明細書 湿度センサおよびモの製造方法
技術分野
本発明は、 湿度に対応 して素子の電気的特性が変化するこ と によ り湿度を検出 する湿度センサに関する。 背景技術
近年、 湿度計測、 湿度制御を必要とする分野が増加し、 湿度センサの重要性が 認められるよ う になった。
湿度に対応 して素子の電気的特性が変化するこ と によ り湿度を検出する湿度セ ンサには、 電解質系、 金属系、 高分子系、 セラ ミ ッ クス系等があり、 それぞれい ろいろな系が研究され いるが、 現在実用化されて.いるものは、 高分子系および セラ ミ ックス系の湿度セ ンサである。 いずれも、 素子に対する水の吸脱着によ り、 素子の抵抗値または電気容量が変化する性質を利用 したものである。
しかし、 従来の湿度センサは、 小型化 しょ う とすると き、 いくつかの問題点が あった。 従来の技術で小型の湿度センサを作製する と、 抵抗値が高く なる と と も に、 ばらつきが大きく なつて しまう。 また、 抵抗値の変化幅が極端に大き く なる か小さ くなつて しまう。 このため、 小型で精度の良い湿度計を作製するこ とは困 難であつた。
また従来の湿度センサは、 応答の遅いものが多く、 湿度変化を正確に測定する こどは不可能であった。
信頼性の面でも、 高温高湿や有機溶媒に弱く、 水中に浸潰すると劣化するもの が多かった。 さ らに、 塩水のような電解質溶液に接触すると、 乾燥させても電解 貧が感湿体の中に残って しま うため、 著しく特性が変化 し、 使用不能となって し まった。 有機溶媒に対しては、 感湿体が有機溶媒に溶解して しまう ため、 著し く 特性が変化し、 使用不能となって しまった。
そこで本発明はこのよ うな問題点を解決するもので、 その目的とすると ころは、 小型化しても抵抗値が低く、 抵抗値の変化幅も適当であ り、 応答が速く、 耐環境
性にも優れる湿度センサを提供する と こ ろにある。 発明の開示
本発明の湿度セ ンサは、 酸化マンガンと酸化鉛と アルカ リ 金属化合物を主成分 とする感湿体を用いるこ とを特徴とする。
本発明の湿度セ ンサは、 酸化マ ンガン と アルカ リ 金属化合物を主成分とする感 湿体を用いる こ どを特徴とする。
本発明の湿度セ ンサは、 酸化鉛と アルカ リ 金属化合物を主成分とする感湿体を 用いる こ とを特徴とする。
この よ う な成分を持つ感湿体を用いるこ と によ り、 小型化 しても抵抗値が低く、 抵抗値の変化幅も適当な湿度センサを得るこ とができる。
基板上に、 感湿体を皮膜状に形成する こ と によ り、 小型で応 の速い温度セ ン サを得るこ とができると とも に、 簡単な工程で低価格な湿度 ンサを製造する こ とができる。 なお、 本明細書では、 皮膜状に形成された感湿体を、 感溫膜と呼ぶ。 酸化マンガンは、 原料から酸化マ ンガンである必要はなく、 分解して酸化マ ン ガンになるもの、 例えば、 炭酸マンガン、 酢酸マンガン、 硝酸マンガン等でも よ い。 同様に、 酸化鉛は、 原料から酸化鉛である必要はな く、 分解して酸化鉛にな るもの、 例えば、 炭酸鉛、 酢酸鉛、 硝酸鉛等でもよい。 また、 酸化マ ンガンと酸 化鉛と アルカ リ 金属化合物は同時に熱処理する必要はな く、 例えば、 まず基板を 酢酸鉛溶液に浸潰 した後、 熱処理し、 次に硝酸マ ンガン溶液に浸潰し、 熱処理 し、 さ らに炭酸ナ ト リ ゥム溶液に浸漬した後、 熱処理しても よい。
感湿体の部分を覆う よ う に、 含フ ッ素高分子膜を形成すると、 電界質溶液や有 機溶媒に浸漬 しても特性が変化しない、 信頼性の非常に高い湿度セ ンサを得る こ とができる。
