JP2002075314A - 電池用安全機構およびその製造方法 - Google Patents

電池用安全機構およびその製造方法

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JP2002075314A
JP2002075314A JP2000265660A JP2000265660A JP2002075314A JP 2002075314 A JP2002075314 A JP 2002075314A JP 2000265660 A JP2000265660 A JP 2000265660A JP 2000265660 A JP2000265660 A JP 2000265660A JP 2002075314 A JP2002075314 A JP 2002075314A
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safety valve
valve body
counterbore
safety mechanism
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JP2000265660A
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Ryuichiro Ebi
龍一郎 海老
Kyosuke Miyata
恭介 宮田
Kanehito Masumoto
兼人 増本
Narikazu Tanaka
成和 田中
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IKKO SEIKO KK
Panasonic Holdings Corp
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IKKO SEIKO KK
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属箔などの安全弁体を容易、且つ安価に取り
付けできるとともに、電池内圧が所定の低い作動圧に達
した時点で確実に安全弁体を介してガスを外部放出で
き、しかも、落下試験などの信頼性試験を確実にパスし
得る安定な防爆機能を有する電池用安全機構およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】電池用安全機構は、延性を有する金属によ
って密閉容器を構成する電池ケース30および電池蓋1
7の一方に形成された通気孔20およびこれの外方側で
連通する座ぐり部22と、通気孔20の開口端を閉塞す
る状態で座ぐり部22の底面に配置された安全弁体27
と、座ぐり部22の周縁部の材料の塑性変形によって形
成されて安全弁体27の周縁部を座ぐり部22の底面と
で密閉状態に挟持固定する固定部29とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として密閉型電
池における内部のガス圧が異常に上昇した場合に電池ケ
ースの一部を開口してガス抜きを行うための電池用安全
機構およびその安全機構を製造するための方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、AV機器やパソコンあるいは
携帯型通信機器などの電気機器のポータブル化やコード
レス化が急速に促進されている。これらの電気機器の駆
動電源としては、従来においてニッケルカドミウム電池
やニッケル水素電池が主に用いられていたが、近年で
は、特に、急速充電が可能でエネルギ密度が高く、高い
安全性を有するリチウム電池に代表される非水電解液
(有機溶媒系電解液)電池が主流になりつつある。
【0003】この非水電解液電池では、非水電解液を収
容する構造上より長期にわたって安定した密閉性が要求
されることから、完全密閉型とされ、また、機器の薄型
化に適するとともにスペース効率が高い角形とすること
も促進されている。さらに、非水電解液電池には、ポー
タブル型電気機器の高性能化および高機能化が進むのに
伴って、一層高電圧および高容量化のものが要望されて
いる。
【0004】一方、非水電解液二次電池では、過充電状
態になって通常以上の電流が流れたり、誤使用により短
絡状態となって非水電解液が分解されたような場合に、
電池内で異常反応が生じ、電池内温度が上昇したり、ガ
スの発生によって電池内圧が上昇したりする。このガス
は上述のように密閉された電池ケース内に充満し、それ
によって電池内圧が或る値以上に上昇した場合には、最
後に電池ケースが破裂するという結果を招くことがあ
る。特に非水電解液二次電池では、上記不具合の発生す
る可能性が他の系の電池に比較して大きい。そこで、従
来では、上述した電池ケースの破裂を未然に、且つ確実
に防止するために、或る値を越えた電池ケースの内圧に
よって電池ケースの一部に開口部を形成させることによ
り、その開口部から発生ガスを電池ケースの外部に放出
する安全機構が設けられている。
【0005】非水電解液二次電池における従来の安全機
構としては、図8ないし図10に示すようなものが一般
に知られている。すなわち、図8(a)に示す従来の第
1の安全機構(例えば、特開平1−309252号公報参照)
は、有底角筒状の電池ケース1における一方の長側面1
aに、V字形の断面形状を有する平面視円形の刻印溝2
がプレス加工などで形成されて、この刻印溝2の溝底面
と電池ケース1の内面との間に薄肉円形の易破断性部3
が設けられた構成になっている。この安全機構では、電
池ケース1の内圧が所定値以上に上昇した場合に、長側
面1aにおける他の部位よりも薄肉となって強度の低い
易破断性部3が開裂して開口し、この開口部からガスが
外部に放出されるようになっている。
【0006】同図(b)は、従来の第1の安全機構の変
形例であって、電池ケース1の底面1bに、電池ケース
1の稜線に平行となった直線部の両端にV字状部を有す
