,'、 明 細 書
ア ル ミ ニゥ ム合金粉末の脱ガス及び固化方法
技術分野
本発明 は、 急冷凝固ア ル ミ ニ ウ ム合金粉末の脱ガス及 び固化方法に関す る も のであ る。
背景技術
従来、 急冷凝固ア ル ミ ニ ウ ム合金粉末を成形固化す る 方法 と して は、 押出法、 H I P法、 粉末鍛造法な ど、 様 々 な方法が取 られてい る。 粉末を固化す る に は ど う して も粉末を加熱 しな く て はな らず、 こ の時粉末の急冷効果 が失われて し ま い、 特性が劣化す る。 こ れを防 ぐ に は急 速 に短時間で加熱す る方法が取 られ る。 こ の よ う に、 急 冷ア ル ミ ニゥ ム合金粉末の固化のための加熱を、 急速に 行 う こ と を主張 してい る特許 と して は
① U S P 4 4 3 5 2 1 3 「 Method for Producing Aluminium Powder Al loy Products Having Improved Strength Properties ; 了 ノレ つ 了 」
があ り 、 ア ル ミ ニウ ム に限 らず一般の粉末の誘導加熱方 法の特許 と して は
② U S P 5 1 3 4 2 6 0 「 Method and Apparatus for Inductively Heat ing Powders or Powder Compacts for Consol idation :カ ー ネ ギー メ ロ ン大学」 があ り 、 熱風に よ る 急速加熱の方法の特許 と して は
③ 特開平 3 - 1 5 8 4 0 1 「急冷凝固粉末の加熱方
法 ; ク ボタ J
があ る。
上記 した粉末鍛造法や従来公知の押出法、 H I P法な どのいずれに於いて も、 固化前の加熱は、 ①粉末の変形 抵抗を減少させ低い応力で成形加工する、 ②脱ガスをす る、 の二点において必要欠 く べから ざる も のであ る。
特に脱ガスは、 固化後の製品に現れる ブ リ ス タ ー と呼 ばれる気泡を防止 し、 また粉末鍛造においては粉末同士 を強固に接着する ために必須の手段であ り 、 例えば特開 昭 6 2 — 2 2 4 6 0 2 号公報に記載の方法、 「軽金属 J 3 7 ( 1 0 ) 1 9 8 7 年、 第 6 5 6 〜 6 6 4 頁に記載さ れる方法等の公知技術があ る。
公知技術において、 一般に脱ガスは、 C I P 体を缶封 入 し、 真空加熱する又は不活性ガス雰囲気内で 4 0 0 〜 6 0 0 °Cに加熱する こ とによ っ てな さ れるが、 どの方法 において も従来は通常の抵抗加熱炉を用 い、 昇温に 0. 5 〜 2 時間、 所定温度保持に 0. 5 〜 2 時間、 計 1 〜 4 時間 かけて十分な脱ガスを達成し ょ う と していた。
しか し、 上記の脱ガス方法については、 粉末の急速冷 却効果、 即ち通常冷却逮度であれば粗大に析出 して し ま う 元素や相が小さ く 均一に析出する効果や、 結晶が微細 粒 とな る効果が長時間加熱によ っ て失われて、 成形固化 体の特性が劣化する、 更には酸化を防ごう とする と雰囲 気を管理する必要があ るがこ れは コ ス ト高につながる、
と い う 欠点が従来か ら指摘さ れて き た。
、
型押体の よ う に熱伝導性の低い も のを急冷に均一に加 熱す る こ と は、 一般に は困難 と さ れてい る。 通常、 工業 的には急速加熱に最 も適 した方法は、 誘導加熱であ る 。 例えば特開昭 4 9 一 1 3 4 5 0 3 号公報に は、 鉄系金属 粉末冶金において、 粉末成形品の加熱焼結に高周 波誘導 加熱を利用す る こ とが報告 さ れて い る。 そ して従来は高 周波加熱を、 短時間焼結又は焼結鍛造 (焼結が進行 した プ リ フ ォ ー ム の密度を上げる ための鍛造) の予備加熱の ために利用 して き た。
しか し、 ア ル ミ ニ ウ ム粉末、 ア ル ミ ニ ウ ム系合金粉末 の粉末成形品の脱ガスに誘導加熱を利用す る こ と は従来 行われていなか っ た。 こ の理由 と して は、 次の こ と が挙 げ られる。
ア ル ミ ニウ ム粉末、 ア ル ミ 系合金粉末の表面に は安定 で電気伝導性の悪いア ル ミ ナ ( A 1 2 0 3 ) 皮膜が存在 してレ、 る ため、 粉末同志の抵抗が大 き く な り 、 その結果、 型押 し体の電気伝導度が小さ く な つ て し ま う こ と と、 ァ ル ミ ニゥ ムの よ う に電気抵抗が低い物質では ジ ュ ー ル熱 が発生 しに く く 、 しか も粉末を固めた も のでは渦電流が 発生 しず ら い こ と、 ア ル ミ ニウ ム 自 体の透磁率が鉄系 と は異な り 小さ い こ とか ら、 誘導加熱では効率よ く 加熱で き ない と考え られて いた ためであ る。
ま た、 仮に加熱でき た と して も 、 型押 し体の熱伝導性
が悪い こ とから、 型押 し体の表面と中心部の温度差が大 き く な つ て し ま い、 均一な温度に加熱する こ と は不可能 と考え られていたためであ る。
本発明はこ の よ う な現状に鑑み、 誘導加熱をアル ミ 二 ゥム粉末、 アル ミ ニウム合金粉末の成形固化工程の脱ガ ス手段に利用でき る よ う に して、 上記 した従来法の欠点 を解消 したアル ミ ニウ ム合金粉末の脱ガス方法を提供 し よ う とする ものであ る。
また急冷凝固アル ミ ニゥム合金粉末を固化する際には 以下の こ とに留意 しな く てはな らない。
( A ) 固化のための加熱によ っ て粉末の組織が劣化す るのを最小限に抑える ために、 粉末に加え る熱履歴を最 少にする。 -
( B ) アル ミ ニウ ム粉末同士の結合をな るベ く 強固に する。
( C ) 安いコス トで固化する。
こ の う ち、 ( A ) の達成の為には、 上記 3 つの特許に あ る よ う な誘導加熱も熱風加熱によ る急速加熱方法が有 利であ る。 しか し、 急速加熱方法では、 ( B ) のアル ミ ニゥ ム粉末同士が結合 しに く い とい う 欠点があ っ た。 そ のために、 ①の特許の実施例にあ る よ う に、 大気中で加 熱した も のは、 た とえ押し出 し して も破断伸びが低下 し ている。 こ れを補う ために、 急速加熱を不活性ガス中で 行っ た り 、 固化前に真空脱ガスを行っ た り 、 固化'後に大
