明 細 書 筆 記 具 技術分野
本発明は、 筆記具に係り、 詳しくはコイルバネにより前方に弾発されて内向き の先端縁に接触する回転体を内在するチップを、 固液分離するィンクと撹拌部材 とを収納するィンクタンクに先口ホルダ一を介して接続して、 使用時に回転体を コィルバネに抗して内向きの先端縁から離間後退させてィンクを筆記用紙面に吐 出転写する誤字修正用の塗布具や、 或いはボ一ルぺン等の筆記具に関する。 背景技術
従来から知られているこの種の筆記具は第 8 A図乃至第 8 B図に例示した様に、 コイルパネ 20により前方に弾発されて内向きの先端縁 21- 1に接触する回転体 22を 先端内部に内在するチップ 21を、 先口ホルダー 23によりインクタンク 24の先端に 接続して、 回転体 22をコイルバネ 20に抗してチップ 21の内向きの先端縁 21-1から 離間するように後退させることで、 インクタンク 24内から先口ホルダー 23内を通 つてチップ 21内に供給されてきた固液分離するインク 25が回転体 22の離間後退に より開口されたチップ 21の先端口から筆記用紙等に吐出転写させる様になつてい る (例えば実開平 5— 51480号、 或いは実開平 5— 58362号, 実開平 5— 76568 号, 実開平 6— 7984号, 実開平 6— 7985公報等において知られている) 。
因みに、 固液分離するインクは長時間静止状態で放置しておくと、 インクの固 形成分が沈降、 凝集してケーキを形成する性質を有するものである。 従って、 使 用した後に長時間放置する場合には先口ホルダー及びチップ内に残るインクがィ ンクタンクに早めに戻らないと、 インクの固形成分の沈降が始まり、 沈降した固 形成分が凝集してケーキを形成し、 コイルパネ、 そして回転体がケーキによりそ の動きが完全に止められてしまう虞れがある。 換言すれば、 チップの内向きの先 端縁と回転体からなる弁機構の開閉機能がケーキにより完全に失われ、 最終的に は使用不能となつて廃棄のやむなきに至る。
し力、し乍ら、 上記した従来の筆記具においては先口ホルダー 23からチップ 21に 通じるインクの流通断面積が狭く、 インク 25が通り難 L、流通構造である事から、 使用した後にペン先を上に向けた上向き状態で放置しておいても、 チップ 21及び 先口ホルダ 23内に残るインク 25はなかなかィンクタンク 24に戻り切らない。 その ために、 時間の経過に伴い固液分離して沈降を始めたインク 25の固形成分がチッ プ 21及び先口ホルダ 23内において凝集してケーキを形成する。 この様に、 インク タンクに固液分離するインクを収納してなる従来の筆記具においては上記した様 に固形成分の沈降、 凝集により形成されるケーキによる問題力多発し、 その改善 力望まれていた。
従って、 本発明は、 使用した後にペン先を上向き状態にすることで、 チップ及 び先口ホルダー内に残るインクが速かにィンクタンクに戻る様にした筆記具を提 供することを目的としている。
更に、 本発明は、 回転体を前方に弾発するコイルパネの組み込み力簡単で、 尚 且つ該コイルパネを回転体に対して常に一定の弾発力状態にて組み込みセットす ることができる様にした筆記具を提供することを目的としている。 発明の開示