る形状となった刻印溝4が形成された構成になってい
る。この安全機構では、電池ケース1の最小面積部であ
る底面1bに刻印溝4が形成されているので、内圧の上
昇に伴い電池ケース1の両側の長側面1a,1cが外方
に膨れ出るときに、底面1bが内方側に変形することに
より刻印溝4が開裂して開口し、この開口部からガスが
外部に放出されるようになっている。
【0007】また、図9に示す従来の第2の安全機構
(例えば、特開2000−106160号公報参照)
は、有底角筒状の電池ケース1の上端開口部を封止する
アルミニウム製封口板(例えば厚さが0.9mm)7の一
部にガス抜き孔8を形成するとともに、封口板7の下面
に、アルミニウム製薄板(例えば厚さが0.03mm)9を
溶接加工により接合した構成になっている。この安全機
構は、電池ケース1の内圧が所定値以上に上昇した場合
に、薄板9におけるガス抜き孔8を塞ぐ部分9aがガス
圧力により加圧されて破断し、この薄板9の破断により
生じた開口部およびガス抜き孔8を通じて内部ガスが電
池ケース1の外部に放出されるようになっている。
【0008】さらに、図10に示す従来の第3の安全機
構(特開平10−144277号公報参照)は、(a)に示すよ
うに、電池蓋10に形成した通気孔11に、これを閉塞
するように金属箔12を位置決めして配置したのち、電
池蓋10の上下両側に配した冷間圧接用金型13,14
によって金属箔12と電池蓋10とを冷間圧接すること
で金属箔12を接合している。この安全機構における金
属箔12を開裂させる電池内圧である作動圧は、通気孔
11の開口面積および金属箔12の厚さによって決定さ
れるが、この例では、同図(b)に示すように、冷間圧
接用金型13,14の歯先形状を選択することで、金属
箔12の接合部12aに対し内周側の近傍箇所に、薄肉
の易破断部12bを形成して、作動圧の低下を図ってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な安全機構では、電池の破裂を確実に防止するために、
上記作動圧を20kgf/cm2(196N/cm2 以下に
設定する必要がある。特に、近年の電池では、軽量化の
促進に伴い、電池ケース1が鉄鋼材料に比較して強度の
低いアルミニウムで形成されているので、安全機構の作
動圧を10kgf/cm2 (98N/cm2)以下に設定す
ることが要望されている。しかしながら、上述したこれ
まで提案されている何れの安全機構においても、特に電
池が小型化や薄型化した場合に、作動圧を10kgf/c
2(98N/cm2 以下に設定するのが困難となるだ
けでなく、10kgf/cm2 (98N/cm2)以下の作
動圧に設定できたとしても、落下、衝撃および振動など
の信頼性試験をパスし得る安定な防爆機能が得られな
い。
【0010】例えば、図8の第1の安全機構では、電池
ケース1における刻印溝2で囲まれた領域である受圧部
の面積と易破断性部3の厚さによって作動圧が決定さ
れ、受圧部の面積が広い程、また易破断性部3の厚さが
薄い程、作動圧が低くなる。しかし、刻印溝2の形成手
段として一般的に用いられるプレス加工やエッチング加
工では、易破断性部3の厚さの下限が0.02mm程度であ
り、この場合には、短辺が8mm以上の角形の比較的大
型の電池ケース1を用いる電池において受圧部の面積を
比較的大きく設定しても、作動圧が15kgf/cm2(1
47N/cm2 以上になってしまう。小型の電池では、
受圧部の面積が必然的に小さくなるので、易破断性部3
の厚さを0.02mm程度に設定すると、作動圧が50kgf
/cm2(490N/cm2 を超えてしまう。すなわち、
第1の安全機構では、作動圧を10kgf/cm2(98N
/cm2 以下に設定することが殆ど不可能に近い上
に、落下試験などの信頼性試験をパスするには、易破断
性部3の厚みを0.03mm以上に設定することが必要とな
るので、特に、電池の小型化や薄型化に到底対応できな
い。
【0011】また、図9の第2の安全機構では、薄板9
の厚さが薄くなる程作動圧が小さくなるので、薄板9の
厚さを薄くすることによって作動圧を10kgf/cm2
(98N/cm2 以下に設定することが可能である。と
ころが、厚さの薄過ぎる薄板9は、溶接加工が困難であ
ることから、精度良く取り付けることが困難であり、し
かも、溶接に際してダメージが生じ易いことから作動圧
が安定せず、作動圧を正確に10kgf/cm2(98N/
cm2 以下に設定することが困難である。また、溶接
による接合では、薄板9にピンホールなどが発生し、密
閉型電池の密閉性が損なわれるという別の問題もある。
【0012】一方、上記第2の安全機構において、薄板
9を、溶接による接合に代えて、真空吸着加工により封
口板7に接合することも考えられる。ところが、その場
合には、比較的小さな長方形状の封口板7へのガス抜き
孔8の穿孔加工と、この封口板7における電池ケース1
に取り付けた際に内面となる一面の表面を活性化させる
加工と、その活性化させた一面に薄板9をロールで押し
付けて一体化するための真空吸着加工とを必要とするの
で、製造コストが高くつく欠点がある。しかも、ガス抜
き孔8は、比較的小さな形状の封口板7の端部に形成す
るので、薄板9におけるガス抜き孔8を塞ぐ部分9aを
破断させるためのガス圧力は電池ケース1全体から見た
場合に極めて局部的な部分に作用するだけであるから、
薄板9におけるガス抜き孔8を塞ぐ部分9aが破断する
までに時間がかかり過ぎ、安全面において十分とは言い
難い。
【0013】さらに、図10の第3の安全機構では、冷
間圧接法により金属箔12を電池蓋10に確実に取り付
けるには、10t程度のプレス機が必要となるので、同図
(b)に示す薄肉の易破断部12bの厚さを正確に管理
するのが困難となり、10kgf/cm2 (98N/c
2)以下の作動圧をばらつきなく安定に得ることが難
しい。しかも、この安全機構における易破断部12b
は、落下試験などの信頼性試験を確実にパスするために
は、0.03mm以上の厚みが必要となるので、その場合に
