JPWO2022080120A5 - - Google Patents

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JPWO2022080120A5
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本開示は、モールドモータに関する。
モータは、家庭用電気機器をはじめとして様々な機器に用いられている。例えば、モータは、エアコンの室外機に搭載されるファンモータに用いられている。ファンモータは、ステータ及びロータを有するモータと、モータの回転軸に取り付けられた回転ファンとを備える。
エアコンの室外機に用いられるファンモータは、室外機の本体(設置対象物)に設置される。この場合、ファンモータは、ファンモータで発生する振動が外部に伝達しないように、防振ゴムを介して室外機の本体に取り付けられる(特許文献1、2を参照)。これにより、ファンモータの振動が室外機の本体に伝わることを抑制できるので、静音化を実現することができる。
ファンモータにおけるモータとして、ステータがモールド樹脂で覆われたモールドモータが用いられている。モールドモータは、例えば、ステータと、ステータの内側に配置されたロータと、ステータを外側から覆うモールド樹脂とを備える。モールドモータでは、モールド樹脂がモールドモータの外郭を構成している。
防振ゴムを介してモールドモータを設置対象物に設置する場合、モールド樹脂の側面から外方に向かって突出する脚部に防振ゴムを取り付けて、防振ゴムと設置対象物とをネジ等によって固定する。例えば、モールドモータを備えるファンモータを室外機の本体に設置する場合、モールドモータの脚部に取り付けられた防振ゴムと室外機の本体とをネジによって固定することで、ファンモータを室外機の本体に取り付けることができる。
この場合、防振ゴムは、ステータをモールド樹脂で覆ってステータモールドを完成させた後に、モールド樹脂の脚部に取り付けられる。つまり、防振ゴムは、モールド樹脂に後付けされている。
しかしながら、近年、台風の勢力拡大又は地震の発生等によって、防振ゴムを介して設置対象物に設置されたモールドモータが設置対象物から脱落する事象の発生が懸念される。特に、数十年に一度とも表現される、極めて大きな勢力を有する台風の発生頻度が高くなっていることから、防振ゴムがモールド樹脂に後付けされたモールドモータを有するファンモータが、室外機の本体から脱落することの予防が強く求められる。
特開平6-307661号公報 特開2017-67154号公報
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。本開示は、静音化のために防振ゴムを用いてモールドモータを設置対象物に設置したとしても、設置対象物からモールドモータが脱落することを抑制できるモールドモータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係るモールドモータの一態様は、ステータと、回転軸を有し、前記ステータの磁力によって回転するロータと、前記ステータの少なくとも一部を覆うモールド樹脂と、前記モールドモータが設置される設置対象物に取り付けられる弾性体と、前記弾性体の周囲に少なくとも1つ以上配置され、前記弾性体よりも硬い硬質部材と、を備え、前記弾性体及び前記硬質部材は、一体成型により前記モールド樹脂に固定されている。
また、前記モールド樹脂は、前記回転軸の軸心方向と直交する方向である径方向において外方に向かって突出する突出部を有し、前記弾性体及び前記硬質部材は、前記突出部に配置されていることが好ましい。
また、前記モールドモータは、前記硬質部材として筒状部材を備え、前記筒状部材は、前記弾性体を囲むように前記弾性体の外側に配置されていることが好ましい。
また、前記筒状部材の一部は、前記弾性体に埋め込まれていてもよい。
また、前記モールドモータは、前記硬質部材として第1筒状部材及び第2筒状部材を備え、前記第1筒状部材は、前記弾性体を囲むように前記弾性体の外側に配置されており、前記第2筒状部材は、前記弾性体の内側に配置されていてもよい。
また、前記第1筒状部材及び前記第2筒状部材の少なくとも一方は、一部が前記弾性体に埋め込まれていてもよい。
また、前記硬質部材は、金属材料によって構成されていることが好ましい。
また、前記モールド樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂によって構成されていてもよい。
また、前記弾性体には、前記設置対象物に前記モールドモータを取り付けるための固定部材が挿通される挿通孔が設けられていてもよい。
また、前記弾性体は、前記設置対象物に前記モールドモータで生じる振動の伝達を抑制する防振ゴムであることが好ましい。
また、前記防振ゴムは、エチレンプロピレンゴム又はニトリルゴムによって構成されていることが好ましい。
本開示によれば、弾性体を用いてモールドモータを設置対象物に設置したとしても、モールドモータが設置対象物から脱落することを抑制することできる。
図1は、実施の形態に係るモールドモータを斜め上方から見たときの斜視図である。 図2は、実施の形態に係るモールドモータを斜め下方から見たときの斜視図である。 図3は、実施の形態に係るモールドモータの上面図である。 図4は、実施の形態に係るモールドモータの断面図である。 図5は、図4の破線で囲まれる領域Vの拡大図である。 図6は、実施の形態に係るモールドモータにおける取付部材の斜視図である。 図7Aは、実施の形態に係る取付部材の上面図である。 図7Bは、図7AのVIIB-VIIB線における断面図である。 図8は、実施の形態に係るモールドモータの製造方法のフローチャートである。 図9Aは、完成後のモールドモータにおけるモールド樹脂の突出部の拡大図である。 図9Bは、図9AのIXB-IXB線における断面において、金型によりモールド樹脂を成形するときの様子を示す図である。 図10は、従来のモールドモータの構成を示す斜視図である。 図11は、従来のモールドモータの製造方法のフローチャートである。 図12Aは、変形例1に係る取付部材の上面図である。 図12Bは、図12AのXIIB-XIIB線における断面図である。 図13Aは、変形例2に係る取付部材の上面図である。 図13Bは、図13AのXIIIB-XIIIB線における断面図である。 図14Aは、変形例3に係る取付部材の上面図である。 図14Bは、図14AのXIVB-XIVB線における断面図である。 図15Aは、変形例4に係る取付部材の上面図である。 図15Bは、図15AのXVB-XVB線における断面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって、本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係るモールドモータ1の全体の構成について、図1~図5を用いて説明する。図1は、実施の形態に係るモールドモータ1を斜め上方から見たときの斜視図である。図2は、同モールドモータ1を斜め下方から見たときの斜視図である。図3は、同モールドモータ1の上面図である。図4は、同モールドモータ1の断面図である。図5は、図4の破線で囲まれる領域Vの拡大図である。
