JPWO2021153446A5 - - Google Patents

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これに対し、ポリウレタン樹脂は、一般的に高強度を有することが知られており、歯科材料として用いることが検討されている。例えば、特許文献1には、歯科材料用途のポリウレタン系樹脂およびその製造方法が提案されている。当該製造方法は、合成歯又は歯冠、インレー若しくは硬化性歯科材料を用いた他の歯牙パーツを製造するための2段階プロセスを含むものである。ここで、第1段目は、(A)少なくとも1種の多官能イソシアネート化合物、(B)少なくとも1種のポリオール化合物、(C)少なくとも2つのヒドロキシル基を有するメタアクリレートモノマーの少なくとも1種、(D)熱または光によって前記メタアクリレートモノマーの重合を開始する触媒、並びに(E)前記(A)、(B)及び(C)からのポリウレタンの形成を促進し、前記(C)のラジカル重合を進行しない触媒を含んでなる組成物を室温で硬化させることによってゴム的弾性を有するブランクを製造し、当該ブランクの成形及び機械的仕上げを行うプロセスを含む。また、第2段目は、前記成形されたゴム的弾性を有するブランクを硬化させて前記した硬質な人工歯又は人歯パーツを得るプロセスを含む。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、強度、耐水性のみならず均一性にも優れた硬化体を製造することが容易なポリウレタン系複合材料の製造方法、ならびに、当該ポリウレタン系複合材料の製造方法を用いて製造され、さらに接着性にも優れたポリウレタン系複合材料および歯科切削加工用材料を提供することを課題とする。
以上に説明したように、本発明によれば強度、耐水性のみならず均一性にも優れた硬化体を製造することが容易なポリウレタン系複合材料の製造方法、ならびに、当該ポリウレタン系複合材料の製造方法を用いて製造され、さらに接着性にも優れたポリウレタン系複合材料および歯科切削加工用材料を提供することができる。
1.ポリウレタン系複合材料の製造方法
本実施形態のポリウレタン系複合材料の製造方法は、1つ以上のラジカル重合性基を有するジオール化合物(a1)と、ジイソシアネート化合物(a2)と、分子内に1つ以上のラジカル重合性基を有し、ジオール化合物(a1)およびジイソシアネート化合物(a2)の何れとも重付加反応を起こさない重合性単量体(B)と、を含む重付加反応性原料組成物中において、ジオール化合物(a1)とジイソシアネート化合物(a2)とを重付加反応させることにより、数平均分子量が1500~5000であり、かつ、ラジカル重合性基を有するポリウレタン成分(A)を形成する重付加反応工程と、ポリウレタン成分(A)と、重合性単量体(B)と、ラジカル重合開始剤(C)と、充填材(D)と、を含むラジカル重合性原料組成物を調製するラジカル重合性原料組成物調製工程と、重付加反応工程およびラジカル重合性原料組成物調製工程を完了した後に、ラジカル重合性原料組成物を用いてラジカル重合を行うことによりポリウレタン系複合材料を形成するラジカル重合工程とを含み、下式(1)に示す重合性単量体配合比率Rrが20質量%~80質量%であることを特徴とする。
・式(1) Rr=100×Br/〔a1r+a2r+Ar+Br〕
〔式(1)中、a1rは、ラジカル重合性原料組成物中に残存している未反応のジオール化合物(a1)の含有量(質量部)を表し、a2rは、ラジカル重合性原料組成物中に残存している未反応のジイソシアネート化合物(a2)の含有量(質量部)を表し、Arは、ラジカル重合性原料組成物に含まれるポリウレタン成分(A)の含有量(質量部)を表し、Brは、ラジカル重合性原料組成物に含まれる重合性単量体(B)の含有量(質量部)を表す。〕
なお、ラジカル重合性ポリウレタン成分(A)の数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィ)測定で決定されるポリスチレン換算の数平均分子量を意味する。ラジカル重合性原料組成物中のラジカル重合性ポリウレタン成分(A)の数平均分子量は、ラジカル重合性原料組成物に必要に応じてTHF(テトラヒドロフラン)等の溶媒を加え、充填材(D)などの不溶成分を濾過、遠心分離などの操作で除去し、得られた溶液(すなわち、マトリックス原料組成物、あるいは、マトリックス原料組成物と必要に応じて加えた溶媒との混合物からなる溶液)についてGPC測定を行うことにより、求めることができる。測定は、Advanced Polymer Chromatography(日本ウォーターズ社製)を用いて、下記測定条件にて行うことができる。
