明 細 書
環 状 デ ブ シ ぺ プ チ ド
技術分野
本発明は、 高脂血症治療薬として利用可能な脂質分泌抑制活性、 アポ リポプロテイン B産生抑制活性を有する環状デプシペプチ ド、 その製造 法及び用途に関する。
背景技術
高脂血症治療薬に関しては、 すでにいくつかの化合物が実用化されて いる。 特に、 プラバスタチン、 ロバスタチンなどの HMG CoA還元酵素阻 害剤は顕著なコレステロール低下作用を有することが報告されており、 これらの薬剤の出現以後、 高コレステロール血症の治療が飛躍的に進歩 したと言える。 しかしながら、 これらの薬剤は血中トリグリセリ ドは低 下させない。
—方、 コレステロールと 卜リグリセリ ドの両方を低下させる薬剤とし てはクロフイブレート系薬剤とニコチン酸製剤が実用化されているが、 ニコチン酸では痒み、 熱感、 発疹などの副作用が高頻度に出現し、 クロ フイブレー ト系薬剤では胆石の易形成、 筋障害、 肝機能障害、 胃腸障害 などの副作用が問題となっている。 また、 投与量についてはニコチン酸 製剤であるナイァシンは 2〜3 gであり、 クロフイブラー トアルミニゥ ムは 1. 5 gとかなり多いこともまた問題となっている。
発明の開示
本発明の課題は、 高脂血症の治療、 予防を効果的に行うために血漿コ レステロールと トリグリセリ ドの両方を、 従来の薬剤よりも強力に低下 させる化合物の提供である。
血漿中のコレステロールと トリグリセリ ドの大部分は肝臓で合成、 分 泌されることから、 肝細胞でのコレステロールと トリグリセリ ドの両方 の分泌を抑制する物質は、 血漿コレステロールと トリグリセリ ドの両方
を低下させる高脂血症治療薬になることが期待される。 本発明者らは、 肝実質細胞のモデル細胞である Hep G2細胞を用い、 この細胞からコレス テロールと トリグリセリ ドの両方の分泌を抑制する化合物を微生物代謝 産物に求めて探索した結果、 ある種の細菌の培養液に活性成分を見い出 し、 このものが環状デブシペプチド構造を有する化合物であることを見 いだした。 そして培養液よりこれら環状デブシぺプチドを精製単離し、 新規化合物であることを明らかにし、 さらに研究を重ねた結果、 これら 環状デブシぺプチドが、 動脈硬化症の原因とされている超低密度リボタ ンパク質 (Very Low Dencity Lipoprotein; VLDL) の主要な構成タンパ ク質であるアポリポプロテイン Bの肝細胞等での産生を抑制し、 また肝 細胞でのアルブミ ン等他の蛋白質の合成を妨げずに選択的に脂質分泌を 抑制すること等を確認し、 本発明を完成するに至った。
本発明によれば、 次の構造式 ( I )
(式中 nは 5 ~ 15の整数を示す) で表される環状デプシペプチド、 およ びその薬理学的に許容されうる塩が提供される。 上記式中、 nが 6〜12 の整数である化合物が好ましく、 特に nが 7、 8、 9または 10である化 合物が好ましい。
本発明によればさらにバンラス属に属する上記新規な環状デブシぺプ チドを生産する菌を培養し、 その培養物から環状デブシぺプチドを採取
することを特徴とするこれら環状デブシぺプチ ドの製造法が提供され る。
さらに本発明によれば、 これら環状デプシペプチド、 またはその薬理 学的に許容しうる塩を含有してなる医薬組成物、 特に高脂血症治療薬、 脂質分泌抑制薬またはアポリポプロティン B産生抑制薬が提供される。 本発明の環状デブシぺプチドの製造に用いることができる微生物とし てはバンラス属に属しこの環状デブシぺプチドを生産する菌であればい ずれでもよい。 例えば北海道小樽市の土壌より分離されたバシラス ·ェ スピー · No. 4691株は使用しうる例として挙げられる。 No. 4691株の菌学 的性状は下記の通りである。
1 . 形態学的性質
グラム染色 陽性
大きさ 0. 7〜1. 2 x 1. 5~ 2. 5 m
形態
運動 なし
胞子及び芽胞 あり 楕円形または円柱状 中央 2 . 培養的性質
1 ) 代用肉汁寒天平板培地上での生育
コロニーの形態 周縁は不規則形 (R型) である力 全体としては円形である
色 乳白色から薄い茶褐色
光沢 鈍光で艷がない
拡散性色素 なし
2) 代用肉汁液体培地
菌体の沈殿 なし
中間部 濁りなし
表 E 菌膜ぁり
3) その他
30分間の煮沸 耐性
D H L寒天培地 発育せず
デソキシコレート寒天培地 発育せず
4) ゼラチン穿刺培養
ゼラチンの液化 なし
5) リ トマス · ミルクでの反応
凝固、 ペプトン化 あり pHはややアルカリ性. 生理学的性質
表 1に示す。 陽性を +、 陰性を一とする。
表 1 グラム染色性 4 〇一Fテスト ガス グルコース
碓酸塩の還元 対照 脱窒反 ft、 糖から酸及びガスの生成 ガス
