WO1993015876A1 - Spindle positioning method - Google Patents

Description

明 細 書

主 軸 位 置 決 め 方 法

技 術 分 野

本発明は、 主軸乇一夕の減速能力を最大限に活か して 短時間で所望位置に安定的に位置決め停止するための主 軸位置決め方法に関する。

背 景 技 術

回転 して いる主軸モ一夕 を所望位置に位置決め停止す るための技術と しては、 速度制御の段階で、 位置決め制 御するための基底速度まで減速し、 その後主軸モー夕 を 速度制御の状態から位置制御の状態へと切 り替え、 指令 停止位置と現在位置との差を位置偏差と して設定 し位置 ループ制御を行う方法が知 られて いる。

この方法によ り位置決めに要する時間を短く しょ う と するには、 ポ ジシ ョ ンゲイ ンの値を大き く する と いう こ とが考え られるが、 主軸モータの加減速特性を無視 して このよ う な処理を行う と速度指令に対する主軸モータの 追従が困難となって不用意なオーバーシュ一 ト を生 じる 場合がある。 また、 オーバーシュー トの発生を恐れて位 置ループのポジシ ョ ンゲイ ンの値を小さ く 設定 した り す る と位置決めに要する時間も必然的に増大する こ と にな つて、 オーバ一シュー トの防止と高速の位置決め と を同 時に実現させる こ と は困難である。

発 明 の 開 示

本発明の目的は、 不用意なオーバ一シュー ト を防止 し, かつ、 工作機械の主軸を短時間で所望の停止位置に位置 決めする こ とのでき る主軸位置決め方法を提供する こ と にあ 。

上記目的を達成するため、 本発明は、 主軸モ一夕 を速 度制御に基づき駆動転制御 して いる と き に定位置停止指 令を受ける と、 その速度制御に基づきモ一夕回転速度を トルク一定領域を規定する最大回転速度以下の速度にま で低下させ、 その速度にまで低下させた と き、 初期の位 置偏差と してモータ 1 回転内の現在位置及び指令停止位 置に関係 した値を設定 したう えで、 モ一夕の駆動制御を 速度制御から位置制御に切 り 換え、 以後指令停止位置ま で直線加減速制御を実行する。

さ ら に、 本発明は、 主軸を所望回転位置に位置決めす る主軸位置決め方法において、 主軸モ一夕が基底速度以 下になる と、 主軸モータの速度及び主軸 1 回転内にお け る回転位置を検出 し、 前記検出速度に基づいて設定さ れ て いる減速直線に沿って減速停止させる最小移動量を求 める と共に、 検出回転位置から 目標の停止位置までの移 動量を求め、 該移動量が前記最小移動量よ り大き く な る まで順次主軸 1 回転分の移動量を前記移動量に加算 して. 該加算 して得 られた移動量を位 g偏差と して設定 し、 該 位置偏差.の平方根に設定位置ループゲイ ンを乗 じて位置 ループ制御を行ない速度指令を求め、 該速度指令に基づ いて主軸モ一夕 を駆動制御するよ う に して いる。

好ま し く は、 前記最小移動量は検出速度の 2乗を上記 減速直線によって決ま る予め設定されたパラ メ 一夕値で 除 して求め、 前記位置ループゲイ ンは上記パラ メ 一夕の 平方根の値とする。

さ ら に、 本発明は、 （ a ) 定位置停止指令を受ける と、 主軸乇一夕の回転速度を トルク一定領域を規定する最大 回転速度 N 1以下の速度 Nにまで低下させ、 （ b ) その 低下させた回転速度 Nから最終停止位置まで予め決め ら れた一定の傾き （減速度） で回転させる と した と きの位 置検出器の出力回転パルス数 P 1 を算出 し、 （ c ) 主軸 の現在の一回転内点位置から あと どれだけ正転する と主 軸の停止位置に重なるかを上記位置検出器の出力回転パ ルス数 αでも って算出 し、 （ d ) 上記 （ b ) で算出 した パルス数 P 1 と上記 （ c ) で算出 したパルス数 α とを比 較 し、 （ e ) 上記パルス数 Ρ 1 よ り も上記パルス数 αの 方が大き い と き にはそのパルス数 αを初期の位置偏差と して、 ま た、 上記パルス数 Ρ 1が上記パルス数 α と等 し いか或いはそれよ り も大き い と き には、 上記位置検出器 の主軸一回転の出力回転パルス数を P re V と し、 1 また はそれ以上の整数 n に対 して

