明 細 書 光ファイバ及びその製造方法 技 術 分 野 本発明は、 光を伝搬させるコアと、 このコアを覆ってコア内を伝 搬する光を遮光するクラッ ドとからなり、 光を入出力するための先 鋭部を有する光ファイバ及びその製造方法に関する。 背 景 技 術 物質表面の光の波長より小さい領域に局在するエバネッセント光 を検出して物体の形状を測定するフォ トン走査型顕微鏡は、 従来の 光学顕微鏡の回折限界を超えた分解能をもつ超高分解能光学顕微鏡 として知られている。
例えば図 1に示すように、 全反射条件下で試料 1の裏面から試料 表面を照射すると試料表面には表面形状に応じてエバネッセン ト光 の場が発生する。
' フオ トン走査型顕微鏡では、 例えば図 2に示すように、 エバネッ セント光の波長程度以下の開口をもつ検出端部 2を形成した光プロ ーブ 3でこのエバネッセン卜場の強度を測定することにより、 従来 の光学顕微鏡の回折限界を超えた分解能を得ることができる。
このフォ トン走査型顕微鏡の分解能は、 光プローブの実効的な開 口径によって決定される。 一方、 エバネッセン ト光の強度は、 試料
表面からの距離と共に指数関数的に減少することから、 光プローブ は'、 単に先端を鋭くするだけでも等価的に開口径を小さくすること ができる。 したがって、 フオ トン走査型顕微鏡の分解能を.向上させ るためには、 光プローブの先端を鋭くすることが重要である。
また、 上述の図 1に示すような形状の光プローブは、 クラッ ド径 D ( 9 0 ; m程度) が検出端部 2の長さ L ( 2〜 6 m程度) より もずつと大きいので、 クラッ ドの周端部 4が試料 1の表面に衝突し て、 試料あるいは光プローブ 5自体を破損する虞れがあった。
このため、 本発明の発明者らは、 これらの課題を解決するための 光ファイバを提案し、 先に特願平 5 - 2 9 1 8 2 9号、 特願平 6 - 5 3 6 2 6号、 特願平 6 - 5 5 6 9 7号、 ?じ丁 】 ? 9 4 / 0 0 9 0 6として出願している。 これらの出願では、 光フアイバのー 端のクラッ ドから突出したコアを先端先細り状に先鋭化した検出端 部の基端にクラッ ドの径を径小とした径小部を形成し、 あるいは検 出端部とクラッ ドを共に先端先細り状に先鋭化してクラッ ドの周端 部が試料表面に衝突することを防止している。
また、 上記フォ トン走査トンネル顕微鏡では、 エバネッセン 卜光 の強度が極めて小さいので、 散乱光の影響を避け、 エバネッセン卜 光の検出効率を高くする必要がある。 例えば光プローブの検出端部 の表面に遮光性の被覆層を形成し、 該被覆層の先端に検出光の波長 程度以下の微小な開口を形成し、 検出するエバネッセン 卜光を開口 からのみ入射させることにより、 開口以外の領域に照射される散乱 光等を遮光し、 散乱光等の影響を低減させることが考えられる。
このため、 上述の出願に係る光ファイバでは、 検出効率を向上さ せるために、 真空中で光ファイバを、 その中心軸を中心として回転
させ、 検出端部の側方あるいは後方から遮光性の物質の蒸気を供給 することにより、 検出端部の表面に、 遮光性の被覆層を形成すると 共に、 検出端部の先端が遮光性の被覆層から露出した開口部を形成 するようになっている。
しかしながら、 遮光性の被覆層を均一に形成し、 なおかつ、 波長 程度以下の微小な開口を再現性よく形成することが困難である問題 があつた。
ところで、 光ファイバの先端に周囲の環境に応じて光学特性が変 化する機能性物質、 例えば蛍光体、 試薬等を付着させた光ファイバ センサが知られている。 このような光ファイバセンサは、 例えば図
3に示すように、 光ファイバの一端にコアを先鋭化した先鋭部 6を 形成し、 該先鋭部 6の表面に遮光性の被覆層 7を形成し、 先鋭部 6 の先端が遮光性の被覆層 7から露出した開口部に蛍光体、 試薬等の 機能性物質 8を付着させて形成されている(eds. W. Pohl&D. Courj on : Near Field Optics (Book) 1993, 17-24 )。
このような光ファイバセンサ 5では、 先鋭部 6の先端の機能性物 質 8は、 例えば周囲の光強度、 p H等の環境に応じて光学特性が変 化し、 例えば発光あるいは吸光スぺク トル等が変化する。 そして、 このような光学特性の変化を、 先鋭部 6の他端において検出するこ 'とにより、 先鋭部 6の周囲の環境を検出するようになっている。 こ のような光ファイバセンサ 5では、 先鋭部 6の先端に付着させる機 能性物質 8のサイズを小さくすることができ、 従来の電気的センサ と比較して検出の空間解像度を向上させ、 また、 応答時間を高速化 することができる。
しかしながら、 このような光ファイバセンサでは、 機能性物質を、
剥離強度が高い状態で光ファイバの先端に付着させることが困難で あるため、 耐久性を向上させることが困難であった。 発 明 の 開 示 そこで、 本発明の目的は、 上述の問題点を解決するために、 クラ ッ ドの周端部が試料表面に衝突することがなく、 検出効率が高い光 ファイバを提供することにある。
また、 本発明は、 クラッ ドの周端部が試料表面に衝突することが なく、 検出効率が高い光ファイバを容易に形成することができる光 ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
また、 本発明は、 検出の空間解像度を向上させ、 耐久性の高い光 ファイバを提供することを目的とする。
本発明は、 上述の課題を解決するために提案されたものであって、 本発明の光ファイバは、 光を伝搬させるコアと、 このコアを覆って コア内を伝搬する光を遮光するクラッ ドとからなる光ファイバの一 端にクラッ ドの外周からコアの中心にかけて先鋭化した先鋭部を有 し、 先鋭部の表面に遮光性の被覆層を有し、 先鋭部の先端が遮光性 の被覆層から露出した開口部を有する。
' このような光ファイバは、 先鋭部がコア中を伝搬する光を集光す る集光部として機能し、 遮光性の被覆層が開口部以外からの光を遮 断する遮光部として機能する。 そして、 開口部から光を入出力する ようになつている。
また、 本発明に係る他の光フアイバは、.光を伝搬させるコアと、 このコアを覆ってコア内を伝搬する光を遮光するクラッ ドとからな
る光ファイバの一端に、 クラッ ドを肉薄とした径小部を有し、 該径 小部の先端から突出したコアを先細り状に先鋭化した先鋭部を有し、 該先鋭部の表面に遮光性の被覆層を有し、 先銳部の先端が.遮光性の 被覆層から露出した検出光の波長程度以下の開口部を有することを 特徴とするものである。
このような光ファイバは、 突出部がコア中を伝搬する光を集光す る集光部として機能し、 遮光性の被覆層が遮光部として機能する。 このため、 コア中を伝搬する光を集光して開口部から効率よく出射 することができる。
また、 このような光ファイバは、 遮光性の被覆層が開口部以外に 照射された光を遮光する遮光部として機能し、 先鋭部が開口部から 入射した光をコア中に導く結合部として機能する。 この光ファイバ は、 例えば物質の表面の光の波長より小さい領域に局在するエバネ ッセン ト光を検出するフォ 卜ン走査型顕微鏡等において、 物質表面 に近接させてエバネッセン ト光を散乱させて検出する光プローブと して使用される。
そして、 この光ファイバは、 先鋭部の先端を物質表面に近接させ て使用され、 遮光性の被覆層から露出した先鋭部の先端で、 物質表 面のエバネッセント光を散乱させてコアに導く。 また、 この光ファ ィバの開口部以外に照射される検出光は、 遮光性の被覆層によって 遮断される。 このため、 この光ファイバは、 先鋭部の先鋭角が小さ く、 また開口部からのみ検出光を検出することができるので検出効 率の高い光プローブとなる。
さらにまた、 本発明に係る他の光ファイバは、 クラッ ドの先端か ら突出したコアが先鋭化された先鋭部を有し、 先鋭部の表面に遮光
性の被覆層を有し、 該遮光性の被覆層から先鋭部の先端が露出する と共に、 遮光性の被覆層に対して先鋭部の先端が陥没したピッ 卜を 有する。 また、 このピッ トに蛍光体あるいは試薬等の周囲の環境に 応じて光学特性が変化する機能性物質を付設している。
このような光ファイバでは、 ピッ ト中の機能性物質が周囲の環境 に反応して、 光学特性が変化する。 この光学特性の変化は、 光ファ ィバの他端において検出することができる。 このため、 測定の空間 解像度を向上させた検出を行うことができる。 また、 このような機 能性物質は、 遮光性の被覆層の先端より陥没したピッ 卜内部に付着 されているため、 光ファイバの先端が被測定物に衝突した場合等に おいて、 色素が直接被測定物に衝突せずに保護される。 このため、 耐久性を向上させることができる。
また、 上述のような構造の光フアイバを製造する本発明の光ファ ィバの製造は、 コアの先端を先鋭化して先鋭部を形成し、 先鋭部の 表面に遮光性の被覆層を形成し、 遮光性の被覆層をエッチングして 先鋭部の先端が遮光性の被覆層から露出した開口部を形成すること を特徴とするものである。
この光ファイバの製造方法では、 遮光性の被覆層の先端に、 先鋭 部の先端が遮光性の被覆層から完全に露出した開口部を容易に形成 することができ、 検出効率が高い光フアイバを容易に形成すること ができる。
また、 上述のような構造の光フアイバを製造する本発明の他の光 ファイバの製造方法は、 酸化ゲルマニウムを添加した石英からなり 光を伝搬させるコアと石英からなりコアを覆ってコア内を伝搬する 光を遮光するクラッ ドより構成される光ファイバの一端をフッ化ァ
ンモニゥム水溶液、 フッ酸及び水からなるエツチング液でェッチン グすることにより石英クラッ ドを肉薄として径小部を形成する第 1 エッチング工程と、 径小部の先端をフッ化アンモニゥム水溶液、 フ ッ酸及び水からなるエツチング液でェツチングすることによりコア を突出させた突出部を形成すると共に、 該突出部の先端を先細り状 に先鋭化して先鋭部を形成する第 2ェッチング工程と、 突出部の表 面に遮光性の被覆層を形成する第 1 コーティ ング工程と、 遮光性の 被覆層の先端以外の部分の表面に耐腐食性の被覆層を形成する第 2 コーティ ング工程と、 突出部の遮光性の被覆層をエッチングして突 出部の先端が遮光性の被覆層から露出した開口部を形成する開口ェ 程とを有することを特徴とするものである。
この光ファイバの製造方法では、 遮光性の被覆層の先端に、 先鋭 部の先端が遮光性の被覆層から露出した開口部を容易に形成するこ とができ、 検出効率が高い光ファイバを容易に形成することができ る
本発明のさらに他の目的、 本発明により得られる効果、 本発明の さらに具体的な構成は、 以下において説明される具体的な実施例か ら一層明らかにされるであろう。 図面の簡単な説明 図 1は、 フォ トン走査型顕微鏡の原理を模式的に示す図である。 図 2は、 図 1 に示すフォ トン走査型顕微鏡のエバネッセント波を 検出する動作を示す図である。
図 3は、 従来の光フアイバセンサの先端の構造を示す図である。
図 4は、 本発明の第 1実施例の光フアイバの構造を示す図である。 図 5は、 上記第 1実施例の光ファイバの先端の具体的な構造を示 す図である。
図 6は、 本発明の第 2実施例の光ファイバの構造を示す図である。 図 7は、 上記第 2実施例の光ファィバの先端の具体的な構造を示 す図である。
図 8は、 本発明の第 3実施例の光ファィバの構造を示す図である。 図 9は、 本発明の第 4実施例の光ファイバの構造を示す図である。 図 1 0は、 本発明の第 5実施例の光ファイバの構造を示す図であ る。
図 1 1は、 本発明の第 6実施例の光ファイバの構造を示す図であ る o
図 1 2は、 本発明の第 7実施例の光ファイバの構造を示す図であ る o
図 1 3は、 本発明の第 8実施例の光ファイバの構造を示す図であ る o
図 1 4は、 本発明の第 9実施例の光ファイバの構造を示す図であ る。
図 1 5は、 上記第 9実施例の光ファイバの先端の具体的な構造を 示す図である。
図 1 6は、 本発明の第 1 0実施例の光ファイバの構造を示す図で ある。
図 1 7は、 本発明の第 1 1実施例の光ファイバの構造を示す図で ある。
図 1 8は、 本発明の第 1 2実施例の光ファイバの構造を示す図で
ある。
図 1 9は、 光ファイバを用いたフォ トン走査トンネル顕微鏡のコ レクシヨ ンモー ドでの動作を原理的に示す図である。
図 2 0は、 光ファイバを用いたフォ 卜ン走査トンネル顕微鏡のィ ルミネーショ ンモー ドでの動作を原理的に示す図である。
図 2 1は、 本発明の第 1 3実施例に係る光ファイバの構造を示す 図である。
図 2 2は、 本発明の第 1 4実施例の光フアイバの構造を示す図で ある。
図 2 3は、 上記第 1 4実施例の光ファイバの屈折率の分布を示す 図である。
図 2 4は、 上記第 1 4実施例の光ファイバの先端の具体的な構造 を示す図である。
図 2 5は、 シングルモー ドの光フアイバ中の光の伝搬を示す図で める。
図 2 6は、 上記第 1 4実施例の光ファイバ中の光の伝搬を示す図 である。
図 2 7は、 本発明の第 1 5実施例の光ファイバの構造を示す図で ある
' 図 2 8は、 本発明の第 1 6実施例の光フアイバの構造を示す図で あ
図 2 9は、 上記第 1 6実施例の光フアイバの先端の具体的な構造 を示す図である。
図 3 0は、 本発明の第 1 7実施例の光ファイバの構造を示す図で
図 3 1は、 本発明の第 1 8実施例の光フアイバの構造を示す図で ある。
図 3 2は、 本発明の第 1 9実施例の光ファイバの構造を示す図で ある。
図 3 3は、 本発明の第 2 0実施例の光ファイバの構造を示す図で ある。
図 3 4は、 上記第 2 0実施例の光ファイバの遮光性の被覆層の他 の具体的な構成を示す図である。
図 3 5は、 光ファイバの先端の先鋭角と伝達係数の関係を示す図 である。
図 3 6は、 本発明の第 2 1実施例の光ファイバの構造を示す図で ある。
図 3 7は、 本発明の第 2 2実施例の光ファイバの構造を示す図で ある。
図 3 8は、 本発明の第 2 3実施例の光ファイバの製造方法のエツ チング工程を示す図である。
図 3 9は、 上記第 2 3実施例の光ファイバの製造方法の第 1エツ チング工程を示す図である。
図 4 0は、 上記第 2 3実施例の光ファイバの製造方法の第 4エツ チング工程を示す図である。
図 4 1は、 上記第 4エツチング工程におけるコアとクラッ ドの間 の比屈折率差と先鋭角の関係を示す図である。
図 4 2は、 上記ェッチング工程においてエツチング液の組成を変 化させたときの先鋭角の変化を示す図である。
図 4 3は、 上記エッチング工程においてエッチング液の組成を変
化させたときの先鋭角の変化を示す図である。
図 4 4は、 上記第 2 3実施例の光フアイバの製造方法のコーティ ング工程を示す図である。
図 4 5は、 上記第 2 3実施例の光フアイバの製造方法の開口工程 を示す図である。
図 4 6は、 上記第 2 3実施例の第 2エッチング工程におけるエツ チング時間とクラッ ド径及び先端の曲率半径の関係を示す図である。 図 4 7は、 上記第 2 4実施例の光ファイバの製造方法の開口工程 を示す図である。
図 4 8は、 本発明の第 2 5実施例の光フアイバの製造方法のエツ チング工程を示す図である。
図 4 9は、 上記第 2 5実施例の光ファイバの製造方法のエツチン グ工程におけるエツチング時間とクラッ ド径の関係を示す図である。 図 5 0は、 本発明の第 2 6実施例の光フアイバの製造方法のエツ チング工程を示す図である。
図 5 1は、 上記エッチング工程によって形成される突出部の先鋭 角を示す図である。
図 5 2は、 本発明の第 2 7実施例の光フアイバの製造方法のエツ チング工程
を示す図である。
図 5 3は、 本発明の第 2 8実施例の光フアイバの製造方法のエツ チング工程を示す図である。
図 5 4は、 上記第 2 8実施例の光フアイバの製造方法の第 2エツ チング工程を示す図である。
図 5 5は、 上記第 2 8実施例の光フアイバの製造方法の第 1 コー
ティ ング工程を示す図である。
図 5 6は、 上記第 2 8実施例の光フアイバの製造方法の第 1 コ一 ティ ング工程において先端にコーティ ングを行った光フアイバの構 造を示す図である。
図 5 7は、 上記第 2 8実施例の光ファイバの製造方法の第 2コー ティ ング工程において先端にコーティ ングを行った光ファイバの構 造を示す図である。
図 5 8は、 本発明の第 2 9実施例の光ファイバの製造方法のエツ チング工程を示す図である。
図 5 9は、 上記第 3 0実施例の光ファイバの製造方法のコ一ティ ング工程を示す図である。
図 6 0は、 上記第 3 0実施例の光フアイバの製造方法の感光体層 形成工程を示す図である。
図 6 1は、 上記第 3 0実施例の光ファイバの製造方法の感光体層 形成工程において感光体層を形成した光フアイバの構造を示す図で ある。
図 6 2は、 上記第 3 0実施例の光ファイバの製造方法の感光体層 形成工程においてクラッ ド径を変化させたときの感光体の付着体を 示す図である。
' 図 6 3は、 上記第 3 0実施例の光ファイバの製造方法の感光工程 を示す図である。
図 6 4は、 上記第 3 0実施例の感光工程に使用する原子間力顕微 鏡の構成を示す図である。
図 6 5は、 上記原子間力顕微鏡における光ファイバの先端とプリ ズム表面の間の距離と、 光ファイバの振動の振幅の関係を示す図で
ある。
図 6 6は、 上記第 3 0実施例の露出部形成工程において露出部が 形成された光フアイバの構造を示す図である。
図 6 7は、 上記露出部形成工程において形成された露出部の構造 を示す拡大図である。
図 6 8は、 本発明の第 3 1実施例の光フアイバの製造方法のピッ ト形成工程を示す図である。
図 6 9は、 上記第 3 1実施例の光ファイバの製造方法のピッ 卜形 成工程においてピッ トを形成した光フアイバの構造を示す図である。 図 7 0は、 上記第 3 1実施例の光ファイバの製造方法の色素付着 工程において色素を付着させた光フアイバの構造を示す図である。
図 7 1は、 本発明の第 3 2実施例の光ファイバの製造方法を示す 図である。
図 7 2は、 本発明の第 3 3実施例の光ファイバの製造方法を示す 図である。
図 7 3は、 本発明の第 3 3実施例の光ファイバの製造方法を示す 図である。
図 7 4は、 上記第 3 3実施例の光ファイバの製造方法により形成 された光フアイバの突出部の形状を示す拡大斜視図である。
' 図 7 5は、 上記第 3 3実施例の光ファイバの製造方法により形成 された他の光フアイバの突出部の形状を示す拡大斜視図である。 図 7 6は、 上記第 3 3実施例の光フアイバの製造方法のエツチン グ工程におけるエツチング時間と、 チップ長及び先鋭角との関係を 示す図である。
図 7 7は、 上記第 3 3実施例と上記第 2 8実施例の光ファイバの
製造方法により形成した突出部のチップ長及び先鋭角との関係を示 す図である。
図 7 8は、 本発明の第 3 6実施例の光ファイバの製造方法を示す 図である。
図 7 9は、 コア径及び屈折率分布が異なる 3種類の光フアイバの 屈折率分布を示す図である。
図 8 0は、 上記光ファイバを先鋭化したときの突出部の先端の半 径の分布を示す図である。 .
