JP2004344872A - 弁付塗布具 - Google Patents
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Abstract
【構成】 少なくとも顔料と溶剤と界面活性剤とよりなる塗布液を内部に収容し、塗布液収容室となした軸筒の先端開口部に、弁機構を有する塗布先を形成した前軸を固着してなり、前記塗布液収容室と前軸内部の空間とが連通するとともに、前記塗布液収容室と前軸内部の間に貫通孔を有し、前記貫通孔の一部を
塗布液が自然落下で通過しない小孔部とした弁付塗布具において、前記塗布液の粘度は40〜250mPa・sであり、小孔部の断面積を0.13mm2〜3.80mm2とした弁付塗布具。
【選択図】 図1
Description
ところで、上記のような塗布液を用いる弁付塗布具は、その吐出量を調整し易くするため、一般に、塗布先弁部の開口量を微少とし、使用時において、本体を押圧する、或いは内部を加圧するなどの方法により塗布液を吐出させるという機構を採用している。
従って、塗布液中の不溶解物質が上記のように沈降すると、弁付塗布具から塗布液が出難くなったり、著しい場合には、出なくなったりするという問題が生じる。そこで、この種の塗布液を用いる弁付塗布具は、通常、塗布液収容室に金属製或いは金属粉を含む樹脂製のボール等の攪拌体を内蔵し、弁付塗布具を振って、沈降した不溶解物質を再分散してから使用するようになっている。
また、製品を製造してから消費者の手に届くまでの、未使用製品の輸送や店頭陳列時に、製品の塗布先側を下に向けて保管される事も多く、更に、消費者が使用後の場合においてもペン立てなどに製品の塗布先下向きに保管される場合もあり、これらの場合には、前軸や塗布先の内部空間に塗布液が進入し、時間経過と共に不溶解物質が沈降してしまう。
上記前軸内や塗布先内に沈降した不溶解物質は、少量であれば、本体への押圧や内部の加圧を大きくすることによって塗布先から吐出するので、その後は、通常通り使用できる。
しかし、前記不溶解物質が多量であったり、ハードケーキ層を形成してしまった場合、塗布液を吐出するには本体への押圧や内部加圧を大きく且つ長時間必要とし、更には、塗布液の吐出が不可能になる場合もある。
本発明は、少なくとも顔料と溶剤と界面活性剤とよりなる塗布液を内部に収容し、塗布液収容室となした軸筒の先端開口部に、弁機構を有する塗布先を形成した前軸を固着してなり、前記塗布液収容室と前軸内部の空間とが連通するとともに、前記塗布液収容室と前軸内部の間に貫通孔を有し、前記貫通孔の一部を、塗布液が自然落下で通過しない小孔部とした弁付塗布具において、前記塗布液の粘度は40〜250mPa・sであり、小孔部の断面積を0.13mm2〜3.80mm2とした弁付塗布具である。
更に、本発明は、少なくとも顔料と溶剤と界面活性剤とよりなる塗布液と、前記塗布液を撹拌する撹拌体を内部に収容し、塗布液収容室となした軸筒の先端開口部に、弁機構を有する塗布先を形成した前軸を固着してなり、前記塗布液収容室と前軸内部の空間とが連通するとともに、前記塗布液収容室と前軸内部の間に貫通孔を有し、前記貫通孔の一部を塗布液が自然落下で通過しない小孔部とした弁付塗布具において、前記小孔部の塗布液収容室側近傍に、小孔部への撹拌体の衝突を防止する凸部を設ける。この構成により、製品を使用する際の撹拌により、前記中筒小孔部への撹拌体が衝突が防止できる。従って、小孔部が破損したり、つぶれたりすることはなく、不溶解物質が前軸内や塗布先内へ進入し、塗布液の低下や、吐出不能なったり、塗布液の流出が阻害され、吐出不能になるといったことを防止できる優れたものである。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態を示す縦断面図であり、図2は図1の要部縦断面図である。参照符号1は軸筒であり、修正液、顔料系マーキングインキなどの塗布液収容室2を内部に備えている有底の軸筒である。
