明細書
ピリ ドィン ドール誘導体の新規製造法 技術分野
この発明は医薬として有効な 5—ヒ ドロキシ 卜 リプタミ ン (5— HT) 拮抗作用 を有するピリ ドインドール誘導体またはその塩を製造する方法に関するものであ る。 背景技術
下記の一般式 (ιιυ で示されるピリ ドィンドール誘導体またはその塩は公知で あり、特開平 2— 117675号公報に記載されている。 このピリ ドインドール誘導体 またはその塩は 5— ΗΤ拮抗作用を有し、精神病(例えば精神分裂病、 S桑病等)、不 安およびうつ病などの中枢神経系 (CNS) 障害、 頭痛 (例えば片頭痛、 群発性頭 痛、 血管性頭痛等) および神経痛 (例えば 三叉神経痛等) などの痛み、 消化不 良、 消化性潰瘍、 逆流性食道炎および鼓腸などに伴う胃腸機能障害症状および過 敏性腸症候群(IBS) などの胃腸障害、癌治療に伴う悪心または嘔吐、動揺病など の治療または予防に有用である。
(式中、 Rリま水素原子、低級アルキル基または低級アルケニル基、 R2は水素原子、 低級アルキル基またはハロゲン原子、 R3は適当な置換基を有していてもよいイミ ダゾリル基を意味する。)
特開平 2— 117675号公報には、 ピリ ドィンドール誘導体(III) またはその塩の 合成法としては、 (土) 8,9 —ジヒ ドロー 10一メチルー 7 - [(5—メチル— 1H— イ ミダゾールー 4 一ィル) メチル] ピリ ド [1,2 — a] イン ド一ルー 6 (7H) 一才
ン (Ilia) を例とすると、 次の 5工程を経る方法が記載されている 従来法のルー ト :
脱ァセトキシィ匕
(Ilia) 従来法では化合物 (la) から目的化合物 (Ilia) を得るのに、 先ずアルデヒ ド体 (V) を用いるアルドール反応によりアルキル化を行い、 続いてァセチル化、 脱ァ セトキシ化、 脱トシル化および還元の 5工程を経て、 化合物 (Ilia ) を合成する。
この場合、 化合物 (la) から目的化合物 (Ilia) を得る収率は 68 %である。 この ように上記公開公報に開示されている一般式 (ΙΠ) で示されるピリ ドインドール 誘導体の製造方法は、 工程数が多いため製造が煩雑であるばかりでなく、 全工程 を通すと目的物質の収率が低くなり、 高い製造コストを必要とする等の欠点を有 していた。
また、 上記ピリ ドインドール誘導体は一般にラセミ混合物として得られる。 そ して、 該ピリ ドイン ドール誘導体の立体異性体は光学的に活性な試薬例えばジパ ラ トルオイル酒石酸と反応させて分割する方法により得られているが、 ジパラ 卜 ルオイル酒石酸等を用いる従来の光学分割法では、 収率が低い上、 晶析液量が大 きく、 又、 安全上問題のあるクロ口ホルムの使用が不可避である等の欠点を有し ていた。 発明の開示 本発明は、 ピリ ドイン ド—ル誘導体 ( I I I ) またはその塩を簡便性、 収率等 の点で上記公開公報の製造法より優れた下記の製造法 1、 即ち化合物 ( I ) また はその塩をアルキル化剤 ( I I ) またはその塩で直接アルキル化することにより 1工程で得る製造法を提供するものである。
製造法 1
1)
(III)
またはその塩
(式中、 R'は水素原子、 低級アルキル基または低級アルケニル基、 R2は水素原 子、 低級アルキル基またはハロゲン原子、 R は適当な置換基を有していてもよ い、 イ ミノ保護基を有するィミダゾリル基、 R 3は適当な置換基を有していてもよ いイ ミダゾリル基、 Xはハロゲン原子をそれぞれ意味する) 。
さらに、 本発明は上記ピリ ドインドール誘導体 ( I I I ) またはその塩のラセ ミ混合物から光学活性ピリ ドィンドール誘導体 ( I V) またはその塩を収率、 安 全上問題のあるク口口ホルムを使用しない等の点で上記公開公報の製造法より優 れた下記の製造法を提供するものである。
製造法 2
の塩
ースルホン酸
(1R) 一 (一) 一 10—カンファースルホン酸塩
この明細書の以上および以下の記載において、 この発明の範囲内に包含される 種々の定義の好適な例および説明を以下詳細に説明する。
「低級」 とは、 特に指示がなければ、 炭素原子 1ないし 6個、 好ましくは 1な いし 4個を意味するものとする。
適当な 「低級アルキル基」 とは、直鎖または分枝の炭素数 1〜6個を有するもの
