明 細 書 多関節アーム型搬送装置 技 術 分 野 本発明は、 半導体ゥュハーやディ スク基板等の板状部品を搬送す る多関節アーム型搬送装置に関する。 背 景 技 術 多関節アーム型搬送装置は、 半導体ゥヱハ一やディ スク基板等の 板状部品を工程間或いは工程内において高精度に位置決めした状態 で自動搬送する際に用いられている。
この多関節アーム型搬送装置の従来例と しては、 以下の先願が挙 げられる。 特公表 2 — 5 0 0 1 7 9号 「関節アーム形搬送装置」 は、 支持体と、 互いに可動自在に結合された第 1及び第 2の関節アーム と、 プラッ トホームと、 関節アームの一方を駆動するモータとから 構成される。 関節アームは、 モータが駆動されることによって伸張 或いは収縮動作し、 物品が載置されたプラ ッ トホームを直線移動さ せる。
特開平 2 — 3 1 1 2 3 7号 「搬送装置」 は、 一端部を互いに回動 自在に結合した第 1及び第 2のリ ンクアームからなる組リ ンクを左 右 2組備え、 第 1 の リ ンクァームの先端部にそれぞれ軸装されると と もに互いに嚙合された一対の駆動側歯車と、 第 2のリ ンクアーム
の先端部にそれぞれ軸装されるとと もに互いに嚙合された一対の連 結歯車と、 第 2 の リ ンクアームの先端部を回転自在に支持する搬送 台と、 第 2 の リ ンクァ一ムの一端部に固着された弾性部材とから構 成される。
組リ ンクは、 駆動モータによって駆動側歯車が回転されると、 結 合部分で伸張或いは収縮動作し、 物品が載置された搬送台を直線移 動させる。 また、 弾性部材は、 第 1 のリ ンクアームと第 2のリ ンク アームとが重なり合った状態において、 第 2のリ ンクアームを補助 的に回動させて、 ジャ ッ クナイ フ現象の発生を防止する。
上述した先願の多関節アーム型搬送装置は、 いずれも物品が載置 された搬送台を高精度に位置決めして移動させるようにした搬送装 置であるが、 搬送台が直線移動に限定されるため、 極く限られた物 品の搬送にしか使用することができないといつた問題があつた。 動作範囲を広げた多関節アーム型搬送装置の従来例と して特開昭 5 9 - 9 7 8 6 1号 「リ ンク式ロボッ ト」 が挙げられる。 この先願 の多関節アーム型搬送装置は、 第 1及び第 2 の リ ンクアームからな る 2組の組リ ンクを備え、 これら組リ ンクの第 1 のリ ンクアームの 先端部と第 2 の リ ンクアームの先端部とが、 それぞれ同軸上に上下 方向に離間した状態で支持されることによって閉ループを構成する ように組み合わされる。
各第 1 のリ ンクアームは、 それぞれ独立のサーボモータによって 駆動されるこ とにより、 第 2 の リ ンクアームの先端部に設けられた 搬送部を、 この第 1 の リ ンクアームの支軸を中心と した略 1 8 0 ° の領域中に移動動作されるように構成している。
上述した従来の多関節アーム型搬送装置の代表例について、 図 1
及び図 2を参照してさ らに詳細に説明する。 多関節アーム型搬送装 置 1 は、 一端部を連結軸 2 A、 2 B (以下の説明において、 代表す る場合は単に符号 2 と表記し、 その他の部材も同様に表記するもの とする。 ) によって互いに回転自在に連結した第 1 のリ ンクアーム 3 A、 3 B及び第 2のリ ンクアーム 4 A、 4 Bからなる左右 2組の 組リ ンク 5 A、 5 Bを備えている。 第 1のリ ンクアーム 3 A、 3 B は、 他端部側を駆動軸 6 A、 6 Bによって支持されている。
これら駆動軸 6 A、 6 Bは、 軸受 7 A、 7 Bを介して装置フ レー ム 8 に回転自在に支持されるとともに、 同一歯数で互いに嚙合され た駆動歯車 9 A、 9 Bが設けられている。 一方の駆動軸 6 Aは、 減 速機構 1 0を介してモータ 1 1 に連結されており、 このモータ 1 1 が駆動されることによって回転駆動される。 駆動軸 6 Aの回転動作 は、 第 1 の リ ンクアーム 3 Aに伝達されると と もに、 駆動歯車 9 A と嚙合された駆動歯車 9 Bを介して他方の第 1 のリ ンクアーム 3 B へと伝達される。
第 2のリ ンクアーム 4 A、 4 Bには、 他端部側に支軸 1 2 A、 1 2 Bが設けられている。 支軸 1 2 A、 1 2 Bには、 それぞれ同一歯 数で互いに嚙合された連結歯車 1 3 A、 1 3 Bが設けられている。 また、 支軸 1 2 A、 1 2 Bには、 図示しない物品等が載置されて搬 送される搬送台 1 4が支持されている。