き な塑性変形を発生 さ せ る押出や据え込み加ェを施 して 固化材の伸 びや破壊靭性値を向上 さ せ る必要力 あ っ た。 ③の特許では、 真空中で急速加熱をす る ための装置を提 供 してい る。 しか し、 こ れ ら の工程の追加 は ( C ) の安 ぃ コ ス ト で固化する、 と い う 目 的を達成でき な い。
本発明は上記問題点 ( A ) ( B ) ( C ) 全ての解決策 を提供する も のであ り 、 従来の どの固化方法 よ り も安価 で、 しか も従来の どの固化法で固化 した も の と比較 して どの機械的性質 も低下さ せずに強度、 靭性の両方が優れ た固化体お よ びそれを得る ための固化方法を提供す る も のであ る。
発明の開示
本発明者等は 、 上記問題点を解決す る ために種 々 の検 討を加えた結果、 誘導加熱を利用 して加熱時間を従来の 約 1 1 0 に短縮 して、 ア ル ミ ニ ウ ム、 ア ル ミ ニ ウ ム合 金粉末の劣化を抑えて脱ガス で き る方法を見出 し、 本発 明に至 っ た。
すなわち、 本発明 はア ル ミ ニ ウ ム粉末、 ア ル ミ ニ ウ ム 合金粉末 も し く はア ル ミ ニ ゥ ム複合合金粉末又は こ れ ら と非金属粒子の混合粉末を固化前に脱ガスす る 方法にお いて、 当該粉末体を比抵抗 0. 2 Ω m以下に予備成形 し 該予備成形体を常圧雰囲気中で直接誘導加熱 して 3 0 0 で以上での昇温勾配を 0. 4 °C / s c m 以上 と しつつ 4 0 0 で〜 6 0 0 °Cに昇温す る こ と に よ り 熱分解性蒸発成分を
除去し、 水素含有量を 1 O p p m以下にする こ とを特徴 とする。
本発明においては、 上記誘導加熱を大気雰囲気中で行 な う こ とができ る。
また、 本発明においては、 上記誘導加熱に よ る脱ガス の後、 該予備成形体を不活性ガス雰囲気中で冷却する こ とに よ り 水分の再吸着を防止する こ と も でき る。
さ ら に、 上記問題点を解決する ために本発明者等は、 種々 の検討を加えた結果、 従来 とは異なる以下の手法が 上記 ( A ) . ( B ) ( C ) の達成に最 も適 している こ とを 見いだ し、 本発明に到 っ た も のであ る。
( i ) 粉末の加熱に関 しては、 従来どお り 急速加熱とす る。 しかし、 その加熱温度を従来よ り も 3 0 °C以上高 く する。
( ) 粉末の固化方法に関 しては、 H I P や押出方法を 用いずに、 粉末鍛造方法とする のがよ り 好ま しい。
( M ) 急速加熱の雰囲気は、 従来の よ う に真空や不活性 ガス雰囲気ではな く 、 安価な停滞常圧雰囲気 (停滞大気 雰囲気) とする。
( iv ) 粉末鍛造後に急速に冷却する。
すなわち、 本癸明は、 アル ミ ニウ ム粉末、 アル ミ ニゥ ム合金粉末も し く はアル ミ ニゥ ム複合合金粉末又はこ れ ら と非金属粒子の混合粉末を比抵抗 0. 2 Ω c m以下に予 備成形 し、 該予備成形体を常圧停滞雰囲気中で直接誘導
加熱 して 3 0 0 °C以上での昇温勾配を 0. 4 °C Z s e c 以 上 と しつつ、 上記粉末を押出す る場合に施さ れる 真空脱 ガス温度 よ り も少な く と も 3 0 °C高い温度であ る 4 0 0 °C〜 6 0 0 °C に昇温する こ と に よ り 、 熱分解性蒸発成分 を除去 して含有水素量を 1 O p p m以下 と した後、 直ち に熱間加工で固化す る こ と を特徴 とす る。
こ の加熱温度に関 して言えば、 A 1 の融点は 6 6 0 °C であ るが、 A 1 の融点を下げな い合金元素 ( F e , N i な ど) だけを含有す る合金では、 よ り 高温であ る 4 0 0 て〜融点 とする こ とが可能であ る。
本発明の よ り 好ま しい形態 と して、 上記熱間加工 と し て粉末鍛造法を採用す る。
本発明では、 上記誘導加熱を、 安価な停滞大気雰囲気 中で行 う こ とができ る。 しか も 固化前に真空脱ガスを行 つ た り 、 固化後に押出な どの塑性加工を施す こ と無 く 、 伸 びや破壊靱性を低下さ せずに、 強度 · 靭性の両方の特 性を従来よ り も 向上さ せ る こ と が出来 る。
さ ら に、 本発明は上記锻造直後、 1 0 °C / s e c 以上 の速度で急速冷却する か、 室温付近 ま で冷却す る こ と な く 鍛造温度以下、 鍛造温度 - 5 0 °C以上に再加熱 して焼 入溶体化処理す る こ と を特徴 と す る。
ま た さ ら に、 上記粉末の予備成型は、 該粉末に有機物 質湿潤剤を添加す る こ と な く 、 成型金型内壁に湿潤剤を 塗布 して行 う こ とが特に好ま しい実施態様 と して挙げ ら
れる。
そ して、 上記誘導加熱のかわ り に、 赤外線加熱ま たは 直接通電加熱を使用する こ と も 出来る。
図面の簡単な説明
第 1 図は本発明の実施例 2 — 1 ) で得られた鍛造体組 織の図面に代わる S E M顕微鏡写真であ る。
第 2 図は本発明の実施例 2 — 3 ) で得 られた鍛造体組 織の図面に代わる S E M顕微鏡写真であ る。
第 3 図は、 比較例 2 — 6 ) で得 られた锻造体組織の図 面に代わる S E M顕微鏡写真であ る。
発明を実施する ための最良の形態
従来は、 短時間でしかも型押 し体全体を均一な温度に 加熱する こ とが困難であ る との考えか ら、 抵抗加熱炉で 通常は最低で も 1 時間 とい う 長時間加熱がな されて きた が、 前記 したよ う に高温にさ らす時間が長い為に、 粉末 の急速冷却効果が失われて しま う。 ま た、 大気中の H 2〇 成分が上記 H 2 0離脱反応を妨げた り 、 大気中の 0 2 成 分が粉末を酸化するため、 これを阻止するべ く 、 真空中 や、 低露点 · 低 0 2 濃度雰囲気中、 不活性ガス雰囲気中 での加熱が行われてきた。
これに対し、 本発明者 らが鋭意検討の結果見いだ した 条件に よれば、 従来不適 と考え られてきたアル ミ ニウ ム 粉末、 アル ミ ニウ ム合金粉末成形体の誘導加熱に よ る急 逮加熱が可能とな り 、 吸着水、 結晶水の除去は短時間の