a + ( n - 1 ) · P rev < Ρ 1 ≤ α + η · Ρ rev が成立する と きの α + η · P rev を初期の位置偏差と し て、 エラ一カ ウ ン夕 に設定 し、 （ f ) 以後、 上記 （ c ) で求めた初期偏差か ら位置検出器か らの帰還パルス数 P f を減算 し、 その減算 した値のパル ス数の平方根にモー 夕の減速特性によ り 決ま るゲイ ンを乗 じて速度指令を得 て、 該速度指令に基づいて主軸モータ を駆動制御する。 上述のよ う に、 本発明によれば、 主軸を所定位置に停 止させるのに、 まず主軸モー夕 を トルクが一定と なる基 底速度以下の領域にまで減速する。 この領域では トルク が一定とな り 直線加減速制御が可能となるか ら、 そ こで 所定の減速直線に沿う よ う 主軸モータは位置制御されて 最終位置に停止する こ と になる。 そ して この停止位置に 至るまでの減速過程では、 主軸モータの減速能力が最大 限に活かされ、 かつ、 オーバシュー ト を生 じる こ とな く 位置決め時間が短く なる。

図 面 の 簡 単 な 説 明

図 1 は本発明の方法を適用 した一実施例の工作機械に お ける主軸制御回路の要部を示すブロ ッ ク図、

図 2 は同実施例におけるモー夕制御回路の詳細を示す 機能ブロ ッ ク図、

図 3 は同実施例のモータ制御回路によ る定位置停止処 理の概略を示すフ ロ ーチャー ト、

図 4 は定位置停止処理で用いるパラメ 一夕の算出方法 を示す作用原理図、 及び、

図 5 は主軸モー夕の現在位置と主軸の指令停止位置と の関係を示す概念図である。

発 明 を 実施 す る た め の 最 良 の 形態 図 1 は一実施例の工作機械にお ける主軸制御回路の要 部を示すブロ ッ ク図である。 ギアやタ イ ミ ングベル ト 等 の動力伝達機構 2 を介 して主軸モータ 4 で回転駆動さ れ る主軸 1 には、 1 回転当 り P r e v 個の位置検出パルス を 発生する と共に 1 回転毎に 1 回転信号を出力する位置検 出器 3が取り 付けられている。 ま た、 主軸 1 を回転駆動 する主軸モ一夕 4 には、 該乇一夕 4の回転速度を検出す るための速度検出器 5 が取 り付け られて いる。

上記位置検出器 3 および速度検出器 5 はモータ制御回 路 7 に接続されている。 主軸モータ 4 はパワー回路 6 を 介 してモータ制御回路 7 に接続される と共に、 モータ制 御回路 7 自体は、 工作機械の各軸を制御する数値制御装 置 8 に接続されている。 上記モ一夕制御回路 7 は主軸モ —夕 4 を速度制御するための速度制御部や位置決め停止 動作を制御するための位置制御部、 更に、 各種滇算処理 を行う ためのプロセ ヅサや R O Mおよび R A M等を有 し、 ト ラ ンジス夕ィ ンバ一夕等のパワー回路 6 を介 して主軸 モー夕 4 を駆動制御する。

モー夕制御回路 7 は、 位置検出器 3 か ら出力される位 置フ ィ 一 ドバッ クパルス P f をカ ウ ン 卜 するカ ウ ンタお よび位置検出器 3か ら 1 回転信号を受信する毎に前記力 ゥ ン夕の値をラ ッチするラ ッチ回路を備える。

