JPH09167605A - 密閉型電池の安全構造 - Google Patents

密閉型電池の安全構造

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JPH09167605A
JPH09167605A JP7327647A JP32764795A JPH09167605A JP H09167605 A JPH09167605 A JP H09167605A JP 7327647 A JP7327647 A JP 7327647A JP 32764795 A JP32764795 A JP 32764795A JP H09167605 A JPH09167605 A JP H09167605A
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plate
sealing plate
outside
sealing
sealed battery
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JP7327647A
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Keisuke Yamamoto
啓介 山本
Shuji Ishii
修次 石井
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造のために特別に高度な加工技術や厳しい
工程管理を必要とせず、しかも、電池内部の圧力が異常
に上昇した場合には精度よく安定して破断し、内部の圧
力を開放でき、さらに好ましくは、内部の電流経路を遮
断し得る安全構造を密閉型電池に付与すること。 【解決手段】 当該密閉型電池の内部の圧力Tbと外部
の圧力Taとを仕切る隔壁として封口板2を設け、その
外部側に切断工具板3を設ける。異常時の内圧の上昇に
よって、封口板は、切断工具板に設けられた貫通孔3a
内を、外部側へ凸状に変形するが、そのとき、貫通孔3
aの内部側の開口端のくちもと周縁3bに設けられた切
刃3cによって切断され、内部の圧力は、外部に開放さ
れる。さらに、好ましい安全構造としては、封口板が外
部側へ凸状に変形したとき、当該密閉型電池の電流経路
を遮断する構造が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型電池におけ
る内部圧力、温度の異常な上昇に対処するための安全構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】密閉型電池は、電池缶内に発電要素を封
入したものであり、例えば、乾電池がよく知られた態様
である。ここでいう発電要素は、発電、充放電を行なう
ための電池の電気化学的な要素である。密閉型電池は、
上記のように電気化学的な要素を電池缶内に封入したも
のであるから、電池外部における使用条件、電池内部で
の電気化学的な反応などに起因して、電池内部に異常な
温度上昇、圧力上昇が発生した場合、その密閉型の構造
のために内部の圧力は異常に上昇し、ついには爆発に至
る事態が考えられる。そのため、上記のような異常な状
態が発生し得るような密閉型電池には、上記事故を回避
するよう、安全構造が設けられている。
【0003】図4は、従来の安全構造の代表的な例を概
略的に示す図である。同図に示す例では、電池缶21の
開口を封止部22が密封している。同図では、封止部2
2の断面にだけハッチングを施している。封止部22
は、金属性の封口板23を有する。24は外部電極端子
板であって、通常は内部の発電要素Eの正極に導通され
ている。外部電極端子板24には貫通孔24aが設けら
れているので、封口板23が、この密閉された電池内外
の圧力Ta、Tbを仕切る隔壁となっている。封口板2
3には薄肉部分Wが設けられており、異常事態によって
電池内部の圧力Tbが上昇した場合、電池缶が破裂する
前に薄肉部分Wが破断し、内部の高圧状態を外部へ開放
する構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ような、封口板に薄肉部分を設けて破断させる構造で
は、その薄肉部分の厚さおよび精度が極めて重要な要素
となる。即ち、電池缶の破裂以前の比較的低い内圧にて
破断を生じさせるためには、薄肉部分の厚さを0.01
