WO1981000117A1 - Sliding material - Google Patents

Description

明 細

発明の名称

摺動部材

技 術 分 野

5 本発明は、 内燃機関用 ピ ス ト ン リ ン グ、 シ リ ン ダ ラ イ

ナ、 エ ア コ ン プレ ッ サ等の摺動面に適用するのに最適る 摺動部材に関する も のであ る。

背 景 技 術 .

近年、 内燃機関において性能を向上させる 目 的での高

1 0 回転、 高圧縮化、 ま た輊量化、 燃費向上対策と しての輊

合金の使用や小型化等の必要性か ら耐摩耗性、 耐焼付性 材料や低摩擦材料の必要性は大る る も のがあ ]? 、 従来か ら多 く の研究が されている。

従来、 かかる対策の一つ と して、 部品の摺動部に金属

I S 酸化物、 炭化物を溶射した ]? 又は メ ツ キを施すこ と に よ

耐摩耗性被覆層を形成せ しめる こ とは公知であ その 応用例も 多 。 '

これを ピス ト ン リ ン グを例に と って考察する と、 従来 の表面処理を施 した ビ ス ト ン リ ングと しては、 鉄系 ビス 0 ト ン リ ン グ母材の外周面にク 口 厶 メ ッ キ又はモ リ ブデン

溶射を施 した も のがほ とん どであ る。

と こ ろで、 ク ロ ム メ ツ キ ピ ス ト ン リ ン グは、 相手側の シ リ ン ダ ラ イ ナ鎢鉄材と の耐焼付性が良 く いため焼付 き 、 ス カ ツ フ ィ ングを発生 し易い。 こ の不具合を改善す

5 ベ く 、 普通銬鉄にニ ッ ケ ル 、 ク ロ ム 、 モ リ ブ デ ン及び/

ひ、

C: 1?1 ' VVIPO 又はボ ロ ン 、 ニオブを添加 した鏡鉄製シ リ ン ダ ラ イ ナが 用い られているが、 この も のは普通鎳鉄 （ F C材 ） に比 ベて加工性が悪 く る ]3 、 従って コ ス ト 高 と る る等別の不 具合を招来している。

ま た、 モ リ ブ デ ン溶射ピ ス ト ン リ ン グは、 相手側のシ リ ン ダ ラ イ ナ鏡鉄材との耐焼付性は良好であるが、 ' 500 °C以上の熱負荷がかかる エ ン ジ ンでは、 モ リ プデ ン の酸 化に よ ]) ビス ト ン リ ン グ母材と溶射層と の間の密着性に 問題が生 じかつモ リ プ デ ン 自体が高価 ¾ため ビス ト ソ リ ン グが高価と る等の欠点を有 している。

本発明は上記従来技術の欠点を解消するために： ¾ され た も のであ ！？ 、 モ リ ブデ ン溶射よ ！） 低コ ス ト でかつ耐摩 耗性、 密着性に優れ、 ま たク ロ ム メ ツ キ よ ]) 耐 ス カ ツ フ イ ン グ性に優れかつ高温時におい て使用可能 、 ピ ス ト ン リ ン グ 、 シ リ ン ダラ イ ナ、 ピス ト ン摺動面、 エ ア コ ン プ レ ッ サ等の摺動面に適用でき る摺動部材を提供する こ とを 目的 とする も のである。

発明の開示

本発明は、 母材の表面に、 全粉末に対し 5〜 8 0 wt%

( 以下、 すべて重量 とする。）の Fe— Ni合金粉末と残 の 9 5〜 2 0 % の Fe—高 Cr合金粉末と の混合粉末、 好ま し く は 1 (！〜 7 0 Fe— Ni合金粉末と 9 0〜5 0 の Fe—高 Cr 合金粉末 と の混合粉末を プラズマ溶射 してる る溶射層を 設けた如き 摺動部材を提供する も のである。

