- - 明 細 書
複合曲面の切削通路生成方法
技術分野
本発明は複合曲面の切削通路生成方法に係 り 、 特に複 合曲面を任意の通路に沿 っ て切削で き る 切削通路生成方 法に 関す る 。
背景技術
三次元金型等の設計図面上の曲面は一般に複数の断面 曲線に よ っ て表現 さ れて お り 、 あ る断面曲線 と 次の断面 曲線間の形状デー タ は存在 し な い 。 と こ ろ で 、 数値制御 加工に 際し て は こ の よ う に 中間の形状が与え られて い な い に も かかわ ら ず上記 2 つ の断面曲線間を な め ら かに つ な が る よ う に ¾ェす る こ と が要求 さ れ る 。 こ の こ と は 、 換言す る な ら ば、 上記 2 つ の断面曲線閭の曲面を 、 該断 面曲線のデー タ 等か ら生成し 、 該生成 さ れた曲面に 関す る デ ー タ を N C テ ー プに 記億 し 、 該 N C テ ー プか ら の指 令に よ り 加工し な け ればな ら な い こ と を意味す る 。 こ の た め 、 三次元曲面体のい く つ かの断面、 断面曲線を特定 す る データ と か ら所定の規則に従 っ て複数の中間断面を 生成す る と 共に 、 該中閭断面に よ る 曲面体の新面曲線
(中間断面曲線) を求め 、 該生成し た複数の中間断面曲 線に よ り 三次元曲面体の曲面を生成す る方法が開発 さ れ て 、 既に実用化 さ れて い る (た と え ば、 米国特許 4, 4 9 1 9 0 6号明細書参照) 。 こ の方法に よ れば断面データ か ら な め ら かな 曲面を生成で き 有効で あ る 。
又、 最近では 2 以上の三次元曲面を複合し て成る複合 曲面の生成方法も 提案さ れて い る 。 た と え ば、 米国出顔 番号 928, 288 願日 : 1986* 10, 23、 発明の名称: 複合曲面生成方法) を参照さ れたい 。 こ の提案さ れた複 合曲面生成方法は、
(i)予め複合曲面 1 1 (第 5 図参照) を構成す る各三次 元曲面 1 2 a , 1 2 b , 1 2 c を待定する ためのデータ を入力する と 共に、 所定平面 (た と え ば X— Y平面) 上 の 1 つの交線 C L 1 (第 6 図参照) を特定す る データ と 該交線を基に該 X — Y平面上の多数の交線 C L i ( i = 1 , 2 , * ♦ · ) と 切削領域を特定する ための規則 (距 離 d, Vx, VY等) を入力 し 、
(ϋ)前記多数の交線の う ち第 i 番目の交線 C L i を X — Y平面 と の交線と す る断面 S S i に よ り 複合曲面 1 1 を 切断し た時の断面曲線 1 3 ( 1 3 a , 1 3 b , I S c の 集ま り ) を求め 、
(iii)以後同様に 、 各交線に対応す る断面に よ る断面曲線 を求め、 該靳面曲線の集合に よ り 複合曲面を生成す る も ので あ る 。
かか る従来方法に よ り 生成さ れた曲面データ を用いて 曲面加工用の N C データ を作成する と 工具の切肖 (I通路は 前記求めた断面曲線順に該断面曲線に沿 って工具が移動 す る よ う な通路にな る 。
すな わち 、 従来の切削通路は求め た断面曲線に沿 っ て 1 方向切削あ る いは往復切削を操 り 返して曲面を加工す
る よ う に切削通路が決定 さ れ る 。
こ の た め 、 複合曲面の輪郭に沿 っ て (第 5 図実線矢印 方向に ) 工具を移動 さ せて縁取 り 切削を し た い場合に は 従来の方法で は不可能で あ っ た 。
又、 一般に従来の方法では任意の切削通路に沿 っ てェ 具を移動 さ せて曲面加工す る こ と がで き な か っ た 。 た と え ば、 複合曲面の輪郭線に相似の多数の閉通路に沿 っ て 順次工具を移動 さ せて切削す る と い う こ と は で き な か つ た。