図1~図4に示すように、モールドモータ1は、ステータ10と、ロータ20と、モールド樹脂30と、取付部材40とを備える。ロータ20は、ステータ10の磁力によって回転する。モールド樹脂30は、ステータ10の少なくとも一部を覆う。取付部材40は、モールドモータ1を設置対象物に設置するための部材である。モールドモータ1は、取付部材40を介して設置対象物(取付対象物)に取り付けられる。
モールドモータ1は、さらに、第1軸受51及び第2軸受52と、第1ブラケット61及び第2ブラケット62とを備える。なお、モールドモータ1において、モールド樹脂30及び第2ブラケット62は、モールドモータ1の外郭を構成している。
モールドモータ1は、ブラシを用いないブラシレスモータである。モールドモータ1は、ロータ20がステータ10の内側に配置されたインナーロータ型のモータである。
このように構成されるモールドモータ1は、例えば、エアコンの室外機に搭載されるファンモータに用いられる。モールドモータ1をファンモータに用いる場合、モールドモータ1の回転軸21には、回転ファンが取り付けられる。この場合、モールドモータ1の設置対象物は、エアコンの室外機の本体となり、モールドモータ1は、取付部材40を介してエアコンの室外機の本体(例えばフレーム)に取り付けられる。
以下、モールドモータ1の各構成部材について、詳細に説明する。
図4に示すように、ステータ10(固定子)は、ロータ20との間に微小なエアギャップを介してロータ20に対向して配置されている。具体的には、ステータ10は、ロータ20が有するロータコア22を囲むように配置されている。
ステータ10は、ステータコア11と、コイル12と、インシュレータ13とを有する。
ステータコア11は、ステータ10のコアとなる固定子鉄心である。ステータコア11は、ロータ20を回転させるための磁力を発生させる。ステータコア11は、例えば、ロータ20が有する回転軸21の軸心Cが延伸する方向に複数の電磁鋼板が積層された積層体である。なお、ステータコア11は、積層体に限らず、磁性材料によって構成されたバルク体であってもよい。
ステータコア11は、ロータ20を囲むように円環状に形成されたヨークと、ヨークから回転軸21に向かって突出する複数のティースとを有する。ヨークは、各ティースの外側に形成されたバックヨークである。回転軸21に向かって突出する複数のティースの各々は、ロータ20が有するロータコア22に対面している。複数のティースは、回転軸21の軸心Cと直交する方向(径方向)に放射状に延在している。複数のティースは、隣り合う2つのティースの間にスロットを形成しながら、回転軸21の回転方向に沿って等間隔に配置される。
複数のコイル12は、ステータ10の電機子巻線であり、ステータコア11に巻かれている。コイル12は、インシュレータ13を介してステータコア11に巻回された巻線コイルである。一例として、コイル12は、ステータコア11が有する複数のティースの各々に巻回された集中巻コイルであり、ステータコア11のスロットに収納されている。なお、コイル12は、集中巻に限らず、分布巻であってもよい。
コイル12は、3相同期モータとしてロータ20を回転できるように3相巻線となっている。具体的には、コイル12は、互いに電気的に120度位相が異なるU相、V相及びW相の3相それぞれの単位コイルによって構成されている。つまり、ステータコア11が有するティースの各々に巻回されたコイル12は、U相、V相及びW相の相単位でそれぞれに通電される3相の交流によって通電駆動される。これにより、ステータコア11が有する各ティースにステータ10としての主磁束が生成される。つまり、コイル12が巻かれた各ティースは、磁極ティースであり、コイル12に通電されることで磁力を発生させる電磁石である。
なお、各相のコイル12の末端は、回路基板70が有する巻線結線部で結線されている。回路基板70には、U相、V相、W相の相ごとに複数のコイル12を電気的に接続するためのパターン配線が形成されている。各相のコイル12の末端が、はんだ等によって回路基板70のパターン配線と電気的に接続されている。
インシュレータ13は、コイルボビンである。インシュレータ13は、コイル12が巻回される枠状の枠体部を有する。インシュレータ13の枠体部は、ステータコア11を覆う絶縁枠である。具体的には、インシュレータ13の枠体部は、ステータコア11が有するティースを覆うように設けられている。インシュレータ13は、複数のティースの各々に設けられているが、これに限らない。インシュレータ13は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。
このように構成されるステータ10は、コイル12に電流が流れることで、ロータ20に作用する磁力を発生させる。具体的には、ステータ10は、回転軸21の回転方向(周方向)に沿ってN極とS極とが交互に存在するように、ロータ20が有するロータコア22とのエアギャップ面に磁束を生成する。ステータ10が発生する主磁束の向きは、回転軸21の軸心Cと直交する方向(径方向)である。ステータ10は、ロータ20とともに磁気回路を構成している。
次に、ロータ20について説明する。ロータ20(回転子)は、ステータ10に生じる磁力によって回転する。図4に示すように、ロータ20は、回転軸21を有している。ロータ20は、回転軸21の軸心Cを回転中心として回転する。
ロータ20は、ステータ10と向かい合って配置されている。本実施の形態において、ロータ20は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向と直交する方向(径方向)においてステータ10と対向している。