防水構造の機器に実装 しょ う とする場合、 防水用の 0 リ ングを用いるこ とがあ る。 このと き、 基板上に円形の櫛形電極を形成し、 その上に感温膜を形成する と、 スペースフ ァ ク タ一が良 く な り、 小型機器、 水機器への応用に好都合である。 基板上に電極、 感湿膜を形 する場合、 端子部が、 感湿膜に対して基板の反対 側の面にある と、 スペースフ ァクダ一が良く なり、 小型機器への応用に好都合で
ある。 このと き、 感湿膜側の面にある電極と、 感湿膜と反対側の面にある端子部 は、 基板に開けられたスルーホールまたは基板の側面を通じて電気的に接続され ていればよい。
基板には、 信頼性、 量産性の点で、 アルミ ナ基板またはガラス基板またはシリ コ ン基板が望ま しい。 シリ コ ン基板は、 熱酸化、 スパッ 夕、 C V D等によ り、 絶 縁膜が形成されたシリ コ ン基板を用いれば、 絶縁性基板と して用いるこ とができ る。
電極には、 信頼性の点で、 A u、 A g、 P t、 P dの中から選ばれた金属また はこれらの元素を少なく とも一つ含有する合金を用いるこ とが望ま しく、 抵抗値 を低く するため、 櫛形電極を用いる こ とが望ま しい。
本発明の湿度センサの製造 ¾は、 マ ンガンイ オンと鉛イ オンと アルカ リ金属 イ オンを含む溶液を、 基板上に塗布した後、 熱処理をするこ とによ り感湿膜を形 成するこ とを特徴とする。 '
本発明の湿度セ ンサの製造方法は、 マ ンガンイ オ ンと アルカ リ金属イ オ ンを含 む溶液を、 基板上に塗布した後、 熱処理をするこ と によ り感湿膜を形成するこ と を特徴とする。
本発明の湿度セ ンサの製造方法は、 鉛イオンとアルカ リ金属イ オンを含む溶液 を、 基板上に塗布した後、 熱処理をする こと によ り感湿膜を形成するこ と を特徴 とする。
感湿体を皮膜状に形成する場合、 硝酸塩や酢酸塩のよ うな塩を溶媒に溶解し、 この溶液を基板上に塗布した後、 熱処理を して感湿膜を形成するこ と によ り、 容 易に湿度センサを作製でき、 低コス トの湿度センサを得るこ とができる。 塗布の 万法は、 スク リ ーン印刷、 ス ピンコーティ ング、 ディ ッ プコーティ ング、 ロール コーティ ング等色々な方法が使用できる。 コーティ ング液は、 前述のよう な塩の 溶液の他、 アルコキシ ドの溶液等も使用できる。 この製造方法によれば、 組成の 制御、 微細構造の制御、 空孔率の制御が容易で、 よ り高性能な湿度セ ンサを得る こ とができる。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明の湿度センサの斜視図である。
図 2 は、 本発明の湿度センサの感湿特性図である。
図 3 は、 本発明の湿度セ ンサの斜視図である。
図 4 は、 本発明の湿度センサの感湿特性図である。
図 5 は、 本発明の湿度センサの感湿特性図である。
図 6 は、 本発明の湿度センサの感湿特性図である。
図 7 は、 本発明の湿度センサの感湿特性図である。
図 8 は、 本発明の湿度センサの感湿特性図である。
図 9 は、 本発明の湿度センサの感湿特性図である。
図 1 0は、 本発明の湿度セ ンサの感湿特性図である。
図 1 1 は、 本発明の湿度セ ンサの感湿特性図である。
図 1 2は、 本発明の湿度セ ンサの感湿特性図,である。
図 1 3は、 本発明の湿度セ ンサの感湿特性図である。
図 1 4は、 本発明の湿度セ ンサの感湿特性図である。
図 1 5は、 本発明の湿度セ ンサの斜視図である。
図 1 6は、 本発明の湿度セ ンサの感湿特性図である。
図 1 7は、 本発明の湿度セ ンサの電極のパターン図である。 図 1 8は、 本発明の湿度セ ンサを実装 した例の断面図である, 図 1 9は、 本発明の湿度セ ンサの断面図である。
図 2 0は、 本発明の湿度セ ンサの断面図である。
図 2 1 は、 本発明の湿度セ ンサの断面図である。
図 2 2は、 本発明の湿度センサの感湿特性図である。
図 2 3 は、 本発明の湿度セ ンサの応答特性図である。