この軸筒1は、側面を押圧して塗布液を吐出できるように、熱可塑性樹脂などの可撓性材料よりなっている。ここで使用する熱可塑性樹脂材としては、容器の押し易さを考慮し、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6 66、ナイロン11 12などの各種ナイロンや、ナイロンにオレフィン系のエラストマーを添加したナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどが挙げられる。また、前記低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、各種ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンのリサイクル材料を用いてもよく、材料は、その用途に応じて使い分けできる。その他、塗布液の種類によって、耐溶剤性などを考慮し、熱可塑性樹脂材を適宜選定することもできる。また、可撓性を有する軸筒1を形成する成形方法としては、ダイレクトブロー成形や多層ブロー、インジェクションブロー成形及び、射出成形などが挙げられる。
なお、本実施例では容器として、可撓性を有する容器を使用したが、これに限らず、従来知られている加圧ポンプ機構を軸筒1に取り付け、塗布液収容室2を加圧できるようにした、可撓性を有さない硬質容器であっても良く、その材質としては、高密度ポリエチレンやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリオキシメチレンなどや、前述材質のリサイクル材など、また金属などの剛性材料を用いることもできる。
上記軸筒1の開口部には、内部に空間4を有する前軸5が螺合、接着、圧入などの適宜手段で固着されている。
更に、この前軸5の先端には、塗布液を吐出させる塗布先部が形成されている。この塗布先部は、先端孔6a後端内方に弁座部6bを形成した管状先体6と、前記先端孔より塗布部7aを突出させ、前記弁座部6bに弁部7bを圧接するよう前方へ、コイルバネよりなる弾撥体8により付勢された弁体7とより形成されている。前記管状先体6は、細い塗布跡を得たい場合には、細い径の管を使用する方が有利である。但し、管状先体6を前軸5と同じ材質で形成することも可能であり、よって、管状先体6を前軸5と一体に形成することも可能である。
前記座部6bと弁部7bとは、弁体7が前方に付勢されて圧接する事によって閉弁し、使用時には弁体7の塗布部7aを被塗布物に押し付けたとき、弁体7が後退し圧接が解除される事によって開弁する弁機構を形成している。
尚、前記弁機構としては、弁体が球形で、管状先体先端内方の弁座部に弾撥体により付勢され、ボールの後方移動を阻止するボール受け座を有するものや、前記受け座のない、ボールペン型の弁機構を形成したものを用いることもできる。
また、貫通孔9aは中軸9中央部の軸心方向に直管状で形成されており、この貫通孔9aによって、前記塗布液収容室2と塗布先部とが連通している。中軸9を形成する材料は、塗布液によって亀裂や膨潤などといった、変形を起こさない材質であれば、特に限定されるものではない。
また、この中軸9の貫通孔9aの塗布液収容室2側には、製品形態(密閉系)で塗布液が自然落下で通過しない様、径を絞り込んだ小孔部9bが形成されている。この、塗布液が自然落下で通過しない小孔部9bは、塗布先部を下向き方向としたとき、常圧では塗布液が進入できない程度の孔径から、塗布液が小孔部9bの毛細管力によって貫通孔内に保持され、孔内の塗布液が、下方からの空気の進入を防止する程度の孔径までを示す。最適な孔径から算出される断面積については以降の実施例に記載し説明する。小孔部9bの横断面形状は、塗布液が自然落下で通過しないという条件を満足すれば良く、円形であっても、方形や楕円、多角形や、溝などを形成した異形形状であっても良く、特に限定されない。尚、小孔部9bは、不溶解物質の沈降により粘度が高くなった一部の塗布液をスムーズに通過させるため、その長さについては短いほど良く、具体的には0.1〜3.0mm程度にすると良い。
また、弁付塗布具の各部品の材質は、それぞれ次の通りである。軸筒:ナイロン6、攪拌体:炭素鋼、前軸:ポリブチレンテレフタレート、管状先体:ステンレス、弁体:ステンレス、弾撥体:ステンレス、中軸:ポリブチレンテレフタレート。
内蔵する塗布液の粘度を40mPa・sとし、小孔部の断面積を0.16mm2(φ0.45mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例2
内蔵する塗布液の粘度を40mPa・sとし、小孔部の断面積を3.14mm2(φ2.00mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例3