本発明は、 コイルパネにより前方に弾発されて内向きの先端縁に接触する回転 体を内在するチップを、 固液分離するインクと撹拌部材とを収納するインクタン クに先口ホルダーを介して接続してなる筆記具に於いて、 先口ホルダーの内部に、 コィルノ ネを保持すると共にインクタンクと先口ホルダーとを連絡するインク流 通口を有する駒を配設し、該駒は先口ホルダーの内面に密接せしめた状態で内設 する前後を開口させた筒部と、 この筒部の前端開口縁から前方に向けて略円錐状 に漸次傾斜せしめた複数本の支持腕と、 この支持腕の前端に連設させて前方に向 けて同芯状に支持させた筒状のパネ受け部とから一体成形してなり、 前記バネ受 け部にコィルバネの後端側を挿入保持させて該コィルバネを回転体に向けて同軸 且つ弾発的に支持させると共に、 支持腕間において少なくともバネ受け部の後端 から筒部の前端開口縁に亘る開口面積を有するインク流通口からインクタンク内 のインクが先口ホルダー内に供給されるように構成したことを要旨とする。 この
ことによって、 使用した後に、 ペン先を上に向けた状態にすると、 チップ及び先 口ホルダ一内に残るインクは筒部とパネ受け部とを連設する支持腕間の該バネ受 け部の後端から筒部の前端開口縁に亘る開口面積にて大きく開口する駒のインク 流通口から速かにインクタンクに戻される。 し力、も、 コイルバネを駒のバネ受け 部に保持させた状態で尚且つチップの軸芯に対して芯合わせせしめた状態で該チ ップの先端内部に内在する回転体に向けて組み込み挿入することができることか ら、 その組み込み作業が簡便となる。
又、 本発明は、 上述した駒の筒部と各支持腕との連設内面に、 内方に向けて突 出させた凸部を設けると共に、 各凸部の突出内面を周方向に結ぶ内径を撹拌部材 の外径又は球径よりも一回り程小さく、 そして筒部の後端開口側の各凸部の突出 端面を周方向において平面的に位置させたことを要旨とする。 このことによって、 各支持腕と筒体との連設部の連設強度が図られる。 そして、 使用時に、 インク夕 ンク内にィンクと共に収納されている撹拌部材が自重でペン先側に移動してきた 場合には周方向において平面的に位置する各凸部の突出端面により受け止められ 。
更に、 本発明は、上述した駒の筒部の後端開口縁に、 外向きリング状に突出さ せた掛止鍔を設ける一方、 先口ホルダーのインク夕ンクとの接続口の内面には駒 を先口ホルダー内に挿入組み込む際、 前記掛止鍔が当接し、 駒の先口ホルダー内 への挿入量を規制する規制段部を設けたことを要旨とする。 このことによって、 パネ受け部にコイルバネを保持させた後に、 駒を先口ホルダーに、 該先口ホルダ 一のインクタンクとの接続口から揷入組み込むと、 筒部の掛止鍔が先口ホルダー の規制段部に当接することで、 先口ホルダー内に対する駒の組み込み挿入量力規 制される。 換言すれば、 コイルバネをチップの先端内部に内在されている回転体 に対して常に一定の弾発力状態にて当接させることができる。
更に、 本発明は、 上述した駒のバネ受け部に、 コイルパネの後端側を圧入又は ネジ込みにより挿入保持させたことを要旨とする。 このことによって、 コイルバ ネを駒のパネ受け部にしっかりと保持させることができる。 図面の簡単な説明
第 1 A図は、 本発明の筆記具の実施の一例を示した縦断面図であり、 第 1 B図 は、 第 1 A図の I B部分の拡大図であり、 第 1 C図は、 第 1 A図の I C部分の拡 大図であり、 第 2図は、 他の実施例を示した同拡大図であり、 第 3図は、 駒の斜 視図であり、 第 4図は、 第 1 A図の IV— IV線拡大横断面図であり、 第 5図は、 第 1 A図の V— V線拡大横断面図であり、 第 6図は、 先口ホルダーを省略して示す 第 1 A図の VI— VI線拡大横断面図であり、 第 7図は、 コイルパネを保持させた駒 を先口ホルダ一に組み込み挿入する状態を示した縦断面図であり、 第 8 A図は、 従来例を示した縦断面図であり、 第 8 B図は、 第 8 A図の VIII B部分の拡大図で ある。 発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説明するために、 添付の図面に基づいて説明する。