Lーァラビノース
MRテスト D—キシロース
D—グルコース +
V Pテスト + D—マンノース +
D—フラク トース + ィンドールの生成 D—ガラク トース +
マルト一ス + 硫化水素の生成 シユークロース +
ラク トース
デンプンの加水分解 + トレ /、口一ス + —
D—ソルビトール
クェン酸の利用 + D—マンニトール + 一 イノシトール
無機窒素源 グリセリン + — 硝酸塩 デンプン + - アンモニゥム塩 + 対照
酸 + 色素の生成 塩化ナトリウムの耐性 (!〜 12% ウレァ一ゼ 溶血性 ォキシダーゼ + アルギニンの分解 + カタラーゼ + リジンの脱炭酸反応 生育の範两 オル二チンの脱炭酸反応
温度 最高,最低 I5~55°C
pll 最適 6. 0〜8. 0 マロン酸の利用 + 最高 ·最低 5. 0〜10. 0
エスクリンの分解 + 酸素に対する態度 好気性
- 0 -
4 . 化学分類学的性質
1) D N Aの塩基組成 (G C含量)
50〜51 %
2) 全菌体加水分解物中のジァミノ ピメ リン酸は meso型である。
以上述べた特徴、 特に形態観察及び化学分析の結果から、 本菌株はバ シラス属に属すると考えられた。 よって本菌株をバシラス ·エスピー . No. 4691 ( Bacillus sp. No. 4691) 株と命名した。 なお、 No. 4691株を通 産省工業技術院生命工業技術研究所に寄託申請し、 平成 6年 4月 20曰、 受託番号 FERM P— 14282号として受託された。 また、 後日国際寄託へ移 管申請し、 平成 7年 5月 15日、 受託番号 FEM BP— 5101号として国際寄 託された。
本発明の培養に用いられる培地は、 本発明の環状デブシぺプチドの生 産菌が利用できる任意の栄養源を含有するものであればよい。 例えば炭 素源として、 グリセリン、 グルコース、 マルトース、 シュクロース、 デ キストリン、 でんぷん、 油脂類などが使用できる。 窒素源として大豆粉、 肉エキス、 ペプトン、 乾燥酵母、 酵母エキス、 コーンスティープリカ一 などの有機物、 ならびに硝酸アンモニゥム、 塩化アンモニゥムなどの無 機塩が使用できる。 また、 必要に応じて食塩、 塩化カリウム、 炭酸カル シゥム、 リ ン酸塩、 重金属塩などの無機塩類も添加することができる。 発酵中の発泡を抑制するために、 常法に従って適当な消泡剤、 例えばシ リコーン、 大豆油などを適宜添加することもできる。 培養法としては静 置培養、 振とう培養あるいは通気撹拌培養などを用いることができる。 培養温度は 20~ 50°Cが適当であるが、 25~ 40°Cが好ましい。 この方法で の本発明の生理活性物質の生産量は振とう培養、 通気撹拌培養共に 2〜 4日間で最高に達する。
このようにして生産された本発明の環状デブシぺプチ ドは主として菌 体中に存在するので、 当該物質の採取においては、 培養物の遠心分離、
あるいはろ過によって得られた菌体から精製操作をおこなうことが望ま しい。 精製方法は微生物培養菌体から脂溶性物質を採取するのに通常用 いられる方法が適用される。 すなわち、 菌体にメタノール、 エタノール、 アセ トンなどの水混和有機溶媒を加え、 撹拌し抽出液を得る。 抽出液の 有機溶媒を留去してから酢酸ェチルのような水と混和しない有機溶媒で 抽出する。 抽出に用いられる有機溶媒としては、 酢酸ェチル、 酢酸プチ ルのようなエステル類、 クロ口ホルム、 塩化メチレンのようなハロゲン 化炭化水素類、 n—ブタノール、 i so—ブタノールのようなアルコール 類が挙げられる。
このようにして得られた抽出液を、 食塩水で洗い、 濃縮して得られる 粗粉末をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ一に付す。 展開溶媒とし ては、 例えばク口口ホルム一メタノール又はへキサン一酢酸ェチルなど の混合溶媒系が用いられ、 順次溶媒中メタノール又は酢酸ェチルなどの 極性溶媒の比率を増していく ことにより、 他の夾雑物と分離して溶出す ることができる。
このようにして溶出された本発明の環状デブシぺプチ ドを含む区分 は、 調製用薄層クロマトグラフィー又は高性能液体クロマトグラフィー ( H P L C ) などによりさらに精製され、 最終的に、 本発明の環状デブ シぺプチドが得られる。
また、 本発明の環状デプシペプチドは、 それ自体公知の方法で、 ナト リウム塩、 カリウム塩、 カルシウム塩等の金属塩、 アンモニゥム塩、 あ るいはトリニチルアミ ン塩等の有機ァミ ンとの塩など、 薬理学的に許容 されうる塩を形成させることができる。