加熱で十分に可能であ り 、 しか も短時間化す る こ と に よ り 雰囲気 と の高温での接触時間が短 く な る ために誘導加 熱は大気中での加熱で も十分な脱ガスがで き る。
すなわち、 粉末同志の電気接触を大 き く す る ために、 型押 し面圧を従来 よ り 2 割程度大 き く す る、 更に は高周 波の磁束の入射方向や周波数を最適にな る よ う に選択す る、 等の条件であ る。
本発明 に用 い る ア ル ミ ニ ウ ム合金粉末 と して は、 特に 急冷凝固合金粉末に限 らず どの よ う な製法に よ る も ので も よ く 、 その組成 も 限定さ れる と こ ろ はな く 、 ア ル ミ 二 ゥ ム複合合金粉末 ( ア ル ミ ニ ウ ム又はア ル ミ ニ ウ ム合金 粉末の内部に非金属又は金属間化合物が分散 して成る 粉 末) であ っ て も よ い。 ま た、 ア ル ミ ニウ ム粉末 も 用 レ、 る こ とができ る。 更には こ れ ら に S i C 粒子や A 1 2 0 a 粒子等の非金属粒子が混合 さ れた粉末であ つ て も よ い。
ま ずア ル ミ ニ ウ ム粉末、 ア ル ミ ニ ウ ム合金粉末、 ア ル ミ ニゥ ム複合合金粉末、 又は こ れ ら と非金属粒子の混合 粉末を、 その比抵抗が 0. 2 Ω c m以下にな る よ う に密度 を上昇さ せた予備成形体 とす る が、 こ の成形は熱分解性 有機潤滑剤を用 い る こ とな く 、 一軸圧縮法等の型押 し法 あ る いは C I P その他の方法に よれば よ い。 こ れに よ り 、 粉末同士は ミ ク ロ な剪断力 を受けて、 互いに金属接触部 を持つ よ う にな る。
比抵抗が 0. 2 Ω c m を越え る と渦電流が流れ難 く な つ
て、 誘導加熱 して も予備成形体の温度がなかなか上昇 し ない。 はや く 上昇させよ う と して電源の出力を上げる と、 抵抗値の大きな予備成形体は熱伝導性も悪いので、 予備 成形体表面と内部との温度差が大き く な つ て、 熱歪に起 因 した亀裂が入っ た り する。 こ の比抵抗 0. 2 Ω c m以下 とい う 値は、 一般には面圧 4 〜 6 t 0 nノ c m 2 で達成 される。 こ の範囲で達成されない場合には高圧の型押 し や、 粉末の温度を上げて変形抵抗を小さ く してか ら型押 しを行な う 。
次に こ の予備成形体を電源を用いて直接誘導加熱する こ とによ り、 3 0 0 で以上での昇温速度を 0. 4 °C / s e c 以上と しつつ 4 0 0 °C〜 6 0 0 でに急速加熱する。 こ の 際の周波数は本発明者らの実験では 3 k H z 前後が好適 であ っ たが、 加熱対象に応 じ最適周波数を選択すればよ い o
急冷凝固粉末の固化に際 しては、 内部と表面における 挙動は異なる。 すなわち、 引張強度や硬さを支配 してい る のは主に内部の状態である。 そ こで、 固化のための熱 履歴を少な く してやれば、 おのず と粉末自体の引張強度 や硬さ は上昇する。 一方、 破断伸びや破壤靱性値な どの 特性を支配 している のは主に急冷凝固粉末の表面の状態 であ る。
アル ミ ニゥ ム合金粉末の表面には酸化皮膜 =アル ミ ナ ( A 1 2 0 3 ) があ り、 これは非常に安定な化合物であ
る ために還元除去でき ず、 こ の皮膜は ア ル ミ ニ ウ ム合金 粉末同士の強固な結合を阻止す る 。 そ の た め に、 固化後 に、 押出や据え込み と い っ た塑性流動加工を行 う こ と に よ つ て、 こ の酸化皮膜を機械的に破壊 して、 ア ル ミ 二 ゥ ム の新生 ¾ ¾r露出 して結合 さ せ る 方法が取 られて き た。 しか し、 押出方法を用 いて も な お、 固化前の脱ガスが不 十分であれば、 低い伸 び値ゃ靭性値の も の しか得 ら れな レヽ こ とが従来 よ り 知 られてい る 。 こ こ で、 脱ガス につい て説明する o
ガス 了 ト マ イ ズさ れた急冷凝固ア ル ミ ニゥ ム合金粉末 は、 表面が 5 0 〜 1 0 O Aの酸化皮膜で覆われてお Ό 、 さ ら の表面酸化皮膜は吸着水や結晶水を含有 して い る。 こ の吸着水 V n B日水は固化材の伸 びや靭性値を低下 さ せる原因 とな つ てい る o
れ ら は、 加埶に よ り 以下の反応で除去す る こ と が可
レ 能であ る 更ミ
H 2. 0 ( 1 i q ) → H 2 0 ( g a s )
A 1 2 0 3 · 3 H 2 0 →
A 1 2 0 3 - H 2 0 + 2 H 2 〇 ( a s
A 1 0 3 ■ H 2 0 →
A 1 2 0 3 + H 2 0 ( a s )
の除去反応は 1 0 0 C〜 4 0 0 °C以上で起 こ り に 3 0 0 で以上では上記反応で発生 した水蒸気がァ 二ゥ ム と直接反応 して水素を放出す る反応が起 こ る 9
なわち、
2 A 】 + 3 H 2 0 → A 1 2 03 + 3 H 2 ( g a s ) の反応であ る σ こ れ ら の反応を促進させる ために取 られ る方法が長時間の加熱 (時間が長い と反応は多 く 進む) や真空中での加熱 (気圧が低い と上記反応は右へ進み易 く な る) や低露点の不活性ガス中での加熱 (低露点では Η 2 0 ( g a s ) が少ないので上記反応は右へ進み易 く な る) である。 不活性ガス雰囲気で行う 目 的は粉末の酸 化を抑えるためであ る。 '
こ の よ う な観点か ら考える と、 急速加熱は、 粉末内部 の組織の破壊を抑える ためには有効であ るが、 粉末の表 面酸化皮膜に吸着 した水分や結晶水の離脱を促進させる という 観点か らは不利な こ とがわかる。 従来技術の項で 前述 した特許①の実施例(I)と(2)に於いて、 引張強度は向 上 しているのに伸びと破壊靱性値が低下 している のは こ の よ う な理由による と推測さ れる。 実施例(3)においては 引張強度と伸びの両方が向上 しているが、 こ の例では不 活性ガス中での加熱とその後の真空脱ガスを行っ てお り 、 こ れ らの効果と思われる。 しか し、 こ の例では最後に通 常の熱処理 ( T 7 ) を行ってお り 、 急速加熱の効果は半 減している と推測される。