で、 例えばメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 プチル、 イソプチル、 t 一 プチル、 ペンチル、 ベンジル、 へキシルなどの基が挙げられ、 炭素数 1〜4個のも のが好ましく、最も好ましいものはメチル基、 ェチル基またはプロピル基である。 適当な 「低級アルケニル基」 としては、 ビニル、 1—プロぺニル、 ァリル、 1 一 ブテニル、 2—ブテニル、 2—ペンテニルなどの基が挙げられ、炭素数 2〜4個のも のが好ましく、 最も好ましいものはァリル基である。
適当な 「ハロゲン原子」 としては、 フッ素、 塩素、 臭素およびヨウ素が挙げら れる。
適当な 「ィ ミダゾリル基」 としては、 1H—ィ ミダゾール— 1 一ィル、 1H—ィ ミ ダゾールー 2 —ィル、 1H—イ ミダゾールー 4ーィルおよび 1H—ィ ミダゾール― 5—ィルが挙げられる。
「適当な置換基を有していてもよいィ ミダゾリル基」 および 「適当な置換基を有 していてもよい、 ィ ミ ノ保護基を有するイ ミダゾリル基」 における 「適当な置換 基」 としては、 薬学分野で慣用のものであり、 上述の低級アルキル基などが挙げ られる。
適当な 「ィ ミ ノ保護基」 としては、 慣用のものが挙げられ、 その好ましい例と しては、 Ν,Ν —ジ (低級) アルキルスルファモイル基 (例えば Ν,Ν —ジメチルス ルファモイル基等)、 低級アルカンスルホニル基 (例えばメシル基等)、 アレンス ルホ二ル基 (例えばトシル基等) などのァシル基などが挙げられる。 それらの中 で最も好ましいものは、 卜シル基 (ρ — トルエンスルホニル基) である。
以下に、 本発明のピリ ドィン ドール誘導体 ( I I I ) またはその塩の製造法お よびピリ ドイン ドール誘導体 ( I I I ) またはその塩のラセミ混合物から光学活 性ピリ ドインドール誘導体 ( I V ) またはその塩を製造する方法について詳細に 説明する。
製造法 1
化合物 (I) またはその塩に塩基を加えてエノ レー ト体としたのち、 アルキル化 剤 (II) またはその塩によってアルキル化反応を行い、 得られたアルキル体を単離 することなくィ ミ ノ保護基の脱離反応に付すことによって、 ピリ ドイン ドール誘 導体 ( I I I ) またはその塩を製造することができる。
アルキル化反応に先立って、 化合物 (I) またはその塩に塩基を加えてエノレ— 卜体とする際の適当な塩基としては、 例えばアルカ リ金属 (例えばリチウム、 ナ ト リ ウム、カリゥム等)、アル力リ土類金属(例えばマグネシウム、 カルシウム等)、 アル力リ金属アルコキサイ ド (例えぱナ ト リ ウムメ トキサイ ド、 ナ ト リウムエ ト キサイ ド、 カリウム t—ブトキサイ ド等)、 アルカリ金属へキサメチルジシラジ 卜 等のような無機および有機の塩基を挙げることができる。
このアルキル化反応においては、 アルキル化剤(II) またはその塩のハロゲン原 子(X基) とィ ミノ保護基の選定が重要であり、 アルキル化剤 (Π) またはその塩 の安定性およびアルキル化反応の進行性に大きく影饗する。
アルキル化剤 (Π) またはその塩の安定性からは、 ィミノ保護基がトシル基 (p 一 トルエンスルホニル基)、 ハロゲン原子 (X基) が塩素の場合が最も好ましい。 アルキル化剤 (Π) またはその塩のィミノ保護基がトシル基 (p— トルエンスル ホニル基)、 ハロゲン原子 (X基) が塩素の場合には、 このアルキル化剤に適当な 溶媒の存在下でヨウ化ナトリウムを添加し約 20 °Cで攪拌することにより、 クロル 体がョード体に転換 (ハロゲン交換) され、 この結果、 アルキル化反応が容易に 進行するようになる。
アルキル化反応は通常、 ジォキサン、 テ トラヒ ドロフラン、 ジェチルェ—テル、 ジイソプロピルェ—テル、 クロ口ホルム、 塩化メチレン、 塩化エチレン、 N,N— ジメチルホルムアミ ド等の慣用の溶媒、 または反応に悪影響を及ぼさない任意の 他の有機溶媒中で行われる。
使用する塩基が液体である場合には、 それを溶媒として使用することもできる。 反応温度は特に限定されないが、 通常は冷却下で反応が行われる。
アルキル化反応後、 得られたアルキル体は単離することなくィ ミノ保護基の脱 離反応に付すことによって、 ピリ ドイ ン ドール誘導体 ( I I I ) またはその塩の ラセミ混合物が好収率で得られる。
ィミノ保護基を脱離させる適当な方法としては、 ィ ミダゾリル基のィミノ保護 基を脱離させることができる慣用の方法、例えば加水分解、還元等が挙げられる。 還元には、 例えば、 アルカリ金属ホウ素水素化物 (例えば、 水素化ホウ素ナト リウム等) による化学還元およびパラジウム触媒 (例えば、 パラジウム—炭素等)