本発明の環状デブシぺプチ ドまたはその薬理学的に許容し得る塩は種 々の投与形態の製剤とする事ができる。 すなわち、 この製剤は経口的に 錠剤、 糖衣錠、 硬質カプセル剤、 軟質カプセル剤、 顆粒剤、 散剤および 溶液、 ェマルジョ ンまたは懸濁液のような液剤の形態で投与することが
できる。 また、 非絰ロ投与の場合には注射液、 坐剤の形態で投与され る
これらの製剤の調製にあつたては製剤化のための慣用の添加剤、 例え ば賦形剤、 安定剤、 防腐剤、 溶解剤、 湿潤剤、 乳化剤、 滑沢剤、 甘味剤. 着色剤;》 香味剤、 張度調製剤、 緩衝剤、 酸化防止剤などを添加して製剤 化することができる。
添加剤としては、 例えばデンプン、 白糖、 果糖、 乳糖、 ブドウ糖、 マ ンニトール、 ソルビトール沈降性炭酸カルシウム、 結晶セルロース、 力 ルボキシメチルセルロース、 デキス ト リ ン、 ゼラチン、 アラビアゴム、 ステアリ ン酸マグネシウム、 タルク、 ヒ ドロキシプロピルメチルセル口 ース等が挙げられる。
本発明の化合物を液剤、 注射剤として用いるときは活性成分を慣用の 希釈剤中に溶解または懸濁して用いることができる。 希釈剤としては、 生理食塩水、 リ ンゲル液、 ブドウ糖水溶液、 アルコール類、 脂肪酸エス テル類、 グリコール類、 グリセリ ン脂肪酸グリセリ ド、 植物、 動物由来 の油源、 パラフィ ン類などが含まれる。
また、 これらの製剤は、 通常の方法で製造することができる。
そして通常の臨床投与量として、 成人一人一日当たり経口の場合 0. 5 〜5000 mgの範囲で用いられる。 さらに好ましくは 5〜500mgの範囲で用 いられる。
図面の簡単な説明
図 1 :本発明の環状デブシぺプチド (化合物 1 ) の紫外吸収スぺク 卜 ルを示す。 縦軸は吸光度を、 横軸は波長 (ηπι) を示す。
図 2 :本発明の環状デブシぺプチ ド (化合物 1 ) の赤外吸収スぺク ト ルを示す。 縦軸は透過率 (%) を、 横軸は波数(cnr 1 )を示す。
図 3 : 本発明の環状デブシペプチド (化合物 1 ) の ' Η核磁気共鳴ス ぺク トルを示す。 横铀は化学シフ ト (ppm; δ を示す。
実施例
実施例 1. 本発明の環状デプシペプチドの製造
可溶性デンプン 1.0%、 廃糖蜜 1.0%、 ポリペプトン 1.0%、 肉エキス 1.0%を含む液体培地.を 5.00ml容三角フラスコで 100mlずつ分注し、 常法 により 120°Cで 20分間滅菌し、 これに寒天斜面培地で培養したバシラス, エスピー · No.4691株を接種し、 28eCで 48時間回転振とう培養 (220回転 毎分) して種母培養液とした。 可溶性デンプン 2.5%、 大豆粉 1.5%、 乾 燥酵母 0.2%、 炭酸カルシウム 0.4%を含む液体培地 100mlに、 この種母 培養液 2mlを接種し、 28°Cで毎分 220回転で 3日間振とう培養させた。 この培養液 15リ ッ トルを遠心分離し、 菌体を得た。 菌体にメタノール 5 リッ トルを加え、 よく撹拌した後、 18時間静置した。 抽出液をろ過し、 得られたろ液は減圧下、 メタノールを留去した。 得られた水溶液に 2 N 塩酸を加え、 pHを 5に調整した。 水溶液を酢酸ェチル 1 リ ッ トルで 3回 抽出し、 これを飽和食塩水 500ralで 2回洗浄後、 無水硫酸ナトリウムを 加え、 乾燥させた。 酢酸ェチル抽出液は減圧濃縮乾固してから少量のク ロロホルムに溶解し、 シリ力ゲルをクロロホルムに懸濁して充填した力 ラム (200ml) にマウントした。 クロ口ホルム 300ml、 クロ口ホルム一メ 夕ノール(98 : 2) 、 クロ口ホルム一メタノール (95 : 5) 各 300mlの順 番でカラムを洗浄し、 不純物を除いた。 次に、 カラムをクロ口ホルム一 メタノール(80: 20) の溶媒系 300mlで活性区分を溶出させた。 活性区分 は減圧濃縮乾固してから、 調製用薄層クロマトグラフィー (担体、 シリ 力ゲルガラスプレート 60F254、 0.50mm. 独メルク社製) に付し、 クロ口 ホルム一メタノール (3 : 1) で展開した。 Rf=0.28を示す活性区分を かきとった後、 メタノールで溶出し、 溶出液を減圧濃縮乾固した。 これ を少量のメタノールに溶解し、 セフアデックス LH20(フアルマシア社製) を充填したカラム(1.6cm直径 X 60cm高さ) にマウントし、 メタノールで 溶出をおこない、 2.5mlずつ分取した。 フラクション 18から 20番までは
まとめて濃縮乾固して無色結晶を得た。 これを化合物 1 とする。