図 8 1は、 上記光ファイバを先鋭化したときの突出部の先端の半 径の分布を示す図である。
図 8 2は、 上記光ファイバを先鋭化したときの突出部の先端の半 径の分布を示す図である。
図 8 3は、 本発明の第 3 7実施例の光フアイバの製造方法を示す 図である。
図 8 4は、 上記第 3 7実施例の光ファイバの製造方法のェッチン グ工程のエツチングを示す図である。
図 8 5は、 本発明の第 4 0実施例の光フアイバの製造方法のエツ チング工程のェツチングを示す図である。
図 8 6は、 上記第 4 0実施例のエッチング工程において使用する エッチング液の組成を変えたときに形成される光ファイバの形状を 示す図である。
図 8 7は、 本発明の第 4 1実施例の光ファイバの製造方法を示す 図である。
図 8 8は、 上記第 4 1実施例の光ファイバの製造方法のェッチン グ工程における先鋭化を示す図である。
図 8 9は、 本発明の第 4 2実施例の光フアイバの製造方法を示す 図である。
図 9 0は、 上記第 4 2実施例の光ファイバの製造方法のエツチン グ工程における先鋭化を示す図である。
図 9 1は、 本発明の第 4 4実施例の光フアイバの製造方法を示す 図である。
図 9 2は、 上記第 4 4実施例の光ファイバの製造方法の第 2エツ チング工程のェッチングを示す図である。
図 9 3は、 本発明の第 4 6実施例の光フアイバの製造方法を説明 するための図である。
図 9 4は、 上記第 4 6実施例の光ファイバの製造方法を説明する ための図である。
図 9 5は、 上記第 4 6実施例の光ファイバの製造方法を説明する ための図である。
図 9 6は、 上記第 4 6実施例の光ファイバの製造方法を説明する ための図である。
図 9 7は、 本発明の第 4 7実施例の光ファイバの製造方法で表面 に被覆層を形成した突出部の先端の拡大図である。 発明を実施するための最良の形態 本発明に係る光ファイバは、 中心にコアを有し、 このコアを覆つ てクラッ ドが設けられて、 長尺状の線状体として形成されている。 そして、 光フアイバの一端にコアの先端を先鋭化した先鋭部が設け られており、 先鋭部の表面に遮光性の被覆層を有し、 先鋭部の先端
が遮光性の被覆層から露出した開口部を有している。 この光フアイ バでは、 遮光性の被覆層が開口部以外に照射される光を遮断する遮 断部として機能し、 開口部からのみ光を入出力するようになってい コア内を伝搬する光は、 該コアとクラッ ドとの境界で反射を繰り 返してコア内を伝搬し、 上記先鋭部において集光されて、 開口部か ら外部に照射される。 また、 開口部から先鋭部に入射した光は先鋭 部を介してコア中に導かれ、 コア中を伝搬する。 この伝搬光は、 光 フアイバの他端において検出される。
本発明の第 1実施例に係る光フアイバは、 例えば図 4に示すよう に、 コア 1 2径が d e でクラッ ド 1 3径が d。 の光ファイノく 1 1の 一端にクラッ ド 1 3の外周からコア 1 2の中心にかけて円錐状に先 鋭化した先端角が I である先鋭部 1 4を有している。 そして、 こ の光ファイバ 1 0は、 先鋭部 1 4の表面に遮光性の被覆層 1 5を有 し、 先鋭部 1 4の先端が遮光性の被覆層 1 5から露出した開口部 1 6を有する。
具体的には、 例えばコア 1 2径 d c は 3 . 4 mで、 クラッ ド 1 3径 d。 は 1 2 5 mで、 コア 1 2は、 酸化ゲルマニウム G e 0 2 を添加した石英 S i 0 2 からなり、 クラッ ド 1 3は、 石英 S i 〇2 からなる。 上記先鋭部 1 4の先鋭角 θ 1 は、 例えば 2 0度乃至 2 5 度程度となっている。 また、 遮光性の被覆層 1 5は、 例えば金、 銀、 アルミニウム等の遮光性に優れた物質からなり、 図 5に先鋭部 1 4 の先端の拡大図を示すように、 1 0 0 n m程度の厚さで形成されて いる。 また、 上記開口部 1 6の直径は、 3 0 n mとなっており、 検 出光の波長より小さくなつている。 また、 先鋭部 1 4の先端の曲率
半径は、 5 n m以下 (すなわち、 先鋭部 1 4の先端の直径が 1 0 n m以下) となっている。
このような構造の光フアイバ 1 0は、 例えばエバネッセ.ン ト光を 検出して物体の形状を測定するフォ トン走査型顕微鏡においてエバ ネッセン ト光を検出する光プローブとして使用される。 このフォ ト ン走査型顕微鏡では、 先鋭部 1 4を物質表面に近接させた状態で、 光ファイバ 1 0で物質表面上を走査する。 物質表面付近に存在する エバネッセン ト光は、 先鋭部 1 4の先端で散乱され、 先鋭部 1 4を 介してコア 1 2中に導かれる。 そして、 このフォ トン走査型顕微鏡 は、 コア 1 2に導かれた光を先鋭部 1 4の他端において検出する。
ここで、 エバネッセン ト光の強度は、 物質表面からの距離に応じ て減衰するため、 先鋭部 1 4の先端で散乱されるエバネッセン ト光 の強度は、 物質表面と先鋭部 1 4の先端との距離に応じて変化する。 したがって、 上記走査に応じたエバネッセント光の検出出力の強度 分布を求めることにより、 物質表面の形状を測定することができる。 上述の光フアイバ 1 0では、 遮光性の被覆層 1 5が光を遮る遮光 部として機能するため、 開口部 1 6以外に照射される光がコア 1 2 に入射することを防止できる。 このため、 先鋭部 1 4の先端の開口 部 1 6から開口部 1 6の大きさに近い波長の検出光を選択的に取り 込むことができる。 これにより、 散乱光の影響を減少させて検出効 率を高くすることができ、 強度が極めて弱いエバネッセン ト光を確 実に検出することができる。
また、 この光ファイノく' 1 0は、 クラッ ド 1 3の外周からコア 1 2 の中心にかけて円錐状に先鋭化した先鋭部 1 4を設けているため、 光ファイバ 1 0により試料表面上を走査する際に、 クラッ ド 1 3の
周端部が試料表面に衝突することがなく、 試料表面あるいは光ファ ィバ 1 0を損傷することを防止することができる。
また、 本発明の第 2実施例の光ファイバは、 図 6に示すように、 上述の第 1実施例の光ファイバ 1 0と同様に、 光ファイバ 1 1の一 端にクラッ ド 1 3の外周からコア 1 2の中心にかけて円錐状に先鋭 化した先鋭部 2 4を有している。 そして、 この光ファイバ 2 0は、 先鋭部 2 4の表面に遮光性の被覆層 2 5を有し、 遮光性の被覆層 2 5の表面の先端以外の部分に耐腐食性の被覆層 2 6を有し、 先鋭部 2 4の先端が遮光性の被覆層 2 5及び耐腐食性の被覆層 2 6から露 出した開口部 2 7を有する。
先鋭部 2 4の先端の曲率半径は、 図 7に先鋭部 2 4の先端の拡大 図を示すように、 5 n m以下である。 遮光性の被覆層 2 5は、 例え ばアルミニゥム等からなり、 8 0 0 n m程度の厚さで形成されてい る。 耐腐食性の被覆層 2 6は、 例えば金などからなり、 8 0 n m程 度の厚さで形成されている。 また、 上記開口部 2 7の直径は、 例え ば 4 0 n mとなっている。
このような構成の光ファイバ 2 0は、 上述の第 1実施例の光ファ ィバ 1 0と同様に、 フォ トン走査卜ンネル顕微鏡においてエバネッ セント光を検出する光プローブとして使用される。 上記遮光性の被 覆層 2 5を構成するアルミニゥムは、 遮光性が高く、 さらに導電性 が高いため、 外乱によるノィズに影響されずに測定を行うことがで きる。 また、 アルミニウムは、 安価に入手できるため、 遮光性の被 覆層 2 5として適当であるが、 使用遮光性の被覆層 2 5として使用 することができる材質は、 アルミニウムだけでなく、 遮光性が高く、 導電性が高い材質であれば、 金、 銀、 白金等でもよい。
また、 本発明の第 3実施例の光ファイバは、 図 8に示すように、 光ファイバ 1 1の先端に円錐状の先鋭部 3 3を有し、 光ファイバ 1 1の基端にクラッ ド 1 3が先細り状とされた先細り部 3 4を有し、 上記先鋭部 3 3 と先細り部 3 4との間にクラッ ド 1 3径が d 1
( d 。 < d , く d。 ) とされた径小部 3 5を有する。
この光ファイノく 3 0は、 上記図 8に示すように長さ L。 の径小部
3 5のクラッ ド 1 3の径が細くなっているため、 わずかな力によつ ても光ファイバ 3 0の径方向にたわむようになつている。
このため、 このような光ファイバ 3 0を、 例えば物質を構成する 原子間に働く力を検出する原子間力顕微鏡において原子間力を測定 するプローブとして使用し、 共振周波数で共振させた状態で、 物質 表面に近接させ、 原子間力による振幅の変化を測定すれば、 検出感 度の高い原子間力の検出を行うことができる。
また、 このような光ファイバ 3 0は、 上述のフォ トン走査トンネ ル顕微鏡の光プローブしても用いることができる。 この場合、 光フ アイバ 3 0の一端からの検出光を上述のフォ 卜ン走査トンネル顕微 鏡の検出部に供給することにより、 上述の原子間力の検出と、 エバ ネッセント光の検出を同時に行うことができる。
本発明の第 4実施例の光ファイバは、 図 9に示すように、 上述の 第 3実施例の光ファイバ 3 0と同様に、 光ファイバ 1 1の先端に円 錐状の先鋭部 4 3を有し、 光ファイバ 1 1の基端にクラッ ド 1 3力 先細り状とされた先細り部 4 4を有し、 上記先鋭部 4 3と先細り部
4 4との間にクラッ ド 1 3径が d t ( d c < d , く d。 ) とされた 径小部 4 5を有する。 また、 この光ファイバ 4 0は、 上記先鋭部 4 3の表面に遮光性の被覆層 4 6を有し、 該遮光性の被覆層 4 7の先
端に、 コア 1 2の先端が露出した開口部 4 7を有する。
このような光ファイバ 4 0は、 上述の図 8に示す光フアイバ 3 0 と同様に原子間力顕微鏡において原子間力を測定するプローブとし て使用することができ、 光ファイバ 4 0の一端からの検出光を上述 のフォ トン走査トンネル顕微鏡の検出部に供給することにより、 原 子間力の測定と同時にエバネッセント光の測定を行う光プローブと して使用することができる。 この場合、 遮光性の被覆層 4 7力く、 開 口部 4 7以外からコア 1 2に入射する光を遮断する遮光部として機
^ Π匕
匕するため、 エバネッセン ト光の検出感度を向上させることができ る
また、 本発明の第 5実施例の光ファイバは、 例えば図 1 0に示す ように、 上記第 1及び第 2実施例の光ファイバと同様に、 光フアイ パ' 1 1の一端にクラッ ド 1 3を先細り状に先鋭化した先鋭部 5 1を 有し、 この先鋭部 5 1の先端から突出したコア 1 2を先鋭化した突 出部 5 2を有し、 突出部 5 2の表面に遮光性の被覆層 5 3を有し、 突出部 5 2の先端が遮光性の被覆層 5 3から露出した開口部 5 4を 有する。
上記第 1及び第 2実施例の光ファイバでは、 上記図 4及び図 6に 示すように、 コア 1 2の先鋭角 0 1 力、'、 クラッ ド 1 3の先鋭角 Θ 2 とほぼ等しくなつている力く、 この光ファイバ 5 0では、 コア 1 2の 先鋭角 θ , が、 クラッ ド 1 3の先鋭角 0 2 より小さくなつている。
このような形状の光フアイバ 5 0は、 上記フォ トン走査トンネル 顕微鏡の光プローブとして用いることができる。 この光フアイノ ' 5 0では、 遮光性の被覆層 5 3を設けているため、 開口部 5 4からの み検出光を入射させることができ、 検出効率を向上させることがで
る。
また、 本発明の第 6実施例の光ファイバは、 例えば図 1 1に示す ように、 上記第 1及び第 2実施例の光ファイバと同様に、 光フアイ バ 1 1の一端にクラッ ド 1 3を先細り状に先鋭化した先鋭部 5 1を 有し、 この先鋭部 1 5の先端から突出したコア 1 2を先鋭化した突 出部 5 2を有し、 突出部 5 2の表面に遮光性の被覆層 5 3を有し、 突出部 5 2の先端が遮光性の被覆層 5 3から露出した開口部 5 4を 有する。
上記第 5実施例の光フアイバ 5 0では、 上記図 1 0に示すように、 コア 1 2の先鋭角 θ , が、 クラッ ド 1 3の先鋭角 Θ z より小さ くな つているが、 この光フアイバ 5 5では、 コア 1 2の先鋭角 Θ! 力、'、 クラッ ド 1 3の先鋭角 Q 2 より大きくなつている。
このような形状の光ファイバ 5 5は、 上記第 5実施例の光フアイ バ 5 0と同様に、 フォ トン走査トンネル顕微鏡の光プローブとして 用いることができる。 この光ファイバ 5 5では、 遮光性の被覆層 5 3を設けているため、 開口部 5 4からのみ検出光を入射させること ができ、 検出効率を向上させることができる。
ところで、 光ファイバ中を伝搬する光は、 コア 1 2径が光の波長 程度以下となると、 コア 1 2中に閉じこめておく ことができなくな る。 このため、 このような光ファイバの表面に導電性の被覆層が形 成されていると、 コア 1 2から洩れ出た光が導電性の被覆層によつ て吸収されてしまい、 伝搬効率が低下する。
しかしながら、 この光ファイバ 5 5では、 コア 1 2の先鋭角 0 ! が、 クラッ ド 1 3の先鋭角 θ 2 より大きくなつているために、 突出 部 5 2のコア 1 2の径が検出光の波長程度以下になる位置から、 突
出部の先端までの距離が短くなつている。 このため、 この光フアイ ノく 5 5では、 突出部 5 2での光の吸収を低減させることができ、 光 の伝搬効率を向上させて、 光検出効率を向上させることができる。 また、 本発明の第 7実施例の光フアイバは、 例えば図 1 2に示す ように、 光フアイバ 1 1の一端にクラッ ド 1 3を径小とした径小部 6 4を有し、 この径小部 6 4の先端にコア 1 2を先鋭化した突出部 6 5を有する。 そして、 この光ファイバ 6 0は、 上記突出部 6 5の 表面に金等からなる遮光性の被覆層 6 6を有し、 該遮光性の被覆層 6 6の先端以外の表面に合成樹脂等からなる耐腐食性の被覆層 6 7 を形成した後、 上記遮光性の被覆層 6 6をエッチングすることによ り形成され、 上記突出部 6 5の先端が遮光性の被覆層 6 6から露出 した開口部 6 8を有する。
このような構成の光フアイバ 6 0は、 フォ トン走査型トンネル顕 微鏡においてエバネッセン ト光を検出する光プローブとして使用さ れ、 突出部 6 5を物質表面に近接させて突出部 6 5でエバネッセン ト光を散乱させ、 この散乱した光をコア 1 2に導いて検出するよう になっている。 この光ファイバ 6 0では、 遮光性の被覆層 6 6が光 を遮る遮光部として機能し、 突出部 6 5の先端の開口部 6 8が検出 光を散乱させて突出部 6 5に導く検出部として機能し、 開口部 6 8 から検出光を選択的に取り込むことができる。 そして、 突出部 6 5 に取り込まれた検出光は、 突出部 6 5からコア 1 2に導かれる。 このため、 この光ファイバ 6 0では、 開口部 6 8以外から散乱光 がコア 1 2に入射されることがなく、 散乱光の影響をなく して検出 効率を高くすることができ、 パワーが極めて小さいエバネッセン 卜 光を確実に検出することができる。
また、 この光ファ 6 0では、 上述のように光ファイバ 1 1の 一端に径小部 6 4を形成し、 径小部 6 4の先端に突出部 6 5を形成 したため、 該径小部 6 4が突出部 6 5を延長する延長部材.として機 能する。 このため、 フオ トン走査トンネル顕微鏡において試料表面 を走査させたときに、 クラッ ド 1 3の周端部が試料表面に衝突する ことがなく、 試料表面又は光ファイバ 6 0の先端を損傷することを 防止することができる。
また、 この光ファ 6 0は、 径小部 6 4の径 d 2 を径小部 6 4 の長さに対して小さく設定したため、 わずかな外力によっても光フ ァ 1 1の径方向にたわむようになる。
このため、 このように構成した光フアイバ 6 0を、 例えば物質を 構成する原子間に働く力を検出する原子間力顕微鏡において原子間 力を測定するプローブとして使用すれば、 検出感度の高い原子間力 の検出を行うことができる。 この場合、 光ファイバ 6 0の一端を上 述のフォ トン走査トンネル顕微鏡の検出部に供給することにより、 ,原子間力の測定と同時にエバネッセン 卜の測定を行うことができる。
また、 コア 1 2中にエルビウム E r3 + あるいはネオジゥム N d 3 + 等を添加することができる。 このような組成とすることにより、 ェ ルビゥム E r3 + あるいはネオジゥム N d 3 + 等によってコア 1 2中を 伝搬する光を増幅させることができ、 コア 1 2自体に光増幅機能を 持たせることができる。
このように、 コア 1 2に光増幅機能を持たせた光ファイバを用い て構成した光フアイバを上述のフォ トン走査トンネル顕微鏡等に使 用した場合には、 開口部 6 8から入射した検出光をコア 1 2内で増 幅することができ、 光検出感度を飛躍的に向上させることができ、
感度の高い光検出を行うことができる。
また、 このような光ファイバ 6 0を石英 S i 0 2 からなるコア 1 2と、 フッ素 Fを添加した石英 S i 0 2 からなるクラッ ド 1 3を有 するシングルモードフアイバを用いて形成してもよい。
また、 本発明の第 8実施例の光フアイバは、 例えば図 1 3に示す ように、 コア 1 2とクラッ ド 1 3からなる光ファイバ 1 1の一端に クラッ ド 1 3が先細り形状に形成されたテーパー部 7 1を有し、 テ —パー部 7 1の先端にクラッ ドが平坦とされた平坦部 7 4を有し、 円錐形状に先鋭化されたコア 1 2が平坦部 Ί 4から突出した突出部 7 5を有する。 また、 この光ファイバ 7 0は、 突出部 7 5の表面に 遮光性の被覆層 7 6及び耐腐食性の被覆層 7 7を有し、 突出部 7 5 の先端が遮光性の被覆層 7 6及び耐腐食性の被覆層 Ί 7から露出し た開口部 7 8を有している。
このような形状の光フアイバ 7 0は、 突出部 7 5の基端にクラッ ド 1 3が先細り状とされたテーパー部 7 1が形成されているために、 突出部 7 5の基端の強度を高くすることができ、 上述のフォ トン走 查卜ンネル顕微鏡に使用した場合に、 試料表面に衝突したときなど に破壊されにく く、 耐久性を向上させることができる。
また、 本発明の第 9実施例の光ファイバは、 例えば図 1 4に示す ように、 第 7実施例の光ファイバ 6 0と同様に、 光ファイバ' 1 1の 一端にクラッ ド 1 3を径小とした径小部 8 4を有し、 この径小部 8 4の先端にコア 1 2を先鋭化した突出部 8 5を有する。 そして、 こ の光ファイバ 8 0は、 上記突出部 8 5の表面に金等からなる遮光性 の被覆層 8 6を有し、 突出部 8 5の先端が遮光性の被覆層 8 6から 露出した開口部 8 7を有する。
この開口部 8 7は、 遮光性の被覆層 8 6の表面に感光体層を形成 した後、 エバネッセン ト光により該感光体層の先端のみを選択的に 露光し、 露光した感光体層を除去して感光体層の先端に露出部を形 成した後、 露出部より露出した遮光性の被覆層 8 6をエッチングす ることにより形成されている。 このため、 この開口部 8 7は、 例え ば図 1 5に示すように、 5 0 n m程度の極めて小さい径を有する開 口となっている。
このような、 光ファイバ 8 0は、 上述の第 7実施例の光ファイノく 6 0と同様に、 フォ トン走査型トンネル顕微鏡においてエバネッセ ン ト光を検出する光プローブとして使用され、 突出部 8 5の先端の 開口部 8 7が検出光を散乱させて突出部 8 5に導く検出部として機 能し、 開口部 8 7から検出光を選択的に取り込むことができるため、 散乱光の影響をなく して検出効率を高くすることができ、 パワーが 極めて小さいエバネッセン ト光を確実に検出することができる。
また、 上述の第 7実施例の光ファイバ 6 0と同様に試料表面又は 光ファイバ 6 0の先端を損傷することを防止することができる。
また、 本発明の第 1 0実施例の光フアイバは、 例えば図 1 6に示 すように、 上述の第 7及び第 9実施例の光ファイバ 6 0、 7 0と同 様に、 クラッ ド 1 3径を径小とした径小部 9 4と、 コア 1 2を先鋭 化した突出部 9 5と、 突出部 9 5の表面に形成された遮光性の被覆 層 9 6とを有する。
また、 この光ファイバ 9 0は、 遮光性の被覆層 9 6の先端部が除 去された開口部 9 1 と、 開口部 9 1の遮光性の被覆層 9 6の先端に 対して突出部 9 5の先端が陥没したピッ 卜 9 3を有する。 このピッ トの径 9 3は、 5 0 n m程度となっており、 このピッ ト 9 3の中に
色素あるいは試薬等の周囲の環境に応じて光学特性が変化する物質 9 2を有する。
このような形状の光ファイバ 9 0は、 ピッ ト 9 3に上記物質 9 2 として色素あるいは蛍光体等を付着させておき、 ピッ ト 9 3の反対 側のコア 1 2にレーザ光等の光を入射すると、 コア 1 2を伝搬した 光が突出部 9 5により集光されてピッ ト 9 3中の色素あるいは蛍光 体等を発光させる。 そして、 この発光によりピッ ト 9 3外の被測定 物等を照射することにより、 微小な光源として機能する。
また、 このような形状の光ファイバ 9 0は、 ピッ ト 9 3に色素あ るいは試薬等の周囲の環境に応じて光学特性が変化する物質 9 2を 付着させることにより、 例えば発光、 p H、 特定の物質等のピッ ト 9 3の周囲の環境に応じて物質 9 2の光学特性が変化する。 この物 質 9 2の光学特性の変化をコア 1 2を介して伝搬される光によって ピッ ト 9 3の反対側で検出することにより、 ピッ ト 9 3の周囲の環 境を検出する光ファイバセンサとして機能する。
具体的には、 被測定物の p Hに応じて発光スぺク トルが変化する フルォレセイナミ ン (fluoresceinamine) 等の色素を使用すると、 この光ファイバは p Hを検出する p Hセンサとして機能する。 すな わち、 このような光ファイバ 9 0は、 上述のように開口部 9 1の径 が 5 0 n m程度であるため、 空間解像度を向上させた p Hセンサと して使用することができる。