ロータ20は、回転軸21の回転方向に沿ってN極とS極とが複数繰り返して存在する構成になっている。ロータ20は、永久磁石埋め込み型のロータ(IPM(Interior Permanent Magnet)ロータ)である。したがって、モールドモータ1は、IPMモータである。
具体的には、ロータ20は、回転軸21と、ロータコア22と、ロータコア22に形成された複数の磁石挿入孔22aのそれぞれに挿入された永久磁石23とを有する。
ロータコア22は、ロータ20のコアとなる回転子鉄心である。ロータコア22は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向に沿って複数の電磁鋼板が積層された実質的に円柱状の積層体である。なお、ロータコア22は、複数の鋼板で構成された積層体に限らず、磁性材料によって構成されたバルク体であってもよい。
ロータコア22に形成された複数の磁石挿入孔22aは、回転軸21の回転方向に沿って等間隔に存在している。なお、複数の磁石挿入孔22aの各々は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向において、ロータコア22を貫通しているが、ロータコア22を貫通していなくてもよい。各磁石挿入孔22aには、永久磁石23が埋め込まれている。永久磁石23は焼結マグネットであり、各磁石挿入孔22aには、永久磁石23が1つずつ挿入されている。なお、永久磁石23は、ボンド磁石であってもよい。
ロータコア22の中心には、回転軸21が固定されている。回転軸21は、軸心Cを有するシャフトである。回転軸21は、金属棒等の長尺状の棒状部材である。回転軸21の軸心Cは、ロータ20が回転する際の回転中心となる。回転軸21の長手方向(延伸方向)は、軸心Cが延伸する方向(軸心方向)である。
回転軸21は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向においてロータコア22の両側に延在するように、ロータコア22を貫通する状態でロータコア22に固定されている。具体的には、回転軸21は、ロータコア22の中心に設けられた貫通孔に挿入されてロータコア22に固定されている。回転軸21は、例えば、ロータコア22の貫通孔に圧入したり焼き嵌めしたりすることでロータコア22に固定されている。回転軸21は、第1軸受51と第2軸受52とに回転可能に支持されている。
このように構成されるロータ20は、ステータ10に作用する磁力を発生させる。ロータ20が発生する主磁束の向きは、ステータ10と同様に、回転軸21の軸心Cと直交する方向(径方向)である。つまり、ステータ10及びロータ20が発生する磁束の向きは、いずれも径方向である。
ロータ20は、ロータ20自身が発生する磁束とステータ10で発生する磁束とによって回転する。具体的には、回路基板70からステータ10が有するコイル12に電力が供給されると、コイル12に界磁電流が流れてステータコア11に磁束が発生する。ステータコア11で発生した磁束とロータ20が有する永久磁石23から生じる磁束との相互作用によって生じた磁気力がロータ20を回転させるトルクとなり、ロータ20が回転する。
次に、モールド樹脂30について説明する。図4に示すように、モールド樹脂30は、ステータ10を覆っている。モールド樹脂30は、ステータ10の全周にわたってステータ10の外側部分を覆っている。具体的には、モールド樹脂30は、ステータコア11、コイル12及びインシュレータ13の外側部分を覆っている。なお、モールド樹脂30は、コイル12及びインシュレータ13の外面に接している。
モールド樹脂30は、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂等の熱伝導性に優れた絶縁性樹脂材料によって構成されている。モールド樹脂30は、熱硬化性樹脂によって構成されている。本実施の形態において、モールド樹脂30は、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステルによって構成されている。具体的には、モールド樹脂30は、白色のBMC(Bulk Molding Compound)不飽和ポリエステル樹脂によって構成されている。なお、モールド樹脂30を成すBMCの色は特に限定されるものではなく、他の色、例えば黒色でもよい。
また、図1~図4に示すように、モールド樹脂30は、モールドモータ1の外郭の一部であり、筐体を構成している。具体的には、図4に示すように、ステータ10を覆うモールド樹脂30は、ロータ20を内包するハウジングを構成している。
モールド樹脂30は、モールドモータ1の胴部をなす本体部31と、本体部31に設けられた突出部32とを有する。突出部32は、本体部31に複数設けられている。具体的には、図1~図3に示すように、本体部31には、4つの突出部32が設けられている。なお、本体部31と突出部32とはモールド成形により一体となって1つのモールド樹脂30を構成している。
本体部31は、ステータ10の全周にわたってステータ10の外側部分を覆っている。具体的には、本体部31は、ステータコア11、コイル12及びインシュレータ13を覆っている。図4に示すように、本体部31は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向の一方端と他方端とのそれぞれに開口を有する筒状体である。
図3及び図4に示すように、突出部32は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向と直交する方向(径方向)において外方に向かって突出している。具体的には、複数の突出部32の各々は、本体部31の外面から凸形状に突出している。図4に示すように、複数の突出部32は、上面視において、回転軸21の軸心Cと直交する方向(径方向)に放射状に延在している。複数の突出部32は、回転軸21の回転方向に沿って等間隔に設けられている。具体的には、回転軸21の回転方向に沿って4つの突出部32が90度間隔で設けられている。
突出部32は、モールドモータ1の脚部であり、モールドモータ1を設置対象物に取り付けるための取付部として機能する。モールドモータ1は、各突出部32に固定された取付部材40を介して設置対象物に取り付けられる。
次に、取付部材40について説明する。取付部材40は、モールドモータ1を設置対象物に設置するための部品である。モールドモータ1が設置される設置対象物は、金属材料又は樹脂材料等からなる剛体である。例えば、モールドモータ1がエアコンの室外機のファンモータに設置される場合、ファンモータのモールドモータ1は、設置対象物である室外機の本体に設置される。
