JP2615698B2 - 血液適合性に優れた気体透過性材料 - Google Patents

血液適合性に優れた気体透過性材料

Info

Publication number
JP2615698B2
JP2615698B2 JP62290419A JP29041987A JP2615698B2 JP 2615698 B2 JP2615698 B2 JP 2615698B2 JP 62290419 A JP62290419 A JP 62290419A JP 29041987 A JP29041987 A JP 29041987A JP 2615698 B2 JP2615698 B2 JP 2615698B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
aza
polyol
carbon atoms
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62290419A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01131226A (ja
Inventor
昌和 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP62290419A priority Critical patent/JP2615698B2/ja
Publication of JPH01131226A publication Critical patent/JPH01131226A/ja
Priority to US07/607,748 priority patent/US5128408A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2615698B2 publication Critical patent/JP2615698B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,心臓手術に伴う開心術において,血液の循
環および酸素供給を維持するために用いられる人工心肺
装置,肺不全患者の肺機能を代行する人工肺,長期の体
外循環に用いられるECMO(Extra Corporeal Membrane O
xygenator)などのガス交換器の酸素交換膜素材に関す
る。
(従来の技術) 現在,開心術に用いられている市販の人工心肺装置の
ガス交換器(血液に酸素を添加し,炭酸ガスを除去して
静脈血を動脈血化する部分)は,その酸素付加機能によ
り次の3種類に大別される:ガス−血液直接接触型
(気泡型,フィルム型など);小孔(直径数百〜数千
オングストローム)を通してガス交換を行う型(ホロー
ファイバー型,積層型など);ガス拡散型(均質膜中
にガスが溶解・拡散して該膜を透過する型)。
これらのうちは静脈血に直接酸素を気泡化して吹き
込み,動脈血化するタイプである。この方式では血液と
酸素ガスとが直接接触するために赤血球膜が破壊され,
遊離ヘモグロビンが増加する。つまり溶血が生じやす
い。さらに,酸素ガスが直接吹き込まれるため,このガ
スが血液中に微細な気泡となって残留する。これを除去
することは困難であり,血液が受ける損傷が大きい。そ
のため長期間にわたり心肺機能を代行することは困難で
ある。
の小孔を通してガス交換を行うタイプにおいては,
のタイプのような血液とガスとの直接の接触はないた
め,血球の損傷や血液中へのガス気泡の混入といった問
題は解消される。しかし,小孔を通して血液中の水分や
血漿成分が滲出するためガス交換能が経時的に低下す
る。さらに,このような膜の素材は,通常,ポリプロピ
レンなどであり,これらは血液適合性に乏しい。つま
り,これらの材料を使用すると血液凝固因子の活性化や
補体の活性化が起こり,さらには血小板および白血球の
凝集,融解などが生じやすい。これらの反応を抑制する
には,例えばヘパリンなどの抗凝固剤を大量に投与する
ことが必要となる。ヘパリンの大量投与は出血を引き起
こしやすく,生命に危険をおよぼす。このように,の
タイプのガス交換器を長期間にわたり使用することは,
出血や血球成分の損傷による臓器不全が多発するため不
可能である。
のタイプでは均質な膜面を通してガス交換が行われ
るため,のタイプのような血球の損傷および血液中へ
のガス気泡の混入という問題がなく,かつタイプのよ
うに水分や血漿成分の滲出という欠点もない。このタイ
プの膜は,通常シリコーンラバー(シリコーン系ポリマ
ー)により調製される。シリコーンラバーは他の材料に
比べると比較的血液適合性に優れるとされている。この
ように,〜のタイプのガス交換器においては,この
のタイプが最も好適であると考えられる。しかし,こ
の膜についても次のような欠点がある。(a)シリコー
ンラバーは単独では強度が低いため,強度保持のために
膜厚を厚くしたり,補強剤としてフィラーを充填する必
要がある。このため,ガスの拡散が遅くなり,酸素交換
能が低い。(b)シリコーンラバーの血液適合性は,な
お充分であるとはいえず,血液凝固が起こるため,使用
に際しては,ヘパリンの大量投与が必要であり,そのた
め,出血が起こりやすく,生命に危険をおよぼす。
(c)補体の活性化により,血球凝固系の変化,血管壁
の(白血球,リンパ球などの)透過性の亢進,白血球の
増加などが起こる。その結果,発熱やショック症状が起
こるなどして生命に危険をおよぼしたり,手術後の回復
が遅れることがある。このタイプのガス交換器を有する
人工心肺装置もその使用可能な期間はせいぜい2〜3日
間であり,これ以上の期間にわたって使用を継続した場
合の救命率は零に近い。
上記ののシリコーンラバー膜の代わりに用いられ得
る素材としては,例えば,次のようなポリマーが研究さ
れている。(a)の強度を改善するための例としては,
米国特許第3,419,634号および第3,419,635号に,シリコ
ーン−ポリカーボネート共重合体の製造が開示されてい
る。さらに米国特許第3,767,737号にはその共重合体を
用いた薄膜の製造方法が開示されている。特開昭61−43
0号公報にはジアミノポリシロキサン,イソシアネート
化合物および多価アミンを反応させて得られるポリウレ
アでなる選択性気体透過膜が開示されている。さらに,
特願昭60−241567号明細書(高分子基盤技術研究組番
号:PM−80)にはジアミノポリシロキサン,イソシアネ
ート化合物および第3級窒素を有する多価ヒドロキシ化
合物を反応させて得られるポリウレタンウレアからなる
気体選択透過膜が開示されている。これらのポリマーは
比較的高強度であるが血液適合性がいまだ充分であると
はいえず,上記(b)および(c)の問題点を解決する
には至っていない。さらに,上記特開昭61−430号公報
および特願昭60−241567号明細書に記載のポリマーは分
子内にシロキサン結合とウレア結合という全く極性の異
なる2種類の結合が存在するため膜形成時の溶剤の選択
が難しく,薄膜化が困難である。
上記(b)に記載の血液凝固性の問題を解決しうる材
料としては,高分子論文集,36,223(1979)に,ヘパリ
ンをイオン結合によりある種のポリマーに結合させたも
のが開示されている。使用されるポリマーは,ジメチル
アミンエチルメタクリレート,メトキシポリエチレング
リコールメタクリレートおよびグリシジルメタクリレー
トの三元共重合体の第3級アミノ基を4級化した後,ポ
リウレタンにブレンドし,熱処理により架橋させたポリ
マーである。この材料から得られた成形体は,その表面
からヘパリンをスロー・リリースさせるため,血液凝固
が阻止される。しかし,ガス透過性は充分とはいえず,
人工心肺などには利用できない。特開昭58−188458号公
報には主鎖にポリシロキサンを含むポリウレタンまたは
ポリウレタンウレアからなる抗血栓性エラストマーが開
示されている。しかし,このエラストマーの抗血栓性は
充分に高いとはいえない。さらに気体透過性も充分では
なく,かつ補体活性も抑制されないため,上記用途には
利用できない。
(c)に記載の血液中の補体活性化の問題を解決しう
る材料は,透析型人工腎臓用の透析膜の分野に多く見ら
れる。例えば,人工臓器16(2),818−821(1987)に
はセルロース膜をジエチルアミノエチル化した膜は,も
とのセルロース膜に比較して,透析中の補体活性化を著
しく抑制すると報告されている。しかし,この膜はガス
透過性に乏しいため人工肺の膜材料としては実用に供し
難い。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その