以上のように構成された多関節アーム型搬送装置 1 は、 上述した ようにモータ 1 1 が駆動されると、 減速機構 1 0を介して一方の駆 動軸 6 Aが回転駆動される。 多関節アーム型搬送装置 1 は、 例えば 図 1 において駆動軸 6 Aが時計方向へと回転駆動されると一方の第 1 のリ ンクアーム 3 Aも時計方向へと回動動作する。 また、 他方の
第 1 の リ ンクアーム 3 Bは、 駆動軸 6 Aに設けた駆動歯車 9 Aと嚙 合する駆動歯車 9 Bが反時計方向へと回転され、 この駆動歯車 9 B と一体的に駆動軸 6 Bが回動動作するこ とによって、 反時計方向へ と回動動作する。
したがって、 第 2のリ ンクアーム 4 A、 4 Bは、 連結軸 2 A、 2 Bを支点と して互いに嚙合された連結歯車 1 3 A、 1 3 Bを設けた 先端部がそれぞれ外側へと開く方向に回動動作する。 これによつて、 第 2 の リ ンクアーム 4 A、 4 Bの先端部に設けられた搬送台 1 4 は、 駆動軸 6 A、 6 Bの中心と支軸 1 2 A、 1 2 Bの中心とを結ぶ直線 上を、 図 1 において上方側へと移動動作する。
多関節アーム型搬送装置 1 は、 例えば図 1 において駆動軸 6 Aが 反時計方向へと回転駆動されることによって一方の第 1 のリ ンクァ ーム 3 Aも反時計方向へと回動動作される。 また、 他方の第 1 のリ ンクアーム 3 Bは、 駆動軸 6 Aに設けた駆動歯車 9 Aと嚙合する駆 動歯車 9 Bが時計方向へと回転され、 この駆動歯車 9 Bと一体的に 駆動軸 6 Bが回動動作するこ とによって、 時計方向へと回動動作す る。
したがって、 第 2 の リ ンクアーム 4 A、 4 Bは、 連結軸 2 A、 2 Bを支点と して互いに嚙合された連結歯車 1 3 A、 1 3 Bを設けた 先端部がそれぞれ内側へと閉じる方向に回動動作する。 これによつ て、 第 2のリ ンクアーム 4 A、 4 Bの先端部に設けられた搬送台 1 4 は、 駆動軸 6 A、 6 Bの中心と支軸 1 2 A、 1 2 Bの中心とを結 ぶ直線上を、 図 1 において下方側へと移動動作する。
以上のように構成された多関節アーム型搬送装置 1 は、 第 1 のリ ンクアーム 3 A、 3 B及び第 2 の リ ンクアーム 4 A、 4 Bからなる
左右 2組の組リ ンク 5 A、 5 Bが、 両端側をそれぞれ駆動歯車 9 A、 9 B及び連結歯車 1 3 A、 1 3 Bによつて連結された構造であるた め、 各リ ンクァームの連結部に生じる 「遊び」 が相殺されて、 搬送 台 1 4が高精度に移動動作される。
多関節アーム型搬送装置 1 は、 上述したように、 搬送台 1 4が駆 動軸 6 A、 6 Bの中心と支軸 1 2 A、 1 2 Bの中心とを結ぶ直線上 に沿って移動動作されるが、 第 1及び第 2のリ ンクアーム 3、 4が 重なり合った状態 (以下、 思案点という。 ) で停止され、 再駆動さ れる際にこの重なり状態が解除されない、 いわゆるジャ ッ クナイ フ 現象を呈することがある。 このジャ ッ クナイ フ現象について、 以下 図 3乃至図 5を参照して説明する。
多関節アーム型搬送装置 1 は、 モータ 1 1が駆動されて駆動軸 6 Aが図 3 において反時計方向へと回耘動作するこ とによって、 同図 に示すように、 第 2のリ ンクアーム 4 A、 4 Bを、 連結軸 2 A、 2 Bを支点と して先端部がそれぞれ内側へと閉じる方向に回動動作さ せる。 そして、 多関節アーム型搬送装置 1 は、 図 4 に示すように、 第 1 のリ ンクアーム 3 と第 2のリ ンクアーム 4 とが同一線上に重な り合う状態、 すなわち思案点まで駆動されるこ とによって、 搬送台 1 4が上下いずれの方向にも移動し得る不確定な状態を呈すること がある。
多関節アーム型搬送装置 1 は、 第 1 の リ ンクアーム 3 と第 2 の リ ンクアーム 4 とが思案点に位置した状態で停止され、 再び駆動され る際に、 図 5 に示すように、 これら第 1のリ ンクアーム 3 と第 2の リ ンクアーム 4 とが重なり合つた状態のままとなり、 搬送台 1 4が 移動されずにその場で停止したままの状態となるジャ ッ クナイ フ現
象が生じることがある。