は、作動圧を10kgf/cm2 (98N/cm2)以下に
設定することができない。
【0014】そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑み
てなされたもので、金属箔などの安全弁体を容易、且つ
安価に取り付けできるとともに、電池内圧が所定の低い
作動圧に達した時点で確実に安全弁体を介してガスを外
部放出でき、しかも、落下試験などの信頼性試験を確実
にパスし得る安定な防爆機能を有する電池用安全機構お
よびその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電池用安全機構は、密閉容器を構成する延
性を有する金属製の電池ケースおよび電池蓋の少なくと
も一方に形成された通気孔および前記通気孔に対し連通
する座ぐり部と、前記通気孔の開口端を閉塞する状態で
前記座ぐり部の底面に配置された金属製薄板からなる安
全弁体と、前記座ぐり部の周縁部の材料の塑性変形によ
って形成され、前記安全弁体の周縁部を前記座ぐり部の
底面とで密閉状態に挟持固定する固定部とを備えてなる
ことを特徴としている。
【0016】この電池用安全機構では、安全弁体が、電
池ケースまたは電池蓋に形成された座ぐり部の周縁部の
材料の塑性変形による固定部と座ぐり部の底面との間に
自体の周縁部を密閉状態に挟持固定されているので、金
属薄板からなる安全弁体を溶接または冷間圧接法などで
取り付ける従来の安全機構とは異なり、安全弁体を、ダ
メージや変形などの悪影響を一切受けることなく安価、
且つ精度良く取り付けることができる。これにより、安
全弁体を破断または開裂させるための電池内圧である作
動圧は、安全弁体の厚さまたは強度と通気孔の断面積と
により10kgf/cm2(98N/cm2 以下の値に
ばらつきなく正確に設定することが可能となる。
【0017】上記発明における安全弁体は、その中央部
が電池内方へ向け膨れ出る断面凹形状に形成されている
ことが好ましい。これにより、従来のように安全弁体を
張った状態に設ける場合に比較して、衝撃や振動を安全
弁体の形状の変形によって吸収できるから、作動圧を低
く設定しながらも、耐落下性および衝撃や振動に対する
信頼性が向上する。
【0018】また、上記構成とした場合に、先端部が先
鋭形状となった破断用突起が内面中央部に突設され、且
つガス抜き孔を有する蓋板が、座ぐり部の開口部を施蓋
する状態に固着されている構成とすることが一層好まし
い。
【0019】これにより、安全弁体が、上昇する電池内
圧を受けて電池の内方側に膨れ出た凹形状から電池外方
に膨れ出る凸形状に反転したときに、自体の中央部が破
断用突起の先鋭形状となった先端部が突き刺さることに
よって強制的に破断される。そのため、この安全機構で
は、作動圧を近年において要望されている極めて小さい
値に設定するに際し、安全弁体として、これが破断用突
起によって強制的に破断されることから、比較的大きな
厚みの金属箔を用いることができる。したがって、小さ
い作動圧を正確に設定しながらも、高い耐落下性と衝撃
や振動に対する格段に高い信頼性とを有する防爆機能を
備えたものとなる。
【0020】上記発明において、安全弁体の周縁部は、
座ぐり部の底面に形成された環状の凹溝に挿入された状
態で固定部により密閉状態に固定されている構成とする
ことができる。これにより、安全弁体の周縁部は、凹溝
内に入り込んだ状態で座ぐり部の周縁部分の塑性変形に
よって固定されるので、安全弁体のしわや位置ずれの発
生が確実に抑制されて、安全弁体が固定部と凹溝とで挟
み込まれたときの密閉性が一層高まる効果を得ることが
できる。
【0021】上記発明において、安全弁体の周縁部は、
座ぐり部の底面に形成された環状の突条部に被せられた
状態で固定部により密閉状態に固定されている構成とす
ることもできる。これにより、安全弁体の周縁部は、突
条部に被せられた配置に係合した状態で座ぐり部の周縁
部分の塑性変形によって固定されるので、安全弁体のし
わや位置ずれの発生が確実に抑制されて、安全弁体が固
定部と座ぐり部とで挟み込まれたときの密閉性が一層高
まる効果を得ることができる。
【0022】上記発明における安全弁体は、金属製薄板
に代えて、樹脂シートにより形成してもよい。これによ
り、安全弁体は弾性を有したものとなるので、電池とし
ての封止性つまり密閉性が長期にわたり確保される上
に、特に、耐落下性および衝撃や振動に対する信頼性が
格段に高いものとなる。
【0023】また、上記発明における安全弁体は、金属
製薄板に代えて、金属箔の両面に樹脂がラミネートされ
てなるラミネート樹脂シートにより形成してもよい。こ
れにより、安全弁体は弾性と高い強度を有したものとな
るので、電池としての密閉性が長期にわたり確保される
上に、特に、耐落下性および衝撃や振動に対する信頼性
が格段に高いものとなる。
【0024】上記発明において、座ぐり部の底面と安全
弁体との間に、樹脂またはプチルゴムが塗布されて介在
されている構成とすることが好ましい。これにより、樹
脂またはプチルゴムの存在によって安全弁体の周縁部と
電池ケースまたは電池蓋との密閉性が長期間にわたり確
実に確保される。
【0025】また、本発明の他の電池用安全機構は、密
閉容器を構成する延性を有する金属製の電池ケースおよ
び電池蓋の少なくとも一方に形成された通気孔および前
記通気孔に対し連通する座ぐり部と、前記通気孔の開口
端を閉塞する状態で前記座ぐり部の底面に配置された金
属製薄板または樹脂シートからなる安全弁体と、前記座
ぐり部の周縁部の材料の塑性変形によって形成され、前
記安全弁体の周縁部を前記座ぐり部の底面とで密閉状態
に挟持固定する固定部とを備えてなり、前記安全弁体
は、その中央部が電池外方へ向け膨れ出る断面凸形状に
形成されている。
【0026】この電池用安全機構では、電池内圧が所定
の作動圧まで上昇したときに、安全弁体が、破断しそれ
により生じた開口部分を通じて電池内部のガスが外部に