図1~図4に示すように、取付部材40は、モールド樹脂30に固定されている。取付部材40は、一体成型によりモールド樹脂30に固定されている。本実施の形態において、取付部材40は、図5に示すように、モールド樹脂30の突出部32に取付部材40の一部が埋め込まれる状態で突出部32に固定されている。
取付部材40は、弾性体である防振ゴム41と、防振ゴム41の周囲に配置された筒状部材42とを備える。防振ゴム41は、モールドモータ1が設置される設置対象物に取り付けられる。図6は、実施の形態に係るモールドモータ1における取付部材40の斜視図である。図7Aは、同取付部材40の上面図である。図7Bは、図7AのVIIB-VIIB線における断面図である。図6、図7A及び図7Bに示すように、取付部材40は、防振ゴム41と筒状部材42とが一体となった部品である。防振ゴム41と筒状部材42とは、取付部材40がモールド樹脂30に固定される前に、樹脂成型により一体に成形されている。
弾性体である防振ゴム41は、モールドモータ1の振動が設置対象物に伝達しないように、モールドモータ1の振動を吸収又は減衰させる機能を有する。つまり、防振ゴム41は、設置対象物にモールドモータ1で生じる振動の伝達を抑制する。具体的には、弾性体である防振ゴム41は、ゴム弾性を有するエラストマーによって構成されている。一例として、防振ゴム41は、エチレンプロピレンゴム(EPM(Ethylene Propylene Rubber)、EPDM(Ethylene Propylene Dene Rubber)、EP(Ethylene Propylene))又はニトリルゴム(NBR(Nitrile Rubber))等のゴム材料によって構成されている。なお、EPMは、エチレンプロピレンゴムとしては、エチレンとプロピレンの共重合体であり、EPDMは、エチレンとプロピレンとにさらに少量の第3成分を含む三元重合体である。
図6,図7A,及び図7Bに示すように、防振ゴム41には、設置対象物にモールドモータ1を取り付けるための固定部材であるネジやボルトなど(以下、「ネジ等」という。)が挿通される挿通孔41aが設けられている。防振ゴム41の形状は、厚さが厚い厚肉の筒状部材である。防振ゴム41の形状は、円筒状である。一例として、防振ゴム41の径方向の肉厚は、挿通孔41aの直径とはほぼ同じであるが、これに限らない。モールドモータ1の振動を抑制するとの観点では、防振ゴム41の径方向の肉厚は、挿通孔41aの直径よりも大きい方がよい。固定部材であるネジ等は、モールドモータ1が取り付けられる設置対象物の取付部分、例えばフレームの状態で選択される。具体的には、フレームに雌ネジを形成すれば、固定部材としてネジを用いることができる。また、フレームに貫通孔を形成すれば、固定部材としてボルトとナットを用いることができる。
筒状部材42は、防振ゴム41を囲むように防振ゴム41の外側に配置されている。筒状部材42は、防振ゴム41の外形に対応する形状を有する。この場合、筒状部材42の形状と防振ゴム41の形状とは、同じような形状であるとよい。防振ゴム41は、円筒状であるので、筒状部材42も円筒状である。筒状部材42は、筒状部材42の内面と防振ゴム41の外面とが接するように配置されている。したがって、筒状部材42の内径と防振ゴム41の外径とは同じである。
なお、筒状部材42の高さは、防振ゴム41の高さよりも低くなっているが、これに限らない。例えば、筒状部材42の高さと防振ゴム41の高さとが同じであってもよい。また、防振ゴム41の形状と筒状部材42の形状とは、円形状でなくてもよく、四角形等の多角形からなる角筒状であってもよい。防振ゴム41の形状と筒状部材42の形状とは同じでなくてもよく、異なっていてもよい。筒状部材42は、リング部材である。したがって、筒状部材42の上面視の形状は、閉じたリング状になっているが、C字状であってもよい。つまり、筒状部材42の側壁にスリットが形成されていてもよい。また、筒状部材42の表面に段差があってもよいし、筒状部材42の側壁の一部に孔が形成されていてもよい。
筒状部材42は、防振ゴム41よりも硬い硬質部材である。つまり、筒状部材42の硬さは、防振ゴム41の硬さよりも硬い。筒状部材42は、金属材料によって構成されている。一例として、筒状部材42は、鉄系材料によって形成された鉄製円筒チューブである。なお、筒状部材42の材質は、硬さが防振ゴム41よりも硬ければ、金属材料に限るものではなく、セラミック材料又は硬質樹脂材料等によって構成されていてもよい。筒状部材42は、モールド樹脂30をモールド成型する際に注入する液状樹脂30a(図9B参照)の最大注入圧(例えば100MP程度)に十分耐えうる材料によって構成されていればよい。
筒状部材42の硬さ及び防振ゴム41の硬さは、デュロメータ硬さ、ビッカース硬さ又はショア硬さ等の指標を基準に評価することができる。筒状部材42の硬さ及び防振ゴム41の硬さは、筒状部材42及び防振ゴム41を構成する材料の弾性率(ヤング率)で評価してもよい。例えば、筒状部材42の弾性率(ヤング率)が防振ゴム41の弾性率(ヤング率)よりも大きければ、筒状部材42の硬さは、防振ゴム41の硬さよりも硬い。
一例として、防振ゴム41の材質は、ゴム硬さ35のデュロメータ硬さを有するEPDMである。筒状部材42の材質は、鉄である。
図4及び図5に示すように、防振ゴム41及び筒状部材42は、一体成型によりモールド樹脂30に固定されている。つまり、防振ゴム41及び筒状部材42は、モールド樹脂30から外れない構造になっている。したがって、モールド樹脂30から防振ゴム41及び筒状部材42を取り外すことができなくなっている。
防振ゴム41及び筒状部材42は、モールド樹脂30の突出部32に配置されている。つまり、防振ゴム41及び筒状部材42は、一体成型によりモールド樹脂30の突出部32に固定されている。具体的には、防振ゴム41及び筒状部材42は、上記のように、取付部材40として、モールド樹脂30に固定されている。
防振ゴム41は、軸方向の上端部と下端部とが露出するようにして突出部32に埋め込まれている。つまり、防振ゴム41は、上端頂面及び上端外周側面と下端底面及び下端外周側面とが露出している。一方、筒状部材42は、外周側面の全体が露出することなく突出部32に埋め込まれている。筒状部材42の上端頂面は、突出部32の外面から落ち込んだ位置に存在し、筒状部材42の下端底面は、突出部32の外面と面一になっている。