mm〜0.02mm程度の特定の薄い肉厚とする必要が
ある。しかも、どの製品も同様の内圧状態で破断を生じ
させるためには、肉厚寸法のバラツキの少ない高精度な
薄肉部分を形成する必要がある。
【0005】このような薄肉部分を形成するためには、
高度な加工技術と厳しい工程管理を要するため、高い製
造コストが必要であった。また、高い製造コストを費や
して、そのような薄肉部分を寸法上で達成したとして
も、これに用いる板材に材料強度上のバラツキがあるた
めに、破断するときの内圧にも製品ごとに大きな差が生
じ、安全構造に関する信頼性は低いものとなっていた。
【0006】本発明の目的は、製造のために特別に高度
な加工技術や厳しい工程管理を必要とせず、しかも、電
池内部の圧力が異常に上昇した場合には精度よく安定し
て破断し、内部の圧力を外部に開放でき、さらに好まし
くは、内部の電流経路を遮断し得る安全構造を密閉型電
池に付与することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉型電池の安
全構造は、次の特徴を有するものである。 (1)密閉型電池の電池缶の開口を密封する封止部に設
けられる安全構造であって、封止部には少なくとも封口
板と切断工具板とが積層状態で保持され、封口板は当該
密閉型電池の内部の圧力と外部の圧力とを仕切る隔壁と
して位置しかつ内部の圧力の上昇に伴って外部側へ凸状
に変形可能であり、切断工具板は封口板に対して外部側
に保持されかつ封口板が外部側へ凸状に変形可能なよう
に貫通孔を有し、該貫通孔の内部側の開口端のくちもと
周縁には切刃が設けられ、封口板が貫通孔内を外部側へ
凸状に変形するとき、封口板が切刃によって切断され、
内部の圧力が外部に開放される構造を有することを特徴
とする密閉型電池の安全構造。
【0008】(2)封口板が、導電性物質からなり、当
該密閉型電池の外部電極端子板に導通され、その凸状に
外部側へ変形する部分の内部側の面には内部発電要素の
一方の極に導通された導電板が接触して一方の極から外
部電極端子板に至る導通路が形成され、内部の圧力が上
昇したとき、封口板は外部側へ凸状を呈する様に変形し
導電板から離れて導通路を遮断し、さらに、内部の圧力
の上昇に伴って外部側へ凸状に変形し切断工具板の切刃
によって切断されるものである上記(1)記載の密閉型
電池の安全構造。
【0009】(3)封口板の凸状に外部側へ変形する部
分が、通常時においては内部側へ凸状を呈するものであ
り、その内部側へ凸状を呈する部分に、内部発電要素の
一方の極に導通された導電板が内部側から接触するもの
であり、内部の圧力が上昇したとき、その内部側へ凸状
を呈する部分が外部側へ凸状を呈する様に反転変形する
ことによって、導電板から離れて導通路を遮断するもの
である上記(2)記載の密閉型電池の安全構造。
【0010】(4)封止部が、導電板と封口板と切断工
具板と外部電極端子板とが内部側から外部側の方向へ順
に積層された構造を有するものであり、導電板と封口板
とは、封口板の凸状に外部側へ変形する部分の内部側の
面にだけ導電板が接触し得るように、その接触部分の周
囲の部分で絶縁体を介して互いに接合されるものである
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の密閉型電池の安
全構造。
【0011】(5)導電板が、封口板の凸状に外部側へ
変形する部分の内部側の面に弾性的な接触圧をもって接
触し得るように、外部側へ凸状を呈する部分を有するも
のである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の密閉型
電池の安全構造。
【0012】(6)切断工具板が、PTCサーミスター
からなる板状物を母体とし、その貫通孔の内部側の開口
端のくちもと周縁に、金属切断工具材料からなる切刃が
絶縁体を介して付与されたものである上記(1)〜
(5)のいずれかに記載の密閉型電池の安全構造。
【0013】本発明でいう「内部側」「外部側」とは、
内外の圧力の隔壁として機能する封口板に対していうも
のであり、例えば、電池缶の側面方向に対していうもの
ではない。
【0014】
【作用】本発明の安全構造では、密閉型電池の内部の圧
力と外部の圧力とを仕切る隔壁である封口板の外部側に
切断工具板を設け、異常事態において上昇する内圧を切
断力として利用し、その切刃によって封口板を積極的に
