JPH10284034A - 密閉型電池用防爆封口板およびその製造方法 - Google Patents

密閉型電池用防爆封口板およびその製造方法

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JPH10284034A
JPH10284034A JP9083839A JP8383997A JPH10284034A JP H10284034 A JPH10284034 A JP H10284034A JP 9083839 A JP9083839 A JP 9083839A JP 8383997 A JP8383997 A JP 8383997A JP H10284034 A JPH10284034 A JP H10284034A
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文夫 大尾
Hideyuki Kobayashi
秀幸 小林
Kanehito Masumoto
兼人 増本
Yoshitaka Matsumasa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の電池内圧で破断させる易破断部を、量産
性に優れた製作手段により所定の破断強度に正確に形成
でき、信頼性の高い電流遮断機能を得られる密閉型電池
用防爆封口板の提供。 【解決手段】下部金属箔弁体18に、中央部を囲むよう
に形成された略C字形状の通気口29と、通気孔29に
囲まれて上部金属箔弁体17との接続部28を有する舌
片部25と、舌片部25と周縁部との境界部であって通
気口29の両端孔縁間の部分により形成された易破断部
31とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型電池、特に
リチウム二次電池などの高エネルギ密度を有する密閉型
の非水電解液電池の封口に用いられる密閉型電池用防爆
封口板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、AV機器あるいはパソコンなどの
電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んで
おり、これら携帯型機器の駆動電源としては、高容量化
した各種のアルカリ蓄電池やリチウム二次電池に代表さ
れる非水電解液(有機溶媒系電解液)二次電池が適して
おり、さらに、これら非水電解液二次電池は、高エネル
ギ密度で負荷特性の優れた密閉型とすることが促進され
ている。
【0003】ところで、エネルギ密度の高い密閉型の非
水電解液電池では、電池内部で発生するガスを対極で消
費する、所謂ノイマン方式を採用できないため、過充電
や過放電を避ける必要がある。ところが、充電器を含む
機器の故障や過充電あるいは誤使用などが生じた場合に
は、電池内部の発電要素が化学反応を起こし、例えば、
過充電や短絡などによる異常反応により電解液や活物質
が分解し、それに伴って電池内部に異常にガスが発生
し、電池内圧が過大となる。このような問題の発生を未
然に確実に防止するために、この種の電池には、電池内
圧が設定値を超えたときに弁体を開いてガスを排出する
防爆安全装置が従来から付加されている。
【0004】さらに、非水電解液二次電池では、過充電
状態となった場合に充電電流が流れ続けるため、電解液
や活物質が分解し続けて急激に温度上昇するおそれもあ
る。そこで、この種の電池には、電池内圧が所定値に上
昇したのを検知することにより、ガスの排出に先立って
通電電流を完全に遮断する確実な防爆安全機構が設けら
れている。
【0005】このような防爆安全機構としては、例えば
図6に示す構成のものが知られている(特開平6-215747
号公報参照)。この防爆安全機構は、上部の弁体1と通
気孔3を有する端子板2とが各々の周縁部の間に絶縁ガ
スケット10を介在して積み重ねられ、弁体1と端子板
2とは、各々の中央部の溶着部4を通じてのみ導電状態
になっている。通常時には、通電電流が極板(図示せ
ず)、リード体(図示せず)、金属ケース7および端子
板2から溶着部4を介して弁体1、PTC素子8および
金属キャップ9に流れ、電池として機能する。そして、
電池内圧が所定値まで上昇した場合には、この電池内圧
を金属ケース7の通気孔5および端子板2の通気孔3を
通じて受ける弁体1が内圧作用方向(図の上方)へ変形
する応力によって、弁体1が端子板2の溶着部4から剥
離し、通電電流を遮断する。
【0006】ところで、上記の防爆安全機構では、溶着
部4の形成に際して、弁体1と端子板2との所定部位同
士を一定の電池内圧によって剥離可能な低い溶着強度に
溶接する必要があるため、そのような低い溶着強度に溶
接が可能な超音波溶接が採用されていた。しかしなが
ら、超音波溶接は、振動発熱により被溶接物の接合部の
表面にのみ溶解を起こさせて被溶接物同士を溶接するも
のであって、不安定要素が多いことから溶着強度にどう
してもばらつきが生じる。これに対し上記の防爆安全機
構では、この溶着強度によって電流を遮断するための電
流遮断圧力を設定しているので、電流遮断圧力は、溶着
強度のばらつきに応じて相違し、一定値に設定できない
欠点がある。それにより、電池内圧が所定値に達する以