[測定条件]
・カラム:ACQUITY APC TM XT 45 1.7μm
ACQUITY APC TM XT 125 2.5μm
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:THF
・流量:0.5 ml/分
・検出器:フォトダイオードアレイ検出器 254nm(PDA検出器)
非重付加性ラジカル重合性単量体(B)としては、ラジカル重合性ポリウレタン成分(A)の数平均分子量を1500~5000の範囲内に調整し易いという理由から、下記構造式(1)で表される重合性単量体を含むことが好ましい。
2-5.ラジカル重合開始剤(C)
ラジカル重合開始剤(C)は、ラジカル重合工程におけるラジカル重合反応を開始する機能を有し、ラジカル重合性基同士を反応させて結合させることにより、ラジカル重合性原料組成物を重合硬化させると共に架橋点を形成させる機能を有する。ラジカル重合開始剤(C)としては、熱ラジカル重合開始剤および/または光ラジカル重合開始剤が使用できるが、ラジカル重合性原料組成物の内部まで均一に硬化させることができる点から、熱ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。熱重合開始剤としては、取り扱い易さや安定性の観点から、10時間半減期温度が40℃~150℃の範囲である熱重合開始剤が好ましく、10時間半減期温度が70℃~100℃の範囲である熱重合開始剤が特に好適である。ここで、10時間半減期温度とは、熱重合開始剤の存在量が、初期から10時間経過後に初期の半分に減ずる温度のことであり、熱重合開始剤の反応性を表す指標として用いられる。好適に使用できる熱ラジカル重合開始剤を具体的に例示すると、ベンゾイルパーオキサイドやtert-ブチルパーオキシラウレートなどのような過酸化物開始剤、アゾビスブチロニトリルやアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)などのようなアゾ系の開始剤などを挙げることができる。これら熱重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を混合して使用してもよい。
2-6.充填材(D)
充填材(D)は、ポリウレタン系樹脂マトリックス中に分散して、ポリウレタン系樹脂マトリックスと複合化することにより、ポリウレタン系複合材料の機械的強度、耐摩耗性および耐水性等の物性を向上させる機能を有する。
(2)重付加反応
重付加反応性原料組成物を調製した後は、重付加反応性原料組成物に含まれるラジカル重合性ジオール化合物(a1)と、ジイソシアネート化合物(a2)とを重付加反応させることでラジカル重合性ポリウレタン成分(A)を形成する。重付加反応は、重付加反応性原料組成物が調製されると同時に、あるいは、重付加反応性原料組成物を必要に応じて加熱することにより開始される。重付加反応は、重付加反応性原料組成物に含まれるラジカル重合性ジオール化合物(a1)およびジイソシアネート化合物(a2)の少なくとも一方が重付加反応により実質的に消費し尽くされるまで重付加反応を進行させるように、言い換えれば、重付加反応の進行度が最大値(飽和値)近傍となるまで、実施する。それゆえ、重付加反応性原料組成物を加熱する場合は、上述した点を踏まえて加熱温度および加熱時間を適宜選択することができる。この場合、加熱温度は30℃~100℃が好ましく、35℃~80℃がより好ましい。また、重付加反応の進行度が実質的に最大値(飽和値)近傍に到達できるという観点から、加熱時間は、(1)加熱温度が30℃以上35℃未満であれば約90時間以上が好ましく、約100時間以上がより好ましく、(2)加熱温度が35℃以上50℃未満であれば約65時間以上が好ましく、約72時間以上がより好ましく、約80時間以上がさらに好ましく、(3)加熱温度が50℃以上75℃未満であれば約45時間以上が好ましく、約55時間以上がより好ましく、約65時間以上がさらに好ましく、(4)加熱温度が75℃以上100℃以下であれば約24時間以上が好ましく、約35時間以上がより好ましく、約45時間以上がさらに好ましい。なお、上記(1)~(4)に示すケースにおいて、加熱時間の上限値は特に限定されるものではないが、生産性などの実用上の観点からは168時間以下が好ましい。
3-3.ラジカル重合工程(硬化工程)