符号の説明
1 は、 感湿体または感湿膜である。
2 は、 電極である。
3 は、 リ―ド線である。
4は、 基板である。
5 は、 含フ ッ素高分子膜である。
6 は、 0 リ ングである。
7 は、 小型防水機器本体である。
8 は、 スルーホールである。
9 は、 端子部である。
1 0 は、 導通部である。
1 1 は、 絶縁膜である。 発明を実施するための最良の形態
本発明をよ り詳細に説述するために、 添付の図面に従ってこれを説明する。
(実施例 1 )
二酸化マンガン 2 0 g と酸化鉛 2 0 g と炭酸リ チウム 1 0 gを混合し、 プレス 成形した後、 6 0 0 °Cで 1 時間熱処理するこ とによ り、 酸化マンガンと酸化鉛と アルカ リ金属化合物を主成分とする感湿体を形成した。 得られた感湿体から一辺 が 5 m mの立方体を切り 出し、 A g電極を付け、 図 1 に示すよ うな湿度セ ンサを 作製した。 図 1 において、 1 は感湿体、 2は電極、 3はリ ー ド線である。 本湿度 センサの感湿特性を図 2 に示す。 '図 2 よ り、 本発明の湿度センサは、 抵抗値が低 く、 しかも抵抗値の変化幅が適当なので、 使いやすいこ とがわかる。
(実施例 2 )
水 1 0 O m l に、 エタ ノ ール 1 0 0 m l、 酢酸マンガン 8 0 g、 酢酸鉛 2 0 g、 酢酸カ リ ウム 1 0 gを加え、 1時間攪拌した。 A uペース ト による櫛形電極をス. ク リ ー ン印刷によ り形成したアルミ ナ基板上に、 この溶液をディ ヅ プコ一ティ ン グし、 5 0 0でで 1時間熱処理するこ と によ り、 酸化マ ンガンと酸化鉛と アル力 リ 金属化合物を主成分とする感湿膜を形成した。
このよう に して作製した湿度センサの斜視図を図 3 に示す。 図 3 において、 1 は感湿膜、 2 は電極、 4 は基板である。 本湿度センサの感湿特性を図 4 に示す。 図 4よ り、 本発明の湿度センサは、 抵抗値が低く、 抵抗値の変化幅が適当であり、 しかも温度によって特性が変化しないので、 使いやすいこ とがわかる。 本湿度セ ンサを 6 0 °C 9 0 %の恒温恒湿槽中に 1 0 0 0時間放置後、 特性を測定したと こ ろ、 図 4 と測定誤差の範囲内で同様であった。 したがって、 本湿度セ ンサは、 耐
久性、 信頼性が高いこ とがわかる。
(実施例 3 )
水 1 0 0 m 1 に、 グリ セ リ ン 1 0 0 m 1、 酢酸鉛 4 0 g:、 酢酸ナ ト リ ウム 3 0 gを加え、 1 時間攪拌した。 C r、 A u をこの頫に蒸着し櫛形電極を形成 したガ ラス基板上に、 この溶液をス ピンコーティ ングし、 4 0 0 Cで 1 時間熱処理した。 次に、 この基板を、 硝酸マ ンガン溶液 ( 7 2重量% ) に浸潰した後、 2 0 0 °Cで 1 時間熱処理 した。 このよう に して作製した湿度セ ンサの斜視図を図 3、 感温特 性を図 5 に示す。
(実施例 4 )
P t - P d櫛形電極をスク リ ーン印刷によ り形成 した石英ガラス基板上に、 硝 酸鉛溶液 ( 4 0重量% ) を口一ルコ一ティ ングし、 7 0 0 °Cで 1時間熱処理した。 次に、 この基板を、 硝酸マ ンガン溶液 ( 5 0重量% ) に浸潰した後、 3 0 0 °Cで 1 時間熱処理した。 さ らに、 この基板を、 硝酸ナ ト リ ウム溶液 ( 6 0重量% ) に 浸漬した後、 5 0 0 °Cで 1 時間熱処理した。 このよ うに して作製した温度センサ の斜視図を図 3、 感溫特性を図 6 に示す。
(実施例 5 )
二酸化マンガン 2 0 g と炭酸リ チウム 1 0 gを混合し、 プレス成形した後、 6 0 0 °Cで 1 時間熱処理するこ とによ り、 酸化マ ンガンと アルカ リ金属化合物を,主 成分とする感湿体を形成した。 得られた感湿体から一辺が 5 m mの立方体を切り 出 し、 R u 0 2電極を付け、 図 1 に示すよ うな溫度セ ンサを作成した。 本湿度セ ン サの感湿特性を図 7 に示す。
