
ロキサン、有機ジアミン、有機ジオール)部分がハード
セグメントに、ポリエーテルジオール部分がソフトセグ
メントに相当する。本発明のポリウレタンエラストマー
におけるハードセグメント/ソフトセグメントのモル比
の値は、いずれの場合にも、機械的強度、抗血栓性の観
点から3〜50であることが好ましく、3〜10がさら
に好ましい。
【0024】上記各成分の配合割合は、通常、公知のポ
リウレタンにおいてはポリエーテルジオール成分1モル
あたり、有機ジイソシアネート成分は約2モル、鎖延長
剤成分は約1モルである。本発明においては、プレポリ
マーにポリシロキサンを含有させる場合には、ポリエー
テルジオール成分+ポリシロキサン成分1モルあたり、
有機ジイソシアネート成分2〜30モル、鎖延長剤(有
機ジアミン、有機ジオール)成分1〜40モルの範囲で
あることが好ましく、有機ジイソシアネート成分2〜7
モル、鎖延長剤成分1〜10モルであることがさらに好
ましい。また、鎖延長剤にポリシロキサン含有物を用い
る場合には、ポリエーテルジオール成分1モルあたり、
有機ジイソシアネート成分2〜30モル、鎖延長剤(ポ
リシロキサン、有機ジアミン、有機ジオール)成分1〜
40モルの範囲であることが好ましく、有機ジイソシア
ネート成分2〜7モル、鎖延長剤成分1〜10モルであ
ることがさらに好ましい。
【0025】本発明のポリウレタンエラストマーとして
は、プレポリマーにポリシロキサンを含有させる場合に
は、例えば下記式
【0026】
【化2】
【0027】〔式中、l,mおよびnはそれぞれ1以上
の整数、R1
【0028】
【化3】
【0029】(a,bおよびcはそれぞれ1以上の整数
を示す。)で表されるポリエーテルジオール残基を、R
2 は有機ジイソシアネート残基を、R3 は鎖延長剤の有
機ジアミンまたは有機ジオールの残基を、R4
【0030】
【化4】
【0031】(dは1以上の整数、R5 ,R6 は置換基
を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよ
いアリール等の置換基を有していてもよい炭化水素を示
す。)で表されるポリシロキサン残基を示す。〕で表さ
れる構造を有するもの等が例示される。
【0032】また、鎖延長剤にポリシロキサン含有物を
用いる場合には、例えば下記式
【0033】
【化5】
【0034】〔式中、l,nは1以上の整数、mは0ま
たは1以上の整数を示し、R1 、R2、R3 、R4 は前
記と同義である。〕で表される構造を有するもの等が例
示される。
【0035】また、上記ポリウレタンエラストマーの製
造は自体既知の方法で行えばよい。例えば次の如くして
製造される。ポリエーテルジオール成分であるポリオキ
シエチレン(A) とポリオキシテトラメチレン(B) のA−
B−A型ブロック共重合体と、有機ジイソシアネートの
所要量とを反応溶媒中に加え、50〜100℃に加熱し
て反応させる。この際の反応溶媒としては、例えばN,
N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジ
ブチルエーテル、ジメチルホルムアミド等が用いられ
る。また、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0 〕ウンデセ
ン−7やジラウリン酸ジオクチルスズのような反応促進
剤を用いれば、室温付近で反応させることもできる。次
いで、このようにして得たプレポリマーに、所要量の鎖
延長剤を加え、室温付近で鎖延長反応を行わせると、目
的とするポリウレタンエラストマーが得られる。なお、
プレポリマーにポリシロキサンを含有させる場合には、
上記製法において、A−B−A型ブロック共重合体と有
機ジイソシアネートと同時にポリシロキサンを加えてプ
レポリマーを作ればよい。また、鎖延長剤にポリシロキ
サンを含有させる場合には、鎖延長剤としてポリシロキ
サン含有物を使用すればよい。
【0036】本発明の医療用器具としては、好適には血
液と接触しえるものが例示され、具体的には、例えば血
管カテーテル、人工腎臓用A−Vシャント、人工心肺用
膜、人工血管、人工心臓血液ポンプ、大動脈バルーンポ
ンプ、心臓カテーテル、血液バッグ等が例示される。
【0037】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するため実施例を
挙げるが、本発明はこれら実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0038】参考例1 市販のポリオキシテトラメチレングリコール(PTM
G、数平均分子量1830)を、理論量より少し過剰の金属
カリウムと、乾燥気流下130℃で4時間反応させ、P
TMGのカリウムアルコラートを生成させた。反応系は
冷却すると固化する。これに、重合後のポリエーテルジ
オール中のポリオキシエチレン含量が30モル%となる
ように、エチレンオキシド(EO)を冷却時に仕込み、
PTMGのカリウムアルコラートを重合開始剤として、
45℃で4時間かけてEOを重合させた。その後、ベン
ゼンで希釈して、塩酸性イソプロパノールを加えて重合
を停止し、生成する塩化カリウムを濾過し、ロータリー
エバポレーターでベンゼン、イソプロパノール、塩酸、
水を除去した。さらにジエチルエーテルで抽出し、EO
の単独重合体を除去し、減圧乾燥して、ポリエーテルジ
オールを得た。
【0039】実施例1 参考例1で得られたポリエーテルジオール0.18モル
と、ポリジメチルシロキサン0.02モルおよび4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.40モル
をジメチルスルホキシド200mlに均一に溶解させ、乾
燥窒素ガスを導入しながら80℃にて撹拌して5時間反
応させた後、冷却した。この反応液に、エチレンジアミ
ン0.20モルを含むジメチルスルホキシドの溶液15
0mlを滴下して室温〜30℃で7時間撹拌して反応させ
た。この反応液を水中に注ぎ、生成したポリウレタンを
沈澱させて濾別し、さらにソックスレー抽出器を用いて
アセトンにて低分子化合物を除去し、残部を室温で真空
乾燥させてポリウレタンエラストマーを得た。
【0040】実施例2〜8 表1に示した組成比で、実施例1と同様にして、ポリウ
レタンエラストマーを得た。なお、ポリエーテルジオー
ルとしては参考例1で調製したものを、ポリシロキサン
としてはポリジメチルシロキサンを、有機ジイソシアネ
ートとしては4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ートを、有機ジアミンとしてはエチレンジアミンを、有
機ジオールとしてはエチレングリコールを用いた。
【0041】実施例9 参考例1で得られたポリエーテルジオール0.20モル
と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.