ラジカル重合工程(硬化工程)は、重付加反応工程およびラジカル重合性原料組成物調製工程を完了した後に実施される。ラジカル重合工程では、ラジカル重合性原料組成物に含まれるラジカル重合開始剤(C)を活性化してラジカル重合を行うことにより、ラジカル重合性原料組成物を硬化させる。これにより、ポリウレタン系複合材料からなる硬化体を得る。ラジカル重合開始剤(C)として熱ラジカル重合開始剤を用いた場合にはラジカル重合性原料組成物を加熱することによりラジカル重合が進行し、ラジカル重合開始剤(C)として光ラジカル重合開始剤を用いた場合にはこれを活性化する光をラジカル重合性原料組成物に照射することによりラジカル重合が進行する。
5.ポリウレタン系複合材料および歯科切削加工用材料
本実施形態のポリウレタン系複合材料の製造方法により製造されたポリウレタン系複合材料としては、本実施形態のポリウレタン系複合材料の製造方法においてさらに下記(a)~(c)に示す製造条件もさらに満たすことで製造されたものが好適である。この場合、下記(a)に示す製造条件に対応する充填材(D)の含有量と、下記(d)に示すラジカル重合性基残存率とを有する硬化体(第一の本実施形態のポリウレタン系複合材料)を得ることができる。なお、下記(d)に示すラジカル重合性基残存率は、10%~20%がより好適である。
(a)ラジカル重合性原料組成物中における充填材(D)の含有割合が60質量%~85質量%である。
(b)ラジカル重合開始剤(C)として熱ラジカル重合開始剤を使用する。
(c)ラジカル重合工程が前記熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度の-10℃~+25℃の温度に加熱した状態で実施される。
(d)ラジカル重合工程において形成されたラジカル重合性ポリウレタン成分(A)と非重付加ラジカル重合性単量体(B)との共重合体には、ラジカル重合性原料組成物に含まれるラジカル重合性ジオール化合物(a1)および非重付加ラジカル重合性単量体(B)が有するラジカル重合性基の総量の10%~25%が残存している(すなわち、ラジカル重合性基残存率が10%~25%である)。
また、第二の本実施形態のポリウレタン系複合材料は、ポリウレタン系樹脂マトリックスと、ポリウレタン系樹脂マトリックス中に分散含有される充填材とを含む複合材料からなり、ポリウレタン系樹脂マトリックスは、数平均分子量が1500~5000であるラジカル重合性基を有するポリウレタンと、ヒドロキシル基およびイソシアネート基と重加反応を起こさないラジカル重合性単量体との共重合体からなり、ポリウレタン系樹脂マトリックス1g当たりに含まれるラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有量が0.5mmol/g~1.0mmol/gであり、複合材料に占める充填材の含有量が、60質量%~85質量%である。なお、「ヒドロキシル基およびイソシアネート基と重付加反応を起こさないラジカル重合性単量体」は、上述した非重付加性ラジカル重合性単量体(B)と同様の分子構造を持つ化合物を意味する。
第二の本実施形態のポリウレタン系複合材料における二重結合量(mmol/g)は、二重結合量の調査対象となる測定サンプルをFT-IR測定することにより得たピーク面積(ν6170)の値を、予め作成しておいた検量線を利用して二重結合量に換算することで決定される値を意味する。但し、二重結合量の調査対象となる測定サンプルが、本実施形態のポリウレタン系複合材料の製造方法により製造され、かつ、その製造条件が既知である場合については、例外的に、第二の本実施形態のポリウレタン系複合材料における二重結合量(mmol/g)は、後述する下式(4)に基づき計算した理論二重結合量を、測定サンプルにおける二重結合量として求めることもできる。
・式(4) 理論二重結合量=初期二重結合量×ラジカル重合性基残存率/100
〔式(4)中、初期二重結合量は、下式(5)に基づいて決定される検量線作成用サンプル製造時のラジカル重合開始前の原料組成物(ラジカル重合性原料組成物の調製に用いた重付加反応性原料組成物)における未反応のラジカル重合性基の総量(mmol/g)を意味し、ラジカル重合性基残存率は、式(3)に基づいて決定されるラジカル重合性基残存(%)を意味する。〕
1.原材料
各実施例および比較例において用いた各成分とその略称を以下に示す。
(1)ラジカル重合性ジオール化合物(a1)
GLM:グリセロールモノメタクリレート(OH間距離:2)
bis-GMA:ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(OH間距離:19)