以上か ら本発明の 目的は 、 複合曲面の縁取 り 加工や 、 任意の切削通路に沿 っ た加工がで き る 切削通路生成方法 を提供す る こ と で あ る 。
発明の開示
本発明は少な く と も 2 つ の三次元曲面を複合 し て な る 複合曲面の切削通路生成方法に関す る 。 こ の切削通路生 成方法は 、 前記各三次元曲面を特定す る た め の デ ー タ を 入力す る と 共に 、 線分及び円弧を要素 と い う 時 2 以上の 要素 よ り 成る X Y平面上の 1 つの曲線を特定す る ス テ ツ プ、 前記曲線を構成す る 多数の要素の う ち所定方向 に 向 か っ て第 i 審目 ( i = l , 2 , ♦ · ) の要素を前記 X Y 平面 と の交線 と す る断面に よ り 複合曲面を切断し た時の 断面曲線を求め る ス テ ツ プ、 要素順に該要素に 対応す る 断面曲線に沿 っ て工具を移動 さ せ る 通路を 切削通路 と し て 生成す る ス テ ツ フ。 を有 し て い る 。
図面の簡単な説明
第 1 図は本発明にかか る切削通路生成方法の説明図、 第 2 図は本発明を実施す る 自動プロ ダ ラ ミ ン グ装置の ブ ロ ッ ク 図、
第 3 図は本発明の処理の流れ図、
第 4 図本発明に よ る別の切削通路例、
第 5 図及び第 6 図は従来方法説明図であ る 。
発明を実施す る ための最良の形態
第 1 図は本発明にかか る切削通路生成方法の説明図で あ る 。 1 1 は複合曲面、 1 2 a , 1 2 , 1 2 c は複合 曲面を構成す る三次元曲面、 C Vは X— Y平面におけ る 曲線、 C V 1 〜 C V 4 は曲線 C V を構成す る要素 (線分 ま たは円弧) 、 S S 1 〜 S S 4 は複合曲面を切断す る断 面、 S C 1 〜 S C 4 は断面曲線であ る 。
複合曲面 1 1 を構成す る 各三次元曲面 1 2 a , 1 2 1 2 c を特定する ためのデータ を入力す る と共に 、 2 以 上の要素 C V 1 〜 C V 4 よ り 成る X— Y平面上の 1 つの 曲線 C V を特定する 。 そ し て 、 曲線 C V を構成す る 多数 の要素の う ち時計ま たは反時計方向におけ る第 i 番目 ( i = 1 , 2 , · · ) の要素 C V i を 、 X — Y平面 と の 交線 と する断面 S S i に よ り 複合曲面 1 1 を切断し 、 断 面曲線 S C 1 〜 S C 4 を求め る 。 しか る後、 要素順に該 要素に対応す る断面曲線に沿 って工具を移動させ る通路 S C 1 — S C 2 → S C 3 — S C 4 を切削通路 と し て生成 す る 。
第 2 図は本発明方法を実現する 自動プ π グ ラ ン ゲ装
置の ブ ロ ッ ク 図、 第 3 図は処理の流れ図で あ る 。
第 2 図に お いて 、 1 0 1 はデー タ 入力用のキ ー ボー ド 1 0 2 は プ ロ セ ッ サ 、 1 0 3 は制御プ ロ グ ラ ム を記億す る R O M、 1 0 4 は R A M、 1 0 5 は生成 さ れた複合曲 面デ ー タ や曲面加工用 の N C プ ロ ダ ラ ム デ ー タ を記憶す る 曲面記億 メ モ リ 、 1 0 6 は曲面デ ー タ や N C デ ー タ を フ ロ ッ ピ ー に 出力す る デ ィ ス ク コ ン ト ロ ー ラ 、 1 0 7 は グ ラ フ ィ ッ ク デ ィ ス プ レ イ 装置 ( C R T ) 、 1 0 8 は曲 面を 出図す る X Y プ ロ ッ タ で あ る 。
以下、 第 1 図乃至第 3 図を参照し な が ら本発明の切肖 fj 通路生成処理を説明す る 。
(a) ま ず、 キ ー ボ ー ド 1 0 1 か ら複合曲面 1 1 (第 1 図 参照) を構成す る 第 1 、 第 2 、 第 3 の三次元曲面 1 2 a 1 2 b , 1 2 c を特定す る デー タ を入力 し て R A M I 0 4 に格納す る 。 尚、 曲面を特定す る デ ー タ に つ い て は前 述の米国特許 4, 491, 906号明細書を参 Mさ れた い 。