また、 このような光ファイバ 9 0では、 周囲の環境を検出するた めの物質 9 2がピッ ト 9 3の内部に形成されているため、 光フアイ バの先端が被測定物に衝突したときでも、 上記物 9 2が遮光性の被 覆層 9 6の先端によつて保護されているため剥離しにくい。 このた
め、 このような光ファイバ 9 0は、 色素等の検出部の剥離強度を向 上させて耐久性を向上させることができる。
また、 本発明の第 1 1実施例の光ファイバは、 例えば図.1 7に示 すように、 コア 1 2と、 クラッ ド 1 3を共に先細り状に先鋭化した 先鋭部 1 0 4を有し、 先鋭部 1 0 4の先端のクラッ ド 1 3から突出 したコア 1 2が円錐状に先鋭化された突出部 1 0 5を有する。 この 突出部 1 0 5の基端の径は、 1 0 0 n m程度となっている。 上記コ ァ 1 2は、 酸化ゲルマニウム G e 0 2 を高濃度に添加した石英 S i 0 2 からなり、 クラッ ド 1 3は、 石英 S i 0 2 からなる。
ここで、 コア 1 2の先端が先鋭化している光フアイバ 1 1中を伝 搬する光は、 コア 1 2径が徐々に減少すると、 光が伝搬する領域の 径が減少してパワー密度が増加する。 したがって、 コア 1 2径を徐 々に減少させることにより、 コア 1 2中を伝搬する光を集光させる ことができる。
しかしながら、 コア 1 2径が光の波長程度以下になると、 コア 1 2とクラッ ド 1 3の境界を越えてクラッ ドモー ドで伝搬するため、 伝搬光の強度が減少する。 このため、 コア 1 2径が波長程度以下と なる位置からコア 1 2の先端までの距離を短く して光の減衰を低減 させることが望ましい。
•上記図 1 7に示す光ファイバ 1 0 0では、 突出部 1 0 5の基端の 径が 1 0 0 n m程度と、 検出光の波長程度以下となっているため、 コア 1 2中を伝搬する光がクラッ ド 1 3中に伝搬せず、 光の減衰を 低減することができる。
また、 本発明の第 1 2実施例の光ファイバは、 例えば図 1 8に示 すように、 コア 1 2と、 クラッ ド 1 3が共に先細り状に先鋭化した
先鋭部 1 1 4を有し、 先鋭部 1 1 4のクラッ ド 1 3の先端から円錐 状に先鋭化したコア 1 2が突出した突出部 1 1 5を有し、 該突出部 1 1 5の表面に遮光性の被覆層 1 1 6を有し、 該被覆層 1. 1 6の先 端から突出部 1 1 5の先端が露出した開口部 1 1 7を有する。 該開 口部 1 1 7の直径は、 3 0 n m程度と検出光の波長より小さくなつ ている。
このような構成の光フアイバ 1 1 0は、 上述のフォ トン走査トン ネル顕微鏡においてエバネッセント光を検出する光フアイバとして 使用される。
具体的には、 図 1 9に示すように、 プリズム 1 2 0上の試料 1 2 1の裏面からレーザ光を、 該プリズム 1 2 0の全反射角で入射させ る。 このとき、 レーザ光はプリズム 1 2 0表面で反射されるが、 プ リズム 1 2 0表面には、 物質表面の光の波長程度以下の領域を伝搬 するエバネッセン ト光が発生する。 このエバネッセン 卜光は、 試料
1 2 1を介して伝搬し、 試料 1 2 1表面の光の波長程度以下の領域 にエバネッセン ト光の場が発生する。
このような試料 1 2 1表面から光の波長程度以下の距離の位置に、 上記光ファイバ 1 1 0の先端の開口部 1 1 7を近接させると、 開口 部 1 1 7の先端でエバネッセント光が散乱されてコア 1 2中に入射 する。 そして、 コア 1 2中に入射した光はコア 1 2中を伝搬し、 開 口部 1 1 7の他端に設けられている受光部 1 2 2に入射する。
この光ファイバ 1 1 0では、 遮光性の被覆層 1 1 6を設けている ために開口部 1 1 7以外からは、 光ファイバ 1 1中にエバネッセン ト光が入射しない。 このため、 検出感度及び空間解像度を向上させ ることができる。
上述のようなエバネッセン 卜光の検出は、 フオ トン走査トンネル 顕微鏡のコレクショ ンモー ドの動作と呼ばれる。 これに対し、 フォ 卜ン走査卜ンネル顕微鏡のィルミネ一ショ ンモ一 ドの動作では、 図 2 0に示すように、 開口部 1 1 7の他端からコア 1 2中にレーザ光 を入射させる。 そして、 上述の図 1 7に示す光フアイバ 1 0 0と同 様に、 先鋭部 1 1 4でコア 1 2中の光が集光される。 先鋭部 1 1 4 で集光された光は、 開口部 1 1 7の径が光の波長程度以下となって いるため、 開口部 1 1 7からエバネッセン ト光として試料 1 2 1表 面に照射される。 そして、 エバネッセント光により試料 1 2 1を照 射し、 透過光をレンズ 1 2 3により集光して受光部 1 2 4で受光す る。
この光ファ 1 1 0は、 上述の図 1 7に示す光ファ 1 0 0 と同様に、 先鋭部 1 1 4でコア 1 2の伝搬光を集光させるため、 開 口部 1 1 7から試料 1 2 1表面に照射される光の強度を増加させる ことができる。
また、 開口部 1 1 7以外からコア 1 2外に出射する光は遮光性の 被覆層 1 1 6により遮断されるため、 開口部 1 1 1からのみ試料 1 2 1表面に検出光を照射させることができる。 このため、 このよう な光ファイバ 1 1 0をフォ トン走査トンネル顕微鏡の光プローブと して用いることにより、 測定の検出感度及び空間解像度を向上させ ることができる。
また、 本発明の第 1 3実施例の光ファイバは、 例えば図 2 1に示 すように、 光ファイバ 1 1の一端に、 クラッ ド 1 3径を肉薄とした 径小部 1 2 6を有し、 該径小部 1 2 3の先端から露出したコア 1 2 を先鋭化した突出部 1 2 5を有し、 該突出部 1 2 4の表面に遮光性
の被覆層 1 2 6を有し、 突出部 1 2 5の先端が遮光性の被覆層 1 2 6から露出した開口部 1 2 7を有する。
上記突出部 1 2 5のコア 1 2の先鋭角 Θは、 突出部 1 2 5の先端 ほど小さくなつている。 突出部 1 2 5の長さ Lと突出部 1 2 5の先 端の先鋭角 0は、 例えば図 7 4に示すように、 それぞれ 2 . 1 m と 2 8度程度となっている。 あるいは、 この長さ Lと先鋭角 0は、 例えば図 7 5に示すように、 それぞれ 1 . 5 2 z mと 3 6 . 5度程 度となっている。
このような形状の光ファイバ 1 2 0では、 突出部 1 2 5の長さが 小さ くなっているために、 開口部 1 2 7から入射した光が突出部 1 2 5と遮光性の被覆層 1 2 6の境界で反射する際の遮光性の被覆層 1 2 6による吸収を低減させて、 損失を低下させることができる。 このため、 このような光ファイバ 1 2 0を上述のフォ トン走查卜ン ネル顕微鏡の光プローブとして用いた場合に、 検出効率を向上させ ることができる。
また、 本発明の第 1 4実施例の光ファイバは、 例えば図 2 2に示 すように、 クラッ ド 1 3 3の一端から突出したコア 1 3 2が円錐状 に先鋭化した突出部 1 3 4を有し、 該突出部 1 3 4の表面に遮光性 の被覆層 1 3 5を有し、 突出部 1 3 4の先端が遮光性の被覆層 1 3 5から露出した開口部 1 3 6を有する。
この光ファ イノく 1 3 0は、 例えば図 2 3に示すように、 マルチモ 一ドファイバから構成されており、 コア 1 3 2のクラッ ド 1 3 3に 対する比屈折率差 Δ nが 1 %で、 屈折率が徐々に変化するグレーデ ッ ドインデックス型の屈折率分布を有する。 また、 上記突出部 1 3 4の先鋭角は、 5 0 ° 程度で、 その先端の曲率半径は、 例えば図 2
4に示すように、 5 n m程度となっている。
ここで、 例えば上記図 1 2に示す光フアイバ 6 0において、 例え ば図 2 5に示すように、 開口部 6 8から突出部 6 5に入射した検出 光は、 1つの伝搬モー ドでコア 1 2中を伝搬する。 このとき、 突出 部 6 5に入射した光は必ずしも効率よく 1つの伝搬モー ドに結合で きるわけではなく、 損失を生じる。
これに対し、 上記図 2 2に示す光フアイバ 1 3 0では、 マルチモ 一ドファイバを用いており、 複数の伝搬モー ドの光を伝搬すること ができるため、 例えば図 2 6に示すように、 開口部 1 3 6からコア
1 3 2とクラッ ド 1 3 3との境界での反射の臨界角以内で突出部 1
3 4に入射した光であれば、 伝搬することができる。 これにより、 結合効率を向上させて検出光のピックアツプ効率を向上させること ができる。
また、 上述の図 1 2に示す第 1 1実施例と同様に、 突出部 1 3 5 の基端のクラッ ド 1 3 3を径小とした径小部を設けてもよい。 この 場合、 上述のフォ 卜ン走査トンネル顕微鏡に用いた場合に、 クラッ ド 1 3 3が試料表面に衝突することを防止することができる。
また、 本発明の第 1 5実施例の光ファイバは、 例えば図 2 7に示 すように、 コア 1 2中の添加物質 (ドーハ。ント) を徐々にクラッ ド
1 3中に拡散させ、 等価的にコア 1 2径を徐々に増加させたコア径 増加部 1 4 4を有する。 そして、 この光ファイバ 1 4 0は、 コア径 増加部 1 4 4の先端に、 クラッ ド 1 3から突出したコア 1 2を円錐 状に先鋭化した突出部 1 4 5を有し、 該突出部 1 4 5の表面に遮光 性の被覆層 1 4 6を有し、 突出部 1 4 5の先端が遮光性の被覆層 1
4 6から露出した開口部 1 4 7を有する。
このような構造の光ファイバ 1 4 0では、 コア径増加部 1 4 4及 び突出部 1 4 5がマルチモードフアイバと同様の屈折率分布を有す る。 このため、 上述の図 2 2に示す光ファイノく 1 3 0と同様に臨界 角を大きくすることができ、 検出光のピックアツプ効率を向上させ ることができる。
また、 本発明の第 1 6実施例の光ファイバは、 例えば図 2 8に示 すように、 上述の図 1 4に示す第 9実施例の光フアイバ 8 0と同様 に、 径小部 1 5 4と、 突出部 1 5 5と、 合成樹脂等からなる疎水性 の被覆層 1 5 6を有する。 また、 この光ファイバ 1 5 0は、 突出部 1 5 5の先端が疎水性の被覆層 1 5 6から露出した開口部の表面に、 色素を添加した石英等の被覆層 1 5 7を有する。 この被覆層 1 5 7 は、 図 2 9に示すように、 突出部 1 5 5の表面に 4 0 n m程度の厚 さで形成されている。
このような構成の光フアイバ 1 5 0は、 被覆層 1 5 7中の色素が 被覆層 1 5 7に入射した光に応じて発光し、 この光が突出部 1 5 5 を介してコア 1 2に入射するため、 光を検出する検出部として機能 する。 このような光ファイバ 1 5 0では、 突出部 1 5 5の先端の表 面に色素を添加した石英等を付着させて被覆層 1 5 7を形成してい るため、 単に突出部 1 5 5の先端の表面に色素を付着させた場合に 比して色素の剥離強度が高くなつている。 このため、 耐久性の高い 光ファイノく' 1 5 0となる。
また、 このような光ファイバ 1 5 0は、 上述の色素の代わりに、 p H等の周囲の環境に応じて光学特性が変化する物質を上記被覆層 1 5 7を構成する石英等に添加することにより、 被覆層 1 5 7の周 囲の環境を検出する光ファイバセンサとして機能する。
また、 本発明の第 1 7実施例の光ファイバは、 例えば図 3 0に示 すように、 上述の図 2 8に示す第 1 6実施例の光ファイバ 1 5 0と 同様に、 径小部 1 6 4 と、 突出部 1 6 5とを有する。 また、 この光 ファイバ 1 6 0は、 突出部 1 6 5の表面に遮光性の被覆層 1 6 6を 有し、 該遮光性の被覆層 1 6 6の表面に合成樹脂等からなる疎水性 の被覆層 1 6 7を有し、 突出部 1 6 5の先端が遮光性の被覆層 1 6 6、 疎水性の被覆層 1 6 7から露出した開口部の表面に、 色素等を 添加した石英等の被覆層 1 5 8を有する。 この被覆層 1 5 8は、 上 述の図 2 9に示す光フアイバ 1 5 0と同様に、 突出部 1 6 5の表面 に 4 0 n m程度の厚さで形成されている。
このような構成の光フアイバ 1 6 0は、 光ファイバ 1 5 0と同様 に光を検出する検出部として機能する。 また、 このような光フアイ バ 1 6 0では、 遮光性の被覆層 1 6 6を形成しているため、 光ファ ィバ 1 6 0の被覆層 1 6 8以外に照射される光を遮断する遮光部と して機能するため、 外乱光の影響を低減させて検出効率を向上させ ることができる。
また、 本発明の第 1 8実施例の光ファイバは、 例えば図 3 1に示 すように、 屈折率の異なる 2種類のコア 1 7 2、 1 7 3とクラッ ド 1 7 4を有するダブルコアの光フアイバ 1 7 1からなる。 そして、 この実施例の光ファイバ 1 7 0は、 このような光ファイノく 1 7 1の 一端にコア 1 7 3がクラッ ド 1 7 4から露出した露出部 1 7 5を有 し、 該露出部 1 7 5の先端にコア 1 7 3が先端先細り状とされた先 細り部 1 7 6を有し、 該先細り部 1 7 6の先端から突出したコア 1 7 2が円錐状に先鋭化された突出部 1 7 7を有する。
上記光フアイバ 1 7 1は、 クラッ ド 1 7 4が純石英からなり、 コ
ァ 1 7 2、 1 7 3が酸化ゲルマニウムを添加した石英からなる。 そ して、 コア 1 7 2、 1 7 3の酸化ゲルマニウムの添加率は、 それぞ れ 0 . 9モル%、 0 . 2モル%となっており、 内側のコア 1 7 2の 方が酸化ゲルマニウムの添加率が高くなつている。 そして、 先細り 部 1 7 6、 突出部 1 Ί 7の先鋭角は、 それぞれ 1 3 0 ° 、 6 2 ° と なっている。
このような構成の光フ 1 7 0は、 上述の第 1及び第 2実施 例の光フアイバ 1 0、 2 0と同様に、 フォ トン走査トンネル顕微鏡 においてエバネッセン 卜光を検出する光プローブとして機能し、 ク ラッ ド 1 7 4の周端部が試料表面に衝突することがなく、 試料表面 あるいは光ファイバ 1 7 0を損傷することを防止することができる。 また、 このような構成の光ファ 1 7 0は、 コア 1 7 2、 1 7 3及びクラッ ド 1 7 4の組成に応じて、 エッチング液の組成比を変 更することにより、 1回のエッチングにより形成することができる ため、 容易に製造することができる。
また、 本発明の第 1 9実施例の光ファイバは、 例えば図 3 2に示 すように、 第 1 8実施例の光フアイバ 1 7 0と同様に、 ダブルコア の光ファ 1 7 1の一端にコア 1 7 3がクラッ ド 1 7 4から露出 した露出部 1 8 5を有し、 該露出部 1 8 5の先端にコア 1 7 3が先 '端先細り状とされた先細り部 1 8 6を有し、 該先細り部 1 8 6の先 端から突出したコア 1 7 2が円錐状に先鋭化された突出部 1 8 7を 有する。 また、 この光ファイバ 1 7 0は、 上記突出部 1 8 7の表面 に遮光性の被覆層 1 8 8を有し、 突出部 1 8 7の先端が遮光性の被 覆層 1 8 8から露出した開口部 1 8 9を有する。
このような構成の光ファイバ 1 8 0は、 上述の第 1 9実施例と同
様に、 フォ トン走査トンネル顕微鏡においてエバネッセン ト光を検 出する光プローブとして機能し、 クラッ ド 1 7 4の周端部が試料表 面に衝突することがなく、 試料表面あるいは光フアイバ 1 7 0を損 傷することを防止することができる。
また、 この光ファイノく 1 8 0は、 突出部 1 8 7の表面の遮光性の 被覆層 1 8 8が検出光を遮断する遮光部として機能するため、 開口 部 1 8 9からのみ検出光を入射させることができ、 検出効率を向上 させることができる。
また、 本発明の第 2 0実施例の光フアイバは、 例えば図 3 3に示 すように、 光ファイバ 1 1の一端にクラッ ド 1 3から突出したコア 1 2を先鋭化した突出部 1 9 4を有し、 該突出部 1 9 4の先端に先 鋭角を大きく した検出端部 1 9 5を有し、 突出部 1 9 4の表面に遮 光性の被覆層 1 9 6を有し、 検出端部 1 9 5の先端が遮光性の被覆 層 1 9 6から露出した開口部 1 9 7を有している。 あるいは、 図 3 4に示すように、 上記遮光性の被覆層 1 9 6を突出部 1 9 4の表面 の第 1の被覆層 1 9 8 と、 検出端部 1 9 5の表面の第 2の被覆層 1 9 9から構成し、 検出端部 1 9 5の先端が第 2の被覆層 1 9 9から 露出した開口部 1 9 7を有する構成としてもよい。 上記突出部 1 9 4の先鋭角は 2 0 ° 程度であり、 検出端部 1 9 5の基端の直径は 4 Ό 0〜 6 0 0 n m程度であり、 検出端部 1 9 5の先鋭角は 5 0 ° 〜 9 0 ° 程度である。
ここで、 例えば上述の図 1 4に示すような形状の光フアイバ 8 0 において開口部 8 7の直径を変化させて、 開口部 8 7から入出力す る検出光の伝達係数を求めると、 例えば図 3 5に示すような関係に なる。 突出部 8 5の先鋭角が 2 0 ° 、 5 0 ° の光ファイバ 8 0につ
いてこのような関係を求めると、 開口部 8 7の直径がコア 1 2中の 検出光の波長 (スノ n、 n : コア 1 2の比屈折率) 程度以上の領域 では、 突出部 8 5の先鋭角が 2 0 ° 、 5 0 ° の場合で伝達係数がほ ぼ等しいことがわかる。
しかしながら、 同図より、 開口部 8 7の直径がコア 1 2中の検出 光の波長程度以下となると、 突出部 8 5の先鋭角が 2 0 ° の場合の 伝達係数が、 先鋭角が 5 0 ° の場合の伝達係数より大幅に小さくな ることがわかる。 これは、 突出部 8 5の先鋭角が 2 0 ° の場合では、 先鋭角が 5 0 ° の場合に比して突出部 8 5の直径が検出光の波長程 度以下になる位置から突出部 8 5の先端までの距離が長くなり、 先 鋭部 7 5の直径が検出光の波長程度以下となる部分での光の損失が 大きくなるためである。
このため、 この第 2 0実施例の光ファイバでは、 上述のように検 出端部 1 9 5の基端部の直径 d A を、 検出光の波長である 4 0 0 n mより大きい 6 0 0 n m程度とし、 検出端部 1 9 5の先鋭角を 5 0 ° 〜 9 0 ° 程度とすることにより、 突出部 1 94の直径が検出光の 波長程度以下となる位置から検出端部 1 9 5の先端までの距離を短 く している。 ここで、開口部 1 9 7の直径 d Bがそれぞれ 2 0 0 n m、 2 5 0 n mの場合の伝達係数は、上記図 3 5中に符号 # 1、# 2で示 すように、それぞれ、 1. 0 x 1 0— 3、 9. 0 X 1 0 4程度となってい る。 このため、 この光ファイバ 1 9 0では、 検出光の減衰を低減さ せることができ、 光検出感度を向上させて SZNの高い測定を行う ことができる。
また、 この光ファイノく 1 9 0では、 上述のように突出部 1 9 4の 先鋭角を 2 0 ° 程度としているため、 クラッ ド 1 3の先端から検出
3 端部 1 9 5の先端までを隔離して、 クラッ ド 1 3の先端と、 被検出 物とが接触することを防止することができる。
また、 本発明の第 2 1実施例の光ファイバは、 例えば図.3 6に示 すように、 上述の図 1 4に示す第 9実施例の光フアイバ 8 0と同様 に、 径小部 2 0 4と、 突出部 2 0 5とを有する。 また、 この光ファ ィバ 1 5 0は、 突出部 2 0 5の表面にゲル層あるいは該ゲル層を加 熱して形成した非晶質層等からなる被覆層 2 0 6を有し、 突出部 2 0 5の先端が被覆層 2 0 6から露出した開口部 2 0 7を有する。 このような構成の光ファイバ 2 0 0の突出部 2 0 5中を伝搬する 光は、 コア 1 2 と被覆層 2 0 6の境界で反射されて開口部 2 0 7か ら放射される。 このため、 被覆層 2 0 6を設けない場合に比して、 突出部の境界での光の反射率を高くすることができ、 伝達効率を向 上させることができる。
また、 本発明の第 2 2実施例の光ファイバは、 例えば図 3 7に示 すように、 上述の図 3 6に示す第 2 1実施例の光ファイバ 2 0 0と 同様に、 径小部 2 1 4 と、 突出部 2 1 5とを有する。 また、 この光 ファイバ 2 1 0は、 突出部 2 1 5の表面に石英等の非晶質の被覆層 2 1 6を有し、 該非晶質の被覆層 2 1 6の表面に遮光性の被覆層 2 1 7を有し、 突出部 2 1 5の先端が上記非晶質の被覆層 2 1 6及び 遮光性の被覆層 2 1 7から露出した開口部 2 1 8を有する。
非晶質の層を設けない場合、 突出部 2 1 5外に洩れた光は、 金等 の導電性の材質からなる遮光性の被覆層 2 1 7との境界で反射し、 その一部が吸収される。 突出部 2 1 5内で、 このような反射を繰り 返すことにより光の強度が減衰する。 これに対し、 この光ファイノく 2 1 0では、 突出部 2 1 5の表面に非晶質の被覆層 2 1 6を設けて
いるため、 突出部 2 1 5の境界での光の反射率を高くすることがで きるため、 突出部 2 1 5中を伝搬する光が外に洩れにくい。 これに より、 この光ファイバ 2 1 0では、 被覆層 2 1 6を設けな.い場合に 比して、 突出部 2 1 5の境界での光の吸収を低減させることができ、 突出部 2 1 5中を伝搬する光の減衰を低減させて光の伝達効率を向 上させることができる。
なお、 上述の第 1〜第 2 2実施例の光ファイバは、 上記先鋭部あ るいは突出部がコア中を伝搬する光を集光するレンズとして機能し、 集光した光を開口部から出力させて光導波路に入射する際等に使用 され、 光結合効率の高い光学結合素子として機能する。
また、 このような光ファイバは、 上記先鋭部あるいは突出部によ り集光した光を有機薄膜等に照射することにより、 記録用光源とし て機能し、 有機薄膜等に情報等を高密度に記録することができる。 また、 本発明に係る光ファイバの製造方法では、 コアとクラッ ド からなる光フアイバの一端をエツチングしてコアの先端を先鋭化し た先鋭部を形成し、 先鋭部の表面に遮光性の被覆層を形成し、 遮光 性の被覆層をェッチングして先鋭部の先端が遮光性の被覆層から露 出した開口部を形成する。