フラクション 15から 17番までは濃縮乾固後、 高性能液体クロマトグラ フィー [カラム ; Inertsil 0DS (内径 20mm,長さ 250mm、 GLサイエンス社 製)、 移動相 ; メタノール:水:酢酸アンモニゥム =95 : 5 : 0.1、 流速 15ml 分、 検知器 UV222nm] にかけ、 保持時間 15.20分のピークと保持 時間 18. 06分のピークを分取した。 それぞれを濃縮乾固し、 保持時間 15.20分の区分より化合物 2の白色粉末を、 保持時間 18.06分の区分より 化合物 3の白色粉末を得た。 フラクション 21から 23番までも同様に濃縮 乾固後、 高性能液体クロマトグラフィー (条件は上と同じ) にかけ、 保 持時間 25.02分のピークを分取した。 これを濃縮乾固し、 化合物 4の白 色粉末を得た。
このようにして得られた本発明の環状デブシぺプチドの物理化学的性 質は、 次に示す通りである。
化合物 1
形状 無色結晶
融点 155〜: L57°C
質量分析 (FABMS) m/ z 1057 (M + Na)
分子式 C 53H 94N 8W 12
紫外吸収スぺク トル (MeOH) :末端吸収 (図 1参照)
赤外吸収スぺク トル (KBr錠法による) :
3290, 2958, 2928, 2870, 1750, 1658, 1528, 1468, 1387, 1370, 1260, 1199, 1025, 796 (cm"1. 図 2参照)
核磁気共鳴スぺク トル
(400MHz, ρρπ, 多重度, Methyl- d3 alcohol中) :
0.79 (6H. d), 0.80 (3H, t), 0.81 (3H, d), 0.82 (3H, d). 0.83 (6H, d), 0.86 (6H, d), 0.87 (3H, d), 0.88 (6H, d), 1.10 (2H, m), 1.20 (16H, m), 1.45 (1H, m), 1.50 (6H, m), 1.54 (2H, m),
I.57 (1H, m), 1.58 (1H, m), 1.63 (1H, m), 1.85 C2H, m), 1.95 (1H, n , 2.12 (1H, m), 2.18 (2H, d-d), 2.35 (1H, d-d), 2.52 (1H, d-d), 2.75 (2H, t), 4.00 (1H, d-d), 4.24 (1H, m), 4.26 (1H, d-d). 4.32 (1H, m), 4.37 (1H, m), 4.42 (1H, m), 4.60 (1H, m), 5.05 (1H, m), 6.76 (1H, bs), 7.50 (1H, bs), 7.75 (1H, d), 7.95 (1H, d). 8.08 (1H, d), 8.12 (1H, d), 8.14 (1H, d), 8.19 (1H, d), 8.24 (1H, d) (図 3参照)
13C核磁気共鳴スぺク トル
(100MHz, ppm, 多重度, Methyl alcohol- d4中) :
II.9 (q), 16.1 (q), 18.5 (q), 19.7 (q), 22.2 (q), 22.2 (q),
22.8 (q) 23.1 (q). 23.1 (q) 23.1 (q), 23.4 (q), 23.4 (q) 25.8 (d) 26.0 (d), 26.0 (d) 26.1 (t), 26.4 (t), 28.5 (t) 29.1 (t) 29.1 (d), 30.3 (t) 30.6 (t), 30.6 (t), 30.7 (t)
30.9 (d) 31.0 (t), 32.7 (t) 35.2 (t), 37.4 (t), 38.4 (d) 40.2 (t) 41.2 (t), 41.5 (t) 41.5 (t), 42.0 (t), 52.0 (d) 52.8 (d) 53.4 (d), 53.8 (d) 54.1 (d). 58.3 (d), 61.2 (d) 73.9 (d) 172.2 (s), 172.5 (s), 173.0 (s), 173.3 (s), 173.7 (s), 173.7 (s), 174.8 (s), 175.0 (s), 175.4 (bs), 177.8 (s) 比旋光度
薄層クロマ トグラフィー
(担体 : シリカゲルガラスプレー ト 60F254、 0.25mm, 独メルク社製) 展開溶媒 Rf クロ口ホルム一メ タノール (3 : 1 ) 0.28 クロ口ホルムーメ タノ一ルー 28%アンモニア水(10 :4:1) 0.52 化合物 2
形状 : 白色粉末
質量分析 (F A BMS) : m/ z 1007 (MH)^ 分子式 : C51H9。N8012
紫外部吸収スぺク トル (MeOH) :末端吸収
赤外吸収スぺク トル (KBr錠法による) :
3320, 2958, 2928, 1740, 1658, 1520, 1439, 1391, 1202 (cnr1)
1H核磁気共鳴スぺク トル
