JPH10162798A - 密閉型電池の安全構造 - Google Patents

密閉型電池の安全構造

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JPH10162798A
JPH10162798A JP8316566A JP31656696A JPH10162798A JP H10162798 A JPH10162798 A JP H10162798A JP 8316566 A JP8316566 A JP 8316566A JP 31656696 A JP31656696 A JP 31656696A JP H10162798 A JPH10162798 A JP H10162798A
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sealing plate
plate
safety structure
sealed battery
battery
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JP8316566A
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Noriji Maeda
紀二 前田
Keisuke Yamamoto
啓介 山本
Yasuo Ijiri
康夫 井尻
Kenji Kawamura
賢治 川村
Atsushi Omae
淳 御前
Munehiro Nakada
宗弘 仲田
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造のために特別に高度な加工技術や厳しい
工程管理を必要とせず、しかも、電池内部の圧力が異常
に上昇した場合には、精度よく安定して破断し内部の圧
力を外部に開放できる安全構造を密閉型電池に付与する
こと。 【解決手段】 電池の内部圧力P1と外部圧力P2とを
仕切る隔壁となる封口板2を設け、該封口板には内部圧
力の異常な上昇によって破断する破断予定部3を設け
る。該破断予定部の形状は、封口板の一部が外部側に突
起したU字状の断面形状となったものである。そのU字
状の部分は、封口板面に閉曲線を描くように形成される
のが好ましい。また、内圧の上昇によって内部の導通路
が開かれる構造を付与するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型電池におけ
る内部の圧力や温度の異常な上昇に対処するための安全
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】密閉型電池は、電池缶内に発電要素を封
入したものであり、例えば、乾電池がよく知られた態様
である。ここでいう発電要素は、発電、充放電を行なう
ための電池の電気化学的な要素である。密閉型電池は、
上記のように電気化学的な要素を電池缶内に封入したも
のであるから、電池外部における使用条件、電池内部で
の電気化学的な反応などに起因して、電池内部に異常な
温度上昇、圧力上昇が発生した場合、その密閉型の構造
のために内部の圧力は異常に上昇し、ついには爆発に至
る事態が考えられる。そのため、このような異常な状態
が発生し得るような密閉型電池には、上記事故を回避す
るよう、安全構造が設けられている。
【0003】図5は、従来の安全構造の代表的な例を概
略的に示す図である。同図に示す例では、電池缶21の
開口が封止部22で密封されている。同図では、封止部
22の断面にだけハッチングを施している。封止部22
は、金属性の封口板23を有する。24は外部電極端子
板であって、通常は内部の発電要素Eの正極に導通され
ている。外部電極端子板24には貫通孔24aが設けら
れているので、封口板23が、密閉された電池内外の圧
力P1、P2を仕切る隔壁となっている。封口板23に
は、該封口板の片側の面または両側の面から板材を除去
して形成した薄肉部分Wが環状の曲線を描くように設け
られており、異常事態によって電池内部の圧力P1が上
昇した場合、電池缶が破裂する前に薄肉部分Wが破断
し、内部の高圧状態を外部へ開放する構造となってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記のよう
に、封口板を除去することによって形成した薄肉部分を
破断させる構造では、その薄肉部分の厚さおよび精度が