第 1 の リ ンクアーム 3 と第 2 のリ ンクアーム 4 とは、 連結軸 2 に よって回転自在に連結された一端部と、 駆動歯車 9又は連結歯車 1 3が設けられた他端部までの間隔がほぼ等しく構成されている。 し たがって、 第 1 のリ ンクアーム 3 と第 2のリ ンクアーム 4 とが重な り合った状態では、 駆動歯車 9間及び連結歯車 1 3間のそれぞれの 嚙合力が左右の連結軸 2 A、 2 Bに突張り力と して作用されること になる。
ジャ ッ クナイフ現象は、 上述したように、 第 1 のリ ンクアーム 3 と第 2のリ ンクアーム 4 とが思案点を通過する際に、 各部に最大の 機械的負荷が作用されるため、 第 1のリ ンクアーム 3 と第 2のリ ン クアーム 4 とが支軸 2を支点と して相互に回動動作されずに思案点 で一端停止してしまう ことによるものと考えられている。
上述したように、 多関節アーム型搬送装置 1 は、 搬送台 1 4を充 分な動作領域を以つて移動動作させる場合には、 第 1 のリ ンクァ一 ム 3 と第 2のリ ンクアーム 4 とが思案点を通過する際にジャ ックナ ィフ現象が生じる虞れがある。 また、 多関節アーム型搬送装置 1 は、 第 1 のリ ンクアーム 3 と第 2のリ ンクアーム 4 とを重ならない前で 停止させてジャ ッ クナイ フ現象の発生を回避するように構成すると、 搬送台 1 4の動作領域が制限される。
したがって、 本発明は、 半導体ウェハー等の板状物品等を搬送す る搬送台を高精度に位置制御するとともに、 この搬送台がリ ンクァ ーム間に生じるジャ ッ クナイフ現象によつて途中で停止されること なく極めて広い領域中を動作して工程間或いは工程内において物品 の高精度の搬送を可能と した多関節アーム型搬送装置を提供するこ
とを目的に提案されたものである。 発 明 の 開 示 本発明に係る多関節アーム型搬送装置は、 上述した目的を達成す るために、 一端部を連結軸を介して回転自在に組み合わされた第 1 のリ ンクアーム と第 2のリ ンクアームとからなる左右 2組の組リ ン クを備える。 第 1 のリ ンクアームは、 他端部がそれぞれ同軸上に支 持されるとと もに、 それぞれ独立の駆動手段によって回転駆動され る。 第 2 の リ ンクアームは、 他端部に姿勢保持手段を介して搬送台 を備えている。
駆動手段は、 第 2 の リ ンクアームの他端部に姿勢保持手段を介し て設けられた搬送台を予め定めた搬送位置へと搬送するために数値 制御部によって制御される。 数値制御部は、 第 1 のリ ンクアームと 第 2 の リ ン クアームとがジャ ッ クナイ フ現象を生じないように、 駆 動手段を介してこれら第 1 のリ ンクアームと第 2のリ ンクアームと の動作を制御する。 図面の簡単な説明 図 1 は、 従来の多関節アーム型搬送装置の基本構造を模式的に示 した平面図である。
図 2 は、 同多関節アーム型搬送装置の基本構造を一部を切欠いて 模式.的に示した側面図である。
図 3 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 のリ ン クァ一
ムと第 2のリ ンクアームとが重なり合う寸前まで移動動作された状 態を示す平面図である。
図 4 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 の リ ンクァー ムと第 2のリ ンクアームとが重なり合つた思案点まで移動動作され た状態を示す平面図である。
図 5 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 のリ ンクァ一 ムと第 2のリ ンクアームとが重なり合ってジャ ックナイフ現象が発 生した状態を示す平面図である。
図 6 は、 本発明に係る多関節アーム型搬送装置の基本構造を模式 的に示した平面図である。
図 7 は、 同多関節アーム型搬送装置の基本構造を一部を切欠いて 模式的に示した側面図である。
図 8 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 の駆動手段と 第 2 の駆動手段とが同期して動作され、 搬送台を直線的に往復動作 させる動作を説明する平面図である。
図 9 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 の駆動手段と 第 2の駆動手段とが独立に動作され、 搬送台を回動動作させる動作 を説明する平面図である。
図 1 0 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 の駆動手段 と第 2 の駆動手段とが独立に動作され、 搬送台を第 2 の リ ンクァ一 ムの回動中心に対して反対側領域まで回動動作させる動作を説明す る平面図である。