本発明者等は、 急速加熱を用いて も充分な脱ガスが安 価にでき る方法と して様々 な調査を した結果、 上記分離 反応で発生する水素ガスを利用 して こ れを解決する こ と
を見いだ した。 上記水素ガスの発生は特に高温で起 こ る 。 発生す る水素ガスの量は、 加熱温度に も よ る が約 3 0 p p m であ る。 粉末の圧粉体に は約 2 5 % の空隙があ り 、 大気 圧の下で、 発生す る水素の体積は こ の空隙の体積の 1 0 倍程度にな る。 こ の場合、 水素に圧粉体の空隙に存在す る有害な水蒸気や酸素を追い出 して、 よ り 上記反応が進 み易い よ う にす る働き を担わせる ために、 こ の発生 した 水素を圧粉体空隙内 に と どめて、 不活性ガスを注入 して 圧粉体回 り の雰囲気をかき 回 さ ず、 特に停滞雰囲気にす る必要があ る。 しか も、 こ の水素を一度に多量に発生 さ せる ために、 水素が発生す る 3 0 0 °C以上での加熱を 0. 4 で s e c 以上にす る必要があ る。 さ ら に、 一連の 脱ガス反応で水素を発生を多 く す る ために は出来る だけ 高温ま で、 加熱す る必要があ る。 した力 つ て、 こ の加熱 温度は従来の押出前に行われ る真空脱ガス温度 (一般に は 4 5 0 °C程度に加熱さ れる ) よ り も 少な く と も 3 0 °C 以上、 望ま し く は 5 0 °C以上高い温度にす る必要があ る。 こ の よ う にす る こ と に よ り 、 粉末表面の構造は固着 し易 い も のにな る。 粉末の固着 しやす さ の 目 安 と して、 残留 水素量が 1 0 p p m以下であ る こ とが必要であ る。
又、 加熱温度を高温にす る と、 た と え急速加熱であ つ て も、 今度は粉末内部の組織が粗大化 しやす く な る ので ( i ) 短時間加熱、 ( ϋ ) 短時間固化、 ( iii ) 固化後の 急速冷却を行 う 必要があ る。
( i ) 短時間加熱を最も有利にする ために、 加熱する ものをでき る限り 小さ く する必要があ る。 こ の点、 押出 法では先端と残り部 (デイ スカ ー ド) を切 り と つ て し ま う ために、 歩留ま り を上げるべ く 一回の押出で複数個の 製品が取れる よ う に大きな圧粉体を使用する ため、 急速 加熱にはおのず と限界があ る。 本発明では一個の圧粉体 が小さいため急速加熱が可能とな る。 押出に用い られる 圧粉体は一般に C I P C Cold Isostatic Pressing)法が 用い られる のに対 して、 粉末鍛造では金型に よ る一軸圧' 縮体が用い られる。 こ の場合、 粉末は等方的に圧縮され る よ り も一軸で圧縮されたほ う が粉末同士のせん断が働 いて、 新生面露出によ る接触が多 く な る。 これによ つ て、 誘導う ず電流がよ り多 く なる と と も に、 圧粉体表面近傍 で発生 した熱が内部までよ り 速 く 伝わ る こ と とな る。 し たがってこ の点でも鍛造法の方が有利であ る。
C ii ) 短時間固化する のに最 も有効な固化法 も粉末鍛 造法であ る。 押出に要する時間が約 5分間、 H I Pに要 する 時間が約 2 0 分間なのに比べて、 粉末鍛造に要する 時間は約 0· 7秒間であ る。
( iii ) 固化後の急速冷却をする には、 熱間加工後、 加 ェ した工具か ら出来る だけ早 く 分離する必要があ り 、 こ れには粉末緞造が有利であ る。 冷却速度に関 しては、 水 冷 した場合、 約 1 0 0 °CZ s e c を達成出来るが、 脆い 材料では焼き割れが発生する恐れがあ る。 その よ う な時
には冷却空気の吹き 付け (約 1 0 〜 2 0 °C / s e c の冷 却速度) 等をすべき であ る ので こ の冷却速度は 1 0 °C Z s e c 以上 と した。 ま た、 熱処理型合金の中 に は、 鍛造 後の直接冷却だけでは、 充分な溶体化ができ な い場合 も あ る と考え られる ので、 そ の際に も な る ベ く 小 さ な熱履 歴にす る ために、 い っ たん室温 ま で冷却 した後に再加熱 をす る のではな く 、 鍛造直後に再加熱をす る 事が好 ま し い。 こ の時の再加熱温度は、 ブ リ ス タ ー を発生 さ せな い ために、 鍛造温度以下であ り かつ、 充分な溶体化の為 に 鍛造温度一 5 0 °C と規定 した。
さ ら に、 熱履歴を小さ く す る ために、 固化 した後に塑 性加工をする と、 その塑性加工のための加熱をす る必要 があ り 、 好ま し く ないので こ れは行わないのが好 ま しい。
ま た、 圧粉加熱時の熱伝導性を低下 さ せた り 、 蒸発熱 で急速昇温の妨げ と な る 、 有機物質潤滑剤は添加 しな い。
なお、 急速加熱の方法は誘導加熱が最適であ る が、 そ のほかに も放射加熱や直接通電加熱で も可能であ る。
本発明の方法で作 られた固化体は他の方法で作 ら れた も の よ り も、 非平衡相が多 く 含 ま れてい る ため に、 同 じ 組成であ る な ら ば高温 (粉末鍛造温度 と 同程度の温度) において、 変化 しやすい ( X線回折で得 られ る析出物の 構造分布が変化 しやすい。 析出物の形状が変化 しやすい。 析出物の大き さ が粗大化 しやすい。 ) 特徴を有 して い る 。 ま た、 粉末表面か ら放出 さ れ る 水素に よ っ て、 空隙に含
まれる大気 (主に窒素か らな る) を追い出すために、 不 活性ガス中で長時間加熱された後に押出や粉末鍛造さ れ た も のでは]^12 や A r元素が検出 される のに対 して、 本 発明法で固化された も のか ら は、 その よ う な も のは検出 限界以下しか含まれていない。
こ の よ う に して本発明で得られた脱ガス粉末は、 表面 は結晶水や吸着水のない清浄な状態であ り 、 加熱状態の ま ま粉末鍛造する こ とが可能であ る。 従っ て、 脱ガス終 了後、 こ れを直ち に公知の鍛造法に よ り 鍛造する。