極めて重要な要素となる。即ち、電池缶の破裂に先立っ
て比較的低い内圧にて破断を生じさせるためには、薄肉
部分の厚さを0.01mm〜0.02mm程度の特定の
薄い肉厚とする必要がある。しかも、どの製品も同様の
内圧状態で破断を生じさせるためには、薄肉部分の厚さ
のバラツキ製品ごとの肉厚寸法のバラツキの少ない高精
度な薄肉部分を形成する必要がある。このような薄肉部
分を形成するためには、高度な加工技術と厳しい工程管
理を要するため、製造コストが高くつくという問題があ
った。
【0005】本発明の目的は、製造のために特別に高度
な加工技術や厳しい工程管理を必要とせず、しかも、電
池内部の圧力が異常に上昇した場合には、精度よく安定
して破断し内部の圧力を外部に開放でき、さらに好まし
くは、破断に先立って内部の電流経路を遮断し得る安全
構造を密閉型電池に付与することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉型電池の安
全構造は、次の特徴を有するものである。 (1)密閉型電池の電池缶の開口を密封する封止部に、
当該密閉型電池の内部の圧力と外部の圧力とを仕切る隔
壁となる封口板が少なくとも設けられ、封口板には内部
の圧力の上昇によって破断する破断予定部が設けられ、
該破断予定部は、封口板の一部がU字状の断面形状とな
ったものであり、かつそのU字状の部分は封口板の外部
側の方に突起しているものである密閉型電池の安全構
造。
【0007】(2)上記U字状の部分が、封口板の板面
に環状の曲線を描くように形成されたものである上記
(1)記載の密閉型電池の安全構造。
【0008】(3)上記環状の曲線の進行方向に垂直に
切断したときのU字状の部分の断面形状が、U字形また
はV字形である上記(2)記載の密閉型電池の安全構
造。
【0009】(4)封口板が、導電性物質からなるもの
であり、かつ内部の圧力の上昇時に破断予定部での破断
に先立って外部側へ凸状に変形するものであり、封口板
の外部側へ凸状に変形する部分の内部側の面には、内部
発電要素の一方の極と導通している導電板が接触してお
り、また封口板と当該密閉型電池の外部電極端子板とは
導通しており、内部の圧力の上昇によって、封口板は外
部側へ凸状に変形して導電板から離れ、内部発電要素の
一方の極から外部電極端子板に至る導通路を遮断するも
のである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の密閉型
電池の安全構造。
【0010】(5)U字状の部分が封口板の板面に環状
の曲線を描くように形成されたものであって、該環状の
曲線に囲まれた中央側の部分が、該環状の曲線を境とし
て外周縁側の部分よりも内部側となるよう段差をなして
形成されたものである上記(4)記載の密閉型電池の安
全構造。
【0011】(6)導電板が、弾性的な接触圧をもって
封口板に接触し得るように外部側へ凸状を呈する部分を
有するものである上記(4)記載の密閉型電池の安全構
造。
【0012】本発明でいう「内部側」「外部側」とは、
内外の圧力の隔壁として機能する封口板に対していうも
のである。
【0013】
【作用】本発明の安全構造では、電池内部の圧力の上昇
によって破断する部分として、従来のような封口板に局
部的に薄肉化した脆弱部分を設けるのではなく、U字状
の部分を設けることによって、主として形状的な応力の
集中によって破断させることを主とするものである。本
発明では、封口板の他の部分の肉厚よりも破断予定部の
肉厚を薄肉化してもよいが、形状的に応力を集中させる
ことによって、その薄肉化の程度は上記したような従来
の極めて薄い肉厚とは異なり、0.05mm〜0.15
mm程度の肉厚であっても十分に破断する。従って、封
口板の本来の板厚を維持したままで破断予定部を形成す
ることも可能であり、特別に高度な加工技術を必要とし
ない。
【0014】また、内部圧力が上昇した場合、封口板は
外部側へ凸状に変形するが、本発明における破断予定部
のU字状の部分は、封口板を外部側へ変形させようとす
る内部からの力に対して弾性的な強い抵抗力を封口板に
付与する。従って、後述の電流経路を遮断する構造を併
設した場合には、導電板との接触に対して封口板は強い
バネ性を示し、導電板との好ましい接触圧が確保される
とともに、U字状の部分の形状の設定によって封口板は
補強され、導通路が遮断されるときの圧力を好ましい値
