明 細 書 線状セグメ ン ト化ポリウレタンゥレア及びその製造法 技術分野
本発明は線状のセグメ ン ト化ポリ ウレタンウレァ及びその 製造法に関する。 さらに詳しく は、 高物性の弾性繊維を安定 して製造するのに有用な、 ポリマー中の分岐構造が著しく少 ない線状セグメ ン ト化ポリ ウレタンゥレア及びその高濃度溶 液を生産性良く製造する方法に関する。 背景技術
ポリ ウレタ ンはフ ォーム、 接着剤、 塗料、 エラス トマ一、 合成皮革、 さらに繊維等広い分野に進出し、 多くの有用な製 品を生み出している。
この中でもとりわけ高弾性が要求されるポリウレタンウレ ァ弾性繊維は、 通常セグメ ン ト化ポリ ウレタンゥレアから成 り、 以下の ( 1 ) , ( 2 ) に示すいわゆる 「二段階法」 で製 造される。 ( 1 ) まずジイソシァネー ト成分とジオール成分 とを溶融状態で反応させ、 両末端にイソシァネー ト基を有す る溶融状プレボリマ一として後でジメチルホルムアミ ドゃジ メチルァセ トアミ ドの様な溶媒に溶解させてプレポリマー溶 液を得るか (溶融合成法) 、 または両成分を直接上記溶媒中 で反応させてプレボリマー溶液を得て (溶液合成法) 、 ( 2 ) ついで該プレポリマ一を U S P 2 9 2 9 8 0 4に記載されて
いるような脂肪族ジァミ ンで鎖伸長し、 セグメン ト化ポリゥ レタンウレァ溶液を得る。 そして、 該溶液より溶媒を除去し て、 ポリウレタンゥレア弾性繊維が得られる。 しかし、 上記 のポリマー製造途中で好ましくない副反応 (架橋反応) が生 じ易く、 このため得られる最終のポリマ一は多くの分岐構造 を有する。 その結果、 ポリマー溶液は高粘度でゲル化し易く なり、 ポリマー溶液濃度を下げると言った生産性を無視した 方法をとっても、 ポリマー溶液のゲル化の傾向は完全にはな くならない。 又その後の安定剤配合等の後工程において分岐 切断による溶液粘度低下が起き、 安定した紡糸などの成型が 困難になり、 さらにポリマー中のミ クロゲルの為に断糸を伴 う。 この解決のために、 特公昭 41— 3472、 特公昭 44-2231 1及 び特公昭 47— 35317 号公報に見られるように、 ポリマーの分 岐構造を切断し、 成形に適する粘度まで下げる方法がある。 これらの方法では切断に長時間を必要として、 分岐切断が不 充分であり、 時間的ロスが大であり、 場合によってはポリマ 一溶液が着色したり、 失透したりする。 さらに、 ミ ク口ゲル は除去しきれず、 成形中、 たとえば細デニール糸の紡糸や紡 糸速度を上げた場合に依然断糸が起こる。 また分岐を切断せ ずにポリマー分子量や濃度を下げて成形可能な粘度を有する ポリマー溶液を調整した後で成形することも可能であるが、 後工程での分岐切断による粘度変化は避け難く、 やはり安定 成形は困難であるし、 高物性の成形品は得られず、 上述した ようにポリマ一溶液の生産性も悪化する。
これらに対し、 分岐反応 (架橋反応) を抑制して分岐構造
の少ないポリマーを最初から得よう とする試みもある。 例え ば、 「ポリ ウレタン樹脂」 (岩田敬治著、 日刊工業新聞社社 販) には、 トルエンのような中性溶媒中又は無溶剤下にプレ ポリマー反応を行う場合に、 酸性物質を添加すると架橋反応 を抑制できると述べられている。 これは原料ジオール成分中 に残存する、 ジオール製造用触媒であって、 架橋反応を促進 するアルカ リ化合物を酸性物質によって中和 · 失活するため だと考えられる。 これに対して、 本発明で対象とするセグメ ン ト化ポリウレタンゥレアの良溶媒であり、 塩基性溶媒であ るジメチルホルムアミ ド ( pKa = - 0 . 0 1 ) ゃジメチルァ セ トアミ ド (pKa = - 0 . 1 8 ) 中に、 少量の酸性物質を添 加しても、 酸としての効力が低下してしまう。 しかも、 これ らの溶媒は酸性物質の存在下に、 アミ ンとカルボン酸とに分 解し、 結果的に添加された酸性物質はこの分解ァミ ンと中性 塩を形成する。 後にカルボン酸が残存するが、 前記溶媒中で は酸としてはほとんど作用しない。 したがって、 このような 塩基性溶媒中では、 トルエンのような中性で分解しない溶媒 と違って、 酸性物質は架橋反応を抑制する効果がないと考え られていた。 しかし、 驚くべきことに、 前述したようにプレ ポリマー溶液を前記塩基性溶媒中で溶液合成法又はバルク合 成法で調製する場合には、 少量の酸性物質をあらかじめ添加 しておく と、 有機ジァミ ンによって鎖伸長し、 得られたポリ マ一中の分岐構造が著しく少ない場合があることが分かった。 ただし、 添加する酸性物質の種類や量によって、 最終ポリマ 一の分岐構造の程度ゃポリマー溶液粘度が異なり、 場合によ
つては高粘度で分岐の多いゲル状のポリマ一溶液や、 分岐は 少ないが溶液粘度が異常に低くかつ失透したポリマ一溶液が 得られた。 この結果、 これらのポリマー溶液の紡糸性は安定 せず、 得られた弾性織維の物性も低く、 又変動が大で安定し なかった。