切断するものである。この構造によって、次の2点の重
要な作用が示される。 封口板は、破断のための高精度な薄肉部分のない単板
でよいので、従来のような特別に高度な加工技術や工程
管理を必要とせず、容易に低コストで製造可能である。 従来の破断のための構造のような、封口板に薄肉部分
を形成した後は内圧の上昇にまかせてその薄肉部分が破
壊されるのを待つというような消極的な構造とは異な
り、本発明の安全構造では、切刃を新たに設けることに
よって封口板を積極的に切断する構造であるため、より
一定の内圧にて切断を行なうことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による密閉型電池の安全構造の例を模式
的に示す図である。同図では、電池缶の開口を密封して
いる封止部のうち、内圧開放に関する構造だけを模式的
に示しており、電池缶との接合部のシール構造などは省
略している。同図(a)に示すように、封止部1には、
少なくとも封口板2と切断工具板3とが積層状態で保持
されている。通常、封止部の最外部には外部電極端子が
設けられる場合が多いが、封口板2の外面に電池外部の
圧力(大気圧)Taが作用するように、貫通孔などによ
って外界に開放されており、図示を省略している。同様
に、封口板2の内面には電池内部の圧力Tbが作用する
構造となっている。このようにして、封口板2は、当該
密閉型電池の内部の圧力Tbと外部の圧力Taとを仕切
る隔壁として位置している。また、封口板2は、内部の
圧力Tbの上昇に伴って外部側へ凸状に変形可能であ
る。切断工具板3は、封口板に対して外部側に保持さ
れ、かつ、封口板が外部側へ凸状に変形可能なように貫
通孔3aを有している。また、貫通孔3aの内部側の開
口端のくちもと周縁3bには切刃3cが設けられてい
る。
【0016】このような構造とすることによって、図1
(b)に示すように、電池内部の圧力Tbが異常に上昇
した場合、封口板2は、切断工具板3の貫通孔3a内を
外側に向かって凸状に変形し、切刃3cによって切断さ
れ、その切断部分を通じて内部の圧力Tbは外部に開放
される。
【0017】切断工具板の貫通孔の大きさは限定されな
いが、封口板が十分な圧力をうけるためには、大きい方
が好ましい。また、該貫通孔の軸に垂直な断面形状は、
円形、多角形だけでなく、種々の異形や半径方向に突起
を有する形状など、封口板が内圧によって押しつけられ
たとき、より高い再現性をもって切断可能な形状とする
ことが好ましい。
【0018】切刃は、封口板を切断し得るものであれば
よい。例えば、切断工具板自体のエッジを利用する態
様、他の材料で形成された切刃を切削工具の先端チップ
の様にくちもと周縁や貫通孔の内壁全周に取付ける態
様、高い硬度の材料をコーティングする態様などが挙げ
られる。ただし、当該安全構造のより好ましい態様で
は、後述するように、導電性や絶縁対策などの種々の条
件を満たす必要がある。また切刃の断面は、一般的な刃
と同様、鋭角で稜線が鋭い方がよく切れるが、内圧の異
常な上昇によって封口板を切断し得るのであれば、鈍角
でもよい。また、切刃の位置は、貫通孔の開口部におけ
る理論的なくちもとの稜線である必要はなく、切断工具
板の内側の面から貫通孔内に微少量だけ入った位置であ
ってもよい。即ち、異常事態において切断可能ならば、
通常時において封口板を切刃に触れさせるかどうかは、
自由に選択してよい。
【0019】図2は、切刃の断面形状の例を模式的に示
す図であって、封口板2が内圧Tbによって切刃3cに
押しつけられた状態を表している。ただし同図は、切刃
のプロフィールだけを示しているのであって、切断工具
板との関係は上記の通りである。図2(a)の切刃は、
単純な鋭角の刃の例である。図2(a)の切刃は、切刃
の断面形状がより鋭角となるよう、切り込み3dが設け
られた例である。
【0020】封口板の形状は、図1に示すように、通常
時において平面状を呈するものであってもよいが、さら
に好ましい態様や材料については後述する。封口板の厚
みは、電池の規模や許容される内部圧力に応じて選択し
てよく、異常時において切断され得るものであればよ
い。単3型の電池以下の小さい電池では、従来の薄肉部
の肉厚が0.01mm程度であったのに対して、本発明
における封口板の厚みは、0.5mm程度に達するよう
な厚いものであってもよく、しかも厚みの精度は特別に
厳しい基準を必要とせず、板材の公差のまま組み込むこ