放出される。この安全機構においても、安全弁体を電池
ケースまたは電池蓋に容易、且つ安価に取り付けること
ができるとともに、安全弁体には、固定されるときにダ
メージを受けるなどの従来の安全機構における種々の悪
影響が一切及ばない。そのため、この安全機構では、作
動圧を安全弁体の固定強度によって正確に設定できる。
【0027】一方、本発明の電池用安全機構の製造方法
は、密閉容器を構成する延性を有する金属製の電池ケー
スおよび電池蓋の少なくとも一方にダイと第1のパンチ
とで通気孔を形成する工程と、プレス加工または切削加
工によって前記通孔の外方側に座ぐり部を連通状態に形
成する工程と、帯状の安全弁体材料(例えば帯状の金属
箔または樹脂シート)を、第1のパンチにより前記座ぐ
り部の開口端周縁のエッジ部をダイとして打ち抜くこと
により、安全弁体を形成して、この安全弁体を前記第2
のパンチによって前記座ぐり部の底面に位置決めする工
程と、前記第2のパンチよりも径の大きな第3のパンチ
によって前記座ぐり部の周縁部をプレス加工することに
より、前記座ぐり部の周縁部をえぐり取りながら押し潰
す状態に塑性変形させて、前記安全弁体の周縁部を前記
座ぐり部の底面とで気密状態に挟持する固定部を形成す
る工程とを有していることを特徴としている。
【0028】この電池用安全機構の製造方法では、安全
弁体の周縁部を、延性材料からなる電池ケースまたは電
池蓋の材料を塑性変形させることによって固定できるの
で、従来の安全機構のように溶接加工や真空吸着加工あ
るいは冷間圧接法などで薄板や金属箔を固定する手段と
は異なり、安全弁体を容易、且つ安価に取り付けること
ができるとともに、安全弁体には、固定されるときにダ
メージや変形などの従来における種々の悪影響が一切及
ばない。そのため、この安全機構では、安全弁体の厚さ
と通気孔の断面積のみによって安全弁体を開裂または破
断させるための電池内圧である作動圧をばらつきなく正
確に設定できる。また、第2のパンチと座ぐり部と安全
弁体とで囲まれる密閉空間内の空気は、第2のパンチの
下降に伴い圧縮されて、安全弁体を電池内方に向け押圧
するため、安全弁体を、製造過程において、中央部が電
池内方へ向け膨れ出る断面凹状とすることができる。
【0029】上記製造方法に用いる第2のパンチとし
て、先端面周端部に環状の突条部または溝部が形成され
たものを用いることができる。これにより、安全弁体の
周縁部が座ぐり部の底面の環状の凹溝に挿入された状態
で固定部により密閉状態に固定された安全機構、または
安全弁体の周縁部が座ぐり部の底面の環状の突条部に被
せられた状態で固定部により密閉状態に固定された安全
機構を極めて容易に製造することができる。
【0030】本発明の非水電解液電池は、上述各安全機
構のうちの何れかが電池蓋または電池ケースの底面の何
れか一方に設けて構成されている。この電池は、電池内
圧が所定の低い作動圧に達した時点で安全弁体が確実に
開裂または破断して、破裂などのトラブルを未然に防止
できるとともに、耐落下性および衝撃や振動に対する信
頼性が極めて高いものとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1(a)〜
(e)は本発明の第1の実施の形態に係る電池用安全機
構の製造工程を順に示した断面図である。先ず、(a)
に示すように、電池ケース(図示せず)の開口部を施蓋
するための封口板などの電池蓋17の所定箇所に、ダイ
18と第1のパンチ19とを用いた打抜加工を施して、
平面視円形または長円形の通気孔20を形成する。上記
電池蓋17は、延性材料、例えばアルミニウムにより形
成されている。
【0032】つぎに、(b)に示すように、電池蓋17
を支持台23上に移して載置し、その電池蓋17におけ
る通気孔20の孔縁部を、第1のパンチ19よりも大き
な径を有する第2のパンチ21でプレス加工することに
より、通気孔20に対し上方で連通する座ぐり部22部
を形成する。この座ぐり部22の形成の際に、通気孔2
0は、第2のパンチ21による押圧力を受けて、内方へ
湾曲する断面形状に塑性変形し、容積が小さくなる。そ
こで、通気孔20は、(c)に示すように、通気孔20
の形成時に用いた第1のパンチ19とダイ18とを用い
た加工によって元の孔形状に戻される。
【0033】続いて、電池蓋17は、再び支持台23上
に移されて載置され、この電池蓋17上には帯状(フー
プ状)金属箔24が供給される。この帯状金属箔24
は、座ぐり部22の形成に用いた第2のパンチ21と座
ぐり部22の上端周縁のエッジ部を恰もダイとして打ち
抜かれる。この帯状金属箔24を打ち抜いて形成された
安全弁体27は、下降する第2のパンチ21によって座
ぐり部22の底面上に位置決め状態に載置される。この
とき、安全弁体27は、座ぐり部22の上端周縁のエッ
ジ部を恰もダイとして第2のパンチ21で打ち抜かれ
て、そのまま下降する第2のパンチ21で座ぐり部22
の底面上に押し付けられるので、しわ無く、且つ型崩れ
の無い状態で座ぐり部22の底面上に位置決めされる。
【0034】最後に、(e)に示すように、延性を有す
るアルミニウムからなる電池蓋17における座ぐり部2
2の周縁部分は、第2のパンチ21よりもさらに径の大
きな第3のパンチ28でプレス加工されることにより、
えぐり取られながら押し潰される状態に塑性変形され
て、安全弁体27の上面周縁部上に押し付けられ、座ぐ
り部22の元の底面とで安全弁体27の周縁部を気密状
態に挟持する固定部29に加工される。このとき、第3
のパンチ28と座ぐり部22と安全弁体27とで囲まれ
る密閉空間内の空気は、第3のパンチ28の下降に伴い
圧縮されて、安全弁体27を下方に向け押圧する。その
ため、安全弁体27は、必然的に中央部が電池内方へ向
け膨れ出て断面凹形状となる。また、通気孔20は、安
全弁体27によって上端開口部を密閉され、これによ
り、本発明の第1の実施の形態に係る電池用安全機構が
形成される。
【0035】なお、(b)の座ぐり部22の形成工程に
