JP6545036B2 - 歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法 - Google Patents

歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6545036B2
JP6545036B2 JP2015162809A JP2015162809A JP6545036B2 JP 6545036 B2 JP6545036 B2 JP 6545036B2 JP 2015162809 A JP2015162809 A JP 2015162809A JP 2015162809 A JP2015162809 A JP 2015162809A JP 6545036 B2 JP6545036 B2 JP 6545036B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
polymerizable monomer
acrylate
mass
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015162809A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017039665A (ja
Inventor
鈴木 拓也
拓也 鈴木
拓馬 松尾
拓馬 松尾
達矢 山崎
達矢 山崎
潤一郎 山川
潤一郎 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKUYMA DENTAL CORPORATION
Original Assignee
TOKUYMA DENTAL CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKUYMA DENTAL CORPORATION filed Critical TOKUYMA DENTAL CORPORATION
Priority to JP2015162809A priority Critical patent/JP6545036B2/ja
Publication of JP2017039665A publication Critical patent/JP2017039665A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6545036B2 publication Critical patent/JP6545036B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Dental Preparations (AREA)
  • Dental Prosthetics (AREA)

Description

本発明は、切削加工によって歯科用補綴物を作製するための歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法に関する。
歯科治療において、インレー、アンレー、クラウン、ブリッジ、インプラント上部構造などの歯科用補綴物を作製する一手法として、歯科用CAD/CAMシステムを用いて切削加工する方法がある。歯科用CAD/CAMシステムとは、コンピュータを利用し三次元座標データに基づいて歯科用補綴物の設計を行い、切削加工機などを用いて歯冠修復物を作成するシステムである。切削加工用材料としては、ガラスセラミックス、ジルコニア、チタン、レジンなど様々な材料が用いられる。歯科切削加工用レジン系材料としては、シリカ等の無機充填材、メタクリレート樹脂などの重合性単量体、重合開始剤等を含有する硬化性組成物を硬化させることで得られる、ブロック形状、ディスク形状などの硬化物が提供されている。歯科切削加工用レジン系材料は、その作業性の高さ、審美性、強度の観点から関心が高まっており、種々の材料や製造方法が提案されている。
例えば特許文献1には、平均粒径0.01〜0.04μmの無機質充填剤20〜70重量%と少なくとも1個の不飽和二重結合を持つメタクリレート又はアクリレートのモノマーと加熱重合開始剤との組み合わせから成る混合物を、圧力50〜300MPa、温度100〜200℃の条件で加圧・加熱して重合・硬化させることで、歯科用レジン材料を製造する方法が開示されている。
例えば特許文献2には、実質的に亀裂がなく熱衝撃試験に合格するように製造される、ポリマー樹脂と充填材を含む、歯科補綴を作成するためのミルブランクが開示されている。ここでは、材料の内部応力を最小するために、硬化プロセス中に複合体材料に圧力をかけること、収縮しないようなミルブランク成分を選ぶことが記載されている。また、好ましい硬化方法として、複合体を高速で硬化するために光を用いること、応力緩和のために続けて熱処理を行う事、熱処理はブランクの温度をブランクの樹脂成分のガラス転移温度以上に挙げるのが好ましいことが記載されている。
例えば特許文献3には、ラジカル重合性単量体、重合開始剤、及び無機充填材を含有する成形用組成物を調製するステップ、前記成形用組成物を、内部に容積40cm以上700cm以下のキャビティが形成されている成形型における前記キャビティに充填するステップ、及び前記空間内に充填されている前記成形用組成物を誘電加熱するステップを含む歯科切削加工用レジン材料の製造方法について開示されている。この製造方法によれば、大型の歯科切削加工用レジン材料を効率よく製造する事が出来、クラック等の破損が生じにくくなると記載されている。