前に電流が遮断されてしまったり、逆に、電池内圧が所
定値に達しているにも拘わらず電流が遮断されないなど
の不都合が生じることになる。
【0007】そこで、図7に示すような密閉型電池用防
爆封口板が提案されている。この密閉型電池用防爆封口
板は、電池内圧の上昇によって電流を遮断する際に、溶
着強度の影響を受けることのないものである。すなわ
ち、この防爆封口板は、上部金属箔弁体11と下部金属
箔弁体12とにより防爆弁機構が構成されており、その
他の構成は図8のものと同様である。上部金属箔弁体1
1には、中央部に平面視C字形状の薄肉部からなる上部
易破断部13が形成され、下部金属箔弁体12には、上
部易破断部13よりも径の小さい平面視円形の薄肉部か
らなる易破断部14が中央部に形成されている。この両
金属箔弁体11,12は、各々の易破断部13,14が
同心状に対向する相対位置で各々の中央部が互いに溶接
されて、溶着部15が形成されている。ここで、下部易
破断部14は上部易破断部13に対し破断強度を低く設
定されている。
【0008】上記防爆封口板は、両金属箔弁体11,1
2の中央部の溶着部15のみを介して電気的に導通して
おり、電流遮断圧力は、刻印手段で形成された下部易破
断部14の破断強度によって設定されているため、溶着
部15の溶着強度のばらつきの影響を受けない。すなわ
ち、電池内圧が所定値まで上昇したときに、円形の下部
易破断部14の全体が破断されて、下部金属箔弁体12
における下部易破断部14の内方部位がくり抜かれて上
部金属箔弁体11と一体に下部金属箔弁体12から分離
し、通電電流が遮断される。電池内圧がさらに上昇した
場合には、上部易破断部13が破断して開口し、ガスを
外部に排出する。この防爆封口板では溶着部15を剥離
させる必要がないから、溶着部15を強固な溶着強度に
溶接が可能なレーザー溶接によって形成できる。したが
って、電流遮断圧力は、刻印手段などで形成される下部
易破断部14の破断強度によって設定されるから、溶着
強度のばらつきの影響を全く受けない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記防爆封口板は、上
述のように顕著な防爆安全機能を発揮するものである
が、以下のような問題が残存している。すなわち、下部
易破断部14は溶着部15を囲む円形状であって全体の
長さが比較的長く、電流遮断圧力は、上述の長い下部易
破断部14の厚みの全体の和による破断強度により設定
される。そのため、下部易破断部14は、全体にわたり
μmオーダーの極めて薄く、且つ均一な厚みに正確に管
理して形成する必要があるから、量産性に欠ける。しか
も、下部易破断部14は、刻印手段を高精度に制御する
加工を施したとしても、極めて薄い厚みに形成すること
から、どうしても厚みにばらつきが生じる。また、円形
の下部易破断部14は、その全体に対し均等に破断圧力
が作用するから、破断され始める部位が特定されず、破
断動作が不安定になり易い。したがって、電流遮断圧力
は、以上の不ような不安点要因により信頼性の低いもの
になりがちである。
【0010】そこで本発明は、上述の問題点を解消し、
所定の電池内圧で破断させる易破断部を、量産性に優れ
た製作手段により所定の破断強度に正確に形成でき、信
頼性の高い電流遮断機能を得られる密閉型電池用防爆封
口板およびその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、発電要素を収納した電池ケースの開口部
を密閉するとともに、電池内圧が設定値まで上昇したと
きに一部が破断して通電電流を遮断する密閉型電池用防
爆封口板において、導電性を有する上部および下部の両
金属箔弁体が、それらの周縁部間に絶縁ガスケットを介
在して重ね合わされ、且つ各々の中央部位を互いに溶着
した接続部のみを介して電気的に導通され、前記両金属
箔弁体が、前記上部金属箔弁体の上部に金属キャップを
配置して金属ケース内に挿入されてなり、前記下部金属
箔弁体は、中央部を囲むように形成された略C字形状の
通気口と、この通気孔に囲まれて前記接続部を有する舌
片部と、前記舌片部と前記周縁部との境界部であって前
記通気口の両端孔縁間の部分により形成され、電池内圧
が所定値に達した時に破断する易破断部とを備え、電池
内圧が所定値に達したときに、前記上部金属箔弁体の上
方への変形による応力を受けて前記易破断部が破断する
ことにより、前記舌片部が前記上部金属箔弁体と一体と
なって前記下部金属箔弁体から分離するように構成され
ている。
【0012】上記密閉型電池用防爆封口板は、電池内圧
が下部金属箔弁体の易破断部の破断強度によって設定さ
れた所定値まで上昇すると、この圧力を下部金属箔弁体
の通気口を通じて受ける上部金属箔弁体が上方へ向け凸
状に変形し、それによって下部金属箔弁体の易破断部に
剪断力が作用して、易破断部が破断する。それにより、
下部金属箔弁体の舌片部は、接続部を介して上部金属箔
弁体と一体的に下部金属箔弁体から離れるため、接続部
を通じてのみ導通していた両金属箔弁体が離間して通電
電流が遮断される。
【0013】この密閉型電池用防爆封口板では、易破断
部の破断強度が通気口の両端孔縁部間を結ぶ直線の長さ
により設定されており、上記直線の長さは、従来の防爆