この様に溶液合成法または溶融合成法によってプレボリマ 一溶液を得、 ついで有機ジァミ ンで鎮伸長させてセグメン ト 化ポリウレタンゥレア溶液を製造する場合において、 従来の 技術では、 高物性の製品を安定して与える溶液、 すなわち、 ポリマー中の分岐構造が著しく少ないセグメン ト化ポリゥレ タンゥレアの均一透明溶液を安定して生産性良く製造する事 はできなかつた。 発明の開示
従って、 本発明の目的は、 高物性の製品を安定して成形す ることができるポリマー中の分岐構造が著しく少ない線状セ グメン ト化ポリウレタンゥレア及びその均一透明溶液を安定 して高濃度で生産性良く製造する方法を提供することにある。 本発明に従えば、 4, 4 ' ージフエニルメタンジイソシァ ネー ト、 2, 4 一 トルエンジイ ソシァネー ト及び 1, 4 ーフ ェニレンジイソシァネー トの群から選ばれた少なく とも一種 の化学量論的に過剰のジィソシァネー ト成分と数平均分子量 が 5 0 0〜 6 0 0 0のジオール成分とからなる両末端にイソ シァネート基を有するプレボリマーをジメチルホルムアミ ド またはジメチルァセトアミ ドの有機溶媒中で有機ジァミ ンに
よって鎖伸長させて得られたセグメ ン ト化ポリウレタンウレ ァであって、 該ポリマーの分岐度 (N b ) が 3以下である線 状セグメ ン ト化ポリ ウレタンゥレアが提供される。
本発明に従えば、 また、 4, 4 ' —ジフヱニルメタンジィ ソシァネー ト、 2 , 4 — トルエンジイ ソシァネー ト及び 1 , 4 —フヱニレンジイ ソシァネー トの群から選ばれた少なく と も一種の化学量論的に過剰のジィソシァネー ト成分と数平均 分子量が 5 0 0〜 6 0 0 0のジオール成分とを溶媒であるジ メチルァセ トアミ ドまたはジメチルホルムアミ ドの存在下に 反応させ、 両末端にイソシァネー ト基を有するプレボリマー 溶液とするか、 または両成分を溶媒の不在下溶融状態で反応 させて、 溶融状プレポリマーを得た後に溶媒に溶解させてプ レポリマー溶液を得、 その後に有機ジァミ ンによってプレボ リマーを鎖伸長せしめてセグメ ン ト化ポリウレタンゥレア溶 液を製造する際に、 両溶媒中での酸解離指数が 9以下の酸性 物質を下記式に示された範囲量 (モルノ 1 kgのプレボリマー 溶液) 存在させて、 プレボリマー溶液を得、 ついで有機ジァ ミ ンで鎖伸長せしめることからなる線状セグメ ン ト化ポリウ レタンゥレア溶液の製造法が提供される。
X≤添加する酸性物質量 (モル / 1 kgのプレボリマー溶液) ≤ A / 1 0 0
(式中、 X = A x B x 〔 1 一 e ( B " A > k t 〕 / 〔A— B x e C B - A ) k t 〕
Aはプレボリマ一溶液合成の場合、 ジイソシァネー ト成分 中のイソシァネー ト基の初期濃度からジオール成分中の両末
端ヒ ドロキシル基の初期濃度を差し いた値 (モル Z 1 kgの プレボリマ一溶液) 、 もう一方の方法である溶融状プレポリ マー合成の場合は溶媒にプレボリマーを溶解する際のプレボ リマ一の両末端ィソシァネート基濃度 (モル 1 kgのプレボ リマ—溶液) 、
Bはプレボリマー溶液合成の場合は溶媒の初期濃度 (モル Z 1 kgのプレボリマー溶液) 、 他方の場合は溶解に用いる溶 媒の濃度 (モル Z 1 kgのプレボリマー溶液) 、 tはプレポリ マー溶液合成の場合、 プレボリマー溶液製造時間 (分) 、 他 方の場合はプレボリマー溶解時間 (分) 、 k = C x 1 0 6 X e C-E /R T) であり、
C (kgZモル Z分) 及び E (kcaiZモル) はそれぞれ頻度 係数及び活性化エネルギーであり、 Tはプレボリマ一溶液合 成の場合はプレボリマ一溶液製造温度、 他方の場合は溶解時 のプレボリマー温度(K )を表し、 Rはガス定数( 1 . 9 8 5 9 X 1 0 -3kcal/ モル · K ) である) 。 図面の簡単な説明
以下、 添付図面を参照して本発明を詳しく説明する。
図 1 は本発明に従った線状セグメン ト化ポリウレタンウレ ァ溶液の連続製造法のフローの一例を示す図面である。 発明を実施するための最良の形態
本発明者らは上記の課題について鋭意検討した結果、 ポリ マ一中の分岐度が 3以下の高濃度の線状セグメン ト化ポリウ
レタンゥレア溶液によって紡糸中の糸切れ回数が著しく減少 し、 製品物性が従来より も一段と向上する事、 さらに分岐反 応を促進する原因がプレボリマ一溶液製造中に生成する物質 のためである事、 この分岐反応促進物質の生成量はジイソシ ァネー ト成分及び溶媒の種類、 濃度や溶液合成法においては プレボリマー溶液製造温度、 時間及び濃度、 溶融合成法では プレボリマー溶解温度、 時間及び濃度に依存する事、 プレボ リマー溶液製造時に特定の酸性物質を特定の範囲内量存在さ せてプレボリマー溶液を製造させると、 紡糸性の面のみなら ず品質面 (物性) でも優れた、 ポリマーの分岐度が 3以下の 線状セグメ ン ト化ポリウレタンゥレアの均一透明溶液を安定 して高濃度で生産性良く製造できる事を見い出し、 本発明の 完成に至った。 以下、 本発明の内容についてさらに詳しく説 明する。