なお、 本実施例における動力伝達機構 2 の減速比は 1 ： 1 あ

図 2 は、 モ一夕制御回路 7 の機能ブロ ッ ク図で、 図中、 aは位置決め停止動作の時の位置偏差を記憶する'エラ一 カ ウ ンタ、 b は ソ フ ト ウヱァ上の速度指令計算処理を行 う手段、 c お よび d は速度制御ループの比例ゲイ ンお よ び積分ゲイ ンである。 さ ら に、 hお よび f は主軸モータ 4 の伝達関数の項で、 K t は トルク定数， J m はイ ナ一 シャであ り、 gは速度を積分 して位置を求める積分の伝 達関数の項である。 ま た、 S 1 , S 2 は便宜的に図示 し たスィ ッチで、 主軸 1 の速度制御や位置決め制御の別に よ り切 り 替え られる。

そこでまず、 本実施例の動作の概要を説明する と、 通 常はス イ ッチ S 2 をオフ と し、 ス イ ッチ S 1 をオン と し て、 従来と同様、 数値制御装置 8 か ら送られる回転速度 指令 V c iD d に基 ぐ速度制御が行われる。 すなわち、 速度 検出器 5 から出力される速度フ ィ - ドバ ヅ ク信号 V f を 回転速度指令 V cm d か ら減 じて速度偏差を求め、 この速 度偏差に速度ループ比例ゲイ ン c を乗 じた値と該速度偏 差を積算 した値に速度ループ積分ゲイ ン d を乗 じた値と を加算 して トルク指令を求め、 パヮ一回路 6 を介 して主 軸モータ 4 を駆動制御する処理が行われる。

一方、 位置決め停止指令と主軸停止位置 （ 1 回転内に おける回転位置） とが数値制御装置 8 よ り 出力さ れる と. モー夕制御回路 7 のプロセ ッサは、 図 3 フ ローチャー ト に示すよ うな 「定位置停止処理」 (詳細は後述 ) を開始 し、 オーバー シュー ト を防止 しなが ら主車由モ一夕 4の減 速能力を最大限に活か した状態でモー夕 4 を駆動制御 し. 主軸を指令停止位置に位置決めする こ と となる

そ こで、 ま ず図 4 の作用原理図を用 いて、 上記のモー 夕の減速能力を最大限に活か した状態で定位置停止制御 を行う際に必要となるパラ メ 一夕 を求める方法について 説明する。

まず、 主軸モータ 4 はある一定の回転速度. N 1 ( rpm ) 以下の領域では トルクが一定になって、 その領域内では 直線加減速制御が可能となる。 以下、 その回転速度 N 1 ( rpm )、 すなわち、 トノレク - -定領域を与える こ と になる と ころの毎分最大回転速度を基底速度 N 1 と いう。 そ して この直線加減速制御を横軸を時間、 縦軸を回転速度に と つた図 4 のグラ フで例示する と、 図中の直線 L (減速直 線） に沿っての減速動作になる。

この図 4 において、 基底速度 N 1 から最大の減速動作 で主軸モータ 4 を停止させた時に必要となる停止時間を T 1 と し、 一方、 基底速度 N 1以下の任意の回転速度 N ( rpm ) から減速直線 L に沿つて主軸モ一夕 4 を停止させ る時に必要となる時間を T とすれば、 減速直線 Lの傾き (減速度） が一定であるこ とから、 以下の関係が得られ

O

T 1

T = N … ( 1 )

N

そ こで、 軸 1 の 1 回転で位置検出器 3 から出力され る位置フ ィ ー ドノ 'ヅ ク パルスの数を P r e v (個） と して、 基底速度 N 1 以下の任意の回転速度 Nの と ころか ら減速 直線 L に沿って主軸乇一夕 4 を指令停止位置まで回転さ せる までに位置検出器 3 の発すべきパルス の数 P 1 を算 出する と、 図 4 にお ける縦の破線と減速直線 Lおよび横 軸である時間軸で区切 られる小さな三角形の面積が主軸 が停止するまでに回転する数に等 しいこ とから、 次式で 表わされ Ν Τる。

1 N

P 1 = T P rev ( 2

2 6 0

そ して、 上記 式と （ 2 ) 式によ り 次式が得られ る,

P rev T

P 1 = N 3

1 2 0 N 1

そ こで上記 （ 3 ) 式を回転速度 N について解 く と、 次 式が得られる。

4 こ こで、 トルク一定領域でのモ一夕の出力 トルク を T m、 モ一タイ ナ一シャ を J m、 負荷イ ナ一シャ を J L と する と トルク と加速度の一般式よ り次式が成 り 立つ。