封口板の円形の易破断部に比較して格段に短い。したが
って、易破断部は、従来の易破断部と同一の破断強度に
設定する場合に長さが格段に短くなった分だけ厚くする
ことができ、下部金属箔弁体をその全体厚みが一定にな
るよう製作するのは容易であるから、易破断部は、通気
口の形状により所定の破断強度に正確に設定でき、通気
口の形状は、打ち抜き加工に用いる加工具の形状により
一義的に正確に決定される。したがって、易破断部は所
定の破断強度に正確に形成できるから、電流遮断圧力に
ばらつきが生じない。また、1回の打ち抜き加工により
通気口と易破断部と舌片部とを同時に形成できるから、
量産性に優れている。
【0014】前記発明において、上部および下部の両金
属箔弁体の接続部を、両通気口の両端孔縁部間を結ぶ直
線の中点に対し、前記直線に平行な線上において何れか
の方向にずれた位置に形成するのが好ましい。
【0015】これにより、易破断部は、その全体が水平
に引っ張り上げらるのではなく、易破断部の中点からず
れた位置に形成された接続部により斜め方向に引き裂く
状態に破断されることになり、所定の電池内圧に達した
時点で円滑且つ安定に破断される。
【0016】前記発明において、易破断部に対する外周
側近傍位置に、下部金属箔弁体を金属ケースに局部的に
固定する固定部を設けることが好ましい。
【0017】これにより、下部金属箔弁体が接続部を介
して上部金属箔弁体により引っ張り上げられるときに、
下部金属箔弁体における易破断部の外周側近傍箇所は固
定部を介して金属ケースにより引っ張り上げられないよ
うに保持されるから、易破断部には、下部金属箔弁体の
展性や絶縁ガスケットの変形による影響を受けて破断強
度がばらつくといったことが生じない。そのため、この
防爆封口板は、易破断部を一対の通気口の間隔のみによ
り所定の破断強度に正確に設定できることと併せて、電
流遮断圧力に高い信頼性を得られる。
【0018】前記発明において、固定部を、通気口と易
破断部とを結ぶ環状の中心点と、前記通気口の両端孔縁
部間を結ぶ直線の中点とを通る線上に、前記固定部の中
心点を設定して形成することが好ましい。
【0019】これにより、固定部は、易破断部の中点に
対応して形成されることから、易破断部の全体にわたり
均等な保持力を安定に作用させることができる。
【0020】前記発明において、固定部を、下部金属箔
弁体と金属ケースとの所定の対面部位を互いに溶接した
溶着部により構成することができる。
【0021】これにより、下部金属箔弁体の舌片部が接
続部を介して上部金属箔弁体により引っ張り上げられる
ときに、下部金属箔弁体における易破断部に対し外周側
近傍部位を、金属ケースにより引き上げられないように
確実に保持できる。
【0022】前記発明において、固定部を、金属ケース
または絶縁ガスケットに設けた凸部によって下部金属箔
弁体が局部的に強く金属ケースに圧接する構成とするこ
ともできる。
【0023】これにより、下部金属箔弁体の舌片部が接
続部を介して上部金属箔弁体により引っ張り上げられる
ときに、下部金属箔弁体における易破断部に対し外周側
近傍部位を、絶縁ガスケットと金属ケースとにより局部
的に強く挟み付けて引き上げられないように確実に保持
できる。
【0024】前記発明において、下部金属箔弁体の通気
口の両端には先端が尖った形状の先鋭孔縁が相対向して
それぞれ形成され、この両先端孔縁の間に易破断部が設
けられている構成とすることが好ましい。
【0025】これにより、易破断部は、相対向する先鋭
孔縁の各々の尖った先端部を結ぶ直線に沿って破断する
ように破断部位がほぼ規定されるので、安定した破断動
作を得られる。
【0026】前記発明において、下部金属箔弁体の易破
断部は、通気口の両端孔縁部間を結ぶ直線を、前記下部
金属箔弁体を製造する際の圧延ロールによる筋目方向に
合致させて形成することが好ましい。
【0027】これにより、易破断部を常に安定に破断さ
せることができる。
【0028】前記発明において、下部金属箔弁体の易破
断部には、通気口の両端孔縁部間を結ぶ直線に沿って形
成されたミシン目または細い溝からなる破断規定線を設
けることができる。
【0029】これにより、易破断部は、破断規定線部に
より破断部位を確実に規定されるから、破断動作をより
一層安定に且つ円滑に行わせることができ、電流遮断圧
力を一層確実に所定値に設定することができる。
【0030】前記発明において、上部金属箔弁体に、中
央部分が下方へ向け膨出した凹状部が設けられ、下部金
属箔弁体に、中央部分が上方へ向け膨出し、その膨出部
分の外周に沿って通気口および易破断部が環状に配して
形成された凸状部が設けられ、前記両金属箔弁体が、前
記凹状部と前記凸状部との接触部位を溶接により互いに
溶着した接続部を介して電気的導通状態に連結されてい
る構成とすることができる。
【0031】これにより、両金属箔弁体間に溶接により
接続部を形成する場合、両金属箔弁体の凹状部および凸
状部は保持手段を用いることなく各々の先端部同士を密
着状態に保持することができるため、溶接不良や穿孔が
生じることがなく、強固な接続部を歩留りよく形成する
ことができる。
【0032】本発明の密閉型電池用防爆封口板の製造方
法は、下部金属箔弁体と金属ケースとの所定の対面部位
を互いに溶接した溶着部からなる固定部を有する密閉型