本発明にお ては、 Fe— Ni合金粉末と Fe—高 Cr合金粉 _

C PI

. WIPO 末を併用 して るので、 得 られた溶射層は各合金粉末の 有する利点を保有 し欠点を補 う効果が得 られている。 即 ち、 F e—高 C r合金溶射層は ビ ッ カ ー ス硬さで 8 3 0〜1 0 0 0 と ク ロ ム メ ツ キと 同程度の硬さを有し、 自 身の耐摩耗性 は良いが、 相手部材の摩耗が多い とい う欠点を有する。 ' —方、 F e—N i合金溶射層は ビ ッ カ ー ス硬さで 5 0！]〜 7 5 0 であ ]3 、 ク ロ ム硼化物、 ク ロ ム炭化物及びニ ッ ケ ル シ リ サイ ド の生成に よ って優れた耐摩耗性、 耐ス カ ツ フ ィ ン グ性を有 し、 かつ摩擦係数が低い と う利点を有するが， 熱膨張係数が高い め密着性が劣る とい う欠点があるの に対し、 上記 2 種類の粉末を本発明で規定する割合に混 合した も のをプ ラズマ溶射 してる る溶射層は ビ ッ カ ー ス 硬さで 4 5 Q〜1 Q α αの範囲にあ 、 耐焼付荷重 と 自 身の摩 耗は F e—高 C r合金溶射層 と 同程度の値を示 し、 ま た相手 部材の摩耗を F e—高 C r合金溶射層 よ ]} 大幅に^少させる こ とがで き る と共に密着性も優れている とい う 利点が得 られる。 ま た、 本発明の摺動部材は 5 Q C！〜 5 5 0°Cの高温に おい て も 硬さの低下がみ られない。

即ち本発明にかかる摺動部材は.、 耐摩耗性が従来のモ リ ブデン溶射やク ロ ム メ ツ キ処理を施 した も の よ 優れ ている し、 ま た耐ス カ ツ フ ィ ング性は従来のク ロ ム メ ッ キ処理を施 した も の よ 優れている と共に優れた耐焼付 性を有 し、 ま た相手部材の摩耗を最小限に抑え られる と い う優れた利点を有 し、 しかも 低コ ス ト で製造でき るの で耐摩耗性、 耐焼付性が要求される厳 し 条件下での摺 動部材と して最適の も のである。

図面の簡単 説明

第 1 図は、 本発明に ける実施例 2 の摩耗試験結果を 示すグ ラ フ である。

5 .図中、

(A)はク ロ ム メ ツ キを、

(B)はモ リ ブデ ン の ガ ス溶射を、

(C)は 1 0 ； Pe— Ni合金粉末と 9 0 1o Fe—高 Cr合金粉末 の混合粉末のプ ラ ズ マ溶射を、

10 (D)は 5 0 Fe— Ni合金粉末と ， 0 Fe—高 Cr合金粉末

の混合粉末のプ ラズマ溶射を、

CE)は 7 0 % 8— 1合金粉末と 3 0 % Fe-M r合金粉末 の混合粉末のプ ラズマ溶射を、

(F)は 1 % Fe—高 Cr合金粉末のプ ラ ズ マ溶射を、 それ i s ぞれサ イ コ ロ 端面に施 して摩耗試験を行った と き の、 自

身 と相手部材の各 々 の摩耗量を示す。

. 発明を実施するための最良の形態 ·

本発明に係る摺動部材を実施例に基づき 従来の も の と 比較して具体的に説明する。

0 実施例 1

外径 2⁵.0腿、 内径 2 (10 、 厚さ 1 6 難の回転摩耗試験 片の リ ン グ端面に、 （Α)ク ロ ム メ ツ キ 、 （Β)モ リ プ デ ン の ガ ス溶射、 並びに（C) 1 0 % Fe— Ni合金 （Fe— 4 2 %Ni— 4.8 % Cr-1 ^ B - a 8 ^ S i-0.9 C； 以下同 じ ） 粉末と 9 0 ^ Fe 5 一高 Cr合金 （ Fe— 0 5 % Cr— 8.2 % C— 1.5 % S i ; 以下同 じ ）

.