このような歯科切削加工用レジン系材料をメタクリレート系のモノマー等の重合性単量体から製造する際に、硬化時に発生する収縮によって成形品にクラック等の不良が発生する場合があった。特に体積の大きい歯科切削加工用レジン系材料を製造する際はそのリスクが大きく、製造工程上の問題があった。この問題を解決する方法としては、特許文献1や特許文献2に記載の高圧下で重合を行う方法に効果があると考えられるが、このような高圧下での重合を採用した場合、製造設備が大型化するため生産性が低下すると言った問題がある。また、特許文献2に記載されているように、光による重合の後に熱処理を行う方法の場合、重合のための光が歯科切削加工用レジン系材料の内部まで到達しない事により均質な硬化体が得られにくい事や、工程数が増える事による生産性の低下が問題として挙げられる。硬化体の不均質性の問題は、特に歯科切削加工用レジン系材料の体積が大きい場合や材料の光学特性が不透明な場合に起こりやすい。また、特許文献3に記載されているような誘電加熱法を用いる場合は、特殊な製造設備を必要とした。
特開1998−323353号 特表2003−529386号 特開2013−202180号
本発明の課題は、製造時のクラック等の不良を抑制し、歯科切削加工用レジン系材料として必要な強度を有するミルブランク(硬化体)を効率よく製造する事が可能な歯科切削加工用ミルブランクの製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するため、種々の熱重合開始剤とそれらを用いた場合の重合条件について検討を行った。その結果、特定の熱重合開始剤と重合条件において本発明の効果が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、重合性単量体であって、当該重合性単量体100質量部中の50質量部以上が分子内に二つ以上の重合性官能基を有する重合性単量体である重合性単量体(A):100質量部;
ジルコニア、チタニアまたは酸化バリウムと、シリカと、を主な構成成分とする球状複合酸化物無機充填材(B):100〜500質量部;および10時間半減期温度が70〜90℃である熱重合開始剤(C):0.2〜0.8質量部;を含有した硬化性組成物を調製する工程、前記工程で得られた硬化性組成物を脱泡処理する工程、並びに容積が10〜200cm である成形型内に、前記工程で脱泡処理された前記硬化性組成物を充填した後に、前記熱重合開始剤(C)の10時間半減期温度の−10℃〜+20℃の温度で12時間〜24時間加熱することにより重合硬化させる工程、を含んでなることを特徴とする歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法である。
本発明の製造方法によって、製造時のクラック等の不良を抑制した歯科切削加工用レジン系材料を効率よく製造する事が可能となる。
本発明は、重合性単量体、および熱重合開始剤を含有した硬化性組成物を加熱重合する事によって得られる歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法であって、該硬化性組成物を該熱重合開始剤の10時間半減期温度の−10℃〜+20℃の温度で10時間以上加熱することによって重合硬化する事を特徴とする歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法である。
本発明における歯科切削加工用レジン系ミルブランクとは、コンピュータ上に取得された三次元座標データに基づいて切削加工機によって歯科補綴物を作製する際に使用される、硬化されたレジン系の成形体の事を言う。大きさや形状には制限はなく、目的に応じた大きさや形状のものを選択すればよい。大きさとしては、通常一辺の長さが5mm〜150mmの範囲から選択される。形状としては直方体、円柱形、ディスク状などから用途や切削装置に応じて選択される。体積としては、通常1.8〜200cmの範囲から選択される。本発明の効果は、特に大きい体積の硬化された成形体で顕著であり、成形体の体積が10cm〜200cmである事が好ましく、25〜200cmであることがより好ましい。
(重合性単量体)
本発明の硬化性組成物の一成分である重合性単量体は、特に制限なく公知の重合性単量体を用いる事ができるが、本発明の熱重合開始剤が容易の溶解する事が好ましく、重合性単量体の融点が熱重合開始剤の10時間半減期温度より少なくとも20℃低い事が好ましい。また、加熱重合による硬化の際に重合性単量体の揮発を起こさないため、重合性単量体の沸点が熱重合開始剤の10時間半減期温度の少なくとも20℃以上高い事が好ましい。上記重合性単量体としては、特に限定されず、ラジカル重合性単量体やエポキシ化合物、オキセタン化合物などのカチオン重合性単量体などが挙げられる。ラジカル重合性単量体としては、重合性の良さなどから、(メタ)アクリレート系の単量体が好適に用いられる。当該(メタ)アクリレート系の重合性単量体を具体的に例示すると、次に示すものが挙げられる。
(A1)単官能ラジカル重合性単量体
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシートリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートなど、酸性基を有する単官能重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、N−(メタ)アクリロイルグリシン、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレート、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、O−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、p−ビニル安息香酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノサリチル酸などおよびこれらの化合物のカルボキシル基を酸無水物基化した化合物、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデカン−1,1−ジカルボン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシデカン−1,1−ジカルボン酸、12−(メタ)アクリロイルオキシドデカン−1,