WO1997024026A1 - Procede d'obtention par recombinaison de plantes insensibles a la temperature - Google Patents

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Description

明細書
耐温度性植物の作出方法 技術分野
本発明は新規な性質を付与された植物の作出方法に閬し、 さらに詳しくは、 環 境ス卜レスに強い耐温度性植物の作出方法に関する 背景技術
多くの生物は苛酷な環境ストレス力1ら自己を保護するために細胞質中に適合溶 質( c omp a t i b 1 e s o l u t e ) と呼ばれる特別な化合物を合成して 蓄積することによって適応している。 このような機構で生物が適応するとされて いる環境ストレスには塩 ( lm off et al., FE S Microbiol Rev 39:57-66. 1986 ; Mackay et aし, J. Gen Microbiol 130:2177-2191, 1984; Rhodes and Hanson, Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol 44:357-384, 1993) 、 脱水(Yancy e t al., Science 217:1214-1222, 1982) および低温 (Ko et ah, J Bacteriol I 76:426-431, 1994〉 が含まれる。
このような適合溶質のうち、 グリシンべタイン (以下においてべタインと記載 する) は高等植物(Robinson and Jones, Aust J Plant Physiol 13:659-668, 1 986) 、 細菌 ( Csonka, Microbiol Rev 53: 12卜 147, 1989) や動物(Garcia-Pere z and Bur Physiol Rev 71:1081-1115, 1991; Lever et al. , Biochim Biophy s Acta 1200:259-264, 1994) に広く分布している。 ベタインは図 1に示すように、 分子中に正電荷と負電荷とをもつ両極性化合物である (Rhodes and Hanson, Ann u Rev Plant Physiol Plant Mol Biol 44:357-384, 1993) 。 ベタインの生理学的 機能が長年議論されてきており、 ベタインが環境との浸透圧バランスを取ること によって細胞を保護すること (Robinson and Jones, Aust J Plant Physiol 13: 659-668. 1986) 、 およびべタインがタンパク質の高次構造を安定化すること (B ernard et al. , Acad Sci 111. 307:99-104, 1988: Papa&eor&iou and Murata, Photosynt Res 44:243-252, 1995) が示咬されている。 しかしながら、 塩ストレ スゃ脱水ストレス時に細胞中で合成されるのはべタインだけではない, したがつ て、 これらのストレスから細胞を保護するのはべタインの直接的効果であると断 定できていなかった。
大腸菌やホウレンソゥ ( S p i n a c i a o 1 e r a c e a ) では、 図 1に 示すように 2段階の酸化を経てコリンからベタインが生合成される。 一方、 グラ ム陽性の土壌菌であるァルスロパクター ·グロビフオルムス (Ar t h roba c t e r g l o b i f o rm i s )から得られるコリンォキシダーゼは、 1段 階の酸化反応でコリンをべタインに酸化することができる ( Ikuta, S. et ai., J. Biochem. 82:1741-1749, 1977)
ベタインの直接効果を研究するために、 本発明者はコリンからべタインへの酸 化を触媒する新規コリンォキシダ一ゼをコードする c odA遣伝子を単離し [日 本植物生理学会 1994年度年会、 第 34回シンポジウム ( 1 994年 3月 28 日〜 30日) ] 、 これをラン藻であるシネココッカス ( Syne c hoc oc c u s ) PCC 7942の細胞およびアブラナ科の植物に組み込み、 耐塩性および Zまたは耐;?曼透圧性の植物体を得ることに成功した (特願平 7— 106 S 19号〉 。 したがってべタインは生物を塩ストレスから保護する作用のあることが確認され た。
しかしながら、 現在までにべタインが植物や細菌において耐温度性を付与する との報告は得られていない。
本発明の目的は、 遣伝子組み換えの手法によって高温や低温などの環境変化に 対して耐性のある植物体を作出することにある。 発明の開示
本発明者は、 上記課題を解決するために鋭意研究した結果、 コリンォキシダ一 ゼをコードする遺伝子をラン藻、 アブラナ科の植物およびイネ科の植物に組み込 み発現させることによって、 耐温度性の植物体を得ることに成功した。
すなわち、 本発明はコリン才キシダーゼをコードする遣伝子を含有する組換え べクターで植物を形質転換することからなる耐温度性植物の作出方法を提供する。 さらに、 本発明はこのようにして作出される耐温度性植物又はこれと同じ性質 を有するその子孫を提供する。 面の簡 な説明
図 1 :コリンからベタインへの酸化過程を示す模式図である。
図 2 : Aは、 シネココ'、 /カス PC C 7942の形質転換に用いた構築物を示す 模式図である。 P AMは p AM 1044で形質転換したシネココッカス P C C 7 942であり、 PAMCODは c o dA遺伝子をもつ P AM 1044で形質転換 したシネココッカス PAMCODである。 点線矢印は PC Rに用いたァライマー を示す, 三角は c o nilプロモーターを示す。 矢印は遣伝子の方向性を示す。
Bは、 シネココッカス PC C 7942の DNAで染色体がスぺクチノマイシン 耐性遣伝子と c o d A遭伝子で完全に置換されたことを示す SDS— PAGEの 図 (電気泳動の写真) である。 レーン a :人一 H i ndlll/ x l 74 -Hae 111断片; レーン b: シネココッカス PCC 7942の野生型株;レーン c : PA M株; レーン dおよび e : PAMCOD株(レーン b、 cおよび dはプライマー 1および 2を用いた PCRの結果を、 レーン eはプライマー 1および 3を用いた 結果を示す) 。
図 3 :シネココッカス PCC 7942の PAM株および PAMCOD株におけ るコリンォキシダ一ゼの発現を示すゥヱスタンブロット分析の図 (電気泳動の写 真) である。 レーン a : PAMCOD株からのタンパク質抽出物; レーン b : P AM株からのタンパク質抽出物:レーン c :精製コリンォキシダーゼ
図 4 : 1 mM塩化コリン補充 B G 1 1培地の寒天プレート上で、 各種温度で 1 0日間生育させたシネココッカス PC C 7942の増殖を示す結果 (生物の形態 を示す写真) である。 番号 1および 4 : PAM株;番号 2および 3 : PAMCO D株を示す。
図 5 : 1 mM塩化コリン補充 BG 1 1培地中で、 光照、射下における、 シネココ ッカス PCC 7942の PAM (〇)株および PAMCOD (·) 株の増殖を示 す。 Aは 42° (:、 Bは 2 CTCで培養した結果である。
図 6 :シネココ ' '/カス PCC 7942の PAM (Q)株および PAMCOD ( · ) 株を低温で培養したときの光合成酸素発生量を示す。 Aは 1 mM NaH C〇 存在下で、 Bは 1. 4一ベンゾキノンと 1 m M KaF e (CN) 存在下で 測定した結果である。
図 7 : c o dA遣伝子の制限酵素マップを示す模式図である。
図 S :ァラビドプシスの形質転換に用いたバイ十リーベクタープラスミド P G AH/c o d Aの構造を示す模式図である。
図 9 :ァラビドプシスの野生型および形質転換植物の可溶性画分のコリンォキ シダーゼのゥヱスタンプロット分析を示す(電気泳動の写真) 。 レーン 1 :市販 のァルスロバクタ一 -グロビフオルムス ( S i gma Chem i c a l C o. St. Lou i s, MO, USA) 由来のコリンォキシダーゼ;レーン 2 :野生 型植物の可溶性画分:レーン 3 :形質転換植物の可溶性画分。
図 1 0 :ァラビドアシスの野生型および形質転換植物の葉における光化学系 II に及ぼす低温の影響を示す。 (〇) :野生型植物; (會) :形質転換植物。
図 1 1 :ァラビドプシスの野生型および形質転換植物の葉における、 低温によ る光合成の阻害( A)ならびに低温による光合成の阻害からの回復(B ) を示す。 (〇) :野生型植物; (秦) :形質転換植物。
図 1 2 :ァラビドプシスの野生型および形質転換植物の葉の凍結耐性試験の結 果を示す。 (秦) :野生型植物; (〇) :形質転換植物。
図 1 3 :ァラビドプシスの野生型および形質転換植物の種子発芽の吸水段階に おける低温の影響を示す(生物の形態を示す写真) 。 Aは吸水段階で ί氏温処理を 行わずに発芽させた種子を、 また Βは吸水段階で低温処理を行った後に発芽させ た種子を示す。 Α、 Βいずれも左側の Wは野生型植物の種子を、 右側の Τは形質 転換植物の種子で得られた結果を示す。
図 1 4 :イネの形質転換に用いた 2種類のキメラ c odA遗伝子: 35 S I N TPc odAおよび 35 S I Nc o d Aの構造を示す。
図 1 5 :イネの野生型、 c o dA遣伝子を発現していない形質転換体( A〉 、 および c o d A遣伝子を発現している形質転換体( B) のべタイン蓄積を示す N MRのチャートである。 図中、 GBはべタインに、 Chはコリンに相当するピー クを表す。
図 1 G : シネココツカス PC C 7942に c o d A遗伝子を導入した場合の光 化学系 11が行う電子伝達に対する効果を、 最大活性時を 1∞%とした相対値で示す (〇) : PAM細胞光照射時、 ( 〉 : PAMCOD細胞光照射時、 (二) : P AM細胞暗時、 (讕) : PAMCOD細胞暗時:
図 17 : シネココッカス PCC 7942に c o d A遣伝子を導入した場合の、 低温光阻害からの光化学系 IIが行う電子伝達の回復を示す。 (〇) : P AM細胞 光照射時、 (秦) : P A M C〇 D細胞光照射時。
図 1 S : シネココツカス PCC 7942に c o d A遣伝子を導入した場合の、 暗条件の低温処理が酸素の光合成による発生に及ぼす効果を示す。 (〇) : PA M細胞光照射時、 (拿) : PAMCOD細胞光照射時、、
図 1 9 : シネココッカス PC C 7942に c o d A遣伝子を導入した場合の、 低温処理がもたらす脂質相転移の効果を示す。 (〇) : PAM細胞光照射時、 (·) : PAMCOD細胞光照射時。
図 20 : シネココッカス PCC 7942に c o d A遺伝子を導入した場合の、 可溶性画分と膜画分のタンパク質の変化を示す電気泳動の図である。
レーン 1 ; コリン才キシダーゼ、 2 ; P AM細胞の原形質膜、 3 : PAMCOD 細胞の原形質膜、 4 ; P AM細胞のチラコィド膜、 5 ; PAMCOD細胞のチラ コィド膜、 6 ; P AM細胞の可溶性画分、 Ί ; PAMCOD細胞の可溶性画分。 —はコリンォキシダーゼを示す。 発 B月を実施するための 良の形態.
