WO1993019998A1

WO1993019998A1 - Ready-to-heat canned food

Info

Publication number: WO1993019998A1
Application number: PCT/JP1993/000355
Authority: WO
Inventors: Hideo Mifune; Tomio Nitta; Tsutomu Shike
Original assignee: Tokai Corporation
Priority date: 1992-03-31
Filing date: 1993-03-25
Publication date: 1993-10-14
Also published as: US5456929A; EP0597111A1; AU3767593A

Description

一 1一明細加熱用缶詰技術分野

本発明は、使用時には内容物を缶本体ごと直接加熱する加熱用缶詰に関するものである。

背景技術

従来より、. 缶詰は保存食品に使用されており、この内容物を加熱して調理するときには、缶詰の蓋を開けて内容物を出して調理している。また、その内容物は区分されることなく混合状態で収容されている。

また、缶入り飲料については、自動販売機などで暖めて販売されているものもあるが、例えば、紅茶、緑茶、'ゥ一ロン茶などの飲料では茶葉などにお湯を通して予め成分を浸出してそれぞれの飲料を形成した状態で、缶に入れて流通販売され、これを自動販売機内で加熱することが一般に行われている。

しかして、上記のような缶詰では内容物が予め混合されていることから、このような混合物を単に加熱することに比べて、加熱時に混合することで商品価値が高まる内容物もあり、従来の缶詰では上記のような要求に対応することはできなかった。

例えば、缶入り飲料では、各種飲料は予め成分が出された飲料となつた状態で缶に入れられているものであって、飲用時に溶融されるか浸出されたものとでは微妙に味が相違し、飲用時に茶葉などにお湯を'通すことで商品価値が高まる飲料もあり、従来の缶入り飲料では上記のような要求に対応することはできなかった。

そこで本発明の目的は、缶詰の内容物を区分して収容し、使用時には区分収容していた内容物を混合しつつ加熱できるようにした加熱用缶詰を提供するものである。

また、本発明の他の目的は、缶詰は内容物を封入した後に、殺菌のためにその内容物に応じた温度と時間で加熱処理を行うものであるが、この殺菌工程後においても缶詰の内容物を分離して収容し、加熱使用時には分離状態を解除できるよう'にした加熱用缶詰を提供するものである。

発明の開示

前記課題を解決する本発明の加熱用缶詰は、基本的には、上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、他の内容物を液状内容物とは分離状態で収容し、開封部の開封状態で所定温度以上に加熱すると上記分離状態を解除して両内容物を接触可能に構成したものである。

上記構成により、加熱するまでの未開封保存状態においては殺菌工程後でも耐熱性缶本体の内部に内容物が分離状態で収容され、缶本体を開封した加熱状態で分離状態を解除して内容物が混合するものであり、内容物に適した保存状態と加熱状態を簡易に得ることができ、商品価値が高められる。

その具体的構造としては、第 1に上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、内部に他の内容物を収容したケースを内外圧力差が所定値以上となつた際に開く閉塞部材で密閉してなる力プセル体を上記缶本体に封入してなり、缶本体の開封状態での加熱時に前記カプセル体の内部気体の膨張に応じて上記閉塞部材が開作動して密閉を解除するものである。

上記第 1の構造によれば、耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、内部に他の内容物を収容したケースを閉塞部材で密閉してなるカプセル体を封入して、内容物を分離状態で収容しており、. この内容物を封入した後の加熱殺菌時には未開封状態で行うことで、この加熱により前記カプセル体の内圧は上昇するが、このカプセル体には缶本体の上昇した内圧が作用して加圧されることで、内外圧力差は小さく閉塞部材は開作動することなくケースの密閉状態を維持するものであって、加熱後においても内容物の分離を確保した状態で保存される。

一方、使用時にはこの缶詰を開封状態で加熱するのに伴つて、缶本体の内圧は大気開放されて温度が高くなつても昇圧することがない一方、カプセル体はその温度上昇に応じて内部気体が膨張して内圧が高まり内外圧力差が所定値以上すなわち所定温度に加熱されると上記閉塞部材が開作動してカプセル体の密閉状態を解除し、その内容物と液状内容物との混合が行われる。

第 2の構造としては、上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部を弾性膜によって上下の収容部に区画し、下部に水等の液状内容物を上部に他の内容物を分離して収容し、さらに、上記弾性膜の上方に、缶本体の加熱時に膨出変形した弾性膜に接触して該弾性膜を破裂させる針状部材を設置したものである。

第 2の構造によれば、耐熱性缶本体の内部を弾性膜によつて上下の収容部に区画し水等の液状内容物と他の内容物とを分離して収容しており、内容物を封入した後の加熱殺菌時には未開封状態で行うことで、弾性膜で区画された両側の収容部の圧力差は小さく、この弾性膜の変形も小さく針状部林によつて破裂されることなく加熱後においても区画を維持した状態で保存される。一方、使用時にはこの缶詰を開封状態で加熱するのに伴って、弾性膜より下方の収容部は密閉され、上方の収容部は開放されていることから、温度上昇に応じて上記弾性膜は上方に膨出変形し、針状部材に接触して破裂することで区分を解除し、上方の収容部に収容されている内容物を液状内容物内に落下して混合し、調理等が行われる。

なお、上方の収容部に炭酸ガスもしくは窒素ガス等を封入して予圧すると、殺菌加熱時の弾性膜の上方変形量が低減し、より高温の殺菌工程の実施が可能となる。一方、下方の収容部の液状内容物に炭酸ガスもしくはアルコール等を混入すると、殺菌工程での処理温度が低下し、弾性膜の上方変形量が低減するものであり、より確実に殺菌工程後の弾性膜による区画が維持できる。

第 3の構造としては、上部に開封部が形成ざれた耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、内部に他の内容物および所定量の気体を密閉した弾性材による袋状部材を上記缶本体に封入してなり、さらに、該缶本体の内部に缶本体の開封状態での加熱時に内部気体の膨張に応じて膨出変形した袋状部材に接触して該袋状部材を破裂させて密閉を解除する開封手段を配設したものである。