1−ジカルボン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサン−1,1−ジカルボン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−メタクリロイルオキシ−2’−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート、4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)トリメリテートアンハイドライド、4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)トリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸無水物、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−2,3,6−トリカルボン酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボニルプロピオノイル−1,8−ナフタル酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,8−トリカルボン酸無水物、9−(メタ)アクリロイルオキシノナン−1,1−ジカルボン酸、13−(メタ)アクリロイルオキシトリデカン−1,1−ジカルボン酸、11−(メタ)アクリルアミドウンデカン−1,1−ジカルボン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンフォスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ブロモエチルハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリルアミドエチルジハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、10−スルホデシル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロキシプロピル−3−ホスホノプロピオネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルホスホノアセテート、4−(メタ)アクリロキシブチル−3−ホスホノプロピオネート、4−(メタ)アクリロキシブチルホスホノアセテート、5−(メタ)アクリロキシペンチル−3−ホスホノプロピオネート、5−(メタ)アクリロキシペンチルホスホノアセテート、6−(メタ)アクリロキシヘキシル−3−ホスホノプロピオネート、6−(メタ)アクリロキシヘキシルホスホノアセテート、10−(メタ)アクリロキシデシル−3−ホスホノプロピオネート、10−(メタ)アクリロキシデシルホスホノアセテート、2−(メタ)アクリロキシエチル−フェニルホスホネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルホスホン酸、N−(メタ)アクリロイル−ω−アミノプロピルホスホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネートなど、水酸基を有する単官能重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。
(A2)二官能ラジカル重合性単量体
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシジトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート、あるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクトなど、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト、たとえば、1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2−4−トリメチルヘキサン;酸性基を含むものとして、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、ジ(2−メタクリロイルオキシプロピル)フォスフェート、ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェンホスフェートなどを挙げることができる。
(A3)三官能ラジカル重合性単量体
トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート)などを挙げることができる。
(A4)四官能ラジカル重合性単量体
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジトリメチロールプロパーンテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレート化合物、ヘキサメチルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサンのようなジイソシナネートの間に脂肪族を有するジイソシアネート化合物などを好適に用いることができる。なお、上記のラジカル重合性単量体は、すべて単独で、もしくは組み合わせて使用することができる。
また、歯科切削加工用レジン系ミルブランクの強度をより大きくできる点から、重合性単量体100質量部中の50質量部以上が(A2)、(A3)、(A4)に例示した二つ以上の重合性官能基を有する重合性単量体であることが好ましく、80質量部以上であるとより好ましい。
また、重合時のクラック等の不良をより抑制できる点から、重合性単量体の分子量は200以上であることが好ましい。
(熱重合開始剤)