電池用防爆封口板の製造に際して、中央部分が上方へ向
け膨出した凸状部を有する下部金属箔弁体を金属ケース
内に挿入して、前記下部金属箔弁体における周縁部の所
定部位と金属ケースの対面部位とをレーザー溶接により
相互に溶着して固定部を形成する工程と、中央部分が下
方へ向け膨出した凹状部を有する上部金属箔弁体を前記
金属ケース内に挿入して、前記両金属箔弁体の各々の周
縁部分を絶縁ガスケットを介在して重ね合わせ、前記凹
状部と前記凸状部との各々の先端部位を互いに接触させ
る工程と、前記両金属箔弁体における各々の周縁部分を
固定治具により上下から挟み付けて固定する工程と、前
記凹状部と前記凸状部との互いに接触する部位をレーザ
ー溶接により相互に溶着して接続部を形成する工程と、
を有している。
【0033】上記密閉型電池用防爆封口板の製造方法で
は、固定部の形成に際して、互いの溶接すべき箇所であ
る金属ケースと下部金属箔弁体の周縁部分とは、共に平
坦面であって直接的に押圧しなくても隙間なく密着する
から、支障なくレーザー溶接できる。また、レーザー溶
接により接続部を形成するに際して、両金属箔弁体の各
々の凹状部および凸状部の各々の先端部位が隙間のない
状態に密着するから、溶接不良や穿孔が生じることがな
く、強固な接続部を歩留りよく形成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1(a)は
本発明の第1の実施の形態に係る密閉型電池用防爆封口
板を示す縦断面図、同図(b)はこの防爆封口板におけ
る下部金属箔弁体18の平面図である。同図において、
この密閉型電池用防爆封口板は、可撓性を有する薄い上
部金属箔弁体17と、この上部金属箔弁体17に対設さ
れた可撓性を有する薄い下部金属箔弁体18と、両金属
箔弁体17,18の各々の周縁部分の間に介在されたリ
ング状の絶縁ガスケット19と、上部金属箔弁体18の
周縁部の上面に重ね合わされたリング状のPTC(Posi
tive Temperature Coefficient)素子20と、このPT
C素子20上に載置された複数の排気孔21aを有する
金属キャップ21と、上記の各部材を積層状態で挿入さ
せて保持する複数の通気口22aを有するアルミニウム
製の金属ケース22とを備えている。
【0035】上部金属箔弁体17は、例えば厚さ0.10m
mで外径が12.7mmの可撓性を有するアルミニウム円板
からなり、中央部が下方に向け湾曲形状に膨出した凹状
部23と、この凹状部23の周囲にC字形状の刻印を用
いて形成された易破断性の薄肉部24とを有している。
一方、下部金属箔弁体18は、例えば厚さ0.10mmで外
径が13.5mmの可撓性を有するアルミニウム円板からな
り、その中央部分が上方に向け膨出した凸状部27を有
している。両金属箔弁体17,18は、(b)に示す両
金属箔弁体17,18の各々の中心点Sよりずれた部位
を局部的にレーザー溶接することにより互いに溶着され
てなる接続部28のみを介して電気的導通状態に接続さ
れている。
【0036】下部金属箔弁体18には、(b)に明示す
るように、中央部を囲むように形成された略C字形状の
通気口29と、この通気口29に囲まれて接続部28を
有する舌片部25と、この舌片部25と周縁部との境界
部であって通気口29の両端孔縁間の部分により形成さ
れた易破断部31とが設けられている。通気口29の両
端には先端が尖った形状の先鋭孔縁30が相対向してそ
れぞれ形成され、この両先端孔縁30,30の間に易破
断部31が設けられている。この易破断部31には、両
先鋭孔縁30,30を結ぶ直線に沿ってミシン目からな
る破断規定線部32が形成されている。なお、破断規定
線部32は細い溝により形成してもよい。さらに、下部
金属箔弁体18には、易破断部31に対し接続部28と
は反対側の近傍部位が金属ケース22にレーザー溶接さ
れて、固定部33が形成されている。
【0037】易破断部31は、破断規定線部32により
破断される部位が確実に規定されており、その破断部位
の長さLおよび厚みにより電池内圧を受けたときの破断
強度が設定されている。さらに、易破断部31の破断規
定線部32は、下部金属箔弁体18を製造する際の圧延
ロールによる筋目方向34に合致して形成されている。
【0038】上記接続部28は、両金属箔部弁体17,
18の中心点Sに対し、易破断部31における先鋭孔縁
30,30を結ぶ直線に平行な線R上のいずれかの方向
にずれて形成される。したがって、接続部28は中心点
Sに対し線Rに沿って図示とは反対方向にずれた位置に
形成してもよい。また、固定部33は、上記中心点S
と、両先鋭孔縁30,30間を結ぶ直線の中点を通る線
上に、溶接の中心点を設定して形成されている。
【0039】上記防爆封口板は、絶縁ガスケット19を
介在して重ね合わせた両金属箔弁体17,18の上にP
TC素子20および金属キャップ21を重ね合わせた状
態で金属ケース22内に挿入し、金属ケース22の上部
を内方にかしめ加工して組み立てられている。この防爆
封口板を電池ケース34に挿入するに際しは、(a)に
示すように、電池ケース37内に収容した極板群38か
ら導出したリード体39を金属ケース22に溶接により
接続し、極板群38に電解液を注入した後に、上述のよ