(2)非ラジカル重合性ポリオール化合物
PG:プロピレングリコール
GTP:グリセロールトリプロポキシレート(平均分子量=266)
(3)ジイソシアネート化合物(a2)
XDI:m-キシリレンジイソシアナート
(4)非重付加性ラジカル重合性単量体(B)
1G:エチレングリコールジメタクリレート
2G:ジエチレングリコールジメタクリレート
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
9G:ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート
A-TMPT-3EO:EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
A-DOG:ジオキサングリコールアクリレート
UDMA:1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)-2,24-トリメチルヘキサン
(5)ラジカル重合開始剤(C)
PBL:t-ブチルパーオキシラウレート(10時間半減期温度98℃)
V-65:2,2‘-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(10時間半減期温度51℃)
BPO:ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度74℃)
(6)充填材(D)
F1:シリカ-ジルコニア(平均粒径:0.4μm、メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル表面処理物)
F2:シリカ-チタニア(平均粒径:0.08μm、メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル表面処理物)
(3)ラジカル重合性原料組成物の評価
(3-1)ポリウレタン成分(A)の数平均分子量測定(GPC測定)
得られたラジカル重合性原料組成物1gをスクリュー管瓶に秤取り、THFを3.5ml加え撹拌して得られたTHF溶液を遠心分離機(アズワン株式会社製)にて、10000rpmで10分間遠心分離を行った。次に遠心分離により得られた上澄み液をメンブレンフィルター(PORE SIZE 20μm,アドバンテック東洋株式会社製)で濾過することにより濾液を得た。そしてこの濾液について、下記に示すGPC測定条件にてGPC測定を行うことにより、重付加反応により得られたラジカル重合性ポリウレタン成分(A)のポリスチレン換算の数平均分子量を求めた。その結果、数平均分子量は3500であった。
[GPC測定条件]
測定装置:Advanced Polymer Chromatography(日本ウォーターズ社製)
・カラム:ACQUITY APC TM XT 45 1.7μm
ACQUITY APC TM XT 125 2.5μm
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:THF(流量:0.5 ml/分)
・検出器:フォトダイオードアレイ検出器 254nm(PDA検出器)
(実施例A2~A13)
実施例A1において、使用する原料、a2/a1モル比、重合性単量体配合比率Rr及び充填率を表1に示すように変更した以外は実施例A1と同様にしてラジカル重合性原料組成物を調製した。得られたラジカル重合性原料組成物については、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を表2に示す。
また、実施例A1と同様にして、得られたラジカル重合性原料組成物を型枠に注入した後にラジカル重合工程を実施することでポリウレタン系複合材料を製造した。得られたポリウレタン系複合材料について実施例1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例A2~A5)<非重付加性ラジカル重合性単量体(B)を含まない、あるいは、重合性単量体配合比率Rrが20~80質量%の範囲外の例>
使用する原料、a2/a1モル比、重合性単量体配合比率Rr及び充填率を表1に示すように変更した以外は実施例A1と同様にしてラジカル重合性原料組成物を調製した。得られたラジカル重合性原料組成物については、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を表2に示す。