本発明の第 2 3実施例に係る光ファイバの製造方法は、 クラッ ド 径が d。 でコア径が d e の光フアイバを出発材料として、 図 3 8に 示す処理手順で上述の図 4に示す形状の光ファイバを製造する。
この光ファイバの製造方法は、 光ファイバの一端をエッチングし て、 クラッ ドの外周からコアの中心にかけて円錐状に先鋭化した先 銳部を形成する先鋭化工程と、 先鋭部の表面に遮光性の素材をコ一 ティ ングして遮光性の被覆層を形成するコーティ ング工程と、 該コ
一ティ ング工程により形成された遮光性の被覆層をェツチングして、 先鋭部の先端が露出した開口部を形成する開口工程とからなる。
また、 上記先鋭化工程は、 光ファイバの一端にクラッ ド.を先細り 状としたテーパー部を形成する第 1ェッチング工程と、 コアがテー パ一部のクラッ ドの先端に対して窪んだ凹部を形成する第 2エッチ ング工程と、 コアの先端とテーパー部の先端を面一とした平坦部を 形成する第 3エッチング工程と、 クラッ ドの外周からコアの中心に かけて円錐状に先鋭化した先鋭部を形成する第 4ェッチング工程と からなる。
まず、 光ファイバを先鋭化する第 1から第 4エッチング工程につ いて説明する。
以下、 クラッ ド 1 3径 d。 力く 1 2 5 mでコア 1 2径 d e が 3 . 4 mでコア中の酸化ゲルマニウム G e 0 2 の添加率が 2 5モル% である添加率が比較的高い光ファイバを用いた場合について説明す る。
まず、 第 1エッチング工程において、 図 3 8 ( A ) に示す光ファ ィバ 1 1の一端 2 2 0をフッ酸とフッ酸より比重の軽い液体、 例え ばスピンドルオイル、 シリコンオイル等との界面で、 例えば室温の 場合では、 2 2分から 3 0分間程度エッチングする。
' このようにフッ酸とオイルの界面で、 光フアイバの一端 2 2 0を エッチングすると、 図 3 9 ( A ) に示すように、 フッ酸とオイルの 表面張力によって光ファイバ 1 1の周囲の界面 2 3 0が上昇し、 メ ニスカスが形成される。 そして、 このメニスカスの部分では、 フッ 酸に接触しているクラッ ド 1 3がェッチングされて円柱状の形状を 保ったままで径が減少する。 このメニスカスの高さ H mは、 同図
( B ) に示すように、 光ファ 1 1がエッチングされて、 クラ ド 1 3の径が減少すると高さが低くなる。 したがって、 クラッ ド 1 3がすべてェツチングされるまで、 メニスカスの高さ H mが減少し、 同図 ( C ) に示すように、 テ 部 2 2 1が形成される。
そして、 テ 部 2 2 1の先端のコア 1 2がクラッ ド 1 3から 露出すると、 フッ酸中のコア 1 2のエツヂング速度がクラッ ド 1 3 に対して速いため、 露出したコア 1 2力 すぐにエッチングされて、 上記図 3 8 ( B ) に示すように、 光ファイバ 1 1の一端に円錐状の テ 部 2 2 1が形成される。
このテ 部 2 2 1のクラッ ド 1 3の先鋭角 Θ 2 は、 比重が 0 . 8 3 3 g / c m 3 のスピン ドルオイルを使用した場合は 2 4度程度 で、 比重が 0 . 9 3 5 g Z c m 3 のシリ コンオイルを使用した場合 は 2 0度程度となっている。 この先鋭角 0 2 は、 フッ酸とオイルの 比重、 粘性等に応じて決定されるため、 再現性が高くなつている。 次に、 第 2エツチング工程において、 テ 部 2 2 1をフッ酸 により、 例えば 2分から 3分間程度エッチングして、 図 3 8 ( C ) に示すように、 コア 1 2がテ 部 2 2 1のクラッ ド 1 3の先端 に対して窪んだ凹部 2 2 2を形成する。 上述のようにこの光フアイ 1 1は、 コア 1 2の酸化ゲルマニウム G e〇 2 の添加率が高いた め、 フッ酸中でのコア 1 2のエッチング速度がクラッ ド 1 3に対し て非常に速いため、 テ 部 2 2 1の先端のコア 1 2カ^ 先に ツチングされ、 コア 1 2がテ 部 2 2 1のクラッ ド 1 3の先端 に対して窪んだ凹部 2 2 2が形成される。
なお、 この第 2エッチング工程のエッチングは、 上記第 1エッチ ングと連続して行ってもよい。 すなわち、 第 1エッチング工程が終
了した後、 光ファイバをフッ酸中にさらに突入して、 所定時間分の エッチングを行えばよい。
また、 この第 2エッチング工程のエッチングを行う時間を、 上述 の 2分から増加させると、 クラッ ド 1 3の径が減少する。 例えばク ラッ ド 1 3径が 1 2 5 mであつた光ファィバに、 このようなエツ チングを行った後のクラッ ド 1 3径は、 図 4 6中に四角形の記号で 示すように、 エッチング時間の増加と共に減少する。 例えばエッチ ング時間を 2分としたときに、 エッチング後のクラッ ド 1 3径が 7 O ^ mとなり、 エッチング時間を 3分としたときに、 エッチング後 のクラッ ド 1 3径が 5 0 mとなる。 したがって、 このエッチング 時間を制御することにより、 エツチング後のクラッ ド 1 3径を所望 の値とすることができる。
なお、 図 4 6中の三角形の記号は、 このエッチング時間を可変し た場合に、 最終的に得られた先鋭部 1 4の先端の曲率半径を示すも のであり、 このエッチングを 1 . 5 〜 2分程度行うことによって先 鋭部 1 4の先端の曲率半径を非常に小さくすることができることが わかる。
次に、 第 3エッチング工程において、 上記フッ化アンモニゥムの 比率 Xが 1 . 7程度の緩衝フッ酸液を用いてテーパー部 2 2 1を 5 '〜 1 0分程度エッチングして、 図 3 8 ( D ) に示すように、 コア 1 2の先端とテーパー部 2 2 1 の先端が面一となる平坦部 2 2 3を形 成する。 この第 3エッチング工程のエッチングでは、 上記凹部 2 2 2より先のクラッ ド 1 3をエツチングすることができればよく、 ェ ッチング液の組成は、 上記フッ化アンモニゥムの比率 Xが 1以下の 緩衝フッ酸液等のコア 1 2のエッチング速度が速いものでなければ、
特に限定されない。
次に、 第 4エッチング工程において R、 テーパー部 2 2 1を、 例 えばフッ化アンモニゥム N H 4 Fの体積比 Xが 1 0の緩衝フッ酸液 からなるエツチング液で、 例えば 6 0分から 9 0分間程度ェッチン グする。
ここで、 酸化ゲルマニウム G e 0 2 を添加した石英 S i O 2 から なるコア 1 2 と、 石英 S i 0 2 からなるクラッ ド 1 3は、 濃度 4 0 重量 ·½のフッ化アンモニゥム水溶液と濃度 5 .0重量。 のフッ酸と水 の体積比が X : 1 : Y ( Y =任意) の緩衝フッ酸液にその端面を接 触させておく と、
S i 0 :
S i 0 2 + 6 H F H S i F + 2 H 0
G e 0 :
G e 0 + 6 H F H G e F - 2 H 0
H G e F + 2 N H ( N H 4 ) 2 G e F
なる化学反応によりクラッ ド 1 3 とコア 1 2がエッチングされる。
また、 酸化ゲルマニウム G e 0 2 を添加した石英からなるコア 1 2と、 石英からなるクラッ ド 1 3 とは、 上記緩衝フッ酸液に対する 溶解速度 (エッチング速度) に差がある。 このコア 1 2 とクラッ ド 1 3の溶解速度の差は、 フッ化アンモニゥムの体積比 Xに強い相関 があり、 液の温度によって多少の変動はあるが Xが 1 . 7程度のと きにコア 1 2とクラッ ド 1 3 のエツチング速度がほぼ等しく、 Xが 1 . 7より小さいときにコア 1 2のエッチング速度が比較的速く、 Xが 1 . 7より大きいときにクラッ ド 1 3のエツチング速度が比較
的速くなる。 なお、 コア 1 2とクラッ ド 1 3のエツチング速度がほ ぼ等しくなるときの Xの値は、 温度等の条件により、 1. 5〜 1. 7程度で変動する。
このため、 Xが 1. 7より大きいエッチング液中で上述のように テーパー部 2 2 1及び平坦部 2 2 3を形成した光ファイバ' 1 1をェ ツチングすると、 図 4 0に示すように、 クラッ ド 1 2が上記先鋭角 Θ 2 を保ったままエツチングが進行する。 なお、 この図 4 0は、 ェ ツチングが終了するまでの時間を Tとし、 エッチング開始時 ( t = 0 ) 、 エッチング中 ( t = T 2 ) 、 エッチング終了時 ( t = T ) のときの光フアイバの形状を模式的に示したものである。
このとき、 コア 1 2のエッチング速度がクラッ ド 1 3より速いた め、 エツチングが進行すると、 クラッ ド 1 3が先にエッチングされ てコア 1 2が徐々に突出する。 このクラッ ド 1 3から突出したコア 1 2は側面からもエッチングされるため、 エッチングが進行するに したがってクラッ ド 1 3の先端が先鋭化され、 図 3 8 (E) に示す ようにクラッ ド 1 3の外周からコア 1 2の中心にかけて円錐状に先 鋭化した先鋭部 1 4が形成される。 このときの先鋭角 は、 コア 1 2とクラッ ド 1 3のエツチング速度に応じて決まり、
S ΐ η ( Θ l / 2 ) = R c o r e/R c l a d (但し、 Rc。r コアのェ チング速度、 R d a d : クラッ ドのエツチング速度) なる関係を有 している。
この第 4ェツチング工程に使用するエツチング液は、 フッ化アン モニゥム NH4 Fの体積比 Xが 1 0のエッチング液に限定されるも のではなく、 例えば X = 2 0等としてもよい。
このため、 上記第 3エッチング工程において、 上記フッ化アンモ
ニゥムとフッ酸と水の比率が X : 1 : 1 ( X 1 . 7 ) あるいは 1 0 : 1 : Y ( Yく 3 0 ) 等であるエッチング液を用い、 このエッチ ング液を用いて第 4エツチング工程のエツチングを連続的に行うこ とができ、 第 3エツチング工程と第 4エッチングの時間を短縮する ことができる。
具体的には、 第 3及び第 4エッチングにおいて、 例えばフッ化ァ ンモニゥム水溶液とフッ酸及び水の体積比を 1 0 : 1 : 1 としたェ ッチング液を使用した場合では、 第 3及び第 4エツチングを通じて 全体で 9 0分程度のエッチングを行えばよい。
また、 この光ファイバ 1 1は、 コア 1 2の中心付近の酸化ゲルマ ニゥム G e 0 2 の密度が多くなつているため、 この第 4エッチング 工程の X = 1 0のエッチング液中では、 コア 1 2の中心付近のエツ チング速度が、 コア 1 2の周辺付近のエッチング速度に対して若干 遅い。 このため、 先鋭部 1 4の先端の曲率半径を小さ くすることが できる。
また、 第 4エッチング工程で形成される先鋭部 1 4の先端角 S , は、 上述したようにコア 1 2 とクラッ ド 1 3のエツチング速度の比 に応じて決まるため、 酸化ゲルマニウム G e 0 2 のコア 1 2中の分 布とエッチング液中のフッ化アンモニゥム N H 4 Fの体積比 Xに依 存する。
すなわち、 コア 1 2中の酸化ゲルマニウム G e 0 2 の添加率を可 変してコア 1 2 とクラッ ド 1 3の比屈折率差 Δ ηを可変した場合に は、 例えば図 4 1中に黒丸の点で示すように、 コア 1 2 とクラッ ド 1 3の比屈折率差 Δ ηが大き くなる程、 コア 1 2 とクラッ ド 1 3の エツチング速度の比である s i η ( 6 , ノ 2 ) が小さ くなつて、 先
鋭角 θ . が小さ くなる。
また、 この第 4エッチング工程で用いるエッチング液のフッ化ァ ンモニゥムとフッ酸と水の比率を X : 1 : 1 とし、 フッ化アンモニ ゥムの比率 Xを変化させると、 先鋭部 1 4の先銳角 Θ は、 図 4 2 に示すように、 フッ化アンモニゥムの比率 Xが 1 0以下程度の場合 において、 フッ化アンモニゥムの比率 Xの増加に応じて小さ くなる ( これにより、 フッ化アンモニゥムの比率 Xを選択することにより、 先鋭部 1 4の先鋭角 を制御することができる。
このため、 上述の第 1エッチング工程においてシリコンオイルと フッ酸の界面でエツチングを行いクラッ ド 1 3の先鋭角 Θ 2 が 2 0 度となっている場合では、 Xの値を 1 0より小さくすることにより、 上記図 1 1に示すように、 先鋭部 5 1の先鋭角 0 2 より、 先鋭部 5 1から突出した突出部 5 2のコア 1 2の先鋭角 Θ を大きくするこ とができる。
ところで、 この第 4エツチング工程で用いるエツチング液中のフ ッ化アンモニゥム N H 4 Fの体積比 Xは、 Xが 1 . 7程度より大き ければコア 1 2の先端を先鋭化することができるが、 Xをむやみに 大きくするとエッチング速度が低下し、 ェツチング時間が長くなる また、 図 4 2に示すように、 Xが 4 0から 5 0程度となると再び先 '鋭角 θ が増大するため、 Xの値は大きくても 2 0〜 3 0程度とす ることが望ましい。
また、 この第 4エッチング工程で用いるエッチング液のフッ化ァ ンモニゥムとフッ酸と水の比率を 1 0 : 1 : Υとし、 水の比率 Υを 変化させると、 先鋭部 1 4の先鋭角 Θ は、 図 4 3に示すように水 の比率 Υの増加に応じて増加する。 これにより、 水の比率 Υを選択
することにより、 先鋭部 1 4の先鋭角 0 , を制御することができる < そして、 上述の第 1から第 4エッチング工程により、 上述の図 3 8 ( E ) に示す構造の光ファイバ 2 2 5が形成される。 この光ファ イノく 2 2 5の先鋭部 1 4の形状は、 酸化ゲルマニウム G e 0 2 の分 布に依存して先鋭部 1 4の形状が決定されるため再現性が高く、 対 称性のよい円錐形状を形成することができる。
次に、 上述のコ一ティ ング工程とエッチング工程について説明す る。 このコーティ ング工程では、 図 4 4に示すように、 真空蒸着装 置を用いて真空中で光フアイバ 2 2 5をその中心軸を中心として回 転させ、 先鋭部 1 4の斜め下方から遮光性の素材の蒸気 2 2 6を供 給して蒸着することにより、 上記遮光性の被覆層 1 5を形成する。 例えば同図中の øを 5 0〜 6 0度として金の蒸気 2 2 6を供給して コーティ ングを行って、 例えば図 4 5に示すように、 先鋭部 1 4の 表面に厚さが 1 2 5 n m程度の金の蒸着膜 2 2 7を形成する。 この ように、 真空中で先鋭部 1 4の斜め下方から金の蒸気 2 2 6を供給 して蒸着を行うと、 素材の蒸気の直進性が高いために、 先鋭部 1 4 の先端の金の蒸着膜 2 2 7の厚さが薄くなる。
ここで、 遮光性の被覆層 1 5として、 使用することができる材質 は、 上述の金だけでなく蒸着が容易であって、 開口工程においてェ 'ツチングすることができるものであれば、 銀、 白金、 アルミニウム、 パラジウム、 ニッケル等でもよい。
開口工程では、 遮光性の被覆層 1 5をエッチングする。 上述のよ うに遮光性の被覆層 1 5として金を用いる場合では、 ョ一 ドカリ溶 液 (K I 一 I 2 水溶液) により金の蒸着膜 2 2 7の 2 5 n m程度の 表面層 2 2 7 aをエッチングする。
このエッチングを行うエッチング液は、 上記遮光性の被覆層 1 5 を金、 白金、 パラジウム等により形成した場合、 上述の K I一 I 2 水溶液の他に王水、 臭素溶液、 K C N溶液を用いることが.できる。 また、 上記遮光性の被覆層 1 5としてアルミ二ゥムを用いる場合で は、 濃度が 0 . 1 %程度の N a 0 H水溶液あるいは K 0 H水溶液等 のアルカリ溶液、 希塩酸等の酸等によりエッチングする。 この場合、 K〇 H水溶液と赤血塩と水等の混合液あるいはリ ン酸と硝酸と酢酸 等の混合液を用いてもよい。 また、 上記遮光性の被覆層 1 5を銀か ら構成した場合では、 アンモニゥム水と加酸化水素水の混合液、 希 硝酸等を用いてエッチングし、 上記遮光性の被覆層 1 5をニッケル から構成した場合では、 硝酸と酢酸とアセ トンの混合液、 硝酸等を 用いてエツチングを行う。
このようなエッチングを行うと、 上述のように遮光性の被覆層 1 5の先端部の厚さが薄くなつているため、 先鋭部 1 4の先端が遮光 性の被覆層 1 5から露出して直径が 3 0 n m程度の開口部 1 6が形 成される。 これにより、 上述の図 4に示す形状の光ファイバ 1 0が 形成される。
ここで、 このエッチング工程のエッチングを行わず、 上記コーテ ィ ング工程において、 先鋭部 1 4の斜め下方から金の蒸気 2 2 6を 供給して真空蒸着を行っただけでも、 先鋭部 1 4の先端の金の蒸着 膜 2 2 7の厚さが薄いために光を透過させることができ、 疑似開口 部として使用することができる。 しかしながら、 上述のフォ トン走 査トンネル顕微鏡の光プローブとして使用する場合には、 この疑似 開口部におけるエバネッセント光の吸収が大きくなる。 このため、 この光ファイバの製造方法では、 先鋭部の先端を金の蒸着膜 2 2 7
から完全に露出させるために、 遮光性の被覆層 2 2 7をエッチング して開口部 1 6を形成している。
この光フアイバの製造方法では、 上記第 1のエツチング工程にお いてフッ酸とフッ酸より軽い液体との界面で形成したテーパー部 2 2 1の形状に応じてコア 1 2の先鋭化の形状が決まるため、 先鋭部 1 4の形状の再現性を向上させることができるまた、 この光フアイ バの製造方法では、 上記コーティ ング工程で形成した遮光性の被覆 層を、 開口工程においてエッチングして、 開口部を形成しているた め、 先鋭部 1 4の先端を遮光性の被覆層から完全に露出させて開口 部を形成することができる。
また、 本発明の第 2 4実施例に係る光ファイバの製造方法は、 上 記第 2 3実施例と同様に、 光ファイバの一端をエッチングして、 ク ラッ ドの外周からコアの中心にかけて円錐状に先鋭化した先鋭部を 形成する先鋭化工程と、 先鋭部の表面に遮光性の素材をコーティ ン グして遮光性の被覆層を形成するコーティ ング工程と、 該コーティ ング工程により形成された遮光性の被覆層をエッチングして、 先鋭 部の先端が露出した開口部を形成する開口工程とからなる。
この光ファイバの製造方法では、 まず、 先鋭化工程において、 上 記第 2 3実施例の第 1〜第 4エッチング工程と同様なエッチングを 行って、 クラッ ド 1 3の外周からコア 1 2の中心にかけて円錐状に 先鋭化した先鋭部 1 4を形成した光ファイバ 2 2 5を製造する。 また、 この光ファイバの製造方法では、 コーティ ング工程が、 第 1及び第 2コーティ ング工程からなり、 まず、 第 1 コーティ ングェ 程では、 上述のように形成された上記光ファイバ 2 2 5に、 アルミ 二ゥムを蒸着して厚さが 8 0 0 n m程度の遮光性の被覆層 2 5を形
成する。
この第 1 コーティ ング工程では、 上述の図 4 4に示すコーティ ン グ工程と同様に、 真空蒸着装置を用いて真空中で光ファイバ 2 2 5 をその中心軸を中心として回転させ、 先鋭部 2 4の斜め下方からァ ルミ二ゥムの蒸気 2 2 6を供給して蒸着することにより、 遮光性の 被覆層 2 5を形成している。 この遮光性の被覆層 2 5として使用す ることができる材質は、 上記第 2 3実施例のコーティ ング工程と同 様に、 アルミニウムだけでなく、 遮光性が高く、 導電性が高い材質 であれば、 金、 銀、 白金、 パラジウム、 ニッケル等でもよい。 また, この第 1 コーティ ング工程では、 遮光性の被覆層 2 5をアルミニゥ ムの 1層の被覆層により形成したが、 まず、 先鋭部 2 4に、 例えば クロム、 ゲルマニウム、 シリコン等のガラスに吸着し易い素材をコ 一ティ ングし、 次に、 例えば金等の遮光性の高い素材をコーティ ン グして、 2層の被覆層を形成することにより、 剥離強度の高い被覆 層を形成することができる。
ところで、 この第 2 4実施例では、 後述する第 2コーティ ングェ 程において、 遮光性の被覆層 2 5の先端以外の部分に耐腐食性の被 覆層 2 6を形成した後、 エッチングを行って先鋭部 2 4の先端の遮 光性の被覆層 2 5を選択的にエッチングするため、 必ずしも上述の ように真空蒸着を行って遮光性の被覆層 2 5を形成する必要がない c このため、 この第 1 コ一ティ ング工程におけるコーティ ングは、 素材の粒子の直進性が比較的低い方法であるスパッタリ ングや、 親 水化を行った後の無電界メ ツキ等のゥュッ 卜プロセスによって行う ことも可能である。 このように、 第 1 コーティ ング工程におけるコ 一ティ ングをスパッタリ ングによって行うと、 上述の真空状着を行
つた場合と同程度の規模の装置を用いた場合に一度に処理できる光 ファイバの数を増加させることができ、 製造コス 卜を低減させるこ とができる。
次に、 第 2 コーティ ング工程では、 上述の図 4 4に示すコーティ ング工程と同様に、 真空蒸着装置を用いて真空中で光ファイバ 2 2 5をその中心軸を中心として回転させ、 先鋭部 2 4の斜め下方から 耐腐食性の素材の蒸気 2 2 6を供給して蒸着することにより、 耐腐 食性の被覆層 2 6を形成する。 具体的には、 上記図 4 4中の角度 ø を 5 0度程度として金の蒸気 2 2 6を供給して厚さが 8 0 n m程度 の金の蒸着膜を形成して耐腐食性の被覆層 2 6とする。 この耐腐食 性の被覆層 2 6 として、 使用することができる材質は、 上述のよう に遮光性の被覆層 2 5 としてアルミニゥムを使用した場合において は、 上述の金だけでなく蒸着が容易であって、 開口工程においてェ ツチングされないものであれば、 銀、 白金等でもよい。
このような真空蒸着では、 スパッ夕リ ング等によりコ一ティ ング を行う場合に比較して金の蒸気 2 2 6の直進性が高いため、 上述の ように先鋭部 2 4に対して後方から金の蒸気 2 2 6を供給すると、 遮光性の被覆層 2 5の先端に金の蒸気 2 2 6が回り込まず、 遮光性 の被覆層 2 5の先端に金が付着しない。 これにより、 例えば図 4 7 に示すように、 遮光性の被覆層 2 5の先端以外の部分に耐腐食性の 被覆層 2 6が形成され、 遮光性の被覆層 2 5の先端が耐腐食性の被 覆層 2 6から露出した露出部 2 8が形成される。