第 3の構造によれば、耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、内部に他の内容物と所定量の気体を密閉した袋状部材を上記缶本体に封入して、内容物を分離状態で収容しており、この内容物を封入した後の加熱殺菌時には未開封状態で行うことで、この加熱により前記袋状部材の気体が膨張しょうとするが、この袋状部材には缶本体の上昇した内圧が作用して加圧されることで、その容積の増加は小さく、該袋状部材は開封手段によつて破裂されることなく、密閉状態を維持するものであって、加熱後においても内容物の分離を確保した状態で保存される一方、使用時にはこの缶詰を開封状態で加熱するのに伴つて、缶本体の内圧は大気開放されて温度が高くなつても昇圧することがない一方、袋状部材はその温度上昇に応じて内部気体が膨張して容積が増大し、弾性材による袋状部材では膨出変形して開封手段に接触して破裂し密閉が解除され、その内容物と液状内容物との混合が行われる。

第 4の構造としては、上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、内部に他の内容物および所定量の気体を密閉した袋状部材を上記缶本体に封入してなり、上記袋状部材は、缶本体の開封状態での加熱時に内部気体の膨張に応じて膨出変形した際に開封して密閉を解除するシール部を有するものである。第 4の構造によれば、耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、内部に他の内容物と所定量の気体を密閉した袋状部材を上記缶本体に封入して、内容物を分離状態で収容しており、この内容物を封入した後の加熱殺菌時には未開封状態で行うことで、この加熱により前記袋状部材の気体が膨張しょうとするが、この袋状部材には缶本体の上昇した内圧が作用して加圧されることで、その容積の増加は小さく、そのシール部が開封することなく密閉状態を維持するものであって、加熱後においても内容物の分離を確保した状態で保存される。一方、使用時にはこの缶詰を開封状態で加熱するのに伴って、缶本体の内圧は大気開放されて温度が高くなつても昇圧することがない —方、袋状部材はその温度上昇に応じて内部気体が膨張して容積が増大し、シール部を有する袋状部材が膨出変形して該シール部が開封して密閉が解除され、その内容物と液状内容物との混合が行われる。

第 5の構造としては、耐熱性缶本体の内部を、常温では非水溶性で溶解しないかまたは融点より低くて融解せず、所定温度以上に加熱されたときに水溶性となつて溶解するかまたは融点を越えて融解する区画部材によって区画し、水を主成分とする液状内容物と他の内容物とを分離して収容したものである。

第 5の構造によれば、耐熱性缶本体の内部を常温では溶解また.は融解しない区画部材にょうて区画し、水を主成分とする液状内容物と他の内容物とを分離して収容しているものであつて、使用時にはこの缶詰を直接加熱するのに伴つて、 IJ 3区画部材は所定温度以上に力 [1熱されたときに溶解または融解して区画を解除するものであり、内容物ほ混合した状態で加熱され、調理等が行われる。また、殺菌加熱時には、上記所定温度より低い温度で処理するものであ第 6の構造としては、上部に注ぎ口が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液体を収容密封するとともに、上記注ぎ口に連通してその内部に茶葉などの内容物を収容する収容部を形成し、該収容部の注ぎ口と反対側には、常温では閉塞状態で、所定温度以上に加熱されたときに開口状態となる弁機構を配設したものである。

第 6の構造によれば、常温では弁機構は閉塞状態であつて収容部に対する収容液体の浸入はなく、収容液体と収容部内の茶葉などの内容物とは別途に保存されており、飲用時にはこの缶本体を直接加熱するのに伴つて、前記弁機構は所定温度以上に加熱されたときに開口し、収容液体の収容部内への浸入を許容し、始めて紅茶、緑茶、ウーロン茶等にお湯が接触して成分が出され各種飲料を得て、注ぎ口から流出させて飲用に供するものである。また、殺菌加熱時には、上記所定温度より低い温度で処理するものである。

„ 図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1の実施例による加熱用缶詰を使用したバーナー付缶詰の概略断面図、

図 2は、図 1のバーナー付缶詰の外観の一例を示す一部切開斜視図、

図 3は、図 1のバーナー付缶詰の外ケースと缶詰との間の構造例を示す水平断面略図、

図 4は、図 1におけるカプセル体の断面図、

図 5は、図 1における加熱甩缶詰の各作動状態を順に示す説明図、

図 6ないし図 9は、第 1の実施例における力プセル体の変形例をそれぞれ示す断面図、

図 1 0ないし図 1 3は、缶本体への力プセル体の収納例をそれぞれ示す説明図、

図 1 4は、本発明の第 2の実施例による加熱用缶詰を使用したバーナー付缶詰の概略断面図、

図 1 5は、本発明の第 3の実施例による加熱用缶詰を使用したバーナー付缶詰の概略断面図、

図 1 6は、図 1 5における袋状部材の断面図、

図 1 7は、図 1 5における加熱用缶詰の各作動状態を順に示す説明図、

図 1 8は、第 3の実施例における加熱用缶詰の変形例を示す断面図、

図 1 9は、本発明の第 4の実施例における加熱用缶詰を示す断面図、

図 2 0は、本発明の第 5の実施例による加熱用缶詰を使用したバーナー付缶詰の概略断面図、

図 2 1ないし 2 4は、第 5の実施例の変形例をそれぞれ示すバーナー付缶詰の概略断面図、

図 2 5は、本発明の第 6の実施例による加熱用缶詰を使用したバーナー付缶詰の概略断面図、

図 2 6は、図 2 5の加熱用缶詰の要部の詳細構造を示す断面図、

図 2 7は、第 6の実施例の変形例を示す加熱用缶詰の要部断面図である。

発明を実施するための

最良の形態

以下、本発明による加熱用缶詰の実施例を図面に基づいて説明する。

く実施例 1 〉

図 1 は本例の加熱用缶詰を用いたバーナー付缶詰の基本 - 1 o - 構造を示す断面図、図 2はその外観の一例を示す一部切開斜視図である。

バーナー付缶詰は、基本的に少なくとも上端を開放した円筒状の外ケース 2と、この外ケース 2の上部内側に、該外ケース 2との間に燃焼ガスが上昇する間隙 4を形成して収容固定された、上端面に開封部 6a (開蓋用タブ）を有する蓋 6bを備えた円筒状の耐熱性缶本体 6eからなる加熱用缶詰 6と、前記外ケース 2の下部内側に前記缶詰 6を加熱するよう収容固定された着火手段 8を備えたバーナー 10と、該バーナー 10に燃料を供給するよう、前記外ケース 2の下部内側に固定された燃料タンク 12とからなり、前記外ケース 2は、前記バーナー 10に外部の空気を供給するための通気口 2aと、前記着火手段 8を外部から操作するための開口 2bを備えている。