目的とするところは,酸素透過性が良好であり,血液適
合性に優れ,かつ薄膜化で容易である,人工心肺装置の
ガス交換膜に最適な材料を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の血液適合性に優れた気体透過性材料は,ジイ
ソシアネート,イソシアネート基と反応し得る水酸基を
分子末端に有するポリシロキサン,第3級アミノ基を有
するポリオールまたはポリアミン,および必要に応じて
多のポリオールまたはポリアミンを反応させて得られ
る,ポリウレタンまたはポリウレタンウレアからなる。
本発明の血液適合性に優れた気体透過性材料は,ジイ
ソシアネート,イソシアネート基と反応し得るアミノ基
分子末端に有するポリシロキサン,第3級アミノ基を有
するポリアミン,および必要に応じてポリオールまたは
他のポリアミンを反応させて得られる,ポリウレタンウ
レアからなる。
本発明の血液適合性に優れた気体透過性材料は,ジイ
ソシアネート,イソシアネート基と反応し得る水酸基ま
たはアミノ基を分子末端に有するポリシロキサン,第3
級アミノ基を有するポリオールまたはポリアミン,およ
び必要に応じて他のポリオールまたはポリアミンを反応
させて得られるポリウレタンまたはポリウレタンウレア
に含まれる第3級アミノ基を4級塩化し,これをヘパリ
ン類で処理することにより得られる。
本発明の気体透過性材料であるポリウレタンまたはポ
リウレタンウレアに用いられるジイソシアネートとして
は,ポリウレタンまたはポリウレタンウレアの調製に通
常用いられるジイソシアネート類(芳香族,脂肪族,脂
環族)がいずれも利用され得る。上記芳香族ジイソシア
ネートとしては,2,4−トリレンジイソシアネート,2,6−
トリレンジイソシアネート,キシリレンジイソシアネー
ト,4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート,4,4′−
ジフェニルプロパンジイソシアネート,フェニレンジイ
ソシアネート,ナフタレンジイソシアネートなどの炭素
数8〜25の芳香族ジイソシアネートがある。脂肪族ジイ
ソシアネートとしては,ヘキサメチレンジイソシアネー
ト,ヘプタメチレンジイソシアネート,オクタメチレン
ジイソシアネート,ノナメチレンジイソシアネート,デ
カメチレンジイソシアネートなどの炭素数6〜20の脂肪
族ジイソシアネートがある。脂環族ジイソシアネートと
しては,4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト,イソホロンジイソシアネートなどの炭素数8〜20の
脂環族ジイソシアネートがある。上記ジイソシアネート
は2種以上が混合されて用いられ得る。以下,ポリシロ
キサン,3級アミノ基を有するポリオール,ポリアミンな
ど本発明のポリマーに使用される成分は,それぞれにい
て2種以上が混合されて用いられ得る。
イソシアネート基と反応し得る水酸基もしくはアミノ
基を分子末端に有するポリシロキサンは次の一般式
(I)で示されるものが好ましい: (ここで,XおよびYはそれぞれ独立して−OH,−NH2また
は炭素数1〜5の1置換アミノ基,R1およびR3はそれぞ
れ独立して炭素数2〜10のアルキレン基,オキシアルキ
レン基,アラルキレン基またはアリーレン基,R2はそれ
ぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基,アリール基ま
たはアラルキル基であり;nは5〜300の整数である。) このポリシロキサンの分子量は,200〜20,000,好まし
くは500〜8,000である。得られるポリウレタンまたはポ
リウレタンウレア中のこのポリシロキサンの含量は20〜
95%,好ましくは30〜85%である。
本発明に使用される第3級アミノ基を有するポリオー
ルまたはポリアミンとしては,次の一般式(II)〜(I
V)で示されるポリオール;一般式(II)〜(IV)のポ
リオールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド
が付加したポリオール;および次の一般式(V)〜(V
I)で示されるポリアミンが挙げられる: (ここで,R4,R6,R7およびR12はそれぞれ独立して水素原
子または炭素数1〜5のアルキル基;R5,R10およびR11
炭素数1〜20のアルキル基,シクロアルキル基,アリー
ル基,アラルキル基または (mは1〜5の整数を示す),R8,R9,R13およびR14はそ
れぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基,アリール基
またはアラルキル基であり,ただし,R8およびR9,そして
R13およびR14は,それぞれ同一のアルキレン基であって
窒素原子と共に異節環を形成していてもよい。) 上記3級アミノ基を有するポリオール(II)〜(IV)
(以下,アミンジオールとする)のうち,(II)で示さ
れるタイプとしては次の化合物が挙げられる:3−メチル
−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−エチル−3−
アザ−1,5−ペンタンジオール,3−n−プロピル−3−
アザ−1,5−ペンタンジオール,3−iso−プロピル−3−
アザ−1,5−ペンタンジオール,3−n−ブチル−3−ア
ザ−1,5−ペンタンジオール,3−sec−ブチル−3−アザ
−1,5−ペンタンジオール,3−tert−ブチル−3−アザ
−1,5−ペンタンジオール,3−ペンチル−3−アザ−1,5
−ペンタンジオール,3−ヘキシル−3−アザ−1,5−ペ
ンタンジオール,3−シクロヘキシル−3−アザ−1,5−
ペンタンジオール,3−フェニル−3−アザ−1,5−ペン
タンジオール,3−ベンジル−3−アザ−1,5−ペンタン
ジオール,3−ヘプチル−3−アザ−1,5−ペンタンジオ
ール,3−オクチル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,
3−ノニル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−デシ
ル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,4−メチル−4
−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−エチル−4−アザ
−2,6−ヘプタンジオール,4−n−プロピル−4−アザ
−2,6−ヘプタンジオール,4−iso−プロピル−4−アザ
−2,6−ヘプタンジオール,4−n−ブチル−4−アザ−
2,6−ヘプタンジオール,4−iso−ブチル−4−アザ−2,
6−ヘプタンジオール,4−sec−ブチル−4−アザ−2,6
−ヘプタンジオール,4−tert−ブチル−4−アザ−2,6
−ヘプタンジオール,4−ペンチル−4−アザ−2,6−ヘ
プタンジオール,4−ヘキシル−4−アザ−2,6−ヘプタ
ンジオール,4−シクロヘキシル−4−アザ−2,6−ヘプ
タンジオール,4−フェニル−4−アザ−2,6−ヘプタン
ジオール,4−ベンジル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオ
ール,4−ヘプチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,
4−オクチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−ノ
ニル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−デシル−
4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,3−N,N−ジメチルア
ミノエチル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−N,N
−ジエチルアミノエチル−3−アザ−1,5−ペンタンジ
オール,3−N,N−ジ−n−プロピルアミノエチル−3−
アザ−1,5−ペンタンジオール,3−N,N−ジ−iso−プロ
ピルアミノエチル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,
3−N,N−ジ−n−ブチルアミノエチル−3−アザ−1,5
−ペンタンジオール,3−N,N−ジ−sec−ブチルアミノエ
チル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−N,N−ジペ
