WO1997018593A1 - Breakable safety valve for metal-made container - Google Patents

Description

明 細書

金属製容 器 の 開 裂式安全弁

技術分野 本 発 明 は、 二 次電池 等 の 金属製容 器 （ 以下、 容器 と 略称す る ） に 設 け て、 異常 時 に 容 器 内 部 に 発生す る 圧 力 を 開放 し、 ¾ 器 の変形 や爆 発 を 防 ぎ、 人体 へ の 危 険や機器の 破損 を 防 ぐ開 裂式安 全弁 に 関す る。

背景技術 近年急速 に 普及 し て い る リ チ ウ ム イ オ ン 電池 等の 萵性能 二 次 池 は 小 型軽量、 大容量 を 特長 と し、 特 に 携带 ^話や ノ ー 1、 型 コ ン ピ ュ ー タ な ど の 携帯用 機器 に 多用 さ れ て い る。

し か し、 こ れ ら の 高性能二 次電池 は 電池 内部 の エネ ル ギ ー 密度 が高 く- 電解液 と し て 可燃性 の 有機溶剤 を 使 用 す る 場合 も あ り、 電池 内部で の 短 絡 や過充電等 の 異常時 に は、 電池容器 内 で可燃性 の ガ ス が発 生 し た り、 発 火 し た り し て、 容器 の 内 圧 が上昇 し 危 険 な 状態 に な る。

容器 の 内 圧 が耐圧強度 を 超過す る と、 容 器 の 変形 が増 大 し、 耐圧限度 を 越 え る と 爆発す る。

携帯用 機器 の 使用 中 に、 こ の よ う な 事故 が発生す れ ば、 人 体 に 重 大 な 危害 が及 ん だ り、 機器 が破 損す る 事 は避 け ら れ な い。 こ の様 な 危 険 を 回 避す る 目 的で、 容器 の 内 圧 が規定 値 を 越 え て 上 昇 し た場 合 に、 容 器 の一部 を 開 裂 さ せ て 開 口 部 を 形成 し. 内圧 を 開放す る 開 裂式安全弁 が用 い ら れ る。

従来 よ り 用 い ら れ て い る 閧 裂式安 全弁 に は 刻 印式安 全弁 と 金属箔 式安 全弁 があ り、 用 途 に 応 じ て 選択 さ れ る。

刻 印式安全 弁 は、 容器 の 一部 に く さ び状 の V 形断面 の 歯先 を 持 つ 刻印 パ ン チ を 打 ち 込 み、 円 形等 の 輪郭形状 に 開 裂 溝 を 加工 し て、 容器 の 内圧 が規定値 を 越 え て 上昇 し た場合 に は、 開 裂溝底部の 薄 肉 部 が 開裂 し て、 内 圧 を 開 放す る 構造 と な っ て い るし

刻 印式安全弁 の 長 所 は加工 が簡単 で コ ス 卜 が安 い 事 で あ る。

し か し、 刻 印パ ン チ の 打 ち 込 み加工 で は、 刻 印 パ ン チ の 歯先 に 発 生す る ク ラ -ソ ク が加 工後 の 薄 肉 部 に 残留 す る の で、 薄 肉部 の 板厚 を 薄 く 加 工 し た場 合 に は、 薄 肉 部 を ク ラ ッ ク が貫 通 し て し ま い、 リ ー ク 発 生 の 原 因 と な る。

刻 印式安全弁 の 開 裂圧 は、 開 裂 溝で 囲 ま れ た 受圧面積 と 開 裂溝底部の 薄 肉 部板厚で 決 ま る の で、 小型容器 に 設 置す る 為 に 受 圧面積 を 小 さ く し な が ら 開 裂圧 の 上昇 を 抑制す る 為 に は、 薄肉 部 の 板 厚 を さ ら に 薄 く す る 必要 が あ る， し か し、 薄 肉 部 の 板 厚 を さ ら に 薄 く 力 Π ェす る と、 リ ー ク に よ る 不 良 率 が増加す る の で、 刻 印式安全弁は小 型化 が難 し い。

金 属箔式安全弁は 容器 の 通気孔 を 塞 ぐ様 に 金属箔 を 接合密閉 し、 異常 時 に 容器 の 内 圧 が規定値 を 越 え る と、 金属箔 が 開裂 し て 内圧 を 開 放す る 構造 と な っ て い る。