ただ し、 誘導加熱には、 通常の雰囲気加熱炉と比較 し て被加熱物体の温度がばらつ く とい う 欠点があ るので、 温度差が大きな と き には昇温後、 雰囲気加熱炉で所定の 温度に保持する こ とに よ り温度を均一化でき る。 こ の と きの雰囲気は不活性ガス とする こ とが必要であ る。
こ の よ う に して急速加熱し脱ガス した予備成形体を、 直ち に 2 0 0 で程度の金型内に挿入 し、 面圧 2〜 1 2 t o n Z c m 2 で鍛造する。
実施例
以下、 本発明を実施例を挙げてよ り具体的に説明する が、 本発明は これに限定される も のではない。 なお、 以 下の各実験例、 実施例において誘導加熱は 3 k H z前後 で行っ た。
実験例 A
A l - 2 5 S i - 2. 5 C u - l M g (重量比) 組成の
エア 一ア ト マ イ ズ粉末約 2 5 0 g (平均粒径約 5 0 m ) を、 面圧 4 t 0 n / c m 2 で直径 1 0 O m m x 高 さ 2 0 m mに型押 し し、 比抵抗 0. 0 2 Ω c m と した後、 以下の A - 1 ) 〜 A — 5 ) に記載す る 各条件で 5 0 0 °C ま で加 熱 し、 加熱が終了 した時点で A r 雰囲気の缶に移 し、 A r 気流に よ る 冷却 ( 1 分以内で 5 0 °C にな つ た) を行 い、 粉末の酸素量、 水素量、 硬度 ( m H V ) 、 初晶 S i 粒径を測定 した。 結果を表 1 に示す
A - 1 ) 大気中誘導加熱 ( 3 2 °C s e c )
- · · 本発明条件
A - 2 ) 大気中誘導加熱 ( 8. 0 °C / s e c )
• · · 本発明条件
A - 3 ) 大気中誘導加熱 ( 4. 0 °C s e c )
- 本発明条件
A - 4 ) 大気中誘導加熱 ( 0. 8 °C s e c )
- 本発明条件
A - 5 ) 大気中誘導加熱 ( 0. 2 °C s e c )
- · , 本発明条件外 ま た、 比較のために上記 と 同 じ型押 し体を抵抗加熱炉 を用 いて以下の A — 6 ) 〜 A — 8 ) に記載す る 条件で 5 0 0 °C ま で加熱 した。
A - 6 ) 真空中抵抗炉加熱 ( 1 時間保持)
• · · 本発明条件外
A - 7 ) 窒素雰囲気中抵抗炉加熱 ( 1 時間保持)
• · · 本発明条件外 - 8 ) 大気中抵抗炉加熱 ( 1 時間保持)
• · · 本発明条件外 以上で得 られた各合金粉末の特定値を表 1 に示す。
加熱 酸素量 水素量 粉末硬度 初晶 S i粒径 条件 (重量 ( P m) (mH v) ( u rn) 本 A - 1 0.27 3 172 3.2 明 A - 2 0.28 4 153 3.1 条
件 A - 3 0.30 3 130 4.0 内
A— 4 0.28 5 115 7.8 本 A - 5 0.33 6 100 10.2 明 A - 6 0.28 3 92 11.2 条
件 A - 7 0.28 9 95 10.7 外
A- 8 0.38 17 102 10.0 注 1 :粉末硬度 (mH v) は 5点の平均値
注 2 :初晶 S i粒径は 3 0個の平均値
表 1 の結果か ら、 本発明の誘導加熱に よ る脱ガスを行 な う こ とによ り 、 1 ) 真空脱ガス と同程度の脱ガス度を 達成でき る、 2 ) 熱履歴が少ないために、 組織が粗大化 してお らず、 硬度も高い、 こ とが明 らかであ る。
実験例 B
原料粉末と してエアーァ ト マイ ズさ れた工業用純アル ミ ニゥム粉末 (平均粒径 5 0 L m ) に平均粒径 1. 5 a m の S i C粒子を 3 0 体積%含む混合粉末を用 いた他は、 実験例 A - 1 ) 、 A - 4 ) 、 A - 5 ) 、 A - 7 ) 、 A - 8 ) の条件と して同様に処理 した。 得られた各粉末の特 性値を表 2 に示す。 粉末硬度はアル ミ 粉末を測定 した結 果を示す。
実験例 加熱 酸素量 水素量 粉末硬度 初晶 S i粒径 条件 (重量 (ppm) (mHv) 本発明 B一 1 A - 1 0.20 4 95 条件内 B - 2 A— 4 0.19 5 93
B一 3 A - 5 0.26 7 85
本発明
B - 4 A - 7 0.21 8 63
条件外
B - 5 A - 8 0.32 15 62 注 1 :粉末硬度 (mHv) は 5点の平均値
実験例 C
原料粉末と してエアーァ ト マイ ズされた A 1 一 2 0 S i — 5 F e — 2 N i 合金粉末 (平均粒径 5 0 z m ) に 平均粒径 0. 5 のアル ミ ナ粉末を含む混合粉末を用い た他は、 実験例 A— 1 ) 、 A - 4 ) 、 A— 5 ) 、 A - 7 ) A - 8 ) の条件と して同様に処理 した。 得 られた各粉末 の特性値を表 3 に示す。 酸素量はアル ミ ナ粒子に含ま れ る酸素の量を計算で除いた量を示す。 ま た、 粉末硬度は アル ミ 合金粉末を測定した結果を示す。 '
誦 加熱 酸素量 水素量 粉末硬度 初晶 S i粒径 条件 (重量%) (ppm) (mHv) ( m) 本発明 C - 1 A - 1 0.26 4 186 2.6 条件内 C - 2 A- 4 0.29 3 179 2.4
C一 3 A - 5 0.32 5 145 5.6 本発明
C一 4 A- 7 0.28 10 108 6.8 条件外
C - 5 A一 8 0.40 19 113 6.5 注 1 :粉末硬度 (mHv) は 5点の平均値
注 2 :初晶 S i粒径は 3 0個の平均値
実験例 D
A 1 — 2 0 S i — 5 F e - I N i 組成のエア 一ア ト マ ィ ズ粉末約 5 0 0 g (平均粒径 5 0 fi m ) を、 型押 し密 度を表 4 に示すよ う に変えて、 直径 1 0 O m m、 高さ 4 0 m mに型押 し し、 その比抵抗を測定 し、 こ の型押 し 体の中心部 と外周部に温度計測のため る熱電対が入る Φ 1. 0 in mの穴を各 1 個明け、 両者の温度差が 7 0 °C以上 にはな らずに最も速 く 昇温する こ とができ る昇温勾配を 求めた。
表 4 に示すよ う に、 約 0 . 2 Q c m以上の比抵抗では 昇温効率が悪い。
実施例 1