(400MHz, ppm, 多重度. Methyl alcohol-d4中) :
0.79 (6H, d), 0.80 (3H, t), 0.81 (3H, d), 0.82 (3H, d), 0.83 (6H, d), 0.86 (6H, d), 0.87 (3H, d), 0.88 (6H, d), 1.10 (2H, m), 1.20 (12H, m), 1.45 (1H, m), 1.50 ~1.65C11H, m), 1.85
(2H, m), 1.95 (1H, m). 2.12 (1H, m), 2.18 (2H, d-d), 2.35 (1H, d-d), 2.55 (1H, d-d), 2.78 (2H, d), 4.00 (1H, d), 4.24 (1H, d-d), 4.26 (1H, d), 4.32 (1H, d-d), 4.37 (1H, d-d), 4.42 (1H, d-d), 4.60 (1H, d-d), 5.08 (1H, m)
薄層クロマトグラフィー
(担体 : シリカゲルガラスプレート 60F254、 0.25ιππι, 独メルク社製) 展開溶媒 Rf クロ口ホルム一メタノール ( 3 : 1 ) 0.28 クロ口ホルム一メ タノ一ルー 28%アンモニア水(10:4:1) 0.52 高性能液体クロマトグラフィー
カラム ; Inertsil ODS (GLサイエンス社製)
移動相 : メタノール :水:酢酸アンモニゥム (97 : 3 : 0.1) 流速 ; 1.0ral/niin、 検知器; UV 222nm、 保持時間 ; 4.38分
化合物 3
形状 : 白色粉末
質量分析 (F A BMS) : m/ z 1021 (MH) +
分子式 : C52H92N8012
紫外部吸収スペク トル (MeOH) : 末端吸収
赤外吸収スペク トル (KBr錠法による) :
3330.2958.2928, 1736, 1652, 1520, 1456, 1389, 1203 (cm— 1)
!H核磁気共鳴スぺク トル
(400MHz, pm, 多重度, Methyl alcohol- d4中) :
0.79 (6H, d), 0.80 (3H, t), 0.81 (3H, d), 0.82 (3H, d), 0.83 (6H, d), 0.86 (6H, d), 0.87 (3H, d), 0.88 (6H, d), 1.10 (2H, m), 1.20 (14H, m), 1.45 (1H, m), 1.50 〜1.65(11H. m), 1.85 (2H, m), 1.95 (1H, in), 2.13 (1H, m), 2.18 (2H, d-d), 2.38 (1H, d-d), 2.52 (1H, d-d), 2.68 (1H, d-d), 2.73 (1H, d-d),
4.05 (1H, d), 4.25 (1H, d-d), 4.27(1H, d-d), 4.32 (1H, d-d), 4.35(1H, d-d), 4.42 (1H, d-d), 4.60 (1H, d-d), 5.08 (1H, m) 薄層ク口マトグラフィー
(担体: シリカゲルガラスプレート 60F254、 0.25mm, 独メルク社製) 展開溶媒 Ef クロ口ホルム一メ タノール (3 : 1) 0.28 クロ口ホルム一メタノール一 28%アンモニア水(10: 4:1) 0.52 高性能液体クロマトグラフィー
カラム ; Inertsil ODS (GLサイエンス社製)
移動相 ; メ タノール :水: 酢酸アンモニゥム (97: 3 : 0.1) 流速 ; 1.0ml/min、 検知器 ; UV222nm、 保持時間; 4.68分 化合物 4
形状 : 白色粉末
質量分析 (FABMS) : m/ z 1049 (MH) +
分子式 : C54H96N8012
紫外部吸収スぺク トル (MeOH) : 末端吸収
赤外吸収スぺク トル (KBr錠法による) :
3310, 2958, 2928, 1745, 1658, 1525, 1440, 1391, 1202 (cnr1) 核磁気共鳴スぺク トル
(400MHz, pm, 多重度, Methyl alcohol- d4中)
0.79 (6H, d), 0.80 (3H, t), 0.81 (3H, d), 0.82 (3H, d), 0.83 (6H, d), 0.86 (6H, d), 0.87 (3H, d), 0.88 (6H, d). 1.10 (2H, m), 1.20 (18H, m), 1.45 (1H, m), 1.50 ~1.65C11H, m), 1.85 (2H, m), 1.95 (1H, m), 2.12 (1H, m), 2.18 (2H, d-d), 2.35 (1H, d-d), 2.53 (1H. d-d), 2.75 (2H, d), 4.00 (1H, d), 4.24 (1H, d-d), 4.26 (1H, d), 4.32 (1H, d-d), 4.37(1H, d-d), 4. 2 (1H, d-d), 4.60 (1H, d-d), 5.04 (1H, m)