本発明中で用いられるジオール成分は数平均分子量が 5 0 0〜 6 0 0 0、 好ましく は 9 0 0〜 2 5 0 0のポリエステル ジオール、 ポリエーテルジオール、 ポリカーボネー トジォ一 ルからなる群から選ばれるジオールである。
ポリエステルジオールとしてエチレングリ コール 1 , 4 一 ブタンジオール、 1 , 6 —へキサンジオール、 ネオペンチル グリ コールなどのグリ コール類の一種または混合物とコハク 酸、 グルタール酸、 アジピン酸、 スペリ ン酸、 マゼライン酸 等の脂肪族ジカルボン酸の一種または混合物、 更に一部はテ レフタル酸、 ィソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸なども 含まれてよいジカルボン酸とから製造される融点が 6 0 °C以
下、 好ましく は 4 0 °C以下のボリエステルジオールの単独ま たは 2種以上の混合物があげられる。
ポリエーテルジオールとしてポリテトラメチレンエーテル グリ コール、 ポリ力プロラク トンジオール、 ポリエチレンェ 一テルグリコール、 ポリプロピレンエーテルグリ コ一ル等が 挙げられる。
ポリカーボネー トジオールとしてはジアルキルカーボネー ト等とヒ ドロキシ化合物、 例えば 1 , 4—ブタンジオール、 1, 3—ペンタンジオール、 1 , 5—ペン夕ンジオール、 1 , 6 一へキサンジオール等との反応により得られるポリ (ブタ ンー 1 , 4一カーボネー トジオール、 ポリ (ペンタン一 1 , 5—力一ボネー トジオール) 、 ポリ (ペンタン一 1 , 3—力 —ボネートジオール) 、 ポリ (へキサン一 1 , 6—カーボネ 一トジオール) 及びそれらの共重合体並びに混合物から選ば れるポリカーボネートジオールが挙げられる。
本発明中、 ジイソシァネー ト成分とジオール成分とのモル 比を 1 . 3〜2 . 5の範囲にしてプレボリマ一を製造するの が好ましい。 この範囲外であるとソフ トセグメン トとして機 能するプレボリマーの本来有する特性が損なわれてしまい、 好ましくない。
本発明で用いるプレポリマ一の鎖伸長剤である有機ジァミ ンは公知の脂肪族、 脂環族及び芳香族ジァミ ンを用いること ができる。 たとえば、 エチレンジァミ ン、 プロピレンジアミ ン、 ブチレンジァミ ン、 へキサメチレンジァミ ン、 シクロへ キシレンジァミ ン、 ピぺラジン、 2—メチルビペラジン、 フ
ェニレンジァ ミ ン、 ト リ レンジァ ミ ン、 キシレンジァ ミ ン、 3 , 3 ' ージクロル一 4 , 4 ' ー ビフエ二ルジァ ミ ン、 2 , 6 —ジァ ミ ノ ピリ ジン、 4 , 4 ' ージア ミ ノ ジフエニルメタ ン、 水素化された m—フエ二レンジァミ ン、 p—フエ二レン ジァ ミ ン、 テ トラクロロー m—フエ二レンジァ ミ ン、 テ トラ クロロー p—フヱニレンジア ミ ン及びそれらの混合物からな る群から選ばれる。
更に日本特許出願 4-116692号 ( 1992年 4月 10日出願) に記 載されているような有機ジィ ソシァネー ト と有機ジァ ミ ンと からなるジア ミ ノ ウ レア化合物も含まれる。 このような化合 物としては、 例えば N, N ' 一 (メチレンジ一 4, 1 一フエ 二レン) ビス 〔 2— (ェチルァ ミ ノ) ーゥ レア〕 (化合物 (1)) N, N' 一 (メチレンジ一 4 , 1 一フエ二レン) ビス 〔 2— ( 2—メチルェチルァ ミ ノ) ーゥ レア〕 (化合物 (2)) 、 N, N ' 一 (メチレンジ一 4 , 1 一フエ二レン) ビス 〔 6 — (へ キシルァ ミ ノ) ーゥ レア〕 (化合物 (3)) や下式に示される化 合物 (4)〜(! 3があげられる。 CH2-NH;
〔化合物 (2) 〕
〔化合物 ( 3 ) 〕
〔化合物 ( 4 ) 〕
〔化合物 ( 6 ) 〕
H H H H
II l¾J I! 0 0
〔化合物 ( 7 ) 〕
H H H H
H2NCH2-f^r CCHH22-NCN--CCHH2 ^YCH2-NCN-CH2-^- CH2
〔化合物 ( 8〉 〕
〔化合物 ( 9 ) 〕
〔化合物 (11) 〕
H H H H
H2NCH2CH2-NCN CH2>r-NCN-CH2CH2NH2
II If
0 0
〔化合物 (12) )
H H H H
H2NCH2CH2-NCN HyCH2 H NCN-CH2CH2 H:
0 0
〔化合物 (13) 〕 本発明中で使用される鎖伸長剤の量はプレボリマ一遊離ィ ソシァネー ト含量の 8 0〜 9 8 % (化学量論量にもとずいて) の範囲が好適である。 この範囲よりも少ないとポリマー分子 '量が低くなりすぎて高物性が得られないし、 この範囲よりも 多いと、 逆にポリマー分子量が大きくなり過ぎて、 成形不可 能になる。 この際、 ポリマー分子量調整剤として、 たとえば、 ジェチルアミ ンゃジエタノールアミ ン等の末端停止剤を用い てもよい。