また、実施例A1と同様にして、得られたラジカル重合性原料組成物を型枠に注入した後にラジカル重合工程を実施することでポリウレタン系複合材料を製造した。得られたポリウレタン系複合材料について実施例1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例B1)
実施例A2と同様にして各工程を実施して硬化体(ポリウレタン系複合材料)を作製した。なお、得られた硬化体および硬化体の製造に用いたラジカル重合性原料組成物についてはFT-IR測定を行うことにより、式(3)に示すラジカル重合性基残存率(%)を求めた。また、硬化体の製造に用いたラジカル重合性原料組成物について式(5)に基づき初期二重結合量を計算した上で、式(4)に基づき、硬化体の二重結合量(mmol/g)を求めた。さらに、硬化体については初期接着強さ、耐久接着強さ、曲げ強さ、水中曲げ強さおよび均一性を評価した。結果を表3-4に示す。
[硬化体およびラジカル重合性原料組成物のFT-IR測定]
得られた硬化体および硬化体の製造に用いたラジカル重合性原料組成物のFT-IR測定は、フーリエ変換赤外分光光度計(Spectrum One、Perkin Elmer社製)を用いた透過法により行った。ラジカル重合性原料組成物のFT-IR測定は、ラジカル重合性原料組成物を円板モールド(直径15mm×厚さ1mm)に充填したものを測定サンプルとして用いて実施し、硬化体のFT-IR測定は、円板モールドに充填されたラジカル重合性原料組成物を当該硬化体を作製する場合と同様のラジカル重合条件にて硬化させたものを測定サンプルとして用いて実施した。そして、各々の測定サンプルにつき、式(3)に示すラジカル重合性基残存率(%)の計算に必要な2つのピーク面積、すなわち、ウレタン結合のカルボニル基に由来する吸収ピークのピーク面積(ν4920)と、ラジカル重合性基の炭素-炭素二重結合に由来する吸収ピークのピーク面積(ν6170)とを測定した。
(実施例B2)
実施例A8と同様にして各工程を実施して硬化体(ポリウレタン系複合材料)を作製した。そして実施例B1と同様にして、ラジカル重合性基残存率(%)および二重結合量(mmol/g)を求めると共に、初期接着強さおよび耐久接着強さを評価した。結果を表3-4に示す。
(実施例B3)
実施例A10と同様にして各工程を実施して硬化体(ポリウレタン系複合材料)を作製した。そして実施例B1と同様にして、ラジカル重合性基残存率(%)および二重結合量(mmol/g)を求めると共に、初期接着強さおよび耐久接着強さを評価した。結果を表3-4に示す。
表3-4に示されるように、実施例B1~B3では、二重結合量が多いことに起因して初期接着強さ及び耐久接着強さが共に高く、初期接着強さに対する耐久接着強さの比率である接着耐久性も77.6~81.8%と高いことが確認された。一方で、二重結合量の少ない比較例B1では、初期接着強さ(14.5MPaが低いことが確認された。

Claims (10)

  1. 1つ以上のラジカル重合性基を有するジオール化合物(a1)と、ジイソシアネート化合物(a2)と、分子内に1つ以上のラジカル重合性基を有し、前記ジオール化合物(a1)および前記ジイソシアネート化合物(a2)の何れとも重付加反応を起こさない重合性単量体(B)と、を含む重付加反応性原料組成物中において、前記ジオール化合物(a1)と前記ジイソシアネート化合物(a2)とを重付加反応させることにより、数平均分子量が1500~5000であり、かつ、ラジカル重合性基を有するポリウレタン成分(A)を形成する重付加反応工程と、
    前記ポリウレタン成分(A)と、前記重合性単量体(B)と、ラジカル重合開始剤(C)と、充填材(D)と、を含むラジカル重合性原料組成物を調製するラジカル重合性原料組成物調製工程と、
    前記重付加反応工程および前記ラジカル重合性原料組成物調製工程を完了した後に、前記ラジカル重合性原料組成物を用いてラジカル重合を行うことによりポリウレタン系複合材料を形成するラジカル重合工程とを含み、
    下式(1)に示す重合性単量体配合比率Rrが20質量%~80質量%であることを特徴とするポリウレタン系複合材料の製造方法。
    ・式(1) Rr=100×Br/〔a1r+a2r+Ar+Br〕
    〔前記式(1)中、a1rは、前記ラジカル重合性原料組成物中に残存している未反応の前記ジオール化合物(a1)の含有量(質量部)を表し、a2rは、前記ラジカル重合性原料組成物中に残存している未反応の前記ジイソシアネート化合物(a2)の含有量(質量部)を表し、Arは、前記ラジカル重合性原料組成物に含まれる前記ポリウレタン成分(A)の含有量(質量部)を表し、Brは、前記ラジカル重合性原料組成物に含まれる前記重合性単量体(B)の含有量(質量部)を表す。〕