による触媒還元等が挙げられる。
加水分解は、 好ましくは塩基または酸の存在下で行われる。
好適な塩基としては、 例えば、 アル力リ金属水酸化物 (例えば、 水酸化ナトリ ゥム、 水酸化カリウム等)、 アルカリ土類金属水酸化物 (例えば、 水酸化マグネシ ゥム、 水酸化カルシウム等)、 アル力リ金属炭酸塩 (例えば、 炭酸ナ卜リウム、 炭 酸力リウム等)、 アル力リ土類金属炭酸塩 (例えば、 炭酸マグネシウム、 炭酸カル シゥム等)、 アル力リ金属炭酸水素塩 (例えば、炭酸水素ナトリゥム、 炭酸水素力 リゥム等)、 アル力リ金属酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸力リゥム等)、 ァ ルカリ土類金属燐酸塩 (例えば、燐酸マグネシウム、 燐酸カルシウム等)、 アル力 リ金属水素燐酸塩 (例えば、 燐酸水素ニナ トリウム、 燐酸水素二力リウム等) 等 のような無機塩基、 および 1,5—ジァザビシクロ [4.3.0] ノナン— 5オン、 1,4一 ジァザビシクロ [2.2.2.] オクタン、 1 ,5—ジァザビシクロ [5.4.0] ゥンデセン一 5等のような有機塩基が挙げられる。 塩基を使用する加水分解はしばしば水中かも しくは親水性有機溶媒かまたはそれらの混合溶媒中で行われる。
好適な酸としては、 有機酸 (例えば、 蟻酸、 酢酸、 プロピオン酸等) および無 機酸 (例えば、 塩酸、 臭化水素酸、 硫酸等) が挙げられる。
この加水分解は通常、 有機溶媒、 水またはそれらの混合溶媒中で行われる。 反応温度は特に限定されず、通常冷却下、室温または加熱下で反応は行われる。 なお、 製造法 1による (土) 8, 9 —ジヒ ドロ一 1 0 -メチルー Ί 一 [ ( 5 - メチル一 1 H—イ ミダゾール一 4 一ィル) メチル] ピリ ド [ 1 , 2— a ] イン ドール— 6 ( 7 H ) —オン ( I I l a ) の合成ルー トを下記に示す。
本発明の化合物 ( I l i a ) の合成ルー 卜 :
(Ila)
1) アルキル化
2) イ ミノ保護基の脱離
この新合成法では、 従来安定性の問題から合成されていなかったアルキル化剤 ( I l a) の合成法を確立したこと、 さらに、 ヨウ化ナトリウムを用いてアルキ ル化剤 ( I l a) のハロゲン交換を行い反応性を向上させたこととにより、 化合 物 ( I a ) を直接アルキル化することにより、 高い収率 (88%) で化合物
( I I l a) を合成することに成功したものである。
製造法 2
(土) 異性体ピリ ドインドール誘導体 ( I I I ) またはその塩に (1R) - (一) — 10—カンファースルホン酸 (以下 (R) 'CSAと略称) を作用させて、 (+ ) 異 性体ピリ ドイン ド一ル誘導体 · CSA塩と (―) 異性体ピリ ドイン ド一ル誘導体 . CSA塩を得る。 (+ ) 異性体ピリ ドイン ドール誘導体 · CSA塩と (— ') 異性体ピ リ ドインドール誘導体 'CSA塩とを溶媒中で溶解度の差により、 分割する。 使用 する溶媒としては例えば含水エタノール等を使用することができる。 分割された 異性体ピリ ドイン ド一ル誘導体 'CSA塩はフリー化に付すことにより光学活 性 (+ ) 異性体ピリ ドィンドール誘導体 ( I V) を得ることができる。 フリ一化 は塩基例えば水酸化ナトリウムの存在下に行うことができる。 分割された (+ ) 異性体ピリ ドィンドール誘導体 · C S A塩はフリ—化に付す前に再結晶等により 精製することができる。 また、 分割された (― ' 異性体ピリ ドイ ン ドール誘導
体 ' C S A塩は慣用の方法例えば後述の実施例の方法によりラセミ化を行い、 再 び光学分割に付すことにより (+ ) 異性体ピリ ドインドール誘導体の収率を挙げ ることができる。
( + ) 異性体ピリ ドィンドール誘導体 ( I V ) は、 慣用の方法例えば後述の実 施例の方法により適当な塩に変換することができる。 適当な塩としては慣用の無 毒性の医薬として許容される塩、 すなわち各種塩基との塩ならびに酸付加塩を挙 げることができる。 より具体的には、 アルカリ金属塩 (例えばナトリウム塩、 力 リウム塩、 セシウム塩等) 、 アルカリ土類金属塩 (例えばカルシウム塩、 マグネ シゥム塩等) 、 アンモニゥム塩のような無機塩基との塩、 有機アミ ン塩 (例え ば、 ト リェチルァミ ン塩、 ピリ ジン塩、 ピコリ ン塩、 エタノールアミ ン塩、 卜 リ エタノールアミ ン塩、 ジシクロへキシルア ミ ン塩、 N, N ' —ジベンジルェチレ ンジアミン塩等) のような有機塩基との塩、 無機酸付加塩 (例えば塩酸塩、 臭化 水素酸塩、 硫酸塩、 りん酸塩等) 、 有機カルボン酸付加塩または有機スルホン酸 付加塩 (例えばギ酸塩、 酢酸塩、 トリフルォロ酢酸塩、 マレイ ン酸塩、 酒石酸 塩、 メ タンスルホン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩、 p—トルエンスルホン酸塩 等) , 塩基性アミノ酸または酸性アミノ酸との塩 (例えばアルギニン、 ァスパラ ギン酸、 グルタミン酸等) などが挙げられる。