本発明において、 耐温度性とは、 形質転換を行っていない植物が通常生育可能な 温度よりも高温あるいは低温において、 形質転換した植物が生育可能な性質をい う
本発明において使用するコリンォキシダーゼをコ一ドする遣伝子はコリンをべ タインに 1段階反応で変換しうる機能をもつタンパク質をコードする遭伝子であ り、 グラム陽性の土壌菌ァルスロパクター属由来のものを使用できる。 洌えば、 ァルスロバクタ一 ·グロビフォ;レムス (Ar t h robac t e r g l ob i f o r m i s )ゃァルスロバクタ一 ·パセンス ( p a s c e n s ) 由来のものが 好ましく、 特にアルスロバクタ一 ·グロビフオルムス由来のものが好ましい 本発明者はァルスロバクタ一 ·グロビフオルムスからコリンォキシダーゼをコ ードする c o d A遣伝子をクロ一ニングしてその塩基配列を決定した。 c o dA 遣伝子は 1 64 1 b pのォ一アンリーディングフレームをもち、 547アミノ酸 をコードする。 c od A遺伝子の塩基配列およびアミノ酸配列を配列表の配列番 号 1に示す、
このようなコリンォキシダーゼをコードする遣伝子はこれを適当なベクターに 組み込むことにより、 植物を形質転換することができる。 さらに、 これらのべク ターに適当なプロモーターや形質発現にかかわる配列を導入することにより植物 中において遣伝子を発現させることができる。
コリンォキシダーゼをコ一ドする遣伝子としては、 配列表の配列番号 1に記載 のアミノ酸をコードする塩基配列のみならず、 該アミノ酸配列に対して 1個また は複数個のアミノ酸が付加、 欠失もしくは置換したものであって、 コリンォキシ ダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列も含む。
本発明の方法において耐温度性を付与できる植物の範囲は極めて広く、 ラン藻 から高等植物にまで及ぶ。 ラン藻は、 光合成の機構が高等植物と基本的に同じで あること、 また形質転換が容易で短時間に結果が得られること力、ら、 高等植物の モデル生物として広く用いられている。 ラン藻の中には、 細胞外の DNAを容易 に細胞内に取り込み、 効率よく組換えを起こす形質転換型ラン藻がある。 このよ うなラン藻には、 シネココッカス ( Syne c hoc oc c u s ) PC C 794 2、 シネココッカス PC C 6301 ( ATCC 271 44 )ゃシネコシスティ ス (Syne choc y st i s ) PCC 6803 (ATCC 27 1 84 )な どがある (蛋白質 核酸 酵素、 35卷、 1 4号、 P.2542-2551, 1991; Crit. R ev. Microbiol. Vol.13, No. I. p.111-132, 1985) ,
高等植物には双子葉植物および単子葉植物を含む。 後述する実施例では、 双子 葉植物としてアブラナ科植物を用いて、 耐温度性に優れた植物を得ることができ たが、 これに限定されずに各科、 属の双子葉植物を用いることができる。 さらに、 本発明の方法は単子葉植物にも応用が可能である, 単子葉植物であるィネはベタ イン合成能をもたないが、 本発明の方法によって形質転換することによりべタイ ン合成能を獲得することが明らかとなつた。
コリンォキシダーゼをコードする遺伝子を組み込むベクター、 形質転換方法な らびに形質転換植物体の選択方法は形質転換すべき植物の種類に応じて適宜選択 することができる。 なお、 形質転換すべき植物には植物細胞も含む。
例えば、 ラン藻では PUC 303などのプラスミドを用いることができる。 次 、でプラスミドに揷入した薬剤耐性遣伝子によって所望の性質をもつ形質転換体 を選択することができる。 本発明では、 ァルスロバクタ一 'グロビフオルムスか ら得たコリンォキシダーゼをコードする c o dA遣伝子を用いてラン藻: シネコ コッカス ( Syn e c ho c o c c u s ) PCC 7942を形質転換して安定的 に高温にも低温にも耐温度性を示す植物体を得ることに成功した。
c o dA遺伝子で形質転換したシネココッカス PC C 7942を、 塩化コリン 補充 BG 1 1培地で培養したところ、 形質転換したシネココッカスは外的に補充 したコリンを取り込んでべタインに変換することが示され、 約 8 OmMのレベル までべタインを蓄積した。 一方、 対照群の c o d A遺伝子をもたないシネココッ 力ス株ではこのような蓄積は見られなかった。
c o d A遣伝子で形質転換したシネココッカス株と、 対照群の非形質転換株の 高温に対する反応を調べるため、 塩化コリン補充の液体 BG 1 1培地で 42°Cで 培養したところ、 形質転換したシネココッカスでは増殖が 1日停止した後、 再度 増殖し始めた。 形質転換しない対照群では 42°Cでは全く增殖しなかった。 また 低温に対する反応を調べるため、 20でで培養したところ、 形質転換株では増殖 は 4日間遅れた力 その後急速に増殖し始めた。 対照群では 4日後になっても増 殖は極めて遅いままであった。 また、 固体培地を用いた増殖試験でも形質転換株 は非形質転換株と比較して高温および低温のいずれにおいても良好な増殖を示し た。 これらの結果から、 c o d A遣伝子で形質転換したシネココッカスは高温に おいても低温においても非形質転換株に比べて有意によく増殖することが明らか となった。
光合成独立栄養生物では、 ベタインが浸透圧保護物質として作用するのみでな く、 光合成のメ力ニズム保護にも本質的な役割を果たしていることが指摘されて いる (Murata et al.. FEBS Lett. 296:187-189, 1992) . そこで本発明の形質転 換されたシネココッカスと非形質転換株を用いて、 暗所で種々の低温で培養する ことにより光合成の温度耐性を試験した。 その結果、 ί氏温にすると、 光合成によ る酸素発生量および細胞中の光化学系 11媒介性の電子伝達の不活性化において、 形質転換株と非形質転換株との間に大きな違いが観察された すなわち、 形質転 換株の光合成酸素発生量は、 非形質転換株よりも低温に対して耐性であった。 ま た、 形質転換株の光化学系 π媒介性の電子伝達活性も非形質転換株に比べて低温 に耐性であり、 非形質転換株では 5 Cにおいて元のレベルの 50 %まで活性が低 下したが、 形質転換株では 5'Cでは元のレベルとほとんど同じであり、 5°C以下 で低下し始めた。
従来シネココッカス PCC 7942の増殖の最適温度は 30°C〜 3 S °Cの間で あることが知られている。 したがって、 非形質転換株では 42°Cという高温によ つて、 幾つかのタンパク質の構造が変性されたために細胞増殖が阻害されたと考 えられる。 一方、 c o dA遣伝子をもつ形質転換株では、 細胞内に蓄積された約 8 OmMのべタインによってタンパク質の変性が妨げられたために増殖が可能に なったと考えられる。 また、 2 (TCでは非形質転換株は増殖できなかったが、 c o d A遺伝子を組み込んだ形質転換株は増殖可能であった。 これもべタインの蓄 積によるものであると考えられる。 さらに、 細胞質中のベタイン蓄積が暗所での ラン藻細胞の低温に対する耐性をも增強すると考えられる。 しかし、 本発明はこ のような作用機構に拘束されるものではない。
これらの結果は、 本発明の方法により、 コリンォキシダーゼをコードする遺伝 子で形質転換して得られるシネココッカスが高温に対しても低温に対しても優れ た耐性を付与されたことを意味する。
双子葉植物などでは、 形質転換植物の作出に、 プロトプラストを経由する道伝 子導入法、 あるいは組織の一部を用いる遣伝子導入法を利用できる。 組織片を用 いる遣伝子導入では、 ァグロパクテリゥム (Ag robac t e r i um)由来 の T iプラスミドを利用することができる。 コリンォキシダーゼをコードする遒 伝子を組み込んだプロトァラストをもつァグロバクテリウムをカルス化した植物 組織片に感染させ、 カナマイシンなどの薬剤耐性を利用して選択し、 次いで茎葉 を分化させて組換え植物体を得ることができる。