第 1 A図は本発明筆記具の実施の一例を示し、 インクタンク 1は合成樹脂材料 等からなるペンタイプ、 或いはボトルタイプの一体成型品であり、 内部には固液 分離するインク 2と、 棒状の撹拌部材 3が収納されており、 インクタンク 1を上 下、 左右に振る動作を行うことで撹拌部材 3により固液分離するインク 2力撹拌 されるようになつている。 そして、 このインクタンク 1の先端口 1 に先口ホル ダー 4がインク 2の漏れがないシールされた状態で接続され、 該先口ホルダ一 4 の先端には先端内部に回転体 5を内在するチップ 6が連通状に接続されている。 回転体 5は先口ホルダー 4に内設されている駒 7の後述するバネ受け部 7- 3 に保 持されて先口ホルダー 4からチップ 6内に亘り挿入セットされるコィルバネ 8に より前方に弾発されてチップ 6の内向きの先端縁 6-1 を接触し、 コイルパネ 8の 弾発力にてチップ 6の先端開口を閉弁する様になつている (第 1 B図の実線の状 態) 。 そして、 使用時に回転体 5を筆記用紙面に当てて該回転体 5をコイルパネ 8の弾発力に抗してチップ 6の内方に後退させて内向きの先端縁 6-1 から離脱さ せることで、 チップ 6の先端開口が開弁せしめてィンク 2が筆記用紙面に吐出転 写される様になつている (第 1 B図の二点鎖線の状態) 。
先口ホルダー 4は、 インクタンク 1と同じく合成樹脂材料等からなる一体成型 品であり、 全体が段付筒状で先端側を絞り込んだ略先細状を成し、 その先端にチ
ップ 6を圧入等の手段により一体的に接続すると共に、 成形時にネジが一体に施 された後端の接続口 4-1 をインクタンク 1の先端口卜1 にネジ込み接続するよう にしてなる。 そして、 接続口 4-1 の開口基端には駒 7の先口ホルダ一 4内への挿 入量を規制する規制段部 9を設けて、 駒 Ίを先口ホルダー 4内に挿入組み込む際、 この規制段部 9に後述する掛止鍔 10が当接するようにしてなる。
チップ 6は、 金属材料等からなる細管 (パイプ) であり、 先端開口縁を内向き に絞り込んで、 該内向きの先端縁 6-1 に同じく金属材料等からなる回転体 5がコ ィルノ ネ 8に弾発されて接触し、 当該先端開口が閉弁されるようになつている。 つまり、 インク 2が不要に吐出しないように内向きの先端縁 6-1 と回転体 5から なる弁機構を先端に構設備えてなる。
駒 7は、 合成樹脂材料等からなる一体成型品であり、 先口ホルダー 4の内面に 密接せしめた状態で内設する前後を開口させた筒部 7-1 と、 この筒部 7-1 の前端 開口縁 7-10から前方に向けて略円錐状に漸次傾斜せしめた複数本の支持腕 7- 2 と、 この支持腕 7- 2 の前端に連設させて前方に向けて同芯状に支持させた筒状のパネ 受け部 7- 3 とからなり、 バネ受け部 7- 3 にコイルパネ 8を圧入又はネジ込みによ り保持させた状態で筒部 7 - 1 を先口ホルダ一 4内に圧入装着することにより、 コ ィルバネ 8をチップ 6の軸芯に対して同芯状に芯合わせせしめた状態で該チップ 6内に遊嵌状に挿入内在させて回転体 5を該チップ 6の内向きの先端縁 6-1 に向 けて弾発支持するようになっている。
筒部 7-1 は、 外径が先口ホルダー 4の内径と略同径で且つ内径が棒状の撹拌部 材 3の外径よりも一回り程大きい適宜の長さの円筒筒状を成し、 その後端開口縁 に先口ホルダー 4の規制段部 9に当接掛止させる外向きリング状に突出させた掛 止鍔 10を設けて、 駒 7を先口ホルダー 4内に挿入組み込む際、 該先口ホルダ— 4 内に駒 7が必要以上に入り込まないようにその挿入量を規制するようにしてなる。 つまり、 先口ホルダー 4に対して常に一定の挿入位置状態にて駒 7を組み込み配 設し得るようにしてある。