製造法 1および 2における目的化合物および出発化合物の適当な塩としては、 上述したものを挙げることができる。
以下、 製造例および実施例に従って、 本発明をさらに詳細に説明する。
製造例 1
4一クロロメチル一 5—メチル—ィミダゾ—ル塩酸塩(100g) をジメチルァセト アミ ド (400ml) に懸濁し、氷冷下 p— トルエンスルホニルクロリ ド (102.7g) を 添加する。 内温 0〜10 °Cに保ち N—メチルモルホリ ン (151.4g) を滴下する。 滴 下終了後、 同温で更に 30分間攪拌し、反応を行わせる。 反応終了後、 反応液に酢 酸ェチル (1000ml) および水 (500ml) を加え、 結晶を十分に溶解した後、 分液 する。 水層は酢酸ェチル (300ml) で抽出する。 酢酸ェチル層を合わせ、 10 %ク ェン酸水溶液 (300ml ) 次に 20 %食塩水 (1000ml) で 2回洗浄する。 無水硫酸マ グネシゥムで乾燥後、溶媒を減圧下留去する。 残渣に n—ヘプタン (500ml ) を加
え、氷冷後、析出結晶を濾取する。 一夜真空乾燥し、 1 一 トシルー 4—クロロメチ ル一 5—メチル一ィ ミ ダゾールと 3— トシルー 4一クロロメチルー 5—メチルーィ ミダゾ—ルとの混合物を白色結晶 (134.7g) として得る。
1 一 トシル— 4 クロロメチルー 5—メチルーィ ミ ダゾ一ル
NMR (CDCl3l (5 ) 2.28 (3H's),2.46 (3H,s),4.46 (2H,s),7.38 (2H,d),7.78 (2H, d),8.09 (lH's)
3— トシルー 4 一クロロメチル一 5—メチルーィ ミ ダゾ一ル
NMR (CDC13( (5 ) : 2.21 (3H,s),2.44 (3H,s),4.80 (2H,s)J.36 (2H,d),7.85 (2H, d),8.07 (lH.s)
実施例 1
窒素気流下、 1 一トシルー 4一クロロメチルー 5—メチルーィミダゾ—ルと 3— 卜シル— 4一クロロメチルー 5—メチルーィ ミ ダゾ—ルとの混合物 (186g) およ びヨウ化ナ ト リウム (97.8g) をテ トラヒ ドロフラン (lOOOml) 中で、 内温 18〜 23 °Cで 2時間激しく攪拌し、 ハロゲン交換を行った後、 反応液を一 40〜一 50 °C に冷却する。 別の反応器に窒素気流下 8,9ージヒ ドロ— 10—メチル—ピリ ド [1, 2 - a] イン ド—ル一 6 (7H) —オン (lOOg) をテ トラヒ ドロフラン (900ml) に 溶解し、 —40〜― 50 °Cに冷却し同温を保ちながら、 1.35N リチウムへキサメチル ジシラジ 卜/テ トラヒ ドロフラン— n—へキサン溶液(409ml) を滴下する。 滴下 終了後、 同温で更に 30分間撹拌し反応を行わせた後、先に調製したハロゲン交換 反応液に - 40〜- 50 °Cを保ち滴下する。 同温で 15分間後反応を行ない、 酢酸 (12.1g) を添加する。 内温 5〜10 °Cに昇温後、 5 %ハイポ水溶液 (1000ml) を添 加し、 上層を分取する。 内容量約 800mlまで減圧下澳縮する。 濃縮終了後、 メ タ ノ ール (400ml)、 水 (200ml)、 濃塩酸 (100ml) を加え、 内温 48〜53 °Cに昇温 し 3時間攪拌する。 反応終了後、 12 %水酸化ナ卜リウム水溶液で pH7.8〜8.2に調 整し、 内容量約 800mlまで減圧下濃縮する。 酢酸ェチル (300m を加え、 12 % 水酸化ナ卜リウム水溶液で pH10.5 ± 0.2に調整後、 10。C以下に冷却し、析出結晶 を濾取する。 酢酸ェチル (300ml)、水(500ml ) で洗净後、一夜真空乾燥し、 ( ± ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチルー 7— [(5—メチルー 1H—ィ ミ ダゾールー 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ド—ル— 6 (7H ) 一オンを黄褐色結晶 (129.0g )