40モルをジメチルスルホキシド200mlに均一に溶解
させ、乾燥窒素ガスを導入しながら80℃にて撹拌して
5時間反応させた後、冷却した。この反応液に、ポリジ
メチルシロキサン0.20モルを含むジメチルスルホキ
シドの溶液150mlを滴下して、室温〜30℃で7時間
撹拌して反応させた。この反応液を水中に注ぎ、生成し
たポリウレタンを沈澱させて濾別し、さらにソックスレ
ー抽出器を用いてアセトンにて低分子化合物を除去し、
残部を室温で真空乾燥させてポリウレタンエラストマー
を得た。
【0042】実施例10〜15 表1に示した配合組成比で、実施例9と同様にして、ポ
リウレタンエラストマーを得た。なお、ポリエーテルジ
オールとしては参考例1で調製したものを、有機ジイソ
シアネートとしては4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネートを、鎖延長剤のポリシロキサンとしてはポリ
ジメチルシロキサン、有機ジアミンとしてはエチレンジ
アミン、有機ジオールとしてはエチレングリコールを用
いた。
【0043】比較例1 参考例1で調製されたポリエーテルジオール0.20モ
ル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.
40モル、エチレンジアミン0.20モルを用い、ポリ
ジメチルシロキサンを含有させないこと以外は実施例1
と同様にして、ポリウレタンエラストマーを得た。
【0044】実験例1 上記実施例および比較例で得られたポリウレタンエラス
トマーの10%ジメチルアセトアミド溶液1mlを、内径
10mm、長さ10cmのすり合わせ蓋付試験管に入れ、ロ
ータリーエバポレーターに接続して、減圧回転下、その
内壁に均一にコーティングする。各試料につきそれぞれ
2本ずつ上記試験管を作製し、それらに採取直後の健康
人血液を1mlずつ入れ、37℃に保ちながら、5分間経
過後から30秒ごとにこの試験管の1本を45度傾斜さ
せて流動状態を観察し、血液が全く流動しなくなってか
ら、他の1本について同様な操作を行い、この試験管内
の血液が全く流動しなくなるまでの経過時間をもって試
料の凝固時間とする。また、ポリウレタンエラストマー
をコーティングしないガラス試験管2本について、上記
と同じ操作でガラス表面での凝固時間を評価したとこ
ろ、個体差はあるが通常8〜14分である。ガラスおよ
び各試料について5回以上のテストにより得られた値の
平均値をもって凝固時間とする。抗血栓性の指標として
は、ガラス表面での凝固時間を1として各ポリウレタン
エラストマーの凝固時間の相対値で比較した。その結果
を表1に示す。
【0045】実験例2 上記実施例および比較例で得られたポリウレタンエラス
トマーの10%ジメチルアセトアミド溶液を、水銀平面
上に置いた水平シャーレに注ぎ、減圧下、徐々に溶媒を
蒸発させ、均一なフィルムを調製した。この厚さ約0.
3mmのフィルムを短冊状に切断して、20℃、引張速度
50mm/分の下でJIS K6301に準じて引張試験
を行い、フィルムの抗張力と破断時の伸びを測定した。
この結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】実施例16 実施例1のポリウレタンエラストマーの10%ジメチル
アセトアミド溶液中に直径4mmの研磨したステンレス棒
を浸漬して取り出し、60℃で乾燥させて棒表面にポリ
ウレタン皮膜を形成させる操作を繰り返して所望の厚さ
にした後、エタノールに浸漬してステンレス棒を抜取
り、抗血栓性チューブ(人工血管)を得た。
【0048】実施例17 実施例9のポリウレタンエラストマーを用いる以外は実
施例16と同様にして、抗血栓性チューブを得た。
【0049】
【発明の効果】本発明の抗血栓性ポリウレタンエラスト
マーおよび当該ポリウレタンエラストマーよりなる医療
用器具は、機械的強度、抗血栓性とも従来より数倍優れ
ている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシエチレン(A) とポリオキシテ
    トラメチレン(B) のA−B−A型ブロック共重合体をポ
    リエーテルジオール成分としたポリウレタンエラストマ
    ーであって、当該ポリウレタンエラストマーにポリシロ
    キサンが導入されてなることを特徴とする抗血栓性ポリ
    ウレタンエラストマー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の抗血栓性ポリウレタンエ
    ラストマーよりなる医療用器具。
JP4346919A 1992-12-25 1992-12-25 抗血栓性ポリウレタンエラストマーおよび医療用器具 Pending JPH06192377A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6313254B1 (en) 1996-09-23 2001-11-06 Cardiac Crc Nominees Pty Ltd Polysiloxane-containing polyurethane elastomeric compositions
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