最後に、 開口工程では、 上述のように遮光性の被覆層 2 5及び耐 腐食性の被覆層 2 6が形成された光ファイバ 2 2 5の先端を濃度が 0 . 1 90程度の N a 0 H水溶液からなるエッチング液によりエッチ
ングする。
上記耐腐食性の被覆層 2 6を構成する金は、 N a 0 H水溶液に対 して耐腐食性があって溶けず、 上記遮光性の被覆層 2 5を構成する アルミニウムは、 N a 0 H水溶液に溶けるため、 上記露出部 2 8の 遮光性の被覆層 2 5 aが選択的にエッチングされる。 これにより、 上記図 7に示すように、 先鋭部 2 4の先端が遮光性の被覆層 2 5か ら露出した直径が 4 0 n m程度の開口部 2 7が形成される。
これにより、 この光フアイバの製造方法では、 第 2コ一ティ ング 工程において形成した耐腐食性の被覆層 2 6から露出した遮光性の 被覆層 2 5の先端の露出部 2 8を、 開口工程において選択的にエツ チングすることにより、 遮光性の被覆層 2 5に容易に開口部 2 7を 形成することができる。
なお、 この開口工程で使用することができるエッチング液は、 上 記第 2 3実施例の開口工程で用いるエッチング液と同様に、 遮光性 の被覆層 2 5をエッチングすることができ、 耐腐食性の被覆層 2 6 をエッチングしないものであれば、 上記 N a 0 H水溶液でなく とも よい。
また、 上記遮光性の被覆層 2 5及び上記耐腐食性の被覆層 2 6を 構成する材質は.、 遮光性の被覆層 2 5に比較して耐腐食性の被覆層 2 6を構成する材質の開口工程で使用されるエツチング液に対する 耐性が高ければよく、 この条件を満たしていれば開口工程において 露出部 2 8の遮光性の被覆層 2 5 aを選択的にエッチングして開口 部 2 7を形成することができる。
具体的には、 上述のように、 遮光性の被覆層 2 5としてアルミ二 ゥムを用い、 開口工程のエツチング液を N a〇 H水溶液とした場合
では、 耐腐食性の被覆層 2 6 として、 上述の金以外に、 N a 0 H水 溶液に耐性のある銀、 白金等の貴金属を使用することができる。 なお、 これらの貴金属は、 N a 0 H溶液等のアルカリ溶液あるい は酸性溶液に耐性を有するため、 この光フアイバを上述のフォ トン 走査トンネル顕微鏡に用いた場合に、 アルカリあるいは酸性の溶液 中の試料の形状を測定する際に、 遮光性の被覆層を保護することが できる。
また、 例えば遮光性の被覆層 2 5 として金、 · 銀、 白金等の貴金属 を用いる場合では、 開口工程のエッチング液を K I - I 2 水溶液と し、 耐腐食性の被覆層 2 6 として、 K I 一 1 2 水溶液に耐性のある S i 0 2 等のシリカ系セラ ミ ックあるいは A 12 0 3等のアルミナ系セ ラ ミ ック等を使用することもできる。
また、 本発明の第 2 5実施例に係る光フアイバの製造方法は、 図 4 8に示す処理手順で上述の図 8に示す形状の光フアイバを製造す る。 この光ファイバの製造方法では、 上述の第 2 4実施例と同様の テーパー形成エッチング工程においてクラッ ド 1 3にテーパー部を 形成する際に、 図 4 8 ( B ) に示すように、 ある程度テーパー部 2 3 1が形成されてクラッ ド 1 3の径が減少した径小部 2 3 2が残つ た状態で、 同図 ( C ) に示すように、 光ファイバ 1 1 をさらに長さ L , だけフッ酸中に突入してエッチングを継続する。
この場合、 光ファイバ 1 1 をフッ酸中に長さ だけ突入した後、 光ファイバ 1 1がさらにエッチングされるが、 テーパー部 2 3 1 と 径小部 2 3 2が残ったままで、 クラッ ド 1 3径が減少する。 そして、 径小部 2 3 2のクラッ ド 1 3が溶けきると、 図 4 8 ( D ) に示すよ うに、 クラッ ド 1 3先端のテーパー部 2 3 3 と、 フッ酸とシリ コン
オイル等との界面 2 3 0において形成されたテーパー部 2 3 4 との 間にクラッ ド 1 3が径小となった径小部 2 3 5が形成される。
具体的には、 例えば図 4 9に光ファイバ 1 1を長さ L , .だけフッ 酸中に突入するタイ ミ ングと、 得られる径小部 2 3 5のクラッ ド 1 3径との関係を示すように、 フッ酸中に突入するタイ ミ ングを速く すると、 径小部 2 3 5のクラッ ド 1 3径を細くすることができる。
このような形状の光ファイバ 2 3 6に、 上述の第 2 4実施例と同 様の先鋭化工程のエッチングを行うと、 テーパー部 2 3 3の先端か ら露出したコア 1 2が先鋭化されて上記図 8に示す形状の光フアイ バ 3 0が形成される。 この場合、 上記径小部 2 3 5に基づく径小部 3 5の径 1 は、 上述のテーパー形成エッチング工程の途中で光フ アイバ 1 1をフッ酸中に突入させるタイ ミ ングに依存しているため、 上述のテーパー形成エッチング工程において、 光ファイバ 1 1をフ ッ酸中に突入させるタイ ミ ングを制御することにより、 所望の値と することができる。
また、 この径小部 3 5の長さ L。 は、 上述のテーパー形成エッチ ング工程において、 光ファイバ 1 1をフッ酸中に突入した長さ L , から、 テーパー部 3 5の長さを引いた長さとなっているため、 光フ アイバ 1 1をフッ酸中に突入させる長さ L , を制御すれば、 径小部 3 5の長さ L。 を所望の値とすることができる。 また、 上述のよう に形成した光ファイバに上述の第 2 3あるいは第 2 4実施例と同様 にコ一ティ ング工程及び開口工程の処理を施して遮光性の被覆層を 形成すことにより、 上記図 9に示す形状の光ファイバ 4 0を形成す ることができる。
また、 本発明の第 2 6実施例に係る光ファイバの製造方法では、
まず、 上述の第 2 3実施例の第 1エッチング工程と同様に、 光ファ ィバ 1 1の一端をフッ酸とフッ酸より比重の軽い液体との界面でェ ツチングして、 テーパー部 2 2 1 を形成する。 次に、 このようなテ —パー部 2 2 1 を第 2 3実施例の第 4エッチング工程と同様な緩衝 フッ酸液からなるエツチング液中でェッチングする。
このとき用いるエッチング液は、 例えばコア 1 2 とクラッ ド 1 3 の比屈折率差 Δ ηが 2 . 5 %以上であるときは、 フッ化アンモニゥ ム Ν Η ,, Fの体積比 Xを 1 . 2 5から 2 0程度とする。
このようなエツチングを行う と、 クラッ ド 1 3のエツチング速度 がコア 1 2より速いために、 図 5 0に示すように、 テーパー部 2 2 1の先端から露出したコア 1 2が側面からもエッチングされて先鋭 化され、 突出部 5 2が形成される。 すなわち、 このときのテーパー 部 2 2 1からコア 1 2が露出する見かけ上のクラッ ド 1 3のエッチ ング速度は、 テーパー部 2 2 1を 0 2 とすると、 実際のクラッ ド 2 5 3のエッチング速度 R c , a dの 1 { s i n ( θ 2 / 2 ) } 倍にな る。 したがって、 コア 1 2の先鋭角 0 , は、
s i n ( θ 1 / 2 ) = s i n ( θ 2 / 2 ) x ( R c 0 r e / R c i a d ) となり、 上記第 2 3実施例の場合と比較して突出部 5 2の先端のコ 了 1 2の先鋭角 θ , を小さ くすることができる。 このようなエッチ ングにおいて、 フッ化アンモニゥム N H 4 Fの体積比 Xを増加させ ると、 例えば図 5 1 に示すように、 Xの増加にしたがって突出部 5 2の先鋭角 Θ > が小さ くなる。
次に、 上記第 2 3あるいは第 2 4実施例と同様に、 突出部 5 2の 表面に遮光性の被覆層 5 3を形成した後、 遮光性の被覆層 5 3をェ ツチングして開口部 5 4を形成することにより、 上記図 1 0に示す
形状の光フアイバ' 5 0が形成される。
このため、 このような光ファイバの製造方法では、 突出部 5 2の コア 1 2の先鋭角 0 , を小さくすることができ、 検出感度を向上さ せた光フアイバを製造することができる。
また、 本発明の第 2 7実施例に係る光ファイバの製造方法は、 上 記第 2 3実施例の第 1ェッチング工程と同様に、 図 5 2 ( A ) に示 す光ファイバ 1 1の一端 2 2 0をフッ酸とフッ酸より比重の軽い液 体との界面で 2 1分程度エッチングして、 同図 (B ) に示すように- テーパー部 2 2 1を形成する。 この際、 テーパー部 2 2 1の先端に コア 1 2が残った状態でエッチングを終了する。
次に、 このようにテーパー部 2 2 1を形成した光ファイバ 1 1を- 上記フッ化アンモニゥム N H 4 F の体積比 Xを 2程度としたエッチ ング液中で、 1 0〜 1 5分程度エッチングする。 このとき、 コア 1 2は、 側面からエッチングされるが、 完全に溶け切る直前でエッチ ングを終了することにより、 テーパー部 2 2 1から突出したコア 1 2の先端が先鋭化されて突出部 5 2が形成される。 この突出部 5 2 は、 コア 1 2の先端の先鋭角 θ 1 が 1 0度から 1 5度程度に小さく なるが、 過渡的なエッチング状態であるため先鋭角 0 , の制御はで きない。 しかしながら、 先鋭角を小さくすることができると共に、 '先鋭化工程を簡略化して製造コストを低減させることができる。
また、 このような形状の光ファイバを上述の第 2 3実施例あるい は第 2 4実施例のコーティ ング工程以降の処理に用いることもでき る。
また、 本発明の第 2 8実施例に係る光ファイバの製造方法は、 上 述の図 1 2に示す光フアイバ 6 0を製造する方法であって、 コア 1
2とクラッ ド 1 3からなる光ファイノく 1 1の一端をェツチングして クラッ ド 1 3の厚さを薄く して径小部 6 4を形成する第 1エツチン グ工程と、 径小部 6 4の先端をエツチングすることによりコア 1 2 を先鋭化して突出部 6 5を形成する第 2エッチング工程と、 突出部 6 5の表面に遮光性の被覆層 6 6を形成する第 1 コーティ ング工程 と、 遮光性の被覆層 6 6の先端以外の部分の表面に耐腐食性の被覆 層 6 7を形成する第 2 コーティ ング工程と、 突出部 6 5の先端の遮 光性の被覆層 6 6をエツチングして突出部 6 5の先端が遮光性の被 覆層 6 6から露出した開口部 6 8を形成する開口工程とからなる。
この光ファイバの製造方法では、 まず、 図 5 3に示す第 1及び第 2エッチング工程において、 同図 (C ) に示す径小部 6 4と突出部 6 5 とを有する形状の光ファイバ 2 4 5を製造し、 第 1及び第 2コ 一ティ ング工程において、 この光ファイバ 2 4 5の突出部 6 5に上 述の遮光性の被覆層 6 6及び耐腐食性の被覆層 6 7を形成し、 開口 工程において、 開口部 6 8を形成するようになっている。
以下、 クラッ ド 1 3径 d Q 力 1 2 5 ^ mでコア 1 2径 d c が 3 . 4 ^ mでコア 1 2中に酸化ゲルマニウム G e 0 2 を添加した光ファ ィバ 1 1を用いた場合について説明する。 なお、 この光ファイバ 1 は、 コア 2に添加する G e〇2 のコア 2の中心部の密度が高く、 コ ァ 2の外周部の密度が低い状態となるように密度分布を持たせてあ まず、 第 1エッチング工程において、 図 5 3 ( A ) に示す光ファ ィバ 1 1の一端 2 4 0を、 濃度 4 0重量%のフッ化アンモニゥム水 溶液と濃度 5 0重量0 /0のフッ酸と水からなる体積比が X : 1 : Y ( Y =任意) の緩衝フッ酸液であって、 フッ化アンモニゥム Ν Η 4
Fの体積比 Xが 1 . 7程度である緩衝フッ酸液をェッチング液とし て用いて 7 0〜 8 0分程度エッチングを行う。
これにより、 例えば同図 (B ) に示すように、 エッチング液に接 触しているクラッ ド 1 3がエツチングされて径小部 6 4が形成され る。 この径小部 6 4の径 d 2 は、 エッチング液中の N H 4 Fの体積 比 X、 エツチング時間を可変することにより制御することができる また、 径小部 6 4の長さは、 光ファイバ 1 1のエッチング液中に浸 潰する部分の長さを調節することによって可変することができる。 次に、 第 2エッチング工程において、 フッ化アンモニゥム N H 4 Fの体積比 Xが 1 . 7より大きい緩衝フッ酸液をエツチング液とし て用いてエッチングを行う。 具体的には、 温度が 2 3度のときに、 体積比 Xが 5乃至 1 0程度のエッチング液を使用し、 体積比 Xが 5 のエッチング液を使用した場合では 6 0分程度、 体積比 Xが 1 0の エッチング液を使用した場合では 1 2 0分程度のエッチングを行う。 この第 2エッチング工程で用いるエッチング液は、 フッ化アンモニ ゥム N H 4 Fの体積比 Xが 5乃至 1 0であるため、 クラッ ド 1 3の エッチング速度がコア 1 2のエッチング速度より速い。
このようなエッチングを行うと、 コア 1 2のエッチング速度がク ラッ ド 1 3より速いため、 ェッチングが進行すると、 クラッ ド 1 3 'が先にエツチングされてコア 1 2が徐々に突出する。 このクラッ ド 1 3から突出したコア 1 2は側面からもエッチングされるため、 図 5 4に示すように、 ェッチングが進行するにしたがって、 クラッ ド 1 3から露出したコア 1 2が円錐状に先鋭化される。
これにより、 図 5 3 ( C ) に示すように、 径小部 6 4の先端のク ラッ ド 1 3からコア 1 2が突出した突出部 6 5が形成される。
また、 この光ファィバは、 上述のようにコア 1 2の中心部の G e 0 2 の密度が高いため、 コア 1 2の中心部のエッチング速度が若干 低く、 コア 1 2の周辺部になるに連れてェッチング速度が高くなる, これにより、 突出部 6 5のコア 1 2の周辺部が先にエッチングされ てコア 1 2の先端が先細り状となって突出部 6 5が円錐状に先鋭化 される。
この場合、 先鋭化される突出部 6 5の先端角 0 , は、 酸化ゲルマ ニゥム G e〇 2 のコア 1 2中の分布とエッチング液中のフッ化アン モニゥム N H 4 Fの体積比 Xに依存する。 このときの突出部 6 5の 先鋭角 θ 1 は、 上述の第 2 3実施例と同様に、 コア 1 2とクラッ ド 1 3のエッチング速度に応じて決まり、 フッ化アンモニゥム N H 4 Fの体積比 Xを変化させると、 上記図 4 1に示すように変化する。 例えばフッ化アンモニゥム N H 4 Fの体積比 Xが 5のエッチング液 を使用した場合では、 エッチング時間、 コア 1 2中の G e〇 2 の密 度分布等にもよるが、 先端角 Θ . を 2 0度程度とすることができる。 また、 このエッチングでは、 コア 1 2中に添加した酸化ゲルマニウ ム G e 0 2 の分布に依存して突出部 6 5の形状が決定されるため再 現性が高く、 対称性のよい円錐形状を形成することができる。
また、 コア 1 2中の分布が一定となるように酸化ゲルマニウム G e 0 2 が添加され、 コア 1 2とクラッ ド 1 3の屈折率がステップ状 に変化するシングルモー ドファイバを用いても上述の図 5 3 ( C ) に示すような形状の光ファイバを形成することもできる。
この場合は、 上述のようにコア 1 2に添加する G e 0 2 に密度分 布を持たせた光ファイバを使用した場合と異なり、 G e 0 2 に密度 分布に基づく突出部 6 5の先鋭化は期待できない。 しかしながら、
コア 1 2とクラッ ド 1 3のエツチング速度の比に応じた先鋭化が行 われ、 例えばクラッ ド 1 3径が 1 2 5 mでコア 1 2の径が 8 m 程度とされたシングルモー ドファイバに、 上述の第 2ェツチングに おいて使用したエッチング液と同様な組成で、 N H 4 Fの体積比 X が 1 0程度であるエッチング液を用いて、 温度が 2 5度の条件で、 3時間 1 5〜 2 0分程度のエッチングを行った場合においても、 突 出部 6 5の先鋭角 0 , が若干大きく ( 1 0 5度程度) なるが、 上述 の第 2エツチング工程と同様に円錐状に先鋭化された突出部 6 5が 形成される。 また、 この場合では、 使用できるエッチング液中の N H 4 Fの体積比 Xは、 上述の 1 0以外でも突出部 6 5の先鋭化を行 うことができる。 なお、 このシングルモー ドファイバを使用した場 合においても、 上述の第 1エッチング工程と同様なエッチングを行 うことにより、 径小部 6 4を形成できる。
また、 石英 S i 0 2 からなるコア 1 2と、 フッ素 Fを添加した石 英 S i 0 2 からなるクラッ ド 1 3を有するシングルモー ドフアイノ を用いても、 突出部 6 5の先鋭角が 7 7度程度であるが、 上述の図 5 3 ( C ) に示すような形状の光ファイバを形成することもできる。 このような光フアイバを用いた場合には、 例えばフッ化アンモニ ゥム N H 4 Fの体積比 Xを 1 . 7程度とした比較的エッチング速度 が速いェッチング液を用いることにより、 1回のエツチングで径小 部 6 4の形成と、 突出部 6 5の先鋭化を行うことができ、 1回のェ ッチングで上記第 1及び第 2エツチング工程の処理を行うことがで きる。 このため、 製造工程を簡略化することができ、 製造コストを 低減することができる。
次に、 第 1及び第 2エッチング工程及び開口工程について説明す
る。 第 1 コ一ティ ング工程では、 図 5 5に示すように、 上述の第 1 及び第 2エッチング工程によって形成された光ファイバ 2 4 5に、 突出部 6 5の上方向から金の蒸気を供給する。 これにより.、 図 5 6 に示すように突出部 6 5の表面に金からなる 4 0 0 n m程度の膜厚 の遮光性の被覆層 6 6が形成される。
この遮光性の被覆層 6 6 として使用することができる材質は、 上 記第 2 3実施例のコーティ ング工程と同様に、 アルミニウムだけで なく、 遮光性が高く、 開口工程においてエッチングできるものであ れば、 金、 銀、 白金などでもよい。 また、 この第 1 コーティ ングェ 程では、 遮光性の被覆層 6 6をアルミニウムの 1層の被覆層により 形成したが、 まず、 突出部 6 5に、 例えばクロム、 ゲルマニウム、 シリ コン等のガラスに吸着し易い素材をコーティ ングし、 次に、 例 えば金等の遮光性の高い素材をコーティ ングして、 2層の被覆層を 形成することにより、 剥離強度の高い遮光性の被覆層 6 6を形成す ることができる。 なお、 この第 1 コーティ ング工程におけるコーテ イ ングは、 遮光性の被覆層 6 6を形成することができれば、 蒸着だ けではなく、 スパッタ リ ングあるいは親水化処理を行った後、 無電 界メ ッキを行う等の粒子の直進性が比較的低い方法によっても行う ことができる。
' この第 1 コーティ ング工程におけるコ一ティ ングをスパッタリ ン グによって行う と、 真空蒸着を行った場合に比較して、 同程度の規 摸の装置を用いた場合に一度に処理できる光ファイバの数を増加さ せることができ、 製造コス トを低減させることができる。
また、 第 2コ一ティ ング工程では、 上述の第 1 コーティ ング工程 において遮光性の被覆層 6 6を形成した光ファイバ 2 4 5を合成樹
脂を溶かした溶剤に浸潰した後、 溶剤から引き上げる。 具体的には、 合成樹脂を溶かした溶剤としては、 市販のァク リル塗料を使用した 溶剤から引き上げられると、 突出部 6 5の遮光性の被覆層 6 6に 付着した溶剤が表面張力によって、 径小部 6 4側に引き寄せられ、 突出部 6 5の先端の遮光性の被覆層 6 6が溶剤から露出する。 ここ で、 合成樹脂を溶かしておく溶剤は、 溶剤から引き上げた際に、 表 面張力によって突出部 6 5の先端の遮光性の被覆層 6 6が溶剤から 露出する程度に粘性が低いものであればよい。 また、 合成樹脂は、 開口工程で使用されるエッチング液によりエッチングされないもの であればよい。
そして、 溶剤が蒸発すると遮光性の被覆層 6 6の表面には、 合成 樹脂が残り、 図 5 7に示すように、 突出部 6 5の先端の遮光性の被 覆層 6 6が合成樹脂性からなる耐腐食性の被覆層 6 7から露出した 露出部 6 9が形成される。
ここで、 上記合成樹脂を溶かした溶剤の粘性が高い場合には、 突 出部 6 5の先端の遮光性の被覆層 6 6が耐腐食性の被覆層 6 7から 露出しない場合がある。 しかしながら、 耐腐食性の被覆層 6 7の先 端の厚さが薄くなるため、 耐腐食性の被覆層 6 7を全体的にエッチ ングすることにより、 遮光性の被覆層 6 6の先端が露出した露出部 '6 9を形成することができる。 このとき使用するエッチング液は、 N a O H等のアルカリ溶液あるいは希塩酸等の酸を用いることがで さる。
次に、 開口工程として、 上述のように突出部 6 5の表面に遮光性 の被覆層 6 6及び耐腐食性の被覆層 6 7が形成された光ファイバ 2 4 5を、 ヨウ化力リウム K I一 I 2 水溶液あるいはシアン化力リゥ
ム水溶液等からなるエツチング液によりエッチングする。
上記耐腐食性の被覆層 6 7を構成する合成樹脂は、 K I _ I 2 水 溶液に対して耐腐食性があり、 上記遮光性の被覆層 6 6を構成する 金は、 K I — I 2 水溶液に溶けるため、 このエッチングにより、 上 記露出部 6 9から露出した遮光性の被覆層 66が選択的にエツチン グされ、 上記図 1 2に示すように、 上記突出部 65の先端が遮光性 の被覆層 6 6から露出した開口部 6 8が形成される。
具体的には、 上述のコア 1 2中に添加した G e 02 に密度分布を 持たせた光ファイバを使用し、 突出部 65の先鋭角が 20度で金を 4 0 0 n m程度コーティ ングした光ファイノく 24 5を、 K I と 12 と水の重量比が、 2 0 : 1 : 1 00の比率となっている K I - I 2 溶液を、 水で 1 00倍程度に希釈したものをエッチング液として、 1〜 3分程度エッチングしたところ、 30 nm程度の開口部 6 8が 得られた。