として得た。
NMR (CDC13, 5 ): 1.83 - 1.97 (lH,m),2.15 (3H,lH,d + m),2.22 (3H,d) ,2.79 一 3.14 (5H,m),7.3 (2H,m) ,7.3 - 7.4 (2H,m + s),8.45 (lH.m)
実施例 2
(1 ) ( ± ) 8,9ージヒ ドロー 10—メチル一 7— [(5—メチルー 1H—イ ミ ダゾ一 ルー 4—ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール一 6 (7H) —オン (50g)、 (1R) 一 (一) ― 10—カンファースルホン酸(CSA) (42.7g) を 5 %含水エタノ一 ル (250ml) 中で還流下溶解する。 冷却後、内温 33°Cで種晶 (O.lg)を添加し、 20 〜30°Cで 20時間攪拌し、 ( + ) 8,9—ジヒ ドロ— 10—メチル—7— [(5 —メチ ルー 1H —イ ミダゾールー 4 —ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール一 6 (7H) —オン ' CSA塩、 ( 一 ) 8,9ジヒ ドロー 10 —メチル一 7— [ 一メチルー 1H—イ ミダゾールー 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール— 6 (7H) —オン . CSA塩を十分に析出させる。 5 %含水ェタール (100ml) を加え同温で 1 時間、 5 %含水エタノール (50ml) を加え 1時間、 5 %含水エタノール (100ml) を加え 1時間、 5 %含水エタノール (50ml) を加え 1時間撹拌し、 ( — ) 8,9—ジ ヒ ドロ一 10—メチルー 7— [(5 —メチル一 1H —イ ミダゾ一ルー 4 —ィル) メチ ル] ピリ ド [1,2— a] イン ドール— 6 (7H) —オン · CSA塩を再溶解する。 一夜 放置後、 結晶を濾取し、 エタノール 50mlで洗浄後、 一夜真空乾燥し、 ( + ) 8,9 —ジヒ ドロ一 10—メチルー 7— [(5—メチル一 1H—ィ ミダゾ一ルー 4—ィル) メ チル] ピリ ド [1,2— a] インドール— 6 (7H) —オン · CSA塩を白色粗結晶とし て得た。
収量 22.7g 収率 25.3 %
(十) 異性体 CSA塩:(―) 異性体. CSA塩 96.0 : 4.0 (下記に示した方法 による液体クロマトグラフィ一 (LC測定値)、 以下同じ)
(2) 精製
上記で得られた ( + ) 8,9—ジヒ ドロ— 10—メチルー 7— [(5—メチル一 1H —イ ミ ダゾ—ル一 4 一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ド一ルー 6 (7H) ― オン ' CSA塩 ( 22.0g をエタノール (110ml) 中で還流下溶解する 。 冷却後、 内温 20〜30°Cで 3時間攪拌後、析出結晶を濾取しエタノール (22ml )で洗浄する。
一夜真空乾燥し、 ( + ) 8,9—ジヒ ドロ— 10—メチル—7— [(5—メチルー 1H— イ ミ ダゾール一 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール— 6 C7H) 一才 ン · CSA塩を白色結晶として得た。
収量 19.9g 収率 90.5%
異性体比 (+ ) 異性体 *CSA塩:(一) 異性体 *CSA塩 99.7 : 0.3 (LC 測定値)
(3)母液、洗浄液を合わせ、水(500ml) を加え、内温 20〜30°Cで 8%カセィ ソー ダ水溶液 (約 50ml) で pH8.9に調整する。 1時間攪拌後、 析出結晶を濾取し水 (150ml)で洗浄後、一夜真空乾燥し、(±) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチルー 7— [(5 —メチルー 1H—イ ミ ダゾールー 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール 一 6 (7H) 一オンを淡黄色結晶として回収する。
収量 34.8g 回収率 69.5%
異性体比 (+ ) 異性体:(―) 異性体 34.3: 65.7 (LC測定値)
(4) 再ラセミ化