薄層クロマ トグラフィー
(担体 : シリカゲルガラスプレー ト 60F254、 0.25mm, 独メルク社製) 展開溶媒 Rf クロ口ホルム一メ タノール (3 : 1 ) 0.28 クロ口ホルム一メタノ一ルー 28%アンモニア水(10 :4:1) 0.52 高性能液体クロマ トグラフィー
カラム ; Inertsil ODS (GLサイエンス社製)
移動相 ; メタノール : 水 : 酢酸アンモニゥム (97: 3 : 0.1) 流速 : 1.0ml/niin、 検知器 ; UV222nm、 保持時間 ; 5.40分
以上の結果よ り、 化合物 1〜4の構造は以下に示されるとおりであ る
n = 8 化合物 3
n = 9 化合物 1
n =10 化合物 4
(薬理作用)
試験例 1 :本発明の環状デブシぺプチ ドのコレステロール分泌抑制活 性
Hep G2細胞 1 X 105個 Zrnl(l()%牛胎児血清を含むダルべッコ変法ィ一 グル培地(日水製薬社製 ;以後、 D- MEM培地と呼ぶ) を 24穴組織培養用プ レー トに l ralずつ注入し、 37°C、 炭酸ガス 5%および空気 95%の混合ガ ス雰囲気下で培養した。 4曰後に、 培地を除去し、 10%リボ蛋白欠損血 清 (シグマ社製) を含む D- MEM培地 l ralを加え、 さらに、 この環状デブ シペプチドのメタノール溶液 10 1を加えた。 18時間後、 培地を再び交 換 (10%リポ蛋白欠損血清を含む D-MEM培地) し、 この環状デブシぺプ チドのメタノール溶液 10 1 と 〔1- 14C〕 酢酸 3 / Ciを加え、 さらに 37 °Cで 18時間培養した。 培地中に生成した 〔14C〕 コ レステロールは 〔「バ ィォキミ力 ェ卜 ノくィオフイ ジ力 ァクタ (Biochimica et Biop ysica Acta) J 1042卷、 36~41頁(1990)〕 の方法に従って定量した。
すなわち、 培地をクロ口ホルム メタノール (2 : 1 ) で抽出し、 つ
いで抽出物を 15%水酸化力リゥム中 85°C、 45分間の条件でケン化反応を 行い、 エステル型コレステロールを遊離型コ レステロールとした。 コ レ ステロールを石油エーテルで抽出し、 これをシリ力ゲル薄層クロマトグ ラフィ一に付し、 へキサン ジェチルエーテルノ酢酸(80 : 20 ·· 1 )で展 開した。 コレステロールのスポッ トをかきとり、 液体シンチレーション カウンターによって、 放射活性を測定し、 これを〔1 4C〕 コ レステロール 量とした。
また、 試験例 1において環状デブシぺプチドのメタノール溶液のかわ りにメタノールを用いた以外は同様に行い測定し、 コントロールとした ( さらにコン トロールの [ 1 4C] コレステロール量を 100としてコレステロ ール相対量を計算した。
本発明の環状デブシぺプチドの各濃度におけるコレステロール分泌に 及ぼす影響を表 2に示す。
表 2
本発明の環状デブシぺプチドのコレステロール分泌に及ぼす影響 化合物 濃度 ( C/ g/ml) コレステロール相対量 (%)
0. 1 83
1 0. 3 73
1 0. 9 47
1 2. 7 28
1 8. 1 23
2 8. 1 41
3 8. 1 44
4 8. 1 17
試験例 2 : 本発明の環状デブシぺプチ ドの ト リグリセリ ド分泌抑制活 性
Hep G2細胞 1 X 105個 Zml ( 10%牛胎児血清を含む D-MEM培地) を 24穴
組織培養用プレートに l mlずつ注入し、 37て、 炭酸ガス 5 %および空気 95%の混合ガス雰囲気下で培養した。 4曰後に、 培地を除去し、 10%リ ポ蛋白欠損血清(シグマ社製)を含む D- MEM培地 1 m lを加え、 さらに、 新 規環状デプシペプチドのメタノール溶液 1を加えた。 18時間後、 培 地を再び交換 (10 %リボ蛋白欠損血清を含む D-MEM培地) し、 新規環状 デブシペプチドのメタノール溶液 10 / 1 と 〔2-3H〕 グリセロール 3 Ci を加え、 さらに 37°Cで 18時間培養した。 培地中に生成した 〔3H〕 トリグ リセリ ドは 〔 「バイオキミ力 エト バイオフイジ力 ァク夕(Biochimica et Biophysica Acta) 」 1170巻、 32~37頁 (1993) 〕 の方法により定量 した。