図 1 1 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 搬送台の動作領 域を説明する平面図である。
図 1 2 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 の リ ンクァ
一ムと第 2のリ ンクアームとが重なり合う寸前まで移動動作された 状態を示す平面図である。
図 1 3 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 の リ ンクァ 一ムと第 2のリ ンクアームとが思案点を通過する状態を示す平面図 である。
図 1 4 は、 同多関節アーム型搬送装置において、 第 1 の リ ンクァ —ムと第 2 の リ ンクアームとが思案点を通過した状態を示す平面図 である。
図 1 5 は、 本発明に係る多関節アーム型搬送装置の第 2の実施例 の基本構造を一部を切欠いて模式的に示した側面図である。
図 1 6 は、 本発明に係る多関節アーム型搬送装置に備えられる搬 送台の姿勢制御部の他の実施例を示す要部斜視図である。
. 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。 実施例多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 半導体ウェハーゃデイ ス ク基板等の板状部品を工程間或いは工程内において高精度に位置決 めした状態で自動搬送する際に用いられる。 多関節アーム型搬送装 置 2 0 は、 一端部の近傍を連結軸 2 1 A、 2 1 B (以下の説明にお いて、 代表して表現する場合は単に符号 2 1 と表記し、 その他の部 材も同様に表記するものとする。 ) によって互いに回転自在に連結 した第 1 の リ ンクアーム 2 2 A、 2 2 B及び第 2 の リ ンクアーム 2 3 A、 2 3 Bからなる左右 2組の組リ ンク 2 4 A、 2 4 Bを備えて いる。 これら第 1 のリ ンクアーム 2 2 A、 2 2 Bは、 他端部の近傍
を同一の駆動支軸 2 5 に回転自在に支持されている。
すなわち、 左側第 1 の リ ンクアーム 2 2 Aは、 駆動支軸 2 5 の一 端部に直接固定されている。 また、 右側第 1 の リ ンクアーム 2 2 B は、 一端部がやや幅広に形成されており、 駆動支軸 2 5が貫通する 軸穴 2 2 bが設けられるとと もにこの軸穴 2 2 b と同心に軸受け筒 軸 2 6 の一端部が固定されている。 この軸受け筒軸 2 6 は、 左側第 1 の リ ンクアーム 2 2 Aを固定した駆動支軸 2 5が貫通する軸穴 2 6 Aが設けられるとと もに、 軸受 2 7 A、 2 7 Bによつてこの駆動 支軸 2 5を回転自在に支持している。 さ らに、 軸受け筒軸 2 6 は、 フ レーム 2 8 に一体に形成した筒状の軸受け部 2 9 に軸受 3 0 A、 3 O Bを介して回転自在に支持されている。
駆動支軸 2 5には、 軸受け筒軸 2 6を貫通した他端部に駆動歯車 3 1 Aが固定されている。 そして、 この駆動歯車 3 1 Aは、 左側組 リ ンク 2 4 Aの駆動源となるサーボモータ 3 3 Aの出力歯車 3 2 A と嚙合されている。 また、 軸受け筒軸 2 6には、 他端部に駆動歯車 3 1 Bが固定されている。 そして、 この駆動歯車 3 1 Bは、 右側組 リ ンク 2 4 Bの駆動源となるサーボモータ 3 3 Bの出力歯車 3 2 B と嚙合されている。 サーボモータ 3 3 A、 3 3 Bは、 それぞれフ レ ーム 2 8 に取り付けたモータ取付け部材 3 4 A、 3 4 Bに支持され ている。
サーボモータ 3 3 A、 3 3 Bは、 それぞれ数値制御部 3 5 A、 3 5 Bによって制御される。 数値制御部 3 5 は、 詳細を省略するがマ ィ クロコンピュータ等のシーケンサと、 その出力によってサーボモ ータ 3 3を駆動するアナログ増幅部等を備えて構成される。 数値制 御部 3 5 は、 外部入力或いは内部記憶部の動作プログラム等によつ
てサ―ボモータ 3 3を駆動制御し、 組リ ンク 3 4を駆動する。