うに組み立てた防爆封口板を、その周囲に絶縁ガスケッ
ト40を介在して電池ケース37の開口部に装着する。
そののちに、電池ケース37の上端部分を内方にかしめ
加工すると、防爆封口板が電池ケース37を密閉する。
【0040】次に、上記防爆封口板により電池ケース3
7の開口部を密閉してなる密閉型電池の作用について説
明する。通電電流は、極板群38、リード体39、金属
ケース22、下部金属箔弁体18から接続部28を介し
て上部金属箔弁体17、PTC素子20および金属キャ
ップ21に流れ、電池として機能する。この密閉型電池
では防爆安全機能が3段階に機能する。先ず、第1の防
爆安全機能について説明する。過大電流が流れた場合、
PTC素子20は短時間て動作温度に達して抵抗値が増
大し、通電電流が大幅に減少維持される。それにより、
外部短絡あるいは過大電流での誤使用による電池の著し
い損傷を防止できる。
【0041】ところで、リチウム二次電池などでは、充
電器の故障などによる無制御での過充電、あるいは逆充
電、または多数直列過放電などが発生した場合、上記P
TC素子20の動作電流以下の電流値であっても、電池
の安全許容電流を超え、電池内圧が上昇することが多
い。この場合、さらに継続して電池に電流が流れた場合
には、電解液および活物質の分解などを伴いながら電池
温度が急激に上昇して、過大量のガスあるいは蒸気を発
生させるおそれがある。そこで、電池内圧を検知して通
電電流を完全に遮断する第2の防爆安全機能が作用す
る。
【0042】すなわち、電池内圧が下部金属箔弁体18
の易破断部31の破断強度によって設定された所定値ま
で上昇すると、この圧力を金属ケース22の通気孔22
aおよび下部金属箔弁体18の通気口29を通じて受け
る上部金属箔弁体17は、図2に示すように、凹状部2
3が反転して上方へ向け凸状に変形し、それによって下
部金属箔弁体18の易破断部31に剪断力が作用して、
易破断部31が破断する。それにより、下部金属箔弁体
18の舌片部25は、上部金属箔弁体17と一体的に下
部金属箔弁体18から分離するため、接続部28を通じ
てのみ導通していた両金属箔弁体17,18が離間して
通電電流が遮断される。ここで、上部金属箔弁体17の
薄肉部24は易破断部31よりも高い破断強度に設定さ
れているため、上部金属箔弁体17は電流遮断時にその
ままの状態を維持して、電解液が漏れ出るのを防止する
ので、電解液がPTC素子20に付着したり、電解液が
外部に漏出して機器を腐食するといったことが生じな
い。
【0043】そののちに、電池内圧がさらに上昇し続け
た場合には、第3の防爆安全機能が作用する。すなわ
ち、大量のガスまたは蒸気が発生して電池内圧が上部金
属箔弁体17の薄肉部24の破断強度によって設定され
た所定値に達すると、その薄肉部24が開裂し、充満し
ていたガスが金属キャップ21の排気孔21aから電池
の外部に排出される。ここで、舌片部25は、C字形状
の薄肉部24の径よりも小さい径のほぼ円形に設定され
て、薄肉部24内に包含される相対位置で対設されてい
る。したがって、離間して上部金属箔弁体17に付着し
ている舌片部25は、上部金属箔弁体17における薄肉
部24の破断により開口したガス排出孔を塞ぐことがな
く、大量のガス発生時にも内部ガスを迅速に外部排出す
ることができる。
【0044】上記防爆封口板では、易破断部31の破断
強度が通気口29の両端の先鋭孔縁30,30を結ぶ直
線の長さLと下部金属箔弁体18の厚みとにより設定さ
れており、線の長さLは、図7の易破断部14に比較し
て格段に短い。したがって、図7と同等の破断強度に設
定する場合、易破断部31は、長さが格段に短くなった
分だけ図7の場合より厚くすることができ、この易破断
部31を含む下部金属箔弁体18全体の厚みを一定に形
成することは容易に行えるから、易破断部31は、通気
口29の両端の先鋭孔縁30,30の間隔のみの管理に
より所定の破断強度に正確に設定できる。両先鋭孔縁3
0,30の間隔、つまり通気口29の形状は、打ち抜き
加工に用いる加工具の形状により一義的に正確に決定さ
れるから、易破断部31を所定の破断強度に正確に形成
でき、電流遮断圧力に高い信頼性を得られる。また、こ
の防爆封口板は、従来の高精度な制御を必要とする刻印
加工を用いることなく、1回の打ち抜き加工により通気
口29と易破断部31と舌片部25とを同時に形成でき
るから、量産性に優れている。
【0045】しかも、上記防爆封口板は、下記の種々の
手段を講じたことにより電流遮断圧力をより一層正確に
設定できるとともに、破断動作を安定に行わせて高い信
頼性を得られる。先ず、第1に、下部金属箔弁体18が
接続部28を介して上部金属箔弁体17により引っ張り
上げられるときに、下部金属箔弁体18における易破断
部31の外側の近傍箇所は固定部33により金属ケース
22に離間しないよう保持されるから、易破断部31
は、下部金属箔弁体18の展性や絶縁ガスケット19の
変形による影響を受けて破断強度がばらつくといったこ
とが生じない。しかも、固定部33は易破断部31の中
点に対応して形成されているから、易破断部31にはそ
の全体にわたり均等な保持力が安定に作用する。
【0046】第2に、接続部28は、下部金属箔弁体1
8の中心点Sから上述の方向にずれた位置に設けられて