本発明に適する酸性物質としては、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルァセ トアミ ド溶媒中での酸解離指数が 1〜 9の酸ク 口ライ ド、 リ ン酸エステル、 ホウ酸エステル、 亜リ ン酸エス
テル、 スルホン酸、 ォキシ酸、 亜硫酸ガス、 無機酸などであ り、 例えば塩化べンゾィル、 アルキルリ ン酸、 ベンゼンスル ホン酸、 パラ トルエンスルホン酸、 亜硫酸ガス、 塩酸、 硫酸 などから選ばれた少なく とも 1種類の酸である。 酸解離定数 が 9 より も大きい酸性物質ではプレボリマー溶液中に存在す る分岐促進物質を完全に中和できず、 従って分岐抑制効果が 小さい。 尚、 酸解離指数は酸解離定数 ( 2 5 °C) の逆数の対 数値を示し、 測定法は化学便覧基礎編 IT (化学同人社) に記 載の方法によって求める。
次に該酸性物質の添加量であるが、 これは下式で表される 範囲になければならない。
X≤添加する酸性物質量 (モル/ 1 kgのプレボリマー溶液) ≤ A/ 1 0 0
(式中、 X = A x B x 〔 1一 e (B-A) k t 〕 / C A - B X f (B - A) k t "J
Aはプレボリマー溶液合成の場合、 ジイソシァネー ト成分 中のイソシァネー ト基の初期濃度からジオール成分中の両末 端ヒ ドロキシル基の初期濃度を差し引いた値 (モル 1 kgの プレボリマー溶液) 、 もう一方の方法である溶融状プレポリ マー合成の場合は溶媒にプレボリマーを溶解する際のプレポ. リマーの両末端ィソシァネー ト基濃度 (モル Z 1 kgのプレボ リマー溶液) 、
Bはプレボリマー溶液合成の場合は溶媒の初期濃度 (モル / 1 kgのプレボリマー溶液) 、 他方の場合は溶解に用いる溶 媒の濃度 (モルノ 1 kgのプレボリマー溶液) 、
tはプレボリマー溶液合成の場合、 プレボリマー溶液製造 時間 (分) 、 他方の場合はプレボリマー溶解時間 (分) 、 k = C X 1 0 6 X e (_ E /R T) であり、
Tはプレボリマ一溶液合成の場合はプレボリマー溶液製造 温度 (K ) 、 他方の場合は溶解時のプレボリマー温度 (K ) を表し、 Rはガス定数 ( 1 . 9 8 5 9 X 1 0 -3kcal/モル · K ) であり、
C値 (頻度係数、 kgZモル分) と E値 (活性化エネルギー、 kcal モル) ) はジイソシァネートと溶媒との組合せによつ て決まる定数であり、 表 1のようになる。
表 1 媒
イ ソシァネー ト
ジメチルホ ジメチルァ ルムア ミ ド セ トアミ ド
4 , 4 ' ージフヱニル C値 20. 0 2. 5 メタンジイソシァネー
h E値 16. 8 17. 9
2, 4 一 トルエンジィ C値 30. 0 3. 5 ソシ了ネー 卜
E値 16. 9 18. 1
1, 4 一フエ二レンジ C値 40. 0 4. 5 イソシァネート -
E値 13. 9 14. 9 酸性物質の添加量がこの範囲より少ないと (式中の X以下) ポリマーの分岐度が大き くなり、 ポリマー溶液が高粘度でゲ ル状になる。 その結果、 高濃度のポリマー溶液が得られず生 産性が悪くなり、 その後の安定剤配合等の後工程において分
岐切断による溶液粘度の低下が起き、 安定した成形が困難に なる。 さらに、 ポリマー中のミ クロゲルのために、 紡糸など の成形中に断糸を招く。 逆に、 この範囲より多い (式中の A / 1 0 0以上) と、 鎖伸長時に存在する過剰の酸性物質によ つて鎖伸長剤である有機ジァミ ンの官能基能力が減退し、 所 望するポリマー分子量が得られず、 高物性の成形品を与える ポリマー溶液が得られない。 また、 ポリマー溶液が経時的に 失透し易くなり、 工程上の種々の トラブルを引き起こす。 酸 性物質を添加する時期は好ましく は反応開始時であるが、 ィ ソシァネー ト基のウレタン基への転化率が 9 5 %になった時 点でも可能である。
本発明中、 プレボリマー溶液製造温度はプレボリマ一溶液 合成の場合は、 5 〜 7 0 eCが好ましい。 5 °C未満であると製 造時間が大幅に長くなるし、 7 0 °Cを超えると上記の副反応 以外の反応、 例えばィソシァネー ト基の三量化などが顕著に なり望ま しくないからである。 溶融合成の場合のプレポリマ 一製造温度は、 3 0 〜 1 2 0 °Cが好ま しい。 この範囲外の温 度条件はプレボリマー溶液合成の場合と同じ理由で好ましく ない。
鎖伸長反応は 0〜 3 0 °Cが好適である。 これ以下だと、 プ レポリマーの溶解性が悪化し、 系が不均一になってく るし、 これ以上だとイソシァネー ト基とア ミ ノ基との反応が異常に 速くなつて反応を制御しにく くなるからである。
この様にして得られる本発明の線状セグメン ト化ポリウ レ タンウレァは分岐度 (N b ) が 3以下であり、 その均一透明