第 2 の リ ンク アーム 2 3 A、 2 3 Bには、 連結軸 2 1 A、 2 1 B を介して第 1 のリ ンクアーム 2 2 と回転自在に組み合わされた一端 部と対向する他端部の近傍に同一長とされた支軸 3 6 A、 3 6 Bが それぞれ設けられている。 この場合、 右組リ ンク 2 4 Bの連結軸 2 1 Bは、 左組リ ンク 2 4 Aの連結軸 2 1 Aより もやや長軸とされる ことによって、 左右の第 2のリ ンクアーム 2 3 A、 2 3 Bが同一面 に位置されている。 支軸 3 6 A、 3 6 Bは、 第 2のリ ンクアーム 2 3 A、 2 3 Bに対して回転自在とされ、 図 7 に示すように、 底面側 の一端部に連結歯車 3 7 A、 3 7 Bがそれぞれ固定されている。 こ れら連結歯車 3 7 A、 3 7 Bは、 同一歯数で互いに同一面で嚙合さ れている。
支軸 3 6 A、 3 6 B は、 第 2 の リ ンクアーム 2 3 A、 2 3 Bの表 面側において、 半導体ウェハーゃデイ スク基板等の板状部品が載置 されて搬送されるための搬送台 3 8が固定されている。 搬送台 3 8 は、 横長矩形の部材であり、 上述したように同一長さの支軸 3 6 A、
3 6 Bの一端部が左右対称位置にそれぞれ固定されることによって 水平状態に保持される。 また、 搬送台 3 8 は、 支軸 3 6 A、 3 6 B の他端部が連結歯車 3 7 A、 3 7 Bによつて連結されていることと から、 安定した姿勢に保持される。 換言すれば、 これら連結歯車 3
7 A、 3 7 Bは、 搬送台 3 8の姿勢制御部を構成する。
第 1 のリ ンクアーム 2 2 A、 2 2 Bには、 略中央部の表面側に第
1 の位置センサ 3 9 A、 3 9 Bがそれぞれ取り付けられている。 同 様に、 第 2のリ ンクアーム 2 3 A、 2 3 Bには、 これら第 1 の位置 センサ 3 9 A、 3 9 Bに対応して略中央部の裏面側に第 2の位置セ
ンサ 4 0 A、 4 0 Bがそれぞれ取り付けられている。 これら位置セ ンサ 3 9、 4 0 は、 後述する物品の搬送動作に際して第 1 のリ ンク アーム 2 2 と第 2のリ ンクアーム 2 3 とが重なり合った状態を検知 して出力を送出する。 勿論、 位置センサ 3 9、 4 0 は、 左右組リ ン ク 2 4 A、 2 4 Bのいずれか一方側に設けるようにしてもよい。 以上のように構成された実施例多関節アーム型搬送装置 2 0 につ いて、 以下物品の搬送動作を説明する。 多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 数値制御部 3 5 A、 3 5 Bの出力によってサーボモータ 3 3 A、 3 3 Bがそれぞれ独立に駆動されるが、 搬送台 3 8が図 6 に X 軸で示す駆動支軸 2 5を通る上下方向の直線上を往復移動される動 作について説明する。 この場合、 サーボモータ 3 3 A、 3 3 Bは、 第 1 のリ ンクアーム 2 2 A、 2 2 Bを同一速度で回動動作するよう に制御される。
左組リ ンク 2 4 Aは、 サ一ボモータ 3 3 Aが駆動されると、 出力 歯車 3 2 Aを介して駆動歯車 3 1 Aが回転駆動され、 この駆動歯車 3 1 Aの回転が駆動支軸 2 5を介して第 1 の リ ンクアーム 2 2 Aへ と伝達されることによつて駆動される。 左組リ ンク 2 4 Aは、 例え ば駆動支軸 2 5が図 6 において反時計方向に回動すると、 図 8鎖線 で示すよう に、 第 1 の リ ンクアーム 2 2 Aも反時計方向に回動し、 連結軸 2 1 Aを介して第 2 の リ ンクアーム 2 3 Aが時計方向へと回 動動作されることによって、 全体が閉じる方向に動作される。 右組リ ンク 2 4 Bは、 サ一ボモータ 3 3 Bが駆動されると、 出力 歯車 3 2 Bを介して駆動歯車 3 1 Bが回転駆動され、 この駆動歯車 3 1 Bの回転が軸受け筒軸 2 6を介して第 1 の リ ンクアーム 2 2 B へと伝達されることによつて駆動される。 右組リ ンク 2 4 Bは、 軸
受け筒軸 2 6が図 6 において時計方向に回動すると、 図 8鎮線で示 すように、 第 1 のリ ンクアーム 2 2 B も時計方向に回動し、 連結軸 2 1 Bを介して第 2 の リ ンクアーム 2 3 Bを反時計方向へと回動動 作させるこ とによって、 全体が閉じる方向に動作される。
したがって、 搬送台 2 8 は、 第 2のリ ンクアーム 2 2 A s 2 2 B の先端部に設けた連結歯車 3 7 A、 3 7 Bの嚙合によって安定した 姿勢を保持された状態で X軸に沿って駆動支軸 2 5側へと移動動作 する。