また、前記外ケース 2における着火手段 8を外部から操作するための前記開口 2bは、さらにバーナー 10の炎が燃えているかどうかを外から確認できるような窓 14および前記燃料タンク 12の残留燃料の量を確認するための目盛の付いた窓 16を備えている（図 2参照) 。

前記加熱用缶詰 6は、耐熱性缶本体^の内部に液状の内容物 20 (例えば水、飲用液体等）とカプセル体 5とが収容されている。また、上記カプセル体 5の内部には、図 4に示すように、粉末状もしくは固形状の内容物 21 (例えば、インスタントコーヒー、スープの素、ティーバッグ、茶葉、 _Λ

一 1 1 一麵類等）が収容密閉されている。

前記カプセル体 5は、上記内容物 21の収容部を形成する筒状のケース 5 aの開口部外周に、筒状キャップによる閉塞部材 5bがシール状態で摺動自在に嵌合され内容物 21と所定量の気体（空気等）が密閉されている。この閉塞部材 5bは、内外圧力差が所定値以上となった際に、内部に密閉されている気体の膨張により開作動するように設定されている。すなわち、前記ケース 5aと閉塞部材 5bとの間にはシール部材 5c (例えば、 0 リング）が介装されて両者間の気密性を確保するものであり、その嵌合強度と嵌合量によって、前記開作動時の温度が設定される。換言すれば、上記カブセル体 5における閉塞部材 5bの嵌合長さが、該カプセル体 5を略大気圧で所定温度（例えば 90 C ). に加熱した際に、カプセル体 5内部の気体の膨張で閉塞部材 5bが摺動してケース 5aから離脱して密閉を解除する寸法に設定される。また、上記ケース 5aの先端が当接可能な閉塞部材 5bの底部にはリング状のゴムパッキン 5dが設けられている。

—方、前記外ケース 2の外周面と缶詰 6の缶本体 6cとの間には、燃焼ガスが上昇する間隙 4が形成されているが、この間隙 4を形成する構成と外ケース 2と缶本体 6cとを固定する手段とが兼用して設けられている。すなわち、図 3 に水平断面を示すように、外ケース 2と缶本体 6cとの間に縦に延びた波状の仕切板 9が設けられ、この波状の仕切板 9は、図 1、図 2に示すように、缶本体 6 cの下端よりも下方まで伸びて形成されている。このときは、その仕切板 9 が両者を固定する作用を有するとともに仕切扳 9の波型の内側の空間 9aが、燃焼ガスが上昇する間隙 4となる。なお、上記仕切板 9の形状は、図示のような曲面部分を含む波形状のほか、平面状に折曲された三角波状に設けてもよい。前記バーナーの着火手段 8としては、ピエゾ式自動点火装置を採用するのが、その簡便さ等からして実用上好ましい。また、このバーナー 10は、炎が消えたときにバーナー 10への燃料の供耠を自動的に遮断する安全装置を備えているのが、安全上望ましい。

本例の作用を説明すれば、液状内容物 20とカプセル体 5 が封入された直後の缶詰 6は、図 5 (A)' のように、缶本体 6cの内圧お'よび力プセル体 5の内圧は約 1気圧であり、上記力プセル体 5の閉塞部材 5bは密閉の初期状態にあり、液状内容物 20と固形状内容物 21とが分離されている。

図 5 (B) は殺菌工程における加熱状態を示し、缶詰 6の缶本体 6cは未開封の密閉状態で、温度上昇に応じて缶本体 6cの内圧は内部気体の膨張および蒸気圧の上昇により、例えば、殺菌温度 110ででその内圧'は約 2 . 7気圧に高まる。また、カプセル体 5も同様に温度上昇によって内部気体が膨張するが、上記缶本体 6cの内圧を受けて逆に内容積が低減するように閉塞部材 5bが圧縮側に搢動し、このときの力プセル体 5の内圧は約 1 . 3気圧となる。なお、上記殺菌ェ程での加熱温度は内容物 20 . 21 によって異なり、加熱温度が高い時には上記閉塞部材 5bの収縮方向への移動量が大きくなりその開口端部がゴムパッキン 5dに圧接される。

図 5 (C) は上記殺菌工程での加熱後に常温に冷却された保存状態を示し、図 5 (A) と同様の状態になるものであり、温度低下に伴う缶本体 6cの内圧低下に応じてカプセル体 5 の閉塞部材 5 bは拡張方向に搢動し、該カプセル体 5の密閉状態は維持され、常温状態では両者の内圧は略 1気圧に低下し、両内容物 20 , 21 は分離状態で保存される。

—方、前記缶詰 6の使用時は図 5 (D) に示すように、まず、加熱する前に開封部 6aを操作して缶詰 6の缶本体 6cを開封状態として、その上部空間を大気開放する。そして、前記バーナー 10に点火して噴出する炎によって缶本体 6cの底部から直接加熱を行うものであるが、. 前記仕切板 9の下端部が缶本体 6cの底部より低く形成されていることから、バーナー 10の炎による熱気は仕切板 9より内側の缶本体 6c の周壁に面する内側の空間 9 aのみを上昇し（図 3参照）、効率よく缶詰 6の加熱を行うとともに、外ケース 2の温度上昇を抑制している。

上記バーナー 10による加熱で液状内容物 20の温度が上昇すると、カプセル体 5 も同様に温度上昇して該カプセル体 5内に密閉されている気体が熱膨張して内圧が 90 °Cで約 1 . 3 気圧に上昇する。しかし、殺菌加熱時のように缶本体 6 c の上昇した内圧が作用しないことから、上記カプセル体 5 の閉塞部材 5bはこの内圧の上昇に伴って膨張側に摺動し、約 90 °C程度に加熱された状態で閉塞部材 5bがケース 5aから外れて内容物 21の密閉状態が解除され、ケース 5 a内に液状内容物 20が流入して混合が行われる。

図 6ないし図 9はそれぞれ本例におけるカプセル体の変形例を示している。まず、図 6に示すカプセル体 25は、内容物 21を収容するケース 25 a は筒状で、その開口部の内周に、円扳状の栓体による閉塞部材 25 b が外周部分にシール部材 25 c (例えば、 0リング）が介装されて、気密性を確保した状態で摺動自在に嵌合され内容物 2 1と所定量の気体 (空気等）を密閉した構造に設けられている。そして、上記閉塞部材 25c は、その嵌合強度と嵌合量によって、所定温度に加熱されて内外圧力差が所定値以上となつた際に、内部に密閉'されている気体の膨張により摺動して開くように設定されている。