ンチルアミノエチル−3−アザ−1,5−ペンタンジオー
ル,3−N,N−ジヘキシルアミノエチル−3−アザ−1,5−
ペンタンジオール,3−ジシクロヘキシルアミノエチル−
3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−ジベンジルアミ
ノエチル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−N,N−
ジメチルアミノプロピル−3−アザ−1,5−ペンタンジ
オール,3−N,N−ジエチルアミノプロピル−3−アザ−
1,5−ペンタンジオール,3−N,N−ジ−n−プロピルアミ
ノプロピル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−N,N
−ジ−iso−プロピルアミノプロピル−3−アザ−1,5−
ペンタンジオール,3−N,N−ジ−n−ブチルアミノプロ
ピル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−N,N−ジ−
iso−ブチルアミノプロピル−3−アザ−1,5−ペンタン
ジオール,3−N,N−ジ−sec−ブチルアミノプロピル−3
−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−N,N−ジペンチルア
ミノプロピル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−
N,N−ジヘキシルアミノプロピル−3−アザ−1,5−ペン
タンジオール,3−N,N−ジシクロヘキシルアミノプロピ
ル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール,3−N,N−ジベン
ジルアミノプロピル−3−アザ−1,5−ペンタンジオー
ル,4−N,N−ジメチルアミノエチル−4−アザ−2,6−ヘ
プタンジオール,4−N,N−ジエチルアミノエチル−4−
アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジ−n−プロピ
ルアミノエチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4
−N,N−ジ−iso−プロピルアミノエチル−4−アザ−2,
6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジ−n−プロピルアミノ
エチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジ
−iso−プロピルアミノエチル−4−アザ−2,6−ヘプタ
ンジオール,4−N,N−ジ−n−ブチルアミノエチル−4
−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジ−iso−ブ
チルアミノエチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,
4−N,N−ジ−sec−ブチルアミノエチル−4−アザ−2,6
−ヘプタンジオール,4−N,N−ジヘプチルアミノエチル
−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジヘキシ
ルアミノエチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4
−N,N−ジシクロヘキシルアミノエチル−4−アザ−2,6
−ヘプタンジオール,4−N,N−ジベンジルアミノエチル
−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジメチル
アミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4
−N,N−ジエチルアミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプ
タンジオール,4−N,N−ジ−n−プロピルアミノプロピ
ル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジ−is
o−プロピルアミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプタン
ジオール,4−N,N−ジ−n−ブチルアミノプロピル−4
−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジ−iso−ブ
チルアミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオー
ル,4−N,N−ジ−sec−ブチルアミノプロピル−4−アザ
−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジペンチルアミノプ
ロピル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジ
ヘキシルアミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプタンジ
オール,4−N,N−ジヘプチルアミノプロピル−4−アザ
−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジシクロヘキシルア
ミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−
N,N−ジオクチルアミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプ
タンジオール,4−N,N−ジノニルアミノプロピル−4−
アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−ジデシルアミノ
プロピル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール,4−N,N−
ジベンジルアミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプタン
ジオール。
上記(III)式で示されるアミンジオールとしては,
次の化合物が挙げられる:N,N′−ジ(β−ヒドロキシプ
ロピル)ピペラジン,N,N′−ジ(β−ヒドロキシエチ
ル)ピペラジン,N,N′−ジ(β−ヒドロキシプロピル)
−2,5−ジメチルピペラジン,N,N′−ジ(β−ヒドロキ
シエチル)−2,6−ジメチルピペラジン,N,N′−ジ(β
−ヒドロキシプロピル)−2,6−ジエチルピペラジン,N,
N′−ジ(β−ヒドロキシエチル)−2,6−ジエチルピペ
ラジン。
上記(IV)式で示されるアミンジオールとしては,次
の化合物が挙げられる:2−N,N−ジメチルアミノメチル
−2−メチル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジエチ
ルアミノメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール,
2−N,N−ジ−n−プロピルアミノメチル−2−メチル−
1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジ−iso−プロピルア
ミノメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール,2−
N,N−ジ−n−ブチルアミノメチル−2−メチル−1,3−
プロパンジオール,2−N,N−ジ−iso−ブチルアミノメチ
ル−2−メチル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジ−
sec−ブチルアミノメチル−2−メチル−1,3−プロパン
ジオール,2−N,N−ジペンチルアミノメチル−2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジヘキシルアミノ
メチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−
ジシクロヘキシルアミノメチル−2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール,2−N,N−ジベンシルアミノメチル−2
−メチル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジメチルア
ミノメチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール,2−