とができる。
【0021】当該安全構造をより好ましい態様とするた
めに、内部の圧力が異常に上昇したときに、上記内圧を
開放する構造に加え、電流が遮断される構造が付与され
た態様を次に説明する。
【0022】図3は、本発明による密閉型電池の安全構
造のより好ましい例を模式的に示す図である。同図に示
す例では、電池缶Bの開口を封止部1が密封している。
同図では、封止部1の断面にだけハッチングを施してい
る。封止部1は、電池の内部側から外部側の方向へ順
に、導電板4と封口板2と切断工具板3と外部電極端子
板5とが積層された構造を有するものであり、電池缶B
がこの封止部を外周縁部にて気密に保持している。導電
板4と外部電極端子板5には、各々貫通孔4a、5aが
設けられ、封口板2が、電池の内部の圧力と外部の圧力
とを仕切る隔壁となっている。
【0023】切断工具板3の中央には、図1の例と同
様、くちもとに切刃を形成するための貫通孔3aが設け
られている。封口板2の、この貫通孔3aに対応する部
分が、内部の圧力の上昇に伴って外部側へ凸状に変形し
切断される部分である。以下、封口板における、凸状に
変形可能な部分を、単に「凸変形部分」という。
【0024】同図の例では、封口板2、切断工具板3は
ともに、少なくとも通常時には導電性を示す物質からな
る。封口板2は、切断工具板3を介して外部電極端子板
に導通されている。同図の例では、外部電極端子板は正
極端子板であり、電池缶の底部(図示せず)が負極端子
板となっている。一方、図のように、導通板4の中央部
分4mは、封口板2の凸変形部分2mの内部側の面に対
して、スイッチの接点のように開閉可能に接触してい
る。導電板4は、内部発電要素Eの一方の極(同図の例
では正極)に導通されている。
【0025】封止部におけるこれらの電気的な導通の構
造によって、内部発電要素Eの一方の極から外部電極端
子板5に至る導通路が形成される。即ち、内部発電要素
Eの一方の極、導電板4、(導電板と封口板との接触
点)、封口板2、切断工具板3、外部電極端子板5の順
路である。従って、この導通路は、機構的には、導電板
と封口板との接触点が開くことで遮断され得る。従っ
て、電池内部の圧力が異常に上昇したとき、封口板は外
部側へ凸状を呈する様に変形するものであるから、先
ず、その凸変形部分の変形によって封口板は導電板から
離れて導通路を遮断し電流を断ち、異常事態に対して電
気的に対処し得る。さらに、電池内部の圧力の異常な上
昇に対しては、上記説明の通り、凸変形部分の変形によ
って切断工具板の切刃が封口板を切断し、内圧を外部に
開放する。
【0026】封口板の凸変形部分の形状および異常時に
おける変形の態様としては、次のものが例示される。 通常時においては平面状であって、電池内部の圧力の
異常な上昇に比例して、連続的に外部側へ凸状を呈する
様に変形する態様。 通常時においては内部側へ凸状を呈するものであり、
電池内部の圧力の異常な上昇が発生したとき、ある圧力
において、その内部側へ凸状を呈する部分が、外部側へ
凸状を呈する様に反転変形(バックリング)する態様。 通常時においては平面状であるが、作製過程において
本板材に内部応力が付与されたものであって、内部の温
度上昇などによる一定条件をしきい値として応力が開放
され、外部側へ凸状を呈する様に瞬時に変形(一種のバ
ックリング)する態様。
【0027】上記の場合、通常時において内部側へ形
成される凸状の形状は、限定されないが、バックリング
性、内部側における凸状先端領域での導通板との接触信
頼性の点からは、球面状、円錐台状、これらの複合形状
(円錐台の平面の部分が球面に置き換えられた形状)な
どが好ましい。また、その凸状の形状の外径と、切断工
具板に設けられる貫通孔の内径(即ち、切刃の内径)と
を、どのような大小関係とするかは、封口板を切断する
上で重要な条件であるが、各大小関係に応じて変化する
切断性を適宜選択してよい。
【0028】上記のような態様では、封口板の材料
は、導通板と良好に接触し導通路の一部となり、異常時
にのみバックリングを示し、切断工具板の切刃によって
良好に切断され、電池内部における電気化学的な腐食に
耐え得るものが好ましい。そのような材料としては、銅
系、鉄系、アルミニウム系などの一般的な構造用金属材
料が挙げられる。例えば、リチウムイオン電池では、ア
ルミニウムやアルミニウム合金が耐食性の点で優れた材