図 7に示すカプセル体 26は、内容物 21を収容するケース 26 a は筒状で、その開口部にはメッシュ部材 26d が設けられ、上記内容物 21が外部に拡散するのを防止し、茶葉等の収容に適している。また、上記ケース 26a の外周部分には筒状に形成されたキヤップ状の閉塞部材 26b がシール部材 26 c を介して嵌合され、気密性を確保した状態で内容物 21 と所定量の気体（空気等）を密閉した構造に設けられている。そして、上記閉塞部材 26 b は、その嵌合強度と嵌合量によって、所定温度に加熱されて内外圧力差が所定値以上となった際に、内部に密閉されている気体の膨張により搢動して開くように設定されている。

なお、図 7におけるケース 26a と閉塞部材 26b とは、いずれも容器状に形成されて相対的に摺動するものであって、どちらをケースと呼称してもよいものであり、また、閉塞部材 26b の底部に内容物 21を収容してメッシュ.部材で覆うように設けてもよいものである。

図 8に示すカプセル体 27は、内容物 21を収容するケース 27a は筒状で、その開口部の内周に、ゴム等の弾性部材によるボール状の栓体に形成された閉塞部材 27b が、気密性を確保した状態で嵌合され、内容物 21と所定量の気体（空気等）を密閉した構造に設けられている。そして、上記閉塞部材 27b は、その嵌合強度と嵌合量によって、所定温度に加熱されて内外圧力差が所定値以上となつた際に、内部に密閉されている気体の膨張により搢動して開くように設定されている。

さらに、図 9に示すカプセル体 28は、内容物 21を収容するケース 28a は筒状で、その開口部の内周に、ゴム等の弾性部材により栓体に形成された閉塞部材 28b が、気密性を確保した状態で嵌合されるものであるが、この閉塞部材 28 b は中間部に凹部が形成されてさらに他の内容物 22を分離収容するものであり、上下の縁部がケース 28a の内面に接触して気密状態を保持し、 2種類の内容物 21, 22 と所定跫の気体（空気等）を密閉した構造に設けられている。そして、上記閉塞部材 28b は、その嵌合強度と嵌合量によって、 _c

一 1 6 一所定温度に加熱されて内外圧力差が所定値以上となつた際に、内部に密閉されている気体の膨張により摺動して開くように設定されている。

なお、上記各カプセル体の形状寸法は、内容物 21の量、形状等に応じて適宜設計変更されるものである-。

次に、図 1 0ないし図 1 3は本例における缶本体 6cへの力プセル体の収納例を示すもので、カプセル体に収容した内容物 21 (主に茶葉など）の拡散もしくは流出を防止するメッシュ部林を設置している。 - 図 1 0の例では、缶本体 6eの上部にカプセル体 5 (図 7 の例を除く他のカプセル体でもよい）を収納保持する保持部材 31が設けられ、この保持部材 31の上下の面がメッシュ部材 31a , 31b で形成されている。そして、缶本体 6cを開封して加熱すると、温度上昇によりカプセル体 5の閉塞部材 5bが開作動して該カプセル体 5内に液状内容物 20が流入し、茶葉などの内容物 21が力プセル体 5から出て液状内容物 20 全体に拡散しょうとするが下方のメッシュ部材 31b によつて阻止され、また、缶本体 6cから液状内容物 20を注ぐ際には上部のメッシュ部材 31a によって茶葉などの内容物 21の流出が防止されるものである。

図 1 1の例では、缶本体 6cの底部に力プセル体 5 (図 7 の例を除く他のカプセル体でもよい）を収納保持する保持部材 32が設けられ、この保持部材 32の上下の面がメッシュ部材 32a , 32b で形成されたものであり、その作用は図 1 0 の例と同様である。

図 1 2の例では、カプセル体 5 (図 7の例を除く他の力プセル体でもよい）は液状内容物 20に放置状態で収納し、缶本体 6cの上部の開口部を覆つてメッシュ部材 33を配設してなるものであって、開作動したカプセル体 5.から茶葉などの内容物 21が出て液状内容物 20全体に拡散し、缶本体 6e から液状内容物 20を注ぐ際に上記メッシュ部材 33によって茶葉などの内容物 21の流出が防止される。

図 1 .3の例では、前記図 7に示すような内部にメッシュ部材 26d を備えたカプセル体 26を収納するものであり、缶本体 6cにはその上部に該カプセル体 26の閉塞部材 26b を保持するホルダ 34を設けてなるものであって、加熱に応じてカプセル体^が開作動するとケース 26a.が落下して、該ケース 26a 内に液状内容物 20 が流入することになり、'ケース 26a 内の内容物 21はそのメッシュ部材 26d によって拡散が防止される。

なお、本例におけるカプセル体のケ一スおよび閉塞部材は、アルミニウム等の金属、もしくは耐熱性のプラスチックスなどによって成形されるものであり、その素材の熱伝導性の差により開作動する時期が異なるものである。

すなわち、開作動時の温度設定が同一でも、前記カプセル体をアルミニゥム等の金厲で形成した際には、熱伝導性が高いことから、液状内容物の温度上昇に連係してカプセル体の内部気体の温度も早期に上昇し、液状内容物が設定 - 1 - 温度に達してから少ない遅れでもつて閉塞部材が開作動し、例えば液状内容物が沸騰する前に密閉状態が解消される。 —方、熱伝導性の低いプラスチックス等で形成したカプセル体では、液状内容物の温度上昇に対して内部気体の温度上昇が遅れ、液状内容物が設定温度に達してもそれからある程度の遅れ時間が経過してから開作動することになり、例えば液状内容物の沸騰後に密閉状態を解除する特性となる。この特性に基づき、内容物の種類等に応じて上記カブセル体の材質を選定し、所望の開封特性を得ることが可能とる o

なお、本例における前記カプセル体の大きさ材質等を変更して、その内容物として、例えばコーヒー、茶、ミルク等の飲料め他、カップラーメン等の麵類や、味噌汁、スープ等の食品にも適用することができる。

く実施例 2〉

図 1 4は本例の加熱用缶詰を用いたバーナー付缶詰の概略断面図である。

バーナー付缶詰の基本的構造は前例と同様であり、円筒状の外ケース 2と、この外ケース 2の上部内側に収容固定された加熱用缶詰 36と、着火手段 8を備えたバーナー 10と、燃料夕ンク 12とを備えている。前例と同一構造には同一符号を付している。