次に、第1軸受51、第2軸受52、第1ブラケット61及び第2ブラケット62について説明する。
図4に示すように、第1軸受51及び第2軸受52は、回転軸21を回転自在に支持している。具体的には、ロータコア22から一方側に突出する回転軸21の第1部位21aは、第1軸受51に支持されている。一方、ロータコア22から他方側に突出する回転軸21の第2部位21bは、第2軸受52に支持されている。一例として、第1軸受51及び第2軸受52は、ボールベアリング等のベアリングである。
本実施の形態において、回転軸21の第1部位21aは、出力軸であり、第1軸受51及び第1ブラケット61から突出している。回転軸21の第1部位21aには、例えば回転ファン等の負荷が取り付けられる。なお、回転軸21の第2部位21bは、反出力軸であり、第2軸受52及び第2ブラケット62から突出していない。
第1ブラケット61は、第1軸受51を保持している。第1軸受51は、第1ブラケット61の凹部に固定されている。また、第2ブラケット62は、第2軸受52を保持している。第2軸受52は、第2ブラケット62に固定されている。
第1ブラケット61は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向におけるモールド樹脂30の一方の端部に設けられている。具体的には、第1ブラケット61は、モールド樹脂30の本体部31の一方端側の開口を塞ぐように配置されている。
第2ブラケット62は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向におけるモールド樹脂30の他方の端部に設けられている。具体的には、第2ブラケット62は、モールド樹脂30の本体部31の他方端側の開口を塞ぐように配置されている。
なお、第1ブラケット61の全体の外径は、第2ブラケット62の全体の外径よりも小さくなっている。つまり、第2ブラケット62の方が第1ブラケット61よりも外形サイズが大きくなっている。
第1ブラケット61及び第2ブラケット62は、鉄等の金属材料によって構成されている。例えば、第1ブラケット61及び第2ブラケット62は、厚さが一定の金属板によって構成されている。第1ブラケット61と第2ブラケット62とは、モールド樹脂30に固定されている。具体的には、第1ブラケット61は、ステータ10を樹脂によってモールド成形する際にステータ10とともにモールド樹脂30に固定される。一方、第2ブラケット62は、成形後のモールド樹脂30に固定される。
以上のように、本実施の形態のモールドモータ1は、ステータ10と、回転軸21を有し、ステータ10の磁力によって回転するロータ20と、ステータ10の少なくとも一部を覆うモールド樹脂30と、モールドモータ1が設置される設置対象物に取り付けられる弾性体41と、弾性体41の周囲に少なくとも1つ以上配置され、弾性体41よりも硬い硬質部材と、を備え、弾性体41及び硬質部材は、一体成型によりモールド樹脂30に固定されている。
これにより、弾性体41を用いてモールドモータ1を設置対象物に設置したとしても、モールドモータ1が設置対象物から脱落することを抑制することできる。
次に、モールドモータ1の製造方法について、図8、図9A及び図9Bを用いて説明する。特に、以下では、取付部材40をモールド樹脂30に固定する方法を中心に説明する。図8は、実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法のフローチャートである。図9A及び図9Bは、モールドモータ1の製造方法において、取付部材40をモールド樹脂30に固定する方法を説明するための図である。図9Aは、完成後のモールドモータ1におけるモールド樹脂30の突出部32の拡大図である。図9Bは、図9AのIXB-IXB線における断面において、金型100によりモールド樹脂30を成形するときの様子を示す図である。
まず、図6、図7A及び図7Bに示される構造の取付部材40を別途作製しておく。具体的には、図8に示すように、防振ゴム41と筒状部材42とを一体成型することで、取付部材40を作製する(ステップS11)。取付部材40は、例えば、インサート成形によって作製することができる。この場合、金属製の筒状部材42を樹脂成形用の金型に配置し、防振ゴム41を構成する樹脂材料の液状樹脂をその金型に注入して硬化させることで、一体成型により筒状部材42が防振ゴム41に固定された取付部材40を作製することができる。
次に、図8に示すように、取付部材40とステータ10とを一緒にモールド樹脂30で成型する(ステップS12)。これにより、一体成型により取付部材40とステータ10とが固定されたモールド樹脂30を作製することができる。
具体的には、まず、インシュレータ13を介してコイル12が巻かれたステータコア11を有するステータ10と、取付部材40とを、図9Bに示すように、射出成型機の金型100に配置する。なお、このとき、第1ブラケット61も金型100に配置する。
金型100は、複数のブロックによって構成されている。例えば、横型の射出成型機を用いる場合、図9Bに示すように、金型100は、下金型である第1ブロック101と上金型である第2ブロック102とによって縦方向に開閉するように構成されている。この場合、取付部材40の防振ゴム41に形成された挿通孔41aに第1ブロック101が有する突起101aを挿通させることで、取付部材40を金型100に配置する。なお、突起101aの直径は、防振ゴム41の挿通孔41aの内径と同じであり、防振ゴム41の挿通孔41aに挿入された突起101aは、防振ゴム41に密着している。
続いて、金型100に設けられたゲートを介して金型100の内部にモールド樹脂30を構成する樹脂材料の液状樹脂30aを注入する。このとき、筒状部材42が防振ゴム41を囲っているので、取付部材40の外側から液状樹脂30aが注入されたときに、液状樹脂30aが防振ゴム41の外周面に直接接触することなく金型100の中に流入する。具体的には、金型100に注入された液状樹脂30aは、防振ゴム41を囲む筒状部材42の外面に接触しながら金型100内に充填される。このように、防振ゴム41の外側に筒状部材42が配置されていることで、筒状部材42によって液状樹脂30aの注入圧を受け止めることができ、液状樹脂30aの注入圧が防振ゴム41にかかることを防止できる。これにより、液状樹脂30aの注入圧によって防振ゴム41が変形することを抑制できる。