おいて、上述したプレス加工に代えて、切削加工によっ
て座ぐり部22を形成する場合には、その形成工程後も
通気孔20が元の孔形状を保持するので、(c)に示す
工程が不要となる。また、上記安全機構の形成箇所は、
上述の電池蓋17に限らず、電池ケースがアルミニウム
などの延性材料で形成されている場合には、その電池ケ
ースにおける底面などに形成することもできる。
【0036】この安全機構の製造工程では、通気孔20
に連通する座ぐり部22上に載置した金属箔からなる安
全弁体27の周縁部を、延性材料からなる電池蓋17の
材料を塑性変形させることによって固定できるので、従
来の安全機構のように溶接加工や真空吸着加工あるいは
冷間圧接法などで薄板9や金属箔12を固定する手段と
は異なり、安全弁体27を電池蓋17に容易、且つ安価
に取り付けることができるとともに、安全弁体27に
は、固定されるときにダメージを受けるなどの従来にお
ける種々の悪影響が一切及ばない。そのため、この安全
機構では、安全弁体27の厚さと通気孔20の断面積の
みによって安全弁体27を開裂させるための電池内圧で
ある作動圧を正確に設定できる。この場合、安全弁体2
7の厚さtは、0.005 mm≦t≦0.03mmの範囲に設定
するのが好ましい。それにより、作動圧を10kgf/c
2 (98N/cm2)以下の小さい値に容易、且つ正確
に設定することができる。
【0037】しかも、この安全機構では、安全弁体27
が製造過程において自動的に電池の内方側に向け膨れ出
る凹状とされている。したがって、この安全弁体27
は、従来の安全機構における張った状態に設けられて耐
落下性などの信頼性が低い薄板9や金属箔12とは異な
り、高い耐落下性を有するとともに、衝撃や振動に対し
て形状の変形によって吸収でき、信頼性の高い防爆機能
を有するものとなる。
【0038】図2(a)は、上記工程を経て製造された
安全機構を備えた電池を示す縦断面図であり、同図に
は、非水電解液電池の一種である角形のリチウムイオン
二次電池を例示してある。つぎに、このリチウムイオン
二次電池の構成について簡単に説明する。リチウムイオ
ン二次電池では、電池ケース30内に非水電解液(図示
せず)を収容する構造上から長期にわたり安定した密閉
性が要求されるため、有底角筒状の電池ケース30内
に、正負の電極板をこれらの間にセパレータを介在して
積層した状態で巻回してなる電極群31を収容したのち
に、その電池ケース30の開口部32に電池蓋(封口
板)17をレーザ溶接することにより、開口部32に確
実な閉塞が施される。その電池ケース30内には、電極
群31と共に発電要素を構成する非水電解液が、電池蓋
17に形成された注液孔33から所定量だけ注入され、
そののちに、注液孔33が封栓部材34で封止される。
【0039】また、電池ケース30は、この実施の形態
においてアルミニウム板で形成されており、この電池ケ
ース30の内部には、これの内底面に対し絶縁板37で
電気的絶縁状態に仕切って上記電極群31が収納され、
さらに、電極群31の上端部は絶縁板38で電気的絶縁
される。電池蓋17には、その中央部の取付孔39に、
絶縁ガスケット40を介して電気絶縁した状態で外部負
極端子41が取り付けられている。この外部負極端子4
1の下端部には、下部絶縁ガスケット42を介在して電
池蓋17に対し電気的絶縁された内部負極端子43が電
気的接続状態に連結されており、その内部負極端子43
には、電極群31から導出された負極リード44が溶接
により接続されている。電池蓋17には、電極群31か
ら導出された正極リード47が溶接により接続されてい
る。
【0040】電池蓋17における外部負極端子41に対
し注液孔33とは反対側の箇所には、図1の工程により
製作された安全機構が設けられており、(b)はその安
全機構の部分の拡大図である。この安全機構における安
全弁体27を破断するための電池内圧である作動圧は、
主として、安全弁体27の厚さと通気孔20の断面積と
によって設定されている。
【0041】そして、使用中の電池が過充電状態または
誤使用によって短絡状態になったような場合には、発生
ガスが密閉状態の電池ケース30内に充満して電池内圧
が上昇し、この電池内圧が通気孔20を通じて安全弁体
27に作用する。そのため、安全弁体27は、(b)に
実線で示す電池内方に向け膨らみ出る凹状態から、2点
鎖線で示す電池外方へ膨らみ出る凸状態に反転される。
この状態となった安全弁体27には、従来の安全機構の
ように張った状態に取り付けられているものに比較し
て、電池内圧が有効に作用する。そして、安全弁体27
は、電池内圧が所定の作動圧まで上昇したときに剪断力
を受けて開裂し、これにより、電池ケース30の内部の
ガスが通気孔20から安全弁体27の開裂孔を通じて外
部に放出される。
【0042】図2(c)は、図1の工程により製作され
た安全機構を備えた電池蓋17を、同図(b)に対し上
下反転させた配置で電池ケース30の開口部に取り付け
る場合を例示している。この安全機構は、安全弁体27
の反転動作が伴なわないが、同図(b)の安全機構と同
様に、電池内圧が所定の作動圧まで上昇したときに開裂
し、同図(b)の安全機構で説明したと同様の効果を得
ることができる。
【0043】図3は本発明の第2の実施の形態に係る電
池用安全機構を示す断面図である。この安全機構は、第
1の実施の形態の安全機構と同様の構成に加えて、電池
蓋17における座ぐり部22側の面に蓋板49を接合し
て、その蓋板49で座ぐり部22が閉塞されている。そ
の蓋板49には、その下面中央部に、先端が先鋭な形状
となった破断用突起50が形成されているとともに、破
断用突起50の近傍箇所に、複数のガス抜き孔51が穿
孔されている。
【0044】したがって、この安全機構では、安全弁体
27が、上昇する電池内圧を受けて実線で示す電池の内
方側に膨れ出た凹形状から2点鎖線で示す電池外方に膨
れ出る凸形状に反転したときに、自体の中央部に破断用
突起50の先鋭形状となった先端部が突き刺さって強制