上記で得られた (±) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチル—7— [(5—メチルー 1H— イ ミダゾール— 4—ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール— 6 (7H) —才 ン (30.0g) 〔異性体比 ( + ) : (—) 34.3: 65.7〕 をトルエン (300ml) に懸濁し 1.8ジァザビシクロウンデセン (DBU) C15.7g) を加え、 10時間還流する。 内温 20〜30°C迄冷却し、結晶を滤取、 トルエン (30ml) で洗浄後、一夜真空乾燥し再 ラセミ化して (±) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチルー 7— [(5—メチルー 1H—イ ミ ダゾ一ルー 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イン ド一ルー 6 (7H) —オンを 得る 。
収量 27.4g 収率 91.2% 異性体比 (+) 異性体:(-) 異性体 48.1 : 51. 9 (LC測定値)
(5) (土) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチルー 7— [(5—メチル一 1H—イ ミ ダゾール 一 4—ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] ィ ン ドール一 6 (7H) 一オン ( 20.0g) を 実施例 2— (1) と同様の操作で (±) 8,9—ジヒ ドロ— 10—メチル— 7— [5 - (メチル一 1H—イ ミ ダゾ一ルー 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール 一 6 (7H) 一オン ' CSA塩を得る。
収量 8.00g 収率 22.5 %
異性体比 (+ ) 異性体 CSA塩:(一) 異性体 CSA塩 95.6: 4.4 (LC測定値) (6) 精製
実施例 2— (5) で得られた (+ ) 8,9—ジヒ ドロ— 10 —メチルー 7— [ (5 —メ チル一 1H—イ ミダゾ一ルー 4 一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドールー 6 (7H) —オン · CSA塩 (7.00g) を実施例 2— (2) と同様にエタノールで再結晶 し精製して (+ ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチルー 7— [(5 —メチルー 1H—イ ミ ダ ゾール—4 —ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] ィ ン ドール一 6 (7H) —オン ' CSA 塩を得る。
収量 6.33g 収率 90.4 %
異性体比 (+ ) 異性体 · CSA塩:(―) 異性体 · CSA塩 99.7: 0.3 (LC測定値) C7) ( + ) 8,9 —ジヒ ドロ一 10—メチル一 7— [(5 —メチル一 1H —イ ミ ダゾ一 ル一 4 —ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール一 6 (7H) —オン ' CSA塩 ( 15.0g) をメタノール (45ml)、 水 (105ml ) に懸濁し、 内温 20〜30 °Cで 8 %力 セィソーダ水溶液(10ml) を加え、 ρΗΙΟ.6に調整する。 同温で 1時間攒拌後結晶 を濾取し、 水 (45ml) で洗浄後、 一夜真空乾燥し (+ ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メ チル— 7— [ (5 —メチル— 1H —イ ミダゾ一ルー 4 一ィル) メチル] ピリ ド [1,2 — a] イン ドール— 6 (7H) 一オンを得る。
収量 8.59g 収率 102.6 %