溶液は製造後の工程に於いても粘度低下がほとんど見られず 安定であり、 しかも低粘度であるので、 ポリマー溶液濃度を 従来よりも高濃度にでき、 生産性が向上する。 さらに、 均一 透明であるために紡糸などの成形安定性に優れ、 紡糸中の糸 切れの回数も従来に比べ著しく減少する。 さらに成形後の製 品は高物性を示し、 満足のいく ものである。
以上述べた線状ポリウレタンゥレアの製造において、 プレ ポリマ一反応及び鎖伸長反応は回分式によるものであった。 プレボリマ一を回分式で製造する際、 バッチ毎の原料仕込み 比がずれたり、 大容量の反応釜中でしばしば観測される系内 の反応温度むらが原因で、 プレボリマー溶液中のィソシァネ ー ト基濃度が変動する場合がある。 さらに、 釜内でプレボリ マーが滞留すると、 架橋構造につながる副反応が起こりやす くなる。 又、 鎖伸長反応を回分式で行なう場合は、 イソシァ ネート基とアミノ基との反応が極めて速いために、 プレポリ マー溶液とアミ ン液とが均一に混合する前に反応が起こり所 望する性状を有するポリマー溶液が得られない場合がある。 これらの問題点は高精度の枰量器を用いたり、 釜内の溶液が できるだけ均一に混合できるように攪拌羽根の形状を工夫す るなどエンジニアリ ング面からかなり解決できうるが充分と はいい難く、 プレボリマー、 ポリマー両溶液の製造法は回分 式から連続式にかえる方がより好ましい。
プレボリマー溶液及びポリマー溶液の連続合成については、 以下に記載する方法で達成できる。 すなわち、 図 1 に示す様 に化学量論的過剰のジィソシァネート成分 Aとジオール成分
B及び溶媒 Cの各原料フローを連続的に定量ポンプで供給混 合した後、 反応器 2中でウレタン化反応せしめ、 両末端にィ ソシァネー ト基を有するプレボリマー溶液を得るか、 ジイソ シァネー ト成分 Aとジオール成分 Bとを連続的に混合し、 ゥ レタン化反応せしめた後で溶媒 Cのフローを該溶融状プレポ リマーに連続的に加え、 混合器 3で混合し、 プレボリマ一溶 液とした後に、 該溶液フローを有機ジァミ ン Dのフローと連 続的にそれぞれ定量ポンプを用いて供給し、 混合器 4で混合 し、 プレボリマーを鎖伸長しポリマー溶液 Eを得る。
本発明において原料として用いられるジイソシァネー ト成 分、 ジオール成分、 溶媒及び有機ジァミ ンは前述したバッチ 式 (回分式) 方法によるプレボリマー、 ポリマー両溶液製造 法の場合に用いたものと同様のものを使用できる。 又、 ジィ ソシァネー ト成分とジオール成分とのモル比、 鎖伸長剤の量 及び酸性物質の種類、 量もバッチ式製造法の場合と同様であ る。 さらにプレボリマ一溶液製造温度及び鎖伸長反応温度も バッチ式製造法の場合と同様である。
本発明に係るプレボリマー、 ポリマ一両溶液の連続製造法 において、 ジィソシァネー ト成分とジオール成分及び溶媒の 各原料フローの連続的混合及びプレポリマー溶液と有機ジァ ミ ン溶液フローとの混合は、 充分な混合効果が得られるなら ス夕テツ クタイプ又ダイナミ ッ クタイプのミキサーのいずれ でもよい。
プレボリマー溶液の連続製造用に用いられる反応器は、 ノ、。 ィプライン型の空管反応器、 パイプライン型でスタテツク ミ
キサーを装着したものや、 完全混合槽列型反応器、 さらには Polymer ExtrusionCChris Rauwendeal 、 Hanser Publishers, 1986年) に記載されている様な単軸又は多軸押出器タイプの 反応器なども挙げられる。
この様にして得られる本発明の線状セグメント化ポリゥレ タンゥレアの分岐度はバッチ式の製造方法で得られたものに 比べ、 さらに少なく、 ポリマー溶液も均一透明である。 従つ て、 紡糸などの成形安定性及び成形後の製品は高物性を示し、 しかもバッチ式で得られたものより、 さらに満足のいく もの である。
分岐度 (Nb) はプレボリマー中のァロファネー ト、 ビュ 一レッ ト結合数を示す指数で、 n—プチルァミ ンによる化 学分解法を用いて、 以下のようにして求める事ができる。 本発明中で対象となるセグメ ン ト化ポリ ウ レタンゥ レアの 0. 0 0 5 g/ml濃度の DMA c溶液に 0. 1容量 の n— プチルァミ ンを加え、 その還元粘度 ( 7? spZC) を 2 5でで 測定し、 その値を DmlZgとする。 この溶液を 5 0°C、 4時 間処理後の還元粘度 ( 7?sp' ZC) を EnilZgとする。 加熱 前後の還元粘度変化から次式で定義される分岐度 (Nb) を 算 -9 る。
Nb = (D - E) /D X 1 0 0
この方法によってァロファネー ト、 ビューレッ トの両分岐 結合だけが定量的に切断される事 iiOkutoCMacromol. Chem., 98, 148(1966))や Furukawaおよび Yokoyamaらによって明らか にされている(J. Polym Sci. , Polym. Iett. Ed. , 17, 175(1979))