本発明の歯科切削加工用レジン系材料を重合硬化するためには、熱重合開始剤を使用する。熱重合開始剤は、熱エネルギーによって重合開始種を発生する化合物の事であり、通常、温度が高いほど重合開始種の生成速度が増加することから、熱重合開始剤の反応性の高さを表す指標として、10時間半減期温度が用いられる。10時間半減期温度とは、熱重合開始剤の濃度が10時間で初期の半分に減ずるような温度の事である。本発明に用いる熱重合開始剤の10時間半減期温度に特に制限はないが、60〜100℃が好ましく、60〜95℃がより好ましく、70℃〜90℃がさらに好ましい。10時間半減期温度が60℃以下の場合、安定性が低いため取り扱いが容易ではなく、重合硬化の制御が難しくなる傾向にある。一方、10時間半減期温度が100℃以上の場合、本発明の歯科切削加工用レジン系材料ミルブランクの製造時に高温にさらされることにより変色が起こりやすくなる。
熱重合開始剤としては、対応する重合性単量体の重合機構に合致するものを、任意に使用する事が可能である。メタクリレート系などのラジカル重合性単量体の熱重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、トリブチルボラン、トリブチルボラン部分酸化物、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、テトラキス(p−フロルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム、テトラフェニルホウ酸トリエタノールアミン塩等のホウ素化合物、5−ブチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸等のバルビツール酸類、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム等のスルフィン酸塩類等が挙げられる。重合性が高いことから、過酸化物を用いる事が好ましい。好ましい10時間半減期温度をもつ熱重合開始剤を具体的に例示すると、ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度74℃)、ジラウロイルパーオキサイド(10時間半減期温度62℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度65℃)、ジサクシニック酸パーオキサイド10時間半減期温度66℃)、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度70℃)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度72℃)、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン(10時間半減期温度83℃)、1,1−(ジtert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(10時間半減期温度87℃)、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10時間半減期温度87℃)、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(10時間半減期温度91℃)、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(10時間半減期温度95℃)、tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート(10時間半減期温度97℃)、tert−ブチルパーオキシラウレート(10時間半減期温度98℃)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート(10時間半減期温度99℃)、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度99℃)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(10時間半減期温度99℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度100℃)、アゾビスイソブチロニトリル(10時間半減期温度65℃)が挙げられる。
本発明の製造方法においては、熱重合開始剤の10時間半減期温度の設定が重要であり、詳細については後述する。
これら熱重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を混合して使用してもよい。熱重合開始剤の配合量は、重合性単量体100質量部に対して0.1〜2質量部であることが好ましく、0.2〜0.8質量部であることがより好ましい。熱重合開始剤の量が少ない場合、本発明の効果が得られにくい場合がある。また、熱重合開始剤が多すぎる場合、急激な重合硬化の進行によってクラックが発生しやすくなる虞がある。
(任意成分)
本発明の硬化性組成物としては、重合性単量体と熱重合開始剤のほかに、任意の成分を含有する事が出来る。例えば、充填材、蛍光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、抗菌材、X線造影剤などが挙げられる。
(充填材)
充填材は、本発明の歯科切削加工用レジン系材料ミルブランクの機械的強度の向上、耐摩耗性の向上、熱膨張係数の低減、吸水性、溶解性の低減などの観点から配合される事が好ましい。
該充填材としては、公知の充填材が制限なく使用でき、無機粒子および有機粒子、有機無機複合粒子のいずれを用いてもよいが、前述した充填材を配合する目的の観点からは無機充填材を用いるのが好ましい。