内蔵する塗布液の粘度を50mPa・sとし、小孔部の断面積を0.13mm2(φ0.40mm)とした弁付塗布具を製造した。この時の塗布液の粘度は、B型粘度計((株)東京計器製造所社製)にて、25℃の環境下で測定した。
実施例4
内蔵する塗布液の粘度を50mPa・sとし、小孔部の断面積を0.16mm2(φ0.45mm)とした弁付塗布具を製造した。この時の塗布液の粘度は、B型粘度計((株)東京計器製造所社製)にて、25℃の環境下で測定した。
実施例5
内蔵する塗布液の粘度を50mPa・sとし、小孔部の断面積を3.14mm2(φ2.00mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例6
内蔵する塗布液の粘度を50mPa・sとし、小孔部の断面積を3.80mm2(φ2.20mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例7
内蔵する塗布液の粘度を200mPa・sとし、小孔部の断面積を0.13mm2(φ0.45mm)とした弁付塗布具を製造した。この時の塗布液の粘度は、B型粘度計((株)東京計器製造所社製)にて、25℃の環境下で測定した。
実施例8
内蔵する塗布液の粘度を200mPa・sとし、小孔部の断面積を0.16mm2(φ0.45mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例9
内蔵する塗布液の粘度を200mPa・sとし、小孔部の断面積を3.14mm2(φ2.00mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例10
内蔵する塗布液の粘度を200mPa・sとし、小孔部の断面積を3.80mm2(φ2.20mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例11
内蔵する塗布液の粘度を250mPa・sとし、小孔部の断面積を0.16mm2(φ0.45mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例12
内蔵する塗布液の粘度を250mPa・sとし、小孔部の断面積を3.14mm2(φ2.00mm)とした弁付塗布具を製造した。
内蔵する塗布液の粘度を30mPa・sとし、小孔部の断面積を0.16mm2(φ0.45mm)とした弁付塗布具を製造した。
比較例2
内蔵する塗布液の粘度を50mPa・sとし、小孔部の断面積を0.07mm2(φ0.30mm)とした弁付塗布具を製造した。
比較例3
内蔵する塗布液の粘度を50mPa・sとし、小孔部の断面積を9.62mm2(φ2.50mm)とした弁付塗布具を製造した。
比較例4
内蔵する塗布液の粘度を200mPa・sとし、小孔部の断面積を4.91mm2(φ2.50mm)とした弁付塗布具を製造した。
比較例5
内蔵する塗布液の粘度を300mPa・sとし、小孔部の断面積を0.16mm2(φ0.45mm)とした弁付塗布具を製造した。
比較例6
内蔵する塗布液の粘度を300mPa・sとし、小孔部の断面積を3.14mm2(φ2.00mm)とした弁付塗布具を製造した。
実施例、比較例各々の弁付塗布具を下向きにし、塗布液が自重落下で小孔部を通過し、貫通孔へ達しているかどうかを確認した。また、容器内圧を容器押圧によりそれぞれ5、15kPaまで加圧し、前記と同様に、塗布液の通過有無を確認した。
更に、この前軸51の先端には、塗布液を吐出させる塗布先部が形成されている。この塗布先部は、先端孔61a後端内方に弁座部61bを形成した管状先体61と、前記先端孔より塗布部71aを突出させ、前記弁座部61bに弁部71bを圧接するよう前方へ、コイルバネよりなる弾撥体81により付勢された弁体71とより形成されている。この弾撥体81は前軸51の塗布液収容室側鍔部51dにより係止させている。
また、この前軸51の塗布液収容室鍔部51dは、製品形態(密閉系)で塗布液が自然落下で通過しない様、径を絞り込んだ小孔部51cとして構成されている。この、塗布液が自然落下で通過しない小孔部51cは、塗布先部を下向き方向としたとき、常圧では塗布液が進入できない程度の孔径から、塗布液が小孔部51cの毛細管力によって貫通孔内に保持され、孔内の塗布液が、下方からの空気の進入を防止する程度の孔径までを示す。小孔部51cの横断面形状は、塗布液が自然落下で通過しないという条件を満足すれば良く、円形であっても、異形であっても良く、特に限定されない。