—方、 左組リ ンク 2 4 Aは、 サーボモータ 3 3 Aによつて駆動支 軸 2 5が図 6 において時計方向へと回動動作されると、 第 1 のリ ン クアーム 2 2 Aも時計方向へと回動動作し、 連結軸 2 1 Aを介して 第 2のリ ンクアーム 2 3 Aが反時計方向へと回動動作されることに よって、 全体が開く方向に動作される。 また、 右組リ ンク 2 4 Bは、 サーボモータ 3 3 Bによって軸受け筒軸 2 6が図 6 において反時計 方向に回動動作されると、 図 8鎖線で示すように、 第 1 の リ ンクァ ーム 2 2 B も反時計方向に回動動作され、 連結軸 2 1 Bを介して第 2のリ ンクアーム 2 3 Bが時計方向へと回動動作して全体が開く方 向に動作される。
したがって、 搬送台 2 8 は、 第 2のリ ンクアーム 2 2 A、 2 2 B の先端部に設けた連結歯車 3 7 A、 3 7 Bの嚙合によって安定した 姿勢を保持された状態で X軸に沿って駆動支軸 2 5から遠ざかる方 向へと移動動作する。
実施例多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 左右組リ ンク 2 4 A、 2 4 Bを駆動するサーボモータ 3 3 A、 3 3 Bの回転を制御すること によつて搬送台 3 8を上述した X軸に沿つた往復動作ばかりでなく
他の位置へと自在に移動動作させることができる。 例えば、 実施例 多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 図 6に示した状態において、 右組 リ ンク 2 4 Bを駆動するサ一ボモータ 3 3 Bが停止状態のままで左 組リ ンク 2 4 Aを駆動するサーボモータ 3 3 Aが時計方向へと回転 駆動される。
すると、 第 1 の リ ンクアーム 2 2 Aは、 出力歯車 3 2 A —駆動歯 車 3 1 A —駆動支軸 2 5のルー トを介して反時計方向へと回動動作 されて連結軸 2 1 Aを介して第 2のリ ンクアーム 2 3 Aを反時計方 向へと引っ張る。 一方、 右組リ ンク 2 4 Bは、 サ一ボモータ 3 3 B が停止されているために第 1 のリ ンクアーム 2 2 Bが回動動作され ないが、 第 2のリ ンクアーム 2 3 Bが搬送台 3 8を介して左組リン ク 2 4 Aの第 2のリ ンクアーム 2 3 Aによつて反時計方向へと引つ 張られて連結軸 2 1 Bを支点と して回動動作する。
したがって、 多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 図 9に示すように、 駆動支軸 2 5を支点と して全体が反時計方向へと回動動作した状態 となり、 搬送台 3 8が X軸より左側方にずれた位置へと移動動作さ れる。 勿論、 多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 左組リ ンク 2 4 Aを 駆動するサーボモータ 3 3 Aを停止状態のままで右組リ ンク 2 4 B を駆動するサーボモータ 3 3 Bが反時計方向へと回転駆動すること によって、 搬送台 3 8が X軸より右側方にずれた位置へと移動動作 される。
また、 多関節アーム型搬送装置 2 0は、 図 6に示した状態におい て、 右組リ ンク 2 4 Bを駆動するサーボモータ 3 3 Bを反時計方向 へと回転駆動させた状態で、 左組リ ンク 2 4 Aを駆動するサーボモ 一夕 3 3 Aをより高速で時計方向へと回転駆動すると、 左右の組リ
ンク 2 4 A、 2 4 Bが上述したように全体と して閉じた状態となつ て搬送台 3 8を駆動支軸 2 5側へと接近させながら X軸より左側方 にずれた位置へと移動動作させる。
同様に、 多関節アーム型搬送装置 2 0は、 図 6に示した状態にお いて、 左組リ ンク 2 4 Aを駆動するサーボモータ 3 3 Aを時計方向 へと回転駆動させた状態で、 右組リ ンク 2 4 Bを駆動するサ一ボモ 一夕 3 3 Bをより高速で反時計方向へと回転駆動すると、 左右の組 リ ンク 2 4 A、 2 4 Bが全体と して閉じた状態となつて搬送台 3 8 を駆動支軸 2 5側へと接近させながら X軸より右側方にずれた位置 へと移動動作させる。
さ らに、 多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 図 6 に示した状態にお いて、 左右のサーボモータ 3 3 A、 3 3 Bが、 例えば時計方向へと 等速で回転駆動されるこ とによって、 左右の組リ ンク 2 4 A、 2 4 Bが同一の状態を保持したまま、 図 1 0の鎖線で示すように駆動支 軸 2 5を支点と して全体が時計方向へと回転動作される。 したがつ て、 搬送台 3 8 は、 同一円周上を移動動作される。