• c::?i 粉末の混合粉末、 （D) 5 ひ Fe— Ni合金粉末と 7 0 ^ Fe- 高 Cr合金粉末の混合粉末、 （E) 7 0 Fe— Ni合金粉末と 30

^ ； Fe—高 Cr合金 末の混合粉末、 （F) 1 00 % Fe—高 Cr合金

粉末のプ ラズマ溶射を各 0.2 Q〜0.30 籠行い、 各々 のメ ッ

キ面及び溶射面を研削加工 し 。 とれを、 相手部材であ

る外径 25.0鲰 、 内径 20.Q龍 、 厚さ 1 ό 籠 の炭素鋼 （ JIS

S45C )試験片の端面と接する よ う に設置し、 接触面に潤

滑油と してキ ヤ ッ ス ルモ ー タ オ イ ル SAE 3 0 を供給し、荷

重を 1 Q か ら 5 Q 0 ま で増加させ、 焼付限度荷重、 摩

擦係数を測定し、 表面の損傷状態を観察 した。

この結果、 （Α)ク ロ ム メ ツ キ処理 した試験片は 200〜 250 で焼付き を発生し、 （Β)モ リ ブデ ンを ガス溶射 した

も のは 500 で も 焼付き を発生し かったのに対し、 そ

の他の も の、 即ちに）〜（F)をそれぞれブラズマ溶射 したも

のはいずれ も 325〜 350 で焼付き を発生 した。

ま た、 摩擦係数で最も 大き い値を示したのは（Β)モ リ ブ

デ ン を ガス溶射 した も の 、 ） 1 O 0 % F e—高 C r合金粉末を

プ ラ ズ マ溶射した も の及び (C) 1 0 % Fe— Ni合金粉末と 90

° F e—高 C r合金粉末の混合粉末を プ ラ ズ マ溶射 した も の

であ j? 、 次いで（D) 5 0 Fe— Ni合金粉末と 7 0 Fe—高

Cr合金粉末の混合粉末、 （E) 7 0 Fe— Ni合金粉末と 3 0

° Fe—高 C r合金粉末の混合粉末をそれぞれプラズマ溶射

した も の であ ]9 、 最も 低かったのは（A)ク ロ- ム メ ツ キ処理

を施 した も のであった。

お、 ¹ 00 % Fe— Ni合金粉末を用いて上記と同様の試験

C:»I?I

、、 ,. WiPO .

' ' をするため プ ラズマ溶射を行ったが、 密着性に問題があ ]) 所定の厚さ 0.2〜 0.³ 薦の溶射層を得る こ とができ ¾か づ た o

実施例 2

5 8^ΰππのサ イ コ ロ の一端面に、 実施例 1 と 同一条件で、 実施例 1 と 同一の（A}〜（F)の処理を各 0.25〜 0.50難行い、 各溶射面を研.削加工 した。 これを摺動摩耗試験機にかけ、 相手部材である外径 5 Q 観 、 内径 さ 0 mm , 幅 ¹ 0 丽の錡 鉄 （ JIS FC25 ) 試験片の外周面と接触させ、 キ ヤ ッ ス

_{1 0} ルモー タ オ イ ル SAE 30 を供給し ¾がら回転数 ²²5 (0.59 m/sec) 、 荷重 1 00 で 1 時間摩耗試験を行った。

この結果を第 1 図に示す。 第 1 図に い て、 上方は相 手部材の摩耗量 （ 摩耗減量^ ) を、 下方はサイ コ 口端面 の摩耗量 （ 摩耗痕幅舰 ) を表わ し、 （A)〜 CF の符号は実施 i s 例で用いた溶'射材料等の符号と一致させてあ ！） 、 各 々 の 摩耗結果を示 している。 この第 1 図 と試験中におけるサ ィ コ ロ端面の観察に よ ]? 以下の こ とが判った。 -