本発明では、 コリンォキシダーゼをコ一ドする遣伝子を用いてアブラナ科のァ ラビドアシス .タリァ十 ( A r a b i d o p s i s t ha i i a n a:和名シ ロイヌ十ズナ) を以下のようにして形質転換して耐温度性にすぐれた植物体を得 ることができた
c o d A遣伝子を含むバイナリ一ベクタ一アラスミド P GAHZC o dAを作 製し、 これを T iプラスミドをもつァグロバクテリウム ·ッメファシエンス ( A g r oba c t e r i um t ume f ac i e n s ) EHA l 0 1に組み込 ϋ。 得られた c o dA遺伝子を組み込んだァグロバクテリウム EHA 1 0 1 ( pGA H/c o dA) をァラビドプシスの胚軸カルスに感染させた後、 シュート形成を 行い、 カナマイシンおよびハイグロマイシン耐性の茎葉を選択して根を誘導し、 種子形成を行う。 このようにして得られるヘテロ個体の T 2種子から得られる植 物体を自家交配して得たホモ個体 T 3を播種して、 植物体を形成させる
このようにして得られる形質転換植物体では、 コリンォキシダーゼが葉緑体に 輸送されていることが観察された。 また、 葉のコリンとベタイン量を測定したと ころ、 野生型ではコリンのみが、 形質転換植物ではコリンとベタインの両方が観 察され、 c o dA遣伝子の導入により植物体内にベタインが蓄積されることが示 唆された。 形質転換植物は野生型と比較して顕著な耐温度性を示した。
単子葉植物であるイネ (O ryz a s at i va L. cv. N i ppo n b a r e ) を形質転換するには、 例えば、 カリフラワー 'モザイク ·ウィルス 3 5 Sプロモーターの転写制御下で翻訳後サイトゾルまたはプラスチドに局在する ような 2種類のキメラ c odA遺伝子をプラスミド P UC 1 1 9上に作製したも のを用いることができる。 これらのキメラ遺伝子はいずれも発現量を高めるため にイネ由来のイントロンを 5 ' 非翻訳配列中に含む。
ィネの形質転換体の作出は以下の方法で行うことができる。 すなわち、 上述し たキメラ c o d A遣伝子をそれぞれ選択マーカ一であるハイグロマイシン耐性遣 伝子とともにパーティクルガン装置を用いてイネ種子胚盤カルス由来の懸濁培養 細胞に導入し、 その後薬剤耐性を指標にして形質転換カルスを選抜し、 これを植 物体に再分化させて組換え植物体を得ることができる。
野生型イネはべタイン合成能をもたないが、 本発明の上記方法で形質転換した ィネはべタイン合成能を獲得した。 C O d A遭伝子を発現する形質転換ィネは夕卜 親上何の異常もなく非形質転換植物と同様に、 土耕、 水耕の両条件で生育した。 したがって、 ベタイン合成の副産物として生じる過酸化水素は細胞内で効率的に 解毒されているものと考えられる。 ラン藻や双子葉植物におけるべタイン合成能 と耐温度性の獲得との鬨連から、 本発明の方法で得られる形質転換ィネも耐温度 性を獲得していることが期待できる。 遣伝子工学的手法によってィネがべタイン 合成能を獲得したのはこれが初めての例である。
シネココッカスを用いた実験において、 暗条件下においた後の光化学系 1 1の回 復を、 形質転換植物と非形質転換植物で比較したところ、 形質転換植物の方が回 復が速く、 これはべタィンの存在が光化学系 1 1の回復を速めたことを示している。 また、 形質転換植物の光合成は非形質転換植物のそれよりも低温に対して抵抗性 であることも示された。 さらに、 形質転換植物と非形質転換植物では、 膜脂質や タンパク質に大きな差が認められなかつたことから、 形質転換植物に見られた低 温時の光化学系 I Iの保護は、 ベタインの効果であると考えられた。
本発明の範囲は、 上述のようにして作出される耐温度性植物またはこれと同じ 性質を有するその子孫のみならず、 これらから得られる植物細胞(例えばカルス 培養された細胞) および植物部分 (例えば花、 種子、 果実、 塊茎など) ならびに その子孫に及ぶ。
本発明によると環境ストレスに強い耐温度性の組換え植物を得ることが可能で ある。 本発明の方法を用いると、 通常生育できないような高温あるいは低温条件 下でも生育できる植物の作出が可能となる。 本発明の方法において耐温度性を付 与できる植物の範囲は極めて広く、 光合成を行う細菌から高等植物にまで及ぶ。 特に、 主要作物のほとんどが含まれる単子葉植物であるイネで安定な形質転換植 物が得られ、 ベタイン合成が確認されたのは本発明が初めてであり、 その産業上 の利用価値は極めて大きい。
本発明の耐温度性植物の作出方法を用いると、 高温にも低温にも耐え得る植物 を作出することが可能であり、 その利用価値は極めて大きい。 以下の実施例にお いてさらに詳しく本発明を説明するが、 本発明の範囲はこれに限定されない。 m
実施例 1 : c o d A道伝子によるラン藻: シネココツカス ( S y n e c h o c o e c u s ) PCC 7942の形質転換
( 1 ) c o d A遣伝子のクロ一ニング
日本植物生理学会 1994年度年会、 第 34回シンポジウム講演要旨集に記載 の方法により、 ァルスロバクタ一 ·グロビフオルムスからコリンォキシダ一ゼ遣 伝子を単離した。 簡単に記載すると、 ①コリンォキシダーゼを臭化シアンで断片 化する、 ②適当な断片の N末端アミノ酸配列を決定する、 ③前記アミノ酸の部分 配列から適当な部分を選びそれに対応するォリゴヌクレオチドを合成する、 ④そ れらをプライマーとして用いる PCR (ポリメラ一ゼチェインリアクション) に よってコリンォキシダーゼ遣伝子の部分配列を增幅する、 ⑤増幅されたコリンォ キシダーゼ遺伝子の部分配列をプローブとして用いて、 ァルスロバクタ一 ·グロ ビフオルムスのゲノム D N Aライブラリーをスクリーニングする。
このようにして得られた陽性クローンをアラスミド pB l ue s c r i p t ( SK + ) (St rat age ne社) にサブクローニングして陽性クローンを単 離し、 サザンブロット分析に付した。 上記ァローブとハイブリダィズする 3. 6 kbpの Xba l—Xho l断片を p B 1 u e s c r i p tにサブクロ一ニング し、 制限酵素でマッピングした。 初めの Sa 1 I部位から Xho I部位 (約 2. 5kbP)の領域のヌクレオチド配列を決定した。
その結果、 コリンォキシダーゼ遣伝子は、 547アミノ酸残基のポリペプチド をコードする 1 64 1 b pのオープンリーディングフレームを含むことが判明し た。 コリンォキシダーゼをコードする遣伝子のアミノ酸配列および塩基配列を配 列表の配列番号 1に示す。
( 2 ) c o d A遭伝子によるシネココッカス PCC 7942の形質転換
c o d A遺伝子をもつアラスミド pB l ue s c r i p tを、 B s tEll (翻 訳開始点から— 40の位置) と Sma l (ストップコドンの下流) 制限酵素で消 化した., B s t E11付着末端を K 1 e n owフラグメント (宝酒造社製) でフィ ルインした。 c o d A遣伝子のコーディング領域と推定的リボゾーム結合部位を 含む平滑末端化断片をアラスミド PAM 1 044の Sma I部位に揷入した。 P AMI 044の c ο ηΠプロモーターの制御下で発現されると思われるこの遺伝 子の正しい方向を制限酵素分析により確認した。 c o nilプロモータ一は大腸菌 のプロモーターのコンセンサス配列で TTGGAC A (-35 )および TATA AT (- 1 0 ) の塩基配列が含まれている,..