すなわち、 培地をへキサン/ ^イソプロパノール (3 : 2 ) によって抽 出し、 これをシリカゲル薄層クロマトグラフィーに付し、 へキサン ジ ェチルエーテル 酢酸 (90 : 10 : 1 ) で展開した。 トリグリセリ ドのス ポッ トをかきとり、 液体シンチレ一シヨンカウンターによって、 放射活 性を測定し、 これを 〔3H〕 トリグリセリ ド量とした。
また、 試験例 2の環状デブシぺプチドのメタノール溶液のかわりにメ タノールを用いて同様に行い測定し、 コントロールとした。 さらにコン トロールの [ 3 H] トリグリセリ ド量を 100としてトリグリセリ ド相対量 を求めた。
本発明の環状デプシペプチドの各濃度における トリグリセリ ド分泌に 及ぼす影響を表 3に示す。
表 3
本発明の環状デブシぺプチドの トリグリセリ ド分泌に及ぼす影響 化合物 濃度 Qz /nil) トリグリセリ ド相対量 (%)
1 . 2. 7 84
1 8. 1 51
2 8. 1 77
3 8. 1 86
4 8. 1 75
以上表 2および表 3の結果より本発明の環状デブシぺプチドは濃度依 存的に肝細胞のコレステロールおよびトリグリセリ ドの分泌を抑制する ことが示された。
試験例 3 :本発明の環状デブシぺプチドの H e p G 2細胞でのァポリ ポプ口ティ ン Bとアルブミ ン産生に与える影響
Hep G2細胞 1 X 105個 Zml ( 10%牛胎児血清を含む!)- MEM培地) を 24穴 組織培養用プレー卜に l mlずつ注入し、 37°Cで炭酸ガス 5 %および空気 95%の混合ガス雰囲気下で培養した。 4曰後に、 培地を除去し、 10%リ ポ蛋白欠損血清 (シグマ社製) を含む D- MEM培地 l mlを加え、 さらに環 状デプシペプチドのメタノール溶液 10 / 1を加えた。 18時間後、 培地を 再び交換 (10 %リポ蛋白欠損血清を含む!) -MEM培地) し、 環状デブシぺ プチドのメタノール溶液 10 1 を加え、 さらに 37°Cで 18時間培養した。 培地中に生成したァボリポプロティン Bとアルブミ ンはェンザィムィム ノァッセィ法によって定量した。 以下に各蛋白質の定量法を記載する。
1 ) アポリボプロテイン Bの定量
本方法で使用した緩衝液の組成を表 4に示す。 なお、 PBSとはリ ン酸 緩衝液を、 PBS-Tは Tween20を添加したリン酸緩衝液を示す。
表 4
緩衝液の組成
PBS(pH7. 2) PBS-T(pH7. 2) プロッキング液(pH7. 2)
KH2P04 0. 2g KH2P04 0. 2g Block Ace 250ml
Na2HP04 - 12H20 2. 9g Na2HP04- 12H20 2. 9g KH2P04 0. 2g NaCl 8. Og NaCl 8. Og Na2HP04 - 12H?,0 2. 9g
KC1 0. 2g KC1 0. 2g NaCl 8. Og
Tween 20 0. 5g KC1 0. 2g
*緩衝液は蒸留水を加えて、 合計 1000mlになるように調製する, ヒッジ抗ヒ トアポリポプロティン B IgG分画 (バインディ ングサイ ト 社製) を 0. 05M炭酸水素ナ ト リウム (pH9. 5) に lO ^ gZmlになるように 溶解した。 この 50 1をヌンクイムノブレートに分注し、 4 °Cで 16時間 静置した。
PBS 300 1で 3回洗浄後、 ブロッキング液 300 1を加え、 37。Cで 2 時間静置した。 再び PBS 300 1 で 3回洗浄し、 サンプル溶液 50 1 (Hep G2培地を 10%の乳タンパク質由来の免疫用プロック剤(Block Ace ; 大日本製薬社製)で 3. 3倍希釈したもの) を加え、 室温で 2時間放置し た。 PBS- T 300 1で 3回洗浄後、 ヒッジ抗ヒ トアポリポプロテイン B ペルォキシダーゼ標識体 (バインディ ングサイ ト社製) の 0. 5%溶液(10 % Block Ace) 50 1を加え、 室温で 2時間放置した。 PBS- T 300 /2 1で 5回洗浄し、 発色液 (0. 1 Mクェン酸カリウム pH4. 5 l ml , 30 %過酸化 水素水 0. 4 1, オルトフェニレンジアミ ン l mg) 100 Z 1を加え、 その まま 2分間放置した。 2 N硫酸 lOO / 1 を加え反応を止め、 490nmの吸光 度と 650nmの吸光度の差を求め、これをアポリポプロティン Bの吸光度と した。 試験例 3において、 環状デプシペプチドのメタノール溶液のかわ りにメタノールを用いた以外は同様に行い測定し、 コントロールとした ( 低密度リポ蛋白 (シグマ社製) を標準品とした場合の検量線よりァポリ
ポプロティン Bの絶対量を求め、 各サンプルの相対アポリポプロテイン B量はこれとコン トロールの比率 X 100%で表した。