いるから、易破断部31は、その全体が水平に引っ張り
上げらるのではなく、接続部28により斜め方向に引き
裂く状態で破断されることになり、所定の電池内圧に達
した時点で円滑且つ安定に破断される。第3に、易破断
部31は、通気口29の両端の先鋭孔縁30,30が相
対向され、且つ両先鋭孔縁30,30を結ぶ直線に沿っ
て破断規定線部32が形成されているから、破断方向が
確実に規定されているとともに、このの破断方向が下部
金属箔弁体18の圧延ロールによる筋目方向33と一致
するよう設定して形成されているので、常に安定した破
断動作を得ることができる。このように、易破断部31
は上述のような種々の破断のための要件を備えているか
ら、電流遮断圧力にばらつきが生じない。
【0047】上記第1の実施の形態の防爆封口板および
図7の従来の防爆封口板の各々の電流遮断圧力を、図3
に示す検査装置によりそれぞれ測定した。すなわち、防
爆封口板を筒型の一対の電極体41,42により気密に
挟み付け、この電極体41,42を介して電源43から
防爆封口板に電流を供給した状態において、高圧空気源
44から電極体41を通じて防爆封口板に加える高圧空
気を毎秒0.6 kg/cm2 で徐々に昇圧させていき、易
破断部31が破断して電流が遮断されたのを検流計47
が検知したときの圧力センサ48の指示値を電流遮断圧
力として計測した。その結果を(表1)に示す。
【0048】
【表1】
【0049】この表1から明らかなように、従来の防爆
封口板では標準偏差が1.28であったのが、上記実施の形
態の防爆封口板の場合には、標準偏差が0.30に大幅に低
減している。なお、標準偏差σは下記の式(1)に基づ
き計算した。式(1)において、xi は上記装置により
測定した電流遮断圧力、x0 は平均値、nは測定回数を
それぞれ示す。
【0050】
【数1】
【0051】上記実施の形態の防爆封口板の易破断部3
1は、破断規定線部32を設けることにより破断部位が
極めて確実に規定されているが、この破断規定線部32
を設けない構成としても、相対向する先鋭孔縁30,3
0により破断部位がほぼ規定され、安定した破断動作を
得ることができる。
【0052】図4は、本発明の他の実施の形態に係る密
閉型電池用防爆封口板を示す縦断面図である。この実施
の形態の防爆封口板が上記実施の形態のものと異なるの
は、下部金属箔弁体18の易破断部31に対し外側の近
傍箇所に設ける固定部49の構成のみであり、その他の
構成は上記各実施の形態と同様である。この実施の形態
の固定部49は、金属ケース22における易破断部31
の外周側の近傍部位に対応する箇所に、上方に突出する
凸部22bが予め形成されており、下部金属箔弁体18
の凸部22bに対応する箇所を、絶縁ガスケット19に
より局部的に強く金属ケース22に圧接する構成になっ
ている。なお、この固定部49は、金属ケース22の凸
部22bに代えて、絶縁ガスケット19に下方へ突出す
る凸部を設けて構成してもよい。
【0053】上記固定部49は、第1の実施の形態の防
爆封口板の固定部33と同様に、所定の電池内圧により
上部金属箔弁体17の凹状部23が上方へ変形するのに
伴って下部金属箔弁体18の舌片部25が引き上げられ
るときに、下部金属箔弁体18における易破断部31の
外方箇所を金属ケース22に強く押し付けて、引き上げ
らるのを阻止する。それにより、下部金属箔弁体18の
展性により易破断部31の破断強度がばらつくのを確実
に防止できるから、易破断部31は所定の電池内圧に達
した時点でばらつきなく確実に破断される。
【0054】つぎに、図1に示した防爆封口板の製造方
法について説明する。図5(a)は、金属ケース22と
下部金属箔弁体18との各々の所定部位を相互に溶着し
て固定部33を形成する工程を示す。金属ケース22内
に、通気口29、易破断部31、舌片部25および破断
規定線部32を予め形成した下部金属箔弁体18を挿入
する。続いて、金属ケース22と下部金属箔弁体18と
を、光通過孔57aを有する固定治具57と熱退避用空
間58を有する固定治具58により両側から挟み付け、
金属ケース22の所定部位に、レーザー溶接機54から
光通過孔57aを通じレーザー光を照射して、下部金属
箔弁体18における易破断部31の外周側近接部位と金
属ケース22とを相互にレーザー溶接して固定部33を
形成する。ここで、互いの溶接すべき箇所である金属ケ
ース22と下部金属箔弁体18の周縁部分とは、共に平
坦面であるから、直接的に押圧しなくても隙間なく密着
し、支障なくレーザー溶接できる。
【0055】次工程では、両金属箔弁体17,18相互
間に接続部28を形成する。図5(b)に示すように、
絶縁ガスケット19および上部金属箔弁体17を金属ケ
ース22内に順次挿入して、両金属箔弁体17,18の
各々の周縁部分を絶縁ガスケット19を介在して重ね合
わせる。絶縁ガスケット19を介在して重ね合わされた
両金属箔弁体17,18の各々の周縁部分を、上下の固
定治具52,53により金属ケース22を介在して挟み
付け、固定する。
【0056】つぎに、両金属箔弁体17,18の凹状部
27および凸状部23の各々の接触部分の所定部位に、
レーザー溶接機54から上部固定治具52の光通過孔5
2aを通じレーザー光を照射してレーザー溶接し、接続