(実施例 6 )
水 1 0 0 m l に、 エタ ノ ール 1 0 0 m l、 酢酸マ ンガン 8 0 g、 酢酸カ リ ウム 1 0 gを加え、 1 時間攪拌した。 A uペース ト によ る櫛形電極をス ク リ ー ン印刷 によ り形成したアルミ ナ基板上に、 この溶液をディ ップコーティ ングし、 5 0 0 °Cで 1 時間熱処理するこ と によ り、 酸化マンガンと アルカ リ 金属化合物を主成分 とする感湿膜を形成した。
このよう に して作製した湿度センサの斜視図を図 3、 感湿特性を図 8 に示す。 本湿度センサを 6 0 °C 9 0 %の恒温恒湿槽中に 1 0 0 0時間放置後、 特性を測定
したと ころ、 図 8 と測定誤差の範囲内で同様であった。 したがって、 本湿度セ ン サは、 耐久性、 信頼性が高いことがわかる。
(実施例 7 )
水 1 0 0 m 1 に、 グリ セ リ ン 1 0 0 m 1、 硝酸マ ンガン 1 0 0 gを加え、 1 時 間攪拌した。 C r、 A u をこの順に蒸着し櫛形電極を形成したガラス基板上に、 この溶液をス ピンコーティ ングし、 4 0 0 °Cで 1時間熱処理した。 次に、 この基 板を、 硝酸ナ ト リ ウム溶液 ( 5 0重量。/。) に浸潰した後、 2 0 0 °Cで 1 時間熱処 理した。 このよ う に して作製した湿度センサの斜視図を図 3、 感湿特性を図 9 に 示す。
(実施例 8 )
P t — P d櫛形電極をスク リ ー ン印刷によ り形成した石英ガラス基板上に、 硝 酸マンガン溶液 ( 7 .2重量% ) をロールコーティ ングし、 7 0 0。Cで 1 時間熱処 理した。 次に、 この基板を、 塩化リ チウム溶液 ( 6 0重量% ) に浸潰した後、 5
0 0 で 1 時間熱処理した。 このよ う に して作製した湿度センサの斜視図を図 3、 感湿特性を図 1 0 に示す。 '
(実施例 9 )
酸化鉛 2 0 g と炭酸リ チウム 1 0 gを混合 し、 プレス成形した後、 6 0 0 °Cで 1 時間熱処理することによ り、 酸化鉛と アルカ リ金属化合物を主成分とする感湿 体を形成した。 得られた感湿体から一辺が 5 m mの立方体を切り出 し、 A g - P d電極を付け、 図 1 に示すよ うな湿度セ ンサを作成した。 本湿度セ ンサの感湿特 性を図 1 1 に示す。
(実施例 1 0 )
水 1 0 0 m 1 に、 エタ ノール 1 0 0 m 1、 酢酸鉛 4 0 g、 酢酸カ リ ウム 1 0 g を加え、 1 時間攪拌した。 A uペース ト による櫛形電極をスク リ ー ン印刷によ り 形成したアルミナ基板上に、 この溶液をディ ップコーティ ングし、 5 0 0 °Cで 1 時間熱処理するこ とによ り、 酸化鉛と アルカ リ 金属化合物を主成分とする感温膜 を形成 した。
このよう に して作製した湿度センサの斜視図を図 3、 感湿特性を図 1 2 に示す。 本湿度センサを 6 0 "C 9 0 %の恒温恒湿槽中に 1 0 0 0時間放置後、 特性を測定
したと ころ、 図 1 2 と測定誤差の範囲内で同様であった。 したがって、 本湿度セ ンサは、 耐久性、 信頼性が高いこ とがわかる。
(実施例 1 1 )
水 1 0 0 m 1 に、 グリ セ リ ン 1 0 0 m 1、 硝酸鉛 4 0 gを加え、 1 時間掼拌 し た。 C r、 A uを この順に蒸着し櫛形電極を形成したガラス基板上に、 この溶液 をス ピンコ一ティ ングし、 4 0 0 °Cで 1 時間熱処理した。 次に、 この基板を、 硝 酸ナ ト リ ウム溶液 ( 5 0重量% ) に浸潰した後、 2 0 0 °Cで 1 時間熱処理 した。 このよ うに して作製した湿度センサの斜視図を図 3、 感湿特性を図 1 3 に示す。 (実施例 1 2 )