に設定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図を用いて詳細に
説明する。図1は、本発明による密閉型電池の安全構造
の例を模式的に示す断面図である。同図では、電池缶の
開口を密封している封止部に設けられた封口板のうち、
破断予定部に関する部分だけを示している。同図(a)
に示すように、封口板2が、この密閉型電池の内部の圧
力P1と外部の圧力P2とを仕切る隔壁として設けられ
ている。通常、封止部の最外部には外部電極端子(図1
には示さず)が封口板を覆うように設けられる場合が多
いが、そのような場合でも外部電極端子には貫通孔など
が設けられて、封口板2の外面には外部の圧力(大気
圧)P2が作用する構造となっている。同様に、封口板
2の内面には内部の圧力P1が作用する構造となってい
る。このようにして、封口板2は、当該密閉型電池の内
部の圧力P1と外部の圧力P2を仕切る隔壁として位置
している。
【0016】封口板2には破断予定部3が形成されてい
る。破断予定部の形状は、封口板の一部がU字状の断面
形状となったものであり、かつそのU字状の部分は封口
板の外部側の方に突起しているものである。換言する
と、U字状の部分は、封口板の内部側の面2bにおいて
は溝3bであり、封口板の外部側の面2aにおいては、
前記溝の真裏の位置に該溝の窪みに対応して凸状となる
ように形成された山脈状に連なった突起3aであり、板
材として見た場合には、曲げ加工、または絞り加工が施
されたような形状となっている。図1の例では、U字状
の部分は、封口板の板面に環状の曲線(図では円)を描
くように形成されている。
【0017】このような構造とすることによって、図1
(a)において電池内部の圧力P1が上昇し、この圧力
が封口板2に作用した場合、図1(b)に示すように、
封口板に発生する応力を破断予定部3に集中させること
ができ、爆発などに至る前に破断を破断予定部に生じさ
せることができる。図1(b)では、説明のために、破
断予定部が全周同時に破断し中央部分が円板状に抜けた
図として示しているが、実使用上における破断予定部の
破断は必ずしも全長にわたるものとは限らず、部分的な
亀裂など様々な破断となる。
【0018】U字状の部分が封口板面に描く線は、好ま
しく破断を生じさせる点では環状の曲線がよい。ここで
いう環状の曲線とは、完全に閉じた閉曲線だけではな
く、「C字形」のように一部が途切れたものでもよい。
環状の曲線の形状は、円形、楕円形、方形、菱形など用
途に応じて設定してよく、円筒型電池には円形、角形電
池には方形とするだけでなく、角形電池の角形断面に収
まる円形であってもよい。環状の曲線の大きさを選択す
ることによって、破断の圧力を調整することができる。
【0019】環状の曲線を円のような閉曲線としたと
き、この閉曲線を境界として、封口板の中央側の面積が
外周縁側の面積よりも大きければ、破断予定部において
好ましく破断が生じる。
【0020】図2は、封口板を環状の曲線の進行方向に
垂直に切断したときのU字状の部分の断面形状の例を示
す図である。断面を示すハッチングは省略している。本
発明でいう「U字状」とは、封口板の外部側に突起し概
略的にU字状を呈する形状であればよく、「U字」の屈
曲の部分が半円を描くものだけでなく、急な角度で折れ
曲がった屈曲(即ち、V字形と見なされる形状)や、種
々の異形の曲線を描く屈曲であってもよい。具体的に
は、図2(a)に示すような明らかなU字形、図2
(b)に示すように屈曲の内側の湾曲、外側の湾曲が同
心状に円弧を描く形状、図2(c)に示すように内外の
湾曲が中心を異にして円弧を描く形状、図2(d)に示
すようなV字形、図2(e)に示すような円弧とV溝の
組合せなどが挙げられる。同図中、R1、R2は肉厚の
内側、外側の円弧の半径である。U字状の部分のカーブ
の内側の屈曲が図2(d)、(e)に示すようなV字状
の場合は、切欠きの効果が大きく、より低い圧力におい
て破断させることができる。
【0021】U字状の部分の断面形状として、図2
(a)に示すようなU字形は特に好ましい形状である。
このU字形を、半円状の湾曲部(内側半径R1、外側半
径R2)と、長さLの直線部とに分けて説明する。ま
た、封口板面からの突起の総高さX1はL+R2であ
り、このU字形の仕様を示すために必要に応じて用い
る。湾曲部の肉厚の内側、外側の円弧は同心円状である
ことが好ましい。即ち、この部分は封口板の板材が略同