又、 ポリマ一溶液が均一透明とは以下の 2つの測定結果よ り判断した。 ( i ) ポリマーの 3 0重量%のジメチルホルム アミ ドまたはジメチルァセ トアミ ド溶液の透過率が 9 0 %以 上であること。 ただし、 透過率はポリマ一溶液を 2 0 °Cで 2 週間経時後に濁度計 (日製産業製、 モデル : L T一 1 1 ) を 用いて測定した。(ii ) 製造後 2 0 °Cで 2週間経時したポリマ 一溶液中に、 ミ ク口ゲル及び目視判定ができる程度の大きさ のマクロゲルが認められないこと。 ただし、 ミ クロゲルがな いとはポリマーの 1重量%のジメチルホルムアミ ドまたはジ メチルァセ トアミ ド溶液中に 5 0 Z m以上の粒子が存在しな いことを意味する。 ミ ク口ゲル粒子の測定法はいろいろある が、 ここではコ一ルー夕一カウンター(Cou l ter El ec tron i cs 社. モデル : T A— 2 ) を用いた。 実施例
次に本発明の実施態様を具体的に実施例で説明する。
なお、 実施例中の部は断わりのない限り重量 ( g ) に関す るものである。 ポリマー溶液の成型安定性については、 回転 円筒レオメーターを用いて、一ポリマー溶液を 8 0 °Cで 5時間 攪拌 (シ アレー トは 1 s e c一1 ) 後の粘度と攪拌前の初期 粘度との差と、 ポリマー溶液を通常の方法で毎分 5 0 O mの 速度で 4 0デニール 4 フィ ラメ ン トの糸を 1 0時間連続で 乾式紡糸し、 その間の糸切れ回数の 2つの結果から評価した c ただし、 ポリマー粘度の低下幅が小さ く紡糸中の糸切れ回数 が極めて少ない場合を " + " 、 逆にポリマー粘度の低下幅が
大きく紡糸中の糸切れ回数が極めて多い場合を "一" とし、 両者の中間を
"土" とした。
得られた糸の物性は A S TM- D - 2 7 3 - 7 2の一般的 方法によって測定した。 各測定には 5 cmのゲージ長の 5本糸 を用い、 試料に毎分 1 0 0 0 %の一定の引っ張り速度で 1 回 伸長を行い、 1 0 0 %モジュラス (g) 、 破断時に於ける伸 び (%) 及び強度 ( g) を測定した。
ポリマー中の特定カルボニル基の伸縮振動に由来する 1688 cm— 3における吸収の吸光度 (A (C = 0、 1688cm一】) ) 及 びベンゼン環の伸縮振動に由来する 16i0cm_】におけるもの (A V (C = C、 1610cm-1))は次の様にして測定した。 ポリ マーの 2 0重量%溶液からキャス ト法により、 厚さ 1 0 〃m のポリマーフィルムを得る(成膜条件: 減圧下(2 T o r r )、 5 0 °C、 2 4時間) 。 B I 〇— RAD社製 F T— I R、 モデ ル F T S— 6 0 Aを用い透過法により、 このフィルムの 1750 cm -1〜 1600cm-1の領域の赤外吸収を測定する。 Yamamotoら (Polymer J. , Vol.21, No.11, 1989) の方法によって、 この領 域の赤外スぺク トルをカーブフイ ツティ ング法によって 9種 類の波形に波形分離する (各波形のピーク位置は、 高波数側 からそれぞれ、 1737、 1730、 1709、 1685、 1665、 1638、 1633、 1610と 1592cm-1)。波形分離後の 1688及び 1610CDT1における吸 光度から、 両吸光度比、 すなわち Aリ (C = 0、 1688cm一1) / K V ' ( C = C、 1610cm"1) が求まる。
実施例 I
酸性物質をプレボリマー溶液反応時に最低必要量 の 2倍 量の 1 . 1 X 1 0 - 4モル添加して、 プレポリマー溶液を得、 ついで鎖伸長反応によりポリマー溶液を製造する例を示す。 攪拌機、 温度計、 窒素シール管などを備えた反応容器内に、 まず 5 7 0部のジメチルァセ トアミ ド (DMA c ) を入れ、 次に 4 7 0部のポリテトラメチレンエーテルグリ コール ( P TMG, 数平均分子量 Mn = 2 0 0 0 )、最後に 1 0 0部の 4, 4 ' —ジフエニルメタンジイ ソシァネー ト (MD I ) を仕込 み、 3 0 °Cで 9 0分間、 5 0重量%の01^1 c溶液中でプレ ポリマー反応を行う ものとして、 塩化べンゾィルを 1 5. 4 mg ( 1. 1 X 1 0 _4モル) 精秤して反応容器内に加えた。 反応終了時に於ける残存イソシァネー ト基濃度は 0. 2 7 I モルであった。 ただし、 残存イ ソ シァネー ト基濃度は、 Analytical Chemistry of PolyurethanesCNew York, Wiley - Interscience, 1969) の Polyurethanes, Sect. Mに記載され ている方法等により求めた。 そのあとで、 7. 6部のェチレ ンジァ ミ ン (E DA) と 1. 3部.のジェチルア ミ ン (DEA) を含む 5 1 4部の DMA c溶液を調製し (E DAのモル数 Z D E Aモル数 = 7. 1 2、 ポリマー濃度 = 3 5重量 ) 、 1 5 °Cで該溶液を高速攪拌されたプレボリマー溶液中に迅速 に加えた。 該溶液のイソシァネー ト基の 2 2 6 0 cm 1に於け る吸収が認められなくなつた時点で鎖伸長反応を終了した。 このポリマーの分岐度 (Nb) は 2. 5で、 ポリマー溶液性 状は均一透明であり、 成形安定性は極めて良好であり、 弾性 糸 ( 4 0 d ) のモジュラス ( 1 0 0 %伸長時) 、 破断強度及