プラスミド pAM 1 044および c o d A遺伝子を含むアラスミドを用いて、 E 1 ha iらの方法によってシネココッカス PCC 7942を形質転換した。 得 られる形質転換体を PAMCOD株と命名した。 これに対して、 PAM 1044 のみで形質転換した対照のシネココッカス PCC 7942を PAM株と命名した., 形質転換体の選択は、 スぺクチノマイシン 30 g/m 1を含む BG 1 1寒天 プレートで行った。 スぺクチノマイシン含有の新しい BG 1 1アレー卜に単一コ ロニーを数回移した後、 染色体のすべてのコピー中にスぺクチノマイシン耐性遣 伝子と c o dA遣伝子が完全に挿入されたことを、 図 2 Aに示すァライマーを用 いる PCR (ポリメラ一ゼチェインリアクション) によって確認した。 プライマ 一 1と 2の組み合わせを用いる PC Rによって、 スぺクチノマイシン耐性遣伝子 と c o d A遺伝子のシネココッカス染色体への揷入が完全に行われたことを確認 した。
なお、 PAMCOD株および PAM株の培養は、 1 mM塩化コリン (北山化学 社製〉 を補充した BG 1 1培地 (Stanier et a Bacteriol Rev 35:171-205, 1971〉 中、 30°Cで、 1 %C02を含む空気を通気しながら、 70〃E m— 2s一 1の白熱電球を照射しながら行った。 増殖の対数期にある細胞を以下のすべての試 験に使用した。 また、 光合成活性の測定には、 5— 1 0〃gZm lのクロロフィ ル瀵度に細胞密度を調整した (, 実施例 2 :形質転換体の挿入遺伝子の確認
シネココッカス PC C 7942の野生型株からの DNA、 PAM株からの DN A、 および PAMCOD株からの DNAを銪型として用いて、 PCRを行い、 增 幅産物を SDS— PAGEにより解析した。 得られた结果を図 2 Bに示す
野生型株からの DNAの PCRでは、 約 40 O bpの增幅産物を得た (図 2B、 レーン b) 。 一方、 P AM株からの DN Aを銃型として用いると、 約 2. 4 kb のバンドが出現し、 これは染色体中に pAM l 044が挿入されたことを示す。 野生型株で観察された約 400 bpのバンドが存在しないことは、 P AM株にお いては天然型染色体が突然変異染色体によって完全に置換されたことを示す。 また、 PAMCODからの DNAを銕型として用いると、 野生型染色体に対応 するバンドが観察されなかった (図 2B、 レーン c〉 。 しかしながら、 予期され た約 4. 1 k bのバンドも増幅されなかった。 これは、 インサートが大きいこと、 および c o d A配列の GC含量が高いことによるものと思われる。 したがって、 c o d A遣伝子のコーディング領域(図 2 A) に対応するプライマー 3をプライ マ一 1と組み合わせて用いた。 予期された約 2. 6 kbのバンドが増幅され(図 2B、 レーン d) 、 これは PAMCOD株の染色体中に c o dA遭伝子の存在す ることを示す。 実施例 3 : シネココッカス PAMCOD株における c odA遣伝子の発現
実施例 1で得た PAMCOD株中の c odA遣伝子の発現を、 精製コリンォキ シダーゼに対するポリクローナル抗血清を用いるウエスタンプロット分析によつ て試験した。 得られた結果を図 3に示す。 PAMCOD株からのタンパク抽出物 (レーン a) および精製コリンォキシダーゼ(レーン c ) において、 6 OkDa の位置にシグナルが検出された。 P AM株からのタンパク抽出物(レーン b) に はこのシグナルは検出されなかった。 この結果により、 シネココッカス PCC7 942中で c o nilプロモーターの制御下に c o d A遺伝子が発現したことが確 認された。 実施例 4 :細胞中のベタイン濃度の分析
形質転換細胞を塩化コリン 5mM補充の BG1 1培地 1リットル中で増殖した。 各種港度の NaC 1を添加することにより塩ストレスを与えた。 回収した細胞を 1 M H2SO,で 25 C、 20時間処理し、 過ヨウ素酸沈殿法(Wall. J.S. et al., Analyt. Chem. 32:870-874, 1960) により混合物からべタインを回収した。 過ヨウ素酸べタインを、 内部標準として 2 mM 2—メチルー 2—ァロパノール (和光 薬工業社製) を含むメタノール一 l m l (和光純薬工業社製) に溶 解した。 この溶液を NMRチューブに入れ、 B r uk e r AMX 360 W bにて1 H NMRスペクトルを測定した。 積分ピークを標準曲線と比較すること によりべタインを定量した。
PAMCOD株細胞中のベタイン濃度は、 陰性染色細胞の電子顕微鏡写真から 推定される細胞容積に基づいて決定した。 1個の細胞の細胞質は長さ 2. 1 4 m、 直径 0. S 2//mの円筒形であり、 細胞容積は約 1. 13/ m3と推定された ( その結果、 PAMCOD株の細胞中のベタイン濃度は約 8 OmMであると計算 された, 一方、 c od A遣伝子をもたない P AM株ではべタインを全く検出でき なかった。 実施例 5 :高温および低温ストレス下での増殖
( 1 )固体培地での増殖試験
高温での增^
1 mM塩化コリンを補充した BG 1 1培地の寒天ァレートにシネココッカス P AM株および PAMCOD株を移し、 4 CTC:、 42°Cおよび 44 Cで培養して増 殖を観察した。 得られた結果を図 4の Aに示す。 40 ではどちらの株もほぼ同 等に増殖した。 44°Cではどちらの株も全く増殖しなかった。 42 では、 PA M株の增殖は非常に遅かったが、 PAMCOD株は極めて良好に増殖した。
氏 での
1 mM塩化コリンを補充した BG 1 1培地の寒天プレートにシネココッカス P AM株および PAMCOD株を移し、 22°C、 2 CTCおよび 1 Sでで培養して増 殖を観察した。 得られた結果を図 4の Bに示す。 22 Cではどちらの株もほぼ同 等に増殖した。 2 CTCでは、 PAMCOD株は P AM株よりも早く増殖した。 1 8 Cではどちらの株もあまり増殖しなかった。
( 2 ) 液体培地での増殖試験
での ί¾
1 mM塩化コリン補充の BG 1 1培地中、 30 で培養しておいたシネココマ カス P AM株および PAMCOD株細胞を 42°Cに移して、 増殖を波長 730 η mにおける濁度でモニターすることによって測定した。 得られた結果を図 5の A に示す... PAMCOD株の細胞は 1曰目には増殖が停止したが、 その後増殖を再 開した 一方、 PAM株の細胞は全く增殖しなかった。 低温での增^
1 mM塩化コリン補充の BG 1 1培地中、 3 (TCで培養しておいたシネココッ カス PAM株および PAMCOD株細胞を 20°Cに移して、 増殖を波長 730 η mにおける濁度でモニターすることによって測定した。 得られた結果を図 5の B に示す。 PAMCOD株の細胞は 4日間増殖速度が遅れたが、 その後急速に増殖 し始めた。 P AM株では 4日後になっても増殖は極めて遅いままであった。 実施例 6 :低温ストレス下での光合成活性
低温ストレスによって誘導される光合成の酸素発生の不活性化を試験した。 3 0°Cで培養しておいた P A M株および P A M C 0 D株細胞を各温度で喑所で培養 した。 その後、 光合成酸素発生活性を、 1 mM NaHCO.<の存在下、 および 1 , 4一べンゾキノンと 1 mMの K3F e ( CN ) の存在下に 30 °Cでクラーク型酸 素電極を用いて測定した。
f氏 での
0〜 2 (TCの様々な温度で細胞を 1時間喑所で培養し、 次いで 3 (TCで 5分間 培養した。 培養後、 光合成酸素発生话性を上記方法で測定した。 なお、 PAM株 および PAMCOD株細胞の CO 2存在下での光合成酸素発生の絶対活性( 1 00 %)はそれぞれ、 387 ±23および 379± 1 9〃mo l e 〇2/ mgクロ口 フィル /"時であり、 し 4一べンゾキノンと K3Fe (CN) "の存在下での光合 成酸素発生の絶対活性はそれぞれ、 802±36および 740±S 2〃mo 1 e 〇2Zmgクロロフィル 時であった。
得られた結果を図 6に示す( A: NaHCO3存在下; B : 1, 4一べンゾキノ ンと K3Fe (CN) (;存在下) 。 図 6の Aに示すように、 PAMCOD株の光合 成酸素発生活性は P AMよりも低温に対して耐性であった。 また、 図 Sの Bに示 すように、 PAMCOD株の光化学系 II媒介性の電子伝達活性も P AM株よりも 低温に対して耐性であり、 P AM株の活性は 5 で最初のレベルの 50%に低下 したが、 PAMCOD株では 5でではほとんど最初のレベルと同じであり、 5。C 以下で低下し始めた。 実施例 7 : c o dA遣伝子を含むバイナリーベクタ一プラスミドの作製
タバコ (N i c ot i ana s y 1 v e s t r i s ) 由来の r b c S (リブ ロースし 5—ビスフォスフヱートカルボキシラ一ゼ小サブュニッ卜) トランジ ットシグナル Xb a I— Nd e I断片(約 200 b P〉 を、 5 ' CTGTCTA GATGTAATTAACAATGGCT3 ' および 5 ' C C AC ATATGC ATGC ATTGC ACTCT3, をプライマーとする P C Rにより増幅し、 X ba I、 Nde I部位を導入した。
次いで c o dA遺伝子の N端一 B amH I断片(約 1 00 b p ) を、 5 ' A A CCATATGCACATCGAC AAC ATC 3 ' および 5' GCTCCAT CCAGCGGTCC AGC 3 ' をプライマ一とする P C Rにより增幅した後、 Nde I部位を導入した。 また、 c o dA遣伝子の B amH I -Sma I断片 (約 1. Sk bp ) を制限酵素により調製した。 さらに、 c odA遺伝子の Sm a I一 C端断片(約 80 bp ) を、 5 ' G AAAC AGTC CTGCTTC C A C AC 3 ' および 5' GCGAGCTCTGCCTACACCGCCAT3' を プライマ一とする PCRにより増幅し、 Sac I部位を導入した。