A l - 2 5 S i - 2. 5 C u - l M g (以下すベて重量 比) 組成のエア一ア トマイ ズ粉末 (平均粒径約 5 0 pi m ) を、 直径 1 0 O m m x高さ 4 O m m、 比抵抗 0 . 0 2 Ω c mに型押 し し、 大気中で誘導加熱によ っ て 4 分間で室 温か ら 5 0 0 °Cに昇温 し加熱を行っ た。 こ れを直ち に、 黒鉛潤滑を行っ た金型 ( 2 0 0 °C ) 内に挿入 し、 面圧 8 t 0 n Z c m 2 で粉末鍛造 し、 鍛造後す ぐ に室温の水に つけて冷却を行っ た。 これを 4 曰 間自然自効 し、 ロ ッ ク ゥ エ ル硬度 Bスケール ( H R B ) を計測した と こ ろ、 H R B 8 6 であ っ た。
比較のために実施例 1 と同様に作成 した型钾 し体を、 抵抗加熱炉中、 窒素雰囲気下 5 0 0 °Cで 1 時間加熱 し、 加熱終了以降は実施例 1 と同様に鍛造、 冷却、 自効硬化 し、 硬度を測定 した と こ ろ、 H R B 7 9 であ っ た (比較 例 1 ) 。
実施例 2
A 1 一 2 5 S i - 2. 5 C u - l M g組成のエアーァ ト マイ ズ粉末 2 5 0 g (平均粒径約 5 0 a m ) を、 面圧 4 t o n Z c m 2 で直径 1 0 O m m x高さ 2 O m mに型押 し し、 比抵抗 0. 0 2 Q c m と した後、 以下の 2 — 1 ) 〜 2 - 5 ) に記載する各条件で 5 0 0 でまで加熱 し、 加熱
が終了 した時点で : 2 0 0 °Cに加熱 した金型に該加熱型 押 し品を挿入 し、 面圧 8 t o n / c m 2 で粉末鍛造 し、 鍛造後す ぐ に水につけて冷却 した。 そ の後 4 日 間の 自 然 自効を行 っ た。
ま た、 2 — 3 ' ) の 「加湿あ り 」 の も の は、 型押 し体 を加熱 ' 脱ガスす る前に 4 0 て、 9 0 %湿度の雰囲気に 2 4 -時間 さ らす こ と に よ っ て、 粉末表面に多量の吸着水 を付着せ しめ、 そ の後加熱 · 脱ガス以降の工程を同様に 仃 つ た。
2 — 1 ) 大気中誘導加熱 ( 3 2 。C s e c )
本発明条件
2 - 2 ) 大気中誘導加熱 ( 8. 0 で s e c )
本発明条件
2 — 3 ) 大気中誘導加熱 ( . 0 °C s e c )
本発明条件
2 - 3 大気中誘導加熱 ( 4. 0 °C s e c )
加湿あ り · 本発明条件
2 4 ) 大気中誘導加熱 ( 0. 8 °C s e c )
本発明条件
2 - 5 ) 大気中誘導加熱 ( 0. 2 C s e c )
• 本発明条件外 ま た、 比較のために上記 と 同 じ型押 し体を抵抗加熱炉 を用 いて以下の 2 — 6 ) 〜 2 — 7 ) に記載す る 条件で 5 0 0 °C ま で加熱を して鍛造 し、 次いで 4 8 5 でで 2 時
間加熱した後水につけて溶体化を行い、 その後 4 日 間の 自然自効を行っ た。
2 — 6 ) 窒素雰囲気中抵抗炉加熱 ( 1 時間保持)
• · · 本発明条件外 2 — 6 ' ) 窒素雰囲気中抵抗炉加熱 ( 1 時間保持) 加湿あ り · · · 本発明条件外
2 - 7 ) 大気中抵抗炉加熱 ( 1 時間保持)
• · · 本発明条件外 2 — 7 ' ) 大気中抵抗炉加熱 ( 1 時間保持)
加湿あ り · · · 本発明条件外 以上で得られた各合金粉末緞造体の諸特定値を表 5 に 示す。
脱 ガ ス 条 件 鍛 造 体 の 特 性 値 備
赫 f¾?考糸里畺 小 7k害糸里量 713K '又 油 IT r uト' 考 加熱手段 雰 囲 気 温度条件 加湿
n nn 1 iίv g σ/ / m mmill 2
/0 H n Π R
2 一 1 誘 P7 道 ' τ»加孰 大ノ、 気 中つ / iSSL Γし \) · 0 o Q 1上 * 0 Q ΟQΌ
2 - 2 誘導加熱 大 気 中 8.0。C/sec昇温 なし 0.30 4 50 2.0 85 施 2 - 3 誘導加熱 大 気 中 4.0°C/sec昇温 なし 0.29 3 52 3.0 86
2 - 3 ' 誘導加熱 大 気 中 4. (TC/sec昇温 有り 0.76 4 51 1.8 88 例
2 - 4 誘導加熱 大 気 中 8.0°C/sec昇温 なし 0.32 5 50 1.8 85
2 - 5 誘導加熱 大 気 中 0.2°C/sec昇温 なし 0.38 8 45 1.0 83 比
2 一 6 抵抗炉加熱 窒素雰囲気中 1時間保持 なし 0.28 9 49 1.8 87
2 - 6 ' 抵抗炉加熱 窒素雰囲気中 1時間保持 有り 0.38 11 32 0.2 82
2 - 7 抵抗炉加熱 大 気 中 1時間保持 なし 0.42 17 30 0.0 75 例
2 - 7 ' 抵抗炉加熱 大 気 中 1時間保持 有り 0.93 23 23 0.0 65
表 5 の結果から、 本発明によれば良好に脱ガスでき、 しか も熱履歴が小さ い こ と によ り 、 原料粉末の急速冷却 効果を損なわず、 硬度、 引張強度、 伸び等の諸特性がバ ラ ンス良い鍛造体が得られている こ とがわかる。
ま た、 2 — 3 ' ) と 2 — 6 ' ) の結果を く らべてみる と、 本発明の よ う に効果の大きい脱ガス法ではた とえ多 量の吸着水 ( これは加熱中にアル ミ ナの結晶水 とな る ) があ っ て も十分に脱ガス (脱吸着水) でき る ので鍛造体 の特性は良好となるが、 2 — 6 ' ) の従来の脱ガス法で はこ のよ う に多量の吸着水を除去し難いために、 得 られ た鍛造体の特性は悪いこ とが明 らかであ る。
上記の本発明によ る実施例 2 — 1 ) 、 2 - 3 ) と従来 法に よ る比較例 2 — 6 ) で得られた鍛造体を、 切断、 研 磨 し、 強めにエ ッ チ ン グした後に S E M (走査電子顕微 鏡) によ って組織の観察を行っ た。 図 1 〜図 3 に各々 の 鍛造体組織の S E M写真を示す。 本発明に よ る鍛造体の 組織が従来品に比べ明 らかに微細であ る こ とがわかる。 実施例 3