的に破断され、その破断された開口部分から電池内部の
ガスが外部に放出される。そのため、この安全機構で
は、作動圧を近年において要望されている10kgf/c
2 (98N/cm2)以下の小さい値に設定するに際
し、安全弁体27として、これが破断用突起50によっ
て強制的に破断されることから、0.03mm以上の比較的
大きな厚みの金属箔を用いることができる。そのため、
この安全機構では、小さい作動圧を正確に設定しながら
も、高い耐落下性と衝撃や振動に対する高い信頼性とを
有する優れた防爆機能を備えたものとなる。
【0045】図4(a)〜(c)は本発明の第3の実施
の形態に係る安全機構の主要な製造工程を順に示す断面
図であり、同図において、図1と同一若しくは同等のも
のには同一の符号を付して、その説明を省略する。この
実施の形態では、(a)に示すように、電池蓋17に通
気孔20を形成したのちに、周縁部に沿って環状の突条
部53が設けられた第4のパンチ52を用いたプレス加
工を行うことにより、底面周縁部に凹溝54を有する座
ぐり部22を形成する。
【0046】つぎに、(b)に示すように、電池蓋17
上に供給された帯状金属箔24は、座ぐり部22の形成
に用いた第4のパンチ52と座ぐり部22の上端周縁の
エッジ部を恰もダイとして打ち抜かれる。この帯状金属
箔24の打ち抜きにより形成された安全弁体27は、座
ぐり部22の底面上に載置される。このとき、安全弁体
27は、その周縁部が第4のパンチ52の突条部53に
よって凹溝54内に押し込められる。
【0047】最後に、(c)に示すように、延性を有す
るアルミニウムからなる電池蓋17における座ぐり部2
2の周縁部分は、第3のパンチ28でプレス加工される
ことにより、えぐり取られながら押し潰される状態に塑
性変形されて、安全弁体27の上面周縁部上に押し付け
られ、座ぐり部22の底面および凹溝54とで安全弁体
27の周縁部を気密状態に挟持する固定部29に加工さ
れる。このとき、第3のパンチ28と座ぐり部22と安
全弁体27とで囲まれる密閉空間内の空気は、第3のパ
ンチ28の下降に伴い圧縮されて、安全弁体27を下方
に向け押圧する。そのため、安全弁体27は、必然的に
中央部が下方へ向け膨れ出て断面凹状となる。また、通
気孔20は、安全弁体27によって上端開口部を密閉さ
れ、これにより、本発明の第3の実施の形態に係る電池
用安全機構が形成される。
【0048】この電池用安全機構では、安全弁体27の
周縁部が座ぐり部22の周縁部分の塑性変形によって固
定されるときに、安全弁体27の周縁部が凹溝54内に
入り込んでいることにより、安全弁体27にしわや位置
ずれが発生するのを確実に抑制されて、安全弁体27が
固定部29と凹溝54とで挟み込まれたときの密閉性が
一層高まる効果を得ることができる。この安全機構にお
いても、図4(c)の構成に、第2の実施の形態で設け
た破断用突起50およびガス抜き孔51を有する蓋板4
9を組み合わせることが好ましい。
【0049】図5(a)〜(c)は本発明の第4の実施
の形態に係る安全機構の主要な製造工程を順に示す断面
図であり、同図において、図1と同一若しくは同等のも
のには同一の符号を付して、その説明を省略する。この
実施の形態では、(a)に示すように、電池蓋17に通
気孔20を形成したのちに、周縁近傍箇所に沿って環状
溝部57が設けられた第5のパンチ58を用いたプレス
加工を行うことにより、底面周縁部に環状の突条部59
を有する座ぐり部22を形成する。
【0050】つぎに、(b)に示すように、電池蓋17
上に供給された帯状金属箔24は、座ぐり部22の形成
に用いた第5のパンチ58と座ぐり部22の上端周縁の
エッジ部を恰もダイとして打ち抜かれる。この帯状金属
箔24が打ち抜かれて形成された安全弁体27は、座ぐ
り部22の底面上に載置される。このとき、安全弁体2
7は、その周縁近傍部が第5のパンチ58の環状溝部5
7によって突条部59に被せられる状態に位置決めされ
る。
【0051】最後に、(c)に示すように、延性を有す
るアルミニウムからなる電池蓋17における座ぐり部2
2の周縁部分は、第3のパンチ28でプレス加工される
ことにより、えぐり取られながら押し潰される状態に塑
性変形されて、安全弁体27の上面周縁部上に押し付け
られ、座ぐり部22の底面とで安全弁体27の周縁部を
気密状態に挟持する固定部29となる。このとき、第3
のパンチ28と座ぐり部22と安全弁体27とで囲まれ
る密閉空間内の空気は、第3のパンチ28の下降に伴い
圧縮されて、安全弁体27を下方に向け押圧する。その
ため、安全弁体27は、必然的に中央部が下方へ向け膨
れ出て断面凹状となる。また、通気孔20は、安全弁体
27によって上端開口部を密閉され、これにより、本発
明の第4の実施の形態に係る電池用安全機構が形成され
る。
【0052】この電池用安全機構では、安全弁体27の
周縁部が座ぐり部22の周縁部分の塑性変形によって固
定されるときに、安全弁体27の周縁近傍部が突条部5
9に被せられた状態に係合していることにより、安全弁
体27のしわや位置ずれの発生が確実に抑制されて、安
全弁体27が固定部29と座ぐり部22の底面とで挟み
込まれたときの密閉性が一層高まる効果を得ることがで
きる。この安全機構においても、図5(c)の構成に、
第2の実施の形態で設けた破断用突起50およびガス抜
き孔51を有する蓋板49を組み合わせることが好まし
い。
【0053】図6は、本発明の第5の実施の形態に係る
安全機構の要部の製造工程を示す断面図であり、同図に
おいて、図1と同一若しくは同等のものには、同一の符
号を付して、その説明を省略する。この実施の形態で
は、図1(c)の工程の後に、座ぐり部22の底面の周
端部に樹脂60を塗布する。この樹脂60としては、ブ
ロンアスファルト、ポリエチレン、フッ素樹脂またはプ
チルゴムなどを用いるのが好ましい。そののちに、図1
(d)に示すように、第2のパンチ21で帯状金属箔2
4を打ち抜いて形成した安全弁体27を座ぐり部22の