前記加熱用缶詰は、耐熱性缶本体 6cの内周面にゴム弾性を持った隔膜状の弾性膜 35が固着され、該缶本体 6eの内 — — 部が上下の収容部 37a , 37 b に区画され、下方の収容部 37 b には液状の内容物 20 (例えば水、飲用液体等）が収容密封され、上方の収容部 37 a には固形状の内容物 21 (例えば、インスタントコーヒー、スープの素、ティーバッグ、茶葉、麵類等）が収容密封される。

また、必要に応じて、上方の収容部 37a には炭酸ガスもしくは窒素ガス等を封入して、この上方の収容部 37 a の圧力を下方の収容部 37b の圧力より高くなるように予圧するか、下方の収容部 37b の液状内容物に炭酸ガスもしくはァルコール等を混入する。また、下方の収容部 37a に炭酸ガスもしくは窒素ガス等を封入する際に、この圧力より高くなるように差をもって、上方の収容部 S 7a にも炭酸ガスもしぐは窒素ガス等を封入するようにしてもよい。

さらに、上記弾性膜 35から所定間隔上方には下方に向けて尖鋭な先端を有する針状部材 42が設けられている。この. 針状部材 42は、棒状の支持部 43が缶本体 6cの直径方向に配設され、この支持部 43の下面に取り付けられている。この針状部材 42の形状および取付構造は適宜設計変更可能である。なお、前記上方の収容'部 37 a の内容物 21は、実際には、上記針状部材 42の近傍を避けた弾性膜 S 5上に載置された状態で収容されている。

上記針状部材 42の先端位置は、後述のように開封部 6aが開けられて上方の収容部 37 a が大気開放された状態で加熱用缶詰 36がパーナ― 10によつて加熱され、液状内容物 20の温度が所定温度（例えば 90°C ) に上昇し、下方の収容部 37 b の圧力上昇に伴って前記弾性膜 35が、鎖線で示すように上方に膨らむように変形した際に接触して破裂するような位置に設けられるものであって、弾性膜 35の変形特性、中心からの距離などに応じて実際の位置が設定されるものであ。

本例の作用を説明すれば、内容物 20 , 21 が封入された直後の缶詰 36は、弾性膜 35によって区画された収容部 37a . 37 b に液状内容物 20と固形状内容物 21とが分離収容され、必要に応じて炭酸ガスまたは窒素ガスを上方の収容部 37a または圧力を変えて両方の収容部 37a，37b に封入するか、もしくは、下方の収容部 37b の液状内容物 20に炭酸ガス、了ルゴール等を封入している。

殺菌工程における加熱時に、缶詰 36は未開封状態で上下の収容部 37a , 37b はいずれも密封状態で、温度上昇に応じた上下の収容部 37a . 37b の圧力差は小さく、弾性膜 35の変形も小さくて針状部材 42に接触して破裂することはなく、加熱後においても区画を維持した状態で保存される。

特に、上方の収容部 31a に炭酸ガス等を封入してその内圧を高めておくと、殺菌加熱時の温度が高く下方の液状内容物 20の分圧上昇による下方の収容部 S7 b の圧力が高くなる際にも、上記予圧によって弾性膜 35の上方変形量を低減して破裂を防止し、より高温の殺菌工程でも確実に区画収容を維持することができる。また、下方の収容部 37b の液状内容物 20に炭酸ガスもしくはアルコール等を混入すると、この内容物に対応して実施しなければならない殺菌工程での所要加熱温度を低くすることができ、この殺菌温度の低温化に伴い弾性膜 35の上方変形量が低減する。なお、下方の収容部 37b に炭酸ガス等を封入することでその内圧が上昇した際には、これより高い圧力で上方の収容部 37 a に炭酸ガス等を封入することで、前記殺菌温度の低下と相俟って、より確実に殺菌工程での弾性膜 S 5の破裂を防止することができるものである。

一方、前記缶詰 36の使用時には加熱する前に、まず、開封部 6aを操作して缶詰 36を開封状態とするものであり、これにより弾性膜 35より下方の収容部 37b は密閉状態のままで、上方の収容部 37a は大気開放されている。そして、前記バーナー 10に点火して噴出する炎によつて缶本体 66の底部から直接加熱を行う。このバーナー 10による加熱で液状内容物 20の温度が上昇すると、密閉された下方の収容部 37 b の圧力上昇により前記弾性膜 S 5が上方に膨出変形し、その変形が大きくなつて針状部材 42に接触すると、変形で張力が大きくなつている弾性膜 35は瞬時に破裂するものであり、これにより両内容物 20 , 21 の区分を解除し、上方の収容部 37 a に収容されている内容物 21が液状内容物 20内に落下して混合し、調理等が行われる。

く実施例 3 >

図 1 5は本例の加熱用缶詰を用いたバーナー付缶詰の概 _ _

略断面図である。

バーナー付缶詰の基本的構造は実施例 1 と同様であり、円筒状の外ケース 2と、この外ケニス 2の上部内側に収容固定された加熱用缶詰 46と、着火手段 8を備えたバーナー 10と、燃料タンク 12とを備えている。

前記加熱用缶詰 46は、耐熱性缶本体 6cの内部に液状の内容物 20 (例えば水、飲用液体等）と袋状部材 45とが収容されている。また、上記袋状部材 45の内部には、図 1 6に示すように、粉末状もしくは固形状の内容物 21 (例えば、ィンスタントコ一ヒー、スープの素、ティーバッグ、茶葉、麵類等）と所定量の気体（空気等）が収容密閉されている _c 前記袋状部材 45は、ゴム等の弾性材によつて密閉可能な袋状に形成され、内部に所定量の上記内容物 21および気体が充填され、結束具 45a によって開口部が閉じられ密閉されている。また、上記内容物 21を収容した袋状部材 45は、保持部材 47の内部に収納されている。この保持部材 47は、上面および下面がメッシュ部材 47 a , 47b で形成されて内部に液状内容物 20が流通可能に設けられていると共に、その内側面には袋状部材 45が鎖線で示すように所定の大きさに膨出変形した際に接触して破裂させる尖鋭な先端を有する針状の開封手段 48が設けられている。