こうした無機充填材としては、具体的には、非晶質シリカ、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア酸化バリウム、シリカ−チタニア−ジルコニア、石英、アルミナ、ガラスなどの球形状粒子あるいは不定形状粒子を挙げることができる。このうち、シリカとジルコニア、シリカとチタニア、またはシリカと酸化バリウムとを主な構成成分とする複合酸化物が、高いX線造影性を有するため好ましく使用される。また、充填材の形状は、球形状であるのが、耐摩耗性、表面滑沢性、光沢持続性に特に優れた硬化性組成物の硬化体が得られることから、特に好適に用いられる。ここでいう球形状とは、走査型や透過型の電子顕微鏡の撮影像の画像解析において求められる平均均斉度が0.6以上であることを意味する。平均均斉度は0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが更に好ましい。
該充填材の平均粒子径は、0.001〜1ミクロンであることが好ましく、0.01〜0.5ミクロンであることが、耐摩耗性、表面滑沢性、光沢持続性の観点からより好ましい。
該充填材は、重合性単量体のマトリックスとのなじみをよくし、機械的強度や耐水性を向上させるために、表面処理を行ってもよい。表面処理剤としては、一般的にシランカップリング剤が用いられ、特にシリカをベースとする無機粒子系の充填材においてはシランカップリング剤による表面処理の効果が高い。表面処理の方法は公知の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシランなどが好適に用いられる。上記シランカップリング剤は、用いる重合性単量体に合わせて、好適なものを適時選択すればよく、1種類あるいは2種類以上を合わせて用いることができる。
本発明の実施の形態において、充填材の配合量は、目的に応じて選択すればよいが、重合性単量体100質量部に対して通常10〜1000質量部の割合であり、より好ましくは100〜500質量部の割合で使用される。
本発明の歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法においては、重合性単量体および熱重合開始剤を含んでなる硬化性組成物を調製するステップ、該硬化性組成物を該熱重合開始剤の10時間半減期温度の−10℃〜+20℃の温度で10時間以上加熱することによって重合硬化するステップ、を少なくとも含んでなる。
本発明の歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法においては、硬化性組成物が調製される。調製方法は特に限定されず、重合性単量体に熱重合開始剤を加え、溶解するまでマグネチックスターラー、撹拌羽、遠心混合機などを用いて、撹拌混合する方法等が用いられる。熱重合開始剤が分解する事を抑制するため、調製時の温度は用いる熱重合開始剤の10時間半減期温度の−20℃以下である事が好ましく、調製時間は12時間以下である事が好ましい。充填材を配合する場合も同様に特に限定されないが、熱重合開始剤の溶解した重合性単量体に充填材を加え、ライカイ機、プラネタリーミキサー、遠心混合機等を用いて混合し調製してよい。このようにして調製された硬化性組成物は、重合硬化する前に、内部に含まれる気泡を脱泡処理で無くす事が好ましい。脱泡の方法としては公知の方法が用いられ、加圧脱泡、真空脱泡、遠心脱泡等の方法を任意に用いることができる。
本発明の製造方法においては、前記で得られた硬化性組成物を所望の形状に重合硬化するために、成形型に充填した後重合硬化を行うのが好ましい。所望の形状を有した成形型を準備し、この内部に前記硬化性組成物を充填し、重合硬化してもよいし、所望より大きいサイズを有する型に充填してバルク体を製造しておき、所望の形状となるように抜き打ち加工や切削加工を行ってもよい。特に後者の方法を採用した場合、本発明の効果を顕著に得る事ができる。成形型の容積は目的に応じて適宜選択すればよいが、ブロック形状用の場合は10〜50cm、ディスク形状用の場合は50〜200cmの範囲から選択されるのが好ましい。成形型の形状についても同様に、角柱、円柱、角板、円板状であってよく、特に制限はない。
成形型の材質としては、金属、セラミックス、樹脂などを目的に応じて使用する事ができる。実施する重合温度よりも耐熱性が高い材質を用いる事が好ましい。具体的には、SUS、高速度工具鋼、アルミニウム合金、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
本発明の製造方法においては、硬化性組成物を熱重合開始剤の10時間半減期温度の−10℃〜+20℃の温度で10時間以上加熱することによって重合硬化するステップを含む。前記下限温度より低い温度、すなわち、10時間半減期温度−10℃より低い温度で重合する場合、重合硬化を十分行う事が出来ない。前記上限温度より高い温度、すなわち、10時間半減期温度+20℃よりも高い温度で重合する場合、急速な重合反応のため、クラック等の成形不良が発生し易くなる。また、成型不良が生じない場合にも、硬化体内部の残存応力や微少クラックにより、必要な強度が得られない。好ましい温度範囲は、10時間半減期温度に対して、−10℃〜+15℃であり、最も好ましい温度範囲は、−10℃〜+10℃である。重合時間が10時間未満の場合、重合硬化を十分行う事が出来ない。好ましい重合時間は、十分な重合硬化と製造効率の観点から、12時間〜24時間である。
また、この方法では重合時の圧力に制限はない。そのため、任意に加圧や減圧を行ってもよい。その方法に制限はなく、プレスのような機械的加圧やガスを充填した気体による加圧、真空下の減圧などが挙げられる。好ましくは1.0メガパスカル以下であり、より好ましくは大気圧(0.1メガパスカル)〜1.0メガパスカルであり、さらに好ましくは0.3メガパスカル〜0.8メガパスカルである。
このような熱重合開始剤と重合温度の組み合わせによる製造方法を選択することで、重合硬化時の収縮による歪みと内部応力の発生を抑制し、クラック等の成形不良のない歯科切削加工用レジン系材料ミルブランク を得る事ができるだけでなく、歯科補綴物として十分機能する物性まで重合硬化された歯科切削加工用レジン系材料ミルブランク を得る事ができる。この方法は、高圧下での重合や特殊な付帯装置が必ずしも必要ないため、製造装置の耐久性や安全性の確保のために、設備の大型化が不要であり、生産性に優れた方法である。