2 ) アルブミ ンの定量
アポリポプロテイン Bと同じ方法によって定量した。 ただし、 ヒッジ 抗ヒ トァポリボプロテイン B IgG分画 (バインディ ングサイ ト社製) の かわりにヒッジ抗ヒ トアルブミ ン IgG分画 (バインディ ングサイ ト社製) を使用し、 ヒッジ抗ヒ 卜ァポリポプロティン Bペルォキシダーゼ標識体 のかわりにヒッジ抗ヒ トアルブミ ンペルォキシダーゼ標識体を使用し た。 また、 サンプル溶液は Hep G2培地を 10 %Block Aceで 13. 3倍希釈し たものを 50 / 1加えた。 検量線作成時の標準品としては、 ヒ 卜アルブミ ン (シグマ社製) を使用した。 サンプルの相対アルブミ ン量はコント口 ールのアルブミ ンの絶対量を 100とした際の比率 (%) として求めた。 本発明の環状デブシぺプチドの各濃度におけるアポリポプロテイン B とアルブミ ン産生に及ぼす影響を表 5に示す。 表 5
本発明の環状デブシぺプチドのアポリポプロティン B およびアルブミン産生に及ぼす影響
アポリポプロティ
化合物 濃度 ( g/ml) ン B相対量 (%) アルブミン相対量 (%)
1 12. 5 48 99
1 25. 0 24 106 以上表 5の結果より、 本発明の環状デプシペプチドが Hep G2細胞にお いて、 アルブミ ンの産生に影響を及ぼさずに、 アポリポプロテイン Bの 産生を選択的に抑制することが示された。
以上の結果より、 本発明の環状デブシぺプチドは、 Hep G2細胞のコレ ステロールと ト リグリセリ ドの分泌を低濃度で強力に抑制し、 さらには アポリポプロテイン Bの産生も抑制するカ^ アルブミ ン等の他の蛋白質
の分泌を抑制しないことから、 選択性の高い 新しいタイプの高脂血症 治療薬としての利用が期待される。
(製剤例)
製剤例 1 錠剤 (1錠)
化合物 1 2 O mg
けい酸マグネシゥム 2 O mg
乳糖 9 8 . 5 mg
ヒ ドロキシプロピルセルロース 7 . 5 mg
ステアリン酸マグネシゥム 1 mg
植物硬化油 3 mg
計 1 5 0 mg
化合物 1、 けい酸マグネシウム及び乳糖を混合し、 これをヒ ドロキン プロピルセルロースを溶解したアルコール液で練合し、 次いで適当な粒 度に造粒し、 乾燥、 整粒後さらにステアリン酸マグネシウム及び植物硬 化油を添加混合し均一な顆粒とする。 次いでロータリ一式打錠機により 直径 7. 0mm. 重量 150mgおよび硬度 6 kgの錠剤を調製した。
製剤例 2 顆粒剤
化合物 1 1 O mg
酸化マグネシウム 4 O mg
りん酸水素カルシウム 3 8 mg
乳糖 1 0 mg
ヒ ドロキシプロピルセルロース 2 O mg
上記処方例中ヒ ドロキシプロピルセルロースを除いた各原料を均一に 混合し、 これにヒ ドロキシプロピルセルロースを溶解したアルコール溶 液を加えて練合した後押出造粒機により造粒し、 乾燥して顆粒を得た。 この顆粒を整粒して 12メ ッシュの篩を通過し 48メッシュの篩上に残留す るものを顆粒剤とした。
製剤例 3 シロ ップ剤
化合物 1 1.000 g
白糖 30.000 g
D -ソルビトール.70 w/ V % 25.000 g
パラォキシ安息香酸ェチル 0.030 g
パラォキシ安息香酸プロピル 0.015 g
香味料 0.200 g
グリセリ ン 0. 150
9 6 %ェタノール 0.500 g
精製水
全量 00 ml
白糖、 D—ソルビトール、 パラォキシ安息香酸メチル、 パラォキシ安 息香酸プロピル及び化合物 1を精製水 (温水) 60gに溶解する。 冷却後 香味料を溶解したグリセリ ン及びエタノールの溶液を加える。 次にこの 混合物に精製水を加えて ΙΟΟπΙにする。
製剤例 4 注射液
化合物 1ナ ト リウム塩 10.0 mg
塩化ナトリウム 81.0 mg
炭酸水素ナトリウム 8.40 mg 注射用蒸留水
全量 10. Oral
炭酸水素ナトリウム、 塩化ナトリゥム及びこの化合物 1のナトリウム 塩を蒸留水に加えて溶解し、 全量を 10. Omlとする。
製剤例 5 坐剤
化合物 1 2 g
ポリエチレングリ コール 4000 20 g
グリセリ ン 78 g
全量 1 0 0 g
化合物 1にグリセリ ンを加えて溶解する。 そこへ、 ポリエチレングリ コール 4000を加えて加温し溶解後、 坐剤型に注入して冷却固化し 1個あ たり 1. 5 gの坐剤を製造する。
産業上の利用可能性
本発明により提供される環状デプシペプチド ( I ) は、 高脂血症治療 薬、 特に脂質分泌抑制剤およびアポリポプロティン B産性抑制剤として 有用である。 本発明の化合物はバシラス属に属する本化合物の生産菌を 培養することにより製造される。