エア一ア トマイ ズされた A 1 — 2 O S i - 5 F e - 2 N i (平均粒径 5 0 m ) 合金粉末に平均粒径 0· 5 m のアル ミ ナ粉末を含む混合粉末を原料粉末 と した他は実 験例 2 — 1 ) 、 2 — 4 ) 、 比較例 2 — 6 ) 、 2 — 7 ) と それぞれ同様に行っ て、 本発明の鍛造体 3 — 1 ) 、 3 - 2 ) と比較品 3 — 3 ) 、 3 — 4 ) を得た。 実施例 2 と同
様に測定 した各特性値を表 6 に示す。 なお、 酸素量はァ ル ミ ナ粒子に含ま れ る酸素量を計算に よ り 除いた値を示 す。
表 6 の結果よ り 、 本発明 に よ る鍛造体が良好な諸特性 を有する こ とがわかる。
実施例 4
エア ー ア ト マ イ ズさ れた A 1 — 1 2 S i — 5 容量% (平均粒径 2 m ) S i C の ア ル ミ ニ ウ ム複合合金粉末 (平均粒径 5 0 m ) を原料粉末 と した他は実験例 2 — 1 ) 、 2 — 4 ) 、 比較例 2 — 6 ) 、 2 — 7 ) と それぞれ 同様に行っ て、 本発明の鍛造体 4 — 1 ) 、 4 — 2 ) と比 較品 4 — 3 ) 、 4 一 4 ) を得た。 実施例 2 と 同様に測定 した各特性値を表 Ί に示す。
7
表 7 の結果 よ り 、 本発明 に よ る鍛造体が良好な諸特性 を有する こ とがわかる。
実施例 5
A 1 - 2 5 S i - 2. 5 C u - 1 M g 組成のエア — ア ト マイ ズ粉末約 2 5 0 g (平均粒径約 5 0 u m ) を、 面圧 4 t 0 n / c m 2 で直径 1 0 0 m m 冋 2 0 m m に型 押 し し、 比抵抗 0. 0 2 Ω c m と した後、 以下の 5 - 1 ) 〜 5 一 5 ) に記載す る 各条件で 5 0 0 °C ま で加熱 し、 加 熱が終了 した時点で 2 0 0 °Cに加熱 した金型に挿入 し、 面圧 8 t o n / c m 2 で粉末鍛造を行い、 終了後す ぐ に 水につけて冷却 した その後 4 曰 間の 自然自 効を行 っ た 5 一 1 ) 大気中誘導加熱 ( 3 2 °C / s e c )
—— · ネ発明条件
5 - 2 ) 大気中誘導加熱 ( 8. 0 °C / s e c )
—— · *発明条件
3 ) 大気中誘導加熱 ( 4. 0 °C / s e c )
• 本発明条件
4 ) 大気中誘導加熱 ( 0. 8 °C / S e c )
- 本発明条件
5 - 5 ) 大気中誘導加熱 ( 0. 2 °C Z s e c )
• 本発明条件外 ま た、 比較のために上記 と 同 じ型押 し体を抵抗加熱炉 を用 いて以下の 5 — 6 ) 〜 5 — 7 ) に記載す る 条件で 5 0 0 °Cま で加熱を して緞造 し、 次いで 4 8 5 °Cで 2 時
間加熱 した後水につけて溶体化を行レ その後 4 日 間の 自然自効を行っ た。
5 — 6 ) 窒素雰囲気中抵抗炉加熱 ( I 時間保持)
• · · 本発明条件外 5 - 7 ) 大気中抵抗炉加熱 ( 1 時間保持)
• · · 本発明条件外 5 - 8 ) 真空中抵抗炉加熟 ( 1 時間保持)
• · , 本発明条件外 以上で得られた各合金粉末の特定値を表 8 に示す。 表
8 の結果か ら、 本発明によ る ア ル ミ ニウ ム合金粉末鍛造 体が良好な脱ガス と熱履歴が小さ いこ と に よ り 、 原料粉 末の急速冷却効果を損なわず、 硬度、 引張強度、 伸び等 の諸特性がバラ ンス良い鍛造体が得 られてい る こ とがわ かる。
実施例 6
A l - 2 0 S i - 5 F e - 4 C u - l M g (重量% ) の組成のア トマイ ズ粉末を加圧力 4 t o n / c m 2 にて、 ダイ壁面潤滑成型によ り Φ 5 0 m m X 5 O mm t の形状 に成形 し、 それを誘導加熱にて 4分間で鍛造温度ま で加 熱し、 φ 5 3 mm形状に鍛造 した。 鍛造条件は、 加熱温 度 5 0 0 で、 鍛造圧力 5 t o n Z c m 2 であ っ た。
鍛造後 T 6熱処理 ( 4 9 0 でで 1. 5 時間保持 した後、 水中に投入 し、 1 8 0 でにて 6 時間時効処理) を施 し、 強度評価を行っ た。 引張強度は n = 2で評価 した と こ ろ、 5 3 k g / m m 2 . 5 1 k g /mm 2 であ っ た。
比較のため従来の潤滑剤混合、 電気炉加熱によ っ て同 粉末の粉末鍛造を行っ た と こ ろ、 引張強度は n = 2で 4 8 k g Zmm 2 であ っ た。
こ の結果から、 原料粉末中には潤滑剤を混合せずに、 ダイ 内壁に潤滑剤を塗布 して予備成形する方が好結果を 得られる こ とがわかる。
なお、 以上の実施例では急冷凝固粉末を例に挙げて説 明 しているが、 本発明の方法は急冷凝固粉末以外の粉末 に対する脱ガスに適用 してコ ス ト低下に有効であ る。
実施例 7
ガスア トマイ ズ粉末 (A l — 7. 3 N i — 2. 9 F e ) を Φ 7 0 m m X 2 5 mm t に面圧 4 t o n Z c m 2 で 3 つ 型押し、 2分間で 5 5 0 でまで 1 つは誘導加熱、 1 つは
放射加熱、 1 つは直接通電加熱に付 し、 0 7 2 m m に鍛 造 した。 鍛造面圧 8 t 0 n / c m 2 。 鍛造後、 水冷 した。
誘導加熱品の室温での引張強 さ 6 2. 3 k g / m m 2 、 伸 び 1 3. 5 %、 K 1 C 2 8. O k g / m m 2 ^ m。
放射加熱品の室温での引張強 さ 6 0. 1 k g / m m 2 、 伸 び 1 3. 0 %
直接通電加熱品の室温での引張強さ 6 3. 4 k g / m m 伸 び 1 3. 6 %
実施例 8
ガスア ト マィ ズ粉末 ( A 1 — 8. 8 F e — 3. 7 C e ) を 0 7 0 m m X 2 5 m m t に面圧 4 t o n / c m 2 で型押 し、 1. 5 分間で 5 5 0 °C ま で誘導加熱 した。 0 7 2 m m に鍛造 した。 鍛造面圧は 8 t 0 n / c m 2 と した。 鍛造 後、 水冷 した
での引張強 さ 6 5. 2 k g Z m m 伸 び 1 6. 2 % 実施例 9
ガスア ト マ ィ ズ粉末 ( A l - 8 Z n - 2. 5 M g - 1