底面に押し付け、さらに、(e)に示すように、第3の
パンチ28によるプレス加工によって固定部29を形成
して安全弁体27を固定する。この実施の形態では、樹
脂60の存在によって安全弁体27の周縁部と電池蓋1
7との密閉性が長期間にわたり確実に確保することがで
きる。この安全機構においても、第2の実施の形態で設
けた破断用突起50およびガス抜き孔51を有する蓋板
49を組み合わせることが好ましい。
【0054】図7は、本発明の第6の実施の形態に係る
安全機構の要部の製造工程を示す断面図であり、同図に
おいて、図1と同一若しくは同等のものには、同一の符
号を付して、その説明を省略する。この実施の形態で
は、図1(c)の工程の後に、電池蓋17の上面に、金
属箔61の両面に樹脂62,62をラミネートしてなる
帯状ラミネート樹脂シート63を供給して、この帯状ラ
ミネート樹脂シート63を、座ぐり部22の周縁部のエ
ッジをダイとして第2のパンチ21で打ち抜くことによ
り、安全弁体64を形成し、この安全弁体64を第2の
パンチ21で座ぐり部22の底面に位置決め状態に載置
する。そののちに、図1(e)に示すように、第3のパ
ンチ28によるプレス加工によって固定部29を形成し
て安全弁体64を固定する。上記樹脂62としては、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂またはポリフ
エニルスチレンなどを用いるのが好ましい。
【0055】この実施の形態では、帯状ラミネート樹脂
シート63を打ち抜いて形成された安全弁体64が、金
属と異なり弾性を有しているので、電池としての封止性
つまり密閉性が長期にわたり確保される上に、特に、耐
落下性および衝撃や振動に対する信頼性が格段に高いも
のとなる。この安全機構は、第2の実施の形態で設けた
破断用突起50およびガス抜き孔51を有する蓋板49
を組み合わせて、比較的強度の高い安全弁体64を破断
用突起50で突き破るように構成することにより、安全
弁体64を10kgf/cm2 以下の小さな作動圧で確
実に破断させることができる。
【0056】また、第6の実施の形態のラミネート樹脂
シート63に代えて、ポリプロピレン、ポリエチレン、
フッ素樹脂またはポリフエニルスチレンなどの樹脂シー
トを安全弁体として用いることもできる。この安全弁体
の場合には、第2の実施の形態で設けた蓋板49と組み
合わせなくても、所定の作動圧で開裂させる構成とする
ことができる。
【0057】なお、上記の各実施例では、安全弁体27
を破断または開裂させる場合を例示して説明したが、安
全弁体27が、これが挟持固定されている固定部29お
よび座ぐり部22の底面との間から抜脱する状態に外
れ、それにより生じた開口部分を通じて内部のガスが外
部に放出される構成とすることもできる。この場合、上
記の各実施例と同様の効果を得られるのに加え、安全弁
体は、開裂させないので、厚みを大きく設定することが
でき、高い耐落下性と衝撃や振動に対する高い信頼性と
を有する優れた防爆機能を備えたものとすることができ
る。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明の電池用安全機構
によれば、安全弁体の周縁部を、座ぐり部の周縁部の材
料の塑性変形による固定部と座ぐり部の底面との間に密
閉状態に挟持固定する構成としたので、安全弁体を、ダ
メージや変形などの悪影響を一切受けることなく安価に
取り付けることができるから、安全弁体を破断または開
裂させるための電池内圧である作動圧を、安全弁体の厚
さまたは強度と通気孔の断面積とにより10kgf/c
2 (98N/cm2)以下に正確に設定することが可能
となる。
【0059】また、本発明の電池用安全弁体の製造方法
によれば、安全弁体の周縁部を、延性材料からなる電池
ケースまたは電池蓋の材料を塑性変形させることによっ
て固定できるので、従来の安全機構のように溶接加工や
真空吸着加工にあるいは冷間圧接法などで薄板や金属箔
を固定する手段とは異なり、安全弁体を容易、且つ安価
に取り付けることができるとともに、安全弁体には、固
定されるときにダメージを受けるなどの従来における種
々の悪影響が一切及ばない。そのため、この安全機構で
は、安全弁体の厚さと通気孔の断面積のみによって安全
弁体を開裂または破断させるための電池内圧である作動
圧を正確に設定できる。また、第2のパンチと座ぐり部
と安全弁体とで囲まれる密閉空間内の空気は、第2のパ
ンチの下降に伴い圧縮されて、安全弁体を下電池内方に
向け押圧するため、安全弁体を、製造過程において、中
央部が電池内方へ向け膨れ出る断面凹状とすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は本発明の第1の実施の形態に
係る電池用安全機構の製造工程を順に示した断面図。
【図2】(a)は同上の安全機構を備えた電池を示す縦
断面図、(b)は(a)における安全機構の拡大図、
(c)は他の安全機構を示す拡大断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る電池用安全機
構を示す断面図。
【図4】(a)〜(c)は本発明の第3の実施の形態に
係る安全機構の主要な製造工程を順に示す断面図。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第4の実施の形態に
係る安全機構の主要な製造工程を順に示す断面図。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係る安全機構の要
部の製造工程を示す断面図。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係る安全機構の要
部の製造工程を示す断面図。
【図8】(a)は従来電池の第1の安全機構を示す縦断
面図、(b)は第1の安全機構の変形例を示す斜視図。
【図9】従来電池の第2の安全機構を示す縦断面図。