又、 掛止鍔 10を設けた筒部 7-1 の端面には先口ホルダー 4のインクタンク 1に 対するネジ込み接続時に、 該インクタンク 1の先端口 1 - 1 端面に食い込むシール 部 11を全周に亘り設けて、 インクタンク ]と先口ホルダー 4との接続部からイン
ク 2が漏れがないようにシールされるようにしてなる。
支持腕 7- 2 は、 筒部 7-1 の前端開口縁 7- 10から、 該筒部 7-1 の壁厚に相当する 断面角形状にて前方に向けて略円錐状を成すように周方向数力所、 図では周方向 に等間隔をおいた 3力所から漸次傾斜状に延設せしめて、 その延設前端でバネ受 け部 7-3 の後端外周面を一体に連設支持することで、 該バネ受け部 7-3 の後端と 筒部 7-1 の前端開口縁 7- 10との間にインクタンク 1と先口ホルダー 4とを連絡す るィンク流通口 12を確保形成するようになっている。
而して、 インク流通口 12は筒部 7-1 の前端開口縁 7-10とパネ受け部 7-3 の後端 とを周方向等間隔にて一体に連設する 3力所の支持腕 7- 2 間において、 パネ受け 部 7-3 の後端から筒部 7-1 の前端開口縁 7- 10に亘る開口面積にて大きく開口する。 従って、 使用した後、 ペン先即ちチップ 6を上に向けた上向き状態で放置すると、 チップ 6内、 先口ホルダー 4内のインク 2は当該内部に停滞残留すること無く、 インク流通口 12から速かにインクタンク 1に戻る。
パネ受け部 7-3 は、 コイルパネ 8の後端側を挿入内在せしめた状態で保持する 役目を成すもので、 内径をコイルバネ 8の螺旋外径と略同径か、 それより一回り 程大きめに形成すると共に、 コイルパネ 8の後端側を適宜の長さ範囲で挿入し得 る深さを有する有底筒状に形成され、 閉鎖された後端側の外周面に向けて筒部 7-1 の前端開口縁 7- 10から漸次傾斜状に延設する各支持腕 7- 2 の端部に一体に連 設支持させて筒部 7-1 の前方に適宜の間隔をおいて同芯状に連設させてなる。 又、 パネ受け部 7- 3 の内部底側の内面にはコイルパネ 8の螺旋外径と同径か、 それより小さく内方に絞込んだ圧入部 13を周方向数力所に設けて (第 1 C図及び 第 6図参照) 、 コイルパネ 8の後端部 (後端の螺旋芯線を 2〜 3本程) を圧入保 持し得るようにしてなる。 つまり、 コイルパネ 8の後端側において、 バネ受け部 7-3 の圧入部 13に圧入保持された後端部を除く部分においてはパネ受け部 7- 3 内 に遊挿状態で挿入内在せしめて、 回転体 5を弾発するパネ作用を発揮し得るよう にしてなる。
又、 バネ受け部 7- 3 の開口内面形状をその近傍途中部位から同開口部に向けて 拡開せしめて、 コィルバネ 8の取り付け時においてコィルバネ 8の端部が開口部 に引っ掛かることなく、 拡開開口 14に案内されてパネ受け部 7- 3 内に遊挿されて
該バネ受け部 7-3 の内部底側にて圧入保持されるようにしてなる。
尚、 パネ受け部 7- 3 内に対するコイルパネ 8後端部の定着保持を、 第 2図に例 示したようにバネ受け部 7- 3 の内部底内面に雌ネジ 15を設けて、 ネジ込みにより 保持させるように形成するも良く、 適宜自由である。
又、 パネ受け部 7- 3 の内部底等に、 第 2図に例示したようにコイルバネ 8の螺 旋内径よりも小さい孔ゃ適宜の開口を有するスリット等の内部に通じる流通部 16 を開設して、 ペン先を上向きにした状態で放置した際、 使用時にパネ受け部 7-3 内に入り込んだィンク 2が当該内部に残ること無く、 インクタンク 1に戻るよう にしてなる。 詳しくは時間の経過と共に沈降力〈始まるインク 2の固形成分が当該 内部において凝集する前に流通部 16からインクタンク 1に戻るようにするも良く、 適宜自由である。