また、 上述のシングルモー ドフアイバを使用し、 先鋭角が 1 05 度程度で、 金を 1 5 0 nm程度コーティ ングした光ファイバ 245 を、 K I と I 2 と水の重量比が、 20 : 1 : 4 00の比率となつて いる K I一 I 2 溶液を、 水で 50倍程度に希釈したものをエツチン グ液として、 5分程度エッチングしたところ、 l O O nm程度の開 口部 68が得られた。
なお、 この開口工程で使用することができるエッチング液は、 上 述の第 23実施例の開口工程と同様に、 遮光性の被覆層 6 6をエツ チングすることができ、 耐腐食性の被覆層 67をエッチングしない ものであればよい。 このようなエッチング液を用いることにより、 上述と同様に、 開口工程において露出部 6 9の遮光性の被覆層 66
を選択的にエッチングして開口部 6 8を形成することができる。 ま た、 プラズマエッチング等による ドライエッチングによっても可能 である。
この光ファイバの製造方法では、 開口工程において、 突出部 6 5 の遮光性の被覆層 6 6をエッチングする際に、 耐腐食性の被覆層 6 7が形成されていない突出部の先端の露出部 6 9の遮光性の被覆層 6 6を選択的にエッチングすることができ、 容易に開口部 6 8を形 成することができる。
また、 本発明の第 2 9実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 光ファイバをエッチングして図 5 8 ( E ) に示す形状の光フ アイバ 2 5 3を形成し、 該光ファイバ 2 5 3に上述の第 2 8実施例 の第 1 コーティ ング工程以降の処理と同様の処理を行って上述の図 1 3に示す光フアイバ 7 0を製造する。
すなわち、 この光ファイバの製造方法では、 まず、 図 5 8 ( A ) に示す光フアイバ 1 1の一端 2 5 0をフッ酸とフッ酸より比重の軽 い液体、 例えばスピン ドルオイル、 シリコンオイル等との界面で、 例えば 2 5分から 3 0分間程度エッチングする。
フッ酸とスピンドルオイル又はシリコンオイル等との界面付近で は、 上述のようにメニスカスが形成され、 このメニスカスの高さは、 'クラッ ド 1 3がエツチングされるにしたがって低くなるために、 ク ラッ ド 1 3が先細り状にエツチングされ、 図 5 8 ( B ) に示すよう にクラッ ド 1 3にテーパー部 7 1が形成される。
次に、 上述のように形成されたテーパー部 7 1をフッ酸により、 例えば 2分から 3分間程度エッチングする。 フッ酸中ではコア 1 2 のエツチング速度がクラッ ド 1 3より速いため、 このエツチングに
よって、 図 5 8 ( C ) に示すように、 コア 1 2がテ一パー部 7 1の クラッ ド 1 3の先端に対して窪んだ凹部 2 5 1が形成される。
さらに、 テーパー部 7 1を、 フッ化アンモニゥム N H 4 Fの体積 比 Xが 1 . 7程度で、 水の体積比 Yが 1のである緩衝フッ酸液から なるエッチング液で、 例えば 9 0分程度エッチングする。 このとき、 3 0分程度エッチングした段階で、 図 5 8 ( D ) に示すように、 コ ァ 1 2の先端とテーパー部 7 1の先端が平坦となる平坦部 2 5 2が 形成される。 そして、 さらにエッチングを続けると、 上述のような 組成のエッチング液中ではコア 1 2のエツチング速度に対してクラ ッ ド 1 3のエツチング速度が速いため、 図 5 8 ( E ) に示すように、 クラッ ド 1 3が先にエッチングされて平坦部 7 4が形成され、 コア 1 2が平坦部 7 4のクラッ ド 1 3から突出し、 先端が円錐状に先鋭 化された突出部 7 5が形成される。
次に、 このような形状の光ファイバ 2 5 3に、 上述の第 2 8実施 例と同様の第 1及び第 2コーティ ング工程と開口工程の処理を行う ことにより、 遮光性の被覆層及び開口部を形成すると、 上述の図 1 3に示す形状の光ファイバ 7 0が形成される。
また、 本発明の第 3 0実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上述の第 2 8実施例と同様の第 1及び第 2エッチング工程の 処理を行って、 上述の図 5 3 ( C ) に示す形状の光ファイバ 2 4 5 を形成する。 次に、 コーティ ング工程において、 突出部 6 5の表面 に遮光性の被覆層 6 6を形成し、 感光体層形成工程において、 遮光 性の被覆層 6 6の表面に感光体層を形成し、 露光工程において、 ェ バネッセント光により感光体層の先端のみを選択的に露光し、 露出 部形成工程において、 露光した感光体層を除去して感光体層の先端
に露出部を形成する。 そして、 開口工程において、 感光体層の先端 に形成された露出部より露出した遮光性の被覆層 6 6をエッチング することにより上記突出部 6 5の先端が遮光性の被覆層 ρ 6から露 出した開口部 8 7を形成した後、 感光体層除去工程において、 突出 部 6 5の表面の感光体層を除去して上述の図 1 4に示す形状の光フ アイバ 8 0を製造するようになっている。
上記コーティ ング工程では、 ィオンスパッタ装置を用いて、 上述 の第 1及び第 2エッチング工程により形成された光フアイバ 2 4 5 の突出部 6 5に、 突出部 6 5の先端方向から金の粒子を供給する。 これにより、 上述の図 5 6に示すように、 突出部 6 5の表面に厚さ が 2 0 0 n m程度の金の層からなる遮光性の被覆層 6 6が形成され る。 この遮光性の被覆層 6 6の厚さは、 コーティ ングを行う時間を 可変することによって制御することができる。 また、 この遮光性の 被覆層 6 6として使用することができる材質は、 金だけでなく、 上 記第 2 3実施例のコーティ ング工程と同様に、 遮光性が高く、 開口 工程においてエッチングできるものであれば、 アルミニウム、 銀、 白金などでもよい。
また、 あるいは、 このコーティ ング工程において、 図 5 9に示す ように、 真空中で突出部 6 5の先端に対して斜め上方から、 金の蒸 '気 2 4 7を供給して真空蒸着を行って遮光性の被覆層 6 6を形成し てもよい。 この場合は、 突出部 6 5の表面に均一に蒸着を行うため に、 光ファイバ' 2 4 5をその中心軸を中心として回転させながら蒸 着を行う。 また、 このコーティ ング工程において、 まず、 クロム、 ゲルマニウム、 シリコン等のガラスに吸着し易い素材を突出部 6 5 にコーティ ングした後、 金等の遮光性の高い素材をコーティ ングす
ることによって、 遮光性の被覆層 6 6を 2層として剥離強度の高い 被覆層を形成することができる。
なお、 このコーティ ング工程におけるコーティ ングは、 .遮光性の 被覆層 6 6を形成することができれば、 上述のスパッ夕リ ング、 蒸 着だけではなく、 無電界メ ツキ等の方法によっても行うことができ る o
このコーティ ング工程において、 上述のようにスパッタリ ングに よってコーティ ングを行うと、 真空蒸着を行った場合に比較して、 同程度の規模の装置を用いた場合に一度に処理できる光ファイバの 数を増加させることができ、 製造コス トを低減させることができる c 次に、 感光体層形成工程では、 上述のコーティ ング工程において 遮光性の被覆層 6 6を形成した光フアイバ 2 4 5の突出部 6 5に感 光体を付着させて感光体層を形成する。 この感光体層を形成する感 光体としては、 いわゆるフォ トレジストを使用する。 そして、 図 6 0に示すように、 フォ トレジス卜が充填された注射器を微動台に固 定し、 フォ 卜レジス 卜を押し出して注射器の針 2 5 5の先端にフォ トレジス トの滴 2 5 6を垂下させる。
次に、 垂下したフオ トレジス トの滴 2 5 6の下方に、 突出部 6 5 が上となるように光ファイバ 2 4 5を固定する。 そして、 図 6 0中 に実線矢印で示すように、 垂下したしたフォ トレジストの滴 2 5 6 が落ちないように、 微動台を静かに操作しながら注射器を下方に移 動させてフォ トレジス 卜の滴 2 5 6を突出部 6 5に接触させる。 そ して、 フォ トレジス トを付着させた後、 同図中に波線矢印で示すよ うに、 再び注射器を上方に移動させる。 これにより、 突出部 6 5の 遮光性の被覆層 6 6の表面にフォ トレジス 卜が付着し、 このフォ ト
レジス 卜を乾燥させると、 図 6 1 に示すように、 突出部 6 5の表面 に形成した遮光性の被覆層 6 6の表面に感光体層 8 8が形成される c この感光体層 8 8の先端部分の厚さは、 フォ 卜レジス 卜の粘度と 径小部 6 4の径によって決まる。 粘度が 5 0 m P a · sであるフォ トレジス トを使用して、 径小部 6 4の径を 3 0 ni、 2 0 m、 1 5 mに変化させた場合に、 先鋭部 5 5に付着されるフォ 卜レジス ト層の断面形状を調べたところ、 図 6 2 ( a ) 、 同図 ( b ) 及び同 図 ( c ) に示す結果が得られた。
すなわち、 径小部 6 4の径が大きくなると、 感光体層 8 8の先端 部分の厚さが厚くなり、 逆に径小部 6 4の径が小さくなると、 感光 体層 8 8の先端部分の厚さが薄くなる。 例えば図 6 2 ( b ) に示す 径小部 6 4の径が 2 0 mである場合は感光体層 8 8の先端部分の 厚さは 1 0 0 n mであり、 同図 ( c ) に示す径小部 6 4の径が 1 5 mである場合は感光体層 8 8の先端部分の厚さは 3 5 n mであつ た。
また、 この感光体層 8 8の先端部分の厚さは、 フォ トレジス トの 粘度が高くなると厚くなり、 フォ トレジス 卜の粘度が低くなると薄 くなる。 また、 この感光体層 8 8の厚さは、 遮光性の被覆層 6 6の 厚さによっても変化し、 遮光性の被覆層 6 6が厚くなつて、 径小部 6 4の先端と突出部 6 5とがより平坦な形状に近づく と、 フオ トレ ジス 卜が付着しやすくなって、 感光体層 8 8の厚さが増加する。
径小部 6 4の径は、 上述したように、 第 1エッチング工程のエツ チング時間を可変することによって制御することができるため、 第 1ェッチング工程のェッチング時間を可変することにより、 感光体 層 8 8の先端部分を所望の厚さとすることができる。 あるいは、 コ
一ティ ング時間を制御することにより、 遮光性の被覆層 6 6の厚さ を制御しても同様に感光体層 8 8の先端部分を所望の厚さとするこ とができる。
また、 以上の説明では、 フォ トレジス トにより感光体層 8 8を形 成した例を示したが、 感光体層 8 8を形成する素材は、 感光性を有 し、 開口工程で使用されるエッチング液によりエッチングされない ものであれば特に限定されない。 また、 上述の説明では、 フオ トレ ジス トを充填した注射器を移動させて、 突出部 6 5にフォ トレジス トを付着させているが、 光ファイバ 2 4 5を移動してフォ 卜レジス トを付着させてもよい。
次に、 露光工程では、 感光体層 8 8の先端のみをエバネッセン ト 光により選択的に露光する。 具体的には、 図 6 3に示すように、 プ リズム 2 5 7に H e— C dレーザ等のレーザ光 2 5 8を全反射角以 上の角度で入射してエバネッセント光の場 2 5 8を形成する。 すな わち、 全反射角以上で入射したレーザ光 2 5 8は、 プリズム 2 5 7 と空気との界面 2 5 7 aで反射されるが、 プリズム 2 5 7の表面か らレーザ光 2 5 8の波長程度の距離の領域には、 エバネッセント光 の場 2 5 9が形成される。
次に、 このようにエバネッセント光の場 2 5 9が形成されたプリ ズム 2 5 7の表面に感光体層 8 8が形成された光ファイバ 2 4 5を 接近させる。
エバネッセン ト光の場 2 5 9におけるエバネッセント光の強度は、 プリズム 2 5 7の表面からの距離が増加するに従って指数関数的に 減少するようになつている。 このため、 プリズム 2 5 7の表面と光 ファイバ 2 4 5の先端の間の距離 R e をレーザ光 2 5 8の波長程度
以下とした場合、 突出部 6 5先端でのエバネッセン ト光の光強度は- 突出部 6 5の基端での光強度に対して非常に強くなり、 感光体層 8 8の先端のみに光が当たっている状態と等価となり、 感光体層 8 8 の先端がエバネッセン ト光によって露光され、 上記図 6 3に示すよ うに、 感光体層 8 8の先端に露光部 8 8 aが形成される。
このように露光を行うためには、 突出部 6 5の先端をレーザ光 2 5 8の波長程度以下の精度でプリズム 2 5 7表面に接近させる必要 がある。 このため、 この露光工程では、 図 6 4に示すような構成の 原子間力顕微鏡を用いて、 光ファイバ 2 4 5とプリズム 2 5 7の位 置の制御を行っている。
すなわち、 この原子間力顕微鏡は、 その固有振動数で振動させた 光ファイバ 2 4 5とプリズム 2 5 7表面との間に働く原子間カを検 出して、 光ファイバ 2 4 5の先端とプリズム 2 5 7との間の距離を 測定するようになっており、 原子間力に基づく光ファイバ 2 4 5の 振動の振幅を検出する変位検出部と、 光ファイバ 2 4 5及びプリズ ,ム 2 5 7を移動させる駆動部と、 変位検出部により検出された光フ アイバ 2 4 5の振動の振幅に応じて駆動部等の制御を行う制御部等 を備えている。
変位検出部は、 レーザダイォー ド 2 6 0によって発生したレーザ 光をレンズ 2 6 1によって平行光線とし、 変位検出光としてミラ一 2 6 2によって反射させて光ファイバ 2 4 5の側面に照射し、 光フ アイバ 2 4 5によって散乱された変位検出光を光ファイバ 2 4 5に 対してミラー 2 6 2と対向して設けられたスリ ツ ト 2 6 3を介して フォ トダイオー ド 2 6 4で受光し、 このフォ トダイオー ド 2 6 4の 出力をアンプ 2 6 5で増幅した後、 ロックインアンプ 2 6 6で検出
する。
ここで、 圧電素子等を用いて固有振動数で振動させた光フアイバ 2 4 5をプリズム 2 5 7表面に接近させる際に、 光ファイバ 2 4 5 の先端とプリズ厶 2 5 7の表面との距離が 1 0 n m以下程度となる と、 光ファイバ 2 4 5の先端とプリズム 2 5 7の表面との距離に応 じて原子間力が働き、 光ファイバ 2 4 5の振幅が減少する。 この光 ファイバ 2 4 5の振幅は、 例えば図 6 5に示すように、 光ファイバ 2 4 5の先端とプリズム 2 5 7の表面の距離が 1 0 n m以下程度と なると急激に減少する。
このように光ファ 2 4 5の振幅が変化すると、 フォ トダイォ ー ド 2 6 4の出力の振幅が変化する。 そして、 ロックインアンプ 2 6 6は、 アンプ 2 6 5を介して供給されるフオ トダイオー ド 2 6 4 の出力の振幅を検出して光フアイバ 2 4 5の振幅を求め、 光フアイ 2 4 5とプリズム 2 5 7の表面との距離を検出する。
制御部 2 6 7は、 上述の変位検出部で検出した光フアイバ 2 4 5 の先端とプリズ厶 2 5 7の表面との距離に基づいて駆動部の動作を 制御する。 駆動部では、 P Z T駆動部 2 6 8力、'、 制御部 2 6 7から の制御に基づいて光ファイノく' 2 4 5が固定された P Z T 2 6 9 aと、 プリズム 2 5 7が固定された P Z T 2 6 9 bを駆動する。 これによ 'り、 変位検出部によって検出された光ファイバ 2 4 5の先端とプリ ズム 2 5 7の表面との距離に応じて、 P Z T 2 6 9 a、 2 6 9 bが 駆動され、 光ファイバ 2 4 5の先端とプリズム 2 5 7の表面との距 離がレーザ光 2 5 8の波長程度に保持される。 なお、 光ファイバ 2 4 5は、 露光終了後に取り外す必要があるため、 光ファイバ 2 4 5 に付設された磁石 m 1によって、 P Z T 2 6 9 aに設けられた磁石
m 2に固定されている。 このように、 磁石 m l、 m 2によって光フ アイバ 2 4 5を固定しているため、 光ファイバ 2 4 5の交換が容易 となる。
このような状態で、 レーザ光源 2 7 0で発生したレーザ光 2 5 8 をミ ラ一 2 7 1 によつて反射させ、 シャツタ 2 7 2を介してプリズ ム 2 5 7に入射すると、 上述したようにプリズム 2 5 7の表面に、 エバネッセン 卜光の場 2 5 9が形成され、 感光体層 8 8の先端に露 光部 8 8 aが形成される。
次に、 露出部形成工程では、 上述の露光工程で露光された感光体 層 8 8の露光部 8 8 aを除去して、 図 6 6に示すように、 感光体層 8 8の先端に露出部 8 9を形成する。 すなわち、 感光体層 8 8を形 成するフォ トレジス 卜は、 有機系アル力リ溶液等からなる現像液に より現像すると露光部 8 8 aが除去され、 図 6 7に示すように、 感 光体層 8 8の先端から遮光性の被覆層 6 6が露出した露出部 8 9が 形成される。
なお、 この図 6 7は、 上述の第 1エッチング工程において、 フッ 化ァンモニゥム水溶液とフッ酸と水の比率を 1 . 7 : 1 : 1 とした 緩衝フッ酸液をエツチング液として 7 8分程度ェッチングした後、 フッ化アンモニゥム水溶液とフッ酸と水の比率を 1 0 : 1 : 1 とし 'た緩衝フッ酸液をエッチング液として 1 2 0分程度エッチングし、
2 0 0 n m程度の厚さに金をコーティ ングし、 フォ ト レジス ト層を 形成した後、 プリズム 2 5 7に入射するレーザ光のパワーを 0 . 2
5 m Wとし、 0 . 1 2 5秒の露光を行った後、 3 0秒の現像を行つ た場合の形状を示している。
次に、 開口工程では、 上述の露出部形成工程において露出部 8 9
が形成された光ファイバ 2 4 5をエッチングして、 突出部 6 5の先 端が遮光性の被覆層 6 6から露出した開口部 8 7を形成する。 具体 的には、 ヨウ化力リウム K I— I 2 水溶液あるいはシアン化力リゥ ム水溶液等をエッチング液として遮光性の被覆層 6 6を形成する金 をエッチングする。 感光体層 8 8を構成するフォ 卜レジス トは、 K I - I 2 水溶液に対して耐腐食性があり、 遮光性の被覆層 6 6を構 成する金は、 K I一 I 2 水溶液に溶けるため、 このようなエツチン グを行うことにより、 上記露出部 8 9から露出した遮光性の被覆層 6 6が選択的にエッチングされ、 突出部 6 5の先端が遮光性の被覆 層 6 6から露出した開口部 8 7が形成される。
なお、 この開口工程で使用することができるエッチング液は、 上 記第 2 3実施例の開口工程と同様に、 遮光性の被覆層 6 6をエッチ ングすることができ、 感光体層 8 8をエッチングしないものであれ ば、 例えば王水、 ヨウ素あるいは臭素等のハロゲン溶液等を使用し てもよく、 あるいは、 プラズマエッチング等のドライエッチングを 使用しても、 開口工程において露出部 8 9から露出した遮光性の被 覆層 6 6を選択的にエッチングして開口部 8 7を形成することがで さる。
最後に、 感光体層除去工程において、 光ファイバ 2 4 5の表面の 感光体層 8 8を除去すると、 上述の図 1 4に示す構造の光ファイバ 8 0が形成される。 この光ファイバ 8 0の開口部 8 7の直径は、 光 ファイバ 8 0の先端の顕微鏡写真を図 1 5に示すように、 5 0 n m 程度となっている。
なお、 上記図 1 4に示す光フアイバ 8 0は、 コア 1 2中に添加し た G e 0 2 に密度分布を持たせた光ファイバを使用し、 突出部 8 5
の先鋭角が 2 0度で、 金を 2 0 0 n m程度コーティ ングした光ファ イノく 2 4 5を、 K I と 】 2 と水の重量比が、 2 0 : 1 : 4 0 0の比 率となっている K I一 1 2 水溶液を水で 5 0倍程度に薄めた水溶液 をエッチング液として、 1 0分程度エッチングしたものである。 ま た、 この感光体層除去工程の処理を行わず、 遮光性の被覆層 6 6の 表面に感光体層 8 8を残したままとしてもよい。
この第 3 0実施例の光ファイバの製造方法では、 露光工程におい て、 エバネッセント光を用いて感光体層 8 8の先端のみを露光して いるため、 従来の通常の光を用いて露光を行った場合に比して微小 な領域のみを露光させることができる。 また、 この光ファイバの製 造方法では、 露出部形成工程において、 露光された感光体を除去し て露出部 8 9を形成した後、 開口工程において、 突出部 6 5の遮光 性の被覆層 6 6をエッチングするだけで、 露出部 8 9から露出した 遮光性の被覆層 6 6を選択的にエツチングすることができ、 容易に 微小な開口部 8 7を形成することができる。 このため、 光ファイバ の製造が容易となり、 製造コス トを低減させることができる。
ところで、 上述の第 2 8実施例による開口部の形成では、 合成樹 脂を溶かした溶剤の表面張力により露出した突出部 6 5の先端の遮 光性の被覆層 6 6をエッチングして開口部 6 8を形成しているため に、 適用対象が突出部 6 5の基端に径小部 6 4を有する形状の光フ アイバに限定される。 これに対し、 この第 3 0実施例では、 エバネ ッセント光によって露光された感光体層 8 8の露光部 8 8 aを除去 して形成された露出部 8 9から露出した遮光性の被覆層 6 6をエツ チングして開口部 8 7を形成しているため、 上述の図 5 3 ( C ) に 示す形状の光フアイバ 2 4 5だけでなく、 上記図 3 8 ( E ) に示す
ようなクラッ ドの外周からコア 1 2の中心にかけて先鋭化した先鋭 部 1 4を有する形状の光フアイバの先端にも開口部を形成すること ができる。
また、 本発明の第 3 1実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上述の第 2 9あるいは第 3 0実施例と同様な第 1及び第 2ェ ツチング工程と、 コーティ ング工程と、 感光体層形成工程と、 露光 工程と、 露出部形成工程と、 開口工程の処理を行って、 図 1 4に示 す光ファイバの表面に耐腐食性の被覆層 6 7あるいは感光体層 8 8 が残存した状態の光ファイバを形成する。