一の肉厚にて半円状に湾曲している形状が好ましい。ま
た、直線部の長さLと、角度θ(封口板面と直線部とが
なす角度)は任意であるが、後述図3における導電板4
との接触を開閉する圧力や、破断のために湾曲部に加え
られるモーメントに大きく影響する。従って、この部分
の設定値を選択することによって、同じ板厚でも種々の
圧力に対応した設計が可能となる。
【0022】封口板の厚さは、電池の規模や許容される
内部圧力に応じて選択してよく、異常時における破断予
定部への応力集中によって破断でき、後述の導通路を開
くべく適度な圧力において変形し得る厚さであればよ
い。しかも厚みの精度は特別に厳しい基準を必要とせ
ず、板材の公差のまま組み込むことができる。
【0023】上記した破断予定部における各要素(U字
状の部分が描く環状の曲線形状、U字状の部分の断面形
状など)の形状設定、寸法設定、およびこれら各要素の
組合せは、本発明が適用される電池の種類に応じて選択
すればよく限定されないが、例えば、電池を直径14m
mの円筒型電池とし、環状の曲線の形状を円形、U字状
の部分の断面形状を図2(a)のU字形とした場合に
は、封口板、U字形の仕様として、次の値の範囲が好ま
しいものとして挙げられる。 封口板の厚さ;0.02mm〜0.3mm。 U字形の湾曲部の外側の半径R2;0.02mm〜3m
m。 U字形の直線部の長さL;0mm〜3mm。 U字形の直線部と板面とがなす角度θ;60°〜150
°。
【0024】破断予定部の形成方法としては、プレス加
工や鋳造、切削加工、これらの組合せなどが挙げられ
る。上記したように、破断予定部は、板材として見た場
合には、曲げ加工、または絞り加工が施されたような形
状であるから、特にプレス加工によって形成されるのに
適した形状であり、また、プレス加工によって低コスト
性がより顕著となる。破断予定部の溝と突起による板材
としての形状的な屈曲部分は、周囲の平坦な板部分と肉
厚が実質的に変化しないものであってもよく、薄肉部分
が加えられてもよい。また、プレスを用いた絞り加工で
は、板厚は必然的に変化する。
【0025】当該安全構造のより好ましい態様として、
内圧の異常な上昇時において、上記説明による内圧を開
放する構造に加え、内圧の開放に先立って電流が遮断さ
れる構造が付与された態様を次に説明する。図3は、そ
の態様の一例を模式的に示す図である。同図は、電池缶
Bの開口を密閉する封止部の断面を示す図である。封止
部の構成要素の区分を明らかにするため、一部にハッチ
ングを施している。封止部1は、電池の内部側から外部
側の方向へ順に、導電板4、封口板2、外部電極端子板
5を含むように積層されたものであり、この積層体の外
周縁部が、電池缶Bによって気密に保持されている。導
電板4と外部電極端子板5には、各々貫通孔4a、5a
が設けられ、封口板2が、電池の内部の圧力P1と外部
の圧力P2とを仕切る隔壁となっている。
【0026】同図の例では、封口板2と導電板4は導電
性材料からなる。封口板2と導電板4とは、中央部分だ
けで互いに接触するように、外周縁部分では環状の絶縁
体6を間に介して積層されている。
【0027】封口板2は、内部の圧力が上昇したとき、
破断予定部での破断に先立って、その中央部分2mが外
部側へ変形し得るものである。また、図3の例では、導
電板4の中央部分4mは外部に向かって凸状を呈してお
り、この部分が封口板2の中央部分2mの内部側の面に
接触している。封口板2の中央部分2mが外部側へ変形
したとき、この接触部分は開かれ、封口板2と導電板4
とは互いに絶縁される。即ち、封口板2と導電板4と
は、内部の圧力の上昇によって開かれるスイッチの接点
として機能する構造となっている。
【0028】また、封口板2は外部電極端子板5と導通
しており、導電板4は内部発電要素Eの一方の極(例え
ば正極)と導通している。これによって、内部発電要素
Eの一方の極から順に、導電板4、導電板と封口板との
接触部、封口板2を経て外部電極端子板5に至る導通路
が形成されている。
【0029】図3のような構造とすることによって、電
池内部の圧力が異常に上昇したとき、先ず、封口板の中
央部分の変形によって導電板と封口板との接触部が開か
れて導通路が遮断され、異常事態に対して電気的に対処
できる。さらに、電池内部の圧力の上昇に対して、上記
説明の通り、破断予定部の破断によって内部の圧力を外
部に開放することができる。
【0030】また、上記したように、U字状の部分によ