すなわち、上記袋状部材 45の内部に密閉されている気体量と弾性材の弾性力に基づく膨出変形量と、開封手段 48の設置位置とによって、前記開封破裂時の温度が設定される - - ものである。換言すれば、所定温度（例えば 90 ^eC ) に加熱した際に、膨出変形した袋状部材 45が開封手段 48に接触して破裂するように設定されるものである。なお、上記開封手段 48の形状および取付構造は適宜設計変更可能である。本例の作用を説明すれば、液状内容物 20と袋状部材 45が封入された直後の缶詰 46は、図 1 7 (A) のように、缶本体 6cの内圧および袋状部材 45の内圧は約 1気圧であり、上記袋状部材 45の容積は初期状態にあり、液状内容物 20と固形状内容物 21とが分離されている。 ·

図 1 7 (B) は殺菌工程における加熱状態を示し、缶詰 46 の缶本体 6cは未開封の密閉状態で、温度上昇に応じて缶本体 6cの内圧は内部気体の膨張および蒸気圧の上昇により、例えば、殺菌温度 110てでその内圧は約 2 . 7気圧に高まる _c また、袋状部材 45も同様に温度上昇によつて内部気体が膨張するが、上記缶本体 6cの内圧を受けて逆に内容積が低減するように袋状部材 45が収縮変形し、このときの袋状部材 45の内圧は約， 1 . 3気圧となる。なお、上記殺菌工程での加熱温度は内容物 20 , 21 によって異なり、この加熱温度に応じて上記袋状部材 45の収縮方向への変形量が異なるものである o

図 1 7 (C) は上記殺菌工程での加熱後に常温に冷却された保存状態を示し、図 1 7 (A) と同様の状態になるものであり、温度低下に伴う缶本体 6cの内圧低下に応じて袋状部材 45は拡張方向に変形し、該袋状部材 45の密閉状態は維持 - - され、常温状態では両者の内圧は略 1気圧に低下し、両内容物 20 , 21 は分離状態で保存される。

—方、前記缶詰 46の使用時は図 1 7 (D) に示すように、まず、加熱する前に開封部 6aを操作して缶詰 46の缶本体 6c を開封状態として、その上部空間を大気開放する。そして、前記バーナー 10に点火して噴出する炎によつて缶本体 6eの底部から直接加熱を行う。このバーナー 10による加熱で液状内容物 20の温度が上昇すると、袋状部材 45も同様に温度上昇して該袋状部材 45内に密閉されている気体が熱膨張して内圧が 90^eCで約 1. 3 気圧に上昇する。しかし、殺菌加熱時のように缶本体 6cの上昇した内圧が作用しないことから、上記袋状部材 45はこの内圧の上昇に伴って膨出変形し、約 90で程度に'加熱された状態で袋状部材 45の一部が開封'手段 48に接触すると、変形で張力が大きくなっている弾性材による袋状部材 45は瞬時に破裂するものであり、これにより内容物 21の密閉状態が解除され、液状内容物 20との混合が行われる ₀

図 1 8は本例の加熱用缶詰の変形例を示し、缶本体 6eの上部に前例と同様の袋状部材 45を収納保持する保持部材 49 が設けられ、この保持部材 49の上下の面がメッシュ部材 49 a, 9b で形成されると共に、側面に針状の開封手段 48が設置されている。そして、缶本体 6eを開封して加熱すると、温度上昇により袋状部材 45が膨出変形し、開封手段 48に接触して破裂して密閉状態が解除されると、茶葉などの内容物 21が袋状部材 45から出て液状内容物 20全体に拡散しょうとするが下方のメッシュ部材 49b によつて阻止され、また、缶本体 6cから液状内容物 20を注ぐ際には上部のメッシュ部材 49a によって茶葉などの内容物 21の流出が防止されるものである。

く実施例 4 >

次に、図 1 9は加熱用缶詰の前例に類似した他の実施例を示している。

本例の加熱用缶詰 56の缶本体 6cには液状内容物 20と共に袋状部材 55が封入され、缶本体 6cの上部の開口部を覆つてメッシュ部材 57が配設されている。前例と同一構造には同 —符号を付している。

この例の^状部材 55は、耐熱性ブラスチックス等による非弾性材で袋状に形成され、内容物 21と所定量の気体（空気等）を収容してその開口がシール部 55a によって気密性を確保した状態で密閉されている。また、上記シール部 55 a は、その密閉強度によって、所定温度に加熱されて内部気体の膨張に伴う袋状部材 55の膨出変形が所定値以上となつた際に、開封して密閉を解除するように構成されている。そして、本例の加熱用缶詰 56の作動は、実施例 3と基本的には同一であって、保存状態においては、缶本体 6 cの内圧および袋状部材 55の内圧は約 1気圧であり、袋状部材 55 のシール部 55a は密閉状態を維持して内容物 20 , 21 を分離収容している。また、殺菌工程における加熱状態では、缶本体 6eの上昇した内圧が袋状部材 55に作用することにより、袋状部材 55の容積は増大することなくシール部 55a は密閉状態を維持する。そして、缶本体 6eを開封して加熱する缶詰 56の使用時は、液状内容物 20の温度上昇に応じて袋状部材 55に密閉されている気体が熱膨張して膨出変形し、約 90 で程度に加熱された状態で作用する張力によりシール部 55 a は開封し、これにより内容物 21の密閉状態が解除され、液状内容物 20との混合が行われる。この場合には、開封した袋状部材 55から茶蕖などの内容物 21が出て液状内容物 20 全体に拡散し、缶本体 6cから液状内容物 20を注ぐ際に上記メッシュ部材 57によって茶葉などの内容物 21の流出が防止される。

なお、本例の袋状部材 55の内部には、 .メッシュ部材による内袋に内容物 21 (主に茶葉など）を収容するようにしてもよく、その際には本例のようなメッシュ部材 57は不要となるものである。また、内容物によってはメッシュ部材は不要であり、前例においても内袋に内容物 21を収容してもよい。

<実施例 5 >

図 2 0は、本例の加熱用缶詰を用いたバーナー付缶詰の概略断面図である。

バーナー付缶詰の基本的構造は実施例 1 と同様であり、円筒状の外ケース 2と、この外ケース 2の上部内側に収容固定された加熱用缶詰 66と、着火手段 8を備えたバーナー - 1 -