び伸度はそれぞれ 3. 2 g, 7 2 g, 7 5 0 %と極めて高物 性に示した。 更に得られたポリマ一中のカルボニル基とベン ゼン璟 =重結合の赤外吸収比
A V ( C = 0, 1688cm-1)
A v ' ( C = C, 1610cm"1)
(式中、 A ( C = 0, 1688cm-1) : ポリマーの 1688cm— 1に おける吸光度、 A ' (C = C, 1610cm-1) : ポリマーの 1610 cm一1における吸光度) は 0. 1以下であった。 弾性糸の物性 値を表 2に示す。 ·
比較例 1及び 2
比較例 1ではプレボリマー溶液反応時に添加する塩化ベン ゾィル量を最低必要量 の 1 / 3の 1. 7 X 1 0 _5モルとし、 比較例 2では塩化ベンゾィル量を上限値 AZ 1 0 0の 2倍の 5. 6 X 1 0 _3モルとする以外は実施例 1 と同一条件でポリ マー溶液を得た。 結果を表 2に示す。
比較例 3
ここではプレポリマー溶液反応時に塩化べンゾィルをまつ たく添加せずにプレボリマ一溶液を製造する以外は実施例 1 と同一条件でポリマー溶液を得た。 結果を表 2に示す。
比較例 4
ここではプレボリマ一溶液反応時にジメチルァセ トアミ ド 中での酸解離定数が 9以上である酢酸を添加する (最低必要 量 Xの 2倍量の 1. 1 X 1 0 モル) 以外は実施例 1 と同一 条件でポリマー溶液を得た。 結果を表 2に示す。
実施例 2
ここではプレボリマ一溶液反応時に添加する酸性物質の種 類を変える。 塩化ベンゾィルの代わりに濃硫酸 ( 9 7 %) を 1 . 1 X 1 0 — 4モル添加する (最低必要量 Xの 2倍で) 以外 は実施例 1 と同一条件でポリマー溶液を得た。 結果を表 2に 示す。
比較例 5及び 6
比較例 5ではプレポリマー溶液反応時に濃硫酸( 9 7 を 最低必要量又の 1ノ 3で 1. 7 X 1 0— 5モル添加し、 比較例 6 では濃硫酸量を上限値 A/ 1 0 0 の 2倍の 5. 6 X 1 0 — 3モ ル添加する以外は実施例 1 と同一条件でポリマー溶液を得た c 結果を表 2に示す。
実施例 3
ここでは実施例 1 のプレボリマ一溶液反応条件の内、 反応 温度、 反応時間をそれぞれ 5 0 °C、 5 0分に変更する例を示 す。 この条件変更に伴って、 塩化ベンゾィル量を 3. 8 X 1 0 一4モルとする (最少必要量 Xの 2倍) 以外は実施例 1 と同 一の条件でポリマー溶液を製造した。 結果を表 3に示す。
実施例 4
ここでは実施例 1 のプレボリマー溶液反応条件の内、 プレ ポリマー溶液濃度を 7 0重量%に変更する例を示す。 それに- 伴いプレボリマー製造時間を 7 0分に、 塩化ベンゾィル量は 5 X 1 0 _5モルとする (最低必要量の 2倍') 以外は実施例 1 と同一の条件でポリマー溶液を製造した。 結果を表 3に示す。
実施例 5
実施例 1 で用いた溶媒を DMA cから DMFに変える。 プ
レポリマー溶液の製造温度、 時間を 3 0 °C, 7 Oaiin.とし、 塩化ベンゾィルを 2. 1 X 1 0 -3モル添加する (最少必要量) 以外は実施例 1 と実質上同一条件でポリマー溶液を得た。 結 果を表 3に示す。
実施例 6
ここでは本発明の溶融状プレボリマー合成法の例を述べる。 攪拌機、 温度計、 窒素シール管を備えた反応容器中に 1 0 0 部の固形状の MD Iを入れ、 4 5 °Cで溶解する。 次に、 4 7 0. 0部の P TMG (Mn = 2 0 0 0 ) を添加し、 8 0。Cで 1 5 0分間プレボリマ一反応を行った。 反応終了後、 溶融状 プレボリマ一を 3 0でまで冷却し、 5 7 0部の01^ 0を加 え、 9 0分攪拌下溶解した。 この際、 塩化ベンゾィルを最低 必要量の 2倍である 1 5. 4 mg ( 1 . 1 X 1 0 -4モル) 精秤 して反応容器内に加えた。 溶解終了時に於ける残存ィソシァ ネー ト基濃度が 0. 3 2 3モルであった。 次に、 7. 6部の エチレンジァ ミ ン (EDA) と 1. 3部のジェチルァ ミ ン (DEA) を含む 5 1 4部の DMA c溶液を調製し、 実施例 1 と同様にしてポリウレタン溶液を得た。 結果を表 4に示す。
比較例 7及び 8
比較例 7では溶融状プレボリマーを DMA cに溶解する際 に塩化ベンゾィル量を最低必要量の 1 /3の量の 1. 7 X 1 0一5、 比較例 8では 5. 6 X 1 0 -3モル添加する以外は実施 例 7と同一条件でポリマー溶液を得た。 結果を表 3に示す。
尚、 各表中の符号は次の通りである。
1 ) 量が少ない、 多いとは添加した酸性物質が請求範囲量に