(A)ク ロ ム メ ツ キ処理を施 したサ イ コ ロ端面は 1 0 分程 度で発煙を生 じ焼付き気味であった。 ま た、 ク ロ ム メ ッ

20 キは ビ ッ カ ー ス硬さで 900〜 1 1 00 であ ]? 、 硬いため 自 身の摩耗量は少 かったが、 相手部材の摩耗は試験材料 の中では最も 多かった。 （B)モ リ ブデンのガ ス溶射を施 し た も のは、 硬さが ビ ッ カ ー ス硬さで 600〜 800であ ]? 、 焼付き は生 じなかったが自身の摩耗が多 く 、 ま た溶射層 . 25 の面粗れのため相手部材の摩耗を多 く した。 ―

Ο Π ま た、 (F) 1 0 0 ¾δ F e—高 C r合金粉末をプ ラズマ溶射した も のは、 3 0 分程度でやや発煙を生 じ、 自身の摩耗は多 く ¾かったが相手部材を多 く 摩耗させた。

これに対し、 本発明にかかる（C) 1 0 Fe— Ni合金粉末 と 9 0 Fe—高 Cr合金粉末の混合粉末、 （D) 5 0 % Fe—Ni 合金粉末と 7 (3 % F e—高 C r合金粉末の混合粉末、 （B) 7 0 Fe— Ni合金粉末と 3 0 °h Fe—高 Cr合金粉末の混合粉末 をそれぞれプラズマ溶射した も のは、 焼付き がみ られず、 自 身の摩耗も（B)モ リ ブデ ンの ガス溶射を施 した も の よ ！） 格段に少る く 、 ま た相手部材の摩耗も 少なかった。

¾ 、 Fe— Ni合金粉末と Fe—高 Cr合金粉末の混合割合 において、 Fe— Ni合金粉末の割合が増加するに従い 自身 の摩耗量はほ とんど変わ ら が相手部材の摩耗が減少 する。

本発明に いては、 上記実施例の も ののほかに Fe— Ni 合金と しては Fe— 5 5〜5 5 %Ni— 0 〜 8 Cr— 4〜1 0 Si . — 0〜2 % C— 0〜3 % B の も のを、 Fe—高 Cr合金と しては— Fe— 5 5〜7 0 ^ Cr— 3〜9 % C の も のを使用する こ と力；で き る。 お、 Fe—高 Cr合金において、 S i、 Mn、 P、 S 等が 一般の炭素鋼程度含ま れていて も さ しっかえるい。

¾お、 本発明に いて、 Fe— Ni合金粉末の量は全粉末 に対し 5〜8 0 である必要があるが、 これは Fe— Ni合金 粉末の量が 5 よ 少 い と相手部材が F e—高 C r合金粉 末のみの場合と 同程度の摩耗を示 し、 ま た 8 0 を超え る と 自 身の耐摩耗胜は良 .いが、 熱膨張係数が高 ため密 —

( 〇 ？ I 着性が劣化 し所定の厚さ （ 例えば 0. ²〜 ο· ⁴ ∞ ) 溶射でき

¾い しま たコ ス ト が高 く ¾ るか らである。

産業上の利用可能性

以上述べた よ う に、 本発明の摺動部材は優れた耐摩耗 性、 耐ス カ ツ フ ィ ング性及び耐焼付性を有する と と も に 相手部材の摩耗を も最小限に抑え られるか ら、 これ ら性 質が要求される内燃機関用 ピ ス ト ン リ ン グ 、 シ リ ンダラ イ ナ一、 エ ア コ ン ブレ ッ サ等の摺動面に適用する摺動部 材と して極めて有用である。

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Claims

請求の範囲

(1) 母材の表面に、 全粉末に対し 5〜8 Owt の； Fe— Ni 合金粉末と残 ]9 の 9 5〜2 0 _wt の 6—高(：1«合金粉末 との 混合粉末をプ ラズマ溶射 して る溶射層を設けたこ と を 特徵とする摺動部材。

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