これらの断片をバイナリーベクタープラスミド P B I 22 1の GUS ( /3—グ ルクロニダ一ゼ) 遺伝子と入れ換えた。
なお、 c o d A遺伝子の制限酵素マップを図 7に示す。
力リフラワー ·モザィク ·ウィルスの 35 Sァロモ一ターおよび NO S (ノパ 一リン . シンターゼ) ターミネータ一を含む H i ndlll— Ec oR I断片をバイ ナリ一ベクタープラスミド pGAHに導入してプラスミド P GAH/C odAを 作製した (図 8) なお、 このプラスミドはカナマイシンおよびハイグロマイシ ン耐性遣伝子を含んでいる。 実施例 S:バイ十リーベクタープラスミドのァグロバク亍リウムへの導入
T iプラスミドをもつァグロパクテリゥム ·ッメファシエンス ( Ag r o b a c t e r i urn t ume f ac i e n s ) EHA 1 01と実施冽 7で得たバイ ナリーベクタープラスミド pGAHZc o d Aとを混合して凍結融解し、 これを テトラサイクリンと力十マイシンとを含む L Bアレー卜で選别した。 得られた c
1 B o dA遺伝子を組み込んだァグロバクテリゥムを EHA 1 0 1 ( PGAH/C o d A) と命名した。 実施例 9 :ァラビドプシスの形質転換
シロイヌナズナ (ァラビドアシス ·タリア十) WS株を発芽させ、 胚軸切片を 得た。 この胚軸を 0. 05mg/ 1の力イネチン (和光純薬工業社製) と 0. 5 mg/ 1の 2, 4— D (和光純薬社製) を含む B 5培地( I CN B i o che mi c a I s社製) (pH5. 7 ) でカルス化を誘導して胚軸カルスを得た。 次いでカルスに実施例 8で作製した c o dA含有ァグロパクテリゥム EHA 1 01 ( PGAH/C o dA) による感染を行い、 共培養した ァグロバクテリウ ムの除菌を 25 Omg/ 1バンコマイシン、 50 Omg/ 1カルべニシリンおよ び 20 Omg/ 1クラフォランを含む B 5培地によって行った後、 カナマイシン とハイグロマイシンを含む分化用培地( 25mg/ 1カナマイシン、 1 5mgZ 1ハイグロマイシンを含む B 5培地) に移してシュートを形成させた。 このよう にして、 カナマイシンおよびハイグロマイシン耐性の茎葉を選択して根を誘導し、 種子形成を行った。 このようにして得られた T 2種子は染色体の一方のみが形質 転換されたへテロ個体である。
次いで T 2種子から得られる植物体を自家交配させてカナマイシンとハイグロ マイシンによる選択を行うことによりホモ個体である T 3種子を得た。
なお、 野生型および形質転換株の植物体は、 特記しない限り、 0. 1%HYP O N E X ^ ri y p o n e Co rpo rat i o n, M a r y s v i 1 1 e , OH, USA) を含む培地( PH5. 2) 中、 1日のうち 1 6時間は 75〃mo 1 m— 2s— 1の光にあて、 8時間は喑くして、 30日、 22°Cで水耕栽培またはバ 一ミキュレートとパーリ、、,トの土で栽培し、 その後実験に用いた。 実施例 1 0 :発現したコリンォキシダーゼの免疫学的研究
本発明者らによる文献記載の方法 (Deshniumu, P. et al., Plant Mol. Biol. 29:897-907, 1995) に従って、 コリンォキシダーゼに対する抗体を作製した。 野生型および形質転換株のァラビドアシス · タリアナの 20日齢の植物体から の棄を、 ミクロ遠心管中、 crcですりつぶし、 ホモジネートを 10, o o oxg で 1 0分遠心することによって、 可溶性画分を調製した 上清の可溶性タンパク 質を SDS— PAGEで分離し、 ナイロン膜( I mm ob i I o n PVDF ; Mi 1 1 i po re. Bed f o r d. MA, USA) に移した。 膜を上述のコ リンォキシダーゼに対する抗体とともにインキュベートし、 ビォチン化二次抗体、 アビジン、 およびビォチン化ホースラディッシュ ·パーォキシダーゼからなる系 (ABC K i t ; Ve c t a s t a i n, Bu r l i n g a n e . C A, US A)で検出した。
ウェスタンブロット分析の結果を図 9に示す。 コリンォキシダーゼに対応する 64 kD aの免疫応答性タンパク質の存在が確認された。 さらに、 コリンォキシ ダーゼの前駆体に対応する 70 kD aの少量のタンパク質と、 r b c Sトランジ ットペプチドも観察された。 これらの結果は、 c odA遣伝子が染色体の正しい 位置に組み込まれて発現していること、 ならびに発現した前駆体が成熟タンパク 質にァロセシングされたことを示す。
次いで発現したコリンォキシダーゼの植物体中における局在を、 上述のコリン ォキシダーゼに対する抗体を用いて文献記載の方法(Mustardy, し et al., Pla nt Physiol. 94:334-340, 1990)で検出した。 植物体から取った若い葉の小片を 0. 1 Mリン酸ナトリウムバッファー ( PH 7. 2 ) 中の 1 %グルタルアルデヒ ドで 1時間固定した。 同じバッファーですすいだ後、 試料をエタノールで脱水し、 L o w i c r y 1 1:41^樹脂(丁 8 Labo rat o r i e s E q u i pme nt LTd. , Be rk sh i r e. U. K. ) 中に置いた。 文献記 載の方法(Mustardy, et al., 前出) でィムノーゴールド標識を行った。
その結果、 発現したコリンォキシダ一ゼは葉緑体のスト口一マに局在すること が親察され、 コリンォキシダーゼが葉緑体まで輸送されたことを示した。 実施例 1 1 :形質転換植物におけるベタインとクロロフィル量の測定
植物の葉中のベタイン含量は、 4級アンモニゥム化合物の NMRスぺクトルを 測定することによって算出した (Wall. J. et al.. Analyt. Chem. 32:870-874, 1960) > 野生型および形質転換植物の葉 5 gを液体窒素中でセラミックモーター を用いて粉末にした。 この粉末を 1. OM HzS0425m 1中に懸濁し、 25 で 2時間インキュベートした。 不溶物を除去した後、 1 O O O xgで 1 0分遠 心することにより上清を回収した。 上清に、 K I一 I 2溶液 1 Om 1を力!]えて、 0 でで 2時間ィンキュペートした。 1 0 00 xgで 3 0分遠心することにより、 ベ タインとコリンのパーアイオダイド付加物を回収し、 内部標準として 0. 5mM の 2—メチレー 2—プロパノー;レ (和光純薬) を含む CD OH (和光純薬) 0. 5m lに溶解し、 'Η NMRスペクトルを測定した。 ベタインおよびコリンの 2 つの主要ピークが観察され、 ベタインピークの積分値を濃度の定量に用いた。 葉のクロロフィル含量は以下の方法で測定した。 葉( 1 g ) を液体窒素中、 セ ラミックモータ一で粉末にした。 粉末をアセトン:水( 4 : し v/v ) 1 0m 1に懸濁した。 30分インキュベートした後、 不溶物を除去して、 上清を分光学 的測定に付した ( Arnon, D.1. Plant Physiol. 24:1-15, 1949) 。
その結果、 野生型ではコリンのみが観察されたが、 形質転換植物ではべタイン とコリンの両方が観察された。 ベタイン含量は 1. 0〃モル/ g新鮮葉であつた また、 クロロフィル含量は 0. 3〃モル 新鮮葉であった。 実施例 1 2 :低温ストレスに対する形質転換ァラビドアシスの耐性
c o d A遣伝子の導入およびべタインの蓄積が低温ストレスに対する耐性を付 与するか否かを検討した。
野生型および形質転換植物体を 5 、 25 Oj mo 1 m— 2s— 1の連続光で 7 日間ィンキュペートした。 肉眼では野生型と形質転換植物体との間に有意の差が 親察されなかった。 しかしながら、 これらの植物体を 22ででさらに 2日間イン キュペートしたところ、 野生型植物体の葉はしおれ始め、 白化現象を示した。 一 方、 形質転換植物体はこの処理によって外見上何ら影響を受けなかった。 実施例 1 3 :低温における光化学系 II活性の不活性化
形質転換植物の葉の光化学系 11活性に及ぼす低温ストレスの影響を、 クロロフ ィルの蛍光をモニターすることにより測定した。 光化学系 IIの効率は、 パルス強 度変調フロロメーター (PAM— 2000 : Wa l t z. E f f e l t r i c h. Ge rma n ) を用いて、 最大クロロフィル蛍光に対する変数クロロフィル蛍 光の割合(F vZFm) として測定した (Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mo 1. Biol. 42:313-349, 1991) ,
得られた結果を図 1 0に示す。 5 、 2 5 Qu o 1 m— 2s 1の連続光で 7 日間ィンキュベー卜したところ、 野生型および形質転換植物体の光化学系 11活性 がいずれも落ちた。 野生型および形質転換植物のいずれも 1日目に急激な落ち込 みが見られ、 その後ゆるやかとなった。 しかしながら、すべての時点で形質転換 植物の不活性化は野生型よりもはる力、にゆるやかであった。 5日間ィンキュベー 卜した後には、 野生型植物の活性はほぼ完全に失われたが、 形質転換植物は元の レべ;レの活性の約 30%を保持していた。 しかし、 1 0°C〜1 5°Cでは両者の光 合成系 11活性に有意な差は見られなかつた。 実施例 1 4 :低温による光合成阻害とその回復、 ならびに凍結耐性
( 1 )低温による光合成阻害と光合成阻害からの回復試験
1°Cという低温での光合成の阻害程度を測定した。 得られた結果を図 1 1 Aに 示す。 形質転換植物の葉は野生型植物の葉よりも低温による光合成阻害に対して 耐性であった。 すなわち、 野生型植物の葉の光化学系 11活性の約 7 5%が 2. 5 時間後に失われたが、 形質転換植物の葉が同程度に不活性化されるには 3. 5時 間以上かかった。