従来 の 金属箔式安全弁で は、 金 属箔 を 溶接法で接合 し て い る が、 溶接 法 で 接合 可能 な 金属箔 の板厚 の 下 限値は. 刻 印 加工 に よ る 開 裂溝底部 の 薄 肉 部板厚の 下 限値 と 比較 し て 1 2 以 下 と な っ て い る の で、 こ の 点 で 金属 箔式安全弁 の ほ う が小型化 し やす い。 し か し. 溶接 法 に よ る 金厲 箔 の 接合 は、 溶接加工特有 の ス ル ー ホ ー ル の 問 題や薄 い 金属 箔 を 溶 接法で 接合 し 密閉 す る 技術的 な 難 し さ が あ り、 さ ら に は高額 の 設備投资 が必要 と な る 事等、 品 質面で の 不安定 や、 コ ス ト が高 く な る 等 の 欠点 が あ る

発明 の 開 示 本 発明 で は、 容器 の 通気孔 を 塞 ぐ よ う に、 冷 間圧 接法で 金 属箔 を 接合 し 安 全弁 と す る、 冷 問 圧接 法 に よ る 金属 箔式安 全弁 （ 以下、 本安 全弁 と 略称す る ） を 開 発 し た。

冷間圧 接法 は、 冷 間 圧接金型で 2 つ の 金属 部 品 の 接合部 を 常温 の ま ま 加圧 し 接 合す る 加工法で あ る。

接 合 の 原理 は、 冷 間圧接 金型 に よ る 加圧 力 で、 接 合部 に 塑性変形 を 発 生 さ せ、 接触面 間 の 摩擦で 双方 の 接触面 に 新生 面 を 露 出 さ せ、 こ の 状態 で さ ら に 加圧 と 保持 を 続 け て 原子 間 結 合 を 発 生 さ せ、 2 つ の 部品 を 接合 す る の で あ る。

こ れ ま で、 金属箔式安 全 弁 に 使用 さ れ る 様 な、 板厚 0 . 3 m m 以 下 の 金 属 箔 を 冷間 圧 接 し た場合、 冷間 圧 接加 工 で 受 け る 加圧 力 に よ り、 金属 箔 が破断 し た り、 ク ラ ッ ク が発生 し て、 リ ー ク の原 因 と な る な ど の 問 题 力、 あ つ た。

し か し、 本発 明 で は 冷 間圧 接金型 の 歯形 や. 接合部 の 形状、 金属箔 ゃ 容 器 の 材質 に 応 じ た表面処理 や 熱処理. さ ら に は 冷間 圧接加 ェ 時 の 加圧速 度 や 下死点位置 で の 保持時間等、 冷 間圧接加工 に お け る 全 て の 条件 に つ い て 見直 し 試行錯誤 を 繰 り 返 し た 結果、 こ れ ま で無理 だ と さ れ て い た板 厚 0 · 0 1 m m ま で の 金属箔 を 冷 間 圧接法で 接合 し、 金属箔式安 全弁 に 応用 す る 事 に 成功 し た。

本安全弁は、 レ ー ザ 一 ビ ー ム溶 接 法 に よ る 従来 の 金属箔式安全弁 に 比 ベ て 気密性 が高 く 密 閉 不 良 の 発生 が少 な い事や、 加工 時間 が短縮 さ れ加 ェ コ ス ト を 約 1 / 5 に 抑制 で き る 事、 さ ら に 安 全弁 と し て 最 も 重要 な、 適正 開 裂圧 の 実現 が容 易 で、 量産加工 し た場 合 の 開 裂圧 の ば ら つ き を 小 さ く で き る 事 な ど、 多 く の 儍 れ た 特長 を 有す る 事 が確認 さ れ た。

図 面 の fig単 な 説 明 第 1 図 は、 電池容 器 の 篕側 か ら の 平面図 で あ る。

第 2 図 は、 電池容 器 の 側 面 か ら の 断面 図 で あ る。

第 3 図 は、 冷 間圧接前 の、 金属箔 の 側面図 で あ る。

第 4 図 は、 蓋 の 断面 図 で あ る。

第 5 図 は、 冷間圧 接前 の 蓋 と 金属 箔 と 冷間 圧 接金 型 の新 面 図 で あ る。 第 β 図 は、 冷 間圧接 中 の 堇 と 金 厲 箔 と 冷間 圧接金型 の断面 図 で あ る。 第 7 図 は、 刻 印式安 全弁 の 断面 図 で あ る。

第 8 図 は、 冷 間圧接後 の 金属箔 の 薄肉 部の 拡 大断 面 図 で あ る

第 9 図 は、 容器内 圧 が規定値 に 満 た な い 状態 の蓥 の 断面 図 で あ る。 第 1 0 図 は、 容器 内 圧 が規定値 に 達 し 金属箔 の ド ー ム が 反転 し た 状態 第 1 1 図 は、 金属 箔 の ド ー ム が反転 し た 直後、 薄 肉 部 が開 裂 し た 状態 符号 の 説 明