比べ、 それぞれ少ない、 多い事を示す。
2 ) 4 0 デニール糸の 1 0 0 %モジュラス (%)
3 ) 〃 糸破断時の強度 ( g )
4 ) " 糸破断時の伸度 ( g )
比較例 9
特公昭 47- 35317号公報に記載されているように、 比較例 1 で製造したポリマーを 7 0 °Cで 1 0時間加熱攪拌し、 分岐切 断したものを得た (処理後の分岐度 5. 3 ) 。 結果を表 2に 示す。 ·
実施例 7
図 1 に示す様に、 1 0 0部 分の 4 , 4 ' ージフヱニルメ タンジイソシァネー トのフロー、 4 7 0部 Z分のテ トラメチ レンエーテルグリ コールのフロー及び 5 7 0部 /分のジメチ ルァセ トア ミ ド ( 2. 7 X 1 0 -
2重量%の塩化べンゾィルを 含む) のフローを定量ポンプによって、 連続的に強制攪拌式 の混合器内に導く (平均滞留時間 1分) 。 その後パイプライ ン式の反応器に混合后の溶液を導き、 平均滞留時間 1 0 0分、 3 0 °Cの条件下で反応せしめ、 連続的にプレボリマ一溶液を 得る。 次に該溶液フロー ( 1 1 4 0部 分) と 5 1 4部 分 のァ ミ ン溶液フロー ( 7. 6部のエチレンジァ ミ ン、 1 . 3 部のジェチルア ミ ン及び 5 0 5. 1部のジメチルァセ トア ミ ドからなる) とを連続的に強制攪拌式の混合器内に導き (平 均滞留時間 3秒) 、 1 5 °Cで鎖伸長を行ないポリマー溶液を 得た。 鎖伸長反応の終了確認は実施例 1 と同様にして行なつ た。 結果は表 2に示す。
表 2
JWJ3 溶 液 塩化べンゾィル、無し 15.3 ゲル状 ― ゲル化の雄糸不能
〃 少ない 12.5 ― 2.5 50 540
mii 2.5 均 H 明 + 3.2 72 750
mm " 多 い 2.3 失 透 土 2.1 50 500
酢 酸、 無 し 148 レ状 ゲル化の雄糸不能
51 590 t 硫 酸、 少ない 11.8 2.6
" 本発明内量 2.8 均 Hi明 + 3.2 74 730
Jt»J6 " 劣 い 2.5 失 透 土 o 53 560
" 本翻内量 1.7 均 H^B月 + 3.1 80 790
5.3 ± 3.0 65 600
Wゲル状
1)動沙ない、多いとは勵 Uした酸 力 の量に比べ それぞれ少ない又は多いことを^ "To
2) 40デニール糸の 100%モジュラス( )
3) 40デニール糸の糸縦舞の體(g)
4) 40デニール糸の糸 申度 (g)
表 3 ix プレボリマ一溶 ボリマ—性状 ポリマー 成 型 2) 3) 4)
モジュラス Ts Te k m,量 ι) ^ . (Nb) ^^状 性 (g) (g) i%) ノくルク 塩 ί匕べンゾィル、 少ない 8.9 ゲル状 ゲル化の纖糸不能
" " ^ - m^ 2.8 均"^明 + 3.3 70 680
〃 〃 多 い Z5 失 透 土 2.2 48 450
1)
多いとは勵 πした酸 カ镛^ asの量に比 それぞれ少ない又は多いことを^"。
2) 40デニール糸の 100%モジュラス(%)
3) 40デニール糸の糸 艘(g)
4) 40デニール糸の^ WBfC f申度 (g)
表 4 プレボリマー^ ポ IJマ一性状 ボリマ— 2) 4)
モジュラス Ts Te
mi c '. ^m. (Nb) 爾揪 安定性 (g) (g) (%) js 液 30, 90 BO DMAc 3.2 Μ2 /Λ -4- 7 19 1
50, 50/50/^ 45 〃 + 3.3 65 680
〃 30, 70/70/'" 3.0 t. + 3.1 70 710
ff 30, 70 50 DMP 4.8 3.3 65 670
2) 40デニ-ール糸の 100%モジュラス (%) oo
3) 40デニ- -ル糸の糸 の 5娘(g)
4) 40デニ- -)^ o ss . (g)
表 2の結果から分かるように、 本発明の線状セグメ ン ト化 ポリ ウレタンゥレアは、 プレポリマー溶液反応時に酸性物質 を全く添加しない場合 (比較例 3 ) や少ない場合 (比較例 1 , 5 ) 及び D M A c中での酸解雜定数が 9以上の酸性物質を添 加した場合 (比較例 4 ) に比べ、 又逆に多い場合 (比較例 2 , 6 ) に比べ、 更に後工程で分岐切断したもの (比較例 9 ) に 比べ、 本発明のポリマーの分岐度が 3以下でその溶液は均一 透明であるために、 成形安定性に優れ、 得られた成形品は従 来法では得られなかった高物性、 即ちモジュラスが向上して、 しかも高伸度、 高強度を発現し得ることがわかる。 同様の事 が溶融状プレボリマー合成の場合にも言える (表 3 ) 。 さら に、 表 4の結果から分かるようにプレボリマー溶液製造条件 を大幅に変更しても、 本発明の効果が十分に発見されている ことが分かる。 また、 ボリマーの製造法においてプレボリマ 一合成、 重合までの全工程を連続化するこ とによって得られ たポリマーの物性 (実施例 7 ) はバッチ法によるものに比べ、 より好ま しいこともわかる。