図 1 1 Bは低温による光合成阻害からの回復試験の結果を示す„ 上述した低温 試験の後、葉を 1 7。C、 7 Oumo 1 m— 2s— 'でィンキュペートした。 野生型お よび形質転換植物の葉のいずれも低温による光合成阻害からの回復を示した。 し かしながら、 回復の程度は野生型よりも形質転換植物の方が高かった。 インキュ ベーシヨン 4時間後で、 野生型植物の葉は元の活性の 25〜 50%を回復した。 —方、 形質 ¾換植物の葉は 2 5〜7 5%の回復を示した、、
( 2 )葉の凍結耐性試験
ァラビドプシスの野生型および形質転換植物の葉をちぎって水に锓し、 3 :Z 分の割合で温度を下げた。 一 3 °Cになつたところで液体窒素で冷やした針を葉に あてて凍結させた。 次いでー2 から一 1 2 eCまでの各測定温度になるまで 1で /時間の割合で冷却した。 葉を取り出して 4eCで一晩放置して解凍した。 翌日室 温に戻して光化学系 11活性を測定した 得られた結果を図 1 2に示す いずれの 温度においても野生型よりも形質転換植物の方が活性が高かった。 実施例 1 5 :種子発芽の吸水段階における低温処理の影響
野生型植物体の種子および形質転換植物体の T 3種子を氷水(約 CTC) 中に 2 時間保持し、 滅菌した後、 2%スクロースおよび 0. 5%ゲランガムを含む MS (ムラシゲースクーグ)培地上で発芽させた。種子は 1日 1 6時間を明、 8時間 を暗の条件で 22 ° ( 、 20日間かけて発芽させた。
得られた結果を図 13に示す。 図から明らかなように、 吸水段階で冷却処理し なかったものは、 野生型植物体の種子も形質転換植物体の種子も発芽した (図 1 3の A〉 。 吸水段階で冷却処理を行った後に発芽させると、 野生型植物体の種子 は発芽しなかったが、 形質転換植物体の種子は発芽し、 冷却処理を行わなかった ものと同様に生育した (図 13の B) 。 実施例 1 S :ィネの形質転換に用いるキメラ c o d A遣伝子の作製
ァルスロパクター ·グロビフオルムス由来のコリンォキシダーゼ遣伝子(c o dA) を、 カリフラワー 'モザイク ·ウィルス 35 Sプロモーターの転写制御下 で翻訳後にサイトゾルあるいはプラスチドに局在するような 2種類のキメラ c o dA遺伝子(それぞれ 35 S I Nc o dAおよび 35 S I NTP c o dAと命名 した〉 をプラスミド pUC 1 19上に実施例 6に述べたような方法で作製した (図 1 4参照) t, イネでの遣伝子の高発現にはイントロンの存在が必要とされて いる (例えば、 Tanaka, A. et ah, Nucleic Acids Res. 18:6767-6770, 1990) ので、 ィネのスーパ一ォキシドジスムターゼ遺伝子( S o d C c 2 : Sakamoto, A. et al., FEBS Lett. 358:62-66, 1995)の 5' 非翻訳配列中のイントロンをい ずれのキメラ遣伝子にも導入してある。 さらに、 35 S I NTPc odAには、 c o d Aタンパク質を葉緑体に移行させるためにェンドウ由来の r b c Sトラン ジットペアチド (Coruzz. G. et al., EMB0 J 3:1671-1679. 1984) 由来の DNA 配列を付加してある。 実施例 1 7 :ィネの形質転換
実施例 1 6で作製した 2種類のキメラ c o d A遣伝子をそれぞれ選択マーカー であるハイグロマイシン耐性遣伝子とともにパーティクルガン装置を用いてィネ 種子胚盤カルス由来の懸濁培養細胞に導入した。 薬剤耐性を指標に形質転換力ル スを選択し、 これを植物体に再分化させた。 ハイグロマイシン耐性を示す形質転 換カルスまたは形質転換再分化個体について、 ポリメラーゼチヱイン反応(P C R ) を行い、 ノーザンプロット法により c o d A遺伝子の核ゲノムへの統合と転 写について調べ、 各 c o d A遣伝子について 8 0〜 1 0 0以上の形質転換体を選 択した,, 実施例 1 8 :形質転換ィネでの c o d A遺伝子の発現解析
実施例 1 7で得た形質転換体について、 ウェスタンプロット法によるスクリー ニングを行い、 c o d A遣伝子をタンパク質のレベルで発現する形質転換イネ (当代) を最終的にプラスチド局在型遣伝子について 6個体、 サイトゾル局在型 遺伝子について 1 0個体得た。
ィネは内因性のコリンォキシダーゼ活性をもたないが、 形質転換の葉または根 から調製した可溶性画分はコリンォキシダーゼ活性を示した。 予想に反して、 同 じ発現プロモーターを用いているにもかかわらず、 葉におけるプラスチド型形質 転換体のコリンォキシダーゼタンパク質量は、 サイトゾル型のそれに比べて全て の個体で低 ことが観察された。
c o d A遣伝子の発現をさらにノーザンブロット法で調べたところ、 転写レべ ルでは両遣伝子の発現量に有意な相違は認められなかった。 そこで逆転写 P C R を行いイントロンのプロセッシングにつ ゝて調べた結果、 アラスチド型遣伝子か ら転写された m R N Aから、 3 ' —ァクセプターサイトが異なり正常なタンパク 質への翻訳が起こり得な 、複数のスプライシングバリアン卜が検出された。 この こヒから、 アラスチド型遣伝子による形質転換体における低レベルなタンパク質 発現量は m R N A前駆体の異常なァロセッシングによるものであると推定された この現象はコリンォキシダーゼのァラスチドターゲティングに用いたトランジッ トペプチドをコードする配列が双子葉植物起源(エンドゥ Rbc S遺伝子) であ ることと関係していると考えられる。 従って、 トランジットペプチドをコードす る配列を、 単子葉植物起源のもの、 例えばイネの r b c S由来のものにすれば、 c o d Aのィネ葉緑体での発現が効率よくなり、 その形質転換ィネは温度ストレ スに対して一層の耐性を獲得すると容易に予想できる。 実施例 19 :形質転換ィネでのべタイン生合成
コリンォキシダーゼを発現する形質転換体組織に蓄積するべタインをァ口トン
NMRを用いて検出した。 野生株、 c odA遣伝子を発現していない形質転換体 (図 1 5の A) 、 および c od A遣伝子を発現している形質転換体(図 1 5の B) の NMRの結果を図 1 5に示す。
コリンォキシダーゼを発現する形質転換体はべタインを生合成し、 ゥヱスタン プロット法で検出されたコリンォキシダーゼ量とベタイン蓄積量には正の相関が 見られた。 ベタインの蓄積量は根よりも葉で多く、 高度に c od A遣伝子を発現 する個体では 4 モル Zg新鮮葉であった。 これは遣伝子工学的手法によりイネ がべタイン合成能を獲得した初めての例である。 実施例 20 :低温で光を照射した際の光合成の不活性化
形質転換植物における耐温度性の獲得がベタインの存在によるのか、 あるいは 他の原因によるのかを検討するために、 実施例 1で作製したシネココッカス PC
C 7942を c o d A遣伝子を含むアラスミドで形質転換した形質転換体と、 P AMI 044のみで形質転換した PAMを用いて以下の試験を行った。
1 πιΜの塩化コリン存在下で 3 CTCで培養しておいた ΡΑΜと P AMCOD細 胞を明条件あるいは暗条件で 2 CTCで培養した。 この時暗条件下では光化学系 II の活性は保たれていた。 ところ力 500μ Em— —1で 120分培養すると、 PAM細 胞の光化学系 IIの活性はもとの 35%にまで低下した (図 1 6A) 。 PAMCO D細胞の光化学系 11は光照射下でやはり活性は低下したが、 その程度は P A M細 胞よりは少なかった (図 16A) 。 以上のことから、 PAMCOD細胞の光化学 系 Πは、 P A M細胞のそれよりも光阻害に対して抵抗性であることがわかった。 光化学系 IIの光阻害は D 1蛋白質の光による不活性化と新たに合成された D 1 蛋白質の取り込みによる光化学系 11の回復との間の競合によって生じる (Aro. E. -M. et aし, Biochim. Biophys. Acta 1019:269-275, 1990; Aro, E.-M. et aし, Biochim. Biophys. Acta 1143:113-134. 1993) , P AM C O D細胞における低 温下での光ストレスに対する抵抗性が、 D 1蛋白質の不活性化の抑制によるの力、 あるいは、 D 1蛋白質合成の促進の結果なのかを調べるために、 蛋白質合成阻害 剤であるリノマイシン ( 400m g/m 1 )存在下で光阻害を誘導した (図 1 6 B ) 。 暗条件では、 リノマイシンは P AMと PAMCOD細胞の光化学系 11活性 に影響を与えなかった。 光照射下では、 光化学系 II複合体の不活性化は両者の細 胞で同じ速度で生じた (図 1 6 B) , この結果は、 PAMCOD細胞の低温下で の光ストレス耐性の向上は、 D 1蛋白質の不活性化が抑制されたためではないこ とを示している。 ベタインの存在が光化学系 11の回復を速めたと考えられる。 実施例 2 1 :光阻害からの回復
光阻害からの光化学系 11の回復を P AMと PAMCOD細胞において、 酸素の 発生活性で測定した。 細胞に 3500μΕΒΓ — 1の光を当てて、 光化学系 II複合体をも との 1 5%にまで阻害した。 その後、 細胞を 2 CTCか 3 (TCで YO EDTS 1の光下 で培養した。 得られた結果を図 1 7に示す:
2 CTCでは、 光化学系 11複合体の光阻害からの回復は P AM細胞ではわずかし か起こらなかった 一方、 PAMCOD細胞では 2時間後にはもとの 60%にま で回復した (図 1 7A) 。 30°Cでは、 両者の細胞とも 2時間後には光化学系 11 の活性は完全に回復した。 しかしながら、 PAMCOD細胞における回復速度の 方が、 P AM細胞による回復速度よりずっと速かった (図 1 7B) 実施例 22 :低温における光合成の暗条件での不活性化