2. 金属 箔

3， 電池 缶

4. 通気孔

5. 薄肉 部

6. 上ハ。 ン チ

7. 下ハ。 ン チ

8. m極 引 き 出 し 口

9. 接合 部

1 0. 刻 印 式安全 弁 の 受圧部

1 1. ド ー ム

1 2. 薄 肉 部板厚

1 . 開 裂 溝

発 明 を 実施す る た め の 最良 の 形態 本発明 を、 事例 を 上 げ て 説 明す る。

本事例で は、 A 3 0 0 3 ア ル ミ ニ ウ ム合 金製 の 角筒型電池 缶 3 の 開 口 郜 に 同 じ 材質 の 蓋 1 を 接 合 し て 構成 さ れ る、 リ チ ウ ム イ オ ン 二 次電 池用 の 金属製容器 に、 1 8 k g / c m ²の 内圧 で 開 裂す る 仕様 の 本 安全 弁 を 設 け た。

図 1 及び 図 2 に 示す電池容器 は、 板厚 0. 8 m m の A 3 0 0 3 製 で 外形 寸法 が 3 4 m m X 6 m m X 4 7 m rn の電池缶 3 と、 板厚 0. 8 m m の A 3 0 0 3 製で 外 形寸 法 が電 池 缶 3 の 3 4 m m X 6 m m n の 開 口 部 の 内 の り 寸 法 に 等 し い 蓋 1 か ら 構 成 さ れ る。

蓋 1 の 中 央 に は 電極 引 き 出 し 口 8 が配置 さ れ、 こ の 電極弓 I き 出 し 口 8 と 長丰 方 向 の 端面 の 問 に、 0 1 . 5 m m の 通気？ L 4 が あ け ら ォし 堇 1 と 電 池 缶 3 は 溶接法 に よ り 接合 さ れて い る。 こ の 通 気孔 4 の外側 に、 板厚 0 . 0 3 m m の A 3 0 0 3 製 の 金属箔 2 を 冷 問圧 接 し 密 閉 す る

図 1 か ら 図 1 2 に 示す蓋 1、 金属 箔 2、 電池 缶 3、 薄 肉部 5、 接合 部 9 、 薄 肉 部 板厚 1 2、 開 裂溝 1 3 等 に お け る 肉 厚及び. 図 4 に お け る 通気 孔 4 の K径 は 説 明 の 為 に 誇 張 さ れ て お り、 図 2 に お い て は 本 発明 の 説明 に 閲 係 し な い 電池 の 内 容物 は 全て 省略 し て い る。

図 3 に は、 金属 箔 2 を 示す _c,

こ の 金属 箔 2 は、 蓋 1 に 開 け ら れ た 1 . 5 m m の 通 気孔 4 を ふ さ ぐ様 に 冷間圧接 さ れ、 安 全弁 と な る。

さ ら に こ の 蓋 1 は 電 池 缶 3 の 開 口 部 に揷 入 さ れ、 レ ー ザ一 ビ ー ム 溶接法 で 接合 さ れ、 密 閉容 器 と な る。

本事例 で は、 本 安全 弁 の 気密 性 と 開 裂圧 を 試験す る Ξ 的で、 内 容物 が未 充 填 の 容 gS5' を 1 0 0 個製作 し、 池 缶 ' 3 の ¾面 に 開 ¾实験 用 の 孔 を あ け た。

気密性試験 は、 完 成 し た 容 器 に 8 . 0 k _g / c m の 空気圧 を 1 5 秒間 印 力 [] し、 こ の 間 の 圧力 の 変化 を エ ア リ ー ク テ ス タ で測定 し、 リ ー ク の 有無 を 判 定 し た が リ ー ク の 発生 は 無 か つ †

開 裂圧試験 は 気密性試験 が終 了 し た サ ン プル に 対 し て 実施 し た。

試験方法 は 0 . 3 k g / s ₍ し の 加圧速度で 静水圧 を 印加 し、 金厲箔 が 開 裂す る 時の 圧 力 を 測定 し た。

そ の結果、 金属箔 2 は、 冷 間圧 接加工 時 に 形成さ れ た接 合 部 9 の 側近 の 薄肉部 5 か ら 開 裂 し、 開 裂圧 の 測定結果は、 本事例 の よ う な小型 の 電 池 容 器 に 設置す べ く 小 型化 し た場 合 で も、 狙 い 値 の 1 8 k g / c m こ 対 し て 1 5 か ら 2 O k g Z c m の 範 囲 と な っ て お り、 良好で あ っ た。