J m + J L 2 π

Τ 1 = Ν 1

Τ m 6 0

5 そ して、 上記 （ 5 ) 式よ り、 次式が得られる。

T m 6 0

J m -r J L 2 π … ( 6 ) さ ら に、 上記 （ 6 ) 式を左辺を （ 4 ) 式の右辺に代入 して、

2 0 T m 6 0

N = P

P rev J m + J L 2 π

… ( 7 ) 上記 （ 7 ) 式において、 乇一夕の出力 卜ノレク T m、 乇 —夕イ ナ一シャ J m、 負荷イ ナ一シャ J L、 主軸 1 の 1 回転パルス数 P rev は既知であるか ら、 （ 7 ) 式の一部 をモ一夕の特性に応じ次式のよう にパラメ 一夕化する。

( 8 この （ 8 ) 式のパラメータ P R Mの値はモータ制御回 路 7の R O Mに予め書き込んでお く。

そこで、 上記 （ 8 ) 式を用いる こ と によ り、 （ 7 ) 式 は次式で表せる。

この （ 9 ) 式が意味する内容は、 現在速度 Nの と き、 パルス数 P 1 の位置指令を位置偏差の初期値と して与え 以後この位置偏差か ら位置フ ィ ー ドノ ッ クパルス P f を 減 じて位置偏差を求め、 その位置偏差の平方根にパラ メ —夕 P R Mの平方根を位置ループゲイ ン と して乗 じて速 度指令を算出する と い う位置ループ制御を行なえば、 停 止まで最も効率の良い減速動作を実行 した こ と になる、 すなわち、 図 4の減速直線 L に沿って主軸モー夕 4 を停 止させる こ と になる、 と い う こ とである。

また、 （ 9 ) 式を停止までの移動距離のパルス数 P 1 について解 く と次式が得られる。

P 1 = N ' N / P R M - ( 1- 0 ) この （ 1 0 ) 式が意味する内容は、 主軸乇一夕 4の回 転速度が Nである時に、 位置偏差の初期値は （ 1 0 ) 式 によ り算出されるパルス数 P 1である と い う こ とである ₍ したがって、 主軸モータ 4の減速能力を最大限に生か した状態で短時間で主軸 1 を停止するためには、 まず主 軸モータ 4の回転速度を基底速度 N 1以下の回転速度 N にまで減速させ、 そ してその時点において （ 1 0 ) 式で 求め られるパルス数 P 1 を位置偏差の初期値と して設定 して位置ループ制御を行なえば、 その時点よ り パルス数 P 1 の位置に最短時間で位置決めする こ とができ るこ と になる。

と ころで、 主軸モータ 4 を位置決め停止指令によって 停止させる場合には、 主軸 1 の 1 回転内の所定位置が目 標位置と して指令される。 すなわち、 目標位置は 1 回転 信号が出力さ れた時点から位置検出パルスが所定数 （ P 2個） 発せられた回転位置と して予め指令される。

こ こ で、 図 5 に示すよ う に、 現在の主軸が 1 回転信号 が出力された時点 （ " 信号 " ） から位置検出パルスが P 0個発せられた回転位置 （ " 現在 " ） にある とする場合 を考える。 この主軸がこの現在位置から正転方向 （図 5 の例では時計回転方法） に回転 してその 1 回転内の位置 が上記の停止位置 （ " 停止 " ） に重なる には、 その主軸 の回転移動量は位置検出パルスの数 cr ( < P rev ) でみ る と、