PAMおよび PAMCOD細胞の低温ストレス耐性を低温の暗条件で比較した。 両者の細胞における、 正味の光合成と光化学系 11が行う電子伝達の不活性化に、 様々な低温処理が与える効果を図 1 Sに示した。 PAMCOD細胞の光合成によ る酸素発生活性は、 P AM細胞より低温耐性であった (図 1 SA〉 同様の結果 が光化学系 11が行う電子伝達でも得られた。 δ °Cにおいては P A M細胞における 活性はもとの 50%にまで低下したが、 PAMCOD細胞においては 5 では対 照とほぼ同じで、 5。C以下にすると低下が見られた (図 1 SB) , これらの結果 は、 P AM C 0 D細胞の光合成は P AM細胞のそれより低温に対して抵抗性であ ることを示している。 実施例 23 :原形質膜の相転移
ラン藻の細胞が低温にさらされたときに、 生育や光合成活性が低下するのは原 形質膜の脂肪相が液晶状態から相分離状態に変わることにより、 引き起こされる ことが報告されている (Murata, N., J. Bioenerg. Biomembr. 21:61-75, 1989) 。 そこで、 PAMCOD細胞の低温耐性の向上が、 膜の脂質の相が変化することと 関係があるかどうかを調べた。
原形質膜の脂質相の転移は、 シネココッカス PCC 7942および PC C 63 01 (以前は AnacysUsr duiansと呼ばれていた) の細胞における 3 S 8 n mの吸 光度変化をモニターすることにより、 ゼアキサンチンの凝集で調べることができ る (Brand, J. J., Plant Physiol. 59:970-973, 1977; Gombos, Z. et al., Pla nt Physiol. 80:415-419, 1986; Murata N., J. Bioener&. Biomembr. 21:61-75, 1989: Ono, T. et al., Plant Physiol. 67:176-181, 1981; Wada. H. et aし, Nature 347:200-203, 1990; Yamanoto, H.Y. et al.. Biochim. Biophys. Acta 507:119-127. 1978) 同様の方法で P AM細胞および P AMC〇 D細胞を用いて 試験した結果を図 19に示す。 P AM細胞の膜脂質の相転移は、 まず、 10aCで 明らかとなり、 2 Cで終了し、 その中間温度は S Cであることが、 図 19からわ かる。 一方、 P AM COD細胞の膜脂質の転移は、 5°Cからはじまる。 これらの ことから、 PAMCOD細胞の原形質膜の脂質転移は PAM細胞のそれより、 5 X:低い温度で起こることがわかる。 実施例 24 :膜脂質と蛋白質の変化
ラン藻の膜脂質の転移温度は脂肪酸の不飽和の程度と脂質の種類に依存してい ることが知られている (Murata, N., J. Bioenerg. Biomembr. 21:61-75. 1989) , そこで、 P AMC〇D細胞の膜脂質を調べた。 P AMと PAMCOD細胞の原形 質膜とチラコィド膜の脂肪酸とグリセ口脂質の成分を表 1と 2に示す 表 1は、 1 mM塩化コリン存在下で、 3 (TCで培養したときの脂質組成を示す。 また、 表 2は、 I mM塩化コリン存在下で、 3 CTCで培養したときのグリセ口脂質を示す ;
Ml
脂肪酸
14:0 14:1 16:0 16:1 18:0_18:1(9L 18:.
(mole %)
原形質膜
P AM 1 54 36 2 2
PAMCOD 2 53 38 2 2
チラコィド膜
Figure imgf000028_0001
略号: 14:0; ミリスチン酸
14:1; Δ9-ミリスチン酸
16:0; パルミチン酸
16:1: Δ 9-パルミチン酸
18:0; ステアリン酸
18:1(9); Δ9-ステアリン酸
18:1(11); 厶 H-ステアリン酸
ただし、 全ての二重結合はシス配位である。 表 2
チラコィド
脂質クラス PAM PAMC OD PAM PAMCOD
(mole ¾) (mole %)
MGDG 54 53 56 55 DGDG 22 23 19 19 SQ G 14 14 15 15 PG 10 10 10 11 略号: MGDG:モノガラクトシルジァシルグリセロール
DGDG;ジガラクトシルジァシルグリセロール
SQDG:スルホキノボシルジァシレグリセロール
PG;ホスファチジルグリセロール 表 1および 2から明らかなように、 両者の間に有意の差は認められなかった。 さらに、 PAMおよび PAMCOD細胞の膜と可溶性画分の蛋白質の電気泳動 パターンを図 20に示す 膜画分にはわずかに差が見られた すなわち、 PAM
COD細胞では 1 4 kd aの蛋白質の量が増加し、 1 6 k daの蛋白質の量が減 少していた。 可溶性画分に閬しては、 PAMCOD細胞でコリンォキシダーゼに 相当するバンドが見られたほかは差がなかった。
以上から、 PAMおよび PAMCOD細胞間で、 膜脂質や蛋白質に大きな差が 認められなかったので、 PAMCOD細胞で見られた低温時の光化学系 11の保護 は、 ベタインの効果であると考えられる。
【配列表】
配列番号: 1
配列の長さ : 2400
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: DNA
配列の特徴
特徴を表す記号: mat p e p t i de
存在位置: 361, . 2002 配列
GGGAATATCC GTCGTCGTAG ACGAGCCCTT CGGCCCGTGT AAAGGTGGAG ACCTTCCACA 60 CCGAGGACGA GGCCGTCGCG ACCGCCAACG ACACCAACTA CGGGCTGTCC GGCGCGGTCC 120 TGGACCCAGG ACGCCGGCAA GACGCAGCGC GTGGCCGGCC GGCTGCGACA CGGCACCGTC 180
TGGATCMCG ACTTCCACCC CTACCTCCCA CAGACCGAGT GGGGCGGCTT CGGCCAGTCC 240
GGCGTCGGCC GCGAACTCGG CCCGACCGGC CTGGCCGAGT ACCAGGAGGC CAAGCACATC 300
TACCAGMCA CCAGCCCGCA GGTCACCGGC TGGTTCGCTG ACCACGGCAA GGAGAACTAG 360
ATG CAC ATC GAC AAC ATC GAG AAC CTG AGC GAC AGG GAG TTC GAC TAC 408 Met His lie Asp Asn lie Glu Asn Leu Ser Asp Arg Glu Phe Asp Tyr
I 5 10 15
ATC GTC GTC GGC GGC GGG TCC GCC GGG GCC GCC GTC GCC GCC CGG CTG 456 lie Val Val Gly Gly Gly Ser Ala Gly Ala Ala Val Ala Ala Arg Leu
20 25 30
AGC GAG GAT CCC GCA GTG AGC GTG GCG CTG GTG GAG GCC GGC CCG GAT 504 Ser Glu Asp Pro Ala Val Ser Val Ala Leu Val Glu Ala Gly Pro Asp
35 40 45 GAC CGC GGC GTG CCC GAG GTG CTG CAG CTG GAC CGC TGG ATG GAG CTG 552 Asp Ar¾ Gly Val Pro Glu Val Leu Gin Leu Asp Arg Trp Met Glu Leu
50 55 60
CTG GAA TCG GGC TAC GAC TGG GAC TAC CCG ATC GAG CCG CAG GAG AAC 600 Leu Glu Ser Gly Tyr Asp Trp Asp Tyr Pro lie Glu Pro Gin Glu Asn 65 70 75 80
GGC AAC TCC TTC ATG CGC CAT GCC CGT GCC AAG GTC ATG GGC GGC TGC 648 Gly Asn Ser Phe Met Arg. His Ala Arg. Ala Lys Val Met Gly Gly Cys
85 90 95
TCC AGC CAC AAC TCC TGC ATC GCC TTC TGG GCC CCG CGC GAG GAC CTG 696 Ser Ser His Asn Ser Cys I le Ala Phe Trp Ala Pro krg Glu Asp Leu
100 105 110
GAC GAG TGG GAG GCC AAG TAC GGC GCC ACC GGC TGG AAC GCC GAG GCG 744 Asp Glu Trp Glu Ala Lys Tyr Gly Ala Thr Gly Trp Asn Ala Glu Ala
115 120 125
GCC TGG CCG CTG TAC AAG CGG CTG GAA ACC AAC GAG GAC GCG GGC CCG 792 Ala Trp Pro Leu Tyr Lys Arg Leu Glu Thr Asn Glu Asp Ala Gly Pro
130 135 140
GAC GCG CCG CAC CAC GGG GAC TCC GGC CCC GTG CAC CTG ATG AAC GTG 840 Asp Ala Pro His His Gly Asp Ser Gly Pro Val His Leu Met Asn Val 145 150 155 160
CCC CCG AAG GAC CCG ACC GGC GTC GCG CTC CTG GAC GCC TGC GAG CAG 888 Pro Pro Lys Asp Pro Thr Gly Val Ala Leu Leu Asp Ala Cys Glu Gin
165 170 175
GCC GGC ATC CCG CGC GCG AAG TTC AAC ACC GGC ACC ACC GTG GTC AAC 936 Ala Gly lie Pro Arg. Ala Lys Phe Asn Thr Gly Thr Thr Val Val Asn
180 185 190