【図10】従来電池の第3の安全機構を示し、(a)は
電池蓋と金属箔を冷間圧接法により接合する状態の概略
断面図、(b)は安全機構における易破断部を示す概略
断面図。
【符号の説明】
17 電池蓋 18 ダイ 19 第1のパンチ 20 通気孔 21 第2のパンチ 22 座ぐり部 24 帯状金属箔(安全弁体材料) 27,64 安全弁体 28 第3のパンチ 29 固定部 30 電池ケース 49 蓋板 50 破断用突起 51 ガス抜き孔 53 突条部 54 凹溝 57 溝部 59 突条部 60 樹脂 61 金属箔 62 樹脂 63 帯状ラミネート樹脂シート(安全弁体材料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 恭介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 増本 兼人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田中 成和 大阪府東大阪市池島町3丁目2番36号 一 巧精工株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA13 CC06 DD07 DD12 5H012 AA01 BB01 BB02 DD01 DD03 DD06 EE01 EE04 FF01 FF02 GG01 JJ01 JJ06 5H029 AJ12 AM01 BJ27 CJ05 DJ02 DJ03 EJ01 EJ12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器を構成する延性を有する金属製
    の電池ケースおよび電池蓋の少なくとも一方に形成され
    た通気孔および前記通気孔に対し連通する座ぐり部と、 前記通気孔の開口端を閉塞する状態で前記座ぐり部の底
    面に配置された金属製薄板からなる安全弁体と、 前記座ぐり部の周縁部の材料の塑性変形によって形成さ
    れ、前記安全弁体の周縁部を前記座ぐり部の底面とで密
    閉状態に挟持固定する固定部とを備えてなることを特徴
    とする電池用安全機構。
  2. 【請求項2】 安全弁体は、その中央部が電池内方へ向
    け膨れ出る断面凹形状に形成されている請求項1に記載
    の電池用安全機構。
  3. 【請求項3】 先端部が先鋭形状となった破断用突起が
    内面中央部に突設され、且つガス抜き孔を有する蓋板
    が、座ぐり部の開口部を施蓋する状態に固着されている
    請求項2に記載の電池用安全機構。
  4. 【請求項4】 安全弁体の周縁部は、座ぐり部の底面に
    形成された環状の凹溝に挿入された状態で固定部により
    密閉状態に固定されている請求項1〜3の何れかに記載
    の電池用安全機構。
  5. 【請求項5】 安全弁体の周縁部は、座ぐり部の底面に
    形成された環状の突条部に被せられた状態で固定部によ
    り密閉状態に固定されている請求項1〜3の何れかに記
    載の電池用安全機構。
  6. 【請求項6】 安全弁体は、金属製薄板に代えて、樹脂
    シートにより形成されている請求項1〜5の何れかに記
    載の電池用安全機構。
  7. 【請求項7】 安全弁体は、金属製薄板に代えて、金属
    箔の両面に樹脂がラミネートされてなるラミネート樹脂
    シートにより形成されている請求項1〜5の何れかに記
    載の電池用安全機構。
  8. 【請求項8】 座ぐり部の底面と安全弁体との間に、樹
    脂またはプチルゴムが塗布されて介在されている請求項
    1〜7の何れかに記載の電池用安全機構。
  9. 【請求項9】 密閉容器を構成する延性を有する金属製
    の電池ケースおよび電池蓋の少なくとも一方に形成され
    た通気孔および前記通気孔に対し連通する座ぐり部と、 前記通気孔の開口端を閉塞する状態で前記座ぐり部の底
    面に配置された金属製薄板または樹脂シートからなる安
    全弁体と、 前記座ぐり部の周縁部の材料の塑性変形によって形成さ
    れ、前記安全弁体の周縁部を前記座ぐり部の底面とで密
    閉状態に挟持固定する固定部とを備えてなり、前記安全
    弁体は、その中央部が電池外方へ向け膨れ出る断面凸形
    状に形成されていることを特徴とする電池用安全機構。
  10. 【請求項10】 密閉容器を構成する延性を有する金属
    製の電池ケースおよび電池蓋の少なくとも一方に、ダイ
    と第1のパンチとで通気孔を形成する工程と、 プレス加工または切削加工によって前記通孔の外方側に
    座ぐり部を連通状態に形成する工程と、 帯状の安全弁体材料を、第2のパンチにより前記座ぐり
    部の開口端周縁のエッジ部をダイとして打ち抜くことに
    より、安全弁体を形成して、この安全弁体を前記第2の
    パンチによって前記座ぐり部の底面に位置決めする工程
    と、 前記第2のパンチよりも径の大きな第3のパンチによっ
    て前記座ぐり部の周縁部をプレス加工することにより、
    前記座ぐり部の周縁部をえぐり取りながら押し潰す状態
    に塑性変形させて、前記安全弁体の周縁部を前記座ぐり
    部の底面とで気密状態に挟持する固定部を形成する工程
    とを有していることを特徴とする電池用安全機構の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 第1のパンチとして、先端面周端部に
    環状の突条部または溝部が形成されたものを用いるよう
    にした請求項10に記載の電池用安全機構の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9の何れかに記載の安全機
    構を電池蓋または電池ケースの底面の何れか一方に設け
    た非水電解液電池。
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