金型100内に液状樹脂30aを注入する際、上記のように、防振ゴム41に形成された挿通孔41aに第1ブロック101の突起101aが挿通されている。これにより、防振ゴム41が突起101aで支持されるので、モールド樹脂30のモールド成型時に防振ゴム41が金型100内で変形することを一層抑制することができる。
金型100内に液状樹脂30aを充填した後は、液状樹脂30aを硬化させる。これにより、ステータ10と取付部材40と第1ブラケット61とがモールド樹脂30に一体成型により固定される。
なお、その後、モールド樹脂30で覆われたステータ10に、ロータ20等のその他の部品を組み付けることで、モールドモータ1が完成する。
次に、本実施の形態に係るモールドモータ1の特徴について、本開示の技術に至った経緯も含めて説明する。
図10は、従来のモールドモータの構成を示す斜視図である。従来、モールドモータを有するファンモータを設置対象物に設置する場合、ファンモータで発生する振動が設置対象物に伝達しないように、防振ゴムを介してファンモータを設置対象物に設置することが行われている。
この場合、図10に示すように、従来のモールドモータ1Xでは、ステータをモールド樹脂30Xで覆ってステータモールドを完成させた後に、モールド樹脂30Xの突出部32X(脚部)に防振ゴム41Xを取り付ける。図11は、従来のモールドモータの製造方法のフローチャートである。具体的には、図11に示すように、樹脂成型により防振ゴム41Xを作製する(ステップS21)。ステータをモールド樹脂30Xで成型してステータモールドを作製する(ステップS22)。ステータモールドに防振ゴム41Xを取り付ける(ステップS23)。この場合。図10に示すように、モールド樹脂30Xの突出部32Xに防振ゴム41Xを横から差し込むことで、モールド樹脂30Xに防振ゴム41Xを取り付ける。つまり、防振ゴム41Xは、モールド樹脂30Xに後付けされている。
このように、防振ゴム41Xが後付けでモールド樹脂30Xに取り付けられたモールドモータ1Xを有するファンモータを設置対象物に設置した場合、台風又は地震等によってファンモータが設置対象物から脱落する事象の発生が懸念される。
そこで、一体成型により防振ゴム41Xをモールド樹脂30Xに固定することが考えられる。つまり、ステータをモールド樹脂30Xで成型する際に、防振ゴム41Xもステータと一緒にモールド樹脂30Xで成型することが考えられる。
しかしながら、実際に防振ゴム41Xをモールド樹脂30Xで一体成型してみたところ、防振ゴム41Xが変形することが分かった。具体的には、モールド樹脂30Xを構成する樹脂材料の液状樹脂を金型に注入するときの注入圧によって防振ゴム41Xが変形してしまうことが分かった。
この問題に対して、本願発明者らが鋭意検討した結果、防振ゴムをモールド樹脂で一体成型する際に、防振ゴムよりも硬い硬質部材を防振ゴムの周囲に少なくとも1つ以上配置して防振ゴムと硬質部材とを一体成型によりモールド樹脂に固定するという着想を得た。
本開示に係るモールドモータ1は、この着想に基づいてなされたものである。具体的には、モールドモータ1は、モールドモータ1が設置される設置対象物に取り付けられる防振ゴム41と、防振ゴム41よりも硬い硬質部材とを備えている。硬質部材は、防振ゴム41の周囲に少なくとも1つ以上配置されている。防振ゴム41及び硬質部材は、一体成型によりモールド樹脂30に固定されている。モールドモータ1は、防振ゴム41の周囲に配置する硬質部材として筒状部材42を備えている。
このように、防振ゴム41の周囲に防振ゴム41よりも硬い硬質部材として筒状部材42を配置する。これにより、防振ゴム41をモールド樹脂30で一体成型したとしても、モールド樹脂30を成型するための液状樹脂30aの注入圧によって防振ゴム41が変形してしまうことを抑制できる。
特に、本実施の形態では、筒状部材42が防振ゴム41を囲むように防振ゴム41の外側に配置されている。
この構成により、図9Bに示されるように、防振ゴム41の外側から液状樹脂30aが注入される場合に、防振ゴム41の外側を囲む筒状部材42によって液状樹脂30aの注入圧を受け止めることができる。液状樹脂30aの注入圧が防振ゴム41にかかることを防止することができる。これにより、液状樹脂30aの注入圧によって防振ゴム41が変形することを効果的に抑制できる。
モールド樹脂30は、回転軸21の軸心Cが延伸する方向(軸心方向)と直交する方向である径方向において外方に向かって突出する突出部32を有している。防振ゴム41及び硬質部材である筒状部材42は、突出部32に配置されている。つまり、防振ゴム41及び筒状部材42は、一体成型によりモールド樹脂30の突出部32に固定されている。
この構成により、モールド樹脂30の突出部32を利用してモールドモータ1を設置対象物に設置することができる。つまり、突出部32に固定された防振ゴム41を介してモールドモータ1を設置対象物に取り付けることができる。したがって、モールドモータ1を設置対象物に容易に取り付けることができる。
具体的には、防振ゴム41には、設置対象物にモールドモータ1を取り付けるためのネジ等が挿通される挿通孔41aが設けられている。これにより、防振ゴム41に形成された挿通孔41aにネジ等を挿通してねじ止めにより設置対象物にモールドモータ1を簡単に取り付けることができる。
また、本実施の形態において、防振ゴム41は、エチレンプロピレンゴム又はニトリルゴムによって構成されている。
これにより、モールドモータ1の振動を防振ゴム41で効果的に吸収させることができる。したがって、モールドモータ1の振動が設置対象物に伝達することを効果的に抑制できる。例えば、モールドモータ1の振動変位は、20μm~30μmであるが、この程度の振動変位の振動を防振ゴム41で効果的に吸収することができる。
しかも、エチレンプロピレンゴム又はニトリルゴムの耐熱温度は、150℃以下である。具体的には、エチレンプロピレンゴムの耐熱温度(最高仕様温度)は、150℃である。ニトリルゴムの耐熱温度(最高仕様温度)は、130℃である。したがって、防振ゴム41がエチレンプロピレンゴム又はニトリルゴムによって構成されていることで、モールド樹脂30をモールド成型するときの液状樹脂30aの成型温度を150℃まで許容することができる。
例えば、不飽和ポリエステル樹脂を用いて樹脂成型するときの成型温度は150℃である。したがって、モールド樹脂30が不飽和ポリエステル樹脂によって構成されていることで、防振ゴム41の材質をエチレンプロピレンゴム又はニトリルゴムとすることができる。