尚、前記弁機構としては、図5に示すように、弁体72が球形で、管状先体61の先端内方の弁座部61bに弾撥体81により付勢されるボールペン型の弁機構(符号72のボール)を形成したものを用いることもできる。小径部51cなど、その他の構成は図1〜図4に示した実施形態と同様である。
前記第1の実施形態における塗布具について図1〜図5を参照して説明したとおり、中軸9の貫通孔9aの塗布液収容室2の側には、製品形態(密閉系)で塗布液が自然落下で通過しない様、径を絞り込んだ小孔部9bが形成されている。この、塗布液が自然落下で通過しない小孔部9bは、塗布先部を下向き方向としたとき、常圧では塗布液が進入できない程度の孔径から、塗布液が小孔部9bの毛細管力によって貫通孔内に保持され、孔内の塗布液が、下方からの空気の進入を防止する程度の孔径までを示す。具体的には、塗布液の粘度が40〜250mPa・sならば、最適な孔径から算出される断面積は0.13mm2(φ0.40mm)〜3.80mm2(φ2.20mm)である。尚、塗布液の粘度が40mPa・sより低い場合、また、250mPa・sより高い場合には、それぞれ適した孔径、断面積にすると良い。
図6に示す本発明の第2の実施形態において、小孔部9bの横断面形状は、塗布液が自然落下で通過しないという条件を満足すれば良く、円形であっても、方形や楕円、多角形や、溝などを形成した異形形状であっても良く、特に限定されない。尚、小孔部9bは、不溶解物質の沈降により粘度が高くなった一部の塗布液をスムーズに通過させるため、その長さについては短いほど良く、具体的には0.1mm〜3.0mm程度にすると良い。
そして、中軸9小孔部9bの外周近傍には、塗布液収容室側に向けた凸型の環状リブ9gを設けている。この凸型の環状リブ9gは塗布液収容室2内の撹拌体3が、小孔部9bへ直接衝突することを防ぐものであり、撹拌体3が斜めに移動してきたときにも、小孔部9bへ到達しない高さと内接円径に設定する必要がある。尚、環状リブ9gの高さは、前述の撹拌体3が小孔部9bに到達せず、且つ、塗布液の分離により沈降する不溶解物質が多く溜まらないよう、最小限の高さに設定するべきである。
その他の構成は前記第1の実施形態の実質的に同様であるので図6において参照符号のみを付すに止め、詳細な説明を省略する。
図7は第3実施形態を示す要部縦断面図である。第3実施形態において、中軸91小孔部91b外周近傍に設けた凸型の環状リブを、中軸91外周部91hに塗布液収容室側に向けた凸型の環状リブ91gとした以外は、第2の実施形態と同様である。この凸型の環状リブ91gは、塗布液収容室21内の撹拌体31が小孔部91bへ直接衝突することを防ぐものであり、撹拌体31が斜めに移動してきたときにも、小孔部91bへ到達しない高さに設定する必要がある。尚、環状リブ91gの高さは、前述の撹拌体31が小孔部91bに到達せず、且つ、塗布液の分離により沈降する不溶解物質が多く溜まらないよう、最小限の高さに設定するべきである。
本実施形態の弁付塗布具は、中軸91の外周部91hに、塗布液収容室側に向けた凸型の環状リブ91gを設けているので、前述の沈降物を再分散させる為の撹拌動作による撹拌体31が塗布液収容室21内で移動する際、撹拌体31は環状リブ91gに先に衝突するので、中軸91の小孔部91bに撹拌体31が衝突することを防止できる。従って、撹拌体31の衝突により、小孔部91bが破損したり、つぶれたりすることはなく、不溶解物質が前軸5内や塗布先内へ進入し、塗布液の低下や、吐出不能なったり、塗布液の流出が阻害され、吐出不能になるといったことを防止できる。尚、図中符号91aは貫通孔、91cは全周リブ、91eは細径部、91fは先端面である。
図8は第4実施形態を示す要部縦断面図である。第4実施形態は第2実施形態において、中軸92の小孔部92bの外周近傍に、塗布液収容室側に向けた凸型の独立したリブ92gを4本設けた以外は、前記の第2実施形態と同様である。この凸型のリブ92gは塗布液収容室22内の撹拌体32が、小孔部92bへ直接衝突することを防ぐものであり、撹拌体32が斜めに移動してきたときにも、小孔部92bへ到達しない高さに設定する必要がある。