本発明の製造方法における加熱重合に用いる装置としては、任意のものが使用可能である。具体例として、乾燥機、真空乾燥機、送風乾燥器、インキュベーター、イナードオーブン等を用いる事ができる。
本発明の製造方法においては、前記条件を満たす範囲であれば、本発明の効果を妨げない範囲で、特に制限なく任意の操作を行う事が可能である。例えば、加熱重合温度に到達させる前に予備加熱として温度を緩やかに上昇させる工程、加熱重合工程完了後、徐冷を目的として温度を緩やかに下降させる工程、重合環境を窒素やアルゴンガスなどの不活性ガスで充満する工程、加圧工程、熱処理工程等を、追加あるいは同時に行ってもよい。
前記の加熱重合工程の後に、任意の後工程を行ってもよい。例えば、得られた歯科切削加工用レジン系ミルブランクの熱処理、必要とする形状やより使いやすい形状に修正するための切削加工、研磨などの処理を行うこともできる。この時の熱処理温度は重合温度よりも高温で行ってもよい。
このようにして作製されたミルブランクは、必要に応じて、CAD/CAM装置に保持するためのピン等の固定具を接合し、CAD/CAM用ミルブランク として供する事ができる。これをCAD/CAM装置に接続して、設計に基づいて切削を行うことで、歯冠修復物を得る事ができる
以下に本発明に関する実施例と比較例を示すが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
(原料)
1.熱重合開始剤(10時間半減期温度℃)
BPO:ベンゾイルパーオキサイド(74℃)
tHPO:tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(95℃)
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル(65℃)
2.重合性単量体
UDMA:1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2−4−トリメチルヘキサン
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
3.充填材
F1:シリカ−ジルコニア(球状 平均粒径0.40μm)
F2:シリカ−ジルコニア(球状 平均粒径0.15μm)
F3:シリカ−ジルコニア(球状 平均粒径0.07μm)
(評価方法および評価基準)
後述する実施例、比較例のサンプルについてのクラックおよび曲げ強さ評価は、以下の通りである。
1.クラック評価
後述の方法で硬化させたミルブランクの外部を目視で観察し、クラックの有無を観察した。次に、X線検査装置(松定プレシジョン社製)による観察を行い、内部でのクラックの有無を観察した。○(いずれにもクラックが認められない)、×(いずれかにクラックが認められる)、の2段階で評価した。
2.曲げ強さ評価
後述の方法で硬化させたミルブランクを低速のダイヤモンドカッター(Buehler社製)で切り出し、#1500の耐水研磨紙を用いて、2mm×2mm×25mmの角柱状に整えることで試験片を得た。前期試験片をオートグラフ(島津製作所製)に装着し、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/minの条件で3点曲げ試験を行った。
曲げ強さσは以下に示す式により算出した。なお、前記試験片は実施例および比較例ごとに5本作製し、その平均値をミルブランクの曲げ強さとした。これらミルブランクの曲げ強さを後掲表1に示す。
σ=3PS/2WB2
P:破断時の試験力、S:支点間距離(20mm)、W:幅(2mm)、B:厚さ(2mm)
(実施例1)
総量150gとなるように、重合性単量体UDMAを80質量部、3Gを20質量部混合した。次に、熱重合開始剤BPOを0.3質量部添加し、撹拌後、溶液1を得た。そして、総量500gとなるように溶液1を25質量部、F2を75質量部、プラネタリーミキサー(井上製作所)に投入、混練し、硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物をデシケーターに入れ、30分間減圧し、硬化性組成物中の気泡を除去した。そして、前記硬化性組成物を直径10×厚さ2(cm)のSUS製金型に充填した後、80℃に設定したインキュベーター(ヤマト)に15時間静置した。その後、金型より取り出し、ミルブランクを得た。
(実施例2〜9、比較例1〜3)
表1に記載した組成の硬化性組成物を用いて、表1に記載した各条件での加熱を行うこと以外は、実施例1と同等の方法で作製した。
Figure 0006545036
比較例1は、本発明における適した温度以上で行った例であるが、クラックが発生した。そのために、曲げ強さ評価を行うことが出来なかった。

Claims (2)

  1. 重合性単量体であって、当該重合性単量体100質量部中の50質量部以上が分子内に二つ以上の重合性官能基を有する重合性単量体である重合性単量体(A):100質量部;
    ジルコニア、チタニアまたは酸化バリウムと、シリカと、を主な構成成分とする球状複合酸化物無機充填材(B):100〜500質量部;および
    10時間半減期温度が70〜90℃である熱重合開始剤(C):0.2〜0.8質量部;
    を含有した硬化性組成物を調製する工程、
    前記工程で得られた硬化性組成物を脱泡処理する工程、並びに
    容積が10〜200cm である成形型内に、前記工程で脱泡処理された前記硬化性組成物を充填した後に、前記熱重合開始剤(C)の10時間半減期温度の−10℃〜+20℃の温度で12時間〜24時間加熱することにより重合硬化させる工程、
    を含んでなることを特徴とする歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法。