(b)つ い で 、 キ ー ボー ド 1 0 1 か ら複合曲面 1 1 を 切断 す る た めの断面 S S 1 〜 S S 4 を特定す る デ ー タ を入力 す る 。 すな わ ち 、 線分や円弧を要素 と 称す る時、 2 以上 の要素 C V 1 〜 C V 4 よ り 成る X — Y平面上の 1 つ の曲 線 C V を特定す る 。 尚、 曲線 C V は た と え ば複合曲面 1 1 の輪郭線を X — Y平面に投影し た曲線を 多数の線分 と 円弧 と で近似し た も の で あ る 。
(c)各データ が入力 さ れればプ ロ。セ ッ サ 1 0 2 は 1 ·→ i と す る 。
(d)ついで、 曲線 C V を構成す る 多数の要素の う ち所定 方向 (た .と えば反時計方向) に見て第 i 番目 の要素 C V i を X— γ平面と の交線とす る断面 S S i に よ り 、 第 1 、 第 2 、 第 3 の曲面 1 2 a , 1 2 b , 1 2 c を それぞれ切 断し た時の断面曲線を求め る 。 尚、 断面曲線は国際出願 番号 PCT/J P 86/00470 (出願曰 : 1986. 9» 12, 発明 の名称: 複合曲面生成方法) と し て既に.提案さ れて い る 周知の手法で離散的な点列 と して求 る 。
(e)そ し て 、 各断面曲線の う ち最も 上方の点列を複合曲 面 1 1 の断面曲線 S C i と し て記億す る 。 尚、 要素 C V
1 に対応す る断面曲線 S C 1 を特定す る 点列は P t t · ♦
. P 12 · . ♦ P 13 . · . P21で あ る 。
(f)し 力 る後、 i + l → i に よ り i を更新し て上記ス テ ッ プ(d)以降の処理を繰 り 返し て最終的に曲線 C V を構成 す る 全要素 ( C V 1〜 C V 4 ) に対応す る断面曲線 ( S C 1〜 S C 4 ) を 点列で求め る 。 そ して 、 要素順に対応 する断面曲線を構成する 点列を配列すれば、 該点列
P · · P · · P
が複合曲面 1 1 の輪郭と な る 。
(g)最後に 、 該点列に沿 って工具を移動させる N C デー タ を作成する 。 尚、 該 N C デー タ に よ り 工具は複合曲面 1 1 の輪郭に沿って移動し 、 緣取 り 切削が行われ う る 。 以上は複合曲面の輪郭に沿 っ て工具を移動さ せ る場合 で あ る が、 X Y平面におけ る投影において第 4 図に示す
各閉曲線 C C V 1 , C C V 2 , * · · ' に沿 っ て工具 を 螺旋状に順次移動 さ せて複合曲面を加工す る よ う に 切削 通路を生成す る こ と も で き る 。 そ し て 、 かか る 切削通路 を生成す る に は 、 た と え ば前記ス テ ッ プ(b)に お い て 最 も 外側の閉曲線 C C V 1 を特定す る デー タ と 共に分割数 N を 人力 し 、 曲線 C C V 1 で囲ま れ る領域 A R の重心 W を 演算 し 、 該重心 と 各項点 Q i を結ぶ線分を そ れぞれ N 等 分 し 、 対応す る分割点を順次結んで各閉曲線 C C V i ( i = 1 , 2 , * · ) を生成 し 、 各閉曲線に対 し て前述 のス テ ッ プ(c)以降の処理を行 っ て複合曲面を加工す る 通 路を生成す る 。
以上本発明に よ れば、 2 以上の要素 よ り 成 る所定平面 上の 1 つ の曲線を特定し 、 該曲線を構成す る 各要素 を 、 前記所定平面 と の交線 と す る断面に よ り 複合曲面を 切断 し た時の断面曲線を求め 、 要素順に該要素に 対応す る 断 面曲線に沿 っ て工具を移動さ せ る 通路を 切削通路 と す る よ う に構成し たか ら 、 複合曲面の縁取 り 加工や、 任意の 切削通路に沿 っ た加工がで き る よ う に な つ た 。