N,N−ジエチルアミノメチル−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオール,2−N,N−ジ−n−プロピルアミノメチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジ−iso
−プロピルアミノメチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオール,2−N,N−ジ−n−ブチルアミノメチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジ−iso−ブ
チルアミノメチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル,2−N,N−ジ−sec−ブチルアミノメチル−2−エチル
−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジペンチルアミノメ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジ
ヘキシルアミノメチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール,2−N,N−ジシクロヘキシルアミノメチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール,2−N,N−ジベンジルア
ミノメチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール。
本発明には,上記のように,一般式(II)〜(IV)の
アミンジオールにエチレンオキシドまたはプロピレンオ
キシドが付加したタイプ(エポキシ付加タイプ)のポリ
オールも使用され得る。これらの化合物のエチレンオキ
シドまたはプロピレンオキシドの付加数はアミンジオー
ル1分子あたり1〜20分子である。
他方,(V)または(VI)で示されるポリアミン(以
下,アミノジアミンとする)のうち,(V)で示される
タイプとしては次の化合物が挙げられる:4−メチル−4
−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−エチル−4−アザ
−1,7−ジアミノヘプタン,4−n−プロピル−4−アザ
−1,7−ジアミノヘプタン,4−iso−プロピル−4−アザ
−1,7−ジアミノヘプタン,4−n−ブチル−4−アザ−
1,7−ジアミノヘプタン,4−iso−ブチル−4−アザ−1,
7−ジアミノヘプタン,4−sec−ブチル−4−アザ−1,7
−ジアミノヘプタン,4−tert−ブチル−4−アザ−1,7
−ジアミノヘプタン,4−ペンチル−4−アザ−1,7−ジ
アミノヘプタン,4−n−ヘキシル−4−アザ−1,7−ジ
アミノヘプタン,4−シクロヘキシル−4−アザ−1,7−
ジアミノヘプタン,4−ヘプチル−4−アザ−1,7−ジア
ミノヘプタン,4−オクチル−4−アザ−1,7−ジアミノ
ヘプタン,4−ノニル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタ
ン,4−デシル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−
フェニル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−ベン
ジル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−ジメチル
アミノエチル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−
ジエチルアミノエチル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプ
タン,4−ジ−n−プロピルアミノエチル−4−アザ−1,
7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジ−iso−プロピルアミ
ノエチル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−
ジ−n−ブチルアミノエチル−4−アザ−1,7−ジアミ
ノヘプタン,4−N,N−ジ−iso−ブチルアミノエチル−4
−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジ−sec−ブ
チルアミノエチル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,
4−N,N−ジペンチルアミノエチル−4−アザ−1,7−ジ
アミノヘプタン,4−N,N−ジヘキシルアミノエチル−4
−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジシクロヘキ
シルアミノエチル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,
4−N,N−ジヘプチルアミノエチル−4−アザ−1,7−ジ
アミノヘプタン,4−N,N−ジオクチルアミノエチル−4
−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジノニルアミ
ノエチル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−
ジデシルアミノエチル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプ
タン,4−N,N−ジメチルアミノプロピル−4−アザ−1,7
−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジエチルアミノプロピル
−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジ−n−
プロピルアミノプロピル−4−アザ−1,7−ジアミノヘ
プタン,4−N,N−ジ−iso−プロピルアミノプロピル−4
−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジ−n−ブチ
ルアミノプロピル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,
4−ジ−N,N−iso−ブチルアミノプロピル−4−アザ−
1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジ−sec−ブチルアミ
ノプロピル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N
−ジペンチルアミノプロピル−4−アザ−1,7−ジアミ
ノヘプタン,4−N,N−ジヘキシルアミノプロピル−4−
アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジシクロヘキシ
ルアミノプロピル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン
4−N,N−ジヘプチルアミノプロピル−4−アザ−1,7−
ジアミノヘプタン,4−N,N−ジオクチルアミノプロピル
−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4−N,N−ジノニル
アミノプロピル−4−アザ−1,7−ジアミノヘプタン,4
−N,N−ジデシルアミノプロピル−4−アザ−1,7−ジア
ミノヘプタン,4−N,N−ジベンジルアミノプロピル−4
−アザ−1,7−ジアミノヘプタン。
上記(V)で示されるアミノジアミンとしては,次の
化合物が挙げられる:N,N′−ジ(γ−アミノプロピル)
ピペラジン,N,N′−ジ(γ−アミノプロピル)−2,6−
ジメチルピペラジン,N,N′−ジ(γ−アミノプロピル)
−2,6−ジエチルピペラジン。
これら3級アミノ基を有するアミンジオール(II)〜
(IV)(そのエポキシ付加物をも包含する;以下,アミ
ンジオールとはそのエポキシ付加物をも包含していう)
およびアミノジアミン(V)〜(VI)のうち,式(II)
または式(V)においてR5またはR11がジアルキルアミ
ノプロピル基であるアミンジオールおよびアミノジアミ
ンが特に好適である。アミンジオール(II)〜(IV)お
よびアミノジアミン(V)〜(VI)は,いずれも,それ
に由来する3級アミノ基が,得られるポリマー中に0.01
〜3.00mmol/g,好ましくは0.05〜2.00mmol/gとなるよう
な割合で用いられる。