以上、本実施の形態に係るモールドモータ1によれば、防振ゴム41及び筒状部材42が一体成型によりモールド樹脂30に固定されているので、防振ゴム41がモールド樹脂30から外れなくなっている。これにより、静音化のために防振ゴム41を用いてモールドモータ1を設置対象物に設置したとしても、設置対象物からモールドモータ1が脱落することを抑制できる。
例えば、モールドモータ1を備えるファンモータを防振ゴム41を介してエアコンの室外機の本体に設置したときに、台風等の強風又は地震が発生した場合であっても、ファンモータが室外機の本体から脱落することを抑制することができる。つまり、防振ゴム41による低騒音化及び設置対象物からの脱落防止の両立を図ることができるファンモータを実現することができる。
(変形例)
以上、本開示に係るモールドモータ1について、実施の形態に基づいて説明した。しかし、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態における取付部材40では、筒状部材42の内径と防振ゴム41の外径とがほぼ同じであった。しかし、これに限らない。図12Aは、変形例1に係る取付部材40Aの上面図である。図12Bは、図12AのXIIB-XIIB線における断面図である。例えば、図12A及び図12Bに示される取付部材40Aのように、筒状部材42Aと防振ゴム41とが接触する部分において、筒状部材42Aの内径が防振ゴム41の外径よりも小さくてもよい。つまり、筒状部材42Aの厚み方向の一部が防振ゴム41に埋め込まれていてもよい。
本変形例に係る取付部材40Aのように、筒状部材42Aの一部が防振ゴム41に埋め込まれていることで、筒状部材42Aが筒状部材42Aの軸方向(上下方向)にずれにくくなる。筒状部材42Aの一部が防振ゴム41に埋め込まれていることで、筒状部材42Aの一部が防振ゴム41に埋め込まれていない場合と比べて、筒状部材42Aと防振ゴム41との接触面積を大きくすることができる。これにより、取付部材40Aがモールド樹脂に固定されたモールドモータを、取付部材40Aに形成された挿通孔41aにネジ等を挿通して設置対象物にねじ止めする場合に、筒状部材42Aが空転することを抑制できる。
なお、筒状部材42Aの厚み方向の一部だけが防振ゴム41に埋め込まれているのではなく、筒状部材42Aの厚み方向の全部が防振ゴム41に埋め込まれていてもよい。つまり、筒状部材42Aの外面が露出していて、かつ、筒状部材42Aの外径と防振ゴム41の外径とが同じであってもよい。また、筒状部材42Aは、周方向の全周において防振ゴム41に埋め込まれている。しかし、これに限るものではない。周方向の一部が防振ゴム41に埋め込まれていてもよい。例えば、周方向に沿って複数の突起を筒状部材42Aの内面に設けて、その複数の突起のみが防振ゴム41に埋め込まれていてもよい。
また、上記実施の形態において、取付部材40は、1つの筒状部材を有していた。しかし、これに限らない。例えば、取付部材40は、複数の筒状部材を有していてもよい。具体的には、図13A及び図13Bに示される取付部材40Bのように、防振ゴム41よりも硬い硬質部材として、第1筒状部材42aと第2筒状部材42bとを有していてもよい。なお、図13Aは、変形例2に係る取付部材40Bの上面図である。図13Bは、図13AのXIIIB-XIIIB線における断面図である。
取付部材40Bにおいて、第1筒状部材42aは、防振ゴム41を囲むように防振ゴム41の外側に配置されている。第2筒状部材42bは、防振ゴム41の内側に配置されている。つまり、第1筒状部材42aは、外側チューブである。第2筒状部材42bは、内側チューブである。
具体的には、第1筒状部材42aは、上記実施の形態における取付部材40の筒状部材42と同じものである。第1筒状部材42aは、上記実施の形態における取付部材40と同様にして防振ゴム41に固定されている。したがって、第1筒状部材42aは、鉄製円筒チューブであり、第1筒状部材42aの内面と防振ゴム41の外面とが接するように配置されている。
第2筒状部材42bは、金属材料、セラミック材料又は硬質樹脂材料等によって構成されている。一例として、第2筒状部材42bは、第1筒状部材42aと同様に、鉄製円筒チューブである。なお、第2筒状部材42bと第1筒状部材42aとは、同じ形状(いずれも円筒状)である。しかし、互いに異なる形状であってもよい。第2筒状部材42bと第1筒状部材42aとは、同じ材質(いずれも鉄製)である。しかし、異なる材質であってもよい。
また、第2筒状部材42bは、第2筒状部材42bの厚み方向の全部が防振ゴム41に埋め込まれている。つまり、第2筒状部材42bの内径と防振ゴム41の内径とが同じであり、第2筒状部材42bの内面が露出していて第2筒状部材42bの内面と防振ゴム41の内面とが面一になっている。したがって、取付部材40Bでは、第2筒状部材42bの貫通孔が、モールドモータを設置対象物に取り付ける際の取付孔(ネジ挿通孔)となる。
このように、本変形例における取付部材40Bは、防振ゴム41が第1筒状部材42aと第2筒状部材42bとで挟まれた構成になっている。具体的には、取付部材40Bは、上記実施の形態における取付部材40に対して、第2筒状部材42bが追加された構成になっている。
この構成により、第1筒状部材42aによってモールド樹脂30のモールド成形時の液状樹脂30aの注入圧による防振ゴム41の変形を抑制できる。第2筒状部材42bの貫通孔が取付孔となるので取付部材40Bの取付孔の寸法精度を高くすることができる。したがって、取付部材40Bと設置対象物とをねじ止めしたときのガタつきを無くすことができるので、モールドモータを設置対象物に安定して固定することができる。これにより、モールドモータが設置対象物から脱落することを一層抑制できる。
なお、第2筒状部材42bは、厚み方向の全部が防振ゴム41に埋め込まれていなくてもよい。例えば、第2筒状部材42bの厚み方向の一部が防振ゴム41に埋め込まれていてもよい。あるいは、第2筒状部材42bの厚み方向の全部が埋め込まれていなくてもよい。また、第1筒状部材42aは、厚み方向の一部又は全部が防振ゴム41に埋め込まれていてもよい。このように、第1筒状部材42a及び第2筒状部材42bの少なくとも一方は、一部が防振ゴム41に埋め込まれていてもよい。