本実施例の弁付塗布具は、中筒91外周部91hに、塗布液収容室側に向けた凸型の4本のリブ92gを設けているので、前述の沈降物を再分散させる為の撹拌動作による撹拌体32が塗布液収容室22内で移動する際、撹拌体32はリブ92gに先に衝突するので、中筒92小孔部92bに撹拌体32が衝突することを防止できる。従って、撹拌体32の衝突により小孔部92bが破損したり、つぶれたりすることはなく、不溶解物質が前軸5内や塗布先内へ進入し、塗布液の低下や、吐出不能なったり、塗布液の流出が阻害され、吐出不能になるといったことを防止できる。更に、独立した凸型のリブ92gにしてあるので、小孔部92bの近傍に溜まる少量の不溶解物質は、リブの隙間より外側に流れるので、撹拌できない不溶解物質は少なくなる。図中、符号92aは貫通孔、92cは全周リブである。
図9は第5実施形態を示す要部縦断面図である。前記第3実施形態と同様な構成であるが、本実施例形態は前軸10と中筒を一体成形しており、その中軸部93に小孔部93bを形成し、その小孔部93b外周近傍に、塗布液収容室側に向けた凸型の独立したリブ93gを4本設けている。前記例のように、この凸型のリブ93gは塗布液収容室22内の撹拌体32が、小孔部93bへ直接衝突することを防ぐものであり、撹拌体32が斜めに移動してきたときにも、小孔部93bへ到達しない高さと内接円径に設定する必要がある。又、中軸部93の内面には、4本のリブ93hが放射状に形成されている。
本実施例の弁付塗布具は、中軸部を前軸に一体成形している為、部品の費用が削減できるばかりでなく、組み立て工数も削減することができ、安価な製品を提供することができるようになる。又、中軸部93の内面にリブ93hを設けることによって、塗布液中の沈降物を再分散させる為の撹拌動作による撹拌体33が塗布液収容室23内で移動する際、撹拌体33はリブ93hに先に衝突するので、前軸10中軸部93の小孔部93bに撹拌体33が衝突することを防止できる。従って、撹拌体33の衝突により、小孔部93bが破損したり、つぶれたりすることはなく、不溶解物質が前軸10内や塗布先内へ進入し、塗布液の低下や、吐出不能なったり、塗布液の流出が阻害され、吐出不能になるといったことを防止できる。更に、独立した凸型のリブ93hにしてあるので、小孔部93b近傍に溜まる少量の不溶解物質は、リブの隙間より外側に流れるので、撹拌できない不溶解物質は少なくなるという効果が得られる。
図10は第6実施形態を示す要部縦断面図である。前記第5実施形態と同様な構成であるが、本実施形態の塗布先部は、ボールペン状となっている。即ち、管状先体61の内面先端にはボール12が回転自在に配置されている。このボール12は、弾撥部材81によって前方に付勢されており、前記管状先体61の内面開口部61aに押し付けられているが、筆記圧によって後退し、内面開口部61aが開放するようになっている。
本実施例の弁付塗布具は、筆記部がボールとなっている為、文字や線を筆記する際に好適な塗布具と言える。
図11は第7の実施形態を示す要部縦断面図である。中軸14を前軸54と軸筒1とで挟着すると共に、前方の弁体71を後方より付勢する弾撥体81を受けており、その中軸14に本発明の中筒94を挿着した例である。勿論、その中筒94には、小孔部94bが形成されており、その小孔部94bの外周近傍に塗布液収容室側に向けた凸型の独立したリブ94gを4本設けている。尚、本実施例においては、前軸5の前方に嵌合先体が一体に形成されており(管状先体部5a)、生産性の向上と、製品の低価格化が図られている。
本実施例の弁付塗布具は、中筒94を中軸14に設けることによって、塗布先部を下にして保管した場合、塗布液収容室24内の塗布液は、中筒94の小孔部94bによって前軸54内には移動しない。従って、塗布液収容室24内の塗布液中の顔料などの不溶解物質が分離、沈降しても、その沈降物は、中筒94の小孔部94bの塗布液収容室24側で停止し、前軸54内や空間44には入らない。そして、前記中筒94の小孔部94bの塗布液収容室24側で停止した沈降物は、攪拌体34によって再分散されるので、塗布液の吐出低下や、吐出不能の原因とはならない。また、中筒94の小孔部94bの外周近傍には、塗布液収容室側に向けた凸型の環状リブ94gを設けているので、前述の沈降物を再分散させる為の撹拌動作による撹拌体34が塗布液収容室24内で移動する際、撹拌体34は4本のリブ94gに先に衝突するので、中筒94小孔部94bに撹拌体34が衝突することを防止できる。従って、小孔部94bは塗布液をスムーズに通過させる為、薄肉になっており、撹拌体34の衝突により小孔部94bが破損したり、つぶれたりすることはなく、不溶解物質が前軸内や塗布先内へ進入し、塗布液の低下や、吐出不能になったり、塗布液の流出が阻害され、吐出不能になるといったことを防止できると言う効果が得られる。