多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 左右組リ ンク 2 4 A、 2 4 Bを 構成するそれぞれの第 1 の リ ンクアーム 2 2 A、 2 2 B と第 2 の リ ンクアーム 2 3 A、 2 3 Bとが上下方向に位置を異にして組み合わ されていることによって回転方向に対して互いに干渉することが無 い。 したがって、 搬送台 3 8 は、 図 1 1 に示すように、 駆動支軸 2 5を支点と して略第 1 の リ ンクアーム 2 2 と第 2 の リ ンクアーム 2 3の長さを半径と した 3 6 0 ° の範囲で移動動作が可能となる。 以上のように構成した実施例多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 サ ーボモータ 3 3 A、 3 3 Bをそれぞれ別個にフ レーム 2 8 に組み付
けたこ とによ り、 駆動動作に際してこれらサ一ボモータ 3 3 A、 3 3 Bが互いに移動する こ と は無く 、 それぞれの配線が邪魔になって 連続運転ができないといつた不都合が生じる こ とは無い。
実施例多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 上述したよう に、 第 1 の リ ンクアーム 2 2 と第 2 の リ ンクアーム 2 3 と力《 3 6 0 ° の範囲で 駆動される こ とにより、 これら第 1 のリ ンクアーム 2 2 と第 2 の リ ンクアーム 2 3 とが重なり合ってジャ ッ クナイ フ現象が発生する虞 れがある。 多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 数値制御部 3 5 の出力 によってサーボモータ 3 3 を制御することにより、 ジャ ッ クナイ フ 現象の発生が防止されている。
ジャ ッ クナイ フ現象は、 図 1 3 に示すよう に、 第 1 の リ ンクァー ム 2 2 と第 2 の リ ンクアーム 2 3 とが思案点に達した状態で動作が 停止される場合において、 発生する確率が大きい。 したがって、 数 値制御部 3 5 は、 第 1 の リ ンクアーム 2 2 と第 2 の リ ンクアーム 2 3 に対して思案点において停止させる命令がプログラムされ或いは 外部から命令された場合において、 これら第 1 の リ ンクアーム 2 2 と第 2 の リ ンクアーム 2 3 とをこの停止位置を回避する最も思案点 に近い位置を停止位置と して制御する。
このような停止位置を設定された第 1 の リ ンクアーム 2 2 と第 2 の リ ンクアーム 2 3 と は、 互いに重なり合わない状態で停止される ため、 数値制御部 3 5 の次の出力によってサ一ボモータ 3 3 が駆動 される際にジャ ッ クナイ フ現象が発生する ことは無い。
ジャ ッ クナイ フ現象は、 図 1 2 に示す状態から第 1 の リ ンクァ一 ム 2 2 と第 2 の リ ンクアーム 2 3 とが思案点を通過する図 1 3 に示 す状態を経た後、 図 1 4 に示す状態へと移動動作する場合にも発生
することが考慮される。 しかしながら、 第 1 のリ ンクアーム 2 2 と 第 2のリ ンクアーム 2 3 とは、 相当の運動量を以つて互いに思案点 を通過するため、 ジャ ッ クナイ フ現象が発生することは無い。
第 1 のリ ンクアーム 2 2 と第 2のリ ンクアーム 2 3 は、 偶然にも 互いに重なり合つた状態の思案点位置で停止されてしま う ことがあ る。 この状態は、 駆動系を動作させることによって双方の構成部材 の動作が誘動されて回動部分の静摩擦成分が動摩擦成分となり、 形 状相遷移が生じ易く なるとともに駆動部分の 「遊び」 を有する要素 が増加するからであると考察される。
実施例多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 第 1 の位置セ ンサ一 3 9 及び第 2の位置センサー 4 0 とによってこの状態が検知された場合 に、 数値制御部 3 5 A、 3 5 Bのいずれか一方からの出力が他方か らの出力に対して先行して送出される。 これによつて、 サ一ボモー タ 3 3 A、 3 3 Bは、 いずれか一方が他方に対して先行して駆動さ れる。