本発明のポリウレタンまたはポリウレタンウレアに必
要に応じて用いられる他のポリオールまたはポリアミン
は,例えば低分子量鎖延長剤や高分子量ポリオールであ
る。低分子量鎖延長剤としては,ジオール類,ジアミン
類およびオキシアルキレングリコール類がある。上記ジ
オール類としては,エチレングリコール,プロピレング
リコール,1,4−ブタンジオール,ネオペンチルグリコー
ル,1,5−ペンタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,1,4
−シクロヘキサンジメタノール,1,3−シクロヘキサンジ
メタノールなどの炭素数2〜20の脂肪族および/または
脂環族ジオール類がある。上記ジアミン類としては,エ
チレンジアミン,プロピレンジアミン,1,4−テトラメチ
レンジアミン,1,6−ヘキサメチレンジアミン,1,4−ジア
ミノシクロヘキサン,4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン,キシリレンジアミンなどの脂肪族および/または芳
香族ジアミン類がある。上記オキシアルキレングリコー
ル類としては,ジエチレングリコール,トリエチレング
リコール,テトラエチレングリコール,ジプロピレング
リコール,トリプロピレングリコールおよび/またはテ
トラプロピレングリコールなどの炭素数5〜30のオキシ
アルキレングリコール類がある。これら低分子量鎖延長
剤のうちでは,特にエチレングリコール,1,4−ブタンジ
オール,1,6−ヘキサンジオール,ネオペンチルグリコー
ル,エチレンジアミン,1,2−プロピレンジアミンおよび
1,6−ヘキサメチレンジアミンが特に好ましい。
上記高分子量ポリオールとしては,ポリオキシアルキ
レングリコールやポリエステルジオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコールとしては,分子量300
〜15,000,好ましくは800〜8,000のポリエチレングリコ
ール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレン
グリコールなどがある。ポリエステルジオールとして
は,炭素数2〜10の脂肪族ジオールと炭素数6〜16の脂
肪族ジカルボン酸類とから得られるポリエステルジオー
ル;ε−カプロラクトンなどのカプロラクトン類から得
られるポリエステルジオールなどがある。これら高分子
量ポリオールのうちではポリオキシアルキレングリコー
ルなどのポリエーテルポリオールが好適である。高分子
量ポリオールの,得られるポリマー中の含量は50%以
下,好ましくは10〜30%である。
本発明のポリウレタンおよびポリウレタンウレアは,
いずれも公知の方法で調製され得る。例えば,溶液重合
法によりポリウレタンを調製するには,まず,上記一般
式(I)で示され,分子末端に水酸基を有するポリシロ
キサン(以下,ポリシロキサンポリオールと略記する)
およびジイソシアネート,さらに必要に応じて上記高分
子量ポリオールをイソシアネート基に不活性な溶媒に溶
解させ,30〜150℃,好ましくは40〜120℃で5〜300分
間,好ましくは15〜120分間にわたり,窒素気流下にて
撹拌しながら反応を行う。これに一般式(II)〜(IV)
で示されるアミンジオールおよび必要に応じて上記低分
子量鎖延長剤(低分子量ジオール)を添加し10〜100
℃,好ましくは20〜80℃にて15〜300分間反応させて鎖
延長し,高分子量化を行う。ここで使用される溶媒とし
てはジオキサン,テトラヒドロフラン,クロロホルム,
四塩化炭素,ベンゼン,トルエン,アセトン,メチルエ
チルケトン,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドン,これらの混合物な
どが挙げられる。特に,ジオキサン,テトラヒドロフラ
ン,メチルエチルケトン,N,N−ジメチルホルムアミド,
N,N−ジメチルアセトアミドおよびこれらの混合物が好
ましい。反応時には,必要に応じて重合触媒が加えられ
る。触媒としては,ジブチルチンジラウレートなどの錫
系触媒,テトラブトキシチタンのようなチタン系触媒ま
たは他の金属触媒が挙げられる。触媒は,反応液中に1
〜500ppm,好ましくは5〜100ppmの含有で添加される。
ポリウレタンの調製には,使用される上記各モノマー成
分を1度に仕込んで溶融重合する方法も採用され得る。
上記重合反応において,各成分の混合モル比は次のと
おりである:ポリシロキサンポリオール/アミンジオー
ルのモル比は100〜1〜1/10、好ましくは20/1〜1/5;ア
ミンジオール/(必要に応じて使用される)ポリオール
のモル比は1/20〜1/0,好ましくは1/10〜10/1;全ポリオ
ール/ジイソシアネートのモル比は10/8〜8/10,好まし
くは10/9〜9/10。
本発明のポリウレタンウレアは,公知のポリウレタン
ウレアの製法のいずれを用いても調製され得る。そのな
かでも特に溶液重合法が好適である。ポリウレタンウレ
アを溶液重合法により調製するには,まず,ポリシロキ
サンポリオール(必要に応じて用いられる),ジイソシ
アネートおよび必要に応じて高分子量ポリオールを不活
性溶媒に溶解させ,これを上記ポリウレタンの場合と同
様に30〜150℃,好ましくは50〜100℃で5〜300分間,
好ましくは15〜120分間にわたり反応させる。これを0
〜40℃,好ましくは5〜20℃に冷却し,一般式(I)で
示され,末端に(置換)アミノ基を有するポリシロキサ
ン(以下,ポリシロキサンポリアミンと略記する),一
般式(V)または(VI)で示されるアミノジアミン,お
よび必要に応じて上記の低分子量鎖延長剤(低分子量ジ
アミン)を不活性溶媒に溶解させたものを滴下し,反応
させて所望の分子量のポリウレタンウレアが得られる。
この反応においては,生成するポリマーがウレア結合を
有するため,使用する溶媒としてはN,N−ジメチルホル
ムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチル
ピロリドンのようなアミド系溶媒;またはそれらとジオ
キサン,テトラヒドロフランなどとの混合溶媒が好適で
ある。各成分の配合割合など,その他の条件について
は,ポリウレタンの場合に準じる。
このようにして得られる本発明のポリウレタンまたは
ポリウレタンウレアは,後述のように中空糸状もしくは
薄膜状に成形されて気体透過性材料として人工心肺装置
などに用いられる。さらに,本発明のポリウレタンまた
はポリウレタンウレアは,その分子内の3級アミノ基を
4級化すること,そしてそれにヘパリンもしくはその類
似化合物(以下,ヘパリン類とする)を結合させること
が可能である。そのようにすることにより血液適合性が
さらに向上する。ヘパリン類の結合は,ポリウレタンま
たはポリウレタンウレアを4級化剤で処理することによ
り分子内の3級アミノ基を4級化し,次にヘパリン類で
処理してポリイオンコンプレックスを形成させることに
より行われる。このような4級化剤としては炭素数1〜
30,好ましくは1〜15のアルキルハライド,アラルキル
ハライド,アリルハライドおよびジアルキルハライドの
うちの少なくとも1種が用いられる。4級化剤は,ポリ
マー中の3級アミノ基に対して0.1〜10.0モル倍,好ま
しくは0.5〜5.0モル倍の割合で用いられる。ポリウレタ
ンまたはポリウレタンウレアの4級化には,例えば,こ
れらポリマーを適当な溶媒に溶解させて,これに上記4
級化剤を加えて反応させる方法;またはポリマーを成形
した後に上記4級化剤溶液を接触させて反応させる方法
により行われる。溶液中で反応させる方法がより好まし
い。例えば,ポリウレタンまたはポリウレタンウレアの
溶液に4級化剤を添加し,20〜100℃,好ましくは40〜80
℃で0.1〜60時間,好ましくは1〜30時間反応させる。
このようにして4級化された3級アミノ基の4級化率は
1〜100%,好ましくは10%以上である。
4級化されたアミノ基を含有するポリウレタンまたは
ポリウレタンウレアは所望の膜,中空糸などの成形品と
される。これにヘパリン類を接触させることにより該ヘ
パリン類を結合させる(ヘパリン化する)。例えば,上
記4級化されたアミノ基を有するポリウレタンまたはポ
リウレタンウレア成形体を,ヘパリン類を0.1〜10%,
好ましくは0.5〜5%の割合で含有する水溶液に20〜100
℃,好ましくは40〜80℃で,0.1〜10時間,好ましくは0.
5〜4時間にわたり浸漬することによりヘパリン化が行
われる。ここでヘパリン類とは,ヘパリン;コンドロイ