図12は本発明の第8の実施形態を示している。この実施形態の場合、前記第7の実施形態と同様に、中軸14と中筒94を一体成形しても良く、より安価な製品を提供することができるようになる。図中95bは小孔部を、また、95gはリブをそれぞれ示している。
図13は第9の実施形態を示す要部縦断面図である。中筒94と前軸54との間に形成される空間44に攪拌リング15を移動自在に配置した例である。具体的に説明すると、前記攪拌リング15は、中筒94に囲繞するように配置されている。即ち、この塗布具を上下に振ることによって、攪拌リング15も上下に移動し、これによって、空間44内の液体も攪拌されるのである。
図14に示す例は、前記第9の実施形態における攪拌リング15を球体16とした例であって、空間44内を自由に移動することができ、前例に比し攪拌効果が向上したものとなっている。
図15および図16は、第11実施形態を示す要部縦断面図である。本実施例は第4施形態と同様な構成であるが、前軸56内部の鍔部56bは、断面形状で放射状で軸心方向の縦リブで形成されており、中軸96の大径部前面の鍔部96dが当接し、中軸96を前軸56に位置決め、固定できるようにしている。
本実施例の弁付塗布具は、前軸の肉厚を薄くすることができ、ヒケなどによる寸法のばらつきを極力抑えることができる。
図17に示す例は、中軸96の位置決め、固定をする鍔部97を中軸96の後端部に設け、前軸54の後端面に当てて係止させる方法であり、前例と同様の効果が期待できる。
2、21、22 塗布液収容室
3、31、32、33 攪拌体
4、41、44 空間
5、51、54、56 前軸
6、61 管状先体
7、71、72 弁体
8、81 弾撥体
9、91、92、93、96 中軸
9b 小径部
12 ボール
14 中軸
15 攪拌リング
16 球体
94 中筒
Claims (6)
- 少なくとも顔料と溶剤と界面活性剤とよりなる塗布液を内部に収容し、塗布液収容室となした軸筒の先端開口部に、弁機構を有する塗布先を形成した前軸を固着してなり、前記塗布液収容室と前軸内部の空間とが連通するとともに、前記塗布液収容室と前軸内部の間に貫通孔を有し、前記貫通孔の一部を
塗布液が自然落下で通過しない小孔部とした弁付塗布具において、前記塗布液の粘度は40〜250mPa・sであり、小孔部の断面積を0.13mm2〜3.80mm2としたことを特徴とする弁付塗布具。 - 塗布液収容室と前軸内部の間に、貫通孔及び小孔部を有する中軸を、別部材として取り付けたことを特徴とする請求項1記載の弁付塗布具。
- 塗布液を収容した塗布液収容室内の圧力が15kPa以上の時に、塗布液の吐出が可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の弁付塗布具。
- 中軸の後部側面に全周リブ及び/または溝を設け、前軸後部内部側面には前記中軸の全周リブが嵌り込む全周溝及び/またはリブを設け、前軸内部に中軸を係止させたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の弁付塗布具。
- 中軸の縦断面形状が軸心方向に貫通孔を有する凸型であり、細径部先端を塗布先側に向けて取り付けており、前記凸型細径部先端が前軸内部先端まで到達していると共に、前記小孔部を貫通孔の後端近傍に形成したことを特徴とする請求項2乃至請求項4記載の弁付塗布具。
- 少なくとも顔料と溶剤と界面活性剤とよりなる塗布液と、前記塗布液を撹拌する撹拌体を内部に収容し、塗布液収容室となした軸筒の先端開口部に、弁機構を有する塗布先を形成した前軸を固着してなり、前記塗布液収容室と前軸内部の空間とが連通するとともに、前記塗布液収容室と前軸内部の間に貫通孔を有し、前記貫通孔の一部を塗布液が自然落下で通過しない小孔部とした弁付塗布具において、前記小孔部の塗布液収容室側近傍に、小孔部への撹拌体の衝突を防止する凸部を設けたことを特徴とする弁付塗布具。
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-
2003
- 2003-09-26 JP JP2003335187A patent/JP2004344872A/ja active Pending
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