って、封口板の中央部分は変形に対して強いバネ性を示
し、導電板4との接触に好ましい接触圧が確保されると
ともに、U字状の部分の形状の設定によって、接点が開
かれるときの圧力を好ましい値に設定することができ
る。
【0031】本発明の安全構造では、封口板の破断予定
部に囲まれた平面部分を、通常時においては内部側へ凸
状を呈する形状とし、内部の圧力が上昇したとき、ある
圧力において、その内部側へ凸状を呈する部分が、外部
側へ凸状を呈する様に反転変形(バックリング)させる
態様としてもよい。
【0032】また、導電板の中央部分を外部側へ凸状を
呈する形状としてもよい。この態様では、図2(a)に
おける封口板のU字形の部分のLとθとを最適化するこ
とによって、導電板と封口板とをより好ましい弾性的な
接触圧をもって接触させることができるので、接触信頼
性が向上する。
【0033】上記導電板の中央部分を外部側へ凸状を呈
する形状とする場合、その凸状の基本形状は限定されな
いが、封口板に対する接触圧力を好適に発生させる点か
らは、球面状、円錐台状、これらの複合形状を基本形状
とすることが好ましい。この基本形状に対して、電池の
内部のガス圧を封口板の内面に作用させるために、適宜
貫通孔が設けられる。貫通孔の形状は、導電板のバネ力
に重要な影響を与えるので、適宜選択する。
【0034】破断予定部の態様のバリエーションとし
て、図4に断面図として示すように、破断予定部3に囲
まれた中央側の部分2dが、破断予定部3を境として、
外周縁側の部分2eよりもこの電池の内部側へ段差X2
だけ深くなっている態様が例示される。同図中のX1、
θは、図2(a)の場合と同じ意味である。この態様に
よって、封口板の変形が無段階かバックリングかにかか
わらず、導電板を平板とすることもできる。また、図4
に示す態様の封口板を用いたとき、封口板の中央部分が
導電板に押し上げられ、封口板の段差X2が小さくなっ
た状態で組み込まれる設計とすることによって、確実な
接触圧力が得られる。
【0035】本発明の安全構造には、内部発電要素の一
方の極から外部電極端子板に至る導通路中の一部に高温
時に導電性を失う材料を用い、この材料によって異常時
に導通路を遮断する構造を付与してもよい。このような
材料としては、例えば、PTCサーミスター (positive
temperature coefficient thermistor)が挙げられる。
例えば、図3に示す安全構造の例において、封口板2と
外部電極端子板5との間に、PTCサーミスターからな
る層を挟むことによって、異常時に温度上昇を伴う場合
に、導通路が遮断される。
【0036】本発明による安全構造は、あらゆる密閉型
電池に対して有用であるが、ノート型パソコン、携帯電
話、携帯ビデオカメラ等の充電可能な電源として使用さ
れる高容量リチウムイオン二次電池の安全を確保するた
めには、特に有用となる。また、本発明による安全構造
は、密閉型電池に関する次のような異常事態で好適に動
作する。即ち、外部温度の上昇など電池外部の環境変
化、充放電に関する外部の回路異常によって発生する過
電流・過電圧・外部短絡、内部短絡・電解液反応など電
池内部の環境変化、打撃・貫通などの外的破壊行為、な
どで生じる電池内部の異常昇温に伴う電解液の蒸発、及
び気体の熱膨張による電池内部の圧力の上昇である。
【0037】本発明による安全構造は、一般的な円筒型
(ボタン型を含む)の密閉型電池だけでなく、角型など
任意の形状の電池にも有用である。角型など任意の形状
の断面に対して、切断工具板の貫通孔形状は、円形とし
てもよいし、方形、菱形、楕円形などに変形して応用し
てもよい。
【0038】
【実施例】
実施例1 外径約18mmのリチウムイオン二次電池の封止部(=
正極端子部)に、図3に示す安全構造を付与した。封口
板2の厚みを0.1mm、破断予定部が封口板の板面に
描く環状の曲線を直径16mmの円形、U字状の部分の
断面形状を図2(a)に示すU字形とした。U字形の仕
様は、封口板面からの突起の総高さX1を0.5mm、
湾曲部の内側半径R1を0.15mm、直線部と板面と
がなす角度θを90°とした。このリチウムイオン二次
電池に対して、外部環境の温度を上昇させることによっ
て内部圧力を上昇させたところ、バラツキの少ない安定
した温度で封口板が破断予定部において破断し、電池缶
が破裂することなく、未然に内圧が開放されることが確
認できた。