又、 駒 7の筒部 7-1 と各支持腕 7-2 との連設内面には内方 (筒部 7-1 の軸芯方 向) に向けて突出させた凸部 17を設けて、 筒部 7-1 と支持腕 7-2 との連設強度を 向上させてなる。 そして、 各凸部 17の突出内面 17- 1を周方向に結ぶ内径 rlを棒状 の撹拌部材 3の外径 r2 (第 4図参照) よりも一回り程小さく (rl < r2) 、 そして 筒部 7-1 の後端開口側の各凸部 17の突出端面 17-2が周方向において平面的に位置 するように突設せしめて、 使用時 (筆記時) にペン先を下向きにした際、 撹拌部 材 3が各凸部 17の突出端面 17-2に受け止められるようにしてある (第 1 A図の状 態) 。 この際、 上述した構成により撹拌部材 3と筒部 7-1 との間にはインク流通 空隙 18が確保され、 使用時にインクタンク 1内のインク 2力 駒 7のバネ受け部 7-3、 そしてコイルバネ 8が同芯状に内在している先口ホルダ一 4内へとインク 流通空隙 18、 インク流通口 12を通って速かに送り出されるようにしてなる。 つま り、 使用状態においてはインクタンク 1から先口ホルダー 4内にインク 2力継続 して供給されることから、 使用中にインク 2切れを起す心配がな L、。
従って、 以上の如く構成した本発明の筆記具によれば、 使用した後に、 ペン先 を上に向けた上向き状態で放置すると、 チップ 6内、 先口ホルダー 4内のインク 2は当該内部に停滞残留すること無く、 大きく開口するィンク流通口 12から速か にインクタンク 1に戻る。 従って、 チップ 6内、 先口ホルダー 4内、 特に先口ホ ルダー 4内でインク 2の固形成分が沈降、 凝集してケーキを形成することはない。
又、 コイルバネ 8を駒 7のバネ受け部 7-3 に圧入又はネジ込みによりしつかり と保持させた状態で尚且つ筒部 7-1 の先口ホルダー 4への組み込み挿入によりチ ップ 6の軸芯に対する芯合わせが確実に成された状態で該先口ホルダー 4内から チップ 6内へとコィルバネ 8を挿入内在されることができることから、 その組み 込みが簡便で、 効率良く行うことができ、生産性の向上を図り得る。
更には筒部 7-1 の掛止鍔 10が先口ホルダー 4の規制段部 9に当接することで、 先口ホルダー 4内に対する駒 7の組み込み挿入量力《規制される。 つまり、 駒 7を 常に先口ホルダー 4の定位置に組み込み内設することができる。 従って、 チップ 6の先端内部に内在されている回転体 5に対してコイルパネ 8を常に一定の弾発 力状態にて当接させることができることから、 品質の安定化を図り得る。 産業上の利用可能性
以上のように、 本発明に係る筆記具は、 使用した後に、 ペン先を上に向けた上 向き状態にすることで、 チップ内、 先口ホルダー内のインクが駒の大きく開口さ れたインク流通口から速かにインクタンクに戻されるようにしてなるから、 時間 の経過と共に固液分離するィンクの固形成分が沈降、 凝集してケーキが形成され ることにより起きていた問題が解決され、 チップの内向きの先端縁と回転体から なる弁機構の開閉機能を長期に亘り確実に且つ安定良く維持し得る。 従って、 固 液分離するインクをインクタンクに収納して、 チップの内向きの先端縁と回転体 からなる弁機構の開弁動作によりインクを筆記用紙面に吐出転写する構成の筆記 具に適している。 例えば、 誤字部分に修正液を塗布する等の誤字修正用の塗布具 等として有用である。