チン硫酸,−SO3H,−HNSO3H基などを有する天然または
合成高分子化合物などを包含していう。
本発明のポリウレタンまたはポリウレタンウレアは,
例えば常法により中空糸状に紡糸して中空糸膜とし,あ
るいは適当な溶媒に溶解させて平板上に流延・乾燥して
薄膜状に成形される。さらに必要に応じて,これを上記
のようにヘパリン化し,所望の気体透過性材料とされ
る。本発明の材料を人工心肺装置における酸素交換膜と
して利用すると,酸素/炭酸ガス交換が有利に行われ
る。かつ該材料は血液適合性に優れるため血液凝固や補
体の活性化に起因にするショック症状などが極めて起こ
りにくい。ヘパリン化した材料を使用すると,ポリマー
上のヘパリン類がスローリリースされるため,さらに抗
凝固性に優れる。このように本発明の材料は,例えば,
長期間肺機能を代行するECMOにも効果的に利用され得
る。さらに,本発明材料は,呼吸器系患者の酸素吸入療
法に用いられる医療用酸素富化膜,ガス燃焼用酸素富化
膜などに利用され得る。優れた抗血栓性を利用して,血
液が接触する医療用具のコーティング材料として使用す
ることも推奨される。
(実施例) 以下,本発明を用いて本発明を説明する。実施例中の
部は重量部を意味する。
実施例1 数平均分子量1800の一般式(VIII)で表されるポリジ
メチルシロキサンジオール180部, 3−n−ブチル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール1
3.52部,1,4−ブタンジオール9.01部および4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(以下,MDIと略記する)
78.08gを無水ジオキサン640mlに溶解し,接触としてジ
ブチルチンジラウレート0.0139gをジオキサン7mlに溶解
した溶液を添加し,30℃で1時間,さらに60℃で2時間
反応させて,ポリマー濃度30%,粘度1,700ボイズ(25
℃)のベースポリマーA溶液を得た。この溶液にジオキ
サンを追加し,撹拌して5%溶液とした。5%溶液10g
を水平を保った100cm2のガラス板上に均一に塗布した
後,40℃で1時間,60℃で2時間,窒素気流下で乾燥後,6
0℃で減圧乾燥を15時間行い,50μm厚みのベースポリマ
ーフィルムAを得た。
さらに,ジオキサンで稀釈して得た10%ベースポリマ
ー溶液100部に沃化エチル3.37部を加え,70℃で撹拌しな
がら5時間反応させて,ベースポリマー中の3級アミノ
基の4級化を行った。この溶液をジオキサンで稀釈して
5%溶液とし,上記ベースポリマーAの場合と同様にし
て,50μm厚の4級化ポリマーフィルムAを得た。
このベースポリマーフィルムAおよび4級化ベースポ
リマーフィルムA約0.2gを正確に秤量し,ジオキサン/
エタノール(7/3容量比)混合溶媒50mlに溶解し電位差
滴定装置(平沼製作所製,Comtite−7)を用いて,N/10
−HClO4ジオキサン溶液で滴定し,その変曲点より塩基
性窒素含量を測定したところ,ベースポリマーフィルム
Aの塩基性窒素含量は0.360mmol/kg,4級化フィルムAの
それは0.252mmol/gであった。この結果より,4級化率は
約30%であることがわかる。
次いで,このフィルムの酸素の透過係数をガス透過率
測定装置(柳本社製)を用いて測定したところ,ベース
ポリマーAは2.02×10-8cm3(STP)cm/cm2・sec・cmHg,
4級化フィルムAは1.98×10-8(以下,単位cm3(STP)c
m/cm2・sec・cmHgは省略する。)であった。
次に,各々のフィルムを1%ヘパリン水溶液に浸漬し
て70℃で2時間処理してヘパリン化を行い,ヘパリン化
ベースポリマーフィルムAおよびヘパリン化4級化ポリ
マーフィルムAを得た。これらのフィルムを直径3cmの
円形に切り,37℃の生理食塩水中に1週間浸漬した後,
蒸留水でよく濯いてフィルム表面の水を濾紙で吸い取っ
た。このフィルムを直径10cmの時計皿の中央に貼り付
け,フィルム上にウサギ(日本白色種)のクエン酸加血
漿200μを採取し,これに1/40モル温度の塩化カルシ
ウム水溶液200μを添加し,37℃の恒温水槽中に時計皿
を浮かせ,手で内液が混和するように撹拌しながら,塩
化カルシウム添加時から凝固(血漿が動かなくなる点)
までの時間を測定し,ガラス上での凝固時間(対照とし
て別に測定する)で除して,相対値として表した結果を
表1に示した。
また,各々の溶液をジオキサンで稀釈して1%溶液と
し,この溶液100mlに40〜60メッシュのガラスビーズを3
0分間浸漬して,その後,ガラスフィルターで濾過し,
窒素気流下40℃で3時間,減圧60℃で12時間乾燥して,
ガラスビーズ表面に各々のポリマーをコートした。この
コートビーズ200mg,500μのベロナール緩衝液および
血清(健常人のプール血清を使用した)をプラスチック
試験管に加え,37℃にて温和に振盪して30分間インキュ
ベートした後,溶血補体価(CH50と略記)およびC3a,C5
aの生成量を測定した結果を表1に示す。なお,CH50の測
定はmeyer法(Meyer,M.M.,“Compliment and Complimen
t fixation"Experimental Immune Chemistry,2th Editi
on p133,Charls C.Thomas Publisher,Stuttgart.1964)
に記載の方法により,そしてC3a,C5aの測定はUpjon社よ
り販売されているラジオイミュノアッセー用キットを用
いて測定した。
実施例2 数平均分子量1800の一般式(VIII)で表されるポリジ
メチルシロキサンジオール180部,3−N,N−ジエチルアミ
ノプロピル−3−アザ−1,5−ペンタンジオール21.83
部,1,4−ブタンジオール9.01部およびMDI75.0gを無水ジ
オキサン667部に溶解し,触媒としてジブチルチンジラ
ウレート0.0139部をジオキサン7mlに溶解した溶液を添
加し,以下,実施例1と同様に操作して,ポリマー濃度
30%,粘度2300ポイズ(25℃)のベースポリマー溶液B
を得た。このベースポリマー溶液Bを実施例1と同様に
して4級化した。さらに実施例1と同様にしてベースポ
リマーフィルムB,4級化フィルムBおよびヘパリン化4
級化フィルムBを得た。これらの塩基性窒素含量は,そ
れぞれ0.699mmol/gおよび0.342mmol/gであった。この結
果より4級化率は約51%であることがわかる。
次いで,実施例1と同様にして酸素透過係数,相対凝
固時間,補体活性および物性(強伸度)を測定した結果
を表2に示す。
実施例3 数平均分子量3200の一般式(VIII)で表されるポリジ
メチルシロキサンポリオール320部,4−N,N−ジエチルア
ミノプロピル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール49.28
部,1,4−ブタンジオール18.02部およびMDI125.1部を無
水ジオキサン1190に溶解し,触媒としてジブチルチンジ
ラウレート0.0139部をジオキサンに溶解した溶液を添加
し,以下,実施例1と同様に操作して,ポリマー濃度30
%,粘度1700ボイズ(25℃)のベースポリマー溶液Cを
得た。以下,実施例1と同様にして,4級化,フィルム作
成,ヘパリン化およびガラスビーズにコーティングを実
施した。ベースポリマーフィルムCおよび4級化フィル
ムCの塩基性窒素含量はそれぞれ,0.781mmol/gおよび0.
401mmol/gであり,4級化率は48.7%であった。また,実
施例1と同様にして,酸素透過率,相対凝固時間,補体
活性および物性を測定した結果を表2に示す。
実施例4 数平均分子量3200の一般式(VIII)で表されるポリジ
メチルシロキサンポリオール320部,2−N,N−ジメチルア
ミノメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール14.72
部,1,4−ブタンジオール18.02部およびMDI100.08gを無
水ジオキサン1050部に溶解し,触媒としてジブチルチン
ジラウレート0.0139部をジオキサンに溶解した溶液を添
加し,以下,実施例1と同様に操作してポリマー濃度30
%,粘度2300ポイズ(25℃)のベースポリマーD溶液を
得た。以下,実施例1と同様にして4級化,フィルム作
成,ヘパリン化およびガラスビーズにコーティングを実
施した。ベースポリマーフィルムDおよび4級化フィル
ムDの塩基性窒素含量はそれぞれ,0.221mmol/gおよび0.