次に、 ピッ ト形成工程において、 図 6 8に示すように、 開口工程 までで形成された開口部 8 7から露出した突出部 6 5を緩衝フッ酸 液によりエッチングする。 このとき、 遮光性の被覆層 6 6を形成す る金は、 緩衝フッ酸液によってエッチングされず、 開口部 8 7から 露出した突出部の先端 5 5 aが選択的にエツチングされ、 図 6 9に 示すように、 突出部 6 5の先端が遮光性の被覆層 6 6の先端に対し て陥没したピッ ト 9 3が形成され、 ピッ 卜 9 3の先端に開口部 9 1 が形成される。
なお、 このピッ ト形成工程においては、 必ずしも感光体層 8 8を 残しておく必要はないが、 上記コーティ ング工程によって形成され た遮光性の被覆層 6 6にクラック等があると、 このクラック等から エッチング液が浸透して、 先鋭部 5 5をエッチングする虞があるた め、 上述のように感光体層 8 8を除去せずピッ ト形成工程のェッチ ングを行っている。
次に、 上述のピッ 卜形成工程において形成したピッ ト 9 3に色素 あるいは試薬等の周囲の環境に応じて光学特性が変化する物質を付
着させる。 具体的には、 色素等を含ませた溶剤等に光ファイバの先 端を浸し、 ピッ ト 9 3に溶剤を付着させた後、 感光体層 8 8の表面 の溶剤を除去する。 これにより、 図 7 0に示すように、 ピッ ト 9 3 中に色素等の物質 9 2が付着され、 この後、 遮光性の被覆層 6 6の 表面の感光体層 8 8を除去すると、 上述の図 1 6に示す形状の光フ アイバ 9 0が形成される。
あるいは、 遮光性の被覆層 6 6の表面の感光体層 8 8を除去した 後にピッ 卜 9 3に色素あるいは色素を混合した溶剤等の物質を付着 させても、 同様にピッ 卜 9 3中に色素等の物質 9 2を付着させた光 ファイバ 9 0を形成することができる。
これにより、 この光ファイバの製造方法では、 遮光性の被覆層 6 6から突出部 6 5のコアが陥没したピッ ト 9 3に、 周囲の環境を検 出するための物質を付着させることができ、 色素等の周囲の環境を 検出する物質の剥離強度を向上させ、 耐久性を向上させた光フアイ バを容易に製造することができる。
また、 上述したように光ファイノく 9 0の開口部 9 1の径が 5 0 η mとなっているため、 この光ファイバの製造方法では、 空間解像度 を向上させた光ファイバを容易に製造することができる。
また、 本発明の第 3 2実施例に係る光ファイバの製造方法では、 酸化ゲルマニウム G e 0 2 を添加した石英 S i 0 2 からなるコア 1 2 と、 石英 S i 0 2 からなるクラッ ド 1 3から構成される光フアイ バ 1 1を加熱した状態で引き伸ばしてコア 1 2とクラッ ド 1 3が共 に先細り状とされた先鋭部を形成する先鋭部形成工程と、 外先鋭部 をエッチングして先鋭部の先端から突出したコア 1 2が先鋭化され た突出部を形成するエッチング工程とからなる。
まず、 先鋭部形成工程では、 マイクロピぺッ トブラーを用い、 図 7 1 ( A ) に示すように、 光ファイバ 1 1 を加熱しながら引き伸ば して、 コア 1 2及びクラッ ド 1 3の径を減少させる。 そレて、 コア 1 2及びクラッ ド 1 3が所望の径となるまで、 光ファイバ 1 1を引 き延ばして切断すると、 図 7 1 ( B ) に示すように、 光ファイノく 1 1 の一端に、 コア 1 2 とクラッ ド 1 3が共に先細り状とされた先鋭 部 1 0 4が形成される。
次に、 エッチング工程において、 フッ化アンモニゥ厶水溶液とフ ッ酸と水の体積比が X : 1 : Y ( Y =任意) で、 フッ化アンモニゥ ム水溶液の体積比 Xが 1 0程度であるエツチング液を用いて先銳部 1 0 4をエッチングする。
このようなエッチング液で、 上述のような組成の光ファイバ 1 1 を、 エッチングすると、 上述の第 2 8実施例と同様に、 コア 1 2の エッチング速度に対して、 クラッ ド 1 3のエッチング速度が速いた めに、 先鋭部 1 0 4の先端のコア 1 3が先にエツチングされ、 上述 の図 1 7に示すように、 先鋭部 1 0 4の先端のクラッ ド 1 3からコ 了 1 2が突出し、 該突出したコア 1 2が円錐状に先鋭化された突出 部 1 0 5が形成される。
また、 この光ファイバ 1 1は、 上述の第 2 3実施例と同様に、 コ ' ァ 1 2の中心部の酸化ゲルマニウムの密度が高くなっているため、 突出部 1 0 5は、 酸化ゲルマニウム G e 0 2 の分布に依存して先鋭 化され、 対称性のよい円錐形状となる。
これにより、 この光ファイバの製造方法では、 コア 1 2 とクラッ ド 1 3が共に先細り状とされた先鋭部 1 0 4の先端に、 容易にクラ ッ ド 1 3の先端から円錐状に先鋭化したコア 1 2が突出した突出部
1 0 5を形成することができる。
また、 本発明の第 3 3実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上第 3 2実施例の先鋭部形成工程と同様の処理を行って、 上 記図 7 1 ( B ) に示すように光ファイバ 1 1の一端に先鋭部 1 0 4 を形成する。
次に、 このように形成された先鋭部 1 0 4の先端をフッ酸により エッチングする。 このようなフッ酸中では、 コア 1 2のエッチング 速度がクラッ ド 1 3に対して速いため、 図 7 2に示すように、 コア 1 2が先にエッチングされて凹部 1 0 6が形成される。
次に、 上述の第 3 2実施例と同様なエッチング工程により先鋭部 1 0 4をエッチングする。 そして、 第 3 2実施例のエッチング時間 に対してやや長い時間エッチングを行うと、 上述の第 3 2実施例と 同様に、 先鋭部 1 0 4の先端のクラッ ド 1 3からコア 1 2が突出し、 該突出したコア 1 2が円錐状に先鋭化された突出部 1 0 5が形成さ れる。
また、 本発明の第 3 4実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上記第 3 2実施例あるいは第 3 3実施例と同様の処理を行つ て、 上記図 1 7に示す形状の光ファイバ 1 0 0を形成する。
次に、 このように形成された光ファイノ 1 0 0の突出部 1 0 5の 表面に上述の第 2 9あるいは第 3 0実施例と同様にコーティ ングを 行って遮光性の被覆層 1 1 6を形成し、 さらに、 第 2 9あるいは第 3 0実施例と同様に開口工程の処理を行って、 突出部 1 0 5の先端 が遮光性の被覆層 1 1 6から露出した開口部 1 1 7を形成する。 こ れにより、 上記図 1 8に示す形状の光フアイバ 1 1 0が形成される。
また、 本発明の第 3 5実施例に係る光ファイバの製造方法では、
まず、 上述の第 2 8実施例の第 1及び第 2エツチング工程と同様な エッチングを行って、 上記図 5 3 ( C ) に示すように、 光ファイバ 1 1の一端に径小部 6 4及び突出部 6 5を形成する。
次に、 このように突出部 6 5を形成した光ファイバを、 水の体積 比 Y ( Y : 3 0以上) とした上述の緩衝フッ酸液をエッチング液と してエッチングを行う。 具体的には、 上記第 2エッチング工程にお いて、 上記フッ化アンモニゥムの体積比 Xを 1 0とした緩衝フッ酸 液をエッチングとして 2 0分程度のエッチングを行って突出部 6 5 を形成した後、 フッ化アンモニゥムの体積比 Xを 1 0とし、 水の体 積比 Yを 3 0とした緩衝フッ酸液をエツチング液として 1 5分程度 のエッチングを行う。
このようなエッチング液によってエッチングを行うと、 コア 1 2 とクラッ ド 1 3のエッチング速度がほぼ同じであるために、 突出部 6 5が表面からエッチングされて細くなり、 エツチング時間の増加 と共に、 図 7 6に示すように、 突出部 6 5の長さ (チップ長) が 減少すると共に先鋭角 0が増大する。 そして、 図 7 3に示すように、 先端程先鋭角 0が小さい突出部 1 2 5が形成される。 この突出部 1 2 5のチップ長 L及び先端の先鋭角 0は、 例えば図 7 4に突出部 1 2 5の拡大図を示すように、 それぞれ 2 . 1 mと 2 8度程度とな 'つている。
ここで、 このようなエッチングを行ったときの突出部 1 2 5と、 上記第 2 8実施例の第 1及び第 2エッチング工程により形成した突 出部 6 5について、 チップ長 L及び先端の先鋭角 0との関係を求め ると、 図 7 7に示すように、 同じ先銳角 0のときの突出部 1 2 5の チップ長 Lが小さくなつている。 なお、 この図 7 7において黒丸の
点が突出部 1 2 5を表し、 四角の点が突出部 6 5を表している。 す なわち、 この光ファイバの製造方法では、 チップ長 Lを小さくする ことができる。
最後に、 このように形成した突出部 1 2 5の表面に上記第 2 9あ るいは第 3 0実施例と同様に遮光性の被覆層 1 2 6及び開口部 1 2 7を形成する。 これより、 上記図 2 1に示す形状の光ファイバ 1 2 0が形成される。
また、 上記第 2エッチング工程において、 上記フッ化アンモニゥ ムの体積比 Xを 1 0とした緩衝フッ酸液をエッチングとして 1 5分 程度のエツチングを行って突出部 6 5を形成した後、 フッ化アンモ 二ゥ厶の体積比 Xを 1 0とし、 水の体積比 Yを 5 0とした緩衝フッ 酸液をエッチング液として 1 5分程度のエッチングを行った場合の 突出部 1 2 5のチップ長 L及び先端の先鋭角 0は、 例えば図 7 5に 示すように、 それぞれ 1 . 5 2 z mと 3 6 . 5度程度となっている c この場合、 フッ化アンモニゥムの体積比 Xを 1 0とし、 水の体積比 Yを 5 0とした緩衝フッ酸液中のコア 1 2のエツチング速度がクラ ッ ドに対してやや速いため、 突出部 1 2 5の基端がクラッ ド 1 3の 先端に対して若干窪んだ形状となる。
また、 本発明の第 3 6実施例に係る光ファイバの製造方法では、 • コア 1 3 2のクラッ ド 1 3 3に対する比屈折率差 Δ nが 1 で、 屈 折率が徐々に変化するグレーデッ ドインデックス型の屈折率分布を 有するマルチモードフアイバからなる光フアイバ 1 3 1の一端をェ ツチングして、 図 7 8 ( Β ) に示すように、 クラッ ド 1 3 3の一端 から突出したコア 1 3 2が円錐状に先鋭化した突出部 1 3 4を形成 する。 このマルチモー ドの光フアイバは、 クラッ ド径 d。 が 2 5 0
/ m程度で、 コア 1 3 2径 が 5 0 m程度となっている。
具体的には、 フッ化ァンモニゥム水溶液とフッ酸と水の比率を 1
0 : 1 : 1 とした緩衝フッ酸液中で 1 7時間程度エッチングすると. 上記図 2 4に示すように、 先鋭角が 5 0 ° で、 先端の曲率半径が 5 n m程度の突出部 1 3 4が形成される。 また、 このようなエツチン グを行うためには、 上述のようにコア 1 3 2とクラッ ド 1 3 3の径 の比が 1 : 5以上である必要がある。
なお、 このエッチングに先立つてフッ化アンモニゥム水溶液とフ ッ酸と水の比率を 1 . 7 : 1 : 1 とした緩衝フッ酸液中でクラッ ド
1 3 3径を減少させて径小部を形成してもよい。
そして、 このような突出部 1 3 4の表面に上述の第 2 9あるいは 第 3 0実施例と同様にコーティ ングを行って遮光性の被覆層 1 3 5 を形成し、 さらに、 第 2 9あるいは第 3 0実施例と同様に開口工程 の処理を行って、 突出部 1 3 4の先端が遮光性の被覆層 1 3 5から 露出した開口部 1 3 6を形成する。 これにより、 マルチモー ドファ ィバを用いて上記図 2 2に示す形状の光ファイバ 1 3 0が形成され る o
ところで、 図 7 9に示すコア 1 2径及び屈折率分布が異なる 3種 類の光ファィバを用いて上述の第 2 8実施例の第 2エツチング工程 と同様のエッチングを行って、 各々 2 0個のサンプルを作成したと ころ、 図 8 0から図 8 2に示すように、 形成される突出部の先端の 直径の分布が異なることがわかった。
すなわち、 図 7 9 ( A ) に示すコア 1 2径が 4 mで、 コア 1 2 とクラッ ド 1 3の屈折率分布がステツプ (階段) インデックス型と なっている光ファイバを用いた場合では、 図 8 0に示すように、 突
出部の先端の直径が 1 0〜 2 5 n mを中心として分布している。 また、 図 7 9 ( B ) に示すコア 1 2径が 8〜 9 mで、 コア 1 2 とクラッ ド 1 3の屈折率分布がステツブインデックス型となつてい る光フアイバを用いた場合では、 図 8 1 に示すように、 突出部の先 端の直径が 1 0〜 1 5 n mを中心として分布しているが、 上記図 8 1 に示す場合よりばらつきが大きい。
これに対し、 図 7 9 ( C ) に示すコア 1 2径が 1 4 /z mで、 コア 1 2とクラッ ド 1 3の屈折率分布がステップ状となっており、 コア 1 2の中心部の 4 mの範囲で屈折率分布がグレーデッ ドインデッ クス型となっている光フアイバを用いた場合では、 図 8 2に示すよ うに、 突出部の先端の直径が 5 n m程度を中心として分布しており、 上記図 8 0、 図 8 1に対してばらつきが小さい。
これらの結果から、 コア 1 2径が小さい程、 突出部の先端の直径 のばらつきが小さくなり、 比屈折率差の分布がグレーデッ ドィンデ ックス型である方が突出部の先端の直径が小さくなり、 ばらつきも 小さくなることがわかる。
また、 本発明の第 3 7実施例に係る光ファイバの製造方法は、 光 ファイバ、 1 1のコア 1 2中の添加物質 (ドーパント) を徐々にクラ ッ ド 1 3中に拡散させ、 等価的にコア 1 2径を増加させた、 コア径 '増加部 1 4 4を形成する拡散工程と、 該コア径増加部 1 4 4を形成 した光ファイノく、 1 1の一端をエッチングしてコア 1 2がクラッ ド 1 3から突出した突出部を形成するエッチング工程等からなる。
まず、 拡散工程において、 図 8 3 ( A ) に示すように、 光フアイ ノく 1 1を回転させながらその一部を加熱する。 これにより、 コア 1 2中に添加されている ド一パン卜がクラッ ド 1 3中に拡散され、 等
価的にコア 1 2径が増加したコア径増加部 1 4 4が形成される。 こ のコア径増加部 1 4 4では、 コア 1 2の中心から周辺に向かって ド 一パン 卜の密度が徐々に低下している。 また、 光フアイバ 1 1を回 転させながら加熱する代わりに、 光ファイバ 1 1の一端を発熱体に 接触させて光ファイバの長手方向に加熱すると、 コア径増加部 1 4 4の径をさらに増加させることができる。
次に、 このように形成されたコア径増加部 1 4 4のコア径 1 2が 最大となる位置で光ファイバを切断し、 図 8 3 ( B ) に示す端部 1 4 8を形成する。 そして、 この端部 1 4 8を、 例えばフッ化アンモ ニゥム水溶液とフッ酸と水の比率を 1 0 : 1 : 1 とした緩衝フッ酸 液中でエッチングする。 このような緩衝フッ酸液中では、 クラッ ド 1 3のエツチング速度がコア 1 2より速いため、 クラッ ド 1 3が先 にエッチングされてコア径増加部 1 4 4のコア 1 2がクラッ ド 1 3 から突出する。 クラッ ド 1 3から突出したコア 1 2は、 側面からも エッチングされ、 図 8 4に示すように、 コア 1 2の先端が円錐状に 先鋭化されて突出部 1 4 5が形成される。
また、 このコア径増加部 1 4 4では、 コア 1 2の中心から周辺に 向かってドーパン卜の密度が徐々に低下しているため、 突出したコ ァ 1 2の中心から周辺に向かってエッチング速度が若干速くなるた 'め、 突出部 1 4 5の先端の曲率半径が小さくなる。
このように形成された突出部 1 4 5の表面に上述の第 2 9あるい は第 3 0実施例と同様にコーティ ングを行って遮光性の被覆層 1 4 6を形成し、 さらに、 第 2 9あるいは第 3 0実施例と同様に開口ェ 程の処理を行って、 突出部 1 4 5の先端が遮光性の被覆層 1 4 6か ら露出した開口部 1 4 7を形成することにより、 上記図 2 7に示す
形状の光ファイバ 1 4 0が形成される。
また、 本発明の第 3 8実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上述の第 2 8実施例の第 1及び第 2エッチング工程と同様な 処理を行って、 上記図 5 3 ( C ) コア 1 2を径小とした径小部 6 4 と、 突出部 6 5 とを形成した形状の光フアイバ 2 4 5を形成する。 次に、 第 2 8実施例の第 2コーティ ング工程と同様なコーティ ン グを行って突出部 6 5の表面に樹脂等の疎水性の被覆層を形成する と共に、 突出部 6 5の先端のコア 1 2が疎水性の被覆層から露出し た開口部を形成する。
次に、 このように形成した光ファイバ 2 4 5の突出部 6 5を、 石 英 S i 0 2 を過剰に溶解させて飽和状態となっている H 2 S i F 6溶 液中に浸漬する。 このような H 2 S i F 6溶液中の石英 S i 0 2 は、 石英等の親水性の物質表面に析出しゃすく、 樹脂等の疎水性の物質 表面に析出しにくい。 このため、 疎水性の被覆層が形成された突出 部 5 5の表面には石英 S i 0 2 が析出せず、 露出した開口部のコア 1 2の表面には石英 S i 0 2 が析出して石英の被覆層が形成される c ここで、 上述の H 2 S i F 6溶液中に予め色素を混合しておく こと により、 突出部 1 5 5の先端が被覆層 1 5 6から露出した開口部の 表面に、 色素を添加した石英等の被覆層 1 5 7が形成され、 上記図 2 8及び図 2 9に示す構造の光ファイバ 1 5 0が形成される。 この ように色素を添加した石英等の被覆層 1 5 7を形成することにより、 色素の剥離強度を向上させ、 耐久性のよい光フアイバを製造するこ とができる。
なお、 上述の H 2 S i F 6溶液中に色素の代わりに p H等の周囲の 環境に応じて光学特性が変化する物質を混合しておく ことにより、
これらの物質を含む被覆層 1 5 7を形成することができる。
また、 本発明の第 3 9実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上述の第 2 8実施例の第 1及び第 2エッチング工程、 第 1及 び第 2 コ一ティ ング工程、 開口工程と同様な処理を行って、 上述の 図 1 2に示す形状の光ファイバ 6 0を形成する。
次に、 このような光ファイバ 6 0を、 上述の第 3 8実施例と同様 に、 色素等を混合した H 2 S i F 6溶液中に浸漬する。 これにより、 開口部 6 8から露出したコア 1 2の表面に H 2 S i F 6溶液中の石英 S i 0 2 が析出し、 上記図 3 0に示すように、 色素等を添加した石 英等の被覆層 1 6 8が形成された光ファイバ 1 6 0が形成される。
また、 本発明の第 4 0実施例に係る光ファイバの製造方法では、 屈折率の異なる 2種類のコア 1 7 2、 1 7 3 とクラッ ド 1 7 4を有 するダブルコアの光フアイバ 1 7 1をエッチングして、 上述の図 3 1 に示す光フアイバ 1 7 0を形成する。
上記光フアイバ 1 7 1 は、 クラッ ド 1 7 4が純石英からなり、 コ ァ 1 7 2、 1 7 3が酸化ゲルマニウムを添加した石英からなる。 コ ァ 1 7 2、 1 7 3の酸化ゲルマニウムの添加率は、 それぞれ 0 . 9 モル? 、 0 . 2モル%となっており、 内側のコア 1 7 2の方が酸化 ゲルマニウムの添加率が高くなつている。
' そして、 このような光ファイバ 1 7 1をフッ化アンモニゥム水溶 液とフッ酸と水の比率を 1 0 : 1 : 1 とした緩衝フッ酸液中で 1 0 時間程度エッチングする。 このような緩衝フッ酸液中では、 クラッ ド 1 7 4のエッチング速度がコア 1 7 3より速いため、 図 8 5に示 すように、 クラッ ド 1 7 4が先にエッチングされてコア 1 7 3がク ラッ ド 1 7 4から徐々に露出し、 露出したコア 1 7 3が側面からも
エッチングされて先鋭化されて先細り部 1 7 6が形成される。
また、 このような緩衝フッ酸液中では、 コア 1 7 3のエッチング 速度がコア 1 7 2より速いため、 上記先細り部 1 7 6の先端におい てコア 1 7 3が先にエッチングされてコア 1 7 2がコア 1 7 3から 徐々に露出し、 露出したコア 1 7 2が側面からもエツチングされて 先鋭化されて突出部 1 7 7が形成される。
フッ化アンモニゥムの比率 Xを 1 0とした緩衝フッ酸液でェッチ ングを行った場合、 上述の緩衝フッ酸液中のコア 1 7 2、 1 7 3と クラッ ド 1 7 4のエツチング速度をそれぞれ R , 、 R 2 、 R 3 とす ると、 上記先細り部 1 7 6の先鋭角 03 は、 上述の第 2 3実施例の 第 4エツチング工程と同様に、 コア 1 7 3 とクラッ ド 1 7 4のエツ チング速度の比に応じて決まり、
s i n ( Θ 3 / 2 ) = R2ZR3 (但し、 R2 : コア 1 7 3のエツ チング速度、 R 3 : クラッ ドのエツチング速度) なる関係を有して いる。 また、 上記突出部 1 7 7の先鋭角 Θ! は、 上述の第 2 3実施 例の第 4エッチング工程と同様に、 コア 1 7 2とコア 1 7 3のエツ チング速度の比に応じて決まり、
s i n ( Θ! / 2 ) = R i/R 2 (但し、 R ! : コア: 1 7 2のエツ チング速度) なる関係を有している。
' ここで、 上述の説明では、 緩衝フッ酸液中のフッ化アンモニゥ厶 の比率 Xを 1 0 としたが、 比率 Xが 1. 7のときに、 コア 1 7 2、 1 7 3のエッチング速度 R , 、 R 2 とクラッ ド 1 7 4のエッチング 速度 R3 が等しくなるために、 フッ化アンモニゥムの比率 Xが 1. 7の緩衝フッ酸液を用いてエッチングを行うことにより、 クラッ ド 1 7 4の径を制御することができる。 そして、 さらにフッ化ァンモ
二ゥ厶の比率 Xが 1 . 7より大きい緩衝フッ酸液を用いることによ つて突出部 1 7 7を形成することができる。