図 5 ( a ) のよ う に、 P 2 ≥ P 0の場合には

α = Ρ 2 — P 0であ り、 また、

図 5 ( b ) のよ う に、 P 2 く P Oの場合には

a = P 2 - P 0 + P rev である。

そこで、 上記回転数 Nに基づいて （ 1 0 ) 式の演算を 行なって現位置在から停止位置までのパルス数 P 1 を求 めた結果、 その値 P 1が上記の値 αよ り 小さ い と きには ( Ρ 1 < α ) , このパルス数 αの移動量を最短時間で停 止させる速度よ り も当該時点の速度 Νの方が小さ いこ と を意味するので、 かかる場合には初期値と して与える位 置偏差にはパルス数 Ρ 1ではな く パルス量 αの方をエラ —カウ ン夕 に設定する。 そう して、 この初期位置偏差 α か ら位置検出器からのフ ィ ー ドバッ クパルス P f を差引 き、 その平方根に乇一夕減速特性によ り決ま る係数を乗 じて速度指令を計算 し （上記 （ 9 ) 式参照） 、 位置ルー ブ制御 （図 2でスイ ッ チ S 1 をオフ， スィ ッチ S 2 をォ ン） を行なう。 そう すれば、 一旦その時点よ り 速度が上 昇するが、 その後、 減速直線 L に沿って最短時間で位置 決めでき る こ と になる。

一方、 現位置在か ら停止位置までのパルス数の値 P 1 が上記の値 α に等 しいかそれよ り大き い と き には （ P 1 ≥ ) , 1 ま たはそれ以上の整数 n に対 して、

+ ( n — 1 ) · P rev < P 1 ≤ α + η · P rev

-•• ( 1 1 ) が成立する と きの nの値によ る 「 ct 十 n · P rev 」 を位 置偏差の初期値 cr ' と して設定する。 そ う して、 この初 期位置偏差ひ ' から位置検出器からのフ ィ 一 ド ノマッ ク ノ、' ルス P f を差引 き、 その平方根にモ一夕減速特性によ り 決ま る係数を乗 じて速度指令を計算 し （上記 （ 9 ) 式参 照） 、 位置ループ制御 （図 2でスイ ッチ S 1 をオフ， ス イ ッチ S 2 をオン） を行なう。 そう すれば、 この初期値 と して与え られた値 α ' は P I に等 しいか或いはそれよ り もやや大き いので、 一旦その時点よ り 速度がやや上昇 する こ と もあるが、 その後直ちに減速直線 L にの り 以後 その減速直線 L に沿って最終停止位置にオーバシュ一 ト を起こすこ と もな く 最短時間で到達する こ と になる。

図 3 は前述の制御方法を実現するために本実施例が採 用 した 「定位置停止処理」 の概略を示すフ ローチヤ一 ト であ り、 以下、 このフ ローチヤ— ト を参照 して実施例の 主軸位置決め方法を説明する。

数値制御装置 8 か らの位置決め停止指令と共に、 停止 位置と しての 1 回転信号位置からのパルス数 P 2 の停止 位置を受信 したモータ制御回路 7 のプロセ ッサは、 図 3 に示すフ ローチヤ一 卜 の処理を所定周期毎実施する。

まず、 主軸モ一夕 4 の現在の回転速度 Nが基底速度 N 1 以下の回転速度領域に達 しているか否かを判別するが (ステ ップ S 1 ) 、 主軸モータ 4の回転速度 Nが基底速 度 N 1 以下となって いなければ、 以下、 回転速度 Nが基 底速度 N 1 以下となるまで所定周期毎に基底速度 N 1 を 回転速度指令 V cmd と して出力 し （ ステ ップ S 2 ) 、 主 軸モ一夕 4の回転速度 N を基底速度 N 1 以下に減速する, すなわち、 図 2 におけるスイ ッチ S 2 をオフ と し、 スィ ヅチ S 1 をオン と したま まの状態で、 基底速度 N 1 を回 転速度指令 V cm dと して出力 し続ける。

そ して、 現在の回転速度 Nが基底速度 N 1以下となつ た こ とがステ ヅプ S 1 の判別処理で検出される と、 モー 夕制御回路 7 のプロセ ッサは移動量設定完了フラグ Fが セッ ト されているか否かを判別する （ステップ S 3 ) 。

しか し この段階では移動量設定完了フラグ F は初期設定 によ り リ セッ ト されたま まであるので、 更に、 現在の回 転速度 Nの値に基づき （ 1 0 ) 式の演算を行なって減速 曲線 L に沿って主軸モータ 4 の停止操作を行った時に主 軸モー夕 4が停止する までに回転する移動量のパルス数 P 1 を求め、 レ ジス夕 に記憶する （ステ ヅプ S 4 ) 。