料である。
【0029】上記の場合、導電性を有し、温度などの
一定条件で一種のバックリングを示すものとして、シリ
コンなどの半導体材料を用いたダイヤフラム構造が挙げ
られる。この場合、導電性を高めるため、表面あるいは
導通路を導電性の良い金属などで、蒸着などの方法によ
って被覆することが好ましい。
【0030】また、図3に示すような態様では、封口板
2と導電板4とが凸変形部分2mと中央部分4mとだけ
で導通し得るように、導電板と封口板とを、同図に示す
ように、その接触部分2m、4mの周囲の部分で絶縁体
6を介して互いに接合されることが好ましい。
【0031】封口板の凸変形部分が、通常時において内
部側へ凸状を呈するものであるならば、導電板の形状は
平板状であってもよいが、封口板と導電板とを、凸変形
部分と中央部分とだけで好適に接触させるならば、導電
板の中央部分を、図3に示すように、外部側へ凸状を呈
する形状とすることが好ましい。これによって、導電板
は封口板の凸変形部分に対して弾性的な接触圧をもって
接触し得る。
【0032】上記導電板の中央部分を外部側へ凸状を呈
する形状とする場合、その凸状の基本形状は限定されな
いが、封口板に対する接触圧力を好適に発生させる点か
らは、封口板の場合と同様、球面状、円錐台状、これら
の複合形状を基本形状とすることが好ましい。この基本
形状に対して、電池の内部圧力を封口板の内部側面まで
作用させるために、適宜貫通孔が設けられる。貫通孔の
形状は、封口板に対する接触圧力に重要な影響を与える
ので、適宜選択する。
【0033】図3に示す安全構造に加えて、高温時に導
電性を失う材料を導通路の一部に用い、異常時に導通路
を遮断する態様が好ましい。そのような材料としては、
例えば、PTCサーミスターが挙げられる。PTCサー
ミスター (positive temperature coefficient thermis
tor)は、正の抵抗温度係数を有する抵抗体であって、あ
る温度で抵抗が急激に増加する公知の材料である。この
PTCサーミスターを、例えば、図3に示す安全構造の
例において、切断工具板の材料として用いることによっ
て、異常時に温度上昇を伴う場合に、導通路が遮断され
る。また、この場合、切断工具板の上下面を、導電性の
良い金属などで、メッキなどの方法によって被覆するこ
とが好ましい。PTCサーミスターを切断工具板の材料
として用いる場合、切刃は、PTCサーミスター自体で
形成してもよいが、金属切断工具材料からなる切刃を別
途付与する態様ならば、PTCサーミスターからなる切
断工具板本体と切刃とは、絶縁体を介して接合すること
が、より安全のためには好ましい。切刃の材料を金属と
するならば、耐食性と強度の点からステンレス鋼が好ま
しい材料として挙げられる。
【0034】本発明による安全構造は、あらゆる密閉型
電池に対して有用であるが、ノート型パソコン、携帯電
話、携帯ビデオカメラ等の充電可能な電源として使用さ
れる高容量リチウムイオン二次電池の安全を確保するた
めには、特に有用となる。また、本発明による安全構造
は、密閉型電池に関する次のような異常事態で好適に動
作する。即ち、外部温度の上昇など電池外部の環境変
化、充放電に関する外部の回路異常によって発生する過
電流・過電圧・外部短絡、内部短絡・電解液反応など電
池内部の環境変化、打撃・貫通などの外的破壊行為、な
どで生じる電池内部の異常昇温に伴う電解液の蒸発、及
び気体の熱膨張による電池内部の圧力の異常な上昇であ
る。
【0035】本発明による安全構造は、一般的な円筒型
(ボタン型を含む)の密閉型電池だけでなく、角型など
任意の形状の電池にも有用である。角型など任意の形状
の断面に対して、切断工具板の貫通孔形状は、円形とし
てもよいし、方形、菱形、楕円形などに変形して応用し
てもよい。
【0036】
【実施例】単3型のリチウムイオン二次電池の封止部
(=正極端子部)に、安全構造として図3に示す構造を
付与した。封口板2の厚みを0.3mmとし、ステンレ
ス鋼の切刃3cを有するPTCサーミスターからなる切
断工具板3を用いて密閉型電池を製造した。このリチウ
ムイオン二次電池に対して、外部環境の温度を上昇させ
ることによって内部圧力を上昇させたところ、バラツキ
の少ない安定した温度で封口板が切断され、電池缶が破
裂することなく、未然に内圧が開放されることが確認で