(8) ( + ) 8,9 —ジヒ ドロ一 10 —メチル—7— [(5 —メチル _ 1H—イ ミ ダゾ一ル —4—ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イン ドール— 6 (7H) —オン (8.0g) を エタノール 80ml、 水 72mlに懸濁し、 内温 20〜30 °Cで 6N—塩酸 (8ml ) を添加 し、同温で 1時間攪拌する。 清澄滤過し、容器等はエタノール (8ml)で洗浄する。 20〜30 °Cで水 272 (ml) を 20分間を要し滴下し、 種晶 (0.016g) を加え、 同温 で 3時間、 0〜5てに冷却し 3時間攬拌する。 析出結晶を濾取し、 水 (32ml ) で洗 浄後、 一夜真空乾燥し (+ ) 8,9—ジヒ ドロ— 10 —メチル—7— [ (5 —メチルー 1H—イ ミダゾ—ル— 4 一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イ ン ドール— 6 (7H) 一オン ·塩酸塩を得る。
収量 7.38g 収率 82.0 %
光学分割液体クロマ トグラフィ ー LC条件
カラム : CHIRAL― AGP (Chromtech社製、 Sweden)
内径 4mm、 長さ 100mm、 粒径 5 μ η
カラム温度: 35 °C
移動層: 30 %ァセ 卜二 ト リル含水 pH7
Na2HP04 · 12H20 2g
KH2P04 0.5g
蒸留水 700ml
ァセ トニ ト リル 300ml
流量: O.SmlZmm 検出波長: 254nm
(+ ) 異性体 約 2.5分 (一) 異性体 約 4分
実施例 3
(1) (土) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチルー 7— [(5—メチルー 1H—イ ミダゾー ル一 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2 _ a] イン ドール— 6 (7H) 一オン (100g:)、 C1R) 一 (一) — 10—カンファースルホン酸 · 1水和物 (85.3g)、 ラジオライ ト (lg) をェタノ —ル (1000ml) 中で加熱還流する。 35°Cまで冷却し、種晶 0.2gを 加えた後、 内温 20〜30°Cで 3時間攪拌し、 エタノール (1000ml) を加え、 20〜 30°Cで一夜攪拌する。 翌日、 水 (25ml) を加え 20〜30°Cで 1時間、 33〜37°Cに 昇温し、 30分間搠拌する。 20〜30°Cに冷却後、 析出結晶を濾取し、 エタノール (100ml) で洗浄、一夜真空乾燥し、 ( + ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチル一7— [(5 一メチル一 1H—ィ ミ ダゾ一ルー 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] ィ ン ドール - 6 (7H) —オン · CSA塩を無色粗結晶として得る。
収量 53.9g (種晶 +ラジオライ ト込) 収率 28%
( + ) 異性体 · CSA塩: (一) 異性体 · CSA塩 96.0 : 4.0 (I 測定値) NMR (CDC13, δ ) : 0.80 (3H,s),1.03 C3H,s),1.8 (lH,m),1.9〜2.2 (2H + 2H
+ 2H + lH,m),2.10 (3H,s),2.32 (3H,s),2.5〜3.1 (2H + 2H + 1H + lH,m),3. 3〜3.5 (2H,m),7.2 (2H,m),7.4 (lH,m),8.3 (lH,m),8.49 (lH,s),13.8 (IH.broad)
(2) 先程の母液を、減圧下約 1000ml迄濃縮し、水 1000mlを加えた後、 pHを 13 に調整、 析出結晶を濾取、 真空乾燥し、 (±) 8,9—ジヒ ドロ— 10 -メチルー 7—
[ (5—メチルー 1H—ィミダゾ一ル一 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] ィン ドー ル— 6 (7H) 一オンを回収する。
収量 73.8g
(3) 再ラセミ化
実施例 3— (2) で得られた回収結晶 73.8g,DBU38.3gをトルエン (738ml) 中 で 3時間加熱還流する。 冷却し内温 20〜30°Cで結晶を濾取し、 トルエン (150ml), 水 (150ml) で洗浄後、 一夜真空乾燥し、 (士) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチル—7 - [ (5—メチルー 1H—イ ミダゾ一ルー 4—ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] ィ ン ド一ルー 6 (7H) 一オンを結晶として得る。
収量 65.3g
( + ) 異性体 · CSA塩: (―) 異性体 · CSA塩 49.0: 51.0 (LC測定値)