P t - P d櫛形電極をスク リ 一ン印刷によ り形成した石英ガラス基板上に、 硝 酸鉛溶液 ( 2 0重量% ) をロールコーティ ングし、 7 0 0 °Cで 1時間熱処理した。 次に、 この基板を、 塩化リ チウ:ム溶液 ( 6 0重量% ) に浸潰した後、 5 0 0 °Cで 1 時間熱処理した。 こ 'よう にして作製した湿度センサの斜視図を図 3、 感湿特 性を図 1 4 に示す。
(実施例 1 3 )
水 1 0 0 m 1 に、 エタ ノ ール 5 0 m 1、 酢酸マンガン 1 0 g:、 酢酸鉛 5 0 g、 酢酸カ リ ウム 2 0 gを加え、 1 時間攪拌した。 P tペース ト による櫛形電極をス ク リ ー ン印刷によ り形成 したアルミナ基板上に、 この溶液をス ク リ ーン印 '刷し、 7 0 0 °Cで 2 0時間熱処理するこ と によ り、 酸化マ ンガンと酸化鉛と アルカ リ 金 属化合物を主成分とする感湿膜を形成した。 なお、 この感湿部分の大きさは 1 m m x l m mである。 次に、 溶媒可溶性含フ ッ素高分子をパ一フ ルォロ溶媒に溶解 した溶液 ( 1 0重量% ) を、 この感湿膜上にスク リ ーン印刷し、 1 8 0 で 1 時 間熱処理するこ と によ り、 含フ ッ素高分子膜を形成した。
このよう に して作製した湿度センサの斜視図を図 1 5 に示す。 図 1 5 において、 1 は感溫膜、 2 は電極、 4 は基板、 5 は含フ ッ素高分子膜である。 本湿度センサ の感湿特性を図 1 6 に示す。 本湿度センサは感溫部分の大きさが非常に小さいに もかかわらず、 抵抗値が低く、 抵抗値の変化幅も適当である。
本湿度センサを 6 0 °Cの飽和食塩水に 1 0 0時間浸漬後、 特性を測定したと こ ろ、 図 1 6 と測定誤差の範囲内で同様であった。 また、 本湿度センサを 6 0 °Cの
エタノ ール中に 1 0 0時間浸潰後、 特性を測定した ところ、 図 1 6 と測定誤差の 範囲内で同様であった。 したがって、 本湿度セ ンサは、 耐環境性、 信頼性が高い こ とがわかる。
(実施例 1 4 )
図 1 7 に示す円形の櫛形電極 (直径 l m m ) を、 アルミナ基板上に A u メ ツキ するこ とによ り形成した。 水 1 0 0 m 1 に、 エタ ノ ール 5 0 m 1、 酢酸マ ンガン 2 0 g、 酢酸鉛 1 0 g、 酢酸カリ ウム 5 0 gを加え、 1 時間攪拌し、 感湿膜用コ —ティ ング液を作製した。 前記円形の櫛形電極を形成したアルミナ基板上に、 こ の感湿膜用コーティ ング液をスプレーコーティ ングし、 8 0 0 °〇で 1 時間熱処理 した。
このよう に して作製した湿度センサを、 小型防水機器に実装 した例の断面囪を 図 1 8 に示す。 図 1 8 において、 1 は感湿膜、 2 は電極、 4は基板、 6 は 0 リ ン グ、 7 は小型防水機器本体である。 このよう に本湿度セ ンサは、 小型機器、 防水 機器に実装する場合スペースフ ァ ク ターが良く、 機器の小型化が図れるこ とがわ かる。
(実施例 1 5 )
アルミナ基板の片面には櫛形電極を、 反対側の面には端子部を、 A u — P dぺ 一ス ト をスク リ ーン印刷することによ り形成した。 櫛形電極と端子部は、 ァ人レミ ナ基板にスルーホールを開け、 スルーホールを利用 して、 A u — P dペース ドに よ り接続した。 このアルミナ基板の、 櫛形電極を形成した面に、 実施例 1 4で用 いた感湿膜用コーティ ング液をスビンコ一ティ ングし、 Ί 0 0。Cで 1 0時間熱処 理した。