また、 上記エッチング速度 、 R 2 、 R 3 は、 石英中に添加し た酸化ゲルマニウムの比率に応じて変化する。 また、 この酸化ゲル マニウムの比率に応じて屈折率が変化するため、 上記 s i η ( θ 3 ノ 2 ) 、 s i η ( 0 , Ζ 2 ) は、 上記図 4 1に示すように、 それぞ れコア 1 7 3 とクラッ ド 1 7 4 との間の比屈折率差 Δ η 2 とコア 1 7 2とコア 1 7 3との間の比屈折率差△ η , に依存して変化する。 したがって、 この光ファイバの製造方法では、 上述のようなダブ ルコアの光ファイバ 1 7 1を用いることにより、 クラッ ド 1 7 4及 びコア 1 7 2、 1 7 3のエツチング速度の違いに基づいて、 光ファ ィバ 1 7 1の先端を先鋭化することができ、 1回乃至 2回のエッチ ングにより上記図 3 1 に示す光ファイバ 1 7 0を形成することがで きるため、 光ファイバの製造を容易にすることができる。
また、 この光ファイバの製造方法では、 コア 1 7 2、 1 7 3に添 加する酸化ゲルマニウムの比率を調整しておく ことによって、 上記 先細り部 1 7 6の先鋭角 Θ a と突出部 1 Ί 7の先鋭角 Θ . を制御す ることができる。
上述の第 2 3実施例では、 第 1エツチング工程において、 フッ酸 'とシリコンオイル等の界面において、 メニスカスの高さが光ファィ バの径に応じて減少する現象を利用して上記図 3 8 ( Β ) に示すテ —パー部 2 2 1を形成しているが、 外部からの振動等によって界面 の状態が影響を受け易く、 エッチングの安定性及びテーパー部 2 2 1の先鋭角 0 2 の再現性の面でやや問題がある。
これに対し、 この光ファイバの製造方法では、 クラッ ド 1 7 4と
コア 1 7 3のエッチング速度の比に応じて上記先細り部 1 7 6の先 鋭角 3 が決まるため、 エッチングの安定性及び先鋭角 S 3 の安定 性を向上させることができる。
また、 本発明の第 4 1実施例に係る光ファイバの製造方法では、 酸化ゲルマニウムを添加した石英からなるコアと、 該コアを覆う石 英からなるクラッ ドと、 該クラッ ドを覆うフッ素あるいはホウ素を 添加したクラッ ドとからなるダブルクラッ ドの光ファイバをエッチ ングして、 上述の第 4 0実施例と同様に、 上記図 3 1 に示す形状の
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7
光フアイバを製造する。
ところで、 このようにクラッ ドにフッ素あるいはホウ素を添加し、 中心のコアに酸化ゲルマニウムを添加したダブルクラッ ドの光ファ ィバを、 上述のフッ化アンモニゥムの比率 Xを 0とした緩衝フッ酸 液でエッチングした場合には、 コア 1 7 2のエッチング速度がコア 1 7 3より速くなるため、 図 8 6 ( A ) に示すように、 コア 1 7 2 の先端が先細り部 1 7 6の先端のコア 1 7 3に対して窪んだ凹部 1 7 9が形成される。
また、 このような光ファイバを、 フッ化アンモニゥムの比率 Xを 1 . 7とした緩衝フッ酸液でエッチングした場合には、 コア 1 7 2 とコア 1 7 3のエツチング速度がほぼ等しくなるため、 図 8 6 ( B ) 'に示すように、 上記先細り部 1 7 6の先端にコア 1 7 2とコア 1 7 3の先端を面一とすることができる。
また、 このような光ファイバを、 フッ化アンモニゥムの比率 Xを 1 0とした緩衝フッ酸液でエツチングした場合には、 コア 1 7 3の ェッチング速度がコア 1 7 2より速くなるため、 図 8 6 ( C ) に示 すように、 先細り部 1 7 6の先端のコア 1 7 2が先鋭化された突出
部 1 7 7が形成される。
このため、 この光ファイバの製造方法では、 まず、 第 1エツチン グ工程において、 光ファイバの一端に上記図 8 6 ( B ) (こ示すテ一 パ一部と平坦部を形成する。 具体的には、 例えば図 8 7に示すよう に、 光ファイバ 2 5 1 の一端 2 5 0を、 フッ化アンモニゥムの比率 Xを 1 . 7 とした緩衝フッ酸液でエッチングする。
このような緩衝フッ酸液中では、 フッ素あるいはホウ素を添加し た最外周のクラッ ド 2 5 4のエツチング速度が、 石英のクラッ ド 2 5 3及び酸化ゲルマニウムを添加したコア 2 5 2に対して速いため に、 エツチングが進行するにしたがってクラッ ド 2 5 4からクラッ ド 2 5 3が突出する。 この突出したクラッ ド 2 5 2は、 側面からも エッチングされるため、 上記図 8 7中に破線で示すように先鋭化さ れる。 このときの先鋭角 0 3 は、 上述の第 4 0実施例と同様に、 ク ラッ ド 2 5 4 とクラッ ド 2 5 3のエツチング速度の比に応じて決ま る。
これにより、 図 8 8に示すようにクラッ ド 2 5 3の先端が先鋭化 されて先細り部 2 5 5が形成され、 該先細り部 2 5 5の先端のクラ ッ ド 2 5 3 とコア 2 5 2が面一となつた平坦部 2 5 6が形成される c ここで、 この第 1エツチング工程でのェッチング時間が長くなる 'と、 平坦部 2 5 6がさらにエッチングされて先鋭化されてしまうが、 続く第 2エッチング工程のエッチングを行うためには、 クラッ ド 2 5 4が完全にエッチングする必要がある。 このため、 クラッ ド 2 5 4の径は、 この第 1ェッチングにおいて完全にエツチングされる程 度に小さ くすることが望ま しい。 すなわち、 クラッ ド 2 5 4のエツ チング速度 R 3 とし、 平坦部 2 5 6を残して、 先細り部 2 5 5を形
成するまでのエツチング時間を t , とすると、 クラッ ド 2 5 4の厚 さ(53 は、 (53 ≤ R 1 t , であればよい。
次に、 第 2エツチング工程において、 上述のように先钾り部 2 5 5及び平坦部 2 5 6が形成された光ファイバを上記フッ化アンモニ ゥムの比率 Xが 1. 7より大きい、 例えば 1 0である緩衝フッ酸液 中でェッチングする。
このような緩衝フッ酸液中では、 上記第 2 3実施例と同様に、 コ ァ 2 5 2のエツチング速度がクラッ ドより遅いため、 エッチングが 進行するにしたがってコア 2 5 2がクラッ ド 2 5 3から徐々に突出 する。 この突出したコア 2 5 2は、 側面からもエッチングされて先 鋭化され、 上記図 8 8中に破線で示すように、 上述の第 4 0実施例 と同様に、 先細り部 1 7 6に連接した突出部 1 7 7が形成される。 この突出部 1 7 7の先鋭角 Θ! は、 上述の第 4 0実施例と同様に、 コア 2 5 2と、 クラッ ド 2 5 3のエッチング速度に応じて決まる。 具体的には、 このようなダブルクラッ ドの光ファイバを、 フッ化ァ ンモニゥムとフッ酸と水の体積比が 1 0 : 1 : 1である上述の緩衝 フッ酸液によりエッチングを行った場合、 コア 2 5 2と、 コア 2 5 3のエツチング速度の比である s i n ( 0 , 2 ) は、 上記図 4 1 中に四角の点で示すように、 コアとクラッ ドの比屈折率差 Δ ηが 0. ' 2 %のときに、 0. 6 3程度で、 厶 1" カ、' 0. 7 %のときに 0. 8 7 程度となる。
この光ファイバの製造方法では、 上述の第 4 0実施例と同様に、 クラッ ド 2 5 4 とコア 2 5 3のエッチング速度の比に応じて上記先 細り部 1 7 6の先鋭角 03 が決まるため、 エッチングの安定性及び 先鋭角 03 の安定性を向上させることができる。
また、 本発明の第 4 2実施例に係る光ファイバの製造方法では、 上述の第 4 1実施例と同様のダブルクラッ ドの光ファイバをエッチ ングして先鋭化を行う。
まず、 第 1エッチング工程において、 上述の第 4 1実施例と同様 のダブルクラッ ドの光ファイバの一端を、 上述のフッ化アンモニゥ ムの比率 Xが 1 . 7より大きい、 例えば 1 0である緩衝フッ酸液を 用いてエッチングする。
このような緩衝フッ酸液中では、 クラッ ド 2 5 4のエツチング速 度に対してクラッ ド 2 5 3のエツチング速度が速く、 クラッ ド 2 5 3のエッチング速度に対してコア 2 5 2のエッチング速度が速い。 このため、 このような緩衝フッ酸液でェツチングを行う と、 図 8 9 に示すように、 クラッ ド 2 5 4からクラッ ド 2 5 3が徐々に突出し、 クラッ ド 2 5 4から露出したクラッ ドが側面からエッチングされて 先鋭角 Θ 3 で先鋭化された先細り部 2 5 5が形成され、 先細り部 2 5 5のクラッ ド 2 5 3の先端からコア 2 5 2が突出し、 突出したコ ァ 2 5 2が側面からエツチングされて先鋭角 Θ . で先鋭化された突 出部 2 5 7が形成される。
次に、 第 2エッチング工程において、 このような光ファイバをさ らにフッ化アンモニゥムの比率 Xが 1 . 7 より大きい緩衝フッ酸液 '中でエッチングすると、 図 9 0に示すように、 上述の第 4 1実施例 の第 2エツチング工程と異なり、 先鋭部 2 5 5の先端にコア 2 5 2 が突出した突出部 2 5 7を形成しているために、 突出部 2 5 7が側 面からエッチングされると共に、 先細り部 2 5 5から露出した突出 部 2 5 5の基端のコア 2 5 2が側面からエツチングされて、 先鋭角 Θ! の小さい突出部 1 7 7を形成することができる。
9 このようなエッチングを行う際に、 突出部 2 5 7の基端のコア 2 5 2が露出する見かけ上のクラッ ド 2 5 3のエツチング速度は、 先 鋭角 3 の先細り部 2 5 5を形成しているために、 実際のクラッ ド 2 5 3のエツチング速度 R 2 の 1 / { s i η ( θ; ) } 倍になる。 このため、 突出部 1 7 7の先鋭角 Θ、 は、 コア 2 5 2、 クラッ ド 2 5 3、 2 5 4のェッチング速度をそれぞれ R > 、 R 2 、 R 3 とす ると、
s i n ( θ I / 2 ) = s i n ( 03 / 2 ) x (R i /R2 )
= (R2 /R3 ) x (R i /R2 ) ― R ! R s となる。
なお、 このような形状の光ファイバは、 上述の第 4 0及び第 4 1 実施例のエッチング時間を延長しても形成することができる。 例え ば第 4 0実施例において、 フッ化アンモニゥムの比率 Xを 1 0程度 として 1 0時間程度のエツチングを行ってもよい。
また、 本発明の第 4 3実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上述の第 4 0実施例と同様なエッチングを行って上記図 3 1 に示す形状の光ファイバ 1 7 0を形成する。 あるいは、 上述の第 4 1あるいは第 4 2実施例と同様なエッチングによって、 このような 形状の光ファイバ 1 7 0を形成してもよい。
次に、 このように形成した光ファイバ 1 7 0の突出部 1 7 7の表 面に上述の第 2 9あるいは第 3 0実施例と同様にコーティ ングを行 つて遮光性の被覆層 1 8 6を形成し、 さらに、 第 2 9あるいは第 3 0実施例と同様に開口工程の処理を行って、 突出部 1 7 7の先端が 遮光性の被覆層 1 8 6から露出した開口部 1 8 9を形成する。 これ により、 上記図 3 2に示す形状の光フアイバ 1 8 0が形成される。
また、 本発明の第 4 4実施例に係る光フアイバの製造方法では、 まず、 第 1エッチング工程において、 図 9 1 ( A ) に示す光フアイ パ' 1 1の一端を、 フッ化アンモニゥム水溶液とフッ酸と水の比率を 1 . 8 : 1 : 1 とした緩衝フッ酸液中で 8 5分程度エッチングする, このような緩衝フッ酸液中では、 クラッ ド 1 3のエツチング速度が コア 1 2に対して若干速いため、 図 9 1 ( B ) に示すように、 クラ ッ ド 1 3から突出したコア 1 2が先鋭化された突出部 1 9 8が形成 される。
次に、 第 2エッチング工程において、 このように突出部 1 9 8が 形成された光ファイバを、 フッ化アンモニゥ厶水溶液とフッ酸と水 の比率を 1 0 : 1 : 1 とした緩衝フッ酸液中で 8 5分程度エツチン グする。 このような緩衝フッ酸液中では、 クラッ ド 1 3のエツチン グ速度がコア 1 2に対して比較的速いため、 図 9 2に示すように、 クラッ ド 1 3が先にエッチングされる。 このとき、 突出部 1 9 8の 形状を保ったまま、 クラッ ド 1 3から露出したコア 1 2が先鋭化さ れ、 図 9 1 ( C ) に示すように、 クラッ ド 1 3から突出したコア 1 2が先鋭化された突出部 1 9 4 と、 該突出部 1 9 4の先端の先鋭角 を大きく した検出端部 1 9 5が形成される。
次に、 このように形成した光ファイバの突出部 1 9 4の表面に上 '述の第 2 9あるいは第 3 0実施例と同様にコーティ ングを行って遮 光性の被覆層 1 9 6を形成し、 さらに、 第 2 9あるいは第 3 0実施 例と同様に開口工程の処理を行って、 検出端部 1 9 5の先端が遮光 性の被覆層 1 9 6から露出した開口部 1 9 7を形成する。 これによ り、 上記図 3 3に示す形状の光ファイバ 1 9 0が形成される。
ところで、 上述の第 2 8実施例の第 2コーティ ング工程及び開口
工程と同様な方法により、 検出端部 1 9 5の先端に開口部 1 9 7を 形成する場合、 検出端部 1 9 5の先鋭角が大きいため、 第 2コーテ ィ ング工程において、 耐腐食性の被覆層から遮光性の被 ¾層が露出 する露出部の径を制御することが難しいため、 開口部 1 9 7の径を 制御することは困難である。
このため、 まず、 第 2 8実施例の第 2コーティ ング工程及び開口 工程と同様な処理を行って、 上記図 3 4に示す第 1の被覆層 1 9 8 を形成する。 そして、 該第 1の被覆層 1 9 8.から露出した突出部 1 9 4及び検出端部 1 9 5の表面に、 上記第 2 3あるいは第 2 4実施 例のコ一ティ ング工程と同様に真空蒸着により第 2の遮光性の被覆 層 1 9 9を形成する。 最後に、 上記第 2 3あるいは第 2 4実施例の 開口工程と同様に第 2の遮光性の被覆層 1 9 9をエッチングして開 口部 1 9 7を形成する。
このように、 2層の遮光性の被覆層を形成することにより、 検出 光の波長程度以下の開口径を有する開口部 1 9 7を容易に形成する ことができる。
また、 本発明の第 4 5実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上述の第 2 8実施例の第 1及び第 2エッチング工程と同様な 処理を行って、 上記図 5 3 ( C ) コア 1 2を径小とした径小部 6 4 'と、 突出部 6 5 とを形成した形状の光ファイバ 2 4 5を形成する。
次に、 金属アルコキシ ドのアルコール溶液に水、 触媒を加えて形 成したゾル中に上記突出部 6 5の先端を浸漬させる。 このように、 突出部 6 5の先端をゾル中に浸漬させると、 突出部 6 5の表面に該 ゾルが付着してゾル層が形成される。 このようなゾル層を乾燥させ ると、 ゾルが固体のゲルとなり、 上記図 3 6に示すように、 ゲル層
からなる被覆層 2 0 7が形成される。 この被覆層 2 0 7は、 クラッ ド 1 3 と同様に機能するため、 突出部 6 5 と該被覆層 2 0 7の境界 での光の反射率を高くすることができ、 伝達効率を向上させること ができる。
なお、 上述のように形成したゲル層を加熱して非晶質の層として もよい。 また、 上述のようにゲル層を形成した後、 さらに突出部 6 5にゾルを付着させて、 ゲル層を積層して形成してもよい。
また、 本発明の第 4 6実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上述の第 2 8実施例の第 1及び第 2エッチング工程と同様な 処理を行って、 上記図 5 3 ( C ) コア 1 2を径小とした径小部 6 4 と、 突出部 6 5 とを形成した形状の光ファイバ 2 4 5を形成する。 次に、 このように形成した光ファイバ 2 4 5の突出部 6 5を、 上 述の第 3 8実施例と同様に、 石英 S i 0 2 を過剰に溶解させて飽和 状態となっている H 2 S i F 6溶液中に浸漬する。 このような溶液中 に、 突出部 6 5を浸潰すると、 突出部 6 5の表面に H 2 S i F 6溶液 中の石英 S i 0 2 が析出して、 図 9 3に示すように、 突出部 6 5の 表面に石英の被覆層 2 1 6が形成される。 そして、 このような石英 の被覆層 2 1 6の表面に金等の遮光性の素材をコーティ ングする。 これにより、 図 9 4に示すように、 石英の被覆層 2 1 6の表面に遮 光性の被覆層 2 1 7が形成される。
次に、 遮光性の被覆層 2 1 7を合成樹脂を溶かした溶剤中に浸漬 させ、 遮光性の被覆層 2 1 7の表面に付着した溶剤を蒸発させると、 図 9 5に示すように、 遮光性の被覆層 2 1 7の表面に耐腐食性の被 覆層 2 1 8が形成される。 遮光性の被覆層 2 1 マの先端は、 上記溶 剤の表面張力によって、 耐腐食性の被覆層 2 1 8から露出している。
そして、 該耐腐食性の被覆層 2 1 8から露出した遮光性の被覆層 2 1 7の先端部をエッチングした後、 耐腐食性の被覆層 2 1 8を除去 すると、 図 9 6に示すように、 石英の被覆層 2 1 6の先端が遮光性 の被覆層 2 1 7から露出した露出部 2 1 9が形成される。
最後に、 この露出部 2 1 9を、 フッ化アンモニゥム水溶液とフッ 酸と水からなる緩衝フッ酸液あるいは水酸化ナ卜 リゥム水溶液によ つてエツチングすることにより、 突出部 6 5の先端が石英の被覆層 2 1 6から露出した開口部 2 1 8が形成され、 上述の図 3 7に示す 形状の光ファイバ 2 1 0が形成される。 ' また、 本発明の第 4 7実施例に係る光ファイバの製造方法では、 まず、 上述の第 2 8実施例の第 1及び第 2エッチング工程と同様な 処理を行って、 上記図 5 3 ( C ) コア 1 2を径小とした径小部 6 4 と、 突出部 6 5 とを形成した形状の光ファイバ 2 4 5を形成する。 次に、 メ ツキを行い易くするために、 突出部 6 5の表面にパラジ ゥム等の触媒金属核を析出させて活性化処理を行う。 具体的には、 突出部 6 5を塩化スズ S u C 1 2 、 塩化パラジゥム P d C 1 2 、 塩 酸等の混合液に浸漬する。 これにより、 突出部 6 5の表面にパラジ ゥ厶が析出する。
あるいは、 活性化処理として、 まず、 突出部 6 5を塩化スズ S u C 】 2 の水溶液中に浸漬する。 これにより、 突出部 6 5の表面にス ズが吸着する。 次に、 このように表面にスズを析出させた突出部 6 5を塩化パラジゥム P d C 1 2 の水溶液中に浸漬する。 これにより、 突出部 6 5の表面のスズがパラジゥムに置換される。
そして、 上述のように活性化処理を行った突出部 6 5の表面に無 電界メ ツキによりニッケルの被覆層を形成すると、 突出部 6 5の先
端には、 二ッゲルの被覆層が形成されにく く、 図 9 7に示すように. 突出部 6 5の先端が二ッゲルの被覆層から露出した開口部 6 8が形 成される。
このように、 突出部 6 5の表面に活性化処理を施した後、 無電界 メ ツキを行うことにより、 容易に開口部 6 8を形成することができ o
なお、 ニッケルは比較的電気抵抗が高いため、 ニッケルの被覆層 の上に、 さらに金を無電界メ ッキして金の被覆層を形成することが できる。
また、 本発明の第 4 8実施例に係る光ファイバの製造方法では、 上述の第 2 3実施例の第 1から第 4エツチング工程と同様の処理を 行って、 上記図 3 8 ( E ) に示すように、 クラッ ド 1 3の外周から コア 1 2の中心にかけて円錐状に先鋭化した先鋭部 1 4を有する光 ファイバ 2 2 5を形成する。
次に、 上述の第 4 7実施例と同様の活性化処理及び無電界メ ツキ を施すことにより、 先鋭部 1 4の表面に遮光性の被覆層を形成する と共に、 該遮光性の被覆層の先端に開口部を容易に形成することが できる。 産業上の利用可能性 上述したように、 本発明の光ファイバは、 光ファイバの一端にク ラッ ドの該周からコアの中心にかけて先鋭化した先鋭部を有し、 先 鋭部の表面に遮光性の被覆層を有し、 先鋭部の先端が遮光性の被覆 層から露出した開口部を有する。 このような光ファイバでは、 先鋭
部の表面の遮光性の被覆層は、 開口部以外に照射される光を遮断す る遮光部として機能する。 これにより、 開口部からのみ光を入出力 することができ、 散乱光等の影響を低減させて検出効率を.向上させ ることができる。
このような光ファイバを、 例えばエバネッセント光を検出するフ ォ トン走査型顕微鏡において、 エバネッセン ト光を散乱させて検出 する光プローブとして使用し、 先鋭部の先端を物質表面に近接させ、 先鋭部の先端で、 物質表面のエバネッセン ト光を散乱させてコアに 導く ことにより、 検出効率よくエバネッセン ト光を検出することが できる。
また、 本発明の光ファイバは、 光ファイバの一端にクラッ ドの厚 さを小さく した径小部を有し、 この径小部の先端にコアを先鋭化し た先鋭部を有し、 先鋭部の表面に遮光性の被覆層を有し、 該遮光性 の被覆層から先鋭部の先端が露出すると共に、 遮光性の被覆層に対 して先鋭部の先端が陥没したピッ トを有する。 また、 このピッ トに '蛍光体あるいは試薬等の周囲の環境に応じて光学特性が変化する機 能性物質を付設している。 このような光ファイバでは、 ピッ ト中の 機能性物質が周囲の環境に反応して、 光学特性が変化する。 この光 学特性の変化は、 光フアイバの他端において検出することにより、 測定の空間解像度を向上させた検出を行うことができる。
また、 このような光ファイバでは、 遮光性の被覆層の先端より陥 没したピッ ト内部に機能性物質を付着されているため、 光ファイバ の先端が被測定物に衝突した場合等において、 色素が直接被測定物 に衝突せずに保護される。 このため、 光ファイバの耐久性を向上さ せることができる。