多関節アーム型搬送装置 2 0 は、 このよう に左右 2組の組リ ンク 2 4 A、 2 4 Bのいずれか一方の組リ ンクが他方の組リ ンクに対し て先行して動作されるように構成することによって、 構成各部が一 部静摩擦成分のまま固定しているとともに駆動系の遊び成分が小さ い状態から構成部材の駆動動作が開始されるこ とになり、 形状相遷 移が生じにく く なると考察される。
なお、 一方の組リ ンクを他方の組リ ンクに先行させて動作させる 方法は、 上述した数値制御部 3 5の制御動作によるばかりでなく 、 サーボゲイ ンの調整によっても行う ことができる。 また、 第 1 のリ ンクアーム 2 2 と第 2のリ ンクアーム 2 3 は、 上述した構成によつ
てもなぉジャ ッ クナイフ現象が発生してしまった場合には、 作業者 によつていずれか一方の リ ンクアームを移動操作させるこ とによつ て、 ジャ ッ クナイ フ現象が解消される。
図 1 5 は、 本発明に係る多関節アーム型搬送装置の第 2の実施例 を示したものである。 なお、 この第 2 の実施例多関節アーム型搬送 装置 5 0 は、 上述した第 1 の実施例多関節アーム型搬送装置 2 0 と 基本的構成を同じく しており、 同一部材には同一符号を付すことに よつて説明を省略する。
多関節アーム型搬送装置 5 0 は、 左組リ ンク 2 4 Aの駆動源とな るサ―ボモータ 3 3 Aが、 右組リ ンク 2 4 Bの支点部を構成する軸 受け筒軸 2 6 に取り付けられた構成に特徴を有している。 すなわち、 軸受け筒軸 2 6 には、 下端面に取付け部材 3 4 Aの一端部が取り付 けられており、 この取付け部材 3 4 Aを介してサ一ボモータ 3 3 A が支持されている。
以上のように構成された多関節アーム型搬送装置 5 0 は、 右組リ ンク 2 4 Bを駆動させるためのサ一ボモータ 3 3 Bが回転駆動され ると、 出力歯車 3 2 Bを介して駆動歯車 3 1 Bが回転駆動される。 駆動歯車 3 1 Bの回転は、 軸受け筒軸 2 6を介して右組リ ンク 2 4 Bを構成する第 1 の リ ンクアーム 2 2 Bに伝達される。 こ こで、 多 関節アーム型搬送装置 5 0 は、 左組リ ンク 2 4 Aを駆動させるため のサ―ボモータ 3 3 Aを停止した状態に保持することにより、 左組 リ ンク 2 4 Aが連結歯車 3 7 A、 3 7 Bの嚙合によって軸受け筒軸 2 6を支点と して回転動作する。
このよう に、 第 2 の多関節アーム型搬送装置 5 0によれば、 上述 した第 1 の実施例多関節アーム型搬送装置 2 0 と比較して、 サ一ボ
モータ 3 3 の回転制御をより簡易にして左右組リ ンク 2 4 A、 2 4 Bを動作させるこ とができる。
図 1 6 は、 搬送台 3 8の姿勢を制御する姿勢制御部の第 2の実施 例を示す。 上述したよう に、 第 1及び第 2 の実施例多関節アーム型 搬送装置 2 0、 5 0 においては、 姿勢制御部を第 2 の リ ンクアーム 2 3 A、 2 3 Bの一端部近傍に回転自在に支持した支軸 3 6 A、 3 6 Bに固定されて互いに嚙合された一対の連結歯車 3 7 A 3 7 B によって構成されている。 これに対して、 この姿勢制御部 6 0 は、 第 2 の リ ンクアーム 2 3 A、 2 3 Bの一端部近傍に回転自在に支持 した支軸 3 6 A、 3 6 Bにそれぞれ固定された一対の ドラム 6 1 A、 6 1 Bと、 これら ドラム 6 1 A、 6 1 B間にたすき掛けされたヘル ト 6 2 A、 6 2 Bとによって構成されている。
したがつて、 姿勢制御部 6 0 は、 例えば左組リ ンク 2 4 A側の第 2のリ ンクアーム 2 3 Aが回動動作すると、 ドラム 6 1 A側にベル ト 6 2 A、 6 2 Bを巻き込んで、 右組リ ンク 2 4 Bの側の第 2 の リ ンクアーム 2 3 Bを回動動作する。 したがって、 支軸 3 6 A、 3 6 Bの他端部に設けられた搬送台 3 8 は、 組リ ンク 2 4の動作とと も に安定した状態で移動動作される。
姿勢制御部は、 さ らに、 例えば相対する外周面が適当な摩擦力を もって接触された一対の摩擦車によって構成してもよい。
さ らに、 上述した各実施例多完成アーム型搬送装置において、 各 軸受け部 2 7、 3 0が密閉構造に構成されるとと もに、 組リ ンク機 構部分がク リ ーン化された密閉筐体内に配置されるこ とによって、 半導体製造ライ ンのように超ク リ ーン化が必要な製造ライ ンの搬送 装置と して使用することができる。