きた。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による密
閉型電池の安全構造では、内圧の上昇を外部に開放する
という基本構造においては、製造のために特別に高度な
加工技術や厳しい工程管理を必要とせず、しかも、電池
内部の圧力が異常に上昇した場合には精度よく安定して
破断し内部の圧力を開放し得る。この構造にさらに電流
遮断の構造を重ね合わせることによって、安定して危険
を回避できる安全構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による密閉型電池の安全構造の例を模式
的に示す図である。
【図2】本発明における、切刃の断面形状の例を模式的
に示す図である。
【図3】本発明による密閉型電池の安全構造の好ましい
例を模式的に示す図である。
【図4】従来の安全構造の代表的な例を概略的に示す図
である。
【符号の説明】
1 封止部 2 封口板 3 切断工具板 3a 貫通孔 3c 切刃 Ta 電池の外部の圧力 Tb 電池の内部の圧力

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉型電池の電池缶の開口を密封する封
    止部に設けられる安全構造であって、封止部には少なく
    とも封口板と切断工具板とが積層状態で保持され、封口
    板は、当該密閉型電池の内部の圧力と外部の圧力とを仕
    切る隔壁として位置しかつ内部の圧力の上昇に伴って外
    部側へ凸状に変形可能であり、切断工具板は封口板に対
    して外部側に保持されかつ封口板が外部側へ凸状に変形
    可能なように貫通孔を有し、該貫通孔の内部側の開口端
    のくちもと周縁には切刃が設けられ、封口板が貫通孔内
    を外部側へ凸状に変形するとき、封口板が切刃によって
    切断され、内部の圧力が外部に開放される構造を有する
    ことを特徴とする密閉型電池の安全構造。
  2. 【請求項2】 封口板が、導電性物質からなり、当該密
    閉型電池の外部電極端子板に導通され、その凸状に外部
    側へ変形する部分の内部側の面には内部発電要素の一方
    の極に導通された導電板が接触して一方の極から外部電
    極端子板に至る導通路が形成され、内部の圧力が上昇し
    たとき、封口板は外部側へ凸状を呈する様に変形し導電
    板から離れて導通路を遮断し、さらに、内部の圧力の上
    昇に伴って外部側へ凸状に変形し切断工具板の切刃によ
    って切断されるものである請求項1記載の密閉型電池の
    安全構造。
  3. 【請求項3】 封口板の凸状に外部側へ変形する部分
    が、通常時においては内部側へ凸状を呈するものであ
    り、その内部側へ凸状を呈する部分に、内部発電要素の
    一方の極に導通された導電板が内部側から接触するもの
    であり、内部の圧力が上昇したとき、その内部側へ凸状
    を呈する部分が外部側へ凸状を呈する様に反転変形する
    ことによって、導電板から離れて導通路を遮断するもの
    である請求項2記載の密閉型電池の安全構造。
  4. 【請求項4】 封止部が、導電板と封口板と切断工具板
    と外部電極端子板とが内部側から外部側の方向へ順に積
    層された構造を有するものであり、導電板と封口板と
    は、封口板の凸状に外部側へ変形する部分の内部側の面
    にだけ導電板が接触し得るように、その接触部分の周囲
    の部分で絶縁体を介して互いに接合されるものである請
    求項1〜3のいずれかに記載の密閉型電池の安全構造。
  5. 【請求項5】 導電板が、封口板の凸状に外部側へ変形
    する部分の内部側の面に弾性的な接触圧をもって接触し
    得るように、外部側へ凸状を呈する部分を有するもので
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の密閉型電池の安全
    構造。
  6. 【請求項6】 切断工具板が、PTCサーミスターから
    なる板状物を母体とし、その貫通孔の内部側の開口端の
    くちもと周縁に、金属切断工具材料からなる切刃が絶縁
    体を介して付与されたものである請求項1〜5のいずれ
    かに記載の密閉型電池の安全構造。
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