108mmol/gであり,4級化率は51%であった。また,実施
例1と同様にして,各種特性を測定した結果を表2に示
す。
実施例5 数平均分子量1500の一般式(IX)で表されるポリジメ
チルシロキサンポリオール150.0部, N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−2,5−ジメチルピ
ペラジン20.02部およびMDI50.04gを無水ジオキサン506
部に溶解し,以下,実施例1と同様に操作して,ポリマ
ー濃度30%,粘度1020ポイズ(25℃)のベースポリマー
E溶液を得た。以下,実施例1と同様にして,4級化,フ
ィルム作成,ヘパリン化およびガラスビーズにコーティ
ングを実施した。ベースポリマーフィルムEおよび4級
化フィルムEの塩基性窒素含量はそれぞれ,0.909mmol/g
および0.489mmol/gであり,4級化率は46%であった。実
施例1と同様にして,各種特性を測定した結果を表2に
示す。
実施例6 数平均分子量1800の一般式(IX)で表されるポリジメ
チルシロキサンポリオール180.0部,1,4−ブタンジオー
ル9.01部,MDI75.06部およびジブチルチンジラウレート
0.015部を無水ジオキサン/ジメチルアセトアミド(1/1
容量比)混合溶媒616部に溶解し,ウレタン重合装置で
窒素気流下,60℃で1時間反応させた後,氷水で30分間
冷却を行った。このプレポリマー溶液に,3−N,N−ジエ
チルアミノエチル−3−アザ−1,5−ジアミノペンタン1
9.42部を含有する30%ジオキサン/ジメチルアセトアミ
ド混合溶液64.7部を1時間かけて滴下し,溶液粘度980
ポイズ(25℃)のベースポリマーF溶液を得た。以下,
稀釈溶媒としてジオキサン/ジメチルアセトアミド混合
溶媒を用いた他は,実施例1と同様にして,4級化,フィ
ルム作成,ヘパリン化およびガラスビーズへのコーティ
ングを実施した。ベースポリマーフィルムFおよび4級
化フィルムFの塩基性窒素含量は,それぞれ0.705mmol/
gおよび0.388mmol/gであり,4級化率は45%であった。実
施例1と同様にして各種特性を測定した結果を表2に示
す。
比較例1 数平均分子量1800の一般式(VIII)で表されるポリジ
メチルシロキサンポリオール180.0部,1,4−ブタンジオ
ール18.02部,MDI75.06部およびジブチルチンジラウレー
ト0.015部を無水ジオキサン637部に溶解し,以下,実施
例1と同様に操作して,ポリマー濃度30%,粘度750ポ
イズ(25℃)のベースポリマーGを得た。以下,実施例
1と同様にして,フィルム作成およびガラスビーズへの
コーティングを実施した。実施例1と同様にして各種特
性を測定した結果を表2に示す。
表2から明らかなように,ポリシロキサンポリオール
を使用した本発明のポリウレタンまたはポリウレタンウ
レア,およびその4級化,ヘパリン化ポリマーは比較例
のポリマーよりもはるかに優れた性質,特に抗血栓性,
補体活性抑制機能を合わせ持つことがわかる。
実施例7 1,4−ブタンジオール9.01部およびMDI75.08部をN,N−
ジメチルホルムアミド(DMFと略記する)100部に溶解
し,触媒としてジブチルチンジラウレート0.0139部をDM
F7部に溶解した溶液を添加し,30℃で1時間反応させた
後,20分間氷冷し,数平均分子量2000の一般式(X)で
示されるポリシロキサンポリアミン200.0部: および4−N,N−ジエチルアミノプロピル−4−アザ−
1,7−ジアミノヘプタン24.4部をジオキサン/DMF(1/1重
量比)混合溶媒(以下,混合溶媒と略記する)620部に
溶解した溶液を1時間かけて滴下して,ポリマー濃度30
%,粘度1,400ポイズ(25℃)のベースポリマーH溶液
を得た。この溶液に混合溶媒を追加し,撹拌により均一
化して5%溶液とした。この溶液から実施例1と同様に
してベースポリマーフィルムHを得た。ただし,乾燥は
窒素気流下で40℃で1時間,60℃で15時間行い,さらに
減圧乾燥を60℃で15時間行った。
次に,上記ベースポリマーH溶液を混合溶媒で稀釈し
て10%溶液とし,実施例1と同様に4級化を行い,次い
でヘパリン化を行って,4級化フィルムH,ヘパリン化4級
化フイルムHを得た。ベースポリマーフィルムHおよび
4級化フィルムHの塩基性窒素含量は,それぞれ0.815m
mol/gおよび0.400mmol/gであり,4級化率は51%であっ
た。
次いで,実施例1と同様にして酸素透過係数,相対凝
固時間,補体活性および物性(強伸度)を測定した。そ
の結果を表3に示す。
実施例8 1,6−ヘキサンジオール11.8部およびMDI75.08部をDMF
100部に溶解し,触媒としてジブチルチンジラウレート
0.0139部を溶解したDMF溶液7mlを添加し,30℃で1時間
反応させた後,20分間冷却し,数平均分子量3000の一般
式(X)で示されるポリシロキサンポリアミン150.0部
および4−N,N−ジメチルアミノプロピル−4−アザ−
1,7−ジアミノヘプタン32.4部を混合溶媒528部に溶解し
た溶液を1時間かけて滴下し,ポリマー濃度30%,粘度
1280ポイズ(25℃)のベースポリマーI溶液を得た。こ
の溶液を実施例7と同様に処理してベースポリマーフィ
ルムI,4級化フィルムIおよびヘパリン化4級化フィル
ムIを得た。ベースポリマーフィルムIおよび4級化フ
ィルムIの塩基性窒素含量はそれぞれ1.114mmol/gおよ
び0.522mmol/gであり,4級化率は53.2%であった。次い
で実施例1と同様にして酸素透過係数,相対凝固時間,
補体活性および物性(強伸度)を測定した。その結果を
表3に示す。
実施例9 4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート78.
7部および1,4−ブタンジオール9.01部をDMF100部に溶解
し,触媒としてジブチルチンジラウレート0.0139部を溶
解したDMF7mlを添加し,60℃で2時間反応させた後,20分
間氷冷し,数平均分子量3,000の一般式(X)で示され
るポリシロキサンポリアミン150部およびN,N′−ジ(γ
−アミノプロピル)−ピペラジン30.0部を混合溶媒518
部に溶解した溶液を1時間かけて滴下し,ポリマー濃度
30%,粘度1330ポイズ(25℃)のベースポリマーJ溶液
を得た。この溶液を実施例7と同様に処理して,ベース
ポリマーフィルムJ,4級化フィルムJおよびヘパリン化
4級化フィルムJを得た。ベースポリマーフィルムJお
よび4級化フィルムJの塩基性窒素含量はそれぞれ1.12
1mmol/gおよび0.653mmol/gであり,4級化率は41.7%であ
った。
次いで,実施例1と同様にして酸素透過係数,相対凝
固時間,補体活性および物性(強伸度)を測定した。そ
の結果を表3に示す。
実施例10 MDI75.08部および1,4−ブタンジオール9.01部をDMF10
0部に溶解し,触媒としてジブチルチンジラウレート0.0
139部を溶解したDMF7部を添加し,30℃で1時間反応させ
た後,20分間氷冷し,数平均分子量3,000の一般式(X)
で示されるポリシロキサンポリアミン150部および4−
N,N−ジエチルアミノエチル−4−アザ−1,7−ジアミノ
ヘプタン34.5部を混合溶媒520部に溶解した溶液を1時
間かけて滴下し,ポリマー濃度30%,粘度1120ポイズの
ベースポリマーKを得た。この溶液を実施例7と同様に
処理して,ベースポリマーフィルムK,4級化フィルムK
およびヘパリン化4級化フィルムKを得た。ベースポリ
マーフィルムKおよび4級化フィルムKの塩基性窒素含
量はそれぞれ1.117mmol/gおよび0.607mmol/gであり,4級
化率は45.7%であった。次いで,実施例1と同様にして
酸素透過係数,相対凝固時間,補体活性および物性(強
伸度)を測定した。その結果を表3に示す。
比較例2 MDI75.08部および1,4−ブタンジオール9.01部をDMF10
0部に溶解し,触媒としてジブチルチンジラウレート0.0
139部を溶解したDMF7部を添加し,30℃で1時間反応させ
た後,20分間氷冷し,数平均分子量3000の一般式(X)
で示されるポリシロキサンポリアミン150部および1,2−
プロピレンジアミン11.1部を混合溶媒465部に溶解した
溶液を1時間かけて滴下し,ポリマー濃度30%,粘度31
0ポイズ(25℃)のベースポリマーL溶液を得た。この
溶液を実施例7と同様に処理して,ベースポリマーフィ
ルムL,4級化フィルムLおよびヘパリン化4級化フィル
ムLを得た。ベースポリマーフィルムLおよび4級化フ
ィルムLの塩基性窒素含量はいずれも0mmol/gであっ
た。次いで実施例1と同様にして酸素透過係数,相対凝
固時間,補体活性および物性(強伸度)を測定した。そ
の結果を表3に示す。
表3の結果から,ポリシロキサンポリアミンを使用し
た本発明のポリウレタンウレアおよびその4級化,ヘパ
リン化ポリマーについても,表2のポリマーと同様,酸
素透過性および血液適合性に優れていることが明らかで
ある。
(発明の効果) 本発明によれば,気体透過性に優れ,中空糸膜や薄膜
に容易に成形され,かつ血液適合性に優れた気体透過性
材料が提供される。この材料は,例えば,人工心肺装