(4) 実施例 3— (2) で得られた (土) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチル—7— [(5— メチルー 1H—イ ミダゾール— 4—ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] インドール— 6 C7H) 一オン (65,3g) を用い、 実施例 3 - ( 1) と同様の操作を行ない、 ( + ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチル一 7— [(5—メチルー 1H—ィ ミダゾール一 4—ィル) メチル] ピリ ド [1,2 _ a] イン ドール— 6 (7H) —オン · CSA塩を粗結晶として 得る。
収量 35.2g 収率 18.3 % ( (土) 異性体 8,9—ジヒ ドロ— 10—メチル—7—
[(5—メチルー 1H—ィ ミダゾ一ルー 4一ィル) メチル] ピリ ド [l,2— a] ィン ドー ルー 6 (7H) —オンよりの総収率 46.3 %)
( + ) 異性体 · CSA塩: (―) 異性体 · CSA塩 96.0: 4.0 (LC測定値)
(5) 精製
実施例 3— (1 ) で得られた (+ ) 8,9ージヒ ドロー 10—メチル― 7― [ (5—メ チルー 1H—イ ミダゾール一 4—ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イン ド一ルー 6 (7H) —オン ' CSA塩 (53.9g) および実施例 3— (4) で得られた (士) 8,9―ジ ヒ ドロ一 10―メチル一 7― [ (5―メチル _ 1H―イ ミダゾ一ルー 4 一ィル) メチ ル] ピリ ド [1,2— a] ィン ドール一 6 (7H) —オン ' CSA塩 (35.2g) をェタノ一 ル (446ml) 中で加熱還流下溶解する。 炭末 (1.8g) を加えさらに還流後、 熱時、 ラジオライ 卜及び炭末を濾取する。 濾液を室温まで冷却後、析出結晶を濾取し、 (
+ ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチル一 7— [(5—メチル一 1H—ィ ミダゾ一ルー 4一 ィル) メチル] ピリ ド [1 ,2— a] イン ド一ルー 6 (7H ) 一オン ' CSA塩を無色結 晶として得る。
収量 75.2g 収率 86 %
( + ) 異性体 · CSA塩: (―) 異性体 · CSA塩 99.6: 0.4 (LC測定値)
(6) ( + ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチルー 7— [ (5—メチルー 1H—ィ ミダゾ一ル 一 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イン ドール— 6 (7H) —オン 'CSA塩(100g) をメタノール (300ml八 脱イオン水 (700ml) 中に懸濁し、 24 %カセィソ一ダ水 溶液を用い ρΗ11·5〜12.5に調整し、結晶を濾取、 水洗、 乾燥し、 (+ ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチル—7— [ ーメチルー 1H—イ ミダゾール一 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] インドールー 6 (7H) —オンを白色結晶として得る。
収量 53.6g 収率 96 %
(7) ( + ) 8,9—ジヒ ドロー 10—メチル一 7— [ ーメチルー 1H—イ ミダゾール 一 4 一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イン ドール— 6 (7H) —オン (100g) を エタノール (300ml)、 脱イオン水 (300ml) 中に懸濁し、 内温 30 °C以上で、 6N 塩酸 (100ml) を添加する。 添加後、 内温 65〜75 °Cに加熱し、析出した結晶を溶 解する。 溶解後、 清澄濾過し、 濾過器等は脱イオン水 200mlで洗浄する。 滤-洗 液を合わせ、 10 °C以下に冷却し、 析出結晶を濾取、 水洗、乾燥し (+ ) 8,9ージヒ ドロー 10—メチル—7— [ (5—メチル一 1H—イ ミダゾール一 4一ィル) メチル] ピリ ド [1,2— a] イン ドールー 6 (7H) —オン '塩酸塩を白色結晶として得る。 収量 104.6g 収率 93 %