冷 間 圧接 さ れ た蓋 1 と 金属 箔 2 を、 通気 孔 4 の 中 心線 に 沿 っ て 蓋 】 の 面 に 垂 直 な 平面 で 切断 し、 顕微鏡 に て 接合 部 9 や 薄肉 部 5 等 の 板厚 を 観察 し な が ら 冷間 圧 接加工 時 の 上 パ ン チ 6 と 下パ ン チ 7 の 歯先 の 間 隔 や そ の 他 の 諸条件 を 調整 し、 薄 肉 部 5 の 板厚 の 下 限 を 探 っ た と こ ろ 0 . 0 0 5 m m ま で 調整可 能で あ っ た。

本安全弁で は 薄 肉部 5 の 板厚 を 従来 技術 の i / 2 以 下 に 安定 し て 加工で き る の で、 本 事例 の よ う な 小 型 の 電 池容 器 に 設 置す ベ く 小 型 化 し た 場合 で も、 ュ Γ, か 2 0 k c m の 範 囲 で 適正 な 開 裂圧 が実現で き 乙

図 6 に 示す 通 り. 冷 間圧接法で 接 合 さ れ た 金属箔 2 の 接合 部 9 は 冷間 圧 接金型 の 加圧 力 で '潰 さ れ、 発生 し た 余 肉 が 中 央 に 集 中 し、 ド ー ム 1 1 が形 成 さ れ る。

余 肉 を ド 一 厶 形状 に し な か っ た場 合 に は 金属箔 に し わ が発生 し、 折れ 目 か ら リ ー ク が 発 生 し た り、 開 裂圧 が 不安 定 に な る 問 題 が あ つ た,.

こ の ド ー ム 1 1 は圧接金型 で の 調整 に よ り、 電池容器 の 内 側 と 外側 の ど ち ら 側 に も 凸 と す る こ と がで き る が、 ¾ 池容 器 の 内 側 に 凸 形状 と し た サ ン プ ルで. 電池容器 の 内側 と 外側 の そ れ ぞ れ か ら 加圧 し て 開 裂圧 を 測定 し た と こ ろ、 容 器内 側 か ら の 力 11圧 で は ] 5 か ら 2 0 k g ノ c m ■、 容器外 側 か ら の 加圧 で は， 5 0 か ら 6 0 k g c m ²の 開裂圧 と な る こ と が確 ^ さ れ た。

ド ー ム を 容器 内 側 に 凸 と し た 場合 に は、 容器 内 部 か ら の 圧 力 に 対 し て は 適正 な 開 裂圧 で 開裂す る が、 容器外部 か ら の 圧 力 に 対 し て は 2 倍以上 の 耐圧性 を 有す る こ と が わ か り、 電池用 の 安全弁 と し て 使用 す る 場合 に は 、 ド ー ム 1 1 を 内側 に 凸 と し た ほ う が、 望 ま し い特性 が得 ら れ る 事 が分 か つ た。 ド ー ム l l が開 裂 に 至 る 過程 を 図 g、 図 1 0、 図 1 1 に 示す。 そ れ ぞれ の 図 に お い て は、 蓋 の 下 側 が容 器 の 内 側、 上側 が容器 の 外側 と な っ て い る。

図 9 は 容器 の 内圧 が規定値 に 満 た な い 正 常 な 状態、 図 1 0 は 内 圧 が規 定値 に 達 し て ド ー ム が反転 し た状態、 図 1 1 は ド ー ム の 反転直後 に 薄 肉 部 5 が開 裂 し、 内圧 を 開放 し て い る 状態 を 表 し て い る。

本安全弁 で は 接合 部 9 の 内 側側近 に 形成 さ れ る ¾ 肉 部 5 で 囲 ま れ る 範囲 が、 刻 印 式安全 弁の 受圧部 1 0 と 同 等 の 役割 を 果た し、 ド ー ム 1 丄 の 反 転 が薄肉 部 5 の 関 裂 を 誘発 し、 適 正 開裂圧 で の 確実 な 開裂 を 促進 し て い る 事 も 併 せて 確認 さ れ た。

産業 上 の 利用 可 能性 本安全弁 は、 小型 の 容器 に 設置す べ く 小型化 し て も、 適正 に 低 い 開裂 圧 を 実現 し やす い 特性 を 持 つ の で、 携帯用 機器等 で使用 さ れ る 小 型 の 高 性能二 次電池等 の 金属容器 に 安全弁 と し て 設置 し た場 合、 異常時 に は精 度 良 く 開 裂 し て、 使用 者 の 安 全 を 確保 し、 機器 の 破損 を 未然 に 防 止す る 事 が可能で あ る。

Claims

請求 の 範囲 金属製 の 容 器 に あ け ら れ た 通気孔 を ふ さ ぐ よ う に、 冷問 圧接法 で 金属 箔 を 接合 し て 密 閉 し、 容器 内 部の 圧 力 が規定値 を 越 え て 上昇 し た 場合 に は、 金属 箔 が開 裂 し、 防爆機能 を 発 揮す る 開 裂式安 全弁