  2. 前記重合性単量体(A)における、分子内に二つ以上の重合性官能基を有する重合性単量体が、1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2−4−トリメチルヘキサン及びトリエチレングリコールジメタクリレートを含む請求項1に記載の製造方法。
JP2015162809A 2015-08-20 2015-08-20 歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法 Active JP6545036B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015162809A JP6545036B2 (ja) 2015-08-20 2015-08-20 歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015162809A JP6545036B2 (ja) 2015-08-20 2015-08-20 歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017039665A JP2017039665A (ja) 2017-02-23
JP6545036B2 true JP6545036B2 (ja) 2019-07-17

Family

ID=58206201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015162809A Active JP6545036B2 (ja) 2015-08-20 2015-08-20 歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6545036B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7066150B2 (ja) * 2018-03-30 2022-05-13 株式会社トクヤマデンタル 歯科切削加工用レジン材料の製造方法
WO2021153446A1 (ja) * 2020-01-28 2021-08-05 株式会社トクヤマデンタル ポリウレタン系複合材料の製造方法、ポリウレタン系複合材料および歯科切削加工用材料

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10172695B2 (en) * 2012-07-31 2019-01-08 Kuraray Noritake Dental Inc. Method for manufacturing dental mill blank

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017039665A (ja) 2017-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6170922B2 (ja) 歯科用ミルブランクの製造方法
KR102575314B1 (ko) 치과용 경화성 조성물
JP6929014B2 (ja) 歯科用ミルブランクの製造方法
WO2019131756A1 (ja) 歯科用ミルブランクおよびその製造方法
JP2020536078A (ja) 曲げ強さおよび弾性係数の割合を調節した歯科コンポジット材料および該コンポジット材料の切削ブランク
JP2021509318A (ja) 歯科用コンポジットブランク及びその製造方法
JPH02221211A (ja) 二官能のアクリル酸エステル類あるいはメタクリル酸エステル類を含む歯科用組成物
JP6545036B2 (ja) 歯科切削加工用レジン系ミルブランクの製造方法
US11311357B2 (en) Dental composite material and mill blanks consisting of said composite material
AU2016346439B2 (en) Curable composition, curable composition for dental use, and organic-inorganic composite particles for dental use
US11311350B2 (en) Resin cured body for dental cutting processing improved in adhesive property
US10449124B2 (en) Polymerizable composition for dental use
JP6806547B2 (ja) 歯科用硬化性組成物
JP6369932B2 (ja) 歯科用補綴物の作製方法
JP7203836B2 (ja) 歯科コンポジット材料および該コンポジット材料の切削ブランク
JP2016013997A (ja) 連鎖移動剤を含む歯科切削加工用コンポジットレジン材料組成物
JP2019116430A (ja) 歯科用ミルブランク
JP2019098074A (ja) 歯科用ミルブランクの製造方法
JP7077329B2 (ja) 歯科用ミルブランクおよびその製造方法
JP2017036224A (ja) 歯科切削加工用レジン系ブロック及びその製造方法
WO2020166667A1 (ja) 歯科用ミルブランク
JP2022052540A (ja) 歯科用ミルブランク製造用の容器、及び歯科用ミルブランクの製造方法
JP2019116438A (ja) 歯科用硬化性組成物
JP2020068871A (ja) クラウンコア一体型歯科用ミルブランク
JP2019099539A (ja) 歯科用ミルブランク製造用の無機充填材複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6545036

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250