10と、燃料タンク 12とを備えている。

前記加熱用缶詰 66は、耐熱性缶本体 6cの内部に、液状の内容物 20 (例えば水）と固形状の内容物 21 (例えば、味付乾麵等）とがカプセル状の区画部材 67によって分離して収容されている。この区画部材 67は、常温では非溶性で、所定温度以上に加熱されたときに水溶性となる材料によつて形成され、その内部に上記固形状の内容物 21を収容した状態で缶本体 6e内に挿入され、その周囲には水を主成分とする液状の内容物 20が充填された状態で密封されている。上記区画部材 67は、液状内容物 20の沸点以下の温度でかつ殺菌温度以上の温度、例えば 90でで溶解されるように設けられている。

本例の作用を説明すれば、常温状態および殺菌時の温度では缶詰 66内の液状内容物 20と固形状内容物 21とは非水溶性の区画部材 67によって分離され、両者の接触が阻止された状態で保存される。そして、使用時には、前記バーナー 10に点火して噴出する炎によつて缶本体 6cの底部から直接加熱を行う。このバーナー 10による加熱で液状内容物 20の温度が所定値以上に上昇すると、前記区画部材 67が水溶性となって溶解して区画を解除し、内部の固形状内容物 21に液状内容物 20が接触して加熱調理を行うものである。

図 2 1ないし図 2 4はそれぞれ本例における区画部材の変形例を示している。まず、図 2 1 に示す区画部材 68は、多数の小さなカプセル状に形成され、その内部に粉末状もしくは粒状の内容物 21 (例えば、インスタントコーヒー、スープ等）を収容してなり、周囲の液状内容物 20と区画しているものである。この区画部材 68は、前例同様に常温状態では非水溶性で溶解せず、加熱昇温時に水溶性となつて溶解して区画を解除し、両内容物 20 , 21 を混合するものであ o。

図 2 2に示す区画部材 69 , 70 は、内容物をさらに複数種に区画して収容した例であり、液状内容物 20に対して、比較的大きなカプセル状の区画部材 69内にに固形状内容物 21 (例えば、麵類）が収容され、小型のカプセル状の区画部材 70に他の內容物 22a, 22b (例えば、スープ、薬味等）が別個に収容されている。そして、昇温時に区画部材 69 , 70 が溶解して区画を解除し、それぞれの内.容部 20 , 21 , 22a, 22 b を混合し加熱するものである。

図 2 3に示す区画部材 71は、缶本体 6cの内部を 2室に区画した例であり、缶本体 6cの下部には液状内容物 20が収容され、その上部に缶本体 6eの周壁に固着して隔膜状の区画部材 71が配設され、上下の空間を区画している。上記区画部材 71より上部の空間にはティ一バック等の抽出用内容物 21が収容されている。上記区画部材 71は、例えば低融点の榭脂膜を使用して、常温時および殺菌時には融点より低く融解しないで区画を行い、昇温時（使用時）には融点を越えて融解し区画を解除するように構成されている。この区画部材 71は、液状内容物 20の沸点以下の温度でかつ殺菌温度以上の温度、例えば 90でで融解するように設けられている

本例によれば、常温時および殺菌時では隔膜状の区画部材 71は融解せずに内容物を密閉区画し、昇温時に区画部材 71が融解して区画を解除し、昇温状態にある液状内容部 5a にティーバック等の内容物 21を落下浸潰させるものである。図 2 4に示す区画部材 72は、缶本体 6じの内部を同様に 2 室に区画した例であり、上部の内容物が異なっている。缶本体 6 eの下部には液状内容物 20が収容され、その上部に缶本体 6cの周壁に固着して隔膜状の区画部材 72が配設され、上下の空間を区画している。上記区画部材 7 2より上部の空間には、茶葉などの抽出用内容物 2 iがメッシュ容器 Π内に収容されている.。

本例によれば、常温時および殺菌時では隔壁状の区画部材 72は融解せずに内容物を密閉区画し、昇温時に区画部材 72が融解して区画を解除し、昇温状態にある液状内容物 20 にメッシュ容器 73を落下浸漬させるか、液状内容物 20を注ぐ際にメッシュ容器 73の内容物 21を通過させるものである _c く実施例 6 >

図 2 5は、本例の加熱用缶詰を用いたバーナー付缶詰の概略断面図である。

バーナー付缶詰の基本的構造は実施例 1 と同様であり、円筒状の外ケース 2と、この外ケース 2の上部内側に収容固定された加熱用缶詰 76と、着火手段 8を備えたバーナー 10と、檫料タンク 12とを備えている。

前記加熱用缶詰 76は、耐熱性缶本体 6eの内部に、水等の液状内容物 20を収容密封するとともに、図 2 6に示すように、注ぎ口 75に連通してその内部に茶葉などの内容物 21を収容する収容部 83が形成され、さらに、該収容部 83の下部に加熱時に収容部 83を開口する弁機構 84が配設されている _c 具体的には、略円筒状に形成され内部が前記収容部 83となる筒部材 86が設けられる一方、蓋 6bの注ぎ口 75の近傍に形成された凹部に、上記筒部材 86の上端係合部がシール接合されている。そして、該収容部 83すなわち筒部材 86の上端開口はメッシュ部材 Πで閉じられ、下端開口についても同様にメッシュ部材 88で閉じられ、その内部に茶葉などの内容物 21が収容保持されている。

また、弁機構 84は、ケース部材 91とボール 92によって構成され、ケース部材 91の上端部が前記筒部材 86の下端部外 · 周にシール状態で嵌合され、中間部の内側には中心に連通口 93が開口された係止部 94が形成され、さらに、下端部に筒状に延びてホールド部 96が形成されている。上記ケース部材 91のホールド部 96内に上記連通口 93を下方から閉塞するようにポール 92が嵌揷されている。

そして、上記ホールド部 96は例えば断面が波形状に形成されて温度に応じて変形する構造に設けられている。常温時および殺菌時には実線で示すように内側に閉じてボール 92を挾持し、該ボール 92による係止部 94の連通口 93の閉塞 — i — 状態を維持する一方、所定温度以上に加熱された昇温時には、上記ホールド部 96は鎖線で示すように外側に湾曲変形してボール 92の挟持力を解放し、このボール 92を落下させて前記連通口 93を開口させるように構成されている。この弁機構 84による連通口 93の開口温度は、液状内容物 20の沸点以下の温度でかつ殺菌温度以上の温度、例えば 90°Cとなるように設けられている。