このよう に して作製した湿度センサの断面図を図 1 9 に示す。 図 1 9 において、 1 は感湿膜、 2 は電極、 4は基板、 8はスルーホール、 9 は端子部、 1 0 はスル 一ホールを利用 した導通部である。 このよう に本湿度セ ンサは、 小型機器に実装 する場合スペースフ ァ クタ一が良く、 機器の小型化が図れるこ とがわかる。 また 製造工程においても、 端子部に感湿膜が付かないよ うにするための処理が不要で あ り、 コス トが安く なるこ とがわかる。
(実施例 1 6 )
ガラス基板の片面には櫛形電極を、 反対側の面には端子部を、 ー? 1ぺー ス ト をスク リ ーン印刷するこ とによ り形成した。 櫛形電極と端子部は、 ガラス基 板の側面を利用 して、 A g — P dペース ト によ り接続した。 このガラス基板の、 櫛形電極を形成した面に、 実施例 1 4で用いた感湿膜用コ一テ ィ ング液を 口一ル コーテ ィ ングし、 6 0 0 °Cで 1 0時間熱処理 した。
このよう に して作製した湿度センサの断面図を図 2 0 に示す。 図 2 0 において、 1 は感溫膜、 2 は電極、 4は基板、 9 は端子部、 1 0は側面を利用 した導通部で ある。
(実施例 1 7 ) ·
シリ コ ン基板を 1 1 0 0 °Cで 4時間熱処理するこ とによ り、 表面を酸化 し、 S i O 2絶緣膜を形成 した。 このシリ コン基板に、 C r、 A uを この順にスパッ 夕 し、 エ ツヂングするこ とによ り、 櫛形電極を形成 した。 なお、 この感湿部分の大き さ は 0 . 5 m m X 0 . 5 m mである。 このシリ コ ン基板に、 実施例 1 4で用いた感 湿膜用コーテ ィ ング液をスビンコ一ティ ングし、 Ί 0 0 °Cで 1 時間熱処理する こ と によ り、 酸化マ ンガンと酸化鉛と アルカリ 金属化合物を主成分とする感湿膜を 形成した。 この上に、 溶媒可溶性含フ ッ素高分子をパーフルォロ溶媒に溶解した 溶液 ( 1 重量% ) をス ピンコーティ ングし、 8 0 °Cで 1 時間熱処理するこ と によ り、 含フ ッ素高分子膜を形成 した。
このよう に して作製した湿度センサの断面図を図 2 1 に示す。 図 2 1 において、 1 は感湿膜、 2 は電極、 4は基板、 5 は含フ ッ素高分子膜、 1 1 は絶縁膜である。 本湿度センサの感湿特性を図 2 2 に示す。 本湿度セ ンサは感溫部分の大き さが非 常に小さいにもかかわらず、 抵抗値が低く、 抵抗値の変化幅も適当である。 ま た、 温度変化に対する応答は 3秒以内であり、 温度変化に対する応答は図 2 3 に示す よ う に 2秒以内であり、 十分に速いこ とがわかる。
本溫度セ ンサをアセ ト ン中に 1 0 0時間浸漬後、 特性を測定 した と ころ、 図 2 2 と測定誤差の範囲内で同様であった。 また、 本湿度センサをタバコの煙が充満 した容器中に 1 0 0 0時間放置後、 特性を測定した ところ、 図 2 2 と測定誤差の 範囲内で同様であった。 したがって、 本湿度セ ンサは、 耐環境性、 信頼性が高い こ とがわかる。
以上述べたよう に本発明の湿度セ ンサは、 小型化 しても抵抗値が低く、 抵抗値 の変化幅も適当である。 したがって、 小型の湿度セ ンサを容易に作製できると と もに、 容易に湿度測定回路を作製するこ とができる。 このため、 低コス トで湿度 計測器を作製する ことができる。 また、 応答が速く、 耐環境性にも優れている。 さ らに、 感湿体の部分を覆う よう に、 含フ ッ素高分子膜を形成する と、 電界質溶 液や有機溶媒に浸潰しても特性が変化しない、 信頼性の非常に高い湿度セ ンサと するこ とができる。 産業上の利用可能性
以上のよう に、 本発明の湿度センサは、 湿度計測、 湿度制御を必要とする分野、 特に小型、 高速応答性、 高信頼性、 低コス ト を要求される分野、 携帯機器等に広 く応用するこ とができる。