部28を形成する。図5(b)に示すように、上部金属
箔弁体17を金属ケース22内に挿入して、上部金属箔
弁体17の周縁部分を絶縁ガスケット19上に載置する
と、上部および下部の金属箔弁体17,18の各々の凹
状部23と凸状部27との先端部同士が互いに接触す
る。すなわち、下部金属箔弁体18の凸状部27および
上部金属箔弁体17の凹状部23は、下部金属箔弁体1
8の周縁部上面から凸状部27の先端までの突出寸法を
d1、上部金属箔弁体17の周縁部下面から凹状部23
先端までの突出寸法をd2、絶縁ガスケット19の厚み
をDとしたときに、d1+d2>Dの寸法関係に設定さ
れている。
【0057】したがって、上述の絶縁ガスケット19を
介在して重ね合わされた両金属箔弁体17,18の各々
の周縁部分を、上下の固定治具52,53により金属ケ
ース22を介在して挟み付け、固定したときに、上記の
d1+d2>Dの寸法関係から明らかなように、凹状部
23および凸状部27が僅かに撓められて、それらの各
々の先端部位は、屈撓による復元力によって互いに強く
押し付け合って、隙間のない状態に密着する。これによ
り、支障なくレーザー溶接して接続部28を形成できる
ように図られている。
【0058】すなわち、レーゼー溶接は、溶着強度の高
い溶着部を形成するものであって、被溶接物が剛性体や
厚みの大きいものである場合にはそれ自体が変形しない
ことから支障なく溶接を行える。しかし、本発明におけ
る被溶接物である金属箔弁体17,18は、0.1 〜0.15
mm程度の厚みの薄いものであって変形し易いため、レ
ーザー溶接するに際してこれらの被溶接部位を互いに密
着状態に保持する必要があるが、それらの被溶接部位
を、固定治具を両側から直接押し付ける手段などにより
密着させるようなことはできない。なぜならば、一方の
固定治具にはレーザー光の通過孔を、他方の固定治具に
おけるレーザー光の照射箇所には熱影響を避けるための
空間を、それぞれ必要とするためである。もし、被溶接
部位に隙間が生じると、レーザー光を照射される一方の
被溶接部材から他方の被溶接部材への熱伝導が不十分と
なり、溶接不良や孔があくなどの欠陥が生じる。
【0059】これに対し、本発明の製造方法では、被溶
接物である両金属箔弁体17,18の凹状部23および
凸状部27を、絶縁ガスケット19の厚みDに対し上記
のようにd1+d2>Dの寸法関係に設定することによ
り、直接的な保持手段を用いることなく各々の先端部同
士を密着状態に保持できるようにしている。そのため、
溶接不良や穿孔が生じることがなく、強固な接続部28
を歩留りよく形成することができる。なお、図5の工程
以後は、従来と同様の工程により防爆封口板を製作す
る。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明の密閉型電池用防
爆封口板によれば、易破断部の破断強度を、通気口の両
端孔縁部を結ぶ直線の長さにより設定する構成としたの
で、易破断部は、長さが格段に短くなった分だけ大きな
厚みで所定の破断強度に正確に設定でき、また、通気口
は、その両端孔縁部間の設定間隔になるよう正確に形成
するのは容易であるから、破断強度にばらつきが生じる
ことがなく、電流遮断圧力に高い信頼性を得ることがで
きる。さらに、易破断部の形成に際して、従来の高精度
な制御を必要とする刻印加工を用いる必要がなく、1回
の打ち抜き加工により通気口、舌片部および易破断部を
同時に形成できるから、量産性に優れている。
【0061】本発明に係る密閉型電池用防爆封口板の製
造方法によれば、共に平坦面である金属ケースと下部金
属箔弁体の周縁部分とを隙間なく密着させてレーザー溶
接することにより、強固な固定部を確実に形成できる。
また、両金属箔弁体の各々の凹状部および凸状部の各々
の先端部位を隙間のない状態に密着させてレーザー溶接
することにより、溶接不良や穿孔のない強固な接続部を
歩留りよく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る密閉型電池用防爆
封口板を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)にお
ける下部金属箔弁体のみの平面図。。
【図2】同上防爆封口板の下部金属箔弁体の易破断部が
破断した状態の縦断面図。
【図3】同上防爆封口板の検査装置の概略を示す水平断
面図。
【図4】 本発明の他の実施の形態に係る密閉型電池用
防爆封口板を示す縦断面図。
【図5】(a),(b)は本発明の蜜閉型電池用防爆封
口板の製造方法を示す一部の工程図。
【図6】従来の密閉型電池用防爆封口板を示す縦断面
図。
【図7】従来の他の密閉型電池用防爆封口板を示す縦断
面図。
【符号の説明】
17 上部金属箔弁体 18 下部金属箔弁体 19 絶縁ガスケット 21 金属キャップ 22 金属ケース 23 凹状部 25 舌片部 27 凸状部 28 接続部 29 通気口 30 先鋭孔縁 31 易破断部 32 破断規定線部 33,49 固定部 34 筋目方向 37 電池ケース 52,53 固定治具 57,58 固定治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松政 義高 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電要素を収納した電池ケースの開口部