次いで、 モー夕制御回路 7 のプロセッサは、 位置フ ィ ― ドノ ッ クパルス を計数するカウ ンタの値から、 ラ ッチ 回路にラ ッチされて いる 1 回転信号検出時の前記カウ ン 夕の値を減 じて該時点の 1 回転信号位置からの主軸回耘 位置 P O を求め、 主軸 1 回転以内の位置決め停止位置 P 2か ら現在位置 P 0 を減じて現時点か ら停止位置までの 移動パルス量 α ( = Ρ 2 - Ρ 0 ) を求め （ステ ヅブ S 5 ) この値ひ が 0若 し く は正であれば位置偏差記憶レ ジス タ R ( e ) に初期値と して記憶 し、 負であれば、 この値ひ に主軸 1 回転分のパルス数 P rev を加算 して位置偏差記 憶レ ジス 夕 R ( e ) に初期値と して記憶する （ ステップ S 6 〜ステ ップ S 8 ) 。 なお、 ステ ップ S 5の処理で得 られるパルス数 α = P 2 — P 0の値が正の と きは主軸 1 の 1 回転内の現在位置 Ρ Οが 1 回転信号を基準と して位 置決め停止位置 Ρ 2 に達 して いない図 5 ( a ) のよ う な 状態を示すものであ り、 主軸モータ 4の現在位置 P Oが 位置決め停止位置 P 2 を通 り 越して いる図 5 ( b ) のよ う な状態、 即ち、 P 0 〉 P 2で αく 0の状態では （ステ ッブ S 6 ) 、 更に主軸 1 の 1 回転に対応する主軸 1 の 1 回転パルス数 P rev を加算 して 〔 P 2 — P 0 + P rev = α + P rev 〕 を位置偏差の初期値と して、 この値を位置 偏差記憶レ ジス夕 R ( e ) に初期値と して記憶する もの である。

次いで、 ブロセ ヅサはステ ップ S 4で求めたパルス数 P 1 と、 位 S偏差記憶レジスタ R ( e ) に記憶 した値ひ すなわち位置決め停止位置 P 2 ま でのパルス数 α との大 小関係を比較 して、 レ ジスタ R ( e ) に記憶されて いる 値が求めたパルス数 P 1 に等 しいか或いはそれよ り 小さ ければ （ ステ ップ S 9 ) 、 レ ジス タ R ( e ) に記憶 した 値 αに主軸 1 回転分のパルス量 P rev を加算した値を新 たな値と して このレ ジス夕 R ( e ) に格納 して （ ステ ツ ブ S 1 0 ) ステ ップ S 9 にも ど り、 再度パルス数 P 1 と 位置偏差記憶レジス夕 R ( e ) に新たに格納 した値 α と の大小関係を比較する。 こ う して、 ステップ S 9 とステ ヅブ S 1 0 との間を繰 り返 して レ ジス タ R ( e ) に格納 される値が徐徐に増加 して行き、 ついに レジスタ R ( e ) に格納されている値がパルス数 P 1 よ り大き く なつた と き には、 すなわち、 （ 1 1 ) 式を成 り立たせる整数 nの 値が見い出されたと きは、 フラグ F をセ ッ ト し （ステ ツ プ S l l ) 、 位置ループ制御を開始する。 すなわち、 図 2 におけるスィ ッチ S 1 をオフ と し、 スィ ッチ S 2 をォ ン に した状態に切 り換える。 そこで、 位置偏差記憶レジ ス夕 R ( e ) に初期値と して記憶されている位置偏差 e から当該周期の位置フ ィ ー ドバッ ク量 P f を減 じて新 し い位置偏差 e と して このレ ジス夕 R ( e ) に記憶 し （ ス テ ツプ S 1 2 ) 、 該レ ジス夕 R ( e ) に記憶する位置偏 差 eの平方根の値とパラメ 一夕 P R Mの平方根を乗 じて 速度指令 V cmd を求め （ステ ップ S 1 3 ) 、 速度ループ 処理に引 き渡 し当該周期の処理を終了する。