置,人工肺,ECMOなどのガス交換膜の酸素交換膜材料と
して,さらにガス燃焼用酸素富化膜や医療用具のコーテ
ィング材料として広い用途に利用され得る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジイソシアネート; イソシアネート基と反応し得る水酸基を分子末端に有す
    る次の一般式(I)で示されるポリシロキサン: (ここで,XおよびYはそれぞれ−OHであり,R1およびR3
    はそれぞれ独立して炭素数2〜10のアルキレン基,オキ
    シアルキレン基,アラルキレン基またはアリーレン基,R
    2はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基,アリ
    ール基またはアラルキル基であり,nは5〜300の整数で
    ある);および 第3級アミノ基を有するポリオールまたはポリアミンで
    あって,該ポリオールが,次の一般式(II),(III)
    または(IV)で示されるポリオール,ならびに一般式
    (II),(III)または(IV)のポリオールにエチレン
    オキシドまたはプロピレンオキシドが付加したポリオー
    ルからなる群から選択され,該ポリアミンが次の一般式
    (V)または(VI)で示される,ポリオールまたはポリ
    アミン: (ここで,R4,R6,R7およびR12はそれぞれ独立して水素原
    子または炭素数1〜5のアルキル基;R5,R10およびR11
    炭素数1〜20のアルキル基,シクロアルキル基,アリー
    ル基,アラルキル基,または (mは1〜5の整数を示す),R8,R9およびR13およびR14
    はそれぞれは炭素数1〜10のアルキル基,アリール基ま
    たはアラルキル基であり,ただし,R8およびR9,そしてR
    13およびR14は,それぞれ同一のアルキレン基であって
    窒素原子と共に異節環を形成し得る)を含む反応成分か
    ら得られる,ポリウレタンまたはポリウレタンウレアか
    らなる血液適合性に優れた気体透過性材料。
  2. 【請求項2】前記反応成分が,さらに低分子鎖延長剤ま
    たは高分子量ポリオールを含有する,特許請求の範囲第
    1項に記載の気体透過性材料。
  3. 【請求項3】ジイソシアネート; イソシアネート基と反応し得る水酸基を分子末端に有す
    る次の一般式(I)で示されるポリシロキサン: (ここで,XおよびYはそれぞれ−OHであり,R1およびR3
    はそれぞれ独立して炭素数2〜10のアルキレン基,オキ
    シアルキレン基,アラルキレン基またはアリーレン基,R
    2はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基,アリ
    ール基またはアラルキル基であり,nは5〜300の整数で
    ある);および 第3級アミノ基を有するポリオールまたはポリアミンで
    あって,該ポリオールが,次の一般式(II),(III)
    または(IV)で示されるポリオール,ならびに一般式
    (II),(III)または(IV)のポリオールにエチレン
    オキシドまたはプロピレンオキシドが付加したポリオー
    ルからなる群から選択され,該ポリアミンが次の一般式
    (V)または(VI)で示される,ポリオールまたはポリ
    アミン: (ここで,R4,R6,R7およびR12はそれぞれ独立して水素原
    子または炭素数1〜5のアルキル基;R5,R10およびR11
    炭素数1〜20のアルキル基,シクロアルキル基,アリー
    ル基,アラルキル基または (mは1〜5の整数を示す),R8,R9およびR13およびR14
    はそれぞれは炭素数1〜10のアルキル基,アリール基ま
    たはアラルキル基であり,ただし,R8およびR9,そしてR
    13およびR14は,それぞれ同一のアルキレン基であって
    窒素原子と共に異節環を形成し得る)を含む反応成分か
    ら得られるポリウレタンまたはポリウレタンウレアに含
    まれる第3級アミノ基を4級塩化し,これをヘパリン類
    で処理することにより得られる,血液適合性に優れた気
    体透過性材料。 【請求項3】前記反応成分が,さらに低分子鎖延長剤ま
    たは高分子量ポリオールを含有する,特許請求の範囲第
    3項に記載の気体透過性材料。
JP62290419A 1987-11-16 1987-11-16 血液適合性に優れた気体透過性材料 Expired - Lifetime JP2615698B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62290419A JP2615698B2 (ja) 1987-11-16 1987-11-16 血液適合性に優れた気体透過性材料
US07/607,748 US5128408A (en) 1987-11-16 1990-10-31 Gas-permeable material with excellent compatibility with blood

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62290419A JP2615698B2 (ja) 1987-11-16 1987-11-16 血液適合性に優れた気体透過性材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01131226A JPH01131226A (ja) 1989-05-24
JP2615698B2 true JP2615698B2 (ja) 1997-06-04

Family

ID=17755785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62290419A Expired - Lifetime JP2615698B2 (ja) 1987-11-16 1987-11-16 血液適合性に優れた気体透過性材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2615698B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69228957T2 (de) * 1991-01-16 1999-10-07 Toyo Boseki Blutverträgliches Material
PT103560B (pt) * 2006-09-04 2007-06-25 Inst Superior Tecnico Processo de fabrico e membranas hemocompatíveis de poliuretanas

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01131226A (ja) 1989-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5128408A (en) Gas-permeable material with excellent compatibility with blood
EP0068385B1 (en) Thermoplastic elastomers for medical use as moulded articles brought into direct contact with blood
EP0495478B1 (en) A material compatible with blood
JP4042162B2 (ja) 生体適合性ポリマー
JPH08196626A (ja) 血液適合性人工肺用膜
JP2615698B2 (ja) 血液適合性に優れた気体透過性材料
JP3239953B2 (ja) 血液適合性に優れた気体透過性材料
JP3079555B2 (ja) 血液適合性材料
JPH04248826A (ja) 血液適合性に優れた気体透過性材料
JPS6015335B2 (ja) 血液取扱い用具
JPH02115212A (ja) 血液適合性に優れた気体透過性材料
JP4143878B2 (ja) 抗血栓性ポリウレタン類、抗血栓性組成物および抗血栓性医療用具
JP3129469B2 (ja) 血液適合性に優れた人工肺用膜
JP3173615B2 (ja) 血液適合性材料
JP3601662B2 (ja) 抗血栓性の向上した血液浄化膜
JP3082870B2 (ja) 血液適合性人工肺用膜
JPH0155023B2 (ja)
JPH04250168A (ja) 血液適合性に優れた気体透過性材料の製造方法
JP2000308814A (ja) 抗血栓性の向上した血液浄化膜
JP4058676B2 (ja) 機能性ポリウレタンおよび/又はポリウレタンウレアおよびその製造方法
JPS58206753A (ja) 抗血液凝固性医療材料の製造法
JPH032549B2 (ja)
JPH04343852A (ja) 血液適合性材料
JPS6016260B2 (ja) 抗血液凝固性医療用材料の製造法
JPS6336263B2 (ja)