また、上記実施の形態における取付部材40では、筒状部材42は、表面に段差のない筒形状であったが、これに限らない。図14Aは、変形例3に係る取付部材40Cの上面図である。図14Bは、図14AのXIVB-XIVB線における断面図である。例えば、図14A及び図14Bに示される取付部材40Cのように、筒状部材42Cは、段付きの筒形状であってもよい。この場合、筒状部材42Cの一部を防振ゴム41に向かって突出させるように段付き部分を構成し、この段付き部分を防振ゴム41に埋め込むとよい。
本変形例に係る取付部材40Cのように、筒状部材42Cの段付き部分が防振ゴム41に埋め込まれていることで、筒状部材42Cが筒状部材42Cの軸方向(上下方向)にずれにくくなる。また、段付き部分が防振ゴム41に引っ掛かる構造となる。したがって、取付部材40Cに形成された挿通孔41aにネジ等を挿通してモールドモータを設置対象物にねじ止めする場合に筒状部材42Cが空転することを抑制することもできる。
また、図15Aは、変形例4に係る取付部材40Dの上面図である。図15Bは、図15AのXVB-XVB線における断面図である。図15A及び図15Bに示される取付部材40Dのように、段付きの筒状部材42Dの段付き部分を防振ゴム41に埋め込むことなく筒状部材42Dを防振ゴム41に固定してもよい。この構成により、モールド樹脂30のモールド成形時において、筒状部材42Dを金型100で確実に保持して、筒状部材42Dの位置決め精度を向上させることができる。
上記実施の形態における取付部材40では、防振ゴム41の周囲に配置する硬質部材は筒状部材42であった。しかし、これに限らない。つまり、防振ゴム41の周囲に配置する硬質部材の形状は、筒形状でなくてもよい。つまり、防振ゴム41の周囲に配置する硬質部材は、防振ゴム41よりも硬い材質のものであって、モールド成型により防振ゴム41をモールド樹脂30に固定する際に液状樹脂30aの注入圧が防振ゴム41にかかることを抑制できるものであればよい。
上記実施の形態において、筒状部材42は、円筒状又は角筒状であって、筒状部材42の上面視の外形形状が、円又は多角形であった。しかし、これに限らない。例えば、筒状部材42は、上面視の外径形状が星形等になっている筒形状であってもよい。
上記実施の形態において、ロータ20は、IPMロータであった。しかし、これに限らない。例えば、ロータ20として永久磁石型のロータを用いる場合は、ロータ20は、複数の永久磁石がロータコアの外表面に設けられた表面磁石型ロータ(SPMロータ)であってもよい。
上記実施の形態では、モールドモータ1をファンモータに用いる場合を例示したが、これに限らない。モールドモータ1は、ファンモータ以外の機器にも適用することができる。つまり、モールドモータ1の回転軸21に取り付けられる負荷は、回転ファンに限らない。
その他、上記実施の形態及び変形例に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、又は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示のモールドモータは、エアコン等の空調機器に用いられるファンモータ等をはじめとして様々な分野の機器に利用することができる。
1 モールドモータ
10 ステータ
11 ステータコア
12 コイル
13 インシュレータ
20 ロータ
21 回転軸
21a 第1部位
21b 第2部位
22 ロータコア
22a 磁石挿入孔
23 永久磁石
30 モールド樹脂
30a 液状樹脂
31 本体部
32 突出部
40、40A、40B、40C、40D 取付部材
41 防振ゴム(弾性体)
41a 挿通孔
42、42A、42C、42D 筒状部材
42a 第1筒状部材
42b 第2筒状部材
51 第1軸受
52 第2軸受
61 第1ブラケット
62 第2ブラケット
70 回路基板
100 金型
101 第1ブロック
101a 突起
102 第2ブロック

Claims (11)

  1. モールドモータであって、ステータと、回転軸を有し、前記ステータの磁力によって回転するロータと、前記ステータの少なくとも一部を覆うモールド樹脂と、前記モールドモータが設置される設置対象物に取り付けられる弾性体と、前記弾性体の周囲に少なくとも1つ以上配置され、前記弾性体よりも硬い硬質部材と、を備え、前記弾性体及び前記硬質部材は、一体成型により前記モールド樹脂に固定されている、モールドモータ。
  2. 前記モールド樹脂は、前記回転軸の軸心方向と直交する方向である径方向において外方に向かって突出する突出部を有し、前記弾性体及び前記硬質部材は、前記突出部に配置されている、請求項1に記載のモールドモータ。
  3. 前記モールドモータは、前記硬質部材として筒状部材を備え、前記筒状部材は、前記弾性体を囲むように前記弾性体の外側に配置されている、請求項1又は2に記載のモールドモータ。
  4. 前記筒状部材の一部は、前記弾性体に埋め込まれている、請求項3に記載のモールドモータ。
  5. 前記モールドモータは、前記硬質部材として第1筒状部材及び第2筒状部材を備え、前記第1筒状部材は、前記弾性体を囲むように前記弾性体の外側に配置されており、前記第2筒状部材は、前記弾性体の内側に配置されている、請求項1又は2に記載のモールドモータ。
  6. 前記第1筒状部材及び前記第2筒状部材の少なくとも一方は、一部が前記弾性体に埋め込まれている、請求項5に記載のモールドモータ。
  7. 前記硬質部材は、金属材料によって構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のモールドモータ。
  8. 前記モールド樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂によって構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のモールドモータ。
  9. 前記弾性体には、前記設置対象物に前記モールドモータを取り付けるための固定部材が挿通される挿通孔が設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載のモールドモータ。
  10. 前記弾性体は、前記設置対象物に前記モールドモータで生じる振動の伝達を抑制する防振ゴムである、請求項1~9のいずれか1項に記載のモールドモータ。
  11. 前記防振ゴムは、エチレンプロピレンゴム又はニトリルゴムによって構成されている、請求項10に記載のモールドモータ。
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