なお、上記係止部 94はボール 92によるシール性を高めるために.、連通口 93のシール面に軟質材料を配設するようにしてもよい。

本例の作用を説明すれば、常温状態および殺菌状態では弁機構 84は閉塞状態にあり、収容部 83内の内容物 21は液状内容物 20と非接触の状態で保存される。.そして、飲用時には、前記バーナー 10に点火して噴出する炎によつて缶本体 6cの底部から直接加熱を行う。このバーナー 10による加熱で液状内容物 20の温度が所定値以上に上昇すると、前記弁機構 84のボール 92が落下して連通口 93を開き、収容部 83の内部に加熱された液状内容物 20すなわちお湯を流入させて、その内容物 21としての茶葉等にお湯を接触させて成分を出して緑茶などの飲料とし、容器 6を傾けて注ぎ口 75から飲料を注いで供給するものである。

なお、本例においては、収容部 Πの下端開口にメッシュ部材 88を設けて液状内容物 20内に内容物 21が落下拡散しないようにしている力 <、この下方のメッシュ部材 88を除去して弁機構 84が開口状態となった際には、内容物 21が液状内容物 20すなわちお湯に落下分散して成分を出すようにしてもよい。

また、図 2 7は本例の変形例を示すものであり、図 2 6 では筒部材 86による収容部 83内に粉状もしくは.粒状の内容物 21を直接収容しているが、これをティーバッグのように通水性の袋 21a に内容物 21を入れて収容するとともに、収容部 83の筒部材と弁機構 84のケース部材とを一体構造とした例で.ある。

すなわち、加熱用缶詰 76の耐熱性缶本体 6cにおける注ぎ口 75に連接して略円筒状の筒部材 99が配設されている。この筒部材 99は、中間部分にボール 92で閉塞される連通口 93 を有する係止部 94が設けられ、この係止部 94より上方に収容部 83が形成され、袋 2 ia の内部に茶葉などの内容物 21が収容されたティーバッグが揷入されている。また、収容部 Πの上端開口には押え部材 97が設置されている。一方、上記筒部材 99の係止部 94より下方部分は弁機構 84のホールド部 96に形成され、連通口 93を閉塞するボール 92が嵌挿されて、昇温時にホールド部 96が変形してボール 92が落下し、連通口 93を開口するように構成されている。

なお、上記各実施例においては、昇温時に連通口 93を開口する弁機構 84としては、ボール 92を使用した構造を示しているが、その他の機構が適宜採用可能である。すなわち、例えば、前記例の係止部 94を膜部材で隔壁状に形成し、この膜部材で液状内容物 20と茶葉などの内容物 21の収容部 83 とを分離し、さらに、上記膜部材に前例のホールド部 96と同様に昇温時に変形する変形部材を連接してなり、この変形部材の変形によつて上記膜部材を破損して連通口 93を開口するように弁機構を構成してもよい。

また、前記係止部 94の連通口 93をバイメタルを利用した弁部材によつて開閉するように弁機構を構成してもよい。すなわち、バイメタルの先端に連通口 9 Sを閉塞する弁体を設け、常温時にはバイメ夕ルの付勢力で開口を閉塞し、昇温時にはバイメ夕ルが変形して連通口 93を開口するように設けてもよい。

さらに、弁機構をフライト部材を利用して構成するようにしてもよい。このフユライト部材としては、常温時には磁力を有して連通口 93を閉塞し、昇温時には磁力を失つて上記連通口 93を開口するものである。

—方、保存時における注ぎ口 75のシールは、蓋 6bの開口部分にアルミ箔を剥離可能に接合して閉じ、加熱時にこのアルミ箔を剥がして注ぎ口 75を開口し液状内容物 20を注ぐように構成してもよい。

Claims

請求の範囲 . 上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、他の内容物を上記液状内容物とは分離状態で収容し、前記開封部の開封状態で所定温度以上に加熱した際に上記分離状態を解除して両内容物を接触可能に構成したことを特徴とする加熱用 . 上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともにカプセル体を封入してなり、該カプセル体は内部に他の内容物を収容したケースを内外圧力差が所定値以上となった際に開く閉塞部材で密閉してなり、前記缶本体の開封状態での加熱時に前記カプセル体の内部気体の膨張に応じて上記閉塞部材が開作動して密閉を解除することを特徴とする加熱用缶詰 _c. 前記カプセル体は、筒状のケースにシール部材を介して摺動自在に蓋状の閉塞部材が嵌合されてなることを特徵とする請求項 2記載の加熱用缶詰。

. 前記カプセル体の内部または外部にメッシュ部材を配設してなることを特徴とする請求項 2記載の加熱用缶詰 <. 上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部が、弾性膜によつて上下の収容部に区画され、下部に水等の液状内容物を、上部に他の内容物を分離して収容し、さらに、上記弾性膜の上方に、缶本体の加熱時に膨出変形した弾性膜に接触して該弾性膜を破裂させる針状部材が配設されていることを特徴とする加熱用缶詰。

6 . 上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、内部に他の内容物および所定量の気体を密閉した弾性材による袋状部材を上記缶本体に封入してなり、さらに、該缶本体の内部に缶本体の開封状態での加熱時に内部気体の膨張に応じて膨出変形した前記袋状部材に接触して該袋状部材を破裂させて密閉を解除する開封手段を配設したことを特徴とする加熱用缶詰。

7 . 上部に開封部が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液状内容物を収容するとともに、内部に他の内容物および所定量の気体を密閉した袋状部材を上記缶本体に封入してなり、上記袋状部材は、缶本体の開封状態での加熱時に内部気体の膨張に応じて膨出変形した際に開封して密閉を解除するシール部を有することを特徴とする加熱用缶詰。

S . 前記袋状部材の内部または外部にメッシュ部材を配設してなることを特徴とする請求項 6または 7記載の加熱用 MJ &ロ

9 . 耐熱性缶本体の内部が、常温では非水溶性で、所定温度以上に加熱されたときに水溶性となる区画部材によつて区画され、水を主成分とする液状内容物と他の内容物とを分離して収容したことを特徴とする加熱用缶詰。

0 . 耐熱性缶本体の内部が、常温では融解せず、所定温度以上に加熱されたときに融解する区画部材によって区画され、水を主成分とする液状内容物と他の内容物とを分離して収容したことを特徴とする加熱用缶詰。

1 . 上部に注ぎ口が形成された耐熱性缶本体の内部に水等の液体が収容密封されるとともに、上記注ぎ口に連通してその内部に茶葉などの内容物を収容する収容部が形成され、該収容部の注ぎ口と反対側には、常温では閉塞状態で、所定温度以上に加熱されたときに開口状態となる弁機構が形成されていることを特徵とする加熱用缶詰,