  2. 前記ラジカル重合性原料組成物中における前記充填材(D)の含有割合が60質量%~85質量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン系複合材料の製造方法。
  3. 前記重合性単量体(B)が、下記構造式(1)に示す重合性単量体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン系複合材料の製造方法。
    Figure 2021153446000001
    〔前記構造式(1)中、R11及びR12は水素原子又はメチル基であり、nは1~10の整数である。〕
  4. 前記ジオール化合物(a1)が、ジオール化合物に含まれる2つのヒドロキシル基間に介在する2価の有機残基における主鎖を構成する原子の数が2~8であるジオール化合物であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載のポリウレタン系複合材料の製造方法。
  5. 前記ラジカル重合開始剤(C)として熱ラジカル重合開始剤を使用し、前記ラジカル重合工程が前記熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度の-10℃~+25℃の温度に加熱した状態で実施されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載のポリウレタン系複合材料の製造方法。
  6. 前記重付加反応性原料組成物が、
    前記ジオール化合物(a1)、前記重合性単量体(B)、および、前記充填材(D)を含む1次原料組成物を調製した後に、
    前記1次原料組成物に前記ジイソシアネート化合物(a2)をさらに添加することにより調製されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載のポリウレタン系複合材料の製造方法。
  7. 前記ラジカル重合性原料組成物がペースト状の組成物であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載のポリウレタン系複合材料の製造方法。
  8. 前記ラジカル重合性原料組成物を型枠に注入した後に前記ラジカル重合工程を実施することを特徴とする請求項7に記載のポリウレタン系複合材料の製造方法。
  9. ポリウレタン系樹脂マトリックスと、
    前記ポリウレタン系樹脂マトリックス中に分散含有される充填材とを含む複合材料からなり、
    前記ポリウレタン系樹脂マトリックスは、数平均分子量が1500~5000であるラジカル重合性基を有するポリウレタンと、ヒドロキシル基およびイソシアネート基と重付加反応を起こさないラジカル重合性単量体との共重合体からなり、
    前記ポリウレタン系樹脂マトリックス1g当たりに含まれるラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有量が0.5mmol/g~1.0mmol/gであり、
    前記複合材料に占める前記充填材の含有量は、60質量%~85質量%である、
    ことを特徴とするポリウレタン系複合材料。
  10. ポリウレタン系樹脂マトリックスと、
    前記ポリウレタン系樹脂マトリックス中に分散含有される充填材とを含む複合材料からなり、
    前記ポリウレタン系樹脂マトリックスは、数平均分子量が1500~5000であるラジカル重合性基を有するポリウレタンと、ヒドロキシル基およびイソシアネート基と重付加反応を起こさないラジカル重合性単量体との共重合体からなり、
    前記ポリウレタン系樹脂マトリックス1g当たりに含まれるラジカル重合性炭素-炭素二重結合の含有量が0.5mmol/g~1.0mmol/gであり、
    前記複合材料に占める前記充填材の含有量は、60質量%~85質量%であるポリウレタン系複合材料からなる、
    ことを特徴とする歯科切削加工用材料。
JP2021573990A 2020-01-28 2021-01-22 ポリウレタン系複合材料の製造方法、ポリウレタン系複合材料および歯科切削加工用材料。 Active JP7371958B2 (ja)

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