GGC GCC AAC TTC TTC CAG ATC AAC CGG CGC GCG GAC GGC ACC CGC TCC 984 Gly Ala Asn Phe Phe Gin lie Asn Are. Arg Ala Asp Gly Thr Arg. Ser 195 200 205
TCC AGC TCG GTC TCC TAC ATC CAC CCG ATC GTC GAG CAG GAG AAC TTC 1032 Ser Ser Ser Val Ser Tyr lie His Pro He Val Glu Gin Glu Asn Phe
210 215 220
ACC CTG CTA ACC GGC CTG CGC GCC CGC CAG CTG GTG TTC GAC GCG GAC 1080 Thr Leu Leu Thr Gly Leu Arg Ala Are. Gin Leu Val Phe Asp Ala Asp 225 230 235 240
AGG CGC TGC ACC GGC GTC GAC ATC GTG GAC TCC GCC TTC GGC CGC ACC 1128 krg hrg Cys Thr Gly Val Asp lie Val Asp Ser Ala Phe Gly krg Thr
245 250 255
CAT CGG CTG ACG GCG CGC AAT GAA GTC GTG CTC TCC ACC GGC GCG ATC 1176 His krg Leu Thr Ala Arg. Asn Glu Val Val Leu Ser Thr Gly Ala lie
260 265 270
GAT ACG CCG AAG CTG TTG ATG CTC TCC GGA ATC GGC CCC GCC GCC CAC 1224 Asp Thr Pro Lys Leu Leu Met Leu Ser Gly lie Gly Pro Ala Ala His
275 280 285
CTC GCC GAG CAC GGC ATC GAG GTC CTT GGT GGA CTC CCC CGG CGT GGG 1272 Leu Ala Glu His Gly lie Glu Val Leu Gly Gly Leu Pro Arg Arg Gly
290 295 300
CGA GCA CCT GCA GGA CCA CCC GGA AGG CGT GGT GCA GTT CGA GGC CAA 1320 Arg Ala Pro Ala Gly Pro Pro Gly Ar& Ar& Gly Ala Val Arg Gly Gin 305 310 315 320
GCA GCC CAT GGT CGC CGA GTC CAC GCA GTG GTG GGA GAT CGG CAT CTT 1368 Ala Ala His Gly Arg. Arg. Val His Ala Val Val Gly Asp Arg. His Leu
325 330 335
CAC CCC CAC CGA GGA CGG CCT GGA CCG CCC CGA CCT GAT GAT GCA CTA 1416 His Pro His Ar¾ Gly Ar& Pro Gly Pro Pro Arg Pro Asp Asp Ala Leu
340 345 350
CGG CTC CGT GCC GTT CGA CAT GAA CAC CCT GCG GCA CGG CTA CCC CAC 1464 krg Leu Arg. Ala Val Arg His Glu His Pro Ala Ala Arg. Leu Pro His
355 360 365
CAC GGA GAA CGG GCT TCA GCC TCA CCC CGA ACG TCA CGC ACG CCC GCT 1512 His Gly Glu Arg Ala Ser Ala Ser Pro Arg Thr Ser Arg Thr Pro Ala
370 375 380
CCC GCG GCA CTG TCC GGC TGC GCA GCC GCG ACT TCC GCG ATA AGC CCA 1560 Pro Ala Ala Leu Ser Gly Cys Ala Ala Ala Thr Ser Ala 1 le Ser Pro 385 390 395 400
TGG TCG ACC CGC GCT ACT TCA CCG ACC CAG AAG GGC CAT GAC ATG CGC 1608 Trp Ser Thr Arg, Ala Thr Ser Pro Thr Gin Lys Gly His Asp Met Arg
405 410 415
GTC ATG GTC GCC GGC ATC CGC AAG GCC CGC GAA ATC GCC GCC CAG CCC 1656 Val Met Val Ala Gly (le Arg Lys Ala Arg Glu lie Ala Ala Gin Pro
420 425 430
GCC ATG GCG GAA TGG ACC GGC CGC GAG CTC TCC CCC GGC GTC GAG GCG 1704 Ala Met Ala Glu Trp Thr Gly Arg. Glu Leu Ser Pro Gly Val Glu Ala
435 440 445
CAG ACC GAC GAG GAG CTG CAG GAC TAC ATC CGC AAG ACG CAC AAC ACC 1752 Gin Thr Asp Glu Glu Leu Gin Asp Tyr lie Ar& Lys Thr His Asn Thr
450 455 460
GTC TAC CAC CCC GTG GGC ACC GTG CGC ATG GGC GCG GTC GAG GAC GAG 1800 Val Tyr His Pro Val Gly Thr Val Arg Met Gly Ala Val Glu Asp Glu 465 470 475 480
ATG TCC CCG CTC GAC CCC GAG CTG CGG GTC AAG GGC GTC ACC GGT CTG 1848 Met Ser Pro Leu Asp Pro Glu Leu Arg Val Lys Gly Val Thr Gly Leu
485 490 495
CGC GTC GGC GAC GCC TCG GTC ATG CCC GAG CAC GTG ACC GTC AAC CCC 1896 Arg, Val Gly Asp Ala Ser Val Met Pro Glu His Val Thr Val Asn Pro
500 505 510 AAC ATC ACC GTC ATG ATG ATC GGC GAG CGC TGC GCG GAC CTT ATC CGC 1944 Asn l ie Thr Va l Met Met l ie G ly G lu hrg Cys Ala Asp Leu l ie Ar&
515 520 525
TCC GCC CGC GCC GGT GAA ACA ACG ACG GCG GAC GCC GAG CTG AGC GCG 1992 Ser Ala Arg, Ala G ly G lu Thr Thr Thr Ala Asp Ala G lu Leu Ser Ala
530 535 540
GCC CTC GCC TAAGCGGGAG CGGCCAGCCG CGGGGCCTGT CCGGAACCAC CTGGCGGGCC 2051 Ala Leu Ala
545 547
3
CCGCATGGGG CCGGACACAA TGCCGGTAAC TAAGG 2GTGCG GAAGCAGTCC TGCTTCCACA 21 1 1 CCCGCGTTTT GCACGCCCGG GCCGGCAACT GGCCCGGCCG GCTAAGCCGA AGGTCTTCCG 2171 GGGGCGGGCC GGATCGCTGC GGGCAGTCCG TCGGCCAGCC GCTGCAGCGT GCCGGCGGTA 2231 ATGGCGGTGT AGGCAGGGAT CGCGTCGGGG TAGATGTACT CGTTGCGGGC GTGCGCGCCG 2291 TCGCCCACCG CGCCCAGGCC GCACAGGACC GGGATGCCGA GGGCGGAGAC GAAGTTGGCG 2351 TCGCTGCCCC CGCCCACCGA GGCGGTTTCC AGCTCCCGGC CCTGCTCCA 2400

Claims

請求の範囲
1 . コリンォキシダーゼをコードする遺伝子を含有する組換えべクタ一で植物 を形質転換することからなる耐温度性植物の作出方法。
2 . コリンォキシダ一ゼをコードする遣伝子が土壌菌ァルスロバクタ一由来の ものである請求項 1記載の作出方法。
3 . コリンォキシダーゼをコードする遺伝子が、 配列表の配列番号 1に記載の アミノ酸をコードする塩基配列、 または該アミノ酸配列に対して 1個または複数 個のアミノ酸の付加、 欠失および/または他のァミノ酸による置換により修飾さ れているアミノ酸配列をコードする塩基配列であつて、 コリンォキシダーゼ活性 を有するタンパク質をコードする塩基配列である請求項 1または 2記載の作出方 法。
4 . 耐温度性植物が光合成植物である請求項 1〜 3のいずれかに記載の作出方 法。
δ . 耐温度性植物がラン藻である請求項 1〜4のいずれかに記載の作出方法。
6 . 耐温度性植物が高等植物である請求項 i〜 4のいずれかに記載の作出方法。
7 . 高等植物が双子葉植物である請求項 6記載の作出方法。
8 . 双子葉植物がアブラナ科植物である請求項 7記載の作出方法。
9 . 高等植物が単子葉植物である請求項 6記載の作出方法。
1 0 . 単子葉植物がイネ科植物である請求項 9記載の作出方法。
1 1 . 請求項 1記載の方法によって作出される耐温度性植物またはこれと同じ性 質を有するその子孫。
1 2 . 請求項 1 1記載の耐温度性植物またはこれと同じ性質を有するその子孫か ら得られる植物細胞または植物部分ならびにその子孫。
1 3 . コリンォキシダ一ゼをコードする遺伝子を含む耐温度性植物またはこれと 同じ性質を有するその子孫。
1 4 . 耐温度性植物の作出のためのコリンォキシダ一ゼをコードする遺伝子の使 用。
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