    を密閉するとともに、電池内圧が設定値まで上昇したと
    きに一部が破断して通電電流を遮断する密閉型電池用防
    爆封口板において、 導電性を有する上部および下部の両金属箔弁体が、それ
    らの周縁部間に絶縁ガスケットを介在して重ね合わさ
    れ、且つ各々の中央部位を互いに溶着した接続部のみを
    介して電気的に導通され、 前記両金属箔弁体が、前記上部金属箔弁体の上部に金属
    キャップを配置して金属ケース内に挿入されてなり、 前記下部金属箔弁体は、 中央部を囲むように形成された略C字形状の通気口と、 この通気孔に囲まれて前記接続部を有する舌片部と、 前記舌片部と前記周縁部との境界部であって前記通気口
    の両端孔縁間の部分により形成され、電池内圧が所定値
    に達した時に破断する易破断部とを備え、電池内圧が所
    定値に達したときに、前記上部金属箔弁体の上方への変
    形による応力を受けて前記易破断部が破断することによ
    り、前記舌片部が前記上部金属箔弁体と一体となって前
    記下部金属箔弁体から分離するように構成されたことを
    特徴とする密閉型電池用防爆封口板。
  2. 【請求項2】 上部および下部の両金属箔弁体の接続部
    は、両通気口の両端孔縁部間を結ぶ直線の中点に対し、
    前記直線に平行な線上において何れかの方向にずれた位
    置に形成されている請求項1に記載の密閉型電池用防爆
    封口板。
  3. 【請求項3】 易破断部に対する外周側近傍位置に、下
    部金属箔弁体を金属ケースに局部的に固定する固定部を
    設けた請求項1または請求項2に記載の密閉型電池用防
    爆封口板。
  4. 【請求項4】 固定部は、通気口と易破断部とを結ぶ環
    状の中心点と、前記通気口の両端孔縁部間を結ぶ直線の
    中点とを通る線上に、前記固定部の中心点を設定して形
    成されている請求項3に記載の密閉型電池用防爆封口
    板。
  5. 【請求項5】 固定部は、下部金属箔弁体と金属ケース
    との所定の対面部位を互いに溶接した溶着部からなる請
    求項3または請求項4に記載に密閉型電池用防爆封口
    板。
  6. 【請求項6】 固定部は、金属ケースまたは絶縁ガスケ
    ットに設けた凸部によって下部金属箔弁体が局部的に強
    く金属ケースに圧接されるように構成されている請求項
    3または請求項4に記載に密閉型電池用防爆封口板。
  7. 【請求項7】 下部金属箔弁体の通気口の両端には先端
    が尖った形状の先鋭孔縁が相対向してそれぞれ形成さ
    れ、この両先端孔縁の間に易破断部が設けられている請
    求項1ないし請求項6のいずれかに記載の密閉型電池用
    防爆封口板。
  8. 【請求項8】 下部金属箔弁体の易破断部は、通気口の
    両端孔縁部間を結ぶ直線を、前記下部金属箔弁体を製造
    する際の圧延ロールによる筋目方向に合致させて形成さ
    れている請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の密
    閉型電池用防爆封口板。
  9. 【請求項9】 下部金属箔弁体の易破断部には、通気口
    の両端孔縁部間を結ぶ直線に沿って形成されたミシン目
    または細い溝からなる破断規定線が設けられている請求
    項1ないし請求項8のいずれかに記載の密閉型電池用防
    爆封口板。
  10. 【請求項10】 上部金属箔弁体に、中央部分が下方へ
    向け膨出した凹状部が設けられ、 下部金属箔弁体に、中央部分が上方へ向け膨出し、その
    膨出部分の外周に沿って通気口および易破断部が環状に
    配して形成された凸状部が設けられ、 前記両金属箔弁体が、前記凹状部と前記凸状部との接触
    部位を溶接により互いに溶着した接続部を介して電気的
    導通状態に連結されている請求項1ないし請求項9のい
    ずれかに記載の密閉型電池用防爆封口板。
  11. 【請求項11】 請求項5に記載の密閉型電池用防爆封
    口板の製造方法であって、 中央部分が上方へ向け膨出した凸状部を有する下部金属
    箔弁体を金属ケース内に挿入して、前記下部金属箔弁体
    における周縁部の所定部位と金属ケースの対面部位とを
    レーザー溶接により相互に溶着して固定部を形成する工
    程と、 中央部分が下方へ向け膨出した凹状部を有する上部金属
    箔弁体を前記金属ケース内に挿入して、前記両金属箔弁
    体の各々の周縁部分を絶縁ガスケットを介在して重ね合
    わせ、前記凹状部と前記凸状部との各々の先端部位を互
    いに接触させる工程と、 前記両金属箔弁体における各々の周縁部分を固定治具に
    より上下から挟み付けて固定する工程と、 前記凹状部と前記凸状部との互いに接触する部位をレー
    ザー溶接により相互に溶着して接続部を形成する工程
    と、 を有する密閉型電池用防爆封口板の製造方法。
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