C υ - 1. 6 C o ) を ø 7 0 m m x 2 5 m m t に面圧 4 t o n / c m 2 で型押 し、 1 分間で 5 3 0 °C ま で誘導加 熱 した 7 2 m m に鍛造 した。 锻造面圧は 8 t o n / c m 2 と した。 鍛造後、 温度が 4 6 0 °C ま で下が っ て い たので 1 分間で 5 2 0 °C ま で誘導加熱に よ り 再加熱後水 冷 し、 4 曰 間 自然時効 した後に特性を調査 した。
室温での引張強 さ 7 0. 2 k g Z m m 2 、 伸 び 1 2. 5 %
実施例 I 0
A 1 一 2 5 S i 一 3 C u - l M gの組成を有するエア —ア トマイ ズ粉末、 1 0 gを 1 0 X 1 8 x 3 O mmに面 圧 4 t o n Z c m 2 で圧粉 した。 これを停滞大気中で赤 外線誘導加熱法で 5 1 0 でまで 4分間で加熱後鍛造 した。 金型温度は 4 0 0 °Cで、 I 0. 5 X 1 0. 5 m mの金型を用 いた。 鍛造面圧は 8 t 0 n / c m 2 と した。 鍛造後水冷 した。 熱処理な しで特性を調査 した。
室温での引張強さ 5 8 k g /m m 2 、 破断伸び 3.' 0 %。 同 じ圧粉体を窒素気流中 ( 7 リ ツ ト ル Z分) で 5 1 0 でまで 4分間で加熱後鍛造。 条件は上記と同様 と した。
室温での引張強さ 5 1 k g / m m 2 、 破断伸び 2. 1 %。 実施例 1 1
A 1 - 1 7 S i — 5 F e — 3 C u — l M gの組成を有 するエアーア トマイズ粉末、 2 0 k gを C I P (面圧 2 t o n / c m 2 ) して ø 1 8 0 x 3 0 0 mmの圧粉体を 作成 した。
こ れを①窒素気流中で雰囲気加熱 ( 4 5 0 °C X 4 時間)
( 4 9 0 °C X 4 時間) ②大気中で誘導加熱 ( 4 6 0 °Cまでに 1 6 分間 をかけて昇温)
( 5 0 0 °Cまでに 1 6 分間 をかけて昇温)
こ れ らを 0 2 0 0 の コ ンテナで 0 4 4 に押出 (押出比
2 1 ) 成形 した。 押出後、 す ぐ に冷却、 F 材の特性を調 查 し、 その後 T 6 処理 ( 4 7 0 °C X 2 時間→水冷 1 7 5 °C X 6 時間) を して特性を調査 した。
ま た 、 押出後 4 8 5 °Cの炉に 1 0 分間入れて水冷 した 後、 1 7 5 °C X 6 時間の時効処理を した も のを再加熱 し こ れを再加熱 して T 6 材 とす る。
③同様に、 粉末 2 5 0 g を ø 8 O m m に型押 し
(金型壁面潤滑 : 面圧 4 t o n Z c m 2 ) し、 大気中で 誘導加熱 ( 5 2 0 °C ま でに 2 . 5 分間をかけて昇温) し 、 こ れを ø 8 2 の金型に入れて面圧 8 t o n / c m 2 で 粉末鍛造 した。 鍛造後す ぐ に水冷 した。 こ れを F 材 とす る 0
鍛造後 4 8 5 で ま で 1 分間で誘導加熱 して水冷 した後
1 7 5 °C X 6 時間の時効処理を した も のを急再加熱 T 6 材 とす る o
鍛造後 4 8 5 °Cの炉に 1 0 分間入れて水冷 した後、 1 7 5 °C X 6 時間の時効処理を した も のを再加熱 T 6 材 とする O
鍛造後す ぐ に.水冷 した後 こ れを T 6 処理 (すなわち、 4 8 5 eC X 2 時間処理後水冷 し、 1 7 5 で X 6 時間処理 する) を した も のを T 6 材 とす る。
上記の各試料について、 特性を調査 した結果を表 9 に 示す。
表 9
注) 表中の固化材の頭に付した〇内番号①〜③は、 実施例 1 1中の本文中の①
③の処理をしたことに対応する。
以上の結果に よ り 、 以下の こ とが分か る 。
( 1 ) 押出 において本発明急速加熱法を用 いて も 有効で め る。
( 2 ) 押出 において低い温度に急速加熱 した も の は伸 び が出ない。
( 3 ) 押出において低い温度に急速加熱 した も の は残留 水素量が多い。
( 4 ) 本発明急速加熱押出を した も の は、 通常の T 6 を する よ り も再加熱 T 6 を したほ う が特性が良い。
( 5 ) 本発明急速加熱粉末鍛造を した も のは F材で も 充 分な特性が得 られる。
( 6 ) 本発明急速加熱粉末鍛造を した も の は T 6 材 ょ り も再加熱 T 6 材のほ う が、 再加熱 T 6 材よ り も 再急加熱 T 6 材のほ う が特性が良好な こ と がわか る。
( 7 ) 本発明品は、 従来材に く らべ、 引張強 さ と破断伸 びの両方を同時に向上 さ せる こ とが分かる。
実施例 1 2
上記 2 材 と 1 1 材の 3 0 0 °Cでの引張強 さ と伸 びを調 ベた。
2 材 • • • S S k g Zm m 2 3 . 5 %伸 び 比較例 1 1 材 · ' · 2 8 1ς Ε Ζιη πι 2 5 , 6 %伸 び 本発明 こ の よ う に、 本発明品は耐熱性において も 優れて い る こ とが分かる。
実施例 1 3
A 1 一 8 F e — 4 M o の組成を有する 回転円盤ア ト マ ィ ズ粉末、 2 5 Q gを φ 8 O m mに型押 し (金型壁面潤 滑 : 面圧 4 t o n Z c m 2 )
大気中で誘導加熱した ( 5 1 0 でまでに 1 . 0 分間を かけて昇温)
( 6 5 0 でまでに 1 . 0 分間を かけて昇温)
これを ø 8 2 m mの金型に入れて面圧 8 t o n / c m 2 で粉末鍛造 した。
鍛造後す ぐ に水冷 して特性を調査 した。 得 られた結果 を表 1 0 に示す。
表 1 0
こ の よ う に、 高融点のアル ミ 合金では 6 0 0 でを越え た温度に加熱する こ とが良好な場合があ る。
産業上の利用可能性
この よ う に本発明によれば、 従来よ り も簡単な工程で 安価に、 しか も低熱履歴で充分な脱ガスができ る ために
引張強度、 伸び、 破壊靭性値の全てを、 不活性雰囲気中 加熱や、 真空脱ガスや、 固化後の塑性変形加工を行 う こ と な しに向上さ せる こ とができ る ので、 産業上有効な方 法であ る。