【0039】実施例2 上記実施例1で用いた封口板の代わりに図4に示す態様
の破断予定部を有する封口板を用いた以外は、上記実施
例1と全く同様の安全構造を形成した。U字形の仕様
は、封口板面からの突起の総高さX1を0.4mm、段
差X2を0.1mm、湾曲部の内側半径R1を0.15
mm、直線部と板面とがなす角度θを90°とした。こ
のリチウムイオン二次電池も、上記実施例1で製作した
ものと同様に、好ましい安全構造であることが確認でき
た。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による密
閉型電池の安全構造では、内圧の上昇を外部に開放する
という基本構造を形成する点では、特別に高度な加工技
術や厳しい工程管理を必要とせず、しかも、電池内部の
圧力が異常に上昇した場合には精度よく安定して破断し
内部の圧力を開放し得る。この構造にさらに電流遮断の
構造を重ね合わせることによって、より確実に危険を回
避できる安全構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による密閉型電池の安全構造の例を模式
的に示す図である。
【図2】本発明における破断予定部の溝の断面形状の例
を示す図である。
【図3】本発明における、電流が遮断される構造が付与
された態様の一例を模式的に示す図である。
【図4】本発明における封口板の形状の他の例を示す図
である。
【図5】従来の安全構造の代表的な例を概略的に示す図
である。
【符号の説明】
1 封止部 2 封口板 3 破断予定部 P1 電池の内部の圧力 P2 電池の外部の圧力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 賢治 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 御前 淳 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 仲田 宗弘 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉型電池の電池缶の開口を密封する封
    止部に、当該密閉型電池の内部の圧力と外部の圧力とを
    仕切る隔壁となる封口板が少なくとも設けられ、封口板
    には内部の圧力の上昇によって破断する破断予定部が設
    けられ、該破断予定部は、封口板の一部がU字状の断面
    形状となったものであり、かつそのU字状の部分は封口
    板の外部側の方に突起しているものである密閉型電池の
    安全構造。
  2. 【請求項2】 上記U字状の部分が、封口板の板面に環
    状の曲線を描くように形成されたものである請求項1記
    載の密閉型電池の安全構造。
  3. 【請求項3】 上記環状の曲線の進行方向に垂直に切断
    したときのU字状の部分の断面形状が、U字形またはV
    字形である請求項2記載の密閉型電池の安全構造。
  4. 【請求項4】 封口板が、導電性物質からなるものであ
    り、かつ内部の圧力の上昇時に破断予定部での破断に先
    立って外部側へ凸状に変形するものであり、封口板の外
    部側へ凸状に変形する部分の内部側の面には、内部発電
    要素の一方の極と導通している導電板が接触しており、
    また封口板と当該密閉型電池の外部電極端子板とは導通
    しており、内部の圧力の上昇によって、封口板は外部側
    へ凸状に変形して導電板から離れ、内部発電要素の一方
    の極から外部電極端子板に至る導通路を遮断するもので
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の密閉型電池の安全
    構造。
  5. 【請求項5】 U字状の部分が封口板の板面に環状の曲
    線を描くように形成されたものであって、該環状の曲線
    に囲まれた中央側の部分が、該環状の曲線を境として外
    周縁側の部分よりも内部側となるよう段差をなして形成
    されたものである請求項4記載の密閉型電池の安全構
    造。
  6. 【請求項6】 導電板が、弾性的な接触圧をもって封口
    板に接触し得るように外部側へ凸状を呈する部分を有す
    るものである請求項4記載の密閉型電池の安全構造。
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