次の周期か らは、 移動量設定完了フラ グ Fがセ ッ ト さ れて いるから、 ステ ヅブ S 1 およびステ ップ S 3の判別 処理からステ ップ S 1 2およびステ ップ S 1 3へ移行す る処理を繰 り返 し実行 し、 位置ループ処理を実行する こ と になる。 そ して、 位置偏差記憶レ ジスタ R ( e ) に記 憶する値が 「 0 」 となれば、 すなわち、 位置偏差が 「 0 となれば、 速度指令は 「 0 」 とな り 主軸 1 を停止する こ と になる。

以上、 一実施例と して動力伝達機構 2 の減速比が 1 ： 1 である場合 （主軸 1 と主軸モータ 4 とが直結されて い る場合も同様である ） について説明 したが、 これ以外の 減速比を有する構成であって も、 前述の各数式を補正 し て用いる こ と によ り、 実施例の主軸位置決め方法を同様 に して適用する こ とができ る。.

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 主軸モ一夕 を速度制御に基づき駆動転制御 して いる と き に定位置停止指令を受ける と、 その速度制御に基づ きモー夕回転速度を トルク一定領域を規定する最大回転 速度の基底速度以下の速度にまで低下させ、

その速度にまで低下させた とき、 初期の位置偏差と し てモー夕 1 回転内の現在位置及び指令停止位置に関係 し た値を設定した う えで、 モー夕の駆動制御を速度制御か ら位置制御に切 り換え、

以後指令停止位置まで直線加減速制御を実行する、 こ とを特徴する主軸位置決め方法。

2 . 主軸を所望回転位置に位置決めする主軸位置決め方 法において、 主軸モータが トルク一定領域を規定する最 大回転速度の基底速度以下になる と、 主軸モータの速度 及び主軸 1 回転内における回転位置を検出 し、 前記検出 速度に基づいて設定されて いる減速直線に沿って減速停 止させる最小移動量を求める と共に、 検出回転位置か ら 目標の停止位置までの移動量を求め、 該移動量が前記最 小移動量よ り大き く なるまで順次主軸 1 回転分の移動量 を前記移動 ITに加算 して、 該加算 して得られた移動量を 位置偏差と して設定 し、 該位置偏差の平方根に設定位置 ループゲイ ンを乗 じて位置ループ制御を行ない速度指令 を求め、 該速度指令に基づいて主軸モー夕 を駆動制御す るよ う に した こ と を特徴とする主軸位置決め方法。

3 . 前記最小移動量は検出速度の 2乗を上記減速直線に よって決ま る予め設定されたパラ メ 一夕値で除 して求め、 前記位置ループゲイ ンは上記パラ メ ータの平方根の値で ある こ と を特徴とする請求項 1記載の主軸位置決め方法。

4. 以下の工程よ り なる主軸位置決め方法

( a ) 定位置停止指令を受ける と、 主軸モータの回 転速度を トルク一定領域を規定する最大回転速度 N 1以 下の速度 N にまで低下させ、

( ) その低下させた回転速度 Nか ら最終停止位置 まで予め決め られた一定の減速度で回転させる と した と きの位置検出器の出力回転パルス数 P 1 を算出 し、

( c ) 主軸の現在の一回転内点位置から主軸の指令 停止位置に達するまでの上記位置検出器の出力回転パル ス数 αを算出 し、

( d ) 上記 （ b ) で算出 したパルス数 P 1 と上記 ( c ) で算出 したパルス数 α と を比較し、

( e ) 上記パルス数 P 1 よ り も上記パルス数 orの方 が大き い と き には のパルス数 αを初期の位置偏差と し て、 ま た、 上記パルス数 Ρ 1 が上記パルス数 α と等 しい か或いはそれよ り も大きい と きには、 上記位置検出器の 主軸一回転の出力回転パルス数を P rev と し、 1 ま たは それ以上の整数 nに対 して

+ ( n— 1 ) ' P rev < Ρ 1 ≤ α 十 η · Ρ rev が成立する と きの ひ + η · P rev を初期の位置偏差と し て、 エラ 一カ ウ ンタ に設定 し、

( f ) 以後、 上記 （ c ) で求めた初期偏差か ら位置 検出器か らの帰還パルス数 P f を減算し、 その減算 した 値のパルス数の平方根に乇一夕の減速特性によ り決ま る ゲイ ンを乗 じて速度指令を得て、 該速度指令に基づいて 主軸モータ を駆動制御する.